JP6179033B2 - 劣化検出方法、センサの製造方法およびセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出する技術に関する。
従来から、鉄橋やプラントなどの鋼材を用いた構造物では、鋼材に錆が生じないように保護塗料が用いられている。この保護塗料は、腐食因子の浸透や紫外線などにより、時間の経過と共に劣化する。このため、蛍光X線により厚みを測定することで劣化を検出する手法や、鋼材にケーブルを接続して腐食に伴う電気的特性の変化を測定することで劣化を検出する手法が提案されている。しかし、前者は現場での測定に不向きであり、高価であるという欠点があり、後者はケーブルの接続箇所が塗膜の欠損原因となり得るという欠点があった。このような事情から、これらの手法は採用しがたく、従来は、主に、目視によって保護塗料の剥離や発錆の点検が行なわれていた。しかし、単に目視で点検する手法では、計画的に保護塗料を塗り替えたり、将来的に、いつ塗り替えるべきであるかを予測したりすることは容易ではない。その結果、従来は、構造物に対し、定期的に全面的な保護塗料の塗り替えが行なわれていた。
特開2013−053916号公報 特開2012−208088号公報
しかしながら、構造物の保護塗膜の劣化は、一様に進むわけではないため、一部の劣化が進んでいたとしても、他の一部には、まだ塗り直しを必要としない箇所がある可能性がある。それにもかかわらず、従来から、構造物に対し、定期的に全面的な保護塗料の塗り替えを行なっていたため、無用なコストがかかってしまっていた。鋼材の健全性は保護塗料の健全性によって管理しているため、構造物の各所において、塗り直すべき時期を把握することができれば、安全性を確保しつつ、ライフサイクルコストを削減することが可能となる。一方、鋼材に塗布された保護塗膜は薄いため、塗膜の劣化状況の把握や管理は容易ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低コストで、鋼材の保護塗膜の劣化進行状況を検出し、保護塗料を塗り直すべき時期を把握することができる劣化検出方法、センサの製造方法およびセンサを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の劣化検出方法は、鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出する劣化検出方法であって、金属薄膜で形成された導体パターン部および前記導体パターン部を保持する基材から構成された金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付する工程と、前記金属薄膜シートが貼付された鋼材に対し、前記金属薄膜シートが被覆されるように保護塗料を塗布する工程と、前記金属薄膜シートの導体パターン部に対し、電気的または磁気的に計測器を接続し、前記導体パターン部の電気的特性を測定する工程と、を少なくとも含み、前記測定した導体パターン部の電気的特性に基づいて、前記鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出することを特徴とする。
このように、金属薄膜で形成された導体パターン部および導体パターン部を保持する基材から構成された金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付し、金属薄膜シートが貼付された鋼材に対し、金属薄膜シートが被覆されるように保護塗料を塗布するので、厚さが薄い保護塗膜と鋼材との間に金属薄膜シートを設置することが可能となる。また、センサとしての金属薄膜シートにケーブルを接続する必要が無いため、保護塗膜の保護機能を損なうことがなく、保護塗料の劣化進行状況を検出することが可能となる。その結果、効果的で、かつ効率的な塗装サイクルを設定することが可能となり、コストの削減を図ることが可能となる。
(2)また、本発明の劣化検出方法は、基材の厚さが異なる複数種類の金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付することを特徴とする。
このように、基材の厚さが異なる複数種類の金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付するので、金属薄膜シート上の保護塗膜の厚さを段階的に正確に変化させることが可能となる。これにより、保護塗料の劣化進行状況を段階的に検出することが可能となる。更に、鋼構造物が設置されている現場における保護塗料の保護性能を把握することも可能となる。
(3)また、本発明の劣化検出方法は、前記金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付する前に、少なくとも1枚の厚さ調整シールを、金属薄膜シートの背面、または鋼材の表面に貼付する工程を含み、前記厚さ調整シールが背面に貼付された金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付し、または、鋼材の表面に貼付された前記厚さ調整シールの上に前記金属薄膜シートを貼付することを特徴とする。
このように、金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付する前に、少なくとも1枚の厚さ調整シールを、金属薄膜シートの背面、または鋼材の表面に貼付する。そして、厚さ調整シールが背面に貼付された金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付し、または、鋼材の表面に貼付された厚さ調整シールの上に金属薄膜シートを貼付するので、金属薄膜シート上の保護塗膜の厚さを段階的に正確に変化させることが可能となる。これにより、保護塗料の劣化進行状況を段階的に検出することが可能となる。更に、鋼構造物が設置されている現場における保護塗料の保護性能を把握することも可能となる。
(4)また、本発明の劣化検出方法において、前記金属薄膜シートは、金属に対して比熱が異なる材料で形成されたマーキング部を備え、前記マーキング部の放熱特性または/および受熱特性について、赤外線サーモグラフィを用いて非破壊的に検出することによって、前記保護塗料で被覆された金属薄膜シートの位置を特定する工程を更に含むことを特徴とする。
このように、赤外線サーモグラフィを用いて非破壊的にマーキング部を検出することによって、保護塗料で被覆された金属薄膜シートの位置を特定するので、保護塗膜に埋設された金属薄膜シートの位置を容易に検出することが可能となる。
(5)また、本発明の劣化検出方法は、上記(1)記載の金属薄膜シートの導体パターン部に、導体パターン部の電気的特性の変化を計測するための検出回路を接続し、前記検出回路に制御用ICチップを接続し、前記ICチップに無線通信を行なうためのアンテナパターンを接続して、計測ユニットを形成する工程と、無線電波を用いて前記計測ユニットを非破壊的に検出することによって、前記保護塗料で被覆された金属薄膜シートの位置や電気信号を特定する工程と、を更に含むことを特徴とする。
このように、無線電波を用いて前記計測ユニットを非破壊的に検出することによって、前記保護塗料で被覆された金属薄膜シートの位置や電気信号を容易に特定することが可能となる。
(6)また、本発明のセンサの製造方法は、鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサの製造方法であって、金属薄膜と基材とを一体化させて金属薄膜シートを作製する工程と、前記金属薄膜シートの金属薄膜上に、回路パターンのレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜が形成された金属薄膜シートをエッチングする工程と、前記エッチング後の金属薄膜シートのレジスト膜を除去する工程と、前記金属薄膜シートの回路パターンの一部をマスキングし、他の一部に貴金属、または貴金属および緩衝金属を被覆する工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
このように、金属薄膜と基材とを一体化させて金属薄膜シートを作製し、ごく薄い導体パターン部を形成するので、厚さが薄い保護塗膜と鋼材との間に設置するセンサを作製することが可能となる。また、この方法によれば、二次元的に複雑な形状のパターンを形成することが可能となる。これにより、センサ全体の形状の自由度が増すと共に、導体パターン部の面積を大きくすることが可能となる。その結果、センサの感度を向上させることが可能となる。また、導体パターン部と共に回路部分も同時に作ることができるため、製造工程を簡略化し、大量生産することが可能となる。
(7)また、本発明のセンサの製造方法は、鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサの製造方法であって、基材の上に形成されたパターン部以外の箇所にマスキングを施す工程と、前記パターン部に、金属を蒸着、スパッタリング、またはイオンプレーティングのいずれか一つによって薄膜を形成することによって、前記基材の上に導体パターン部を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
このように、導体パターン部に使用する金属薄膜が、蒸着やスパッタリング、イオンプレープレーティングといった形成技術が適用できる金属で構成される場合は、前記の形成技術を使用して導体パターン部を基材の上に直接作成することもできる。これにより、金属薄膜と基材とを一体化させて金属薄膜シートを作製し、ごく薄い導体パターン部を形成するので、厚さが薄い保護塗膜と鋼材との間に設置するセンサを作製することが可能となる。また、この方法によれば、二次元的に複雑な形状のパターンを形成することが可能となる。これにより、センサ全体の形状の自由度が増すと共に、導体パターン部の面積を大きくすることが可能となる。その結果、センサの感度を向上させることが可能となる。また、導体パターン部と共に回路部分も同時に作ることができるため、製造工程を簡略化し、大量生産することが可能となる。
(8)また、本発明のセンサの製造方法は、金属に対して比熱が異なる材料で前記基材を形成する工程を更に含むことを特徴とする。
このように、金属に対して比熱が異なる材料で基材を形成するので、赤外線サーモグラフィを用いて非破壊的に基材の放熱特性または/および受熱特性を検出することによって、保護塗膜に埋設された金属薄膜シートを容易に検出することが可能となる。
(9)また、本発明のセンサの製造方法は、金属に対して比熱が異なる材料で前記基材にマーキング部を形成する工程を更に含むことを特徴とする。
このように、金属に対して比熱が異なる材料で基材にマーキング部を形成するので、赤外線サーモグラフィを用いて非破壊的にマーキング部の放熱特性または/および受熱特性を検出することによって、保護塗膜に埋設された金属薄膜シートを容易に検出することが可能となる。
(10)また、本発明のセンサは、鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサであって、金属薄膜で形成された導体パターン部と、前記導体パターン部を保持する基材と、貴金属で形成され前記導体パターン部の一部に設けられた薄膜部と、金属に対して比熱が異なる材料で形成されたマーキング部と、を備え、鋼材に貼付され保護塗料に被覆された状態で前記導体パターン部の電気的特性が変化することを特徴とする。
このように、導体パターン部が金属薄膜で形成されているため、厚さを非常に薄くすることができ、断線するまでの時間を短くすることが可能となる。その結果、センサとしての感度を高めることが可能となる。また、金属薄膜で形成された導体パターン部の一部に設けられ貴金属で形成された薄膜部を有するので、金属薄膜の腐食が開始すると同時に、金属薄膜と貴金属で形成された薄膜部とに腐食電池が形成され、センサの検知感度が向上する。また、新たにカソード部を設ける必要がなく、検知部とカソード部との配線が不要となるため、作業の効率化を図ることが可能となる。また、カソードの取り付けが困難な部位においても設置が可能となる。さらに、導体パターン部と薄膜部との間に、緩衝金属を備えるので、金属薄膜および貴金属と密着性の高い金属を用いることによって、各層の密着性を高め、センサに薄膜のカソードを形成することが可能となる。
(11)また、本発明のセンサは、鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサであって、金属薄膜で形成された導体パターン部と、前記導体パターン部を保持する基材と、貴金属で形成され前記導体パターン部の一部に設けられた薄膜部と、前記基材の背面に設けられた少なくとも1枚の厚さ調整シールと、を備え、鋼材に貼付され保護塗料に被覆された状態で前記導体パターン部の電気的特性が変化することを特徴とする。
このように、導体パターン部が金属薄膜で形成されているため、厚さを非常に薄くすることができ、断線するまでの時間を短くすることが可能となる。その結果、センサとしての感度を高めることが可能となる。また、導体パターン部の一部に貴金属で形成された薄膜部を有するので、金属薄膜の腐食が開始すると同時に、金属薄膜と貴金属で形成された薄膜部とに腐食電池が形成され、センサの検知感度が向上する。また、新たにカソード部を設ける必要がなく、検知部とカソード部との配線が不要となるため、作業の効率化を図ることが可能となる。また、カソードの取り付けが困難な部位においても設置が可能となる。さらに、基材の背面に少なくとも1枚の厚さ調整シールを有するので、金属薄膜シート上の保護塗膜の厚さを段階的に正確に変化させることが可能となる。これにより、保護塗料の劣化進行状況を段階的に検出することが可能となる。
本発明によれば、金属薄膜で形成された導体パターン部および導体パターン部を保持する基材から構成された金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付し、金属薄膜シートが貼付された鋼材に対し、金属薄膜シートが被覆されるように保護塗料を塗布するので、厚さが薄い保護塗膜と鋼材との間に金属薄膜シートを設置することが可能となる。また、センサとしての金属薄膜シートにケーブルを接続する必要が無いため、保護塗膜の保護機能を損なうことがなく、保護塗料の劣化進行状況を検出することが可能となる。その結果、効果的で、かつ効率的な塗装サイクルを設定することが可能となり、ライフサイクルコストの削減を計ることが可能となる。
本実施形態に係るセンサの概要を示す図である。 マーキング部を設けたセンサの様子を示す図である。 本実施形態に係るセンサの製造方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係るセンサを設置した様子を模式的に示す図である。 本実施形態に係るセンサを細長いリボン状に構成した例を示す図である。 無線式のセンサを示す図である。 無線式のセンサを示す図である。 無線式のセンサを示す図である。 無線式のセンサを示す図である。 本実施形態に係るセンサの使用例を示す図である。
本実施形態に係るセンサは、保護塗料の劣化進行状況を検出する導体パターン部を金属薄膜で作製する。導体パターン部を形成する金属薄膜は、対象となる鋼材の保護塗膜を劣化させる因子と腐食反応するか、または保護塗膜の劣化後、大気環境と接触することにより腐食反応が開始し、電気的特性が変化する金属で構成されていれば特に限定されるものではない。大気環境で腐食する金属であれば、検知感度が向上し、かつ汎用的であるため好ましい。とくに、導体パターン部の構成材料として、鉄、あるいは亜鉛を用いれば、イオン化傾向が大きいため、大気環境、あるいは水中環境での反応性が高く、保護塗膜の劣化を検知しやすくなるため、より好ましい。
この金属薄膜を、基材となる材料の上にパターン形成する。このパターンは、金属薄膜の腐食反応を検知するために適した形状に配置される。金属薄膜の腐食反応を検知する手法は、導体パターン部の電気抵抗の変化、電位変化、電流密度の変化、または静電容量の変化など、金属の腐食現象を捉えるものであれば特に限定されるものではない。
一方、導体パターン部を保持する基材は、電気的に絶縁性が高く、かつごく薄いフィルム状に形成できる樹脂材料を用いる。樹脂材料の種類は問われないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニール、フッ素樹脂、またはポリカーボネートなどを用いることが可能である。基材の選定は、鋼材の保護塗料に含まれる有機溶剤に反応せず、かつ対候性、耐水性が高ければ特に限定されるものではない。
基材としての樹脂フィルム上にパターン形成された金属薄膜は、好適な形状に裁断され、センサとして使用される。スポットとしてモニタリングする場合には、数センチ四方の角状にしてもよく、円管を周方向に検知するのであれば、細長いリボン状にしてもよい。また、立体的に検知したい場合には、3次元的に形状をなしてもよい。
このように、本実施形態に係るセンサは、劣化を検知する部分を金属薄膜で構成し、基材を樹脂フィルムで構成することにより、センサの全体の厚みを極めて薄くすることが可能となる。具体的には、本実施形態に係るセンサは、全体の厚みが0.5mm以下である。例えば、金属薄膜の厚みを0.02mm以下とし、基材の厚みを0.2mm以下としてセンサを構成すると、保護塗膜に埋設する場合に、特に好適となる。
さらに、基材の厚みについては、製造の際に材料を選定すれば任意の厚みに構成できるので、導体パターン部を被覆する保護塗膜の厚みを変化させることができる。また、製造後の金属薄膜シートの基材の背面に、保護塗膜の厚みを調整する目的で、フィルムシート(厚さ調整シール)を貼付する手法を用いれば、任意の厚みに構成することが可能である。このため、対象となる金属構造物の保護塗膜が劣化するよりも早期に、腐食の危険性を把握することが可能となる。さらに、基材の厚みを段階的に変化させて、複数種類の厚さを持ったセンサを複数配置することにより、時系列的な劣化の進行を把握することができ、塗膜の耐久性の予測や計画的、効率的な塗膜の塗り変えなど、予防保全的な維持管理を可能にすることができる。例えば、導体パターン部の鉄箔材の厚みを0.005mmとし、基材の厚みを0.05mm、0.1mm、0.15mmの3種類としてそれぞれセンサを構成し、これらの3種類のセンサを鋼構造物の表面に配置することにより、保護塗膜の劣化進行を段階的に検知することが可能となる。
測定対象となる金属構造物、例えば、鋼橋やプラント設備、街路灯、土中埋設管、タンク、船舶などに保護塗料を塗布する場合、塗布前の金属材料の表面に、本実施形態に係るセンサを貼付する。その後、保護塗料を塗布する。本実施形態によれば、ケーブルを保護塗膜の外部に出さず、そのまま塗膜の下にセンサを埋設する。
これにより、ケーブルを引き出した場合に生じる塗膜の欠陥を生じることなく、センサを設置することができる。測定する際は、センサを被覆している塗膜を剥離し、直接計測器を接続して、腐食に伴う電気信号を計測する。この場合、無線方式を用いて、電磁的に測定を行なっても良い。
図1は、本実施形態に係るセンサの概要を示す図である。本実施形態に係るセンサ100は、鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサであって、金属薄膜(例えば鉄を圧延することにより作製した鉄箔材)で形成された導体パターン部101と、導体パターン部101を保持する基材102と、導体パターン部101の一部に設けられ貴金属(例えば、金)で形成された薄膜部103と、を備える。導体パターン部101の端部には、測定用端子101aが設けられている。このセンサ100は、腐食因子の浸透や紫外線などにより、保護塗料が劣化すると共に劣化し、導体パターン部101の電気的特性が変化する。
ここで、金属の陽極部と陰極部が明確に区別できるような電池が形成されたものをマクロセルといい、両極間を流れる電流を腐食電流(マクロセル電流)という。金属薄膜がイオン化する反応(酸化反応:アノード反応)が進行すると、金属薄膜の表面では酸素が還元される反応(還元反応:カソード反応)が進行する。これら反応は同時に進行し、アノード部は卑な電位、カソード部は貴な電位となる電位差が生じ、同時にアノード部からカソード部へと電流(腐食電流)が流れ、金属薄膜の腐食が進行する。このような原理を利用し、貴金属で形成された薄膜部103(カソード用部材)を配置することにより、導体パターン部101の腐食を進行させることができ、保護塗料(保護塗膜)の劣化進行状況をより早く把握することが可能となる。
鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサとして、より好適な金属薄膜の厚さは50nm以上、0.05mm未満である。金属薄膜の厚さが0.05mm以上である場合には、腐食反応によって生じる金属薄膜の電気特性の変化の応答性が低くなる場合がある。一方、金属薄膜の厚さは50nm以上であることが好ましい。50nmより薄いと、物理的な強度が不足して断線してしまう場合がある。物理的強度と劣化検知の感度とを考慮すると、100nm以上25μm以下とすることがより好ましい。また、金属薄膜の線幅に関しては、0.01mm未満の線幅の場合には製造中に断線を生じる場合もあり、一方で、下地材との付着力が弱く、製造時または設置時に損傷を受けやすくなる。設置や、フィルムによる保護の観点からは0.01mm以上が望ましく、さらに線幅が太い場合には腐食断線による感度が低下するため、線幅が2.0mm以下であることが好ましい。
導体パターン部101は、基材102上で二次元的な回路パターンが形成されている。基材上での二次元的な凹凸形状または渦巻き回路の形成は、腐食因子との接触確率を向上させるものである。線長さは、腐食因子との接触確率の観点から、50mm以上が望ましい。本実施形態としては、例えば、金属薄膜の厚さは5μmとし、導体パターン部101の線幅は1.0mmとし、線の長さは総計で250mmとする。
図2は、図1に示したセンサ100にマーキング部Mを設けたセンサ100−1の様子を示す図である。このマーキング部Mは、鉄とは大きく比熱の異なる材料、例えば、エチレンプロピレン樹脂などで形成される。すなわち、本センサは、保護塗料の下に埋設されることから、測定時にセンサの位置が分からなくなる恐れがある。このため、センサ100−1にマーキング部Mを設け、保護塗膜の外部から、赤外線を用いた非破壊検査機等でマーキングを判別する。これにより、センサの埋設位置や接続端子位置を特定し、当該部位について局所的に塗膜を剥離させて測定することが可能となる。例えば、センサの貼付対象の金属が鉄あるいは鉄の合金の場合、その比熱は、400〜600(J/kg℃)であるが、樹脂材料の比熱は1000(J/kg℃)を上回るものが多く、中でも、クロロプレンゴムやエチレンプロピレンゴムの比熱は2000(J/kg℃)以上である。マーキング部Mの材料にこれらを用いることが可能である。なお、ここでは、マーキング部Mを基材102上に設けた例を示したが、基材102そのものをマーキング部Mと同一の材料で構成することも可能である。この場合は、基材102そのものが鉄または鉄の合金とは異なる比熱を有することから、センサの埋設位置を把握することが可能となる。
図3は、本実施形態に係るセンサの製造方法を示すフローチャートである。ここでは、図2に示したマーキング部Mを有するセンサの製造方法を示す。まず、金属薄膜と下地材とを一体化させて、金属薄膜シートを作製する(ステップS1)。ここでは、下地材となる樹脂フィルム(例えば、PET、ポリイミド材等の樹脂フィルム)に、接着剤を塗布し、ローラ等を用いて、鉄箔材と下地材とを張り合わせる。これにより、鉄箔シートが作製される。
次に、作製した金属薄膜シートの鉄箔上に、導体パターンのレジスト膜を形成する(ステップS2)。すなわち、金属薄膜シートの金属薄膜上に、センサ(導体パターン部)および回路の形状のレジスト膜を、スクリーン印刷やフォト印刷等によって形成する。これと併せて、完成後にセンサを抜き型によって個々に切断・分離するためのガイド等も印刷する。
次に、エッチングを行なう(ステップS3)。ここでは、レジスト印刷した金属薄膜シートを、エッチング槽にてエッチングする。これにより、レジスト膜が施されていない露出した金属薄膜は、エッチング液(例えば、塩化第2鉄溶液)によって溶解する。エッチング終了後、金属薄膜シートをエッチング槽から取り出して、付着液を洗浄する。
次に、レジスト被膜を溶剤等によって除去し、導体パターン部および回路の外形が完成する(ステップS4)。次に、エッチングが終了したシートの検知部の一部にマスキングを行ない(ステップS5)、被膜形成装置(例えば真空蒸着、スパッタリング)に入れ、所定の被膜厚さになるよう時間調節を行ない、シート全面に貴金属(例えば金や白金)の被膜を形成することで、カソード金属の被膜を形成する(ステップS6)。
ここで、貴金属は、自然電位が貴であり、導体パターン部を形成する金属との電位差が大きく、導体パターン部を形成する金属が腐食する環境で安定であれば、特に限定されるものではない。本実施形態では、例えば、金や白金に代表される貴金属、あるいはその合金が好ましいとする。次に、カソードの構成であるが、金または白金であれば、被膜厚さとして、10nm〜10μmの範囲とする。被膜厚さが10nmより薄い場合は、ピンホールなどが生じる可能性があり、均一に被膜することが難しく、好ましくない。被膜厚さが10μmより厚い場合は、屈曲性が低下するとともに、曲げ剥離が生じる可能性があり、コストも高くなるため、好ましくない。
カソードの被膜形成において、導体パターン部を形成する金属と貴金属の密着性は必ずしも良いとは言えない。そこで、本実施形態では、密着性を高めるために、導体パターン部を形成する金属と貴金属との間に他の金属の緩衝層(緩衝金属)を設けることができる。この緩衝金属は、導体パターン部を形成する金属よりも電気的に貴な金属であり、かつ表面の貴金属および導体パターン部を形成する金属との密着性の良い金属で、かつ導体パターン部を形成する金属よりも大気中で安定な金属であれば特に限定されるものではない。例えば、銅、チタン、クロム、ニッケルなどの金属が挙げられる。特に、チタンやクロムは、電位として卑な金属と貴な金属との密着性に優れており、好ましい。この緩衝層(緩衝金属)を設けることで各層の密着性を高め、センサに、安定した薄膜のカソードを形成することが可能となる。
緩衝層の厚みは、5nm〜5μmの範囲とし、上面の貴金属よりも薄く形成することが望ましい。これは、サーマルショックなどを受けた場合に、緩衝層の金属の影響が強くなることを防止し、表面被膜の貴金属に微細なクラックなどが生じることを回避できるという効果がある。緩衝層の厚みが5nmよりも薄い場合は、緩衝層として効果が小さくなるため好ましくない。緩衝層の厚みが5μmよりも厚い場合は、屈曲性が低下するとともに、緩衝金属の熱膨張係数や弾性係数などの物理的特性が、カソード部の貴金属に影響し、微細クラックを生じる可能性があるため好ましくない。
金属薄膜の導体パターン部の表面部および緩衝層への貴金属の被膜方法は、例えば、真空蒸着やスパッタリングが好適である。また、乾式被膜方法として、真空めっき法(PVD)や化学蒸着法(CVD)を使用しても良い。また、金属を粉末塗料化してスクリーン印刷を用いて被膜形成しても良い。また、湿式めっきとして、電解めっきや化学めっきを用いて被膜形成しても良い。
次に、マーキング部Mとしてのマーキング樹脂を、シルクスクリーン印刷を用いて、センサの基材上に形成する(ステップS7)。次に、シートの分割を行なう(ステップS8)。分割後、マスキングを剥離し、導体パターン部が完成する。完成後、その後、抜き型を用いて、保護処理を施したセンサを個々に切断・分離する。
図4は、本実施形態に係るセンサを設置した様子を模式的に示す図である。紙面に向かって左側が平面図であり、右側が断面図である。センサ100が、鋼材Sに貼付され、その上から保護塗料が塗布され、保護塗膜Tが形成されている。センサ100は、基材が比熱の高い樹脂材料で構成されている場合には、赤外線サーモグラフィを用いて、鋼材と基材の熱特性の差異から、容易に位置を検出することができる。また、センサ100が無線アンテナを有する場合には、外部から無線を用いて、センサ100の位置を容易に特定することができる。この保護塗膜Tの劣化進行状況を検出するためには、図4に示すように設置されたセンサについて、例えば、導体パターン部の電気抵抗を測定する。電気抵抗の測定は、例えば、導体パターン部の測定用端子をはつり出し、測定器を接続して測定する。また、無線方式で電磁的に測定しても良い。
この場合、本実施形態によれば、基材の厚さを変化させることによって、保護塗膜の厚さを変化させることができる。基材の厚さが異なる複数種類のセンサを、複数個配置することによって、保護塗膜の厚さを正確に変化させ、段階的な劣化検出を実施することができる。この場合、同時に、現地の実環境での塗膜の保護性能を把握することも可能となる。また、センサを貼付した箇所は、他の箇所より塗膜が薄く施工されるため、躯体の鋼材の健全性を把握することも可能となる。
本実施形態に係るセンサは、非常に薄く、フレキシブルであるため、化学工場プラントなどにおける配管やタンクや、球状のガスタンクなどの曲面形状にも対応可能である。また、導体パターン部の形状を変化させ、金属薄膜が腐食した際の腐食生成物が多くなるように設定した場合には、センサ表面の塗膜を剥離させることができる。基材の厚さを変えて設置する手法と組み合わせることによって、躯体の鋼材を傷つけることなく、設置部位のセンサ直上の塗膜を剥離させ、目視で確認することができ、簡易的に残りの塗膜厚さや危険性を把握することができる。
図5は、本実施形態に係るセンサを細長いリボン状に構成した例を示す図である。センサ50は、保護塗料の劣化進行状況を検出する導体パターン部51を有している。図5に示すように、円柱状の鋼材T1にセンサ50を周回するように設置する。そして、センサ50の上から保護塗料を塗布する。導体パターン部51の電気的特性を測定する際には、端子52に計測器を接続して測定する。このように、センサ50を鋼材T1に周回するように設置することによって、腐食因子がどの方向から侵入しても、保護塗料の劣化を検出することが可能となる。
図6は、無線式のセンサを示す図である。このセンサ62は、基材60の上に導体パターン部61が形成されている。導体パターン部61は、ICチップを含む回路部63に接続されている。回路部63は、アンテナコイル64と配線部65によって接続されている。また、アンテナコイルと被貼付対象である鋼材との間には、電波吸収塗料(例えばフェライト含有塗料)や電波吸収シート(例えばフェライトシート)を配置することにより、鋼材の影響を少なくして、安定した無線通信を可能としている。このセンサ62によれば、導体パターン部61が薄い状態のままで、パッシブタイプのセンサを構成することができる。すなわち、リーダ装置からアンテナコイル64に電磁波を照射することによって、導体パターン部61の電気的特性を取得することが可能となる。回路部63は、導体パターン部61よりも厚みをもっているが、導体パターン部と分離して配置することが可能であるため、腐食検知に影響を及ぼすことなく、鋼材上に設置することが可能である。
図7Aおよび図7Bは、他の無線式のセンサを示す図である。ここでは、導体パターン部と給電部とが一体型になっている。すなわち、図7に示すように、導体パターン部74が開口部71から露出しており、導体パターン部74は回路部72に接続されている。回路部72は、配線部73を介してアンテナコイル70に接続されている。また、アンテナコイルと被貼付対象である鋼材との間には、電波吸収塗料(例えばフェライト含有塗料)や電波吸収シート(例えばフェライトシート)を配置することにより、鋼材の影響を少なくして、安定した無線通信を可能としている。図7Bに示すように、開口部71以外の部分にラミネートを施す。これにより、開口部71から導体パターン部74が露出し、それ以外はラミネートにより保護される。このようなセンサを鋼材に貼付し、その上から保護塗料を塗布する。
図8は、他の無線式のセンサを示す図である。このセンサ80は、電池を搭載するアクティブタイプのセンサである。複数の導体パターン部81が、並列に切り替えスイッチ89に接続されている。これにより、広範囲をカバーすることが可能となる。各導体パターン部81は、この切り替えスイッチ89を介して回路部88に接続される。回路部88は、図示しないICを含み、マイコン87と信号の送受信を行なう。回路部88は、電池85から電力の供給を受けて動作を行なう。回路部88は、アンテナコイル83を介してリーダ装置と無線通信を行なう。このように、回路部88と導体パターン部81とを別体としているため、導体パターン部81が薄い状態のままで、導体パターン部81の形状を問わず、アクティブタイプのセンサを構成することができる。また、切り替えスイッチ89を有しているため、多数の導体パターン部を連結することが可能となる。これにより、いずれの設置箇所から腐食因子が侵入して塗料が劣化しても、その位置を特定することができる。
図9は、本実施形態に係るセンサの使用例を示す図である。センサ90が鋼材に貼付され、保護塗膜に埋設された状態で、リーダ装置91から無線信号を照射して測定を行なっている。
これにより、局所的に保護塗料の劣化進行状況を検出することが可能となる。その結果、効果的で、かつ効率的な塗装サイクルを設定することが可能となり、ライフサイクルコストの削減を計ることが可能となる。
50 センサ
51 導体パターン部
52 端子
60 基材
61 導体パターン部
62 センサ
63 回路部
64 アンテナコイル
65 配線部
70 アンテナコイル
71 開口部
72 回路部
73 配線部
74 導体パターン部
80 センサ
81 導体パターン部
83 アンテナコイル
85 電池
87 マイコン
88 回路部
89 切り替えスイッチ
90 センサ
91 リーダ装置
100 センサ
101 導体パターン部
101a 測定用端子
102 基材
103 薄膜部
M マーキング部
S 鋼材
T 保護塗膜
1 鋼材

Claims (9)

  1. 鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出する劣化検出方法であって、
    金属薄膜で形成された導体パターン部および前記導体パターン部を保持する基材から構成され、前記基材の厚さが異なる複数種類の金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付する工程と、
    前記金属薄膜シートが貼付された鋼材に対し、前記金属薄膜シートが被覆されるように保護塗料を塗布する工程と、
    前記金属薄膜シートの導体パターン部に対し、電気的または磁気的に計測器を接続し、前記導体パターン部の電気的特性を測定する工程と、を少なくとも含み、
    前記測定した導体パターン部の電気的特性に基づいて、前記鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出することを特徴とする劣化検出方法。
  2. 鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出する劣化検出方法であって、
    少なくとも1枚の厚さ調整シールを、金属薄膜で形成された導体パターン部および前記導体パターン部を保持する基材から構成された金属薄膜シートの背面、または鋼材の表面に貼付する工程と、
    前記金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付する工程と、
    前記金属薄膜シートが貼付された鋼材に対し、前記金属薄膜シートが被覆されるように保護塗料を塗布する工程と、
    前記金属薄膜シートの導体パターン部に対し、電気的または磁気的に計測器を接続し、前記導体パターン部の電気的特性を測定する工程と、少なくとも含み、
    前記厚さ調整シールが背面に貼付された金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付し、または、鋼材の表面に貼付された前記厚さ調整シールの上に前記金属薄膜シートを貼付し、
    前記測定した導体パターン部の電気的特性に基づいて、前記鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出することを特徴とする劣化検出方法。
  3. 鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出する劣化検出方法であって、
    金属薄膜で形成された導体パターン部および前記導体パターン部を保持する基材から構成された金属薄膜シートを鋼材の表面に貼付する工程と、
    前記金属薄膜シートが貼付された鋼材に対し、前記金属薄膜シートが被覆されるように保護塗料を塗布する工程と、
    前記金属薄膜シートの導体パターン部に対し、電気的または磁気的に計測器を接続し、前記導体パターン部の電気的特性を測定する工程と、を少なくとも含み、
    前記測定した導体パターン部の電気的特性に基づいて、前記鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出し、
    前記金属薄膜シートは、金属に対して比熱が異なる材料で形成されたマーキング部を備え、
    前記マーキング部の放熱特性または/および受熱特性について、赤外線サーモグラフィを用いて非破壊的に検出することによって、前記保護塗料で被覆された金属薄膜シートの位置を特定する工程を含むことを特徴とする劣化検出方法。
  4. 前記金属薄膜シートの導体パターン部に、導体パターン部の電気的特性の変化を計測するための検出回路を接続し、前記検出回路に制御用ICチップを接続し、前記ICチップに無線通信を行うためのアンテナパターンを接続して、計測ユニットを形成する工程と、
    無線電波を用いて前記計測ユニットを非破壊的に検出することによって、前記保護塗料で被覆されたセンサの位置やパターン部の電気的特性を特定する工程と、を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の劣化検出方法。
  5. 鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサの製造方法であって、
    金属薄膜と基材とを一体化させて金属薄膜シートを作製する工程と、
    前記金属薄膜シートの金属薄膜上に、回路パターンのレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜が形成された金属薄膜シートをエッチングする工程と、
    前記エッチング後の金属薄膜シートのレジスト膜を除去する工程と、
    前記金属薄膜シートの回路パターンの一部をマスキングし、他の一部に貴金属、または貴金属および緩衝金属を被覆する工程と、
    金属に対して比熱が異なる材料で前記基材にマーキング部を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴とするセンサの製造方法。
  6. 鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサの製造方法であって、
    基材の上に形成されたパターン部以外の箇所にマスキングを施す工程と、
    前記パターン部に、金属を蒸着、スパッタリング、またはイオンプレーティングのいずれか一つによって薄膜を形成することによって、前記基材の上に導体パターン部を形成する工程と、
    金属に対して比熱が異なる材料で前記基材にマーキング部を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴とするセンサの製造方法。
  7. 金属に対して比熱が異なる材料で前記基材を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項または請求項記載のセンサの製造方法。
  8. 鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサであって、
    金属薄膜で形成された導体パターン部と、
    前記導体パターン部を保持する基材と、
    貴金属で形成され前記導体パターン部の一部に設けられた薄膜部と、
    金属に対して比熱が異なる材料で形成されたマーキング部と、を備え、
    鋼材に貼付され保護塗料に被覆された状態で前記導体パターン部の電気的特性が変化することを特徴とするセンサ。
  9. 鋼材に塗布された保護塗料の劣化進行状況を検出するセンサであって、
    金属薄膜で形成された導体パターン部と、
    前記導体パターン部を保持する基材と、
    貴金属で形成され前記導体パターン部の一部に設けられた薄膜部と、
    前記基材の背面に設けられた少なくとも1枚の厚さ調整シールと、を備え、
    鋼材に貼付され保護塗料に被覆された状態で前記導体パターン部の電気的特性が変化することを特徴とするセンサ。
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