JP6179068B2 - 有機半導体層の形成方法および基材上に配置された有機半導体層を含む支持部材付き基材 - Google Patents

有機半導体層の形成方法および基材上に配置された有機半導体層を含む支持部材付き基材 Download PDF

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Description

本発明は、有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成方法に関する。また本発明は、基材上に配置された有機半導体層を含む支持部材付き基材に関する。
近年、有機半導体材料を含む有機半導体層を有する有機半導体素子に関する研究が盛んにおこなわれている。有機半導体材料は一般に、無機半導体材料に比べて低い温度で基材上に形成され得る。このため、基材を構成する材料として、柔軟性を有する材料を用いることができる。このことにより、機械的衝撃に対する安定性を有し、かつ軽量な半導体素子を提供することが可能となる。このことから、有機半導体素子は、有機ELや電子ペーパーなどの駆動回路、または電子タグなどに応用されることが期待されている。
また、柔軟性を有する基材を用いることができるため、ロールツーロール方式で基材上に有機半導体層を形成することも可能である。例えば特許文献1において、発光層形成用塗布液を基材上にロールツーロール方式で塗布することにより、有機EL素子の有機半導体層、すなわち発光層を形成する方法が提案されている。ここでロールツーロール方式とは、ロール状に巻かれた基材を巻き出して、基材上に発光層を形成し、その後、発光層が形成された基材を再度ロール状に巻き取ってロール体を構成する形態の方法のことである。ロールツーロール方式においては、発光層などの有機半導体層を連続的に基材上に形成することができるため、有機半導体層の生産効率を向上させることができる。
特開2006−294536号公報
発光層などの有機半導体層や、有機半導体層を含む有機半導体素子が形成された基材をロール状に巻き取る際、基材が複数回にわたって重ねられる。この場合、所定の基材上に形成されている有機半導体層の表面または有機半導体素子の表面は、先に巻き取られている基材または後から巻き取られる基材に当接することになる。このため、基材をロール状に巻き取る際、若しくはロール体を搬送する際などに、有機半導体層の表面または有機半導体素子の表面にごみが付着することや傷がつけられることが考えられる。この場合、ごみが付着した箇所や傷がつけられた箇所においてリークや短絡が生じてしまう可能性がある。
このような不具合を防ぐため、巻き取りの際の張力や速度を抑制することが提案されている。また上述の特許文献1においては、巻き取られて重ねられる基材間にフィルム状の巻き取り補助部材を挿入し、これによって有機半導体層の表面または有機半導体素子の表面を保護することが提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、有機半導体層の表面または有機半導体素子の表面が巻き取り補助部材に当接することになる。このため、巻き取り補助部材を構成する材料の特性や巻き取りの際の速度および張力によっては、有機半導体層の表面または有機半導体素子の表面に傷がついてしまうことが考えらえる。
本発明は、上述の課題を効果的に解決し得る有機半導体層の形成方法、および、基材上に配置された有機半導体層を含む支持部材付き基材を提供することを目的とする。
第1の本発明は、有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成方法において、基材を供給する基材供給工程と、前記基材の上面または下面に、複数の支持部材を配置する支持部材配置工程と、前記基材の上面に、有機半導体材料を含む複数の有機半導体層を第1方向に沿って順に形成する工程と、前記有機半導体層が形成された基材を巻き取る巻取工程と、を備え、前記支持部材の厚みは、前記有機半導体層の厚みよりも大きくなっており、前記支持部材配置工程において、前記支持部材は、1個の有機半導体層に対して少なくとも1個の前記支持部材が割り当てられるよう、配置される、有機半導体層の形成方法である。
第1の本発明による有機半導体層の形成方法によれば、有機半導体層よりも大きな厚みを有する複数の支持部材が基材の上面または下面に配置される。また支持部材は、1個の有機半導体層に対して少なくとも1個の支持部材が割り当てられるよう、配置される。このため、有機半導体層が形成された基材が巻き取られる際、先に巻き取られている基材または後から巻き取られる基材に有機半導体層の表面が当接することを防ぐことができる。このことにより、有機半導体層の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。
第1の本発明による有機半導体層の形成方法において、前記第1方向は、前記基材が搬送される方向となっており、前記第1方向からずれた第2方向に沿って形成された前記有機半導体層の数をu個とするとき、前記支持部材は、前記第2方向に沿って少なくともu+1個の前記支持部材が並ぶよう配置されてもよい。
第1の本発明による有機半導体層の形成方法において、隣り合う2個の前記有機半導体層の間に少なくとも1個の前記支持部材が配置されていてもよい。
第2の本発明は、柔軟性を有する基材と、前記基材の上面または下面に配置された複数の支持部材と、前記基材の上面に、第1方向に沿って順に配置された複数の有機半導体層と、を備え、前記支持部材の厚みは、前記有機半導体層の厚みよりも大きくなっており、1個の有機半導体層に対して少なくとも1個の前記支持部材が割り当てられている、支持部材付き基材である。
第2の本発明による支持部材付き基材によれば、有機半導体層よりも大きな厚みを有する複数の支持部材が基材の上面または下面に配置されている。また、1個の有機半導体層に対して少なくとも1個の支持部材が割り当てられている。このため、有機半導体層が形成された基材が巻き取られる際、先に巻き取られている基材または後から巻き取られる基材に有機半導体層の表面が当接することを防ぐことができる。このことにより、有機半導体層の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。
第2の本発明による支持部材付き基材において、前記第1方向は、前記基材の長手方向となっており、前記第1方向からずれた第2方向に沿って配置された前記有機半導体層の数をu個とするとき、前記支持部材は、前記第2方向に沿って少なくともu+1個並べられていてもよい。
第2の本発明による支持部材付き基材において、隣り合う2個の前記有機半導体層の間に少なくとも1個の前記支持部材が配置されていてもよい。
第3の本発明は、有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成方法において、基材を供給する基材供給工程と、前記基材の上面または下面に、線状に延びる支持部材を配置する支持部材配置工程と、前記基材の上面に、有機半導体材料を含む複数の有機半導体層を、基材が搬送される第1方向に沿って順に形成する工程と、前記有機半導体層が形成された基材を巻き取る巻取工程と、を備え、前記支持部材の厚みは、前記有機半導体層の厚みよりも大きくなっている、有機半導体層の形成方法である。
第3の本発明による有機半導体層の形成方法によれば、有機半導体層よりも大きな厚みを有する、線状に延びる支持部材が、基材の上面または下面に配置される。このため、有機半導体層が形成された基材が巻き取られる際、先に巻き取られている基材または後から巻き取られる基材に有機半導体層の表面が当接することを防ぐことができる。このことにより、有機半導体層の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。
第3の本発明による有機半導体層の形成方法において、前記第1方向は、前記基材が搬送される方向となっており、前記第1方向からずれた第2方向に沿って複数の前記有機半導体層が並べられていてもよい。この場合、前記支持部材は、前記第1方向に沿って線状に延びる第1支持部材、または、前記第2方向に沿って線状に延びる第2支持部材の少なくとも一方を含んでいてもよい。
第4の本発明は、柔軟性を有する基材と、前記基材の上面または下面に配置され、線状に延びる支持部材と、前記基材の上面に、第1方向に沿って順に配置された複数の有機半導体層と、を備え、前記支持部材の厚みは、前記有機半導体層の厚みよりも大きくなっている、支持部材付き基材である。
第4の本発明による支持部材付き基材によれば、有機半導体層よりも大きな厚みを有する、線状に延びる支持部材が、基材の上面または下面に配置されている。このため、有機半導体層が形成された基材が巻き取られる際、先に巻き取られている基材または後から巻き取られる基材に有機半導体層の表面が当接することを防ぐことができる。このことにより、有機半導体層の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。
第4の本発明による支持部材付き基材において、前記第1方向は、前記基材の長手方向となっており、前記第1方向からずれた第2方向に沿って複数の前記有機半導体層が並べられていてもよい。この場合、前記支持部材は、前記第1方向に沿って線状に延びる第1支持部材、または、前記第2方向に沿って線状に延びる第2支持部材の少なくとも一方を含んでいてもよい。
本発明によれば、有機半導体層の表面にごみが付着することや傷がつけられることを防ぐことができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態において、有機半導体層が形成された基材を示す斜視図。 図2Aは、図1に示す基材を基材の法線方向に沿って見た場合を示す平面図。 図2Bは、図2Aに示す基材の変形例を示す平面図。 図3は、本発明の第1の実施の形態において、基材上に有機半導体層を形成する装置および方法を示す図。 図4は、ロール状に巻き取られた基材を示す縦断面図。 図5は、本発明の第1の実施の形態において、有機半導体層が形成された基材の一変形例を示す平面図。 図6は、本発明の第1の実施の形態において、有機半導体層が形成された基材の一変形例を示す平面図。 図7は、本発明の第1の実施の形態において、有機半導体層が形成された基材の一変形例を示す平面図。 図8は、本発明の第1の実施の形態において、有機半導体層が形成された基材の一変形例を示す縦断面図。 図9は、本発明の第2の実施の形態において、有機半導体層が形成された基材を示す平面図。 図10は、本発明の第2の実施の形態において、有機半導体層が形成された基材の一変形例を示す平面図。 図11(a)は、本発明の第2の実施の形態において、有機半導体層が形成された基材の一変形例を示す斜視図、図11(b)は、図11(a)に示す基材を示す縦断面図。 図12は、図11(a)(b)に示す有機半導体層を形成する方法を示す縦断面図。 図13は、形成装置によって形成される有機半導体層を有する有機半導体素子の一例を示す断面図。 図14は、図13に示す有機半導体素子が形成された基材を示す縦断面図。 図15は、図13に示す有機半導体素子の変形例を示す断面図。 図16は、形成装置によって形成される有機半導体層を有する有機半導体素子のその他の例を示す断面図。 図17は、形成装置によって形成される有機半導体層を有する有機半導体素子のその他の例を示す断面図。
第1の実施の形態
本実施の形態においては図1に示すように、基材22は、その上面22aに複数の支持部材26が配置された、支持部材付き基材28として、基材巻取装置19によって巻き取られる。また基材22の上面22aには、有機半導体素子の構成要素の少なくとも一部、例えば有機半導体材料を含む有機半導体層25がロールツーロール方式で形成されている。なお「上面22a」および後述する「下面22b」という用語は、基材22の面を区別するためにのみ用いられる用語であり、上下関係を限定するものではない。例えば、有機半導体層の形成工程の状況に応じて、上面22aが下面22bよりも下方に位置していてもよい。
なお、有機半導体層25を含む有機半導体素子の種類が特に限られることはない。例えば有機半導体素子は、有機化合物中における電子と正孔の再結合によって発光する有機EL素子であってもよい。この場合、有機半導体層25は、電子と正孔の再結合を生じさせるための発光層や、正孔を注入するための正孔注入層、あるいは正孔を輸送するための正孔輸送層として構成されている。また有機半導体素子は、有機化合物中を流れる電流を制御する有機トランジスタ素子であってもよい。この場合、有機半導体層25は、ゲート電極に印加される電圧に応じて電流が流れるよう構成されている。また有機半導体素子は、光起電力効果によって光を電力に変換する有機太陽電池素子であってもよい。この場合、有機半導体層25は、入射された光を用いて光起電力を得る光電変換層として構成されている。
支持部材付き基材
以下、支持部材付き基材28について図1を参照して説明する。図1は、支持部材付き基材28を示す斜視図である。図1に示すように、支持部材付き基材28は、基材22と、基材22の上面22aに配置された複数の支持部材26と、基材22の上面22aに、所定の第1方向Dに沿って配置された複数の有機半導体層25と、を備えている。図1においては、第1方向Dが基材22の搬送方向、すなわち基材22の長手方向と同一である例が示されている。また図1に示す例においては、第1方向Dからずれた第2方向に沿って、例えば第1方向Dに直交する第2方向Dに沿って、複数、例えば2個の有機半導体層25が並べられている。なお「第1方向Dに沿って配置された」とは、第1方向Dに沿って見た場合に異なる位置に複数の有機半導体層25が配置されていることを意味している。各有機半導体層25が第1方向Dにおいて一直線上に並んでいる必要は必ずしもない。
基材22を構成する材料は、ロール状に巻き取られることができる程度の柔軟性を有する限りにおいて特に限定されない。また基材22に透光性が求められるかどうかは、有機半導体層25を有する有機半導体素子の用途に応じて適宜定められる。基材22の厚みは、基材22を構成する材料などに応じて適宜設定されるが、例えば5μm〜250μmの範囲内となっている。
有機半導体層25は、上述のように、有機半導体素子の用途に応じた機能を有する層として構成されている。なお図1においては、有機半導体層25のみが基材22の上面22aに配置される例を示しているが、これに限られることはない。本実施の形態による支持部材付き基材28において、基材22の上面22aには、有機半導体層25を含む複数の層からなる有機半導体素子が配置されていてもよい。若しくは、基材22の上面22aには、有機半導体素子の中間生成物であって、有機半導体層25を含む複数の層からなる中間生成物が形成されていてもよい。有機半導体層25および有機半導体素子の面積が特に限られることはなく、用途に応じて適宜設定されるが、例えば100mm×100mmとなっている。
支持部材の形状
次に支持部材26について図1および図2Aを参照して説明する。はじめに図1を参照して、支持部材26の形状について説明する。図1に示すように、各支持部材26は、基材22の上面22aから上方に突出するよう構成されている。また各支持部材26の厚みは、有機半導体層25の厚みよりも大きくなっている。例えば各支持部材26の厚みは、0.05μm〜100μmの範囲内、好ましくは0.1μm〜50μmの範囲内となっている。これによって、後述するように、基材22が巻き取られる際に有機半導体層25の表面を適切に保護することができる。なお上述のように基材22の上面22aに有機半導体層25を含む有機半導体素子や有機半導体素子の中間生成物が配置されている場合、支持部材26の厚みは、それら有機半導体素子や中間生成物の厚みよりも大きくなるよう設定されている。
なお厚み以外の点について各支持部材26の具体的な形状が特に限られることはなく、様々な形状が採用され得る。例えば図1においては、各支持部材26が円柱の形状を有する例が示されているが、これに限られることはない。例えば各支持部材26は、四角柱などの多角柱の形状を有していてもよい。若しくは各支持部材26は、半球の形状を有していてもよい。
支持部材の配置
次に図1および図2Aを参照して、支持部材26の配置について説明する。図1に示すように、支持部材付き基材28において、1個の有機半導体層25に対して少なくとも1個の支持部材26が割り当てられている。以下、このような支持部材26の配置について、図2を参照して詳細に説明する。図2Aは、図1に示す支持部材付き基材28を基材22の法線方向に沿って見た場合を示す平面図である。
図2Aにおいては、便宜上、各有機半導体層25に対して、位置に応じた符号25(k、l)(k=1または2、l=1,2または3)が付されている。また各支持部材26に対しても、位置に応じた符号26(m、n)(m、n=1,2または3)が付されている。
本実施の形態において、各支持部材26は、各有機半導体層25のうち各支持部材26から最も近くに位置する有機半導体層25に対して割り当てられていると考える。例えば支持部材26(1,1)は、最も近くに位置する有機半導体層25(1,1)に対して割り当てられている。同様に、支持部材26(1,2)および支持部材26(1,3)は、有機半導体層25(1,2)および有機半導体層25(1,3)に対して割り当てられている。また支持部材26(3,1)〜26(3,3)は、それぞれ有機半導体層25(2,1)〜25(2,3)に対して割り当てられている。
次に支持部材26(2,1)について考える。図2Aにおいて、支持部材26(2,1)から有機半導体層25(1,1)までの距離がsで示されており、支持部材26(2,1)から有機半導体層25(2,1)までの距離がsで示されている。この場合、距離sが距離sよりも小さければ、支持部材26(2,1)は有機半導体層25(1,1)に対して割り当てられている。一方、距離sが距離sよりも小さければ、支持部材26(2,1)は有機半導体層25(2,1)に対して割り当てられている。なお、距離sと距離sとが略同一である場合、例えば距離sと距離sとの差が支持部材26の寸法よりも小さい程度である場合、支持部材26(2,1)は有機半導体層25(1,1)および有機半導体層25(2,1)の両方に割り当てられていると考えてもよい。この場合、0.5個の支持部材26(2,1)が有機半導体層25(1,1)および有機半導体層25(2,1)に対してそれぞれ割り当てられていると考えてもよい。支持部材26(2,2)および支持部材26(2,3)についても同様である。
ここでは、距離sと距離sとが略同一である場合について考える。この場合、有機半導体層25(1,1)には、1個の支持部材26(1,1)および0.5個の支持部材26(2,1)が割り当てられている。従って、有機半導体層25(1,1)に対して割り当てられている支持部材26の数は1.5個となる。他の有機半導体層25(1,2),25(1,3),25(2,1)〜25(2,3)についても同様にそれぞれ1.5個の支持部材26が割り当てられている。すなわち本実施の形態において、各有機半導体層25には、少なくとも1個の支持部材26が割り当てられている。このように各有機半導体層25に対して万遍なく支持部材26を割り当てることにより、基材22が巻き取られる際に有機半導体層25の表面を適切に保護することができる。
好ましくは、第2方向Dに沿って配置された有機半導体層25の数をu個とするとき、支持部材26は、第2方向Dに沿って少なくともu+1個並べられている。例えば本実施の形態においてはu=2であり、この場合、支持部材26は、図2Aに示すように、第2方向Dに沿って少なくとも3個並べられている。これによって、複数の有機半導体層25が並べられた第2方向Dにおいて、各支持部材26によって有機半導体層25の表面を適切に保護することができる。
なお図2Aにおいては、3個の支持部材26を第2方向Dに沿ってほぼ一直線上に並べる例が示されている。しかしながら、第2方向Dにおいて有機半導体層25の表面を適切に保護することができる限りにおいて、第2方向Dにおける各支持部材26の具体的な配置が特に限られることはない。
例えば、第1方向Dにおける各有機半導体層25の配置ピッチPに対応して、基材22を第1方向Dに沿って領域R(i=1,2,3,…)に分割して考える。この場合、各支持部材26は、各領域R内において、第2方向Dに関して異なる位置に少なくともu+1個並べられていればよい。この場合、図2Bに示すように、各領域R内に配置された各支持部材26は、第2方向Dに沿った直線上に並んでいなくてもよい。なお、好ましくは、図2Aおよび図2Bに示すように、第2方向Dに沿って見た場合に、基材22の側端部22cと、基材22の側端部22cに近接する有機半導体層25との間、および、第2方向Dにおいて隣り合う2つの有機半導体層25の間のいずれにも、少なくとも1個の支持部材26が存在するよう、各支持部材26が配置される。これによって、第2方向Dにおいて各支持部材26をより均等に配置することができ、このことにより、有機半導体層25の表面をより確実に保護することができる。
支持部材26を構成する材料は特には限られないが、例えば、基材22に対して容易に取り付けられる樹脂などの材料が用いられる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。ここでは、はじめに、有機半導体層25を基材22上に形成する、有機半導体層25の形成方法について説明する。次に、有機半導体層25が形成された基材22を巻き取る際の作用および効果について説明する。
有機半導体層の形成方法
はじめに有機半導体層25の形成方法について、図3を参照して説明する。図3は、有機半導体層25を形成する形成装置10を示す斜視図である。図3に示すように、形成装置10は、基材22を供給する基材巻出装置12と、基材22の上面22aに複数の支持部材26を配置する支持部材配置装置11と、基材22の上面22aに、有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液24を塗布する塗布装置15と、基材22上に塗布された塗布液24の溶媒を蒸発させ、有機半導体材料を含む有機半導体層25を形成する乾燥装置16と、有機半導体層25が形成された基材22を巻き取る巻取装置19と、を備えている。
(基材供給工程)
有機半導体層25の形成方法においては、はじめに、基材巻出装置12の巻出軸12aを回転させて、ロール状に巻き付けられている基材22を巻き出す。これによって、支持部材配置装置11に向けて基材22が供給される。
(支持部材配置工程)
次に、支持部材配置装置11を用いて、基材22の上面22aに複数の支持部材26を配置する支持部材配置工程を実施する。本工程においては、図3に示すように、1個の有機半導体層25に対して少なくとも1個の支持部材26が割り当てられるよう、各支持部材26が配置される。この際、好ましくは、第1方向Dからずれた第2方向Dに沿って形成された有機半導体層25の数をu個とするとき、支持部材26は、第2方向Dに沿って少なくともu+1個の支持部材26が並ぶよう配置される。
各支持部材26を基材22の上面22aに配置するための具体的な方法が特に限られることはなく、様々な方法が採用され得る。例えば支持部材配置装置11は、支持部材26を構成する樹脂などの材料と適切な溶媒とを含む塗布液を、基材22の上面22a上に所定のパターンで塗布するよう構成されていてもよい。この場合、図示はしないが、塗布液を硬化させて支持部材26を形成するための硬化装置が支持部材配置装置11の下流側に設けられていてもよい。硬化装置としては、例えば、UV照射や電子線照射によって塗布液を硬化させる装置や、熱によって塗布液を硬化させる装置などが考えられる。また支持部材配置装置11は、予め成形された支持部材26を、接着剤などを用いて基材22の上面22aに取り付けるよう構成されたものであってもよい。
(有機半導体層の形成工程)
その後、基材22の上面22aに、有機半導体材料を含む複数の有機半導体層25を、基材22の搬送方向である第1方向Dに沿って順に形成する、有機半導体層25の形成工程を実施する。
[塗布工程]
この場合、はじめに、塗布装置15を用いて、有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液24を基材22の上面22aに塗布する。なお、塗布装置15における具体的な塗布方法が特に限られることはなく、間欠ダイコート法、インクジェット法またはスプレイ法など、様々な方法が採用され得る。
[乾燥工程]
その後、乾燥装置16を用いて、基材22上に塗布された24の溶媒を蒸発させる。これによって図3に示すように、有機半導体材料から構成された有機半導体層25を得ることができる。有機半導体層25の厚みは、例えば5nm〜1μmの範囲内となっている。なお、乾燥装置16における具体的な乾燥方法が特に限られることはなく、加熱乾燥、送風乾燥、真空乾燥または赤外線乾燥など、様々な方法が採用され得る。
このようにして、基材22の上面22aに配置された複数の有機半導体層25および支持部材26を備えた、支持部材付き基材28を作製することができる。その後、支持部材付き基材28を巻き取る巻取工程を実施する。これによって、巻取軸19aにロール状に巻きつけられた支持部材付き基材28からなるロール体28Aを得ることができる。
次に、本実施の形態によるロール体28Aの作用および効果について、図4を参照して説明する。図4は、巻取軸19aに巻き付けられた状態の支持部材付き基材28を示す断面図であり、図3に示す線4−4に沿った断面図である。なお巻取軸19aによって巻き取られた支持部材付き基材28は、実際には、巻取軸19aに沿って湾曲している。しかしながら、図4においては、便宜上、湾曲状態を無視して支持部材付き基材28を描いている。また、有機半導体層25及び支持部材26の位置が上下で一致するとは限らないが、便宜上、有機半導体層25及び支持部材26の位置が上下で一致するとして描いている。
上述のように、基材22の上面22aに形成される有機半導体層25の厚みは、基材22の上面22aに配置される支持部材26の厚みに比べて十分に小さくなっている。このため、巻取軸19aに巻き付けられた支持部材付き基材28から構成されるロール体28Aにおいては、図4に示すように、隣接する基材22間に、支持部材26の厚みに応じた間隙sが形成される。従って、一の基材22上に形成された有機半導体層25の表面が、一の基材22に隣接するその他の基材22に当接することを防ぐことができる。このため、支持部材付き基材28が巻取軸19aに巻き付けられるとき、および、支持部材付き基材28が巻取軸19aに巻き付けられている間に、有機半導体層25の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。
ロール体28Aは、支持部材付き基材28上にさらなる層を形成するための工程に供給されてもよい。若しくは、有機半導体層25を含む有機半導体素子が既に支持部材付き基材28上に得られている場合、ロール体28Aは、所定の製品区画で支持部材付き基材28を切断する工程に供給されてもよい。
このように本実施の形態によれば、有機半導体層25よりも大きな厚みを有する複数の支持部材26が基材22の上面22aに配置されている。また支持部材26は、1個の有機半導体層25に対して少なくとも1個の支持部材26が割り当てられるよう、配置されている。このため、有機半導体層25が形成された基材22が巻き取られる際、先に巻き取られている基材22または後から巻き取られる基材22に有機半導体層25の表面が当接することを防ぐことができる。このことにより、有機半導体層25の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。
また本実施の形態によれば、第1方向Dからずれた第2方向Dに沿って形成された有機半導体層25の数をu個とするとき、支持部材26は、第2方向Dに沿って少なくともu+1個の支持部材26が並ぶよう配置される。これによって、ロール体28Aが形成される際、およびロール体28Aが形成されている間、第2方向Dにおいて有機半導体層25の表面をより確実に保護することができる。
支持部材の配置の変形例
なお本実施の形態において、各支持部材26の具体的な配置が特に限られることはない。以下、支持部材26の配置に関するいくつかの変形例について説明する。
例えば図5に示すように、第2方向Dに沿って見た場合に各有機半導体層25と各支持部材26とが重ならないよう、支持部材26が配置されていてもよい。一方、図5に示す例においても、第2方向Dに沿って配置された有機半導体層25の数をu個とするとき、支持部材26は、第2方向Dに沿って少なくともu+1個並べられている。また、第2方向Dに沿って見た場合に、各領域Rにおいて、基材22の側端部22cと、基材22の側端部22cに近接する有機半導体層25との間、および、第2方向Dにおいて隣り合う2つの有機半導体層25の間のいずれにも少なくとも1個の支持部材26が存在するよう、各支持部材26が配置されている。このため、第2方向Dにおいて各支持部材26をより均等に配置することができ、このことにより、有機半導体層25の表面を適切に保護することができる。
また、隣り合う2つの有機半導体層25に少なくとも1個の支持部材26が配置されていてもよい。図6においては、第1方向Dにおいて隣り合う2つの有機半導体層25の間、および、第2方向Dにおいて隣り合う2つの有機半導体層25の間のいずれにも1個の支持部材26が配置されていている。これによって、各有機半導体層25に対してより均等に有機半導体層25を割り当てることができ、このことにより、有機半導体層25の表面をより確実に保護することができる。より好ましくは、図7に示すように、基材22の側端部22cと、基材22の側端部22cに近接する有機半導体層25との間にもさらに支持部材26が配置されている。これによって、有機半導体層25の表面をさらに確実に保護することができる。
支持部材の配置面の変形例
また本実施の形態において、支持部材26および有機半導体層25がいずれも基材22の上面22aに配置される例を示した。すなわち、支持部材26および有機半導体層25が基材22の同一面上に配置される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、支持部材26は、有機半導体層25が配置される面とは異なる面上に配置されてもよい。例えば図8に示すように、有機半導体層25が基材22の上面22aに配置され、支持部材26が基材22の下面22bに配置されていてもよい。この場合、一の基材22の下面22bに配置された支持部材26は、ロール体28Aの状態の際、一の基材22の下面22bに対向するその他の基材22の上面22aに形成された有機半導体層25を保護するよう機能することができる。
有機半導体層の形成方法の変形例
また本実施の形態において、有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液24を基材22上に塗布することにより、基材22上に有機半導体層25が形成される例を示した。しかしながら、有機半導体層25を形成する方法が塗布に限られることはなく、その他の公知の方法を用いることができる。
その他の変形例
また本実施の形態において、有機半導体層25が形成されるよりも前に支持部材26が基材22上に配置される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、有機半導体層25を形成した後に基材22上に支持部材26を配置してもよい。なお、支持部材26を構成する材料を含む塗布液を基材22上に塗布し、その後、この塗布液を硬化させ、これによって基材22上に支持部材26を形成する場合、有機半導体層25を形成する前に基材22上に支持部材26を形成することが好ましい。これによって、支持部材26を構成するための塗布液を硬化させる際に用いられる紫外線、電子線や熱の影響で有機半導体層25の特性が劣化してしまうことを防ぐことができる。
なお、上述した第1の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第2の実施の形態
次に図9を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9に示す第2の実施の形態においては、基材22上に配置される支持部材26が、線状に延びるよう構成されている。図9に示す第2の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態およびその変形例と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示すように、支持部材付き基材28は、基材22と、基材22の上面22aに配置され、線状に延びる支持部材26と、基材22の上面22aに、所定の第1方向Dに沿って配置された複数の有機半導体層25と、を備えている。支持部材26の厚みは、有機半導体層25の厚みよりも大きくなっている。図9においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、第1方向Dが基材22の搬送方向と同一である例が示されている。また、第1方向Dからずれた第2方向に沿って、例えば第1方向Dに直交する第2方向Dに沿って、複数、例えば2個の有機半導体層25が並べられている。
なお「線状に延びる」とは、支持部材付き基材28が巻き取られる際、1個の支持部材26によって複数の有機半導体層25の表面を保護することができる程度の長さにわたって、支持部材26が延びていることを意味している。例えば、支持部材26が延びる方向に直交する方向に沿って当該支持部材26および当該支持部材26と同一領域Rに属する有機半導体層25を見た場合に、当該支持部材26が複数の有機半導体層25と重なっていることを意味している。具体的には、図9に示す例において、各支持部材26は、複数の有機半導体層25が並べられた第2方向Dに沿って延びている。なお支持部材26のうち第2方向Dに沿って延びるものを第2支持部材26bとも称する。また、第2方向Dに直交する第1方向Dに沿って、領域R内の第2支持部材26bおよび領域Rに属する有機半導体層25を見た場合に、1個の第2支持部材26bは、領域Rに属する2個の有機半導体層25と重なっている。
本実施の形態において、基材22上に有機半導体層25を形成する有機半導体層25の形成装置および形成方法は、支持部材26の形状の相違に対応するよう支持部材配置装置11が適切に設計変更される点が異なるのみであり、その他の点は上述の第1の実施の形態における形成装置および形成方法と略同一である。
本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、有機半導体層25が形成された基材22が巻き取られる際、先に巻き取られている基材22または後から巻き取られる基材22に有機半導体層25の表面が当接することを防ぐことができる。このことにより、有機半導体層25の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。
支持部材の配置の変形例
なお本実施の形態において、各支持部材26の具体的な形状や配置が特に限られることはない。以下、支持部材26の配置に関するいくつかの変形例について説明する。
例えば図10に示すように、各支持部材26は、基材22が搬送される方向である第1方向Dに沿って線状に延びるよう構成されていてもよい。これによって、第1方向Dにおいて有機半導体層25の表面を適切に保護することができる。なお支持部材26のうち第1方向Dに沿って延びるものを第1支持部材26aとも称する。また図示はしないが、図9に示す、第2方向Dに沿って線状に延びるよう構成された第2支持部材26bと、図10に示す、第1方向Dに沿って線状に延びるよう構成された第1支持部材26aとが適宜組み合わされて基材22上に配置されていてもよい。
また図11(a)(b)に示すように、支持部材26は、基材22の上面22aに有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液24を塗布する際に用いられる、複数の開口部27aが形成されたマスクシート27として構成されていてもよい。図11(a)(b)に示すマスクシート27は、第1方向Dに延びる第1支持部材26aと第2方向Dに延びる第2支持部材26bとを一体的に構成するとともに、各支持部材26a、26bが有機半導体層25に接するまで各支持部材26a、26bの幅を広げることにより得られる。すなわち、複数の開口部27aが形成されたマスクシート27は、第1支持部材26aと第2支持部材26bとを含む支持部材26の一変形例であると言える。図11(a)(b)は、このような形態による支持部材付き基材28を示す斜視図および縦断面図である。
図11(a)(b)に示すマスクシート27として構成された支持部材26が用いられる場合の作用および効果について、図12を参照して説明する。図12は、本変形例において、基材22の上面22aに塗布液24を塗布する様子を示す図である。
本変形例においては、図12に示すように、有機半導体層25が形成されることが意図されていない領域に到達した塗布液24をマスクシート27によって遮蔽することができる。このため、供給される塗布液24の位置や形状を、マスクシート27の開口部27aの位置や形状に応じて精密に画定することができる。このことにより、形状や位置が精密に定められた有機半導体層25を得ることができる。またロール体28Aの状態の際、マスクシート27によって有機半導体層25の表面を保護することができる。これによって、有機半導体層25の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。
支持部材の配置面の変形例
また本実施の形態においても、図8に示す第1の実施の形態の変形例の場合と同様に、有機半導体層25が基材22の上面22aに配置され、支持部材26が基材22の下面22bに配置されていてもよい。
有機半導体層の形成方法の変形例
また第1の実施の形態の場合と同様に、有機半導体層25を形成する方法が塗布に限られることはなく、その他の公知の方法を用いることができる。
その他の変形例
また第1の実施の形態の場合と同様に、有機半導体層25を形成する工程と支持部材26を配置する工程との後先が特に限られることはない。
なお、上述した第2の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
有機EL素子への適用例
次に、上述の形成装置10を備えた製造装置を用いて、有機半導体層を有する有機EL素子を製造する例について、図13および図14を参照して説明する。図13は、有機EL素子30の層構成の一例を示す縦断面図である。また図14は、基材22上に製造された有機EL素子30を備えた、支持部材付き基材28のロール体28Aを示す断面図である。
図13に示すように、有機EL素子30は、基材22と、基材22の上面22aに、基材22側から順に設けられた第1電極層31,正孔注入層32,正孔輸送層33,発光層35,電子注入層38および第2電極層39と、を有している。ここで第1電極層31は陽極層31として機能し、第2電極層39は陰極層39として機能する。有機EL素子30においては、正孔注入層32,正孔輸送層33,発光層35および電子注入層38が、有機半導体材料を含む有機半導体層となっている。しかしながら、このような構造に限られることはなく、発光層単独からなる構造、正孔注入層と発光層とからなる構造、発光層と電子注入層とからなる構造、さらに、正孔注入層と発光層との間に正孔輸送層を介在させた構造、発光層と電子注入層との間に電子輸送層を介在させた構造等としてもよい。
以下、有機EL素子30を構成する各層について説明する。
(陽極層)
陽極層31を構成する材料は、導電性を有する限り特には限定されず、金属、合金、これらの混合物等を使用することができる。なお発光層35から生じる光が陽極層31および基材22を通って外部に取り出される場合、陽極層31の材料として、透光性を有する導電性材料が用いられる。透光性を有する導電性材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化第二錫などの酸化物導電性材料または金等の薄膜電極材料を挙げることができる。中でも、正孔が注入され易いように、仕事関数の大きい(4eV以上)透明、または半透明材料であるITO、IZOが好ましい。透明電極層は、シート抵抗が数百Ω/□以下が好ましく、材質にもよるが、透明電極層の厚みは、例えば、50nm〜500nm程度とすることができる。なお図13においては、陽極層31がその他の層32,33,35などと同一の幅を有する例が示されているが、これに限られることはなく、陽極層31がその他の層32,33,35などとは異なる幅を有していてもよい。
(正孔注入層)
正孔注入層32を構成する材料としては、例えば、例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン等の酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー等の誘電性高分子オリゴマー等、を用いることができる。
さらに、正孔注入層32を構成する材料として、ポリフィン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H、23H−ポリフィン銅(II)等のポリフィリン化合物、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン等の芳香族第三級アミン化合物、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェンーポリスチレンスルホン酸(PEDOD-PSS)等のスチリルアミン化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層33を構成する材料としては、例えば、オキサジアゾール系、オキサゾール系、トリアゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン系、スチリル系、ピラゾリン系、ヒドラゾン系、芳香族アミン系、カルバゾール系、ポリビニルカルバゾール系、スチルベン系、エナミン系、アジン系、トリフェニルアミン系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、スチルベン二量体等の材料を用いることができる。
正孔輸送層33は、正孔輸送層33を構成する材料と溶媒とを含む塗布液を、形成装置10を用いて基材22上に供給することによって形成され得る。例えば正孔輸送層33を構成する材料を溶解させる溶媒として、クメン、アニソール、n−プロピルベンゼン、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、リモネン、p−シメン、o−ジクロロベンゼン、ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、安息香酸メチル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、アミルベンゼン、テトラリン、安息香酸エチル、フェニルヘキサン、シクロヘキシルベンゼン、安息香酸ブチル等を、単独で、または混合して用いることができる。
(発光層)
発光層35を構成する材料としては、例えば、色素系、金属錯体系、高分子系の発光材料を用いることができる。また、発光波長を調整し、または発光効率を向上させる等の目的で、上記の各層に適当な材料をドーピングすることもできる。
色素系の発光材料の例としては、例えば、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
また金属錯体系の発光材料の例としては、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポリフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属にAl、Zn、Be等、または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。
また高分子系の発光材料の例としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリフルオレン誘導体等を挙げることができる。
正孔輸送層33の場合と同様に、発光層35を構成する発光材料を溶解させる溶媒は、発光材料や形成装置10の構成に応じて適宜選択される。
(電子注入層)
電子注入層38を構成する材料としては、例えば、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属や、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムなどのフッ化物等を用いることができる。
(陰極層)
陰極層39を構成する材料は、陽極層31の場合と同様に、導電性を有する限り特には限定されず、金属、合金、これらの混合物等を使用することができる。例えば、発光層35から生じる光が陽極層31および基材22を通って外部に取り出される場合、陽極層31の材料として、アルミニウムを用いることができる。
有機EL素子30を構成する各層31,32,33,35,38および39の厚みが特に限られることはなく、求められる特性に応じて適宜設定されるが、例えば10nm〜500nm程度とすることができる。一例を挙げると、陽極層31の厚みが150nmとなっており、正孔注入層32の厚みが50nmとなっており、正孔輸送層33の厚みが20nmとなっており、発光層35の厚みが80nmとなっており、電子注入層38の厚みが5nmとなっており、陰極層39の厚みが150nmとなっている。
次に、形成装置10を備えた製造装置を用いて上述の正孔注入層32、正孔輸送層33および発光層35を有する有機EL素子30を製造する方法について説明する。
はじめに、基材22の上面22aに支持部材26を配置する。支持部材26は、上述の第1の実施の形態の場合のように、後に形成される1個の有機半導体層25または1個の有機半導体素子に対して少なくとも1個の支持部材26が割り当てられるよう、配置されてもよい。若しくは、支持部材26は、上述の第2の実施の形態の場合のように、線状に延びる支持部材26として配置されてもよい。
その後、基材22の上面22aに陽極層31を形成する。陽極層31を形成する方法が特に限られることはなく、様々な公知の方法が用いられ得る。例えば陽極層31がITOから構成される場合、スパッタリング法や真空蒸着法等においてメタルマスクを用いることにより陽極層31を基材22上に形成することができる。
次に、上述の正孔注入層32の材料を含む塗布液を、形成装置10の塗布装置15を用いて基材22上の陽極層31上に塗布する。その後、乾燥装置16を用いて塗布液の溶媒を蒸発させる。これによって、陽極層31上に正孔注入層32を形成することができる。
その後、上述の正孔輸送層33を構成する材料と、当該材料を溶解させる溶媒とを含む塗布液を、形成装置10の塗布装置15を用いて正孔注入層32上に塗布する。その後、乾燥装置16を用いて塗布液の溶媒を蒸発させる。これによって、正孔注入層32上に正孔輸送層33を形成することができる。
次に、上述の発光層35を構成する材料と、当該材料を溶解させる溶媒とを含む塗布液を、形成装置10の塗布装置15を用いて正孔輸送層33上に塗布する。その後、乾燥装置16を用いて塗布液の溶媒を蒸発させる。これによって、正孔輸送層33上に発光層35を形成することができる。
なお、正孔注入層32,正孔輸送層33および発光層35を形成する際に用いられる塗布装置15や乾燥装置16は、同一の形成装置10内に設けられていてもよく、若しくは、別々の形成装置10内に設けられていてもよい。
その後、発光層35上に電子注入層38および陰極層39を形成する。電子注入層38および陰極層39を形成する方法が特に限られることはなく、様々な方法適宜用いられ得る。例えば、上述の形成装置10を用いて電子注入層38および陰極層39を形成してもよい。このようにして、図15に示す有機EL素子30を製造することができる。
上述の陽極層31,正孔注入層32,正孔輸送層33,発光層35,電子注入層38または陰極層39を形成する工程、または、最終的に有機EL素子30が得られた後のいずれかにおいて、上記各層のいくつかを含む有機EL素子30の中間生成物、または有機EL素子30が形成された基材22が、基材巻取装置19によって巻き取られる。ここで上述のように、基材22の上面22aには支持部材26が配置されている。このため、有機EL素子30の中間生成物の表面または有機EL素子30の表面に、先に巻き取られている基材22または後から巻き取られる基材22が当接することを防ぐことができる。例えば図14に示すように、隣接する基材22間に、支持部材26の厚みに応じた間隙sを形成することにより、有機EL素子30の表面が基材22に当接することを防ぐことができる。これによって、有機EL素子30の中間生成物の表面または有機EL素子30の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。このことにより、製造された有機EL素子30においてリークや短絡などの不具合が生じることを抑制することができる。
(有機EL素子の変形例)
なお有機EL素子30の層構成が特に限られることはなく、求められる特性に応じて様々な層を追加することができる。例えば図15に示すように、有機EL素子30の発光層35の構造が、第1発光層35Aおよび第2発光層35Bを含む二層構造となっていてもよい。この場合、第1発光層35Aと第2発光層35Bとの間に電荷発生層34が介在されていてもよい。このうち第1発光層35Aおよび第2発光層35Bは、上述の発光層35と略同一の層であるので、詳細な説明を省略する。電荷発生層34は、例えば特開2003−272860号公報に記載されているように、1.0×10Ω・cm以上、好ましくは1.0×10Ω・cm以上の比抵抗を有する電気絶縁性の層であって、電圧印加時において有機EL素子30の陰極方向にホールを注入し、陽極方向に電子を注入する役割を果たす層となっている。
また図15に示すように、有機EL素子30は、発光層35と電子注入層38に位置する正孔阻止層36および電子輸送層37をさらに有していてもよい。このうち正孔阻止層36は、陽極層31から注入された正孔が発光層35を突き抜けるのをブロックし、発光層35内における電子と正孔の再結合を増やすための層である。このような正孔阻止層36を構成する材料としては、例えば、(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)等を用いることができる。
電子輸送層37を構成する材料としては、例えば、金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、シリル化合物等を用いることができる。フェナントロリン類の具体例としては、バソキュプロイン、バソフェナントロリン等を挙げることができる。金属錯体の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)等を挙げることができる。オキサジアゾール誘導体としては、(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)等を挙げることができる。
上述の電荷発生層34,正孔阻止層36および電子輸送層37を形成する方法が特に限られることはなく、様々な方法適宜用いられ得る。例えば、上述の形成装置10を用いて電荷発生層34,正孔阻止層36および電子輸送層37を形成してもよい。
有機トランジスタ素子への適用例
次に、上述の形成装置10を備えた製造装置を用いて製造される、有機半導体層を有する有機半導体素子の一例として、有機トランジスタ素子について説明する。図16は、有機トランジスタ素子40の層構成の一例を示す縦断面図である。
図16に示すように、有機トランジスタ素子40は、基材22の上面22aに設けられたゲート電極41と、ゲート電極41を覆うよう基材22の上面22aに設けられたゲート絶縁層42と、一定の間隔を空けて対向するようゲート絶縁層42上に設けられた第1電極層43および第2電極層44と、第1電極層43および第2電極層44を覆うよう設けられた有機半導体層45と、を有している。ここで第1電極層43はドレイン電極43として機能し、第2電極層44はソース電極44として機能する。なお図16において一点鎖線で示すように、有機トランジスタ素子40は、有機トランジスタ素子40の最表面に位置し、有機トランジスタ素子40のその他の構成要素を保護するよう設けられた保護層46をさらに有していてもよい。
有機トランジスタ素子40の各構成要素の材料や寸法が特に限られることはない。例えば、有機トランジスタ素子40のゲート電極41、ゲート絶縁層42、ドレイン電極43およびソース電極44として、特開2009−87996号公報に記載のものを用いることができる。
(有機半導体層)
有機半導体層45を構成する有機半導体材料としては、低分子系の有機半導体材料や高分子系の有機半導体材料を用いることができる。例えば有機半導体材料として、特開2009−87996号公報に記載のものを用いることができる。
有機半導体層45を構成する有機半導体材料を溶解させる溶媒は、材料や形成装置10の構成に応じて適宜選択されるが、例えば、メシチレン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、キシレン、及びN−メチルピロリドンなどの有機溶媒を用いることができる。
次に、形成装置10を備えた製造装置を用いて、上述の有機半導体層45を有する有機トランジスタ素子40を製造する方法について説明する。
はじめに、基材22の上面22aに支持部材26を配置する。支持部材26は、上述の第1の実施の形態の場合のように、後に形成される1個の有機半導体層25または1個の有機半導体素子に対して少なくとも1個の支持部材26が割り当てられるよう、配置されてもよい。若しくは、支持部材26は、上述の第2の実施の形態の場合のように、線状に延びる支持部材26として配置されてもよい。
その後、基材22の上面22aにゲート電極41,ゲート絶縁層42,ソース電極43およびドレイン電極44を形成する。これらの構成要素を形成する方法が特に限られることはなく、公知の方法を適宜用いることができる。
その後、上述の有機半導体層45を構成する材料と、当該材料を溶解させる溶媒とを含む塗布液を、形成装置10の塗布装置15を用いて、上記の各構成要素41,42,43および44が形成された基材22上に塗布する。その後、乾燥装置16を用いて塗布液の溶媒を蒸発させる。これによって、ゲート絶縁層42上に有機半導体層45を形成することができる。
その後、必要に応じて有機半導体層45上に保護層46を形成する。このようにして、有機半導体層45を含む有機トランジスタ素子40を製造することができる。
上述のゲート電極41,ゲート絶縁層42,ソース電極43,ドレイン電極44または有機半導体層45を形成する工程、または、最終的に有機トランジスタ40が得られた後のいずれかにおいて、上記各層のいくつかを含む有機EL素子30の中間生成物、または有機トランジスタ40が形成された基材22が、基材巻取装置19によって巻き取られる。ここで上述のように、基材22の上面22aには支持部材26が配置されている。このため、有機トランジスタ40の中間生成物の表面または有機トランジスタ40の表面に、先に巻き取られている基材22または後から巻き取られる基材22が当接することを防ぐことができる。これによって、有機トランジスタ40の中間生成物の表面または有機トランジスタ40の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。このことにより、製造された有機トランジスタ40においてリークや短絡などの不具合が生じることを抑制することができる。
なお図16に示す例においては、有機トランジスタ素子40がいわゆるボトムコンタクト・ボトムゲート型となっている例を示した。しかしながら、有機トランジスタ素子40のタイプがボトムコンタクト・ボトムゲート型に限られることはない。例えば、ボトムコンタクト・トップゲート型、トップコンタクト・ボトムゲート型またはトップコンタクト・トップゲート型の有機トランジスタ素子40においても、形成装置10を用いて有機半導体層45を形成することができる。
有機太陽電池素子への適用例
次に、上述の形成装置10を備えた製造装置を用いて製造される、有機半導体層を有する有機半導体素子の一例として、有機太陽電池素子について説明する。図17は、有機太陽電池素子50の層構成の一例を示す縦断面図である。
図17に示すように、有機太陽電池素子50は、基材22の上面22aに順次設けられた第1電極層51,光電変換層52および第2電極層53と、各層51,52および53を覆うよう設けられた被覆層54と、被覆層54の外周部に配置された接着剤層55と、接着剤層55を介して基材22に貼り合わされた封止基材56と、を有している。有機太陽電池素子50においては、光電変換層52が、有機半導体材料を含む有機半導体層となっている。
有機太陽電池素子50の各構成要素の材料や寸法が特に限られることはない。例えば、有機太陽電池素子50の第1電極層51、第2電極層53、被覆層54、接着剤層55および封止基材56として、特開2011−151195号公報に記載のものを用いることができる。
(光電変換層)
光電変換層52は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよい。若しくは、光電変換層52は、電子受容性材料を含み、電子受容性の機能を有する電子受容性層と、電子供与性材料を含み、電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい。光電変換層52の具体的な構成や材料が特に限られることはない。例えば光電変換層52として、特開2011−151195号公報に記載のものを用いることができる。
光電変換層52の電子供与性材料や電子受容性材料を溶解させる溶媒は、材料や形成装置10の構成に応じて適宜選択されるが、例えば、オルトジクロロベンゼンなどの有機溶媒を用いることができる。
次に、形成装置10を備えた製造装置を用いて、上述の光電変換層52を有する有機太陽電池素子50を製造する方法について説明する。
はじめに、基材22の上面22aに支持部材26を配置する。支持部材26は、上述の第1の実施の形態の場合のように、後に形成される1個の有機半導体層25または1個の有機半導体素子に対して少なくとも1個の支持部材26が割り当てられるよう、配置されてもよい。若しくは、支持部材26は、上述の第2の実施の形態の場合のように、線状に延びる支持部材26として配置されてもよい。
その後、基材22上に第1電極層51を形成する。第1電極層51を形成する方法が特に限られることはなく、公知の方法を適宜用いることができる。
次に、上述の光電変換層52を構成する材料と、当該材料を溶解させる溶媒とを含む塗布液を、形成装置10の塗布装置15を用いて第1電極層51上に塗布する。その後、乾燥装置16を用いて塗布液の溶媒を蒸発させる。これによって、第1電極層51上に光電変換層52を形成することができる。
その後、光電変換層52上に第2電極層53を形成する。また、各層51,52および53を覆う被覆層54と、各層51,52および53を封止するための接着剤層55および封止基材56と、を形成する。このようにして、光電変換層52を含む有機太陽電池素子50を製造することができる。
上述の第1電極層51,光電変換層52または第2電極層53などを形成する工程、または、最終的に有機太陽電池素子50が得られた後のいずれかにおいて、上記各層のいくつかを含む有機太陽電池素子50の中間生成物、または有機太陽電池素子50が形成された基材22が、基材巻取装置19によって巻き取られる。ここで上述のように、基材22の上面22aには支持部材26が配置されている。このため、有機太陽電池素子50の中間生成物の表面または有機太陽電池素子50の表面に、先に巻き取られている基材22または後から巻き取られる基材22が当接することを防ぐことができる。これによって、有機太陽電池素子50の中間生成物の表面または有機太陽電池素子50の表面にごみが付着することや傷がついてしまうことを防ぐことができる。このことにより、製造された有機太陽電池素子50においてリークや短絡などの不具合が生じることを抑制することができる。
10 形成装置
11 支持部材配置装置
12 基材巻出装置
15 塗布装置
15a 吐出口
16 乾燥装置
19 基材巻取装置
22 基材
22a 上面
22b 下面
24 塗布液
25 有機半導体層
26 支持部材
26a 第1支持部材
26b 第2支持部材
27 マスクシート
27a 開口部
28 支持部材付き基材
28A ロール体
30 有機EL素子
32 正孔注入層
33 正孔輸送層
35 発光層
40 有機トランジスタ素子
45 有機半導体層
50 有機太陽電池素子
52 光電変換層

Claims (8)

  1. 有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成方法において、
    基材を供給する基材供給工程と、
    前記基材の上面または下面に、複数の支持部材を配置する支持部材配置工程と、
    前記基材の上面に、有機半導体材料を含む複数の有機半導体層を第1方向に沿って順に形成する工程と、
    前記有機半導体層が形成された基材を巻き取る巻取工程と、を備え、
    前記支持部材の厚みは、前記有機半導体層の厚みよりも大きくなっており、
    前記支持部材配置工程において、前記支持部材は、1個の有機半導体層に対して少なくとも1個の前記支持部材が割り当てられるよう、配置され、
    前記第1方向は、前記基材が搬送される方向となっており、
    前記第1方向からずれた第2方向に沿って複数の前記有機半導体層が並べられており、
    前記第2方向に沿って前記有機半導体層及び前記支持部材を見た場合に、前記第2方向において隣り合う2つの有機半導体層の間に少なくとも1個の支持部材が存在している、有機半導体層の形成方法。
  2. 前記第1方向は、前記基材が搬送される方向となっており、
    前記第1方向からずれた第2方向に沿って形成された前記有機半導体層の数をu個とするとき、前記支持部材は、前記第2方向に沿って少なくともu+1個の前記支持部材が並ぶよう配置される、請求項1に記載の有機半導体層の形成方法。
  3. 隣り合う2個の前記有機半導体層の間に少なくとも1個の前記支持部材が配置されている、請求項1または2に記載の有機半導体層の形成方法。
  4. 柔軟性を有する基材と、
    前記基材の上面または下面に配置された複数の支持部材と、
    前記基材の上面に、第1方向に沿って順に配置された複数の有機半導体層と、を備え、
    前記支持部材の厚みは、前記有機半導体層の厚みよりも大きくなっており、
    1個の有機半導体層に対して少なくとも1個の前記支持部材が割り当てられており、
    前記第1方向は、前記基材の長手方向となっており、
    前記第1方向からずれた第2方向に沿って複数の前記有機半導体層が並べられており、
    前記第2方向に沿って前記有機半導体層及び前記支持部材を見た場合に、前記第2方向において隣り合う2つの有機半導体層の間に少なくとも1個の支持部材が存在している、支持部材付き基材。
  5. 前記第1方向は、前記基材の長手方向となっており、
    前記第1方向からずれた第2方向に沿って配置された前記有機半導体層の数をu個とするとき、前記支持部材は、前記第2方向に沿って少なくともu+1個並べられている、請求項4に記載の支持部材付き基材。
  6. 隣り合う2個の前記有機半導体層の間に少なくとも1個の前記支持部材が配置されている、請求項4または5に記載の支持部材付き基材。
  7. 有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成方法において、
    基材を供給する基材供給工程と、
    前記基材の上面または下面に、線状に延びる支持部材を配置する支持部材配置工程と、 前記基材の上面に、有機半導体材料を含む複数の有機半導体層を、基材が搬送される第1方向に沿って順に形成する工程と、
    前記有機半導体層が形成された基材を巻き取る巻取工程と、を備え、
    前記支持部材の厚みは、前記有機半導体層の厚みよりも大きくなっており、
    前記第1方向からずれた第2方向に沿って複数の前記有機半導体層が並べられており、
    前記支持部材は、前記第2方向に沿って線状に延びる第2支持部材を含み、
    前記第2方向に直交する方向に沿って前記支持部材および前記有機半導体層を見た場合に、前記支持部材が複数の前記有機半導体層と重なっている、有機半導体層の形成方法。
  8. 柔軟性を有する基材と、
    前記基材の上面または下面に配置され、線状に延びる支持部材と、
    前記基材の上面に、前記基材の長手方向である第1方向に沿って順に配置された複数の有機半導体層と、を備え、
    前記支持部材の厚みは、前記有機半導体層の厚みよりも大きくなっており、
    前記第1方向からずれた第2方向に沿って複数の前記有機半導体層が並べられており、
    前記支持部材は、前記第2方向に沿って線状に延びる第2支持部材を含み、
    前記第2方向に直交する方向に沿って前記支持部材および前記有機半導体層を見た場合に、前記支持部材が複数の前記有機半導体層と重なっている、支持部材付き基材。
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