JP2014059555A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発色性に優れたトナー、及び、良好な粒度分布及び発色性を有するトナーの製造方法を提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有するトナーであって、着色剤は、下記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有することを特徴とするトナー、及び、トナーの製造方法。
Figure 2014059555

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法およびトナージェット法の如き記録方法に用いられるトナー、および該トナーの製造方法に関する。
近年、画像形成装置において、カラー画像の高画質化への要求が高まっている。デジタルフルカラー複写機やプリンターといった画像形成装置においては、まず画像原稿をブルー、グリーン、レッドの各色フィルターで色分解する。そして、画像原稿に対応した静電潜像を感光体上に形成し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色現像剤を用い現像する。そのため、各色の現像剤中の着色剤が持つ着色力が画質に大きな影響を与えることになる。
高画質化として、具体的には印刷業界におけるジャパンカラーを再現することやRGBワークフローに用いられるAdobeRGBに近づけることが求められている。
しかしながら、現在のところ、ジャパンカラーやAdobeRGBの画質を再現するためには、着色剤の更なる改善が必要である。
その中でも、特にシアン着色剤においては、現在広く使用されている銅フタロシアニン化合物では色空間を十分に広げることができておらず、新規色材の開発が必須であると言われている(特許文献1参照)。
上記課題を解決するため、中心金属原子に置換基を有するフタロシアニン化合物を含有するシアン着色剤が開示されており、このシアン着色剤を使用した場合、明度が高く、色調が良好な静電荷現像用トナーが得られている(特許文献1参照)。
また、特許文献2には、Siフタロシアニン構造が−O−や−O−Si(R)−O−で連結された化合物を含む着色剤を含有するトナーを用いることで、高彩度、かつ、高耐光性であるフルカラー画像が得られることが開示されている。
特開2009−122496号公報 特開2008−176311号公報
しかしながら、トナーの発色性は依然として更なる改善が必要であった。
また、着色剤の種類やトナーの製造方法によって、トナーの粒度分布に影響を与えてしまうことがあった。
そこで、本発明は上記した課題を解決することを目的とする。
即ち、本発明の目的は、発色性に優れたトナーを提供することである。
また、本発明の他の目的は、良好な粒度分布と発色性を有するトナーの製造方法を提供することである。
上記目的は、以下の発明によって達成される。
即ち、第1の本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナーであって、着色剤は、下記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有することを特徴とするトナーに関する。
また、第2の本発明は、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系
媒体中に分散し、前記重合性単量体組成物の粒子を造粒後、前記重合性単量体を重合してトナー粒子を製造する工程を含むトナーの製造方法であって、
前記着色剤が、下記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
Figure 2014059555
上記一般式(1)中、
Xは−O−CH−R−CH−O−を表し、
は単環式または多環式の環状炭化水素基及び−CR−の何れかを表し、
及びRはアルキル基を表し、
Figure 2014059555

は、それぞれ独立して、置換または無置換のアリール環及び1または2個の窒素原子を含むヘテロ環の何れかを表し、
MはSi、Ge、及びSnからなる群より選ばれる何れかの金属原子を表し、
及びLはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−O−CH−R−CH−OR、−O−CH−R−OR及び−OR10の何れかを表し、
及びRは単環式または多環式の環状炭化水素基及び−CR−の何れかを表し、
及びRはアルキル基を表し、
乃至R10はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基及びトリメチルシリル基の何れかを表し、nは1以上の整数を表す。
本発明によれば、発色性に優れたトナーを提供することができる。また、本発明によれば、良好な粒度分布と発色性を有するトナーの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、前記した課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、結着樹脂及び着色剤を含有するトナーであって、着色剤が、下記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有することで、発色性に優れたトナーが提供できることを見いだした。
Figure 2014059555
上記一般式(1)中、
Xは−O−CH−R−CH−O−を表し、
は単環式または多環式の環状炭化水素基及び−CR−の何れかを表し、
及びRはアルキル基を表し、
Figure 2014059555

は、それぞれ独立して、置換または無置換のアリール環及び1または2個の窒素原子を含むヘテロ環の何れかを表し、
MはSi、Ge、及びSnからなる群より選ばれる何れかの金属原子を表し、
及びLはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−O−CH−R−CH−OR、−O−CH−R−OR及び−OR10の何れかを表し、
及びRは単環式または多環式の環状炭化水素基及び−CR−の何れかを表し、
及びRはアルキル基を表し、
乃至R10はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基及びトリメチルシリル基の何れかを表し、
nは1以上の整数を表す。
<フタロシアニン顔料>
まず、上記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料について説明する。
なお、本発明における顔料とは、スチレン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する)の如き有機溶剤、水、及びそれら混合物に対して低い溶解性を有する色材を意味する。本発明における「低い溶解性」とは有機溶剤、水、及びそれらの混合物に対する溶解度が0.1質量%未満である事を意味する。
一般式(1)中のRで表される単環式の環状炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基が挙げられる。
一般式(1)中のRで表される多環式の環状炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、ノルボルナンジイル基、ノルボルネンジイル基、アダマンタンジイル基が挙げられる。
一般式(1)中のR及びRで表されるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基が挙げられる。
これらの中でも、発色性の観点から、Rは、単環式または多環式の環状炭化水素基が好ましく、多環式の環状炭化水素基がより好ましく、ノルボルナンジイル基、ノルボルネンジイル基、又はアダマンタンジイル基であることがさらに好ましい。
一般式(1)中の
Figure 2014059555

で表されるアリール環としては、ベンゼン環、ナフチル環が挙げられる。
なお、これらの環には、発色性及に影響を及ぼさなければ、置換基を有しても良い。具体的な置換基としては、メチル基、プロピル基、tert−ブチル基の如きアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシル基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基の如きアルコキシ基、ニトロ基、塩素原子の如きハロゲン原子が挙げられる。これらの置換基は、合成上の観点から、規則的になるとは限らず、多種の異性体となっても良い。これらの異性体によって、発色性の影響は大きくない。
一般式(1)中の
Figure 2014059555

で表される1または2個の窒素原子を含むヘテロ環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、アゼパン環、アゾカン環が挙げられる。
これらの中でも、発色性の観点から、置換または無置換のベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環であることが好ましく、より好ましくは置換または無置換の無置換のベンゼン環であり、さらに好ましくはtert−ブチル基を有するベンゼン環である。
一般式(1)中のMは、Si、Ge、及びSnからなる群より選ばれる何れかの金属原子を表し、発色性の観点から、該金属原子はSiであることが好ましい。
一般式(1)中のL及びLで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)中のR及びRで表される単環式の環状炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、シクロアルキレン基が挙げられる。該シクロアルキレン基としては、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基が挙げられる。
一般式(1)中のR及びRで表される多環式の環状炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、ノルボルナンジイル基、ノルボルネンジイル基、アダマンタンジイル基が挙げられる。
一般式(1)中のR及びRで表されるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基が挙げられる。
また、L及びLにおいて、より疎水性を増して使用したい場合には、R乃至R10において、トリメチルシリル基又はメチル基を採用すればよい。
一般式(1)中、nは1以上の整数を表す。nが0の場合、トルエン、エタノールの如き溶剤に対して高い溶解性を有するため、耐光性が強い顔料としての機能を十分に果たさない。これに対して、nが大きな数字のものほど耐光性の優れる顔料として好ましくなるが、nは1以上、10以下であることが好ましく、耐光性をかんがみた場合、理論上活性酸素が出にくいとされる2以上、10以下であることがより好ましい。
本発明にかかる一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料は、例えば、Die Makromolekulare Chemie,175,714−728(1974)、Polymer Jounal,27,11,1079−1084(1995)、Angew.Chem.Int.Ed.,37,8,1092−1094(1998)
に記載されている公知の方法を参考にして合成する事が可能である。
以下、上記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料の製造方法について、一態様を示すが、製造方法がこれに限定されるわけではない。
Figure 2014059555
上記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料は、2軸性金属フタロシアニン(A)とジアルコール化合物(B)を縮合する事で容易に得ることができる。
上記2軸性金属フタロシアニン(A)のZは、塩素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基等を好適に例示することができる。
2軸性金属フタロシアニン(A)は、例えば、Jounal of AmericanChemical Society, 105,1539−1550(1983)を参考にして合成した。即ち、フタロニトリル誘導体から合成した1,3−ジイミノイソインドリン誘導体とハロゲン化金属化合物とを高沸点溶媒中、200℃以上の加熱条件下で撹拌する事で合成する事ができる。
次に、2軸性金属フタロシアニン(A)とジアルコール化合物(B)の縮合工程に関して言及する。
本縮合工程は無溶媒で行なうことも可能であるが、溶媒の存在下で行なうことが好ましい。溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はないが、例えば、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ピリジン、キノリンが挙げられる。
また、2種以上の溶媒を混合して用いることもでき、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。上記反応溶媒の使用量は、2軸性金属フタロシアニンに対して0.1乃至1000倍(質量基準)の範囲で用いられることが好ましく、より好ましくは1.0乃至150倍(質量基準)である。
本縮合工程の反応温度は、−80℃乃至250℃の範囲で行なわれることが好ましく、より好ましくは−20℃乃至150℃である。通常反応は10時間以内に完結する。
本縮合工程では、必要に応じて塩基の添加を行うと反応が速やかに進行する。
本縮合工程で用いる塩基としては、具体的には、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドの如き金属アルコキシド;ピペリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルエチルアミン、酢酸カリウム、1、8−ジアザビシクロ[5、4、0]ウンデカ−7−エン(以下、DBUと略記する)の如き有機塩基;n−ブチルリチウム、tert−ブチルマグネシウムクロリド等の有機塩基;水素化ホウ素ナトリウム、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムの如き無機塩基が用いられる。好ましくは、カリウムtert−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ピペリジンであり、より好ましくは、安価で取り扱いの容易な水素
化ナトリウム、ピペリジンが挙げられる。
上記塩基(例えば、水素化ナトリウム)の使用量はジアルコール化合物(B)の1つの水酸基に対して1.0乃至100当量であることが好ましく、より好ましくは1.5乃至20当量であり、さらに好ましくは5.0乃至10当量である。
上記ジアルコール化合物(B)の好ましい例として、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−オクチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジイソブチル−1,3−プロパンジオール、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノールが挙げられる。
これらの中でも、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノールのような嵩高い環状化合物が発色性に優れるため好ましく、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノールのような多環式の環状炭化水素基を有する構造のものを用いた場合の発色性が特に好ましい。
また、ジアルコール化合物(B)の使用量は、2軸性金属フタロシアニン(A)に対して0.1乃至10当量であることが好ましく、より好ましくは0.5乃至5.0当量であり、さらに好ましくは0.8乃至1.5当量である。
反応終了後、固体を濾過して、残さをn−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエンの如き非極性溶剤で洗浄した後、アルコールのような極性溶媒、次にイオン交換水等で洗浄を行い、一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を得ることができる。また、ソックスレー抽出器などによるジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミドの如き加熱溶剤を用いて、洗浄することもできる。
上記一般式中(1)で表されるフタロシアニン顔料は、トナーの製造方法に応じて、又は色調を調整するために、当該フタロシアニン顔料を単独又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
トナー中における上記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0乃至100.0質量部であることが好ましい。また、より好ましくは1.0乃至70.0質量部であり、さらに好ましくは1.0乃至50.0質量部である。
さらには上記一般式中(1)で表されるフタロシアニン顔料は、公知の顔料と組み合わせて用いることもできる。使用できる公知の顔料として以下のものを挙げることができるが、これら顔料に限定されるものではない。
C.I Pigment Blue 1、C.I Pigment Blue 1:2、C.I Pigment Blue 9、C.I Pigment Blue 15:1、C.I Pigment Blue 15:2、C.I Pigment Blue15:3、C.I Pigment Blue 15:4、C.I Pigment Blue 15:6、C.I Pigment Blue 16、C.I Pigment
Blue 24、C.I Pigment Blue 25、C.I Pigment
Blue 63、C.I Pigment Blue 66、C.I Pigment
Blue 68、C.I Pigment Blue 75、C.I Pigment
Blue 79。
上記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料の好ましい具体例として、化合物(1)乃至(27)を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。
Figure 2014059555
Figure 2014059555
Figure 2014059555

Figure 2014059555
Figure 2014059555
Figure 2014059555

Figure 2014059555


上記式中、nは1乃至10の整数であり、t−Buはtert−ブチル基を表す。
<トナー>
以下、トナーについて説明する。
(結着樹脂)
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、特に限定されるものではないが、紙への定着性を鑑みて、熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレンの如きスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシルの如きビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケト
ンの如きビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレンの如きオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂の如き非ビニル縮合系樹脂、及びこれら非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 上記ポリエステル樹脂は、分子鎖の末端基数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなりやすい。そのため、酸価は90mgKOH/g以下であることが好ましく、50mgKOH/g以下であることがより好ましい。また、水酸基価は50mgKOH/g以下であることが好ましく、30mgKOH/g以下であることがより好ましい。
上記ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、好ましくは50乃至75℃であり、より好ましくは55乃至65℃である。また、上記ポリエステル系樹脂の数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,500乃至50,000であり、より好ましくは2,000乃至20,000である。上記ポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは6,000乃至100,000であり、より好ましくは10,000乃至90,000である。
本発明において、トナーの機械的強度を高めると共に、トナー中の結着樹脂の分子量を制御するために、架橋剤にて架橋した結着樹脂を用いることもできる。
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、特に限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。
二官能の架橋剤としては、ジビニルベンゼン、2,2−ビス(4−メタクリロキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート、および上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、特に限定されるものではないが、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびそのメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートおよびトリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤の使用量は、後述する重合性単量体100質量部に対して、0.05乃至10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1乃至5質量部である。
(ワックス)
本発明のトナーは、さらにワックスを含有していてもよい。本発明に用いられるワックスとしては、特に限定されるものではないが、以下のものを好適に例示できる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステル系ワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽
和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム如きの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られる、ヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;炭素数12以上の長鎖アルキルアルコール又は長鎖アルキルカルボン酸。この中でも、離型性と樹脂への分散性のバランスの観点から、炭化水素系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス類、飽和アルコール類が好ましい。またこれらのワックスは1種単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
上記ワックスの融点は、50℃以上200℃以下であることが好ましく、55℃以上150℃以下であることがより好ましい。ワックスの融点が上記範囲内であることによって、トナーの耐ブロッキング性と、定着時のワックス染み出し性を両立させることができる。
なお、本発明における融点とは、ASTM D3418−82に準じて測定された示差走査熱量(DSC)曲線における最大吸熱ピークのピーク温度である。具体的には、まず、示差走査熱量計を用い、測定温度範囲を30乃至200℃、昇温速度を5℃/minとし、常温常湿環境下における2回目の昇温過程によってDSC曲線を得る。得られたDSC曲線における最大吸熱ピークのピーク温度を融点とした。なお、示差走査熱量計としては、メトラートレード社製のDSC822を用いた。
トナー中におけるワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、総量で1乃至25質量部であることが好ましく、3乃至10質量部であることがより好ましい。ワックスの含有量が上記範囲内であることにより、トナーの離型性の向上と、現像剤担持体や静電潜像担持体表面へのトナーの融着の抑制の両立を図ることができる。
本発明のトナーは、必要に応じて荷電制御剤を含有させることも可能である。これにより、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量にコントロールすることが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤は、トナーを負帯電性に制御する負帯電性の荷電制御剤とトナーを正帯電性に制御する正帯電性の荷電制御剤がある。
負荷電性の荷電制御剤としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体、サリチル酸誘導体およびその金属錯体、モノアゾ金属化合物、芳香族オキシカルボン酸樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
正荷電性の荷電制御剤としては、ニグロシンおよび脂肪酸金属塩によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩およびこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシル
スズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。これらを単独であるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
本発明のトナーは、流動化剤として無機微粉体がトナー粒子に外部添加されてなるものであってもよい。無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナまたはそれらの複酸化物や、これらを表面処理したもの等の微粉体が使用できる。
<トナーの製造方法>
トナーの製造方法は、特に制限されず、粉砕法、懸濁重合法、懸濁造粒法、乳化重合法、及び乳化凝集法を用いることが可能である。
さらに、一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料は、液体現像法に用いられる現像剤(以下、液体現像剤と呼ぶ)に用いる事も可能である。
以下、上記のトナーの製造方法について、より具体的に説明する。
(懸濁重合法)
懸濁重合法は、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散し、重合性単量体組成物の粒子を造粒後、重合性単量体を重合してトナー粒子を製造する工程を含むトナーの製造方法である。
懸濁重合法は、着色剤の種類によって、得られるトナーの粒度分布に影響を与えることがある。
しかしながら、本発明者らは、着色剤として、上記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を用いた場合、懸濁重合法であっても、良好な粒度分布を有するトナーが得られることを見出した。
以下に、懸濁重合法についてより詳細に説明する。
まず、重合性単量体及び本発明の一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有する着色剤、並びに、必要に応じてワックスや重合開始剤等を混合して重合性単量体組成物を調製する。
次に、該重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して重合性単量体組成物の粒子を造粒する。なお、この水系媒体は、分散安定化剤を含んでいてもよい。
そして、水系媒体中にて重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合後、ろ過、洗浄、乾燥を経てトナー粒子を得る。
上記重合性単量体としては、トナーの結着樹脂に用いられる公知のものが挙げられる。
具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリロニトリル、アクリル酸アミド等のアクリレート系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリロニトリル、メタクリル酸アミド等のメタクリレート系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、シクロヘキセン等のオレフィン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、ヨウ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン化合物を挙げることができる。これらは使用用
途に応じて、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記重合開始剤としては、公知の重合開始剤を挙げることができる。
例えば、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、有機金属化合物、光重合開始剤が挙げられる。より具体的には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)の如きアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−へキシルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエートの如き有機過酸化物系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムの如き無機過酸化物系重合開始剤、過酸化水素−第1鉄系、BPO−ジメチルアニリン系、セリウム(IV)塩−アルコール系の如きレドックス開始剤が挙げられる。また、光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ケタール系が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独または2つ以上組み合わせて使用することができる。
重合開始剤の濃度は、重合性単量体100質量部に対して、0.1乃至20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部である。なお、重合開始剤の種類は、10時間半減温度を参考に選定するとよい。
上記分散安定化剤としては、公知の無機系および有機系の分散安定化剤を用いることができる。
無機系の分散安定化剤としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。
有機系の分散安定化剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン、または、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤が挙げられる。なお、界面活性剤としてはドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
また、分散安定化剤を用い、水系媒体を調製する場合、分散安定化剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して、0.2乃至2.0質量部であることが好ましい。分散安定化剤の添加量が上記範囲内であることによって、水系媒体中での重合性単量体組成物の液滴安定性が向上する。
また、重合性単量体組成物100質量部に対して300乃至3000質量部の範囲の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
(懸濁造粒法)
本発明のトナーは、懸濁造粒法により製造された場合においても好適な粒度分布を有するトナーを得ることができる。
懸濁造粒法は、結着樹脂の選択肢が広く、一般的に定着性に有利とされるポリエステル樹脂を主成分にすることが容易である。そのため、懸濁重合法を作製しにくい樹脂組成のトナーを製造する場合に有利な製造方法である。
懸濁造粒法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。
まず、結着樹脂及び一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有する着色剤、並びに、必要に応じてワックス等のその他のトナー成分を、溶剤中で混合して溶剤組成物を調製する。次に、該溶剤組成物を水系媒体中に分散して溶剤組成物の粒子を造粒してトナー粒子懸濁液を得る。そして、得られた懸濁液を、加熱または減圧によって溶剤を除去することでトナー粒子を得ることができる。
懸濁造粒法に用いることができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン如きの炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素の如き含ハロゲン炭化水素類;メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコールの如きアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールの如き多価アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブの如きセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類;ベンジルアルコールエチルエーテル、ベンジルアルコールイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランの如きエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル類が挙げられる。
これらを単独または2種類以上混合して用いることができる。これらのうち、トナー粒子懸濁液中の溶剤を容易に除去するため、沸点が低く、且つ結着樹脂を十分に溶解できる溶剤を用いることが好ましい。
溶剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、50乃至5000質量部であることが好ましく、120乃至1000質量部であることがより好ましい。
懸濁造粒法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、公知の無機系および有機系の分散安定化剤を用いることができる。例えば、上記懸濁重合法で用いられる分散安定化剤として例示されたものを用いることができる。
なお、分散安定化剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.01乃至20質量部であることが、溶剤組成物の水系媒体中での液滴安定性を向上させる観点で好ましい。
懸濁重合法及び懸濁造粒法において、上記一般式中(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料の添加量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、1.0乃至100質量部であることが好ましく、より好ましくは1.0乃至70質量部である。
懸濁重合法及び懸濁造粒法において、ワックスの添加量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、総量で1乃至25質量部であることが好ましく、3乃至10質量部であることがより好ましい。ワックスの添加量が上記範囲内であることによって、トナーの離型性の向上と、現像剤担持体や静電潜像担持体表面へのトナーの融着の抑制の両立を図ることができる。
懸濁重合法及び懸濁造粒法において、本発明の一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有する着色剤として、下記に説明する顔料分散体を用いてもよい。
顔料分散体は、分散媒体中に、一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を分散処理することで得られる。具体的な製造方法として、以下の方法が挙げられる。分散媒体である重合性単量体又は樹脂を溶かし込んだ有機溶剤に、一般式(1)表される構造を有するフタロシアニン顔料を投入し、撹拌等を用いて十分に分散媒体になじませる。さらに、ボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、ハイスピードミル、高圧式分散機の如き分散機により機械的せん断力を加えることで、顔料を微粒子状に微分散し、顔料分散体を得る。分散媒体としては、水、有機溶剤(重合性単量体を含む)又はそれらの混合物が挙げられる。分散媒体に着色剤を分散させた際には、分散液の粘度上昇が生じることがあるが、一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有する着色剤を用いた場合には、分散液の粘度上昇はあまり見られない。分散液の粘度上昇が生じた場合には、安定した造粒を行うことが困難となる場合があり、その際にはトナーの粒度分布がブロードとなる。
本発明において、顔料分散体中の一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料の量は、分散媒体100質量部に対して、1.0乃至100質量部であることが好ましい。また、より好ましくは2.0乃至80質量部、さらに好ましくは3.0乃至70質量部である。
フタロシアニン顔料の含有量が上記の範囲内であれば、粘度の上昇や顔料分散性の低下を防止することができ、良好な着色力を発揮することができる。
顔料分散体の分散媒体として用いられ得る有機溶剤としては、以下のものが挙げられる。
メチルアルコール、エチルアルコール、変成エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールの如きアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの如きグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートの如きエステル類;ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き炭化水素系溶剤;四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロムエタンの如きハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフランの如きエーテル類;メチラール、ジエチルアセタールの如きアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸の如き有機酸類;ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドの如き硫黄・窒素含有有機化合物類。
また、有機溶剤として、重合性単量体を用いることもできる。
重合性単量体は、付加重合性あるいは縮重合性の単量体であり、好ましくは、付加重合性単量体である。
具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリロニトリル、アクリル酸アミドの如きアクリレート系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリロニトリル、メタクリル酸アミドの如きメタクリレート系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、シクロヘキセンの如きオレフィン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、ヨウ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン化合物を挙げることができる。
これらは使用用途に応じて、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記顔料分散体を用いて、トナーを作製する場合には、上記重合性単量体の中でも、スチレン又はスチレン系単量体を、単独もしくは他の重合性単量体と混合して使用することが好ましい。特に扱い易さから、スチレンが好ましい。
顔料分散体には、さらに樹脂を加えてもよい。具体的には、以下のものが挙げられる。
ポリスチレン樹脂、スチレン共重合体、ポリアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、アクリル酸系共重合体、メタクリル酸系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルメチルエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリペプチド樹脂。
これらの樹脂は単独、あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、顔料分散体において、一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料の分散媒体への分散性を阻害しない限りは、他の着色剤を併用することできる。併用できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
C.I Pigment Blue 1、C.I Pigment Blue 1:2、C.I Pigment Blue 9、C.I Pigment Blue 15:1、C.I Pigment Blue 15:2、C.I Pigment Blue
15:3、C.I Pigment Blue 15:4、C.I Pigment Blue 15:6、C.I Pigment Blue 16、C.I Pigment Blue 24、C.I Pigment Blue 25、C.I Pigment Blue 63、C.I Pigment Blue 66、C.I Pigment Blue 68、C.I Pigment Blue 75、C.I Pigment Blue 79。
(粉砕法)
本発明のトナーは、粉砕法により製造された場合においても好適な粒度分布を有するトナーを得ることができる。
粉砕法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。
結着樹脂及び一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有する着色剤、並びに、必要に応じて、ワックス、荷電制御剤、及びその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー又はボールミル等の混合機により十分混合する。次に、ロール、ニーダー及びエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融させる。さらに、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、ワックスや着色剤を分散させる。そして、冷却固化の後、粉砕及び分級を行ってトナー粒子を得ることができる。
上記混合機、熱混練機、分級に用いる分級機等は、当該事業者には公知の製造装置を用いることができる。
結着樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、脂肪族系または脂環族炭化水素系樹脂、芳香族系石油系樹脂が挙げられる。その中でも、ビニル系樹脂とポリエステル系樹脂が帯電性や定着性の観点から好ましい。特にポリエステル系樹脂を用いた場合、帯電性や定着性の効果は大きくなるため、好ましい。これらの樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の樹脂を混合して用いる場合、トナーの粘弾性特性を制御するために、分子量の異なる樹脂を混合することもできる。
上記結着樹脂のガラス転移温度は、45乃至80℃であることが好ましく、より好ましくは55乃至70℃である。また、結着樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,500乃至50,000であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)は10,000乃至1,000,000であることが好ましい。
(乳化凝集法)
本発明のトナーは、乳化凝集法により製造された場合においても好適な粒度分布を有するトナーを得ることができる。
以下、乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法の一例について説明する。
まず、樹脂粒子分散液、ワックス分散液、及び着色剤粒子分散液、並びに必要に応じてその他トナー成分を含む分散液を調製する。これら分散液を混合し混合液を調製後、pH調整剤、凝集剤、安定剤等を該混合液中に添加・混合して、各粒子が凝集した凝集体粒子を形成させる(凝集工程)。その後、該凝集体粒子を加熱し融合させ(融合工程)、ろ過洗浄工程、乾燥工程を経て、トナー粒子を得る。
各粒子の分散液には、界面活性剤等の分散剤を用いる事が出来る。例えば、着色剤粒子分散液は、着色剤を界面活性剤と共に水系媒体に分散させて調製することができる。ここで、着色剤粒子は公知の方法で水系媒体に分散させることができるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターの如きメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機が好ましく用いられる。
分散剤としては、水溶性高分子、無機化合物、及び、イオン性またはノニオン性の界面
活性剤が挙げられる。特に、分散性の問題から界面活性剤が好ましく、凝集容易性の面からイオン性界面活性剤が好ましく使われる。
分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムの如き水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムの如きアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイドの如き両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンの如きノニオン性界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物が挙げられる。
なお、これらは1種単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
[ワックス分散液]
上記ワックス分散液は、ワックスを水系媒体に分散させてなる。ワックス分散液は公知の方法で調製される。ワックスの含有量は、樹脂粒子(固形分)100質量部に対して、総量で1乃至25質量部であることが好ましく、3乃至10質量部であることがより好ましい。
[樹脂粒子分散液]
上記樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水性媒体に分散させてなる。
なお、上記水系媒体とは、水を主要成分としている媒体を意味する。水系媒体の具体例としては、水そのもの、pH調整剤を添加した水、有機溶剤を添加した水等、が挙げられる。
上記樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂としては、下記特性を有するトナーに適した樹脂であれば特に制限されないが、電子写真装置における定着温度以下のガラス転移温度を有する熱可塑性結着樹脂が好ましい。
具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル基系モノマー、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系モノマー、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン系モノマー、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン系モノマーなどの単重合体、若しくはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、又は当該単重合体及び共重合体の混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、又はこれらと上記ビニル系樹脂との混合物、或いはこれらの存在下でビニル系モノマーを重合することで得られるグラフト重合体等を挙げることができる。特にトナーとしての定着性と帯電性能の面からポリスチレン樹脂またはポリエステル樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記樹脂粒子分散液は公知の方法で調製される。例えば、ビニル系単量体、特にスチレン系単量体を構成要素とする樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液の場合は、当該単量体を、界面活性剤などを用いて乳化重合を実施する事で樹脂粒子分散液を調製することができる。また、乳化重合以外の方法で作製した樹脂(例えば、ポリエステル樹脂)の場合は、ホモジナイザーなどの分散機を用いて、イオン性の界面活性剤及び高分子電解質が溶解した水溶液に有機溶剤に溶解した樹脂を分散させる。その後、溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。
樹脂粒子分散液中の、樹脂粒子の体積基準のメジアン径は0.005乃至1.0μmが
好ましく、0.01乃至0.4μmがより好ましい。
樹脂粒子の体積基準のメジアン径は、例えば、動的光散乱法(DLS)、レーザー散乱法、遠心沈降法、field−flow fractionation法、電気的検知体法等を用いて測定することができる。なお、本発明における体積基準のメジアン径とは、特に断りが無ければ、20℃、0.01質量%固形分濃度で、動的光散乱法(DLS)/レーザードップラー法で測定された体積基準の50%累積粒径値(D50)を意味する。
[着色剤粒子分散液]
着色剤粒子分散液は、本発明の一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有する着色剤を水性媒体に分散させてなる。
着色剤粒子分散液の具体的な調製方法は、例えば、イオン性の界面活性剤及び高分子電解質が溶解した水溶液に一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を投入する。そして、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターの如きメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機といった公知の分散機を用いて分散することにより調製することができる。なお、フタロシアニン顔料表面の濡れ性が低い場合は、小量のメタノールやエタノールの如き水溶性溶剤を用いることもできる。
一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料の含有量は、樹脂粒子(固形分)100質量部に対して、1乃至20質量部であることが好ましい。
一方、上記界面活性剤の使用量は、一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含む着色剤100質量部に対して、0.01乃至20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部である。トナー粒子中の界面活性剤の除去が容易とするためには、0.5質量部乃至5.0質量部で用いることがさらに好ましい。得られたトナー中に残留する界面活性剤量が少ない場合は、トナーの画像濃度が高く、且つ、カブリが発生しにくいといった効果が得られる傾向にある。
[凝集工程]
上記各粒子が凝集した凝集体粒子を形成させる方法としては、特に限定されるものではないが、pH調整剤、凝集剤、及び分散安定化剤を、上記各分散液の混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力(攪拌)を適宜加える方法が好適に例示できる。
pH調整剤としては、特に限定されるものではないが、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ、硝酸、クエン酸の酸があげられる。
凝集剤としては、特に限定されるものではないが、塩化ナトリウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムの如き無機金属塩、金属錯体が挙げられる。
分散安定化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムの如き水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムの如きアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイドの如き両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の如きノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム如きの無機化合物が挙げられる。
なお、これらは1種を単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
ここで形成される凝集体の平均粒径としては、特に限定されるものではないが、通常、得ようとするトナー粒子の重量平均粒径(D4)と同じ程度になるように制御することが好ましい。この凝集体の粒径の制御は、例えば、凝集剤の添加・混合時の温度と上記撹拌混合の条件を適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。さらに、トナー粒
子間の融着を防ぐため、上記pH調整剤、上記界面活性剤等を適宜投入することが好ましい。
[融合工程]
融合工程では、上記凝集体粒子を加熱して融合することでトナー粒子を形成する。
加熱の温度としては、凝集体粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)から樹脂の分解温度の間であればよい。例えば、凝集工程と同様の撹拌下で、界面活性剤の添加やpH調整等により、凝集の進行を止め、樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱を行うことにより凝集体粒子を融合・合一させる。
加熱の時間としては、融合が十分に為される程度でよく、具体的には10分間乃至10時間程度行えばよい。
また、融合工程の前後に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して上記凝集体粒子に微粒子を付着させてコア・シェル構造を形成する工程(付着工程)をさらに含むことも可能である。
[洗浄工程]
融合工程後に得られたトナー粒子を、適切な条件で洗浄、濾過、乾燥等することにより、トナー粒子を得る。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、上記トナー粒子を十分に洗浄することが好ましい。
洗浄方法として、限定されるものではないが、例えば、トナー粒子を含む懸濁液を濾過し、得られた濾物に蒸留水を用いて撹拌洗浄し、さらにこれを濾過する。トナーの帯電性の観点から、濾液の電気伝導度が150μS/cm以下になるまで洗浄を繰り返すことが好ましい。電気伝導率が150μS/cmより大きいと、トナーの帯電特性が低下し、結果としてカブリや画像濃度の低下等が生じ易くなる。
更に、得られたトナー粒子の表面に、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
[乾燥工程]
乾燥は、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法といった公知の方法を利用することができる。トナー粒子の乾燥後の含水分率は、1.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以下である。
トナーは、重量平均粒径(D4)が4.0乃至9.0μmであることが好ましく、4.9乃至7.5μmであることがより好ましい。トナーの重量平均粒径(D4)が上記範囲内であることによって、多数枚印刷時の帯電安定性、ハーフトーン部の再現性が更に向上する。
トナーは、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比(以下、重量平均粒径/個数平均粒径または[D4/D1]ともいう)が1.35以下であることが好ましく、1.30以下であることがより好ましい。トナーの[D4/D1]が上記範囲内であることによって、カブリや転写性が向上し、細線などの線幅の太さのばらつきを小さく抑えることが可能となる。
なお、上記重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)は、トナー粒子の製造方法によってその調整方法は異なる。例えば、懸濁重合法の場合は、水系分散媒体調製時に使用する分散剤濃度や反応撹拌速度、または反応撹拌時間等をコントロールすることによって調整することができる。
本発明のトナーは、転写性向上の観点から、フロー式粒子像分析装置で測定されるトナーの平均円形度が0.930乃至0.995であることが好ましく、より好ましくは0.960乃至0.990である。
本発明のトナーは、磁性トナーまたは非磁性トナーどちらでもよい。
磁性トナーとして用いる場合には、本発明のトナーを構成するトナー粒子は、磁性材料を混合して用いてもよい。このような磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような酸化鉄、または他の金属酸化物を含む酸化鉄、Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金およびこれらの混合物が挙げられる。
(液体現像剤の製造方法)
以下、液体現像剤の製造方法について説明する。
まず、液体現像剤を得るには、電気絶縁性担体液に、結着樹脂及び一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有する着色剤、並びに、必要に応じて、電荷制御剤及びワックスといった助剤を分散または溶解させて製造する。また、本発明のトナーを製造し、これを電気絶縁性担体液で希釈して現像剤を調製するというような、二段法で調製してもよい。
上記分散に用いられる分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターの如きメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機が好ましく用いられる。
上記着色剤には、一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料以外に、公知の顔料や染料等を単独、または、2種以上を組み合わせて用いることもできる。ワックスについてはトナーにおいて記載した内容と同様である。
電荷制御剤としては、静電荷現像用液体現像剤に用いられているものであれば、特に制限される事はないが、例えば、ナフテン酸コバルト,ナフテン酸銅,オレイン酸銅,オレイン酸コバルト,オクチル酸ジルコニウム,オクチル酸コバルト,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,ドデシルべンゼンスルホン酸カルシウム,大豆レシチン,アルミニウムオクトエートが挙げられる。
電気絶縁性担体液としては、特に制限はないが、例えば1×10Ω・cm以上の高い電気抵抗と3以下の低い誘電率を有する有機溶剤を使用する事が好ましい。
具体例として、ヘキサン、ペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンのような脂肪族炭化水素溶剤、アイソパーH、G、K、L、M(エクソン化学(株)製)、リニアレンダイマーA−20、A−20H(出光興産(株)製)が挙げられる。なお、沸点は68乃至250℃の温度範囲のものが好ましい。これらは、系の粘度が高くならない範囲で単独、または、2種以上併用して用いてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[ジクロロシリルフタロシアニンの合成]
窒素雰囲気下、1,3−ジイミノイソインドリン(1.0部)のキノリン(10部)分散液に四塩化シラン(1.8部)を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、230℃に昇温し、5時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、固体を減圧濾過した。得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド(DMFと略記する)に分散して、80℃に昇温した。熱時ろ過を行い、不純物を除去する事で、2軸性フタロシアニンであるジクロロシリルフタロシアニン(収率70%)を得た。
〈製造例1:化合物(1)の製造〉
窒素雰囲気下、ネオペンチルグリコール(0.3部)のトルエン(10部)溶液に、水素化ナトリウム(0.5部)を少しずつ添加した。次に、上記ジクロロシリルフタロシアニン(1.0部)を少しずつ添加した後、5時間加熱還流を行った。反応終了後、n−ヘ
キサンで希釈して析出した固体をろ過した。得られた固体をエタノール、イオン交換水で洗浄し、化合物(1)(収率92%)を得た。
得られた化合物(1)を円筒濾紙に投入し、ソックスレー抽出を行い、抽出液から、上記化合物(1)の繰り返し単位数nが0の化合物((1)−0)、繰り返し単位数nが1の化合物((1)−1)、繰り返し単位数nが2の化合物((1)−2)を得た。また、ソックスレー抽出後の円筒濾紙中の残渣から、繰り返し単位数nが3以上の化合物((1)−n)を得た。各成分の質量比を分析したところ、[(1)−1]:[(1)−2]:[(1)−n]=1:5:94であった。なお、ソックスレー抽出は、抽出溶剤を(a)エタノール、(b)トルエン、(c)トルエン/エタノールの混合溶剤(質量比:10/1)の順に変更して行われた。
なお、化合物((1)−1)、((1)−2)の繰り返し単位数nは、テトラヒドロフラン溶液で分子ふるいゲルカラムクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8220GPC)を用いて同定した。化合物(1)のFT−IR分析結果:2820cm−1、2920cm−1、1060cm−1であった。
以後、FT−IRスペクトルはとくに断りがない場合は、粉体を直接、PerkinElmer社製SpectorumOneFT−IRSpectrometerで測定したものである。
〈製造例2:化合物(1)の精製品の製造〉
製造例1で得られた化合物(1)を、上記化合物1の製造例1と同様の方法でソックスレー抽出を行い、上記化合物(1)から繰り返し単位数nが0乃至2の化合物を除去した化合物(1)の精製品(収率87%)を得た。
化合物(1)の精製品のFT−IR分析結果:2820cm−1、2920cm−1、1060cm−1であった。
〈製造例3:化合物(8)の製造〉
製造例1において、ネオペンチルグリコールを、1,4−シクロヘキサンジメタノール(0.53部)に変更した以外は製造例1と同様の方法で化合物(8)(収率85%)を得た。
得られた化合物(8)を、上記化合物1の製造例1と同様の方法でソックスレー抽出を行い、抽出液から、上記化合物(8)の繰り返し単位数nが0の化合物((8)−0)、繰り返し単位数nが1の化合物((8)−1)、繰り返し単位数nが2の化合物((8)−2)を得た。また、ソックスレー抽出後の円筒濾紙中の残渣から、繰り返し単位数nが3以上の化合物((8)−n)を得た。各成分の質量比を分析したところ、[(8)−1]:[(8)−2]:[(8)−n]=1:4:95であった。
なお、化合物((8)−1)、((8)−2)の繰り返し単位数nは、テトラヒドロフラン溶液で分子ふるいゲルカラムクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8220GPC)を用いて同定した。化合物(8)のFT−IR分析結果:2820cm−1、2920cm−1、1060cm−1であった。
〈製造例4:化合物(11)の製造〉
製造例1おいて、ネオペンチルグリコールを、1、3−アダマンタンジメタノール(0.67部)に変更とした以外は製造例1と同様の方法で化合物(11)(収率83%)を得た。
得られた化合物(11)を、上記化合物1の製造例1と同様の方法でソックスレー抽出を行い、抽出液から、上記化合物(11)の繰り返し単位数nが0の化合物((11)−0)、繰り返し単位数nが1の化合物((11)−1)、繰り返し単位数nが2の化合物((11)−2)を得た。また、ソックスレー抽出後の円筒濾紙中の残渣から、繰り返し単位数nが3以上の化合物((11)−nを得た。各成分の質量比を分析したところ、[(11)−1]:[(11)−2]:[(11)−n]=1:3:96であった。
なお、化合物((11)−1)、((11)−2)の繰り返し単位数nは、テトラヒドロフラン溶液で分子ふるいゲルカラムクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8220GPC)を用いて同定した。化合物(11)のFT−IR分析結果:2820cm−1、2920cm−1、1060cm−1であった。
〈製造例5:化合物(1)副生成物の製造〉
製造例2の抽出液を、エバポレーターで溶媒を除去する事で、化合物(1)の副生成物であるフタロシアニン化合物(収率10%)を得た。なお、該化合物(1)の副生成物は、顔料ではなく、クロロホルム、トルエン、DMFの如き有機溶剤に可溶な油溶性染料であるため、顔料特有の高耐光性は得られなかった。
[tert−ブチルジクロロシリルフタロシアニンの合成]
窒素雰囲気下、5−t−Bu−1,3−ジイミノイソインドリン(1.0部)のキノリ
ン(10部)分散液に四塩化シラン(1.8部)を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、230℃に昇温し、5時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、固体を減圧濾過した。得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド(DMFと略記する)に分散させ、80℃に昇温させた。熱時ろ過を行い、2軸性フタロシアニンであるジクロロシリルフタロシアニン(収率73%)を得た。
〈製造例6:化合物(25)の製造〉
窒素雰囲気下、ネオペンチルグリコール(0.3部)のトルエン(10部)溶液に、水素化ナトリウム(0.5部)を少しずつ添加した。次に、tert−ブチルジクロロシリルフタロシアニン(1.0部)を少しずつ添加した後、5時間加熱還流を行った。反応終了後、n−ヘキサンで希釈して析出した固体をろ過した。得られた固体をエタノール、イオン交換水で洗浄し、目的とする化合物(25)(収率90%)を得た。
得られた化合物(25)を、上記化合物1の製造例1と同様の方法でソックスレー抽出を行い、抽出液から、上記化合物(25)の繰り返し単位数nが0の化合物((25)−0)、繰り返し単位数nが1の化合物((25)−1)、繰り返し単位数nが2の化合物((25)−2)を得た。また、ソックスレー抽出後の円筒濾紙中の残渣から、繰り返し単位数nが3以上の化合物((25)−n)を得た。各成分の質量比を分析したところ、[(25)−1]:[(25)−2]:[(25)−n]=1:4:85であった。
なお、化合物((25)−1)、((25)−2)の繰り返し単位数nは、テトラヒドロフラン溶液で分子ふるいゲルカラムクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8220GPC)を用いて同定した。化合物(25)のFT−IR分析結果:2820cm−1、2920cm−1、1060cm−1であった。
〈製造例7:化合物(26)の製造〉
製造例6において、ネオペンチルグリコールを、1,4−シクロヘキサンジメタノール(0.53部)に変更した以外は製造例6と同様の方法で化合物(26)(収率83%)を得た。
得られた化合物(26)を、上記化合物1の製造例1と同様の方法でソックスレー抽出を行い、抽出液から、上記化合物(26)の繰り返し単位数nが0の化合物((26)−0)、繰り返し単位数nが1の化合物((26)−1)、繰り返し単位数nが2の化合物((26)−2)を得た。また、ソックスレー抽出後の円筒濾紙中の残渣から、繰り返し単位数nが3以上の化合物((26)−n)を得た。各成分の質量比を分析したところ、[(26)−1]:[(26)−2]:[(26)−n]=1:2:83であった。
なお、化合物((26)−1)、((26)−2)の繰り返し単位数nは、テトラヒドロフラン溶液で分子ふるいゲルカラムクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8220GPC)を用いて同定した。化合物(26)のFT−IR分析結果:2820cm−1、2920cm−1、1060cm−1であった。
〈製造例8:化合物(27)の製造〉
製造例6において、ネオペンチルグリコールを、1、3−アダマンタンジメタノール(0.67部)に変更とした以外は製造例6と同様の方法で化合物(27)(収率83%)
を得た。
得られた化合物(27)を、上記化合物1の製造例1と同様の方法でソックスレー抽出を行い、抽出液から、上記化合物(27)の繰り返し単位数nが0の化合物((27)−0)、繰り返し単位数nが1の化合物((27)−1)、繰り返し単位数nが2の化合物((27)−2)を得た。また、ソックスレー抽出後の円筒濾紙中の残渣から、繰り返し数3以上の化合物((27)−n)を得た。各成分の質量比を分析したところ、[(27)−1]:[(27)−2]:[(27)−n]=1:4:90であった。
なお、化合物((27)−1)、((27)−2)の繰り返し単位数nは、テトラヒドロフラン溶液で分子ふるいゲルカラムクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8220GPC)を用いて同定した。化合物(27)のFT−IR分析結果:2820cm−1、2920cm−1、1060cm−1であった。
一方、得られた化合物(1)、化合物(1)の精製品、化合物(8)、化合物(11)、化合物(25)、化合物(26)、化合物(27)は、クロロホルム、トルエン、DMF、水といった溶媒に対する室温での溶解度がいずれも0.1質量%未満である事を確認した。
[トナーの製造]
以下に記載する方法で本発明のトナー及び比較トナーを製造した。
<実施例1>
化合物(1)12部、スチレン120部の混合物をアトライター(三井鉱山社製)により3時間分散させて顔料分散体(1)を得た。
高速撹拌装置T.K.ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を備えた2L用四つ口フラスコ中にイオン交換水710部と0.1mol/Lリン酸三ナトリウム水溶液450部を添加し回転数を12000rpmに調製し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L塩化カルシウム水溶液68部を徐々に添加し、微小な難水溶性の分散安定化剤であるリン酸カルシウムを含む水系媒体を調製した。
次に、下記材料
・顔料分散体(1) 133.2部
・スチレン 46.0部
・n−ブチルアクリレート 34.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 2.0部
(オリエント化学工業株式会社製 ボントロンE−88)
・極性樹脂 10.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、ガラス転移温度(Tg)=65℃、重量平均分子量(Mw)=10000、数平均分子量(Mn)=6000)
・エステルワックス 25.0部
(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)
・ジビニルベンゼン 0.10部
を60℃に加温し、T.K.ホモミキサーを用いて5000rpmにて混合した。これに重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。この重合性単量体組成物を前記水系媒体中に投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、液温を60℃で重合を5時間継続させた後、液温を80℃に昇温させ8時間重合を継続させた。重合反応終了後、80℃、減圧下で残存単量体を留去した後、液温を30℃まで冷却し、重合体微粒子分散体を得た。
次に、重合体微粒子分散体を洗浄容器に移し、撹拌しながら、希塩酸を添加してpH1.5に調整し、2時間撹拌させた。濾過器で固液分離を行い、重合体微粒子を得た。重合体微粒子の水への再分散と固液分離とを、リン酸カルシウムを含むリン酸とカルシウムの化合物を十分に除去されるまで、繰り返し行った。その後に、最終的に固液分離した重合
体微粒子を、乾燥機で十分に乾燥してトナー粒子(1)を得た。
得られたトナー粒子100部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体(一次粒子の数平均粒径7nm)1.00部、ルチル型酸化チタン微粉体(一次粒子の数平均粒径45nm)0.15部、ルチル型酸化チタン微粉体(一次粒子の数平均粒径200nm)0.50部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)で5分間乾式混合して、トナー(1)を得た。
<実施例2乃至4>
実施例1において、化合物(1)を、化合物(1)の精製物、化合物(8)、及び化合物(11)に各々変更した以外は実施例1と同様にしてトナー(2)、(3)、及び(4)を得た。
<実施例5>
実施例1において、化合物(1)12部を用いる代わりに、化合物(11)6部とC.I.Pigment Blue 15:3 6部を合わせて用いた以外は実施例1と同様にしてトナー(5)を得た。
<比較例1>
実施例1において、化合物(1)をジクロロシリルフタロシアニンに変更した以外は実施例1と同様にして比較用のトナー(比1)を得た。
<比較例2>
実施例1において、化合物(1)を下記比較化合物(1)に変更した以外は実施例1と同様にして比較用のトナー(比2)を得た。
Figure 2014059555
<比較例3>
実施例1において、化合物(1)を下記比較化合物(2)に変更した以外は実施例1と同様にして比較用のトナー(比3)を得た。
Figure 2014059555
<比較例4>
実施例1において、化合物(1)を下記比較化合物(3)に変更した以外は実施例1と同様にして比較用のトナー(比4)を得た。
Figure 2014059555
<比較例5>
実施例1において、化合物(1)を比較化合物(4)に変更した以外は実施例1と同様にして比較用のトナー(比5)を得た。
Figure 2014059555
<比較例6>
実施例1において、化合物(1)を比較化合物(5)に変更した以外は実施例1と同様
にして比較用のトナー(比6)を得た。
Figure 2014059555
<実施例6>
スチレン82.6部、アクリル酸n−ブチル9.2部、アクリル酸1.3部、ヘキサンジオールアクリレート0.4部、及びn−ラウリルメルカプタン3.2部を混合し溶解させた。この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5部を含むイオン交換水150部の水溶液を添加して、分散させた。さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15部を含むイオン交換水10部の水溶液を添加した。窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%、体積基準のメジアン径が0.2μmの樹脂粒子分散液を得た。
エステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)100部、ネオゲンRK15部をイオン交換水385部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散してワックス粒子分散液を得た。ワックス粒子分散液の固形分濃度は20質量%であった。
化合物(1) 100部、ネオゲンRK15部をイオン交換水885部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して着色剤粒子分散液(1)を得た。着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、0.15μmであった。
樹脂粒子分散液160部、ワックス粒子分散液10部、着色剤粒子分散液(1)10部、硫酸マグネシウム0.2部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.5μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。ネオゲンRK(第一工業製薬社製)2.2部を加えた後、80℃まで昇温して120分間撹拌して、融合した球形トナー粒子を得た。冷却後、ろ過し、ろ別した固体を720部のイオン交換水で、60分間攪拌洗浄した。トナー粒子を含む溶液をろ過し、ろ液の電気伝導度が150μS/cm以下となるまで同様な洗浄を繰り返した。真空乾燥機を用いて乾燥させ、トナー粒子(2)を得た。
上記トナー粒子(2)100部に、BET法で測定した比表面積が200m/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、トナー(6)を得た。
<実施例7乃至9>
実施例6において、化合物(1)を、化合物(1)の精製品、化合物(8)、及び化合物(11)に各々変更した以外は実施例6と同様にしてトナー(7)、(8)、及び(9)を得た。
<実施例10>
下記材料
・結着樹脂(ポリエステル樹脂) 100部
[組成(酸成分:テレフタル酸、トリメリット酸、アルコール成分:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加体)、ガラス転移温度:55℃、酸価:20mgKOH/g、水酸基価:16mgKOH/g、分子量:Mp4500、Mn2300、Mw38000]・化合物(1) 6部
・1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
・パラフィンワックス 5部
(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=78℃)
を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)で混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−45型、池貝鉄鋼(株)製)にて60kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて20kg/hrのFeed量で微粉砕した。
更に得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級することで、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に、BET法で測定した比表面積が200m/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、トナー(10)を得た。
<実施例11乃至13>
実施例10において、化合物(1)を、化合物(1)の精製品、化合物(8)、及び化合物(11)に各々変更した以外は実施例10と同様にしてトナー(11)、(12)、及び(13)を得た。
<実施例14乃至16>
実施例1において、化合物(1)を、化合物(25)、化合物(26)、及び化合物(27)に各々変更した以外は実施例1と同様にしてトナー(14)、(15)、及び(16)を得た。
上記トナーの粒度分布の評価は以下のように行った。尚、評価結果については後述の表1に示した。
<トナーの粒度分布評価>
トナーの粒度分布は、コールターカウンターにより得られる、トナーの重量平均粒径(D4)、及び個数平均粒径(D1)の比(D4/D1)で表される指標を用いて評価した。
測定装置として、コールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター株式会社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定した。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%塩化ナトリウム水溶液を調製した。本発明において電解液は、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン株式会社製)を用いた。具体的な測定方法としては、上記電解液100乃至150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1乃至5ml加え、更に測定試料(トナー)を2乃至20mg加えた。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1乃至3分間分散処理を行った。得られた分散処理液を、アパーチャーとして100μmアパーチャーを装着した測定装置により、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定してトナーの体積分布と個数分布とを算出した。それから、トナーの個数分布から求めた個数平均粒径(D1)と、トナーの体積分布から求めたトナーの重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)及び(D4/D1)を求めた。
上記チャンネルとしては、2.00〜2.52μm、2.52〜3.17μm、3.1
7〜4.00μm、4.00〜5.04μm、5.04〜6.35μm、6.35〜8.00μm、8.00〜10.08μm、10.08〜12.70μm、12.70〜16.00μm、16.00〜20.20μm、20.20〜25.40μm、25.40〜32.00μm、32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
評価は以下の基準に従った。なお、D4/D1の値が1に近いほど、粒度分布が良好であることを意味する。
A:(D4/D1)が1.30以下
B:(D4/D1)が1.31以上、1.35以下
C:(D4/D1)が1.36以上
<トナーの発色性評価>
トナーをガラス基板上に溶融及び圧着する事で得られた評価サンプルの相対的吸収強度を比較する事で、発色性の評価とした。本発明における相対的吸収強度とは、フタロシアニン化合物特有の600乃至700nmに観測されるQ帯強度と、200乃至300nmに観測されるソーレ帯強度の比(Q/B)を意味する。フタロシアニン化合物の場合、外部環境によって鋭敏に反応するQ帯強度が発色性に強い影響を与えることに由来する。なお、具体的な評価サンプルの作製と評価は以下に記載する方法を行った。
[トナーの発色性評価サンプル作製]
2cmのガラス基板上に0.5gのトナーを均一に敷き詰め、BIG HEATER(井元製作所製)で160℃、1kgの条件で熱プレスを行い、発色性評価用サンプルを作製した。
[トナーの発色性測定]
得られた発色性評価用サンプルに関して、UVスペクトル測定(UV−3600、UV−VIS−NIR SPECTROPHOTOMETER、(株)島津製作所製)を行い発色性の評価を行った。
評価は以下の基準に従った。Q/Bの値が大きいほど発色性が高いことを意味する。
A:Q/Bが1.80以上
B:Q/Bが1.30以上1.80未満
C:Q/Bが1.30未満
Figure 2014059555
表1で示すように、本発明のトナーは、良好な発色性を有している。
また、本発明のトナーの製造方法では、良好な粒度分布と発色性を有するトナーが得られている。

Claims (16)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナーであって、
    前記着色剤は、下記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有することを特徴とするトナー。
    Figure 2014059555

    〔前記一般式(1)中、
    Xは−O−CH−R−CH−O−を表し、
    は単環式または多環式の環状炭化水素基及び−CR−の何れかを表し、
    及びRはアルキル基を表し、
    Figure 2014059555

    は、それぞれ独立して、置換または無置換のアリール環及び1または2個の窒素原子を含むヘテロ環の何れかを表し、
    MはSi、Ge、及びSnからなる群より選ばれる何れかの金属原子を表し、
    及びLはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−O−CH−R−CH−OR、−O−CH−R−OR及び−OR10の何れかを表し、
    及びRは単環式または多環式の環状炭化水素基及び−CR−の何れかを表し、
    及びRはアルキル基を表し、
    乃至R10はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基及びトリメチルシリル基の何れかを表し、
    nは1以上の整数を表す。〕
  2. 前記一般式(1)中、Rが単環式または多環式の環状炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記一般式(1)中、Rがノルボルナンジイル基、ノルボルネンジイル基、又はアダ
    マンタンジイル基であることを特徴とする請求項2に記載のトナー。
  4. 前記一般式(1)中、
    Figure 2014059555

    は、それぞれ独立して、置換または無置換のベンゼン環、ピリジン環、またはピラジン環であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のトナー。
  5. 前記一般式(1)中、
    Figure 2014059555

    は、それぞれ独立して、置換または無置換のベンゼン環であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のトナー。
  6. 前記一般式(1)中、
    Figure 2014059555

    は、それぞれ独立して、tert−ブチル基を有するベンゼン環であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のトナー。
  7. 前記一般式(1)中、MがSiであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のトナー。
  8. 前記トナーは、さらにワックスを含有していることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のトナー。
  9. 重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散し、前記重合性単量体組成物の粒子を造粒後、前記重合性単量体を重合してトナー粒子を製造する工程を含むトナーの製造方法であって、
    前記着色剤が、下記一般式(1)で表される構造を有するフタロシアニン顔料を含有することを特徴とするトナーの製造方法。
    Figure 2014059555

    〔前記一般式(1)中、
    Xは−O−CH−R−CH−O−を表し、
    は単環式または多環式の環状炭化水素基及び−CR−の何れかを表し、
    及びRはアルキル基を表し、
    Figure 2014059555

    は、それぞれ独立して、置換または無置換のアリール環及び1または2個の窒素原子を含むヘテロ環の何れかを表し、
    MはSi、Ge、及びSnからなる群より選ばれる何れかの金属原子を表し、
    及びLはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−O−CH−R−CH−OR、−O−CH−R−OR及び−OR10の何れかを表し、
    及びRは単環式または多環式の環状炭化水素基及び−CR−の何れかを表し、
    及びRはアルキル基を表し、
    乃至R10はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基及びトリメチルシリル基の何れかを表し、
    nは1以上の整数を表す。〕
  10. 前記一般式(1)中、Rが単環式または多環式の環状炭化水素基であることを特徴と
    する請求項9に記載のトナーの製造方法。
  11. 前記一般式(1)中、Rがノルボルナンジイル基、ノルボルネンジイル基、又はアダマンタンジイル基であることを特徴とする請求項10に記載のトナーの製造方法。
  12. 前記一般式(1)中、
    Figure 2014059555

    は、それぞれ独立して、置換または無置換のベンゼン環、ピリジン環、またはピラジン環であることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載のトナーの製造方法。
  13. 前記一般式(1)中、
    Figure 2014059555

    は、それぞれ独立して、置換または無置換のベンゼン環であることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載のトナーの製造方法。
  14. 前記一般式(1)中、
    Figure 2014059555

    は、それぞれ独立して、tert−ブチル基を有するベンゼン環であることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載のトナーの製造方法。
  15. 前記一般式(1)中、MがSiであることを特徴とする請求項9乃至14の何れか1項に記載のトナーの製造方法。
  16. 前記重合性単量体組成物は、さらにワックスを含有していることを特徴とする請求項9乃至15の何れか1項に記載のトナーの製造方法。
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