JP6182022B2 - イエロートナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法などの記録方法に用いられるイエロートナーに関する。
近年、カラー画像の普及が盛んで高画質化への要求が高まっている。デジタルフルカラー複写機やプリンターにおいては、色画像原稿をブルー、グリーン、レッドの各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像に対応した潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色現像剤を用い現像する。そのため、各色の現像剤中の着色剤が持つ着色力が画質に大きな影響を与えることになる。
また、印刷業界におけるジャパンカラー、DeskTop Publishing(DTP)におけるAdobeRGBをはじめとする色空間の再現性が重要性となっている。この色空間の再現性には顔料の分散性の改善の他、色域の広い染料を用いる方法が知られている。
トナー用のイエロー着色剤の代表的な例として、イソインドリノン、キノフタロン、イソインドリン、アントラキノン、アゾ骨格などを有する化合物が知られている。その中でもイエロー染料として、透明性と着色力が高く、耐光性にすぐれるC.I.ソルベントイエロー162のようなアゾ骨格を用いる例がいくつか知られている(特許文献1〜3参照)。
特に、トナー用のイエロー着色剤として、C.I.ソルベントイエロー162のようなアゾ骨格を有する化合物を用いた場合、その染料の特徴から黄色の色域の発色性が優れたイエロートナーを得ることができる。
しかしながら、彩度を良好にすること、及び、グリーンの色域を広げることについては更なる改善の必要性があった。
特開昭61−112160号公報 特開平07−140716号公報 特開平11−282208号公報
本発明の目的は、彩度が良好であり、グリーンの色域を広げることができるイエロートナーを提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。
即ち、本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するイエロートナーであって、該着色剤は、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするイエロートナーを提供する。
Figure 0006182022
[一般式(1)中、Rはアルキル基、アリール基又はアミノ基を表し、Rはカルボン酸エステル基、カルボン酸ジアルキルアミド基、カルボン酸ジフェニルアミド基、カルボン酸モノアルキルアミド基又はカルボン酸モノフェニルアミド基を表し、Aはカルボニル基又はスルホニル基を表し、R及びRは、各々独立してアルキル基又はアリール基を表す]
本発明によれば、彩度が良好であり、グリーンの色域を広げることができるイエロートナーを提供することができる。
本発明の一般式(1)で表される化合物の一つである化合物(5)のDMSO−d中、室温、400MHzにおけるH−NMRスペクトルを表す図である。
以下に、実施するための形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下のようなトナーによって、彩度が良好であり、グリーンの色域を広げることができることを見出した。
すなわち、本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するイエロートナーであって、該着色剤は、下記一般式(1)で表される化合物(以下、色素化合物とも称する)を含むトナーである。
Figure 0006182022
[一般式(1)中、Rはアルキル基、アリール基又はアミノ基を表し、Rはカルボン酸エステル基又はカルボン酸アミド基を表し、Aはカルボニル基又はスルホニル基を表し、R及びRは、各々独立してアルキル基又はアリール基を表す]。
<着色剤>
まず、着色剤として用いられる上記一般式(1)で表される化合物について説明する。一般式(1)で表される、本発明に用いられる化合物は、トナーに用いられる結着樹脂との相溶性が高く、高い親和性を有する。
一般式(1)中のRにおけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
におけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、フェニル基が挙げられる。
におけるアミノ基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、無置換アミノ基(−NH)、プロピルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジプロピルアミノ基が挙げられる。
その中でも、Rがアルキル基であることが好ましく、特にメチル基であることがグリーンの色域を更に広げることができるので好ましい。
一般式(1)中のRにおけるカルボン酸エステル基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、カルボン酸メチルエステル基、カルボン酸エチルエステル基、カルボン酸プロピルエステル基、カルボン酸ブチルエステル基、カルボン酸2−エチルヘキシルエステル基が挙げられる。
におけるカルボン酸アミド基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、カルボン酸ジメチルアミド基、カルボン酸ジエチルアミド基の如きカルボン酸ジアルキルアミド基、カルボン酸ジフェニルアミド基の如きカルボン酸ジフェニルアミド基、カルボン酸メチルアミド基、カルボン酸エチルアミド基、カルボン酸t−ブチルアミド基の如きカルボン酸モノアルキルアミド基、カルボン酸フェニルアミド基の如きカルボン酸モノフェニルアミド基が挙げられる。
がカルボン酸エステル基であることが好ましく、特にカルボン酸メチルエステル基、カルボン酸エチルエステル基であることが、結着樹脂との相溶性が高くなり、彩度の伸びが良く、グリーンの色域を広げるのに有用である。
一般式(1)中のR、Rにおけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2−エチルプロピル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキセニルエチル基の如き直鎖状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20個の1級〜3級のアルキル基が挙げられる。
一般式(1)中のR、Rにおけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、フェニル基が挙げられる。
また、R、Rは同一の置換基であることが好ましく、特に、R、Rが同一のアルキル基を表す場合が、溶剤への溶解性が高くなるため好ましい。
及びRが、それぞれ独立して、エチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2−エチルプロピル、2−エチルヘキシル基、シクロヘキセニルエチル基の場合、溶剤への溶解性が高くなり、グリーンの色域が広げられるため好ましい。その中でも、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の好ましい例として、化合物(1)〜(25)を以下に示すが、本発明に用いられる一般式(1)で表わされる化合物は、特に下記の化合物に限定されるものではない。
また、一般式(1)で表される構造を有する化合物は、アゾ−ヒドラゾ互変異性体があり、それらはいずれも本発明の範疇である。
Figure 0006182022
Figure 0006182022
上記化合物の中でも、化合物(1)、(4)、(10)、(11)、(18)、(19)、(20)、(23)、(24)、(26)、(27)又は(28)が好ましく、より好ましくは、化合物(1)、(4)、(11)、(18)、(23)、(26)又は(28)である。
一般式(1)で表される化合物の含有量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部であることが好ましい。
本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物は、各トナーの製造手段に応じて、色調を調整するために、これらの化合物を単独で、あるいは公知のイエロー染料を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物は、一般的なイエロー顔料と組み合わせることも可能である。特に、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー155と組み合わせて用いることが良好なイエロー色を得る上で効果的である。これらの顔料は、単独でも、2種以上混合して用いてもよい。
なお、一般式(1)で表わされる化合物は、公知の方法によって合成することが可能である。
また、着色剤はトナーを製造する際に、着色剤を分散媒体に分散させた色素分散体として用いてもよい。
一般式(1)で表される化合物を着色剤として用いた場合には、分散媒体に分散させた際の粘度の増加を抑制できる。そのため、調製された色素分散体は、混合工程や造粒工程におけるハンドリングが容易であり、着色剤が良好に分散しており、且つ粒度分布がシャープであるトナーを得ることができる。
色素分散体について説明する。
本発明に用いられる分散媒体は、水、有機溶剤又はそれらの混合物のことを指す。
色素分散体は、この分散媒体中に、一般式(1)で表される色素化合物を分散処理することで得られる。具体的には、以下の方法が挙げられる。
分散媒体中に一般式(1)で表される色素化合物と、必要に応じて樹脂を溶かし込み、撹拌しながら十分に分散媒体になじませる。さらに、ボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、ハイスピードミルの如き分散機により機械的せん断力を加えることで、色素化合物を安定に均一な微粒子状に微分散することができる。
本発明において、色素分散体中の色素化合物の量は、分散媒体100質量部に対して1.0〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは2.0〜20質量部、特に好ましくは3.0〜15質量部である。色素化合物の含有量が上記の範囲内であれば、粘度の上昇や色素化合物分散性を更に向上させることができ、良好な着色力を発揮することができる。
本発明において、色素分散体は乳化剤を用いて水に分散させることができる。例えば、樹脂を含有する色素分散体を水に分散させた場合には、溶解懸濁法でトナーを製造することができる。乳化剤としては、具体的には、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドが挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖が挙げられる。
分散媒体として用いられる有機溶剤としては、以下のものが挙げられる。メチルアルコール、エチルアルコール、変成エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールの如きアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの如きグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートの如きエステル類;ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き炭化水素系溶剤;四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロムエタンの如きハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフランの如きエーテル類;メチラール、ジエチルアセタールの如きアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸の如き有機酸類;ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドの如き硫黄・窒素含有有機化合物類。
また、懸濁重合法によってトナー粒子を製造する場合、本発明で用いる有機溶剤としては、重合性単量体を用いることが好ましい。重合性単量体は、付加重合性あるいは縮重合性単量体であることが好ましく、より好ましくは付加重合性単量体である。具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリロニトリル、アクリル酸アミドの如きアクリレート系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリロニトリル、メタクリル酸アミドの如きメタクリレート系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、シクロヘキセン等のオレフィン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、ヨウ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン化合物を挙げることができる。これらは使用用途に応じて、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の色素分散体を重合トナー用途に用いる場合は、上記重合性単量体の中でも、スチレン、又は、スチレン系単量体を単独もしくは、他の重合性単量体と混合して使用することが好ましい。特に扱い易さから、スチレンが好ましい。
前記色素分散体にはさらに樹脂を加えてもよい。色素分散体に使用し得る樹脂としては目的用途に応じて決められるものであり、特に限定されない。具体的には、ポリスチレン樹脂、スチレン共重合体、ポリアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、アクリル酸系共重合体、メタクリル酸系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルメチルエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独、あるいは2種以上混合して用いることができる。
<結着樹脂>
本発明に用いられる結着樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂を挙げることができる。
具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレンの如きスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシルの如きビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(アクリル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテルの単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトンの如きケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレンの如きオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂の如き非ビニル縮合系樹脂、及びこれら非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリエステル樹脂は、酸由来の構成成分(例えば、ジカルボン酸)とアルコール由来の構成成分(例えば、ジオール)とから合成されるものである。本発明において、「酸由来の構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来の構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
酸由来の構成成分は、特に限定されるものではないが、脂肪族ジカルボン酸由来の構成成分、2重結合を持つジカルボン酸由来の構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来の構成成分が挙げられる。具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、それらの低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。その中でも脂肪族ジカルボン酸由来の構成成分が好ましく、さらに、脂肪族ジカルボン酸における脂肪族部位が飽和カルボン酸であることが好ましい。
アルコール由来の構成成分としては、特に限定されるものではないが、脂肪族ジオールが好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールが挙げられる。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂は、特に制限はされないが、特に全成分中、アルコール成分/酸成分が45/55〜55/45のmol%比であるものが好ましい。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂は、分子鎖の末端基数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる。そのため、酸価は90mgKOH/g以下が好ましく、50mgKOH/g以下がより好ましい。また、水酸基価は50mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましい。
本発明において、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、トナー分子の分子量を制御するために、結着樹脂の合成時に架橋剤を用いることもできる。
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、二官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤は、前記単量体100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部、さらには0.1〜5質量部用いることがより好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度は、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜70℃である。また、該結着樹脂の数平均分子量(Mn)は2,500〜50,000であることが好ましい。また、該結着樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000であることが好ましい。
<ワックス>
トナー粒子は、ワックスを含有していてもよい。
本発明において使用し得るワックスとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャー・トロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びそれらの誘導体が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコール等のアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪族あるいはその化合物、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、もしくは併せて用いることができる。
ワックスの添加量としては、結着樹脂100質量部に対して総量で2.5〜15.0質量部の範囲であることが好ましく、さらには3.0〜10.0質量部の範囲であることがより好ましい。ワックスの添加量を上記の範囲に調整することによって、オイルレス定着を容易にすると共に、帯電特性への影響もより低く抑えることが可能となる。
本発明に用いられるワックスは、50℃以上200℃以下の融点のものが好ましく、55℃以上150℃以下の融点のものがさらに好ましい。なお、ワックスの融点が50℃以上200℃以下である場合、トナーの耐ブロッキング性が更に向上し、さらに、定着時のワックスの染み出しも向上し、オイルレス定着における剥離性も向上させることができる。
なお、本発明における融点とは、ASTM D3418−82に準じて測定された示差走査熱量(DSC)曲線における最大吸熱ピークのピーク温度である。具体的には、まず、示差走査熱量計を用い、測定温度範囲を30〜200℃、昇温速度を5℃/minとし、常温常湿環境下における2回目の昇温過程によって温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線を得る。この得られたDSC曲線における最大吸熱ピークのピーク温度を融点とした。なお、示差走査熱量計としては、メトラートレード社製のDSC822を用いた。
<その他のトナー構成材料>
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤を含有していても良い。これにより、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールを容易に行うことが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤は、トナーを負帯電性に制御する負帯電性の荷電制御剤とトナーを正帯電性に制御する正帯電性の荷電制御剤がある。
負荷電性の荷電制御剤としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はアルコキシスルホニル基を有する重合体又は共重合体、サリチル酸誘導体及びその金属錯体、モノアゾ金属化合物、芳香族オキシカルボン酸や、その金属塩、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
また、正荷電性の荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。これらを単独であるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
本発明のイエロートナーは、無機微粉体や樹脂粒子がトナー粒子に対して外部添加されていてもよい。無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ又はそれらの複酸化物や、これらを表面処理したものの微粉体が挙げられ、樹脂粒子としては、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂の如き樹脂粒子が挙げられる。これらの無機微粉体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤の機能を有する外添剤である。
以下にトナー粒子の製造方法について説明するが、本発明はこれらの製造方法に限定されるものではない。
トナー粒子の製造方法としては、粉砕法、懸濁重合法、懸濁造粒法、乳化重合法、乳化凝集法が挙げられる。
また、本発明のトナー粒子は液体現像法に用いられる現像剤(以下、液体現像剤と呼ぶ)に用いることができる。その中でも、トナー粒子は、懸濁重合法によって製造されたものであることが好ましい。
<懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法>
懸濁重合法では、着色剤、重合性単量体及び重合開始剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加え、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物を造粒して重合性単量体組成物の粒子を形成する造粒工程と、前記重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合させる重合工程を経てトナー粒子が製造される。また、必要に応じて、重合性単量体組成物は、さらにワックスを含んでいてもよい。
前記工程における重合性単量体組成物は、前記着色剤を第1の重合性単量体に分散させた分散液(色素分散体)を、第2の重合性単量体と混合して調製されたものであることが好ましい。即ち、着色剤を第1の重合性単量体により十分に分散させた後で、他のトナー材料と共に第2の重合性単量体と混合することにより、着色剤がより良好な分散状態でトナー粒子中に存在できるものとなる。なお、第1の重合性単量体と第2の重合性単量体は、同一の重合性単量体であっても異なる重合性単量体であってもよい。
前記懸濁重合法に用いられる重合開始剤としては、公知の重合開始剤を挙げることができる。
具体的には、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、有機金属化合物、光重合開始剤が挙げられる。より具体的には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)の如きアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−へキシルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエートの如き有機過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムの如き無機過酸化物系重合開始剤、過酸化水素−第1鉄系、BPO−ジメチルアニリン系、セリウム(IV)塩−アルコール系の如きレドックス開始剤が挙げられる。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ケタール系が挙げられる。これらの方法は、単独又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
前記重合開始剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部の範囲である。前記重合性開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減温度を参考に、単独又は混合して使用される。
前記懸濁重合法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、公知の無機系及び有機系の分散安定化剤を用いることができる。無機系の分散安定化剤としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。有機系の分散安定化剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。また、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤の利用も可能である。具体的には、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが挙げられる。
前記分散安定化剤のうち、本発明においては、酸に対して可溶性のある難水溶性無機分散安定化剤を用いることが好ましい。また、難水溶性無機分散安定化剤を用い、水系分散媒体を調製する場合に、これらの分散安定化剤が重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部となるような割合で使用することが該重合性単量体組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。また、本発明においては、重合性単量体組成物100質量部に対して300〜3000質量部の範囲の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
本発明において、前記の難水溶性無機分散安定化剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定化剤をそのまま用いて分散させてもよい。また、細かい均一な粒度を有する分散安定化剤粒子を得るために、水中にて高速撹拌下に、前記難水溶性無機分散安定化剤を生成させて調製することが好ましい。例えば、リン酸カルシウムを分散安定化剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定化剤を得ることができる。
<懸濁造粒法によるトナー粒子の製造方法>
本発明のトナーに含有されるトナー粒子は、懸濁造粒法により製造された粒子であってもよい。懸濁造粒法においては、加熱工程を有さないため、低融点ワックスを用いた場合に起こる樹脂とワックス成分の相溶化を抑制し、相溶化に起因するトナーのガラス転移温度の低下を防止することができる。また、懸濁造粒法は、結着樹脂となるトナー材料の選択肢が広く、一般的に定着性に有利とされるポリエステル樹脂を主成分にすることが容易である。そのため、懸濁重合法を適用できない樹脂組成のトナーを製造する場合に有利な製造方法である。
前記懸濁造粒法により製造されるトナー粒子は、下記のようにして製造される。
まず、着色剤、結着樹脂、ワックスを、溶剤中で混合して溶剤組成物を調製する。次に、該溶剤組成物を水系媒体中に分散して溶剤組成物の粒子を造粒してトナー粒子懸濁液を得る。そして、得られた懸濁液を加熱、又は減圧によって溶剤を除去することでトナー粒子を得ることができる。
前記工程における溶剤組成物は、前記着色剤を第1の溶剤に分散させた分散液を、第2の溶剤と混合して調製されたものであることが好ましい。即ち、着色剤を第1の溶剤により十分に分散させた後で、他のトナー材料と共に第2の溶剤と混合することにより、着色剤がより良好な分散状態でトナー粒子中に存在できるものとなる。
前記懸濁造粒法に用いることができる溶剤としては、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素の如き含ハロゲン炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールの如き多価アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブの如きセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類、ベンジルアルコールエチルエーテル、ベンジルアルコールイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランの如きエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル類が挙げられる。これらを単独又は2種類以上混合して用いることができる。これらのうち、前記トナー粒子懸濁液中の溶剤を容易に除去するため、沸点が低く、且つ前記結着樹脂を十分に溶解できる溶剤を用いることが好ましい。
前記溶剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、50〜5000質量部の範囲が好ましく、120〜1000質量部の範囲がより好ましい。
前記懸濁造粒法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、懸濁重合法で用いられるものを同じく用いることができる。前記分散安定剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲である場合が、該溶剤組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。
<粉砕法によるトナー粒子の製造方法>
粉砕法トナーは、混合機、熱混練機、分級機の如き公知の製造装置を用いて製造することができる。
まず、結着樹脂及び着色剤、必要に応じてワックス、荷電制御剤やその他の材料をヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合する。次に、ロール、ニーダー又はエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融させる。さらに、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、ワックス等を分散させる。冷却固化の後、粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。
結着樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2種以上の樹脂を混合して用いる場合、トナーの粘弾性特性を制御するために、分子量の異なる樹脂を混合することが好ましい。
<乳化凝集法によるトナー粒子の製造>
次に、乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法について説明する。
まず、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、その他必要なトナー成分の分散液(例えば、ワックス分散液)を用意する。それぞれの分散液には、分散質と水系媒体とが含まれており、水系媒体は、水を主要成分としている媒体を意味する。水系媒体の具体例としては、水そのもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。
各分散液の混合液に含有される粒子を凝集し凝集体粒子を形成する工程(凝集工程)、並びに、該凝集体粒子を加熱し融合する工程(融合工程)、洗浄工程、乾燥工程を経て、トナー粒子を得る。
各粒子の分散液には、界面活性剤等の分散剤を添加することができる。着色剤粒子は公知の方法で分散されるが、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターの如きメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機が好ましく用いられる。
界面活性剤としては、水溶性高分子、無機化合物、及び、イオン性又は非イオン性の界面活性剤が挙げられる。特に、分散性の問題から分散性が高いイオン性が好ましく、特に、アニオン性界面活性剤が好ましく使われる。
また、洗浄性と界面活性能の観点から、界面活性剤の分子量は、100〜10,000であることが好ましく、より好ましくは200〜5,000である。
当該界面活性剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムの如き水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムの如きアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイドの如き両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンの如きノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムの如き無機化合物が挙げられる。
なお、これらは1種単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
(ワックス分散液)
ワックス分散液は、ワックスを水系媒体に分散させてなる。ワックス分散液は公知の方法で調製される。なお、ワックスとしては上記のワックスを使用することが可能である。
(樹脂粒子分散液)
樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水性媒体に分散させてなる。
本発明において、水系媒体とは、水を主要成分としている媒体を意味する。水系媒体の具体例としては、水そのもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。
上記樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂としては、結着樹脂として例示した樹脂を用いることができる。本発明に用いる樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水系媒体に分散させてなる。上記樹脂粒子分散液は公知の方法で調製される。例えば、ビニル系単量体、特にスチレン系単量体を構成要素とする樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液の場合は、当該単量体を、界面活性剤などを用いて乳化重合を実施することで樹脂粒子分散液を調製することができる。
また、その他の方法で作製した樹脂(例えば、ポリエステル樹脂)の場合は、水にイオン性の界面活性剤及び高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により分散させる。その後、溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。また、樹脂に界面活性剤を加え、ホモジナイザーなどの分散機により水中にて乳化分散する方法や転相乳化法などにより、樹脂粒子分散液を調製してもよい。
樹脂粒子分散液中の、樹脂粒子の体積基準のメジアン径は0.005〜1.0μmが好ましく、0.01〜0.4μmがより好ましい。該樹脂粒子の体積基準のメジアン径が上記範囲を満たすことによって、適切な粒径のトナーをより容易に得やすくなる。
樹脂粒子の平均粒径は、動的光散乱法(DLS)、レーザー散乱法、遠心沈降法、field−flow fractionation法、電気的検知体法の如き測定法によって測定することができる。なお、本発明において、樹脂粒子の平均粒径とは、特に断りが無ければ、後述するように、20℃、0.01質量%固形分濃度で、動的光散乱法(DLS)/レーザードップラー法で測定された体積基準の50%累積粒径値(D50)のことを意味する。
(着色剤粒子分散液)
着色剤粒子分散液は、着色剤を界面活性剤と共に水系媒体に分散させてなる。
まず、本発明の一般式(1)で表わされる化合物を分散液として調整する。また、一般式(1)で表わされる化合物の混合した分散液とすることも可能である。着色剤粒子は公知の方法で分散されるが、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターの如きメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機が好ましく用いられる。
界面活性剤の使用量は、トナー中の界面活性剤の除去のしやすさの観点から、着色剤100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量部であり、更に好ましくは0.5質量部〜3.0質量部である。その結果、得られたトナー中に残留する界面活性剤量が少なくなり、トナーの画像濃度が高く、且つ、カブリが発生しにくいといった効果が得られる。
[凝集工程]
凝集体粒子を形成させる方法としては、特に限定されるものではないが、pH調整剤、凝集剤、安定剤を上記混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力(攪拌)を適宜加える方法が好適に例示できる。
pH調整剤としては、特に限定されるものではないが、アンモニア、水酸化ナトリウムの如きアルカリ、硝酸、クエン酸の如き酸があげられる。
凝集剤としては、特に限定されるものではないが、塩化ナトリウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムの如き無機金属塩の他、2価以上の金属錯体があげられる。
安定剤としては、主に界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムの如き水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムの如きアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイドの如き両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンの如きノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムの如き無機化合物が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
ここで形成される凝集粒子の平均粒径としては、特に限定されるものではないが、通常、得ようとするトナー粒子の平均粒径と同じ程度になるように制御するとよい。制御は、前記凝集剤等の添加・混合時の温度と上記撹拌混合の条件を適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。さらに、トナー粒子間の融着を低減するため、上記pH調整剤、上記界面活性剤を適宜投入することができる。
[融合工程]
融合工程では、上記凝集体粒子を加熱して融合することでトナー粒子を形成する。
加熱の温度としては、凝集体粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)から樹脂の分解温度の間であればよい。凝集工程と同様の撹拌下で、界面活性剤の添加やpH調整により、凝集の進行を止め、樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱を行うことにより凝集体粒子を融合・合一させる。
加熱の時間としては、融合が十分に為される程度でよく、具体的には10分間〜10時間程度行えばよい。
また、融合工程の前後に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して上記凝集体粒子に微粒子を付着させてコア・シェル構造を形成する工程(付着工程)をさらに含むことも可能である。
[洗浄工程]
融合工程後に得られたトナー粒子を、適切な条件で洗浄、濾過、乾燥することにより、トナー粒子を得る。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、上記トナー粒子を十分に洗浄することが好ましい。
洗浄方法として、限定されるものではないが、トナー粒子を含む懸濁液を濾過し、得られた濾物に蒸留水を用いて撹拌洗浄し、さらにこれを濾過することで行うことができる。トナーの帯電性の観点から、濾液の電気伝導度が150μS/cm以下になるまで洗浄を繰り返す。濾液の電気伝導度を150μS/cm以下にすることで、トナーの帯電特性の低下を抑制し、結果としてカブリ発生の抑制や画像濃度をより向上させることができる。
[乾燥工程]
乾燥は、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法の如き公知の方法を利用することができる。トナー粒子の乾燥後の含水分率は、1.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以下である。
本発明のイエロートナーは、重量平均粒径(D4)が4.0〜9.0μmであることが好ましく、より好ましくは4.9〜7.5μmである。イエロートナーの重量平均粒径(D4)が上記範囲を満たす場合、帯電安定性が向上し、多数枚の連続現像動作(耐久動作)において、画像カブリや現像スジがより生じにくくなる。また、ハーフトーン部の再現性もより向上する。
本発明のイエロートナーは、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比(以下、重量平均粒径(D4)/個数平均粒径(D1)又はD4/D1とも称する)が1.35以下であることが好ましく、より好ましくは1.30以下である。イエロートナーが、上記関係を満たすことによって、カブリ発生の抑制や転写性が向上すると共に、線幅の太さがより均一となる。
なお、本発明のイエロートナーの重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)は、トナー粒子の製造方法によってその調整方法は異なる。例えば、懸濁重合法の場合は、水系分散媒体調製時に使用する分散剤濃度や反応撹拌速度、又は反応撹拌時間等をコントロールすることによって調整することができる。
本発明のイエロートナーのフロー式粒子像分析装置で測定される平均円形度が0.930以上0.995以下であることが好ましく、より好ましくは0.960以上0.990以下であることが、トナーの転写性が大幅に改善される点から好ましい。
また、本発明のトナーは液体現像法に用いられる現像剤(以下、液体現像剤とも呼ぶ)に用いることもできる。
<液体現像剤の製造方法>
以下、液体現像剤の製造方法について説明する。
まず、液体現像剤を得るには、電気絶縁性担体液にトナーを分散又は溶解させる。必要に応じて、更に電荷制御剤、ワックスを分散又は溶解させてもよい。また、先に、濃縮トナーを作り、さらに電気絶縁性担体液で希釈して現像剤を調製するというような、二段法で調製してもよい。
本発明で用いる分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
本発明のトナーに、更に公知の顔料や染料等の着色剤を単独、又は、2種以上を組み合わせて追加して用いることもできる。
本発明で用いられるワックス及び着色剤は前記と同様である。
本発明で用いられる電荷制御剤としては、静電荷現像用液体現像剤に用いられているものであれば、特に制限されることはないが、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、オレイン酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルべンゼンスルホン酸カルシウム、大豆レシチン、アルミニウムオクトエート等が挙げられる。
本発明で用いられる電気絶縁性担体液としては、特に制限はないが、例えば10Ω・cm以上の高い電気抵抗と3以下の低い誘電率を有する有機溶剤を使用することが好ましい。
具体的な例として、ヘキサン、ペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンのような脂肪族炭化水素溶剤、アイソパーH,G,K,L,M(エクソン化学(株)製)、リニアレンダイマーA−20、A−20H(出光興産(株)製)等、沸点が68〜250℃の温度範囲のものが好ましい。これらは、系の粘度が高くならない範囲で単独、又は、2種以上併用して用いてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。得られた反応生成物の同定は、下記に挙げる装置を用いた複数の分析方法によって行った。即ち、使用した分析装置は、H核磁気共鳴分光分析(ECA−400、日本電子(株)製)、MALDI MS(autoflex装置、ブルカー・ダルトニクス社製)であった。尚、MALDI MSにおいて検出イオンはネガティブモードを採用した。
〈製造例1:化合物(1)の製造〉
Figure 0006182022
アミン化合物(1)3.00gのN,N−ジメチルホルムアミド20mL溶液を5℃に冷却し、40%ニトロシル硫酸4.05gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液20mLをゆっくりと滴下した。これに亜硝酸ナトリウム0.63gの水3mL溶液を滴下し、一時間撹拌した後、アミド硫酸0.13gを添加して過剰のニトロシル硫酸を分解してジアゾ化A液を得た。また別途、ピリドン化合物(1)1.64gのジメチルホルムアミド8mL溶液を5℃に冷却し、これにジアゾ化A液を5℃以下の温度に保持されるようにゆっくりと滴下し、更に0〜5℃で2時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を濃縮し、得られた固体をカラムクロマトグラフィーにより精製(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム)し、さらにヘプタン/クロロホルム溶液で再結晶して3.55gの化合物(1)を得た。
[化合物(1)についての分析結果]
[1]H−NMR(400MHz、CDCl、室温):δ[ppm]=0.59−0.67(3H、m)、0.72−0.79(3H、m)、0.88−1.16(14H、m)、1.27−1.45(11H、m)、1.68−1.89(2H、m)、2.37(3H、s)、3.24(2H、d、J=6.10Hz)、3.35−3.71(2H、m)、4.41(2H、q、J=7.12Hz)、7.20(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.26(1H、d、J=7.63Hz)、7.46(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.84(1H、d、J=7.63Hz)、8.14(1H、s)、14.74(1H、s)
[2]質量分析:m/z=567.783(M−H)
〈製造例2:化合物(4)の製造〉
Figure 0006182022
アミン化合物(2)3.00gのメタノール10ml溶液を5℃に冷却し、35%の塩酸1.3mLを滴下した。これに亜硝酸ナトリウム0.58gの水3mL溶液を滴下し、一時間撹拌した後、アミド硫酸0.09gを添加して過剰の亜硝酸ナトリウムを分解してジアゾ化B液を得た。また別途、ピリドン化合物(2)1.49gのメタノール10mL溶液を5℃に冷却し、これにジアゾ化B液を5℃以下の温度に保持されるようにゆっくりと滴下し、更に0〜5℃で1時間撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、pHを6に中和した後、析出した固体をろ過し、さらに水で洗浄した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーにより精製(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)し、さらにヘプタン溶液で再結晶して3.0gの化合物(4)を得た。
[化合物(4)についての分析結果]
[1]H NMR(400MHz、CDCl、室温):δ[ppm]=0.74−0.87(14H、m)、1.03−1.43(21H、m)、2.32(3H、s)、2.98−3.21(4H、m)、7.23(1H、t、J=7.63Hz)、7.58(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.84(1H、d、J=7.63Hz)、7.93(1H、d、J=7.63Hz)、8.14(1H、br)、14.63(1H、s)
[2]質量分析:m/z=603.451(M−H)
〈製造例3:化合物(23)の製造〉
Figure 0006182022
アミン化合物(3)3.0gのメタノール20mL溶液を5℃に冷却し、35%の塩酸1.5mLを滴下した。これに亜硝酸ナトリウム0.63gの水3mL溶液を滴下し、一時間撹拌した後、アミド硫酸0.10gを添加して過剰の亜硝酸ナトリウムを分解し、ジアゾ化C液を得た。また別途、ピリドン化合物(3)1.87gのジメチルホルムアミド8mL溶液を5℃に冷却し、これにジアゾ化C液を5℃以下の温度に保持されるようにゆっくりと滴下し、更に0〜5℃で3時間撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、pHを6に中和した後、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を濃縮し、得られた固体をカラムクロマトグラフィーによる精製(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)し、さらにヘプタン/クロロホルム溶液で再結晶して4.3gの化合物(23)を得た。
[化合物(23)についての分析結果]
[1]H−NMR(400MHz、CDCl、室温):δ[ppm]=0.57−0.67(3H、m)、0.69−0.79(3H、m)、0.84−1.18(14H、m)、1.27−1.48(17H、m)、1.74−1.94(2H、m)、2.55(3H、s)、3.24(2H、d、J=6.10Hz)、3.35−3.69(2H、m)、6.81(1H、s)、7.20(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.26(1H、d、J=7.63Hz)、7.47(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.85(1H、d、J=7.63Hz)、8.21(1H、br)、14.78(1H、s)
[2]質量分析:m/z=594.530(M−H)
〈製造例4:化合物(11)の製造〉
製造例2において、アミン化合物(1)及びピリドン化合物(1)を、それぞれ下記アミン化合物(4)及びピリドン化合物(4)に変更した以外は製造例2と同様な操作で、化合物(11)を得た。
Figure 0006182022
[化合物(11)についての分析結果]
[1]H−NMR(400MHz、CDCl、室温):δ[ppm]=0.72(3H、t、J=7.25Hz)、0.82(3H、t、J=7.25Hz)、0.89−0.99(6H、m)、1.02−1.13(4H、m)、1.15−1.26(3H、m)、1.28−1.46(12H、m)、1.74−1.88(2H、m)、2.34(3H、s)、3.18(2H、d、J=6.87Hz)、3.42−3.49(2H、m)、4.40(2H、q、J=7.12Hz)、7.17−7.20(1H、m)、7.40−7.49(2H、m)、7.48(1H、s)、8.87(1H、br)、14.49(1H、s)
[2]質量分析:m/z=567.708(M−H)
〈製造例5:化合物(18)の製造〉
製造例1において、アミン化合物(1)及びピリドン化合物(1)を、アミン化合物(5)及びピリドン化合物(5)に変更した以外は製造例1と同様な操作で、化合物(18)を得た。
Figure 0006182022
[化合物(18)についての分析結果]
[1]H−NMR(400MHz、CDCl、室温):δ[ppm]=0.68−0.75(3H、m)、0.81−0.87(3H、m)、0.89−0.98(6H、m)、1.02−1.12(4H、m)、1.15−1.24(3H、m)、1.29−1.46(12H、m)、1.75−1.84(2H、m)、2.37(3H、s)、3.21(2H、d、J=6.10Hz)、3.44(2H、d、J=5.34Hz)、4.41(2H、q、J=7.12Hz)、7.45(4H、s)、8.78(1H、s)、14.49(1H、s)
[2]質量分析:m/z=567.612(M−H)
〈製造例6:化合物(26)の製造〉
製造例2において、アミン化合物(2)及びピリドン化合物(2)を、それぞれアミン化合物(6)及びピリドン化合物(6)に変更した以外は製造例2と同様の操作で、化合物(26)を得た。
Figure 0006182022
[化合物(26)についての分析結果]
[1]H−NMR(400MHz、CDCl、室温):δ[ppm]=0.58−1.81(47H、m)、2.66(1H、br)、2.77(1H、br)、3.22−3.36(4H、m)、3.67−3.81(2H、m)、7.18(1H、t、J=7.25Hz)、7.26(1H、d、J=9.92Hz)、7.45(1H、t、J=7.63Hz)、7.79(1H、d、J=7.63Hz)、8.10(1H、s)、14.45(1H、s)
[2]質量分析:m/z=662.464(M−H)
〈製造例7:化合物(28)の製造〉
製造例2において、アミン化合物(2)及びピリドン化合物(2)を、それぞれアミン化合物(7)及びピリドン化合物(7)に変更した以外は製造例2と同様の操作で、化合物(28)を得た。
Figure 0006182022
[化合物(28)についての分析結果]
[1]H−NMR(400MHz、CDCl、室温):δ[ppm]=1.18−2.06(20H、m)、2.37(3H、s)、2.71(1H、br)、3.23(2H、br)、4.40(2H、q、J=7.12Hz)、7.19(2H、d、J=6.10Hz)、7.44(2H、m)、7.75(1H、d、J=11.06Hz)、7.82(1H、d、J=6.87Hz)、8.08(1H、s)、14.56(1H、s)
[2]質量分析:m/z=507.261(M−H)
[イエロートナーの製造]
本発明のイエロートナー及び比較用のイエロートナーを以下に記載する方法で製造した。
<実施例1>
化合物(1)5質量部、スチレン120質量部の混合物をアトライター(三井鉱山社製)により3時間溶解させて色素分散体(1)を得た。
高速撹拌装置T.K.ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を備えた2L用四つ口フラスコ中にイオン交換水710部と0.1mol/l−リン酸三ナトリウム水溶液450部を添加し回転数を12000rpmに調製し、60℃に加温した。ここに1.0mol/l−塩化カルシウム水溶液68部を徐々に添加し微小な難水溶性分散安定剤リン酸カルシウムを含む水系分散媒体を調製した。
・色素分散体(1) 133.2質量部
・スチレン単量体 46.0質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 34.0質量部
・サリチル酸アルミニウム化合物 2.0質量部
(オリエント化学工業株式会社製 ボントロンE−88)
・極性樹脂 10.0質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
・エステルワックス 25.0質量部
(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)
・ジビニルベンゼン単量体 0.10質量部
上記処方を60℃に加温し、T.K.ホモミキサーを用いて5000rpmにて均一に溶解・分散した。これに重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、液温を60℃で重合を5時間継続させた後、液温を80℃に昇温させ8時間重合を継続させた。重合反応終了後、80℃/減圧下で残存単量体を留去した後、液温を30℃まで冷却し、重合体微粒子分散体を得た。
次に、重合体微粒子分散体を洗浄容器に移し、撹拌しながら、希塩酸を添加してpH1.5に調整し、2時間撹拌させた。濾過器で固液分離を行い、重合体微粒子を得た。重合体微粒子の水への再分散と固液分離とを、リン酸カルシウムを含むリン酸とカルシウムの化合物を十分に除去されるまで、繰り返し行った。その後に、最終的に固液分離した重合体微粒子を、乾燥機で十分に乾燥してイエロートナー粒子(1)を得た。
得られたイエロートナー粒子(1)100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体(数平均一次粒子径7nm)1.00質量部、ルチル型酸化チタン微粉体(数平均一次粒子径45nm)0.15質量部、ルチル型酸化チタン微粉体(数平均一次粒子径200nm)0.50質量部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)で5分間乾式混合して、本発明のイエロートナー(1)を得た。
<実施例2〜4>
実施例1において、化合物(1)を、化合物(4)6質量部、化合物(11)7質量部、化合物(26)7質量部に各々変更した以外は実施例1と同様にして本発明のイエロートナー(2)〜(4)を得た。
<比較例1>
実施例1において、化合物(1)を下記の比較化合物(1)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較用のイエロートナー(比1)を得た。
比較化合物(1)を以下に示す。
Figure 0006182022
<実施例5>
スチレン82.6質量部、アクリル酸n−ブチル9.2質量部、アクリル酸1.3質量部、ヘキサンジオールアクリレート0.4質量部、n−ラウリルメルカプタン3.2質量部を混合し溶解させた。この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5質量部のイオン交換水150質量部の水溶液を添加して、分散させた。さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15質量部のイオン交換水10質量部の水溶液を添加した。窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで、固形分濃度が12.5質量%、樹脂粒子の体積基準のメジアン径が0.2μmである樹脂粒子分散液を得た。
エステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)100質量部、ネオゲンRK15質量部をイオン交換水385質量部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散してワックス分散液を得た。ワックス分散液中のワックスの濃度は20質量%であった。
化合物(1)100質量部、ネオゲンRK15質量部をイオン交換水885質量部に混合させ、湿式ジェットミルJN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して化合物(1)分散液を得た。
化合物(1)分散液における着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、0.2μmであり、化合物(1)分散液中の化合物(1)の濃度は10質量%であった。
前記樹脂粒子分散液160質量部、ワックス分散液10質量部、化合物(1)分散液10質量部、硫酸マグネシウム0.2質量部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。ネオゲンRK(第一工業製薬社製)2.2部加えた後、80℃まで昇温して120分間撹拌して、融合した球形トナー粒子を得た。冷却後、ろ過し、ろ別した固体を720部のイオン交換水で、60分間攪拌洗浄した。トナー粒子を含む溶液をろ過し、ろ液の電気伝導度が150μS/cm以下となるまで同様な洗浄を繰り返した。真空乾燥機を用いて乾燥させ、トナー粒子(5)を得た。
上記各トナー粒子(5)100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、本発明のイエロートナー(5)を得た。
<実施例6及び7>
実施例5において、化合物(1)を、化合物(18)、化合物(28)に各々変更した以外は実施例1と同様にして本発明のイエロートナー(6)及び(7)を得た。
<比較例2>
実施例5において、化合物(1)を比較化合物(2)にした以外は実施例5と同様にして、比較用のイエロートナー(比2)を得た。
Figure 0006182022
<実施例8>
結着樹脂(ポリエステル樹脂)(Tg55℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価16mgKOH/g、分子量:Mp4500、Mn2300、Mw38000): 100質量部、化合物(4):5質量部、1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物: 0.5質量部、パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃): 5質量部をヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−45型、池貝鉄鋼(株)製)にて60kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて20kg/hrのFeed量で微粉砕した。
更に得られたトナー微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級することで、トナー粒子(8)を得た。
上記トナー粒子(8)100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、イエロートナー(8)を得た。
<実施例9及び10>
実施例8において、化合物(4)を、化合物(23)5質量部、化合物(28)6質量部に各々変更した以外は実施例8と同様の方法にして本発明のイエロートナー(9)及び(10)を得た。
<比較例3>
実施例8において、化合物(4)を比較化合物(2)に変更した以外は実施例8と同様の方法にして本発明のイエロートナー(比3)を得た。
<実施例11>
実施例1において、化合物(1)をC.I.ピグメントイエロー185(BASF社製、商品名「PALIOTOL Yellow D1155」)4質量部及び化合物(1)3質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法にして本発明のイエロートナー(11)を得た。
<比較例4>
実施例11において、化合物(1)を使用せず、C.I.ピグメントイエロー185(BASF社製、商品名「PALIOTOL Yellow D1155」)のみを7質量部使用することに変更した以外は実施例11と同様の方法にして比較用のイエロートナー(比4)を得た。
<実施例12>
実施例5と同様の方法で、固形分濃度が12.5質量%、樹脂粒子の体積基準のメジアン径が0.2μmである樹脂粒子分散液と、ワックスの濃度が20質量%であるワックス分散液を得た。
C.I.ピグメントイエロー180 (DIC株式会社製、商品名「SYMULER Fast Yellow BY2000GT」)100質量部、ネオゲンRK15質量部をイオン交換水885質量部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散してC.I.ピグメントイエロー180分散液を得た。
C.I.ピグメントイエロー180分散液における着色剤粒子の体積基準のメジアン径は0.2μmであり、C.I.ピグメントイエロー180分散液中のC.I.ピグメントイエロー180の濃度は10質量%であった。
化合物(18)100質量部、ネオゲンRK15質量部をイオン交換水885質量部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して化合物(18)分散液を得た。
化合物(18)分散液における着色剤粒子の体積基準のメジアン径は0.2μmであり、化合物(18)分散液中の化合物(18)の濃度は10質量%であった。
樹脂粒子分散液160質量部、ワックス分散液10質量部、C.I.ピグメントイエロー180分散液3質量部、化合物(18)分散液4質量部、硫酸マグネシウム0.2質量部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。ネオゲンRK(第一工業製薬社製)2.2質量部加えた後、80℃まで昇温して120分間撹拌して、融合した球形トナー粒子を得た。冷却後、ろ過し、ろ別した固体を720質量部のイオン交換水で、60分間攪拌洗浄した。トナー粒子を含む溶液をろ過し、ろ液の電気伝導度が150μS/cm以下となるまで同様な洗浄を繰り返した。真空乾燥機を用いて乾燥させ、トナー粒子(12)を得た。
上記トナー粒子(12)100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、それぞれイエロートナー(12)を得た。
<比較例5>
実施例12において、化合物(18)を使用せず、C.I.ピグメントイエロー180のみを7質量部使用することに変更した以外は実施例12と同様の方法にして本発明のイエロートナー(比5)を得た。
<実施例13>
結着樹脂(ポリエステル樹脂)(Tg55℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価16mgKOH/g、分子量:Mp4500、Mn2300、Mw38000): 100質量部 、C.I.ピグメントイエロー155(クラリアント社製、商品名「Toner Yellow 3GP」):3質量部、化合物(4):3質量部、1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物: 0.5質量部、パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃): 5質量部をヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−45型、池貝鉄鋼(株)製)で60kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて20kg/hrのFeed量で微粉砕した。
更に得られたトナー微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級することで、トナー粒子(13)を得た。
上記各トナー粒子(13)100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、それぞれイエロートナー(13)を得た。
<比較例6>
実施例13において、化合物(4)を使用せず、C.I.ピグメントイエロー155(クラリアント社製、商品名「Toner Yellow 3GP」)のみを7質量部使用することに変更した以外は実施例13と同様の方法にして比較用のイエロートナー(比6)を得た。
以下に上記のようにして得られたトナーの物性の測定方法及び評価方法について説明する。
(1)トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定
上記トナーの個数平均粒径(D1)及び重量平均粒径(D4)はコールター法による粒度分布解析にて測定した。測定装置として、コールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター株式会社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定した。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%塩化ナトリウム水溶液を調製した。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン株式会社製)が使用できる。具体的な測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料(トナー)を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行う。得られた分散処理液を、アパーチャーとして100μmアパーチャーを装着した前記測定装置により、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定してトナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、トナーの個数分布から求めた個数平均粒径(D1)と、トナー粒子の体積分布から求めたトナーの重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)及びD4/D1を求めた。
上記チャンネルとしては、2.00〜2.52μm、2.52〜3.17μm、3.17〜4.00μm、4.00〜5.04μm、5.04〜6.35μm、6.35〜8.00μm、8.00〜10.08μm、10.08〜12.70μm、12.70〜16.00μm、16.00〜20.20μm、20.20〜25.40μm、25.40〜32.00μm、32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
(2)トナーの体積基準の50%累積粒径値(D50)の測定
上記(1)に記載のトナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定で用いた装置を用いて、コールター原理による3次元(粒子体積)測定し、トナーの体積基準の50%累積粒径値(D50)を測定した。
(3)トナーの平均円形度の測定
フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス株式会社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
Figure 0006182022
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。円形度は粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
(4)イエロートナーを用いた画像サンプル評価
次に上述のイエロートナー(1)〜(13)と比較用イエロートナー(比1)〜(比6)を用いて、画像サンプルを出力し後述する画像特性を比較評価した。尚、画像特性の比較に際し画像形成装置(以下LBPと略)としてLBP−5300(キヤノン社製)の改造機を使用した通紙耐久を行った。改造内容としてはプロセスカートリッジ(以下CRGとする)内の現像ブレードを厚み8[μm]のSUSブレードに交換した。その上でトナー担持体である現像ローラーに印加する現像バイアスに対して−200[V]のブレードバイアスを印加できるようにした。
評価に際しては各イエロートナーを個別に充填したCRGを評価項目毎に用意した。そして各々のトナーを充填したCRGごとにLBPにセッティングし、下記に記載した評価項目毎に評価した。
<色域測定>
通常環境(温度25℃/湿度60%RH)下において最大トナー載り量を0.45mg/cm2に調整した16階調画像サンプルをカラー複写機CLC−1100改造機(キヤノン(株)製、定着オイル塗布機構を省いた)を用いて作成した。このとき、画像サンプルの基紙としては、CLCカラーコピー用紙(キヤノン(株)製)を用いた。得られた画像サンプルを分光光度計SpectroLino(Gretag Machbeth社製)にて、L表色系における色度(L、a、b)を測定した。彩度(c)は色特性の測定値に基づき、下記式によって算出した。
Figure 0006182022
[色調評価]
色調評価は以下のように行った。
ある同一のLにおけるグリーンの色域方向への色度の広がりが大きい程、グリーンの色域を広げるのに有用であるといえる。Lが92のときのa及びbの値で評価した。Lが92であるときのa、bは、各画像サンプルから得られたL、a、bから内挿して求めた。なお、下記の評価において、Aがグリーンの色域方向への色度の広がりが大きいことを意味し、A、B、Cの順にグリーンの色域方向への色度の広がりが小さくなることを意味する。
A:aが−5.0未満、かつbが100.0以上
B:aが−5.0以上、かつbが100.0以上
C:上記A及びBの条件以外
[彩度評価]
彩度評価を以下のように行った。
同じ単位面積当たりの着色剤量における彩度cが大きい程、彩度が良好であるといえる。上記バーコート法(Bar No.10)による画像サンプル作製時の彩度cを用いて評価した。尚、cは、前記式で算出される。
A:cが112.0以上
B:cが108.0以上112.0未満
C:cが108.0未満
上記の評価結果を表1に示す。なお、表1中、PY185、PY180、PY155は、それぞれC.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー155を示す。
Figure 0006182022
表1で示したように、本発明で得られるイエロートナーは対応する比較用イエロートナーと比較して彩度が良いことが分かり、本発明の一般式(1)で表わされる化合物を使用することによる効果が認められる。

Claims (7)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するイエロートナーであって、該着色剤は、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするイエロートナー。
    Figure 0006182022
    [一般式(1)中、Rはアルキル基、アリール基又はアミノ基を表し、Rはカルボン酸エステル基、カルボン酸ジアルキルアミド基、カルボン酸ジフェニルアミド基、カルボン酸モノアルキルアミド基又はカルボン酸モノフェニルアミド基を表し、Aはカルボニル基又はスルホニル基を表し、R及びRは、各々独立してアルキル基又はアリール基を表す]
  2. 前記一般式(1)中のRがアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
  3. 前記一般式(1)中のRがカルボン酸エステル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイエロートナー。
  4. 前記一般式(1)中のR及びRが、それぞれ独立して、エチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2−エチルプロピル、2−エチルヘキシル基又はシクロヘキセニルエチル基であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のイエロートナー。
  5. 前記一般式(1)中のR及びRが同一の置換基であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のイエロートナー。
  6. 前記一般式(1)中のR及びRがシクロヘキシル基または2−エチルヘキシル基であることを特徴とする請求項5に記載のイエロートナー。
  7. 前記トナー粒子は、さらにワックスを含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のイエロートナー。
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