JP6183646B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、シンクロナスリラクタンスモータを制御するモータ制御装置に関する。
電磁エネルギーの位置に対する変化によって発生するリラクタンストルクのみを利用して、ロータを回転させるリラクタンスモータが知られている。リラクタンスモータには、ステータおよびロータが突極部を有するスイッチトリラクタンスモータ(SRM:Switched Reluctance Motor)と、ステータがブラシレスモータと同様の構造のシンクロナスリラクタンスモータ(SynRM:Synchronous Reluctance Motor)とがある。
シンクロナスリラクタンスモータは、ステータおよびロータのうち、ロータのみに突極部を有している。シンクロナスリラクタンスモータでは、ロータの突極部により、磁束の流れやすい突極部の方向(以下、「d軸方向」という)と磁束が流れにくい非突極部の方向(以下、「q軸方向」という)とがある。このため、d軸方向のインダクタンス(以下、「d軸インダクタンス」という)とq軸方向のインダクタンス(以下、「q軸インダクタンス」という)の差によりリラクタンストルクが発生し、このリラクタンストルクによってロータが回転する。
特開2010-64622号公報
長谷川 勝(中部大学)、道木 慎二(名古屋大学)、佐竹 明善(オークマ)、王 道洪(岐阜大学)、「永久磁石電動機・リラクタンスモータの駆動回路技術とドライブ制御技術 −6.リラクタンスモータ制御技術− 」、平成16年電気学会産業応用部門大会論文集、I−119〜I−124(2004)
この発明の目的は、シンクロナスリラクタンスモータに対して精度の高い電流制御を行えるモータ制御装置を提供することである。
請求項1記載の発明は、回転磁界を発生するための駆動電流とロータを励磁するための励磁電流とがモータ電流に含まれているシンクロナスリラクタンスモータ(18)を制御するモータ制御装置(12;12B)であって、前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段(33;333)と、前記モータに発生させるべきモータトルクに対応した駆動電流指令値を設定する電流指令値設定手段(41,43,44;341,344)と、前記電流検出手段によって検出されるモータ電流に含まれている駆動電流を演算する駆動電流演算手段(61,62;362)と、前記駆動電流演算手段によって演算される駆動電流が、前記電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値に等しくなるように、前記モータを制御する制御手段(45,46,47,48;346,348)とを含むモータ制御装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この発明によれば、モータ電流に含まれている駆動電流を駆動電流指令値に導くようにモータが制御されるので、シンクロナスリラクタンスモータに対して精度の高い電流制御を行えるようになる。
請求項2記載の発明は、前記駆動電流演算手段は、前記モータのモータ電流と励磁電流との関係を記憶したテーブル(40a,340a)と、前記電流検出手段によって検出されるモータ電流に対応する励磁電流を前記テーブルから求める励磁電流演算手段(61,62;362)と、前記電流検出手段によって検出されるモータ電流から、前記励磁電流演算手段によって求められる励磁電流を除去することにより、駆動電流を求める手段(61,62;362)とを含む、請求項1に記載のモータ制御装置である。
請求項3記載の発明は、前記駆動電流演算手段は、前記モータのモータ電流と駆動電流との関係を記憶したテーブル(40b,340b)と、前記電流検出手段によって検出されるモータ電流に対応する駆動電流を前記テーブルから求める手段(61,62;362)とを含む、請求項1に記載のモータ制御装置である。
請求項4記載の発明は、回転磁界を発生するための駆動電流とロータを励磁するための励磁電流とがモータ電流に含まれているシンクロナスリラクタンスモータ(18)を制御するモータ制御装置(12A;12C)であって、前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段(33;333)と、前記モータに発生させるべきモータトルクに対応する駆動電流指令値を設定する電流指令値設定手段(41)と、前記電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値を、dq軸上のモータ電流指令値に変換する電流指令値変換手段(63,43,44;363,344)と、前記電流検出手段によって検出されるモータ電流に対応するdq軸電流値が、前記電流指令値変換手段によって得られたdq軸上のモータ電流指令値に等しくなるように、前記モータを制御する制御手段(45,46,47,48;346,348)とを含むモータ制御装置である。
この発明によれば、駆動電流指令値に対応したモータ電流指令値にモータ電流を導くようにモータが制御されるので、シンクロナスリラクタンスモータに対して精度の高い電流制御を行えるようになる。
請求項5記載の発明は、前記電流指令値変換手段は、前記モータの駆動電流と励磁電流との関係を記憶したテーブル(40c;340c)と、前記駆動電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値に対応する励磁電流を前記テーブルから求める励磁電流演算手段(63;363)と、前記駆動電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値に、前記励磁電流演算手段によって求められる励磁電流を加えた値に対応するdq軸電流値を、モータ電流指令値として設定する手段(63,43,44;363,344)とを含む、請求項4に記載のモータ制御装置である。
請求項6記載の発明は、前記電流指令値変換手段は、前記モータの駆動電流とモータ電流との関係を記憶したテーブル(40d;340d)と、前記駆動電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値に対応するモータ電流を前記テーブルから求め、得られたモータ電流に対応するdq軸電流値をモータ電流指令値として設定する手段(63,43,44;363,344)とを含む、請求項4に記載のモータ制御装置である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、電動モータの構成を説明するための図解図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置としてのECUの電気的構成を示す概略図である。 図4は、電動モータの速度−トルク特性等を示すグラフである。 図5は、電動モータのモータ電流−トルク特性等を示すグラフである。 図6は、本発明の第2実施形態に係るモータ制御装置としてのECUの電気的構成を示す概略図である。 図7は、本発明の第3実施形態に係るモータ制御装置としてのECUの電気的構成を示す概略図である。 図8は、本発明の第4実施形態に係るモータ制御装置としてのECUの電気的構成を示す概略図である。 図9は、本出願人が既に開発しているモータ制御装置の電気的構成を示す概略図である。 図10は、検出操舵トルクThに対する電流指令値Iの設定例を示すグラフである。 図11は、複数の電機子電流I毎に取得した電流位相角βに対するモータトルクTの特性データの一例を示すグラフである。 図12は、各電機子電流Iに対してモータトルクTが最大となる電流位相角βの実測データと、各電機子電流IとモータトルクTが最大となる電流位相角βとの関係を近似的に表した直線とを示すグラフである。 図13は、本出願人が既に開発している他のモータ制御装置の電気的構成を示す概略図である。 図14A〜図15Cは、電流指令値Iが正の値である場合に、図13に示すモータ制御装置によって、電動モータを正転方向に回転させることができることを説明するための模式図である。 図15A〜図15Cは、電流指令値Iが負の値である場合に、図13に示すモータ制御装置によって、電動モータを逆転方向に回転させることができることを説明するための模式図である。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。すなわち、ステアリングホイール2が回転されると、入力軸8および出力軸9は、互いに相対回転しつつ同一方向に回転するようになっている。
ステアリングシャフト6の周囲には、トルクセンサ11が設けられている。トルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基いて、ステアリングホイール2に与えられた操舵トルクを検出する。トルクセンサ11によって検出される操舵トルクは、ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)12に入力される。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示略)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端には、ピニオン16が連結されている。
ラック軸14は、自動車の左右方向(直進方向に直交する方向)に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の中間部には、ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることによって、転舵輪3を転舵することができる。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための減速機構19とを含む。電動モータ18は、シンクロナスリラクタンスモータからなる。減速機構19は、ウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。減速機構19は、伝達機構ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
ウォーム軸20は、電動モータ18によって回転駆動される。また、ウォームホイール21は、ステアリングシャフト6とは同方向に回転可能に連結されている。ウォームホイール21は、ウォーム軸20によって回転駆動される。
電動モータ18によってウォーム軸20が回転駆動されると、ウォームホイール21が回転駆動され、ステアリングシャフト6が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20を回転駆動することによって、転舵輪3が転舵されるようになっている。
電動モータ18のロータの回転角(ロータ回転角)は、レゾルバ等の回転角センサ25によって検出される。回転角センサ25の出力信号は、ECU12に入力される。電動モータ18は、モータ制御装置としてのECU12によって制御される。
図2は、電動モータ18の構成を説明するための図解図である。
電動モータ18は、前述したようにシンクロナスリラクタンスモータであり、図2に図解的に示すように、周方向に間隔をおいて配置された複数の突極部を有するロータ100と、電機子巻線を有するステータ105とを備えている。電機子巻線は、U相のステータ巻線101、V相のステータ巻線102およびW相のステータ巻線103が星型結線されることにより構成されている。
各相のステータ巻線101,102,103の方向にU軸、V軸およびW軸をとった三相固定座標(UVW座標系)が定義される。また、ロータ100の回転中心側から外周部へ磁束の流れやすい突極部の方向にd軸方向をとり、ロータ100の回転中心側から外周部へ磁束が流れにくい非突極部の方向にq軸方向をとった二相回転座標系(dq座標系。実回転座標系)が定義される。dq座標系は、ロータ100の回転角(ロータ回転角)θに従う実回転座標系である。
ロータ回転角θ(電気角)は、この実施形態では、隣接する2つの突起部(d軸)のうちの基準となる一方の突極部(d軸)のU軸から反時計回りの回転角として定義される。基準となる前記一方の突極部の方向を+d軸方向といい、それに隣接する他方の突極部の方向を−d軸方向ということにする。+d軸に対して電気角で+90度回転した軸を+q軸といい、+d軸に対して電気角で−90度回転した軸を−q軸ということにする。ロータ100(突極部)に生じる磁極(N極およびS極)は、dq座標系における電流ベクトルIの方向によって決定される。この実施形態では、電動モータ18の正転方向は、図2におけるロータ100の反時計方向に対応し、電動モータ18の逆転方向は、図2におけるロータ100の時計方向に対応するものとする。
通常は、ロータ回転角θを用いることによって、UVW座標系とdq座標系との間での座標変換が行われる(たとえば、特開2009−137323号公報の式(1),(2)参照)。
この明細書では、電機子巻線に流れる電流を、「電機子電流」または「モータ電流」ということにする。dq座標系における電流ベクトルIは、電機子巻線に流れる電流のベクトル(電機子電流ベクトル)である。βは電流位相角であり、電機子電流ベクトルIとd軸との位相差である。
第1実施形態のモータ制御装置としてのECU12について説明する前に、図9〜図12を参照して、本出願人が既に開発しているモータ制御装置200について説明する。なお、ECU12以外の電動パワーステアリング装置の構成は、図1の電動パワーステアリング装置1の構成と同じであるものとして、モータ制御装置200について説明する。
図9は、本出願人が既に開発しているモータ制御装置200の電気的構成を示す概略図である。
モータ制御装置200は、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクThに応じて電動モータ18を駆動することによって、操舵状況に応じた適切な操舵補助を実現する。モータ制御装置200は、マイクロコンピュータ231と、このマイクロコンピュータ231によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)32と、電動モータ18の各相のステータ巻線101,102,103に流れる電流を検出する電流検出部33とを備えている。
電流検出部33は、電動モータ18の各相のステータ巻線に流れる相電流i,i,i(以下、総称するときには「三相検出電流i,i,i」という)を検出する。これらは、UVW座標系における各座標軸方向の電流値である。
マイクロコンピュータ231は、CPUおよびメモリ(ROM,RAMなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、電流指令値設定部41と、電流位相角演算部42と、d軸電流指令値演算部43と、q軸電流指令値演算部44と、d軸電流偏差演算部45と、q軸電流偏差演算部46と、d軸PI(比例積分)制御部47と、q軸PI(比例積分)制御部48と、d軸指示電圧生成部49と、q軸指示電圧生成部50と、二相/三相座標変換部51と、PWM制御部52と、回転角演算部53と、三相/二相座標変換部56とが含まれている。
電流指令値設定部41は、電動モータ18によって発生させるべきモータトルクに対応した電流の指令値である電流指令値Iを設定する。具体的には、電流指令値設定部41は、トルクセンサ11によって検出される操舵トルク(検出操舵トルクTh)に基いて、電流指令値Iを設定する。検出操舵トルクThに対する電流指令値Iの設定例は、図10に示されている。検出操舵トルクThは、たとえば左方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、右方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。電動モータ18の左方向への操舵を補助するためのモータトルクの方向は、電動モータ18の正転方向に対応し、右方向への操舵を補助するためのモータトルクの方向は、電動モータ18の逆転方向に対応するものとする。電流指令値Iは、電動モータ18から左方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには正の値とされ、電動モータ18から右方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには負の値とされる。
電流指令値Iは、検出操舵トルクThの正の値に対しては正をとり、検出操舵トルクThの負の値に対しては負の値をとる。検出操舵トルクThが零のときには、電流指令値Iは零とされる。そして、検出操舵トルクThの絶対値が大きくなるほど、電流指令値Iの絶対値は大きな値とされる。これにより、検出操舵トルクThの絶対値が大きくなるほど、操舵補助力を大きくすることができる。
電流指令値設定部41は、たとえば、図10に示されるような操舵トルクThと電流指令値Iとの関係を記憶したマップまたはそれらの関係を表す演算式を用いて、操舵トルクThに応じた電流指令値Iを設定する。電流指令値設定部41によって設定された電流指令値Iは、電流位相角演算部42に与えられるとともに、d軸電流指令値演算部43およびq軸電流指令値演算部44に与えられる。
電流位相角演算部42は、電流指令値設定部41から与えられた電流指令値Iと予め設定された電流位相角演算式とに基いて、当該電流指令値Iに対してモータトルクが最大値に近い値となる電流位相角β(電気角)[deg]を演算する。電流位相角演算式の作成方法について説明する。
電動モータ18を高効率で駆動するためには、電機子電流に対するモータトルクの比が大きくなるように電動モータ18を制御すればよい。
極対数がPであるシンクロナスリラクタンスモータにおけるモータトルクTは、次式(1)で表される。
T=P・(L−L)・i・i …(1)
はd軸インダクタンス[H]であり、Lはq軸インダクタンス[H]である。また、iはd軸電流[A]であり、iはq軸電流[A]である。
電機子電流の大きさをIとし、電流位相差をβとすると、i=I・sinβ,i=I・cosβとなるので、モータトルクTは、次式(2)で表される。なお、電流位相差βは、電機子電流ベクトルとd軸との位相差である。
T=(1/2)・P・(L−L)・I sin2β …(2)
したがって、d軸インダクタンスLおよびq軸インダクタンスLが電流位相角βによって変動しなければ、電流位相角βが45度のときにモータトルクTは最大となる。しかしながら、シンクロナスリラクタンスモータでは、d軸インダクタンスLおよびq軸インダクタンスLがロータコアの磁気飽和の影響を受けて変動するため、モータトルクTは電流位相角βが45度のときに必ずしも最大にならない。
そこで、電動モータ18に対して予め実験を行うことにより、使用する電機子電流Iの範囲において、複数の電機子電流I毎に電流位相角βに対するモータトルクTの特性データを取得する。
図11は、複数の電機子電流I毎に取得した電流位相角βに対するモータトルクTの特性データの一例を示すグラフである。図11の特性データは、前記非特許文献1に掲載のデータを転用したものである。ただし、図11では、横軸に電流位相角βをとり、縦軸にモータトルクTをとり、各電機子電流Iの電流位相角βに対するモータトルクTの特性を、それぞれ曲線で表している。
図11のグラフにおいて、各電機子電流Iに対応する電流位相角−モータトルク特性曲線上の最大トルク値を結ぶ曲線を直線近似することにより、電機子電流Iとその電機子電流Iに対してモータトルクが最大値に近い値となる電流位相角βとの関係を表す近似式を求める。具体的には、次式(3)に基いて、電機子電流Iと電流位相角βとの関係を表す近似式を求める。なお、電機子電流Iが零のときにモータトルクが最大となる電流位相角βは45度になるものとする。
β={(βmax−βmin)/Iamax}・I+βmin …(3)
amaxは、電機子電流Iの最大値であり、この例では、Iamax=50[A]である。βmaxは、電機子電流Iが最大値Iamaxである場合に、モータトルクTが最大値となる電流位相角βであり、この例では、βmax=66[deg]であるとする。βminは、電機子電流Iが最小値(零)である場合に、モータトルクTが最大値となる電流位相角βであり、この例では、βmin=45[deg]であるとする。
前記式(3)に、Iamax=50[A]、βmax=66[deg]およびβmin=45[deg]を代入すると、次式(4)で表されるような近似式が得られる。
β=(21/50)・I+45 …(4)
式(4)が、電機子電流Iから電流位相角βを演算するための演算式(電流位相角演算式)となる。
図12の折れ線aは、各電機子電流Iに対してモータトルクTが最大となる電流位相角βの実測データを示すグラフである。図12の直線bは、前記式(4)で表される近似直線を示している。
前記近似式(4)内の電機子電流Iを電流指令値Iの絶対値|I|に置き換えることにより、次式(5)で示されるように、電流指令値Iから電流位相角βを演算するための演算式(電流位相角演算式)が得られる。
β=(21/50)・|I|+45 …(5)
電流位相角演算部42には、前述のようにして求められた電流位相角演算式(例えば前記式(5))が予め設定されている。電流位相角演算部42は、予め設定されている電流位相角演算式と、電流指令値設定部41から与えられた電流指令値Iとに基いて、電流指令値Iに対してモータトルクが最大値に近い値となる電流位相角βを演算する。電流位相角演算部42によって演算された電流位相角βは、d軸電流指令値演算部43およびq軸電流指令値演算部44に与えられる。
前記式(2)から、シンクロナスリラクタンスモータでは、電流指令値Iの符号を反転させても、モータトルクTの方向は反転しないが、電流位相角βの符号を反転させることにより、モータトルクTの方向を変化させることがわかる。そこで、d軸電流指令値演算部43およびq軸電流指令値生成部44は、電流指令値Iが零以上のときには、電流位相角演算部42によって演算されたβをそのまま使用して対応する指令値を演算し、電流指令値Iが零未満のときには、電流位相角演算部42によって演算されたβに負の符号を付した−βを電流位相角として使用して対応する指令値を演算する。
ただし、cosβ=cos(−β)である。そこで、d軸電流指令値演算部43は、電流指令値設定部41から与えられた電流指令値Iと電流位相角演算部42から与えられた電流位相角βとを用い、次式(6)に基いてd軸電流指令値i を演算する。
=|I|・cosβ …(6)
q軸電流指令値生成部44は、電流指令値設定部41から与えられた電流指令値Iと電流位相角演算部42から与えられた電流位相角βとを用い、次式(7a)または(7b)に基いてq軸電流指令値i を演算する。
≧0である場合 i =|I|・sinβ …(7a)
<0である場合 i =|I|・sin(−β) …(7b)
d軸電流指令値i およびq軸電流指令値i を総称して、「二相指示電流i ,i 」という場合がある。
回転角演算部53は、回転角センサ25の出力信号に基いて、電動モータ18のロータの回転角(ロータ回転角)θを演算する。
電流検出部33によって検出された三相検出電流i,i,iは、三相/二相座標変換部56に与えられる。三相/二相座標変換部56は、回転角演算部53によって演算されたロータ回転角θを用いて、三相検出電流i,i,iを、dq座標上でのd軸電流iおよびq軸電流i(以下、総称するときには「二相検出電流i,i」という)に変換する。三相/二相座標変換部56によって得られたd軸電流iは、d軸電流偏差演算部45に与えられる。三相/二相座標変換部56によって得られたq軸電流iは、q軸電流偏差演算部46に与えられる。
d軸電流偏差演算部45は、d軸電流指令値i に対するd軸電流iの偏差を演算する。d軸電流偏差演算部45によって演算された電流偏差は、d軸PI制御部47に与えられて、PI演算処理を受ける。d軸指示電圧生成部49は、d軸PI制御部47の演算結果に応じて、d軸指示電圧v を生成する。
q軸電流偏差演算部46は、q軸電流指令値i に対するq軸電流iの偏差を演算する。q軸電流偏差演算部46によって演算された電流偏差は、q軸PI制御部48に与えられて、PI演算処理を受ける。q軸指示電圧生成部50は、q軸PI制御部48の演算結果に応じて、q軸指示電圧v を生成する。以下、d軸指示電圧v およびq軸指示電圧v を総称するときには「二相指示電圧v ,v 」という。
二相指示電圧v ,v は、二相/三相座標変換部51に与えられる。二相/三相座標変換部51は、回転角演算部53によって演算されたロータ回転角θを用いて、d軸指示電圧v およびq軸指示電圧v を、U相,V相およびW相の指示電圧v ,v ,v に変換する。以下、U相,V相およびW相の指示電圧v ,v ,v を総称するときには「三相指示電圧v ,v ,v 」という。
PWM制御部52は、U相指示電圧v 、V相指示電圧v およびW相指示電圧v にそれぞれ対応するデューティ比のU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号を生成し、駆動回路32に供給する。
駆動回路32は、U相、V相およびW相に対応した三相インバータ回路からなる。このインバータ回路を構成するパワー素子がPWM制御部52から与えられるPWM制御信号によって制御されることにより、三相指示電圧v ,v ,v に相当する電圧が電動モータ18の各相のステータ巻線に印加されることになる。
電流偏差演算部45,46およびPI制御部47,48は、電流フィードバック制御手段を構成している。この電流フィードバック制御手段の働きによって、電動モータ18に流れるモータ電流(電機子電流)が、d軸およびq軸電流指令値演算部43,44によって演算される二相指示電流i ,i に近づくように制御される。
前述したように、電流指令値Iは、電動モータ18によって発生させるべきモータトルクに対応した電流の指令値である。ブラシレスモータでは、電機子巻線に流れる電機子電流が、回転磁界を発生するための電流となる。このため、ブラシレスモータでは、モータトルクは、電機子電流にトルク定数を乗算した値となる。したがって、ブラシレスモータでは、電流指令値によって制御されるべき電流は電機子電流(モータ電流)となる。
しかしながら、シンクロナスリラクタンスモータにおいては、電機子巻線に流れる電機子電流(モータ電流)には、回転磁界を発生するための駆動電流と、ロータ100を励磁するための励磁電流とが含まれている。このため、シンクロナスリラクタンスモータにおいては、電機子巻線に流れる電機子電流(モータ電流)は、回転磁界を発生するための駆動電流と一致しない。
シンクロナスリラクタンスモータでは、モータトルクは、回転磁界を発生するための駆動電流にトルク定数を乗算した値となり、電流指令値Iによって制御されるべき電流は駆動電流となる。つまり、シンクロナスリラクタンスモータでは、電流指令値Iは駆動電流の指令値であり、d軸電流指令値i はd軸駆動電流の指令値であり、q軸電流指令値i はq軸駆動電流の指令値である。
一方、図9の電流検出部33によって検出される三相検出電流i,i,iは、電動モータ18に流れるモータ電流(電機子電流)である。したがって、三相/二相座標変換部56によって演算されるd軸電流iおよびq軸電流iは、それぞれd軸モータ電流およびd軸モータ電流である。図9のモータ制御装置200では、d軸モータ電流iおよびq軸モータ電流iが、それぞれ、d軸駆動電流指令値i およびq軸駆動電流指令値i に等しくなるようにシンクロナスリラクタンスモータが制御されている。このように、図9のモータ制御装置200では、駆動電流と励磁電流とを含むモータ電流を、駆動電流の指令値に導くように電動モータ18を制御しているため、精度の高い電流制御を行えないおそれがある。
次に第1実施形態におけるモータ制御装置としてのECU12について説明する。
図3は、図1のECU12の電気的構成を示す概略図である。図3において、前述の図9に示された各部に対応する部分には、図9中と同一参照符号を付して示す。
このECU12は、精度の高い電流制御を実現するために開発されたものである。ECU12は、マイクロコンピュータ31と、このマイクロコンピュータ31によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)32と、電動モータ18の各相のステータ巻線101,102,103に流れる電流を検出する電流検出部33とを備えている。
マイクロコンピュータ31は、CPUおよびメモリを備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。メモリは、ROM、RAM、不揮発性メモリ40などを含む。複数の機能処理部には、電流指令値設定部41と、電流位相角演算部42と、d軸電流指令値演算部43と、q軸電流指令値演算部44と、d軸電流偏差演算部45と、q軸電流偏差演算部46と、d軸PI(比例積分)制御部47と、q軸PI(比例積分)制御部48と、d軸指示電圧生成部49と、q軸指示電圧生成部50と、二相/三相座標変換部51と、PWM制御部52と、回転角演算部53と、三相/二相座標変換部56と、d軸励磁電流除去部(d軸駆動電流演算部)61と、q軸励磁電流除去部(q軸駆動電流演算部)62とが含まれている。
このECU12では、d軸励磁電流除去部61およびq軸励磁電流除去部62が設けられている点が、図9に示されるモータ制御装置200と異なっている。また、このECU12では、不揮発性メモリ40内にモータ電流/励磁電流変換テーブル40aおよびモータ電流/駆動電流変換テーブル40bのうちの少なくとも一方が記憶されている点が、図9に示されるモータ制御装置200と異なっている。
以下、モータ電流/励磁電流変換テーブル40aと、モータ電流/駆動電流変換テーブル40bと、d軸励磁電流除去部61と、q軸励磁電流除去部62とについて説明する。
モータ電流/励磁電流変換テーブル40aは、電動モータ18として用いられるシンクロナスリラクタンスモータのモータ電流(電機子電流)と励磁電流との関係を記憶したテーブルである。モータ電流/駆動電流変換テーブル40bは、電動モータ18として用いられるシンクロナスリラクタンスモータのモータ電流と駆動電流との関係を記憶したテーブルである。これらのテーブル40a,40bの作成方法について説明する。
まず、シンクロナスリラクタンスモータの速度−トルク特性を測定する。シンクロナスリラクタンスモータの速度−トルク特性の測定は、たとえば、図9のモータ制御装置200を用いて行うことができる。モータ制御装置200において、電流指令値Iを最大値に設定し、モータ負荷を変化させていく。そして、回転速度Nと、モータトルクTと、モータ電流(相電流)Iとを測定する。
このようにして得られたシンクロナスリラクタンスモータの速度−トルク特性および速度−モータ電流特性の一例を、図4に示す。図4において、曲線Tはトルクを表し、曲線Iはモータ電流(相電流)を示している。
次に、図4の速度−トルク特性および速度−モータ電流特性に基いて、図5に曲線Sで示すようなモータ電流−トルク特性を作成する。そして、図5のモータ電流−トルク特性に対応した近似直線Lを引き、近似直線Lの傾きをトルク定数推定値K[Nm/A]として求める。近似直線Lは、モータトルクをTとし、モータ電流をIとすると、たとえば、「T=0.0511・I−0.9214」で表される。
シンクロナスリラクタンスモータでは、トルク定数をKとし、駆動電流をiとすると、モータトルクTは、T=K・iで表される。そこで、トルク測定値Tとトルク定数推定値Kとから駆動電流iを演算する。これにより、図4に曲線iで示すような、速度−駆動電流特性が得られる。また、i=I−iであるので、図4に曲線iで示すような、速度−励磁電流特性が得られる。
図4の曲線Iと曲線iとに基いて、モータ電流Iと励磁電流iとの関係を記憶したモータ電流/励磁電流変換テーブル40aを作成する。また、図4の曲線Iと曲線iとに基いて、モータ電流Iと駆動電流iとの関係を記憶したモータ電流/駆動電流変換テーブル40bを作成する。
d軸励磁電流除去部61は、三相/二相座標変換部56によって得られたd軸電流iに含まれているd軸駆動電流を演算するものである。具体的には、d軸励磁電流除去部61は、d軸電流iからそれに含まれているd軸励磁電流を除去することにより、d軸電流iに含まれているd軸駆動電流を演算する。より具体的には、d軸励磁電流除去部61は、まず、三相/二相座標変換部56によって得られたd軸電流iおよびq軸電流iに基いて、次式(8)により、モータ電流Iを求める。
=(i +i 1/2 …(8)
次に、d軸励磁電流除去部61は、演算されたモータ電流Iとモータ電流/励磁電流変換テーブル40aとに基いて、演算されたモータ電流Iに対応する励磁電流iを求める。
そして、d軸励磁電流除去部61は、電流位相角演算部42によって演算されている電流位相角βを用いて、次式(9)により、d軸励磁電流iedを演算する。
ed=i・cosβ …(9)
最後に、d軸励磁電流除去部61は、次式(10)に示すように、d軸電流iからd軸励磁電流iedを減算することにより、d軸駆動電流imdを演算する。このd軸駆動電流imdがd軸電流偏差演算部45に与えられる。
md=i−ied …(10)
q軸励磁電流除去部62は、三相/二相座標変換部56によって得られたq軸電流iに含まれているq軸駆動電流を演算するものである。具体的には、q軸励磁電流除去部62は、q軸電流iからそれに含まれているq軸励磁電流を除去することにより、q軸電流iに含まれているq軸駆動電流を演算する。
より具体的には、q軸励磁電流除去部62は、まず、前記式(8)により、モータ電流Iを求める。次に、q軸励磁電流除去部62は、演算されたモータ電流Iとモータ電流/励磁電流変換テーブル40aを用いて、演算されたモータ電流Iに対応する励磁電流iを求める。そして、q軸励磁電流除去部62は、電流位相角演算部42によって演算されている電流位相角βを用いて、次式(11)により、q軸励磁電流ieqを演算する。
eq=i・sinβ …(11)
最後に、q軸励磁電流除去部62は、次式(12a)または(12b)により、q軸駆動電流imqを演算する。このq軸駆動電流imqがq軸電流偏差演算部46に与えられる。
≧0である場合 imq=i−ieq …(12a)
<0である場合 imq=i+ieq …(12b)
この第1実施形態では、d軸電流偏差演算部45は、d軸電流指令値i とd軸駆動電流imdとの偏差(i −imd)を演算する。また、q軸電流偏差演算部46は、q軸電流指令値i とq軸駆動電流imqとの偏差(i −imq)を演算する。
したがって、第1実施形態では、d軸駆動電流imdがd軸駆動電流の指令値であるd軸電流指令値i に等しくなり、q軸駆動電流imqがq軸駆動電流の指令値であるq軸電流指令値i に等しくなるように、電動モータ18が制御される。このように、第1実施形態では、モータ電流に含まれている駆動電流imd,imqを駆動電流の指令値i ,i に導くように電動モータ18が制御されるので、精度の高い電流制御を行えるようになる。
d軸励磁電流除去部61は、モータ電流/駆動電流変換テーブル40bを用いて、d軸駆動電流imdを演算するものであってもよい。この場合には、d軸励磁電流除去部61は、前記式(8)により、モータ電流Iを求める。次に、d軸励磁電流除去部61は、演算されたモータ電流Iとモータ電流/駆動電流変換テーブル40bを用いて、演算されたモータ電流Iに対応する駆動電流iを求める。
最後に、d軸励磁電流除去部61は、電流位相角演算部42によって演算されている電流位相角βを用いて、次式(13)により、d軸駆動電流imdを演算する。このd軸駆動電流imdがd軸電流偏差演算部45に与えられる。
md=i・cosβ …(13)
同様に、q軸励磁電流除去部62は、モータ電流/駆動電流変換テーブル40bを用いて、q軸駆動電流imqを演算するものであってもよい。この場合には、q軸励磁電流除去部62は、前記式(8)により、モータ電流Iを求める。次に、q軸励磁電流除去部62は、演算されたモータ電流Iとモータ電流/駆動電流変換テーブル40bを用いて、演算されたモータ電流Iに対応する駆動電流iを求める。
最後に、q軸励磁電流除去部62は、電流位相角演算部42によって演算されている電流位相角βを用いて、次式(14a)または(14b)により、q軸駆動電流imqを演算する。このq軸駆動電流imqがq軸電流偏差演算部46に与えられる。
≧0である場合 imq=i・sinβ …(14a)
<0である場合 imq=−i・sinβ …(14b)
図6は、この発明の第2実施形態に係るモータ制御装置としてのECU12Aの電気的構成を示す概略図である。図6において、前述の図9に示された各部に対応する部分には、図9中と同一参照符号を付して示す。
このECU12Aは、精度の高い電流制御を実現するために開発されたものである。ECU12Aは、マイクロコンピュータ31Aと、このマイクロコンピュータ31Aによって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)32と、電動モータ18の各相のステータ巻線101,102,103に流れる電流を検出する電流検出部33とを備えている。
マイクロコンピュータ31Aは、CPUおよびメモリを備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。メモリは、ROM、RAM、不揮発性メモリ40などを含む。複数の機能処理部には、電流指令値設定部41と、電流位相角演算部42と、d軸電流指令値演算部43と、q軸電流指令値演算部44と、d軸電流偏差演算部45と、q軸電流偏差演算部46と、d軸PI(比例積分)制御部47と、q軸PI(比例積分)制御部48と、d軸指示電圧生成部49と、q軸指示電圧生成部50と、二相/三相座標変換部51と、PWM制御部52と、回転角演算部53と、三相/二相座標変換部56と、励磁電流加算部(電流指令値変換部)63とが含まれている。
このECU12Aでは、励磁電流加算部63が設けられている点が、図9に示されるモータ制御装置200と異なっている。また。このECU12Aでは、不揮発性メモリ40内に駆動電流/励磁電流変換テーブル40cおよび駆動電流/モータ電流変換テーブル40dのうちの少なくとも一方が記憶されている点が、図9に示されるモータ制御装置200と異なっている。
以下、駆動電流/励磁電流変換テーブル40cと、駆動電流/モータ電流変換テーブル40dと、励磁電流加算部63とについて説明する。
駆動電流/励磁電流変換テーブル40cは、電動モータ18として用いられるシンクロナスリラクタンスモータの駆動電流と励磁電流との関係を記憶したテーブルである。駆動電流/モータ電流変換テーブル40dは、電動モータ18として用いられるシンクロナスリラクタンスモータの駆動電流とモータ電流との関係を記憶したテーブルである。これらのテーブル40c,40dの作成方法について説明する。
前述の第1実施形態で説明したと同様な方法によって、電動モータ18として用いられるシンクロナスリラクタンスモータの速度−トルク特性を測定する。そして、前述の第1実施形態で説明したと同様な方法によって、図4に曲線Tで示すような速度−トルク特性、図4に曲線Iで示すような速度−モータ電流特性、図4に曲線iで示すような速度−駆動電流特性および図4に曲線iで示すような速度−励磁電流特性を作成する。
図4の曲線iと曲線iとに基いて、駆動電流iと励磁電流iとの関係を記憶した駆動電流/励磁電流変換テーブル40cを作成する。また、図4の曲線iと曲線Iとに基いて、駆動電流iとモータ電流Iとの関係を記憶した駆動電流/モータ電流変換テーブル40dを作成する。
励磁電流加算部63は、電流指令値設定部41によって設定された電流指令値(駆動電流の指令値)Iを、モータ電流指令値に変換するものである。具体的には、励磁電流加算部63は、電流指令値Iにそれに応じた励磁電流を加算することにより、モータ電流指令値を演算する。より具体的には、励磁電流加算部63は、電流指令値Iの絶対値|I|を駆動電流指令値として、駆動電流/励磁電流変換テーブル40cから駆動電流指令値(=|I|)に対応する励磁電流iを求める。次に、励磁電流加算部63は、得られた励磁電流iと電流指令値Iとを用い、次式(15a)または(15b)により、電流指令値Iを、それに対応するモータ電流指令値I に変換する。
≧0である場合 I =I+i …(15a)
<0である場合 I =I−i …(15b)
励磁電流加算部63によって得られたモータ電流指令値I が、d軸電流指令値演算部43およびq軸電流指令値演算部44に与えられる。d軸電流指令値演算部43は、電流指令値設定部41から与えられたモータ電流指令値I と電流位相角演算部42から与えられた電流位相角βとを用い、次式(16)に基いてd軸モータ電流指令値i を演算する。
=|I |・cosβ …(16)
q軸電流指令値生成部44は、電流指令値設定部41から与えられたモータ電流指令値I と電流位相角演算部42から与えられた電流位相角βとを用い、次式(17a)または(17b)に基いてq軸モータ電流指令値i を演算する。
≧0である場合 i =|I |・sinβ …(17a)
<0である場合 i =|I |・sin(−β) …(17b)
この第2実施形態では、三相/二相座標変換部56によって演算されるd軸電流(d軸モータ電流)iがd軸モータ電流指令値i に等しくなり、三相/二相座標変換部56によって演算されるq軸電流(q軸モータ電流)iがq軸モータ電流指令値i に等しくなるように、電動モータ18が制御される。このように、第2実施形態では、駆動電流指令値Iに対応したモータ電流指令値i ,i にモータ電流i,iを導くように、電動モータ18が制御されるので、精度の高い電流制御を行えるようになる。
励磁電流加算部63は、駆動電流/モータ電流変換テーブル40dを用いて、モータ電流指令値I を演算するものであってもよい。この場合には、励磁電流加算部63は、電流指令値Iの絶対値|I|を駆動電流指令値として、駆動電流/モータ電流変換テーブル40dから駆動電流指令値(=|I|)に対応するモータ電流Iを求める。そして、電流指令値Iが零以上であれば、励磁電流加算部63は、求めたモータ電流Iをそのままモータ電流指令値I として出力する。一方、電流指令値Iが零未満であれば、励磁電流加算部63は、求めたモータ電流Iに負の符号を付した値(−I)を、モータ電流指令値I として出力する。
図7は、この発明の第3実施形態に係るモータ制御装置としてのECU12Bの電気的構成を示している。第3実施形態に係るモータ制御装置としてのECU12Bについて説明する前に、図13〜図15を参照して、本出願人が既に開発しているモータ制御装置300について説明する。
モータ制御装置300は、マイクロコンピュータ331と、このマイクロコンピュータ331によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)332と、電動モータ18の各相のステータ巻線101,102,103に流れる電流を検出する電流検出部333とを備えている。電動モータ18は、シンクロナスリラクタンスモータである。
電流検出部333は、電動モータ18の各相のステータ巻線に流れる相電流i,i,i(以下、総称するときには「三相検出電流i,i,i」という)を検出する。これらは、UVW座標系における各座標軸方向の電流値である。
マイクロコンピュータ331は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、電流指令値設定部341と、d軸電流指令値設定部343と、q軸電流指令値設定部344と、d軸電流偏差演算部345と、q軸電流偏差演算部346と、d軸PI(比例積分)制御部347と、q軸PI(比例積分)制御部348と、d軸指示電圧生成部349と、q軸指示電圧生成部350と、二相/三相座標変換部351と、PWM制御部352と、回転角演算部353と、電流位相角演算部354と、座標変換用回転角設定部355と、三相/二相座標変換部356とが含まれている。
電流指令値設定部341は、電動モータ18によって発生させるべきモータトルクに対応した電流の指令値である電流指令値Iを設定する。電流指令値設定部341の動作は、図9の電流指令値設定部41の動作と同じであるので、その説明を省略する。電流指令値設定部341によって設定された電流指令値Iは、q軸電流指令値設定部344に与えられる。
q軸電流指令値生成部344は、電流指令値設定部341から与えられた電流指令値Iを、q軸電流指令値i として設定する。つまり、電流指令値設定部341によって設定された電流指令値Iがq軸電流指令値i となる。d軸電流指令値設定部343は、d軸電流指令値i を設定する。d軸電流指令値i は、零に設定される。つまり、q軸電流指令値i が有意値とされ、d軸電流指令値i が零とされる。q軸電流指令値i は、d軸電流指令値i およびq軸電流指令値i を総称して、「二相指示電流i ,i 」という場合がある。
回転角演算部353は、回転角センサ25の出力信号に基いて、電動モータ18のロータの回転角(ロータ回転角、実回転角)θを演算する。回転角演算部353によって演算されたロータ回転角θは、座標変換用回転角設定部355に与えられる。
電流位相角演算部354は、電流検出部333によって検出された三相検出電流i,i,iに基いて、電流位相角β(電気角)[deg]を演算する。電流位相角演算部354の動作の詳細については、後述する。電流位相角演算部354によって演算された電流位相角βは、座標変換用回転角設定部355に与えられる。
座標変換用回転角設定部355は、二相/三相座標変換部351および三相/二相座標変換部356において座標変換に用いられる座標変換用回転角δを演算する。具体的には、座標変換用回転角設定部355は、回転角演算部353によって演算されたロータ回転角θと、電流位相角演算部354によって演算された電流位相角βと、電流指令値設定部341によって設定された電流指令値Iとに基いて、座標変換用回転角δを演算する。座標変換用回転角設定部355の動作の詳細については後述する。
電流検出部333によって検出された三相検出電流i,i,iは、三相/二相座標変換部356に与えられる。三相/二相座標変換部356は、座標変換用回転角設定部355によって演算された座標変換用回転角δをロータ回転角θの代わりに用いて、三相検出電流i,i,iをd軸電流iおよびq軸電流iに変換する。以下、d軸電流iおよびq軸電流iを総称するときには「二相検出電流i,i」という。
三相/二相座標変換部356によって得られたd軸電流iは、d軸電流偏差演算部345に与えられる。三相/二相座標変換部356によって得られたq軸電流iは、q軸電流偏差演算部346に与えられる。
d軸電流偏差演算部345は、d軸電流指令値i に対するd軸電流iの偏差を演算する。d軸電流偏差演算部345によって演算された電流偏差は、d軸PI制御部347に与えられて、PI演算処理を受ける。d軸指示電圧生成部349は、d軸PI制御部347の演算結果に応じて、d軸指示電圧v を生成する。
q軸電流偏差演算部346は、q軸電流指令値i に対するq軸電流iの偏差を演算する。q軸電流偏差演算部346によって演算された電流偏差は、q軸PI制御部348に与えられて、PI演算処理を受ける。q軸指示電圧生成部350は、q軸PI制御部348の演算結果に応じて、q軸指示電圧v を生成する。以下、d軸指示電圧v およびq軸指示電圧v を総称するときには「二相指示電圧v ,v 」という。
二相指示電圧v ,v は、二相/三相座標変換部51に与えられる。二相/三相座標変換部351は、座標変換用回転角設定部355によって演算された座標変換用回転角δをロータ回転角θの代わりに用いて、d軸指示電圧v およびq軸指示電圧v を、U相,V相およびW相の指示電圧v ,v ,v に変換する。以下、U相,V相およびW相の指示電圧v ,v ,v を総称するときには「三相指示電圧v ,v ,v 」という。
PWM制御部352は、U相指示電圧v 、V相指示電圧v およびW相指示電圧v にそれぞれ対応するデューティ比のU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号を生成し、駆動回路332に供給する。
駆動回路332は、U相、V相およびW相に対応した三相インバータ回路からなる。このインバータ回路を構成するパワー素子がPWM制御部352から与えられるPWM制御信号によって制御されることにより、三相指示電圧v ,v ,v に相当する電圧が電動モータ18の各相のステータ巻線に印加されることになる。
電流偏差演算部345,346およびPI制御部347,348は、電流フィードバック制御手段を構成している。この電流フィードバック制御手段の働きによって、電動モータ18に流れるモータ電流が、d軸およびq軸電流指令値設定部343,344によって演算される二相指示電流i ,i に近づくように制御される。
次に電流位相角演算部354の動作について説明する。電流位相角演算部354は、電流検出部333によって検出された三相検出電流i,i,iから演算される電機子電流と、予め設定された電流位相角演算式とに基いて、電機子電流に対してモータトルクが最大値に近い値となる電流位相角β(電気角)[deg]を演算する。
この実施形態では、三相/二相座標変換部356によって得られるq軸電流iが、電流位相角βを演算するための電機子電流Iとして用いられる。電流位相角演算部354には、例えば、図9のモータ制御装置200において使用された電流位相角演算式(例えば前記式(4))が予め設定されている。電流位相角演算部354は、三相/二相座標変換部356から得られたq軸電流iの絶対値|i|を電機子電流Iとし、予め設定されている電流位相角演算式(4)と電機子電流Iとに基いて、電機子電流I(q軸電流i)に対してモータトルクが最大値に近い値となる電流位相角βを演算する。
次に、座標変換用回転角設定部355の動作について詳しく説明する。座標変換用回転角設定部355は、電流指令値Iが零以上の値である場合には、つまり電動モータ18が停止しているかまたは電動モータ18を回転させるべき方向が正転方向である場合には、次式(18)に基いて、座標変換用回転角δを設定する。
δ=θ−(90−β) …(18)
一方、電流指令値Iが零未満の値である場合には、つまり電動モータ18を回転させるべき方向が逆転方向である場合には、座標変換用回転角設定部355は、次式(19)に基いて、座標変換用回転角δを設定する。
δ=θ+(90−β) …(19)
このように、電動モータ18を回転させるべき方向に応じて、座標変換用回転角δが{θ−(90−β)}または{θ+(90−β)}に設定されることにより、電動モータ18をそれを回転させるべき方向に回転駆動することができる。
以下、この理由について説明する。以下において、図9のモータ制御装置200のように、演算式i =|I|cosβおよび演算式i =|I|sinβに基いてd軸電流指令値i およびq軸電流指令値i を設定するとともに、dq座標系とUVW座標系との間の座標変換をロータ回転角θを用いて行うような制御方法を基本制御方法ということにする。基本制御方法においては、シンクロナスリラクタンスモータの回転方向を反転させる場合には、電流指令値Iの極性を変えずに、βが−βに置き換えられる。
まず、図14A〜図14Cを参照して、電流指令値Iが正の値(I>0)である場合、つまり電動モータを正転方向に回転駆動させる場合について説明する。基本制御方法によって電動モータを正転方向に回転駆動させる場合を想定する。基本制御方法では、d軸電流指令値i およびq軸電流指令値i が、それぞれ演算式i =|I|cosβおよび演算式i =|I|sinβに基いて設定される。また、二相/三相座標変換部および三相/二相座標変換部は回転角演算部によって演算されるロータ回転角θをそのまま用いて座標変換を行う。なお、βは45度付近の角度であるとする。この場合には、d軸電流成分iがd軸電流指令値i (>0)に等しくなりかつq軸電流成分iがq軸電流指令値i (>0)に等しくなるように電流制御が行われるので、電機子電流ベクトルIは図14Aに示すようになる。
ロータ100には磁石が設けられてないので電動モータ18が駆動されていないときには無極性である。ステータ巻線101〜103に電流が流れるとロータ100に磁界が発生し、ロータ100が磁化される。この際、ロータ100の極性は、ステータ巻線101〜103に流れる電流の方向によって決まる。図14Aにおいて、電機子電流ベクトルIの終点がdq座標系の第1象限または第4象限にある場合には、ロータ100における+d軸方向に対応する突極部の極性がN極となり、−d軸方向に対応する突極部の極性がS極となる。電機子電流ベクトルIの終点がdq座標系の第2象限または第3象限にある場合には、ロータ100における+d軸方向に対応する突極部の極性がS極となり、−d軸方向に対応する突極部の極性がN極となる。
そして、極性がN極である突極部が、電機子電流ベクトルI側に引き付けられる。したがって、図14Aの例では、+d軸方向に対応する突極部が電機子電流ベクトルI側に引き付けられるので、ロータ100は反時計方向(正転方向)に回転する。
次に、二相/三相座標変換部および三相/二相座標変換部は基本制御方法と同様に回転角演算部によって演算されたロータ回転角θをそのまま用いて座標変換を行うが、d軸電流指令値i を零に設定し、q軸電流指令値i を図14Aの電流指令値I(>0)と同じ値に設定する場合を想定する。この場合には、d軸電流成分iが0となりかつq軸電流成分iが電流指令値Iに等しくなるように電流制御が行われるので、電機子電流ベクトルIは図14Bに示すようになる。このような制御では、電機子電流ベクトルIを、図14Aに示すような本来発生させるべき角度(方向)に発生させることができない。
そこで、図13のモータ制御装置300のように、d軸電流指令値i を零に設定し、q軸電流指令値i を図14Aの電流指令値Iと同じ値に設定した上で、各座標変換部351,356が座標変換用回転角{θ−(90−β)}を用いて座標変換を行う場合を想定する。この場合には、各座標変換部351,356は、図14Cに示すように、q軸を−(90−β)度回転させたq’軸と、d軸を−(90−β)度回転させたd’軸とからなるd’q’座標系で、座標変換を行うことになる。この際、d軸電流指令値i の大きさ(=0)がd’軸電流成分i’となり、q軸電流指令値i (=I)の大きさがq’軸電流成分i’となるから、電機子電流ベクトルIは図14Cに示すようになる。つまり、図14Aに示す電流ベクトルIの方向と同じ方向に電機子電流ベクトルIを発生させることができる。したがって、電動モータ18を回転させるべき方向に駆動させることができる。
次に、図15A〜図15Cを参照して、電流指令値Iが負の値(I<0)である場合、つまり電動モータを逆転方向に回転駆動させる場合について説明する。基本制御方法によって電動モータを逆転方向に回転駆動させる場合を想定する。電流指令値Iが負の値である場合には、電動モータ18を回転させるべき方向が逆転方向であることを示している。したがって、基本制御方法では、電流指令値Iの極性を変えずに、βが−βに置き換えられる。つまり、d軸電流指令値i およびq軸電流指令値i が、それぞれ演算式i =|I|cos(−β)=|I|cosβおよび演算式i =|I|sin(−β)=−|I|sinβに基いて設定される。また、二相/三相座標変換部および三相/二相座標変換部は回転角演算部によって演算されるロータ回転角θをそのまま用いて座標変換を行う。この場合には、d軸電流指令値i が正の値(i >0)となり、q軸電流指令値i が負の値(i <0)となる。そして、d軸電流成分iがd軸電流指令値i (>0)に等しくなりかつq軸電流成分iがq軸電流指令値i (<0)に等しくなるように電流制御が行われるので、電機子電流ベクトルIは図15Aに示すようになる。この電機子電流ベクトルIの終点はdq座標系の第4象限にあるので、ロータ100における+d軸方向に対応する突極部の極性がN極となり、−d軸方向に対応する突極部の極性がS極となる。したがって、+d軸方向に対応する突極部が電機子電流ベクトルI側に引き付けられるのでロータ100は時計方向(逆転方向)に回転する。
次に、二相/三相座標変換部および三相/二相座標変換部は基本制御方法と同様に回転角演算部によって演算されたロータ回転角θをそのまま用いて座標変換を行うが、d軸電流指令値i を零に設定し、q軸電流指令値i を図15Aの電流指令値I(I<0)と同じ値に設定する場合を想定する。この場合には、d軸電流成分iが0となりかつq軸電流成分iがI(I<0)に等しくなるように電流制御が行われるので、電機子電流ベクトルIは図15Bに示すようになる。このような制御では、電機子電流ベクトルIを、図15Aに示すような本来発生させるべき角度(方向)に発生させることができない。
そこで、図13のモータ制御装置300のように、d軸電流指令値i を零に設定し、q軸電流指令値i を図15Aの電流指令値I(I<0)と同じ値に設定した上で、各座標変換部351,356が座標変換用回転角{θ+(90−β)}を用いて座標変換を行う場合を想定する。この場合には、各座標変換部351,356は、図15Cに示すように、d軸を+(90−β)度回転させたd’軸と、q軸を+(90−β)度回転させたq’軸とからなるd’q’座標系で、座標変換を行うことになる。この際、d軸電流指令値i の大きさ(=0)がd’軸電流成分i’となり、q軸電流指令値i (=I<0)がq’軸 電流成分i’となるから、電機子電流ベクトルIは図15Cに示すようになる。つまり、図15Aに示す電流ベクトルIの方向と同じ方向に電機子電流ベクトルIを発生させることができる。したがって、シンクロナスリラクタンスモータからなる電動モータ18を回転させるべき方向に駆動させることができる。
前述したように、シンクロナスリラクタンスモータにおいては、電機子巻線に流れる電機子電流(モータ電流)には、回転磁界を発生するための駆動電流と、ロータ100を励磁するための励磁電流とが含まれている。シンクロナスリラクタンスモータでは、モータトルクは、回転磁界を発生するための駆動電流にトルク定数を乗算した値となり、電流指令値Iによって制御されるべき電流は駆動電流となる。つまり、シンクロナスリラクタンスモータでは、電流指令値Iおよびq軸電流指令値i は駆動電流iの指令値である。
一方、図13の電流検出部333によって検出される三相検出電流i,i,iは、電動モータ18に流れるモータ電流(電機子電流)である。そして、三相/二相座標変換部356によって演算されるq軸電流iは、モータ電流(電機子電流)である。図13のモータ制御装置300では、q軸電流i(モータ電流)がq軸電流指令値i (駆動電流)に等しくなるようにシンクロナスリラクタンスモータが制御されている。このように、図13のモータ制御装置300では、駆動電流と励磁電流とを含むモータ電流を、駆動電流の指令値に導くように電動モータ18を制御しているため、精度の高い電流制御を行えないおそれがある。
図7に戻り、第3実施形態におけるモータ制御装置としてのECU12Bについて説明する。図7において、前述の図13に示された各部に対応する部分には、図13中と同一参照符号を付して示す。
このECU12Bは、精度の高い電流制御を実現するために開発されたものである。ECU12Bは、マイクロコンピュータ31Bと、このマイクロコンピュータ31Bによって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)332と、電動モータ18の各相のステータ巻線101,102,103に流れる電流を検出する電流検出部333とを備えている。
マイクロコンピュータ31Bは、CPUおよびメモリを備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。メモリは、ROM、RAM、不揮発性メモリ340などを含む。複数の機能処理部には、電流指令値設定部341と、d軸電流指令値設定部343と、q軸電流指令値設定部344と、d軸電流偏差演算部345と、q軸電流偏差演算部346と、d軸PI(比例積分)制御部347と、q軸PI(比例積分)制御部348と、d軸指示電圧生成部349と、q軸指示電圧生成部350と、二相/三相座標変換部351と、PWM制御部352と、回転角演算部353と、電流位相角演算部354と、座標変換用回転角設定部355と、三相/二相座標変換部356と、励磁電流除去部(駆動電流演算部)362とが含まれている。
このECU12Bでは、励磁電流除去部362が設けられている点が、図13に示されるモータ制御装置300と異なっている。また、このECU12Bでは、不揮発性メモリ340内にモータ電流/励磁電流変換テーブル340aおよびモータ電流/駆動電流変換テーブル340bのうちの少なくとも一方が記憶されている点が、図13に示されるモータ制御装置300と異なっている。モータ電流/励磁電流変換テーブル340aまたはモータ電流/駆動電流変換テーブル340bは、それぞれ、第1実施形態で説明したモータ電流/励磁電流変換テーブル40aまたはモータ電流/駆動電流変換テーブル40b(図3参照)と同じであるのでその説明を省略する。
以下、励磁電流除去部362について説明する。励磁電流除去部362は、三相/二相座標変換部356によって得られたq軸電流iに含まれている駆動電流を演算する。具体的には、励磁電流除去部362は、q軸電流iからそれに含まれている励磁電流を除去することにより、q軸電流iに含まれている駆動電流を演算する。
この実施形態では、d軸電流iは零になるように制御されるため、三相/二相座標変換部356によって演算されたq軸電流iがモータ電流Iとなる。そこで、励磁電流除去部362は、三相/二相座標変換部356によって演算されたq軸電流iの絶対値|i|をモータ電流Iとして、モータ電流/励磁電流変換テーブル340aから、モータ電流I(=|i|)に対応する励磁電流iを求める。そして、励磁電流除去部362は、次式(20a)または(20b)に基いて、q軸電流i(モータ電流I)をそれに対応する駆動電流iに変換する。この駆動電流iがq軸電流偏差演算部346に与えられる。
≧0である場合 i=i−i …(20a)
<0である場合 i=i+i …(20b)
この第3実施形態では、q軸電流偏差演算部346は、q軸電流指令値i と駆動電流iとの偏差(i −i)を演算する。図13の制御装置300と同様に、第3実施形態においても、q軸電流指令値i は駆動電流iの指令値である。したがって、第3実施形態では、駆動電流iが駆動電流の指令値であるq軸電流指令値i に等しくなるように、電動モータ18が制御される。このように、第3実施形態では、モータ電流に含まれている駆動電流iを駆動電流の指令値i に導くように電動モータ18が制御されるので、精度の高い電流制御を実現できる。
励磁電流除去部362は、モータ電流/駆動電流変換テーブル340bを用いて、駆動電流iを演算するものであってもよい。この場合には、励磁電流除去部362は、三相/二相座標変換部356によって演算されたq軸電流iの絶対値|i|をモータ電流Iとして、モータ電流/駆動電流変換テーブル340bから、モータ電流I(=|i|)に対応する駆動電流iを求める。そして、励磁電流除去部362は、q軸電流iが零以上である場合には、モータ電流/駆動電流変換テーブル340bから求めた駆動電流iをそのまま駆動電流iとして出力する。一方、q軸電流iが零未満である場合には、励磁電流除去部362は、モータ電流/駆動電流変換テーブル340bから求めた駆動電流iに負の符号を付けた値(−i)を駆動電流iとして出力する。
図8は、この発明の第4実施形態に係るモータ制御装置としてのECU12Cの電気的構成を示す概略図である。図8において、前述の図13に示された各部に対応する部分には、図13中と同一参照符号を付して示す。
このECU12Cは、精度の高い電流制御を実現するために開発されたものである。ECU12Cは、マイクロコンピュータ31Cと、このマイクロコンピュータ31Cによって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)332と、電動モータ18の各相のステータ巻線101,102,103に流れる電流を検出する電流検出部333とを備えている。
マイクロコンピュータ31Cは、CPUおよびメモリを備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。メモリは、ROM、RAM、不揮発性メモリ340などを含む。複数の機能処理部には、電流指令値設定部341と、d軸電流指令値設定部343と、q軸電流指令値設定部344と、d軸電流偏差演算部345と、q軸電流偏差演算部346と、d軸PI(比例積分)制御部347と、q軸PI(比例積分)制御部348と、d軸指示電圧生成部349と、q軸指示電圧生成部350と、二相/三相座標変換部351と、PWM制御部352と、回転角演算部353と、電流位相角演算部354と、座標変換用回転角設定部355と、三相/二相座標変換部356と、励磁電流加算部(電流指令値変換部)363とが含まれている。
このECU12Cでは、励磁電流加算部363が設けられている点が、図13に示されるモータ制御装置300と異なっている。また。このECU12Cでは、不揮発性メモリ340内に駆動電流/励磁電流変換テーブル340cおよび駆動電流/モータ電流変換テーブル340dのうちの少なくとも一方が記憶されている点が、図13に示されるモータ制御装置300と異なっている。駆動電流/励磁電流変換テーブル340cおよび駆動電流/モータ電流変換テーブル340dは、それぞれ、前述した第2実施形態における駆動電流/励磁電流変換テーブル40cおよび駆動電流/モータ電流変換テーブル40d(図6参照)と同じであるのでその説明を省略する。
以下、励磁電流加算部363について説明する。励磁電流加算部363は、電流指令値設定部341によって設定された電流指令値(駆動電流の指令値)Iを、モータ電流指令値に変換するものである。具体的には、励磁電流加算部363は、電流指令値Iにそれに応じた励磁電流を加算することにより、モータ電流指令値を演算する。より具体的には、励磁電流加算部363は、電流指令値Iの絶対値|I|を駆動電流指令値として、駆動電流/励磁電流変換テーブル340cから駆動電流指令値(=|I|)に対応する励磁電流iを求める。次に、励磁電流加算部363は、得られた励磁電流iと電流指令値Iとを用い、次式(21a)または(21b)に基いて、電流指令値Iを、それに対応するモータ電流指令値I に変換する。
≧0である場合 I =I+i …(21a)
<0である場合 I =I−i …(21b)
励磁電流加算部363によって得られたモータ電流指令値I が、q軸電流指令値演算部344に与えられる。q軸電流指令値演算部344は、励磁電流加算部363によって得られたモータ電流指令値I を、そのままq軸電流指令値i として出力する。
この第4実施形態では、三相/二相座標変換部356によって演算されるq軸電流i(モータ電流I)がq軸電流指令値i (モータ電流指令値I )に等しくなるように、電動モータ18が制御される。このように、第4実施形態では、駆動電流指令値Iに対応したモータ電流指令値i にモータ電流iを導くように、電動モータ18が制御されるので、精度の高い電流制御を行えるようになる。
励磁電流加算部363は、駆動電流/モータ電流変換テーブル340dを用いて、モータ電流指令値I を演算するものであってもよい。この場合には、励磁電流加算部363は、電流指令値Iの絶対値|I|を駆動電流指令値として、駆動電流/モータ電流変換テーブル340dから駆動電流指令値(=|I|)に対応するモータ電流Iを求める。そして、電流指令値Iが零以上であれば、励磁電流加算部363は、求めたモータ電流Iをそのままモータ電流指令値I として出力する。一方、電流指令値Iが零未満であれば、励磁電流加算363は、求めたモータ電流Iに負の符号を付した値(−I)を、モータ電流指令値I として出力する。
以上、この発明の第1〜第4実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。前述の第3および第4実施形態では、電流位相角演算部354は、電流検出部333によって検出された検出電流から演算された電機子電流I(この実施形態ではq軸電流i)と、予め設定された電流位相角演算式(例えば式(5)参照)とに基いて、電機子電流Iに対してモータトルクが最大値に近い値となる電流位相角βを演算している。しかし、電流位相角演算部354は、前記電流位相角演算式によって表される電機子電流Iと電流位相角βとの関係を記憶したマップと、電流検出部333によって検出された検出電流から演算された電機子電流Iとに基いて、電機子電流Iに対してモータトルクが最大値に近い値となる電流位相角βを演算してもよい。
また、前述の第1〜第4実施形態では、前記式(3)に基いて、各電機子電流Iに対応する電流位相角−モータトルク特性曲線上の最大トルク値を結ぶ曲線を直線近似し、得られた近似式に基いて電流位相角演算式を求めている。しかし、最小二乗法等の他の方法によって、各電機子電流Iに対応する電流位相角−モータトルク特性曲線上の最大トルク値を結ぶ曲線を直線近似し、得られた近似式に基いて電流位相角演算式を求めるようにしてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
12,12A,12B,12C…ECU、18…電動モータ、25…回転角センサ、31,31A,31B,31C…マイクロコンピュータ、33,333…電流検出部、40,340…不揮発性メモリ、40a,340a…モータ電流/励磁電流変換テーブル、40b,340b…モータ電流/駆動電流変換テーブル、40c,340c…駆動電流/励磁電流変換テーブル、40d,340d…駆動電流/モータ電流変換テーブル、41,341…電流指令値設定部、43,343…d軸電流指令値設定部、44,344…q軸電流指令値設定部、45,345…d軸電流偏差演算部、46,346…q軸電流偏差演算部、47,347…d軸PI制御部、48,348…q軸PI制御部、61…d軸励磁電流除去部、62…q軸励磁電流除去部、362…励磁電流除去部、63,363…励磁電流加算部

Claims (6)

  1. 回転磁界を発生するための駆動電流とロータを励磁するための励磁電流とがモータ電流に含まれているシンクロナスリラクタンスモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段と、
    前記モータに発生させるべきモータトルクに対応した駆動電流指令値を設定する電流指令値設定手段と、
    前記電流検出手段によって検出されるモータ電流に含まれている駆動電流を演算する駆動電流演算手段と、
    前記駆動電流演算手段によって演算される駆動電流が、前記電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値に等しくなるように、前記モータを制御する制御手段とを含むモータ制御装置。
  2. 前記駆動電流演算手段は、
    前記モータのモータ電流と励磁電流との関係を記憶したテーブルと、
    前記電流検出手段によって検出されるモータ電流に対応する励磁電流を前記テーブルから求める励磁電流演算手段と、
    前記電流検出手段によって検出されるモータ電流から、前記励磁電流演算手段によって求められる励磁電流を除去することにより、駆動電流を求める手段とを含む、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記駆動電流演算手段は、
    前記モータのモータ電流と駆動電流との関係を記憶したテーブルと、
    前記電流検出手段によって検出されるモータ電流に対応する駆動電流を前記テーブルから求める手段とを含む、請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 回転磁界を発生するための駆動電流とロータを励磁するための励磁電流とがモータ電流に含まれているシンクロナスリラクタンスモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段と、
    前記モータに発生させるべきモータトルクに対応する駆動電流指令値を設定する電流指令値設定手段と、
    前記電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値を、dq軸上のモータ電流指令値に変換する電流指令値変換手段と、
    前記電流検出手段によって検出されるモータ電流に対応するdq軸電流値が、前記電流指令値変換手段によって得られたdq軸上のモータ電流指令値に等しくなるように、前記モータを制御する制御手段とを含むモータ制御装置。
  5. 前記電流指令値変換手段は、
    前記モータの駆動電流と励磁電流との関係を記憶したテーブルと、
    前記駆動電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値に対応する励磁電流を前記テーブルから求める励磁電流演算手段と、
    前記駆動電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値に、前記励磁電流演算手段によって求められる励磁電流を加えた値に対応するdq軸電流値を、モータ電流指令値として設定する手段とを含む、請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記電流指令値変換手段は、
    前記モータの駆動電流とモータ電流との関係を記憶したテーブルと、
    前記駆動電流指令値設定手段によって設定される駆動電流指令値に対応するモータ電流を前記テーブルから求め、得られたモータ電流に対応するdq軸電流値をモータ電流指令値として設定する手段とを含む、請求項4に記載のモータ制御装置。
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