JP6179820B2 - 車両の運転支援制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両の運転を支援するための装置に係り、より詳細には、操舵アシスト機構とトルクベクタリング機構を備えた車両に於いてそれらの機構の作動制御と運転者の操作との協調を図りながら運転支援を実行する装置に係る。
自動車等の車両の運転制御の分野に於いては、運転者がより容易に車両を運転できるように車両の操舵機構や加減速機構を制御する種々の形式の車両の運転支援システム又は自動運転システムが提案されている。例えば、レーンキーピングアシスト(LKA)制御では、走行中の車両の車線逸脱を未然に防ぐために、車両が車線からはみ出しそうなときは、警報ブザーなどによって、運転者に注意が与えられ、更に、レーダークルーズコントロール作動時には、アクセルペダルを踏み続けることなく、車速を設定速度に維持する速度制御を実行しつつ、車線に沿って車両が走行するように運転者の操舵支援が実行される。また、インテリジェントパーキングアシスタント(IPA)では、縦列駐車や車庫入れの際に操舵支援が実行される。更に、特許文献1では、車線変更の際に、周辺環境情報に基づいて算出された最適操舵角に近づくようにハンドルの操舵反力を変更し、運転者が舵角を最適操舵角に合わせることを容易にする構成が開示されている。
特許第4173292
上記の如き運転支援システム又は自動運転システムが搭載された車両に於いては、システム、即ち、機械による作動制御に対する運転者のオーバーライドの程度が大きい場合には、機械による作動制御が停止してしまうのが一般的である。例えば、クルーズコントロールの作動中に、右左折、車線変更、或いは、緊急回避のために運転者が操舵入力、アクセル・ブレーキペダル入力などを行うと、システムはその作動を停止する。IPAの場合も、その作動は、運転者のハンドル操作によるオーバーライドによって、中断される。即ち、上記の如き運転支援制御或いは自動運転制御が実行される車両の作動状態は、通常、システムによる入力(機械入力−周辺環境情報等に基づき機械により設定された目標入力)のみに基づく作動か運転者入力(運転者の操縦入力又はそれに基づき設定された目標入力)のみに基づく作動かのいずれかが選択されることとなる。(特許文献1に開示された構成の場合には、運転者の操舵があっても機械による作動制御は中断されないが、この制御は、運転者の操舵を機械の要求に従わせる制御であり、実質的には、運転者の操舵に対する意志が反映されない機械による作動制御であるということができる。)
この点に関し、機械入力に基づく制御は、運転者入力に基づく制御に比して、より効率的な車両の運転が可能となることが期待される。また、環境問題や低燃費・低電費要求の観点から、車両の軽量化が期待されるところ、軽量車の場合、ヨー方向の慣性モーメントが小さいこと、空力の悪化などの理由により、横風や路面外乱に対する安定性の悪化が懸念されるので、機械入力に基づく運転支援制御の有用性が高くなる。しかしながら、仮に、運転支援制御のための上記の如きシステムの作動中の車両に於いて、機械入力のみに基づく作動状態を維持させるとすれば(その場合、車両は、完全な自動運転状態となる。)、運転者が走行の車両の状態を感覚的に把握することが困難となる。そのことを解決すべく、例えば、ステアバイワイヤ方式を用いて、車両運動の結果から、みかけの操舵反力やペダル反力を運転者に与える構成も考えられるところ、周囲環境情報の取得遅れや制御演算遅れに起因して運転者が直感的に操縦している車両の状態を感知することはやはり困難である。また、機械入力による運転支援のための制御を実現させるべく、その寄与を増大させると(例えば、制御入力ゲインを増大させると)、運転者は、車両の動作に対して違和感を覚えやすくなる。これは、運転者が操舵角情報や反カトルク情報を、ハンドルを握る手を介して高い感覚で直接感じとることが出来るためである。例えば、カーブ進入時に、車両の軌跡を機械により設定された目標軌跡に追従させるべく、大きな制御入力を操舵機構のみで実現させる場合には、大きな舵角入力や操舵反力が発生し、ハンドルを握っている運転者は、かかる機械による制御入力に対応する大きな舵角入力や操舵反力と運転者自身が入力したい舵角やトルクとの差を手の感覚を介して感じることになる。
運転の快適さの観点に於いては、上記の如き、運転支援システム又は自動運転システムに於ける機械入力に基づく制御の実行による運転者の違和感の発生は、避けられることが好ましい。また、機械入力に基づく制御によって効率的な車両の運転が達成可能であるとしても、車両の運転状態に於いて、運転者の操縦操作、即ち、運転に対する意志が全く反映されない場合には、運転者の運転に対する違和感は増大されるであろう。しかしながら、従前の一般的なシステムのように、車両の運転状態が、機械入力のみに基づく作動と運転者入力のみに基づく作動のいずれかから二者択一的に決定される構成の場合、運転者の違和感を軽減して或いは運転者の意志を達成すべく運転者入力のみに基づく作動が選択されているときには、機械入力に基づく制御の有利な効果がほとんど得られないこととなる。
かくして、本発明の一つの課題は、車両の運転支援システム又は自動運転システムに於いて、機械入力に基づく制御の作動中に於いても運転者の違和感の発生をできるだけ軽減することのできる構成を提供することである。
また、本発明のもう一つの課題は、上記の如き、車両の運転支援システム又は自動運転システムに於いて、機械入力に基づく制御の作動中に於いても運転者の運転に対する意志が反映できる構成を提供することである。
本発明によれば、上記の課題は、操舵アシスト機構と左右輪のトルクベクタリング機構を備えた車両の運転支援制御装置であって、運転支援制御のために操舵アシスト機構により与えられる操舵アシストトルクを制御する操舵アシストトルク制御手段と、運転支援制御のためにトルクベクタリング機構により与えられる左右輪の制駆動力差を制御する左右制駆動力差制御手段と、運転支援制御のための操舵アシストトルクの目標値と制駆動力差の目標値とを運転者による操舵トルクに基づいて決定する制御目標値決定手段とを含む装置によって達成される。
かかる構成に於いて、「操舵アシスト機構」とは、この分野に於いてよく知られている如く、運転者のハンドル等による操舵の際に、操舵トルクの追加によって、運転者の操舵を補助する装置、例えば、パワーステアリング装置などであってよい。「操舵アシストトルク」は、かかる操舵アシスト機構により与えられるトルクである。また、「左右輪のトルクベクタリング機構」とは、車両の左右輪の各々に於ける制駆動力の大きさ及び/又は割合を任意に調節可能な機構であってよく、一つの原動機(エンジン又はモータ)からプロペラシャフトを介して伝達される駆動力を任意の割合にて左右輪へ分配する種々の形式の左右駆動力配分デフによる機構、左右輪の制動力を任意に調節することにより制駆動力配分を制御する機構、或いは、インホイールモータにより左右制駆動力を独立に制御できる機構が採用されてよい。「運転支援制御」とは、車両の舵角又は旋回方向(操舵トルク、ヨーレート、ヨーモーメント等)を制御することにより、車両を、その周辺環境情報等に基づいて好適であると判断又は決定される軌跡又は方向に沿って走行させることを補助する制御であり、例えば、既に述べた如き、LKA、IPAなどの運転支援システムであってもよく、或いは、運転者が希望する目的地に対して好適な走行ルート(将来軌跡)を設定し、その将来軌跡に沿って好適に車両が運転されるように車両の操舵機構又は加減速機構の作動制御を行うものであってもよい。
そして、本発明の運転支援制御を行う装置に於いて、その特徴とする構成の一つは、上記の如き運転支援制御を達成するために車両へ操舵トルク又はヨーモーメントを与える「アクチュエータ」として、「操舵アシスト機構」だけでなく、「左右輪のトルクベクタリング機構」も採用される点である。かかる構成によれば、運転支援制御に於いて車両に付与される制御量がトルクベクタリング機構にも分担させることが可能となり、(運転支援制御を操舵アシスト機構のみにより実行する場合に比して)操舵アシスト機構に対する制御量が低減されることとなる。そうすると、ハンドルを手で握っていることにより操舵機構の状態を感覚的に把握している運転者にとって、(自身のハンドル操作による作動とは差のある)運転支援制御による操舵アシスト機構の作動量が低減されるので、運転者の受ける違和感の軽減が期待される。また、上記の本発明の装置に於いては、制御目標値決定手段にて、運転支援制御のための操舵アシストトルクの目標値と制駆動力差の目標値とが運転者による操舵トルクを考慮して決定されることとなるので、運転者の操舵を操舵アシストトルクの目標値と制駆動力差の目標値に於いて反映させることが可能となり、運転者の受ける違和感の更なる軽減が図られることとなる。
上記の本発明の装置に於いて、「運転支援制御」として、運転者の操縦操作(操舵、加減速操作)によらずに、即ち、運転者の操縦操作とは独立に、車両の運動の目標、即ち、機械入力に基づく制御による車両運動の目標値、を設定する手段が設けられてよい。従って、本発明の装置は、運転者の操縦操作によらずに運転支援制御に於ける車両の運動を表す運動指標値の目標値である運動目標値を決定する運動目標値決定手段を含んでいてよく、前記の制御目標値決定手段は、運動目標値と運転者による操舵トルクとに基づいて、前記の操舵アシストトルクの目標値と左右輪制駆動力差の目標値を決定するよう構成されていてよい。車両の運動を表す運動指標値は、車両の旋回状態を制御して運転の支援を実行する場合には、例えば、車両の横変位、横速度、ヨーレート、横加速度、などの車両の走行運動を表す値であってよく(ただし、運動指標値は、これらに限定されないことは理解されるべきであり、その他の車両の任意の運動を表す指標値、例えば、前後方向変位、車速、スリップ角などであってもよい。)、運動目標値は、前記の如き運動指標値の目標値であって、車両の周辺環境情報、例えば、カメラ、レーダーセンサ、GPS装置などから得られる情報や前記の如き将来軌跡の情報を用いて、任意のシステム又は装置により決定される値、即ち、機械入力に基づき決定される目標値である。そして、運転支援制御のための操舵アシストトルクの目標値と左右輪制駆動力差の目標値とが、かかる機械入力に基づき決定される運動目標値と、運転者による操舵トルクとに基づいて決定されることとなるので、機械入力により好適に決定される車両運動と運転者の操舵との間のより高度な協調の実現が可能となる。
運動目標値と運転者による操舵トルクとに基づいて、前記の操舵アシストトルクの目標値と左右輪制駆動力差の目標値を決定する場合、より詳細には、操舵アシストトルクの目標値と左右輪制駆動力差の目標値とが、運動目標値に対応する操舵トルクから運転者による操舵トルクを差し引いたトルクである「入力トルク値」に基づいて決定されてよい。かかる構成によれば、車両に於いて、機械入力に基づき決定された運動目標値が、機械によるトルク(操舵アシストトルクと制駆動力差によるトルクの総和)と、運転者による操舵トルクとによって実現可能となる。即ち、運動目標値に対応して実現される車両の運動に於いて、運転者による操舵も反映されていることになるので、運転者による操舵を全く考慮せずに制御を実行する場合に比して、運転者の受ける違和感の軽減が図られることとなる。なお、後述の実施形態の欄に於いて説明される如く、操舵アシストトルクの目標値と左右輪制駆動力差によるトルクの目標値の総和が上記の入力トルク値に等しくなるように設定される場合、運動目標値が、操舵アシストトルクと制駆動力差によるトルク、つまり、機械によるトルクと運転者による操舵トルクとの和によって、そのまま、実現されることとなる。しかしながら、機械入力に基づき決定される運動目標値をそのまま実現しようとする場合には、運転者の違和感が増大する可能性がある。そこで、上記の構成に於いて、操舵アシストトルクの目標値と制駆動力差によるトルクの目標値とが入力トルク値よりも小さく且つ入力トルク値に比例するよう設定されてよい。
上記の本発明の装置に於いて、運転支援として与えられる操舵アシストトルクと左右制駆動力差によるトルクとの配分の割合と、運転支援として与えられるトルク(操舵アシストトルクと制駆動力差によるトルクとの総和)の大きさ(即ち、運転支援制御によるその支援量)は、適宜調節されてよい。一つの態様としては、例えば、運転者の運転技能に応じて、操舵アシストトルクと制駆動力差によるトルクとの配分割合と運転支援制御によるその支援量とが調節されてよい。例えば、運転技能の高い運転者の場合には、運転支援制御の支援量は低くてもよく、むしろ、その方が運転者の受ける違和感が軽減されることが予想される。また、運転技能の低い運転者の場合、その操舵を、トルクベクタリング機構を通じて支援するよりは、操舵アシスト機構を通じて支援した方がより効果的である(運転技能の低い運転者の場合には、運転者により為される操舵が遅くなるので、操舵アシスト機構による支援の余地が大きいことによる。)。この点に関し、運転者の運転技能の指標としては、例えば、運転者時定数(ドライバ時定数とも称される。)又はその関数値が採用可能である。そこで、上記の本発明の装置に於いては、運転者の操舵操作に基づいて決定される運転者時定数又はその関数値に基づいて運転支援制御として操舵アシストトルクと左右輪の制駆動力差により与えるトルクの大きさを決定する運転支援制御量決定手段、及び/又は、運転者の操舵操作に基づいて決定される運転者時定数又はその関数値に基づいて運転支援制御として与えられるトルクに於ける操舵アシストトルクと左右輪の制駆動力差により与えるトルクとの各々の配分割合を決定するトルク配分割合決定手段とが設けられ、運転者時定数又はその関数値に基づいて操舵アシストトルクと制駆動力差によるトルクとの配分割合と、運転支援制御により与えられる支援量とが調節されてよい。
この点に関し、運転者時定数又はその関数値は、運転者による個人差があることは勿論のこと、個人内差もあり得る。そこで、上記の本発明の装置に於いては、運転者時定数又はその関数値を車両の走行中に於ける運転者の操舵操作に基づいて検出する運転者時定数検出手段が設けられてよい。かかる手段は、実施形態の欄にも例示されている如く、例えば、上記の運動目標値をそのまま実現する操舵を規範モデルとして、その規範モデルの操舵量(操舵トルク、操舵角、操舵角速度、操舵角加速度など)からの運転者の実際の操舵量の差に基づいて運転者時定数又はその関数値を決定する構成により実現可能である。この構成によれば、運転者時定数又はその関数値がほぼリアルタイムに取得可能となり、予め運転者時定数又はその関数値のデータのない運転者の運転時にも、或いは、運転者時定数又はその関数値が運転中に変化した場合にも、適正な運転者時定数又はその関数値に基づく操舵アシストトルクと制駆動力差によるトルクとの配分割合と、運転支援制御により与えられる支援量との調節が可能となる。
かくして、上記の本発明によれば、端的に述べれば、運転支援制御の実行中に、その機械入力による作動と運転者入力による作動との協調が図られることとなる。即ち、本発明の装置の場合には、車両の運転状態は、機械入力のみに基づく作動と運転者入力のみに基づく作動のいずれかから二者択一的に決定されるのではなく、機械入力に基づく作動と運転者入力に基づく作動とが協調させられた状態にて共存し得ることとなる。そして、本発明の装置に於いては、上記の如く、運転支援として与えられる操舵アシストトルクの目標値と制駆動力差の目標値が、機械入力のみによって決定されるのではなく、運転者による操舵トルクを考慮して決定されること、そして、運転支援制御のために操舵アシスト機構だけでなく左右輪のトルクベクタリング機構も利用されることなどから、運転支援制御に於いて、運転者の操舵を通じてその意志が反映されるとともに、運転者の受ける違和感が軽減され、運転の快適さの向上が期待される。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1は、本発明が適用される車両の運転支援制御装置の好ましい実施形態が搭載される車両の模式図である。 図2(A)は、本発明の車両の運転支援制御装置の一つの実施形態により構成されるシステムをブロック図の形式にて表した図である。図2(B)は、車両の運転支援制御装置に於けるアシスト制御器の構成をブロック図の形式にて表した図である。 図3は、運転者時定数を検出する処理をフローチャートの形式にて表した図である。 図4(A)は、運転者時定数に対して設定されるアシスト支援割合wをグラフ形式にて表した図である。図4(B)は、運転者時定数に対して設定されるアシスト分担割合Sをグラフ形式にて表した図である。 図5(A)、(B)は、目標横変位から車両横変位までの伝達関数の特性方程式の運転者時定数を変化させた場合の根軌跡である。図5(A)は、分担割合Sを0.5に固定した場合の種々の支援割合wについての結果であり、図5(B)は、支援割合wを0.5に固定した場合の種々の分担割合Sについての結果である。図中の矢印は、それぞれの運転者時定数をついて、分担割合S又は支援割合wの設定に於ける、より好ましい方向を指し示している。 図6は、運転者定数に対する分担割合Sと支援割合wの設定方法の好ましい例を示している。
10…車両
12FL,FR,RL,RR…車輪
14…差動歯車装置(又は左右駆動力配分デフ)
20…操舵装置
22…ハンドル
24…操舵倍力装置
26R,L…タイロッド
30…ヨーレート、横加速度センサ
40…車載カメラ
42…車載レーダー装置
44…GPS装置
50…電子制御装置
車両の構成
図1を参照して、本発明の運転支援制御装置の好ましい実施形態が組み込まれる自動車等の車両10に於いては、通常の態様にて、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RR、運転者によるアクセルペダルの踏込みに応じて各輪(図示の例では、後輪駆動車であるから、後輪のみ)に制駆動力を発生する駆動系装置(一部のみ図示)と、前輪の舵角を制御するための操舵装置20(更に、後輪用の操舵装置が設けられていても良い。)と、各輪に制動力を発生する制動系装置(図示せず)とが搭載される。駆動系装置は、通常の態様にて、エンジン及び/又は電動機(図示せず。エンジンと電動機との双方を有するハイブリッド式の駆動装置であってもよい。)から、変速機(図示せず)、差動歯車装置14を介して、駆動トルク或いは回転力が後輪12RL、12RRへ伝達されるよう構成される。差動歯車装置14としては、左右輪へ伝達される駆動力の配分の調節によるトルクベクタリング制御を実行する場合には、かかるトルクベクタリング制御が実行可能な左右駆動力配分デフが採用されてよい。なお、差動歯車装置14に於いて、左右輪の制動力の配分を調節して左右輪の制駆動力の配分の調節が行われてもよい。更に、駆動系装置は、インホイールモータの形式の駆動装置であってもよく、その場合には、左右輪毎に発生される制駆動力の調節が為されることとなる。
操舵装置20には、運転者によって作動されるステアリングホイール(ハンドル)22の回転を、その回転トルクを倍力装置24により倍力しながら、タイロッド26L、Rへ伝達し前輪12FL、10FRを転舵するパワーステアリング装置が採用されてよい。特に、本発明に於いては、倍力装置24にて付加されるトルク(操舵アシストトルク)が、後に説明される如く、車両の周辺情報等により決定される車両の運動の目標値と運転者がハンドルを介して与える操舵トルクとを参照して調節される。従って、好適には、運転者がハンドルへ与えるトルクを検出又は推定する任意のセンサ等の装置が設けられてよい。なお、本実施形態の構成に於いては、被操舵輪(図示の例では、左右前輪)に於けるヨー方向のトルクの発生状態(セルフアライニングトルクなど)がハンドルを通じて運転者に感知されるように、ハンドルと被操舵輪とが機械的に直結されて機構となっていてよい。
また、本発明の運転支援制御装置の好ましい実施形態が適用される車両10に於いては、車両周辺の状況、例えば、道路白線(又は黄線)、他車、障害物等を検出するための車載カメラ40、レーダー装置等42、GPS人工衛星と通信して自車の位置情報等の種々の情報を取得するGPS装置(カーナビゲーションシステム)44が設けられていてよい。
上記の車両の各部の作動制御及び本発明による運転支援制御装置の作動制御は、電子制御装置50により実行される。電子制御装置50は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。電子制御装置50には、運転者の操舵トルクTd、操舵角δ、ジャイロセンサ30からのヨーレートγ及び/又は横加速度Yg、車載カメラ40、レーダー装置等42、GPS装置44等からの情報s1〜s3などが入力され、後述の態様にて、操舵アシストトルクTa、トルクベクタリング制御のための制御量(例えば、駆動力配分比kr)などを表す制御指令が対応する装置へ出力される。なお、図示していないが、本実施形態の車両に於いて実行されるべき各種制御に必要な種々のパラメータ、例えば、前後Gセンサ値、車輪速等の各種検出信号が入力され、各種の制御指令が対応する装置へ出力されてよい。
運転支援制御のシステムの構成
本発明による運転支援制御技術に於いては、端的に述べれば、運転者の操舵に対する支援の手法として、まず、車両の進行方向を制御するために、被操舵輪の舵角を調節するべく操舵装置20にて実行される操舵トルクアシスト制御だけでなく、トルクベクタリング機構(図1の例では、左右駆動力配分デフ14)にて実行される左右輪への制駆動力配分制御も採用される。これにより、運転支援制御全体で得ようとする制御量の一部をトルクベクタリング制御に担わせて、操舵アシストトルクの制御量が低減されるので、運転者がハンドルを通じて与えようとする操舵トルクと運転者がハンドルから感知するトルクとの差が低減し、運転者の違和感の緩和が図られる。また、更に、運転支援として与えられる制御量が運転者によりハンドルに与えられる操舵トルクも考慮して決定され、これにより、運転支援制御の実行中に於いても、車両の運転に運転者の意志が反映され、運転者の違和感の更なる緩和が期待される。
具体的には、図2(A)を参照して、本発明による運転支援制御技術の実施形態に於ける運転者を含めたシステムの構成に於いては、車両の運転は、運転者によるその意志に従った操舵と、アシスト制御演算器に於いて運転支援制御により決定される制御量とに従った操舵機構とトルクベクタリング機構との作動によって達成される。
かかるシステムに於いて、より詳細には、まず、運転者は、その意志に従って決定される運転者目標変位Ydが達成されるように、車両の現在の状態、例えば、車両の横変位量Yd、ヨーレートγ、車速V等、を考慮して、ハンドルを操舵する操舵トルクTd(運転者入力トルク)を車両の操舵機構へ与える。なお、実際の運転者は、運転者目標変位Ydの数値を具体的に決定するのではなく、運転中の目視により到達したい位置を決定し、その位置を目指して自身の感覚に従って、操舵を行うこと、そして、また、同様に、実際の運転者は、車両の現在の状態を、それらの数値を参照して考慮するのではなく、目視や体感によって考慮することは理解されるべきである。
一方、アシスト制御演算器には、目標軌跡決定部からの目標横変位(機械目標横変位)Ysと、車両の横変位量Ydやヨーレートγなどの車両の現在の状態を表す指標値と、更に、運転者のハンドルを操舵する操舵トルクTd(運転者入力トルク)とが入力される。機械目標横変位Ysは、目標軌跡決定部に於いて、任意の手法により、車両周辺情報、例えば、カメラ等から得られる道路白線の位置、先行車や障害物の有無とその位置、道路の延在方向等の情報やGPS装置等から得られるルート又はコースの道路線形等の情報を用いて、車両の運転をより最適に実現するよう決定された目標軌跡(例えば、運転者が希望する目的地に対して設定される好適な走行ルート(将来軌跡)であってもよい。)から得られる値であり、即ち、機械目標横変位Ysは、運転者の操縦操作によらずに決定される、機械入力に基づく制御に於ける車両の運動の目標値である。後に説明されるように、かかる機械目標横変位Ysから、更に、運転支援制御として実行される操舵トルクアシスト制御と左右輪の制駆動力配分制御に於ける制御量を算出するための目標横加速度ay が算出されることとなる。また、車両の横変位量Ydは、任意に設定された基準点からの車両の横変位であってよく、車両の位置を基準点としてもよい(その場合、横変位量Ydは、常にYd=0である。)。そして、アシスト制御演算器は、それらの前記の入力情報に基づいて、後述の態様にて、運転者入力トルクTdに追加して与えられる操舵アシストトルク入力Taとトルクベクタリング機構により発生させるべき左右制駆動力差に対応するトルクベクタリング量(ヨーモーメント)Mzとを算出して、それらの算出された値を制御指令として車両の操舵機構とトルクベクタリング機構とのそれぞれへ与える。
操舵アシストトルク入力Taとトルクベクタリング量Mzの算出原理
運転支援として、車両の操舵機構とトルクベクタリング機構とのそれぞれへ与えられる操舵アシストトルク入力Taとトルクベクタリング量Mzとは、運転者の操舵トルクTdを考慮して、それぞれ、下記の式で与えられてよい。
Ta=wS[(ξmlr/nL)ay −Td] …(1a)
Mz=w(1−S)(nL/ξ)[(ξmlr/nL)ay −Td] …(1b)
ここに於いて、ay は、目標横加速度であり、wは、本制御による支援割合であり、Sは、本制御による支援量のうち、操舵アシストトルク入力Taによって達成する量の割合(以下、「分担割合」と称する。)である。また、ξ、m、lr、n、Lは、それぞれ、ニューマチックトレイル、車両重量、車両の重心と後輪軸との間の距離、ステアリングギヤ比、ホイールベースであり、本制御に於いては、定係数である。上記に於いて、目標横加速度ay は、既に触れた如く、機械目標横変位Ysを達成するための横加速度であり、運転者の操縦操作によらずに運転支援制御に於ける車両の運動を表す運動指標値の目標値である運動目標値の一つの例である。なお、目標横加速度ay は、後述の如く、規範運転者/車両モデル部に於いて導出される。支援割合wは、より詳細には、運転者の操舵と操作アシスト機構及び/又はトルクベクタリング機構による支援により、目標横加速度ay をそのまま達成する場合に与えられる操作アシスト機構及び/又はトルクベクタリング機構の全制御量に対する実際に与えられることとなる操作アシスト機構及び/又はトルクベクタリング機構の全制御量の割合である。即ち、支援割合w=1のとき、目標横加速度ay をそのまま達成するように操作アシスト機構及び/又はトルクベクタリング機構による運転支援が実行され、支援割合w=0のときには、運転支援が実行されないこととなる。また、Sと(1−S)は、支援のための制御量全体のうちの操作アシスト機構とトルクベクタリング機構のそれぞれに要求する制御量の配分割合を表している。即ち、分担割合S=1のとき、運転支援は、操作アシスト機構の作動のみより実行され、分担割合S=0のとき、運転支援は、トルクベクタリング機構の作動のみより実行されることとなる。
上記の式(1a)、(1b)は、下記の如く導出される。まず、車両の二輪モデルに於いて、定常特性のみを考慮すると、運動方程式は、
may =2(Yf+Yr) …(2a)
2lfYf−2lrYr+Mz=0 …(2b)
にて与えられる。ここで、Yf、Yr、lfは、それぞれ、前輪コーナリングフォース、後輪コーナリングフォース、車両の重心と前輪軸との間の距離である。一方、タイヤのセルフアライニングトルクは、複雑なサスペンション機構の作用を無視すると、
SAT=−2ξYf/n …(3)
により表される。更に、ステアリングホイール(ハンドル)周りのトルクの釣り合いは、操舵アシストトルクTa、運転者入力トルクTd、セルフアライニングトルクTSATを用いて、
Td+Ta+TSAT=0 …(4)
となるので、この式に式(2a)、(2b)、(3)を代入して整理すると、
Ta+(ξ/nL)Mz=(ξmlr/nL)ay −Td …(5)
が得られる。
上記の式(5)に於いて、右辺の第一項は、機械目標横変位Ysを達成するための目標横加速度ay を与えるトルクであり、従って、右辺全体は、目標横加速度ay を与えるトルクから運転者により与えられている操舵トルク(運転者入力トルク)を差し引いた値を表している。一方、式(5)の左辺は、操舵機構を通じて与えられる操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング制御を通じて左右輪の制駆動力差によって与えられるトルクベクタリング量(ヨーモーメント)Mzから換算されるトルクとの総和である。即ち、式(5)の両辺は、それぞれ、目標横加速度ay をそのまま達成する場合に必要な(運転者の操舵トルクに追加される)機械により与えられるトルクの大きさを表しており、式(5)の右辺のトルクを、機械による運転支援として、操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング量Mzによって発生されるトルクの総和によって賄うことによって、目標横加速度ay がそのまま達成されることを示している。
かくして、上記の運転支援として与えられるトルクの総和は、操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング量Mzとに分配されて実現されることとなる。そこで、運転支援のためのトルクの総和に於ける操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング量Mzから換算されるアシストトルクとの配分割合を、既に触れた如く、
:(1−S)=Ta:(ξ/nL)Mz …(6)
とすると、目標横加速度ayをそのまま達成する場合の操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング量Mzは、それぞれ、
Ta=S[(ξmlr/nL)ay −Td] …(7a)
Mz=(1−S)(nL/ξ)[(ξmlr/nL)ay −Td] …(7b)
により与えられる。しかしながら、目標横加速度ayをそのまま達成する場合には、運転者は、その意志が殆ど反映されないという違和感を覚える可能性がある。そこで、既に触れた如く、実際に付与される操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング量Mzを軽減すべく、更に、上記の式(7a)、(7b)の右辺に対して、支援割合w(=0〜1)を乗算し、かくして、式(1a)、(1b)が得られる。
分担割合S と支援割合wの決定
上記の式(1a)、(1b)に於ける分担割合S(操舵アシストトルクの配分割合)と支援割合wとは、任意に実験的に又は経験的に決定されてよい。この点に関し、車両の運転を効率的に達成する目的に於ける運転支援制御の必要性と、運転者が運転支援制御に対して覚える違和感の程度とは、運転者の操舵特性、運転者の個々の運転技量、運転時の体調、走行する道の慣れ具合(運転技量は、慣れた道であるか不慣れな道であるかによって変化する。)によって異なる。そこで、本実施形態に於いては、運転者の操舵特性に応じて、分担割合Sと支援割合wが決定されてよい。この点に関し、運転者の操舵特性としては、運転者と車両とをそれらの入力に対する応答の特性をモデル化した場合の運転者の応答の速さを表す指標値である運転者時定数が採用されてよい。即ち、本発明の一つの態様として、分担割合Sと支援割合wは、運転者時定数を参照して決定されてよい。
分担割合Sと支援割合wの好適な設定例としては、具体的には、運転者時定数が小さいとき、即ち、反応が早く運転技能の高い運転者の場合、運転支援制御の支援全体の程度は低くてもよく、また、操舵による車両の運転が比較的的確に実行されることが期待されるので、支援割合wは小さく設定され、分担割合Sは小さく(トルクベクタリングによる支援の割合を高く)設定されてよい。一方、運転者時定数が大きいとき、即ち、反応が遅く運転技能の低い運転者の場合、運転支援制御の支援全体の程度は高いことが好ましく、また、操舵による車両の運転の支援の余地が大きいと予想されるので、支援割合wは大きく設定され、分担割合Sも大きく(操舵アシストトルクの割合を高く)設定されてよい。
上記の如き設定が一つの好適な例であることは、以下に説明される如く、図2(A)のシステム(運転者の応答も含めた車両の応答システム)に於ける車両運動の応答性に対する運転者時定数と分担割合Sと支援割合wとの影響についての数値モデルを用いた理論的な解析によっても示される。
具体的には、図2(A)を再度参照して、まず、運転者の応答も含めた車両運動の応答システムの数値モデルに於いて、運転者の応答性を考慮した操舵トルクに関して、運転者は前方注視モデルに従い、前方注視目標横変位Ydと前方注視横変位Ydの差に比例してトルクを入力すると仮定する。その場合、運転者が入力する操舵トルク(運転者入力トルク)Tdは、運転者時定数Tnを用いて、
Td=H{(1-td・s)/(Tn・s+1)}{Yd*-(Yd+TpVΨ)} …(8)
により与えられる。ここで、H、td、Tp、V、Ψは、それぞれ、運転者トルクゲイン(定数)、無駄時間(定数)、運転者前方注視時間(定数)、車速、車両ヨー角である。なお、sは、ラプラス変換後の周波数変数である。また、操舵機構に於いては、簡単のため、サスペンションの機構を無視し、操舵角δが、入力トルク(運転者入力トルクTdと操舵アシストトルクTaの和)に対して1次遅れの関係で発生すると仮定される。その場合、操舵角δは、ステアリングゲインKfw(定数)とステアリング時定数Tfw(定数)とを用いて、
δ={Kfw/(1+Tfw・s)}(Td+Ta) …(9)
により与えられる。
更に、車両の横変位Ydと車両ヨー角Ψは、操舵角δの入力とトルクベクタリングによるヨーモーメント入力Mzとによって発生するので、それぞれ、
Yd=(VGδ/s2)δ+(VGM/s2)Mz …(10a)
Ψ=(s/V)Yd …(10b)
により与えられる。なお、Gδ、GMは、それぞれ、操舵角ゲイン(定数)、トルクベクタリングゲイン(定数)である。
一方、既に述べた如く、操舵アシストトルクTaとトルクベクタリングによるヨーモーメントMzとは、式(1a)、(1b)により与えられる。これらの式に於ける目標横加速度a は、種々の方法で与えられてよいところ、本実施形態に於いては、機械目標横変位Ysが前方注視目標横変位Ydに等しく(Yd=Ys)、車両の横変位Ydが前方注視横変位Ydに等しいと仮定して、前方注視目標横変位Ydと前方注視横変位Ydの差に、4V/(Ts・V)にて与えられるゲインを乗じたものと仮定する。そうすると、目標横加速度a は、
={4V/(Ts・V)}・{Yd*-(Yd+TpVΨ)} …(11)
により与えられる。
そして、上記の式(1a)、(1b)、(8)〜(11)にて構成されるシステムに於いて、運転者時定数Tnと分担割合Sと支援割合wとに対するシステムの安定性と収束性の影響を確認すべく、目標横変位Ydから車両の横変位Ydを出力する伝達関数Yd/Ydについて、分担割合Sと支援割合wをそれぞれ種々の値に設定した状態で、根軌跡法を用いると、図5(A)、(B)に示されている如き、運転者時定数Tnに対するシステムの伝達関数Yd/Ydの根軌跡が得られる。なお、伝達関数Yd/Ydの特性方程式は、sの4次方程式であり、特性根として、2つの実数根と2つの複素数根が存在する。その複素数根のプロットである根軌跡に於いては、一般に、プロットの位置が、横方向(実数軸Re方向)に於いて左側に(負側に大きく)移動するほど、出力値の安定点が深くなり、システムの安定性が良いと判断され、プロットの位置が、縦方向(虚数軸Im方向)に於いて横軸(実数軸)に近づくほど、出力値の振動周波数が低くなり、システムの収束性が良いと判断される。
かくして、まず、図5(A)を参照して、分担割合S=0.5の設定の下、支援割合wを0〜1の間にて変化させた場合、0.01〜0.4の間の運転者時定数Tnの根軌跡に於いては、運転者時定数Tnが大きい場合(Tn=0.4)、即ち、応答が遅いとき)、支援割合wが小さいときに比して、支援割合wが大きいときのシステムの安定性が良くなり(根軌跡のグラフに於いて、プロットの位置がより左側に(即ち、より負側に大きく)寄っている。)且つシステムの収束性も良くなること(根軌跡のグラフに於いて、プロットの位置がより横軸により近づく。)が理解される(矢印a)。一方、運転者時定数Tnが小さい場合(Tn=0.01)、即ち、応答が速いとき、支援割合wが小さいときに比して、支援割合wが大きいときのシステムの収束性が悪くなること(根軌跡のグラフに於いて、横軸からのプロットの距離が大きくなる。)が理解される(矢印b)。これは、運転者の応答が遅いときには、目標位置に車両を導く能力が低いので、支援割合wを大きくして、システムをできるだけ確実に安定に誘導することが好ましく、運転者の応答が速いときには、元々、目標位置に車両を導く能力が高い一方で、支援の程度が高すぎると、車両の応答が速くなり、返って、振動的になる可能性があるので、支援割合wを大きくする必要性が低いことを示唆している。
一方、図5(B)を参照して、支援割合W=0.5の設定の下、分担割合Sを0〜1の間にて変化させた場合、0.01〜0.4の間の運転者時定数Tnの根軌跡に於いては、運転者時定数Tnが大きい場合(Tn=0.4)、即ち、応答が遅いとき、分担割合Sが小さいときに比して、分担割合Sが大きいときのシステムの安定性が高くなることが理解される(矢印c)(収束性については殆ど変わらない。)。一方、運転者時定数Tnが小さい場合(Tn=0.01)、即ち、応答が速いとき、分担割合Sが大きいときに比して、分担割合Sが小さいときのシステムの収束性が良くなることが理解される(矢印d)。これは、運転者の応答が遅いときには、操舵が遅いので、分担割合Sを大きくして(操舵アシストトルクを大きくして)、システムをできるだけ確実に安定に誘導することが好ましく、運転者の応答が速いときには、元々、運転者の操舵によって横変位に求められる操舵トルクが速やかに達成されることとなるので、運転支援のために機械入力による動作は、操舵アシスト機構によるのではなく、トルクベクタリングによる支援を実行して、システムの収束性を高めた方が好ましいことを示唆している。
かくして、上記をまとめると、分担割合Sと支援割合wの一つの好適な設定例に於いては、図6に例示されている如く、運転者時定数Tnが大きいほど、支援割合wが大きく、また、分担割合Sも大きく設定されてよいことが理解される。特記すべきことは、分担割合Sと支援割合wは、運転者の運転特性に基づいて設定されることとなるので、運転者入力による作動に対して協調性がより高い機械入力による作動の実現が期待される。
アシスト制御演算器の構成と作動
かくして、アシスト制御演算器では、目標軌跡決定部から与えられる機械目標横変位Ysと運転者による操舵トルク(運転者入力トルク)Tdとを参照して、上記に説明された式(1a)、(1b)にて表された操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング量Mzとが算出される。
具体的には、図2(B)を参照して、かかるアシスト制御演算器に於いては、まず、規範運転者/車両モデル部にて、目標軌跡決定部から与えられる機械目標横変位Ysと実際の車両の状態を表す状態量を参照して、規範となる運転者の応答と車両運動を記述する任意のモデルを用いて、目標横加速度a の算出と、規範となる運転者の操舵トルクTd(規範操舵トルク)の算出とが実行される。目標横加速度a と運転者の操舵トルクTdとは、例えば、上記に説明した数値モデルで用いた式(10)、式(8)により算出されてよいが、その他の数値モデルが採用されてもよいことは理解されるべきである。そして、目標横加速度a は、操舵アシストトルク算出部とトルクベクタリング量算出部へ与えられ、規範操舵トルクTdは、運転者時定数決定部へ与えられる。[式(8)、(10)に於ける車両の横変位Ydとヨー角Ψは、任意に設定された基準点及び基準方向から計った値であってよい。車両に基準点及び基準方向が設定された場合には、それぞれの値は0となる。]
運転者時定数決定部では、典型的には、実際の運転者入力トルクTdと規範操舵トルクTdとが比較されて運転者時定数Tnが算出される。具体的には、図3を参照して、まず、運転者入力トルクTd(操舵量データ)を取得し(ステップ1)、その運転者入力トルクTd(実運転者操舵量)と規範操舵トルクTd(規範運転者モデル操舵量)との誤差eが算出され(ステップ2)、しかる後、かかる誤差eを変数パラメータとする運転者時定数Tnの値を与える予め準備されたマップを用いて、運転者時定数Tnが決定される(ステップ3)。なお、運転者時定数Tnを与えるマップは、予め、実験的に又は理論的に調製可能である。また、運転者時定数Tnの決定に於いて変数パラメータとして参照される操舵量データは、運転者の操舵の応答特性を表す(即ち、運転者時定数Tnの依存した)その他の操舵に関する値、例えば、操舵角、操舵角速度、操舵角加速度など、であってもよい。
上記の如く決定された運転者時定数Tnは、アシスト支援割合決定部とアシスト分担割合決定部とに送られ、それらに於いて、それぞれ、図4(A)、図4(B)に例示されている如き、運転者時定数Tn変数パラメータとする支援割合w、分担割合Sの値を与える予め準備されたマップを用いて、支援割合w、分担割合Sが決定され、これらの割合は、操舵アシストトルク算出部とトルクベクタリング量算出部へ与えられる。支援割合w、分担割合Sの値を与えるマップは、図5、6に関連して、「分担割合Sと支援割合wの決定」の節に於いて述べた知見に従って予め調製されてよい。そして、操舵アシストトルク算出部とトルクベクタリング量算出部では、目標横加速度a 、支援割合w及び分担割合Sを用いて、式(1a)、(1b)を用いて操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング量Mzとが算出され、それらの値が制御指令として、操舵アシスト機構とトルクベクタリング機構とに与えられ、運転支援として、操舵アシストトルクとヨーモーメントが発生されることとなる。
上記のアシスト制御演算器に於いて、特記されるべきことは、リアルタイムに決定された運転者時定数Tnによって、支援割合w及び分担割合Sが決定されるという点である。かかる構成によれば、運転支援制御の実行の際に現に運転している運転者の特性に適合した支援割合w及び分担割合Sにて運転支援が提供できる点で有利である。既に触れた如く、支援割合w及び分担割合Sは、運転者の運転技量等の運転特性によって決定することが好ましいところ、かかる運転特性は、個人差、個人内差(その体調や、走行中の道が慣れた道であるかどうか、合流の得手不得手、天候や道路状況などの周辺状況に起因する技量の変化など)によって変化する。従って、運転特性を表す指標値である運転者時定数Tnをリアルタイムに決定できるようにすることにより、運転中の運転者により適合した支援割合w及び分担割合Sが得られ、より良好な運転支援制御の実行が期待される。なお、実施形態に於いて、支援割合w及び分担割合Sを決定するパラメータとして、運転者時定数Tnに対応する任意のパラメータ(運転者時定数Tnの関数値)が用いられてもよい。
かくして、上記の本発明の運転支援制御装置の実施形態に於いては、運転支援が、運転者入力トルクの関数である操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング量Mzに基づいて実行されることにより、運転支援制御が機械入力のみで実行されるのではなく、運転者の操舵入力を反映させながら実行されるので、運転者の操舵に対する違和感の低減と協調性の更なる向上が期待される。また、操舵アシストトルクTaとトルクベクタリング量Mzとの割合と大きさが運転者の運転特性の一つの指標値である運転者時定数Tnによって決定されることとなるので、運転者の操舵特性に対してより高度に適合した運転支援の提供が期待される。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。

Claims (6)

  1. 操舵アシスト機構と左右輪のトルクベクタリング機構を備えた車両の運転支援制御装置であって、
    運転支援制御のために前記操舵アシスト機構により与えられる操舵アシストトルクを制御する操舵アシストトルク制御手段と、
    前記運転支援制御のために前記トルクベクタリング機構により与えられる前記左右輪の制駆動力差を制御する左右制駆動力差制御手段と、
    運転者の操縦操作によらずに前記運転支援制御に於ける前記車両の運動を表す運動指標値の目標値である運動目標値を決定する運動目標値決定手段と、
    前記運転支援制御のための前記操舵アシストトルクの目標値と前記左右輪の制駆動力差の目標値とを前記運動目標値と前記運転者による操舵トルクに基づいて決定する制御目標値決定手段とを含み、
    前記操舵アシストトルクの目標値と前記制駆動力差の目標値とが、前記運動目標値に対応するトルクから前記運転者による操舵トルクを差し引いたトルク量である入力トルク値に基づいて決定され、前記操舵アシストトルクの目標値と前記制駆動力差の目標値との和が前記入力トルク値よりも小さく且つ前記入力トルク値に比例する装置。
  2. 請求項1による装置であって、前記運転者の操舵操作に基づいて決定される運転者時定数又はその関数値に基づいて前記車両を旋回させるトルクに於ける前記操舵アシストトルクにより与えるトルクと前記左右輪の制駆動力差により与えるトルクとの各々の割合を決定するトルク配分割合決定手段を含む装置。
  3. 請求項1又は2による装置であって、前記運転者の操舵操作に基づいて決定される運転者時定数又はその関数値に基づいて前記運転支援制御として前記操舵アシストトルクにより与えるトルクと前記左右輪の制駆動力差により与えるトルクの大きさを決定する運転支援制御量決定手段を含む装置。
  4. 請求項2又は請求項2を引用する請求項3による装置であって、前記運転者時定数が大きいときには、前記左右輪の制駆動力差により与えるトルクに対する前記操舵アシストトルクにより与えるトルクの割合が、前記運転者時定数が小さいときに比して大きく設定される装置。
  5. 請求項3又は請求項3を引用する請求項4による装置であって、前記運転者時定数が大きいときには、前記運転支援制御として前記操舵アシストトルクにより与えるトルクと前記左右輪の制駆動力差により与えるトルクの大きさが、前記運転者時定数が小さいときに比して大きく設定される装置。
  6. 請求項2又は3の装置であって、前記運転者時定数又はその関数値を前記車両の走行中に於ける前記運転者の操舵操作に基づいて検出する運転者時定数検出手段を含む装置。
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