JP6179888B2 - カバー部材の取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、設置対象面に沿うように固定されるベース部材へのカバー部材の取付構造に関する。
種々の機器や部材等を内蔵や収納等する筐体(ハウジング、ケース)のカバーの取付構造としては、ねじ止め等による取付構造があったが、カバーの取り付けや取り外しの際に面倒であるという問題があった。
例えば、下記特許文献1では、カバーとケースとを備えた筐体の固定構造が提案されている。この固定構造は、ケースの対向する部分に、可撓性引掛爪及び剛性引掛爪を設け、これらをカバーの両側の内部側に突出させた係止突起に係合させ、カバーとケースとを固定する構造とされている。また、この固定構造は、可撓性引掛爪を、ケースの側壁との間に隙間をもつように形成し、その隙間の部分に対応させて、ケースの底面にカバーを取り外す際に挿入される操作治具の操作穴を設けた構造とされている。
特開平9−250520号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された固定構造は、ケースの側壁との間に隙間をもつように形成された可撓性引掛爪とカバーの係止突起との係合状態を解除するために挿入される操作治具の操作穴を、ケースの底面に設けた構造とされている。そのため、例えば、照明器具等のような壁面や天井面等の設置対象面に、カバーの取付対象としてのケース(ベース部材)が沿うように固定されるものでは、適用し難い構造であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、設置対象面に沿うように固定されるベース部材に対するカバー部材の取外性を向上し得るカバー部材の取付構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るカバー部材の取付構造は、設置対象面に沿うように固定されるベース部材の両側部に反設置対象面側に向けて突出するように設けられた係止片部のそれぞれに、カバー部材の両側部に対応して設けられた被係止片部を外側から被せるように引っ掛けて係止させ、該カバー部材前記ベース部材に着脱可能に取り付けられる構造とされており、前記カバー部材の一方の被係止片部の先端面が前記設置対象面に対して平行状の平坦面とされ、前記ベース部材の一方の係止片部の基端部から前記設置対象面に沿うように突出させた突片部の基端側部位よりも薄くした先端側部位と該部位に対向される前記カバー部材の一方の被係止片部の前記先端の反係止片部側部位との間に取外治具の挿入凹所が形成され、かつ前記突片部の先端側よりも厚くした基端側部位と該部位に対向される前記一方の被係止片部の前記先端の係止片部側部位とが当接される構造とされており、前記ベース部材の突片部の基端側部位と先端側部位との境界部に設けられた段差の段差面が前記挿入凹所の底側を構成することを特徴とする。
本発明においては、前記段差面を、斜め反設置対象面側に向くように傾斜面としてもよい。
また、本発明においては、前記ベース部材の突片部の先端側の反設置対象面側に向く面を、基端側から先端側に向かうに従い設置対象面側に傾斜するように傾斜面としてもよい。
本発明に係るカバー部材の取付構造は、上述のような構成としたことで、設置対象面に沿うように固定されるベース部材に対するカバー部材の取外性を向上させることができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係るカバー部材の取付構造の一例及び同取付構造が適用される筐体の一例を備えた照明器具の一例を模式的に示し、図2(a)におけるX−X線矢視に対応させた一部省略概略縦断面図、(b)は、(a)に対応させた概略分解縦断面図である。 (a)、(b)は、いずれも同照明器具を模式的に示し、(a)は、概略斜視図、(b)は、概略分解斜視図である。 (a)は、図1(a)におけるY部に対応させた一部破断概略縦断面図、(b)、(c)は、同取付構造の一変形例をそれぞれ模式的に示す(a)に対応させた一部破断概略縦断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本実施形態に係るカバー部材の取付構造の一例及びその変形例並びに同取付構造が適用される筐体の一例を備えた照明器具の一例を模式的に示す図である。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
本実施形態に係るカバー部材の取付構造は、図1に示すように、設置対象面2に沿うように固定されるベース部材10に、カバー部材20を着脱可能に取り付ける構造とされている。これらベース部材10及びカバー部材20は、種々の機器や部材等を内蔵や収納等する筐体(ハウジング、ケース)を構成する。
本実施形態では、設置対象面を、住居等の建物内の垂直面状の壁面2としているが、天井面や床面等としてもよく、また、屋外の壁面等としてもよい。また、収納家具等の上面や下面、側面、内面等を設置対象面としてもよい。
また、本実施形態では、カバー部材の取付構造を、図2に示すように、それぞれに長尺状とされたベース部材10及びカバー部材20を備えた照明器具1の筐体(照明ケース)に適用した例を示している。
図1では、この照明器具1を、その出射方向が下向きとなるように壁面2に沿わせるように固定した例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、照明器具1を、出射方向が上向きとなるように壁面2に沿わせるように固定したり、出射方向が横向きとなるように天井面等に沿わせるように固定したりしてもよい。また、この照明器具1の設置態様としては、天井面と壁面2との入隅部に沿わせるように設置するようにしてもよい。また、この照明器具1は、このような間接照明として設置されるものに限られず、直接照明として設置されるものとしてもよい。
また、照明器具1は、ベース部材10及びカバー部材20を備えた筐体内に収容される発光ユニット30を備えている。
この発光ユニット30は、図2(b)に示すように、長尺状とされており、当該照明器具1の略全長に亘る発光部を有している。この発光ユニット30は、長手方向両端部または一端部(図例では、両端部)に、光源を構成する発光素子としてのLED(発光ダイオード)等を有した基板を保持する基板保持部31,31を備えている。また、発光ユニット30は、この光源からの光を導光し、出射する発光部としての棒状導光体を収容する導光ケース32を備えている。棒状導光体は、詳細な説明は省略するが、光源が対向配置される長手方向端面の入射面から入射された光を、反射部や反射面によって反射させ、長手方向に沿って導光しながら、出射面から出射する構造とされている。
この発光ユニット30は、棒状導光体の出射面が、当該照明器具1の出射方向に応じた向きとなるように、ベース部材10に固定され、当該照明器具1の略全長に亘ってライン状に概ね一様に出射する構成とされている。
また、発光ユニット30は、図1及び図2(b)に示すように、ねじ等の止具4によってベース部材10に固定するようにしてもよい。図例では、導光ケース32の一側部(図例では、上側部)に止具4が挿通される固定片を設け、この固定片に挿通した止具4によってベース部材10に発光ユニット30を固定した例を示している。
なお、図1では、発光ユニット30を断面図とせずに、側面図として図示している。
また、照明器具1の発光ユニット30としては、このようなエッジライト方式(導光方式)のLEDユニットに限られない。例えば、当該照明器具1の長手方向に沿って長尺とされた略帯板状の基板に、複数の光源としてのLED等を長手方向に沿って間隔を空けて設けた発光ユニット30としてもよい。また、発光ユニット30の光源としては、LED等の発光素子に限られず、蛍光管等を発光部として設けるようにしてもよい。
ベース部材10は、反壁面側に向けて突出するように両側部にそれぞれ設けられた係止片部11,12を備えている。つまり、これら係止片部11,12は、壁面2に対して略直交する方向に沿って突出するように形成されている。
また、本実施形態では、ベース部材10を、長尺状の略帯板状とし、その幅方向両側部に、対状に係止片部11,12を設けた構造としている。
これら係止片部11,12は、ベース部材10の全長に亘って設けられている。また、これら係止片部11,12の突出方向先端部には、係止部11a,12aがそれぞれに設けられている。図例では、これら係止片部11,12の各係止部11a,12aを、ベース部材10の幅方向外方側に向けて突出する係止突部11a,12aとした例を示している。これら係止突部11a,12aは、それぞれの係止片部11,12の全長に亘って設けられたものとしてもよい。
また、ベース部材10には、これら係止片部11,12のうちの一方の係止片部12としての幅方向一側部(図例では、下側部)側の第2係止片部12の基端部から壁面2に沿うように突出する突片部13が設けられている。
この突片部13は、第2係止片部12の基端部からベース部材10の幅方向外方側に向けて突出するように形成されている。また、この突片部13は、ベース部材10の全長に亘って設けられている。なお、ベース部材10の長手方向に間隔を空けて複数箇所に突片部13を設けたような態様としてもよい。また、この突片部13の詳細については後述する。
また、ベース部材10には、発光ユニット30を当該ベース部材10に固定する止具4が止着される固定部16と、当該ベース部材10を壁面2に固定する止具3の止着部の目印(誘い)となる凹溝17と、が設けられている。固定部16としては、雌ねじ穴等としてもよい。また、図例では、断面略V字状の凹溝17を、ベース部材10の上側部位に当該ベース部材10の長手方向に延びるように設けた例を示している。なお、このような凹溝17に代えて、止具挿通孔を設けるようにしてもよい。また、発光ユニット30のベース部材10への固定態様及びベース部材10の壁面2への固定態様としては、止具3,4によって固定する態様に限られず、接着剤や粘着テープ等の粘着材によって固定する態様としてもよい。
また、ベース部材10には、当該ベース部材10を厚さ方向に貫通する配線用開口18が設けられている。この配線用開口18は、ベース部材10の長手方向に沿って間隔を空けて複数箇所に設けるようにしてもよい。また、この配線用開口18を介して壁面2を構成する壁体内に配線された電源コード等を筐体内に導入し、発光ユニット30に接続するようにしてもよい。
また、ベース部材10は、金属系材料や合成樹脂系材料等から上記形状に一体的に形成されたものとしてもよい。
カバー部材20は、長手方向両外方側に向けて開口した形状とされており、ベース部材10に取り付けられた状態では、これらベース部材10とカバー部材20とによって長手方向両端が開口した略筒型形状となる構成とされている。照明器具1は、これら長手方向両端の開口を覆うエンドキャップ29,29を備えている。これらエンドキャップ29,29は、図2に示すように、カバー部材20の長手方向両端部及び開口を覆うように形成されている。また、ベース部材10の長手方向両端部には、これらエンドキャップ29,29を保持するキャップ保持部19,19がそれぞれに設けられている。なお、図1では、エンドキャップ29やキャップ保持部19の図示を省略している。
また、カバー部材20は、壁面2側に向けて突出するように両側部にそれぞれ設けられた被係止片部23,24を備えている。これら被係止片部23,24は、ベース部材10の係止片部11,12に対応して設けられている。本実施形態に係るカバー部材の取付構造は、ベース部材10の係止片部11,12のそれぞれに、カバー部材20の被係止片部23,24を外側から被せるように引っ掛けて係止させ、カバー部材20をベース部材10に着脱可能に取り付ける構造とされている。つまり、ベース部材10の幅方向一側部側の第2係止片部12に、カバー部材20の幅方向一側部側の第2被係止片部24を引っ掛けて係止させる構造としている。また、ベース部材10の幅方向他側部側の第1係止片部11に、カバー部材20の幅方向他側部側の第1被係止片部23を引っ掛けて係止させる構造としている。
本実施形態では、カバー部材20を、ベース部材10と同様、長尺状とし、その幅方向両側部に、対状に被係止片部23,24を設けた構造としている。このカバー部材20の長さ寸法は、ベース部材10の長さ寸法と略同寸法とされている(図2(b)参照)。
これら被係止片部23,24は、カバー部材20の全長に亘って設けられている。また、これら被係止片部23,24の突出方向先端部には、ベース部材10の係止片部11,12の各係止部(係止突部)11a,12aにそれぞれ係止される被係止部23a,24aがそれぞれに設けられている。図例では、これら被係止片部23,24の各被係止部23a,24aを、カバー部材20の幅方向内方側に向けて突出する被係止突部23a,24aとした例を示している。これら被係止突部23a,24aは、それぞれの被係止片部23,24の全長に亘って設けられたものとしてもよい。なお、係止片部11,12の係止部11a,12a及び被係止片部23,24の被係止部23a,24aとしては、このような態様に限られず、いずれか一方を、凹溝状の係止凹部(被係止凹部)等としてもよく、その他、種々の態様とされた係止部及び被係止部の採用が可能である。
また、本実施形態では、カバー部材20を、壁面2側に向けて開口する機器収容空間を設けた断面略コ字状(略U字状または略C字状)の形状とし、その幅方向両側の側壁部を被係止片部23,24としている。また、図例では、第1被係止片部23の突出寸法(当該照明器具1の厚さ方向に沿う寸法)を、第2被係止片部24の突出寸法よりも小さい寸法としている。また、これら第1被係止片部23と第2被係止片部24とを連結するように設けられた前側壁部21,22を、壁面2と平行状に配される平坦状壁部21と傾斜壁部22とからなる構成としている。平坦状壁部21は、第2被係止片部24の基端部に連なるように形成されている。傾斜壁部22は、この平坦状壁部21の幅方向一側部側の端部に連なるように形成され、第1被係止片部23に向かうに従い壁面2側に向けて傾斜するような形状とされている。なお、カバー部材20の前側壁部21,22は、このような態様に限られず、適宜、変形可能である。
また、本実施形態では、カバー部材20の第2被係止片部24の少なくとも発光ユニット30の出射方向先側に配される部位を、透光性を有したものとしている。本実施形態では、カバー部材20の第2被係止片部24の全体を、透光性材料から形成されたものとし、カバー部材20の他の部位を非透光性材料から形成されたものとしている。第2被係止片部24は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透光性を有した樹脂系材料や透明の樹脂系材料等から形成されたものとしてもよい。また、第2被係止片部24は、乳白色等に着色されて透光性を有したものとしてもよい。また、この第2被係止片部24と他の部位とは、例えば、二色(異材質)押出成形等によって一体的に形成されたものとしてもよく、または、適宜、接着等によって接合一体化されたものとしてもよい。さらには、カバー部材20の全体を、透光性を有したものとしてもよい。
また、図例では、第2被係止片部24の内面側に、幅方向に沿って間隔を空けて複数のプリズム状の反射突条からなる配光パターンを設けた例を示している。この配光パターンは、当該照明器具1から出射される出射光を壁面2側に配光するように形成されたものとしてもよく、その他の方向に配光するように形成されたものとしてもよい。なお、このような配光パターンを第2被係止片部24に設けないようにしてもよい。
また、カバー部材20の第2被係止片部24を概ね除く表面側部位を覆うように、化粧シート(フィルム)27を貼着した構造としている。なお、このような化粧シート27を貼着した態様に代えて、塗装等によって表面化粧処理を施すようにしてもよく、さらには、このような表面化粧処理を施さないようにしてもよい。
また、第1被係止片部23は、図1(a)に示すように、カバー部材20が壁面2に固定されたベース部材10に取り付けられた状態で、その先端部が壁面2に当接または近接される構造とされている。この第1被係止片部23の先端部は、先端に向かうに従い先細り状となるように、その内面側が傾斜面とされている。
第2被係止片部24は、カバー部材20がベース部材10に取り付けられた状態で、その先端部がベース部材10の突片部13に対向される構造とされている。
本実施形態に係るカバー部材の取付構造は、図1(a)及び図3(a)に示すように、ベース部材10の突片部13の先端側部位15とこの先端側部位15に対向されるカバー部材20の第2被係止片部24の先端部の反係止片部側部位としての外側部位25との間に取外治具6の挿入凹所5が形成される構造とされている。
この挿入凹所5は、ベース部材10にカバー部材20を取り付けた状態で形成される。この挿入凹所5の深さ寸法(突片部13の突出方向に沿う寸法)や幅寸法(ベース部材10の厚さ方向に沿う寸法)は、マイナスドライバー等の取外治具6の先端の挿入性や、ベース部材10に対するカバー部材20の取外性等の観点から適宜、設定するようにしてもよい。また、このような観点から、ベース部材10の突片部13の突出寸法及びカバー部材20の第2被係止片部24の厚さ寸法(突片部13の突出方向に沿う寸法)を適宜、設定するようにしてもよい。図例では、突片部13の突出寸法を、被係止突部24aを含む第2被係止片部24の先端部の厚さ寸法よりも僅かに大きい寸法とした例を示しているが、突片部13の突出寸法と第2被係止片部24の先端部の厚さ寸法とを略同寸法等としてもよい。
また、本実施形態に係るカバー部材の取付構造は、ベース部材10の突片部13の基端側部位14とこの基端側部位14に対向されるカバー部材20の第2被係止片部24の先端部の係止片部側部位としての内側部位26とが当接される構造とされている。なお、図3(a)では、ベース部材10の突片部13の基端側部位14とカバー部材20の第2被係止片部24の先端部の内側部位26との間に、僅かな隙間(クリアランス)を設けたように図示しているが、取り付けられた状態では、当接される構造とされている。また、ベース部材10及びカバー部材20の成形誤差等を考慮してこのような僅かなクリアランスが形成される態様も含めて当接される構造として把握するようにしてもよい。
また、本実施形態では、カバー部材20の第2被係止片部24の先端面24bを、図3(a)に示すように、壁面2に対して平行状の平坦面としている。図例では、第2被係止片部24の被係止突部24aの先端側面の一部を先端面24bに含むように平坦面とした例を示している。この第2被係止片部24の先端面24bは、ベース部材10の突片部13の基端側部位14の反壁面側に向く面(基端側当接面)13aに少なくとも一部が当接するように形成されている。
また、本実施形態では、ベース部材10の突片部13の先端側よりも厚くした基端側部位14をカバー部材20の第2被係止片部24の先端面24bとの当接部としている。つまり、ベース部材10の突片部13の先端側を基端側部位14よりも薄くし、挿入凹所5を形成する構造としている。
また、本実施形態では、ベース部材10の突片部13の基端側部位14と先端側部位15との境界部に段差を設けている。この段差の段差面13bが、挿入凹所5の底側を構成することとなる。
また、本実施形態では、この段差面13bを、斜め反壁面側に向くように傾斜面とし、傾斜段差面13bとしている。つまり、壁面2と平行状の平坦面とされたベース部材10の突片部13の基端側当接面13aとこの傾斜段差面13bとのなす角を鈍角としている。図例では、この傾斜段差面13bを、カバー部材20の第2被係止片部24の被係止突部24aの先端側面と平行状に形成した例を示している。
また、本実施形態では、ベース部材10の突片部13の先端側の反壁面側に向く面13dを、基端側から先端側に向かうに従い壁面2側に傾斜するように傾斜面とし、先端側傾斜面13dとしている。また、本実施形態では、この先端側傾斜面13dと傾斜段差面13bとの間に、壁面2と平行状の平坦面とされた平坦部13cを設けている。この平坦部13cは、突片部13の他の反壁面側表面に比べて、幅寸法(突片部13の突出方向に概ね沿う寸法)が小さく形成されている。
また、先端側傾斜面13dは、この平坦部13cとのなす角が、基端側当接面13aと傾斜段差面13bとのなす角よりも大きな鈍角となるように形成されている。つまり、壁面2を基準として、傾斜段差面13bよりも先端側傾斜面13dが緩やかに形成されている。
上記構造とされた取付構造においては、壁面2に固定されたベース部材10にカバー部材20を取り付ける際には、以下のように取り付けるようにしてもよい。図1(b)に示すように、カバー部材20の一方の被係止片部(第2被係止片部)24をベース部材10の一方の係止片部(第2係止片部)12に引っ掛けるようにして被係止突部24aを係止突部12aに係止させる。そして、カバー部材20を長手方向軸廻りに回動させ、カバー部材20の他方の被係止片部(第1被係止片部)23をベース部材10の他方の係止片部(第1係止片部)11に引っ掛けるようにして被係止突部23aを係止突部11aに係止させる。これにより、図1(a)に示すように、カバー部材20が壁面2に固定されたベース部材10に取り付けられる。
上記のようにカバー部材20を壁面2に固定されたベース部材10に取り付けた状態では、ベース部材10の突片部13の先端部を除く概ね全体がカバー部材20によって覆われた状態となる。また、この状態では、図3(a)に示すように、ベース部材10の突片部13の傾斜段差面13b、平坦部13c及び先端側傾斜面13dとカバー部材20の第2被係止片部24の先端面24bの外側部位25とによって突片部13の突出方向と同方向に向けて開口した挿入凹所5が形成される。
このように壁面2に固定されたベース部材10に取り付けられたカバー部材20は、以下のように取り外すようにしてもよい。図1(a)に示すように、挿入凹所5に取外治具6を挿入し、ベース部材10の各係止片部11,12やカバー部材20の弾性変形を伴いながら、取外治具6を取り外し側へ操作してカバー部材20を取り外すようにしてもよい。
本実施形態に係るカバー部材の取付構造は、上述のような構成としたことで、設置対象面としての壁面2に沿うように固定されるベース部材10に対するカバー部材20の取外性を向上させることができる。
つまり、壁面2に沿うように固定されるベース部材10の両側部に、反壁面側に向けて突出するように係止片部11,12を設け、カバー部材20の両側部に、これら係止片部11,12に対応させて被係止片部23,24を設けた構造としている。また、カバー部材20のこれら被係止片部23,24を、ベース部材10の対応する係止片部11,12のそれぞれに外側から被せるように引っ掛けて係止させ、カバー部材20をベース部材10に取り付ける構造としている。従って、ねじ等の止具によってカバー部材をベース部材に取り付ける構造としたものと比べて、ベース部材10に対するカバー部材20の取付性を向上させることができる。また、カバー部材20の被係止片部23,24がベース部材10の係止片部11,12のそれぞれに外側から被せられ、これら係止片部11,12を目立ち難くすることができる。これにより、例えば、ベース部材10側には表面化粧処理を施さずに、表面側に露出するカバー部材20側のみに表面化粧処理を施すようなこともできる。
また、ベース部材10の一方の係止片部12の基端部から壁面2に沿うように突出し、カバー部材20の一方の被係止片部24の先端部に対向される突片部13を設けている。また、この突片部13の先端側部位15とこの先端側部位15に対向されるカバー部材20の一方の被係止片部24の先端部の反係止片部側部位(外側部位)25との間に取外治具6の挿入凹所5が設けられる構造としている。従って、この挿入凹所5に、取外治具6の先端を挿入し、取り外し側へ操作することで、カバー部材20を容易に取り外すことができる。また、挿入凹所5の壁面2側にはベース部材10の突片部13が設けられているので、このようにカバー部材20を取り外す際にも、取外治具6による壁面2の損傷等を防止することができる。
また、ベース部材10の突片部13の基端側部位14とこの基端側部位14に対向されるカバー部材20の一方の被係止片部24の先端部の係止片部側部位(内側部位)26とが当接される構造としている。従って、壁面2の損傷等の防止や取外性の向上が可能でありながらも、ベース部材10に取り付けた状態におけるカバー部材20のがたつきを抑制することができる。つまり、ベース部材10とカバー部材20との間に取外治具6の挿入凹所5を設けた構造としながらも、挿入凹所5に隣接するこれらの一部が当接される構造とすることで、がたつきを抑制することができる。また、このようながたつきを防止するために互いに当接する部位を別の箇所に設けることも考えられるが、このようなものと比べて構造の簡略化を図ることができ、また、より効果的にがたつきを抑制することができる。
また、本実施形態では、カバー部材20の一方の被係止片部24の先端面24bを壁面2に対して平行状の平坦面とする一方、ベース部材10の突片部13の先端側よりも厚くした基端側部位14をカバー部材20の一方の被係止片部24の先端面24bとの当接部としている。従って、例えば、カバー部材20の一方の被係止片部24の先端面を、挿入凹所5の開口側に向かうに従い反壁面側に傾斜する傾斜面としたようなものと比べて、取外治具6を取り外し側へ操作する際における先端面への取外治具6の掛かり性を向上させることができる。
また、本実施形態では、ベース部材10の突片部13の基端側部位14と先端側部位15との境界部に段差を設けた構造としている。従って、例えば、突片部13の先端側部位15の全体を、後記する第2変形例(図3(c)参照)のように、挿入凹所5Bの開口側に向かうに従い壁面2側に傾斜する傾斜面13eとして挿入凹所5Bを形成するようなものと比べて、取外治具6の先端を挿入凹所5に深く差し込むことができ、取外性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、ベース部材10の突片部13の基端側部位14と先端側部位15との境界部の段差面を、斜め反壁面側に向くように傾斜面とし、傾斜段差面13bとしている。この段差面を、後記する第1変形例(図3(b)参照)のように、壁面2に直交し、挿入凹所5Aの開口側に向くような平坦面とした場合には、カバー部材20がベース部材10A側に押圧等された際に、カバー部材20の一方の被係止片部24の外側への変形を伴いこの被係止片部24の先端が突片部13Aの先端側部位15Aに落ち込み異音が発生することが考えられる。一方、上記のような傾斜段差面13bとすれば、段差形状として取外性の向上が可能でありながらも、カバー部材20をベース部材10側に押圧した際に生じる異音等の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、ベース部材10の突片部13の先端側の反壁面側に向く面を、基端側から先端側に向かうに従い壁面2側に傾斜するように傾斜面とし、先端側傾斜面13dとしている。従って、この先端側傾斜面13dを取外治具6の先端を挿入凹所5に挿入する際における誘いとして機能させることができ、取外性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、この先端側傾斜面13dと段差面(本実施形態では、傾斜段差面)13bとの間に、平坦部13cを設けている。従って、突片部13の先端側部位15の反壁面側に向く面の全面を傾斜面とした場合と比べて、取外治具6を取り外し側へ操作する際における取外治具6の先端の滑り等を抑制することができ、取外性をより向上させることができる。
次に、本実施形態に係るカバー部材の取付構造の変形例について、図3(b)、(c)を参照して説明する。
なお、以下の各変形例では、上記した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
図3(b)は、第1変形例に係るカバー部材の取付構造を模式的に示す図である。
本変形例では、ベース部材10Aの突片部13Aの基端側部位14と先端側部位15Aとの境界部の段差面13Abを、壁面2に直交し、挿入凹所5Aの開口側に向くような平坦面としている。本変形例においても、傾斜段差面13bを設けたことによる効果を除いて上記した例と概ね同様の効果を奏する。また、本変形例によれば、上記した例と比べて、取外治具6の先端を挿入凹所5Aにより効果的に深く差し込むことができる。
図3(c)は、第2変形例に係るカバー部材の取付構造を模式的に示す図である。
本変形例では、ベース部材10Bの突片部13Bの基端側部位14と先端側部位15Bとの境界部に段差を設けずに、先端側部位15Bの反壁面側に向く面の全面を傾斜面13eとし、挿入凹所5Bを形成する構造としている。この傾斜面13eは、上記した各例における先端側傾斜面13dと概ね同様、比較的に緩やかな傾斜面とされている。本変形例においても、段差面13b,13Abを設けたことによる効果を除いて上記した各例と概ね同様の効果を奏する。また、本変形例によれば、上記した各例と比べて、カバー部材20をベース部材10B側に押圧した際に生じる異音等の発生をより効果的に抑制することができる。
なお、本変形例では、突片部13Bの先端側部位15Bの反壁面側に向く面を、平坦状の傾斜面13eとした例を示しているが、凹湾曲面等としてもよい。
また、上記した各例では、ベース部材10,10A,10Bの一方の係止片部12の基端部に設けた突片部13,13A,13Bの先端側部位15,15A,15Bとカバー部材20の一方の被係止片部24の先端部の外側部位25との間に挿入凹所5,5A,5Bが形成される構造とした例を示しているが、このような態様に限られない。このような態様に代えて、または加えて、ベース部材10,10A,10Bの他方の係止片部11の基端部に、上記同様の突片部を設け、この突片部の先端側部位とカバー部材20の他方の被係止片部23の先端部の外側部位との間に、上記同様の挿入凹所が形成される構造としてもよい。この場合は、ベース部材10,10A,10Bの他方の係止片部11の突片部の基端側部位とカバー部材20の他方の被係止片部23の先端部の内側部位とが当接される構造とすればよい。
また、上記した各例では、ベース部材10,10A,10Bの突片部13,13A,13Bの基端側部位14を先端側よりも厚くして挿入凹所5,5A,5Bを形成する構造とした例を示しているが、このような態様に限られない。このような態様に代えて、または加えて、カバー部材20の一方の被係止片部24の先端部の外側部位25を、内側部位26よりも当該被係止片部24の突出方向基端側へ凹ませることで、挿入凹所を形成する構造としてもよい。
また、上記した各例では、ベース部材10,10A,10Bの突片部13,13A,13Bの先端側の反壁面側に向く面を、基端側から先端側に向かうに従い壁面2側に傾斜するように傾斜面13d,13eとした例を示しているが、壁面2に対して平行状の平坦面としてもよい。
また、本実施形態では、カバー部材の取付構造を、単一のベース部材10(10A,10B)と単一のカバー部材20とを備えた照明器具1の筐体に適用した例を示しているが、このような態様に限られない。単一または複数のベース部材10(10A,10B)に対して複数のカバー部材20を取り付ける構造としてもよい。
また、本実施形態では、これらベース部材10(10A,10B)及びカバー部材20を長尺状とし、その幅方向の両側部に、互いに係止する係止片部11,12及び被係止片部23,24を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、長手方向の両側部に、互いに係止する係止片部及び被係止片部を設けた態様としてもよい。
また、ベース部材10(10A,10B)及びカバー部材20としては、このような長尺状とされたものに限られず、種々の形状とされたものとしてもよい。また、ベース部材10(10A,10B)の厚さ方向に見て、略矩形状とされたベース部材10(10A,10B)及びカバー部材20に限られず、例えば、その他の略多角形状や略円形状等とされたものとしてもよい。この場合は、互いに係止する係止片部及び被係止片部を、概ね対状にベース部材10(10A,10B)及びカバー部材20のそれぞれに設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、カバー部材の取付構造を、照明器具1の筐体に適用した例を示しているが、このような態様に限られない。設置対象面2に沿うように固定されるベース部材10,10A,10Bに対してカバー部材20を取り付ける構造とされたものであれば、種々の筐体(ケース、ハウジング)に適用可能である。例えば、火災警報器や住宅情報盤、インターホン、各種センサー等の筐体(ケース、ハウジング)に適用してもよく、また、配線や配管等を収容するダクト等にも適用可能である。
2 壁面(設置対象面)
5,5A,5B 挿入凹所
6 取外治具
10,10A,10B ベース部材
11 第1係止片部
12 第2係止片部(一方の係止片部)
13,13A,13B 突片部
13b 傾斜段差面
13d,13e 先端側傾斜面(先端側の反設置対象面側に向く面)
14 基端側部位(当接部)
15,15A,15B 先端側部位
20 カバー部材
23 第1被係止片部
24 第2被係止片部(一方の被係止片部)
24b 先端面
25 先端部の外側部位(反係止片部側部位)
26 先端部の内側部位(係止片部側部位、当接部)

Claims (3)

  1. 設置対象面に沿うように固定されるベース部材の両側部に反設置対象面側に向けて突出するように設けられた係止片部のそれぞれに、カバー部材の両側部に対応して設けられた被係止片部を外側から被せるように引っ掛けて係止させ、該カバー部材前記ベース部材に着脱可能に取り付けられる構造とされており、
    前記カバー部材の一方の被係止片部の先端面が前記設置対象面に対して平行状の平坦面とされ、
    前記ベース部材の一方の係止片部の基端部から前記設置対象面に沿うように突出させた突片部の基端側部位よりも薄くした先端側部位と該部位に対向される前記カバー部材の一方の被係止片部の前記先端の反係止片部側部位との間に取外治具の挿入凹所が形成され、かつ前記突片部の先端側よりも厚くした基端側部位と該部位に対向される前記一方の被係止片部の前記先端の係止片部側部位とが当接される構造とされており、
    前記ベース部材の突片部の基端側部位と先端側部位との境界部に設けられた段差の段差面が前記挿入凹所の底側を構成することを特徴とするカバー部材の取付構造。
  2. 請求項において、
    前記段差面を、斜め反設置対象面側に向くように傾斜面としたことを特徴とするカバー部材の取付構造。
  3. 請求項1または2において、
    前記ベース部材の突片部の先端側の反設置対象面側に向く面を、基端側から先端側に向かうに従い設置対象面側に傾斜するように傾斜面としたことを特徴とするカバー部材の取付構造。
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