JP7062933B2 - 包装材、包装容器及び蓋体 - Google Patents

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Description

本発明は、包装材、これを用いた包装容器及び蓋体に関する。
絵柄印刷により装飾が施されるプラスチック系包装材には、基材の外層側に絵柄印刷層が形成される、いわゆる表刷りのものと、透明基材の内層側に絵柄印刷層が形成される、いわゆる裏刷りのものとがある。
表刷りの場合は、あらゆる基材に印刷することができ、印刷イメージどおりの外観が得られやすい。その反面、包装材の外表面への衝撃や摩擦等により絵柄印刷に傷や剥離が生じやすいという短所がある。
これに対して、裏刷りは、透明基材の内層側(裏側)に印刷されるため、包装材の外表面への衝撃や摩擦等に対しても、絵柄印刷の傷や剥離は生じにくいという長所を有している。また、裏刷りによる絵柄は、例えば、特許文献1に記載されているように、透明基材を通して包装材の外表面から視認されるため、視認者側では、透明基材によって平滑化され、光沢性が付与され、高級感が得られる。
また、裏刷りした包装材の光沢を調整して装飾効果を高めるために、透明基材の外層側の表面に透明マット層を形成することも従来から行われている。
特開2017-81589号公報
しかしながら、透明基材表面の全面にマット層が形成されていると、絵柄全体が艶消しされて、高級感に欠ける印象となる場合がある。また、絵柄全体がマット層を通して視認されるために、該絵柄による装飾効果が弱まり、絵柄の光沢性のコントラストによるインパクトにも欠けることとなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、絵柄が裏刷りの包装材において、絵柄による装飾効果をより高めた包装材、これを用いた包装容器及び蓋体を提供することを目的とする。
本発明は、絵柄の一部の領域で光沢感を生じさせ、それ以外の領域では光沢感を抑制してマット感を生じさせることにより、装飾効果をより高めることができることを見出したことに基づくものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[3]を提供するものである。
[1]少なくとも、透明マット層、透明基材、絵柄印刷層及び地色印刷層が、この順に外層側から積層された構成を備え、前記絵柄印刷層により絵柄が形成されてなる領域の前記外層側の表面の一部に、下記(a)及び(b)の少なくともいずれかの構成を有する、包装材。
(a)前記透明マット層の外層側表面に積層されたクリア層
(b)前記透明マット層の未積層部分
[2]少なくとも一部が、上記[1]に記載の包装材で形成されている包装容器。
[3]容器本体の収容部を封止するように前記容器本体に接合される蓋体であって、上記[1]に記載の包装材で形成されている蓋体。
本発明によれば、絵柄が裏刷りの包装材において、絵柄による装飾効果を高めた包装材を提供することができる。また、前記包装材を用いて、意匠性に優れた包装容器及び蓋体を提供することができる。
本発明の包装材の積層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の包装材の積層構成の他の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の包装材、並びに前記包装材を用いた包装容器及び蓋体について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書中の「AA~BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
[包装材]
図1に、本発明の包装材の一態様における厚み方向の積層構成の概略を示す。また、図2に、本発明の包装材の他の一態様における厚み方向の積層構成の概略を示す。これらの図においては、上が外層側(表面側)であり、下が内層側(裏面側)である。図1及び図2に示すように、本発明の包装材1は、少なくとも、透明マット層2、透明基材3、絵柄印刷層4及び地色印刷層5が、この順に外層側から積層された構成を備えている。そして、絵柄印刷層4により絵柄が形成されてなる領域の前記外層側の表面の一部に、下記(a)及び(b)の少なくともいずれかの構成を有することを特徴とする。
(a)透明マット層2の外層側表面に積層されたクリア層6
(b)透明マット層2の未積層部分
このような包装材によれば、裏刷りの絵柄による装飾効果を高めることができる。上記の(a)及び(b)の構成は、一の包装材において、いずれか一方のみを有していてもよく、また、両方を有していてもよい。
なお、積層構成においては、透明マット層2、透明基材3、絵柄印刷層4及び地色印刷層5が、この順に外層側から積層されていればよく、その他の層を構成層として含んでいてもよい。図1及び図2に示す包装材1においては、地色印刷層5の内層側(裏面)に、その他の構成層として、中間層7及びシーラント層8が、この順に外層側から積層された構成を備えている。
図1に示す包装材1は、透明基材3の裏面の一部に絵柄印刷層4が形成され、絵柄印刷層4の裏面側に、透明基材3の全面にわたって地色印刷層5が形成されている。透明基材3に対して、絵柄印刷層4、及び地色印刷層5を、順次、裏刷りで形成していくことにより、このような層構成が得られる。
透明基材3の表面には、該透明基材3の全面にわたって透明マット層2が形成されている。透明マット層2の表面には、絵柄印刷層4により絵柄が形成されてなる領域の一部に、クリア層6が形成されている。すなわち、図1は、上記の(a)の構成を有する包装材1を示している。なお、図1は、絵柄印刷層4が有彩色層4a及び光輝性印刷層4bを有し、光輝性印刷層4bの光沢感を高めるように構成された例を示したものである。
このように、クリア層6が、絵柄印刷層4の一部の絵柄に対応する領域に形成されていることにより、該領域の絵柄は、光沢感が高まり、他の領域の絵柄と比較して、強調されているように視認することができる。
図2に示す包装材1は、透明基材3の裏面の一部に絵柄印刷層4が形成され、絵柄印刷層4の裏面側に、透明基材3の全面にわたって地色印刷層5が形成されている構成、すなわち、透明基材3から内層側の層構成は、図1と同様である。
透明基材3の表面には、絵柄印刷層4により絵柄が形成されてなる領域の一部を除く領域に、透明マット層2が形成されている。すなわち、図2は、上記の(b)の構成を有する包装材1を示している。なお、図2は、絵柄印刷層4が有彩色層4a及び光輝性印刷層4bを有し、光輝性印刷層4bの光沢感を高めるように構成された例を示したものである。
このように、絵柄印刷層4の絵柄に対応する領域に、透明マット層2の未積層部分を有していることにより、該領域の絵柄は、透明基材3を通して視認される該絵柄の光沢感を損なうことなく、他の領域の絵柄と比較して、強調されているように視認することができる。
(透明基材)
透明基材3は、包装材1の基材であるとともに、絵柄印刷層4が裏刷りされる場合の印刷基材となる。透明基材3は、絵柄印刷層4を外層側から視認できるように、光透過性を有する材料で構成される。透明基材3は、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。また、JIS K7136:2000のヘイズが1.0%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下である。
透明基材3の厚みは、特に限定されるものではなく、包装材1の用途に応じて適宜設定することができるが、通常、5~50μm程度であることが好ましく、より好ましくは8~40μm、さらに好ましくは10~25μmである。
透明基材3の構成材料としては、例えば、プラスチックフィルムやセロファン、透明紙等が挙げられる。一般的には、プラスチックフィルムが好適に用いられる。
プラスチックフィルムの材料としては、具体的には、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。これらの中でも、汎用性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、耐熱性や強度等の観点からは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。
プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。また、上記のうちの2種以上の樹脂のフィルムが積層された複合フィルムであってもよい。また、プラスチックフィルムは、インフレーション法、あるいはまた、溶融押出しコーティング法で形成されたものであってもよい。
包装材が電子レンジ用やレトルト容器として用いられる場合、プラスチックフィルムは耐熱性に優れているものが好ましい。耐熱性に優れたプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂等が挙げられる。
電子レンジ用やレトルト容器用の包装材のプラスチックフィルムの具体例としては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルムが挙げられる。前記複合フィルムの例としては、PET/Ny/PET、外層側からPET/Nyの構成からなる共押出し延伸フィルムが挙げられる。また、前記複合フィルムとしては、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムのいずれか1種以上と、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム及びポリ塩化ビニリデンフィルムのいずれか1種以上とを組み合わせることも好ましい。
(絵柄印刷層)
絵柄印刷層4は、透明基材3の裏面に形成される。絵柄印刷層4とは、例えば、文字、図形、記号、模様、パターン等を含む広い概念である。絵柄印刷層4は、他の基材層やシーラント層等の表面に表刷りで形成した後、透明基材3の裏面に接着剤で貼り合わせて形成されるものであってもよいが、外層側から絵柄をよりシャープに視認できるようにする観点から、透明基材3に裏刷りで形成されることが好ましい。絵柄印刷層4は、1層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
絵柄印刷層4の総厚みは、特に限定されるものではないが、通常、1~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5~5μmである。また、絵柄印刷層4は、透明基材3に対して全面印刷であっても、部分印刷であってもよい。
なお、絵柄印刷層を透明基材の外層側(表面)に表刷りで形成した場合、該絵柄印刷層の表面に透明マット層を形成すると、透明マット層の表面形状は、該透明マット層の下層の絵柄印刷層の表面形状に追従しやすくなる。このため、透明マット層の表面形状は、絵柄印刷層の表面凹凸の影響を受けて不均一になりやすく、絵柄の艶消しの程度にムラが生じ、装飾効果を低下させ、高級感が損なわれることとなる。また、この場合、絵柄印刷層の絵柄上にクリア層を形成しても、クリア層を透過した光が絵柄印刷層の表面凹凸で拡散反射するため、光沢性を十分に高めることができない。
これに対して、透明基材3の内層側(裏面)に絵柄を設けた場合には、透明マット層2は、該透明基材3の外層側に、絵柄印刷層4を介することなく形成されるため、絵柄印刷層4の表面凹凸の影響を受けず、外層側から視認される絵柄は均一な艶消し効果が得られる。また、絵柄印刷層4の外層側の表面形状は、透明基材3の表面形状に対応して略平滑であるため、透明基材3等を透過して絵柄印刷層4に到達した光が拡散反射されず、光沢性を十分に高めることができる。
絵柄印刷層4は、通常、バインダー樹脂や溶剤からなるビヒクルを主成分とし、これに、染料や顔料等の着色剤が添加混合されたインキを用いた印刷により形成される。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
絵柄の光沢感による装飾効果を高める観点から、絵柄印刷層4は、有彩色層4a及び光輝性印刷層4bの少なくともいずれかを含むことが好ましい。有彩色層4a及び光輝性印刷層4bの両方が形成される場合、包装材1の厚み方向の同じ位置に並列して形成されてもよく、あるいはまた、一部が厚み方向に重なるように形成されていてもよい。前記(a)及び/又は(b)の構成に対応する絵柄印刷層の少なくとも一部が光輝性印刷層4bであることが好ましい。
有彩色層4aの着色剤としては、汎用の染料や顔料(例えば、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料)を使用することができる。
光輝性印刷層4bは、光輝性顔料を含むインキを用いて印刷された層である。光輝性顔料としては、パール顔料や金属鱗片等が挙げられる。これらのうち、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。包装材に電子レンジ加熱やレトルト処理に対する耐性を付与する観点からは、パール顔料が好ましい。一方、絵柄により高い金属光沢性を付与する観点からは、金属鱗片が好ましい。
パール顔料としては、例えば、白色パール顔料、干渉パール顔料、着色パール顔料等が挙げられる。
白色パール顔料は、雲母の被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが0.1~0.15μm程度と比較的小さいものであり、光のほぼすべての波長を反射するため、白色もしくは銀色に見える。
干渉パール顔料は、雲母の被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが白色パール顔料よりも大きく、0.15μm超のものである。この厚みによって、反射光及び透過光が変化し、種々の干渉色を生じる。虹彩色パール顔料や偏光パール顔料と呼ばれる場合もある。
着色パール顔料は、有彩色であり、雲母の被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの、白色パール顔料の周囲をさらに酸化第二鉄等の有色高屈折率材料もしくはその他の有色顔料で被覆したもの、又は、雲母の被覆層中に顔料やその他の着色剤を添加したもの等がある。
パール顔料としては、より高い輝度で、あらゆる方向から見ても高級感を付与するパール塗色を得る観点からは、白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上と、着色パール顔料のうちから選ばれる1種以上とを含むことが好ましい。白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上としては、白色パール顔料が好ましく、着色パール顔料のうちから選ばれる1種以上としては、雲母の被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの及び白色パール顔料の周囲を有色高屈折率材料で被覆したものが好ましい。
この場合、特に、あらゆる方向から見ても深みのある金色の光沢感を得るためには、着色パール顔料として、白色パール顔料の周囲を酸化第二鉄で被覆した着色パール顔料又は雲母の被覆層が酸化第二鉄である着色パール顔料を用いることが好ましく、さらには、白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上として、白色パール顔料を用いることがより好ましい。
白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上(A)と、着色パール顔料のうちから選ばれる1種以上(B)とを組み合わせて用いる場合、A:Bは、質量比で、1:0.2~1:20であることが好ましく、より好ましくは1:0.5~1:15、さらに好ましくは1:1~1:10である。
光輝性印刷層4b中のパール顔料の含有量は、光沢性を得るのに十分な量とする観点から、光輝性印刷層4b中の40~90質量%であることが好ましく、より好ましくは50~85質量%、さらに好ましくは60~80質量%である。
パール顔料の粒径は、特に限定されるものではなく、平均長さが5~60μmであることが好ましく、より好ましくは5~30μmである。なお、パール顔料の平均長さは、光学顕微鏡で観察した任意の20個の粒子の長径の平均値として求められる。
金属鱗片としては、アルミニウム、金、銀、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等の金属や合金が挙げられる。
金属鱗片は、例えば、前記金属又は合金をプラスチックフィルム上に真空蒸着してなる金属薄膜をプラスチックフィルムから剥離し、剥離した金属薄膜を粉砕、撹拌した得られたものや、前記金属又は合金の粉末と溶剤とを混合し、媒体撹拌ミル、ボールミル、アトライター等で、該粉末を展延及び/又は粉砕して得られたもの、さらに、これらの表面が樹脂コートされたもの等を用いることができる。
光輝性印刷層4b中の金属鱗片の含有量は、包装材1で電子レンジ用の容器が形成される場合の電子レンジ耐性の観点からは、光輝性印刷層4b中の3質量%以上40質量%未満であることが好ましく、より好ましくは10~30質量%である。
金属鱗片は、光輝性印刷層4b中での均一な分散性の観点から、平均長さが1~50μmであることが好ましく、より好ましくは2~30μm、さらに好ましくは5~20μmである。また、取り扱い性及び高い金属光沢性を得る観点から、平均厚みが0.01~5μmであることが好ましく、より好ましくは0.02~3μm、さらに好ましくは0.05~1μmである。また、金属鱗片のアスペクト比(平均長さ/平均厚み)は、15~500であることが好ましい。
なお、金属鱗片の平均長さ及び平均厚みは、平滑な基材上に金属鱗片を散布した状態で、レーザ干渉式の三次元形状解析装置を用いて、20個の金属鱗片の長さ及び厚みを測定し、これらの測定値の各平均値として求められる。1個の金属鱗片の長さは、任意の軸方向において金属鱗片を平面観察した際の最大径(長さ)を意味する。1個の金属鱗片の厚みは、前記軸方向に垂直な方向(断面)における金属鱗片の最大厚み(長さ)を意味する。例えば、三次元形状解析装置による測定結果の処理画像のX軸方向を任意の軸方向(測定方向)とした場合、X軸と平行な方向において求めた1個の金属鱗片の最大径を、1個の金属鱗片の長さとする。仮に、X軸と平行ではない方向における長さが前記最大径よりも大きい場合であっても、その長さを最大径とはみなさない。レーザ干渉式の三次元形状解析装置としては、例えば、キーエンス社製の形状解析レーザ顕微鏡「VK-Xシリーズ」を用いることができる。
インキに用いられるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂や塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロースやエチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴムや環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インキに用いられる溶剤としては、例えば、メタノールやエタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル等のエステル系溶剤、ノルマルヘキサンやノルマルヘプタン、ノルマルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサンやメチルシクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素系溶剤、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤、ミネラルスピリット等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、印刷時の作業環境及び被包装物への影響が懸念されるような場合には、これらのうち、特に、芳香族系溶剤は含まないことが好ましい。
また、インキには、必要に応じて、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
(地色印刷層)
地色印刷層5は、絵柄印刷層4の絵柄を引き立てたり、外層側から被包装物への光の透過を遮断したりする等の観点から、絵柄印刷層4の内層側に形成される。地色印刷層5は、上述した絵柄印刷層4と同様の方法を用いて形成することができ、絵柄印刷層4の裏面に裏刷りして形成されることが好ましい。地色印刷層5を形成するための印刷用インキのバインダー樹脂、溶剤及び添加剤は、上記の絵柄印刷層4についてのものと同様のものを用いることができる。
地色印刷層5は、絵柄印刷層4の裏面全面に形成されてもよく、絵柄印刷層4の裏面の一部に形成されてもよい。地色印刷層の総厚みは、1.5~5μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5~3μmである。
地色印刷層5は、黒色地色層及び白色地色層の少なくともいずれかを含むことが好ましい。また、絵柄印刷層4の絵柄を引き立てる役割や、印刷効率等の観点から、地色印刷層5は、単色ベタ印刷であることが好ましい。なお、絵柄印刷層4の絵柄を有していない部分の外層側から見える地色印刷層5が、文字、図形、記号、模様、パターン等として視認されるものとすることもできる。
<黒色地色層>
絵柄印刷層4が、特に光輝性印刷層4bを含む場合、該光輝性印刷層4bによる光沢感の深みや重厚感を増す観点からは、黒色地色層が好ましい。黒色地色層は、JIS Z8781-4:2013に準拠して測定される国際照明委員会(CIE)規格のL***表色系のL*値が20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
黒色地色層を形成する印刷においては、黒色の染料や顔料等を着色剤としたインキが用いられ、地色として安定した黒色を発色させる観点から、着色剤は黒色顔料であることが好ましい。黒色地色層中の黒色顔料の含有量は、地色としての安定した発色及び印刷塗膜強度のバランスの観点から、黒色地色層を構成する全固形分の10~50質量%であることが好ましく、より好ましくは15~45質量%、さらに好ましくは20~40質量%である。
黒色顔料としては、カーボンブラックやチタンブラック等の汎用黒色顔料を用いることができる。ただし、包装材1が電子レンジ用である場合は、これらの汎用黒色顔料は、該汎用黒色顔料が存在する部分が、電子レンジのマイクロ波により局所的に過熱されて穴が開くおそれがあるため、黒色地色層中の含有量を抑制する等の配慮が必要である。
また、黒色顔料としては、近赤外線反射性又は近赤外線透過性を有する黒色顔料も好ましい。近赤外線反射性を有する黒色顔料としては、マンガンを必須とし、これに少なくとも1種のマンガン以外の金属元素を含んでなる複合酸化物が挙げられ、近赤外線透過性を有する黒色顔料としては、アゾメチンアゾ系顔料、ペリレン系顔料等が挙げられる。
前記複合酸化物は、近赤外線反射性を有しているため、包装材1に被包装物の保温性を付与する上で好ましい。複合酸化物に含まれるマンガン以外の金属元素は、1種単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。複合酸化物に含まれるマンガン以外の金属元素としては、例えば、カルシウム、バリウム等の第2族元素;イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム等の第3族元素;チタン、ジルコニウム等の第4族元素;ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム等の第13族元素;アンチモン、ビスマス等の第15族元素等の金属元素が挙げられる。これらの中でも、第2族元素、第4族元素、第15族元素が好ましく、カルシウム、チタン及びビスマスがより好ましく、カルシウム及びチタンがさらに好ましい。複合酸化物の特に好ましい具体例としては、マンガン、カルシウム及びチタンを含む複合酸化物が挙げられる。
複合酸化物の構造は、特に限定されるものではないが、安定した構造やその発色等の観点から、ペロブスカイト構造、斜方晶構造、六方晶構造等であることが好ましく、ペロブスカイト構造であることがさらに好ましい。
マンガン系複合酸化物は、例えば、国際公開公報WO2016/125906A1に記載されている。
アゾメチンアゾ系顔料は、テトラクロロフタルイミドとアミノアニリンの反応化合物であるジアゾニウム基を有するものである。
ペリレン系顔料は、ペリレンテトラカルボン酸二無水物の六員環を構成している酸素原子2個を脱落させた構造を有する顔料であり、例えば、ペリレンブラック等が挙げられる。
<白色地色層>
絵柄印刷層4が、特に有彩色層4aを含む場合、該有彩色層4aによる彩色を引き立てる観点からは、白色地色層が好ましい。また、白色地色層は、被包装物の種類等によっては、該被包物の印象を良くすることができる。
白色地色層を形成する印刷においては、チタン白、亜鉛華、リトポン等の汎用の白色顔料を着色剤としたインキを用いることができる。なお、着色剤には、白色地色層の色味を調整するために、白色顔料以外の染料や顔料を含んでいてもよい。白色地色層中の白色顔料の含有量は、地色としての安定した発色及び印刷塗膜強度のバランスの観点から、白色地色層を構成する全固形分の10~50質量%であることが好ましく、より好ましくは15~45質量%、さらに好ましくは20~40質量%である。
(透明マット層)
透明マット層2は、外層側表面の凹凸によって、外層側から視認される絵柄印刷層4の絵柄を艶消しするために形成される。透明マット層2により艶消しされた絵柄と、前記(a)又は(b)の構成を備えた領域の光沢性の高い絵柄とのコントラストにより、外層側から視認される絵柄全体の装飾効果を高めることができる。
透明マット層2の厚みは、1~15μm程度であることが好ましく、より好ましくは2~10μm、さらに好ましくは2.5~7μmである。
透明マット層2は、外層側表面の凹凸形状に関し、外層側表面のJIS B0601:1994に準じて測定されるカットオフ値0.8mmでの最大高さRyが8μm以下であることが好ましく、より好ましくは6μm以下である。最大高さRyが8μm以下であることにより、透明マット層2により艶消しされた絵柄と、光沢性の高い絵柄(構成(a)及び/又は(b)を有する箇所の絵柄)とのコントラストがよりはっきりとしたものとなる。特に、前記構成(a)において、透明マット層2の外層側表面にクリア層6が積層されている場合、透明基材3、透明マット層2及びクリア層6を通して視認される絵柄印刷層4の絵柄が、透明マット層2により艶消しされた絵柄に対して、相対的に強い光沢感を生じて強調されるようにする観点から、透明マット層2は、上記のような表面形状を有していることが好ましい。
また、外層表面の滑り性の観点から、最大高さRyの下限は、1μm以上であることが好ましく、より好ましくは2μm以上である。
なお、本発明における最大高さRyは、透明マット層2の外層側表面における流れ方向(MD)で10箇所、及びMD方向の直角方向(TD)で10箇所の合計20箇所で測定した粗さ曲線についてのカットオフ値0.8mmでの平均値である。
また、外層側から視認される絵柄印刷層4の絵柄を十分に艶消しする観点から、透明マット層2は、外層側表面のJIS B0601:1994に準じて測定されるカットオフ値0.8mmでの算術平均粗さRaが0.2μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.3μm以上である。また、絵柄の白ボケを防止する観点から、算術平均粗さRaの上限は、2μmであることが好ましく、より好ましくは1μm以下である。
なお、本発明における算術平均粗さRaは、透明マット層2の外層側表面における流れ方向(MD)で10箇所、及びMD方向の直角方向(TD)で10箇所の合計20箇所で測定した粗さ曲線についてのカットオフ値0.8mmでの平均値である。
また、絵柄印刷層4の絵柄による高級感を高める観点からは、透明マット層2の表面粗さの均一性が高いことが好ましいため、前記最大高さRyと前記算術平均粗さRaとの比Ry/Raが、12以下であることが好ましく、より好ましくは10以下である。また、印刷ムラや絵柄の荒れや傷等の欠陥が目立つことによる歩留まり低下を抑制する観点から、Ry/Raの下限は、2以上であることが好ましく、より好ましくは4以上である。
透明マット層2は、例えば、バインダー樹脂及びマット剤を含むマットインキ(透明マット層用インキ)を用いた印刷により形成することができる。印刷方式は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
バインダー樹脂としては、2液硬化型樹脂を用いることが好ましい。2液硬化型樹脂としては、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型樹脂が好ましい。
ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオール等が挙げられ、これらのうち、アクリルポリオールが好ましい。アクリルポリオールとしては、塩化ビニル変性アクリルポリオール、塩化ビニル-酢酸ビニル変性アクリルポリオール、塩素化ポリオレフィン変性アクリルポリオール、メチル(メタ)アクリレート-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、オクチル(メタ)アクリレート-エチルヘキシル(メタ)アクリレート-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート-ブチル(メタ)アクリレート-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート-スチレン共重合体等が挙げられるが、これらのうち、塩化ビニル変性アクリルポリオールが好ましい。
また、イソシアネートとしては、公知の化合物を使用することができる。例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(略称:TDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(略称:HMDI)、イソホロンジイソシアネート(略称:IPDI)、メチレンジイソシアネート(略称:MDI)、キシリレンジイソシアネート(略称:XDI)、水素添加トリレンジイソシアネート;水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。また、これらのイソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリメチルプロパンのTDI付加体、TDIの3量体等も挙げられる。
マット剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、アルミノシリケート、硫酸バリウム等の無機物、アクリルビーズ、ポリエチレン、ウレタン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロン)等の有機高分子等からなる粒子が挙げられ、これらのうち、シリカ粒子が好ましい。粒子の形状は、例えば、多面体、球形、鱗片状等が挙げられる。粒子の平均粒径は、0.1~15μmであることが好ましく、より好ましくは0.5~10μmである。なお、マット剤の粒子の平均粒径は、レーザ光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として求められる。
マット剤は、透明マット層2の透明性(光透過性)を保持しつつ、外層側から視認される絵柄印刷層4の絵柄を十分に艶消しする観点から、透明マット層2中の含有量が全固形分の2~50質量%となるように添加されることが好ましく、より好ましくは5~40質量%となるように添加される。
マットインキにおける溶剤としては、上記の絵柄印刷層4におけるインキについてのものと同様のものを用いることができる。
また、マットインキには、さらに、必要に応じて、艶消し効果等の透明マット層2の機能を妨げない範囲において、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤等の任意の添加剤を添加することができる。
(クリア層)
クリア層6は、図1に示す包装材1の場合に、前記(a)の構成として、透明マット層5の外層側表面に形成され、光透過性を有する。クリア層6は、それが形成されている領域の絵柄を、透明マット層2により艶消しされた絵柄に対して、相対的に光沢感を高めて強調することができる。
クリア層6の厚みは、0.5~15μm程度であることが好ましく、より好ましくは1~10μm、さらに好ましくは2~7μmである。
クリア層6は、光沢性を付与する絵柄の領域の透明マット層5の外層側表面に、例えば、グロスニス(OPニス)でコーティングすることにより形成することができる。このような部分的なコーティングは、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷により行うことができる。これらのうち、グラビア印刷、フレキソ印刷が好ましい。
グロスニスとしては、水性ニス及び油性ニスのいずれを用いることもできる。
水性ニスとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル-スチレン共重合体等の樹脂成分を、水と少量の揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類やアセトン、メチルエチルケトン、エチルアセテート等が挙げられる。
油性ニスとしては、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等の樹脂成分を、揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
水性ニス及び油性ニスには、さらに、必要に応じて、潤滑剤や界面活性剤等の添加剤を添加することができる。水性ニス及び油性ニス中の樹脂成分は、40~85質量%であることが好ましい。
(中間層)
中間層7は、図1及び図2に示すように、地色印刷層5とシーラント層8との間に、必要に応じて設けることができる。中間層7としては、例えば、ガスバリア層やプラスチックフィルム層等が挙げられ、これらの層は、両面に接する層と接着剤(層)を介して接合することにより形成することができる。
中間層7の総厚みは、1~50μm程度であることが好ましく、より好ましくは2~140μm、さらに好ましくは3~30μmである。
<ガスバリア層>
ガスバリア層は、包装材1による被包装物と包装材1の外部環境との間で、酸素や水蒸気等の透過を遮断するものである。また、可視光や紫外線等の透過を遮断する遮光性をも付与するものであってもよい。ガスバリア層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。ガスバリア層は、公知の材料により構成することができ、例えば、アルミ箔や、プラスチックフィルム表面に蒸着膜や塗布膜を形成した構成とすることができる。塗布膜を形成する場合は、ガスバリア性の向上の観点から、蒸着膜の表面に形成されることが好ましい。
なお、前記プラスチックフィルム表面は、蒸着膜や塗布膜の密着性向上の観点から、予め表面処理を施しておいてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスや窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化剤処理、アンカーコート剤の塗布等が挙げられる。
前記蒸着膜としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウム等の無機物又はこれらの酸化物により形成することができる。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。
蒸着膜の膜厚は、成膜材料や要求されるガスバリア性能等によって異なるが、通常、5~200nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~150nm、さらに好ましくは10~100nmである。ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物等の無機酸化物の場合は、5~100nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~50nm、さらに好ましくは10~30nmである。
前記塗布膜としては、例えば、一般式R1 M(OR2m(式中、R1、R2は炭素数1~8の有機基、Mは金属原子である。nは0以上の整数、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価である。)で表される1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール共重合体とを、ゾル-ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾル-ゲル法により重縮合して得られた塗工液を塗布し、50~300℃で、0.05~60分間加熱処理することにより形成することができる。
塗布方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段により行うことができる。1回又は複数回の塗布で、塗布膜の乾燥膜厚が0.01~30μm程度となることが好ましく、より好ましくは0.05~20μm、さらに好ましくは0.1~10μmである。
<プラスチックフィルム層>
中間層におけるプラスチックフィルム層は、包装材1の強度の向上や加工適性の向上、他の層を形成するための基材として、必要に応じて設けられる。
プラスチックフィルム層の構成材料としては、具体的には、透明基材3と同様の材料を用いることができる。
電子レンジでの加熱やレトルト処理の観点から、耐熱性を高めるために、中間基材層は耐熱性に優れるものが好ましい。耐熱性に優れる中間基材層の具体例としては、電子レンジ用、レトルト容器用の包装材における透明基材として例示したプラスチックフィルムが挙げられる。
<接着剤層>
包装材1の各構成層は、各層間の接合強度の向上の観点から、接着剤層を介して積層されていてもよい。ただし、絵柄印刷層4よりも外層側では、絵柄の視認性や光沢感に影響を及ぼさないことを条件として、接着剤を使用することができる。
接着剤層の各厚みは、0.01~20μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.05~15μm、さらに好ましくは0.1~10μmである。
接着剤層は、公知のドライラミネート用接着剤を用いた方法により形成することができる。ドライラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂やメラミン樹脂等によるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネートとの硬化物)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴムやニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等によるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケートや低融点ガラス等による無機系接着剤等が挙げられる。
(シーラント層)
図1及び図2に示すように、地色印刷層5の内層側には、シーラント層8が積層されていることが好ましい。
シーラント層8は、包装材1の最内層に形成され、内層側の面が被包装物と直接接触し、被包装物を保護するものであり、特に、包装材1で液状物の包装容器が形成される場合には、シーラント層8は液状物に対する耐浸透性を有していることが好ましい。また、包装材1で密閉容器が形成される場合には、シーラント層8がヒートシールされることにより、密封性を確保できることが好ましい。シーラント層8は、1層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
シーラント層8の総厚みは、特に限定されるものではなく、包装材1の用途及び被包装物の種類や性質等に応じて適宜設定されるが、通常、10~200μm程度であることが好ましい。包装材1でパウチ(特にレトルトパウチ)が形成される場合、シーラント層8の厚みは、より好ましくは20~150μm、さらに好ましくは30~100μmである。また、包装材1で蓋体が形成される場合、シーラント層8の総厚みは、より好ましくは15~80μm、さらに好ましくは20~60μmである。
シーラント層8を構成する材料としては、例えば、低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。
シーラント層8は、ヒートシールの際の収縮抑制の観点から、前記樹脂からなる無延伸フィルムであることが好ましい。
また、電子レンジ加熱やレトルト処理における耐熱性の観点から、シーラント層8は、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のPP系樹脂、HDPE等の耐熱性に優れた樹脂で形成されることが好ましい。PP系樹脂については、目的に応じて使い分けられることが好ましく、例えば、耐冷凍性を重視する場合はエチレン-プロピレンブロック共重合体、また、透明性を重視する場合はエチレン-プロピレンランダム共重合体、また、耐熱性が重視される場合はプロピレン単独重合体が好ましい。また、包装材1で電子レンジ用の自動蒸通機構を備えた包装容器が形成される場合は、高温時にシーラント層8でシール強度が低下し、包装容器内の蒸気を抜けやすくする観点から、エチレン-プロピレンブロック共重合体が好ましい。
また、包装材1で蓋体が形成される場合、シーラント層8は、イージーピール性を有していることが好ましい。イージーピール性とは、例えば、容器本体の収容部を封止するように前記容器本体に接合される蓋体において、容器本体から蓋体を剥離して開封する際に、剥離しやすいという特性である。
イージーピール性を有するシーラント層8は、2種以上の樹脂を用いて形成することができ、具体的には、容器本体との密着性が良好である一の樹脂と、容器本体との密着性が良好ではなく、かつ、前記一の樹脂と非相溶である他の樹脂とを混合することにより形成することができる。例えば、容器本体がポリプロピレン製である場合、前記一の樹脂としてポリプロピレン単独重合体と、ポリエチレン、ポリブテン、ポリスチレン等他の樹脂との混合樹脂でシーラント層8を形成することが好ましい。なお、シーラント層8が多層構成である場合、該シーラント層は、容器本体と接合される最内層のみがイージーピール性を有していれば足りる。
[包装容器]
包装材1を用いて、各種包装容器を形成することができる。包装容器としては、例えば、パウチや蓋付容器が挙げられる他、カップやトレーが挙げられる。包装容器は、全体が包装材1で形成されていてもよく、あるいはまた、一部が包装材1で形成されていてもよい。本発明の包装材1を用いた包装容器は、該包装容器に収容される内容物を販売するのに際し、光沢感にコントラストを有する絵柄が形成されている包装材1によって、内容物の高級感を購買者に印象づけることができるため、例えば、食品容器や化粧品容器等に好適に用いることができる。
[蓋体]
包装材1は、これを用いて、上記のシーラント層8の説明で述べたように、容器本体の収容部を封止するように該容器本体に接合される蓋体を形成することもできる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
[包装材の作製]
(実施例1)
以下のようにして、図1に示す態様の包装材1を作製した。
透明基材(1)の内層側(裏面)の一部に、下記組成の光輝性印刷層用インキをグラビア印刷で裏刷りし、厚み1.0μmの光輝性印刷層を形成し、また、光輝性印刷層が形成されていない箇所の一部に、下記組成の有彩色層用インキをグラビア印刷で裏刷りし、厚み1.0μ mの有彩色層を形成することにより、光輝性印刷層及び有彩色層を有する絵柄印刷層を形成した。次いで、絵柄印刷層上に、下記組成の黒色地色印刷層用インキをグラビア印刷で裏刷り(ベタ印刷)し、厚み0.5μmの黒色地色印刷層を形成した。
次いで、透明基材(1)の外層側(表面)の全面に、下記組成の透明マット層用インキ(1)をグラビア印刷し、厚み3.5μmの透明マット層(1)を形成した。次いで、光輝性印刷層が形成された箇所に対応する領域の透明マット層(1)上に、下記組成のクリア層用インキをグラビア印刷し、厚み3.0μmのクリア層を形成した。
そして、黒色地色印刷層の内層側(裏面)に、中間層(1)(遮光性を有するガスバリア層)として厚み12μmのアルミ蒸着PETをドライラミネート用接着剤で貼り合わせ、さらに、シーラント層として厚み100μmのポリエチレンフィルムをドライラミネート用接着剤で貼り合わせた。
得られた包装材の外層側からの積層構成の概略は、クリア層(3.0μm)/透明マット層(1)(3.5μm)/透明基材(1)(15μm)/絵柄印刷層(1.0μm)/黒色地色印刷層(0.5μm)/接着剤層(3.0μm)/中間層(1)(12μm)/接着剤層(3.0μm)/シーラント層(1)(100μm)である。カッコ内の数値(単位:μm)は各層の厚みを表している(以下、同様。)。なお、光輝性印刷層及び有彩色層のいずれも有していない部分は、黒色地色印刷層が外層側から見える。
各層の構成材料の詳細及びインキの組成等を以下に示す。
<透明基材(1)>
二軸延伸ナイロンフィルム:出光ユニテック株式会社製「ユニロンG-100」
<光輝性印刷層用インキ>
・白色パール顔料(平均粒径15μm):10質量部
・有色パール顔料(雲母の被覆層が酸化第二鉄である有色パール顔料、平均粒径15μm):20質量部
・沈降防止剤(微粒子シリカ):0.1質量部
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂):10質量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル及びイソプロパノールの混合溶剤):60質量部
<有彩色層用インキ>
・有機系赤色顔料:3質量部
・沈降防止剤(微粒子シリカ):2質量部
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂):20質量部
・溶剤1(ミネラルスピリット):7質量部
・溶剤2(プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル、イソプロパノールの混合溶剤):70質量部
<黒色地色印刷層用インキ>
・バインダー樹脂(アクリルウレタン系樹脂):15質量部
・黒色顔料(金属元素としてマンガン、カルシウム及びチタンを含む複合酸化物、石原産業株式会社製「MPT-370」、平均一次粒子径0.8μm):5質量部
・溶剤(メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル及びイソプロパノールの混合溶剤):80質量部
<透明マット層用インキ(1)>
・シリカ粒子(平均粒径3.0μm):30質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル)
<クリア層用インキ>
アクリル系熱硬化性樹脂組成物を水系溶媒(水及びイソプロピルアルコールの質量比3:7の混合溶媒)に分散してなるインキ組成物
<中間層(1)>
アルミ蒸着PET:尾池工業株式会社製「EXC」
<シーラント層(1)>
ポリエチレンフィルム:大日本印刷株式会社製「DP-402」
<ドライラミネート用接着剤>
ポリウレタン系接着剤
(実施例2)
実施例1において、透明マット層(1)を、下記組成の透明マット層用インキ(2)を用いてグラビア印刷した透明マット層(2)に変更し、それ以外は、実施例1と同様にして包装材を作製した。
得られた包装材の外層側からの積層構成の概略は、クリア層(3.0μm)/透明マット層(2)(3.5μm)/透明基材(1)(15μm)/絵柄印刷層(1.0μm)/黒色地色印刷層(0.5μm)/接着剤層(3.0μm)/中間層(1)(12μm)/接着剤層(3.0μm)/シーラント層(1)(100μm)である。
<透明マット層用インキ(2)>
・シリカ粒子(平均粒径3.5μm):25質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル)
(実施例3)
実施例1において、透明マット層(1)を、下記組成の透明マット層用インキ(3)を用いてグラビア印刷した透明マット層(3)に変更し、それ以外は、実施例1と同様にして包装材を作製した。
得られた包装材の外層側からの積層構成の概略は、クリア層(3.0μm)/透明マット層(3)(3.5μm)/透明基材(1)(15μm)/絵柄印刷層(1.0μm)/黒色地色印刷層(0.5μm)/接着剤層(3.0μm)/中間層(1)(12μm)/接着剤層(3.0μm)/シーラント層(1)(100μm)である。
<透明マット層用インキ(3)>
・シリカ粒子(平均粒径3.8μm):28質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル)
(実施例4)
以下のようにして、図1に示す態様の包装材1を作製した。
透明基材(2)の内層側(裏面)に、実施例1と同様にして絵柄印刷層及び黒色地色印刷層を形成した。
次いで、透明基材(2)の外層側(表面)の全面に、下記組成の透明マット層用インキ(4)をグラビア印刷し、厚み3.5μmの透明マット層(4)を形成した。次いで、光輝性印刷層が形成された箇所に対応する領域の透明マット層(4)上に、前記クリア層用インキをグラビア印刷し、厚み3.0μmのクリア層を形成した。
そして、黒色地色印刷層の内層側(裏面)に、中間層(2)としてガスバリアフィルム及びアルミ箔をドライラミネート用接着剤で順次貼り合わせ、さらに、シーラント層(2)としてポリプロピレンフィルムをドライラミネート用接着剤で貼り合わせた。
得られた包装材の外層側からの積層構成の概略は、クリア層(3.0μm)/透明マット層(4)(3.5μm)/透明基材(2)(12μm)/絵柄印刷層(1.0μm)/黒色地色印刷層(0.5μm)/接着剤層(3.0μm)/中間層(2)[プラスチックフィルム(15μm)+接着剤層(3.0μm)+アルミ箔(7μm)]/接着剤層(3.0μm)/シーラント層(80μm)である。
各層の構成材料の詳細及びインキの組成等を以下に示す。
<透明基材(2)>
二軸延伸PET:東洋紡株式会社製「東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5200」
<透明マット層用インキ(4)>
・シリカ粒子(平均粒径2.5μm):30質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル、メチルエチルケトン)
<中間層(2)>
(2-1)ガスバリアフィルム:二軸延伸ガスバリアナイロンフィルム、三菱ケミカル株式会社製「スーパーニール(登録商標)SP-R-MW」
(2-2)アルミ箔
<シーラント層(2)>
無延伸ポリプロピレンフィルム、東レフィルム加工株式会社製「ZK209」
<ドライラミネート用接着剤>ポリウレタン系接着剤
(比較例1)
実施例1において、クリア層を形成せずに、それ以外は、実施例1と同様にして包装材を作製した。
得られた包装材の外層側からの積層構成の概略は、透明マット層(1)(3.5μm)/透明基材(1)(15μm)/絵柄印刷層(1.5μm)/黒色地色印刷層(0.5μm)/接着剤層(3.5μm)/中間層(1)(12μm)/接着剤層(3.5μm)/シーラント層(1)(100μm)である。
(比較例2)
以下のようにして、絵柄印刷層を表刷りで形成した包装材を作製した。
透明基材(1)の外層側(表面)の全面に、前記黒色地色印刷層インキを用いてグラビア印刷で表刷り(ベタ印刷)し、厚み0.5μmの黒色地色印刷層を形成した。次いで、前記光輝性印刷層用インキをグラビア印刷で表刷りし、厚み1.0μmの光輝性印刷層を形成し、光輝性印刷層が形成されていない箇所の一部に、前記有彩色層用インキをグラビア印刷で裏刷りし、厚み1.5μmの有彩色層を形成することにより、光輝性印刷層及び有彩色層を有する絵柄印刷層を形成した。
次いで、絵柄印刷層上の全面に、透明マット層用インキ(1)をグラビア印刷し、厚み3.5μmの透明マット層を形成した。次いで、光輝性印刷層が形成された箇所に対応する領域の透明マット層(1)上に、前記クリア層用インキをグラビア印刷し、厚み3.0μmのクリア層を形成した。
そして、透明基材(1)の内層側(裏面)に、中間層(1)(遮光性を有するガスバリア層)としてアルミ蒸着PETをドライラミネート用接着剤で貼り合わせ、さらに、シーラント層としてポリエチレンフィルムをドライラミネート用接着剤で貼り合わせた。
得られた包装材の外層側からの積層構成の概略は、クリア層(3.0μm)/透明マット層(1)(3.5μm)/絵柄印刷層(1.5μm)/黒色地色印刷層(0.5μm)/透明基材(1)(15μm)/接着剤層(3.5μm)/中間層(1)(12μm)/接着剤層(3.5μm)/シーラント層(1)(100μm)である。
なお、各層の構成材料等の詳細は実施例1と同様である。
[表面粗さ測定]
上記実施例で作製した各包装材の透明マット層の外層側(表面)について、JIS B0601:1994に準じて、表面粗さを下記条件にて測定し、カットオフ値0.8mmでの最大高さRy及び算術平均粗さRaを求めた。これらの結果を下記表1に示す。
<測定条件>
・測定機器:表面粗さ測定機、株式会社東京精密製「サーフコム130A」
・基準長さ:粗さ曲線のカットオフ値λc=0.8mm
・測定速度:0.15mm/s
・測定レンジ:400μm
[外観評価]
上記実施例及び比較例で作製した各包装材について、20人の試験モニターによる外観の視認性評価試験を行った。
試験は、室外光を遮光した室内で、蛍光灯の下で、包装材を様々な方向に傾けながら外層側から目視観察し、光沢感のコントラスト及び絵柄の荒れの印象を評価した。
外層表面全体に透明マット層が形成されている比較例1を参照基準として、下記(1)~(4)の基準にて採点した。
(1)コントラストが下記(2)よりも強く、絵柄が精細で強調されている +2点
(2)コントラストが参照基準よりも強いが、絵柄がやや荒っぽい +1点
(3)コントラスト及び絵柄の荒れが参照基準と同等程度 0点
(4)コントラストが参照基準より劣り、絵柄が荒い -1点
試験モニター20人の採点結果の平均値を算出し、以下のように評価を行った。これらの評価結果を下記表1に示す。
<評価ランク>
A:平均点+1.5点以上
B:平均点+0.5点以上+1.5点未満
C:平均点0点以上+0.5点未満
D:平均点0点未満
Figure 0007062933000001
表1に示した結果から、本発明の包装材は、一部の領域の絵柄の光沢感を高めることにより、他の領域の絵柄と比較して、強調することができ、優れた装飾効果が得られることが確認された。
1 包装材
2 透明マット層
3 透明基材
4 絵柄印刷層
4a 有彩色層
4b 光輝性印刷層
5 地色印刷層
6 クリア層
7 中間層
8 シーラント層

Claims (10)

  1. 少なくとも、透明マット層、透明基材、絵柄印刷層及び地色印刷層が、この順に外層側から積層された構成を備え、
    前記絵柄印刷層により絵柄が形成されてなる領域の前記外層側の表面の一部に、下記(a)及び(b)の少なくともいずれかの構成を有する、包装材。
    (a)前記透明マット層の外層側表面に積層されたクリア層
    (b)前記透明マット層の未積層部分
  2. 前記絵柄印刷層が、有彩色層及び光輝性印刷層の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の包装材。
  3. 前記地色印刷層が、黒色地色層及び白色地色層の少なくともいずれかを含む、請求項1又は2に記載の包装材。
  4. 前記透明マット層の外層側表面のJIS B0601:1994に準じて測定されるカットオフ値0.8mmでの最大高さRyが8μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の包装材。
  5. 前記地色印刷層の内層側にシーラント層が積層されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の包装材。
  6. 前記透明マット層が、バインダー樹脂及びマット剤を含み、前記バインダー樹脂が2液硬化型樹脂を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の包装材。
  7. 前記透明マット層は、外層側表面のJIS B0601:1994に準じて測定されるカットオフ値0.8mmでの最大高さRyと、外層側表面のJIS B0601:1994に準じて測定されるカットオフ値0.8mmでの算術平均粗さRaとの比Ry/Raが、12以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の包装材。
  8. 少なくとも一部が、請求項1~のいずれか1項に記載の包装材で形成されている包装容器。
  9. 前記包装容器がパウチである、請求項に記載の包装容器。
  10. 容器本体の収容部を封止するように前記容器本体に接合される蓋体であって、請求項1~のいずれか1項に記載の包装材で形成されている蓋体。
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