JP6183139B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、速度制御可能なモーターで駆動されるローラーなどによりシートを搬送しつつ、当該シートに対して、所定の画像処理を実行する画像処理装置に関し、特に、当該画像処理によって得られる画像の品質劣化を抑制する技術に関する。
プリンター、複写機等の画像形成装置は、記録シートを、タイミングローラー対で一旦停止させた後、所定のタイミングで送り出し、感光体ドラムや中間転写ベルトなどの像担持回転体と転写ローラーとの間に形成された転写ニップに導入して、像担持回転体に形成されたトナー像を記録シートに転写した後、定着器によりトナー像を記録シートに熱定着している。
タイミングローラーと像担持回転体は、同じ周速で回転させるのが理想的であるが、実際には、それぞれに微小な速度変動が生じたり、摩耗によりローラー径が変化したりして、同一周速を維持するのが難しく、トナー像が記録シートに転写されている間に、タイミングローラー対の周速が像担持回転体の周速を下回ると、転写ニップに噛み込んだ記録シートの後端側がタイミングローラー対によって引っ張られて、像担持回転体の回転速度に悪影響を及ぼし、いわゆる転写ずれが発生し、画像が劣化する。
このような現象が、例えば、タンデム式カラープリンターにおいて生じると、中間転写ベルトに速度変動が生じるため、各色の感光体ドラムから中間転写ベルトにトナー像を転写する際に位置がずれてしまい、色ずれが発生する。
このため、タイミングローラー対の回転速度を調整し、タイミングローラー対の周速を、像担持回転体の周速よりも僅かに高めて、タイミングローラー対と転写ニップ間の記録シートにループを形成して張力が生じないようにしている。
特開平4−150796号公報
しかしながら、上述のように、ループを形成しつつ記録シートを搬送すると、特に、厚紙などの腰の強い記録シートにプリントする場合には、当該ループによる復元力も大きいので、記録シートの後端が、タイミングローラー対の間を通り抜けたときに、当該記録シートの後端が回転中のタイミングローラーの外周面に強く押しつけられたまま、摩擦により当該外周面の移動に追随して移動し、やがて記録シートの後端が当該外周面から外れてループが瞬間的に解消し、跳ねられたような現象(以下、「跳ね現象」という。)が生じる。
このような跳ね現象の発生により記録シートが振動し、これが像担持回転体の回転速度に影響して速度変動が生じ、転写ずれや色ずれなどの画質の劣化を招くという問題がある。
このような画質が劣化する問題は、自動原稿搬送装置(ADF)で原稿を搬送しつつ画像を読み込む、いわゆるシートスルー方式の画像読取装置においても同様に起こり得る。
すなわち、上記「跳ね現象」が、画像の読取位置の直前に配された読取前ローラーで生じると、当該読取位置における原稿搬送速度が変動し、モノクロ原稿の読取りの場合には副走査方向における倍率変動、カラー原稿の読取りの場合には、色ずれが発生し、読取画像の画質が劣化してしまう。
本願発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、速度制御可能なモーターを駆動源としてシートを搬送しつつ、所定の画像処理を実施する画像処理装置において、画質の劣化を低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、それぞれ駆動回転体と従動回転体を対とする第1および第2の回転体対が、シートの搬送方向の上流側から下流側にかけて、この順で配設されていると共に、第1の回転体対によりシートを搬送しつつ、第2の回転体対もしくはこれよりも下流側の位置において、当該シートに対して所定の画像処理を実行する画像処理装置であって、第1の回転体対の駆動回転体を回転駆動する第1のステッピングモーターと、第2の回転体対の駆動回転体を回転駆動する第2のステッピングモーターと、第1のステッピングモーターが受ける負荷トルクの大きさを指標する第1の指標値として、第1のステッピングモーターにおける駆動パルスに対する逆起電圧パルスの位相差を取得し、かつ、第2のステッピングモーターが受ける負荷トルクの大きさを指標する第2の指標値として、第2のステッピングモーターにおける駆動パルスに対する逆起電圧パルスの位相差を取得する取得手段と、第1および第2のステッピングモーターの回転速度について、第1の制御と、第2の制御と、第3の制御とを実行する制御手段とを備えている。この制御手段は、第1の制御では、第2の回転体対によって搬送されるシート速度が一定であるように第2のステッピングモーターの回転速度を制御し、第2の制御では、第1の回転体対によって搬送されるシートの先端が第2の回転体対のニップに到着してから所定時間が経過するまでの間に当該シートループを形成するように第1のステッピングモーターの回転速度を制御し、第3の制御では、第1および第2の指標値を監視すると共に第1のステッピングモーターに対し、まず減速制御を行い、いずれかの指標値が適正範囲を逸脱すれば減速制御を安定化制御に切り換え、減速制御では、第1の回転体対によって搬送されるシートの後端が第1の回転体対のニップを通過する前に当該シートがループを解消するように第1のステッピングモーターの回転速度を低減させ安定化制御では、第1の回転体対によって搬送されるシートの後端が第1の回転体対のニップを通過するまでに、当該シートのうち第1の回転体対によって搬送される部分の速度が第2の回転体対によって搬送される部分の速度に等しくなるように、第1の指標値が適正範囲を逸脱した場合には、逸脱の方向に応じた符号の値だけ第1のステッピングモーターの回転速度を低減させ、第2の指標値が適正範囲を逸脱した場合には、逸脱の方向に応じた符号の値だけ第1のステッピングモーターの回転速度を増加させることを特徴とする。
制御手段は、第2の制御では更に第1の回転体対によって搬送されるシートの先端が第2の回転体対のニップに突入する際に第2の指標値を監視し第2の指標値が適正範囲から逸脱した場合に、第2の指標値が適正範囲に戻るように第1のステッピングモーターの回転速度を低減させることが望ましい。
制御手段は安定化制御において第1のステッピングモーターの回転速度を増減させる値の大きさを、第1または第2の指標値が適正範囲を逸脱した大きさに応じて決定することが望ましい。
制御手段は、安定化制御において、第1および第2の指標値が共に適正範囲から逸脱した場合、より大きく逸脱している方の指標値を第1のステッピングモーターの回転速度制御に利用することが望ましい。
制御手段は、安定化制御における第1のステッピングモーターの回転速度の増減値第1または第2の指標値と適正範囲内の基準値との間の差に比例させることが望ましい。
この画像処理装置は、第1の回転体対よりもシート搬送方向において上流側に設けられており、シートの後端が通過したことを検出するシート検出手段を更に備えることが望ましい。制御手段は、当該シート検出手段の検出結果にもとづいて第2の制御の開始タイミングを決定することが望ましい。
所定の画像処理の対象シートは、印刷用の記録シートであり、第1の回転体対の駆動回転体は、駆動ローラーであり、第1の回転体対の従動回転体は、従動ローラーであり、第2の回転体対の駆動回転体は、像担持回転体であり、第2の回転体対の従動回転体は、転写ローラーであって、所定の画像処理は、トナー像を像担持回転体から記録シートに転写する処理であることが望ましい。
この画像処理装置は、第2の回転体対よりもシートの搬送方向において下流側を通過するシートの画像を読み取る画像読取手段を更に備えていてもよい。この場合、所定の画像処理の対象シートは、原稿であり、第1および第2の回転体対の駆動回転体は、第1、第2の駆動ローラーであり、第1および第2の回転体対の従動回転体は、第1、第2の従動ローラーであり、所定の画像処理は、搬送中の原稿の画像を画像読取手段により読み取る処理であることが望ましい。
本構成によれば、第3の制御において、前記取得手段により取得されている指標値が所定の範囲から逸脱した場合に、当該逸脱した指標値が前記所定の範囲内となるように第1のモーターの回転速度が制御されるため、シートに僅かな緩みや張力が発生するに留まり、第2のモーターの回転速度を想定以上に変動させるほどの外乱は、生じないようにすることができると共に、上記ループに起因する跳ね現象も生じないので、搬送中のシートに対して実行される画像処理によって得られる画像の品質劣化の防止が可能となる。
本発明の実施の形態に係る画像処理装置の一例としてのプリンターの構成を示す図である。 タイミングローラー対および中間転写ベルトの周速を検出する機構について説明する図である。 上記プリンターにおける制御部の構成および制御部の制御対象となる主構成要素との関係を示すブロック図である。 中間転写ベルトを回転駆動させるステッピングモーターに印加する駆動パルスと、当該駆動パルスの印加に起因して発生する逆起電圧との位相差について説明する図である。 上記制御部で実施されるタイミングローラー対速度制御処理のフローチャートの前半部分である。 上記タイミングローラー対速度制御処理のフローチャートの後半部分である。 本実施の形態に係るプリンターのタイミングローラー対の速度変化を示す図である。 従来のプリンターにおける中間転写ベルトの速度変動を示す図である。
<実施の形態>
以下、本発明に係る画像処理装置の実施の形態について、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という)を例にして図面に基づき説明する。
(1)プリンターの全体構成
図1は、本発明の実施の形態に係るプリンターの構成を示す概略図である。
同図に示すプリンター1は、画像プロセス部3、給紙部4、定着部5および制御部6などを備える。
プリンター1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続されていて、外部の端末装置(不図示)からの印刷ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを記録シートへ多重転写してフルカラーの画像を形成することにより、記録シートへの印刷処理を実行する。
以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成要素の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
画像プロセス部3は、作像部3Y、3M、3C、3K、露光部10、中間転写ベルト11、二次転写ローラー44および中転ベルトモーター49などを有している。
作像部3Y、3M、3C、3Kの構成は、いずれも同様の構成であるため、以下、主として作像部3Yの構成について説明する。
作像部3Yは、感光体ドラム31Yと、その周囲に配設された帯電器32Y、現像器33Y、一次転写ローラー34Y、および感光体ドラム31Yを清掃するためのクリーナー35Yなどを有しており、感光体ドラム31Y上にY色のトナー像を作像する。
現像器33Yは、感光体ドラム31Yに対向し、感光体ドラム31Yに帯電トナーを搬送する。他の作像部3M、3C、3Kも同様の構成である。図1では、簡略化のため、作像部3M、3C、3Kの各構成部材の符号が省略されている。
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラー12と従動ローラー13に張架されて矢印A方向に周回駆動される。また、従動ローラー13の近傍には、中間転写ベルト11上に残留するトナーを除去するためのクリーナー14が配置されている。
ここで、駆動ローラー12は、中転ベルトモーター49に接続されて回転駆動されるものであり、この駆動に伴って、従動ローラー13が従動回転する。
中転ベルトモーター49は、駆動ローラー12を回転駆動するステッピングモーターであって、第1ドライバー7a(図3参照)から出力される駆動パルスの数に対応する角度だけ回転する。
ところが、中転ベルトモーター49に加わる負荷トルクが大きくなると脱調が生じ易くなり、駆動パルス数と回転角との整合性が崩れてしまう。
このため、本実施の形態におけるプリンター1では、中転ベルトモーターエンコーダー149(図2参照)によって、駆動ローラー12の回転量や回転速度を検出している。
露光部10は、レーザーダイオードなどの発光素子を備え、制御部6からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザー光Lを発し、作像部3Y、3M、3C、3Kの各感光体ドラムを露光走査する。
この露光走査により、例えば作像部3Yでは、帯電器32Yにより帯電された感光体ドラム31Y上に静電潜像が形成される。
作像部3M、3C、3Kの各感光体ドラム上にも同様にして静電潜像が形成される。
各感光体ドラム上に形成された静電潜像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの各現像器により現像されて各感光体ドラム上に対応する色のトナー像が形成される。
形成されたトナー像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの各一次転写ローラーにより、中間転写ベルト11上の同じ位置で重ね合わされるように、中間転写ベルト11上にタイミングをずらして順次一次転写されてカラーのトナー像が形成される。
給紙部4は、給紙カセット41と、繰り出しローラー45aと、捌きローラー45bと、タイミングローラー対46と、シートセンサー47と、タイミングモーター48などを備えている。
給紙カセット41は、記録シートを収容するものである。
繰り出しローラー45aは、給紙カセット41の最上位の記録シートSに接触して、これを記録シートの搬送路42上に繰り出すものである。
捌きローラー45bは、トルクリミッター(不図示)が取着されており、繰り出しローラー45aに当接して捌きニップを形成すると共に、記録シートに対して搬送方向と反対方向に摩擦抵抗を付与する。
これにより、繰り出しローラー45aで連れ送りされた記録シートがあっても、それ以上搬送されなくなり、記録シートは、捌かれて1枚に分離される。
シートセンサー47は、例えば、透過型のフォトインタラプターであって、タイミングローラー対46から上流側に距離L1遡った記録シートの搬送路上の位置に設けられており、記録シートが光路上を通過していない場合には、記録シートを検出していないことを示す信号を制御部5に出力すると共に、記録シートが光路を通過している場合には、上記信号の出力を中断する。
タイミングローラー対46は、一次転写された各色のトナー像が二次転写位置43に搬送されるタイミングに合わせて、記録シートを二次転写位置43に搬送するものであって、タイミングモーター48によって回転駆動される駆動ローラー46aと従動ローラー46bからなる。
タイミングモーター48は、駆動ローラー46aを回転駆動するステッピングモーターであって、第2ドライバー7b(図3参照)から出力される駆動パルスの数に対応する角度だけ回転する。
このタイミングモーター48もまた、中転ベルトモーター49と同様に脱調の問題を有しているため、本実施の形態におけるプリンター1では、タイミングローラーエンコーダー(以下、「TRエンコーダー」という。)148(図2参照)により、駆動ローラー46aおよび中間転写ベルト11の速度を検出している。なお、TRエンコーダー148および中転ベルトモーターエンコーダー149の構成については、後述する。
記録シートが、二次転写位置43に到達すると、二次転写ローラー44により中間転写ベルト11上のカラートナー像が一括して記録シート上に二次転写される。
トナー像が二次転写された記録シートは、さらに定着部5へと搬送される。
定着部5は、ヒーターが内蔵された加熱ローラー51と、これを押圧して定着ニップを形成する加圧ローラー52などを備えている。
記録シートは、定着部5において、定着ニップを通過する際に加熱及び加圧されて、表面に形成されたトナー像が熱定着された後、排出ローラー81により排紙トレイ82に排出される。
次に、TRエンコーダー148および中転ベルトモーターエンコーダー149について説明する。
図2は、これらのエンコーダーの構成を説明する図である。
同図に示すように、TRエンコーダー148は、放射状に延びる複数のスリット148bが設けられてタイミングモーター48の回転軸に取着されたディスク148aと、スリット148bの移動軌跡を横切るように光路が設定された、例えば、透過型のフォトインタラプター148cおよび148dからなる。
このフォトインタラプター148cおよび148dは、ディスク148aの回転角度と回転速度を検出するものである。
このように2つのフォトインタラプターを設けているのは、以下の理由による。
即ち、ディスク148aの回転中心C1と上記複数のスリット148bの中心C2との間にオフセットLが生じている場合、フォトインタラプターの光路を通過するスリット148b部分の回転半径が変化するため、実際にはディスク148aが一定速度で回転しているのにも関わらず、フォトインタラプターで検出された速度が周期的に変化する。
このため、本実施の形態のプリンター1では、フォトインタラプター148cおよび148を、互いがディスク148aの回転軸を基準として、180°回転した位置に配置すると共に、それぞれの検出結果から得られた速度を平均化することにより、互いの誤差を相殺する公知の補正を行い、誤差を修正している。
なお、この誤差修正は、ディスク148aの回転角度の検出にも反映される。
中転ベルトモーターエンコーダー149は、TRエンコーダー148と同様の構成であるため、説明を省略する。
(1−2)制御部について
図3は、制御部6の構成およびこれの制御対象となる主構成要素との関係を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部6は、CPU61、タイマー62、ROM63、RAM64、不揮発性メモリー65、通信インターフェース部66などを備えている。
CPU61(Central Processing Unit)は、画像プロセス部3、給紙部4、定着部5等を統括的に制御するためのプログラムを実行する。
その一環として、CPU61は、タイミングローラー対46の速度を制御するタイミングローラー対速度制御処理を実施する。
このタイミングローラー対速度制御処理は、トナー像を感光体ドラム31Y〜31Kから中間転写ベルト11に二次転写する際の色ずれの発生を抑制すると共に、二次転写位置43において、トナー像を中間転写ベルト11から記録シートに二次転写する際の転写ずれの発生を抑制しつつ、記録シートを搬送する処理のことである。詳しくは後述する。
ROM63(Read Only Memory)は、CPU61により実行される各種プログラムを格納するストレージである。
RAM64(Random Access Memroy)は、CPU61がプログラムを実行するときのワークエリアである。
通信インターフェース部66は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースであり、外部のパソコンなどからプリントジョブを受け付ける。
また、制御部6には、中転ベルトモーター49およびタイミングモーター48をそれぞれ駆動させる第1ドライバー7aおよび第2ドライバー7bが付設されている。
第1ドライバー7aは、モーター駆動IC71aと位相差検出部72aとからなる。
モーター駆動IC71aは、中転ベルトモーター49を駆動させるためのドライバーICであり、CPU61からの励磁信号Φ0〜Φ3を受けて、中転ベルトモーター49を回転駆動させる。
ところで、中転ベルトモーター49は、モーター駆動IC71aから駆動パルスが印加されると、内部のローターが回転することにより磁界が変化し、内部のコイルに逆起電圧のパルス(以下、「逆起電圧パルス」という。)が発生する。
発明者らは、駆動パルスに対する上記逆起電圧パルスの時間的遅れ(以下、「位相差」という。)が、モーターに加わる負荷が小さいほど小さく、モーターに加わる負荷が大きいほど大きくなる傾向にあることを見出した。
位相差検出部72aは、このような位相差を検出する機能を有する。
より具体的には、位相差検出部72aは、モーター駆動IC71aから出力される駆動パルスと、当該駆動パルスが印加されることにより発生する中転ベルトモーター49の逆起電圧のパルスを検出し、双方のパルスから以下のようにして位相差を求めて、当該位相差の値を示す信号(以下、「位相差信号」という。)をCPU61に出力する。
図4は、上記位相差の検出方法を説明する図である。
ここで、PW1は、モーター駆動IC71aから中転ベルトモーター49に印加される駆動パルスの電圧の経時変化を示しており、PW2は、中転ベルトモーター49から出力される逆起電圧パルスの電圧の経時変化を模式的に示す図である。
位相差検出部72aは、駆動パルスの電圧および逆起電圧パルスの電圧を検出しており、駆動パルス電圧の立ち上がりに対する逆起電圧パルス電圧の立ち上がりの遅れΔTsμsecを検出し、この検出結果と、予め決められている駆動パルスの周期Tμsecの値とにより、以下の式1を用いて位相差Δφを求め、その値を示す信号(以下、「位相差信号」という。)を制御部6に出力する。
(式1) 位相差Δφ=(ΔTs/T)×2π
第2ドライバー7bは、第1ドライバー7aと同様の構成であって、第1ドライバー7aの構成要素と対応する構成要素については、対応する第1ドライバー7aの構成要素の符号の「a」を「b」に置き代えて符号を付している。
モーター駆動IC71bおよび位相差検出部72bは、検出対象がタイミングモーター48となっている以外は、モーター駆動IC71aおよび位相差検出部72aと同様であるため、説明を省略する。
TRエンコーダー148および中転ベルトモーターエンコーダー149は、それぞれ検出結果、即ち、回転角度および回転速度を示す信号をそれぞれCPU61に出力する。
(2)タイミングローラー対速度制御処理
図5および図6は、タイミングローラー対速度制御処理の実行手順を説明するフローチャートである。
また、図7は、タイミングローラー対速度制御処理実行時におけるタイミングローラー対46の駆動ローラー46aの周速が変化する状況を説明する図であり、横軸は時間、縦軸は駆動ローラー46aの周速を示す。
タイミングローラー対速度制御処理は、画像プロセス部3における露光、現像および一次転写などの一連の作像動作と同期して、給紙部4において実行される処理であり、中間転写ベルト11の周速が一定のシステムスピードになるように制御された状態で実施される。
CPU61は、図5に示すように、タイミングローラー対46を回転駆動するタイミング(図7のt10参照)になると(ステップS101:YES)、タイミングモーター48を駆動すると共に、計時を開始する(ステップS102)。
ここで、中間転写ベルト11の周速V1は、以下の式によって求めることができる。
(式1) V1=n1×2×π×(r1+d)
n1:駆動ローラー12の回転速度(1/s)
r1:駆動ローラー12の半径 (図2参照)
d1:中間転写ベルト11の厚み (図2参照)
一方、タイミングローラー対46の駆動ローラー46aの周速Vtは、以下の式によって求めることができる。
(式2) Vt=n2×2×π×r2
n2:駆動ローラー46aの回転速度(1/s)
r2:駆動ローラー12の半径 (図2参照)
回転速度n1および回転速度n2は、それぞれ中転ベルトモーターエンコーダー149およびTRエンコーダー148の検出結果から得られる。
CPU61は、タイミングローラー対46の駆動ローラー46aの周速Vtが、中間転写ベルト11の周速V1と同じになると(ステップS103:YES、図7のt11参照)、この周速を維持するようにフィードバック制御する(ステップS104)。
このようにエンコーダーによるフィードバック制御を行っていても、記録シートが特に厚紙である場合には、その挙動により瞬時に速度変動が生じる場合がある。
図8は、従来のプリンターにおける中間転写ベルトの速度変動を示す図である。同図における上段の信号Sgは、タイミングローラー対46の直前に配されたシートセンサー47の出力信号の変化を示しており、記録シートを検出していると「0」を出力し、記録シートを検出していないときには「1」を出力するように構成されている。したがって信号が「1」の状態(パルスSg1〜Sg6)は、記録シートの紙間を示し、「0」から「1」への立ち上がり時に記録シートの後端が、シートセンサー47の検出位置を経過し、「1」から「0」への立ち下がり時に、次の記録シートの先端が、シートセンサー47の検知位置に到達したことを示す。
その下方のグラフは、中間転写ベルト11の駆動ローラー44の駆動軸に取着したエンコーダーにより検出された中間転写ベルト11の周速変動を示すものである。
同図中のt1、t3およびt5において生じている瞬間的な周速変動は、記録シートの先端が転写ニップへの突入する直前のタイミングに対応して発生している。しかし、信号Sg3の直後の同じタイミングでは大きな周速変動は生じていない。
本願発明者が、詳細に観察したところ記録シートの先端がまっすぐに転写ニップに突入する場合には、そのままスムーズに転写ニップに吸い込まれていくようにして搬送されるので衝突時の衝撃もそれほど発生しないが、記録シートの先端が少しそれて、転写ニップより手前側に位置する転写ベルトもしくは2次転写ローラーの周面(以下、「転写ニップ周辺部」という。)に衝突すると転写ベルトの周速が大きく変動することがわかった。
このように中間転写ベルト11の周速が大きく変動するのは、記録シートの先端が上記転写ニップ周辺部に衝突する瞬間をエンコーダーでは検出しきれず、エンコーダーで検出した時点では大きく周速が変動してしまってフィードバック制御が追いつかないことに起因しているからであると解される。
そこで、本実施の形態では、上述の位相差信号の変化を監視することにより、上記衝突に起因する速度変動に至るまでの負荷トルクの変動を捉えることにより衝突の瞬間を検出し、即座にタイミングローラー対46の回転速度を低下させて、記録シートの転写ニップ周辺部における衝突のショックを和らげて中間転写ローラーに大きな速度変動が生じないようにしている。
すなわち、図5のステップS105において、第1ドライバー7aから出力された位相差ΔφAの値が、外乱なしに記録シートを搬送する際における、位相差ΔφAの範囲(以下、「適正範囲」という。また、この適正な範囲の上限と下限を、それぞれ「上限閾値」、「下限閾値」という。これらの値は予め実験などにより求められている。)における下限閾値よりも小さくなったか否かを判定する(ステップS105)。
記録シートの先端が転写ニップ周辺部に衝突するまさにその瞬間では、駆動ローラー44の回転を促進する方向に力が加わって、駆動ローラー46aに加えられる負荷トルクがそれまでの値より低下するので、位相差ΔφAの値も小さくなる。そこで、予め実験等により決定された所定の位相差の値を第1の閾値として、これよりも位相差ΔφAが下回った場合に記録シートの先端が、転写ニップ周辺部に衝突した瞬間であると判断できる。
位相差ΔφAが、下限閾値を下回った場合には(ステップS105:YES)、タイミングローラー対46の周速を低減する(ステップS106、図7のt12参照)
そして、位相差ΔφAが適正範囲内に戻ったときには(ステップS107:YES)、もはや記録シート先端の衝突が十分緩和されて中間転写ベルト11の周速の大きな変動は回避されたものと判断し、タイミングローラーの周速の低減を停止して、V1まで復帰する(ステップS108、図7のt13参照)
なお、中間転写ベルト11の負荷トルクは、システムスピードおよび記録シートの腰の強さ、即ち、坪量などによって変わってくるため、上記適正範囲は、システムスピードおよび記録シートの坪量に応じて変更するようにしても構わない。
その後、計測時間が所定時間teに達したか否かを判定する(ステップS109)。
この時間teは、タイミングローラー対の駆動開始から記録シートの先端が転写ニップに到着するまでの時間であり、予め求められてROM63に格納されている(図7参照)。
計時時間が所定時間teに達している場合(ステップS109:YES、図7のt14参照)、記録シートの先端が二次転写ニップに到着しているので、タイミングローラーの周速をV0まで加速し、所定時間(tf)だけその速度を維持して(図7のt14〜t15参照)、所定量のループを形成した後、減速して周速V1にて維持される(ステップS110)。
ここで、所定時間(tf)は、記録シートに僅かなループを形成するに足る時間に設定されている。
計時時間が所定時間teに達していない場合(ステップS109:NO)、記録シートの先端が二次転写ニップを通過していないうちにステップS105〜ステップS108の処理がスルーされないように、ステップS105に戻って上記処理を繰り返す。
ステップS105の判定において、位相差ΔφAの値が、下限閾値を下回っていなければ(ステップS105:NO)、記録シートの先端がスムーズに転写ニップに入っているので、記録シートの先端が突入に転写ニップする際の衝撃を緩和するステップS106〜S108をスキップする。
CPU61は、シートセンサー47により記録シートの後端が検出されるまで、周速V1の状態を維持し(ステップS111:NO)、シートセンサー47により記録シートの後端が検出されると(ステップS111:YES、図7のt16参照)、既述の跳ね現象が起きないよう、記録シートの後端がタイミングローラー対46を通過するまでにループを解消するために、タイミングローラー対46の駆動ローラー46aの減速を開始する(ステップS112)。
このように、駆動ローラー46aの減速を開始すると、記録シートのループは次第に小さくなり、やがて、記録シートに張力が生じ始めるので、タイミングモーター48および中転ベルトモーター49に負荷トルク変動が生じ、位相差ΔφA及びΔφBの値が変化する。
位相差ΔφA及びΔφBの各値が、それぞれについて設定された適正範囲にある間は、周速に大きな変動が生じない。
そこで、CPU61は、位相差ΔφAとΔφBの値を監視し、それらのうち、それぞれの位相差について設定された適正範囲を逸脱したものがあるか否かを判定する(ステップS113)。
もし、適正範囲を逸脱したものがなければ(ステップS113:NO)、未だ記録シートのループが解消されていないため、当該ステップS113の判定を繰り返し実施する。
なお、図8を見てわかるように、中間転写ベルト11の周速V1は、通常、0.2mm/sec〜−0.2mm/secの間を小刻みに変動しており、これに伴って、位相差ΔφAの値も小刻みに変化している。
実験により確認した結果、上述の適正範囲の幅は、通常の位相差ΔφAの変動幅の約1.3倍〜1.5倍程度に設定すると、制御性が向上することが判明した。
ΔφA、ΔφBのうち適正範囲を逸脱した位相差がある場合には(ステップS113:YES)、その位相差がΔφAのであるか否かを判断し(ステップS114)、そうであれば(ステップS114:YES)、以下の式3〜式5のように定義する(ステップS115)。
(式3) ΔφC=ΔφA
(式4) ΔφS=ΔφAS
(式5) F=1
ここで、ΔφASは、位相差ΔφAがその適正範囲内であって、記録シートが過度の張力も過度の弛みも生じていないときの中転ベルトモーター49の理想的な負荷トルクに対応する位相差ΔφAの値、つまり位相差信号でモーターの回転速度をフィードバック制御する際における基準値(以下、「基準位相差」という。)であって、本実施の形態では、ΔφAの適正範囲の上下限閾値の中央値としている。
また、Fの値は、タイミングモーター48の回転速度を、現状よりも増速するのか減速するのかを決定する値である。
一方、適正範囲を逸脱した位相差がΔφBの場合(ステップS114:NO)、以下の式6〜式8のように定義する(ステップS116)。
(式6) ΔφC=ΔφB
(式7) ΔφS=ΔφBS
(式8) F=−1
ΔφASの場合と同様、ΔφBSは、ΔφBの変動の大きさを示すための基準位相差であって、ΔφBについての適正範囲の上下限閾値の中央値とする。
続いて、CPU61は、以下に示す式9の計算を実行し、タイミングローラー対46の駆動ローラー46aの周速Vtを、以下の式9のとおりになるように、タイミングモーター48の回転速度を調整する(ステップS117)。
(式9)Vt=Vt×(1+k×F×(ΔφC−Δφs))
ここで、kは係数であって、実験等を行って、転写ずれおよび色ずれなどが生じないように、適宜決定される値である。
つまり、ΔφCと基準位相差ΔφSとの差が大きい程、この差が縮まる方向に大きく駆動ローラー46aの回転速度を変化させており、これにより、中転ベルトモーター49の回転速度の変動幅を速やかに小さく抑えることができる。
そして、CPU61は、記録シートの後端がタイミングローラー対46を抜ける時間t18に達するまで、ステップS113以降の処理を繰り返し実施し(ステップS118:NO、図7のt17〜t18参照)、記録シートの後端がタイミングローラー対46を抜ける時間に達すると(ステップS118:YES)、もはやタイミングローラー対46の周速Vtは、記録シートの搬送速度とは無関係となるため(図7のt19以降)、本タイミングローラー対速度制御処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
また、記録シートの後端がタイミングローラー対46を抜ける時点では、跳ね現象を生じさせるようなループが記録シートに形成されていないため、従来のように跳ね現象に起因する中間転写ベルト11の速度変動も生じず、よって、転写ずれや色ずれなども生じない。
本実施の形態におけるプリンター1では、上述のように、中転ベルトモーター49の位相差ΔφAと、タイミングモーター48の位相差ΔφBのうち、それぞれに設定されている適正範囲を逸脱した方の位相差の値に基づいて、タイミングモーター48の速度制御を実施している。
このようにしている理由は、タイミングローラー対46の駆動ローラー46aおよび中間転写ベルト11のいずれにおいて、記録シートとの間で微小なスリップが生じることがあり、スリップが生じた側の位相差の変動が遅れるため、いち早く適正範囲を逸脱した方の位相差にもとづいて、タイミングモーター48の速度制御を行った方が、より応答性に優れた速度制御を実施できるからである。
以上のように、本実施の形態に係るプリンター1では、記録シートの先端が、転写ニップ周辺部に突入する際に生じる、中転ベルトモーター49の速度変動においても、中転ベルトモーター49の位相差ΔφA(あるいは、タイミングモーター48の位相差ΔφB)の値により、これらのモーターに加わる負荷トルクの大きさを把握して、タイミングモーター48の回転速度を一時的に低下させることにより、中間転写ベルト11の瞬間的な速度変動を抑制して、転写ずれおよび色ずれを防止することができる。
また、中転ベルトモーター49の位相差ΔφAと、タイミングモーター48の位相差ΔφBの値により、これらのモーターに加わる負荷トルクの大きさを把握しつつ、記録シートの後端がタイミングローラー対46を通過する前に、記録シートのループを解消することにより、記録シートの後端の跳ね現象の発生を抑制し、転写ずれおよび色ずれを防止することができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態では、跳ね現象の発生を防止するため、中転ベルトモーター49の位相差ΔφAおよびタイミングモーター48の位相差ΔφBのうち、それぞれに設定されている適正範囲をより早く逸脱した方の値を用いることにより応答性をよくして、タイミングローラー対46の駆動ローラー46aの速度を制御しているが、これに限らず、位相差ΔφAおよび位相差ΔφBのうちの一方のみを用いて、タイミングローラー対46の駆動ローラー46aの速度を制御して転写ずれや色ずれを防止しても構わない。
これにより応答性はやや低下するけれども、例えば、システムスピートが遅い場合には、速度変動に大きく影響するような跳ね現象も生じ難くなるものと考えられ、それほど応答性が高い制御でなくても、転写ずれや色ずれを防止できると考えられるからである。
(2)上記実施の形態では、位相差ΔφAおよび位相差ΔφBを用いて、中転ベルトモーター49およびタイミングモーター48の駆動軸に加わる負荷トルクを求めたが、これに限らない。
例えば、モーターの回転軸に取り付けて、当該駆動軸のねじれ角や歪みから負荷トルクを検出する、位相差検出型トルクセンサーや歪みゲ−ジ式トルクセンサーなどの公知のトルクセンサーからの出力値を用いても構わない。
このように、モーターの負荷トルクを指標する指標値であって、精度が高いものであれば、どのようなトルクセンサーを用いても構わない。
(3)また、上記実施の形態では、図6のステップS117におけるタイミングモーター48の回転速度を調整するために、(式9)Vt=Vt×(1+k×F×(ΔφC−ΔφS))を用いて、位相差ΔφCと基準位相差ΔφSとの差に応じて、駆動ローラー46aの回転速度の変化量を決定しているが、上記(式9)は、位相差ΔφCと基準位相差ΔφSとの差に応じて、駆動ローラー46aの回転速度の変化量を決定する式の一例を示したに過ぎず、これ以外の式を用いても構わない。
また、例えば、システムスピードが遅い場合には、外乱による中転ベルトモーター49の回転速度の変動への影響は小さくなるものと考えられるため、このような場合には、駆動ローラー46aの回転速度を一定速度で増減させることを繰り返し実行してもよい。
(4)上記実施の形態では、基準位相差ΔφASおよび基準位相差ΔφBSは、それぞれΔφAの適正範囲の上下限閾値の中央値およびΔφBの適正範囲の上下限閾値の中央値としたが、これに限らず、転写ずれや色ずれの抑制に支障を来さない範囲で、これらの値からずれていても構わない。
(5)上記実施の形態では、タイミングローラー対速度制御処理の実行手順を説明するフローチャートを示す図6のステップS113において、位相差ΔφAとΔφBの値のうち適正範囲を逸脱したものがあるか否かを判定しているが、万が一、位相差ΔφAとΔφBが共に所定の範囲から逸脱している場合には、ステップS114の判断で肯定的な判定がなされ、位相差ΔφAの値によりタイミングモーター48の回転速度が制御されることとなるが、これに限らない。
このような場合には、それぞれの基準位相差からより大きく逸脱している方の位相差の値に応じて、タイミングモーター48を制御することが望ましい。
(6)上記実施の形態では、タイミングモーター48および中転ベルトモーター49の回転速度を検出するために、それぞれTRエンコーダー148および中転ベルトモーターエンコーダー149を用いていたが、これに限らず、これらのモーターに印加する駆動パルスをカウントすることによって、速度を検出してもよい。
(7)上記実施の形態では、画像形成装置にタイミングローラー対速度制御処理を適用した例を示したが、これに限らない。
例えば、自動原稿搬送装置(ADF)付きのスキャナーなどシートスルー方式で原稿画像を読み取る画像読取装置に適用しても構わない。
既述のように、ADF付きカラースキャナーでは、画像を読み取る読取位置のすぐ手前に、読取前ローラー対(第2のローラー対)が設けられると共に、これよりも上流側には、上記実施の形態におけるプリンター1と同様のタイミングローラー対(第1のローラー対)が設けられている構成が多く、厚紙の原稿を読み取る際には、上記実施の形態と同様に原稿の先端が搬送ローラー対のニップ付近に衝突したり、原稿の後端がタイミングローラー対を抜けるときの跳ね返りにより、読取前ローラー対の送り速度に変動が生じるおそれがある。
このような送り速度の変動は、カラー原稿の読取画像における色ずれや、モノクロの読取画像における副走査方向における倍率の変動を惹起するため望ましくはない。
したがって、ADFにおけるタイミングローラー対や読取前ローラー対についても上記実施の形態と同様な速度制御を行うことにより、読取画質の劣化を防ぐことができる。
さらに、本発明の適用範囲は、これに限らず、複写機、ファクシミリ装置、モノクロプリンターなどに適用することができる。
また、上記実施の形態及び変形例の内容は、可能な限り組み合わせても構わない。
本発明は、速度制御可能なモーターで駆動されるローラーなどでシートを搬送して、搬送中のシートに対して、所定の画像処理を実行する画像処理装置に好適である。
1 プリンター
3 画像プロセス部
3 作像部
4 タイミングローラー対
4 給紙部
5 制御部
5 定着部
6 制御部
7a 第1ドライバー
7b 第2ドライバー
10 露光部
11 中間転写ベルト
12 駆動ローラー
13 従動ローラー
31 感光体ドラム
32 帯電器
33 現像器
34 一次転写ローラー
41 給紙カセット
42 搬送路
43 二次転写位置
44 二次転写ローラー
45a 繰り出しローラー
45b 捌きローラー
46 タイミングローラー対
46a 駆動ローラー
46b 従動ローラー
47 シートセンサー
48 タイミングモーター
49 中転ベルトモーター
61 CPU
62 タイマー
63 ROM
64 RAM
65 不揮発性メモリー
66 通信インターフェース部
71a、71b モーター駆動IC
72a、72b 位相差検出部
148 タイミングローラーエンコーダー
148a ディスク
148b スリット
148c フォトインタラプター
149 中転ベルトモーターエンコーダー

Claims (8)

  1. それぞれ駆動回転体と従動回転体を対とする第1および第2の回転体対が、シートの搬送方向の上流側から下流側にかけて、この順で配設されていると共に、前記第1の回転体対によりシートを搬送しつつ、前記第2の回転体対もしくはこれよりも下流側の位置において、当該シートに対して所定の画像処理を実行する画像処理装置であって、
    前記第1の回転体対の駆動回転体を回転駆動する第1のステッピングモーターと、
    前記第2の回転体対の駆動回転体を回転駆動する第2のステッピングモーターと、
    前記第1のステッピングモーターが受ける負荷トルクの大きさを指標する第1の指標値として、前記第1のステッピングモーターにおける駆動パルスに対する逆起電圧パルスの位相差を取得し、かつ、前記第2のステッピングモーターが受ける負荷トルクの大きさを指標する第2の指標値として、前記第2のステッピングモーターにおける駆動パルスに対する逆起電圧パルスの位相差を取得する取得手段と、
    前記第1および第2のステッピングモーターの回転速度について、第1の制御と、第2の制御と、第3の制御とを実行する制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記第1の制御では、前記第2の回転体対によって搬送されるシート速度が一定であるように、前記第2のステッピングモーターの回転速度を制御し、
    前記第2の制御では、前記第1の回転体対によって搬送されるシートの先端が前記第2の回転体対のニップに到着してから所定時間が経過するまでの間に当該シートループを形成するように、前記第1のステッピングモーターの回転速度を制御し、
    前記第3の制御では、前記第1および第2の指標値を監視すると共に前記第1のステッピングモーターに対し、まず減速制御を行い、いずれかの指標値が適正範囲を逸脱すれば前記減速制御を安定化制御に切り換え、
    前記減速制御では、前記第1の回転体対によって搬送されるシートの後端が前記第1の回転体対のニップを通過する前に当該シートがループを解消するように、前記第1のステッピングモーターの回転速度を低減させ、
    前記安定化制御では、前記第1の回転体対によって搬送されるシートの後端が前記第1の回転体対のニップを通過するまでに、当該シートのうち前記第1の回転体対によって搬送される部分の速度が前記第2の回転体対によって搬送される部分の速度に等しくなるように、前記第1の指標値が適正範囲を逸脱した場合には、逸脱の方向に応じた符号の値だけ前記第1のステッピングモーターの回転速度を低減させ、前記第2の指標値が適正範囲を逸脱した場合には、逸脱の方向に応じた符号の値だけ前記第1のステッピングモーターの回転速度を増加させる
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記第2の制御では更に、前記第1の回転体対によって搬送されるシートの先端が前記第2の回転体対のニップに突入する際に前記第2の指標値を監視し前記第2の指標値が適正範囲から逸脱した場合に、前記第2の指標値が適正範囲内に戻るように前記第1のステッピングモーターの回転速度を低減させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記制御手段は、前記安定化制御において前記第1のステッピングモーターの回転速度を増減させる値の大きさを、前記第1または第2の指標値が適正範囲を逸脱した大きさに応じて決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記制御手段は、前記安定化制御において前記第1および第2の指標値が共に適正範囲から逸脱した場合、より大きく逸脱している方の指標値を前記第1のステッピングモーターの回転速度の制御に利用することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずかに記載の画像処理装置。
  5. 前記制御手段は、前記安定化制御における前記第1のステッピングモーターの回転速度の増減値を、前記第1または第2の指標値と適正範囲内の基準値との間の差に比例させることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1の回転体対よりもシートの搬送方向において上流側に設けられており、シートの後端が通過したことを検出するシート検出手段
    を更に備え、
    前記制御手段は、前記シート検出手段の検出結果にもとづいて前記第2の制御の開始タイミングを決定することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記所定の画像処理の対象シートは、印刷用の記録シートであり、
    前記第1の回転体対の駆動回転体は、駆動ローラーであり、
    前記第1の回転体対の従動回転体は、従動ローラーであり、
    前記第2の回転体対の駆動回転体は、像担持回転体であり、
    前記第2の回転体対の従動回転体は、転写ローラーであって、
    前記所定の画像処理は、トナー像を前記像担持回転体から前記記録シートに転写する処理である
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 前記第2の回転体対よりもシートの搬送方向において下流側を通過するシートの画像を読み取る画像読取手段
    を更に備え、
    前記所定の画像処理の対象シートは、原稿であり、
    前記第1および第2の回転体対の駆動回転体は、第1、第2の駆動ローラーであり、
    前記第1および第2の回転体対の従動回転体は、第1、第2の従動ローラーであり、
    前記所定の画像処理は、搬送中の原稿の画像を前記画像読取手段により読み取る処理である
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の画像処理装置。
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