JP6184797B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱調理器に関するものである。
ガスコンロに用いられるバーナは、バーナキャップ本体上に保護キャップが固定されてなるバーナキャップを備えた構成が存在する。この種のバーナキャップでは、例えば、バーナキャップ本体の上面部から突出する複数の突起によって保護キャップを支持しつつ、これらバーナキャップ本体と保護キャップを鋲などによって固定する構成が採用されている。
特開2012−83036号公報
バーナキャップ本体を保護キャップで覆い、これらを鋲やビスなどによって固定する場合、保護キャップ上面側から鋲やビスを打ち付けることになる。しかしながら、このような構成では、保護キャップ上面側で鋲やビスが露出してしまうため、鋲やビスが保護キャップ上面の美観を損ねやすい。特に、保護キャップ上面側から鋲やビスを打ち付ける構成では、組み付け作業時に工具が上面に接触しやすく、保護キャップ上面に傷や汚れを生じさせやすいという問題がある。また、鋲やビスの凹凸が埃や煮汁などの詰まりを招きやすく、清掃作業を行い難いという問題もある。
一方、この問題に関連する技術として、特許文献1のような技術が提供されている。この特許文献1の技術では、バーナキャップ3の上面側に複数の突起11が形成されると共にこれら突起11に線バネ13を保持するための保持溝14が形成されており、保護キャップ4の下面側には、複数の掛止爪20が形成されている。そして、バーナキャップ3の上面側に形成された複数の突起11により線バネ13が環状に保持された状態で保護キャップ4が押し付けられることで、各掛止爪20が線バネ13に掛止し、保護キャップ4がバーナキャップ3に組み付けられるようになっている。
しかしながら、この特許文献1の技術では、バーナキャップ3と保護キャップ4を連結するための専用部品(線バネ)を準備し、管理しなければならないため、部品点数の増加を招き、部品管理の面で負担が増大してしまう。また、この技術では、線バネ13が保持されたバーナキャップ3に保護キャップ4を組み付ける際に、線バネ13を弾性変形させるべく保護キャップ4を上面側からある程度強い力で押し付けなければならない。このため、組み付けの際の押圧作業時に工具等を保護キャップ4の上面に強く接触させなければならず、接触時に汚れや傷などが発生しやすくなる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、バーナキャップ本体上に保護キャップが固定されてなるバーナキャップを備えた加熱調理器において、保護キャップの組み付けに伴う部品点数を抑えやすく部品管理の面で負担が少ない構成であり、更に、保護キャップの上面の美観が損なわれにくい構成を提供することを目的とする。
本発明は、環状のバーナキャップ本体と、前記バーナキャップ本体上に固定される保護キャップと、を備えたバーナキャップを有する加熱調理器であって、
前記バーナキャップ本体において前記保護キャップと対向する上面部側には、当該バーナキャップ本体の周方向の複数位置に、前記保護キャップと係合する突出部がそれぞれ設けられ、
前記保護キャップは、前記バーナキャップ本体を覆うカバー部材を備え、前記カバー部材における前記バーナキャップ本体と対向する対向面側に、複数の前記突出部と係合する複数の被係合部がそれぞれ設けられており、
前記突出部は、前記バーナキャップ本体の外周部側又は前記バーナキャップ本体の中心側に、凹部が形成されており、
複数の前記被係合部は、複数の前記突出部に対する相対移動によって複数の前記凹部に差し込まれる差込部がそれぞれ形成され、各々の前記差込部の前記周方向一方側には、各々の前記差込部が前記凹部から前記周方向他方側へ抜けることを規制する第1規制部がそれぞれ形成され、各々の前記差込部の前記周方向他方側には、各々の前記差込部が前記凹部から前記周方向一方側へ抜けることを規制する第2規制部がそれぞれ形成されており、
複数の前記差込部はいずれも、複数の前記第2規制部が抜け止め姿勢となっていない状態で前記周方向他方側に移動することにより複数の前記凹部に差し込まれる構成であり、
前記第2規制部は、各々の前記差込部が前記凹部に差し込まれた後の塑性変形加工により抜け止め姿勢とされていることを特徴とする。
請求項1の発明は、バーナキャップ本体に形成された複数の突出部と、保護キャップに形成された複数の被係合部とを係合させ、被係合部の一部を構成する第2規制部の塑性変形を使用して固定できる構造であるため、専用の組み付け部品が発生することを抑えることができ、部品点数の増加や、部品管理の負担を低減することができる。
請求項2の発明では、各々の延出片(第2規制部)を抜け止め姿勢に変形させる際に、これらをバーナキャップ本体の中心側に折り曲げるという比較的単純な加工によって行えば良いため、作業負担を抑えやすく、作業上の不具合も生じにくくなる。
特に、保護キャップ上面側から非常に強い力を加えなくても、カバー部材とバーナキャップ本体の隙間を利用した折り曲げ加工により、差込部が周方向一方側に抜けにくい安定的な連結状態とすることができる。従って、固定時に、保護キャップ上面部に強い衝撃を与えたり、上面部を非常に強い力で押し付ける必要がなく、保護キャップ上面部に傷等が生じにくくなる。
更に、延出片の折り曲げ方向が中心側に向かう方向であるため、延出片の近くの隙間(カバー部材とバーナキャップ本体の隙間)から当該延出片を中心側に向かって直線的に押し出せば容易に抜け止め姿勢にすることができる。従って、隙間内であっても、より近い位置からより簡単に加工しやすくなる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る加熱調理器を例示する斜視図である。 図2は、図1の加熱調理器に用いられるバーナキャップを例示する斜視図である。 図3(A)は、図2のバーナキャップの平面図であり、図3(B)は、図3(A)のバーナキャップをA−A位置で切断した断面を示すA−A断面図である。 図4(A)は、図2のバーナキャップの左側面図であり、図4(B)は、そのバーナキャップの正面図である。 図5(A)は、図2のバーナキャップに用いる保護キャップの平面図であり、図5(B)は、その保護キャップを斜め上方から見た斜視図である。 図6(A)は、図2のバーナキャップに用いる保護キャップの底面図であり、図6(B)は、その保護キャップを斜め下方から見た斜視図である。 図7(A)は、図2のバーナキャップに用いるバーナキャップ本体を斜め上方から見た斜視図であり、図7(B)は、そのバーナキャップ本体の平面図である。 図8(A)は、図2のバーナキャップの製造工程に関し、バーナキャップ本体に保護キャップを組み付ける前の一状態を示す説明図であり、図8(B)は、バーナキャップ本体に組み付ける前の保護キャップのみを斜め下方から見た斜視図である。 図9(A)は、図2のバーナキャップの製造工程に関し、図8(A)の状態からバーナキャップ本体に対し保護キャップを相対移動させた状態を示す説明図であり、図9(B)は、図9(A)の状態から各第2規制部を折り曲げる塑性変形加工を行った状態を示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(加熱調理器の全体構成)
まず、図1等を参照して加熱調理器1の全体構成を概説する。
図1に示す加熱調理器1は、調理鍋等の調理器具を加熱可能なこんろとして構成されたものである。この加熱調理器1は、加熱調理器本体2の上面を構成する天板3(トッププレート)に、例えば3つの円形の開口部3aが設けられ、それらの開口部3a内の中央位置には、各ガスバーナ5の頭部を構成するバーナキャップ10がそれぞれ配置されている。そして、天板3上には、各バーナキャップ10をそれぞれ囲むように金属製の五徳7が設けられている。
ガスバーナ5は、燃料ガスと一次空気とを吸入するスロート部が接続されて燃料ガスと一次空気とを混合する図示しない混合気室を備えており、この混合気室にバーナ本体5aが連通して接続されている。そして、各バーナ本体5a上に、バーナキャップ10がそれぞれ載置されている。バーナキャップ10は、外周に多数の炎孔41(図2も参照)が形成されたバーナキャップ本体20を備えており、いずれかの炎孔41の近傍には、点火用の電極8と火炎検出用の熱電対(図示略)とが設けられている。なお、図2等では、一部の炎孔41の符号のみを図示しているが、炎孔41は、バーナキャップ本体20の周方向全体にわたって多数形成されている。さらに、バーナ本体5a及びバーナキャップ10の中央を貫通するように温度センサ9が配置されている。この温度センサ9は、五徳7上に載置される調理器具(調理鍋等)の底に当接して調理器具底部の温度を検知するように機能する。
このように構成される加熱調理器1は、加熱調理器本体2の前面側に、各ガスバーナ5に対応する操作部6がそれぞれ設けられている。そして、いずれかの操作部6を操作すると、その操作部に対応するバーナ本体5aに対し、一次空気と共に燃料ガスが混合気室(図示略)を介して供給され、混合気となって当該バーナ本体5a上に載置されたバーナキャップ10の多数の炎孔41から流出する。そして、加熱調理器本体2の内部に設けられた図示しないコントローラが、当該バーナキャップ10に対応する電極8をスパークさせて混合気に点火し、このバーナキャップ10の周囲に火炎を生じさせる。これにより、このバーナキャップ10の周囲の五徳7上に載置される調理器具の底部を加熱することができ、加熱調理が可能となる。
(バーナキャップの詳細構成)
次に、バーナキャップ10の詳細構成について説明する。
図2〜図4に示すように、バーナキャップ10は、環状のバーナキャップ本体20と、バーナキャップ本体上に固定される保護キャップ60とを備えており、これらが互いに組み付けられ、全体として環状に構成されている。上方側に配置される保護キャップ60は、図5、図6のような略円形の環状板として構成されたものであり、下方側に配置されるバーナキャップ本体20は、上面側の環状板部分20aから下方側に円筒状部分20bが突出する略筒状構造となっている。以下、これらバーナキャップ本体20及び保護キャップ60の具体的構成を詳述する。
まず、バーナキャップ10の構成を詳述する。
図2〜図4に示すバーナキャップ本体20は、例えばアルミダイカスト等の金属材料によって構成されており、保護キャップ60の下方に位置し、この保護キャップ60の下面部を支持する機能を有する。このバーナキャップ本体20は、図2のように、環状且つ板状に構成された環状板部分20aを備えており、この環状板部分20aの下面部から下方側に円筒状に構成された円筒状部分20bが突出している。そして、保護キャップ60の中央部には、上下に延びる貫通孔20cが形成されており、貫通孔20c内を通るように上下方向に気体が通過可能となっている。
図2、図3(B)、図7(A)に示すように、バーナキャップ本体20において、環状板部分20aの下面部には、上述の炎孔41が周方向全体に亘って多数形成されている。また、環状板部分20aの下面部には、当該環状板部分20aの外縁部付近から下方に突出する突起43が形成されている。本構成では、突起43がバーナ本体5aに形成された図示しない切欠き部に挿入されつつ、バーナキャップ本体20がバーナ本体5a上に載置されることで、バーナキャップ本体20がバーナ本体5a上で位置決めされつつ炎孔41が形成されるようになっている。また、環状板部分20aは、外周縁の大部分の形状が平面視円形形状となっており、外周縁部の一部には、平面視したときに円形形状となる外縁部分から外側の延び出る延出部45が形成されている。この延出部45(凸部)は、図1に示す電極8と対向する部分である。
図7のように、バーナキャップ本体20の環状板部分20aにおいて、保護キャップ60と対向する上面部側(上面部22側)には、当該バーナキャップ本体20の周方向の複数位置に、保護キャップ60と係合する複数の突出部24がそれぞれ設けられている。これら複数の突出部24は、第1の突出部24a,第2の突出部24b,第3の突出部24cとして構成されており、これら第1の突出部24a,第2の突出部24b,第3の突出部24cはいずれも、環状板部分20aの上面部22から上方に向けて軸状に突出している。図7の例では、貫通孔20cの中心軸G(具体的には、円筒状部分20bの内面を構成する円筒面の中心軸)を中心とする周方向に並んでいる。より具体的には、図7(B)のように平面視したときの中心軸Gを中心とする所定半径の円C上に位置するように、第1の突出部24a,第2の突出部24,第3の突出部24が当該円Cの方向(周方向)において所定間隔おきに配置されている。
また、図7のように、環状板部分20aは、上面が環状の平坦面(例えば、中心軸Gと直交する方向の水平面)として構成される平坦面部22aが、環状板部分20aの外周縁付近において、この外周縁に沿って環状に配置されている。そして、平坦面部22aよりも中心側には、外面が中心軸Gに近づくにつれて下位置になるテーパ状(すり鉢状)の部分22bが環状に配置されている。そして、第1の突出部24a,第2の突出部24b,第3の突出部24cはいずれも、平坦面部22aとテーパ状の部分22bとに跨る位置からそれぞれ突出している。
そして、第1の突出部24a,第2の突出部24b,第3の突出部24cには、バーナキャップ本体20の外周部側(バーナキャップ本体20の外周縁をなす外周部20d側であり、より具体的には、環状板部分20aの外周縁側)に、凹部25a,25b,25cがそれぞれ形成されている。これら凹部25a,25b,25cはいずれも、周方向(中心軸Gを中心とする周方向)の溝として構成されており、いずれの突出部24にも、凹部よりも中心側に凹部が設けられない領域が構成されている。
図7のように、例えば、凹部25aは、第1の突出部24aの上下方向中間位置(上下方向上端部と下端部の間の位置)において、中心軸Gを中心とする半径方向外側から内側に凹む構成となっている。そして、凹部25a内の空間は、中心軸Gを中心とする上記周方向に沿って第1の突出部24aの周方向一端部から周方向他端部に続いている。従って、凹部25aの幅(上下幅)よりも小さい厚さの部材であれば、この第1の突出部24aの周方向一端部と周方向他端部との間を、凹部25a内を通るように周方向に相対移動することが可能となる。同様に、凹部25bは、第2の突出部24bの上下方向中間位置(上下方向上端部と下端部の間の位置)において、中心軸Gを中心とする半径方向外側から内側に凹む構成となっている。そして、凹部25b内の空間は、中心軸Gを中心とする上記周方向に沿って第2の突出部24bの周方向一端部から周方向他端部に続いている。従って、凹部25bの幅(上下幅)よりも小さい厚さの部材であれば、この第2の突出部24bの周方向一端部と周方向他端部との間を、凹部25b内を通るように周方向に相対移動することが可能となる。更に、凹部25cは、第3の突出部24cの上下方向中間位置(上下方向上端部と下端部の間の位置)において、中心軸Gを中心とする半径方向外側から内側に凹む構成となっている。そして、凹部25c内の空間は、中心軸Gを中心とする上記周方向に沿って第3の突出部24cの周方向一端部から周方向他端部に続いている。従って、凹部25cの幅(上下幅)よりも小さい厚さの部材であれば、この第3の突出部24cの周方向一端部と周方向他端部との間を、凹部25c内を通るように周方向に相対移動することが可能となる。
次に、保護キャップ60について説明する。なお、図6は、バーナキャップ10において、保護キャップ60の裏面側の構成のみを抽出して示すものである。図5、図6に示すように、保護キャップ60は、バーナキャップ本体20を覆うカバー部材62を備えており、このカバー部材62におけるバーナキャップ本体20と対向する対向面側(裏面側)に、複数の突出部24と係合する複数の被係合部64がそれぞれ設けられている。そして、この保護キャップ60は、上述のバーナキャップ本体20上に載置されつつ、複数の被係合部64がバーナキャップ本体20の各突出部24と係合することで、バーナキャップ本体20に固定されるようになっている。
図5、図6に示すカバー部材62は、環状且つ板状に構成された環状板として構成されている。このカバー部材62において、外周部62cの大部分は、図5(A)のように平面視したときの外形形状が略円形に構成されている。そして、外形形状が略円形に構成された部分から外側に延び出るように延出部62bが形成されている。延出部62bは、図2、図3(B)のように、保護キャップ60がバーナキャップ本体20に組み付けられたときに保護キャップ60の延出部45と対向し、この延出部45を覆う部分である。この延出部62bは、上述の電極8(図1)の上方位置において、延出部45の全体を覆うように、延出部45よりも広い幅で且つ延出部45よりも長い延出長さで形成されている。
また、図5、図6に示すように、カバー部材62の中心部には、上述した円筒状部分20bの内周面とほぼ同程度の径の貫通孔62aが、当該カバー部材62の厚さ方向に貫通する構成で形成されている。図2、図3(B)のように、この貫通孔62aは、内部空間が、上述の貫通孔20cの内部空間の上方に続くように、貫通孔20cと連通して配置されている。
図5、図6に示すカバー部材62は、例えば金属材料によって構成され、図5のように、その上面部は、他部材が突出しない滑らか且つ光沢のある構成となっている。本構成では、カバー部材62の上面部が、保護キャップ60の上面部60aとして機能し、加熱調理器1の外部に露出する構成となっている。また、図6のように、カバー部材62の下面(バーナキャップ本体20と対向する側の対向面)は、大部分が保護キャップ60の下面として構成されている。そして、カバー部材62の対向面側(即ち、保護キャップ60の下面部60c側)には、複数の被係合部64が形成されている。
複数の被係合部64は、例えば板状の金属材料を加工してなるものであり、図6等に示す例では、複数の被係合部64を構成する板状の金属材料(金属板材63)がカバー部材62の下面に、溶接等の公知の金属接合方法で接合されている。この構成では、「カバー部材62の下面部において上記金属板材63に覆われない部分」と、「上記金属板材63におけるカバー部材62との接合側とは反対面側の部分」とが、保護キャップ60の下面部60bを構成している。
各被係合部64は、第1の被係合部64aと、第2の被係合部64bと、第3の被係合部64cとを備えており、これらはいずれも、「差込部」「第1規制部」「第2規制部」を備えた構成となっている。具体的には、複数の被係合部64a,64b,64cは、これら複数の被係合部64a,64b,64cが複数の突出部24a,24b,24cに対して相対移動することによって複数の凹部25a,25b,25cにそれぞれ差し込まれる差込部68a,68b,68cを備えている。そして、各々の差込部68a,68b,68cの周方向一方側には、各々の差込部68a,68b,68cが凹部25a,25b,25cから周方向他方側へ抜けることを規制する第1規制部69a,69b,69cがそれぞれ形成されている。また、各々の差込部68a,68b,68cの周方向他方側には、各々の差込部68a,68b,68cが凹部25a,25b,25cから周方向一方側へ抜けることを規制する第2規制部66a,66b,66cがそれぞれ形成されている。そして、第2規制部66a,66b,66cは、各々の差込部68a,68b,68cが凹部25a,25b,25cに差し込まれた後の塑性変形加工により抜け止め姿勢とされている。
例えば、図6、図8(A)、図9(B)のように、第1の被係合部64aは、この第1の被係合部64aが突出部24aに対して相対移動することによって凹部25aに差し込まれる差込部68aを備えている。なお、この相対移動は、図8(A)の状態から図8(B)の状態への移動のように、例えば、保護キャップ60の下面部60bが第1の突出部24a,第2の突出部24b,第3の突出部24cの先端部にそれぞれ当接した状態で、保護キャップ60が周方向に相対的に回転する相対移動である。差込部68aの周方向一方側(図9(B)のように平面視したときの中心軸Gを中心とする反時計回り側)には、差込部68aが凹部25aから周方向他方側へ抜けることを規制する第1規制部69aが形成されている。本構成では、差込部68aと第1規制部69aとが下面部60bから一体的に延び出る平坦な板片部分67aとして構成され、差込部68aよりも第1規制部69aのほうが延び出る量が大きくなっている。なお、差込部68aにおいて凹部25aに挿入される端部(中心軸G側の端部)は、例えば、中心軸Gと直交する平面に沿って延びている。即ち、中心軸Gと直交する平面を水平面とした場合、差込部68aの端部は水平方向に延びている。また、差込部68aの周方向他方側(図9(B)のように平面視したときの中心軸Gを中心とする時計回り側)には、差込部68aが凹部25aから周方向一方側へ抜けることを規制する第2規制部66aが形成されている。第2規制部66aは、下面部60bから延び出る平坦な板片部分として構成されており、下面部60bから延び出る量は差込部68aよりも大きく、第1規制部69aと同程度となっている。なお、上記「周方向一方側」は、図6(A)のように下方側から見た場合、中心軸Gを中心とする時計回り側であり、「周方向他方側」は、図6(A)のように下方側から見た場合、中心軸Gを中心とする反時計回り側である。
図6、図8(A)、図9(B)のように、第2の被係合部64b、第3の被係合部64cは、上述の第1の被係合部64aと同様の構成となっている。第2の被係合部64bは、差込部68bの周方向一方側(図9(B)のように平面視したときの中心軸Gを中心とする反時計回り側)に、差込部68bが凹部25bから周方向他方側へ抜けることを規制する第1規制部69bが形成されている。本構成では、差込部68bと第1規制部69bとが下面部60bから一体的に延び出る平坦な板片部分67bとして構成され、差込部68bよりも第1規制部69bのほうが延び出る量が大きくなっている。この差込部68bにおいて凹部25bに挿入される端部(中心軸G側の端部)も、例えば、中心軸Gと直交する平面に沿って延びており、中心軸Gと直交する平面を水平面とした場合、差込部68bの端部は水平方向に延びている。また、差込部68bの周方向他方側(図9(B)のように平面視したときの中心軸Gを中心とする時計回り側)には、差込部68bが凹部25bから周方向一方側へ抜けることを規制する第2規制部66bが形成されている。第2規制部66bは、下面部60bから延び出る平坦な板片部分として構成されており、下面部60bから延び出る量は差込部68bよりも大きく、第1規制部69bと同程度となっている。
第3の被係合部64cは、差込部68cの周方向一方側(図9(B)のように平面視したときの中心軸Gを中心とする反時計回り側)に、差込部68cが凹部25cから周方向他方側へ抜けることを規制する第1規制部69cが形成されている。本構成では、差込部68cと第1規制部69cとが下面部60bから一体的に延び出る平坦な板片部分67cとして構成され、差込部68cよりも第1規制部69cのほうが延び出る量が大きくなっている。この差込部68cにおいて凹部25cに挿入される端部(中心軸G側の端部)も、例えば、中心軸Gと直交する平面に沿って延びており、中心軸Gと直交する平面を水平面とした場合、差込部68bの端部は水平方向に延びている。また、差込部68cの周方向他方側(図9(B)のように平面視したときの中心軸Gを中心とする時計回り側)には、差込部68cが凹部25cから周方向一方側へ抜けることを規制する第2規制部66cが形成されている。第2規制部66cは、下面部60bから延び出る平坦な板片部分として構成されており、下面部60cから延び出る量は差込部68bよりも大きく、第1規制部69bと同程度となっている。
次に、バーナキャップ本体20に対する保護キャップ60の組み付けについて、図8、図9等を参照して説明する。なお、図8(A)、図9では、主として組み付け時のバーナキャップ本体20の様子を上方側から示し、組み付けられる保護キャップ60の一部(被係合部64等)を二点鎖線にて仮想的に示している。
上述したように構成されるバーナキャップ本体20及び保護キャップ60は、図8(A)の状態、図9(A)の状態、図9(B)の状態の順に組み付けられる。組み付ける場合、まず、図8(A)、図8(B)のように、第2規制部66a,66b,66cが抜け止め姿勢となっていない保護キャップ60を用意し、この保護キャップ60の下面部60b(図6(A)等)を第1の突出部24a,第2の突出部24b,第3の突出部24cの先端部にそれぞれ当接させた状態で配置する。このとき、保護キャップ60における貫通孔62aの中心と、バーナキャップ本体20における貫通孔20cの中心軸Gとが、平面視したときにほぼ合うような位置関係とする。また、図8(A)のように、各差込部68a,68b,68cに対して、各突出部24a,24b,24cがそれぞれ周方向他方側(図8(A)のように平面視したときの中心軸Gを中心とする時計回り側)に少しずれた位置関係とする。このとき、各差込部68a,68b,68cは、周方向において、突出部24aと突出部24bの間、突出部24bと突出部24cの間、突出部24cと突出部24aの間にそれぞれ配置される。
図8(B)のように、第2規制部66a,66b,66cが抜け止め姿勢となっていない保護キャップ60では、第2規制部66a,66b,66cは、例えば、下面部60b(図6)から下方に立ち下がるように構成する。この場合、図8(A)のような当接状態で、各第2規制部66a,66b,66cと中心軸Gまでの距離が、各突出部24において中心軸Gから最も遠い位置までの距離よりも大きくなるようにすればよい。このようにすることで、後述する相対移動の際に、各第2規制部66a,66b,66cが各突出部24と干渉しなくなる。
そして、図8(A)のような状態から、図8(B)の状態に相対移動させる。具体的には、保護キャップ60における貫通孔62aの中心と、バーナキャップ本体20における貫通孔20cの中心軸Gとが、平面視したときにほぼ合うような位置関係を維持しつつ、且つ保護キャップ60の下面部60b(図6)を第1の突出部24a,第2の突出部24b,第3の突出部24cの先端部にそれぞれ当接させた状態を維持しつつ、バーナキャップ本体20に対し、保護キャップ60を周方向に相対的に回転する。即ち、保護キャップ60を、中心軸Gを中心として回転する。
本構成では、図8、図9等に示す中心軸Gの方向を高さ方向とした場合、凹部25a,25b,25cが同程度の高さで形成されている。他方、図8(A)のように保護キャップ60の下面部60bが第1の突出部24a,第2の突出部24b,第3の突出部24cの先端部にそれぞれ当接した状態では、差込部68a,68b,68cにおける中心軸G側の各端部が互いに同程度の高さ(高さ方向において、凹部25a,25b,25cの内部空間の範囲の高さ)で維持されるようになっている。そして、上述したように当接状態を維持しつつ相対回転した場合には、各差込部68a,68b,68cは、いずれも水平方向(中心軸Gと直交する平面方向)且つ周方向に移動し、図9(A)のように、水平方向且つ周方向に延びる各凹部25a,25b,25cの内部に入り込むことになる。
但し、差込部68a,68b,68cにそれぞれ隣接して第1規制部69a,69b,69cが形成され、第1規制部69a,69b,69cの各先端部と中心軸Gとの距離は、各凹部25a,25b,25cと中心軸Gとの距離よりも短くなっているため、差込部68a,68b,68cが各凹部25a,25b,25cに入り込んだ後、更にある程度相対回転すると、図9(A)のようになり、第1規制部69a,69b,69cがそれぞれ各凹部25a,25b,25cを抜けずに各突出部24a,24b,24cの外周部に当接し、それ以上の同方向の回転が規制される。
このとき、図9(A)のように、抜け止め姿勢となっていない各第2規制部66a,66b,66cは、周方向において各凹部25a,25b,25cを挟んで各第1規制部69a,69b,69cとは反対側に位置することになる。これら第2規制部66a,66b,66cはいずれも、下面部60cから下方に延び出た延出片として構成されているため、これら第2規制部66a,66b,66cに対し、図9(B)のFa,Fb,Fcの方向に押圧するように力を加え、下面部60bにおける各基端位置70a,70b,70c(第2規制部66a,66b,66cが下面部60cから延び出る根元の位置)からバーナキャップ本体20の中心側に折り曲げるように加工することで、各々の第2規制部66a,66b,66cを抜け止め姿勢にすることができる。図9(B)に示す抜け止め姿勢では、第2規制部66a,66b,66cの先端部と中心軸Gとの距離が、各凹部25a,25b,25cにおいて中心軸Gから最も遠い位置までの中心軸Gからの距離よりも短くなっている。このため、図9(B)のような状態から図9(A)のような位置に戻そうとしても、第2規制部66a,66b,66cがそれぞれ各凹部25a,25b,25cを抜けずに各突出部24a,24b,24cの外周部に当接し、それ以上の回転が規制される。
以上の通り、本構成では、バーナキャップ本体20の上面部22側に複数の突出部24が形成され、保護キャップ60の対向面側(カバー部材62においてバーナキャップ本体20と対向する面側)に、複数の突出部24と係合する複数の被係合部64がそれぞれ設けられている。このように、バーナキャップ本体20に形成された複数の突出部24と、保護キャップ60に形成された複数の被係合部64とを係合させて固定する構造であるため、専用の組み付け部品が発生することを抑えることができ、部品点数の増加や、部品管理の負担を低減することができる。
更に、保護キャップ60の被係合部64には、突出部24に対する相対移動によって複数の凹部25a,25b,25cに差し込まれる差込部68a,68b,68cがそれぞれ形成され、各々の差込部68a,68b,68cの周方向一方側には、各々の差込部68a,68b,68cが凹部25a,25b,25cから周方向他方側へ抜けることを規制する第1規制部69a,69b,69cがそれぞれ形成されている。そして、各々の差込部68a,68b,68cの周方向他方側には、各々の差込部68a,68b,68cが凹部25a,25b,25cから周方向一方側へ抜けることを規制する第2規制部66a,66b,66cがそれぞれ形成されている。このように構成されているため、保護キャップ60をバーナキャップ本体20に対して相対移動させるという簡易且つ強い力が不要な操作で、各々の差込部68a,68b,68cが各凹部25a,25b,25cに差し込まれた連結状態とすることができる。更に、第2規制部66a,66b,66cは、このような連結状態となった後の塑性変形加工により抜け止め姿勢となる構成であるため、保護キャップ60上面側から非常に強い力を加えなくても、カバー部材62とバーナキャップ本体20の隙間を利用した塑性変形加工により、差込部68a,68b,68cが周方向一方側に抜けにくい安定的な連結状態とすることができる。
特に、この構成では、差込部68a,68b,68cを凹部25a,25b,25cに差し込む工程でも、第2規制部を塑性変形加工させる工程でも、保護キャップ60の上面部22に強い衝撃を与えたり、上面部22を非常に強い力で押し付ける必要がなく、保護キャップ60の上面部22に傷等が生じにくくなる。例えば、図8(A)、図9(A)(B)のように移行する際には、保護キャップ60及びバーナキャップ本体20は、当接状態が維持される程度に冶具等によって保持していればよく、保護キャップ60の上面側から非常に強い力で押し付けたり衝撃を与える必要がない。また、図9(B)のように折り曲げる際には、冶具などによってバーナキャップ10の内部位置に力を加えればよく、力の方向も水平方向となるため、組み付け時に加わる力が露出する外面部(特に保護キャップ60の上面部)に及ぶ影響が一層小さくなる。
また、複数の第2規制部66a,66b,66cがそれぞれ、下面部60bから下方に延び出た延出片として構成され、各々の延出片は、下面部側における各基端位置(下面部60bにおける基端位置70a,70b,70c)からバーナキャップ本体20の中心側に折り曲げる加工によって抜け止め姿勢とされるようになっている。この構成では、各々の延出片を抜け止め姿勢に変形させる際に、図9(B)のように、これらをバーナキャップ本体20の中心側に折り曲げるという比較的単純な加工によって行えば良いため、作業負担を抑えやすく、作業上の不具合も生じにくくなる。特に、延出片の折り曲げ方向が中心側に向かう方向であるため、延出片の近くの隙間(カバー部材62とバーナキャップ本体20の隙間)から当該延出片を中心側に向かって直線的に押し出せば容易に抜け止め姿勢にすることができる。従って、隙間内であっても、より近い位置からより簡単に加工しやすくなる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、複数の第2規制部66a,66b,66cはいずれも、各基端位置70a,70b,70cからバーナキャップ本体20の中心側に折り曲げる加工によって抜け止め姿勢とされていたが、この構成に限られない。例えば、複数の第2規制部66a,66b,66cのいずれか又はすべてが、例えば第1実施形態に示す位置から中心軸Gに近づけた位置(各突出部24よりも中心軸Gに近い位置)に配置され、バーナキャップ本体20の外側に折り曲げる加工によって抜け止め姿勢とされる構成であってもよい。
上記実施形態では、第1規制部69a,69b,69cが差込部68a,68b,68cとそれぞれ一体的な板片として構成されていたが、これらが別々の板片として構成されていてもよい。また、第1規制部は、保護キャップ60が相対移動されたときに凹部25a,25b,25cを通って抜けず且つ突出部24に当接して抜け止めされる構成であれば、板片でなく下面部60cから突出する突起などであってもよい。
1…加熱調理器
10…バーナキャップ
20…バーナキャップ本体
22…上面部
24…突出部
25a,25b,25c…凹部
60…保護キャップ
62…カバー部材
64…被係合部
66a,66b,66c…第2規制部
68a,68b,68c…差込部
69a,69b,69c…第1規制部
70a,70b,70c…基端位置

Claims (2)

  1. 環状のバーナキャップ本体と、前記バーナキャップ本体上に固定される保護キャップと、を備えたバーナキャップを有する加熱調理器であって、
    前記バーナキャップ本体において前記保護キャップと対向する上面部側には、当該バーナキャップ本体の周方向の複数位置に、前記保護キャップと係合する突出部がそれぞれ設けられ、
    前記保護キャップは、前記バーナキャップ本体を覆うカバー部材を備え、前記カバー部材における前記バーナキャップ本体と対向する対向面側に、複数の前記突出部と係合する複数の被係合部がそれぞれ設けられており、
    前記突出部は、前記バーナキャップ本体の外周部側又は前記バーナキャップ本体の中心側に、凹部が形成されており、
    複数の前記被係合部は、複数の前記突出部に対する相対移動によって複数の前記凹部に差し込まれる差込部がそれぞれ形成され、各々の前記差込部の前記周方向一方側には、各々の前記差込部が前記凹部から前記周方向他方側へ抜けることを規制する第1規制部がそれぞれ形成され、各々の前記差込部の前記周方向他方側には、各々の前記差込部が前記凹部から前記周方向一方側へ抜けることを規制する第2規制部がそれぞれ形成されており、
    複数の前記差込部はいずれも、複数の前記第2規制部が抜け止め姿勢となっていない状態で前記周方向他方側に移動することにより複数の前記凹部に差し込まれる構成であり、
    前記第2規制部は、各々の前記差込部が前記凹部に差し込まれた後の塑性変形加工により抜け止め姿勢とされていることを特徴とする加熱調理器。
  2. 複数の前記第2規制部はそれぞれ、前記カバー部材の下面部から下方に延び出た延出片として構成され、各々の前記延出片は、前記バーナキャップ本体の中心側に折り曲げる加工によって抜け止め姿勢とされていることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
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