JP5900110B2 - 有機半導体層の形成方法および形成装置 - Google Patents

有機半導体層の形成方法および形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成方法および形成装置に関する。
近年、有機半導体材料を含む有機半導体層を有する有機半導体素子に関する研究が盛んにおこなわれている。有機半導体材料は一般に、無機半導体材料に比べて低い温度で基材上に形成され得る。このため、基材を構成する材料として、柔軟性を有する材料を用いることができる。このことにより、機械的衝撃に対する安定性を有し、かつ軽量な半導体素子を提供することが可能となる。また、印刷法等の塗布プロセスを用いて有機半導体層を基材上に形成することができるので、無機半導体材料が用いられる場合に比べて、多数の有機半導体素子を基材上に効率的に形成することが可能となる。このため、半導体素子の製造コストを低くすることができる可能性がある。これらのことから、有機半導体素子は、有機ELや電子ペーパーなどの駆動回路、または電子タグなどに応用されることが期待されている。
また、柔軟性を有する基材を用いることができるため、ロールツーロール方式で基材上に有機半導体層を形成することも可能である。例えば特許文献1において、有機半導体材料を含む塗布液を基材上にロールツーロール方式で塗布することにより、有機EL素子の有機半導体層、すなわち発光層を形成する方法が提案されている。ここでロールツーロール方式とは、ロール状に巻かれた基材を巻き出して、基材上に発光層を形成し、その後、発光層が形成された基材を再度ロール状に巻き取る形態の方法のことである。ロールツーロール方式においては、発光層などの有機半導体層を連続的に基材上に形成することができるため、有機半導体層の生産効率を向上させることができる。
特開2011−49084号公報
ロールツーロール方式で基材上に多数の有機半導体層を形成するための具体的な方法として、有機半導体材料を含む塗布液を基材上の全面にわたって塗布する方法、および、有機半導体材料を含む塗布液を基材上に所定のパターンで塗布する方法が知られている。塗布液を基材上の全面にわたって塗布する方法の場合、1つの連続した有機半導体層が基材上に形成される。この場合、ドライエッチングなどのパターニング方法を用いることにより、有機半導体層のうち不要な部分が除去される。一方、塗布液を基材上に所定のパターンで塗布する方法の場合、その後のパターニング方法が不要であるため、塗布液を基材上の全面にわたって塗布する方法に比べて、有機半導体層を製造するために必要な工数を少なくすることができる。
塗布液を基材上に所定のパターンで塗布する方法としては、インクジェット法、スプレイ法、間欠ダイコート法などが知られている。これらの方法においては、基材に対して塗布装置を相対的に移動させながら、基材に向けて塗布液を間欠的に吐出する。ところで、塗布液を間欠的に所定の塗布周期で吐出する場合、塗布周期の開始直後に吐出されて基材上に到達した塗布液の厚みは、一般に、塗布周期の中盤に吐出されて基材上に到達した塗布液の厚みと異なっている。なぜなら、通常、間欠ダイコート法の場合、塗布周期の開始直後及び塗布終了時に塗布装置から吐出され基材に到達する塗布液の量が不安定になるからである。さらに、インクジェット法やスプレイ法のような液滴を吐出する方法の場合、塗布装置から吐出される塗布液が基材に到達する際の位置及び塗布液滴量が不安定になることがある。従って、塗布液を基材上に所定のパターンで塗布する場合、得られる有機半導体層において、端部近傍の部分と中心部分とで厚みが異なることや、端部の位置が設計からずれてしまうことが考えられる。
本発明は、上述の課題を効果的に解決し得る有機半導体層の形成方法および形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成方法において、基材を供給する基材供給工程と、供給された前記基材上に、有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液を供給する塗布工程と、前記基材上に供給された前記塗布液の溶媒を蒸発させ、有機半導体材料を含む有機半導体層を形成する乾燥工程と、前記有機半導体層が形成された前記基材を巻き取る巻取工程と、を備え、前記基材供給工程において、前記基材は、開口部が形成されたマスクシートが前記基材に密着された状態で供給され、前記塗布工程において、前記塗布液は、前記マスクシートの開口部の中に供給される、有機半導体層の形成方法である。
本発明の有機半導体層の形成方法によれば、基材には、開口部が形成されたマスクシートが密着されている。また塗布液は、マスクシートの開口部の中に供給される。このため、吐出量が安定する前に吐出された塗布液によって有機半導体層が形成されることを抑制することができ、このことにより、有機半導体層の厚みが不均一になることを抑制することができる。また、有機半導体層の端部の位置を、マスクシートの開口部に応じて精密に定めることができる。このため、均一な厚みを有するとともに、端部の位置が精密に定められた有機半導体層を形成することができる。
本発明による有機半導体層の形成方法において、前記塗布工程において、前記塗布液が、前記基材からの距離が5mm以下となるよう配置された吐出口から吐出されてもよい。
本発明による有機半導体層の形成方法において、前記吐出口の幅は、前記マスクシートの前記開口部の幅以上の大きさになっていてもよい。
本発明による有機半導体層の形成方法において、前記基材供給工程は、前記基材を巻き出す基材巻出工程と、前記マスクシートを巻き出すマスクシート巻出工程と、前記基材と前記マスクシートとを密着させる積層工程と、を有していてもよい。この場合、前記積層工程において、前記基材と前記マスクシートとが、磁力、静電気力または粘着力によって密着されてもよい。
本発明による有機半導体層の形成方法は、前記乾燥工程の後、前記基材から前記マスクシートを剥離する剥離工程をさらに備えていてもよい。この場合、前記巻取工程において、前記マスクシートが剥離された前記基材が巻き取られる。
本発明による有機半導体層の形成方法において、前記巻取工程において、前記マスクシートが密着された前記基材が巻き取られてもよい。この場合、好ましくは、前記有機半導体層の厚みは、前記マスクシートの厚みよりも小さくなっている。
本発明は、有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成装置において、基材を供給する基材供給機構と、前記基材供給機構から供給された基材上に、有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液を供給する塗布装置と、前記基材上に供給された前記塗布液の溶媒を蒸発させ、有機半導体材料を含む有機半導体層を形成する乾燥装置と、前記有機半導体層が形成された前記基材を巻き取る巻取装置と、を備え、前記基材供給機構は、開口部が形成されたマスクシートが密着された基材を供給するよう構成されており、前記塗布装置は、前記マスクシートの開口部の中に前記塗布液を供給する、有機半導体層の形成装置である。
本発明の有機半導体素子の形成装置によれば、基材には、開口部が形成されたマスクシートが密着されている。また塗布液は、マスクシートの開口部の中に供給される。このため、吐出量が安定する前に吐出された塗布液によって有機半導体層が形成されることを抑制することができ、このことにより、作製される有機半導体層の厚みが不均一になることを抑制することができる。また、作製される有機半導体層の端部の位置を、マスクシートの開口部に応じて精密に定めることができる。このため、均一な厚みを有するとともに、端部の位置が精密に定められた有機半導体層を形成することができる。
本発明による有機半導体層の形成装置において、前記塗布装置は、前記塗布液を吐出する吐出口を有し、前記吐出口から前記基材までの距離が5mm以下となっていてもよい。
本発明による有機半導体層の形成装置において、前記塗布装置の前記吐出口の幅は、前記マスクシートの前記開口部の幅以上の大きさになっていてもよい。
本発明による有機半導体層の形成装置において、前記基材供給機構は、前記基材を巻き出す基材巻出装置と、前記マスクシートを巻き出すマスクシート巻出装置と、前記基材と前記マスクシートとを密着させる積層装置と、を有していてもよい。この場合、前記マスクシートは、磁性材料を含み、前記積層装置は、磁力によって前記マスクシートを前記基材側に引き寄せる磁性体を含んでいてもよい。
本発明による有機半導体層の形成装置は、前記乾燥装置の下流側に配置され、前記基材から前記マスクシートを剥離する剥離装置と、前記基材から剥離された前記マスクシートを巻き取るマスクシート巻取装置と、をさらに備えていてもよい。この場合、前記巻取装置は、前記マスクシートが剥離された前記基材を巻き取るよう構成されている。
本発明による有機半導体層の形成装置において、前記巻取装置は、前記マスクシートが密着された前記基材を巻き取るよう構成されていてもよい。この場合、好ましくは、前記有機半導体層の厚みは、前記マスクシートの厚みよりも小さくなっている。
本発明によれば、均一な厚みを有するとともに、端部の位置が精密に定められた有機半導体層を形成することができる。
図1は、本発明の実施の形態における有機半導体層の形成装置を示す斜視図。 図2は、図1の形成装置において用いられるマスクシートを示す断面図。 図3(a)(b)は、基材上に塗布液を供給する塗布工程を示す図。 図4は、基材上に供給された塗布液の溶媒を蒸発させる乾燥工程を示す図。 図5は、基材からマスクシートを剥離する剥離工程を示す図。 図6A(a)は、比較の形態における塗布工程を示す図、図6A(b)は、比較の形態によって得られた有機半導体層を示す図。 図6Bは、比較の形態において、有機半導体層の端部近傍の厚みが中心部の厚みよりも大きくなっている例を示す図。 図7Aは、有機半導体層の形成装置の変形例を示す斜視図。 図7Bは、有機半導体層の形成装置の変形例を示す斜視図。 図7Cは、有機半導体層の形成装置の変形例を示す斜視図。 図8は、図7に示す変形例において、基材巻取装置に巻き取られたロール状の基材を示す断面図。 図9(a)(b)は、積層装置の変形例を示す図。 図10は、塗布装置および乾燥装置の変形例を示す図。 図11(a)(b)は、塗布装置の変形例を示す図。 図12は、形成装置によって形成される有機半導体層を有する有機半導体素子の一例を示す断面図。 図13(a)〜(i)は、図12に示す有機半導体素子を製造する工程を示す図。 図14は、図12に示す有機半導体素子の変形例を示す図。 図15は、形成装置によって形成される有機半導体層を有する有機半導体素子のその他の例を示す断面図。 図16は、形成装置によって形成される有機半導体層を有する有機半導体素子のその他の例を示す断面図。
以下、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず図1により、本実施の形態における形成装置10全体について説明する。
形成装置
形成装置10は、有機半導体素子の構成要素の少なくとも一部、例えば有機半導体材料を含む有機半導体層をロールツーロール方式で基材22上に形成するよう構成されている。例えば図1においては、ロール状に巻かれた基材22が巻き出され、次に、基材22上に有機半導体層25が形成され、その後、有機半導体層25が形成された基材22が再度ロール状に巻き取られる例が示されている。
なお形成装置10を用いることによって得られる有機半導体素子の種類が特に限られることはない。例えば有機半導体素子は、有機化合物中における電子と正孔の再結合によって発光する有機EL素子であってもよい。この場合、有機半導体層は、電子と正孔の再結合を生じさせるための発光層や、正孔を注入するための正孔注入層、あるいは正孔を輸送するための正孔輸送層として構成されている。また有機半導体素子は、有機化合物中を流れる電流を制御する有機トランジスタ素子であってもよい。この場合、有機半導体層は、ゲート電極に印加される電圧に応じて電流が流れるよう構成されている。また有機半導体素子は、光起電力効果によって光を電力に変換する有機太陽電池素子であってもよい。この場合、有機半導体層は、入射された光を用いて光起電力を得る光電変換層として構成されている。
図1に示すように、形成装置10は、基材22を供給する基材供給機構11と、基材供給機構11から供給された基材22上に、有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液24を供給する塗布装置15と、基材22上に供給された塗布液24の溶媒を蒸発させ、有機半導体材料を含む有機半導体層25を形成する乾燥装置16と、有機半導体層25が形成された基材22を巻き取る巻取装置19と、を備えている。
(基材供給機構)
このうち基材供給機構11は、開口部23aを含むマスクシート23が密着された状態の基材22を供給するよう構成されている。具体的には、基材供給機構11は、基材22を巻き出す基材巻出装置12と、マスクシート23を巻き出すマスクシート巻出装置13と、基材22とマスクシート23とを密着させる積層装置14と、を有している。このうち基材巻出装置12は、基材22がロール状に巻きつけられた巻出軸12aを含んでおり、巻出軸12aは、図示しない駆動機構によって回転駆動される。またマスクシート巻出装置13は、マスクシート23がロール状に巻きつけられた巻出軸13aを含んでおり、巻出軸13aは、図示しない駆動機構によって回転駆動される。積層装置14は、マスクシート23に接するよう設けられた積層ローラー14aを含んでいる。この積層ローラー14aがマスクシート23を基材22に向けて押し付けることにより、マスクシート23が基材22に密着される。この際、基材22およびマスクシート23に予め静電気を発生させ、これによって、基材22とマスクシート23とがより強固に密着されるようにしてもよい。また図示はしないが、積層ローラー14aと対向するよう配置され、積層ローラー14aとの間で基材22およびマスクシート23を挟圧するプラテンローラーが設けられていてもよい。これによって、基材22とマスクシート23とをより強固に密着することもできる。
形成装置10は、図1に示すように、乾燥装置16の下流側に配置され、基材22からマスクシート23を剥離する剥離装置17と、基材22から剥離されたマスクシート23を巻き取るマスクシート巻取装置18と、をさらに備えていてもよい。
基材22を構成する材料は、ロール状に巻き取られることができる程度の柔軟性を有する限りにおいて特に限定されない。また基材22に透光性が求められるかどうかは、形成装置10によって形成される有機半導体層25を有する有機半導体素子の用途に応じて適宜定められる。基材22の厚みは、基材22を構成する材料などに応じて適宜設定されるが、例えば5μm〜250μmの範囲内となっている。
次に図1および図2を参照して、基材22に密着されるマスクシート23について説明する。図2は、マスクシート23を示す縦断面図である。図1および図2に示すように、マスクシート23には、基材22およびマスクシート23の搬送方向Dに沿って複数の開口部23aが形成されている。なお開口部23aとは、図2に示すように、マスクシート23のうち基材22を覆う遮蔽部23bが設けられていない部分のことである。図1においては、基材22およびマスクシート23の搬送方向Dに沿って複数の開口部23aが二列に並ぶ例が示されている。なお、各開口部23aの配置ピッチや、開口部23aの列数が特に限られることはなく、様々に設定され得る。
好ましくは、図2に示すように、遮蔽部23bの断面形状は、基材22に向かうにつれて先細になる、いわゆる逆テーパ形状となっている。なお図示はしないが、遮蔽部23bの断面形状は、基材22に向かうにつれて幅広になる、いわゆる順テーパ形状となっていてもよい。例えば、遮蔽部23bの側面23cが基材22に対してなす角度をθとする場合、θは80°〜145°の範囲内、より好ましくは90°〜135°の範囲内、さらに好ましくは95°〜120°の範囲内となっている。なお、遮蔽部23bの断面形状を逆テーパ形状に設定する場合、後述するように、基材22からマスクシート23を剥離する工程をより容易にすることができる。
マスクシート23を構成する材料は、ロール状に巻き取られることができる程度の柔軟性を有する限りにおいて特に限定されない。例えば、樹脂フィルムや金属箔を用いてマスクシート23を構成することができる。樹脂フィルムや金属箔に開口部23aを形成するための方法が特に限られることはなく、例えば、打ち抜きやエッチングなどの方法を用いることができる。マスクシート23の遮蔽部23bの厚みtは、開口部23a内に供給される塗布液24の量に応じて適宜設定されるが、例えば5μm〜100μmの範囲内となっている。
(塗布装置)
図1に示すように、塗布装置15は、マスクシート23の開口部23aの中に塗布液24を供給するよう構成されている。また塗布装置15は、後に詳細に説明するように、マスクシート23の開口部23aの外縁を跨ぐよう塗布液24を供給する。「開口部23aの外縁を跨ぐ」の意味については後述する。
塗布装置15は、好ましくは、開口部23a内およびその近傍の領域には塗布液24を供給するが、その他の領域には塗布液24を供給しないよう構成されている。すなわち塗布装置15は、基材22上に連続的に塗布液24を供給するのではなく、各開口部23aのピッチに応じた塗布周期で間欠的に塗布液24を供給するよう構成されている。このような塗布装置15としては、間欠的な塗布周期の中盤において略均一な厚みで塗布液24を基材22上に供給することができる限りにおいて、様々な方式の塗布装置を適宜採用することができる。例えば、間欠的なダイコート法(以下、間欠ダイコート法と称する)、インクジェット法、スプレイ法などによって塗布液24を基材22に供給する塗布装置を用いることができる。本実施の形態では、塗布装置15が間欠ダイコート法によって塗布液24を基材22に供給する例について説明する。
(乾燥装置)
乾燥装置16としては、塗布液24に含まれる溶媒を適切に蒸発させ、これによって有機半導体層25を得ることができる限りにおいて、様々な方式の乾燥装置を適宜採用することができる。例えば、加熱乾燥、送風乾燥、真空乾燥または赤外線乾燥などによって溶媒を蒸発させる乾燥装置を用いることができる。本実施の形態では、乾燥装置16が、塗布液24に赤外線を照射することにより塗布液24中の溶媒を蒸発させる例について説明する。
(剥離装置およびマスクシート巻取装置)
剥離装置17の下流側に配置されたマスクシート巻取装置18は、マスクシート23を巻き取る巻出軸18aを含んでおり、巻出軸18aは、図示しない駆動機構によって回転駆動される。また剥離装置17は、マスクシート23に接するよう設けられた剥離ローラー17aを含んでいる。この場合、巻出軸18aがマスクシート23を引っ張る力に起因して、剥離ローラー17aを起点として、マスクシート23が基材22から剥離される。
(基材巻取装置)
基材巻取装置19は、有機半導体層25が形成された基材22をロール状に巻き取る巻出軸19aを含んでおり、巻出軸19aは、図示しない駆動機構によって回転駆動される。なお図1においては、基材22のうち有機半導体層25が形成された面が内側を向くよう基材22が巻取軸19aに巻き付けられる例を示しているが、これに限られることはない。基材22のうち有機半導体層25が形成された面が外側を向くよう基材22が巻取軸19aに巻き付けられてもよい。
(塗布液)
次に、本実施の形態による形成装置10において用いられる塗布液24について説明する。塗布液24は、有機半導体材料と、有機半導体材料を溶解させる溶媒と、を含んでいる。また塗布液24の粘度は、一般的な印刷法において用いられるインキなどの塗布液の粘度に比べて小さくなっている。例えば、せん断速度100/秒、温度23℃という条件下での塗布液24の粘度は、0.1cP〜8.0cPの範囲内となっている。このように粘度が低いため、基材22上に塗布された塗布液24は所定の流動性を有している。このため、一般的な粘度を有する塗布液が用いられる場合に比べ、所定の範囲外にも塗布液24が広がりやすい。従って、基材22上に塗布された塗布液24、および、塗布液24の溶媒を蒸発させることによって得られる有機半導体層25の位置や形状が定まりにくい。また、有機半導体層25の端部の厚みが薄くなってしまう。
ここで本実施の形態によれば、開口部23aが形成されたマスクシート23を用いることにより、基材22上に塗布された塗布液24の厚みを均一にし、かつ、基材22上に塗布された塗布液24の位置や形状を精密に定めることができる。
塗布液24に含まれる有機半導体材料が特に限られることはなく、有機半導体層25の用途に応じて適宜選択される。有機半導体材料の具体例については、用途に応じて後に詳細に説明する。また有機半導体材料を溶解させる溶媒が特に限られることはなく、有機半導体材料に応じて適宜選択される。
有機半導体層の形成方法
次に、上述の形成装置10を用いて基材22上に有機半導体層25を形成する方法について、図3乃至図5を参照して説明する。
(基材供給工程)
はじめに、基材供給機構11を用いて、開口部23aを含むマスクシート23が密着された状態の基材22を塗布装置15に向けて供給する基材供給工程を実施する。具体的には、はじめに、巻出軸12aに巻き付けられている基材22を積層ローラー14aに向けて巻き出す基材巻出工程を実施する。また、巻出軸13aに巻き付けられているマスクシート23を積層ローラー14aに向けて巻き出すマスクシート巻出工程を実施する。その後、積層ローラー14aがマスクシート23を基材22に向けて押圧し、これによって基材22とマスクシート23とを密着させる積層工程を実施する。
(塗布工程)
次に、基材供給機構11から供給された基材22上に、有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液24を間欠的に供給する塗布工程を実施する。図3(a)は、ダイコート式の塗布装置15を用いて基材22上に塗布液24を塗布する様子を示す平面図であり、図3(b)は、基材22を図3(a)の線IIIb−IIIbに沿って見た場合を示す断面図である。図3(a)において、基材22上に間欠的に塗布された塗布液24が存在する領域の各々が、塗布領域24cとして示されている。また図3(a)において、開口部23aの外縁が点線で符号23dによって示されている。また図3(a)(b)において、基材22に対する塗布装置15の相対的な移動方向が矢印Dで示されている。
なお塗布装置15が基材22に向けて塗布液24を供給する際、基材22は搬送されていてもよく、若しくは、基材22の搬送が停止されていてもよい。基材22の搬送が停止された状態で塗布装置15が塗布液24を基材22に供給する場合、塗布装置15は、自らが矢印Dで示される方向に移動しながら基材22に塗布液24を供給する。
図3(a)に示すように、塗布工程において、塗布液24は、マスクシート23の開口部23aの中に、開口部23aの外縁23dを跨ぐよう供給される。ここで「開口部23aの外縁を跨ぐ」とは、図3(a)に示すように、基材22の上方から見た場合に、開口部23aの外縁23dが塗布領域24cによって囲われていることを意味している。このことは、移動方向Dに沿って見た場合、図3(b)に示すように、塗布装置15が開口部23aに到達するよりも前に塗布液24の吐出が開始されることを意味している。以下、このように塗布液24を吐出することの目的および効果について、図3(b)を参照して説明する。
図3(b)において、塗布周期の開始直後に吐出されて基材22に到達した塗布液が符号24aで示されており、塗布周期の中盤に吐出されて基材22に到達した塗布液が符号24bで示されている。上述のように、塗布周期の開始直後に吐出される塗布液の量はまだ安定していない。このため、塗布周期の開始直後に基材22に到達した塗布液24aの厚みt’は、塗布周期の中盤に基材22に到達した塗布液24bの厚みtと異なっている。例えば図3(b)に示すように、厚みt’が厚みtよりも小さくなっている。ここで本実施の形態によれば、塗布装置15が開口部23aに到達するよりも前に塗布液24の吐出が開始される。このため、その厚みt’が不安定になっている、塗布周期の開始直後の塗布液24aを、開口部23aの中ではなく遮蔽部23bの上に到達させることができる。このことにより、開口部23aの中に供給される塗布液24の厚みが不均一になることを抑制することができる。
図3(b)において、塗布周期が開始される際に遮蔽部23b上に吐出される塗布液24の吐出距離が符号lで示されている。また、吐出された塗布液24の液位が安定するまでに必要となる塗布液24の吐出距離が符号lで示されている。本実施の形態においては、好ましくは、吐出距離lが吐出距離lよりも長くなるよう、塗布装置15が塗布液24の吐出を開始する位置や、基材22に対する塗布装置15の相対的な移動速度などが定められている。これによって、厚みが安定した後の塗布液24を開口部23aの中に供給することができる。このことにより、開口部23aの中に供給される塗布液24の厚みをより均一にすることができる。なお、開口部23aの中に供給される塗布液24の厚みは、形成される有機半導体層25の厚みや塗布液24の組成に応じて適宜設定されるが、例えば10μm以下になっている。
図3(b)において、塗布装置15の吐出口15aから基材22までの距離、いわゆる塗布ギャップが符号hで示されている。塗布装置15が間欠ダイコート法によって塗布液24を基材22に供給する場合、この塗布ギャップhは、少なくとも5mm以下、例えば1mm以下になっており、好ましくは50μm〜200μmの範囲内となっている。このように塗布ギャップhを設定することにより、基材22上に供給された塗布液24の厚みの均一性をより高めることができる。
また、塗布装置15が間欠ダイコート法によって塗布液24を基材22に供給する場合、吐出口15aの幅wは、マスクシート23の開口部23aの幅w以上の大きさとなっている。これによって、移動方向Dに平行な方向においてだけでなく、移動方向Dに直交する方向においても、開口部23aの外縁23dを跨ぐよう塗布液24を供給することができる。しかしながら、幅方向に関しては、開口部23aの外縁23dを跨ぐよう塗布液24を供給する形態に限られることはなく、跨がない形態が用いられてもよい。
(乾燥工程)
その後、基材22上に供給された24の溶媒を蒸発させる乾燥工程を実施する。例えば図4に示すように、乾燥装置16を用いて塗布液24に赤外線Lを照射することにより、塗布液24に含まれる溶媒を蒸発させる。これによって図4に示すように、有機半導体材料から構成された有機半導体層25を得ることができる。有機半導体層25の厚みtは、例えば5nm〜1μmの範囲内となっている。
(剥離工程)
次に図5に示すように、乾燥工程の後、基材22からマスクシート23を剥離する剥離工程を実施する。これによって、有機半導体層25が形成された基材22を得ることができる。なお上述のように、マスクシート23の遮蔽部23bの断面形状が逆テーパ形状となっている場合、マスクシート23が基材22から剥離される際に生じる有機半導体層25と遮蔽部23bとの間の干渉を抑制することができる。このため、基材22からマスクシート23を容易に剥離することができる。
開口部23a内に形成される有機半導体層25の断面形状は、遮蔽部23bの断面形状と相補的な関係にある形状となる。従って、遮蔽部23bの断面形状が逆テーパ形状となっている場合、有機半導体層25の断面形状は順テーパ形状となっている。例えば、有機半導体層25の側面25bが基材22に対してなす角度をθとする場合、θは45°〜90°の範囲内、より好ましくは60°〜85°の範囲内となっている。
(巻取工程)
その後、有機半導体層25が形成され、かつ、マスクシート23が剥離された基材22を巻き取る巻取工程を実施する。これによって、巻取軸19aにロール状に巻きつけられた基材22からなるロール体を得ることができる。ロール体は、基材22上にさらなる層を形成するための工程に供給されてもよい。若しくは、有機半導体層25を有する有機半導体素子が既に基材22上に得られている場合、ロール体は、所定の製品区画で基材22を切断する工程に供給されてもよい。また、剥離装置17によって基材22から剥離された後のマスクシート23を巻取軸18aによって巻き取る。なお、マスクシート23が巻取軸18aに巻き取られる前に、遮蔽部23b上に形成されている有機半導体層25が除去されてもよい。
本実施の形態によれば、上述のように、基材22には、開口部23aを含むマスクシート23が密着されている。また塗布液24は、マスクシート23の開口部23aの中に、開口部23aの外縁23dを跨ぐよう供給される。このため、吐出量が安定する前に吐出された塗布液24によって有機半導体層25が形成されることを抑制することができ、このことにより、有機半導体層25の厚みが不均一になることを抑制することができる。また本実施の形態によれば、基材22上に形成される有機半導体層25は、マスクシート23の開口部23a内に供給された塗布液24によって得られる。このため、有機半導体層25の端部25cの位置や形状を、マスクシート23の開口部23aの位置や形状に応じて精密に定めることができる。このため、均一な厚みを有するとともに、端部25cの位置や形状が精密に定められた有機半導体層25を形成することができる。
また本実施の形態によれば、上述のように、塗布液24の粘度は、一般的な印刷法において用いられるインキなどの塗布液の粘度に比べて小さくなっている。このため、基材22上に塗布液24が供給された後、塗布液24の溶媒が乾燥装置16によって乾燥されるまでの間に、塗布液24がある程度流動することが期待される。また、この際の塗布液24の流動の範囲は、遮蔽部23bによって画定される開口部23a内に限定されている。このため、限られた範囲内で塗布液24が流動することにより、開口部23a内に供給された塗布液24の厚みがより均一となることが期待される。このように本実施の形態による形成装置10によれば、塗布液24の粘度が小さいという特徴との相乗効果によって、形成される有機半導体層25の厚みをさらに均一にすることができる。また塗布液24が流動することによって、開口部23a内の領域の隅々にまで塗布液24が広がることも期待される。すなわち、有機半導体層25の形状と遮蔽部23bの形状との相補性が高まることが期待される。このため本実施の形態による形成装置10によれば、塗布液24の粘度が小さいという特徴との相乗効果によって、有機半導体層25の端部25cの位置や形状をより精密に定めることができる。
比較の形態
次に、本実施の形態の効果を比較の形態と比較して説明する。図6A(a)は、比較の形態における塗布工程を示す断面図であり、図6A(b)は、比較の形態によって形成された有機半導体層を示す断面図である。図6Bは、比較の形態において、有機半導体層25の端部25c近傍の厚みが中心部の厚みよりも大きくなっている例を示す断面図である。
比較の形態においては、図6(a)に示すように、マスクシート23を用いることなく、塗布装置15を用いて基材22上に間欠的に塗布液24を供給する。その後、図6(b)に示すように、塗布液24に含まれる溶媒を蒸発させ、これによって基材22上に有機半導体層25を形成する。ここで、塗布周期の開始直後に吐出されて基材22に到達する塗布液24の量は不安定になっている。このため比較の形態によれば、塗布周期の開始直後に吐出されて基材22に到達した塗布液24aの厚みt’は、塗布周期の中盤に吐出されて基材22に到達した塗布液24bの厚みtと異なっている。例えば図6(a)に示すように、厚みt’が厚みtよりも小さくなっている。この場合、図6(b)に示すように、端部25cの近傍における有機半導体層25の厚みt’は、中心部分における有機半導体層25の厚みtよりも小さくなっている。また図示はしないが、塗布周期の開始直後に吐出されて基材22に到達した塗布液24aの厚みt’が、塗布周期の中盤に吐出されて基材22に到達した塗布液24bの厚みtよりも大きくなる場合もある。この場合、図6Bに示すように、端部25cの近傍における有機半導体層25の厚みt’が、中心部分における有機半導体層25の厚みtよりも大きくなる。いずれの場合であっても、比較の形態においては、有機半導体層25の厚みが不均一になってしまう。
これに対して本実施の形態によれば、上述のようにマスクシート23を用いることにより、塗布周期の開始直後の不安定な塗布液24aによって有機半導体層25が形成されることを防ぐことができる。このことにより、より均一な厚みを有する有機半導体層25を形成することができる。
また比較の形態においては、有機半導体層25の端部25cの位置は、塗布装置15が塗布液24の吐出を開始する位置に応じて決定される。このため、吐出開始時の塗布装置15の位置や吐出量がばらつくと、形成される有機半導体層25の端部25cの位置もばらつくことになる。このため比較の形態によれば、基材22に形成される複数の有機半導体層25の端部25cの位置を揃えることが困難であると考えられる。
これに対して本実施の形態によれば、基材22に密着されるマスクシート23の開口部23aの位置に応じて、形成される有機半導体層25の位置が決定される。このため、基材22上に形成される複数の有機半導体層25の端部の位置や形状を精密に揃えることができる。
形成装置の変形例
なお本実施の形態による形成装置10において、基材22からマスクシート23を剥離させる剥離装置17が設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図7Aに示すように、形成装置10に剥離装置17が設けられていなくてもよい。この場合、巻取工程において、マスクシート23が密着された基材22が巻取軸19aによって巻き取られる。従って、巻取軸19aは、基材22だけでなくマスクシート23をも巻き取る巻取装置19Aとして機能する。
上述のようにマスクシート23が密着された基材22を巻き取ることにより得られる効果について、図8を参照して説明する。図8は、巻取軸19aに巻き付けられた状態の基材22およびマスクシート23を示す断面図である。なお巻取軸19aによって巻き取られた基材22およびマスクシート23は、実際には、巻取軸19aに沿って湾曲している。しかしながら、図8においては、便宜上、湾曲状態を無視して基材22およびマスクシート23を描いている。また、マスクシート23の開口部23aの位置が上下で一致するとは限らないが、便宜上、開口部23aの位置が上下で一致するとして描いている。
基材22上に形成される有機半導体層25の厚みは、マスクシート23の遮蔽部23bの厚みに比べて十分に小さくなっている。このため、巻取軸19aに巻き付けられた基材22およびマスクシート23から構成されるロール体においては、図8に示すように、隣接する基材22間に、遮蔽部23bの高さに応じた間隙sが形成される。従って、一の基材22上に形成された有機半導体層25が、一の基材22に隣接するその他の基材22に接触することを防ぐことができる。このため、基材22が巻取軸19aに巻き付けられるとき、および、基材22が巻取軸19aに巻き付けられている間に有機半導体層25が損傷してしまうことを防ぐことができる。
なお、図7Aに示すようにマスクシート23が密着された基材22が巻き取られてロール体が形成される場合、当該ロール体が、基材22上にさらなる層を形成するための工程に供給されてもよい。この場合、図7B示すように、形成装置10は、基材22およびマスクシート23が巻き付けられた巻出軸12aを用いて構成されていてもよい。すなわち、形成装置10に上述の積層装置14が設けられていなくてもよい。この場合、巻取軸12aは、基材22と、基材22に予め密着されたマスクシート23とを塗布装置15に向けて巻き出す巻出装置12Aとして機能する。
なお図7Bに示す変形例においては、塗布工程および乾燥工程の後、マスクシート23が密着された基材22が巻取軸19aによって巻き取られる例が示されているが、これに限られることはない。図7Cに示すように、形成装置10は、塗布工程および乾燥工程の後、基材22からマスクシート23を剥離するよう構成されていてもよい。
積層装置の変形例
また本実施の形態において、積層装置14が、積層ローラー14aからの押圧力や、基材22およびマスクシート23における静電気力を利用してマスクシート23を基材22に密着させるよう構成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、様々な方法でマスクシート23を基材22に密着させることができる。例えば積層装置14は、基材22とマスクシート23とが磁力によって密着されるよう構成されていてもよい。この場合、例えば図9(a)に示すように、マスクシート23のうち基材22に接する側の面は、磁性材料を含む磁性層26aによって構成されている。また、積層装置14は、磁力によってマスクシート23を基材22側に引き寄せる磁性体14bを含んでいる。図9(a)においては、磁性体14bが、積層ローラー14aとの間で基材22およびマスクシート23を挟圧するプラテンローラーとして構成される例が示されている。このように磁力を利用することにより、積層装置14によってマスクシート23をより強固に基材22に密着させることができる。なおマスクシート23自体が磁性材料を含む場合、例えば遮蔽部23bが磁性材料から構成されている場合、上述のような磁性層26aが設けられていない場合であっても、磁性体14bによってマスクシート23を基材22側へ引き寄せることができる。
また積層装置14は、基材22とマスクシート23とが粘着力によって密着されるよう構成されていてもよい。この場合、例えば図9(b)に示すように、マスクシート23のうち基材22に接する側の面は、粘着性を有する接着層26bによって構成されている。このように接着層26bの粘着力を利用することにより、積層装置14によってマスクシート23をより強固に基材22に密着させることができる。また積層装置14は、積層ローラー14aとの間で基材22およびマスクシート23を挟圧するプラテンローラー14cをさらに含んでいてもよい。
塗布装置および乾燥装置の変形例
また本実施の形態による形成装置10において、1つの有機半導体層25が基材22上に形成される例を示した。しかしながら、形成装置10は、複数の有機半導体層25を基材22上に積層するようよう構成されていてもよい。例えば図10に示すように、形成装置10は、基材22の搬送方向Dに沿って順に並べられた複数の塗布装置15および乾燥装置16の組合せを備えていてもよい。この場合、はじめに、塗布装置15および乾燥装置16の第1の組合せによって、マスクシート23の開口部23a内に第1の有機半導体層25を形成する。次に、第1の組合せの下流側に配置された、塗布装置15および乾燥装置16の第2の組合せによって、マスクシート23の開口部23a内の第1の有機半導体層25上に第2の有機半導体層25を形成する。その後、第2の組合せの下流側に配置された、塗布装置15および乾燥装置16の第3の組合せによって、マスクシート23の開口部23a内の第2の有機半導体層25上に第3の有機半導体層25を形成する。このように本変形例によれば、一の形成装置10によって複数の有機半導体層25を効率的に基材22上に積層させることができる。また本変形例によれば、マスクシート23の開口部23a内に供給された塗布液24によって有機半導体層25が形成されるので、形成される各有機半導体層25の厚みを均一にし、かつ、各有機半導体層25の端部25cの位置や形状を精密に定めることができる。
塗布装置の変形例
また本実施の形態において、塗布装置15が、間欠ダイコート法によって塗布液24を基材22に供給するよう構成されている例を示した。しかしながら、形成装置10において用いられ得る塗布装置15の方式が間欠ダイコート法に限られることはなく、様々な方式が用いられ得る。ここでは例として、図11(a)(b)を参照して、塗布装置15が、基材22に向けて吐出口15aから塗布液24の液滴24dを吐出するよう構成される場合について説明する。このような方式の塗布装置15としては、例えば、インクジェット法やスプレイ法などを用いた塗布装置が考えられる。
図11(a)は、塗布装置15を用いて基材22上に塗布液24の液滴24cを吐出する様子を示す平面図であり、図11(b)は、基材22を図11(a)の線XIb−XIbに沿って見た場合を示す断面図である。図11(a)において、基材22上に間欠的に塗布された塗布液24が存在する領域の各々が、塗布領域24cとして示されている。また図11(a)において、開口部23aの外縁が点線で符号23dによって示されている。また図11(a)(b)において、基材22の搬送方向が矢印Dで示されており、基材22に対する塗布装置15の相対的な移動方向が矢印Dで示されている。
なお図11(b)に示される、塗布装置15の吐出口15aから基材22までの距離、いわゆる塗布ギャップhは、液滴24dの吐出方式に応じて適宜定められる。例えばインクジェット法が用いられる場合、塗布ギャップhは、少なくとも5mm以下となっており、例えば0.1mm〜2mmの範囲内となっている。またスプレイ法が用いられる場合、塗布ギャップhは例えば5mm以上となっている。
図11(a)に示すように、塗布装置15は、塗布装置15の移動方向Dからずれた方向に沿って並べられた複数の吐出口15aを含んでいてもよい。このように複数の吐出口15aを設けることにより、一回の掃引によって開口部23aの全域にわたって塗布液24を供給することができる。なお図11(a)において、複数の吐出口15aが並ぶ方向は、塗布装置15の移動方向Dに直交する方向となっているが、これに限られることはない。また、塗布装置15を図に示す移動方向Dだけでなく移動方向Dからずれた方向にも移動させながら塗布液24を基材22に向けて吐出する場合、単一の吐出口15aによって開口部23aの全域にわたって塗布液24を供給することも可能である。
図3(a)に示す本実施の形態の場合と同様に、塗布液24の液滴24dを吐出する塗布装置15は、基材22に到達する塗布液24が開口部23aの外縁23dを跨ぐよう構成されている。すなわち、基材22の上方から見た場合に、開口部23aの外縁23dが、複数の液滴24dを含む塗布領域24cによって囲われている。このことは、移動方向Dに沿って見た場合、図11(b)に示すように、塗布装置15が開口部23aに到達するよりも前に塗布液24の液滴24dの吐出が開始されることを意味している。以下、このように塗布液24の液滴24dを吐出することの目的および効果について、図11(b)を参照して説明する。なお本変形例において、開口部23a内における塗布液24は、開口部23aの中に到達した複数の液滴24dの集合として構成されている。
本変形例において、塗布液24の粘度は、一般的な印刷法において用いられるインキなどの塗布液の粘度に比べて小さくなっており、このため塗布液24は所定の流動性を有している。従って、本変形例においても、開口部23a内で塗布液24が流動することにより、開口部23a内に供給された塗布液24の厚みがより均一となることが期待される。例えば図11(b)に示すように、塗布装置15から開口部23a内に供給された直後の塗布液24の上面に、塗布液24を構成する各液滴24dの形状に起因する凹凸が存在する場合であっても、このような凹凸が塗布液24の流動性によって均されることが期待される。従って、本変形例のように塗布液24の液滴24dを吐出するよう構成された塗布装置15を用いる場合であっても、略均一な厚みを有する有機半導体層25を形成することができる。
ところで塗布装置15が、基材22に向けて吐出口15aから塗布液24の液滴24dを吐出するよう構成されている場合、図11(a)に示すように、塗布液24の塗布領域24cの輪郭に、各液滴24dの形状が反映される。ここで本変形例によれば、基材22上に形成される有機半導体層25は、マスクシート23の開口部23a内に供給された塗布液24から形成される。すなわち、形成される有機半導体層25の端部25cの形状に、各液滴24dの形状が反映されることを防ぐことができる。このことにより、本変形例においても、有機半導体層25の端部25cの位置や形状を精密に定めることができる。
その他の変形例
また本実施の形態および変形例において、基材22にマスクシート23が直接的に接するようマスクシート23が基材22に密着される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、基材22にマスクシート23が間接的に接するようマスクシート23が基材22に密着されてもよい。例えば、基材22上に予め何らかの層が形成されており、マスクシート23は、基材22ではなく基材22上の層に直接的に接していてもよい。この場合であっても、上述の形成装置10を用いることにより、基材22上に予め形成された層上に、均一な厚みを有するとともに、端部25cの位置や形状が精密に定められた有機半導体層25を形成することができる。
また本実施の形態および変形例において、形成装置10を用いて基材22上に、有機半導体材料を含む有機半導体層25を形成する例を示した。しかしながら、形成装置10を用いて基材22上に形成する層が有機半導体層25に限られることはない。有機半導体材料以外の材料を含む層についても、形成装置10を用いて基材22上に形成することができる。この場合、有機半導体層25の場合と同様に、形成装置10を用いて、はじめに、所定の材料と適切な溶媒とを含む塗布液をマスクシート23の開口部23a内に供給し、次に、塗布液の溶媒を蒸発させ、これによって、前記材料から構成される層を基材22上に形成することができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
有機EL素子への適用例
次に、上述の形成装置10を備えた製造装置を用いて、有機半導体層を有する有機EL素子を製造する例について、図12および図13(a)〜(i)を参照して説明する。図12は、有機EL素子30の層構成の一例を示す縦断面図である。
図12に示すように、有機EL素子30は、基材22と、基材22上に、基材22側から順に設けられた第1電極層31,正孔注入層32,正孔輸送層33,発光層35,電子注入層38および第2電極層39と、を有している。ここで第1電極層31は陽極層31として機能し、第2電極層39は陰極層39として機能する。有機EL素子30においては、正孔注入層32,正孔輸送層33,発光層35および電子注入層38が、有機半導体材料を含む有機半導体層となっている。しかしながら、このような構造に限られることはなく、発光層単独からなる構造、正孔注入層と発光層とからなる構造、発光層と電子注入層とからなる構造、さらに、正孔注入層と発光層との間に正孔輸送層を介在させた構造、発光層と電子注入層との間に電子輸送層を介在させた構造等としてもよい。
以下、有機EL素子30を構成する各層について説明する。
(陽極層)
陽極層31を構成する材料は、導電性を有する限り特には限定されず、金属、合金、これらの混合物等を使用することができる。なお発光層35から生じる光が陽極層31および基材22を通って外部に取り出される場合、陽極層31の材料として、透光性を有する導電性材料が用いられる。透光性を有する導電性材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化第二錫などの酸化物導電性材料または金等の薄膜電極材料を挙げることができる。中でも、正孔が注入され易いように、仕事関数の大きい(4eV以上)透明、または半透明材料であるITO、IZOが好ましい。透明電極層は、シート抵抗が数百Ω/□以下が好ましく、材質にもよるが、透明電極層の厚みは、例えば、50nm〜500nm程度とすることができる。なお図12においては、陽極層31がその他の層32,33,35などと同一の幅を有する例が示されているが、これに限られることはなく、陽極層31がその他の層32,33,35などとは異なる幅を有していてもよい。
(正孔注入層)
正孔注入層32を構成する材料としては、例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン等の酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー等の誘電性高分子オリゴマー等、を用いることができる。
さらに、正孔注入層32を構成する材料として、ポリフィン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H、23H−ポリフィン銅(II)等のポリフィリン化合物、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン等の芳香族第三級アミン化合物、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェンーポリスチレンスルホン酸(PEDOD-PSS)等のスチリルアミン化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層33を構成する材料としては、例えば、オキサジアゾール系、オキサゾール系、トリアゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン系、スチリル系、ピラゾリン系、ヒドラゾン系、芳香族アミン系、カルバゾール系、ポリビニルカルバゾール系、スチルベン系、エナミン系、アジン系、トリフェニルアミン系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、スチルベン二量体等の材料を用いることができる。
正孔輸送層33は、正孔輸送層33を構成する材料と溶媒とを含む塗布液を、形成装置10を用いて基材22上に供給することによって形成され得る。例えば正孔輸送層33を構成する材料を溶解させる溶媒として、クメン、アニソール、n−プロピルベンゼン、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、リモネン、p−シメン、o−ジクロロベンゼン、ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、安息香酸メチル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、アミルベンゼン、テトラリン、安息香酸エチル、フェニルヘキサン、シクロヘキシルベンゼン、安息香酸ブチル等を、単独で、または混合して用いることができる。
(発光層)
発光層35を構成する材料としては、例えば、色素系、金属錯体系、高分子系の発光材料を用いることができる。また、発光波長を調整し、または発光効率を向上させる等の目的で、上記の各層に適当な材料をドーピングすることもできる。
色素系の発光材料の例としては、例えば、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
また金属錯体系の発光材料の例としては、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポリフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属にAl、Zn、Be等、または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。
また高分子系の発光材料の例としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリフルオレン誘導体等を挙げることができる。
正孔輸送層33の場合と同様に、発光層35を構成する発光材料を溶解させる溶媒は、発光材料や形成装置10の構成に応じて適宜選択される。
(電子注入層)
電子注入層38を構成する材料としては、例えば、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属や、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムなどのフッ化物等を用いることができる。
(陰極層)
陰極層39を構成する材料は、陽極層31の場合と同様に、導電性を有する限り特には限定されず、金属、合金、これらの混合物等を使用することができる。例えば、発光層35から生じる光が陽極層31および基材22を通って外部に取り出される場合、陽極層31の材料として、アルミニウムを用いることができる。
有機EL素子30を構成する各層31,32,33,35,38および39の厚みが特に限られることはなく、求められる特性に応じて適宜設定されるが、例えば10nm〜500nm程度とすることができる。一例を挙げると、陽極層31の厚みが150nmとなっており、正孔注入層32の厚みが50nmとなっており、正孔輸送層33の厚みが20nmとなっており、発光層35の厚みが80nmとなっており、電子注入層38の厚みが5nmとなっており、陰極層39の厚みが150nmとなっている。
(有機EL素子の製造方法)
次に、形成装置10を備えた製造装置を用いて、上述の有機EL素子30を製造する方法について説明する。ここでは特に、図13(a)〜(i)を参照して、有機EL素子30のうち正孔注入層32,正孔輸送層33および発光層35を、上述の形成装置10を用いて形成する例について詳細に説明する。
はじめに、基材22上に陽極層31を形成する。陽極層31を形成する方法および装置が特に限られることはなく、様々な公知の方法および装置が用いられ得る。例えば陽極層31がITOから構成される場合、スパッタリング法や真空蒸着法等においてメタルマスクを用いることにより、または、全面に透明電極層用の材料を成膜した後、感光性レジストをマスクとしてエッチングすることにより、陽極層31を基材22上に形成することができる。
次に、基材22にマスクシート23を密着させる。具体的には、図13(a)に示すように、基材22上に形成された陽極層31上にマスクシート23を配置する。その後、図13(a)に示すように、マスクシート23の開口部23aの中に、正孔注入層を構成する材料を含む塗布液32aを供給する。次に、塗布液32aの溶媒を蒸発させる。これによって、図13(b)に示すように、陽極層31上に正孔注入層32を形成することができる。
その後、図13(c)に示すように、基材22からマスクシート23を剥離する。次に図13(d)に示すように、正孔注入層32が開口部23a内に位置するよう、基材22にマスクシート23を密着させる。その後、図13(d)に示すように、マスクシート23の開口部23aの中に、正孔輸送層を構成する材料を含む塗布液33aを供給する。なお、図7A,図7Bまたは図10に示す上述の各変形例による形成装置10が用いられる場合、基材22からマスクシート23を剥離する工程を経ることなく、正孔輸送層を構成する材料を含む塗布液33aをマスクシート23の開口部23aの中に供給することもできる。
次に、塗布液33aの溶媒を蒸発させる。これによって、図13(e)に示すように、正孔注入層32上に正孔輸送層33を形成することができる。
その後、図13(f)に示すように、基材22からマスクシート23を剥離する。次に図13(g)に示すように、正孔注入層32および正孔輸送層33が開口部23a内に位置するよう、基材22にマスクシート23を密着させる。その後、図13(g)に示すように、マスクシート23の開口部23aの中に、発光層を構成する材料を含む塗布液35aを供給する。なお、図7A,図7Bまたは図10に示す上述の各変形例による形成装置10が用いられる場合、基材22からマスクシート23を剥離する工程を経ることなく、発光層を構成する材料を含む塗布液35aをマスクシート23の開口部23aの中に供給することもできる。
次に、塗布液35aの溶媒を蒸発させる。これによって、図13(h)に示すように、正孔輸送層33上に発光層35を形成することができる。その後、図13(i)に示すように、基材22からマスクシート23を剥離する。このようにして、正孔注入層32,正孔輸送層33および発光層35を陽極層31上に積層させることができる。
その後、発光層35上に電子注入層38および陰極層39を形成する。電子注入層38および陰極層39を形成する方法が特に限られることはなく、様々な方法適宜用いられ得る。例えば、電子注入層38および陰極層39を構成する材料として、適切な溶媒に溶解し得る材料が用いられる場合、上述の形成装置10を用いて電子注入層38および陰極層39を形成してもよい。このようにして、図12に示す有機EL素子30を製造することができる。
本実施例によれば、基材22に密着されたマスクシート23の開口部23aの中に塗布液32a,33aおよび35aを供給することによって、陽極層31上に正孔注入層32,正孔輸送層33および発光層35を積層させる。このため、均一な厚みを有するとともに、端部の位置や形状が精密に定められた正孔注入層32,正孔輸送層33および発光層35を得ることができる。また上述のように形成装置10を用いて電子注入層38および陰極層39を形成する場合、均一な厚みを有するとともに、端部の位置や形状が精密に定められた電子注入層38および陰極層39を得ることもできる。
(有機EL素子の変形例)
なお有機EL素子30の層構成が特に限られることはなく、求められる特性に応じて様々な層を追加することができる。例えば図14に示すように、有機EL素子30の発光層35の構造が、第1発光層35Aおよび第2発光層35Bを含む二層構造となっていてもよい。この場合、第1発光層35Aと第2発光層35Bとの間に電荷発生層34が介在されていてもよい。このうち第1発光層35Aおよび第2発光層35Bは、上述の発光層35と略同一の層であるので、詳細な説明を省略する。電荷発生層34は、例えば特開2003−272860号公報に記載されているように、1.0×10Ω・cm以上、好ましくは1.0×10Ω・cm以上の比抵抗を有する電気絶縁性の層であって、電圧印加時において有機EL素子30の陰極方向にホールを注入し、陽極方向に電子を注入する役割を果たす層となっている。
また図14に示すように、有機EL素子30は、発光層35と電子注入層38に位置する正孔阻止層36および電子輸送層37をさらに有していてもよい。このうち正孔阻止層36は、陽極層31から注入された正孔が発光層35を突き抜けるのをブロックし、発光層35内における電子と正孔の再結合を増やすための層である。このような正孔阻止層36を構成する材料としては、例えば、(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)等を用いることができる。
電子輸送層37を構成する材料としては、例えば、金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、シリル化合物等を用いることができる。フェナントロリン類の具体例としては、バソキュプロイン、バソフェナントロリン等を挙げることができる。金属錯体の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)等を挙げることができる。オキサジアゾール誘導体としては、(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)等を挙げることができる。
上述の電荷発生層34,正孔阻止層36および電子輸送層37を形成する方法が特に限られることはなく、様々な方法適宜用いられ得る。例えば、電荷発生層34,正孔阻止層36および電子輸送層37を構成する材料として、適切な溶媒に溶解し得る材料が用いられる場合、上述の形成装置10を用いて電荷発生層34,正孔阻止層36および電子輸送層37を形成してもよい。
有機トランジスタ素子への適用例
次に、上述の形成装置10を備えた製造装置を用いて製造される、有機半導体層を有する有機半導体素子の一例として、有機トランジスタ素子について説明する。図15は、有機トランジスタ素子40の層構成の一例を示す縦断面図である。
図15に示すように、有機トランジスタ素子40は、基材22上に設けられたゲート電極41と、ゲート電極41を覆うよう基材22上に設けられたゲート絶縁層42と、一定の間隔を空けて対向するようゲート絶縁層42上に設けられた第1電極層43および第2電極層44と、第1電極層43および第2電極層電極44を覆うよう設けられた有機半導体層45と、を有している。ここで第1電極層43はドレイン電極43として機能し、第2電極層44はソース電極44として機能する。なお図15において一点鎖線で示すように、有機トランジスタ素子40は、有機トランジスタ素子40の最表面に位置し、有機トランジスタ素子40のその他の構成要素を保護するよう設けられた保護層46をさらに有していてもよい。
有機トランジスタ素子40の各構成要素の材料や寸法が特に限られることはない。例えば、有機トランジスタ素子40のゲート電極41、ゲート絶縁層42、ドレイン電極43およびソース電極44として、特開2009−87996号公報に記載のものを用いることができる。
(有機半導体層)
有機半導体層45を構成する有機半導体材料としては、低分子系の有機半導体材料や高分子系の有機半導体材料を用いることができる。例えば有機半導体材料として、特開2009−87996号公報に記載のものを用いることができる。
有機半導体層45を構成する有機半導体材料を溶解させる溶媒は、材料や形成装置10の構成に応じて適宜選択されるが、例えば、メシチレン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、キシレン、及びN−メチルピロリドンなどの有機溶媒を用いることができる。
次に、形成装置10を備えた製造装置を用いて、上述の有機半導体層45を有する有機トランジスタ素子40を製造する方法について説明する。
はじめに、基材22上にゲート電極41,ゲート絶縁層42,ソース電極43およびドレイン電極44を形成する。これらの構成要素を形成する方法および装置が特に限られることはなく、公知の方法および装置を適宜用いることができる。
その後、上記の各構成要素41,42,43および44が形成された基材22に、有機半導体層45の形状に対応した形状を有する開口部23aが形成されたマスクシート23を密着させる。その後、上述の有機半導体層45を構成する材料を含む塗布液を、マスクシート23の開口部23aの中に供給する。次に、塗布液の溶媒を蒸発させる。これによって、均一な厚みを有するとともに、端部の位置が精密に定められた有機半導体層45を得ることができる。
その後、必要に応じて有機半導体層45上に保護層46を形成する。このようにして、有機半導体層45を含む有機トランジスタ素子40を製造することができる。
なお図15に示す例においては、有機トランジスタ素子40がいわゆるボトムコンタクト・ボトムゲート型となっている例を示した。しかしながら、有機トランジスタ素子40のタイプがボトムコンタクト・ボトムゲート型に限られることはない。例えば、ボトムコンタクト・トップゲート型、トップコンタクト・ボトムゲート型またはトップコンタクト・トップゲート型の有機トランジスタ素子40においても、形成装置10を用いて有機半導体層45を形成することができる。
有機太陽電池素子への適用例
次に、上述の形成装置10を備えた製造装置を用いて製造される、有機半導体層を有する有機半導体素子の一例として、有機太陽電池素子について説明する。図16は、有機太陽電池素子50の層構成の一例を示す縦断面図である。
図16に示すように、有機太陽電池素子50は、基材22上に順次設けられた第1電極層51,光電変換層52および第2電極層53と、各層51,52および53を覆うよう設けられた被覆層54と、被覆層54の外周部に配置された接着剤層55と、接着剤層55を介して基材22に貼り合わされた封止基材56と、を有している。有機太陽電池素子50においては、光電変換層52が、有機半導体材料を含む有機半導体層となっている。
有機太陽電池素子50の各構成要素の材料や寸法が特に限られることはない。例えば、有機太陽電池素子50の第1電極層51、第2電極層53、被覆層54、接着剤層55および封止基材56として、特開2011−151195号公報に記載のものを用いることができる。
(光電変換層)
光電変換層52は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよい。若しくは、光電変換層52は、電子受容性材料を含み、電子受容性の機能を有する電子受容性層と、電子供与性材料を含み、電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい。光電変換層52の具体的な構成や材料が特に限られることはない。例えば光電変換層52として、特開2011−151195号公報に記載のものを用いることができる。
光電変換層52の電子供与性材料や電子受容性材料を溶解させる溶媒は、材料や形成装置10の構成に応じて適宜選択されるが、例えば、オルトジクロロベンゼンなどの有機溶媒を用いることができる。
次に、形成装置10を備えた製造装置を用いて、上述の光電変換層52を有する有機太陽電池素子50を製造する方法について説明する。
はじめに、基材22上に第1電極層51を形成する。第1電極層51を形成する方法および装置が特に限られることはなく、公知の方法および装置を適宜用いることができる。
その後、第1電極層51が形成された基材22に、光電変換層52の形状に対応した形状を有する開口部23aが形成されたマスクシート23を密着させる。その後、上述の光電変換層52を構成する材料と、溶媒とを含む塗布液を、マスクシート23の開口部23aの中に供給する。次に、塗布液の溶媒を蒸発させる。これによって、均一な厚みを有するとともに、端部の位置が精密に定められた光電変換層52を得ることができる。
その後、光電変換層52上に第2電極層53を形成する。また、各層51,52および53を覆う被覆層54と、各層51,52および53を封止するための接着剤層55および封止基材56と、を形成する。このようにして、光電変換層52を含む有機太陽電池素子50を製造することができる。
10 形成装置
11 基材供給機構
12 基材巻出装置
13 マスクシート巻出装置
14 積層装置
14a 積層ローラー
14b 磁性体
15 塗布装置
15a 吐出口
16 乾燥装置
17 剥離装置
18 マスクシート巻取装置
19 基材巻取装置
22 基材
23 マスクシート
23a 開口部
23b 遮蔽部
24 塗布液
25 有機半導体層
26a 磁性層
26b 接着層
30 有機EL素子
32 正孔注入層
33 正孔輸送層
35 発光層
40 有機トランジスタ素子
45 有機半導体層
50 有機太陽電池素子
52 光電変換層

Claims (12)

  1. 有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成方法において、
    基材を供給する基材供給工程と、
    供給された前記基材上に、有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液を供給する塗布工程と、
    前記基材上に供給された前記塗布液の溶媒を蒸発させ、有機半導体材料を含む有機半導体層を形成する乾燥工程と、
    前記有機半導体層が形成された前記基材を巻き取る巻取工程と、を備え、
    前記基材供給工程前記基材を巻き出す基材巻出工程と、開口部が形成されたマスクシートを巻き出すマスクシート巻出工程と、積層ロールを用いて前記基材と前記マスクシートとを密着させる積層工程と、を有し、
    前記塗布工程において、前記塗布液は、前記マスクシートの前記開口部の中に供給される、有機半導体層の形成方法。
  2. 前記塗布工程において、前記塗布液が、前記基材からの距離が5mm以下となるよう配置された吐出口から吐出される、請求項1に記載の有機半導体層の形成方法。
  3. 前記塗布液が前記吐出口から吐出される際に前記吐出口が前記基材に対して相対的に移動する移動方向に直交する方向において、前記吐出口の幅は、前記マスクシートの前記開口部の幅以上の大きさになっている、請求項2に記載の有機半導体層の形成方法。
  4. 前記積層工程において、前記基材と前記マスクシートとが、磁力、静電気力または粘着力によって密着される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機半導体層の形成方法。
  5. 前記乾燥工程の後、前記基材から前記マスクシートを剥離する剥離工程をさらに備え、 前記巻取工程において、前記マスクシートが剥離された前記基材が巻き取られる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機半導体層の形成方法。
  6. 前記巻取工程において、前記マスクシートが密着された前記基材が巻き取られ、
    前記有機半導体層の厚みは、前記マスクシートの厚みよりも小さくなっている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機半導体層の形成方法。
  7. 有機半導体材料を含む有機半導体層を基材上に形成する有機半導体層の形成装置において、
    基材を供給する基材供給機構と、
    前記基材供給機構から供給された基材上に、有機半導体材料と溶媒とを含む塗布液を供給する塗布装置と、
    前記基材上に供給された前記塗布液の溶媒を蒸発させ、有機半導体材料を含む有機半導体層を形成する乾燥装置と、
    前記有機半導体層が形成された前記基材を巻き取る巻取装置と、を備え、
    前記基材供給機構は、前記基材を巻き出す基材巻出装置と、開口部が形成されたマスクシートを巻き出すマスクシート巻出装置と、積層ロールを用いて前記基材と前記マスクシートとを密着させる積層装置と、を有し、
    前記塗布装置は、前記マスクシートの前記開口部の中に前記塗布液を供給する、有機半導体層の形成装置。
  8. 前記塗布装置は、前記塗布液を吐出する吐出口を有し、
    前記吐出口から前記基材までの距離が5mm以下となっている、請求項7に記載の有機半導体層の形成装置。
  9. 前記塗布液が前記吐出口から吐出される際に前記吐出口が前記基材に対して相対的に移動する移動方向に直交する方向において、前記塗布装置の前記吐出口の幅は、前記マスクシートの前記開口部の幅以上の大きさになっている、請求項8に記載の有機半導体層の形成装置。
  10. 前記マスクシートは、磁性材料を含んでおり、
    前記積層装置は、磁力によって前記マスクシートを前記基材側に引き寄せる磁性体を含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の有機半導体層の形成装置。
  11. 前記乾燥装置の下流側に配置され、前記基材から前記マスクシートを剥離する剥離装置と、
    前記基材から剥離された前記マスクシートを巻き取るマスクシート巻取装置と、をさらに備え、
    前記巻取装置は、前記マスクシートが剥離された前記基材を巻き取る、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の有機半導体層の形成装置。
  12. 前記巻取装置は、前記マスクシートが密着された前記基材を巻き取るよう構成されており、
    前記有機半導体層の厚みは、前記マスクシートの厚みよりも小さくなっている、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の有機半導体層の形成装置。
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