JP6182022B2 - イエロートナー - Google Patents
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Description
特に、トナー用のイエロー着色剤として、C.I.ソルベントイエロー162のようなアゾ骨格を有する化合物を用いた場合、その染料の特徴から黄色の色域の発色性が優れたイエロートナーを得ることができる。
しかしながら、彩度を良好にすること、及び、グリーンの色域を広げることについては更なる改善の必要性があった。
本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下のようなトナーによって、彩度が良好であり、グリーンの色域を広げることができることを見出した。
すなわち、本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するイエロートナーであって、該着色剤は、下記一般式(1)で表される化合物(以下、色素化合物とも称する)を含むトナーである。
まず、着色剤として用いられる上記一般式(1)で表される化合物について説明する。一般式(1)で表される、本発明に用いられる化合物は、トナーに用いられる結着樹脂との相溶性が高く、高い親和性を有する。
R1におけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、フェニル基が挙げられる。
R1におけるアミノ基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、無置換アミノ基(−NH2)、プロピルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジプロピルアミノ基が挙げられる。
その中でも、R1がアルキル基であることが好ましく、特にメチル基であることがグリーンの色域を更に広げることができるので好ましい。
また、一般式(1)で表される構造を有する化合物は、アゾ−ヒドラゾ互変異性体があり、それらはいずれも本発明の範疇である。
本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物は、各トナーの製造手段に応じて、色調を調整するために、これらの化合物を単独で、あるいは公知のイエロー染料を組み合わせて用いることもできる。
本発明に用いられる分散媒体は、水、有機溶剤又はそれらの混合物のことを指す。
色素分散体は、この分散媒体中に、一般式(1)で表される色素化合物を分散処理することで得られる。具体的には、以下の方法が挙げられる。
分散媒体中に一般式(1)で表される色素化合物と、必要に応じて樹脂を溶かし込み、撹拌しながら十分に分散媒体になじませる。さらに、ボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、ハイスピードミルの如き分散機により機械的せん断力を加えることで、色素化合物を安定に均一な微粒子状に微分散することができる。
本発明に用いられる結着樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂を挙げることができる。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂は、特に制限はされないが、特に全成分中、アルコール成分/酸成分が45/55〜55/45のmol%比であるものが好ましい。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂は、分子鎖の末端基数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる。そのため、酸価は90mgKOH/g以下が好ましく、50mgKOH/g以下がより好ましい。また、水酸基価は50mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度は、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜70℃である。また、該結着樹脂の数平均分子量(Mn)は2,500〜50,000であることが好ましい。また、該結着樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000であることが好ましい。
トナー粒子は、ワックスを含有していてもよい。
本発明において使用し得るワックスとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャー・トロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びそれらの誘導体が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコール等のアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪族あるいはその化合物、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、もしくは併せて用いることができる。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤を含有していても良い。これにより、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールを容易に行うことが可能となる。
負荷電性の荷電制御剤としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はアルコキシスルホニル基を有する重合体又は共重合体、サリチル酸誘導体及びその金属錯体、モノアゾ金属化合物、芳香族オキシカルボン酸や、その金属塩、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
トナー粒子の製造方法としては、粉砕法、懸濁重合法、懸濁造粒法、乳化重合法、乳化凝集法が挙げられる。
懸濁重合法では、着色剤、重合性単量体及び重合開始剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加え、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物を造粒して重合性単量体組成物の粒子を形成する造粒工程と、前記重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合させる重合工程を経てトナー粒子が製造される。また、必要に応じて、重合性単量体組成物は、さらにワックスを含んでいてもよい。
具体的には、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、有機金属化合物、光重合開始剤が挙げられる。より具体的には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)の如きアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−へキシルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエートの如き有機過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムの如き無機過酸化物系重合開始剤、過酸化水素−第1鉄系、BPO−ジメチルアニリン系、セリウム(IV)塩−アルコール系の如きレドックス開始剤が挙げられる。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ケタール系が挙げられる。これらの方法は、単独又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
本発明のトナーに含有されるトナー粒子は、懸濁造粒法により製造された粒子であってもよい。懸濁造粒法においては、加熱工程を有さないため、低融点ワックスを用いた場合に起こる樹脂とワックス成分の相溶化を抑制し、相溶化に起因するトナーのガラス転移温度の低下を防止することができる。また、懸濁造粒法は、結着樹脂となるトナー材料の選択肢が広く、一般的に定着性に有利とされるポリエステル樹脂を主成分にすることが容易である。そのため、懸濁重合法を適用できない樹脂組成のトナーを製造する場合に有利な製造方法である。
まず、着色剤、結着樹脂、ワックスを、溶剤中で混合して溶剤組成物を調製する。次に、該溶剤組成物を水系媒体中に分散して溶剤組成物の粒子を造粒してトナー粒子懸濁液を得る。そして、得られた懸濁液を加熱、又は減圧によって溶剤を除去することでトナー粒子を得ることができる。
前記懸濁造粒法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、懸濁重合法で用いられるものを同じく用いることができる。前記分散安定剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲である場合が、該溶剤組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。
粉砕法トナーは、混合機、熱混練機、分級機の如き公知の製造装置を用いて製造することができる。
まず、結着樹脂及び着色剤、必要に応じてワックス、荷電制御剤やその他の材料をヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合する。次に、ロール、ニーダー又はエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融させる。さらに、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、ワックス等を分散させる。冷却固化の後、粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。
結着樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2種以上の樹脂を混合して用いる場合、トナーの粘弾性特性を制御するために、分子量の異なる樹脂を混合することが好ましい。
次に、乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法について説明する。
まず、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、その他必要なトナー成分の分散液(例えば、ワックス分散液)を用意する。それぞれの分散液には、分散質と水系媒体とが含まれており、水系媒体は、水を主要成分としている媒体を意味する。水系媒体の具体例としては、水そのもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。
各分散液の混合液に含有される粒子を凝集し凝集体粒子を形成する工程(凝集工程)、並びに、該凝集体粒子を加熱し融合する工程(融合工程)、洗浄工程、乾燥工程を経て、トナー粒子を得る。
界面活性剤としては、水溶性高分子、無機化合物、及び、イオン性又は非イオン性の界面活性剤が挙げられる。特に、分散性の問題から分散性が高いイオン性が好ましく、特に、アニオン性界面活性剤が好ましく使われる。
また、洗浄性と界面活性能の観点から、界面活性剤の分子量は、100〜10,000であることが好ましく、より好ましくは200〜5,000である。
なお、これらは1種単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
ワックス分散液は、ワックスを水系媒体に分散させてなる。ワックス分散液は公知の方法で調製される。なお、ワックスとしては上記のワックスを使用することが可能である。
樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水性媒体に分散させてなる。
本発明において、水系媒体とは、水を主要成分としている媒体を意味する。水系媒体の具体例としては、水そのもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。
上記樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂としては、結着樹脂として例示した樹脂を用いることができる。本発明に用いる樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水系媒体に分散させてなる。上記樹脂粒子分散液は公知の方法で調製される。例えば、ビニル系単量体、特にスチレン系単量体を構成要素とする樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液の場合は、当該単量体を、界面活性剤などを用いて乳化重合を実施することで樹脂粒子分散液を調製することができる。
また、その他の方法で作製した樹脂(例えば、ポリエステル樹脂)の場合は、水にイオン性の界面活性剤及び高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により分散させる。その後、溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。また、樹脂に界面活性剤を加え、ホモジナイザーなどの分散機により水中にて乳化分散する方法や転相乳化法などにより、樹脂粒子分散液を調製してもよい。
樹脂粒子の平均粒径は、動的光散乱法(DLS)、レーザー散乱法、遠心沈降法、field−flow fractionation法、電気的検知体法の如き測定法によって測定することができる。なお、本発明において、樹脂粒子の平均粒径とは、特に断りが無ければ、後述するように、20℃、0.01質量%固形分濃度で、動的光散乱法(DLS)/レーザードップラー法で測定された体積基準の50%累積粒径値(D50)のことを意味する。
着色剤粒子分散液は、着色剤を界面活性剤と共に水系媒体に分散させてなる。
まず、本発明の一般式(1)で表わされる化合物を分散液として調整する。また、一般式(1)で表わされる化合物の混合した分散液とすることも可能である。着色剤粒子は公知の方法で分散されるが、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターの如きメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機が好ましく用いられる。
界面活性剤の使用量は、トナー中の界面活性剤の除去のしやすさの観点から、着色剤100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量部であり、更に好ましくは0.5質量部〜3.0質量部である。その結果、得られたトナー中に残留する界面活性剤量が少なくなり、トナーの画像濃度が高く、且つ、カブリが発生しにくいといった効果が得られる。
凝集体粒子を形成させる方法としては、特に限定されるものではないが、pH調整剤、凝集剤、安定剤を上記混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力(攪拌)を適宜加える方法が好適に例示できる。
pH調整剤としては、特に限定されるものではないが、アンモニア、水酸化ナトリウムの如きアルカリ、硝酸、クエン酸の如き酸があげられる。
凝集剤としては、特に限定されるものではないが、塩化ナトリウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムの如き無機金属塩の他、2価以上の金属錯体があげられる。
安定剤としては、主に界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムの如き水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムの如きアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイドの如き両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンの如きノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムの如き無機化合物が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
ここで形成される凝集粒子の平均粒径としては、特に限定されるものではないが、通常、得ようとするトナー粒子の平均粒径と同じ程度になるように制御するとよい。制御は、前記凝集剤等の添加・混合時の温度と上記撹拌混合の条件を適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。さらに、トナー粒子間の融着を低減するため、上記pH調整剤、上記界面活性剤を適宜投入することができる。
融合工程では、上記凝集体粒子を加熱して融合することでトナー粒子を形成する。
加熱の温度としては、凝集体粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)から樹脂の分解温度の間であればよい。凝集工程と同様の撹拌下で、界面活性剤の添加やpH調整により、凝集の進行を止め、樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱を行うことにより凝集体粒子を融合・合一させる。
加熱の時間としては、融合が十分に為される程度でよく、具体的には10分間〜10時間程度行えばよい。
また、融合工程の前後に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して上記凝集体粒子に微粒子を付着させてコア・シェル構造を形成する工程(付着工程)をさらに含むことも可能である。
融合工程後に得られたトナー粒子を、適切な条件で洗浄、濾過、乾燥することにより、トナー粒子を得る。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、上記トナー粒子を十分に洗浄することが好ましい。
洗浄方法として、限定されるものではないが、トナー粒子を含む懸濁液を濾過し、得られた濾物に蒸留水を用いて撹拌洗浄し、さらにこれを濾過することで行うことができる。トナーの帯電性の観点から、濾液の電気伝導度が150μS/cm以下になるまで洗浄を繰り返す。濾液の電気伝導度を150μS/cm以下にすることで、トナーの帯電特性の低下を抑制し、結果としてカブリ発生の抑制や画像濃度をより向上させることができる。
乾燥は、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法の如き公知の方法を利用することができる。トナー粒子の乾燥後の含水分率は、1.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以下である。
なお、本発明のイエロートナーの重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)は、トナー粒子の製造方法によってその調整方法は異なる。例えば、懸濁重合法の場合は、水系分散媒体調製時に使用する分散剤濃度や反応撹拌速度、又は反応撹拌時間等をコントロールすることによって調整することができる。
以下、液体現像剤の製造方法について説明する。
まず、液体現像剤を得るには、電気絶縁性担体液にトナーを分散又は溶解させる。必要に応じて、更に電荷制御剤、ワックスを分散又は溶解させてもよい。また、先に、濃縮トナーを作り、さらに電気絶縁性担体液で希釈して現像剤を調製するというような、二段法で調製してもよい。
本発明で用いる分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
本発明のトナーに、更に公知の顔料や染料等の着色剤を単独、又は、2種以上を組み合わせて追加して用いることもできる。
本発明で用いられるワックス及び着色剤は前記と同様である。
[1]1H−NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.59−0.67(3H、m)、0.72−0.79(3H、m)、0.88−1.16(14H、m)、1.27−1.45(11H、m)、1.68−1.89(2H、m)、2.37(3H、s)、3.24(2H、d、J=6.10Hz)、3.35−3.71(2H、m)、4.41(2H、q、J=7.12Hz)、7.20(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.26(1H、d、J=7.63Hz)、7.46(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.84(1H、d、J=7.63Hz)、8.14(1H、s)、14.74(1H、s)
[2]質量分析:m/z=567.783(M−H)−
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.74−0.87(14H、m)、1.03−1.43(21H、m)、2.32(3H、s)、2.98−3.21(4H、m)、7.23(1H、t、J=7.63Hz)、7.58(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.84(1H、d、J=7.63Hz)、7.93(1H、d、J=7.63Hz)、8.14(1H、br)、14.63(1H、s)
[2]質量分析:m/z=603.451(M−H)−
[1]1H−NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.57−0.67(3H、m)、0.69−0.79(3H、m)、0.84−1.18(14H、m)、1.27−1.48(17H、m)、1.74−1.94(2H、m)、2.55(3H、s)、3.24(2H、d、J=6.10Hz)、3.35−3.69(2H、m)、6.81(1H、s)、7.20(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.26(1H、d、J=7.63Hz)、7.47(1H、dd、J=7.63Hz、7.63Hz)、7.85(1H、d、J=7.63Hz)、8.21(1H、br)、14.78(1H、s)
[2]質量分析:m/z=594.530(M−H)−
製造例2において、アミン化合物(1)及びピリドン化合物(1)を、それぞれ下記アミン化合物(4)及びピリドン化合物(4)に変更した以外は製造例2と同様な操作で、化合物(11)を得た。
[1]1H−NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.72(3H、t、J=7.25Hz)、0.82(3H、t、J=7.25Hz)、0.89−0.99(6H、m)、1.02−1.13(4H、m)、1.15−1.26(3H、m)、1.28−1.46(12H、m)、1.74−1.88(2H、m)、2.34(3H、s)、3.18(2H、d、J=6.87Hz)、3.42−3.49(2H、m)、4.40(2H、q、J=7.12Hz)、7.17−7.20(1H、m)、7.40−7.49(2H、m)、7.48(1H、s)、8.87(1H、br)、14.49(1H、s)
[2]質量分析:m/z=567.708(M−H)−
製造例1において、アミン化合物(1)及びピリドン化合物(1)を、アミン化合物(5)及びピリドン化合物(5)に変更した以外は製造例1と同様な操作で、化合物(18)を得た。
[1]1H−NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.68−0.75(3H、m)、0.81−0.87(3H、m)、0.89−0.98(6H、m)、1.02−1.12(4H、m)、1.15−1.24(3H、m)、1.29−1.46(12H、m)、1.75−1.84(2H、m)、2.37(3H、s)、3.21(2H、d、J=6.10Hz)、3.44(2H、d、J=5.34Hz)、4.41(2H、q、J=7.12Hz)、7.45(4H、s)、8.78(1H、s)、14.49(1H、s)
[2]質量分析:m/z=567.612(M−H)−
製造例2において、アミン化合物(2)及びピリドン化合物(2)を、それぞれアミン化合物(6)及びピリドン化合物(6)に変更した以外は製造例2と同様の操作で、化合物(26)を得た。
[1]1H−NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.58−1.81(47H、m)、2.66(1H、br)、2.77(1H、br)、3.22−3.36(4H、m)、3.67−3.81(2H、m)、7.18(1H、t、J=7.25Hz)、7.26(1H、d、J=9.92Hz)、7.45(1H、t、J=7.63Hz)、7.79(1H、d、J=7.63Hz)、8.10(1H、s)、14.45(1H、s)
[2]質量分析:m/z=662.464(M−H)−
製造例2において、アミン化合物(2)及びピリドン化合物(2)を、それぞれアミン化合物(7)及びピリドン化合物(7)に変更した以外は製造例2と同様の操作で、化合物(28)を得た。
[1]1H−NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=1.18−2.06(20H、m)、2.37(3H、s)、2.71(1H、br)、3.23(2H、br)、4.40(2H、q、J=7.12Hz)、7.19(2H、d、J=6.10Hz)、7.44(2H、m)、7.75(1H、d、J=11.06Hz)、7.82(1H、d、J=6.87Hz)、8.08(1H、s)、14.56(1H、s)
[2]質量分析:m/z=507.261(M−H)−
本発明のイエロートナー及び比較用のイエロートナーを以下に記載する方法で製造した。
化合物(1)5質量部、スチレン120質量部の混合物をアトライター(三井鉱山社製)により3時間溶解させて色素分散体(1)を得た。
高速撹拌装置T.K.ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を備えた2L用四つ口フラスコ中にイオン交換水710部と0.1mol/l−リン酸三ナトリウム水溶液450部を添加し回転数を12000rpmに調製し、60℃に加温した。ここに1.0mol/l−塩化カルシウム水溶液68部を徐々に添加し微小な難水溶性分散安定剤リン酸カルシウムを含む水系分散媒体を調製した。
・色素分散体(1) 133.2質量部
・スチレン単量体 46.0質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 34.0質量部
・サリチル酸アルミニウム化合物 2.0質量部
(オリエント化学工業株式会社製 ボントロンE−88)
・極性樹脂 10.0質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
・エステルワックス 25.0質量部
(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)
・ジビニルベンゼン単量体 0.10質量部
実施例1において、化合物(1)を、化合物(4)6質量部、化合物(11)7質量部、化合物(26)7質量部に各々変更した以外は実施例1と同様にして本発明のイエロートナー(2)〜(4)を得た。
スチレン82.6質量部、アクリル酸n−ブチル9.2質量部、アクリル酸1.3質量部、ヘキサンジオールアクリレート0.4質量部、n−ラウリルメルカプタン3.2質量部を混合し溶解させた。この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5質量部のイオン交換水150質量部の水溶液を添加して、分散させた。さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15質量部のイオン交換水10質量部の水溶液を添加した。窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで、固形分濃度が12.5質量%、樹脂粒子の体積基準のメジアン径が0.2μmである樹脂粒子分散液を得た。
実施例5において、化合物(1)を、化合物(18)、化合物(28)に各々変更した以外は実施例1と同様にして本発明のイエロートナー(6)及び(7)を得た。
結着樹脂(ポリエステル樹脂)(Tg55℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価16mgKOH/g、分子量:Mp4500、Mn2300、Mw38000): 100質量部、化合物(4):5質量部、1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物: 0.5質量部、パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃): 5質量部をヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−45型、池貝鉄鋼(株)製)にて60kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて20kg/hrのFeed量で微粉砕した。
更に得られたトナー微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級することで、トナー粒子(8)を得た。
上記トナー粒子(8)100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、イエロートナー(8)を得た。
実施例8において、化合物(4)を、化合物(23)5質量部、化合物(28)6質量部に各々変更した以外は実施例8と同様の方法にして本発明のイエロートナー(9)及び(10)を得た。
実施例8において、化合物(4)を比較化合物(2)に変更した以外は実施例8と同様の方法にして本発明のイエロートナー(比3)を得た。
実施例1において、化合物(1)をC.I.ピグメントイエロー185(BASF社製、商品名「PALIOTOL Yellow D1155」)4質量部及び化合物(1)3質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法にして本発明のイエロートナー(11)を得た。
実施例11において、化合物(1)を使用せず、C.I.ピグメントイエロー185(BASF社製、商品名「PALIOTOL Yellow D1155」)のみを7質量部使用することに変更した以外は実施例11と同様の方法にして比較用のイエロートナー(比4)を得た。
実施例5と同様の方法で、固形分濃度が12.5質量%、樹脂粒子の体積基準のメジアン径が0.2μmである樹脂粒子分散液と、ワックスの濃度が20質量%であるワックス分散液を得た。
C.I.ピグメントイエロー180 (DIC株式会社製、商品名「SYMULER Fast Yellow BY2000GT」)100質量部、ネオゲンRK15質量部をイオン交換水885質量部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散してC.I.ピグメントイエロー180分散液を得た。
C.I.ピグメントイエロー180分散液における着色剤粒子の体積基準のメジアン径は0.2μmであり、C.I.ピグメントイエロー180分散液中のC.I.ピグメントイエロー180の濃度は10質量%であった。
化合物(18)100質量部、ネオゲンRK15質量部をイオン交換水885質量部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して化合物(18)分散液を得た。
化合物(18)分散液における着色剤粒子の体積基準のメジアン径は0.2μmであり、化合物(18)分散液中の化合物(18)の濃度は10質量%であった。
上記トナー粒子(12)100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、それぞれイエロートナー(12)を得た。
実施例12において、化合物(18)を使用せず、C.I.ピグメントイエロー180のみを7質量部使用することに変更した以外は実施例12と同様の方法にして本発明のイエロートナー(比5)を得た。
結着樹脂(ポリエステル樹脂)(Tg55℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価16mgKOH/g、分子量:Mp4500、Mn2300、Mw38000): 100質量部 、C.I.ピグメントイエロー155(クラリアント社製、商品名「Toner Yellow 3GP」):3質量部、化合物(4):3質量部、1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物: 0.5質量部、パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃): 5質量部をヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−45型、池貝鉄鋼(株)製)で60kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて20kg/hrのFeed量で微粉砕した。
更に得られたトナー微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級することで、トナー粒子(13)を得た。
上記各トナー粒子(13)100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、それぞれイエロートナー(13)を得た。
実施例13において、化合物(4)を使用せず、C.I.ピグメントイエロー155(クラリアント社製、商品名「Toner Yellow 3GP」)のみを7質量部使用することに変更した以外は実施例13と同様の方法にして比較用のイエロートナー(比6)を得た。
(1)トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定
上記トナーの個数平均粒径(D1)及び重量平均粒径(D4)はコールター法による粒度分布解析にて測定した。測定装置として、コールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター株式会社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定した。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%塩化ナトリウム水溶液を調製した。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン株式会社製)が使用できる。具体的な測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料(トナー)を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行う。得られた分散処理液を、アパーチャーとして100μmアパーチャーを装着した前記測定装置により、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定してトナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、トナーの個数分布から求めた個数平均粒径(D1)と、トナー粒子の体積分布から求めたトナーの重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)及びD4/D1を求めた。
上記チャンネルとしては、2.00〜2.52μm、2.52〜3.17μm、3.17〜4.00μm、4.00〜5.04μm、5.04〜6.35μm、6.35〜8.00μm、8.00〜10.08μm、10.08〜12.70μm、12.70〜16.00μm、16.00〜20.20μm、20.20〜25.40μm、25.40〜32.00μm、32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
上記(1)に記載のトナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定で用いた装置を用いて、コールター原理による3次元(粒子体積)測定し、トナーの体積基準の50%累積粒径値(D50)を測定した。
フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス株式会社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
次に上述のイエロートナー(1)〜(13)と比較用イエロートナー(比1)〜(比6)を用いて、画像サンプルを出力し後述する画像特性を比較評価した。尚、画像特性の比較に際し画像形成装置(以下LBPと略)としてLBP−5300(キヤノン社製)の改造機を使用した通紙耐久を行った。改造内容としてはプロセスカートリッジ(以下CRGとする)内の現像ブレードを厚み8[μm]のSUSブレードに交換した。その上でトナー担持体である現像ローラーに印加する現像バイアスに対して−200[V]のブレードバイアスを印加できるようにした。
評価に際しては各イエロートナーを個別に充填したCRGを評価項目毎に用意した。そして各々のトナーを充填したCRGごとにLBPにセッティングし、下記に記載した評価項目毎に評価した。
通常環境(温度25℃/湿度60%RH)下において最大トナー載り量を0.45mg/cm2に調整した16階調画像サンプルをカラー複写機CLC−1100改造機(キヤノン(株)製、定着オイル塗布機構を省いた)を用いて作成した。このとき、画像サンプルの基紙としては、CLCカラーコピー用紙(キヤノン(株)製)を用いた。得られた画像サンプルを分光光度計SpectroLino(Gretag Machbeth社製)にて、L*a*b*表色系における色度(L*、a*、b*)を測定した。彩度(c*)は色特性の測定値に基づき、下記式によって算出した。
色調評価は以下のように行った。
ある同一のL*におけるグリーンの色域方向への色度の広がりが大きい程、グリーンの色域を広げるのに有用であるといえる。L*が92のときのa*及びb*の値で評価した。L*が92であるときのa*、b*は、各画像サンプルから得られたL*、a*、b*から内挿して求めた。なお、下記の評価において、Aがグリーンの色域方向への色度の広がりが大きいことを意味し、A、B、Cの順にグリーンの色域方向への色度の広がりが小さくなることを意味する。
A:a*が−5.0未満、かつb*が100.0以上
B:a*が−5.0以上、かつb*が100.0以上
C:上記A及びBの条件以外
彩度評価を以下のように行った。
同じ単位面積当たりの着色剤量における彩度c*が大きい程、彩度が良好であるといえる。上記バーコート法(Bar No.10)による画像サンプル作製時の彩度c*を用いて評価した。尚、c*は、前記式で算出される。
A:c*が112.0以上
B:c*が108.0以上112.0未満
C:c*が108.0未満
上記の評価結果を表1に示す。なお、表1中、PY185、PY180、PY155は、それぞれC.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー155を示す。
Claims (7)
- 前記一般式(1)中のR1がアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
- 前記一般式(1)中のR2がカルボン酸エステル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイエロートナー。
- 前記一般式(1)中のR3及びR4が、それぞれ独立して、エチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2−エチルプロピル、2−エチルヘキシル基又はシクロヘキセニルエチル基であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のイエロートナー。
- 前記一般式(1)中のR3及びR4が同一の置換基であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のイエロートナー。
- 前記一般式(1)中のR3及びR4がシクロヘキシル基または2−エチルヘキシル基であることを特徴とする請求項5に記載のイエロートナー。
- 前記トナー粒子は、さらにワックスを含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のイエロートナー。
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