JP6966882B2 - センサおよび腐食検知方法 - Google Patents
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Description
図1は、RFIDタグの概略構成を示す図である。RFIDタグ1は、基板11、腐食検知部(以下、単に検知部ともいう)13、集積回路を有する制御部15、誘導アンテナ17および磁性シートを備え、金属材で形成された検知部13の電気的特定を示す無線信号を出力する。基板11は、板状に形成された両面基板であって、いずれか一方の面に検知部13が実装されている。制御部15は、基板11のいずれか他方の面に検知部13と電気的に接続されるように実装され、誘導アンテナに照射された磁界によって生ずる起電力で駆動する。
図2Aは、本実施形態に係る防錆塗膜下の鋼材の腐食環境を把握するためのRFIDタグの製造方法を示すフローチャートである。図2Bは、本製造方法によって作製したRFIDタグの概要を示す図である。
本実施形態に係るRFIDタグの計測は、専用の無線通信機器(以下、単にリーダライタともいう)を用いて実施する。通信機器および通信周波数は、使用する基板に対応した周波数のものを使用する必要がある。本実施形態のRFIDタグでは、13.56MHz帯に対応したリーダライタを使用している。当該のリーダライタを、センサの直上近傍に位置させ、電磁界を励起してセンサの駆動電力とし、通信および計測を実施する。計測は、腐食検知部の電気抵抗を、デジタルデータに変換し、デジタルデータをリーダライタで読み込み、読み込んだデジタルデータをリーダライタでアナログ値(電気抵抗値)に換算して、当該の数値変化から、防錆塗料下の鋼材の腐食環境を判定する。一例として、初期値が5Ωの腐食検知部が、腐食環境に至った場合、電気抵抗が5kΩに変化し、この電気抵抗の変化をリーダライタで計測した場合に、腐食環境と判定する。
ここで、計測で用いる無線通信機器について説明する。図3は、本実施形態で用いる無線通信機器(リーダライタ)の概略図である。図3Aは、PCを接続して使用する据置型(出力:1W)リーダライタ3である。図3Bは、ハンディ型(出力:0.25W)リーダライタ5である。表2に各リーダライタの仕様を示す。
次に、本実施形態のRFIDタグに用いる磁性シートについて説明する。磁性シートは、ノイズ抑制シートや電波吸収シートとも呼ばれ、薄く偏平なフェライト系材料を高密度に配した複合材料シートである。磁性シートは、一般に高い電気抵抗と磁気損失性(磁気共鳴性)を備えるため、高周波ノイズ等を熱に変換して抑制することができる。
13.56MHz帯のRFIDの通信距離と磁性シートの透磁率特性との関係を確認するため、リーダライタの種類、磁性シートの種類によるRFIDタグの基板とリーダライタのアンテナ間の通信可能距離を測定した。測定に用いた各機器は、以下の通りである。
(1)RFIDタグ
RFIDタグは、同一ロットで作製したRFIDタグを2台用意し、1台は樹脂被覆しないRFIDタグ(図1)、もう1台は検知部13を除く部分を浸漬被覆法によって保護用樹脂25で外装成形したRFIDタグ(図6)を用いた。
(2)無線通信機器(リーダライタ)
表2および図3に示した据置型およびハンディ型の2種類を用意した。ハンディ型においては、丸型アンテナの脱着を行ない、丸型アンテナ有無による場合を測定した。
(3)磁性シート
磁性シートは、透磁率特性の異なる4種類の磁性シートを用意した。表3に使用した磁性シートの詳細を示す。図7は、磁性シート種類ごとの透磁率特性を示した図である。
図8は、通信距離試験の概略を示した図である。磁性シート19は、基板11と同一寸法(54mm×86mm)に裁断して使用した。図1に示した基板11の制御部15実装面(検知部13の裏面)に、樹脂23を形成し、さらに重なるよう磁性シート19を貼付する。基板11の制御部15実装面に形成した樹脂23の厚さは、0.2mmから1.0mmが好ましい。また、磁性シート19の厚さは、0.05mmから1.0mmである。磁性シート19の2つの主要面のうち、樹脂と接していない主要面を鋼材27に接するように、RFIDタグを設置した。図8では、基板、樹脂、磁性シートをさらに保護用樹脂25(厚さ:最大2.0mm)で外装成形されたRFIDタグが鋼材に設置された状態を示している。RFIDタグは、保護用樹脂25で外装成形されていることが好ましいが、保護用樹脂25がなくても良い。
(1)鋼材貼付による通信距離の変化
図9は、磁性シート無しで、基板を鋼材に貼付した場合の通信距離の変化を示した図である。背面鋼材が無い場合の計測可能距離は、リーダライタごとに、据置型で16cm、ハンディ型の丸型アンテナ有りで14cm、丸型アンテナ無しで5cmであった。一方、基板を直接鋼材に貼付した場合、いずれのリーダライタを用いても、基板との通信はできず、背面鋼材の影響によって無線通信が阻害されることが確認できた。
次に、磁性シートを基板背面に設置した場合の、背面鋼材の有無による通信距離をリーダライタごとに測定した。図10は、磁性シート(MM−SD−005)を用いた場合の通信距離の変化を示した図である。磁性シートを配したことにより、基板の計測可能距離に著しい低下が認められた。また、基板を鋼板に貼付した場合には、据置型リーダライタと、ハンディ型リーダライタの丸型アンテナ有りでは、無線通信ができなかった。MM−SD以外の磁性シート(RFB、Hu、Su)を貼付した場合であっても無線通信ができなかった。一方、ハンディ型リーダライタの丸型アンテナ無しの場合では、無線通信ができた。
次に、基板とハンディ型リーダライタとの間の通信距離や応答性の阻害要因について検討する。基板とハンディ型リーダライタとの間の通信距離や応答性の阻害要因として、基板に磁性シートを直接貼付していることが考えられる。そこで、磁性シートの厚み、基板と磁性シートとの間の樹脂の有無による影響について検討した。
図11に示す通り、基板と磁性シートとの間に樹脂を設けた方が良いことが確認できた。そこで、次に、磁性シートの違いによる通信距離について検討した。図13、図14は、樹脂被覆基板における樹脂シートの種類と厚みの違いにおける通信距離の変化を示した図である。なお、各図に参考値として、背面鋼材および磁性シート無しの基板の通信距離を示す。図13、図14に示す通り、磁性シートの厚みによって通信距離が変化し、使用した4種類の磁性シート(RFB、MM−SD、Hu、Su)に最適な厚みが存在することが確認できた。これは、同一の透磁性を有するシートでも、厚みによって電波吸収特性が異なることに起因するものと考えられる。
RFIDタグは、新設の鋼構造物では、防錆塗料を塗布していない状態で、鋼材に表面に接着する。接着剤は、耐水性や対環境性が高く、RFIDタグを固定できるものであれば種類は問わない。ただし、金属粉末のように、電波や磁界に影響を及ぼす材料は、接着材料として好ましくない。接着剤は、例えばエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。
図15は、本実施形態のRFIDタグ100を海岸部の鋼橋201の鋼製柱や橋桁に適用した場合の実施例である。新設の鋼構造物では、鋼材の塗装の前に本実施形態のRFIDタグ100を貼付し、貼付後に鋼材の防錆塗装を施して設置する。鋼構造物の塗装の点検の際に、RFID用の無線通信機器(リーダライタ)を用いて、リーダライタをRFIDタグ100の直上にかざして、電磁界を与えて計測を実施する。RFIDタグ100の計測情報をデジタルデータとして読み込み、当該のデジタルデータを用いて防錆塗料下の鋼材の腐食環境を判定した。
3 据置型リーダライタ
5 ハンディ型リーダライタ
11 基板
13 腐食検知部、検知部
15 制御部
17 誘導アンテナ
19 磁性シート
23 樹脂
25 保護用樹脂
27 鋼材
31 アンテナ部
33 制御部
51 リーダライタ本体
53 丸型アンテナ部
61 リーダライタ
63 アンテナ(外部アンテナ)
201 鋼橋
203 プラントの鋼製燃料タンク
205 鉄塔
Claims (7)
- 金属材で形成された検知部の電気的特性を示す無線信号を出力するセンサであって、
板状に形成され、いずれか一方の面に前記検知部が実装された基板と、
前記基板のいずれか他方の面にスルーホールを介して前記検知部と電気的に接続されるように実装され、前記検知部の電気的特性を示す特性信号を出力する制御部と、
前記特性信号を無線信号として出力する誘導アンテナと、
前記制御部を被覆するように前記基板の他方の面上に設けられた磁性シートと、を備え、
前記制御部は、前記誘導アンテナに対して照射された磁界によって生ずる起電力で駆動することを特徴とするセンサ。 - 前記誘導アンテナは、前記検知部が実装されている面または前記制御部が実装されている面のいずれか一方の外延近傍に備えていることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
- 前記誘導アンテナは、前記制御部が実装されている面に設けられていることを特徴とする請求項2記載のセンサ。
- 前記誘導アンテナは、前記磁性シートから0.2mm以上1.5mm以下離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセンサ。
- 前記磁性シートは、前記無線信号の周波数帯域に基づいて、実部透磁率および虚部透磁率の変化特性に応じて選定されたことを特徴とする請求項1から請求項4記載のいずれかに記載のセンサ。
- 前記磁性シートの厚さは、0.2mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のセンサ。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載のセンサを鋼構造物へ貼付するステップと、
リーダライタを用いて前記センサに対して磁界を照射するステップと、
前記センサから出力された無線信号を前記リーダライタで受信するステップと、
前記無線信号から前記検知部の電気的特性を示す特性信号を取得するステップと、を含むことを特徴とする腐食検知方法。
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