JP6578961B2 - シート搬送装置、画像処理装置およびシート搬送制御方法 - Google Patents

シート搬送装置、画像処理装置およびシート搬送制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、シートを搬送ローラーなどの搬送回転体により搬送するシート搬送装置および画像処理装置に関する。
画像処理装置には、プリンターなどの画像形成装置が含まれ、画像形成装置は、画像形成の対象となるシートを搬送ローラーにより搬送するシート搬送装置を備えている。
シート搬送装置では、電磁クラッチを用いるクラッチシステムと電磁クラッチを用いないモーターシステムのいずれかにより搬送ローラーを回転駆動させる構成が多い。
クラッチシステムは、複数の搬送ローラーのそれぞれに個別に電磁クラッチを配し、電磁クラッチごとに、駆動モーターの回転駆動力の伝達(入り)と遮断(切り)を切り替えて、対応する搬送ローラーの回転と停止を切り替えるシステムである。
モーターシステムは、それぞれの搬送ローラーに個別に駆動モーターを配し、駆動モーターごとに、対応する搬送ローラーを回転または停止させるシステムである。
クラッチシステムは、一つの駆動モーターで複数の搬送ローラーのそれぞれの回転と停止を切り替え制御できるので、それぞれの搬送ローラーに駆動モーターを設けるモーターシステムよりも低コストを実現できる。
特開2015−82064号公報 特開2007−286079号公報
電磁クラッチは、駆動モーターの回転軸に接続されるローターと搬送ローラーに接続されるアーマチュアとを有し、電圧供給によりローターにアーマチュアが電磁力により吸引されて押し付けられ、ローターとアーマチュア間に摩擦トルク(以下、「伝達トルク」という。)が発生して、駆動モーターの回転駆動力を搬送ローラーに伝達し、電圧供給が遮断されると、その吸引力の消滅によりローターとアーマチュアが離間して、伝達トルクを発生させない構成になっている。
電圧供給により電磁クラッチに発生する伝達トルクは、搬送ローラーがシートを搬送しているときに電磁クラッチに掛かる負荷トルクよりもかなり大きな値が事前に設定されている。これは、負荷トルクに対して大きな伝達トルクを発生させる電磁クラッチを使った方がクラッチ連結時の動作時間を早められるからである。
一方、搬送ローラーの停止には電磁クラッチへの電圧供給の遮断が行われるが、シート搬送中における伝達トルクを負荷トルクよりもかなり大きくするためにローターとアーマチュア間の吸引力が大きくなっている。このため電磁クラッチへの電圧供給の遮断からその大きな伝達トルク、すなわち吸引力がローターとアーマチュアが離間する程度の大きさまで低下していくのに要する時間が長くかかる。
ローターとアーマチュアの離間までの間、電磁クラッチによる駆動力の伝達が継続されるので、その離間までの時間が長くなるほど搬送ローラーの回転停止が遅れる。
また、電磁クラッチに掛かる負荷トルクは、例えば搬送中のシートの種類、具体的には普通紙よりも厚い厚紙、薄い薄紙などにより変動する。
この負荷トルクの変動は、搬送中のシートを一旦停止させた後、画像形成タイミングに合わせてシートの搬送を再開してシートを転写位置に向けて搬送する、いわゆるレジスト動作で次のような問題を生じさせる。
すなわち、レジスト動作では、一対の搬送ローラーにより搬送中のシートの搬送方向先端(以下、「シートの先端」という。)が、下流側で停止している一対のレジストローラーのニップに突き当たってから、シートの先端部にスキュー(斜行)を補正するためのループ(弛み)が形成されると、そのシートを一対の搬送ローラーで挟んだ状態で搬送ローラーの回転を一旦停止させる。その後、画像形成タイミングに合わせて搬送ローラーとレジストローラーの両方の回転を開始させ、シートを転写位置に向けて搬送させる。
このレジスト動作においてシートを一旦停止するために、シート搬送途中で搬送ローラーに接続される電磁クラッチへの電圧供給の遮断が行われる。
ところが、電磁クラッチを用いる場合、その機構上、電圧供給の遮断以降、搬送ローラーの挙動を制御することができない。このため電磁クラッチに掛かる負荷トルクがシートの種類によって、例えば薄紙の場合に小さくなったり厚紙の場合に大きくなったりして変われば、搬送中のシートの種類の違いにより、電圧供給の遮断から搬送ローラーが惰性で回転して停止までに要する時間がばらついてしまい、その結果、シートの停止位置がばらつくことが生じる。
シートの停止位置がばらつくと、形成されるループの大きさ(ループ量)もばらつくことになる。ループ量が大きすぎると搬送路上でシート先端部が屈曲したり皺になったり、小さすぎるとスキュー補正が正しく行えなくなるという問題が生じる。
このような問題は、シートの種類の違いにかかわらず、例えば同じ普通紙でもサイズの大小によって電磁クラッチに掛かる負荷トルクの大きさが異なるような場合にも生じ得る。また、画像形成装置に限られず、例えば原稿用紙などのシートを読取位置に搬送してその画像を読み取るスキャナーなどの画像読取装置などにも同様に生じる。さらに、ループ形成の有無にかかわらず、搬送中のシートを停止させる場合の停止位置のばらつきの抑制の必要がある構成などにも同様に生じ得る。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、電磁クラッチを用いる構成において搬送回転体により搬送中のシートを停止させる場合の停止位置のばらつきを低減することが可能なシート搬送装置、画像処理装置およびシート搬送方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係るシート搬送装置は、シートを搬送回転体により搬送するシート搬送装置であって、駆動源から前記搬送回転体に伝達する駆動力を入り切りする電磁クラッチと、シート搬送途中で前記搬送回転体の回転を停止させるため、シート搬送中に前記電磁クラッチへの電力供給を遮断制御する制御手段と、を備え、前記制御手段による電力供給の遮断制御は、前記シート搬送中の前記電磁クラッチの伝達トルクを第1の値としたとき、前記伝達トルクを前記第1の値から、前記第1の値よりも小さい第2の値に低下させた後、前記電力供給を完全遮断する制御であり、かつ、前記第2の値を前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクの大きさに応じて異ならせる制御であることを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記第2の値を、前記シート搬送中の前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクの大きさと同じ値に設定または前記負荷トルクの大きさに所定のマージンを加算した値に設定するとしても良い。
ここで、前記制御手段は、シート搬送中に前記負荷トルクを検出する検出手段を備え、前記検出手段による検出値に基づき前記設定を行うとしても良い。
ここで、シートを挟持搬送するために前記搬送回転体との間で第1搬送回転体対を構成する別の搬送回転体と、前記シートの搬送路上であって前記第1搬送回転体対よりもシート搬送方向下流側に配置された第2搬送回転体対と、を備え、前記制御手段は、前記第2搬送回転体対の回転が停止されているときに、前記第1搬送回転体対によるシート搬送中に前記電磁クラッチへの電力供給を遮断することにより、当該搬送中のシートの搬送方向先端が当該停止中の第2搬送回転体対に当たってから当該第1搬送回転体対の回転が停止するまでの間に、前記シートが前記第1搬送回転体対に挟まれた状態で前記シートのうち前記第1搬送回転体対と前記第2搬送回転体対との間の部分にループを形成させるループ形成制御を行い、前記検出手段は、前記シートへのループ形成中の前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクをループ形成中またはその前に検出するとしても良い。
ここで、前記検出手段は、前記シートの搬送方向先端が前記第2搬送回転体対に到達するまでの間に前記電磁クラッチに掛かる第1負荷トルクに、前記シートへのループ形成の際に当該シートの腰の強さにより生じる復元力がシート搬送方向とは逆方向に作用したときに前記電磁クラッチに掛かる第2負荷トルクを加算した値を、前記負荷トルクの大きさとするとしても良い。
ここで、前記検出手段は、前記第1負荷トルクを測定する測定手段と、異なるシートの種類ごとに前記第2負荷トルクの大きさを対応付けて示す情報を記憶している記憶手段と、を有し、前記記憶手段に記憶されている情報から前記搬送中のシートに対応する第2負荷トルクの値を読み出し、前記測定手段による測定値に前記読み出した値を加算した値を前記負荷トルクの大きさとするとしても良い。
また、複数枚のシートを1枚ずつ順にシートごとに、当該シートを前記搬送回転体による搬送、搬送停止、搬送再開を順番に行い、搬送再開により当該シートが前記搬送回転体を通過後、次のシートを前記搬送回転体により搬送することを繰り返すジョブを実行し、前記検出手段は、前記負荷トルクの検出を前記複数枚のシートのうち搬送順が最初のシートに対してのみ行い、前記制御手段は、複数枚のシートのそれぞれに対し、前記搬送停止のために前記遮断制御を実行し、かつ、最初のシートに対する前記遮断制御には、最初のシートに対する前記検出手段による検出値に基づき設定された第2の値を用い、2枚目以降の各シートに対する前記遮断制御には、2枚目以降の各シートに対して前記設定を行わず、前記最初のシートに対して設定された前記第2の値を2枚目以降の各シートに対する第2の値に援用するとしても良い。
ここで、前記検出手段は、前記複数枚のシートのうち搬送順がn(2≦n≦N)枚目のシートとその1枚前の(n−1)枚目のシートとが、その種類、サイズ、搬送姿勢のうち少なくとも一つが異なる場合には、n枚目のシートに対して前記負荷トルクの検出を行い、前記制御手段は、n枚目のシートに対しては前記援用を中止して、n枚目のシートに対する前記検出手段による検出値に基づき前記第2の値を設定して、設定された第2の値を用いて前記遮断制御を実行するとしても良い。
さらに、第1給紙トレイと第2給紙トレイのうち選択された方のトレイから繰り出された複数枚のシートを1枚ずつ順にシートごとに、当該シートを前記搬送回転体による搬送、搬送停止、搬送再開を順番に行い、搬送再開により当該シートが前記搬送回転体を通過後、次のシートを前記搬送回転体により搬送することを繰り返すジョブを実行し、前記検出手段は、前記第1給紙トレイが選択された場合には、前記負荷トルクの検出を前記複数枚のシートのうち搬送順が最初のシートに対してのみ行い、前記第2給紙トレイが選択された場合には、前記負荷トルクの検出を前記複数枚のシートのそれぞれに対して行い、前記制御手段は、複数枚のシートのそれぞれに対し前記搬送停止のために前記遮断制御を実行し、かつ、前記第1給紙トレイが選択された場合、最初のシートに対する前記遮断制御には、最初のシートに対する前記検出手段による検出値に基づき設定された第2の値を用い、2枚目以降の各シートに対する前記遮断制御には、2枚目以降の各シートに対して前記設定を行わず、前記最初のシートに対して設定された前記第2の値を2枚目以降の各シートに対する第2の値に援用し、前記第2給紙トレイが選択された場合、複数枚のシートのそれぞれごとに、当該シートに対する前記遮断制御には、当該シートに対する前記検出手段による検出値に基づき設定された第2の値を用いるとしても良い。
ここで、前記第1給紙トレイは給紙カセットであり、前記第2給紙トレイは手差しトレイであるとしても良い。
また、前記制御手段は、前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクの大きさがシート種類の違いによって異なる構成の場合に当該シート種類に応じて前記第2の値を異ならせるとしても良い。
さらに、前記電磁クラッチは、供給される電圧が小さくなるに伴って伝達トルクが小さくなる特性を有し、前記制御手段は、前記電磁クラッチへの供給電圧を、伝達トルクが前記第1の値になっているときの第1の電圧値からこれよりも小さい第2の電圧値に下げることにより、伝達トルクを前記第1の値から前記第2の値に低下させるとしても良い。
また、前記電磁クラッチへの電力供給の遮断は、当該電磁クラッチへの電圧供給の遮断により行われるとしても良い。
本発明に係る画像処理装置は、画像処理の対象となるシートをシート搬送部の搬送回転体により搬送する画像処理装置であって、前記シート搬送部として、上記のシート搬送装置を備えることを特徴とする。
本発明に係るシート搬送制御方法は、シートを搬送回転体により搬送するシート搬送装置におけるシート搬送制御方法であって、駆動源の駆動力を電磁クラッチにより前記搬送回転体に伝達して前記搬送回転体を回転させる第1ステップと、シート搬送途中で前記搬送回転体の回転を停止させるため、シート搬送中に前記電磁クラッチへの電力供給を遮断制御する第2ステップと、を実行し、前記第2ステップによる電力供給の遮断制御は、前記シート搬送中の前記電磁クラッチの伝達トルクを第1の値としたとき、前記伝達トルクを前記第1の値から、前記第1の値よりも小さい第2の値に低下させた後、前記電力供給を完全遮断する制御であり、かつ、前記第2の値を前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクの大きさに応じて異ならせる制御であることを特徴とする。
上記の構成によれば、電磁クラッチへの電力供給の遮断時における伝達トルクの第2の値を、例えばシートが厚紙の場合でも薄紙の場合でもそれぞれの場合における負荷トルクとの差分の大きさが同程度になるように決めることができる。
これにより、従来の構成のように電力供給の遮断時の伝達トルクが第1の値のまま固定されているため、負荷トルクとの差分の大きさが厚紙の場合と薄紙の場合とで異なり、電力供給の遮断から搬送回転体が惰性で回転して停止するまでの間のシートの搬送量に差がつくといったことを抑制でき、シート種類などに関係なくシートの停止位置のばらつきを低減できる。
プリンターの全体の構成を示す図である。 電磁クラッチの構成を模式的に示す図である。 給紙搬送系の制御ブロックを示す図である。 レジスト動作を示すタイミングチャートである。 モーター制御部とクラッチ制御部の構成を示すブロック図である。 供給電流と搬送負荷トルクの対応関係を示すテーブルの例を示す図である。 伝達トルクと応力トルクと搬送負荷トルクとの関係を示す図である。 応力トルクとループ量との対応関係を用紙種類別に例示する図である。 伝達トルクとクラッチ電圧の対応関係の例を示す図である。 クラッチ電圧の切り替え制御を行う実施例におけるタイミングチャートである。 (a)は、用紙が厚紙の場合における差分αを示す図であり、(b)は、用紙が薄紙の場合における差分αを示す図である。 比較例の制御におけるタイミングチャートである。 伝達トルクの切り替え制御の内容を示すフローチャートである。 伝達トルクの切り替え制御の変形例の内容を示すフローチャートである。
以下、本発明に係るシート搬送装置の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例にして説明する。
〔1〕プリンターの全体構成
図1は、プリンター100の全体の構成を示す正面図である。
同図に示すように、プリンター100は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40と、全体制御部50と、モーター制御部60と、クラッチ制御部70を備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像形成を実行する。
画像プロセス部10は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部10Y、10M、10C、10Kを備えている。
作像部10Yは、感光体ドラム11と、その周囲に配設された帯電部12と、露光部13と、現像部14と、一次転写ローラー15と、感光体ドラム11を清掃するためのクリーナ16などを備えており、感光体ドラム11上にY色のトナー像を作像する。この構成は、他の作像部10M、10C、10Kについて同様であり、同図では符号を省略している。各感光体ドラム11上にその対応する色のトナー像が作像される。
中間転写部20は、矢印方向に周回走行される中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21を張架する駆動ローラー22と従動ローラー23と、中間転写ベルト21を挟んで駆動ローラー22と対向する位置に配され、中間転写ベルト21に圧接される二次転写ローラー24などを備える。
給送部30は、シート搬送装置として機能し、給紙カセット31と、繰り出しローラー32と、捌きローラー対33と、搬送ローラー対34と、レジストローラー対35と、手差しトレイ36などを備える。以下、搬送ローラー対とレジストローラー対を、一対であることを示す必要がある場合を除いて、搬送ローラーとレジストローラーと称する。
給紙カセット31は、記録用のシートとしての用紙Sを収容する。
繰り出しローラー32は、給紙カセット31から用紙Sを用紙搬送路39に繰り出す。
捌きローラー対33は、繰り出しローラー32により繰り出された用紙Sを捌いて1枚の用紙Sだけを通過させる用紙重送防止を行う。
搬送ローラー34は、捌きローラー対33を通過した1枚の用紙Sをレジストローラー35に向けて搬送する。
レジストローラー35は、搬送ローラー34により搬送されて来る用紙Sを二次転写ローラー24に送り出すタイミングをとるためのローラーである。
手差しトレイ36は、給紙カセット31とは別に、給紙カセット31に収容される用紙Sよりも使用頻度の少ない用紙、厚紙などの普通紙以外の用紙、不定形サイズの用紙などを給紙可能なトレイであり、装置正面側から見て右側の側面に配置されている。
手差しトレイ36上に積載された用紙Sは、繰り出しローラー37により繰り出され、捌きローラー対38を介して搬送ローラー34に搬送される。なお、給紙カセット31と手差しトレイ36のいずれから繰り出された用紙Sも用紙搬送路39上では一定のシステム速度で搬送される。
搬送ローラー34は、駆動モーター82の回転駆動力が電磁クラッチ91を介して伝達されることにより回転駆動され、レジストローラー35は、駆動モーター82の回転駆動力が電磁クラッチ92を介して伝達されることにより回転駆動される。
電磁クラッチ91、92のそれぞれは、入力軸に入力された回転駆動力を出力軸に伝達する状態と伝達しない状態とを切り替える公知のものである。
図2は、電磁クラッチ91の構成を模式的に示す図である。
同図に示すように電磁クラッチ91は、入力軸910に固定されたローター911と、出力軸913に固定され、ローター911に対して接離可能なアーマチュア912と、不図示の励磁コイルを備える。入力軸910は駆動モーター82に接続されており、出力軸913は搬送ローラー34に接続されている。
電磁クラッチ91の励磁コイルに電圧が印加されていないときには、不図示の付勢ばねの付勢力F2によりアーマチュア912がローター911から僅かな間隔を開けて離間しており、駆動モーター82の回転駆動力が搬送ローラー34に伝達されない。同図は、この離間した状態を示している。
電磁クラッチ91に駆動電圧の供給が開始されると(電磁クラッチのオン)、電磁クラッチ91の励磁コイルに電流が流れ、ローター911とアーマチュア912間に磁束が生じることにより、付勢力F2とは反対方向で付勢力F2よりも遥かに大きな吸引力F1が生じ、その吸引力F1によりアーマチュア912が付勢力F2に抗してローター911側に移動して、ローター911に押し付けられる。これにより、ローター911とアーマチュア912間に摩擦トルクが発生して、駆動モーター82の回転駆動力が搬送ローラー34に伝達される伝達状態になる(電磁クラッチ91の入り動作)。
電磁クラッチ91への電圧供給を遮断すると(以下、「電磁クラッチのオフ」という場合がある。)、ローター911とアーマチュア912間の摩擦トルクが低減するとともにローター911へのアーマチュア912の吸引力F1も低減していく。
そして、吸引力F1が付勢力F2を下回ると、付勢力F2によりアーマチュア912がローター911から切り離される(釈放)。これにより、駆動モーター82の回転駆動力が搬送ローラー34に伝達されない非伝達状態になる(電磁クラッチ91の切り動作)。
電磁クラッチ92も電磁クラッチ91と同様の構成であり、電磁クラッチ91と同様の駆動力伝達状態と非伝達状態の切り替え動作が実行される。電磁クラッチ91、92のオンとオフの切り替えは、クラッチ制御部70により制御される。
図1に戻って、定着部40は、定着ローラーと加圧ローラーを備え、所定の定着温度で用紙Sを加熱、加圧してトナー像を定着させる。
なお、搬送ローラー34とレジストローラー35以外の繰り出しローラー32、捌きローラー対33、感光体ドラム11、中間転写ベルト21、定着ローラーなどの各回転体については、駆動モーター81を駆動源に回転駆動される。駆動モーター81、82のそれぞれは、DCブラシレスモーターであるが、他のステッピングモーターなどであっても良い。駆動モーター81、82は、モーター制御部60により回転制御される。
全体制御部50は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用のデジタル信号に変換し、作像部10Y〜10Kのそれぞれごとに、その露光部13を駆動させるための駆動信号を生成して、その駆動信号により露光部13を駆動させる。これにより各露光部13からレーザービームが出射され、感光体ドラム11が露光走査される。
この露光走査を受ける前に作像部10Y〜10Kのそれぞれごとに、その感光体ドラム11が帯電部12により一様に帯電されており、レーザービームの露光により感光体ドラム11上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像部14の現像剤により現像されて、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。
各感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、一次転写ローラー15により中間転写ベルト21上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト21上の同じ位置に多重転写されるようにタイミングをずらして実行される。
中間転写ベルト21上に多重転写された各色トナー像は、中間転写ベルト21の周回走行により、二次転写ローラー24が中間転写ベルト21に圧接される位置である二次転写位置241に移動する。この二次転写位置241が中間転写ベルト21上のトナー像を用紙Sに二次転写するための転写位置になる。
上記の作像動作のタイミングに合わせて、給送部30からは、給紙カセット31または手差しトレイ36に収容されている用紙Sがレジストローラー35を介して搬送されて来ている。この用紙Sは、周回走行する中間転写ベルト21と二次転写ローラー24の間に挟まれて搬送され、二次転写ローラー24に供給される二次転写電圧により生じる電界による静電力の作用を受けて、二次転写位置241を通過する間に、中間転写ベルト21上の各色トナー像が一括して用紙Sに二次転写される。
二次転写位置241を通過した用紙Sは、定着部40に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧により用紙Sに定着された後、排出ローラー対45を介して排出され、収容トレイ46に収容される。
用紙搬送路39の近傍であり、レジストローラー35よりも用紙搬送方向上流側かつレジストローラー35の近傍位置には、搬送されている用紙Sの先端と後端をそれぞれ検出するためのレジストセンサー58が配置されている。
レジストセンサー58は、発光部と受光部とを備える光学センサーであり、発光部から発せられた光がレジストセンサー58の検出位置を通過している用紙Sに当たって反射したときのその反射光を受光部で受光すると、用紙Sの検出を示す信号をクラッチ制御部70に出力する。この出力信号は、具体的に次のような信号になる。
すなわち、レジストセンサー58の検出位置に用紙Sの先端が未だ到達していないときには、ローレベルの信号になり、用紙Sの先端が検出位置に到達するとハイレベルの信号に切り替わり、用紙Sの後端が検出位置を通過するとローレベルの信号に戻る。
クラッチ制御部70は、レジストセンサー58の出力信号を監視することにより、用紙Sの先端がレジストセンサー58の検出位置に到達したこと、および用紙Sの後端がレジストセンサー58の検出位置を通過したことを検出することができる。クラッチ制御部70は、レジストセンサー58による用紙Sの先端と後端の検出結果を電磁クラッチ91、92の制御に用いる。この制御の詳細については、後述する。
プリンター100の装置正面側でありユーザーが操作し易い位置には、操作部55が配置されている。操作部55は、給紙カセット31および手差しトレイ36にセットされている用紙Sのサイズ、種類、例えば普通紙、厚紙、薄紙、コート紙、上質紙などの情報のユーザーからの指定を受け付ける。ここで、普通紙は、例えば坪量が60〜80g/m2の範囲内の用紙であり、厚紙は、例えば坪量が80g/m2よりも大きな用紙であり、薄紙は、例えば坪量が60g/m2よりも小さな用紙である。
また、操作部55は、プリントジョブの実行に際し、給紙カセット31と手差しトレイ36のいずれに収容されている用紙Sを用いるのかについてのユーザーからの用紙選択を受け付ける。操作部55は、受け付けた情報を全体制御部50に送る。
全体制御部50は、受信した用紙のサイズや種類、用紙選択などの情報に基づき、給紙カセット31と手差しトレイ36のいずれかから、選択された用紙Sを繰り出して(給紙して)、給紙された用紙Sに画像形成を実行させる。また、全体制御部50は、受信した用紙種類の情報をクラッチ制御部70に送る。クラッチ制御部70は、受信した用紙種類の情報に基づき、後述のクラッチ制御を行う。
〔2〕給紙搬送系の制御ブロック
図3は、給紙搬送系の制御ブロックを示す図である。
同図に示すように、モーター制御部60は、全体制御部50からの駆動指示に基づき、駆動モーター81と82のそれぞれの回転と停止の切り替えを制御する。ここでは、プリントジョブの開始に伴い、駆動モーター81と82をそれぞれ所定の目標速度(用紙Sの搬送速度であるシステム速度に相当)で回転させ、プリントジョブが終了すると、駆動モーター81と82を停止させる。モーター制御部60は、それぞれの駆動モーター81、82の回転速度をフィードバック制御する。
具体的には、モーター制御部60は、駆動モーターごとに、現在の回転速度を取得して、取得した回転速度が目標速度に一致していれば、そのままの速度の維持を指示し、目標速度よりも遅ければ増速を指示し、目標速度よりも速ければ減速を指示する。これにより、駆動モーター81、82の駆動中において、それぞれのモーターの回転速度が目標速度で安定して維持されるようになる。
クラッチ制御部70は、CPU(Central Processing Unit)などを有し、全体制御部50からの給紙搬送指示(選択された用紙の情報を含む)と用紙種類の情報と、レジストセンサー58の出力信号に基づき、電磁クラッチ91、92のオンとオフを制御する。この制御には、用紙Sの先端部にループLp(図1)を形成するレジスト動作が含まれる。
〔3〕レジスト動作
図4は、給紙カセット31から繰り出された1枚の用紙Sに対するレジスト動作を示すタイミングチャートである。なお、同図に示す時点t1よりも前に、駆動モーター81、82のそれぞれが既に回転駆動されているものとする。
クラッチ制御部70は、時点t1で用紙Sに対する給紙開始指示を全体制御部50から受け付けると、電磁クラッチ91に駆動電圧を供給する(電磁クラッチのオン)。これにより、駆動モーター82の回転駆動力が搬送ローラー34に伝達される。なお、同図では示されていないが、全体制御部50は、給紙開始指示をクラッチ制御部70に出力すると、繰り出しローラー32と捌きローラー対33の回転も開始させる。これにより、給紙カセット31から用紙Sが用紙搬送路39に繰り出される。
用紙搬送路39に繰り出された用紙Sが捌きローラー対33を介して搬送ローラー34に至ると、回転中の搬送ローラー34により、さらに用紙搬送方向下流側に搬送される。
用紙Sの先端がレジストセンサー58により時点t2で検出されてから、ループ形成のための所定時間Tpが経過すると(時点t3)、電磁クラッチ91への駆動電圧の供給を遮断する(電磁クラッチ91のオフ)。この遮断により駆動モーター82の回転駆動力が搬送ローラー34に伝達されなくなると、これ以降、搬送ローラー34は、その慣性により徐々に回転速度が低下して停止に至る。これにより搬送ローラー対34が用紙Sを挟んだ状態で搬送ローラー対34の回転が停止し、用紙Sの搬送が一時停止される。
時点t2以降、搬送ローラー34により搬送中の用紙Sの先端が停止中のレジストローラー対35のニップ(一方と他方のローラー同士が相互に接している部分)に当たってから搬送ローラー34の回転が停止(用紙Sの搬送が一時停止)されるまでの間に、用紙Sのうち搬送ローラー34とレジストローラー対35との間の部分(先端部)にループLp(図1)が形成される。
なお、本実施の形態では電磁クラッチ91がオフされる時点t3では、既に用紙Sの後端が捌きローラー対33を通過しており(図1)、繰り出しローラー32と捌きローラー対33の回転が停止されているものとする。
ループLpのループ量Lzは、上記の所定時間Tpの長さに、電磁クラッチ91への電圧供給の遮断から搬送ローラー34の停止までに要する時間(以下、「時間Tw」という。)を加算した時間により決まる。所定時間Tpは、予め固定値が決められているので、時間Twの長さが用紙Sの種類によってばらつくことがない、つまりほぼ一定になれば、用紙Sの種類によって用紙Sの停止位置のばらつきを防止でき、用紙種類の違いによるループ量Lzのばらつきも防止できる。
本実施の形態では、この時間Twのばらつきを抑制するために、用紙搬送中の電磁クラッチ91の伝達トルクを第1の値Tc1としたとき、電磁クラッチ91への電圧供給の遮断に先立って、伝達トルクを第1の値Tc1よりも小さく、かつ用紙種類に応じて異なる第2の値Tc2に低下させる切り替え制御を行う。この制御の詳細については後述する。
用紙Sが一時停止している間にクラッチ制御部70は、全体制御部50から用紙Sに対する搬送再開の指示を受け付けると(時点t4)、電磁クラッチ91、92のそれぞれに駆動電圧を供給する(電磁クラッチ91、92のオン)。これにより、搬送ローラー34とレジストローラー35の回転が開始される。
この搬送ローラー34とレジストローラー35の回転により、一時停止されていた用紙Sの搬送が再開され、用紙Sが二次転写位置241に向けて搬送される。
クラッチ制御部70は、用紙Sの搬送再開から所定時間Tfが経過すると(時点t5)、電磁クラッチ91だけをオフさせる。この所定時間Tfは、搬送再開から用紙Sの後端が搬送ローラー34を通過するのに要すると想定される時間に、搬送ばらつきを吸収するための所定時間(例えば0.5秒など)を加算した時間であり、用紙サイズに応じて予め決められている。電磁クラッチ91のオフにより搬送ローラー34の回転が停止される。
そして、クラッチ制御部70は、用紙Sの後端がレジストセンサー58の検出位置を通
過してから(時点t6)、所定時間Tsが経過すると(時点t7)、電磁クラッチ92への駆動電圧の供給を遮断(オフ)する。
この所定時間Tsは、用紙Sの後端がレジストセンサー58の検出位置を通過してからレジストローラー35を通過するまでに要すると想定される時間に、搬送ばらつきを吸収するための所定時間(例えば0.5秒など)を加算した時間であり、予め決められている。電磁クラッチ92のオフによりレジストローラー35の回転が停止する。
〔4〕モーター制御部60とクラッチ制御部70の構成
図5は、モーター制御部60とクラッチ制御部70の構成を示すブロック図である。なお、図5は、駆動モーター82と電磁クラッチ91の制御を説明するための図になっており、駆動モーター81と電磁クラッチ92については省略されている。
同図に示すようにモーター制御部60は、駆動ドライバー61と回転制御部62を備える。駆動ドライバー61は、駆動モーター82に駆動電流を供給する。
回転制御部62は、駆動モーター82の回転を制御する。具体的には、回転制御部62は、リモート信号により回転と停止を指示する。駆動モーター82は、回転制御部62からの回転指示を受け付けると、駆動ドライバー61からの供給電流により回転駆動を行い、停止指示を受け付けると回転駆動を停止させる。
また、回転制御部62は、駆動モーター82の回転速度をフィードバック制御する。ここでは、駆動モーター82が自己の回転数を示すエンコーダーパルス信号を出力する機能を有しているので、回転制御部62は、駆動モーター82から出力されるエンコーダーパルス信号を受信して、駆動モーター82の現在の回転速度を一定間隔ごとに取得する。
そして、その取得ごとに、駆動モーター82の回転速度が目標速度で一定に維持されるように、駆動モーター82に対して速度指示(増速、減速または現状維持)を行う。
駆動モーター82は、回転制御部62の速度指示が増速の場合、現在よりも多くの駆動電流を励磁コイルに供給して回転速度を増速し、速度指示が減速の場合、現在よりも少ない駆動電流を励磁コイルに供給して回転速度を減速する。速度指示が現状維持の場合、現在と同じ大きさの駆動電流を励磁コイルに供給して回転速度を維持する。
駆動モーター82の回転制御により、駆動モーター82の励磁コイルに流れる電流量が変わり、これに伴い、駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流の大きさも変化する構成になっている。
例えば、搬送ローラー34で搬送される用紙Sの種類が厚紙である場合、厚紙は通常、普通紙よりも厚く質量も大きいので、駆動モーター82の回転負荷が大きくなる。この場合、駆動電流が普通紙と同じであれば減速気味になるので駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流が増加する。逆に、搬送ローラー34で搬送される用紙Sの種類が薄紙である場合、薄紙は通常、普通紙よりも薄く質量も小さいので、駆動モーター82の回転負荷が小さくなる。この場合、駆動電流が普通紙と同じであれば増速気味になるので駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流が低減される。
従って、駆動モーター82により電磁クラッチ91を介して搬送ローラー34に回転駆動力を伝達し、搬送ローラー34で用紙Sを一定速度で搬送させようとする場合に、駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流の大きさを監視すれば、その時点での駆動モーター82に掛かる現在の回転負荷の大きさが判る。
搬送ローラー34により搬送中の用紙Sの先端が未だレジストローラー35に到達しておらず、電磁クラッチ91がオン状態かつ電磁クラッチ92がオフ状態のときに、駆動モーター82の回転負荷が大きくなることは、搬送ローラー34による用紙Sの搬送に要するトルク(搬送負荷トルク)が大きく、逆に駆動モーター82の回転負荷が小さくなることは、搬送負荷トルクが小さいことを意味する。従って、駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流Iの大きさは、搬送負荷トルクTL1の大きさを指標しているといえる。
本実施の形態では、供給電流Iと搬送負荷トルクTL1との対応関係を予め求めておき、搬送ローラー34により搬送中の用紙Sの先端がレジストローラー35に到達するまでの間に測定した供給電流Iの大きさに基づき、その時点での搬送負荷トルクTL1の大きさを求める。この求めた搬送負荷トルクTL1は、電磁クラッチ91の出力軸913に掛かる負荷トルクといえ、この搬送負荷トルクTL1を後述の電磁クラッチ91への供給電圧の遮断制御で用いる構成としている。搬送負荷トルクTL1は、クラッチ制御部70で求められる。
クラッチ制御部70は、電磁クラッチ91に駆動電圧を供給または遮断して、電磁クラッチ91を制御するものであり、負荷トルク検出部71と、トルク設定部72と、オン/オフ制御部73とを備える。
負荷トルク検出部71は、トルク測定部711と応力トルク記憶部712を有する。トルク測定部711は、上記の搬送負荷トルクTL1を測定する。
具体的には、用紙Sの先端が搬送ローラー34を通過後、停止中のレジストローラー35に至るまでの間(電磁クラッチ91がオンかつ電磁クラッチ92がオフのとき)に、駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流Iの大きさを検出する。
そして、図6に示す供給電流Iと搬送負荷トルクTL1の対応関係を示すテーブル713を参照して、テーブル713に書き込まれている供給電流Ia、Ib・・のうち、検出された現在の供給電流Iの大きさに対応する搬送負荷トルクTL1を読み出す。読み出した搬送負荷トルクTL1をその測定値とする。
供給電流Iと搬送負荷トルクTL1との対応関係は、予め実験などにより適正値が求められる。例えば、Ia<Ib<Ic・・の関係の場合に、TLa<TLb<TLc・・の関係になっている。具体的に、搬送される用紙Sが薄紙の場合にIaとすると、普通紙の場合にIb、厚紙の場合にIcというような大小関係になることが多い。
搬送される用紙Sの種類によって搬送負荷トルクTL1が変動するが、テーブル713の参照により、用紙Sの種類に関わりなく、現在の搬送負荷トルクTL1を求めることができる。テーブル713は、トルク測定部711の記憶部(不図示)に予め格納される。
図5に戻って、応力トルク記憶部712には、用紙Sがループ形成時に強制的に弛ませられる際にその用紙Sの腰の強さにより生じる復元力が用紙搬送方向とは逆方向に作用したときに搬送ローラーから電磁クラッチ91の出力軸913に掛かる負荷トルクTL2の大きさを示す応力トルク情報が記憶されている。この負荷トルクTL2は、ループ形成時に用紙Sの内部に生じる応力によるものといえるので、以下、応力トルクTL2という。
応力トルクTL2と搬送負荷トルクTL1と伝達トルクTc1との関係を図7に示す。
同図では、搬送ローラー34に駆動モーター82の回転駆動力を伝達するための伝達トルクTcに対して、これの逆方向に、搬送負荷トルクTL1(第1負荷トルク)と応力トルクTL2(第2負荷トルク)の両方がトータルの負荷トルクとして電磁クラッチ91に作用することを模式的に示している。
搬送負荷トルクTL1は、上記のように搬送負荷トルク測定711により測定される。
応力トルクTL2の大きさは、用紙Sの種類に応じて予め求められている。
図8は、応力トルクTL2とループ量Lzとの対応関係を用紙種類別に示す図である。
同図に示すように用紙種類には厚紙、普通紙、薄紙が含まれ、その種類ごとに、ループ量Lzが基準(例えば6mm)よりも大きくなるに伴って応力トルクTL2が大きくなり、基準よりも小さくなるに伴って応力トルクTL2が小さくなっていることが判る。
また、同じループ量Lzでも普通紙の方が薄紙よりも応力トルクTL2が大きくなり、厚紙の方が普通紙よりも応力トルクTL2が大きくなっている。厚紙1、2、3、4は、この番号が大きくなるほど厚みが厚く、腰が強い用紙であることから、この番号順に応力トルクTL2が大きくなっている。応力トルクTL2とループ量Lzとの対応関係は、用紙種類ごとに予め実験などにより求められ、この対応関係を示す情報が応力トルク情報として応力トルク記憶部712に記憶される。なお、図8では、用紙種類として普通紙、厚紙、薄紙の3種類の応力トルク情報について説明したが、これ以外の種類の応力トルク情報が含まれるとしても良い。
図5に戻って、トルク設定部72は、電磁クラッチ91の伝達トルクTcとして、第1の値Tc1とこれよりも小さい第2の値Tc2のそれぞれを設定する。
伝達トルクTc1は、搬送ローラー34が用紙Sを搬送しているときに電磁クラッチ91に発生させるためのトルクであり、用紙種類に関係なく、上記のように通常、電磁クラッチ91に掛かる負荷トルクよりもかなり大きな値が予め設定されている。
伝達トルクTc2は、用紙Sのループ形成後に電磁クラッチ91への電圧供給の遮断に先立って電磁クラッチ91に発生させるためのトルクである。この伝達トルクTc2は、用紙種類ごとに、電磁クラッチ91に掛かる負荷トルク(上記のTL1、TL2)の大きさに応じて異なる値に設定される。この設定方法については後述する。
オン/オフ制御部73は、電磁クラッチ91のオン、オフすべきタイミングに基づき電磁クラッチ91への駆動電圧の供給と遮断を切り替え制御する。以下、電磁クラッチ91に供給される駆動電圧をクラッチ電圧といい、クラッチ電圧の供給遮断を電圧供給の遮断という。
電磁クラッチ91のオンとオフのタイミングは、図4に示すタイミングに従う。
具体的には図4において、オン/オフ制御部73は、例えば用紙Sの先端部にループLpを形成する際、時点t1でクラッチ電圧の供給を開始し、時点t3でクラッチ電圧の供給を遮断(オフ)する。
時点t1では、オン/オフ制御部73は、電磁クラッチ91の伝達トルクがトルク設定部72により設定された第1の値Tc1になるように、電磁クラッチ91にクラッチ電圧として第1の値Vc1の電圧供給を開始する。時点t1以降、電圧値Vc1の電圧供給が継続される。
時点t3に至るとオン/オフ制御部73は、クラッチ電圧の供給を遮断するが、この遮断に先立って、電磁クラッチ91の伝達トルクTcがトルク設定部72により設定された第1の値Tc1から第2の値Tc2に低下するようにクラッチ電圧を第1の値Vc1からこれよりも小さい第2の値Vc2に切り替える制御を行う。この制御は、用紙Sに形成されるループ量Lzの大きさが用紙種類の違いによりばらつくことを防止するためである。詳しくは、後述する。
クラッチ電圧と伝達トルクとは、実使用範囲内では一般にクラッチ電圧が大きくなるに伴って伝達トルクが大きくなり、クラッチ電圧が小さくなるに伴って伝達トルクが小さくなる特性を有する。そこで、本実施の形態では、図9に示すように伝達トルクとクラッチ電圧の対応関係を示すテーブル721を予め生成しておき、テーブル721を参照することによりクラッチ電圧Vc1、Vc2を決定する。
具体的には、テーブル721に書き込まれている伝達トルクTca、Tcb・・のうち、トルク設定部72により設定された伝達トルク(Tc1またはTc2)の大きさに対応するクラッチ電圧を読み出して、読み出したクラッチ電圧を電磁クラッチ91に供給すべきクラッチ電圧に決定する。伝達トルクとクラッチ電圧の対応関係は、予め実験などにより適正値が求められ、例えばTca<Tcb<Tcc・・の関係の場合に、Vca<Vcb<Vcc・・の関係になっている。このテーブル721は、オン/オフ制御部73の記憶部(不図示)に予め格納される。
オン/オフ制御部73は、決定されたクラッチ電圧を電磁クラッチ91に供給する。クラッチ電圧Vc1、Vc2の切り替えは、一定の周波数のパルス幅を変化させることにより単位時間当たりの平均電圧を可変とするPWM制御により行われる。なお、供給電圧を切り替え可能な方法であれば、PWM制御に限られず、他の方法であっても良い。
〔5〕クラッチ電圧の切り替え制御について
図10は、クラッチ電圧の切り替え制御を行う実施例におけるタイミングチャートである。同図の時点t1、t3、t4は、図4に示す時点t1、t3、t4に相当する。
図10に示す電磁クラッチ91のオンとオフは、全体制御部50からクラッチ制御部70に出力される指示である。クラッチ制御部70は、オンの指示により電磁クラッチ91をオンさせ、オフの指示により電磁クラッチ91をオフさせる。
ローラートルクTLは、搬送ローラー34による用紙Sの搬送中に電磁クラッチ91の出力軸913に掛かる負荷トルクである。同図の実線のグラフは、厚紙を搬送中の負荷トルクTLaを示し、破線のグラフは、薄紙を搬送中の負荷トルクTLb(<TLa)を示している。以下、ローラートルクを負荷トルクTLという。
クラッチ電圧Vcは、電磁クラッチ91の励磁コイルに供給される駆動電圧を示し、伝達トルクTcは、電磁クラッチ91のローター911とアーマチュア912間に発生する伝達(摩擦)トルクを示している。
図10に示すように電磁クラッチ91のオン指示があると(時点t1)、電磁クラッチ91にクラッチ電圧Vc1が供給される。このクラッチ電圧Vc1の大きさは、いずれの種類の用紙が使用された場合でもその用紙Sの搬送中における負荷トルク(TLaやTLbなど)よりもかなり大きな伝達トルクTc1が電磁クラッチ91のローター911とアーマチュア912間に発生するように予め決められている。
電磁クラッチ91のオンにより、駆動モーター82の回転駆動力が搬送ローラー34に伝達され、搬送ローラー34が回転を開始する。この搬送ローラー34の回転により用紙Sが搬送される。
用紙Sの搬送中の負荷トルクTLを見ると、厚紙搬送時の負荷トルクTLaも薄紙搬送時の負荷トルクTLbも時点tqまでは略一定に推移している。この略一定に推移している状態の負荷トルクTLの大きさは、上記の搬送負荷トルクTL1に相当する。
そして、時点tqを越えると負荷トルクTLがやや上昇傾向になる。この上昇は、搬送ローラー34により搬送中の用紙Sの先端が停止中のレジストローラー対35に当たり、用紙Sの先端部にループLpが形成され始めたときにその用紙Sの腰の強さによる復元力が搬送ローラー34に作用することに起因して生じるものであり、この負荷トルクの上昇分が応力トルクTL2に相当する。
時点tq以降、ループLpの形成動作が終了すると、時点t3で電磁クラッチ91のオフ指示があるが、時点t3よりも所定時間Tbだけ前の時点taに達すると、電磁クラッチ91へのクラッチ電圧VcがそれまでのVc1から、これよりも小さく、かつ用紙種類ごとに異なる大きさのVc2(>0)、同図の例ではVc2aまたはVc2bに1段階下げられる。実線で示すVc2aは、厚紙の搬送中の場合の例を示し、破線で示すVc2bは、薄紙の搬送中の場合の例を示している。
クラッチ電圧VcがVc1からVc2に下げられることにより、その下げ幅の分に応じて、伝達トルクTcも低下する。同図では、伝達トルクTcが厚紙の搬送中には実線で示すようにTc2aまで低下し、薄紙の搬送中には破線で示すようにTc2b(<Tc2a)まで低下する。
時点t3に至るまでの間、クラッチ電圧VcがVc2aまたはVc2bで一定に維持され、時点t3に至ると、ループ形成動作の終了として、電磁クラッチ91へのクラッチ電圧Vcの供給が完全遮断される(クラッチ電圧Vcが0Vになる)。これにより、時点t3以降、厚紙の搬送中でも薄紙の搬送中でも伝達トルクTcが徐々に低下していき、アーマチュア912が釈放されると、駆動モーター82から搬送ローラー34への回転駆動力の伝達が遮断される。これ以降、搬送ローラー34には駆動力が伝達されず、やがて回転が停止される。
なお、同図では負荷トルクTLa、TLbがクラッチ電圧Vcの供給遮断時(時点t3)に瞬時に0になっているが、これは、負荷トルクTLのグラフがクラッチ電圧Vcの供給時に電磁クラッチ91にかかる負荷トルクを表しているからであり、クラッチ電圧Vcの供給遮断で搬送ローラー34の回転に要する負荷が0になるという意味ではない。
用紙Sが厚紙の場合、時点t3での負荷トルクをTLa、伝達トルクTcをTc2aとすると、これらの差分αが(Tc2a−TLa)になる。一方、用紙Sが薄紙の場合、時点t3での負荷トルクをTLb、伝達トルクTcをTc2bとすると、これらの差分αが(Tc2b−TLb)になる。
図11(a)は、用紙Sが厚紙の場合における差分αを示す図であり、図11(b)は、用紙Sが薄紙の場合における差分αを示す図である。図11(a)も(b)も差分αの大きさが同じまたは略同じ(停止位置ばらつきの公差の範囲内)になっている。
つまり、用紙Sが厚紙でも薄紙でも差分αが同じまたは略同じ大きさになるように、負荷トルクの大きさに対して伝達トルクTcの、Tc1からTc2への下げ幅の大きさが用紙種類に応じて異なる値に設定される構成になっている。
このようにしている理由を図12に示す比較例を参照しながら説明する。
図12は、クラッチ電圧Vcを時点t3までVc1に維持して時点t3に達すると遮断する(Vc1から0に下げる)制御を行う比較例のタイミングチャートを示している。
この比較例を見ると伝達トルクTcは、用紙種類に関係なく時点t3までTc1に固定されており、時点t3以降、徐々に低下していく。時点t3における伝達トルクTc1に対する厚紙の場合の負荷トルクTLaとの差分α1と薄紙の場合の負荷トルクTLbとの差分α2とは、α1<α2の関係になる。
また、比較例のα1、α2のそれぞれは、伝達トルクTc1と負荷トルクとの差分なので、実施例における伝達トルクTc2(<Tc1)と負荷トルクとの差分αよりも大きくなる。
比較例の方が実施例よりも差分が大きいということは、比較例の方が実施例よりも、電圧供給遮断時の伝達トルクTcが負荷トルクTLと同じ大きさまで低下するのに要する時間が長くかかることになる。
この間、電磁クラッチ92への電圧供給が遮断されていても、伝達トルクTc≧負荷トルクTLの関係を満たすので、短い時間ではあるが、駆動モーター82の駆動力が電磁クラッチ91を介して搬送ローラー34に伝達され、搬送ローラー34が回転して用紙Sの搬送が継続される。
伝達トルクTcのさらなる低下により、伝達トルクTc<負荷トルクTLの関係を満たすようになると、それまでのように電磁クラッチ91による駆動モーター82から搬送ローラー34への駆動力の伝達が行えなくなり、搬送ローラー34が惰性で回転し、アーマチュア912の釈放後、搬送ローラー34の回転がやがて停止する。
つまり、上記の差分が大きいほど、電磁クラッチ91への電圧供給の遮断から搬送ローラー34が惰性で回転して停止するまでに要する時間Twが長くなることになる。実施例の差分αは、比較例の差分α1、α2よりも小さいので、実施例の方が比較例よりも電磁クラッチ91への電圧供給の遮断から搬送ローラー34の停止までに要する時間Twを短縮することができる。この時間Twの短縮により、実施例では、用紙搬送の一時停止後、用紙Sの搬送再開タイミングを比較例よりも前倒しすることができ、それだけプリントの生産性を向上できる。
また、比較例では薄紙の場合の差分α2の方が厚紙の場合のα1よりも大きくなっており、薄紙を使用した方が厚紙を使用した場合よりも時間Twが長くかかることになる。時間Twは、電磁クラッチ91への電圧供給の遮断から用紙Sのループ形成終了までに要する時間に等しいともいえるので、用紙種類ごとに時間Twに差が生じるということは、用紙種類ごとにループ量Lzがばらつくことになる。
このような用紙種類ごとのループ量Lzのばらつきは、上記の差分α1、α2の大きさが用紙種類によって変動することが一因であるといえる。
比較例において、差分α1、α2の大きさが用紙種類で変動するのは、用紙種類によって負荷トルクTLが異なっているにもかかわらず、用紙種類に関係なく一律に電磁クラッチ91への電圧供給をVc1のまま固定して(伝達トルクをTc1のまま固定に相当)、時点t3で遮断する制御に起因する。
そこで、実施例では電磁クラッチ91への電圧供給の遮断(時点t3)に先立って、クラッチ電圧をそれまでのVc1からVc2に下げる(伝達トルクTcをTc1からTc2に下げる)制御に加えて、時点t3での差分αの大きさが用紙種類に関係なく同じまたは略同じになるように、クラッチ電圧Vc2(伝達トルクTc2)を用紙種類に応じて異ならせる制御を行うとしている。
図11に示す実施例のように厚紙でも薄紙でも時点t3での差分αの大きさが同じまたは略同じであれば、電磁クラッチ91への電圧供給の遮断(時点t3)から伝達トルクTcが低下して伝達トルクTc=負荷トルクTLの関係になるまでに要する時間、つまり時点t3以降、電磁クラッチ91を介して駆動モーター82の回転駆動力が搬送ローラー34に伝達され続ける時間が厚紙でも薄紙でも同じまたは略同じになる。
このことは、時点t3から伝達トルクTc=負荷トルクTLの関係になるまでの間の搬送ローラー34の回転量が同じまたは略同じになることを意味する。伝達トルクTc<負荷トルクTLの関係を満たすようになると、その後は、搬送ローラー34が惰性回転するが停止までの回転量が厚紙でも薄紙でもほとんど差が生じない。
このため実施例のように厚紙でも薄紙でも電磁クラッチ91への電圧供給の遮断時(時点t3)での差分αの大きさを同じまたは略同じにすることにより、時点t3から搬送ローラー34の回転停止までの要する時間Twの長さを厚紙でも薄紙でもほとんど同じにすることができる。
電磁クラッチ91への電圧供給の遮断時の搬送ローラー34の回転速度は、用紙種類に関係なくシステム速度で一定なので、用紙種類に関係なく時間Twが同じまたは略同じになるということは、時点t3から搬送ローラー34の回転停止までの間の搬送ローラー34の回転量Rzもまた用紙種類に関係なくほとんど同じになるといえる。
この搬送ローラー34の回転量Rzの大きさによって、電磁クラッチ91への電圧供給の遮断から搬送ローラー34の停止までの間における搬送ローラー34による用紙Sの搬送距離が決まり、ループ形成時における用紙Sの一時停止位置が決まる。従って、搬送ローラー34の回転量Rzが用紙種類に関係なくほとんど同じになるということは、用紙種類に関係なく一時停止位置もほとんど同じになる。
用紙種類に関係なく用紙Sの一時停止位置がほとんど同じになるということは、ループ量Lzの大きさも用紙種類に関係なくほとんど同じになる。つまり、用紙種類の違いによるループ量Lzのばらつきを比較例よりも抑制することが可能になる。
このようにクラッチ制御部70は、用紙Sの搬送途中で搬送ローラー34の回転を停止させるために電磁クラッチ91への電圧供給を遮断する遮断制御として、用紙搬送中の時点taで電磁クラッチ91の伝達トルクTcを第1の値Tc1から第2の値Tc2に低下させ、その後、時点t3で電磁クラッチ91への電圧供給を完全遮断する制御であり、かつ、第2の値Tc2を電磁クラッチ91に掛かる負荷トルクTLの大きさに応じて異ならせる制御を行う。
〔6〕伝達トルクTc2の設定方法
伝達トルクTc2の設定は、次の(式1)が用いられる。
Tc2=TL+β・・・(式1)
ここで、TLは上記負荷トルクTLに相当し、TL=(TL1+TL2)で示される。
TL1は、トルク測定部711による搬送負荷トルクの測定値である。
TL2は、搬送中の用紙Sの種類に対応する応力トルクTL2であり、応力トルク記憶部712に記憶されている応力トルク情報に基づき設定される。図10に示す厚紙の例の場合、時点t3での負荷トルクTLaの大きさが(TL1+TL2)に等しく、薄紙の例の場合、時点t3での負荷トルクTLbの大きさが(TL1+TL2)に等しくなる。
βは、上記差分αに相当し、搬送負荷トルクTL1の測定値と応力トルクTL2の設定値のそれぞれに、ある程度の誤差(実際の値との差)があっても、(式1)により算出されたTc2が、実際の搬送負荷トルクTL1に応力トルクTL2を加算した値を下回ることがないという条件を満たす範囲内の最小値として予め決められたマージンである。
このような所定のマージンβを加算しているのは、次の理由による。
すなわち、搬送負荷トルクTL1と応力トルクTL2とは上記のように実測値ではなく推測値であり、実際の値とはある程度の誤差を含んでいることが想定される。従って、仮に搬送負荷トルクTL1の測定値と応力トルクTL2の設定値の両方がその誤差の範囲内の最小値をとっても、マージンβを加算することで、Tc2≧(実際のTL1)+(実際のTL2)の関係を維持して、実際の負荷トルク以上の範囲内でその実際の負荷トルクにできるだけ近い値をTc2として求めるためである。
〔7〕実施例における伝達トルクの切り替え制御
図13は、N(複数)枚の用紙Sを1枚ずつ給紙してプリントを行うジョブ実行中における電磁クラッチ91の伝達トルクの切り替え制御の内容を示すフローチャートである。この制御は、クラッチ制御部70により実行される。なお、N枚の用紙Sは、全て同じサイズ、同じ種類の用紙とする。
同図に示すようにクラッチ制御部70は、まず使用される用紙Sの種類を取得する(ステップS1)。この取得は、ユーザーが操作部55から入力した用紙種類の情報を取得することにより行われる。
続いて、ループ作成時の応力トルクTL2を求める(ステップS2)。具体的には、応力トルク記憶部712に記憶されている応力トルク情報(図8)を参照して、ステップS1で取得した用紙種類に応じた応力トルクTL2を読み出す。
なお、図8では、横軸のループ量が基準を境にプラス側とマイナス側に分けられており、形成すべきループ量の大きさと用紙種類とにより応力トルクTL2の大きさを求めることができるようになっている。ステップS2では、ループ量が基準の場合の用紙種類に応じた応力トルクTL2を求める例を示しているが、これに限られない。
例えば、ユーザーがループ量を操作部55などから基準とは異なる任意の値を選択可能であり、その選択された値になるようにループ量の大きさが調整される構成の場合には、その選択されたループ量の大きさと用紙種類とに対応する応力トルクTL2を求めることができる。
図13に戻ってステップS3では、給紙カセット31または手差しトレイ36からの1枚の用紙Sの給紙タイミングに同期して電磁クラッチ91をオンさせる。クラッチ制御部70は、伝達トルクTc1に対応するクラッチ電圧Vc1を電磁クラッチ91に駆動電圧として供給する。
給紙された用紙SがN枚のうち、1枚目(搬送順が1番目)の用紙であるか否かを判断する(ステップS4)。1枚目の用紙Sであることを判断すると(ステップS4で「Yes」)、その用紙Sの先端が搬送ローラー34を通過したか否かを判断する(ステップS5)。この判断は、1枚目の用紙Sの給紙後、その用紙Sの先端が搬送ローラー34に至るまでに要すると想定される所定時間を経過したか否かを判断することにより行われる。
この所定時間は、用紙Sの給紙開始位置から用紙搬送路39上における搬送ローラー34の配置位置までの距離および用紙Sの搬送速度(システム速度:一定)に基づき予め実験などにより求められる。
なお、搬送ローラー34よりも用紙搬送方向下流側かつ搬送ローラー34の近傍の位置に、搬送ローラー34を通過した用紙Sの先端を検出するための用紙検出センサー(不図示)を別途配置して、その用紙検出センサーにより用紙Sの先端が検出されたことにより上記の判断を行う構成をとることもできる。
1枚目の用紙Sの先端が搬送ローラー34を通過したことを判断すると(ステップS5で「Yes」)、搬送負荷トルクTL1を測定する(ステップS6)。この測定は、その用紙Sの先端がレジストローラー35に到達するまでの間に、トルク測定部711により上記の方法で行われる。
次に、負荷トルクTLを算出する(ステップS7)。この算出は、ステップS6による搬送負荷トルクTL1の測定値にステップS2で取得された応力トルクTL2の値を加算することにより行われる。
負荷トルクTLの算出結果から伝達トルクTc2を設定する(ステップS8)。この設定は、上記(式1)により伝達トルクTc2(=TL+β)を算出して、その算出値を一時的に記憶しておくことにより行われる。この設定は、伝達トルク切替タイミング(図10の時点ta)に到達するまでの間に実行される。
伝達トルク切替タイミングの到達を判断すると(ステップS9で「Yes」)、電磁クラッチ91の伝達トルクをTc1からTc2に低下させる(ステップS10)。
具体的には、クラッチ制御部70は、図9に示すテーブル721を参照して、ステップS8で設定された伝達トルクTc2に対応するクラッチ電圧を読み出し、電磁クラッチ91への供給電圧を、これまでのクラッチ電圧Vc1から、読み出したクラッチ電圧に低下させる。図10の例では厚紙の場合に伝達トルクがTc2a、クラッチ電圧がVc2a、薄紙の場合に伝達トルクがTc2b、クラッチ電圧がVc2bになる。
続いて、クラッチオフタイミング(図10の時点t3)に到達したか否かを判断する(ステップS11)。時点t3に到達したことを判断すると(ステップS11で「Yes」)、電磁クラッチ91への電圧供給を完全遮断する(ステップS12)。これにより、1枚目の用紙Sの先端部にループLpが形成された状態で1枚目の用紙Sの搬送が一時停止される。上記ステップS5〜S12の処理が上記の遮断制御に相当する。
一時停止中に搬送再開タイミング(図4の時点t4)に達すると、用紙搬送再開を行って(ステップS13)、ステップS14に進む。用紙搬送再開は、再度、電磁クラッチ91をオンして搬送ローラー34の回転により用紙Sの搬送を再開させた後、オフタイミング(図4の時点t5)に達すると電磁クラッチ91をオフして搬送ローラー34の回転を停止させることにより行われる。この搬送ローラー34の回転開始と同期してレジストローラー35も回転が開始され、搬送ローラー34の停止の後、レジストローラー35の回転が停止される(図4の時点t4〜t7)。
ステップS14では、ジョブ終了か否かを判断する。この判断は、N枚の用紙Sのうち最後に給紙される予定の用紙Sの給紙が終了したか否かを判断することにより行われる。
最後の用紙Sの給紙が未だ終了していない、すなわちジョブ終了ではないことを判断すると(ステップS14で「No」)、ステップS3に戻る。ステップS3では、次の用紙Sの給紙タイミングに同期して電磁クラッチ91をオンさせる。このときの伝達トルクTc、クラッチ電圧Vcは上記同様にTc1、Vc1である。
そして、1枚目の用紙ではないことを判断すると(ステップS4で「No」)、ステップS5〜S8をスキップして(実行せず)、ステップS9に進む。このようなスキップは、次の理由による。
すなわち、N枚の用紙Sのそれぞれはサイズと種類が同じなので、搬送順が1枚目の用紙Sでも2枚目以降の各用紙Sでも負荷トルクTLは同じ値または略同じ値になるはずであり、そうであれば1枚目の用紙Sでも2枚目以降の各用紙Sでも適用すべき伝達トルクTc2の大きさが同じまたは略同じ大きさになるはずである。
従って、2枚目以降の各用紙Sについては、伝達トルクTc2を新たに設定する必要はなく、1枚目の用紙Sに対して設定された伝達トルクTc2の値を援用できる。また、2枚目以降の各用紙Sに対してステップS5〜S8をスキップすることにより、クラッチ制御部70のCPUの処理負担の軽減を図れるからである。
2枚目(搬送順が2番目)の用紙SについてステップS9〜ステップS13まで上記と同じ処理が実行される。ステップS10では、1枚目の用紙Sに対してステップS8で設定済の伝達トルクTc2の値が援用される。ステップS14でジョブ終了が判断されるまでの間、N枚目までの各用紙SについてステップS3〜S13の処理が繰り返し実行される。ジョブ終了が判断されると(ステップS14で「Yes」)、当該制御が終了する。
なお、上記の図13に示す制御(第1制御)では、1回のプリントジョブで使用されるN(複数)枚の用紙Sのそれぞれが同じサイズおよび同じ種類の用紙Sであることを前提に、1枚目の用紙Sに対してのみ負荷トルクTLを算出し、2枚目以降の各用紙Sに対しては負荷トルクTLの算出を行わない構成としたが、これに限られない。
例えば、用紙Sの種類やサイズに関係なく、1枚目からN枚目までの全ての用紙Sのそれぞれに対して負荷トルクTLの算出および伝達トルクTc2の設定を行う制御(第2制御)としても良い。この第2制御は、図13に示すステップS3の処理の後、ステップS4をスキップしてステップS5を実行することで実現できる。それぞれの用紙Sごとに、その用紙Sの搬送時における負荷トルクTLに対してより適した伝達トルクTc2の設定が可能になる。
また、手差しトレイ36には、異なる種類の用紙Sが混載される場合がある。このような場合を想定して例えば、手差しトレイ36から用紙Sが給紙される場合には、その混載の有無に関係なく一律に第2制御を行うことができる。例えば、給紙カセット31(第1給紙トレイ)と手差しトレイ36(第2給紙トレイ)のうち、給紙選択された方が給紙カセット31の場合には第1制御を行い、手差しトレイ36の場合には第2制御を行う構成をとることもできる。第2制御では、同じ種類の用紙Sが連続搬送される場合でも1枚の用紙ごとに負荷トルクTLの算出などが行われる。
なお、給紙カセット31と手差しトレイ36とで第1制御と第2制御を切り替えるとしたが、これに限られず、例えば複数個の給紙カセットが配置されている場合には、その一つを第1給紙トレイ、別の一つを第2給紙トレイとすることもできる。
さらに、図13に示す第1制御において、N枚の用紙Sを搬送順に1枚目、2枚目・・N枚目とした場合に、例えば搬送順がn(2≦n≦N)枚目の用紙Sとその1枚前の(n−1)枚目の用紙Sとの搬送方向長さ(以下、「FD長さ」という。)が異なる場合に、負荷トルクTLの算出および伝達トルクTc2の設定を行う制御(第3制御)を行う構成をとることもできる。
図14は、第3制御の内容を示すフローチャートであり、図13に示す第1制御のフローチャートに対してステップS15とS16が追加された構成になっている。
図14に示すように次に搬送されるn枚目の用紙Sが1枚目ではないことを判断すると(ステップS4で「No」)、n枚目の用紙SのFD長さを取得する(ステップS15)。この取得は、ユーザーにより操作部55から入力されたn枚目の用紙Sのサイズ情報を読み出すことにより行われる。
次に、n枚目の用紙Sとその1枚前の(n−1)枚目の用紙SとでFD長さに変更があるか否かを判断する(ステップS16)。変更なしと判断した場合(ステップS16で「No」)、ステップS9に進む。この場合、n枚目の用紙Sについて、負荷トルクTLに基づく第2の値Tc2の設定が行われず、(n−1)枚目の用紙Sに対する第2の値Tc2が援用される。
一方、変更ありと判断した場合(ステップS16で「Yes」)、ステップS5に進む。この場合、n枚目の用紙Sについては、(n−1)枚目の用紙Sに対する第2の値Tc2の援用を中止して、n枚目の用紙Sに対しても1枚目の用紙Sと同様に負荷トルクTLの算出および伝達トルクTc2の設定が行われる。
変更ありと判断した場合に、負荷トルクTLの算出および伝達トルクTc2の設定を行うのは、次の理由による。すなわち、用紙SのFD長さが異なるということは、例えば(n−1)枚目の用紙SがA4サイズ、n枚目の用紙SがB4サイズの場合のように(n−1)枚目の用紙Sとn枚目の用紙Sとのサイズの違いの分、用紙Sの質量も変わり、(n−1)枚目の用紙Sとn枚目の用紙Sとでは用紙Sの搬送に要する搬送負荷トルクTL1の大きさが変わる蓋然性が高くなるからである。
このように(n−1)枚目の用紙Sとn枚目の用紙SとでFD長さが異なる場合にn枚目の用紙Sに対して新たに負荷トルクTLの算出を行うことにより、n枚目の用紙Sに対して、より適した大きさの伝達トルクTc2の設定を行うことが可能になる。
この第3制御は、(n−1)枚目とn枚目の各用紙Sの種類が異なる場合でも適用できる。また、同じ場合(例えば普通紙同士)でも、その搬送姿勢(横姿勢または縦姿勢)の違いにより用紙SのFD長さが異なる場合にも適用できる。
ここで、横姿勢とは、用紙Sの長辺が用紙搬送方向に直交する向きで搬送される場合の当該用紙Sの搬送姿勢をいい、縦姿勢とは、用紙Sの短辺が用紙搬送方向に直交する向きで搬送される場合の当該用紙Sの搬送姿勢をいう。例えば、例えば手差しトレイ36にA4サイズの用紙Sが横姿勢、A3サイズの用紙Sが縦姿勢で混載収容されており、(n−1)枚目の用紙SがA4サイズ(横姿勢)、n枚目の用紙SがA3サイズ(縦姿勢)の場合などには、用紙種類に関係なく、FD長さが異なることになる。
(n−1)枚目の用紙とn枚目の用紙とが用紙の種類、サイズ、搬送姿勢のうち少なくとも一つが異なる場合に上記の第3制御を行うとすることができる。
以上説明したように本実施の形態では、搬送ローラー34による用紙Sへのループ形成動作の際の電磁クラッチ91への電圧供給の遮断制御として、電磁クラッチ91の伝達トルクを用紙搬送中のTc1からこれよりも小さく、かつ用紙種類やサイズなどの違いにより差が生じる負荷トルクの大きさに応じて異なるTc2に低下させた後、電磁クラッチ91への電圧供給を完全に遮断する制御を行っている。
この電磁クラッチ91への電圧供給の遮断に先立って伝達トルクをTc1からTc2に下げることにより、従来のように電磁クラッチ91への電圧供給の遮断時まで用紙搬送時の伝達トルクTc1で固定する構成よりも電圧供給の遮断から搬送ローラー34の回転停止までに要する時間、つまり用紙Sの搬送停止までに要する時間を短縮できる。
また、用紙種類、用紙サイズ、搬送姿勢などの違いにより、1枚の用紙Sごとに、その用紙Sを搬送ローラー34で搬送中における電磁クラッチ91の負荷トルクTLの大きさが異なる場合に、電磁クラッチ91への電圧供給の遮断時における電磁クラッチ91の伝達トルクTc2を上記の(式1)によりその負荷トルクTLの大きさに応じて異なる値に設定することができる。
例えば用紙Sが厚紙の場合の負荷トルクTLaが大きく、薄紙の場合に負荷トルクTLTLbが小さい場合、それぞれの用紙Sに対する伝達トルクTc2a、Tc2bの大きさを、その負荷トルクTLa、TLbとの差分αの大きさが同程度になるように決めることができる。
これにより、従来の構成のように電力供給の遮断時の伝達トルクの大きさがTc1のまま固定されているため、負荷トルクTLとの差分α1、α2の大きさが厚紙の場合と薄紙の場合とで異なり、電力供給の遮断から搬送ローラー34が惰性で回転して停止するまでの間の搬送ローラー34の回転量Rz、つまり電力供給の遮断から搬送ローラー34の停止までの間の搬送ローラー34による用紙Sの搬送距離に差がつくことを抑制できる。
従って、用紙種類などにより生じる負荷トルクTLの大きさの違いに起因するループ量Lzのばらつきを低減、すなわち用紙種類などに関係なく用紙Sの停止位置のばらつきを低減できる。
また、用紙種類やサイズなどに関係なく、1枚の用紙単位で、電磁クラッチ91の負荷トルクTLの大きさに応じて伝達トルクTc2の大きさを異ならせる制御に適用できる。
本発明は、画像形成装置や画像読取装置に備えられるシート搬送装置に限られず、電磁クラッチを制御してシートの搬送と停止を行うシート搬送制御方法であるとしてもよい。
また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。さらに、本発明に係るプログラムは、例えばフレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROMなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、用紙Sへのループ形成中の時点taに達すると、クラッチ電圧をそれまでのVc1からVc2(ここで0<Vc2<Vc1)に一段階下げる制御を行うとしたが、時点taが図10に示す時点に限られることはない。
上記(式1)により、伝達トルクTc2≧負荷トルクTLの関係を満たしていれば、Tc2<Tc1でも、時点taからクラッチ電圧の遮断時(時点t3)までの間、その負荷よりも大きな回転駆動力が駆動モーター82から電磁クラッチ91を介して搬送ローラー34に伝達されるので、用紙SへのループLpの形成にほとんど影響がないことになる。
従って、クラッチ電圧を一段階下げる時点taは、特にこの時点でなければならないとった制約があるわけではなく、用紙種類などの違いによるループ量Lzのばらつきをできるだけ抑制できるような時点を予め実験などにより決めておくことができる。
なお、伝達トルクTc2≧負荷トルクTLの関係を満たしても、Tc2<Tc1の関係にあることに変わりはないので、時点taをあまり早い時期に設定するのは好ましくなく、時点taを例えばループ形成の開始直後や直前、ループ形成中、ループ形成終了直前などのいずれかの時期に決めておくことが望ましい。
時点taまでに負荷トルクTLに基づく伝達トルクTc2を求める必要があることから、負荷トルクTLは、ループ形成中またはループ形成開始前に求めておくことができる。
(2)上記実施の形態では、駆動モーター82への供給電流の大きさに基づき搬送負荷トルクTL1を測定するとしたが、測定に限られない。例えば、サイズが同じで種類(または搬送姿勢)が異なる用紙ごとに、異なる搬送負荷トルクTL1の値を予め実験などにより求めておくことが可能であれば、測定に代えて、搬送される用紙Sの種類(または搬送姿勢)に対応する、予め求められた搬送負荷トルクTL1の値を取得する構成とすることもできる。
同様に、種類が同じでサイズが異なる用紙ごとに、異なる搬送負荷トルクTL1の値を予め実験などにより求めておき、搬送される用紙Sのサイズに対応する、予め求められた搬送負荷トルクTL1の値を用いる構成とすることもできる。用紙の種類、サイズ、搬送姿勢の少なくとも2つの組み合わせごとに、異なる搬送負荷トルクTL1の値を予め求めておくとすることもできる。これらの場合、用紙Sへのループ形成中に負荷トルクTLを検出する構成に限られず、例えば、ループ形成前に負荷トルクTLを取得しておくこともできる。
(3)また、搬送負荷トルクTL1の測定方法も上記の方法に限られない。搬送ローラー34による用紙Sの搬送中に電磁クラッチ91の出力軸913に掛かる負荷トルクTLを測定できれば良い。例えば、搬送ローラー34に負荷トルクTLを測定するためのトルク測定器を連結して、そのトルク測定器による実測値を現在の負荷トルクTLとする方法をとることもできる。この方法の場合、用紙種類、サイズなどに関係なく(TL1やTL2を求めることなく)、負荷トルクTLを実測できる。
用紙Sへのループ形成中に負荷トルクTLを実測し、その実測値の大きさに基づき伝達トルクTc2の大きさを設定して、クラッチ電圧の遮断までの間に伝達トルクをTc1からその設定されたTc2に下げる制御を行うことができる。
(4)さらに、上記では負荷トルクTLを1回のプリントジョブの実行ごとに算出するとしたが、これに限られない。
例えば、前回のプリントジョブの実行後、今回のプリントジョブを実行する場合、使用する用紙S(種類やサイズなど)が前回のプリントジョブと同じであれば、今回のプリントジョブでは負荷トルクTLの算出を行わず、前回のプリントジョブの実行時に設定された伝達トルクTc2をそのまま援用する制御をとることもできる。
負荷トルクTLの大きさが長期に亘って徐々に変動していくような構成であれば、前回のプリントジョブの実行時から次のプリントジョブの実行時までの間で負荷トルクTLが大きく変動していることがほとんどないと考えられる。そうであれば、使用する用紙が同じ場合、前回のプリントジョブで算出された負荷トルクTLの大きさに基づき設定された伝達トルクTc2を今回や次回のプリントジョブで援用しても、その援用によりループ量Lzがばらつくことがほとんど生じないからである。この援用を前回のジョブから何回目のジョブまで継続するかを予め実験などから決めておくことができる。
(5)上記実施の形態では、伝達トルクTcのTc1からTc2への切り替えをクラッチ電圧VcのVc1からVc2への切り替えにより行うとしたが、これに限られない。伝達トルクTcがTc1からTc2に切り替え可能な回路構成であれば良い。例えば、電源から電磁クラッチ91に電力を供給するための電源ライン上に可変抵抗を設け、伝達トルクの切り替え時に、電磁クラッチ91への供給電圧を一定のまま可変抵抗の抵抗値Rを、伝達トルクTc1に対応する抵抗値R1から伝達トルクTc2に対応する抵抗値R2(>R1)に変更する構成が考えられる。
また、電磁クラッチ91への駆動電圧の供給を電磁クラッチ91のオン、その電圧供給の遮断を電磁クラッチ91のオフとしたが、これに限られない。例えば、電磁クラッチ91の励磁コイルへの印加電圧を一定にして、電磁クラッチ91への駆動電流の供給遮断により電磁クラッチ91への電力供給の遮断を実行する回路構成をとることもできる。
(6)上記実施の形態では、(式1)により伝達トルクTc2を、負荷トルクTLにマージンのβを加算した値に設定する、つまり伝達トルクTc2が負荷トルクTL以上を維持するようにしたが、これに限られない。
例えば、伝達トルクTc2が負荷トルクTLを少し下回る程度では、電磁クラッチ91による搬送ローラー34への回転駆動力の伝達が瞬時に0になるわけではなく、用紙Sへのループ形成にほとんど支障のない場合もあり得る。一方で、伝達トルクTc2の値を低くした方が電圧供給の遮断から搬送ローラー34の回転停止までに要する時間Twをより短くでき、プリントの生産性の向上を図れることになる。
これらのことから、どの用紙についてもループ形成に支障がなくループ量Lzのばらつきが所定の許容範囲に入るという条件を満たす範囲内で、伝達トルクTc2を低い値に設定できるような式や方法を実験などから予め決めておくことが考えられる。
(7)上記実施の形態では、画像形成装置の一例としてのタンデム型のカラープリンター100の構成例を説明したが、これに限られない。画像形成装置としては、例えば複写機やファクシミリ装置、複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)等などに適用できる。
また、画像形成装置に限られず、スキャナーなどの画像読取装置にセットされた原稿の読取位置への搬送に適用することもできる。
具体的には、原稿トレイにセットされた原稿を1枚ずつ搬送路に繰り出して、繰り出された原稿を、搬送ローラー対(搬送ローラー対34に相当)とこれよりも搬送方向下流側のレジストローラー対(レジストローラー対35に相当)とにより、その原稿の先端部にループLpを形成した後、画像読取のタイミングに合わせて読取位置に搬送し、搬送される原稿が読取位置を通過する際にその原稿の画像を光学的に読み取る画像読取装置において、モーターなどの駆動源の回転駆動力を電磁クラッチを介して搬送ローラー対に伝達する構成に、上記と同様の制御を適用することができる。
(8)上記実施の形態では、搬送中の用紙Sや原稿などのシートをループ形成のために一時停止する場合の例を説明したが、これに限られない。ループ形成の有無にかかわらず、搬送途中のシートを停止させる際のシートの停止位置のばらつきの抑制が必要な構成において上記の制御を適用できる。ループ形成を行わない構成では、例えば上記の負荷トルクTL2を0とすることができる。
また、搬送回転体としての一対の搬送ローラー34で用紙Sを挟持搬送する構成における制御例を説明したが、ローラー対に限られない。例えば、搬送ベルトにより用紙Sを搬送する構成においてその搬送途中で用紙Sを停止させる場合の制御にも適用できる。この場合、搬送ベルトが搬送回転体になる。また、一対の搬送ローラーではなく、一つの搬送ローラーで用紙Sをその搬送ローラー上を搬送させる構成でもその搬送ローラーを搬送回転体として適用することもできる。
すなわち、モーターなどの駆動源から搬送ローラーや搬送ベルトなどの搬送回転体に伝達する駆動力を電磁クラッチで入り切りする構成において、シート搬送途中で搬送回転体の回転を停止させるため、シート搬送中に電磁クラッチへの電力供給を遮断制御するシート搬送装置、およびこのシート搬送装置を備える画像形成装置や画像読取装置などを含む画像処理装置一般に適用可能である。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしても良い。
本発明は、駆動源の回転駆動力を搬送ローラーなどの搬送回転体に電磁クラッチを介して伝達して、搬送回転体を回転させることによりシートを搬送するシート搬送装置に広く適用することができる。
31 給紙カセット(第1給紙トレイ)
34 搬送ローラー
35 レジストローラー
36 手差しトレイ(第2給紙トレイ)
60 モーター制御部
70 クラッチ制御部
71 負荷トルク検出部
72 トルク設定部
73 オン/オフ制御部
81、82 駆動モーター
91、92 電磁クラッチ
100 プリンター(画像形成装置)
711 トルク測定部
712 応力トルク記憶部
Lp ループ
Vc1、Vc2 供給電圧
Tc1 伝達トルクの第1の値
Tc2 伝達トルクの第2の値
TL1 搬送負荷トルク(第1負荷トルク)
TL2 応力トルク(第2負荷トルク)

Claims (15)

  1. シートを搬送回転体により搬送するシート搬送装置であって、
    駆動源から前記搬送回転体に伝達する駆動力を入り切りする電磁クラッチと、
    シート搬送途中で前記搬送回転体の回転を停止させるため、シート搬送中に前記電磁クラッチへの電力供給を遮断制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段による電力供給の遮断制御は、
    前記シート搬送中の前記電磁クラッチの伝達トルクを第1の値としたとき、前記伝達トルクを前記第1の値から、前記第1の値よりも小さい第2の値に低下させた後、前記電力供給を完全遮断する制御であり、かつ、前記第2の値を前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクの大きさに応じて異ならせる制御であることを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記第2の値を、前記シート搬送中の前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクの大きさと同じ値に設定または前記負荷トルクの大きさに所定のマージンを加算した値に設定することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記制御手段は、
    シート搬送中に前記負荷トルクを検出する検出手段を備え、
    前記検出手段による検出値に基づき前記設定を行うことを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
  4. シートを挟持搬送するために前記搬送回転体との間で第1搬送回転体対を構成する別の搬送回転体と、
    前記シートの搬送路上であって前記第1搬送回転体対よりもシート搬送方向下流側に配置された第2搬送回転体対と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記第2搬送回転体対の回転が停止されているときに、前記第1搬送回転体対によるシート搬送中に前記電磁クラッチへの電力供給を遮断することにより、当該搬送中のシートの搬送方向先端が当該停止中の第2搬送回転体対に当たってから当該第1搬送回転体対の回転が停止するまでの間に、前記シートが前記第1搬送回転体対に挟まれた状態で前記シートのうち前記第1搬送回転体対と前記第2搬送回転体対との間の部分にループを形成させるループ形成制御を行い、
    前記検出手段は、
    前記シートへのループ形成中の前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクをループ形成中またはその前に検出することを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
  5. 前記検出手段は、
    前記シートの搬送方向先端が前記第2搬送回転体対に到達するまでの間に前記電磁クラッチに掛かる第1負荷トルクに、前記シートへのループ形成の際に当該シートの腰の強さにより生じる復元力がシート搬送方向とは逆方向に作用したときに前記電磁クラッチに掛かる第2負荷トルクを加算した値を、前記負荷トルクの大きさとすることを特徴とする請求項4に記載のシート搬送装置。
  6. 前記検出手段は、
    前記第1負荷トルクを測定する測定手段と、
    異なるシートの種類ごとに前記第2負荷トルクの大きさを対応付けて示す情報を記憶している記憶手段と、を有し、
    前記記憶手段に記憶されている情報から前記搬送中のシートに対応する第2負荷トルクの値を読み出し、前記測定手段による測定値に前記読み出した値を加算した値を前記負荷トルクの大きさとすることを特徴とする請求項5に記載のシート搬送装置。
  7. 複数枚のシートを1枚ずつ順にシートごとに、当該シートを前記搬送回転体による搬送、搬送停止、搬送再開を順番に行い、搬送再開により当該シートが前記搬送回転体を通過後、次のシートを前記搬送回転体により搬送することを繰り返すジョブを実行し、
    前記検出手段は、
    前記負荷トルクの検出を前記複数枚のシートのうち搬送順が最初のシートに対してのみ行い、
    前記制御手段は、
    複数枚のシートのそれぞれに対し、前記搬送停止のために前記遮断制御を実行し、
    かつ、最初のシートに対する前記遮断制御には、最初のシートに対する前記検出手段による検出値に基づき設定された第2の値を用い、2枚目以降の各シートに対する前記遮断制御には、2枚目以降の各シートに対して前記設定を行わず、前記最初のシートに対して設定された前記第2の値を2枚目以降の各シートに対する第2の値に援用することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  8. 前記検出手段は、
    前記複数枚のシートのうち搬送順がn(2≦n≦N)枚目のシートとその1枚前の(n−1)枚目のシートとが、その種類、サイズ、搬送姿勢のうち少なくとも一つが異なる場合には、n枚目のシートに対して前記負荷トルクの検出を行い、
    前記制御手段は、
    n枚目のシートに対しては前記援用を中止して、n枚目のシートに対する前記検出手段による検出値に基づき前記第2の値を設定して、設定された第2の値を用いて前記遮断制御を実行することを特徴とする請求項7に記載のシート搬送装置。
  9. 第1給紙トレイと第2給紙トレイのうち選択された方のトレイから繰り出された複数枚のシートを1枚ずつ順にシートごとに、当該シートを前記搬送回転体による搬送、搬送停止、搬送再開を順番に行い、搬送再開により当該シートが前記搬送回転体を通過後、次のシートを前記搬送回転体により搬送することを繰り返すジョブを実行し、
    前記検出手段は、
    前記第1給紙トレイが選択された場合には、前記負荷トルクの検出を前記複数枚のシートのうち搬送順が最初のシートに対してのみ行い、
    前記第2給紙トレイが選択された場合には、前記負荷トルクの検出を前記複数枚のシートのそれぞれに対して行い、
    前記制御手段は、
    複数枚のシートのそれぞれに対し前記搬送停止のために前記遮断制御を実行し、かつ、
    前記第1給紙トレイが選択された場合、最初のシートに対する前記遮断制御には、最初のシートに対する前記検出手段による検出値に基づき設定された第2の値を用い、2枚目以降の各シートに対する前記遮断制御には、2枚目以降の各シートに対して前記設定を行わず、前記最初のシートに対して設定された前記第2の値を2枚目以降の各シートに対する第2の値に援用し、
    前記第2給紙トレイが選択された場合、複数枚のシートのそれぞれごとに、当該シートに対する前記遮断制御には、当該シートに対する前記検出手段による検出値に基づき設定された第2の値を用いることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  10. 前記第1給紙トレイは給紙カセットであり、前記第2給紙トレイは手差しトレイであることを特徴とする請求項9に記載のシート搬送装置。
  11. 前記制御手段は、
    前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクの大きさがシート種類の違いによって異なる構成の場合に当該シート種類に応じて前記第2の値を異ならせることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  12. 前記電磁クラッチは、
    供給される電圧が小さくなるに伴って伝達トルクが小さくなる特性を有し、
    前記制御手段は、
    前記電磁クラッチへの供給電圧を、伝達トルクが前記第1の値になっているときの第1の電圧値からこれよりも小さい第2の電圧値に下げることにより、伝達トルクを前記第1の値から前記第2の値に低下させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  13. 前記電磁クラッチへの電力供給の遮断は、
    当該電磁クラッチへの電圧供給の遮断により行われることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  14. 画像処理の対象となるシートをシート搬送部の搬送回転体により搬送する画像処理装置であって、
    前記シート搬送部として、請求項1〜13のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えることを特徴とする画像処理装置。
  15. シートを搬送回転体により搬送するシート搬送装置におけるシート搬送制御方法であって、
    駆動源の駆動力を電磁クラッチにより前記搬送回転体に伝達して前記搬送回転体を回転させる第1ステップと、
    シート搬送途中で前記搬送回転体の回転を停止させるため、シート搬送中に前記電磁クラッチへの電力供給を遮断制御する第2ステップと、
    を実行し、
    前記第2ステップによる電力供給の遮断制御は、
    前記シート搬送中の前記電磁クラッチの伝達トルクを第1の値としたとき、前記伝達トルクを前記第1の値から、前記第1の値よりも小さい第2の値に低下させた後、前記電力供給を完全遮断する制御であり、かつ、前記第2の値を前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクの大きさに応じて異ならせる制御であることを特徴とするシート搬送制御方法。
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