JP6679899B2 - シート搬送装置および画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートを搬送ローラーなどの搬送回転体により搬送するシート搬送装置および画像処理装置に関する。
画像処理装置には、プリンターなどの画像形成装置が含まれ、画像形成装置は、画像形成の対象となるシートを搬送ローラーにより搬送するシート搬送装置を備えている。
シート搬送装置では、電磁クラッチを用いるクラッチシステムと電磁クラッチを用いないモーターシステムのいずれかにより搬送ローラーを回転駆動させる構成が多い。
クラッチシステムは、複数の搬送ローラーのそれぞれに個別に電磁クラッチを配し、電磁クラッチごとに、駆動モーターの回転駆動力の伝達と遮断を切り替えて、対応する搬送ローラーの回転と停止を切り替えるシステムである。
モーターシステムは、それぞれの搬送ローラーに個別に駆動モーターを配し、駆動モーターごとに、対応する搬送ローラーを回転または停止させるシステムである。
クラッチシステムは、一つの駆動モーターで複数の搬送ローラーのそれぞれの回転と停止を切り替え制御できるので、複数の搬送ローラーのそれぞれに駆動モーターを設けるモーターシステムよりも低コストを実現できる。
特開2003−178916号公報 特開2009−216003号公報
しかしながら、従来のクラッチシステムでは、電磁クラッチへの電圧供給の遮断から搬送ローラーの回転停止までに要する時間が長くかかるという問題がある。
すなわち、電磁クラッチは、駆動モーターに接続されるローターと搬送ローラーに接続されるアーマチュアを有し、電圧供給によりアーマチュアがローターに電磁力により吸引されて押し付けられ、ローターとアーマチュア間に摩擦トルク(以下、「伝達トルク」という。)が発生することにより、駆動モーターの回転駆動力を搬送ローラーに伝達し、電圧供給が遮断されると、その吸引力が消滅して、ローターとアーマチュアが離間し、伝達トルクを発生させない構成になっている。
電圧供給により電磁クラッチに発生する伝達トルクは、搬送ローラーがシートを搬送しているときに電磁クラッチに掛かる負荷トルクよりもかなり大きな値が事前に設定されている。これは、負荷トルクに対して大きな伝達トルクを発生させる電磁クラッチを使った方がクラッチ連結時の動作時間を早められるからである。
従来、電磁クラッチには、電圧供給の遮断までの間、一定電圧が供給され続けており、これによりシート搬送中と同じ大きさの伝達トルクがその遮断までの間、継続されてきたが、その遮断時点では、既にシートが搬送ローラーを通過した後なので、電磁クラッチに掛かる負荷トルクは、シート搬送時よりもかなり小さくなっている。
つまり、電磁クラッチへの電圧供給の遮断時点では、伝達トルクが実際の負荷トルクよりも過大になっていることになる。この過大な分、電磁クラッチへの電圧供給の遮断から、伝達トルクの低下に伴ってアーマチュアとローター間の吸引力が低下することによりアーマチュアが釈放されるまでに要する時間が長くかかる。
アーマチュアの釈放までの間、電磁クラッチによる駆動力の伝達が継続されるので、アーマチュアの釈放までの時間が長くなるということは、それだけ搬送ローラーの回転停止が遅れることになる。
電磁クラッチへの電圧供給の遮断から搬送ローラーの回転停止までに要する時間が長くかかると、プリントの生産性(プリント速度)の低下を招く場合がある。具体的に、像担持体への画像形成タイミングに合わせてシートをレジストローラー対により転写位置に搬送する、いわゆるレジスト動作を例に説明する。
レジスト動作では、次の動作が実行される。まず、先行する第1のシートの搬送方向後端(以下、「シートの後端」という。)が回転中のレジストローラー対を通過後、レジストローラー対を一旦停止させる。そして、後続の第2のシートの搬送方向先端(以下、「シートの先端」という。)を、停止中のレジストローラー対のニップに突き当てて、第2のシートの先端側にスキュー(斜行)を補正するためのループ(弛み)を形成させる。その後、画像形成タイミングに合わせてレジストローラー対の回転を開始させる。
このレジスト動作では、第2のシートの先端がレジストローラー対に到達した時点で、レジストローラー対が完全に停止していなければループを形成できない。
従って、第1のシートの後端がレジストローラー対を通過後、レジストローラー対の停止までに要する時間が長くかかるほど、第2のシートのレジストローラー対への給紙タイミングが遅れることになり、それだけプリントの生産性が低下してしまう。
プリントの生産性を下がらないようにするには、シートの搬送速度をより高速にすることが考えられるが、それには駆動モーターの回転速度をより高速にしなければならず、それだけ駆動モーターの消費電力が上がることに繋がる。
このような問題は、画像形成装置に限られず、例えば原稿用紙などのシートを読取位置に搬送してその画像を読み取るスキャナーなどの画像読取装置などにも同様に生じる。また、ループ形成の有無にかかわらず、搬送中のシートが搬送ローラーを通過後、搬送ローラーをできるだけ早期に停止させる必要があるような構成などにも同様に生じ得る。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、電磁クラッチを用いる構成において搬送ローラーなどの搬送回転体の停止までに要する時間を短縮することが可能なシート搬送装置および画像処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係るシート搬送装置は、駆動源と搬送回転体との間に介在する電磁クラッチを入り動作させて、前記駆動源の駆動力を前記搬送回転体に伝達して、当該搬送回転体を回転させてシートを搬送し、当該シートの後端が前記搬送回転体を通過した後、前記電磁クラッチへの電力供給を遮断するシート搬送装置であって、シート搬送中の前記電磁クラッチの伝達トルクを第1の値としたとき、前記搬送回転体により搬送されているシートの後端が前記搬送回転体を通過する直前の時点から前記遮断までの間に前記電磁クラッチの伝達トルクを前記第1の値よりも小さい第2の値に強制的に低下させる制御を行う制御手段を備え、前記直前の時点は、前記シートの後端から距離ΔLだけ搬送方向先端側に位置する部分が前記搬送回転体を通過した時点であり、前記距離ΔLは、前記搬送回転体による前記シートの搬送中に前記伝達トルクの前記第2の値への低下を開始させても搬送性に影響を与えることのない、前記シートの後端から搬送方向先端側の範囲の長さを示し、前記第2の値は、前記搬送回転体がシートを搬送していない空回転中に前記電磁クラッチに掛かる負荷トルク以上の大きさであることを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記搬送回転体により搬送されているシートの後端が当該搬送回転体を通過したことを判断する判断手段を備え、前記判断が行われてから前記遮断までの間に、前記伝達トルクを前記第1の値から前記第2の値に低下させるとしても良い
ここで、前記制御手段は、前記搬送回転体の空回転中に前記負荷トルクを測定する測定手段を備え、前記第2の値を、前記測定手段による測定値以上で前記第1の値未満の範囲内の値に設定するとしても良い。
ここで、前記測定手段は、前記シート搬送装置に電源が供給されたとき、または当該装置内部を遮蔽する閉姿勢と開放する開姿勢とに開閉可能なカバー部材の開閉が行われたときに、前記搬送回転体を空回転させて前記測定を実行するとしても良い。
また、前記駆動源は、モーターであり、前記測定手段は、前記搬送回転体を一定速度で回転させようとするとき、前記モーターへの供給電流の大きさが前記負荷トルクの大きさにより変化する特性を有するモータである場合、当該モーターへの供給電流の大きさに基づき前記負荷トルクを測定し、または、前記モーターの巻線に流れる電流の位相が前記負荷トルクの大きさにより変化する特性を有するモータである場合、当該位相の変化に基づき前記負荷トルクを測定するとしても良い。
さらに、前記測定手段は、所定の時間間隔ごとに前記負荷トルクを測定し、前記制御手段は、前記測定された負荷トルクの値が周期的に変動している場合、各周期の最大値の平均値を前記測定値とするとしても良い。
また、前記電磁クラッチは、供給される電圧が小さくなるに伴って前記伝達トルクが小さくなる特性を有し、前記制御手段は、前記電磁クラッチへの供給電圧を、前記伝達トルクが前記第1の値になっているときの第1の電圧値からこれよりも小さい第2の電圧値に下げることにより、前記伝達トルクを前記第1の値から前記第2の値に低下させるとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記電磁クラッチへの供給電圧をパルス幅変調することにより、前記第1の電圧値から前記第2の電圧値に下げるとしても良い。
また、電源から前記電磁クラッチに電力を供給するための電源ライン上に設けられた可変抵抗を備え、前記制御手段は、前記可変抵抗の抵抗値を変更することにより、前記第1の電圧値から前記第2の電圧値に下げるとしても良い。
さらに、前記電磁クラッチへの電力供給の遮断は、当該電磁クラッチへの電圧供給の遮断により行われるとしても良い。
本発明は、画像処理の対象となるシートをシート搬送部の搬送回転体により搬送する画像処理装置であって、前記シート搬送部として、上記のシート搬送装置を備えることを特徴とする。
ここで、像担持体への画像形成のタイミングに合わせてシートを転写位置に搬送するレジストローラー対、または前記シートをその画像読取のタイミングに合わせて読取位置に搬送するレジストローラー対を備え、前記搬送回転体は、前記レジストローラー対であり、前記シート搬送装置は、前記レジストローラー対よりもシート搬送方向上流側に配された搬送ローラーを備え、第1のシートの後端が前記レジストローラー対を通過後、当該シート搬送装置の電磁クラッチへの電力供給を遮断して当該レジストローラー対の回転を停止させ、当該回転停止状態のレジストローラー対に向けて前記搬送ローラーにより第2のシートを搬送させ、当該第2のシートの先端が前記回転停止状態のレジストローラー対のニップに当接した後、前記タイミングに至ると、前記電磁クラッチを入り動作させて前記レジストローラー対の回転を再開させ、当該第2のシートを当該レジストローラー対により搬送するレジスト動作を実行し、前記シート搬送装置の制御手段は、前記第1のシートと前記第2のシートのシート間隔を測定する測定手段を備え、前記測定されたシート間隔が第1の間隔からこれよりも狭い第2の間隔に変動した場合、前記第2の値を、前記第1の間隔に応じた値から前記第2の間隔に応じた値に下げる補正を行うとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記レジストローラー対がシートを搬送していない空回転中に前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクを取得し、前記第2の値を補正すれば、当該補正後の第2の値が前記取得された負荷トルクよりも小さくなる場合には、前記補正を禁止して、前記第2のシートの搬送を、前記シート間隔が前記第1の間隔の場合よりも遅らせるとしても良い。
上記の構成によれば、電磁クラッチへの電力供給遮断の時点で電磁クラッチの伝達トルクがシート搬送中における第1の値よりも小さい第2の値に下げられている。
搬送中のシートの後端が搬送回転体を通過していれば、搬送回転体は、いわゆる空回転の状態になっており、シート搬送中よりも電磁クラッチに掛かる負荷トルク(搬送回転体の回転負荷に相当)が小さくなる。このため電磁クラッチの伝達トルクを第2の値に下げれば、搬送回転体が空回転しているときの負荷トルクとの差が第1の値を維持し続ける構成よりも小さくなる。
これにより電磁クラッチへの電力供給遮断の時点で、電磁クラッチの伝達トルクと負荷トルクとの差を小さくすることができ、第1の値を維持し続けることによりその差が過大になっている場合よりも、アーマチュアの釈放までに要する時間が短くなり、それだけ搬送回転体の停止に要する時間を短縮することが可能になる。
実施の形態1に係るプリンターの全体の構成を示す図である。 電磁クラッチの構成を模式的に示す図である。 給紙搬送系の制御ブロックを示す図である。 レジスト動作を示すタイミングチャートである。 モーター制御部とクラッチ制御部の構成を示すブロック図である。 負荷トルク測定処理の内容を示すフローチャートである。 供給電流値と負荷トルクを対応付けたテーブルの例を示す図である。 負荷トルクとクラッチトルクを対応付けたテーブルの例を示す図である。 クラッチトルクとクラッチ電圧を対応付けたテーブルの例を示す図である。 比較例の場合におけるレジストセンサーの出力、負荷トルク、クラッチ電圧、クラッチ電流、クラッチトルク、ローラー回転速度の変化の様子を示すタイミングチャートである。 実施例の場合におけるレジストセンサーの出力、負荷トルク、クラッチ電圧、クラッチ電流、クラッチトルク、ローラー回転速度の変化の様子を示すタイミングチャートである。 電磁クラッチのクラッチトルクの切り替え制御の内容を示すフローチャートである。 クラッチ電圧とクラッチトルクとローラー回転速度のグラフを示す拡大図である 実施の形態2に係る用紙間隔に応じてクラッチトルクを補正するクラッチトルク補正制御の内容を示すフローチャートである。 用紙間隔とクラッチトルクを対応付けたテーブルの例を示す図である。
以下、本発明に係るシート搬送装置の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例にして説明する。
<実施の形態1>
〔1〕プリンターの全体構成
図1は、プリンター100の全体の構成を示す正面図である。
同図に示すように、プリンター100は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40と、全体制御部50と、モーター制御部60と、クラッチ制御部70を備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像形成を実行する。
画像プロセス部10は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部10Y、10M、10C、10Kを備えている。
作像部10Yは、感光体ドラム11と、その周囲に配設された帯電部12と、露光部13と、現像部14と、一次転写ローラー15と、感光体ドラム11を清掃するためのクリーナ16などを備えており、感光体ドラム11上にY色のトナー像を作像する。この構成は、他の作像部10M、10C、10Kについて同様であり、同図では符号を省略している。各感光体ドラム11上にその対応する色のトナー像が作像される。
中間転写部20は、矢印方向に周回走行される中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21を張架する駆動ローラー22と従動ローラー23と、中間転写ベルト21を挟んで駆動ローラー22と対向する位置に配され、中間転写ベルト21に圧接される二次転写ローラー24などを備える。
給送部30は、シート搬送装置として機能し、給紙カセット31と、繰り出しローラー32と、搬送ローラー対33と、レジストローラー対34などを備える。以下、搬送ローラー対とレジストローラー対を、一対であることを示す必要がある場合を除いて、それぞれ搬送ローラーとレジストローラーと称する。
給紙カセット31は、記録用のシートとしての用紙Sを収容する。
繰り出しローラー32は、給紙カセット31から用紙Sを搬送路35に繰り出し、搬送ローラー33は、繰り出された用紙Sをレジストローラー34に向けて搬送する。
レジストローラー34は、搬送ローラー33により搬送されて来る用紙Sを二次転写ローラー24に送り出すタイミングをとるためのローラーである。
繰り出しローラー32と搬送ローラー33は、駆動モーター82の回転駆動力が電磁クラッチ91を介して伝達されることにより回転駆動される。
レジストローラー34は、駆動モーター82の回転駆動力が電磁クラッチ92を介して伝達されることにより回転駆動される。
電磁クラッチ91、92のそれぞれは、入力軸に入力された回転駆動力を出力軸に伝達する状態と伝達しない状態とを切り替える公知のものである。
図2は、電磁クラッチ92の構成を模式的に示す図である。
同図に示すように電磁クラッチ92は、入力軸920に固定されたローター921と、出力軸923に固定され、ローター921に対して接離可能なアーマチュア922と、不図示の励磁コイルを備える。入力軸920は駆動モーター82に接続されており、出力軸923はレジストローラー34に接続されている。
電磁クラッチ92の励磁コイルに電圧が印加されていないときには、不図示の付勢ばねの付勢力F2によりアーマチュア922がローター921から僅かな間隔を開けて離間しており、駆動モーター82の回転駆動力がレジストローラー34に伝達されない。同図は、この離間した状態を示している。
電磁クラッチ92に駆動電圧の供給が開始されると(電磁クラッチのオン)、電磁クラッチ92の励磁コイルに電流が流れ、ローター921とアーマチュア922間に磁束が生じることにより、付勢力F2とは反対方向で付勢力F2よりも遥かに大きな吸引力F1が生じ、その吸引力F1によりアーマチュア922が付勢力F2に抗してローター921側に移動して、ローター921に押し付けられる。これにより、ローター921とアーマチュア922間に摩擦トルクが発生して、駆動モーター82の回転駆動力がレジストローラー34に伝達される伝達状態になる(電磁クラッチ92の入り動作)。
電磁クラッチ92への電圧供給を遮断すると(以下、「電磁クラッチのオフ」という場合がある。)、ローター921とアーマチュア922間の摩擦トルクが低減するとともにローター921へのアーマチュア922の吸引力F1も低減していく。
そして、吸引力F1が付勢力F2を下回ると、付勢力F2によりアーマチュア922がローター921から切り離される(釈放)。これにより、駆動モーター82の回転駆動力がレジストローラー34に伝達されない非伝達状態になる。
電磁クラッチ91も電磁クラッチ92と同様の構成であり、電磁クラッチ92と同様の駆動力伝達状態と非伝達状態の切り替え動作が実行される。電磁クラッチ91、92のオンとオフの切り替えは、クラッチ制御部70により制御される。
図1に戻って、定着部40は、定着ローラーと加圧ローラーを備え、所定の定着温度で用紙Sを加熱、加圧してトナー像を定着させる。
なお、給送部30以外の感光体ドラム11、中間転写ベルト21、定着ローラーなどの各回転体については、駆動モーター81を駆動源に回転駆動される。駆動モーター81、82のそれぞれは、DCブラシレスモーターであるが、他のステッピングモーターなどであっても良い。各モーターは、モーター制御部60により回転制御される。
全体制御部50は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用のデジタル信号に変換し、作像部10Y〜10Kのそれぞれごとに、その露光部13を駆動させるための駆動信号を生成して、その駆動信号により露光部13を駆動させる。これにより各露光部13からレーザービームが出射され、感光体ドラム11が露光走査される。
この露光走査を受ける前に作像部10Y〜10Kのそれぞれごとに、その感光体ドラム11が帯電部12により一様に帯電されており、レーザービームの露光により感光体ドラム11上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像部14の現像剤により現像されて、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。
各感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、一次転写ローラー15により中間転写ベルト21上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト21上の同じ位置に多重転写されるようにタイミングをずらして実行される。
中間転写ベルト21上に多重転写された各色トナー像は、中間転写ベルト21の周回走行により、二次転写ローラー24が中間転写ベルト21に圧接される位置である二次転写位置241に移動する。この二次転写位置241が中間転写ベルト21(像担持体)上のトナー像を用紙Sに転写するための転写位置になる。
上記の作像動作のタイミングに合わせて、給送部30からは、レジストローラー34を介して用紙Sが搬送されて来ており、その用紙Sは、周回走行する中間転写ベルト21と二次転写ローラー24の間に挟まれて搬送され、二次転写ローラー24に供給される二次転写電圧により生じる電界による静電力の作用を受けて、二次転写位置241を通過する間に、中間転写ベルト21上の各色トナー像が一括して用紙Sに二次転写される。
二次転写位置241を通過した用紙Sは、定着部40に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧により用紙Sに定着された後、排出ローラー対36を介して排出され、収容トレイ37に収容される。
搬送路35の近傍であり、レジストローラー34よりも用紙搬送方向上流側かつレジストローラー34の近傍位置には、搬送されている用紙Sの先端と後端をそれぞれ検出するためのレジストセンサー38が配置されている。
レジストセンサー38は、発光部と受光部とを備える光学センサーであり、発光部から発せられた光がレジストセンサー38の検出位置を通過している用紙Sに当たって反射したときのその反射光を受光部で受光すると、用紙Sの検出を示す信号をクラッチ制御部70に出力する。この出力信号は、具体的に次のような信号になる。
すなわち、レジストセンサー38の検出位置に用紙Sの先端が未だ到達していないときには、ローレベルの信号になり、用紙Sの先端が検出位置に到達するとハイレベルの信号に切り替わり、用紙Sの後端が検出位置を通過するとローレベルの信号に戻る。
クラッチ制御部70は、レジストセンサー38の出力信号を監視することにより、用紙Sの先端がレジストセンサー38の検出位置に到達したこと、および用紙Sの後端がレジストセンサー38の検出位置を通過したことを検出することができる。クラッチ制御部70は、レジストセンサー38による用紙Sの先端と後端の検出結果を電磁クラッチ91、92の制御に用いる。この制御の詳細については、後述する。
装置正面側から見て右側の側面には、ユーザーにより開閉自在なサイドカバー25が配置されている。サイドカバー25を開状態にすることにより、プリンター100内部における搬送路35周辺の部分を開放させることができる。ユーザーは、例えば搬送中の用紙Sの紙詰まり(ジャム)が発生し、その用紙Sの搬送が中断した場合にサイドカバー25を開状態にして、プリンター100の内部に手を差し入れることにより、紙詰まりを起こした用紙Sを除去する操作を行うことができる。
サイドカバー25の開閉は、カバー開閉検出センサー26により検出され、その検出結果は、モーター制御部60に送られる。モーター制御部60は、サイドカバー25の開閉動作が行われたことを契機に、プリントジョブ実行中以外のときであり、且つ用紙Sを搬送していない状態でレジストローラー34を回転(以下、「空回転」という。)させたときの電磁クラッチ92の負荷トルクを測定する負荷トルク測定処理を実行する。この測定結果は、電磁クラッチ92の伝達トルクを切り替える制御に用いられる。
〔2〕給紙搬送系の制御ブロック
図3は、給紙搬送系の制御ブロックを示す図である。
同図に示すように、モーター制御部60は、全体制御部50からの駆動指示に基づき、駆動モーター81と82のそれぞれの回転と停止の切り替えを制御する。ここでは、プリントジョブの開始に伴い、駆動モーター81と82をそれぞれ一定のシステム速度で回転させ、プリントジョブが終了すると、駆動モーター81と82を停止させる。モーター制御部60は、それぞれの駆動モーター81、82の回転速度をフィードバック制御する。
具体的には、モーター制御部60は、駆動モーターごとに、現在の回転速度を取得して、取得した回転速度がシステム速度に一致していれば、そのままの速度の維持を指示し、システム速度よりも遅ければ増速を指示し、システム速度よりも速ければ減速を指示する。これにより、駆動モーター81、82の駆動中において、それぞれのモーターの回転速度が目標のシステム速度で安定して維持されるようになる。
クラッチ制御部70は、全体制御部50からの給紙搬送指示とレジストセンサー38の出力信号に基づき、電磁クラッチ91、92のオンとオフを制御する。この制御には、用紙Sの先端部にループLp(図1)を形成するレジスト動作が含まれる。
〔3〕レジスト動作
図4は、給紙カセット31から繰り出された2枚の用紙Sに対するレジスト動作を示すタイミングチャートである。なお、同図に示す時点t1よりも前に、駆動モーター81、82のそれぞれが既に回転駆動されているものとする。
クラッチ制御部70は、時点t1で1枚目の用紙Saに対する給紙開始指示を全体制御部50から受け付けると、電磁クラッチ91に駆動電圧を供給する(電磁クラッチのオン)。これにより、駆動モーター82の回転駆動力が繰り出しローラー32と搬送ローラー33に伝達され、繰り出しローラー32と搬送ローラー33の回転により、給紙カセット31から用紙Saが搬送路35に繰り出される。
用紙Saの先端がレジストセンサー38により時点t2で検出されてから、所定時間Tpの経過(時点t3)までの間に、用紙Saの先端部にループLpが形成され、所定時間Tpが経過すると(時点t3)、電磁クラッチ91への駆動電圧の供給を遮断する(電磁クラッチ91のオフ)。これにより、繰り出しローラー32と搬送ローラー33の回転が停止され、用紙Saの搬送が一時停止される。
ループLpの形成は、具体的に次のようにして行われる。すなわち、用紙Saの先端が停止中のレジストローラー対34のニップ(一方と他方のローラー同士が相互に接している部分)に到達すると、ニップが壁となって先端の搬送が停止される(時点t2〜t3間)。時点t3に至るまでの間には、繰り出しローラー32と搬送ローラー33による用紙Saの搬送が継続されている。このため用紙Saは、その先端が停止しつつ後端側から搬送方向前方に押されたようになって、先端部に弛みが生じ、これがループLpになる。ループLp(弛み)の大きさは、時点t2〜t3までの長さ、つまり所定時間Tpの長さにより変わるので、予め最適な大きさのループLpが形成されるように所定時間Tpの長さが決められる。
クラッチ制御部70は、全体制御部50から用紙Saに対する搬送再開の指示を受け付けると(時点t4)、電磁クラッチ91、92のそれぞれに駆動電圧を供給する(電磁クラッチ91、92のオン)。これにより、繰り出しローラー32、搬送ローラー33、レジストローラー34が回転し、一時停止されていた用紙Saの搬送が再開され、用紙Saが二次転写位置241に向けて搬送される。
クラッチ制御部70は、用紙Saの搬送再開から所定時間Tfが経過すると(時点t5)、電磁クラッチ91だけをオフさせる。この所定時間Tfは、搬送再開から用紙Saの後端が搬送ローラー33を通過するのに要すると想定される時間に所定時間(例えば0.5秒など)を加算した時間であり、予め決められる。
ここで、所定時間を加算するのは、用紙とローラー間のスリップや搬送速度の微小な変動などによる搬送ばらつきをこの所定時間内に吸収して、用紙後端が搬送ローラー33を確実に通過した時点で電磁クラッチ91をオフできるようにするためである。換言すると、用紙後端が搬送ローラー33を通過していないのに、電磁クラッチ91のオフによる駆動力伝達の遮断が生じてしまうことを確実に防止するためである。
従って、時点t5で電磁クラッチ91をオフさせれば、用紙Saの後端が搬送ローラー33を通過後、駆動モーター82の回転駆動力の繰り出しローラー32と搬送ローラー33への伝達を遮断させることができる。つまり、用紙Saの搬送中には、確実に繰り出しローラー32と搬送ローラー33に回転駆動力を伝達させて、これらのローラーをシステム速度で安定して回転させることができる。
用紙Saの後端がレジストセンサー38の検出位置を通過すると(時点t6)、クラッチ制御部70は、電磁クラッチ91をオンさせる。これにより、繰り出しローラー32と搬送ローラー33が再度、回転され、給紙カセット31から2枚目の用紙Sbが搬送路35に繰り出される。
そして、クラッチ制御部70は、時点t6から所定時間Tsが経過すると(時点t7)、電磁クラッチ92への駆動電圧の供給を遮断(オフ)する。
この所定時間Tsは、用紙Saの後端がレジストセンサー38の検出位置を通過してからレジストローラー34を通過するまでに要すると想定される時間に所定時間(例えば0.5秒など)を加算した時間であり、予め決められる。所定時間を加算するのは、上記時間Tfの設定と同じ理由による。
従って、時点t7で電磁クラッチ92への電圧供給を遮断(オフ)させれば、用紙Saの後端がレジストローラー34を通過後、駆動モーター82の回転駆動力のレジストローラー34への伝達を遮断させることができる。つまり、用紙Saの搬送中には、確実にレジストローラー34に回転駆動力を伝達させて、レジストローラー34をシステム速度で安定して回転させることができる。
時点t7で電磁クラッチ92への電圧供給を遮断後、電磁クラッチ92のアーマチュア922が釈放されると、駆動モーター82の回転駆動力がレジストローラー34に伝達されなくなる。これ以降、レジストローラー34は、その慣性により徐々に回転速度が低下して、停止に至る。
この電磁クラッチ92への電圧供給の遮断(オフ)からレジストローラー34の回転停止までに要する時間を短縮するために、本実施の形態では、用紙搬送中の電磁クラッチ92の伝達トルク(以下、「クラッチトルク」という。)を第1の値Tc1としたとき、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断に先立って、クラッチトルクを第1の値Tc1よりも小さい第2の値Tc2に強制的に低下させるクラッチトルクの切り替え制御を行う。この切り替え制御の詳細については、後述する。
2枚目の用紙Sbが繰り出された以降、用紙Sbの先端がレジストセンサー38により時点t8で検出されてから、所定時間Tpの経過(時点t9)までの間に、用紙Sbの先端がレジストローラー対34のニップに到達して、用紙Sbの先端部にループLpが形成された後、所定時間Tpが経過すると(時点t9)、電磁クラッチ91をオフさせる。これにより、繰り出しローラー32と搬送ローラー33の回転が停止され、用紙Sbの搬送が一時停止される。
クラッチ制御部70は、全体制御部50から用紙Sbに対する搬送再開の指示を受け付けると(時点t10)、電磁クラッチ91、92のそれぞれをオンさせる。これにより、繰り出しローラー32、搬送ローラー33、レジストローラー34が回転し、一時停止されていた用紙Sbの搬送が再開される。
クラッチ制御部70は、用紙Sbの搬送再開から所定時間Tfが経過すると(時点t11)、電磁クラッチ91だけをオフさせる。そして、クラッチ制御部70は、用紙Sbの後端がレジストセンサー38の検出位置を時点t12で通過してから所定時間Tsが経過すると(時点t13)、電磁クラッチ92への電圧供給を遮断(オフ)させる。これにより、レジストローラー34が停止する。
1枚目の用紙Saの後端がレジストセンサー38の検出位置を通過(時点t6)してから、2枚目の用紙Sbの先端がレジストセンサー38の検出位置に到達(時点t8)するまでの時間を以下、用紙間隔Pwという。
〔4〕モーター制御部60とクラッチ制御部70の構成
図5は、モーター制御部60とクラッチ制御部70の構成を示すブロック図である。なお、図5は、駆動モーター82と電磁クラッチ92の制御を説明するための図になっており、駆動モーター81と電磁クラッチ91については省略されている。
同図に示すようにモーター制御部60は、駆動ドライバー61と回転制御部62を備える。駆動ドライバー61は、駆動モーター82に駆動電流を供給する。
回転制御部62は、駆動モーター82の回転を制御する。具体的には、回転制御部62は、リモート信号により回転と停止を指示する。駆動モーター82は、回転制御部62からの回転指示を受け付けると、駆動ドライバー61からの供給電流により回転駆動を行い、停止指示を受け付けると回転駆動を停止させる。
また、回転制御部62は、駆動モーター82の回転速度をフィードバック制御する。ここでは、駆動モーター82が自己の回転数を示すエンコーダーパルス信号を出力する機能を有しているので、回転制御部62は、駆動モーター82から出力されるエンコーダーパルス信号を受信して、駆動モーター82の現在の回転速度を一定間隔ごとに取得する。
そして、その取得ごとに、駆動モーター82の回転速度がシステム速度で一定に維持されるように、駆動モーター82に対して速度指示(増速、減速または現状維持)を行う。
駆動モーター82は、回転制御部62の速度指示が増速の場合、現在よりも多くの駆動電流を励磁コイルに供給して回転速度を増速し、速度指示が減速の場合、現在よりも少ない駆動電流を励磁コイルに供給して回転速度を減速する。速度指示が現状維持の場合、現在と同じ大きさの駆動電流を励磁コイルに供給して回転速度を維持する。
駆動モーター82の回転制御により、駆動モーター82の励磁コイルに流れる電流量が変わり、これに伴い、駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流の大きさも変化する構成になっている。例えば、駆動モーター82の回転負荷が大きい場合、減速気味になるので駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流が増加する。逆に、駆動モーター82の回転負荷が小さい場合、増速気味になるので駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流が低減される。
従って、駆動モーター82により電磁クラッチ92を介してレジストローラー34を一定速度で回転させようとする場合に、駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流の大きさを監視すれば、駆動モーター82に掛かる現在の回転負荷の大きさを測定することができる。この測定は、回転制御部62の負荷トルク検出部63により行われる。
負荷トルク検出部63は、カバー開閉検出センサー26によりサイドカバー25が開閉されたことが検出されると、負荷トルク測定処理を実行する。
図6は、負荷トルク測定処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように負荷トルク検出部63は、カバー開閉検出センサー26の検出結果に基づきサイドカバー25が閉じられたことを判断すると(ステップS1で「Yes」)、前回の測定から所定時間を経過しているか否かを判断する(ステップS2)。所定時間は、これ以下の短い時間であれば、その間にユーザーによる操作が介在したとしても、駆動モーター82の回転負荷が大きく変動することが生じないと想定される時間として予め決められており、例えば1時間としたり数時間としたりすることができる。なお、レジストローラー34の新品への交換やメンテナンスなどによりカバー開閉が行われた場合には、経過時間の長さに関係なく、ステップS3以降の処理を実行するとしても良い。
前回の測定処理から所定時間を経過していないことを判断すると(ステップS2で「No」)、現時点で負荷トルクを測定しても前回とほとんど変化していないとして、当該処理を終了する。
前回の測定処理から所定時間を経過していることを判断すると(ステップS2で「Yes」)、プリントジョブを実行していない非画像形成時に駆動モーター82をフィードバック制御により一定速度、ここではシステム速度で回転駆動させる(ステップS3)。
そして、負荷トルク検出部63は、クラッチ制御部70に対して電磁クラッチ92だけをオンする指示を行う(ステップS4)。クラッチ制御部70は、負荷トルク検出部63からの指示に従い電磁クラッチ92をオンさせる。この電磁クラッチ92のオンは、電磁クラッチ92に用紙搬送中の伝達トルクTc1と同じ大きさの伝達トルクを発生させるための駆動電圧Vc1を供給することにより行われる。
これにより、駆動モーター82の回転駆動力が電磁クラッチ92を介してレジストローラー34に伝達され、レジストローラー34が一定速度で空回転する。
負荷トルク検出部63は、レジストローラー34の空回転中に駆動ドライバー61から駆動モーター82への供給電流の大きさを監視して、供給電流の大きさに基づき駆動モーター82に掛かる現在の負荷トルクを測定する(ステップS5)。
この測定は、図7に示す供給電流値と負荷トルクの対応関係を示すテーブル67を参照することにより行われる。すなわち、テーブル67に書き込まれている供給電流Ia、Ib・・のうち、監視により得られた現在の供給電流の大きさに対応する負荷トルクを読み出すことにより行われる。
供給電流値と負荷トルクの対応関係は、予め実験などにより適正値が求められる。例えば、Ia<Ib<Ic・・の関係の場合に、Tra<Trb<Trc・・の関係になっている。この対応関係を示すテーブル67は、負荷トルク検出部63の記憶部(不図示)に予め格納される。
図6に戻って、ステップS6では、駆動モーター82の負荷トルクの測定値から電磁クラッチ92の出力軸923に掛かる負荷トルクTr2を求める。具体的には、駆動モーター82の負荷トルクの測定値をTrα、駆動モーター82から電磁クラッチ92に至るまでの駆動伝達経路(オン時の電磁クラッチ92を含む)の負荷トルクをTrβとしたとき、TrαからTrβを差し引いた値をTr2とすることにより行われる。
負荷トルクの測定値Trαは、駆動モーター82から電磁クラッチ92を介してレジストローラー34に至るまでの全ての回転負荷による負荷トルクになるので、このTrαからTrβを差し引けば、電磁クラッチ92の出力軸923からレジストローラー34に至るまでの負荷トルクをTr2として得ることができる。
ここで、負荷トルクTrβの値は、予め実験などにより求められる。レジストローラー34の回転負荷の変動に比べると負荷トルクTrβの変動幅は小さいことが多く、測定値Trαとの差分をとれば、負荷トルクTr2を精度良く求めることができるからである。
なお、プリンター100の新品時からプリント動作の稼働に伴って長期間に亘って徐々に負荷トルクTrβが変動していく構成であり、その変動の推移が予め判っているような場合には、その変動に基づき、ステップS6の実行時における負荷トルクTrβの値を求めて、求めた負荷トルクTrβを用いて、負荷トルクTr2を求めるとしても良い。
これにより、駆動モーター82の現在の供給電流値が判れば、電磁クラッチ92の現在の負荷トルクTr2を求めることができる。
ステップS6で求めた負荷トルクの値を記憶部64に格納させる(ステップS7)。前回の測定値が格納済の場合には、今回の測定値に更新される。そして、負荷トルク検出部63は、クラッチ制御部70に対して電磁クラッチ92のオフを指示して(ステップS8)、駆動モーター82の回転を停止させた後(ステップS9)、当該処理を終了する。
なお、上記ではサイドカバー25の開閉に伴って負荷トルク測定処理が実行されるとしたが、これとは別に、負荷トルク検出部63は、プリントジョブ実行中に搬送中の用紙Sの後端がレジストローラー34を通過する瞬間に負荷トルクが大から小に急峻に変化するときのその変化を検出する用紙後端通過検出処理を実行する。この検出の結果は、後述のクラッチトルクの切り替え制御に用いられる。
図5に戻って、クラッチ制御部70は、電磁クラッチ92に駆動電圧を供給または遮断して、電磁クラッチ92を制御するものであり、トルク設定部71と、オン/オフ制御部72とを備える。
トルク設定部71は、電磁クラッチ92のクラッチトルクTcとして、第1の値Tc1とこれよりも小さい第2の値Tc2のそれぞれを設定する。
Tc1は、レジストローラー34が用紙Sを搬送しているときに電磁クラッチ92に発生させるためのクラッチトルクであり、レジストローラー34による用紙搬送中に電磁クラッチ92の出力軸923に掛かる回転負荷、主に用紙搬送中のレジストローラー34の回転負荷に相当する負荷トルクTr1(図11)よりも大きな値になっている。
レジストローラー34が用紙Sを搬送しているときには、用紙Sを搬送していないときに比べて、電磁クラッチ92に掛かる負荷トルクTr1がかなり大きくなる。このためクラッチトルクTc1は、用紙Sの搬送中の負荷トルクTr1に負けることがなく、駆動モーター82の回転駆動力がレジストローラー34に確実に伝達されるように、負荷トルクTr1に対してかなり大きな値が予め実験などで決められる。
Tc2は、用紙Sの後端がレジストローラー34を通過した後に電磁クラッチ92への電圧供給を遮断(オフ)するまでの間に、電磁クラッチ92に発生させるためのクラッチトルクであり、上記の記憶部64に格納されている負荷トルクTr2の大きさに基づき設定される。
レジストローラー34の空回転中には、電磁クラッチ92に掛かる負荷トルクTr2が用紙搬送中の負荷トルクTr1よりもかなり小さくなる。クラッチトルクTc2と負荷トルクTr2の大小関係がTc2<Tr2になると、ローター921に対してアーマチュア922がすべるようになって、ローター921とアーマチュア922の接触面同士の摩耗が進み易くなるので好ましくない。
このため、Tr2≦Tc2<Tc1の関係、すなわち、Tc2が負荷トルクTr2以上、且つ、軽負荷のレジストローラー34に対して電磁クラッチ92のクラッチトルクが過大にならないようにTc1よりも小さい値に設定される。
本実施の形態では、上記のように負荷トルクTr2の大きさがある程度変動することを考慮して、Tc2の設定が図8に示す負荷トルクとクラッチトルクの対応関係を示すテーブル78を参照することにより行われる。
具体的には、テーブル78に書き込まれている負荷トルクTra、Trb・・のうち、記憶部64に格納されている負荷トルクの大きさに対応するクラッチトルクを読み出して、読み出したクラッチトルクを第2の値Tc2に設定する。なお、テーブル78に書き込まれているクラッチトルクの値の全てがTc1未満の値になっている。
負荷トルクとクラッチトルクとの対応関係は、予め実験などで適正値が求められ、例えばTra<Trb<Trc・・の関係の場合に、Tca<Tcb<Tcc・・の関係になっている。テーブル78は、トルク設定部71の記憶部(不図示)に予め格納される。
図5に戻って、オン/オフ制御部72は、電磁クラッチ92のオン、オフすべきタイミングに基づき電磁クラッチ92への駆動電圧の供給と遮断を切り替え制御するものである。以下、電磁クラッチ92に供給される駆動電圧をクラッチ電圧といい、クラッチ電圧の供給遮断を電圧供給の遮断という。
電磁クラッチ92のオンとオフのタイミングは、図4に示すタイミングに従う。具体的には図4において、オン/オフ制御部72は、例えば1枚目の用紙Saに対して時点t4で電磁クラッチ92への駆動電圧の供給を開始し、時点t7で電磁クラッチ92への電圧供給を遮断(オフ)する。
時点t6〜t7の間において、負荷トルク検出部63の用紙後端通過検出処理により、搬送中の用紙Sの後端がレジストローラー34を通過したことが検出されると、オン/オフ制御部72は、電磁クラッチ92のクラッチトルクがトルク設定部71により設定された第1の値Tc1から第2の値Tc2に低下するようにクラッチ電圧を第1の電圧値Vc1からこれよりも小さい第2の電圧値Vc2に切り替える制御を行う。
クラッチ電圧とクラッチトルクとは、実使用範囲内では一般にクラッチ電圧が大きくなるに伴ってクラッチトルクが大きくなり、クラッチ電圧が小さくなるに伴ってクラッチトルクが小さくなる特性を有する。そこで、本実施の形態では、図9に示すようにクラッチトルクとクラッチ電圧の対応関係を示すテーブル79を予め生成しておき、テーブル79を参照することによりクラッチ電圧Vc1、Vc2を決定する。
具体的には、テーブル79に書き込まれているクラッチトルクTca、Tcb・・のうち、トルク設定部71により設定されたクラッチトルク(Tc1またはTc2)の大きさに対応するクラッチ電圧を読み出して、読み出したクラッチ電圧を電磁クラッチ92に供給すべきクラッチ電圧に決定する。クラッチトルクとクラッチ電圧の対応関係は、予め実験などにより適正値が求められ、例えばTca<Tcb<Tcc・・の関係の場合に、Vca<Vcb<Vcc・・の関係になっている。このテーブル79は、オン/オフ制御部72の記憶部(不図示)に予め格納される。
オン/オフ制御部72は、決定されたクラッチ電圧を電磁クラッチ92に供給する。クラッチ電圧Vc1、Vc2の切り替えは、一定の周波数のパルス幅を変化させることにより単位時間当たりの平均電圧を可変とするPWM制御により行われる。なお、供給電圧を切り替え可能な方法であれば、PWM制御に限られず、他の方法であっても良い。
このように時点t6〜t7の間において、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断に先立って、クラッチ電圧をVc1からVc2に切り替え制御するのは、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断からレジストローラー34の回転が停止するまでに要する時間Txを短縮するためである。以下、クラッチ電圧の切り替え制御を行う実施例の場合と行わない比較例(従来に相当)の場合とで時間Txにどの程度の違いが生じるかについて、比較例、実施例の順に説明する。
〔5〕比較例
図10は、比較例の場合における用紙搬送中のレジストセンサー38の出力、負荷トルクTr、クラッチ電圧Vc、クラッチ電流Ic、クラッチトルクTc、ローラー回転速度Vsの変化の様子を示すタイミングチャートである。なお、同図の時点t6、t7は、図4に示す時点t6、t7に相当する。
図10に示す負荷トルクTrは、電磁クラッチ92の出力軸923に掛かる負荷トルク(主に、レジストローラー34の回転負荷によるもの)である。負荷トルクTr1は、レジストローラー34が用紙搬送中のときの負荷トルクを示し、負荷トルクTr2は、レジストローラー34が用紙Sを搬送していない空回転のときの負荷トルクを示している。
クラッチ電圧Vcは、電磁クラッチ92の励磁コイルに供給される駆動電圧を示し、クラッチ電流Icは、励磁コイルに流れる電流を示し、クラッチトルクTcは、電磁クラッチ92のローター921とアーマチュア922間に発生する伝達(摩擦)トルクを示している。
レジストローラー34が用紙搬送中のときには、上記のように負荷トルクTr1が大きくなるので、負荷トルクTr1よりも大きなクラッチトルクTc1が電磁クラッチ92のローター921とアーマチュア922間に発生するように、クラッチ電圧Vc1の大きさが決められる。
搬送中の用紙Sの後端がレジストセンサー38の検出位置を通過(時点t6)してから、レジストローラー34を通過(時点t51)した後、時点t7で電磁クラッチ92への電圧供給が遮断(オフ)される。時点t6〜t7までの時間が図4に示す所定時間Tsになる。
図10に示す比較例では、時点t7は、搬送中の用紙Sの後端がレジストローラー34を既に通過した後になるので、電磁クラッチ92の負荷トルクは空回転時のTr2まで下がっているが、クラッチ電圧Vcは用紙搬送中のVc1のままであり、クラッチトルクTcも用紙搬送中のTc1のままになっている。
クラッチトルクTc1は、用紙搬送中の負荷トルクTr1よりもかなり大きな値に設定されているので、時点t7では実際の負荷トルクTr2よりも過大といえる。
電磁クラッチ92への電圧供給の遮断により、時点t7からクラッチトルクTcは、Tc1から徐々に低下していき、これに伴って電磁クラッチ92のローター921とアーマチュア922間に生じる吸引力F1(図2)も低下していく。
クラッチトルクがTc3を下回ると(時点t52以降)、吸引力F1が付勢ばねの付勢力F2(図2)を下回る。これにより、アーマチュア922がローター921から離間すると(アーマチュアの釈放)、駆動モーター82からレジストローラー34への回転駆動力の伝達が遮断される。
つまり、クラッチトルクがTc3に下がるまでの間(時点t7〜t52間)は、ローター921とアーマチュア922が連結状態になっており、駆動モーター82の回転駆動力がレジストローラー34に伝達されている状態なので、ローラー搬送速度がシステム速度Vsのまま維持される。
アーマチュア922が釈放されると、時点t52以降、レジストローラー34には駆動力が伝達されなくなるので、レジストローラー34の回転速度が徐々に低下していき、最後に停止に至る(時点t53)。電磁クラッチ92への電圧供給の遮断(時点t7)からアーマチュア922の釈放(時点t52)までに要する時間を時間Ta、時点t52からレジストローラー34の停止までに要する時間をTdとすると、時間TaとTdを足し合わせた時間Tx1が、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断からレジストローラー34の回転停止までに要する時間に相当する。
時間Tx1に含まれる時間Tdは、アーマチュア922の釈放によりレジストローラー34の停止までの挙動を制御できない時間に相当するので、時間Tx1を電磁クラッチ92の制御により短縮するには、時間Taを短縮する必要がある。
時間Taの長さと電磁クラッチ92への電圧供給の遮断時における伝達トルクTcの大きさとは、その遮断時の伝達トルクTcが大きいほど時間Taも長くなるという関係を有する。このことは、換言すると、電圧供給の遮断時における伝達トルクTcをTc1よりも小さくすれば、遮断までの間に亘ってTc1を固定したままの比較例に比べると、時間Taを短くできることを意味する。
そこで、本実施の形態では、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断の時点でクラッチトルクTcが用紙搬送中のTc1よりも小さなTc2まで低下しているように、電磁クラッチ92に供給するクラッチ電圧をその遮断時までの間にVc1からVc2まで下げる制御をして、時間Taを短縮する構成をとっている。
〔6〕実施例
図11は、実施例の場合における用紙搬送中のレジストセンサー38の出力〜ローラー回転速度Vsの変化の様子を示すタイミングチャートである。なお、同図の時点t6、t51、t7は、図10に示す時点t6、t51、t7に相当する。
図11に示すように、搬送中の用紙Sの後端がレジストローラー34を通過した時点t51の直後の時点t61に、クラッチ電圧VcがVc1からVc2に落とされている。
この時点t61は、負荷トルクがTr1からTr2に変化した時点t51の直後の時点である。本実施の形態では、負荷トルク検出部63の用紙後端通過検出処理により、搬送中の用紙Sの後端がレジストローラー34を通過した時点t51を検出して、時点t51から所定時間Tj、例えば数ミリ秒が経過した時点t61にクラッチ電圧をVc1からVc2に切り替える制御をしている。なお、所定時間Tjを0に設定するとしても良い。
用紙後端通過の検出方法は、上記の方法に限られず、別の方法をとることもできる。時点t61が時点t51〜時点t7の間のいずれかの時点であれば良い。例えば、時点t7は、時点t6から所定時間Tsの経過時に等しいので、所定時間Tsの経過直前の時点を時点t61とすることもできる。
クラッチ電圧Vc1は、比較例と同じ大きさのクラッチ電圧であり、トルク設定部71で設定されたクラッチトルクTc1に対応するクラッチ電圧に等しい。
クラッチ電圧Vc2は、トルク設定部71で設定されたクラッチトルクTc2に対応するクラッチ電圧に等しい。
時点t61でクラッチ電圧がVc1からVc2に低下したことに起因してクラッチ電流がIc1から徐々に低下しており、このクラッチ電流Icの低下により、クラッチトルクTcが徐々に低下していき、電磁クラッチ92のオフ時点t7までの間に、クラッチトルクTcがTc1からTc2まで低下している。上記のようにクラッチトルクTc2は、レジストローラー34の空回転時の負荷トルクTr2以上なので、時点t7に至るまでの間、アーマチュア922がローター921に対してすべることがない。
電磁クラッチ92への電圧供給の遮断時点t7では、クラッチトルクがTc2まで低下した状態になっており、クラッチトルクTc2は、用紙搬送中のクラッチトルクTc1よりも小さいので、時点t7での負荷トルクTr2との差が、クラッチトルクTc1を固定する比較例の場合よりも小さくなる。このため、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断(時点t7)からアーマチュア922の釈放(時点t62)までに要する時間Teが比較例の場合の時間Taよりも短くなる。
アーマチュア922の釈放(時点t62)以降、レジストローラー34に回転駆動力が伝達されなくなることは、比較例の場合と同じであり、アーマチュア922の釈放からレジストローラー34の停止(時点t63)までに要する時間Tdは、比較例の場合と同じ長さになっている。時間TeとTdを足し合わせた時間Tx2が実施例における電磁クラッチ92への電圧供給の遮断からレジストローラー34の回転停止までに要する時間に相当する。
実施例の時間Tx2は、比較例の時間Tx1よりも時間TeとTaの差分ΔTだけ短くなるので、実施例は、比較例よりも時間ΔTだけ、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断からレジストローラー34の回転停止までに要する時間を短縮できることになる。
図4に示すように1枚目の用紙Saと2枚目の用紙Sbをこの順に搬送する場合、用紙Saの後端がレジストローラー34を通過後、レジストローラー34の回転が停止するタイミングを実施例では比較例に対して時間ΔTだけ前倒しできる、つまり早くできる。これにより、2枚目の用紙Sbの給紙開始タイミング(時点t6)を比較例よりも前倒しすることが可能になる。3枚目以降の各用紙Sについても同様に前倒しすることができるようになる。これにより、全体的に各用紙に対する給紙開始タイミングとレジストローラー34の回転再開のタイミング(時点t4、t10)なども前倒しできるようになるので、単位時間当たりの用紙給送可能枚数が増えて、プリントの生産性(単位時間当たりのプリント枚数)の向上を図ることができる。
一方で、仮に、用紙給送可能枚数を増加できても、これに対して作像部10の作像動作が追いつかないような場合、作像部10の作像動作の速さを基準に、用紙Sの給送制御を行う必要が生じる。
例えば、作像動作の速度制限により、図4において2枚目の用紙Sbに対するレジストローラー34の回転再開、つまり二次転写位置241への搬送開始のタイミングを時点t10から変更できない(固定される)構成の場合を想定する。
この場合、1枚目の用紙Saの後端がレジストローラー34を通過後、レジストローラー34の回転停止タイミング(図4に示す時点t63)が遅れると、その遅れ分だけ、2枚目の用紙Sbの先端がレジストローラー対34のニップに到達するタイミングを遅らせる必要が生じる。レジストローラー34の回転停止状態で、用紙Sbの先端がレジストローラー対34のニップに到達するというタイミングにしなければ、適正なループを形成できないからである。
時点t63が遅くなるほど、回転再開(固定の時点t10)までの時間が短くなる。
この短い時間内で、2枚目の用紙Sbの繰り出し開始からその用紙Sbのループ形成終了までの動作を完了しようとすれば、用紙Sbの搬送速度をより高速化しなければならなくなる。用紙搬送速度を高速化するには、搬送ローラー33をより高速で回転させなければならず、このためには駆動モーター82に通常よりも大きな電流を供給する必要が生じ、それだけ駆動モーター82の消費電力が大きくなってしまう。
この問題は、レジストローラー34の回転停止タイミング(時点t63)が遅くなるほど顕著になり、逆にその回転停止タイミングを前倒しできれば解消する方向に向かう。
実施例の構成では、比較例よりもレジストローラー34の回転停止タイミングを前倒しできるので、レジストローラー34の回転停止(時点t63)から回転再開(固定の時点t10)までの時間に余裕が生じる。その余裕の程度によって2枚目の用紙Sbの給紙速度をシステム速度のままに維持できれば、比較例の場合に用紙搬送速度を高速化する構成よりも駆動モーター82の消費電力を低減でき、省エネルギー化を図れる。
また、繰り出しローラー32や搬送ローラー33の回転速度を高速化すると、高速化しない場合に比べて、プリントする用紙枚数が同じでもローラーの累積回転数が多くなるので、ローラーの短寿命化に繋がり易くなる。従って、実施例において高速化の必要がなく、比較例において高速化の必要があるような場合、実施例の方が比較例よりもローラーの長寿命化を図ることもできる。装置構成によって、プリントの生産性の向上を優先したり、省エネルギー化およびローラーの長寿命化を優先したりすることが可能になる。
〔7〕実施例におけるクラッチトルクの切り替え制御
図12は、電磁クラッチ92のクラッチトルクの切り替え制御の内容を示すフローチャートであり、搬送される1枚の用紙Sに対する電磁クラッチ92のオンからオフまでの間の処理内容を示している。このクラッチトルクの切り替え制御は、クラッチ制御部70により実行される。
同図に示すようにクラッチ制御部70は、電磁クラッチ92をオンさせる(ステップS21)。クラッチ制御部70は、クラッチトルクTc1に対応するクラッチ電圧Vc1を電磁クラッチ92に駆動電圧として供給する。
測定済の負荷トルクを取得する(ステップS22)。この取得は、モーター制御部60の記憶部64に格納されている負荷トルクの測定値を読み出すことにより行われる。
取得した負荷トルクに基づきクラッチトルクの適正値Tc2を求める(ステップS23)。具体的には、図8に示すテーブル78を参照して、取得した負荷トルクに対応するクラッチトルクを読み出して、その読み出したクラッチトルクを適正値Tc2とする。
搬送中の用紙Sの後端がレジストローラー34を通過したか否かを判断する(ステップS24)。ここでは、モーター制御部60の負荷トルク検出部63から用紙後端通過の検出結果をまだ受け取っていないときに否定的な判断を行い、受け取った時点で肯定的な判断を行う。
用紙後端通過を判断してから(ステップS24で「Yes」)(図11に示す時点t51)、所定時間Tjの経過(図11に示す時点t61)を契機に、電磁クラッチ92のクラッチトルクをTc1からTc2に低下させる制御を行う(ステップS25)。
具体的には、クラッチ制御部70は、図9に示すテーブル79を参照して、ステップS23で求めたクラッチトルクの適正値Tc2に対応するクラッチ電圧を読み出し、電磁クラッチ92への供給電圧を、これまでのクラッチ電圧Vc1から、読み出したクラッチ電圧Vc2に低下させる。
レジストセンサー38により用紙Sの後端が検出されてから所定時間Tsが経過したことを判断すると(ステップS26で「Yes」)(図11に示す時点t7)、電磁クラッチ92への電圧供給を遮断(オフ)して(ステップS27)、当該処理を終了する。
以上説明したように本実施の形態では、搬送中の用紙後端がレジストローラー34を通過後、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断までの間に、その電圧供給の遮断に先立って、クラッチトルクを用紙搬送中のTc1からこれよりも小さいTc2に強制的に低下させる制御を行っている。これにより、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断の時点では、クラッチトルクが用紙搬送中のTc1よりも小さいTc2まで下がっている。
従って、比較例のように電磁クラッチ92への電圧供給の遮断の時点までの間、クラッチトルクを用紙搬送中のTc1に維持し続ける構成よりも、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断からアーマチュア922の釈放までに要する時間Te(図11)を短縮でき、その短縮分、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断からレジストローラー34の停止までに要する時間Tx2(図11)を短縮することが可能になる。
なお、上記では電磁クラッチ92に対してクラッチトルクの切り替え制御を適用する構成例を説明したが、同様の制御を電磁クラッチ91にも適用することができる。繰り出しローラー32と搬送ローラー33についても回転停止指示(電磁クラッチ91への電圧供給の遮断)から実際の回転停止までに要する時間が短くなった方が長い場合よりもその停止までのローラーの回転数が少なくなる。これにより、ローラー停止までの用紙搬送距離も短くなって、用紙Sの先端部に形成されるループ量が過大になることも防止できる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、用紙間隔Pwが変動した場合について特に考慮しなかったが、本実施の形態2では、用紙間隔Pwが変動した場合にクラッチトルクTc2の大きさを変えるとしており、この点が実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
用紙間隔Pwは、図4に示すように1枚目の用紙Saの後端がレジストセンサー38の検出位置を通過してから2枚目の用紙Sbの先端がレジストセンサー38の検出位置に到達するまでに要する時間に相当する。
用紙間隔Pwは、使用する用紙Sの種類(普通紙、厚紙、薄紙、普通紙以外のコート紙や光沢紙など)や温湿度などの装置周辺環境により、用紙Sが搬送ローラー33やレジストローラー34で搬送されるときの用紙表面とローラー表面との摩擦抵抗の大きさが変わって搬送力に微妙な差が生じることにより、所定の公差の範囲内で変動する場合がある。
例えば、N枚目の用紙Saがレジストローラー34を通過した直後に、これに続いて、(N+1)枚目の用紙Sbが搬送ローラー33からレジストローラー34に向かって搬送される場合に、その用紙Sbの搬送が通常よりも進みすぎるようになってしまい、間隔Pwが狭くなった場合を想定すると、その進みすぎた分だけ用紙Sbの先端が早くレジストローラー34に到達することになる。
用紙Sbの先端が早くレジストローラー34に到達するということは、それだけ早くレジストローラー34の回転を停止させておく必要が生じる。
レジストローラー34の回転停止をより早めるには、図11において電磁クラッチ92への電圧供給遮断のタイミング(時点t7)をより早めれば良く、電磁クラッチ92への電圧供給遮断のタイミングを早めるには、所定時間Tsを短い時間に変更すれば良い。
ところが、所定時間Tsを変更しようとすると、所定時間Tsの経過を判断(ステップS26)する前に、その所定時間Ts自体を用紙Sbが進みすぎている場合とそうでない場合に応じた時間に変更するための別の処理の実行が必要になり、タイマー制御が複雑になり易い。また、搬送中の用紙Sの表面とレジストローラー34の表面との間にすべりが生じて、用紙後端がレジストローラー34を通過するタイミングがある程度ばらついているような場合、時間Tsを短くしすぎると、用紙後端がレジストローラー34を通過していないのに電磁クラッチ92への電圧供給が遮断されてしまうことが生じ易くなる。
一方で、上記のように電磁クラッチ92への電圧供給の遮断からレジストローラー34の回転停止までに要する時間Tx2は、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断からアーマチュア922の釈放までに要する時間Teの長さにより決まる。従って、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断タイミングを早めなくても(所定時間Tsを変更しなくても)、時間Teをより短縮できれば、レジストローラー34をより早く停止させることができる。
時間Teをより短縮するには、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断時点t7でのクラッチトルクTc2をTr2≦Tc2<Tc1の範囲内においてできるだけ低下させておけば良い。クラッチトルクTc2と負荷トルクTr2の差が小さいほど、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断から低減していく吸引力F1が付勢力F2を下回るまでに要する時間、つまりアーマチュア922が釈放されるまでに要する時間Teが短くなるからである。
クラッチトルクTc2の値をより低下させるには、クラッチ電圧Vc2をより低い値に設定すれば良い。クラッチトルクTc2、Tc3、負荷トルクTr2がTr2≦Tc3<Tc2の大小関係にある場合、クラッチトルクTc3を得るのに必要なクラッチ電圧をVc3とすれば、Vc3≦Vc2<Vc1の範囲内でVc2をできるだけ低い値に設定することができる。
図13は、図11からクラッチ電圧とクラッチトルクとローラー回転速度のグラフを抜き出して示した拡大図である。図13において、実線のグラフは図11に示すグラフと同じものであり、破線のグラフはクラッチ電圧がVc1からVc2a(<Vc2)に低下し、クラッチトルクがTc1からTc2a(<Tc2)に低下した場合の例を示している。
破線のグラフの例で示すように、クラッチ電圧をVc1からVc2aまで低下させた場合、クラッチトルクがTc2aまで低下した後、時点t7で電磁クラッチ92への電圧供給が遮断されると、クラッチトルクがTc2aから徐々に下がっていくが、時点t64でTc3に至り、アーマチュア922が釈放される。
つまり、破線のグラフの例では、電磁クラッチ92への電圧供給の遮断(時点t7)からアーマチュア922の釈放(時点t64)までに要する時間がTgであり、実線のグラフの例で示す時間Teよりもさらに短くなっている。この時間TgとTeの差分ΔT1だけ、破線のグラフの例の方が実線のグラフの例よりも、レジストローラー34を早く停止できることが判る。
このようなクラッチ電圧(Vc2とVc2a)の切り替えは、上記のようにPWM制御におけるパルス幅、つまりデューティー比をそのクラッチ電圧に応じた値に変えれば良く、タイマー制御に比べて簡単な制御で済ませられる。
従って、クラッチトルクの切り替え制御を複雑化することなく、例えば用紙間隔Pwが適正範囲内の場合、上記ステップS23で求めた適正値をクラッチトルクTc2の基準値α0として用い、用紙間隔Pwが適正範囲よりも狭くなった場合、クラッチトルクTc2を基準値α0よりも小さな値に補正することにより、用紙間隔Pwの大きさに応じて、レジストローラー34の回転停止タイミングを調整することが可能になる。
図14は、用紙間隔Pwに応じてクラッチトルクTc2を補正するクラッチトルク補正制御の内容を示すフローチャートであり、複数枚の用紙Sが1枚ずつ間隔をあけて連続搬送されるプリントジョブの実行中の処理内容を示している。この制御は、クラッチ制御部70により実行される。なお、実施の形態1におけるクラッチトルクの切り替え制御がこの補正制御と並行して実行されているものとする。
同図に示すようにクラッチ制御部70は、用紙間隔Pwを測定する(ステップS51)。この測定は、レジストローラー34により1枚の用紙Sが搬送されるごとに、その用紙Sの後端がレジストセンサー38により検出されてから、次の用紙Sの先端がレジストセンサー38により検出されるまでに要する時間を計時することにより行われる。
測定した用紙間隔Pwが適正範囲の下限値Pbよりも小さいか否かを判断する(ステップS52)。適正範囲は、例えば2秒以上、3秒以下などの範囲が予め決められている。
用紙間隔Pwが適正範囲の下限値Pbよりも小さくない、すなわち適正範囲かまたはそれ以上であることを判断すると(ステップS52で「No」)、クラッチトルク補正制御が不要として、ステップS57に進む。ステップS57では、プリントジョブ終了か否かを判断する。プリントすべき複数枚の用紙Sのうち、最後の用紙Sの給紙カセット31からの給紙が終了している場合、プリントジョブ終了と判断し、そうでない場合、プリントジョブ終了ではないと判断する。
プリントジョブ終了ではないと判断すると(ステップS57で「No」)、現時点以降、給紙されるべき用紙Sが未だ残っているとして、ステップS51に戻る。ステップS51では、次の用紙Sとさらにその次の用紙Sの用紙間隔Pwが測定される。測定した用紙間隔PwがPbよりも小さくなければ(ステップS52で「No」)、再度、ステップS57に進む。
プリントジョブ終了までの間に、複数回、測定された用紙間隔PwのいずれもPbよりも小さいと判断されなければ(ステップS52で「No」)、ステップS51からS52で「No」、S57で「No」を経てS51に戻る処理を繰り返し実行する。プリントジョブ終了が判断されると(ステップS57で「Yes」)、当該処理を終了する。
プリントジョブ終了までの間に、測定された用紙間隔PwがPbよりも小さいと判断されると(ステップS52で「Yes」)、その用紙間隔Pwに応じたクラッチトルクTc2の値αを求める(ステップS53)。ここでは、用紙間隔PwとクラッチトルクTc2との対応関係を示すテーブル77(図15)が参照される。
具体的には、図15に示すテーブル77に書き込まれている用紙間隔Pw1、Pw2・・のうち、測定された用紙間隔Pwに対応するクラッチトルクの値を読み出して、読み出した値をクラッチトルクTc2の値αに決定する。
ここで、テーブル77のクラッチトルク欄の「適正値」とは、図12に示すステップS23で求められたTc2の適正値に相当する。「適正値−α1」のα1とは、用紙間隔Pw1と下限値Pbとの差分(=Pb−Pw1)の大きさ、つまり用紙間隔Pwが適正範囲から小さくなる方向に外れた分だけ、レジストローラー34を早く停止させる(停止を前倒しする)のに必要なクラッチトルクTc2の、本来の適正値からの下げ幅に相当する。
従って、用紙間隔がPw1(<Pb)の場合に、クラッチトルクTc2の値αを、適正値からα1を差し引いた値に設定すれば、クラッチトルクTc2が適正値の場合よりもそのα1の分だけ、レジストローラー34の停止タイミングが早くなる。これにより、用紙Sの搬送が進み過ぎている場合でも、その用紙Sの先端がレジストローラー34に到達した時点で、レジストローラー34の回転を停止状態にさせておくことが可能になる。
他の用紙間隔Pw2、Pw3・・と、これに対応するクラッチトルクTc2欄の(適正値−α2)、(適正値−α3)・・についても同様である。用紙間隔Pwが狭くなるほど、レジストローラー34の回転停止タイミングをより早める必要があるので、Pw1>Pw2>Pw3・・の場合、α1<α2<α3・・の関係になる。
用紙間隔PwとクラッチトルクTc2との対応関係は、予め実験などにより決められる。具体的には、負荷トルクTr2の大きさによってクラッチトルクTc2の適正値の大きさもが変わるので、その適正値の大きさごとに、異なる用紙間隔Pwのそれぞれのときに、次の用紙Sの先端がレジストローラー34に到達する時点でレジストローラー34の回転が停止しているようになるα1、α2・・の値が決められる。
図14に戻って、ステップS54では、求めたクラッチトルクTc2の値αが負荷トルクTr2よりも小さいか否かを判断する。α<Tr2の場合、電磁クラッチ92のクラッチトルクがTc1からTc2(=α)まで低下した時点で、空回転中のレジストローラー34の回転負荷による負荷トルクTr2の方がクラッチトルクTc2を上回ることになり、アーマチュア922がローター921に対してすべるようになって好ましくない。
そこで、本実施の形態では、α<Tr2の場合とα≧Tr2の場合とで異なる処理を実行するとしている。すなわち、α≧Tr2であれば(ステップS54で「No」)、上記のすべりが生じないので、クラッチトルクTc2を上記αに補正して(ステップS55)、ステップS57に進む。この補正以降、図12に示すステップS25においてクラッチトルクTc2にはαが適用され、クラッチ電圧Vc2にはクラッチトルクαに応じた電圧が設定される。
一方、α<Tr2であれば(ステップS54で「Yes」)、レジストローラー34の回転停止タイミングを早められるが、クラッチトルクTc2の補正をすればα<Tr2の関係から上記のすべりが生じるおそれがあるので、この補正を禁止し、次の用紙Sに対する給紙カセット31からの給紙開始タイミングを、通常(用紙間隔Pwが適正範囲内にある場合)よりも遅延させて(ステップS56)、ステップS57に進む。
給紙開始タイミングの遅延は、次の用紙Sが図4に示す2枚目の用紙Sbの場合、その給紙開始のための電磁クラッチ91のオンタイミングを所定時間だけ遅らせることにより行われる。この給紙開始タイミングの遅延により、用紙Sの搬送が進むすぎる場合でも、2枚目の用紙Sbの先端がレジストローラー34に到達した時点でレジストローラー34の回転が既に停止している状態にすることができ、また、用紙間隔Pwがこれ以上、狭くなることを防止することもできるようになる。3枚目以降についても同様である。
上記では、次の用紙Sbの給紙開始タイミングを遅延させる制御を説明したが、これに限られない。用紙Sbがレジストローラー34に到達するタイミングが通常よりも遅れるように、用紙Sbの搬送を遅らせる制御を行えれば良い。例えば、用紙Sbをレジストローラー34まで搬送するときの搬送速度をシステム速度よりも下げる制御をとることもできる。
また、用紙間隔Pwの大きさに応じてクラッチトルクTc2の値αを異ならせる構成例を説明したが、これに限られない。例えば、用紙間隔Pwに関係なく、Tc2の値を一律に負荷トルクTr2と等しい値または所定値だけ大きい値に固定することもできる。
なお、Tr2は、Tc2との大小関係で、アーマチュア922のすべりが生じるか生じないかの境界を示す値といえる。従って、Tc2=Tr2とした場合、レジストローラー34の回転中にTc2とTr2のそれぞれにある程度のばらつきが生じ、一時的にTc2<Tr2の関係になれば、その間、アーマチュア922のすべりの発生があり得る。そのようなばらつきがあってもTc2≧Tr2の関係が維持されるように、Tc2をTr2に対してある程度の余裕をもった大きさに設定することが望ましい。
本発明は、画像形成装置や画像読取装置を含む画像処理装置に限られず、電磁クラッチを制御する制御方法であるとしてもよい。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。さらに、本発明に係るプログラムは、例えばフレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROMなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、テーブル78を参照して、クラッチトルクTc2の適正値を設定するとしたが、これに限られない。
負荷トルクTr2≦クラッチトルクTc2<クラッチトルクTc1の大小関係を満たす範囲内でTc2の適正値を決める構成をとることもできる。
例えば、Tr2とTc1との中間値を求めて、求めた中間値をTc2の適正値とすることができる。また、負荷トルクTr2<負荷トルクTr1<クラッチトルクTc1の関係から、Tc2の適正値を、Tr2とTr1との中間値に設定するとしても良いし、Tr1とTc1との中間値に設定するとしても良い。
(2)また、上記ではTr2≦Tc3<Tc2の大小関係を満たすとしたが、ある程度のアーマチュア922のすべりを許容できるのであれば、例えばTc3<Tr2<Tc2の大小関係を満たすとしても良い。また、Tc3<Tc2<Tr2の大小関係を満たす範囲内でTc2の大きさを設定する構成をとることもできる。
(3)上記実施の形態では、搬送中の用紙Sの後端がレジストローラー34を通過したことを、用紙搬送中における負荷トルクTrの検出結果(Tr1からTr2への変化)に基づき推定するとしたが、この方法に限られない。例えば、レジストセンサー38が用紙Sの後端を検出してから所定時間の経過時を、用紙Sの後端がレジストローラー34を通過したことの推定とすることもできる。
また、上記実施の形態では、搬送中の用紙Sの後端がレジストローラー34の通過から時間Tj経過時(以下、「用紙通過直後」という。)または通過と同時(時間Tj=0)に、クラッチ電圧VcのVc1からVc2への切り替え制御、すなわちクラッチトルクTcのTc1からTc2への切り替え制御を実行するとしたが、これに限られない。
この切り替え制御を、用紙通過直後または通過と同時に開始することに代えて、例えば搬送中の用紙Sの後端がレジストローラー34を通過する直前に開始、具体的には用紙Sの後端から距離ΔL(例えば数mm)だけ先端側に位置する部分がレジストローラー34を通過した時点に開始する構成とすることもできる。
上記のように用紙搬送のときのクラッチトルクTc1は、通常、レジストローラー34による用紙搬送中の負荷トルクTr1よりもかなり大きな値に設定されている。このため、クラッチトルクTcの切り替え制御開始以降、クラッチトルクがTc1から減衰し始めても、用紙Sをわずかな距離ΔLだけ搬送するのに要する時間程度であれば、用紙Sの搬送に必要なクラッチトルクTcが確保されている場合があり得る。この場合、実質、レジストローラー34による用紙Sの搬送性に影響を与えないといえるので、クラッチトルクTcの切り替え制御を上記通過直前に開始することも可能になる。
このようすれば、用紙通過直後または通過と同時にクラッチトルクTcの切り替え制御を開始する構成よりもクラッチ電圧VcのVc1からVc2への切り替え開始が早まるので、それだけ電磁クラッチ92への電圧供給の遮断時までの間の時間に余裕ができる。
従って、その時間内にクラッチトルクをTc1からより小さなTc2まで落としておくことができるようになり、またクラッチトルクの減衰にある程度の時間がかかる場合でも、クラッチトルクのTc1からTc2への低下をより確実に行っておくことができるようにもなる。用紙搬送性に影響を与えない範囲で、装置構成(Tc1やTr1の差分、クラッチトルクの減衰に要する時間など)に応じて、クラッチトルクTcの切り替え制御の開始タイミングを、用紙通過直後、通過と同時または通過直前に決めることができる。
(4)上記実施の形態では、レジストローラー34の空回転中に負荷トルク検出部63が駆動モーター82への供給電流の大きさを検出して、その検出値に基づき負荷トルクTr2を測定するとしたが、測定方法はこれに限られない。レジストローラー34の空回転中に電磁クラッチ92の負荷トルクTr2を測定できれば良い。
(4−1)例えば、駆動モーター82への速度指示と負荷トルクとの間に対応関係がある場合に、その速度指示を負荷トルクの測定結果とみなす方法をとることもできる。
駆動モーター82に一定の電流値を供給して、レジストローラー34をシステム速度で空回転させている間に、負荷トルクTr2が何らかの影響により基準から変動した場合に、駆動モーター82への速度指示により空回転をシステム速度で維持しようとする構成では、その速度指示が現在の負荷トルクTr2の大きさを表すものとなる。
具体的には、負荷トルクが基準よりも1段階大きな値に変化した場合、システム速度を維持すべく、電流値を1段階増加させるために1段階の増速指示を行い、基準よりも2段階大きくなると電流値を2段階増加させるために2段階の増速指示を行い、逆に負荷トルクが基準よりも1段階小さくなると電流値を1段階低減させるために1段階の減速指示を行う場合、1段階の増速指示が基準よりも負荷トルクが1段階大きくなったことを示し、1段階の減速指示が基準よりも負荷トルクが1段階小さくなったことを示すことになる。
そこで、駆動モーター82への速度指示と負荷トルクTr2との間の対応関係を実験などで求めて、その対応関係を示す情報を予め記憶しておき、負荷トルクTr2の測定時には、駆動モーター82への現在の速度指示に対応する負荷トルクを読み出して、読み出した負荷トルクを現在の負荷トルクTr2とすることができる。
(4−2)上記の駆動モーター82への速度指示と負荷トルクの関係と同様に、レジストローラー34の空回転中に駆動モーター82のエンコーダーパルス信号の周波数と負荷トルクとの間に一定の対応関係がある場合には、その対応関係に基づき、負荷トルクTr2の測定時に駆動モーター82から出力されるエンコーダーパルス信号の周波数に対応する負荷トルクを求め、求めた負荷トルクを現在の負荷トルクTr2とすることができる。
また、駆動モーター82の回転数を示す信号であれば、エンコーダーパルス信号に限られず、例えばモーターに配されるローターの回転数に比例した周波数を示すFG(Frequency Generator)信号がモーターから出力される場合にはそのFG信号を用いることもできる。
(4−3)さらに、駆動モーター82がDCブラシレスモーターの場合、その巻線電流は、巻線のインダクタンス成分の影響を受け、モーター回転数と負荷トルクの大きさによって位相が変化する特性を有する。プリンター100では、モーター回転数がシステム速度で一定にされるため、位相の変化そのものが負荷トルクの変化を表すことになる。
そこで、モーター回転数を一定にした状態で、負荷トルクTr2が基準値からどれだけ変動すれば位相が基準位相からどれだけずれるのかを示す負荷トルクと位相の対応関係を予め実験などで求めて、その対応関係を示す情報を記憶しておく。そして、負荷トルクTr2の測定時には、駆動モーター82の現在の巻線電流の、基準位相からの位相の変化(ずれ量)を測定して、測定した位相のずれ量に対応する負荷トルクを読み出すことにより、現在の負荷トルクTr2を測定することが可能になる。
(4−4)また、レジストローラー34に負荷トルクを測定するためのトルク測定器を連結して、レジストローラー34が空回転中にそのトルク測定器で測定した負荷トルクを負荷トルクTr2として測定する方法をとることもできる。
(5)負荷トルクTr2は、空回転中のレジストローラー34の1回転の周期F内で変動することが多いので、例えば空回転中に所定の時間間隔ごとに負荷トルクを測定し、各測定値の平均値や、測定された負荷トルクが周期的に変動している場合に各周期の最大値の平均値を、負荷トルクTr2の値と決めることができる。所定間隔をできるだけ短くして測定値の数を多くとることが望ましい。なお、1回の測定値を負荷トルクTr2の値とすることもできる。
(6)さらに、上記では負荷トルクの測定時期をユーザによるサイドカバー25の開閉時としたが、これに限られない。サイドカバー25以外に、プリンター100の内部(装置内部)を遮蔽する閉姿勢と開放する開姿勢とに開閉可能なカバー部材が備えられている場合にそのカバー部材の開閉時とすることもできる。
カバー開閉は、例えば発生したジャムの解除、装置本体内部のメンテナンス、部品の交換などの操作を行うときにユーザにより実行される。このようなジャム解除やメンテナンスなど操作が行われた場合、その操作の前後でレジストローラー34の回転負荷に何らかの変動をもたらす可能性があるので、この操作を契機に測定を実行すれば、そのような変動が生じていたとしても、その変動後の負荷トルクを測定することができる。
さらに、プリンター100への電源の供給と遮断を切り替える電源スイッチのオンを契機に負荷トルクの測定を実行することもできる。電源スイッチのオンによりプリンター100に電源が供給されると、通常、ウォームアップが実行される。
このウォームアップは、電源供給からプリント開始可能なレディ状態に至るまでの間に実行され、ウォームアップ中には駆動モーター81の回転駆動により感光体ドラム11や中間転写ベルト21などを空回転させて、その動作確認や画質調整のための画像安定化動作などが実行される構成のものが多い。この感光体ドラム11などの空回転中に、これらと並行して、駆動モーター82の回転駆動とともに電磁クラッチ92のオンにより、レジストローラー34を空回転させて、負荷トルクを測定することができる。
なお、電源スイッチのオン(電源供給)とオフ(電源供給の遮断)の切り替え操作が一日のうち、何回か行われる場合もあり得るが、この場合、一日のうち最初の電源スイッチのオンのときだけに負荷トルクの測定を行うとしても良い。
(7)上記実施の形態では、クラッチトルクTcのTc1からTc2への切り替えを
クラッチ電圧VcのVc1からVc2への切り替えにより行うとしたが、これに限られない。クラッチトルクTcがTc1からTc2に切り替え可能な回路構成であれば良い。例えば、電源から電磁クラッチ92に電力を供給するための電源ライン上に可変抵抗を設け、クラッチトルクの切り替え時に、電磁クラッチ92への供給電圧を一定のまま可変抵抗の抵抗値Rを、クラッチトルクTc1に対応する抵抗値R1からクラッチトルクTc2に対応する抵抗値R2(>R1)に変更する構成が考えられる。
また、電磁クラッチ92への駆動電圧の供給を電磁クラッチ92のオン、その電圧供給の遮断を電磁クラッチ92のオフとしたが、これに限られない。電磁クラッチ92への電力供給を遮断した時点から遅れてアーマチュア922が釈放される場合のその電力供給の遮断を、電磁クラッチ92のオフと定義することができる。例えば、電磁クラッチ92の励磁コイルへの印加電圧を一定にして、電磁クラッチ92への駆動電流の供給遮断により電磁クラッチ92への電力供給の遮断を実行する回路構成をとることもできる。
(8)上記実施の形態では、画像形成装置の一例としてのタンデム型のカラープリンター100の構成例を説明したが、これに限られない。画像形成装置としては、例えば複写機やファクシミリ装置、複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)等などに適用できる。
また、画像形成装置に限られず、スキャナーなどの画像読取装置にセットされた原稿の読取位置への搬送に適用することもできる。
具体的には、原稿トレイにセットされた原稿を1枚ずつ搬送路に繰り出して、繰り出された原稿を、レジストローラー対(レジストローラー対34に相当)と、これよりも搬送方向上流側の搬送ローラー対(搬送ローラー対33に相当)により、その原稿の先端部にループを形成した後、画像読取のタイミングに合わせて読取位置に搬送し、搬送される原稿が読取位置を通過する際にその原稿の画像を光学的に読み取る画像読取装置において、モーターなどの駆動源の回転駆動力を電磁クラッチを介してレジストローラー対に伝達する構成に、上記と同様の制御を適用することができる。
(9)さらに、搬送中の用紙Sや原稿などのシートをループ形成のために一時停止する場合に限られない。ループ形成の有無にかかわらず、モーターなどの駆動源と、搬送ローラーや搬送ベルトなどの搬送回転体との間に介在する電磁クラッチを入り動作させて、駆動源の駆動力を搬送回転体に伝達し、搬送回転体を回転させてシートを搬送し、当該シートの後端が搬送回転体を通過した後、電磁クラッチへの供給電力を遮断して電磁クラッチを切る構成のシート搬送装置、およびこのシート搬送装置を備える画像形成装置や画像読取装置などを含む画像処理装置一般に適用可能である。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしても良い。
本発明は、駆動源の回転駆動力を搬送ローラーなどの搬送回転体に電磁クラッチを介して伝達して、搬送回転体を回転させることによりシートを搬送するシート搬送装置に広く適用することができる。
34 レジストローラー
38 レジストセンサー
60 モーター制御部
61 駆動ドライバー
62 回転制御部
63 負荷トルク検出部
64 記憶部
67、77、78、79 テーブル
70 クラッチ制御部
71 トルク設定部
72 オン/オフ制御部
81、82 駆動モーター
91、92 電磁クラッチ
100 プリンター(画像形成装置)
921 ローター
922 アーマチュア
F1 吸引力
F2 付勢力
Pw 用紙間隔
Tc クラッチトルク
Te、Tg 電磁クラッチへの電圧供給の遮断からアーマチュアの釈放までに要する時間
Tj、Ts 所定時間
Vc クラッチ電圧
Vc1、Vc2 駆動電圧

Claims (13)

  1. 駆動源と搬送回転体との間に介在する電磁クラッチを入り動作させて、前記駆動源の駆動力を前記搬送回転体に伝達して、当該搬送回転体を回転させてシートを搬送し、当該シートの後端が前記搬送回転体を通過した後、前記電磁クラッチへの電力供給を遮断するシート搬送装置であって、
    シート搬送中の前記電磁クラッチの伝達トルクを第1の値としたとき、前記搬送回転体により搬送されているシートの後端が前記搬送回転体を通過する直前の時点から前記遮断までの間に前記電磁クラッチの伝達トルクを前記第1の値よりも小さい第2の値に強制的に低下させる制御を行う制御手段を備え
    前記直前の時点は、前記シートの後端から距離ΔLだけ搬送方向先端側に位置する部分が前記搬送回転体を通過した時点であり、
    前記距離ΔLは、前記搬送回転体による前記シートの搬送中に前記伝達トルクの前記第2の値への低下を開始させても搬送性に影響を与えることのない、前記シートの後端から搬送方向先端側の範囲の長さを示し、
    前記第2の値は、
    前記搬送回転体がシートを搬送していない空回転中に前記電磁クラッチに掛かる負荷トルク以上の大きさであることを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記搬送回転体により搬送されているシートの後端が当該搬送回転体を通過したことを判断する判断手段を備え、
    前記判断が行われてから前記遮断までの間に、前記伝達トルクを前記第1の値から前記第2の値に低下させることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記搬送回転体の空回転中に前記負荷トルクを測定する測定手段を備え、
    前記第2の値を、前記測定手段による測定値以上で前記第1の値未満の範囲内の値に設定することを特徴とする請求項1または2に記載のシート搬送装置。
  4. 前記測定手段は、
    前記シート搬送装置に電源が供給されたとき、または当該装置内部を遮蔽する閉姿勢と開放する開姿勢とに開閉可能なカバー部材の開閉が行われたときに、前記搬送回転体を空回転させて前記測定を実行することを特徴とする請求項に記載のシート搬送装置。
  5. 前記駆動源は、モーターであり、
    前記測定手段は、
    前記搬送回転体を一定速度で回転させようとするとき、前記モーターへの供給電流の大きさが前記負荷トルクの大きさにより変化する特性を有するモータである場合、当該モーターへの供給電流の大きさに基づき前記負荷トルクを測定し、または、前記モーターの巻線に流れる電流の位相が前記負荷トルクの大きさにより変化する特性を有するモータである場合、当該位相の変化に基づき前記負荷トルクを測定することを特徴とする請求項3または4に記載のシート搬送装置。
  6. 前記測定手段は、
    所定の時間間隔ごとに前記負荷トルクを測定し、
    前記制御手段は、
    前記測定された負荷トルクの値が周期的に変動している場合、各周期の最大値の平均値を前記測定値とすることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  7. 前記電磁クラッチは、
    供給される電圧が小さくなるに伴って前記伝達トルクが小さくなる特性を有し、
    前記制御手段は、
    前記電磁クラッチへの供給電圧を、前記伝達トルクが前記第1の値になっているときの第1の電圧値からこれよりも小さい第2の電圧値に下げることにより、前記伝達トルクを前記第1の値から前記第2の値に低下させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記電磁クラッチへの供給電圧をパルス幅変調することにより、前記第1の電圧値から前記第2の電圧値に下げることを特徴とする請求項に記載のシート搬送装置。
  9. 電源から前記電磁クラッチに電力を供給するための電源ライン上に設けられた可変抵抗を備え、
    前記制御手段は、
    前記可変抵抗の抵抗値を変更することにより、前記第1の電圧値から前記第2の電圧値に下げることを特徴とする請求項に記載のシート搬送装置。
  10. 前記電磁クラッチへの電力供給の遮断は、
    当該電磁クラッチへの電圧供給の遮断により行われることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  11. 画像処理の対象となるシートをシート搬送部の搬送回転体により搬送する画像処理装置であって、
    前記シート搬送部として、請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えることを特徴とする画像処理装置。
  12. 画像処理の対象となるシートをシート搬送装置により搬送する画像処理装置であって、
    前記シート搬送装置は、
    駆動源と搬送回転体との間に介在する電磁クラッチを入り動作させて、前記駆動源の駆動力を前記搬送回転体に伝達して、当該搬送回転体を回転させてシートを搬送し、当該シートの後端が前記搬送回転体を通過した後、前記電磁クラッチへの電力供給を遮断し、
    シート搬送中の前記電磁クラッチの伝達トルクを第1の値としたとき、前記搬送回転体により搬送されているシートの後端が前記搬送回転体を通過する直前の時点から前記遮断までの間に前記電磁クラッチの伝達トルクを前記第1の値よりも小さい第2の値に強制的に低下させる制御を行う制御手段を備え、
    前記直前の時点は、前記シートの後端から距離ΔLだけ搬送方向先端側に位置する部分が前記搬送回転体を通過した時点であり、
    前記距離ΔLは、前記搬送回転体による前記シートの搬送中に前記伝達トルクの前記第2の値への低下を開始させても搬送性に影響を与えることのない、前記シートの後端から搬送方向先端側の範囲を示し、
    前記画像処理装置は、
    像担持体への画像形成のタイミングに合わせてシートを転写位置に搬送するレジストローラー対、または前記シートをその画像読取のタイミングに合わせて読取位置に搬送するレジストローラー対を備え、
    前記搬送回転体は、前記レジストローラー対であり、
    前記シート搬送装置は、
    前記レジストローラー対よりもシート搬送方向上流側に配された搬送ローラーを備え、
    第1のシートの後端が前記レジストローラー対を通過後、当該シート搬送装置の電磁クラッチへの電力供給を遮断して当該レジストローラー対の回転を停止させ、当該回転停止状態のレジストローラー対に向けて前記搬送ローラーにより第2のシートを搬送させ、当該第2のシートの先端が前記回転停止状態のレジストローラー対のニップに当接した後、前記タイミングに至ると、前記電磁クラッチを入り動作させて前記レジストローラー対の回転を再開させ、当該第2のシートを当該レジストローラー対により搬送するレジスト動作を実行し、
    前記シート搬送装置の制御手段は、
    前記第1のシートと前記第2のシートのシート間隔を測定する測定手段を備え、
    前記測定されたシート間隔が第1の間隔からこれよりも狭い第2の間隔に変動した場合、前記第2の値を、前記第1の間隔に応じた値から前記第2の間隔に応じた値に下げる補正を行うことを特徴とする画像処理装置。
  13. 前記制御手段は、
    前記レジストローラー対がシートを搬送していない空回転中に前記電磁クラッチに掛かる負荷トルクを取得し、
    前記第2の値を補正すれば、当該補正後の第2の値が前記取得された負荷トルクよりも小さくなる場合には、前記補正を禁止して、前記第2のシートの搬送を、前記シート間隔が前記第1の間隔の場合よりも遅らせることを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
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