JP6183228B2 - 展示機能付き包装箱 - Google Patents

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Description

本発明は,包装した商品等を陳列したまま展示する機能を兼ね備えた包装箱に関する。具体的に説明すると,本発明の展示機能付き包装箱は,底面をなすトレー部とその周りを覆う箱部によって商品を包装可能であると共に,トレー部から箱部を取り外すことで,商品等を展示することができる。
従来から,多様な商品を包装可能な包装箱であって,商品を店頭等に陳列する際には,その包装箱の天面側の箱部と底面側のトレー部を分離させることにより,商品の陳列棚としても機能するものが知られている。このような形態の包装箱は,シェルフ・レディ・パッケージとも呼ばれる。シェルフ・レディ・パッケージは,箱部を開封すれば,そのまま商品を展示することができるため,店頭等での作業性に優れている。
このような形態の包装箱として,特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1の包装箱は,底面を持つ内箱部と,内箱部を覆う外箱部で構成されており,商品の梱包作業や,包装箱の一部を分離して商品を陳列する作業を容易に行なうことができ,商品の陳列状態の見栄えに支障がないとされている。
ただし,上記特許文献1の包装箱は,内箱部と外箱部は,別々のブランクシートにより構成されている。従って,特許文献1の包装箱は,内箱部と外箱部を別々に製造する必要があり,また別々に製造した内箱部と外箱部を接着するための設備も必要となる。このため,特許文献1の包装箱は,製造時や組立時のコストが向上し,大量生産に不向きであるとされていた。
この点,特許文献2には,シェルフ・レディ・パッケージ型の包装箱であって,商品を載置する底面部と,底面に対して立設された側面部と,底面部に対向する天面部を一つのブランクシートで形成し,側面部に破断用に切離部を設けることで,包装箱を底面部側と天面部側とに分離する技術が開示されている。この特許文献2の包装箱は,包装状態において,側面部の全周囲に亘って形成されたテープ状の切離部を有しており,この切離部に沿って側面部を破断させることで天面部側が開封し,展示状態になる。これにより,特許文献2の包装箱は,一枚のブランクシートを組立てることで包装箱を形成できるため,製造コストを抑えることができるというメリットがある。
実用新案登録3139948号 特開2007−161330号公報
しかしながら,上記したように,特許文献2の包装箱は,側面部の全周囲に亘って形成されたテープ状の切離部に沿って,側面部を上部と下部に切り離すことにより,商品を陳列する際の展示状態となる。このため,店頭等において包装箱を開封する際には,テープ状の切離部を側面部の一周分破断させる必要があり,作業性に劣るという問題があった。
また,テープ状の切離部が破断した部分はギザギザしており,手触りや見た目が悪くなる。上記特許文献2の包装箱のように,包装箱を上部と下部に分離させるための切離部の全長が長いと,商品の展示状態おいて包装箱の破断跡(ギザギザした部分)が目立つようになり,見栄えが悪くなるばかりでなく,消費者が商品を手に取ろうとした際に,その手指を傷つけてしまうという恐れもあった。
このため,現在は,商品等が載置されるトレー部と,このトレー部を外装する箱部とを一枚のブランクシートで形成でき,しかもトレー部と箱部の連結が部分的で,店頭等での開封作業がより簡便な展示機能付き包装箱が求められている。
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,包装箱のトレー部と箱部を繋ぎ部によって一体に連接し,包装状態においては,この繋ぎ部を二箇所の折線において折り返してトレー部の周囲を箱部によって覆いつつ,展示状態とする際には,この繋ぎ部をトレー部から分離させるようにすることで,トレー部と箱部とを一枚のブランクシートで形成でき,しかも店頭等での開封作業がより簡便になるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
まず,本発明に係る展示機能付き包装箱の基本的構成について説明する。本発明に係る展示機能付き包装箱の基本的構成は,図1〜図6に示された第1の実施形態と,図7〜図10に示された第2の実施形態の両方を包含する。
本発明は,展示機能付き包装箱に関する。
本発明の包装箱100は,基本的に,トレー部Aと箱部Bを備える。
トレー部Aは,底面10と,この底面10の周囲に立設する壁面20を有する。
箱部Bは,トレー部Aの壁面20の周囲を囲う側面30を有する。
また,本発明の包装箱100は,さらに,繋ぎ部50,60を有している。
繋ぎ部50,60は,箱部Bの側面30の一部から延出し,一端部分がトレー部Aの壁面20の一部に対し切断可能線51,61を介して一体に連接されている。
この繋ぎ部50,60は,箱部Bの側面30との境界に設けられた第1の折線(I)と,トレー部Aの壁面20と連接する一端部分に設けられた第2の折線(II)を含む。
そして,本発明の包装箱100は,繋ぎ部50,60を,第1の折線(I)及び第2の折線(II)の二箇所において折り返し,トレー部Aの壁面20の外面に,箱部Bの側面30の内面を当接させることで,トレー部Aの周囲を箱部Bによって覆った包装状態が形成される。
他方,本発明の包装箱100は,上記包装状態において,切断可能線51,61を切断し,繋ぎ部50,60をトレー部Aの壁面20から切り離すことで,箱部Bをトレー部Aから取り外し可能な展示状態が形成される。
上記構成のように,本発明は,包装箱のトレー部Aと箱部Bが繋ぎ部50,60を介して連接されているため,一枚のブランクシートによって形成でき,製造コストを削減できる。また,本発明は,繋ぎ部50,60を設けることで,包装体を組立てる際にトレー部Aと箱部Bを接着剤等で接着する必要がなく,組立コストを削減できる。また,本発明において,トレー部Aと箱部Bは,繋ぎ部50,60を介して部分的に連結されたものであるため,包装箱を展示状態とするために繋ぎ部50,60を破断した場合であっても,破断跡(ギザギザした部分)があまり目立たなくなり,包装箱の手触りや見栄えが良化される。さらに,本発明の包装箱を展示状態とする際には,繋ぎ部をトレー部から切り離すだけの作業で済むため,店頭等での開封作業がより簡便になる。
続いて,本発明に係る展示機能付き包装箱について,図7から図10に示された第2の実施形態に係る具体的な構成について説明する。
第2の実施形態に係る包装箱において,繋ぎ部50,60は,基端部52,62と,先端部54,64とから構成されていることが好ましい。
基端部52,62は,繋ぎ部50,60のうち,側面30の一部として形成された部分である。
先端部54,64は,基端部52,62に第1の折線(I)を介して連接し,側面30から延出して,壁面20の一部として形成され,且つ,壁面20に第2の折線(II)を介して連接した部分である。
上記構成のように,繋ぎ部50,60を基端部52,62と先端部54,64のみによって構成し,かつ,基端部52,62を側面30の一部として形成し,先端部54,64を壁面20の一部として形成することで,よりシンプルな構造の包装箱を実現できる。すなわち,上記の構成を持つ展示機能付き包装箱は,それを組み立てた後,繋ぎ部50,60を上方に引き上げるだけで,箱部Bからトレー部Aを分離させることができる。このようなシンプルな構造の包装箱は,生産効率が高いため大量生産できる可能性があり,またトレー部Aから箱部Bを分離させる操作が簡単であるため汎用性も高いといえる。
第2の実施形態に係る包装箱において,基端部52,62は,第1の折線(I)と平行な第3の折線(III)を介して,側面30に連接していることが好ましい。
上記構成のように,基端部52,62と側面30の繋ぎ目に折線(第3の折線(III))を設けることで,トレー部Aから箱部Bを分離させる操作がより簡便になる。
第2の実施形態に係る包装箱において,第2の折線(II)は,切断可能線51,61であることが好ましい。
上記構成のように,第2の折線(II)が切断可能線51,61であることにより,トレー部Aから箱部Bを分離させる操作がより簡便になる。
本発明は,包装箱のトレー部と箱部が繋ぎ部を介して連接されているため,一枚のブランクシートによって形成でき,製造コストを削減できる。
また,本発明は,繋ぎ部を設けることで,包装体を組立てる際にトレー部と箱部を接着剤等で接着する必要がなく,組立コストを削減できる。
また,本発明において,トレー部と箱部は,繋ぎ部を介して部分的に連結されたものであり,包装箱を展示状態とするために,繋ぎ部を破断した場合であっても,この破断した部分の破断跡(ギザギザ)があまり目立たなくなり,包装箱の手触りや見栄えが良化される。
さらに,本発明の包装箱を展示状態とする際には,繋ぎ部をトレー部から切り離すだけの作業で済むため,店頭等での開封作業がより簡便になる。
図1は,第1の実施形態に係る包装箱を形成するブランクシートの例を示した展開図である。 図2は,ブランクシートの状態から包装箱を組み上げる手順を説明するための図である。 図3は,第1の実施形態に係る包装箱を概念的に示している。図3(a)は斜視図であり,図3(b)は断面図である。 図4は,展示状態とされた第1の実施形態の包装箱を概念的に示している。図4(a)は斜視図であり,図4(b)は断面図である。 図5は,トレー部から箱部が取り外された状態にある第1の実施形態の包装箱概念的に示している。図5(a)は斜視図であり,図5(b)は断面図である。 図6は,本発明が再封緘可能な包装箱であることを説明するための参考図である。 図7は,第2の実施形態に係る包装箱を形成するブランクシートの例を示した展開図である。 図8は,第2の実施形態に係る包装箱を概念的に示している。図8(a)は斜視図であり,図8(b)は断面図である。 図9は,展示状態とされた第2の実施形態の包装箱を概念的に示している。図9(a)は斜視図であり,図9(b)は断面図である。 図10は,トレー部から箱部が取り外された状態にある第2の実施形態の包装箱概念的に示している。図10(a)は斜視図であり,図10(b)は断面図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本願明細書において,「A〜B」とは,A以上B以下であることを意味する。
(1.第1の実施形態)
まず,本願明細書では,図1〜図6を参照して,本発明の第1の実施形態に係る展示機能付き包装箱について説明する。
図1は,本発明の実施形態に係る包装箱の展開図であり,包装箱を形成するブランクシート100´を示している。図1は,ブランクシート100´の内面側から見た状態を示している。図1に示されるように,ブランクシート100´には,包装箱のトレー部Aと箱部Bを形成する部分が含まれる。トレー部Aは,底面10と,底面10の周囲に立設する壁面20を形成する各板部材が連接して構成されている。また,箱部Bは,包装体を組み上げた際に,トレー部Aの壁面20に周囲を囲う側面30と,側面30により画定される上部の開口を塞ぐための天面40を形成する各板部材が連接して構成されている。さらに,ブランクシート100´には,箱部Bの側面30の一部から延出し,トレー部Aの壁面20の一部に対し,一体に連接された繋ぎ部50,60が設けられている。そして,このようなブランクシート100´は,一枚のシート状の部材から形成される。ブランクシート100´は,例えば厚紙若しくは段ボール等の紙製シート,又はプラスチックシート等のシート状部材を打ち抜いて加工し,所定の位置に折線と切込線を設けることにより形成すればよい。ブランクシート100´は,特に段ボールによって形成されていることが好ましい。なお,ブランクシート100´を形成する段ボールは,公知のものを適宜採用すればよい。
図1に示されるように,トレー部Aの壁面20は,組立時に互いに対向する前壁面板21及び後壁面板22と,互いに対向する左壁面板23及び右壁面板24を含んで構成される。すなわち,ブランクシート100´の内面側から見た場合に,壁面20を構成する各壁面板21〜24は,図中左側から順に,左壁面板23,後壁面板22,右壁面板24,及び前壁面板21の順で一方向に連接されている。また,これらの各壁面板21〜24を連接する境界線上には,折線(谷折線)が形成される。また,図1に示されるように,各壁面板21〜24のうち,一方の端部に位置する左壁面板23には,折線(谷折線)を境界として,下段接合片25が延設されている。さらに,下段接合片25と,下段接合片25が接合される前壁面板21の一部には,ツブシ加工を施すこととしてもよい。ツブシ加工とは,段ボール等の板状部材からなるブランクシートの一部を押圧し,その厚みを小さくする加工を意味する。このように,下段接合片25と,それに対応する前壁面板21の一部に対しツブシ加工を施すことで,板部材が重なった際の厚みが増加するのを低減させることができ,箱部Bとトレー部Aの密着性が良化され,包装箱100全体の見栄えが良くなる。
上記した各壁面板21〜24を各折線に沿って折り曲げ,下段接合片25と前壁面板21を接合することにより,各壁面板21〜24の一方の端部に位置する左壁面板23と,他方の端部に位置する前壁面板21が,下段接合片25を介して連結されるようになる。これにより,各壁面板21〜24が周方向に繋がり,前後一対の前壁面板21及び後壁面板22が互いに対向すると共に,左右一対の左壁面板23及び右壁面板24が互いに対向するようにして,壁面20が立設する。各壁面板21〜24は,トレー部Aに載置された商品等が傾倒するのを防止するための壁面として機能する。壁面20が立設する高さは,特に限定されるものではないが,少なくとも後述する側面30の高さよりも低くなる。本実施形態においては,壁面20の高さは,側面30の高さを100%とした場合に,20%〜50%,好ましくは30%〜40%で形成される。
また,図1に示されるように,本実施形態において,トレー部Aの壁面20を形成する各壁面板21〜24には,底面10を形成する各底面板11〜14が連接されている。本発明において,底面10の構造は特に限定されるものではなく,公知となっている構造を適宜採用できる。例えば,本実施形態において,底面10には,いわゆるセミオートマチック方式のロックボトム構造が採用されている。
具体的に説明すると,図1に示されるように,包装箱の底面10は,前壁面板21に連接する前底面板11と,後壁面板22に連接する後底面板12と,左壁面板23に連接する左底面板13と,右壁面板24に連接する右底面板14により構成される。底面10を構成する各底面板11〜14と,壁面20を構成する各壁面板21〜24の境界線上には,それぞれ折線(谷折線)が形成され,各底面板11〜14は包装箱の内側に向かって折り曲げることができるようになっている。図1に示されるように,左底面板13の先端側の中央には凸部13aが設けられ,右底面板14の先端側の中央には凹部14aが設けられ,前底面板11と後底面板12のそれぞれには角部11a,12aが形成される。セミオートマチック方式のロックボトム構造は,底面10を形成するにあたり,まず,右底面板14を折り曲げ,右底面板14の上に,前底面板11と後底面板12を重ねる。そして,前底面板11と後底面板12の上に左底面板13を重ね合わせ,さらに,右底面板14の凹部14aと,前底面板11の角部11aと,後底面板12の角部12aにより形成される隙間に,左底面板13の凸部13aを挿入する。そして,左底面板13の凸部13aが,右底面板14の凹部14aの下側に位置するようにすることで,各底面板11〜14が互いに係合し,底面10を構成するようになっている。このようなセミオートマチック方式のロックボトム構造は,接着剤を用いずに,各底面板11〜14を機械的に係合させるだけで底面10を構成できる。
他方,図1に示されるように,箱部Bの側面30は,組立時に互いに対向する前側面板31及び後側面板32と,互いに対向する左側面板33及び右側面板34を含んで構成される。すなわち,ブランクシート100´の内面側から見た場合に,側面30を構成する各側面板31〜34は,図中左側から順に,左側面板33,後側面板32,右側面板34,及び前側面板31の順で一方向に連接されている。また,これらの各側面板31〜34を連接する境界線上には,折線(谷折線)が形成される。なお,箱部Bの側面30の全周長は,トレー部Aの壁面20の全周長よりも,一回り大きく形成されている。例えば,ブランクシート100´を形成するシート部材の厚みをTとした場合に,側面30の全周長は,壁面20の全周長よりも,T〜4T程度長くすればよい。
また,図1に示されるように,各側面板31〜34のうち,一方の端部に位置する左側面板33には,折線(谷折線)を境界として,上段接合片35が延設されている。各側面板31〜34を各折線に沿って折り曲げ,上段接合片35と前側面板31の一部を接合することにより,各側面板31〜34の一方の端部に位置する左側面板33と,他方の端部に位置する前側面板31が,上段接合片35を介して連結されるようになる。ここで,図1に示されるように,上段接合片35は,左側面板33の全体に連接されているのではなく,下方側の部分(底面側の部分)を一部切り欠いて形成されていることが好ましい。また,前側面板31も,上段接合片35が接合される部分よりも下方側の部分が一部切り欠かれた形状となっていることが好ましい。すなわち,上段接合片35は,左側面板33よりも高さ方向の長さが短く形成されている。これは,包装体100を組み上げて,箱部Bの側面30がトレー部Aの壁面20に当接するようにしたときに,上段接合片35が,トレー部Aの壁面20と干渉しないようにするためである。このため,上段接合片35及び前側面板31は,トレー部Aの壁面20の高さ分以上に,その下方側の一部を切り欠いた形状とすればよい。上記のように,上段接合片35と前側面板31を接合することで,各側面板31〜34が周方向に繋がり,前後一対の前側面板31及び後側面板32が互いに対向すると共に,左右一対の左側面板33及び右側面板34が互いに対向するようにして,側面30が起立する。
図1に示されるように,本実施形態において,側面30を形成する各側面板31〜34には,天面40を形成する各天面板41〜44が連接されている。本発明において,天面40を設けることが好ましいが,必ずしも必須の構成ではない。また,本発明において,天面40の構造は特に限定されるものではなく,公知となっている種々の構造を適宜採用できる。本実施形態において,天面40は,前側面板31に連接する前天面板41と,後側面板32に連接する後天面板42と,左側面板33に連接する左天面板43と,右側面板34に連接する右天面板44により構成される。
本発明の包装箱100は,図1に示されるように,トレー部Aの壁面20と,箱部Bの側面30とを一体に連接する繋ぎ部50,60を有している。本実施形態の包装箱100は,トレー部Aの左壁面板23と箱部Bの左側面板33を繋ぐ左繋ぎ部50と,トレー部Aの右壁面板24と箱部Bの左側面板34を繋ぐ右繋ぎ部60と,を有する。各繋ぎ部50,60は,各壁面板21〜24(又は各側面板31〜34)同士が連接する方向(図中横方向)とは直交する方向(図中縦方向)に延びる要素である。
図1に示されるように,各繋ぎ部50,60は,左右側面板33,34の一部から延出し,一端部分が左右壁面板23,24の一部に対し,切断可能線51,61を介して一体に連接されている。また,各繋ぎ部50,60は,左右側面板33,34との境界に設けられた第1の折線(I)と,左右壁面板23,24と連接する一端部分に設けられた第2の折線(II)を含む。また,各繋ぎ部50,60は,第1の折線(I)と第2の折線(II)の間に設けられた第3の折線(III)を含むことが好ましい。
具体的に説明すると,図1に示されるように,各繋ぎ部50,60は,第1の折線(I)を始点として,左右壁面板23,24の方向に向かって延びている。なお,本願明細書では,各繋ぎ部50,60の第1の折線(I)側の端部を「基端」といい,反対側の端部を「先端」ということがある。図1に示されるように,第1の折線(I)は,箱部Bの側面30の下縁の延長線上に設けられる。他方,第2の折線(II)は,トレー部Aの壁面20の上縁の延長線上に設けられる。詳しくは後述するが,第1の折線(I)と第2の折線(II)は互いに逆方向に繋ぎ部50,60を折り返すための折線である。そして,各繋ぎ部50,60を,第1の折線(I)に沿って,各繋ぎ部50,60が左右側面33,34の内面に当接する方向に折り返し,その後,第2の折線(II)に沿って,第1の折線(I)とは逆方向に折り返すことで,トレー部Aの壁面20の外面に,箱部Bの側面30の内面が当接するようになる。このようにして,トレー部Aの周囲を箱部Bによって覆った状態を,本願明細書では,「包装状態」と称する。
図1に示されるように,各繋ぎ部50,60は,第1の折線(I)と第3の折線(III)の間の領域である基端部52,62と,第3の折線(III)と第2の折線(II)の間の領域である中間部53,63と,第2の折線(II)から先端までの領域である先端部54,64に区分できる。ブランクシートの状態において,基端部52,62と中間部53,63は,トレー部Aの壁面20と箱部Bの側面30との間に位置している。他方,先端部54,64は,ブランクシートの状態において,トレー部Aの壁面20の一部として構成されている。より詳しく説明すると,各繋ぎ部50,60の先端部54,64は,壁面20上縁の延長線上に設けられた第2の折線(II)と,この第2の折線(II)と直交し底面10側に向かって延びる二本の切断可能線51,61と,これら二本の切断可能線51,61の底面10側の端部を繋ぐ切り込み線55,65と,により画定される領域である。二本の切断可能線51,61は,例えば公知のミシン目線のように,他の部分と比べて切断し易くなっている。また,各繋ぎ部50,60の先端縁に相当する位置には,切り込み線55,65が設けられている。なお,この切り込み線55,65に代えて,ミシン目線のような切断可能線を設けることも可能である。このようにして,ブランクシートの状態では,各繋ぎ部50,60の先端部54,64は,トレー部Aの壁面20の一部として構成されている。
また,図1に示されるように,本発明において,第1の折線(I)と第2の折線(II)の間の最大距離をL1とし,各壁面板21〜24の上縁から下縁までの最大距離(高さ)をL2とした場合に,距離L1は,距離L2と略等しいものであることが好ましい(L1≒L2)。ここにいう「略等しい」とは,ブランクシートを形成するシート部材の厚みをTとした場合に,両者の差の絶対値が,3T以内であることを意味する。このように,距離L1を距離L2と略等しくすることにより,包装箱100を組み立てて包装状態とした際に,トレー部Aの壁面20全体を,箱部Bの側面30によって過不足なく覆うことができ,包装状態における包装箱100の見栄えが良くなる。また,第2の折線(II)と第3の折線(III)の間の最大距離をL3とし,第2の折線(II)から各繋ぎ部50,60の先端縁までの最大距離をL4とした場合に,距離L3と距離L4は略等しいものであることが好ましい。このように,距離L3と距離L4を等しくすることで,後述するように,包装箱100を開封して展示状態とする際に,切断可能線51,61に沿って,各繋ぎ部50,60を,トレー部Aの壁面20から分離し易くなる。
また,本発明において,図1に示されるように,切断可能線51,61に沿って,各繋ぎ部50,60をトレー部Aの壁面20から分離する作業を行い易くするために,箱部Bの左側面板33と右側面板34のそれぞれには,開口部33a,34aを形成するためのフラップ片33b,34bが設けられている。フラップ片33b,34bは,一部の折線と,他部の切込線により周囲を画定された部分であり,折線を基点として自由に開閉する。このため,フラップ片33b,34bを開いた際には,その部分に開口部33a,34aが生じる。本実施形態において,フラップ片33b,34bは,その下縁が折線によって形成され,切込線がコの字状に形成された略矩形状となっている。このようなフラップ片33b,34bは,包装箱100の包装状態において,トレー部Aの壁面20と繋ぎ部50,60とが切断可能線51,61を介して連接する部分(すなわち,先端部54,64)と対応する位置に設けられることが好ましい。より詳しく説明すると,図3に示されるように,左右側面板33,34の下縁からフラップ片33b,34bの上縁までの最大距離をL5とした場合に,この距離L5は,上記した距離L2と略等しいことが好ましい。このようなフラップ片33b,34bを設ければ,フラップ片33b,34bを開くことで,包装状態においても容易に各繋ぎ部50,60を摘み持って,切断可能線51,61を破断させることができるようになる。
また,図1に示されるように,フラップ片33b,34bを開き易くするように,フラップ片33b,34bの周囲には,指先を挿入するための手指挿入孔33c,34cを形成するための補助フラップ片33d,34dを設けることが好ましい。補助フラップ片33d,34dは,一部の折線と,他部の切込線により周囲を画定された部分であり,折線を基点として自由に開閉する。本実施形態において,補助フラップ片33d,34dは,フラップ片33b,34bの上部に隣接して形成されている。また,補助フラップ片33d,34dは,その上縁が折線によって形成され,切込線がコの字状に形成された略矩形状となっている。これにより,補助フラップ片33d,34dを押し込んで指先を挿入することで,フラップ片33b,34bを摘んで開き易くなる。
続いて,図2及び図3を参照して,本発明の包装箱を,ブランクシート100´の状態から包装状態に組み上げる手順について説明する。なお,図2及び図3においては,説明を分り易くするために,各繋ぎ部50,60に薄墨を施して表示している。
まず,図2(a)は,図1と同様に,包装箱のブランクシート100´が折り畳まれる前の状態を示している。図2(a)は,ブランクシート100´を内面側から見た状態を示している。また,図2(a)では,各繋ぎ部50,60が持つ第1の折線(I)及び第2の折線(II)の延長線を概念的に表示している。本発明の包装箱は,図2(a)に示されるように,一枚のブランクシートから形成することができる。すなわち,図2(a)は,包装箱を形成するブランクシートの初期状態を示すものである。
次に,図2(a)に示された状態から,図2(b)に示されるように,各繋ぎ部50,60に設けられた第1の折線(I)に従って,各繋ぎ部50,60及びトレー部Aを折り返す。このとき,各繋ぎ部50,60及びトレー部Aは,箱部Bの内面に当接する方向に,折り返される。このようにして,トレー部Aを形成する板部材の上に,箱部Bを形成する板部材が重ね合わされた状態となる。
次に,図2(b)に示された状態から,図2(c)に示されるように,各繋ぎ部50,60に設けられた第2の折線(II)に従って,各繋ぎ部50,60及びトレー部Aを折り返す。このとき,各繋ぎ部50,60及びトレー部Aは,第2の折線(II)に従って,第1の折線(I)の折線とは逆方向に,折り返される。このように折り返すことで,トレー部Aの壁面20の外面が,箱部Bの側面30の内面に当接した状態となる。また,各繋ぎ部50,60は,第1の折線(I)と第2の折線(II)の二箇所において折り返された状態となっている。
その後,図示は省略するが,図2(c)に示された状態から,トレー部Aの壁面20を形成する各側壁板21〜24を各所の折線に従って折り曲げると共に,箱部Bの側面30を形成する各側面板31〜34を各所の折線に従って折り曲げていく。また,トレー部Aの左壁面板23に延設された下段接合片25を前壁面板21に接合すると共に,箱部Bの左側面板33に延設された上段接合片35を前側面板31に接合する。また,トレー部Aの底面10に含まれる各底面板11〜14を上記した手順で折り畳み,底面10を構成する。これにより,包装箱100が収納状態となる。そして,底面10,壁面20,及び側面30により画定された収納空間に,上部の開口部から所望の商品等を収納した上で,天面40を閉じる。これにより,包装箱100の内部に商品等が収納される。上記した手順で形成された包装箱100の収納状態は,図3に示されている。
図3は,収納状態にある包装箱100を示している。図3(a)は,包装箱100の外観を概念的に示す斜視図である。図3(b)は,図3(a)に示されたX1−X1線における断面を概念的に示している。なお,図において,X1−X1線における端面よりも奥に位置する部分は一点鎖線で表示している。
図3(a)及び(b)に示されるように,包装箱100の収納状態において,トレー部Aは,箱部Bの内部に収容された状態となっている。また,トレー部Aの壁面20と箱部Bの側面を繋ぐ各繋ぎ部50,60は,第1の折線(I)と第2の折線(II)の二箇所において折り返された状態となっている。
続いて,図4及び図5を参照して,収納状態にある包装箱100を,展示状態とするための手順について説明する。ここにいう「展示状態」とは,各繋ぎ部50,60とトレー部Aの壁面20を連接している切断可能線51,61を切断し,各繋ぎ部50,60を壁面20から切り離すことで,箱部Bをトレー部Aから取り外し可能となった状態を意味する。
図4は,展示状態とされた包装箱100を示している。図4(a)は,包装箱100を展示状態とするための操作を,人の手指と共に概念的に示す斜視図である。図4(b)は,図4(a)に示されたX2−X2線における断面を概念的に示している。
図4(a)に示されるように,包装箱100を展示状態とするためには,まず,箱部Bの側面30に設けられた補助フラップ片34d(33d)を,箱部Bの内部方向へと押し込み,手指挿入孔34c(33c)を形成する。次に,この手指挿入孔34c(33c)に,例えば親指や人差し指などを挿入して,フラップ片34b(33b)と,折り返された状態の繋ぎ部60(50)の上端部分を摘み持つ。そして,フラップ片34b(33b)と繋ぎ部60(50)を摘持したまま,繋ぎ部60(50)に形成された第3の折線(III)に従って,フラップ片34b(33b)及び繋ぎ部60(50)を,箱の外方に向かって折り曲げる。すると,繋ぎ部60(50)とトレー部Aの壁面20を連接していた切断可能線61(51)が切断され,繋ぎ部60(50)が壁面20から切り離される。これにより,図4(a)に示されるように,フラップ片34b(33b)が外側へ開くとともに,折り返された状態の繋ぎ部60(50)が,箱部Bの側面30の開口部34a(33a)から飛び出すようになる。
図4(b)は,各フラップ片33b,34bと各繋ぎ部50,60が,箱の外側へ向かって折り曲げられた状態の断面を示している。図4(b)のように各繋ぎ部50,60を折り曲げることで,左繋ぎ部50と左壁面板23を連接していた切断可能線51が破断されると共に,右繋ぎ部60と右壁面板24を連接していた切断可能線61が破断される。これにより,箱部Bと各繋ぎ部50,60は,トレー部Aから切り離されて,取り外し可能な状態となる。
図5は,箱部Bがトレー部Aから取り外された状態の包装箱100を示している。図5(a)は,箱部Bが上方に向かって引き上げられて,箱部Bとトレー部Aが分離した状態を概念的に示す斜視図である。また,図5(b)は,図5(a)に示されたX3−X3線における断面を概念的に示している。
図5(a)及び(b)に示されるように,箱部Bと各繋ぎ部50,60は連接したままとなっている。他方,切断可能線51,61が切断されたことで,箱部Bと各繋ぎ部50,60は,トレー部Aからは完全に分離したものとなる。これにより,各繋ぎ部50,60と共に箱部Bを上方に引き上げることで,トレー部Aを残して,トレー部Aから箱部Bを取り外すことができる。このため,トレー部A上に商品等が陳列されている場合,箱部Bを取り外すことで,陳列された商品が包装箱内から現れ,その陳列状態のままで展示を行うことができる。
以上の通り,上記した構造のブランクシート100´を,上記した手順に従って組み上げて包装状態の包装箱100を形成し,上記した手順に従って切断可能線51,61を切断して,トレー部Aから箱部Bを分離可能な状態とすることで,包装箱100は展示状態となる。本発明の包装箱100を,包装状態から展示状態へと移行させるためには,上記した通り,箱部Bの左右側面板33,34に設けられた開口部33a,34aに手指を挿入して,折り畳まれた状態の各繋ぎ部50,60を箱外側に向かって折り返す,というワンタッチの操作だけで簡単に行うことができる。従って,本発明の包装箱100を用いれば,店頭等における商品の陳列展示作業がより簡便になる。
また,図5(a)等に示されているように,各繋ぎ部50,60を切断可能線51,61に従ってトレー部Aから切り離した場合に,トレー部Aの壁面20に残る破断跡(ギザギザした部分)は,局所的に現れるだけである。少なくとも,トレー部Aの壁面20に残る破断跡が,トレー部Aの上縁に現れることはなく,その結果,破断跡はあまり目立たなくなり,包装箱の手触りや見栄えが良化される。
図6(a)及び図6(b)には,参考として,包装箱100を再封緘する場合の例が示されている。図6(a)及び(b)に示されるように,包装箱100を再封緘する場合には,箱部Bから延出している各繋ぎ部50,60の先端部54,64を,トレー部Aの左右壁面板23,24の元の位置に再度連結し,各繋ぎ部50,60に形成された第1の折線(II)と第2の折線(II)に従って適宜折り畳むことにより,トレー部Aの壁面20の周囲に箱部Bの側面を覆い被せることができる。これにより,トレー部Aと箱部Bが再度連結し,包装箱100が封緘される。一般的に,上記した特許文献2に示された従来発明のように,一枚のブランクシートで形成可能な展示機能付き包装箱は,一度開封してしまうと再封緘が困難なものが多いが,本発明は,一枚のブランクシートから形成可能な展示機能付き包装箱であっても,必要な場合には,トレー部Aに箱部Bを再度取り付けて容易に再封緘することができるようになっている。
(2.第2の実施形態)
次に,図7〜図10を参照して,本発明の第2の実施形態に係る展示機能付き包装箱について説明する。第2の実施形態については,第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。第1の実施形態についての説明は,第2の実施形態にも援用することができる。
図7は,第2の実施形態に係る展示機能付き包装箱のブランクシート100´を示している。図7に示されるように,第2の実施形態のブランクシート100´は,第1の実施形態と同様に,包装箱のトレー部Aと箱部Bを形成する部分が含まれる。トレー部Aは,底面10と,底面10の周囲に立設する壁面20を形成する各板部材が連接して構成されている。また,箱部Bは,包装体を組み上げた際に,トレー部Aの壁面20に周囲を囲う側面30と,側面30により画定される上部の開口を塞ぐための天面40を形成する各板部材が連接して構成されている。さらに,ブランクシート100´には,箱部Bの側面30の一部から延出し,トレー部Aの壁面20の一部に対し,一体に連接された繋ぎ部50,60が設けられている。
図7に示されるように,トレー部Aの壁面20は,組立時に互いに対向する前壁面板21及び後壁面板22と,互いに対向する左壁面板23及び右壁面板24を含んで構成される。これらの各壁面板21〜24を連接する境界線上には,折線(谷折線)が形成される。また,図7に示されるように,各壁面板21〜24のうち,一方の端部に位置する左壁面板23には,折線(谷折線)を境界として,下段接合片25が延設されている。そして,各壁面板21〜24を各折線に沿って折り曲げ,下段接合片25と後壁面板22を接合することにより,各壁面板21〜24の一方の端部に位置する左壁面板23と,他方の端部に位置する後壁面板22とが,下段接合片25を介して連結されるようになる。これにより,各壁面板21〜24が周方向に繋がって壁面20が立設する。各壁面板21〜24は,トレー部Aに載置された商品等が傾倒するのを防止するための壁面として機能する。
また,図7に示されるように,本実施形態において,トレー部Aの壁面20を形成する各壁面板21〜24には,底面10を形成する各底面板11〜14が連接されている。本発明において,底面10の構造は特に限定されるものではなく,公知となっている構造を適宜採用できる。例えば,図7に示された実施形態において,底面10には,A式箱と同様の構造が採用されている。
他方,図7に示されるように,箱部Bの側面30は,組立時に互いに対向する前側面板31及び後側面板32と,互いに対向する左側面板33及び右側面板34を含んで構成される。これらの各側面板31〜34を連接する境界線上には,折線(谷折線)が形成される。なお,箱部Bの側面30の全周長は,トレー部Aの壁面20の全周長よりも,一回り大きく形成されていることが好ましい。また,図7に示されるように,各側面板31〜34のうち,一方の端部に位置する後側面板32には,折線(谷折線)を境界として,上段接合片35が延設されている。各側面板31〜34を各折線に沿って折り曲げ,上段接合片35と左側面板33の一部を接合する。これにより,各側面板31〜34の一方の端部に位置する左側面板33と,他方の端部に位置する後側面板32が,上段接合片35を介して連結されるようになる。また,各側面板31〜34が周方向に繋がることで,前後一対の前側面板31及び後側面板32が互いに対向すると共に,左右一対の左側面板33及び右側面板34が互いに対向するようにして,側面30が起立する。
図7に示されるように,本実施形態において,側面30を形成する各側面板31〜34には,天面40を形成する各天面板41〜44が連接されている。本発明において,天面40を設けることが好ましいが,必須の構成ではない。また,本発明において,天面40の構造は特に限定されるものではなく,公知となっている種々の構造を適宜採用できる。本実施形態において,天面40は,前側面板31に連接する前天面板41と,後側面板32に連接する後天面板42と,左側面板33に連接する左天面板43と,右側面板34に連接する右天面板44により構成される。
本発明の包装箱100は,図7に示されるように,トレー部Aの壁面20と,箱部Bの側面30とを一体に連接する繋ぎ部50,60を有している。各繋ぎ部50,60は,各壁面板21〜24(又は各側面板31〜34)同士が連接する方向(図中横方向)とは直交する方向(図中縦方向)に延びる要素である。
図7に示した第2の実施形態は,図1に示した第1の実施形態と異なり,ブランクシート状態において,繋ぎ部50,60が,壁面20と側面30の一部として形成されている。すなわち,繋ぎ部50,60のある部分は,壁面20の一部として形成され,繋ぎ部50,60の他の部分は,側面30の一部として形成されている。このため,第2の実施形態(図7)は第1の実施形態(図1)とは異なり,トレー部Aと箱部Bの間には,切り込みが形成されているだけであり,大きな隙間は形成されていない。
具体的に説明すると,図7に示されるように,第2の実施形態において,繋ぎ部50,60は,基端部52,62と先端部54,64の2枚のパネルのみから構成されている。基端部52,62と先端部54,64の間には,第1の折線(I)が形成されている。第1の折線(I)は,トレー部Aと箱部Bの境界を形成する切れ込みの延長線上に設けられた折線となっている。
さらに具体的に説明すると,各基端部52,62は,本実施形態において,トレー部Aの左右の側面板33,34の一部として形成されている。つまり,各基端部52,62は,左右の側面板33,34に切り込みを形成したり,折線を形成したりすることによって画定されている。具体的には,各基端部52,62は,トレー部Aと箱部Bの境界線上に設けられた第1の折線(I)と,この第1の折線(I)と直交して上下方向に延びる二本の切り込み線55,65と,これら二本の切り込み線55,65の端部を繋ぎ第1の折線(I)と平行に延びる第3の折線(III)と,により周囲が確定された領域である。基端部52,62は,第3の折線(III)において左右の側面板33,34と一体的に繋がっており,第3の折線(III)において折り曲げることができる。
各先端部54,64は,繋ぎ部50,60のうち,トレー部Aの左右の側面板33,34から延出した部分である。各先端部54,64は,トレー部Aから延出すると共に,箱部Bの左右の壁面板23,24に対して切断可能線51,61を介して連結している。また,先端部54,64は,箱部Bの左右の壁面板23,24の一部として形成されている。つまり,各先端部54,64は,左右の壁面板23,24に切り込みを形成したり,折線を形成したりすることによって画定されている。具体的には,各先端部54,64は,トレー部Aと箱部Bの境界線上に設けられた第1の折線(I)と,この第1の折線(I)と直交して上下方向に延びる二本の切り込み線55,65と,これら二本の切り込み線55,65の端部を繋ぎ第1の折線(I)と平行に延びる第2の折線(II)と,により周囲が確定された領域である。また,図2に示されるように,第2の折線(II)は,切断可能線51,61によって構成されたものである。切断可能線51,61としては,例えば公知のミシン目線を採用すればよい。なお,図7に示されるように,上下に延びる二本の切り込み線55,65は,トレー部Aから箱部Bに亘って一直線上に形成されたものであることが好ましい。
次に,図8〜図10を参照して,第2の実施形態に係る展示機能付き包装箱100の使い方について説明する。まず,図8は,箱部Bがトレー部Aを覆った状態(収納状態)にある包装箱100を示している。図8(a)は,包装箱100の外観を概念的に示す斜視図であり,図8(b)は,図8(a)に示されたX4−X4線における断面を概念的に示している。なお,図において,端面よりも奥に位置する部分は一点鎖線で表示している。
図8(a)及び(b)に示されるように,包装箱100の収納状態において,トレー部Aは,箱部Bの内部に収容された状態となっている。このとき,トレー部Aの壁面20と箱部Bの側面30を繋ぐ各繋ぎ部50,60は,第1の折線(I)と第2の折線(II)の二箇所において折り返された状態となっている。
また,図9及び図10を参照して,収納状態にある包装箱100を,展示状態とするための手順について説明する。ここにいう「展示状態」とは,各繋ぎ部50,60とトレー部Aの壁面20を連接している切断可能線51,61を切断し,各繋ぎ部50,60を壁面20から切り離すことで,箱部Bをトレー部Aから取り外し可能となった状態を意味する。
図9(a)は,包装箱100を展示状態とするための操作を,人の手指と共に概念的に示す斜視図である。図9(b)は,図9(a)に示されたX5−X5線における断面を概念的に示している。
図9(a)に示されるように,包装箱100を展示状態とするためには,まず,各繋ぎ部50,60とトレー部Aとの間に指を挿し込み,各繋ぎ部50,60の第1の折線(I)の部分を上方に引き上げる。このとき,各繋ぎ部50,60は,左右の側面板33,34との間に形成された第3の折線(I)で折れ曲がるようになっている。このように,各繋ぎ部50,60が少し引き上げられた状態が,図9(a)と図9(b)に示されている。
図10は,箱部Bがトレー部Aから取り外された状態の包装箱100を示している。図10(a)は,箱部Bが上方に向かって引き上げられて,箱部Bとトレー部Aが分離した状態を概念的に示す斜視図である。また,図10(b)は,図5(a)に示されたX6−X6線における断面を概念的に示している。
図5(a)及び(b)に示されるように,図9に示された状態からそのまま箱部Bを上方に持ち上げることで,各繋ぎ部50,60と箱部Bの間に形成されていた切断可能線51,61(第2の折線(II))が破断する。これにより,箱部Bがトレー部Aから分離する。図10に示されるように,各繋ぎ部50,60は箱部B連接したままとなっている。他方,切断可能線51,61が破断したことで,箱部Bと各繋ぎ部50,60は,トレー部Aから完全に分離したものとなる。これにより,各繋ぎ部50,60と共に箱部Bを上方に引き上げることで,トレー部Aを残して,箱部Bを取り外すことができる。このため,トレー部A上に商品等が陳列されている場合,箱部Bを取り外すことで,陳列された商品が包装箱内から現れ,その陳列状態のままで展示を行うことができる。
以上の通り,上記した構造のブランクシート100´を組み上げて包装状態の包装箱100を形成し,上記した手順に従って切断可能線51,61を切断して,トレー部Aから箱部Bを分離可能な状態とすることで,包装箱100は展示状態となる。第2の実施形態に係る包装箱100を包装状態から展示状態へと移行させる作業は,上記した通り,各繋ぎ部50,60を上方に引き上げるというワンタッチの操作で完了する。従って,本発明の包装箱100を用いれば,店頭等における商品の陳列展示作業がより簡便になる。
また,上述したとおり,第1の実施形態では,各繋ぎ部50,60を一度下方に押し下げる必要があった。これに対し,第2の実施形態では,各繋ぎ部50,60を押し下げる必要がなく,包装箱の開封作業がより単純になっている。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明した。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,例えば紙製の段ボールによって形成された展示機能付き包装箱に関する。このため,本発明は,包装箱の製造産業や製紙産業などにおいて好適に利用することができる。
A…トレー部 B…箱部
10…底面 11〜14…底面板
20…壁面 21〜24…壁面板 25…下段接合片
30…側面 31〜34…側面板 35…上段接合片
33a,34a…開口部 33b,34b…フラップ片
33c,34c…手指挿入孔 33d,34d…補助フラップ片
40…天面 41〜44…天面板
50,60…繋ぎ部 51,61…切断可能線
52,62…基端部 53,63…中間部
54,64…先端部 55,65…切り込み線
100…包装箱 100´…ブランクシート
I…第1の折線 II…第2の折線 III…第3の折線

Claims (3)

  1. 底面(10),及び当該底面(10)の周囲に立設する壁面(20)を有するトレー部(A)と,
    前記壁面(20)の周囲を囲う側面(30)を有する箱部(B)と,を備える
    包装箱(100)であって,
    前記側面(30)の一部から延出し,一端部分が前記壁面(20)の一部に対し切断可能線(51,61)を介して一体に連接された繋ぎ部(50,60)を,さらに有し,
    前記繋ぎ部(50,60)は,
    前記側面(30)との境界に設けられた第1の折線(I)と,
    前記壁面(20)と連接する一端部分に設けられた第2の折線(II)を含み,
    前記側面(30)の一部として形成された基端部(52,62)と,
    前記基端部(52,62)に前記第1の折線(I)を介して連接し,前記側面(30)から延出して,前記壁面(20)の一部として形成され,且つ,前記壁面(20)に前記第2の折線(II)を介して連接した先端部(54,64)と,から構成されており,
    前記繋ぎ部(50,60)を,前記第1の折線(I)及び第2の折線(II)の二箇所において折り返し,前記壁面(20)の外面に,前記側面(30)の内面を当接させることで,前記トレー部(A)の周囲を前記箱部(B)によって覆った包装状態が形成され,
    さらに,前記包装状態において,前記切断可能線(51,61)を切断し,前記繋ぎ部(50,60)を前記壁面(20)から切り離すことで,前記箱部(B)を前記トレー部(A)から取り外し可能な展示状態が形成される
    展示機能付き包装箱。
  2. 前記基端部(52,62)は,前記第1の折線(I)と平行な第3の折線(III)を介して,前記側面(30)に連接している
    請求項に記載の展示機能付き包装箱。
  3. 前記第2の折線(II)は,前記切断可能線(51,61)である
    請求項又は請求項に記載の展示機能付き包装箱。
JP2014010634A 2014-01-23 2014-01-23 展示機能付き包装箱 Active JP6183228B2 (ja)

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