JP6563806B2 - コンロバーナ - Google Patents

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本発明は、ガスコンロに設けられるコンロバーナに関する。
コンロバーナは、バーナボディ上に載置される環状のバーナキャップを備え、バーナボディの上面外周部とバーナキャップの下面外周部との一方に他方に当接する環状壁を突設して、この環状壁に、周方向の間隔を存して複数の炎口を形成している。
ところで、燃焼時に炎口に近いため高温になるバーナキャップの上面外周寄り部分に煮こぼれが落下すると、煮こぼれが落下したバーナキャップの部分が急冷されて、バーナキャップの耐久性に悪影響が及ぶ。そこで、従来、バーナキャップの上面を上下方向の隙間を存して覆う環状のバーナカバーを備えるコンロバーナも知られている(例えば、特許文献1参照)。
然し、このものでも、バーナカバー上に落下した煮こぼれがバーナカバーの外周縁からバーナカバーの下面に回り込んでバーナキャップの上面外周寄り部分に落下してしまうことがある。従って、煮こぼれがバーナキャップの上面外周寄り部分に落下することを確実には防止できない。
かかる不具合を解消するため、本願出願人は、先に特願2014−246002で、バーナカバーの外周縁部に、バーナキャップとバーナカバーとの間の隙間を全周に亘り閉塞する外周筒部を形成したものを提案した。これによれば、バーナカバー上に落下した煮こぼれがバーナカバーの外周縁からバーナカバーの下面に回り込むことを外周筒部で阻止でき、煮こぼれがバーナカバーの下面を伝ってバーナキャップの上面外周寄り部分に落下することを防止できる。
また、上記先願のものでは、バーナカバーの付け忘れや紛失を未然に防止できるように、外周筒部の下端に下方に突出する爪部を形成すると共に、バーナキャップの上面外周部に爪部が圧入される凹孔を形成して、バーナカバーをバーナキャップから容易には取り外せないようにしている。然し、これでは、バーナカバー上に落下した煮こぼれが外周筒部を伝って凹孔に侵入してしまうことがある。そして、凹孔に溜まった煮こぼれにより爪部の圧入固定箇所が腐食し、バーナカバーの固定力が弱化してしまう。
特開2014−77593号公報
本発明は、以上の点に鑑み、上記先願のものを改良して、煮こぼれの影響でバーナカバーの固定力が弱化することを防止できるようにしたコンロバーナを提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、バーナボディ上に載置される環状のバーナキャップを備え、バーナボディの上面外周部とバーナキャップの下面外周部との一方に他方に当接する環状壁を突設して、この環状壁に、周方向の間隔を存して複数の炎口を形成したコンロバーナであって、バーナキャップの上面を上下方向の隙間を存して覆う環状のバーナカバーを備えるものにおいて、バーナカバーの外周縁部に、バーナキャップとバーナカバーとの間の隙間を全周に亘り閉塞する外周筒部が形成され、バーナカバーの外周縁部よりも径方向内方の下面部分に下方に突出する爪部が設けられ、バーナキャップの上面に、爪部が圧入される凹孔が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、バーナカバーの外周縁部よりも径方向内方の煮こぼれがかからない部分に爪部が設けられるため、爪部を圧入する凹孔にも煮こぼれは侵入しない。従って、凹孔に溜まった煮こぼれにより爪部の圧入固定箇所が腐食するようなことはなく、煮こぼれの影響でバーナカバーの固定力が弱化することを防止できる。
尚、バーナキャップの上面と外周筒部の下端との間に僅かな隙間を生じ、そこから煮こぼれが侵入する可能性がある。そのため、凹孔は、バーナキャップの上面に設けられた上方に盛り上がるボス部に形成されることが望ましい。これによれば、バーナキャップの上面と外周筒部の下端との間の隙間から煮こぼれが侵入しても、上方に盛り上がったボス部の上面までは煮こぼれが流れず、凹孔への煮こぼれの侵入を確実に防止できる。
本発明の実施形態のコンロバーナを示す斜視図。 図1のII−II線で切断した断面図。 図2のIII−III線で切断した断面図。 (a)実施形態のコンロバーナのバーナカバーの斜め下方から見た斜視図、(b)実施形態のコンロバーナのバーナキャップの斜め上方から見た斜視図。
図1乃至図3を参照して、TPは、ガスコンロの天板であり、この天板TPに開設したバーナ用開口TPaに臨ませて本発明の実施形態のコンロバーナ1が配置されている。コンロバーナ1は、混合管2の下流端から上方にのびてバーナ用開口TPaに挿通されるバーナボディ3と、バーナボディ3上に載置される環状のバーナキャップ4とを備えている。尚、コンロバーナ1には、バーナキャップ4の内周空間を通して上方に突出する鍋底温度センサ5と、バーナキャップ4の周囲一箇所に突設したターゲット部4aに対向する点火電極6とが付設されている。
バーナボディ3は、内筒31と外筒32とで中空環状に形成される。外筒32の上端部には、内曲げフランジ部33が形成されている。また、外筒32には、バーナ用開口TPaを上方から覆うカバーリング7が外挿されている。
バーナキャップ4の内周部には、内筒31の上端部に内嵌するシール筒部41が垂設されている。また、バーナキャップ4の下面外周部には、バーナボディ3の上面外周部たる外筒32の内曲げフランジ部33の上面に当接する環状壁42が突設されている。そして、環状壁42に、周方向の間隔を存して溝から成る複数の炎口43を形成し、混合管からの混合気(燃料ガスと一次空気との混合ガス)がこれら炎口43から噴出して燃焼するようにしている。炎口43には、上下方向寸法が最大の大炎口43aと、上下方向寸法が最小の小炎口43bと、上下方向寸法が大炎口43aと小炎口43bの中間の中炎口43cとの3種類がある。尚、バーナボディ3の上面外周部に、バーナキャップ4の下面外周部に当接する環状壁を突設して、これに炎口を形成することも可能である。
バーナキャップ4の下面一箇所には、内曲げフランジ部33の周方向一箇所に形成した凹欠部33aに係合する位相決め用の突起部44が設けられている。また、バーナキャップ4は、ADC12等のアルミ合金製として、軽量化を図っている。
ところで、燃焼時に炎口43に近く高温になるバーナキャップ4の上面外周寄り部分に煮こぼれが落下すると、煮こぼれが落下したバーナキャップ4の部分が急冷されて、バーナキャップ4の耐久性に悪影響が及ぶ。そのため、バーナキャップ4の上面を上下方向の隙間を存して覆う環状の板材から成るバーナカバー8を設けて、バーナキャップ4の上面に煮こぼれが落下することを防止している。尚、バーナカバー8は、ステンレス製として、高級感を醸し出している。
ここで、バーナカバー8を設けるだけでは、バーナカバー8上に落下した煮こぼれがバーナカバー8の外周縁からバーナカバー8の下面に回り込んで、バーナキャップ4の上面外周寄り部分に落下する恐れがある。そこで、バーナカバー8の外周縁部に、下方にのびる外周筒部81を形成し、この外周筒部81をバーナキャップ4の上面外周部に着座させて、バーナキャップ4とバーナカバー8との間の隙間を外周筒部81により全周に亘り閉塞している。これによれば、バーナカバー8上に落下した煮こぼれがバーナカバー8の外周縁からバーナカバー8の下面に回り込むことを外周筒部81で阻止でき、煮こぼれがバーナカバー8の下面を伝ってバーナキャップ4の上面外周寄り部分に落下することを防止できる。
また、バーナカバー8の内周縁部にも、下方にのびる内周筒部82が形成されている。この内周筒部82は、バーナキャップ4のシール筒部41の上方に位置しており、バーナカバー8上に落下して内周側に流れた煮こぼれは内周筒部82を伝ってシール筒部41の内周に落下する。
更に、本実施形態では、図4に明示する如く、バーナカバー8の外周縁部よりも径方向内方の下面部分に下方に突出する爪部83が設けられ、バーナキャップ4の上面に、爪部が圧入される凹孔45が形成されている。より具体的に説明すれば、バーナカバー8の下面に、外径がバーナカバー8の外径よりも小さな環状板84を取付けて、この環状板84の外周縁部の周方向3個所に下方に屈曲する舌片状の爪部83を設けている。尚、環状板84の内周縁部の周方向3箇所には、バーナカバー8の内周筒部82の外周面に当接して環状板84をバーナカバー8に対し芯決めする位置決め部84aが設けられている。そのため、3箇所の爪部83は、バーナカバー8と同心の所定径の円周上に位置することになる。
また、バーナキャップ4の上面には、これと同心で上記所定径と同一径の円周上の3箇所に位置させて、爪部83の幅よりも若干径の小さな凹孔45が形成されている。そして、各爪部83を各凹孔45に圧入することで、バーナカバー8をバーナキャップ4から容易には取り外せないようにしている。これにより、バーナカバー8の付け忘れや紛失を未然に防止できる。更に、バーナカバー8の外周縁部よりも径方向内方の煮こぼれがかからない部分に爪部83が設けられるため、爪部83を圧入する凹孔45にも煮こぼれは侵入しない。従って、凹孔45に溜まった煮こぼれにより爪部83の圧入固定箇所が腐食するようなことはなく、煮こぼれの影響でバーナカバー8の固定力が弱化することを防止できる。
尚、バーナキャップ4の上面とバーナカバー8の外周筒部81の下端との間に僅かな隙間を生じ、そこから煮こぼれが侵入する可能性がある。そこで、本実施形態では、各凹孔45を、バーナキャップ4の上面に設けられた上方に盛り上がる各ボス部46に形成している。これにより、バーナキャップ4の上面と外周筒部81の下端との間の隙間から煮こぼれが侵入しても、上方に盛り上がったボス部46の上面までは煮こぼれが流れず、凹孔45への煮こぼれの侵入を確実に防止できる。
また、本実施形態では、バーナキャップ4の上面に、ボス部46を除いて、外周筒部81の着座部から径方向内方に向けて下方に傾いた傾斜部47を形成している。これによれば、バーナキャップ4の上面と外周筒部81の下端との間の隙間から煮こぼれが侵入しても、この煮こぼれは傾斜部47を流下してシール筒部41から落下し、バーナキャップ4の上面に煮こぼれが溜まることはない。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、バーナカバー8の下面に取付けた環状板84に爪部83を形成しているが、バーナカバー8をダイキャスト品として、バーナカバー8に爪部83を一体成形することも可能である。
1…コンロバーナ、3…バーナボディ、4…バーナキャップ、42…環状壁、43…炎口、45…凹孔、46…ボス部、8…バーナカバー、81…外周筒部、83…爪部。

Claims (2)

  1. バーナボディ上に載置される環状のバーナキャップを備え、バーナボディの上面外周部とバーナキャップの下面外周部との一方に他方に当接する環状壁を突設して、この環状壁に、周方向の間隔を存して複数の炎口を形成したコンロバーナであって、バーナキャップの上面を上下方向の隙間を存して覆う環状のバーナカバーを備えるものにおいて、
    バーナカバーの外周縁部に、バーナキャップとバーナカバーとの間の隙間を全周に亘り閉塞する外周筒部が形成され、
    バーナカバーの外周縁部よりも径方向内方の下面部分に下方に突出する爪部が設けられ、バーナキャップの上面に、爪部が圧入される凹孔が形成されることを特徴とするコンロバーナ。
  2. 前記凹孔は、前記バーナキャップの上面に設けられた上方に盛り上がるボス部に形成されることを特徴とする請求項1記載のコンロバーナ。
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