JP4752819B2 - 車両の走行制御装置 - Google Patents

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本発明は、自動車等の車両の走行制御に係り、より詳細には、車両の運転者の運転支援を行うべく車両の走行・運動状態を自動的に制御する走行制御装置に係る。
近年、自動車等の車両の知能化技術、情報化技術の進歩により、車両の運転・走行を支援する車両の制御技術は、従前に比して高度に発展し、車両の運転者の操縦負担は軽減され、車両の安全性が向上されている。例えば、車載レーダー、車車間通信技術等を用いて、自車の進行方向に存在する先行車両や障害物を自動的に発見し、それらを適切に回避し又は適正な車間距離を維持するよう運転者に警告を発し或いは自車の走行・運動を制御する技術(ACC。例えば、特許文献1、2参照)や、車両のフロントガラス上部に備えられたビデオカメラを用いて車両の走行路面上の左右の白線を認識し、車両が車線を逸脱しそうになると、運転者に対し警告を発し(例えば、警告音、警告灯、操舵トルクの増大など)、或いは、自動操舵を実行して、車両が車線内にて走行するよう制御する技術(LKA。例えば、特許文献3参照)などが提案されている。また、GPS(Global Positioning System)によるカーナビゲーションシステムを用いることにより、自車両の現在位置の情報や周辺の道路状況に関する情報を取得し、それらの情報と運転者の長期希望(目的地、到着時刻など)とを参照して車両の走行制御を計画的に実行する技術(例えば、本願出願人による特願2006−313258)、或いは、上記の如き外部環境の情報と共に運転者の視覚から感じる刺激量に基づいて車両の走行制御指令を出力し、運転者の不快感を解消するといった技術が提案されている(特許文献4)。
上記の如き車両の知能化技術、情報化技術を利用した車両の運転支援制御のいくつかに於いては、既に触れたように、障害物の回避や横風等の外乱に対する車両の走行・運動の修正が自動的に実行される。かかる自動制御に於いては、種々の形式の車両運動制御技術、例えば、VSC(車両安定化制御)、ブレーキアシスト制御、自動ステアリング制御又はVDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)制御が実行され、車両に於いて、障害物の回避、走行状態の変更を行うべく、ヨーモーメント又は制駆動力の発生又は調節が自動的に為される。
特開2003−341501 特開2005−100336 特開2002−67998 特開2007−22117
ところで、通常、車両の運転者は、自車の前方の走行経路の方向又は形状(「道路線形」)や自車周囲環境を認識して、車両を操縦する。典型的には、運転者は、車両の進行方向前方の或る点を注視して、自車が(例えば、数秒後に)その前方の注視点に到達したときの自車の走行状態(車速、ヨー角など)・走行位置が意図した状態・位置となるよう車両の操舵又は加減速を行う(ハンドルを切る、又はアクセル・ブレーキペダルを踏むなど。以下、「操縦」又は「操縦入力」と称する。)。
しかしながら、従前の車両運動制御技術(特に、舵角、ヨーモーメント、加減速度などを自動的に調節するもの)に於いては、運転者の前方注視点の参照に応じた操縦が十分に反映された態様にて制御が実行されていない。従前の車両運動制御では、独立的に実行されるものも、或いは、知能化技術、情報化技術を利用した車両の運転支援制御の一部として利用されるものも、自車両の現在時点の状態(車速、ヨーレート又はアンダーステア・オーバーステア状態の指標値)のみを参照して、時々刻々に車両の状態を安全な状態又は目標とされる状態に導くよう車両の各部を自動的に制御するよう構成されている。従って、かかる制御手法の場合、その制御が実行される瞬間の車両の走行状態の安定性又は安全性が確保されることにはなるが、かかる制御前の車両の運動に対する運転者の操縦の寄与が低減され、或いは、自動制御の作用により凌駕されることとなる。そして、上記の如き運動制御が実行された場合には、運転者の操縦入力時から数秒後の車両の走行状態又は位置は、その操縦入力直前の運転者の前方注視点の参照に基づいて意図したところの走行状態又は位置と合致しなくなる場合がある。即ち、車両の運動制御に於いて運転者に対する運転支援を考えるとき、好ましくは、前記の如き運転者の操縦の意図が車両の走行状態又は走行位置に反映されているべきであるが、従前の運動制御手法では、そのような運転者の意図に合致した運転支援が必ずしも提供できるわけではない。
かくして、本発明の一つの課題は、従来の技術の如く車両の運動状態を現在のその状態を参照して時々刻々に修正するのではなく、運転者の操縦入力をも考慮して、車両の将来の走行状態又は位置が運転者の意図に合致するよう運動制御を行い、従前に比して、より好ましい態様にて車両の運転支援を実現する車両の走行制御装置を提供することである。
また、本発明の一つの課題は、上記の如き車両の運転支援を実現する車両の走行制御装置であって、車両の知能化技術、情報化技術を利用した車両の運転支援制御を行う車両の走行制御装置を提供することである。
本発明の車両の運転支援を実行する車両の走行制御装置は、一つの態様に於いて、車両の周囲環境を検知する周囲環境検知手段と、車両の将来軌跡を推定する将来軌跡推定手段と、周囲環境検知手段により検知される周囲環境情報と将来軌跡とに基づいて車両の走行軌跡を制御する走行軌跡制御手段とを含んでいる。走行軌跡制御手段は、車両の実際の軌跡が、車両の運転者による車両に対する操縦入力の変更が実行される将来軌跡上の地点に合致するよう車両の運動を制御する運動制御手段を含む。上記の構成に於いて、車両の将来軌跡とは、現在の車両の走行・運転状態が継続した場合に車両が辿ると推定される経路である。将来軌跡は、典型的には、運転者の操縦入力に基づいて任意の手法により推定されるが、車両に搭載される別の自動走行制御装置による制御入力又は遠隔操作による制御入力により推定されてもよい。また、車両の運転者が車両に対する操縦入力の変更を実行する将来軌跡上の「地点」とは、運転者から又は(本制御装置以外からの)任意の制御装置からの車両の走行・運動に対する現在の要求が有効である経路の限界、即ち、現在推定されている将来軌跡が有効である最終地点に相当する。従って、将来軌跡が、運転者の操縦入力に基づいて決定される場合には、現在までの運転者による操縦入力に基づいて算定される将来軌跡が有効な地点ということとなり、運転者による操縦入力が新たに与えられると、新たな将来軌跡が算定されることとなる。なお、「将来軌跡」に於ける車両の経路と伴に、その際の車速・ヨーレート等の車両の走行状態量の変化も推定され、実際の車両の走行状態量の変化が推定された変化に追従するよう制御されてよい。車両の実際の軌跡は、例えば、周囲環境情報検知手段の検出する情報に含まれるカーナビゲーション情報(例えば、GPSにより捕捉される車両の位置・進行方向情報)に基づいて決定されるようになっていてよい。(本明細書に於いては、カーナビゲーション情報から抽出される情報(自車両位置など)も周囲環境情報として記載する。)
上記の本発明の走行制御装置の作動に於いて、将来軌跡推定手段により推定された将来軌跡は、車両に要求されている制御量に従って推定されるものであるので、車両は、基本的には、将来軌跡に沿うよう走行する。しかしながら、例えば、横風や路面の摩擦状態の急激な変化等の外乱により、車両の運動に変化があった場合には、その外乱による車両の挙動・運動の乱れを修正するというよりは、現在有効な将来軌跡の終点(車両の運転者による車両に対する操縦入力の変更が実行される地点)に於いて、実際の車両の軌跡が合致するよう制御される。これにより、外乱等により車両の運動が乱れた場合であっても、車両は、自動的に予定した軌跡(つまり、将来軌跡)に戻ることが期待され、運転者に於ける自車の軌道修正の負担が大幅に低減される。即ち、本発明の装置により、運転者の意図した軌跡に沿って車両を走行するための運転の支援が可能となる。
上記の本発明の構成に於いて、運転者が車両に対する操縦入力の変更を実行する「地点」は、通常の車両の走行に於いては、車両の道路線形によって予め推定されるようになっていてよい(もっとも、道路線形に沿って走行できない情報が任意の方法で取得可能な場合は、その情報に従って「地点」が決定されてよい。)。従って、かかる「地点」は、将来軌跡に道路線形を重ね合わせることによって推定されるようになっていてよい。その場合、典型的には、運転者は、既に触れたように、任意の前方注視点を目掛けて車両を走行するべく、それに対応した操縦入力を車両へ与えるので、その入力が更新される地点、即ち、将来軌跡と道路線形とがずれ始める位置がかかる「地点」として決定されてよい。なお、実際には、道路線形の検出結果と将来軌跡の推定結果は誤差を有するので、両者が所定距離以上離隔し始める位置がかかる「地点」として決定されてよい。また、運転者が車両に対する操縦入力の変更を実行することが推測される「地点」は、車両が道路線形に沿って走行するものとすれば、道路線形に基づいて決定できる。従って、将来軌跡と道路線形との隔離距離によらず、道路線形に於けるカーブ路の出口、道路線形の曲率が変化する地点が、運転者が車両に対する操縦入力の変更が実行されることが推測される「地点」として選択されてよい。更に、将来軌跡が推定され、道路線形とを重ね合わせた上で、将来軌跡上に車両の進行方向に障害物・先行車・道路幅若しくは勾配の変化等の位置が検出され、かかる障害物・道路状態変化等の存在によって運転者が操舵角を所定角度以上変更するか、加減速度を所定量以上変更するか若しくはアクセルペダル又はブレーキペダルの踏込量を所定量以上変更することが推定される場合には、特定された障害物・道路状態変化等の位置が、運転者が車両に対する操縦入力の変更が実行される「地点」として推定されてもよい。
上記の道路線形・障害物・道路状態変化等の位置は、周囲環境検知手段を用いて車両の知能化技術・情報化技術の分野に於いて公知の確立された任意の手法により取得することが可能である。道路線形は、典型的には、カーナビゲーションシステム情報から取得されるようになっていてよい。なお、本発明の装置に於いて、カーナビゲーションシステムからの情報を本発明の制御に適合するよう変換し、道路線形情報(座標等)を抽出又は算出するようになっていてよいことは理解されるべきである。障害物・道路状態変化等の位置は、カーナビゲーションシステム情報や車載のビデオカメラ・レーダー装置を用いて検出されるようになっていてよい。
ところで、上記の本発明の走行制御装置の一つの態様に於いては、或る位置又は時点で推定された将来軌跡が有効である最終地点は、運転者による車両に対する操縦入力の変更が実行される地点又はそのことが推測される地点として決定するようになっているところ、その制御の意図するところは、実際の車両の軌跡・走行状態を車両の通常走行時の運転者の希望に沿ったものとする、換言すれば、現在の車両の位置よりも前方の、現在から数秒後に於いて車両が通過する地点に於ける車両の軌跡・走行状態を運転者の希望に沿ったものとするよう車両の運動を制御するということである。従って、車両の運動制御は、現在より或る程度時間が経過した際の車両の軌跡が予定された状態になっていればよいということになる。
かくして、本発明のもう一つの態様によれば、本発明の車両の走行制御装置は、車両の周囲環境を検知する周囲環境検知手段と、車両の運転者の操縦入力に基づいて車両の第一の将来軌跡と該第一の将来軌跡よりも後の第二の将来軌跡とを推定する将来軌跡推定手段と、周囲環境検知手段により検知される周囲環境情報と第一及び第二の将来軌跡とに基づいて車両の走行軌跡を制御する走行軌跡制御手段とを含み、走行軌跡制御手段に含まれる車両の運動を制御する運動制御手段が、第二の将来軌跡に車両の実際の軌跡が合致するよう、典型的には、周囲環境検知手段により検知される周囲環境情報を利用して、車両の運動を制御するになっていてよい。ここで、第一の将来軌跡とは、現在までの車両の運転者の操縦入力に基づいて推定される現在位置から或る程度の距離までの位置に至る車両の軌跡であり、第二の将来軌跡とは、最終的に本発明の走行制御装置の作動により達成されるべき車両の目標軌跡に相当する。なお、第二の将来軌跡は、車両の運転者の操縦入力に基づいて決定されるものであってもよく、或いは、道路線形等の外部情報に基づいて決定されるものであってもよい。
上記の説明から理解される如く、本発明の走行制御装置は、要すれば、現在の時点よりも後の、典型的には、数秒後の車両の軌跡・走行状態(車速、ヨーレートなど)が運転者の希望に沿うように車両の運動を制御するものであるということができる。既に述べた如く、従前の車両運動制御技術では、時々刻々の車両の走行安定性を維持することを目的として構成されているため、横風などの外乱が長時間(数秒間)に亙って発生した場合には、車両の走行軌道を修正する作用は得られず、運転者に対して十分な運転支援が与えられなかった(LKAの場合には、道路線形に沿う車両の走行が実現されるが、認識可能な白線の在る道路であり、且つ、白線に沿った走行以外では、車両の軌道を修正する運転支援が与えられない。)。しかしながら、上記の本発明の構成によれば、車両が現在の時点よりも後の目標とされる地点に達する間に車両の運動が外乱により乱れたとしても、車両の運動は、単に、その瞬間の車両の走行安定性を維持するだけでなく、車両が目標とされる地点に於いて予定された又は計画された状態となるよう制御され、自動的に車両の軌道修正が実行されることとなる。従って、本発明の制御装置では、運転者の、自ら意図した状態を達成するための車両の操縦負担を(従前の装置によりも)軽減する運転支援が達成されることとなる。
本発明の走行制御装置は、前記の特願2006−313258の例示されている如き、車両の走行制御計画生成システムの一部として有利に用いることができる。車両の走行制御計画生成システムでは、既に触れたように、周辺環境状況と運転者の長期希望等に基づいて決定された車両の自動運転の制御目標により車両の走行が制御される。かかるシステムに於ける運動制御の部分に、本発明の装置が組み込まれれば、運転者の長期希望だけではなく、運転者の短期の希望、即ち、操縦入力を考慮した車両の自動運転制御が達成できることとなる。本発明の走行制御で用いられる道路線形は、車両の走行制御計画生成システムによる走行経路に基づいて決定されてよい(例えば、道路が分岐している場合など)。
本発明のその他の目的及び利点は、以下に於いて、部分的に明らかになり、指摘される。
車両の構成
図1は、本発明による車両の走行制御装置の好ましい実施形態が組み込まれた車両の構成を模式的に示している。同図を参照して、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RRを有する車両10には、運転者によるアクセルペダル14の踏込みに応じて各輪(図示の例では、後輪駆動車であるから、後輪のみ)に制駆動力を発生する動力装置20と、ステアリング装置30と、各輪に制動力を発生する制動装置40とが搭載される。動力装置20は、図示の例では、エンジン22からトルクコンバータ24、自動変速機26、差動歯車装置28等を介して出力される回転制駆動力が後輪12RL、12RRへ伝達されるよう構成されている(エンジン22に代えて電動機が用いられる電気式、或いは、エンジンと電動機との双方を有するハイブリッド式の駆動系装置であってもよい。)。動力装置20の発生する制駆動力は、本発明の走行制御の実行時には、後述の電子制御装置60により適宜調節される。
ステアリング装置30は、運転者によって作動されるステアリングホイール32の回転に応答してタイロッド34L、Rを介して前輪12FL、10FRを転舵する。かかるステアリング装置30は、好ましくは、運転者の操舵とは独立に前輪の舵角を変えることができる「アクティブステアリング装置」であり、ステアリングシャフトの途中に転舵角可変装置36が設けられる。転舵角可変装置36は、内部に駆動用電動機を含み、該電動機は、後述の電子制御装置60の制御下、前輪舵角δwを、ステアリングホイール32の回転によらず、転舵できるよう構成されている。ステアリングホイールの操舵角δh及び車輪舵角δwは、それぞれ、舵角センサ32a、36aにより検出される。なお、図示していないが、後輪にも同様の電子制御装置60の制御下、後輪を転舵する後輪操舵装置が設けられていてもよい。
制動装置40は、各車輪の制動力を個別に発生することのできる油圧式制動装置であり、オイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁等(図示せず)、各輪に装備をされたホイールシリンダ42FL、42FR、42RL、42RR、及び、運転者によりブレーキペダル44の踏込みに応答して作動されるマスタシリンダ46を含む油圧回路48を有し、各ホイールシリンダ内のブレーキ圧、即ち、各輪に於ける制動力は、通常は、マスタシリンダ圧力に応答して油圧回路48によって調節されるところ、本発明の走行制御の実行時に於いては、以下に述べる如く、電子制御装置60の制御下、加減速制御、VSC又はその他のヨーモーメント生成を行う制御に応じて一斉又は個別に制御されるようになっている。また、ブレーキ圧を制御するために、圧力センサ(図示せず)が、それぞれ、マスタシリンダ圧力、ホイールシリンダ42FL−42RRの各圧力を検出するために設けられている。なお、制動装置は、各車輪の制動力を個別に調節できるものであれば、任意の形式(例えば、電磁式など)のものであってよい。
エンジンの駆動出力、各輪のブレーキ圧、即ち、制動力、車輪舵角を制御する電子制御装置60は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。制御装置60へは、本発明の制御を実施するために、アクセルペダルセンサ(図示せず)からのアクセルペダル踏込量θa、ブレーキペダルセンサ(図示せず)からのブレーキペダル踏込量θb、ステアリングホイール(ハンドル)舵角δh、各輪の備えられた車輪速センサ(図示せず)からの車輪速Vwi、各輪のホイールシリンダ42FL−42RR内の圧力Pbi(i=FL、FR、RL、RR)、前輪舵角δw、前後加速度センサ64により検出される前後加速度Gx、横方向加速度センサ66により検出される横加速度Gy、ヨーレートセンサ68により検出されるヨーレートγ、エンジン回転数・吸入空気量等のエンジン動作情報Er等が入力される。
また、図示の車両に於いては、車両の周辺環境情報を取得する手段として、車両の前方の障害物・先行車両、レーン形状等を認識するための検出器(ビデオカメラ、レーダー装置)70と、GPS人工衛星と通信して種々の情報を取得するカーナビゲーションシステム72が設けられている。ビデオカメラ又はレーダー装置70の検出データは、電子制御装置60内のデータ解析装置IP(画像処理装置等)へ送信され、任意の公知の手法にて車両前方の障害物の有無とその位置(自車両からの相対距離・相対速度と方向)や、走行路面の形状に関する情報を生成するために用いられる。一方、カーナビゲーションシステムは、自車両の位置(緯度、経度)・車体の向き、走行路の道路線形等のデータを生成し、それらの情報を電子制御装置60へ送信する。更に、電子制御装置60の内部に於いて、公知の任意の方式により(好ましくは各輪の)路面摩擦係数μを推定する装置が組み込まれ、路面摩擦係数μが本発明の制御(将来軌跡の推定、フィードバック制御指令量の決定など)に於いて適宜利用される。なお、その他、任意に、制御に必要なパラメータが各種センサにより電子制御装置60へ検出され入力されてよい。
走行制御装置の構成及び作動の概要
本実施形態の走行制御装置は、基本的には、運転者の操縦入力、即ち、アクセル踏込量θa、ブレーキ踏込量θb、ハンドル操舵角δhに従って、車両の制駆動力、旋回方向を制御するべく、動力装置20、ステアリング装置30、制動装置40のそれぞれの作動を公知の態様にて制御し、車両の走行状態が外乱等の影響によって乱れたとき又は乱れるおそれがあるとき、その外乱の影響を補償するよう車両の運動が制御される。この点に関し、既に述べた如く(「発明の開示」の欄参照)、通常の車両の走行時には、運転者は、自車の前方の走行経路の道路線形や自車周囲環境を認識して、前方の走行路に於いて自車両が所望の軌跡・走行状態となるように、車両に対して操縦入力を与える。そこで、本発明に於ける運動制御では、単に車両の走行状態を安定化させるだけではなく、種々の車両の状態量、周辺環境情報等を用いて、現在の時点よりも後の車両の軌跡、車速、ヨーレートが、運転者の操縦入力に対応した軌跡、車速、ヨーレートと合致するように車両の運動が制御される。
図2は、本発明の走行制御装置の好ましい実施形態の構成の概略を制御ブロック図の形式で表したものである。図中、符号60a〜i、61a〜cが付されているブロック及び加算器は、電子制御装置60の内部構成及びその内部の記憶装置に記憶されたプログラムに従った演算処理作動により実現される。なお、同図に於いて、信号の流れについては、簡単のため、主要な信号の流れのみが記載されている。
図2を参照して、本発明の走行制御装置の好ましい実施形態は、まず、通常の走行制御装置と同様に、アクセル踏込量θaとブレーキ踏込量θbとに基づいて運転者の要求加減速度αtを決定する加減速度制御指令決定部60aと、要求加減速度αtに応答して動力装置20により発生させる要求制駆動力Fat(動力装置は、エンジンブレーキ又は回生制動により制動力を発生し得る)又は制動装置40により各輪に於いて発生させる要求制動力Fbtiとを決定する制駆動力制御司令部60bと、ハンドル操舵角δhに基づいて車輪の目標転舵角δwtを決定する車輪舵角制御指令決定部60cとを含む。要求制駆動力Fat、各輪の要求制動力Fbti、目標転舵角δwtは、それぞれ、駆動制御装置60d、制動制御装置60e、操舵制御装置60fへ送信され、制御装置60d〜fは、それぞれ、この分野に於いて公知の任意の制御態様にて、対応する要求値又は目標値(各輪の制動力Fbtiは、任意の制御手法により個別に制御されてよい。)が達成されるよう動力装置20、制動装置40、ステアリング装置30を作動する。なお、図示していないが、制御装置60d〜fは、内部に於いて、それぞれの要求値又は目標値と実際値が一致するようサーボ制御が実行される。
更に、本発明の走行制御装置に於いては、上記の通常の構成に加えて、車両に対して外乱が作用したときでも、実際の車両の軌跡・車速・ヨーレートが運転者の操縦入力に対応する軌跡・車速・ヨーレートに合致させるための制御ブロックが構成される。具体的には、図2に示されている如く、自車両の将来の軌跡を推定する将来軌跡推定部60gと、かかる将来軌跡に実際の車両の軌跡が追従するよう車両の運動をフィードバック制御するためのフィードバック制御指令量又はフィードバック補償量を決定するフィードバック制御指令決定部60hと、前記のフィードバック制御指令量に応答して車両の挙動を制御する挙動制御装置60iと、要求加減速度αt、各輪の要求制動力Fbti及び目標転舵角δwtの各々に於いてフィードバック制御指令量を反映させるための加算器61a〜61cとが設けられる。
概して述べれば、将来軌跡推定部60gでは、後で説明される如く、運転者の現在までの操縦入力、即ち、要求加減速度αtと目標転舵角δwtとを用いて、運転者が現在から新たな操縦入力を行うまでの車両の将来軌跡(車両の操縦入力が為された直後からの車両の走行軌道の座標S、その走行軌道を車両が走行するときの車速V及びヨーレートγ)が推定される。また、フィードバック制御指令決定部60hでは、実際の車両の軌跡(車両の位置座標、車速、ヨーレート)と上記の推定された将来軌跡とが比較され、両者の偏差を低減又は最小化するフィードバック制御指令量として、要求加減速度αtの補償量Δαtと軌跡とヨーレートとを補償するための補償ヨーモーメントMtが生成される。補償ヨーモーメントMtは、挙動制御装置60iへ送信され、目標転舵角δwtの補償量Δδwt及び/又は各輪への要求制動力Fbiの補償量ΔFbiが生成される。そして、かくして生成された補償量Δαt、ΔFbi、Δδwtは、それぞれ、加算器61a〜cに於いて、αt、Fbi、δwtに対して加算され、αt、Fbi、δwtが修正されて車両の運動が補償される。
将来軌跡推定部の作動
上記の将来軌跡推定部60gでは、より詳細に述べれば、
(i)要求加減速度αtと目標転舵角δwtとを用いた車両の将来軌跡の座標・車速・ヨーレートの推定、
(ii)将来軌跡と、カーナビゲーションシステムによりGPSから取得される道路線形との重ね合わせ、
(iii)運転者が現在から新たな操縦入力を行うと推定される地点、現在の将来軌跡終点の決定
が実行され、推定された将来軌跡の座標・車速・ヨーレートは、フィードバック制御指令決定部に於いて適宜使用される。図3は、将来軌跡推定部60gに於ける処理をフローチャートの形式にて表したものである。同図の制御処理は、車両の運転中、常に実行されていてよいが、運転者が本発明の走行制御を要求する場合のみ実行されるようになっていてもよい。
まず、図3(A)を参照して、将来軌跡推定部の動作が開始されると、まず、現在有効な将来軌跡の推定値(将来軌跡の座標値S・車速値V・ヨーレート値γ)が存在し、フィードバック制御指令決定部がその値を利用できる状態に設定されているか否かが判定される(ステップ10)。将来軌跡推定部が動作開始された直後は将来軌跡設定されていないので、その場合には、将来軌跡の推定が実行される(ステップ40)。
ステップ40の将来軌跡の推定に於いては、既に述べた如く、そのときの操縦入力である要求加減速度αtと目標転舵角δwtとが参照され、これらの値及び路面摩擦係数推定装置からの推定摩擦係数等のパラメータに基づいて任意の車両の運動モデルを用いて、そのときの時間(τ=0)から任意の時間(τ=τmax)が経過するまでの車両の軌跡の座標S(τ)と、車速値V(τ)と、ヨーレート値γ(τ)とが推定される(は、将来軌跡に於ける推定値を表す。以下同様)。これらの値の推定演算のうち、車速値V(τ)は、典型的には、車両のエンジンの出力特性・動力装置の性能仕様・制動装置の性能仕様・基準車重などを用いて一般的な力学的な算出方法に従って与えられてよい。ヨーレート値γ(τ)は、一般的な車両のヨー方向運動モデル又は定常若しくは準定常旋回運動モデルに従って、δwt、V(τ)等を用いて与えられてよい。
車両の軌跡の座標値S(τ)は、地上に固定した座標系に於ける任意の車両のヨー方向運動モデル(例えば、アッカーマンモデル・その他の任意の車両の走行軌跡シミュレーション法)に従った推定演算により、典型的には、車両の重心の軌跡の座標値として与えられる。地上に固定した座標系としては、例えば、図4(A)に例示されている如きX−Y直交座標系が用いられてよい。同図の座標系が用いられる場合、まず、軌跡推定時の車両の重心が座標系の原点に設定され、そのときの車両の重心の速度ベクトルの方向がX軸に設定される(従って、車両の重心が座標系の原点にあるときには、座標系のX軸から図った車両のヨー角θ(前後方向軸までの角度)の大きさは、そのときの車両のスリップ角βの大きさに一致する。)。ここで、X軸と重心軌跡上の任意の地点Qに於ける軌跡の接線方向(速度ベクトル)との為す角をΨ(X)とすると、Ψ(X)は、
Ψ(X)=θ(X)−|β(X)| …(1)
により与えられ、重心軌跡の任意のXに於けるY座標は、
Y(X)=∫tanΨ(χ)dχ …(2)
[積分区間は、0〜X]
Xの関数として表される。座標系のX軸から図った車両のヨー角θ(X)は、
θ(t)=β(0)+∫γ(τ)dτ …(3)
[積分区間は、0〜t]
により与えられ、スリップ角βは、ヨーレートγと車速Vとの関数である。従って、任意の車両運動モデルによって、各時刻τに於けるV(τ)、γ(τ)、X(τ)を逐次的に算出した後、各時刻τに於けるXに対応して、β(X)、θ(X)[式(3)]を算出し、しかる後に、式(2)により、Yが、Xの関数として与えられる。なお、上記以外の任意の座標系が軌跡を表すために用いられてよい。重要なことは、後の道路線形との重ね合わせ、フィードバック制御指令値の算出の際に、軌跡の座標値の一方(上記の例ではY)、車速値V、ヨーレートγが、それぞれ、軌跡の他方の座標値(X)の関数として値が参照できるようになっていることである。また、上記の推定値の各々は、数値演算により与えられてよく、座標値Xをパラメータとするマップとして構成されてよい。
かくして、τ=0〜τmaxの間の将来軌跡の座標Y(X)、車速値V(X)、ヨーレート値γ(X)が決定されると、カーナビゲーションシステム72から取得されるGPS座標系に於ける現在の車両の重心位置座標(XaGPS,YaGPS)、車速ベクトルの方向ξ及び車両の走行路の道路線形の座標(LxGPS,LyGPS)を用いて、ステップ40で推定された将来軌跡Y(X)が有効であると推定される最終地点、即ち、新たな操縦入力が為される地点の推定が為される(ステップ50,60)。
図3(B)は、ステップ50−60に於ける処理をより詳細にフローチャートの形式にて表したものである。同図を参照して、ステップ50−60に於いては、まず、道路線形の座標値(LxGPS,LyGPS)が、図4(A)の座標系での値に変換される(ステップ51)。上記の記載から理解される如く、ステップ40で推定された将来軌跡Y(X)は、図4(A)に例示の(現在の)車両の重心を原点とする座標系で表されているのに対し、道路線形座標(LxGPS,LyGPS)は、GPS座標系(XGPS−YGPS座標系)により表されている(図4(B))。そこで、ステップ51に於いては、
(LxGPS,LyGPS)→(Lx,Ly) …(4)
(ここで、
Lx=cosξ・LxGPS+sinξ・LyGPS−XaGPS
Ly=−sinξ・Lx+cosξ・Ly−YaGPS
なる座標変換が実行され、これにより、将来軌跡Y(X)と道路線形との座標値を同一の座標系に表し、両者が、これらの座標値を用いて、両者の幾何学的な関係が比較可能な状態に重ね合わせられた状態とされる。
しかる後、図3(B)のチャートから理解される如く、X方向に沿って、逐次的に、道路線形座標値(Lx,Ly)と将来軌跡Y(X)とが逐次的比較され、運転者が新たな操縦入力を与える地点、即ち、現在推定されている将来軌跡の有効な最終地点の探索が実行される。
かかる探索に於いては、(i)将来軌跡と道路線形とがずれ始める地点、(ii)道路線形の曲率の大きい地点、(iii)道路線形に於いてカーブ出口である情報が在る地点、(iv)車載のビデオカメラ・レーダー装置の観測により先行車・障害物が存在すると判定された地点又は道路幅・道路勾配等の状態が変化すると判定された地点が探索される。
具体的には、まず、将来軌跡Y(X)とLy(X)との偏差が所定値以上であるか否かが判定される(ステップ52)。なお、Ly(X)は、Lx=XのときのLyを表している。将来軌跡Yと道路線形Lyとが離隔し、ずれ始める場合には、運転者は、当然に自車両を道路線形に合わせるべく、操縦入力を変更すると推定される。従って、
|Y(X)−Ly(X)|>Ymax …(5)
(Ymaxは、任意に設定される定数又は車速依存の関数であってよい。)
が成立するときには、その地点が、現在推定されている将来軌跡の有効な最終地点(Xe,Ye)として設定される(ステップ60)。なお、閾値Ymaxは、運転者が操舵角を所定量以上変更すると推定される軌跡と道路線形との偏差に基づいて決定されてよく、閾値Ymaxの値は、実験的又は理論的に予め決定されてよい。
次いで、道路線形Ly(X)の曲率C(X)について、その変化ΔC(X)に於いて、
|ΔC(X)|>Cmax …(6)
が成立するか否かが判定されるようになっていてよい(ステップ53)。ここで、Cmaxは、任意に設定される閾値である。曲率C(X)は、図4(A)の座標系に於いては、
C(X)=cosΨ(X)・dΨ(X)/dx …(6)
により与えられる。従って、ΔC(X)は、C(X)を更にXについて微分した値により与えられる。実際の演算処理では、検査されるXに隣接するデータ点を用いて、Ψ(X)、C(X)、ΔC(X)がディジタル演算の分野に於いて公知の任意の手法により算出されてよい。道路線形Ly(X)の曲率C(X)の変化が大きい場合には、(将来軌跡が道路線形に概ね整合していても)運転者が操縦入力を変更する可能性が高い。そこで、式(6)が成立するときには、その地点が、現在推定されている将来軌跡の有効な最終地点(Xe,Ye)として設定される(ステップ60)。
更に、Ly(X)に於いてカーブ出口である旨の情報があるか否かが判定される(ステップ54)。カーブ出口では、運転者が操縦入力を変更する可能性が高いので、その場合には、その地点が、現在推定されている将来軌跡の有効な最終地点(Xe,Ye)として設定される(ステップ60)。
次いで、車載のビデオカメラ・レーダー装置の観測により判定された先行車・障害物が存在する地点又は道路幅・道路勾配等の状態が変化する地点が、将来軌跡Y(X)上に存在するか否かが判定される(ステップ55a、55b)。先行車・障害物等の位置、道路幅・道路勾配等の道路状態変化の位置は、通常、車載のビデオカメラ・レーダー装置により自車両からの相対位置・方向により特定されるが、カーナビゲーションシステムの情報を用いて特定されてもよい。
図3(B)に例示の処理に於いては、まず、将来軌跡の推定時に於いて観測される先行車・障害物・道路幅・道路勾配等の変化する個所の位置が、図4(A)の座標系に於いて、(Obx,Oby)と表される。そして、X方向について、逐次的にObxとXとの偏差が検査され(ステップ55a)、偏差が閾値ΔObxより小さいときには、更に、ObyとYとの偏差が閾値ΔObyにより小さいか否かが検査される(ステップ55b)。かくして、ステップ55a、55bの条件式が共に成立するときは、図4(A)中の星印の如く、将来軌跡上に先行車・障害物・道路幅・道路勾配等の変化する個所が存在すると判定することができる。車両の走行中、先行車・障害物・道路幅・道路勾配等の変化する個所に遭遇すると、運転者が操縦入力を変更する可能性が高い。従って、その地点が、現在推定されている将来軌跡の有効な最終地点(Xe,Ye)として設定される(ステップ60)。
なお、上記の障害物等又は道路状態変化の位置(Obx,Oby)は、好適には、運転者が操舵角を所定角度以上変更するか否か、加減速度若しくはアクセルペダル又はブレーキペダルの踏込量を所定量以上変更するか否かにより決定されてよい。障害物等に関しては、障害物の大きさ、自車両の大きさ、障害物の相対距離・速度・方向に基づいて、車両が障害物に近接したときに運転者が操舵角を所定角度以上変更するか又は加減速度若しくはアクセルペダル又はブレーキペダルの踏込量を所定量以上変更すると推定される相対距離が、ステップ55a−bに於いて用いられる閾値(ΔObx,ΔOby)として特定される。また、道路幅又は道路勾配については、その変化に対応して、運転者が加減速度若しくはアクセルペダル又はブレーキペダルの踏込量を所定量以上変更すると推定される場合にステップ55a−bに於いて考慮される位置(Obx,Oby)として認定される(閾値(ΔObx,ΔOby)は、車両の応答時間を考慮して決定されてよい。)。運転者が操舵角を所定角度以上変更する(と推定される)障害物等と自車両との距離・方向及び加減速度若しくはアクセルペダル又はブレーキペダルの踏込量を所定量以上変更する(と推定される)道路状態の変化量は、実験的に又は理論的に予め決定されていてよい。また、図3(B)では、一つの位置(Obx,Oby)の判定のみ記載されているが、(Obx,Oby)となる対象が複数あるときには、それぞれについて、将来軌跡上に存在しているか否かが判定される。
かくして、図3(B)のサイクルが繰り返すうち、一度も上記の判定により、運転者が操縦入力を行うと推定される地点が検出されずに、X=Xmax(τ=τmaxのときのX)に到達した場合には、推定された将来軌跡の最後の(X,Y)が、最終地点(Xe,Ye)として設定される(ステップ60)。
ステップ50−60により将来軌跡の最終地点が決定されると、将来軌跡の座標Y(X)、車速値V(X)、ヨーレート値γ(X)が、Xをパラメータとして、後に説明するフィードバック制御指令量の算出の際に適宜利用できるよう記憶され設定される。そして、図3(A)のサイクルは、車両の走行中繰り返されるが、将来軌跡は、一旦、設定されると、ステップ20−操縦入力変化があったとき、ステップ30−車両が推定された将来軌跡の最終地点(Xe,Ye)に到達したとき(車両は走行中である。)まで維持される。
ステップ20の操縦入力の変化については、要求加減速度αtと目標転舵角δwtのいずれが将来軌跡の推定時の値よりも所定値以上変化したとき、即ち、
|αt−αt(推定時)|>αo …(7a)
又は
|δwt−δwt(推定時)|>δo …(7b)
のいずれか成立したときに、操縦入力に変化があったと判定されてよい。(αo、
δoは、任意に設定される閾値である。)。
車両が推定された将来軌跡の最終地点(Xe,Ye)に到達したか否かは、カーナビゲーション情報からの車両の現在位置(XaGPS,YaGPS)に対して、式(4)と同様の座標変換を行い、その座標変換後の現在位置のX座標Xaについて、
|Xa|>|Xe| …(8)
が成立したときに(絶対値で比較するのは、Xは、負の値も取り得るため)、車両が推定された将来軌跡の最終地点に到達した判定されてよい。
かくして、ステップ20又はステップ30のいずれかが成立したときには、ステップ40−60に於いて、上記の如く新たな将来軌跡の推定演算が実行される。
将来軌跡に基づくフィードバック制御
既に述べた如く、本発明の走行制御装置では、車両の軌跡・車速・ヨーレートが、運転者の操縦入力に基づいて決定される将来軌跡とこれに対応する車速・ヨーレートに合致するように、車両の運動がフィードバック制御される。かかるフィードバック制御は、図2に示されている如く、フィードバック制御指令決定部60hと挙動制御装置60iにより為される。
フィードバック制御指令決定部60hに於いては、まず、カーナビゲーションシステム72からの車両の現在位置(XaGPS,YaGPS)、車輪速センサからの車輪速値から任意の方法により算出される現在の車速Va、ヨーレートセンサからのヨーレートγaが取得される。車両の現在位置の座標値(XaGPS,YaGPS)は、式(4)により、現在設定されている将来軌跡の座標系の値(Xa,Ya)に変換される。そして、現在の車両の重心位置のX座標の値Xaをパラメータとして、X=Xaのときの将来軌跡の座標Y(X)、車速値V(X)、ヨーレート値γ(X)を(将来軌跡推定部60gから)呼び出し、各々対応する偏差:
Y座標:|Y(X)−Ya|
車速値:|V(X)−Va| …(9)
ヨーレート値:|γ(X)−γa|
が低減又は最小化する要求加減速度αtと目標転舵角δwtに対するフィードバック補償量Δαtと補償ヨーモーメントMtとが算出される。かかるΔαtとMtの算出には、上記の偏差を低減又は最小化するPID制御又はLQI制御(最適レギュレータ)等のこの分野に公知の任意の演算方法が用いられてよい。なお、フィードバック制御量の演算に於いて、現在の加減速度、ヨーモーメント、路面摩擦係数が使用される場合には、Gセンサの検出値Gxa、ヨーレートγaの時間微分値、路面摩擦係数推定装置からの推定値が適宜用いられるようになっていてよい。
かくして、算出されたフィードバック補償量のうち、要求加減速度に対するΔαtは、加算器61aに於いて加減速度制御指令決定部からの要求加減速度αtに対して加算され(Δαtは、負値で在り得る。)、制駆動力制御指令部60bを介して駆動制御装置又は制動制御装置への指令に反映される。一方、補償ヨーモーメントMtは、挙動制御装置60iに送信され、ここに於いて、Mt及びその他のパラメータを用いて目標転舵角δwtに対する補償量Δδwtと各輪の要求制動力に対する補償量ΔFbtiとが算定される。かかる補償量Δδwt、ΔFbtiの算定は、この分野に於いて公知の任意のVSC技術又はVDIM制御技術に従って実行されてよい。かくして、算定された補償量Δδwt、ΔFbtiは、それぞれ、操舵制御装置60f、制動制御装置60eへの制御指令に於いて反映されるべく、それぞれの目標値δwt、Fbtiに対して加算される。
ところで、実際の車両に於いては、車両の各部の制御装置又は駆動装置に操縦入力又は制御入力に応じた指令を与えた場合、その指令に対して種々の遅れをもって応答することとなる。また、既に説明したように、通常の車両の運転に於いて、運転者は、現在の車両の位置・走行状態ではなく、車両の前方の、典型的には、数秒後の車両の位置・走行状態が所望のものとなることを想定して操縦を実行する。そこで、これらの事情を考慮して、本発明のフィードバック制御に於いては、現在の車両の位置・走行状態と推定された将来軌跡に於ける位置・走行状態の偏差ではなく、現在よりも後の時点の車両の位置・走行状態と将来軌跡に於ける位置・走行状態との偏差が低減され又は最小化されるようフィードバック制御が実行されるようになっていてよい。
現在よりも後の時点での車両の位置・走行状態に於ける実際値と推定された将来軌跡の各値との偏差によりフィードバック制御を実行する場合には、まず、現在の車両位置(Xa,Ya)、加減速度値(Gセンサ値)Gxa、ヨーレートγa、車輪舵角センサ値δwa、車速値Va等を用いて、将来軌跡推定部60gの場合と同様の任意の運動モデルを従って、現在の車両の走行状態がそのまま任意の時間ν経過した後の車両の軌跡に於けるX座標値X(ν)、車速V(ν)、ヨーレートγ(ν)が推定され、式(2)により、時間ν後の車両の重心のY座標値Y(ν)が決定される。そして、X=X(ν)のときの将来軌跡の座標Y(X)、車速値V(X)、ヨーレート値γ(X)を(将来軌跡推定部60gから)呼び出し、式(9)の場合と同様に各々対応する偏差:
Y座標:|Y(X)−Y(ν)|
車速値:|V(X)−V(ν) | …(9a)
ヨーレート値:|γ(X)−γ(ν)|
が決定され、かかる式(9a)の偏差が低減され又は最小化されるよう、PID制御又はLQI制御に従ってフィードバック制御量が実行され、制御装置60d〜fの補償量として利用される。
上記の時間νは、車両の操縦入力又は制御入力に対する応答特性を考慮して、実験的に又は理論的に設定されてよい。この点に関し、本発明の制御では、最終的には、現在の将来軌跡の最終地点(Xe,Ye)に於いて、車両の軌跡・走行状態が将来軌跡に合致するよう制御することが目標とされているので、時間νは、X(ν)=Xeとなる時点であってもよい。
将来軌跡に基づくフィードバック制御時の車両の走行軌跡の例
図5は、上記の本発明の走行制御装置による将来軌跡に基づくフィードバック制御が実行された場合の車両の走行軌跡の例を示したものである。同図を参照して、車両がカーブ路に進入したとき(左下)、将来軌跡推定部60gにより、そのときの操縦入力に従って将来軌跡(実細線)が推定演算される。そして、車両は、何ら外乱を受けない場合には、その将来軌跡に沿って走行することとなる。しかしながら、カーブ路の走行中に、車両に対して、図示の如く、横風外乱等が作用すると、車両の軌跡は、旋回外方へ膨らむ(実太線)。かかる状態に於いて、本発明による将来軌跡に基づくフィードバック制御が実行されない場合には、点線で示されている如く、将来軌跡、即ち、運転者の希望する軌跡よりも旋回外方へ膨らんだままと走行を続けることとなる。一方、将来軌跡に基づくフィードバック制御が実行される場合には、実軌跡と将来軌跡との偏差が低減又は最小化されることとなるので、実太線の如く、実軌跡は将来軌跡へ復帰されることとなる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上記の将来軌跡の推定処理に於いては、最終地点(Xe,Ye)を道路線形その他の条件により設定しているが、最終地点(Xe,Ye)を、常に将来軌跡の最後の点(Xmax,Ymax)としてもよい。この場合の将来軌跡の最後の点までの軌跡が、発明の開示の欄で記載した第一の将来軌跡であり、最後の点(Xmax,Ymax)が第二の将来軌跡に相当する。また、この場合、ステップ50−60の処理は省略され、将来軌跡推定を長めに実行する場合には、実質的には、操縦入力の変化があったときに、将来軌跡の推定及び設定が実行される。フィードバック制御に於いては、X(ν)=Xmaxとなる実軌跡の推定がなされ、そのときのY座標値Y(ν)、車速値V(ν)、ヨーレート値γ(ν)が、Y(Xmax)、車速値V(Xmax)、ヨーレート値γ(Xmax)に一致するよう制御が実行されてよい。
また、上記実施形態に於いては、軌跡座標値、車速値、ヨーレート値が将来軌跡に合致するよう制御されているが、軌跡座標値とスリップ角又はヨー角の将来軌跡が推定され、実軌跡がそれに合致するようフィードバック制御が実行されてもよい。
図1は、本発明の好ましい実施形態である走行制御装置が搭載される車両の模式図である。 図2は、本発明の好ましい実施形態に於ける走行制御装置の内部構成を制御ブロックの形式で表したものである。 図3(A)は、将来軌跡推定部に於ける処理を過程の流れをフローチャートの形式で表したものであり、図3(B)は、(A)のステップ50−60に於ける処理の流れを詳細に示したものである。 図4(A)は、本発明の走行制御装置に於ける将来軌跡の推定、将来軌跡(実曲線)と道路線形(一点鎖線)との比較を行う際に用いられる座標系を示したものである。図4(B)は、GPS座標系と図4(A)の座標系との関係を表した図である。 図5は、旋回走行中に横風外乱を受けたときの車両の軌跡の例を示したものである。実細線は、操縦入力に基づいて推定される将来軌跡、点線は、横風外乱を受けた後、将来軌跡に基づくフィードバック制御を実行しない場合の軌跡(従来技術)、実太線は、横風外乱を受けた後、将来軌跡に基づくフィードバック制御を実行した場合の軌跡(本発明)を示している。
符号の説明
10…車両
12FL〜12RR…車輪
14…アクセルペダル
20…動力装置
30…ステアリング装置
32…ステアリングホイール
36…転舵角可変装置
40…制動装置
42FL〜42RR…ホイールシリンダ
44…ブレーキペダル
48…油圧回路
60…電子制御装置
64…前後加速度センサ
66…横方向加速度センサ
68…ヨーレートセンサ
70…ビデオカメラ又はレーダー装置
72…カーナビゲーションシステム

Claims (12)

  1. 車両の走行制御装置であって、前記車両の周囲環境を検知する周囲環境検知手段と、前記車両の運転者による前記車両に対する操縦入力を用いて前記操縦入力に対応した前記車両の将来軌跡を推定する将来軌跡推定手段と、前記周囲環境検知手段により検知される周囲環境情報と前記将来軌跡とに基づいて前記車両の走行軌跡を制御する走行軌跡制御手段とを含み、前記走行軌跡制御手段が、前記周囲環境情報を参照して推定される前記操縦入力の変更が実行される前記将来軌跡上の地点に前記車両の実際の軌跡が合致するよう前記車両の運動を制御する運動制御手段を含んでいることを特徴とする装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記車両に対して前記運転者により新たな操縦入力が為されると、前記将来軌跡推定手段が新たな将来軌跡を推定することを特徴とする装置。
  3. 請求項1の装置であって、前記周囲環境検知手段により検知される周囲環境情報が前記車両の走行する道路の道路線形を含み、前記地点が前記将来軌跡に前記道路線形を重ね合わせることによって推定されることを特徴とする装置。
  4. 請求項3の装置であって、前記地点が前記将来軌跡と前記道路線形とが所定距離以上離隔し始める地点であることを特徴とする装置。
  5. 請求項3の装置であって、前記操縦入力が前記車両の操舵角を含み、前記地点が前記将来軌跡と前記道路線形とを重ね合わせたときに、前記操舵角が所定角度以上変更されると推定される地点であることを特徴とする装置。
  6. 請求項3の装置であって、前記操縦入力が前記車両の加減速度を含み、前記地点が前記将来軌跡と前記道路線形とを重ね合わせたときに、前記加減速度が所定量以上変更されると推定される地点であることを特徴とする装置。
  7. 請求項3の装置であって、前記操縦入力が前記車両のアクセルペダル又はブレーキペダルの踏込量を含み、前記地点が前記将来軌跡と前記道路線形とを重ね合わせたときに、前記アクセルペダル又はブレーキペダルの踏込量が所定量以上変更されると推定される地点であることを特徴とする装置。
  8. 請求項3の装置であって、前記周囲環境情報がカーナビゲーションシステム情報を含み、前記道路線形が前記カーナビゲーションシステム情報から取得されることを特徴とする装置。
  9. 請求項3の装置であって、前記地点がカーブ路の出口であることを特徴とする装置。
  10. 請求項3の装置であって、前記地点が前記車両の道路線形の曲率が変化する地点であることを特徴とする装置。
  11. 請求項1の装置であって、前記周囲環境情報がカーナビゲーションシステム情報を含み、前記車両の実際の軌跡が前記カーナビゲーションシステム情報に基づいて決定されることを特徴とする装置。
  12. 車両の走行制御装置であって、前記車両の周囲環境を検知する周囲環境検知手段と、前記車両の運転者の操縦入力を用いて前記操縦入力に対応した前記車両の第一の将来軌跡と該第一の将来軌跡よりも後の前記操縦入力に対応した第二の将来軌跡とを推定する将来軌跡推定手段と、前記周囲環境検知手段により検知される周囲環境情報と前記第一及び第二の将来軌跡とに基づいて前記車両の走行軌跡を制御する走行軌跡制御手段とを含み、前記走行軌跡制御手段が、前記周囲環境情報を利用して前記第二の将来軌跡に前記車両の実際の軌跡が合致するよう前記車両の運動を制御する運動制御手段を含んでいることを特徴とする装置。
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