JP6180272B2 - 帯電部材とその製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

帯電部材とその製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、帯電部材とその製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
感光体を接触帯電するのに用いられる帯電部材として、表面層に樹脂粒子と黒鉛粒子を含有させ、放電点として樹脂粒子に起因した高い凸部および黒鉛粒子に起因した低い凸部を部材表面に形成したものが知られている(特許文献1)。
特開2010−134452号公報
上記特許文献1に係る帯電部材において、低い凸部を生じさせている黒鉛粒子は、高い導電性を有するため、当該低い凸部からは放電が生じ易い。そのため、使用に伴って、樹脂粒子に起因する高い凸部にトナーや外添剤が付着し、当該高い凸部からの放電が生じ難くなった場合でも、帯電部材全体としては、安定した帯電性能を発揮する。
しかしながら、本発明者らの更なる検討の結果、安定した帯電性能を示す特許文献1に係る帯電部材についても更なる改善点が見出された。すなわち、特許文献1に係る帯電部材において、高さの低い凸部は、接触帯電方式の被帯電体である感光体との当接部(ニップ)で、感光体と接触しないため、汚れは付着しにくい。しかし、長期に亘って使用し続けた場合、当該低い凸部にも汚れが付着することがあり、当該低い凸部は、電子写真感光体との接触し難いため、付着した汚れが剥離しづらく、汚れが蓄積していく傾向がある。その結果、当該低い凸部の放電点としての機能が低下し、安定した帯電性能を発揮し得ない場合があることを見出した。
そのため、本発明者らは、帯電部材の帯電性能のより一層の安定化を図るためには、帯電部材の凸部自体に汚れを付着し難くするための新たな技術開発が必要であることを認識した。
そこで、本発明の目的は、長期に亘って使用した場合においても凸部に汚れが付着し難く、その結果として、長期に亘って安定した帯電性能を発揮し得る帯電部材とその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明によれば、
導電性基体および導電性の表面層を有する帯電部材であって、
該表面層は、バインダー樹脂及び導電性微粒子を含むマトリックスと、該マトリックス中に分散されている樹脂粒子と、を含み、
該帯電部材は、該樹脂粒子に起因する凸部を表面に有しており、
該樹脂粒子は、内側に複数の導電性ドメインを含み、
該導電性ドメインは、該樹脂粒子の表面の近傍に偏在している
ことを特徴とする帯電部材が提供される。
また、本発明によれば、上記の帯電部材の製造方法であって、
コア部及びシェル部の双方に空孔を有し、シェル部の平均空孔径が、コア部の平均空孔径よりも大きい、コア・シェル型の多孔質樹脂粒子を用意する工程;
バインダー樹脂もしくはバインダー樹脂原料、導電性微粒子、該多孔質樹脂粒子および溶媒を含む表面層形成用の塗布液を得る工程;
該塗布液の塗膜を、前記導電性基体上に形成する工程、及び
該塗膜を乾燥、硬化させて表面層を形成する工程、
を有し、
導電性微粒子の体積平均粒径は、該コア部の平均空孔径よりも大きく、該シェル部の平均空孔径より小さく、また、
該塗布液を得る工程は、該導電性微粒子を該多孔質樹脂粒子のコア部の空孔及びシェル部の空孔に侵入させることによって、該コア部の空孔よりも、該シェル部の空孔により多くの該導電性微粒子が充填されてなり、該導電性微粒子が凝縮している導電性ドメイン領域が表面近傍に存在してなる樹脂粒子を形成する工程を含む、
帯電部材の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記の帯電部材と、該帯電部材と接触して配置されている電子写真感光体とを具備し、電子写真装置本体に着脱可能な構造を有するプロセスカートリッジが提供される。更に本発明によれば、上記の帯電部材と、該帯電部材と接触して配置されている電子写真感光体とを有する電子写真装置が提供される。
本発明によれば、長期に亘って使用した場合においても、安定した帯電性能を示す帯電部材とその製造方法を得ることができる。また、本発明によれば、長期に亘って、高品位な電子写真画像を形成することのできるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を得ることができる。
本発明にかかる帯電部材の断面図であり、導電性基体1上に表面層3が設けられている例である。 本発明にかかる帯電部材の断面図であり、導電性基体1と表面層3の間に導電性弾性層2が設けられている例である。 本発明にかかる帯電部材の断面図であり、導電性基体1と表面層3の間に導電性弾性層2が設けられている例である。 本発明の帯電部材の表面の部分断面図である。 本発明の帯電部材の凸部の頂点の拡大断面図である。 本発明の帯電部材をマイナス電圧印加時の放電前後の凸部表面での電荷状態を表す説明的拡大断面図である。 本発明の帯電部材をマイナス電圧印加時の放電前後の凸部表面での電荷状態を表す説明的拡大断面図である。 本発明にかかる多孔質樹脂粒子の模式断面図である。 本発明にかかる多孔質樹脂粒子のコア、シェルの形状を説明するための透過型電子顕微鏡にて撮影した断面画像の模式図である。 ローラ形状の帯電部材の電気抵抗値を測定する方法を説明する図である。 本発明にかかる電子写真装置の一態様の概略断面図である。 本発明にかかるプロセスカートリッジの一形態の概略断面図である。 帯電ローラと電子写真感光体との当接状態を表す概略説明図である。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、帯電部材を使用した際の汚れに関する検討を行った。その過程において、直流電圧と交流電圧とを重畳した電圧を帯電部材に印加する帯電装置において、交流電圧を高くしていくに従って、帯電部材の表面には、絶縁性であるトナー外添剤が付着し易くなっていくことが確認された。このことから、帯電部材の表面の汚れの原因の一つが、絶縁性のトナー外添剤が静電的に帯電部材の表面に吸着されていることにあるものと推定した。
そこで、凸部へのトナー外添剤の静電的な吸着を抑制するために、上記表面層に凸部を生じさせている樹脂粒子に着目して更なる検討を重ねた。その結果、内側に複数の導電性ドメインを含み、かつ、該導電性ドメインが、表面の近傍に存在するような樹脂粒子に起因して形成されてなる凸部には、静電的な汚れが付着しにくいことを見出した。
以下、ローラ形状の帯電部材(以下、「帯電ローラ」ともいう)を例にして本発明の説明をしていくが、電荷付与を目的とした電子写真用帯電部材であれば同様の効果が期待でき、帯電ローラに限ったものではない。
本発明が対象とする帯電部材を図面により説明する。図1Aは本発明にかかる帯電部材の一例の断面図を示しており、該帯電部材5は、ローラ形状をしており、導電性基体1と、その周面を被覆する導電性表面層3からなる。また、図1B及び1Cは、導電性基体1と導電性表面層3の間に1層以上の導電性弾性層2が設けられた例であり、図1Bは導電性弾性層2が1層の例、図1Cは導電性弾性層2が2つの層21、22からなる例である。
なお、導電性基体1とその上に積層する層(例えば、図1Aでは導電性表面層3、図1Bでは導電性弾性層2、図1Cでは導電性弾性層21)の間には、導電性接着層が設けられていても構わない。導電性接着層を設けるには、公知の導電剤を含む導電性接着剤を用いることができる。また、導電性弾性層2(22)と導電性表面層3の間、導電性弾性層21と22の間にも、導電性接着層を設けてもよい。
図2は、導電性基体(以下、単に「基体」という場合がある)と導電性表面層(以下、単に「表面層」という場合がある。)の積層部分を拡大した、帯電部材の表面近傍の部分断面図である。基体101は、表面層3で被覆されており、該表面層3は、バインダー樹脂および導電性微粒子(不図示)からなる導電性のマトリックス103と、樹脂粒子104を含んでいる。そして、その表面には樹脂粒子104に起因する複数の凸部105が形成されている。
図3は、凸部の頂点近傍の拡大断面図である。本発明においては、表面層3中の樹脂粒子104は複数の導電性ドメイン201をその内側に含んでおり、該導電性ドメイン201は、樹脂粒子104の表面近傍に偏在している。
本発明において、導電性ドメイン201が樹脂粒子104の表面近傍に偏在しているとは、以下のように定義される。
すなわち、該樹脂粒子が中実であるとしたとき(以下、「中実樹脂粒子」ともいう)、該中実樹脂粒子の重心を通る断面の面積と等しい面積の円と、当該円と同心であって当該円の直径の0.8倍の直径の円との間のドーナツ形状の部分の面積を求める。次いで、該中実樹脂粒子の重心を通る断面において、当該ドーナツ形状の部分の面積と等しくなるように、該中実樹脂粒子の表面と、該表面から等しい距離の線(図3の点線222)とで囲まれる領域を設定する。そして、この領域に、当該断面に現れている導電性ドメイン201の50%超(個数基準)が含まれている場合を、導電性ドメイン201が樹脂粒子104の表面近傍に偏在していると定義する。
また、導電性ドメイン201とは、表面に凸部を形成させている樹脂粒子中に存在している、導電性微粒子の濃度が、表面層のマトリックス103における導電性微粒子の濃度と比較して高い領域のことである。また、樹脂粒子104は、バインダー樹脂及び該バインダー樹脂中に分散された導電性微粒子を含むマトリックス103に含有されている。
さらに、導電性ドメイン201は、マトリックス103とは電気的には導通しているが、図3に示したように、導電性ドメイン201はあたかも孤立しているかのような状態にある。そのため、導電性ドメイン201は、電荷を保持しやすい状態にある。
本発明者らは、本発明にかかる帯電部材によれば、凸部への汚れの付着が抑制される理由について以下のように推察している。
接触帯電に用いられる帯電部材は、一般に、電子写真感光体等の被帯電体にピンホールなどがある場合でもリークしないように、例えば、温度23℃、相対湿度50%の環境において、1.0×10〜1.0×1013Ω・cm程度の体積抵抗率を有する表面層が設けられている。そのため、被帯電体を帯電する際に、帯電部材の表面からは、放電によって電荷が放出されるが、その瞬間には、帯電部材の表面には、放電時の印加極性とは、逆極性の電荷が溜まる。これを図4A及び4Bを用いて説明する。なお、図4A及び4Bは、凸部105の頂部近傍における電荷の状態の説明図である。
図4Aは、帯電部材5と被帯電体(不図示)との間に直流電圧と交流電圧とを重畳して印加した場合において、帯電部材の表面にマイナス電荷が溜まっている状態を示している。このとき、導電性ドメイン201の表面には、やはりマイナスの電荷が溜まっている。
このような帯電部材によって被帯電体をマイナスに帯電させるために、帯電部材の表面から被帯電体の表面に対して放電を生じさせた直後は、帯電部材の表面の電荷密度がプラスになる(図4B)。これは、接触帯電に用いられる帯電部材の表面層が、上記したように、体積抵抗率で、1.0×10〜1.0×1013Ω・cm程度の電気抵抗を持つため、放電によりマイナス電荷が放出された後の帯電部材の表面に電荷を再び補充するのに一定の時間が必要となるからである。
一方、放電は、非常に短い時間で、瞬間的に起こるため、樹脂粒子104を構成している樹脂と導電性ドメイン201との界面に蓄積されたマイナス電荷は維持されている(図4B)。
そのため、放電直後においては、帯電部材の凸部頂点の表面に溜まる電荷と、導電性ドメイン201に溜まる電荷とが逆転する。すなわち、帯電部材の凸部頂点近傍において、逆転電場が形成される。その結果、静電気的に帯電部材表面の凸部に吸着されている汚れは、この逆転電場の形成により、凸部から剥離する方向に力を受けることとなり、帯電部材の凸部の頂点への汚れの付着が抑制されることになる。
そして、被帯電体を帯電するために帯電部材からの放電が生じる度に、逆転電場が形成され、静電的な汚れの剥離作用が生じる。このため、従来、特に、帯電部材が汚れやすいと考えられてきた交流電荷を印加する帯電方式においても、帯電部材の表面への汚れの付着を有効に抑制することができる。
本発明においては、導電性ドメイン201は、樹脂粒子の表面近傍に偏在させることが必要である。導電性ドメイン201が、樹脂粒子の内部にまで存在していると、樹脂粒子が保持できる電荷が樹脂粒子全体に拡散する。その結果、先に述べた放電直後に形成される逆転電場の強度が、帯電部材の凸部表面において弱くなる。その結果、凸部に静電的に付着した汚れの剥離効果が小さくなる。
そのため、樹脂粒子表面に偏在している導電性ドメインは、樹脂粒子の表面から樹脂粒子粒径の10%程度の領域までに存在することが好ましい。後に詳述するが、この樹脂粒子表面に偏在する導電性ドメインが存在する領域220の厚みを導電性ドメイン領域幅という。
帯電部材の表面層に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径は、5〜60μmが好ましく、特には、15〜40μmがより好ましい。この範囲内とすることで、表面層に形成される樹脂粒子による凸部が適度な高さとなり、良好な放電点となる。
凸部への汚れの付着抑制効果を、より大きくするためには、逆転電場を大きくすること、すなわち、放電点となる帯電部材の凸部頂点側の樹脂粒子の表面近傍に集中的に電荷を保持させることが好ましい。
ここで、帯電部材に電圧を印加したときに、電場は、図3に示したように凸部断面における該凸部の表面の接線221に直交する方向に形成される(図3参照)。そのため、導電性ドメインは、表面近傍の絶縁部104aと導電性ドメイン201の界面202が、当該電場の向きと交差するように、樹脂粒子中に形成されていることが好ましい。
また、樹脂粒子の断面における導電性ドメイン径は、後述する導電性ドメイン領域の幅の5〜50%であることが好ましい。また、導電性ドメイン領域に含まれる導電性ドメインの占有率は、該導電性ドメイン領域の面積に対して、10〜50%であることが好ましい。この範囲にあると、電荷の溜まる界面が十分存在できる。また、界面に電荷の溜まりやすい状態、つまり、上述したような放電時に導電性ドメインが電荷を保持しやすい状態になりやすい。
樹脂粒子を被覆しているマトリックスの厚さ、すなわち、樹脂粒子内の導電性ドメインと帯電部材の最表面との距離は、上記逆転電場の強さに影響を与える。具体的には、この距離が小さいほど、逆転電場が強くなり、凸部への汚れ付着の抑制効果が大きくなる。一方、当該マトリックスの厚さが薄すぎると、帯電部材の凸部の表面に電荷が蓄積されにくくなる。そこで、凸部を放電点として確実に機能させるためには、樹脂粒子を被覆しているマトリックスの厚みを、0.1〜2.0μm、特には、0.4〜1.0μmとすることが好ましい。
<導電性表面層>
本発明にかかる導電性表面層は、バインダー樹脂およびバインダー樹脂に分散されている導電性微粒子を含むマトリックスと、該マトリックス中に分散されている樹脂粒子とを含む。そして、表面層の表面には、該樹脂粒子に起因する凸部を有している。更に、該樹脂粒子は、その内部に導電性ドメインを内包し、該導電性ドメインは、該樹脂粒子の表面近傍に偏在している。以下、各構成成分について説明する。
〔バインダー樹脂〕
表面層に用いるバインダー樹脂としては、帯電部材の製造に用いられる公知のバインダー樹脂を採用することができる。例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが使用できる。中でも、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびブチラール樹脂が好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、これら樹脂の原料単量体を共重合させ、共重合体として用いても良い。
〔導電性微粒子〕
本発明では、表面層には、表面層の体積抵抗率を、温度23℃、相対湿度50%環境下において、1.0×10〜1.0×1013Ω・cm程度とするために以下のような導電性微粒子を含有する。
導電性微粒子の具体例を以下に挙げる。
・アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀のような金属の微粒子;
・酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛のような金属酸化物の微粒子;
・カーボンブラックおよびカーボン系の微粒子;
等。
また、金属系微粒子や金属酸化物の表面を、電解処理、スプレー塗工、混合振により表面処理した複合微粒子も導電性微粒子として使用可能である。
これらの導電性微粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、導電性微粒子がカーボンブラックである場合、金属酸化物にカーボンブラックを被覆した導電性の複合微粒子であってもよい。なお、この導電性微粒子は、後記するように、表面層形成の際に、多孔質樹脂粒子中で凝縮して樹脂粒子中に導電性ドメインを形成する成分でもある。なお、導電性微粒子の一次粒子の平均粒径(体積平均粒径、又は算術平均粒径)としては、10〜100nm、特には、12〜50nmが好ましい。
〔樹脂粒子〕
本発明にかかる樹脂粒子は、表面層に凸部を生じさせるものである。
その材質としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂などを使用することができる。これらの樹脂は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、これらの樹脂の原料単量体を適宜選択して共重合させた共重合体を用いても良い。また、これらの樹脂を主成分とし、必要に応じてその他公知の樹脂を含有させても良い。
本発明にかかる帯電部材の表面層中に存在し、帯電部材の表面に凸部を生じさせている樹脂粒子は、内部に複数の導電性ドメインを内包し、該導電性ドメインは、樹脂粒子の表面近傍に偏在している。
このような帯電部材を得るためには、表面層の形成に用いる塗布液(以下、「表面層形成用の塗布液」、単に「塗布液」ともいう)に含有させる樹脂粒子として、多孔質樹脂粒子を用いることが好ましい。ここで、多孔質樹脂粒子とは、表面に貫通している空孔(以下、「貫通孔」ともいう)を有する樹脂粒子である。中でも、多孔質樹脂粒子として、コア部とシェル部の双方に貫通孔を有し、かつ、コア部の空孔径が、シェル部の空孔径よりも相対的に小さい多孔質樹脂粒子を用いることが有効である。このような多孔質樹脂粒子を用いることで、表面層中の樹脂粒子の表面近傍に、帯電部材からの放電時に電荷を保持させることのできる導電性ドメインを偏在させることができる。その理由については、後に詳述する。
樹脂粒子の表面近傍に複数の導電性ドメインを偏在させるには、多孔質樹脂粒子の空孔径の制御が重要となる。以下に、本発明にかかる多孔質樹脂粒子について詳細に説明する。
本発明にかかる多孔質樹脂粒子は、懸濁重合法、界面重合法、界面沈殿法、液中乾燥法あるいは樹脂溶液に樹脂の溶解度を低下させる溶質や溶媒を添加し析出させる方法の公知の製法により作製することができる。
例えば、懸濁重合法においては、架橋性単量体の存在下、重合性単量体に多孔化剤を溶解し、油性混合液を調製する。この油性混合液を用いて界面活性剤や分散安定剤を含有する水性媒体中で水性懸濁重合を行い、重合終了後、洗浄、乾燥工程を行うことで水及び多孔化剤を取り除き、多孔質樹脂粒子を得ることができる。なお、重合性単量体の官能基と反応する反応性基を有する化合物、有機フィラーを添加することもできる。また、粒子の内部に空孔を形成するために、架橋性単量体の存在下に重合を行う。
重合性単量体としては、例えば、以下のものが挙げられる。スチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロフルフリル、メタクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー。これらの重合性単量体は、単独で場合によっては2種以上を組み合わせて使用される。なお、本発明において、用語(メタ)アクリルとは、アクリルおよびメタクリルの両方を含む概念である。
架橋性単量体としては、ビニル基を複数個有するものであれば特に限定されず、以下のものを例示することができる。エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートのような(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体。これらは単独でまたは複数種を組み合わせて用いることができる。
架橋性単量体は、単量体中において5〜90質量%となるように使用するのが好ましい。本範囲内とすることにより、粒子の内部に確実に空孔を形成することが可能になる。
多孔化剤としては、非重合性溶媒や、重合性単量体の混合物に溶解する直鎖状ポリマーと非重合性溶媒との混合物や、セルロース樹脂を使用することができる。非重合性溶媒としては、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ノルマルヘキサン、ノルマルオクタン、ノルマルドデカンなどを例示することができる。セルロース樹脂としては、特に限定されないが、エチルセルロースを挙げることができる。
多孔化剤の添加量は使用目的に応じ適宜添加量を選択することができるが、重合性単量体、架橋性単量体および多孔化剤からなる油相100質量部中において、20〜90質量部の範囲で使用するのが好ましい。この範囲内とすることにより、多孔質樹脂粒子がもろくなりにくく、帯電部材と電子写真感光体とのニップにおいても変形や欠損することなく、長期に亘り放電点として機能できる。
重合開始剤としては、特に限定されないが、重合性単量体に可溶なものが好ましく、公知のパーオキサイド開始剤及びアゾ開始剤を使用できる。例えば、アゾ開始剤としては、以下のものを示すことができる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)。
界面活性剤としては、以下のものを例示できる。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアニオン性界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩の如きカチオン性界面活性剤;アジピン酸ジエタノールアミン縮合物、ラウリルジメチルアミンオキシド、モノステアリン酸グリセリン、モノラウリン酸ソルビタン、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩等のノニオン性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムの両性界面活性剤;ポリビニルアルコール、デンプン、および、カルボキシメチルセルロース等の高分子型分散剤。
分散安定剤としては、以下のものを例示することができる。ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリアクリル酸微粒子及びポリエポキシド微粒子等の有機微粒子;コロイダルシリカ等のシリカ;炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、及び、水酸化マグネシウム。
上記重合法のうち、特に、懸濁重合法の具体的一例について、下記に示す。懸濁重合は、耐圧容器を用い、密閉下で行うことが好ましい。その際、重合前に原料成分を分散機等で懸濁してから耐圧容器に移して懸濁重合してもよく、耐圧容器内で懸濁させてもよい。重合温度は、50〜120℃がより好ましい。重合は、大気圧下で行ってもよいが、多孔化剤を気体状にさせないようにするため加圧下(大気圧に0.1〜1MPaを加えた圧力下)で行うことが好ましい。重合終了後は、遠心分離や濾過によって、固液分離及び洗浄を行ってもよい。固液分離や洗浄の後、多孔質樹脂粒子を構成する樹脂の軟化温度以下にて乾燥や粉砕してもよい。乾燥及び粉砕は、公知の方法により行うことができ、気流乾燥機、順風乾燥機及びナウターミキサーを使用できる。また、乾燥及び粉砕は粉砕乾燥機等によって同時に行うこともできる。界面活性剤及び分散安定剤は、製造後に洗浄濾過を繰り返すことにより除去することができる。
多孔質樹脂粒子の粒径は、重合性単量体や多孔化剤からなる油性混合液と界面活性剤や分散安定剤を含有する水性媒体との混合条件や、分散安定剤等の添加量、撹拌分散条件により調整することができる。分散安定剤の添加量を増加させることで、平均粒径を下げることができる。また、撹拌分散条件において、撹拌速度を上げることで、多孔質樹脂粒子の平均粒径を下げることも可能である。本発明にかかる樹脂粒子の原料としての多孔質樹脂粒子の体積平均粒径は、5〜60μm、特には、15〜45μmの範囲であることが好ましい。この範囲内とすることで、放電点として安定に機能し得る凸部を帯電部材の表面に形成することができる。
また、多孔質樹脂粒子の空孔径及び内部の空孔径、更に、空気を含む領域の割合は、架橋性単量体の添加量、多孔化剤の種類や添加量により調整することができる。
空孔径は、重合単量体に対し、多孔化剤の添加量の増減により調節することができる。また、架橋性単量体の添加量の増減によっても調節することができる。多孔化剤の量を増加させる、及び、架橋性単量体の添加量を減少させる方向が、空孔径を大きくする方向である。また、空孔径を更に大きくする場合、多孔化剤としてセルロース樹脂を用いることで達成することができる。
先に述べた、コア部の空孔径よりもシェル部の空孔径が大きいコア・シェル構造を有する多孔質樹脂粒子は、2種類の多孔化剤、特に、溶解度パラメーター(以下、「SP値」と称す。)に差のある2種類の多孔化剤を使用することにより、作製することができる。
具体例として、多孔化剤に、ノルマルへキサンと酢酸エチルを使用した場合を例にとって以下説明を行う。上記2種の多孔化剤を使用した場合、重合性単量体及び多孔化剤を混合した油性混合液を水性媒体に投入すると、媒体として使用している水とSP値の近い酢酸エチルが、水性媒体側、すなわち、懸濁液滴の外側に多く存在することになる。
一方、液滴内部には、ノルマルへキサンがより多く存在する。液滴外側に存在する酢酸エチルは、水とSP値が近いため、酢酸エチル中に、ある程度の水が溶解することになる。この場合、液滴内側と比較して液滴外側部分においては、重合性単量体に対する多孔化剤の溶解性が低下し、重合性単量体と多孔化剤とが、内部と比較し分離し易い状態になっている。すなわち、上記液滴の外側においては、多孔化剤が、内部と比較してより大きな塊で存在しやすい状態となる。
この様に、液滴内部と外部で、多孔化剤の存在が異なるように制御した状態で、前述した重合反応、更に後処理等を行うことにより、内部の空孔径よりも外部の空孔径が大きい多孔質樹脂粒子を作製できる。また、液滴外側にくる多孔化剤のSP値により、シェル部となる液滴外側部分における空孔径を調節することができる。また、用いる2種類の多孔化剤の比率により、出来上がりの多孔質樹脂粒子のシェル部の厚みを調節することができる。
従って、2種類の多孔化剤のうちの1種類を、媒体として使用する水により近いSP値を有する多孔化剤を使用することで、多孔質樹脂粒子外部(シェル部)の空孔径を大きく、かつ、空孔率を大きくすることができる。上記手段に使用する多孔化剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトンなどが好ましい。一方で、もう1種類として、重合性単量体の溶解性が高く、水により遠いSP値を有する多孔化剤を使用することで、多孔質樹脂粒子内部の空孔径を小さく、かつ、空孔率を小さくすることができる。この手段には、ノルマルへキサン、ノルマルオクタン、ノルマルドデカンなどを多孔化剤として用いることが好ましい。
また、使用する多孔化剤の比率により、空孔径の異なる領域を制御することが可能であるが、本発明においては、上述したように、帯電部材表面に形成される凸部頂点近傍に、導電性ドメインを集中して存在させることを目的として、上記粒子を使用している。この観点から、水により近いSP値を有する多孔化剤は、多孔化剤全体100質量部に対して、50質量部以下が好ましい。より好ましくは、15〜25質量部である。
なお、本発明にかかる導電性ドメインの形成のためには、表面層形成用の塗布液中に含有させる樹脂粒子を、コア・シェル構造を有し、コア部及びシェル部の双方に空孔(貫通孔)を有し、かつ、コア部の平均空孔径が、シェル部の平均空孔径よりも小さい樹脂粒子とすることが好ましい。
図5に多孔質樹脂粒子の模式的断面図を示す。多孔質樹脂粒子210は、比較的小さい空孔を有するコア部110と粒子の表面近傍で比較的大きい空孔を有するシェル部111からなる。つまり、本発明で表面層に凸部を形成するのに用いる多孔質樹脂粒子は、粒子中央部付近のコア部110の空孔に比べ、粒子の表面近傍のシェル部111の空孔が大きい粒子を意味する。
また、コア部及びシェル部の平均空孔径は、それぞれ10〜50nm、40〜500nmが適当であり、最大の空孔径は、多孔質樹脂粒子の体積平均粒径に対して5%以下であることが好ましい。さらには、それぞれ15〜40nm、50〜200nmが好ましく、かつ、最大空孔径は多孔質樹脂粒子の体積平均粒径に対して1%以下であることがより好ましい。この範囲内とすることで、帯電部材と電子写真感光体とのニップ部においても樹脂粒子が欠損することなく、長期使用しても安定して放電点としての機能性が発揮できる。
なお、コア部とシェル部の決定方法は、以下の通りである。
まず、多孔質樹脂粒子を光硬化型樹脂、例えば、「可視光硬化性包埋樹脂D−800」(商品名、日新EM株式会社製)、「Epok812セット」(商品名、応研商事株式会社製)により包埋する。次に、ダイヤモンドナイフ(商品名:DiATOME CRYO DRY、DiATOME社製)を使用して、面出しをした後、多孔質樹脂粒子の中央(図6に示す重心301近辺が含まれるように)を切り出し、100nmの厚みの切片を作成する。切り出しは、ダイヤモンドナイフをウルトラミクロトーム(商品名:LEICA EM UCT、ライカ マイクロシステムズ社製)またはクライオシステム(商品名:LEICA EM FCS、ライカ マイクロシステムズ社製)に装着して行う。
切り出した切片を四酸化オスミウム、四酸化ルテニウムおよび燐タングステン酸のいずれかの染色剤を使用して染色処理を行い、透過型電子顕微鏡「H−7100FA」(商品名、株式会社日立製作所製)にて、100個の多孔質樹脂粒子の断面画像を撮影する。この際、樹脂部分は白く、包埋樹脂が侵入した空孔部分は、黒く観察される。なお、包埋する樹脂および染色剤は、多孔質樹脂粒子の材質により、多孔質樹脂粒子の空孔が鮮明に確認できる組み合わせを適宜選択する。例えば、後記製造例A1で作製した多孔質樹脂粒子A1では、「可視光硬化型包埋樹脂D−800」(商品名)と四酸化ルテニウムを使用することにより、空孔を鮮明に確認することができる。
上記で得られる粒子の断面画像に対し、図6に示すように、定義する。
図6において、301は、多孔質樹脂粒子の空孔部分を含めた領域の面積を算出し、多孔質樹脂粒子が中実粒子であるとした時の重心である。そして、重心301を中心とし、該領域と同等の面積を有する円302を定義する。次に、重心301を中心として、直径が円302の直径の1/2の円303を定義し、この円303の内側を内部領域304とする。そして、内部領域304の空孔部分を含めた領域の総面積に対し、上記断面画像において、内部領域の空孔部分の総面積の割合を算出し、これを中央部空孔率とする。
次に、内部領域外に向けて円303の半径より100nm大きな半径を有する同心円を順次設け、そのいくつか目の円の半径を半径305とし、その一つ外の円の半径を半径306とし、半径305と半径306に囲まれる領域を外殻領域307と定義する。この外殻領域307の空孔部分を含めた領域の総面積に対し、上記断面画像において、外殻領域の空孔部分の総面積の割合を外殻領域空孔率とする。
外殻領域空孔率を円303の外に向けて上記半径が100nm大きい円ごとに順次算出し、その外殻領域空孔率が初めて中央部空孔率の1.2倍以上になった時の半径305の内側をコア部、その外側をシェル部と定義する。
〔その他の成分〕
本発明にかかる導電性表面層は、導電性微粒子に加え、絶縁性粒子を含有してもよい。絶縁性粒子としては、例えば、以下のものを挙げることができる。酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)、酸化鉄、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、タルク、カオリンクレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、ウオラストナイト、珪藻土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリナイト、中空ガラス球、有機金属化合物及び有機金属塩等の粒子。また、フェライト、マグネタイト、ヘマタイトのような酸化鉄類や活性炭も使用することができる。
導電性表面層は、さらに、離型性を向上させるために、離型剤を含有していても良い。導電性表面層に離型剤を含有させることで、帯電部材の表面への汚れ付着が防がれ、帯電部材の耐久性を向上させることができる。離型剤が液体の場合は、導電性表面層を形成する際にレベリング剤としても作用する。
また、導電性表面層は、UVや電子線を用いた表面加工処理や、化合物を表面に付着及び/又は含浸させる表面改質処理されていてもよい。
(導電性表面層の形成)
本発明にかかる導電性表面層は、静電スプレー塗布法、ディッピング塗布法、はけ塗布法などにより形成することができる。また、予め所定の膜厚で作成された導電性のシートやチューブを基材或いは導電性弾性層に接着又は被覆することにより形成することもできる。さらに、予め型内面に表面層形成用材料で膜を成形しておき、基材を挿入した後導電性弾性層を作成することによってもよい。これらの中では、塗布法によって塗布液を塗布し、塗膜を形成することが好ましい。
塗布法によって導電性表面層を形成する場合、塗布液に用いられる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解することができる溶剤であればよい。具体的には、以下のものを挙げることができる。メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物など。
塗布液中に、バインダー樹脂、導電性微粒子などを分散する方法としては、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等の公知の分散手段を用いることができる。
コア・シェル型の多孔質樹脂粒子を用いると、表面層形成用の塗布液中でバインダー樹脂や導電性微粒子が、多孔質樹脂粒子の空孔内に侵入していく。しかしながら、多孔質樹脂粒子のコア部の空孔径は、シェル部の空孔の空孔径よりも小さい。そのため、バインダー樹脂は、コア部の空孔にまで容易に侵入し得るものの、導電性微粒子は侵入し難い。
つまり、バインダー樹脂と導電性微粒子とを含む表面層形成用の塗布液は、多孔質樹脂粒子内の空孔への侵入過程において、導電性微粒子がシェル部の空孔において漉しとられ、コア部の空孔には侵入し難く、バインダー樹脂はコア部にまで侵入していく。これにより、多孔質樹脂粒子のシェル部の空孔に、導電性微粒子がリッチな状態で充填される。
また、上記方法で作製された多孔質樹脂粒子の空孔は、非常に入り組んだ形状を有しているが、導電性微粒子は、多孔質樹脂粒子の表面に連通している細孔を通って内部に入っていく。そのため、粒子内部の、導電性微粒子が取りこまれ、導電性微粒子が凝縮されてなる領域、すなわち、導電性ドメインは、樹脂粒子内部において、電気的に完全に孤立した状態とはなっていない。つまり、導電性ドメインは、マトリックスとは電気的には導通している。しかしながら、図3に示したように、導電性ドメインは、粒子の中央部を通る任意の断面においてはあたかも孤立しているかのような状態にある。そのため、導電性ドメインは、電荷を保持しやすい状態にある。このように、上述したコア・シェル型の多孔質樹脂粒子を用いることで、導電性ドメイン(多孔質樹脂粒子の空孔内に入り込んだ導電性微粒子が凝縮している領域)が樹脂粒子の表面側に偏在した状態が容易に達成できる。
樹脂粒子の表面側に上述したような導電性ドメインを偏在して形成するには、多孔質樹脂粒子のシェル部の平均空孔径は、導電性微粒子の体積平均粒径より大きい方が好ましく、より好ましくは、導電性微粒子の平均粒径の2倍以上である。この範囲とすることで、シェル部の空孔への導電性微粒子の浸透がよりスムーズになる。また、シェル部の平均空孔径は、シェル部の厚みの50%以下であることが好ましい。この範囲にあることで、前述したような、樹脂粒子の表面近傍に偏在し、放電時に電荷を保持しやすい状態の導電性ドメインを形成しやすくなる。
さらに、シェル部の平均空孔率は10〜50体積%が好ましい。より好ましくは、20〜40体積%である。この範囲にあることで、前述したような、放電時に電荷を保持しやすい導電性ドメインを粒子表面側に偏在した状態に形成しやすくなる。
一方、多孔質樹脂粒子のコア部の平均空孔径は、導電性微粒子の平均粒径より小さい方が好ましく、より好ましくは、導電性微粒子の平均粒径の1/2以下である。この範囲になることで、導電性微粒子のコア部への浸透が少なく、導電性ドメインの存在範囲を粒子表面近傍にのみ凝集することが容易になる。実際には導電性微粒子は微細粉を含むため、コア部へ浸透する導電性微粒子は存在し得るが、コア部の平均空孔径が小さいと、バインダー樹脂がコア部へ浸透していく流れにより、粒径の大きな導電性微粒子が、コア部の空孔入口において該空孔を塞ぐ。そのため、導電性微粒子の微細粉による影響はほとんどない。また、コア部の平均空孔径が10nm以上であると、バインダー樹脂がコア部へ浸透し易く、バインダー樹脂の流れにより、上述した粒径の大きな導電微粒子による空孔の閉塞が促進される。そのため、導電性ドメインがより粒子表面に制限され、より安定した汚れ防止効果が発現できる。
また、コア部の平均空孔率は、5〜50体積%が好ましい。より好ましくは、10〜40体積%である。この範囲にあることで、上述したバインダー樹脂のコア部への流れ込みが安定しつつ、感光体とのニップ部においても欠損することがなく、放電点である凸部が安定して保持される。
すなわち、本発明にかかる表面層の形成には、下記(i)〜(iv)を含む表面層形成用の塗料を用いることが好ましい。
(i)バインダー樹脂またはバインダー樹脂原料。
(ii)コア部とシェル部との両方に空孔を有し、シェル部の平均空孔径が、コア部の平均空孔径よりも大きい、コア・シェル型の多孔質樹脂粒子。
(iii)平均粒径が、該コア部の平均空孔径よりも大きく、該シェル部の平均空孔径より小さい導電性微粒子。
(iv)上記(i)〜(iii)を溶解または分散し得る溶媒。
表面層の形成方法における、具体的な一例を下記に示す。
まず、バインダー樹脂に多孔質樹脂粒子以外の分散成分、例えば導電性微粒子及び溶剤を、直径0.8mmのガラスビーズとともに混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて5時間から60時間かけて分散する。次いで、多孔質樹脂粒子を添加して分散する。分散時間としては2〜30分が好ましい。ここで、多孔質樹脂粒子が粉砕してしまうことがないような条件を採用する。その後、粘度を、3〜30mPa・s、より好ましくは3〜20mPa・sになるように調整して表面層形成用の塗布液を得る。次いで、ディッピング等により導電性基体或いは導電性弾性層の上に、表面層の膜厚が、0.5〜50μm、より好ましくは1〜20μm、特に好ましくは1〜10μmとなるよう、塗膜を形成する。次いで、該塗膜を乾燥、硬化させて表面層を形成する。
なお、表面層の膜厚とは、樹脂粒子104に起因する凸部が形成されていない部分におけるマトリックス103の厚さを意味する。また、表面層の膜厚は、帯電部材の断面を鋭利な刃物で切り出して光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察して測定することができる。なお、本発明においては、帯電部材の長手方向において任意の3か所×周方向に3か所の計9か所において測定を行い、その平均値を膜厚としている。
また、表面層の形成に、前記(i)〜(iii)を含む表面層形成用の塗布液を用いることにより、該表面層形成用の塗布液の塗膜の乾燥、及び必要に応じて実施される硬化によって形成される表面層の表面には、該樹脂粒子に起因する凸部が形成される。
帯電部材表面の十点平均表面粗さ(Rzjis)は8.0〜100.0μm、特には、12.0〜60.0μmが好ましい。また、表面の凹凸平均間隔(RSm)は、20〜300μm、特には、50〜200μmが好ましい。この範囲とすることにより、電子写真感光体とのニップにおいて空隙を形成しやすくなり、安定したニップ内放電を行うことができる。
なお、十点平均表面粗さ及び凹凸平均間隔は、JIS B0601−1994表面粗さの規格に準じて測定し、表面粗さ測定器「SE−3500」(商品名、株式会社小坂研究所製)を用いて行う。十点平均表面粗さは、帯電部材を任意に6箇所測定し、その平均値である。また、平均凹凸間隔は、前記任意の6点の各箇所において10点の凹凸間隔を測定し、その平均値を求め、6箇所の平均値の平均値として算出する。測定に際し、カットオフ値は0.8mm、評価長さは8mmに設定する。
本発明にかかる、樹脂粒子に起因する凸部を表面に有する帯電部材の表面粗さ(Rzjis、Rsm)は、主に、原料としての樹脂粒子の粒径、表面層形成用の塗布液の粘度、表面層形成用の塗布液中の樹脂粒子の含有量、表面層の厚さによって調整される。例えば、原料としての樹脂粒子の粒径を大きくすることは、Rzjisを大きくする方向に作用する。表面層形成用の塗布液の比重や粘度を高めることは、Rzjisを小さくする方向に作用する。また、表面層の厚さを厚くすることは、Rzjisを小さくする方向に作用する。更に、原料としての樹脂粒子の、表面層形成用の塗布液中における含有量を増やすことは、Rsmを小さくする方向に作用する。これらを踏まえて、上記の各要素を適宜調整することで、所望の表面粗さを有する帯電部材を得ることが可能である。
ところで、コア・シェル構造を有し、かつ、コア部及びシェル部に表面に貫通している空孔を有する樹脂粒子を原料の樹脂粒子に用いて表面層を形成する場合、表面層の厚みを当該樹脂粒子の体積平均粒径の10倍とした場合にも、当該表面層の表面には当該樹脂粒子に起因する凸部を形成することができる。
すなわち、凸部形成用の樹脂粒子として、中実の樹脂粒子を用いた場合、表面層の膜厚を樹脂粒子の体積平均粒径の10倍とした場合、樹脂粒子が埋没し、表面層の表面に当該樹脂粒子に起因する凸部を形成し難い。
しかしながら、コア・シェル構造を有し、かつ、コア部及びシェル部に表面に貫通している空孔を有する樹脂粒子を原料の樹脂粒子に用いた場合、得られる表面層の表面には、当該コア・シェル型の樹脂粒子に起因する凸部を容易に形成することができる。その理由は明らかでないが、本発明者らは、表面層形成用の塗布液中のバインダー樹脂原料や導電性微粒子が、コア・シェル型の多孔質樹脂粒子中の空孔に入り込んでいく過程で、樹脂粒子が、塗膜の表面側に移動してくるためであると推測している。
また、表面層は、表面処理が施されていてもよい。表面処理として、UVや電子線を用いた表面加工処理や、化合物等を表面に付着及び/又は含浸させる表面改質処理を挙げることができる。
塗膜が厚い場合、すなわち、塗布液中の溶媒量が少ない場合、溶媒の揮発速度が遅くなり、導電性ドメインの形成の制御が困難になる場合がある。従って、塗布液の固形分濃度を比較的小さくすることが好ましい。塗布液中での溶媒量を40質量%以上、好ましくは50質量%以上、特には60質量%以上とすることが好ましい。
塗布液の比重は、0.80〜1.20g/cmであることが好ましく、0.85〜1.00g/cmがより好ましい。この範囲とすることで、多孔質樹脂粒子の空孔に対し、バインダー樹脂および導電性微粒子が浸透しやすくなる。
〔導電性表面層の体積抵抗率〕
本発明にかかる導電性表面層の体積抵抗率は、23℃/50%RH環境において、1.0×10〜1.0×1013Ω・cmであることが好ましい。この範囲とすることで、電子写真感光体を放電により適切に帯電することがより容易になる。
導電性表面層の体積抵抗率は、次のようにして求めることができる。まず、帯電部材から導電性表面層を縦5mm×横5mmの矩形に切り出す。両面に金属を蒸着して測定用サンプルを得る。導電性表面層が薄すぎて切り出せない場合には、アルミシートの上に導電性表面層用の塗布液を塗布して塗膜を形成し、導電性表面層を形成する際の条件と同じにして作成した塗膜面に金属を蒸着して測定用サンプルを得る。得られた測定用サンプルについて微小電流計(商品名:ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER、株式会社アドバンテスト製)を用いて200Vの電圧を印加する。そして、30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積から計算して体積抵抗率を求める。導電性表面層の体積抵抗率は、前述した導電性微粒子により調節することができる。
また、導電性微粒子は、表面層の体積抵抗率の制御を目的とする限り、体積平均粒径が10〜900nmであることがより好ましく、10〜500nmであることが更に好ましい。この範囲であれば、表面層の体積抵抗率の制御が容易になる。
〔導電性基体〕
導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる弾性層等を支持する機能を有するものである。材質として、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。また、これらの表面には、耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理等を施してもよい。さらに、導電性基体として、樹脂製の基材の表面を金属等で被覆して表面導電性としたものや導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。
〔導電性弾性層〕
本発明の帯電部材は、導電性基体と導電性表面層の間に、導電性弾性層が形成されていてもよい。なお、導電性弾性層は必ずしも1層である必要はなく、機能を考慮して2層以上の積層構造であっても構わない。導電性弾性層に用いるバインダーとしてのゴムは、公知のゴムを採用することができる。例えば、樹脂、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴム等を挙げることができる。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が使用できる。中でも、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂等がより好ましい。
合成ゴムとしては、以下のものが使用できる。例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム及びエピクロルヒドリンゴム等。また、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー(SEBS)等の熱可塑性エラストマーも使用できる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
この中でも、抵抗の調整が容易であるため、極性ゴムを用いるのがより好ましい。中でも、エピクロルヒドリンゴム及びNBRが好ましい。これらは、導電性弾性層の抵抗制御及び硬度制御をより行い易いという利点がある。
導電性弾性層の体積抵抗率は、23℃/50%RH環境下で測定して、1.0×10〜1.0×1010Ω・cmであることが好ましい。
導電性弾性層の体積抵抗率は、上記導電性表面層におけると同様にして求める。すなわち、帯電部材から導電性弾性層を5mm×5mmの矩形に切り出す。両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製して得られた測定用サンプルについて微小電流計を用いて200Vの電圧印加30秒後の電流を測定し、サンプル厚と電極面積とから計算する。
導電性弾性層には、体積抵抗率を調整するため、公知の導電剤を適宜添加することができる。導電剤として、イオン導電剤や電子導電剤が使用可能である。さらに、導電性弾性層には、硬度等を調節するために、軟化油、可塑剤等の添加剤を添加してもよく、種々の機能を付与する材料を適宜含有させてもよい。これらの例として、発泡剤、老化防止剤、充填剤等を挙げることができる。
(導電性弾性層の成形)
導電性弾性層の成形方法としては、特に制約はなく、公知の方法を適宜用いればよい。
具体的には、例えば、上述の各種ゴム成分とその他の成分からなる組成物をリボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等で混合して、導電性弾性層用未加硫ゴム組成物を得る。
クロスヘッドを備えた押出機を用い、導電性基体と上述で作製した未加硫ゴム組成物を一体的に押出して未加硫ゴムローラを作製する。クロスヘッドとは、電線や針金の被覆層を構成するために用いられる、押出機のシリンダ先端に設置して使用する押出金型のことである。
次いで、未加硫ゴムローラを熱風炉などにより加硫し、その後、ローラ表面を研削し、形状を整える。
導電性基体は、その直ぐ上の層と、接着剤を介して接着してもよい。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性とするため、接着剤には公知の導電剤を有することができる。
接着剤の接着樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられるが、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系の公知の接着樹脂を用いることができる。また、接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、上記導電性微粒子の外、イオン導電剤も使用可能であり、他の電子導電剤も使用できる。これら導電剤は、単独で、また2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、導電性弾性層を有する場合は、導電性表面層との間、導電性弾性層が複層ある場合は各導電性弾性層間が接着剤を介して接着されていても構わない。なお、接着剤は導電性であることが好ましい。
本発明の帯電部材が電子写真装置の帯電ローラである場合、電子写真感光体の帯電を良好なものとするため、下記方法で測定した電気抵抗が、23℃/50%RH環境中において、1.0×10〜1.0×1010Ωであることが好ましい。
<帯電ローラの電気抵抗測定方法>
図7は、帯電ローラの電気抵抗の測定法の1例である。帯電ローラ5を、その導電性基体1の両端に、軸受け33、33により電子写真感光体と同じ曲率の円柱形金属32に、荷重をかけて平行になるように当接させる。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属32を回転させ、当接した帯電ローラ5を従動回転させながら安定化電源34から直流電圧−200Vを印加する。この時に流れる電流を電流計35で測定し、帯電ローラの抵抗を計算する。本発明においては、荷重は各4.9Nとし、円柱形金属は直径φ30mm、円柱形金属の回転は周速45mm/secとした。
<帯電ローラのクラウン形状>
本発明では、帯電ローラは、電子写真感光体に対して、長手のニップ幅を均一にするという観点から、長手方向中央部が一番太く、長手方向両端部にいくほど細くなるクラウン形状が好ましい。クラウン量は、帯電ローラの太さにもよるが、中央部の外径と中央部から90mm離れた位置の外径との差が、30〜200μmであることが好ましい。なお、クラウン形状の形成は、導電性弾性層の研削と同時に行うことが好ましい。
<帯電部材の表面硬度>
帯電部材の表面硬度は、マイクロ硬度(MD−1型)で90°以下が好ましく、より好ましくは、40〜80°である。本範囲とすることにより、電子写真感光体との当接を安定させることが容易となり、より安定したニップ内放電を行うことができる。なお、「マイクロ硬度(MD−1型)」とは、アスカー マイクロゴム硬度計MD−1型(商品名、高分子計器株式会社製)を用いて測定した帯電部材の硬さである。具体的には、常温常湿(23℃/55%RH)の環境中に12時間以上放置した帯電部材に対して該硬度計を10Nのピークホールドモードで測定した値とする。
<電子写真装置>
本発明の帯電部材を備える電子写真装置の一例の概略構成を図8に示す。
電子写真装置は、以下の各装置から構成されている。電子写真感光体4、電子写真感光体を帯電する帯電装置、露光により潜像を形成する潜像形成装置11、潜像をトナー像に現像する現像装置、トナー像を転写材に転写する転写装置、電子写真感光体上の転写残トナーを除去し回収するクリーニング装置、トナー像を転写材に定着する定着装置9等。
図8に係る電子写真装置において、電子写真感光体4は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。電子写真感光体4は矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
帯電装置は、電子写真感光体4に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ5を有する。帯電ローラ5は、電子写真感光体4の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源19から所定の直流電圧を印加することにより、電子写真感光体4を所定の電位に帯電する。この帯電ローラとして、本発明の帯電部材を用いる。
電子写真感光体4に静電潜像を形成する潜像形成装置11は、例えば、レーザービームスキャナーのような露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体4を画像情報に対応した露光することにより、静電潜像が形成される。
現像装置は、電子写真感光体4に近接又は接触して配設される現像スリーブ又は現像ローラ6を有し、電子写真感光体の帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーで反転現像により、静電潜像を現像してトナー像を形成する。
転写装置は、接触式の転写ローラ8を有し、電子写真感光体からトナー像を普通紙のような転写材7(転写材は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。)に転写する。
クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材10および回収容器14を有し、トナー像を転写した後に電子写真感光体4上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし、回収する。なお、現像装置を、転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式とすることにより、クリーニング装置を省くことも可能である。
定着装置9は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材7に定着する。その後、トナー像が定着された転写材を機外に排出する。
<プロセスカートリッジ>
上記電子写真装置において、電子写真感光体と、帯電装置、現像装置およびクリーニング装置の少なくとも一つを一体としたプロセスカートリッジとすることができる。例えば、図9に示すプロセスカートリッジは、電子写真感光体4と、該電子写真感光体4に接触して配置されている帯電ローラ5とを備えている。また、該プロセスカートリッジは、更に、現像スリーブ6を備える現像装置およびクリーニングブレード10と回収容器14を備えるクリーニング装置とを具備している。そして、該プロセスカートリッジは、電子写真装置本体に着脱可能な構造を有している。
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
まず、実施例に先立ち、本発明における各種パラメーターの測定方法、樹脂粒子の製造例A1〜A26、導電性微粒子及び絶縁性粒子の製造例B1及びB2について説明する。なお、以下の各粒子について、「平均粒径」とは、特に明記しない限り、「体積平均粒径」を意味する。
<1.各種パラメーターの測定方法>
〔1〕表面層作成時に用いる原料としての樹脂粒子(多孔質樹脂粒子およびその他の樹脂粒子)について
〔1−1.原料としての樹脂粒子の立体形状の測定〕
原料としての樹脂粒子(一次粒子)を20nmずつ集束イオンビーム加工観察装置(商品名:FB−200C、(株)日立製作所製)を用いて切断し、その断面の画像を撮影する。同一の樹脂粒子について、撮影した全断面画像を組み合わせて測定対象の樹脂粒子の「立体形状」を求める。この作業を100個の樹脂粒子について行う。なお、上記断面の画像において、樹脂部分は灰色に写り、空気の部分は白色に写るため、樹脂部分と空孔部分とは判別可能である。
〔1−2.体積平均粒径〕
上記〔1−1〕で得られた樹脂粒子の立体形状から、空孔部分を含む領域を含めた総体積を算出し、この体積と等しい体積を持つ球の直径(以下、「等体積直径」ともいう)を求める。立体形状を求めた100個の樹脂粒子の各々についてこの作業を行い、得られた計100個の樹脂粒子について同様にして等体積直径を求め、その算術平均値を、原料としての樹脂粒子の体積平均粒径とする。
〔1−3.多孔質樹脂粒子の平均空孔率〕
まず、多孔質樹脂粒子を光硬化型樹脂、例えば、「可視光硬化性包埋樹脂D−800」(商品名、日新EM株式会社製)、あるいは「Epok812セット」(商品名、応研商事株式会社製)により包埋する。次に、ダイヤモンドナイフ(商品名:DiATOME CRYO DRY、DiATOME社製)を使用して、面出しをした後、多孔質樹脂粒子の中央(図6に示す重心301近辺が含まれるように)を切り出し、60nmの厚みの切片を作成する。切り出しは、ダイヤモンドナイフをウルトラミクロトーム(商品名:LEICA EM UCT、ライカ マイクロシステムズ社製)または、クライオシステム(商品名:LEICA EM FCS、ライカ マイクロシステムズ社製)に装着して行う。
この後、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウムおよび燐タングステン酸のいずれかの染色剤を使用して染色処理を行い、透過型電子顕微鏡「H−7100FA」(商品名、株式会社日立製作所製)にて、100個の多孔質樹脂粒子の断面画像を撮影する。この際、樹脂部分は白く、空孔部分は、黒く観察される。なお、包埋する樹脂および染色剤は、多孔質樹脂粒子の材質により、多孔質樹脂粒子の空孔が鮮明に確認できる組み合わせを適宜選択する。例えば、下記製造例A1で作製した多孔質樹脂粒子A1は、「可視光硬化型包埋樹脂D−800」(商品名)と四酸化ルテニウムを使用することにより、空孔を鮮明に確認することができた。
上記で得られた粒子の断面画像に対し、図6に示すように、定義する。
図6において、301は、空孔部分を含めた領域の面積を算出し、多孔質樹脂粒子が中実粒子であるとした時の重心である。そして、重心301を中心とし、該領域と同等の面積を有する円302を定義する。次に、重心301を中心として、直径が円302の直径の1/2の円303を定義し、この円303の内側を内部領域304とする。そして、内部領域304の空孔部分を含めた領域の総面積に対し、上記断面画像において、内部領域の空孔部分の総面積の割合を算出し、これを中央部空孔率とする。
次に、内部領域外に向けて円303の半径より100nm大きな半径を有する同心円を順次設け、そのいくつか目の円の半径を半径305とし、その一つ外の円の半径を半径306とし、半径305と半径306に囲まれる領域を外殻領域307と定義する。この外殻領域307の空孔部分を含めた領域の総面積に対し、上記断面画像において、外殻領域の空孔部分の総面積の割合を外殻領域空孔率とする。
外殻領域空孔率を円303の外に向けて上記半径が100nm大きい円ごとに順次算出し、その外殻領域空隙率が初めて中央部空孔率の1.2倍以上になった時の半径305の内側をコア部とし、その外側をシェル部とする。
コア部およびシェル部それぞれにおいて、空孔部分を含めた領域の総面積に対し、空孔部分の総面積の割合を算出する。この作業を任意の多孔質樹脂粒子10個について行い、粒子ごとに求めたコア部空孔率、シェル部空孔率をそれぞれ平均して、当該多孔質樹脂粒子のコア部、シェル部の平均空孔率を求める。
ここでは、実際に計測しているのは面積基準であるが、空孔径とほぼ同等の厚みの薄い切片で複数のサンプルを観察しているため、実質的に体積として扱っても問題ないと判断される。
〔1−4.多孔質樹脂粒子のコア部およびシェル部の平均空孔径〕
上記〔1−3〕で確定したコア部及びシェル部で黒く観察される空孔部分を任意に各10個選び、それぞれの空孔部分と等しい面積を持つ円の直径(等面積直径)を求め、当該空孔部分の直径とする。コア部及びシェル部それぞれの空孔部分の径を平均して、その多孔質樹脂粒子のコア部及びシェル部の平均空孔径とする。この平均空孔径の測定を任意の多孔質樹脂粒子10個について行い、得られた平均空孔径を再び平均して、当該多孔質樹脂粒子のコア部及びシェル部の平均空孔径とする。
〔1−5、その他の樹脂粒子の平均空孔率〕
前記〔1−1〕で得られた樹脂粒子の立体形状から空気を含む領域の総体積を算出し、樹脂粒子の空気を含む領域を含めた総体積に占める割合を算出する。原料としての樹脂粒子の100個それぞれについてこの割合を算出し、それらの算術平均値を、その他の樹脂粒子の「平均空孔率」とする。
〔1−6、その他の樹脂粒子の平均空孔径〕
前記〔1−1〕で得られた樹脂粒子の立体的形状から、表面に貫通していない空孔(非貫通孔)が11個以上存在する場合には任意の10個、非貫通孔が10個以下の場合は全ての非貫通孔の体積を求める。この体積と等しい体積の球の直径を求める。この作業を10個の樹脂粒子について行い、得られた100個の球の直径の算術平均値を求め、これをその他の樹脂粒子の「平均空孔径」とする。
〔2〕表面層中に含まれる樹脂粒子
〔2−1.表面層中に含まれる樹脂粒子の立体的な粒子形状の立体画像〕
帯電部材表面の任意の凸部において、帯電部材表面に平行になるような縦200μm横200μmの領域に亘って、帯電部材凸部頂点側から20nmずつ集束イオンビーム(商品名:FB−2000C、日立製作所社製)で切り出し、その断面画像を撮影する。そして同じ凸部を撮影した画像を20nm間隔で組み合わせ、当該凸部を生じさせている樹脂粒子の立体画像を形成する。この作業を、帯電部材表面の任意の100箇所の凸部に対して行い、凸部を生じさせている樹脂粒子100個の立体画像を得る。
〔2−2.表面層中に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径〕
上記〔2−1〕に記載の方法で得られた樹脂粒子の立体画像において、樹脂粒子の導電性ドメインを含めた総体積を算出する。これが、樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの、当該樹脂粒子の体積である。そして、この体積と等しい体積を有する球の直径(等体積直径)を求め、当該樹脂粒子の体積粒径とする。この方法により、上記〔2−1〕で得た100個の樹脂粒子の粒径を求め、その算術平均値を表面層中に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径とする。
〔2−3.表面層中に含まれる樹脂粒子の断面画像〕
帯電部材の表面から、樹脂粒子に起因する凸部を含むように、幅5mm×長さ5mmの断片を切り出し、当該断片を、包埋樹脂「Epok812セット」(商品名)を用いて包埋する。包埋された当該断片を、ダイヤモンドナイフ(商品名:DiATOMECRYODRY、DiATOME社製)を装着したウルトラミクロトーム(商品名:LEICA EM UCT、ライカ マイクロシステムズ社製)及びクライオシステム(商品名:LEICA EM FCS、ライカ マイクロシステムズ社製)を用いて、凸部を形成している樹脂粒子の重心又はその近傍が含まれるように切断して、厚さが100nmの切片を作製する。この切片を、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウムまたはリンタングステン酸を用いて染色する。次いで、染色された切片を、透過型電子顕微鏡「H−7100FA」(商品名)を用いて撮影する。撮影された画像において、樹脂粒子の樹脂部分は白く、導電性ドメイン(導電性微粒子が凝集した部分)は黒く観察される。この作業を任意の100箇所の凸部について行う。
〔2−4.表面層中に含まれる樹脂粒子の導電性ドメイン領域幅〕
上記〔2−3〕に記載の方法で得られた断面画像に現れている、樹脂粒子の断面から、当該樹脂粒子の断面積を求め、当該断面積と等しい面積を持つ円(以降、「第1の円」ともいう)の半径(以降、「等面積半径」ともいう)とその重心を求める。次に、樹脂粒子断面の重心を中心とする導電性ドメイン像を含まない最大の円(以降、「第2の円」ともいう)を設定し、第2の円の半径を樹脂粒子の非導電部半径とする。そして、樹脂粒子の断面における、当該樹脂粒子の表面と第2の円とで囲まれた領域を導電性ドメイン領域とする。また、第1の円の半径から第2の円の半径を差し引くことで、導電性ドメイン領域の幅の値を求める。上記100個の凸部断面画像について得られる導電性ドメイン領域の幅の値を求め、その算術平均値を帯電部材の表面層中に含まれる樹脂粒子の導電性ドメイン領域幅の値とする。
〔2−5.導電性ドメイン領域中に含まれる導電性ドメインの占有率〕
上記〔2−4〕で定めた樹脂粒子断面中で、当該樹脂粒子中の導電性ドメイン像の総面積を求め、当該樹脂粒子の導電性ドメイン領域の面積に対する割合を算出する。そして、上記100個の凸部断面画像について得られるこの割合を平均し、この帯電部材の表面層中に含まれる樹脂粒子の導電性ドメイン領域に含まれる導電性ドメインの占有率とする。
〔2−6.表面層中に含まれる樹脂粒子の導電性ドメイン径〕
上記〔2−5〕で導電性ドメインの総面積算出に用いた各導電性ドメイン像と等面積の円の直径を求め、各導電性ドメインの径とする。これの算術平均値を当該樹脂粒子中の導電性ドメイン径と定義する。上記100個の凸部断面画像について算出された導電性ドメイン径の算術平均値を、帯電部材の表面層中に含まれる樹脂粒子の導電性ドメイン径と定義する。
<2.多孔質樹脂粒子の製造例>
〔製造例A1〕 多孔質樹脂粒子A1の作製
脱イオン水400質量部に、第三リン酸カルシウム8.0質量部を添加し、水性媒体を調製した。一方、メチルメタクリレート32.0質量部、エチレングリコールジメタクリレート21.9質量部、ノルマルへキサン23.6質量部、酢酸エチル12質量部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を混合して、油性混合液を調製した。この油性混合液を、ホモミキサーにより、回転数3600rpmにて、水性媒体に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、60℃で6時間かけて懸濁重合し、ノルマルへキサン及び酢酸エチルを含む多孔質樹脂粒子の水性懸濁液を得た。
得られた水性懸濁液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4質量部を加え、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを水に対し0.1質量%含むように調整した。次いで、この水性懸濁液から蒸留してノルマルへキサン及び酢酸エチルを除去した。除去後に水性懸濁液をろ過し、得られた樹脂粒子の水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥した。その後に乾燥樹脂粒子を、音波式分級機により解砕及び分級処理を行い、平均粒径18.5μmの多孔質樹脂粒子A1を得た。前述した方法により、粒子の断面を観察したところ、多孔質樹脂粒子A1は、コア部に23nmの空孔を有し、シェル部に98nmの空孔を有していた。
〔製造例A2〜A23〕 多孔質樹脂粒子A2〜A23の作製
重合性単量体、架橋性単量体、第1の多孔化剤および第2の多孔化剤の種類および使用量を、また、ホモミキサーの回転数を、それぞれ表1に示すように変更した以外は、製造例A1と同様にして、多孔質樹脂粒子A2〜A23を得た。
〔製造例A24〕 中実樹脂粒子A24の作製
市販の架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子(商品名:MBX−30、積水化成品工業株式会社製)をそのまま中実樹脂粒子A24として使用した。この樹脂粒子は、内部に空孔を有していなかった。
〔製造例A25〕 多中空樹脂粒子A25の作製
脱イオン水300質量部に、第三リン酸カルシウム10.5量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.015質量部を加え、水性媒体を調製した。一方、油性混合液をラウリルメタクリレート65質量部、エチレングリコールジメタクリレート30質量部、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート0.04質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.5質量部から調製した。この油性混合液を、ホモミキサーにより、回転数3600rpmにて水性媒体に分散させた後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、70℃で8時間かけて懸濁重合した。冷却後、得られた懸濁液に塩酸を加え、リン酸カルシウムを分解した。リン酸カルシウム分解後、懸濁液をろ過し、得られた樹脂粒子の水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥した。その後に乾燥樹脂粒子を、音波式分級機により、解砕及び分級処理を行い、体積平均粒径20.2μmの多中空樹脂粒子A25を得た。前述した方法により、粒子の断面を観察したところ、多中空樹脂粒子A25は、内部に約300nmの空孔を複数有していた。
〔製造例A26〕 単中空樹脂粒子A26の作製
脱イオン水300質量部に、第三リン酸カルシウム20量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.04質量部を加え、水性媒体を調製した。一方、メチルアクリレート10質量部、スチレン81質量部、ジビニルベンゼン9質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.8質量部および界面活性剤(商品名:ソルスパース26000、ルーブリゾール社製)1質量部を混合して、油性混合液を調製した。この油性混合液を、ホモミキサーにより、回転数3800rpmにて水性媒体に分散させた後、製造例A25と同様にして、体積平均粒径15.2μmの単中空樹脂粒子A26を得た。前述した方法により、粒子の断面を観察したところ、単中空樹脂粒子A26は、内部に1つの中空部を有する単中空粒子であった。
この単中空粒子について、上記〔1−1〕に記載した方法を用いて断面画像を撮影した。なお、中空部は、表面に貫通していないため、包埋樹脂は中空部には侵入できない。従って、当該断面画像においては、中空部は、灰色部として認識された。灰色部として認識された中空部の面積と等面積の円の直径を求め、これを中空部の直径とした。計100個の単中空樹脂粒子A26の100個について、同様にして直径を求め、これらの体積平均粒径を求めた。この値を、単中空粒子A26の中空部の体積平均粒径とした。その結果、単中空樹脂粒子A26の中空部の体積平均粒径は、4.2μmであった。
〔樹脂粒子の特性評価〕
上記粒子A1〜A26それぞれについて、前述した方法にて、体積平均粒径、導電性ドメイン領域幅、コア部、シェル部の平均空孔率、平均空孔径を測定した。結果を表2に示す。なお、粒子の形状(多孔質、中実、多中空および単中空のいずれであるか)についても、表2に記載した。
〔製造例B−1〕 複合導電性微粒子の作製
シリカ粒子(体積平均粒径40nm、体積抵抗率1.8×1012Ω・cm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながら添加し、588N/cm(60kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。この時の攪拌速度は22rpmであった。
その中に、カーボンブラック粒子(体積平均粒径20nm、体積抵抗率1.0×10Ω・cm、pH8.0)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行った。このようにしてメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆シリカ粒子の表面にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、複合導電性微粒子を得た。この時の攪拌速度は22rpmであった。なお、得られた複合導電性微粒子は、体積平均粒径が50nmであり、体積抵抗率は1.1×10Ω・cmであった。
〔製造例B−2〕 表面処理酸化チタン粒子の作製
針状ルチル型酸化チタン粒子(平均粒径15nm、縦:横=3:1、体積抵抗率2.3×1010Ω・cm)1000gに、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110g及び溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーを調製した。このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーを、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理した粒子を室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕して、表面処理酸化チタン粒子を得た。得られた表面処理酸化チタン粒子は、一次粒子の体積平均粒径が15nm、体積抵抗率5.2×1015Ω・cmであった。
[弾性ローラの作製]
帯電部材を作成するのに用いた材料は下記のとおりである。
・導電性基体
直径6mm、長さ244mmのステンレス製棒に、カーボンブラックを10質量%含有する熱硬化性接着剤を塗布し、乾燥したものを用いた。
・弾性層原料
エピクロルヒドリンゴム:EO−EP−AGC三元共重合物(EO/EP/AGE=73mol%/23mol%/4mol%)。
NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム「JSR N230SV」(商品名、JSR株式会社製)。
炭酸カルシウム:炭酸カルシウム「シルバーW」(商品名、白石工業株式会社製)。
アジピン酸エステル:アジピン酸エステル系可塑剤「ポリサイザーW305ELS」(商品名、DIC株式会社製)。
ステアリン酸亜鉛:ステアリン酸亜鉛「SZ−2000」(銘柄名、堺化学工業株式会社製)。
MB:2−メルカプトベンズイミダゾール(老化防止剤)。
酸化亜鉛:亜鉛華2種(堺化学工業株式会社製)。
四級アンモニウム塩LV:帯電防止性可塑剤「アデカサイザーLV70」(商品名、株式会社ADEKA製)。
カーボンブラックA:カーボンブラック「サーマックスフローフォームN990」(商品名、カナダCancarb社製、一次粒子の体積平均粒径:270nm)。
カーボンブラックB:カーボンブラック「トーカブラック#7360SB」(商品名、東海カーボン株式会社製、一次粒子の算術平均粒径:28nm)。
硫黄:硫黄(加硫剤)。
DM:ジベンゾチアジルスルフィド(加硫促進剤)。
TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド(加硫促進剤)。
TBzTD:テトラベンジルチウラムジスルフィド「パーカシットTBzTD」(加硫促進剤)(商品名、株式会社テスコ販売)。
〔製造例1〕 弾性ローラ1の作製
〔導電性ゴム組成物の調製〕
エピクロルヒドリンゴム 100質量部に対し、下記成分を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーで10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
炭酸カルシウム 80質量部
アジピン酸エステル 8質量部
ステアリン酸亜鉛 1質量部
老化防止剤MB 0.5質量部
酸化亜鉛 2質量部
四級アンモニウム塩LV70 2質量部
カーボンブラックA 5質量部
この原料コンパウンドに、硫黄0.8質量部、加硫促進剤DM1質量部及び加硫促進剤TS0.5質量部を添加し、次いで20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練して、導電性ゴム組成物を作製した。この際、二本ロールの間隙を1.5mmに調整した。
〔弾性ローラの作製〕
クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性基体を中心軸として、同軸上に円筒状に上記で作製した導電性ゴム組成物を被覆して、未加硫の弾性層を有するローラを得た。なお、被覆する導電性ゴム組成物の厚みを1.75mmとした。
得たローラを、熱風炉にて160℃で1時間加熱した後、弾性層の端部を除去して、長さ224mmとし、更に、160℃で1時間2次加熱を行い、層厚1.75mmの導電性ゴム被覆層を有するローラを作製した。
得られたローラの外周面を、プランジカット式の円筒研磨機を用いて研磨して、弾性ローラ1を作製した。研磨砥石としてビトリファイド砥石を用い、砥粒は緑色炭化珪素(GC)で粒度は100メッシュとした。ローラの回転数を350rpmとし、研磨砥石の回転数を2050rpmとし、ローラの回転方向と研磨砥石の回転方向は、同方向(従動方向)とした。また、切込み速度は、砥石が未研磨ローラに接してからΦ9mmに研磨されるまでに10mm/minから0.1mm/minまで段階的に変化させ、スパークアウト時間(切込み0mmまでの時間)は5秒に設定した。弾性層の厚みは、1.5mmであり、このローラのクラウン量(中央部と中央部から90mm離れた位置の外径の差)は100μmであった。
〔製造例2〕 弾性ローラ2の作製
導電性ゴム組成物を、NBRをベースゴムとする下記調製法で作成したものに変更する以外は、製造例1と同様にして、弾性層厚み1.5mmの弾性ローラ2を作製した。
〔導電性ゴム組成物の調製〕
NBR100質量部に対し下記成分を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練し、原料コンパウンドを調製した。
カーボンブラックB 65質量部
ステアリン酸亜鉛 1質量部
酸化亜鉛 5質量部
炭酸カルシウム 20質量部
この原料コンパウンドに、硫黄1.2質量部および加硫促進剤TBzTD4.5質量部を添加し、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物を作製した。
[帯電ローラの作製]
上記で作製した弾性ローラを基体として用い、その表面に導電性表面層を形成して、帯電ローラを作製する。まず、表面層作成に用いた原料は下記の通りである。
・バインダー樹脂
アクリルポリオール溶液A:カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液「プラクセルDC2016」(商品名、株式会社ダイセル製)をメチルイソブチルケトンにて固形分17質量%となるように調整したもの。
アクリルポリオール溶液B:カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液「プラクセルDC2016」(商品名)をメチルイソブチルケトンにて固形分14質量%となるように調整したもの。
ブロックイソシアネート混合物:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体のモル比で7:3混合物。
・導電剤
複合導電性微粒子:上記製造例B−1で作製したもの。
カーボンブラックC:カーボンブラック「三菱カーボンブラック#52」(商品名、三菱化学株式会社製、一次粒子の算術平均粒径27nm)。
・凸部形成用樹脂粒子
多孔質樹脂粒子A1〜A23:上記製造例A1〜A23で作製したもの。
その他の樹脂粒子A24〜26:上記製造例A24〜A26で作製したもの。
・その他成分
シリコーンオイル:変性ジメチルシリコーンオイル「SH28PA」(商品名、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)。
表面処理酸化チタン粒子:製造例B−2で作製したもの。
<実施例1>
〔1.表面層形成用の塗布液の作製〕
アクリルポリオール溶液A 588.24質量部(アクリルポリオール固形分100質量部)に対して、下記成分を加え、混合溶液を調整した。
複合導電性微粒子 55質量部
表面処理酸化チタン粒子 35質量部
変性ジメチルシリコーンオイル 0.08質量部
ブロックイソシアネート混合物80.14質量部
このときのブロックイソシアネート混合物使用量は、アクリルポリオール中のOH基に対するイソシアネート量として「NCO/OH=1.0」となる量であった。
内容積450mLのガラス瓶に上記混合溶液200gを、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gと共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて24時間分散した。分散した後、その中へ多孔質樹脂粒子A1 8.96gを添加した(アクリルポリオール固形分100質量部に対して多孔質樹脂粒子40質量部である)。その後、5分間分散し、ガラスビーズを除去して表面層形成用の塗布液を得た。この塗布液の比重は0.9110g/ml(25℃)であった。なお、比重は、塗布液に市販の比重計を投入して測定した。
〔2.表面層の形成〕
製造例1で作製した弾性ローラ1を、その長手方向を鉛直方向にして、前記塗布液中に浸漬して、ディッピング法で塗工した。浸漬時間9秒間で、引き上げ速度は、初期20mm/s、最終2mm/s、その間は、時間に対して、直線的に変化させた。得られた塗工物を、23℃で30分間風乾した後、熱風循環乾燥炉にて100℃で1時間、更に、160℃で1時間加熱して、塗膜を硬化させて、導電性基体の外周部に、弾性層と表面層がこの順に形成された帯電ローラ1を作製した。得られた帯電ローラ1の表面層の膜厚を測定した。なお、表面層の膜厚は、樹脂粒子が存在しない箇所において測定した。
〔3.表面層に含まれる樹脂粒子の特性評価〕
上記方法により、帯電ローラ1の表面層に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径、導電性ドメインの占有率、導電性ドメイン径および導電性ドメイン領域幅を測定した。また、導電性ドメインの粒子の表面側への偏在度合いを表す指標として、体積平均粒径に対する導電性ドメイン領域幅の割合(表3及び表4中「領域幅の粒径に対する割合」と表記する)を算出した。結果を表3に示す。
〔4.帯電ローラの電気抵抗の測定〕
上記方法により、作製した帯電ローラ1の電気抵抗を測定した。測定条件としては、23℃、50%RHとした。測定結果を表3に示す。
[画像評価]
図9に示す構成を有する電子写真装置モノクロレーザープリンタ「サテラLBP6300」(商品名、キヤノン株式会社製)を使用して、帯電ローラの性能を、当該帯電ローラを用いて形成した電子写真画像の画像評価により行った。具体的には、プリンタの帯電部材に外部から、ピークピーク電圧(Vpp)1400Vかつ周波数(f)1350Hzの交流電圧と、−560Vの直流電圧(Vdc)を印加した。画像は、解像度600dpiで出力した。なお、このプリンタ用のプロセスカートリッジ「トナーカートリッジ519II」(商品名、キヤノン株式会社製)を改造して用いた。
また、トナーとしては、モノクロレーザープリンタ「サテラLBP6200」(商品名、キヤノン株式会社製)用のプロセスカートリッジ「トナーカートリッジ326」(商品名、キヤノン株式会社製)から抜き出したトナーを使用した。
更に、プロセスカートリッジの帯電ローラを取り外し、作製した帯電ローラ1を、図10に示すように、電子写真感光体に対し、一端で4.9N、両端で合計9.8Nのバネによる押し圧力で当接させて、セットした。このようにして評価用プロセスカートリッジを3個用意した。
上記評価用プロセスカートリッジを、7.5℃/30%RH環境(環境1)、15℃/10%RH環境(環境2)または23℃/50%RH環境(環境3)にて24時間馴染ませた後、それぞれの環境にて、電子写真画像の形成を下記のように行った。
電子写真画像は、電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔186ドットの横線画像を1万枚出力した。1万枚の出力は、2枚ごとにプリンタの回転を3秒間停止する条件で、1日あたり2500枚画像を形成した。1万枚出力後にハーフトーン画像を1枚出力した。その後、画像形成に用いたプロセスカートリッジから、帯電ローラのみを抜き取り、別のプロセスカートリッジに組み込み、同様の画像形成試験を行った。各帯電ローラについて合計3回、計3万枚出力と計3枚のハーフトーン画像の出力を行った。なお、ハーフトーン画像とは、電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像である。画像評価は、こうして得たハーフトーン画像(以下、画像No.1〜3)を目視にて観察し、モアレ画像の発生状況を下記ランクに基づき判定した。評価結果を表5に示す。
ランク1:モアレ画像は発生していない。
ランク2:モアレ画像が画像の一部で確認できるが軽微である。
ランク3:モアレ画像が確認できるが、実用上問題無い。
ランク4:画像全体でモアレ画像が発生しており、画質の低下が認められる。
なお、モアレ画像は、帯電ローラに印加する交流電圧の周期による帯電ムラと上記ハーフトーン画像の横線とが干渉することで発生する現象である。帯電ローラ表面に形成された凸部が放電点として機能しているうちは、放電点によるドット状の帯電が上記印加電圧の周期による帯電ムラを打ち消すため、ハーフトーン画像のドットと干渉することはない。すなわち、電子写真画像の形成工程における放電点の機能性低下は、上記モアレ画像を発生させる場合があり、本画像評価は、樹脂粒子に起因した凸部の放電点としての機能性の低下を抑制する効果と、電子写真画像の品位との相関関係をみることができる。
<実施例2〜7>
多孔質樹脂粒子を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラ2〜7を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表3及び表5に示す。
<実施例8〜14>
表面層形成用の塗布液を下記のようにして作製した。
〔表面層形成用の塗布液の作製〕
アクリルポリオール溶液B 714質量部(アクリルポリオール固形分100質量部)に対して、下記成分を加え、混合溶液を調整した。
カーボンブラックC 25質量部
表面処理酸化チタン粒子 25質量部
変性ジメチルシリコーンオイル 0.08質量部
ブロックイソシアネート混合物80.14質量部(NCO/OH=1.0)
内容積450mLのガラス瓶に上記混合溶液187gを、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gと共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて48時間分散した。分散後、それぞれ表3に記載の多孔質樹脂粒子8.25gを添加した(アクリルポリオール固形分100質量部に対して多孔質樹脂粒子50質量部である)。その後、5分間分散し、ガラスビーズを除去して導電性表面層形成用の塗布液を作製した。
上記以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラを作製し、評価した。評価結果を表3及び表5に示す。
<実施例15〜21>
多孔質樹脂粒子を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ帯電ローラ15〜21を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表3及び表5に示す。
<実施例22〜24>
弾性ローラとして製造例2で作製した弾性ローラ2を用い、多孔質樹脂粒子を表3に示すように変更して作成した表面層形成用の塗布液を用いた以外は、実施例8と同様にして、それぞれ帯電ローラ22〜24を作製し、実施例8と同様に評価した。評価結果を表3及び表5に示す。
<実施例25>
実施例1において、表面層の形成において、熱風循環乾燥炉にて100℃1時間の加熱を80℃1時間とし、以下、実施例1と同様にして、帯電ローラ25を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表3及び表5に示す。
<比較例1〜3>
多孔質樹脂粒子A1を、中実樹脂粒子A24、多中空樹脂粒子A25または単中空樹脂粒子A26に変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ帯電ローラ26〜28を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表4及び表6に示す。なお、これら帯電ローラでは、表面層中の凸部の樹脂粒子は、導電性ドメインを有していなかった。
Figure 0006180272

注)表1中の化合物は下記を意味する。
MMA :メチルメタクリレート
BMA :n−ブチルメタクリート
St :スチレン
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
HDMA:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
Hx :ノルマルヘキサン
EAc :酢酸エチル
MAc :酢酸メチル
PAc :酢酸イソプロピル
Ace :アセトン
Figure 0006180272

表2中、樹脂粒子No.A25及びA26の「平均空孔径」及び「平均空孔率」については、便宜上、「コア部空孔」の欄に記載しているが、樹脂粒子全体としての平均空孔径及び平均空孔率である。
Figure 0006180272
Figure 0006180272
Figure 0006180272
Figure 0006180272
1 導電性基体
2 導電性弾性層
3 導電性表面層
104 樹脂粒子
201 導電性ドメイン
301 重心

Claims (10)

  1. 導電性基体および導電性の表面層を有する帯電部材であって、
    該表面層は、バインダー樹脂及び導電性微粒子を含むマトリックスと、該マトリックス中に分散されている樹脂粒子と、を含み、
    該帯電部材は、該樹脂粒子に起因する凸部を表面に有しており、
    該樹脂粒子は、内側に複数の導電性ドメインを含み、
    該導電性ドメインは、該樹脂粒子の表面の近傍に偏在している
    ことを特徴とする帯電部材。
  2. 前記樹脂粒子の体積平均粒径が、5〜60μmである請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記樹脂粒子を被覆している前記マトリックスの厚みが、0.1〜2.0μmである請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記導電性微粒子の一次粒子の平均粒径が、10〜100nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電部材。
  5. 前記導電性微粒子が、金属の微粒子、金属酸化物の微粒子、カーボンブラック及び金属酸化物にカーボンブラックを被覆した複合導電性微粒子からなる群から選ばれる少なくも一つである請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電部材。
  6. 前記導電性ドメインが、前記導電性微粒子が凝縮している領域である請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材。
  7. 請求項1に記載の帯電部材の製造方法であって、
    コア部及びシェル部の双方に空孔を有し、シェル部の平均空孔径が、コア部の平均空孔径よりも大きい、コア・シェル型の多孔質樹脂粒子を用意する工程;
    バインダー樹脂もしくはバインダー樹脂原料、導電性微粒子、該多孔質樹脂粒子および溶媒を含む表面層形成用の塗布液を得る工程;
    該塗布液の塗膜を、該導電性基体上に形成する工程、及び
    該塗膜を乾燥、硬化させて表面層を形成する工程、
    を有し、
    導電性微粒子の体積平均粒径は、該コア部の平均空孔径よりも大きく、該シェル部の平均空孔径より小さく、また、
    該塗布液を得る工程は、該導電性微粒子を該多孔質樹脂粒子のコア部の空孔及びシェル部の空孔に侵入させることによって、該コア部の空孔よりも、該シェル部の空孔により多くの該導電性微粒子が充填されてなり、該導電性微粒子が凝縮している導電性ドメイン領域が表面近傍に存在してなる樹脂粒子を形成する工程を含む、
    ことを特徴とする帯電部材の製造方法。
  8. 前記多孔質樹脂粒子のコア部およびシェル部の平均空孔径が、それぞれ10〜50nm、40〜500nmである請求項に記載の帯電部材の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の帯電部材と、該帯電部材と接触して配置されている電子写真感光体とを具備し、電子写真装置本体に着脱可能な構造を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の帯電部材と、該帯電部材と接触して配置されている電子写真感光体とを有することを特徴とする電子写真装置。
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