JP2014165261A - 有機発光表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式法によって成膜された赤色及び緑色発光層上に、蒸着法によって青色発光層が積層された有機発光表示装置において、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層からの影響による色純度低下を抑制する。
【解決手段】基板2上に、赤色、緑色および青色の有機EL素子の素子ごとに対応して設けられた画素電極3と、画素電極3上に形成された正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層5、6と、正孔注入・輸送層5、6上に形成された赤色発光層7および緑色発光層8と、赤色発光層7、緑色発光層8および正孔注入・輸送層5、6上の全面に形成された青色発光層9と、青色発光層9上の全面に、順に形成された電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層10および対向電極11と、を備え、前記青色発光層9に三重項消光剤を含有させる。
【選択図】図1

Description

本発明は表示装置に関し、特に有機発光表示装置とその製造方法に関する。
有機発光表示装置は導電性の発光媒体層に電圧を印加することにより、発光媒体層中の有機発光層において、注入された電子と正孔とが再結合する。有機発光層中の有機発光分子は、再結合エネルギーによりいったん励起状態となり、その後、励起状態から基底状態に戻る。この際に放出されるエネルギーを光として取り出すことにより有機発光表示装置は発光する。
有機発光層に電圧を印加するために前記発光媒体層の両側には画素電極と対向電極とが設けられており、有機発光層からの光を外部へ取り出すために少なくとも一方の電極は透光性を有する。このような有機発光表示装置の構造の一例としては、透光性基板上に、透光性の画素電極、発光媒体層、対向電極を順次積層したものが挙げられ、ここで、基板上に形成される画素電極、発光媒体層上に形成される対向電極を陰極として利用する態様が挙げられる。
さらに発光効率を増大させる等の目的から、陽極と有機発光層との間に設けられる正孔輸送層、正孔注入層に加え、有機発光層と陰極との間に電子輸送層、電子注入層が適宜選択して設けられ、有機発光表示装置として構成されることが多い。これら正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層はキャリア輸送層と呼ばれている。これらキャリア輸送層と有機発光層、さらには正孔ブロック層や電子ブロック層、絶縁層等を合わせて発光媒体層と呼ぶ。
画像表示装置を作製する場合は、縦横に並べられている多数の画素によって、画像を表示する。そのためには発光材料や正孔注入材料などを画素電極上に選択的に配し、各画素に独立した有機発光表示装置を形成する必要がある。その際、材料を各画素に均一に配し、均一に発光させる為、予め各画素を区画する隔壁を設ける手法が一般的に用いられている。
一般的な発光色の組合せは、赤色、緑色、青色である。この有機発光表示装置の寿命は、寿命の短い有機発光媒体層によって決まってしまう。
現状においては、青色発光の有機発光素子の寿命が、赤色有機発光素子、緑色有機発光素子の寿命に比べて短い傾向にある。そのため、青色有機発光素子の長寿命化が有機発光表示装置としての長期信頼性を達成するための課題となっていた。
有機発光表示装置を形成する発光層等に用いられる材料は、低分子材料と高分子材料とに大別される。一般に、低分子材料の方がより高い発光効率、長寿命を示すことが知られており、特に青色の性能は高いとされる。
低分子材料は一般的に、真空蒸着法を用いて成膜される。真空蒸着法は、有機材料を溶媒に溶解させる必要がなく、成膜後に溶媒を除去する工程が不要という利点がある。但し、真空蒸着法はメタルマスクによる塗り分けが難しく、特に大型のパネルの作製における設備製造コストが高いため、大画面基板への適用が難しく、量産にも難があるなどの欠点を有していた。
近年、低分子系または、高分子系材料を溶媒に溶解または分散させ、塗布法や印刷法と言った湿式法により発光層を成膜する研究が盛んに行われている。これら湿式法は、前述の真空蒸着法を用いた有機発光表示装置と比較して、大気圧下での成膜が可能であり、設備コストが安いという利点がある。
湿式法により形成される発光層は、一般に、溶媒に溶解しやすい材料によって形成されている。これにより、大気圧下におけるスピンコート法などのウェットコーティング法や、凸版印刷法や凸版反転オフセット印刷法(例えば、特許文献1、2参照)、インクジェット法(例えば、特許文献3、4参照)、ノズルプリント法(例えば、特許文献5参照)などの印刷法を用いて各層を形成することができ、製造設備のコストの削減や生産性の向上を図ることができる。
しかしながら、湿式方式において用いられる発光材料の中で、特に青色発光材料は発光輝度および寿命特性が低く実用的ではないため、青色発光層に湿式法によるパターニングを用いることは困難とされていた。
この課題に対して、湿式法で形成された赤色発光層、緑色発光層の上部に、湿式法では特性が不十分な青色発光層以降を共通層として真空蒸着法で形成した表示装置が開示されている(特許文献6)。
このような構造とすることにより、青色発光層に対する微細なパターニングが不要となるため特に大型化への実現性が高くなる。
特開2003−17248号公報 特開2004−296226公報 特許第3541625号公報 特開2009−267299公報 特開2001−189192公報 特開2006−140434号公報
しかしながら、特許文献6の有機EL素子を用いた表示装置では、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子の色純度が低下するという問題があった。これは、赤色及び緑色発光層上に直接青色発光層を積層しているため、青色発光層の発光が加わり、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における色度が変化してしまうことが原因である。
赤色及び緑色有機EL素子における青色発光の原因については、赤色発光材料と緑色発光材料に燐光発光材料を用い、且つ、青色発光材料に蛍光発光材料を用いた時に発生するとされている。つまり、赤色発光層及び緑色発光層から三重項励起子が青色発光層へ移動することで、青色発光層内で三重項―三重項消滅が起こり、一重項状態が生成される。青色発光層内で三重項励起状態が一重項へ変換されることで遅延蛍光発光となり、結果として赤色及び緑色有機EL素子における色度が変化してしまうことが知られている。
そのため、赤色及び緑色有機EL素子での青色発光を低減することが求められていた。
本発明は、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層からの影響による色純度低下を抑制することが可能な有機発光表示装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子とを有する有機発光表示装置であって、基板上に、前記赤色有機EL素子、緑色有機EL素子および青色有機EL素子の素子ごとに対応して設けられた画素電極と、前記画素電極上に形成された正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層と、前記正孔注入・輸送層上に形成された赤色発光層および緑色発光層と、前記赤色発光層、緑色発光層および前記正孔注入・輸送層上に形成された青色発光層と、前記青色発光層上の全面に、順に形成された電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極と、を備え、前記青色発光層が少なくとも三重項消光剤を含有していることを特徴とする有機発光表示装置、である。
前記青色発光層は、前記赤色発光層、緑色発光層および前記正孔注入・輸送層上の全面に形成されていてよい。
本発明の他の態様は、赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子とを有する有機発光表示装置の製造方法であって、基板上に、前記赤色有機EL素子、緑色有機EL素子および青色有機EL素子の素子ごとに対応した画素電極を形成する工程と、前記画素電極上に正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層を湿式法により形成する工程と、前記正孔注入・輸送層上に赤色発光層および緑色発光層を湿式法により形成する工程と、前記赤色発光層、緑色発光層および前記正孔注入・輸送層上の全面に、青色発光材料と三重項消化剤とを用いて、青色発光層を共蒸着法により形成する工程と、前記青色発光層上の全面に、電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極をこの順に形成する工程と、を含むことを特徴とする有機発光表示装置の製造方法、である。
前記湿式法として、インクジェット法、ノズルプリント法、凸版印刷法、グラビア印刷法および反転オフセット印刷法のいずれかを用いて、前記赤色発光層および緑色発光層を形成するようになっていてよい。
本発明の一態様によれば、青色発光層中に三重項消光剤を含有することで、赤色及び緑色発光層から青色発光層へ移動した三重項励起子を消光させることができる。従って、三重項―三重項消滅による一重項状態の生成を抑制することができ、結果として青色発光層の発光を抑制することができ、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層からの影響による色純度低下を抑制することできる。
本発明の実施形態に係る有機発光表示装置の構成の一例を模式的に示す断面図である。 凸版印刷装置の一例を模式的に示す概略断面図である。
本発明の実施形態は、赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子とを有する有機発光表示装置であって、基板上に、前記赤色有機EL素子、緑色有機EL素子および青色有機EL素子の素子ごとに対応して設けられた画素電極と、前記画素電極上に形成された正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層と、前記正孔注入・輸送層上に形成された赤色発光層および緑色発光層と、前記赤色発光層、緑色発光層および前記正孔注入・輸送層上に形成された青色発光層と、前記青色発光層上の全面に、順に形成された電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極と、を備え、前記青色発光層が少なくとも三重項消光剤を含有しているものである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る有機発光表示装置の構成を模式的に示すものである。
本実施形態に係る有機発光表示装置1は、いわゆるアクティブマトリクス構造を有する有機発光表示装置であって、薄膜トランジスタ(TFT)(図示せず)が形成された透光性基板2、透光性基板2の一方の面上に複数形成された画素電極3、各画素電極3を線状に区画する隔壁4、画素電極3上に積層された正孔注入層5、正孔注入層5上に積層された正孔輸送層6、正孔輸送層6上に積層された赤色発光層7および緑色発光層8、そして、赤色発光層7および緑色発光層8と正孔輸送層6との上に積層された青色発光層9、青色発光層9上に積層された電子輸送層10、電子輸送層10上に積層されて画素電極3と対向配置された対向電極11、対向電極11を覆うように封入された樹脂層12、さらに樹脂層12を覆うように配置された封止基板13、を備えている。
以下、画素電極3が陽極、対向電極11が陰極の場合について述べる。
なお、本実施形態に係る有機発光表示装置1は、いわゆるパッシブマトリクス構造であってもよい。
透光性基板2は、画素電極3や有機発光層、対向電極11を支持する基板であって、金属、ガラス、又はプラスチックなどのフィルムまたはシートによって構成されている。
プラスチック製のフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートを用いることができる。
なお、透光性基板2の画素電極3が形成されない側の面に、セラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物などの他のガスバリア性フィルムを積層してもよい。
本実施形態の透光性基板2は、薄膜トランジスタ(TFT)を形成したアクティブ駆動方式用基板を用いても良い。本実施形態の印刷体をアクティブ駆動型有機EL素子とする場合には、TFT上に、平坦化層が形成してあるとともに、平坦化層上に有機EL素子の下部電極が設けられており、かつ、TFTと下部電極とが平坦化層に設けたコンタクトホールを介して電気的に接続してあることが好ましい。
このような構成とすることにより、TFTと有機EL素子との間で、優れた電気絶縁性を得ることができる。
TFTや、その上方に構成される有機EL素子は支持体で支持される。支持体としては機械的強度や、寸法安定性に優れていることが好ましく、具体的には先に透光性基板2の材料として述べた材料を用いることができる。
支持体上に設ける薄膜トランジスタは、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。
具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、ボトムゲート型、コプレーナ型等の公知の構造が挙げられる。また、ボトムエミッション型の有機EL素子の場合、透光性基板を用いる必要がある。
画素電極3は、基板(透光性基板2)上に画素電極3の材料からなる層を成膜し、必要に応じてパターニングを行うことにより作製する。画素電極3の材料からなる層は隔壁4によって区画され、各画素に対応した画素電極3となる。画素電極3の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができる。
画素電極3を陽極とする場合にはITOなど仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。下方から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション構造の場合は透光性のある材料を選択する必要がある。必要に応じて、画素電極の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。画素電極3の膜厚は、有機ELディスプレイの素子構成により最適値が異なるが、単層、積層にかかわらず、100Å以上10000Å以下であり、より好ましくは、100Å以上3000Å以下である。
画素電極3の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。
隔壁4は、各画素電極3上に形成された有機発光媒体層が互いに混合することを防止するために各画素電極3の端部を覆うように形成されており、隔壁4のパターンは画素電極3を区画する線状であることが望ましい。これにより、画素電極3が整列配置されることになる。
隔壁4を形成する場合の形成方法としては、従来と同様、基体上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を積層し、フォトリソグラフィ法により所定のパターンとする方法が挙げられる。必要に応じて撥水剤を添加したり、プラズマやUVを照射して形成後にインクに対する撥液性を付与したりすることもできる。
隔壁4の材料としては、絶縁性を有する必要があり、感光性材料等を用いることができる。感光性材料としては、ポジ型であってもネガ型であってもよく、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることができる。また、隔壁形成材料として、SiO、TiO等を用いることもできる。
隔壁4の好ましい高さは0.1μm以上10μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上2μm以下である。隔壁4の高さが10μmを超えると対向電極の形成及び封止を妨げてしまい、0.1μm未満だと画素電極3の端部を覆い切れない、あるいは有機発光媒体層の形成時に隣接する画素とショートしたり、混色したりするためである。
次に、本実施形態の有機機能性薄膜としての有機発光媒体層を形成する。
本実施形態における有機発光媒体層としては、少なくとも画素電極3の上面に形成された正孔注入層5と、正孔注入層5上に積層された正孔輸送層6と、正孔輸送層6上に積層された赤色発光層7と緑色発光層8、そして、赤色発光層7と緑色発光層8と正孔輸送層6上に積層された青色発光層9と、青色発光層9上に積層された電子輸送層10とを積層した構成を備える。
正孔注入層5及び正孔輸送層6は、陽極である画素電極3から注入された正孔を陰極である対向電極11の方向へ進め、正孔を通しながらも電子が画素電極3の方向へ進行することを防止する機能を有している。電界印加時に画素電極3からの正孔の注入を安定化する機能を有する正孔注入層5、及び、画素電極3から注入された正孔を電界の力で発光層内に輸送する機能を有する正孔輸送層6のいずれか一方を有する場合であってもよく、正孔注入層5及び正孔輸送層6の両方の機能を有していても良い。正孔注入層5または正孔輸送層6は、1層からなっても良いし、複数層からなっても良い。正孔注入層5及び正孔輸送層6は、例えば、図1に示すように、各種発光層と画素電極3との間に形成される。
正孔注入層5及び正孔輸送層6に用いられる正孔輸送材料の例としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、CuO,Cr,Mn,FeOx(x〜0.1),NiO,CoO,Pr,AgO,MoO,Bi,ZnO,TiO,SnO,ThO,V,Nb,Ta,MoO,WO,MnOなどの無機材料、その他既存の正孔注入輸送材料の中から選ぶことができる。
また、正孔注入輸送材料を溶解または分散させる溶媒としては、トルエン、キシレン、アニソール、ジメトキシベンゼン、テトラリン、シクロヘキサノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水などのうち、いずれかまたはこれらの混合液が挙げられる。
前記した正孔注入輸送材料の溶解液または分散液には、必要に応じて界面活性剤や酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤などを添加してもよく、粘度調整剤としては、例えばポリスチレン、ポリビニルカルバゾールなどを用いることができる。
正孔注入層5及び正孔輸送層6の形成方法としては、正孔注入層5及び正孔輸送層6に用いる材料に応じて、スピンコートやバーコート、ワイヤーコート、スリットコート、スプレーコート、カーテンコート、フローコート、凸版印刷法、凸版反転オフセット印刷法、インクジェット法、ノズルプリント法などの湿式法や、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの蒸着法を用いることができる。
また、正孔注入層5及び正孔輸送層6上にはインターレイヤ層を形成しても良い。インターレイヤ層に用いる材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、スピンコートやバーコート、ワイヤーコート、スリットコート、スプレーコート、カーテンコート、フローコート、凸版印刷法、凸版反転オフセット印刷法、インクジェット法、ノズルプリント法などの湿式法を用いて形成することができる。
赤色発光層7、緑色発光層8、青色発光層9は電圧を印加することによって赤色、緑色、青色に発光する有機発光層の機能性材料である。赤色発光層7及び緑色発光層8は、溶解または分散した有機発光インク(インク)を正孔輸送層6上にスピンコートやバーコート、ワイヤーコート、スリットコート、スプレーコート、カーテンコート、フローコート、凸版印刷法、凸版反転オフセット印刷法、インクジェット法、ノズルプリント法、グラビア印刷法などの湿式法を用いて付着させ、その後乾燥させることで形成されている。青色発光層9の形成方法としては、用いる材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの真空蒸着法を用いることができる。なお、発光層の膜厚は、0.01μm以上0.1μm以下の範囲であればよい。前記膜厚の範囲外となった場合、発光効率が低下する傾向にある。
有機発光層を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系などの発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの単独またはこれらの混合溶媒が上げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
上述した高分子材料に加え、有機発光層を形成する有機発光材料は、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノー8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラ−トシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレンなどの低分子系発光材料も使用できる。
青色発光層9内に含有する三重項消光剤は、三重項消光効率の良い化合物を挙げることができる。三重項消光剤は青色発光材料のS励起状態からのエネルギー移動による消光を防止する点から青色発光材料のSレベルよりもエネルギー的に高いSレベルを有することが好ましい。さらに三重項消光剤のTレベルに関しては、効率的なエネルギー移動を生成させるため、青色発光材料のTレベルよりも低いことが好ましい。
三重項消光剤として使用することができる材料は、例えば、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル、スチリル誘導体、アントラセン、またはアントラセン誘導体、ナフタセン、またはナフタセン誘導体、ナフタレンまたはナフタレン誘導体、ピレン、またはピレン誘導体、ペリレン、ナフチル系消光剤などを挙げられるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
電子輸送層10に用いられる電子輸送材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物、等を用いることができる。また、これらの電子輸送材料に、ナトリウムやバリウム、リチウムといった仕事関数が低いアルカリ金属、アルカリ土類金属を少量ドープすることにより、電子注入層としてもよい。
電子輸送層10の形成方法としては、用いる材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの真空蒸着法を用いることができる。
対向電極11は、対向電極11を陰極とする場合には有機発光媒体層への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いる。具体的には、Mg,Al,Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。
対向電極11の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。対向電極11の厚さに特に制限はないが、10nm以上1000nm以下が望ましい。
対向電極11と封止材との間の、例えば対向電極11上にパッシベーション層を形成してもよい。パッシベーション層の材料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化炭素などの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、炭化ケイ素などの金属炭化物、必要に応じて、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜との積層膜を用いてもよい。特に、バリア性と透明性の面から、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)、酸窒化ケイ素(SiOxNy)を用いることが好ましく、さらには、成膜条件により、膜密度を可変した積層膜や勾配膜を使用してもよい。
パッシベーション層の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法を用いることができるが、特に、バリア性や透光性の面でCVD法を用いることが好ましい。CVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、触媒CVD法、VUV−CVD法などを用いることができる。
また、CVD法における反応ガスとしては、モノシランや、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)やテトラエトキシシランなどの有機シリコーン化合物に、N、O、NH、H、NOなどのガスを必要に応じて添加してもよく、例えば、シランの流量を変えることにより膜の密度を変化させてもよく、使用する反応性ガスにより膜中に水素や炭素が含有させることもできる。パッシベーション層の膜厚としては、有機EL素子の電極段差や基板の隔壁高さ、要求されるバリア特性などにより異なるが、0.01μm以上10μm以下程度が一般的に用いられている。
有機発光材料は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため有機発光媒体層を外部と遮断するための封止材を設ける。封止材は、例えば封止基板13と樹脂層12とを設けて作成することができる。封止基板13としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m2/day以下であることが好ましい。
樹脂層12の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。
樹脂層12の形成方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5μm以上500μm以下が望ましい。
有機EL素子と封止基板13との貼り合わせは封止室で行う。封止材を、封止基板13と樹脂層12の2層構造とし、樹脂層12に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。樹脂層12に熱硬化型接着樹脂や光硬化性接着性樹脂を使用した場合は、ロール圧着や平板圧着した状態で、光もしくは加熱硬化を行うことが好ましい。
次に、以上のような構成の有機発光表示装置1を凸版印刷法と真空蒸着法によって製造する方法の概略を説明する。なお、本発明はこれに限るものではなく、上述の通り、凸版印刷法に変えてノズルプリント法等を用いることが出来る。
まず、薄膜トランジスタが形成された透光性基板2上に、薄膜トランジスタと接続するように画素電極3を形成する。これは、透光性基板2上の全面にスパッタリング法を用いてITO膜を形成し、さらにフォトリソグラフィ技術による露光、現像を行って、画素電極3として残存させる要部をフォトレジストで被覆すると共に、不要部を酸溶液でエッチングしてITO膜を除去する。このようにして、所定の間隔をあけて配置された複数の画素電極3が形成される。
次に、各画素電極3の間に隔壁4を形成する。これは、透光性基板2及び画素電極3上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術による露光、現像を行って、各画素電極3の間にフォトレジストを残存させる。その後、ベーキングを行うことでフォトレジストを硬化させる。
そして、図2に示すような凸版印刷装置30を用いて、正孔注入性材料のインキを画素電極3上に凸版印刷法によって塗布し、正孔注入層5を形成する。
この凸版印刷装置30は、インクタンク33と、インキチャンバー34と、アニロックスロール35と、凸版が設けられた版37がマウントされた版胴38と、を有している。
インクタンク33には有機材料インキが収容されており、インキチャンバー34にはインクタンクより有機材料インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール35は、インキチャンバー34のインキ供給部に接して回転可能に支持されている。
アニロックスロール35の回転に伴い、アニロックスロール表面に供給された有機材料インキのインキ層39は均一な膜厚に形成される。このインキ層39のインキはアニロックスロールに近接して回転駆動される版胴38にマウントされた版37の凸部に転移する。
ステージ31には、被印刷基板32(この場合には、フォトレジストを硬化させた後の透光性基板2)が設置され、版37の凸部にあるインキが被印刷基板32に対して印刷され、必要に応じて乾燥工程を経て被印刷基板上に有機層が形成される。
このようにして正孔注入性材料のインキを画素電極3上に凸版印刷法によって塗布した後、正孔輸送層6を形成し、その後、同様に凸版印刷法により有機発光層(赤色発光層7、緑色発光層8)を正孔輸送層6上に形成する。
このようにして、凸版印刷法により有機発光層まで形成した後、次に青色発光層9を、発光領域となる赤色発光層7、緑色発光層8、正孔輸送層6上及び非発光領域となる隔壁4上を含む全面に抵抗加熱蒸着法などの真空蒸着法によって形成する。
青色発光層9を真空蒸着法によって形成する場合、青色発光層9はホスト材料と発光ドーパント材料及び三重項消光剤を共蒸着法によって形成する。それぞれの材料の蒸着比率は蒸着速度によって調整する。
続いて、電子輸送層10及び対向電極11を、青色発光層9上に抵抗加熱蒸着法などの蒸着法によって蒸着して形成する。最後に、これら画素電極3、有機発光媒体層及び対向電極11を空気中の酸素や水分から保護するために樹脂層12を充填し、封止基板13で被覆し、これにより封止を行って有機発光表示装置1を製造する。
以上のように構成された有機発光表示装置1及びその製造方法によれば、青色発光層中に三重項消光剤を含有することで、赤色及び緑色発光層7、8から青色発光層9へ移動した三重項励起子を消光させることができる。従って、三重項―三重項消滅による一重項状態の生成を抑制することができ、結果として青色発光層9の発光を抑制することができ、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層からの影響による色純度低下を抑制することできる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、正孔ブロック層や電子注入層、電子ブロック層を形成してもよい。ここで、電子ブロック層は、正孔輸送層6と同様に、画素電極である画素電極3から正孔を対向電極である対向電極11の方向へ進めて正孔を通しながらも、電子が画素電極3の方向へ進行することを防止する機能を有している。また、正孔ブロック層や電子輸送層、電子注入層は、対向電極である対向電極11から電子を画素電極である画素電極3の方向へ進めて電子を通しながらも、正孔が対向電極11の方向へ進行することを防止する機能を有している。
また、フッ化リチウムやフッ化ナトリウムなどの薄膜を対向電極11と有機発光媒体層との間に設けてもよい。対向電極11をパターニングするには、金属膜、セラミック膜の蒸着マスクなどを用いることができる。さらに、隔壁4が各画素電極3間に形成されているが、隔壁4を設けない構成としてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(実施例)
[素子作成]
図1に示すように、透光性基板2(白板ガラス;縦100mm×横100mm×厚さ0.7mm)上にスパッタリング法により幅80μm、厚さ0.15μmの短冊状の画素電極3を80μm間隔で形成した。ここで、画素電極3の表面粗さRaは、面積200μmの任意の面内において20nmとなった。また、隔壁4は、透光性基板2と接触する下端の幅が90μm、上端の幅が45μm、高さが2μmであり、断面はほぼ台形状となっている。
ここで、隔壁4は、ポジ型感光性ポリイミドをスピンコートし、スピンコートの条件として、透光性基板2を110rpmで5秒間回転させた後に、400rpmで20秒間回転させた。隔壁4上のみ隠されたフォトマスクを準備し、フォトリソグラフィ法を用いて基板の全面に塗布された感光性材料の隔壁4部以外をi線ステッパーにより180mJ/cm露光した。露光した後現像を行い、オーブンを用いて、200℃60分の条件で焼成し隔壁4を形成した。また、正孔注入層5は、正孔注入材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物を用いて凸版印刷法で隔壁内に塗布し、これを200℃30分間乾燥させることによって形成した。また正孔輸送層6は、正孔輸送材料としてポリアリーレン誘導体を用い、これをキシレンに溶解させて濃度を3.0重量%としたインクを凸版印刷法で隔壁内に塗布し、これを200℃10分間乾燥させることによって形成した。
赤色有機発光層のホスト材料には2,2′,2″-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(TPBi)、ドープ材料には2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルー21H,23H−ポリフィリンプラチナ2(PtOEP)を用いて重量比率をTPBi/PtOEP=0.90/0.10にて濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、凸版印刷法で隔壁内に塗布した。これを100℃10分間乾燥させることによって形成した。乾燥後の有機発光層の膜厚は画素中心部で50nmとなった。
緑色有機発光層のホスト材料にはTPBi、ドープ材料にはトリス(2−(p−トリル)ピリジン)イリジウムIII(Ir(mppy)3)を用いて重量比率をTPBi/Ir(mppy)3=0.94/0.06にて濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、凸版印刷法で隔壁内に塗布した。これを100℃10分間乾燥させることによって形成した。乾燥後の有機発光層の膜厚は画素中心部で50nmとなった。
青色発光層9として、赤色発光層7、緑色発光層8、正孔輸送層6上に、真空蒸着法により、9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン(以下「DNA」という。)と2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(以下「TBP」という。)と三重項消光剤として4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル(以下「DPVBi」という。)を共蒸着した膜を形成した。DNAとTBPとDPVBiの蒸着比は、6:2:2となるように蒸着速度を調整し、厚さ30nmを形成した。
さらに、青色発光層9上に、真空蒸着法により、電子輸送層10としてAlq3を成膜速度0.01nm/secとして、厚さ20nmを形成した。その後、対向電極11として、LiF/Al=0.5nm/150nmを蒸着により形成した。その後、封止基板13を接着し有機発光表示装置1を得た。
このように得られた有機発光表示装置1の表示部の周辺部においては、画素電極毎に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極層に接続されている陰極側の取り出し電極とが設けられている。これら取り出し電極を電源に接続し、有機発光表示装置を点灯かつ表示させ、点灯状態及び表示状態を確認した。
得られた有機発光表示装置1を駆動し、表示確認を行ったところ、発光状態は良好であった。また、赤色画素、緑色画素における青色発光層からの影響による色純度低下は抑制され、表示特性は良好であった。
(比較例)
まず、前記実施例と同一の方法で、赤色発光層、緑色発光層まで形成し、青色発光層を、三重項消光剤を含有せずに形成し、電子輸送層以後の工程については、前記実施例と同一の方法で形成し、有機発光表示装置を得た。
このように得られた有機発光表示装置を駆動したところ、赤色画素、緑色画素において、青色発光層からの影響による色純度低下が見られた。そのため、有機発光表示装置としての表示特性は低下した。
比較例の評価結果から、青色発光層にて三重項消光剤を含有していなかったことで、赤色画素、緑色画素での青色発光層の発光が抑制されず、色純度低下した。実施例においては、三重項消光剤を含有していたため、赤色画素、緑色画素で、色純度が良く、表示特性の良い有機発光表示装置が得られた。
本発明は、湿式法によって成膜された赤色及び緑色発光層上に、蒸着法によって青色発光層が積層された有機発光表示装置において、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層からの影響による色純度低下を抑制させることにおいて、有用である。
1…有機発光表示装置
2…透光性基板
3…画素電極
4…隔壁
5…正孔注入層
6…正孔輸送層
7…赤色発光層
8…緑色発光層
9…青色発光層
10…電子輸送層
11…対向電極
12…樹脂層
13…封止基板
30…凸版印刷装置
31…ステージ
32…被印刷基板
33…インキタンク
34…インキチャンバー
35…アニロックスロール
37…凸版
38…版胴
39…インキ層

Claims (4)

  1. 赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子とを有する有機発光表示装置であって、
    基板上に、前記赤色有機EL素子、緑色有機EL素子および青色有機EL素子の素子ごとに対応して設けられた画素電極と、
    前記画素電極上に形成された正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層と、
    前記正孔注入・輸送層上に形成された赤色発光層および緑色発光層と、
    前記赤色発光層、緑色発光層および前記正孔注入・輸送層上に形成された青色発光層と、
    前記青色発光層上の全面に、順に形成された電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極と、を備え、
    前記青色発光層が少なくとも三重項消光剤を含有していることを特徴とする有機発光表示装置。
  2. 前記青色発光層は、前記赤色発光層、緑色発光層および前記正孔注入・輸送層上の全面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の有機発光表示装置。
  3. 赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子とを有する有機発光表示装置の製造方法であって、
    基板上に、前記赤色有機EL素子、緑色有機EL素子および青色有機EL素子の素子ごとに対応した画素電極を形成する工程と、
    前記画素電極上に正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層を湿式法により形成する工程と、
    前記正孔注入・輸送層上に赤色発光層および緑色発光層を湿式法により形成する工程と、
    前記赤色発光層、緑色発光層および前記正孔注入・輸送層上の全面に、青色発光材料と三重項消化剤とを用いて、青色発光層を共蒸着法により形成する工程と、
    前記青色発光層上の全面に、電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極をこの順に形成する工程と、
    を含むことを特徴とする有機発光表示装置の製造方法。
  4. 前記湿式法として、インクジェット法、ノズルプリント法、凸版印刷法、グラビア印刷法および反転オフセット印刷法のいずれかを用いて、前記赤色発光層および緑色発光層を形成することを特徴とする請求項3記載の有機発光表示装置の製造方法。
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