JP6176438B2 - 変位検出器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、変位検出器の製造方法に係り、特に、一軸方向に移動する被検物の変位を検出する変位検出器の製造方法に関する。
近年、デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機等において、印刷の高速化に伴い、4色(ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー)のトナーを用紙等の印刷媒体(記録媒体とも呼ぶ)にそれぞれ転写する4つの感光ドラム(感光体とも呼ぶ)が連装されたタンデム方式の多色画像形成装置が採用されるようになった。
タンデム方式の多色画像形成装置では、帯電した4つの感光体を露光してその上に潜像を形成し、それぞれにトナーを付着させて現像し、それらの鏡像を重ね合わせて記録媒体上に転写し、さらに熱又は圧力を加えることで記録媒体上に定着する。その転写の方式として、4つの感光体上でそれぞれ現像された4つの像を、直接、記録媒体上で重ね合わせる直接転写方式と、中間転写ベルト上で重ね合わせて1つの像を形成し、一括して、記録媒体上に転写する中間転写ベルト方式と、がある。
ここで、4つの像を正確に重ね合わせて色ずれの発生を回避するために、直接転写方式では記録媒体を送る搬送ベルトを、中間転写ベルト方式では中間転写ベルトを、高精度で駆動する必要がある。以下、搬送ベルト(搬送ベルトにより搬送される記録媒体を含む)、中間転写ベルトを含めて転写ベルト等とも呼ぶ。
それに対し、例えば特許文献1では、転写ベルト等のベルト面にレーザ光を照射し、それによりベルト面上に発生するスペックル像のパターンを検出し、その検出パターンを解析することで、転写ベルト等の駆動量(搬送方向及びスラスト方向への変位)を補正する方法が提案されている。
また、特許文献2では、記録媒体(例えば用紙)にレーザ光を照射することで発生するスペックル像のパターンを2次元イメージセンサを用いて検出し、その検出パターンを解析して転写ベルト等を駆動制御する方法が提案されている。
また、特許文献3では、転写ベルト等のベルト面にレーザ光を照射し、散乱光を結像レンズを介してエリアセンサ上に結像することでスペックル像を検出し、一定の時間毎に得られる検出パターンを相関解析することで転写ベルト等の駆動速度を求める方法が提案されている。ここで、転写ベルト等がそのベルト面に垂直な方向にスラストすると、見かけ上、検出されるスペックル像がベルト面に平行な方向にシフトすることがあるが、それにより生じる検出誤差を回避するためにエリアセンサがベルト面に垂直な方向に配置されている。
しかし、特許文献1〜3のいずれにおいても、多色画像形成装置内の温度が変動することで構成部材の熱膨張等により転写ベルト等の駆動量について検出誤差が生じることには言及されていない。
そこで、本発明は、多色画像形成装置内の温度の変動によらず転写ベルト等を高精度で駆動することを課題とする。
本発明に係る変位検出器の製造方法は、一軸方向に移動する被検物の変位を検出する変位検出器の製造方法であって、前記変位検出器は、光源と、該光源と前記被検物との間に設けられた照射光学系とを含み、前記光源から射出され前記照射光学系を介した光を検出光として被検物に照射する照射系と、前記被検物による光散乱によって得られるスペックルを撮像する光センサと、前記被検物と前記光センサとの間に設けられた光学系と、前記被検物の撮像結果を解析して、前記被検物の変位を求める解析装置と、前記照射系と前記光学系と前記光センサとを支持する支持部材と、を備え、前記変位検出器の温度が変化した際に、前記光源と前記照射光学系と前記光学系と前記光センサとの相互の相対位置変位に伴う前記被検物の変位の検出誤差を求め、前記変位検出器の温度変化に対する前記検出誤差の変動が極小となる率に前記光学系の焦点距離の温度変化率を設定することを特徴とする。
なお、本明細書では、上述の変位検出器の検出原理より、変位と例えば速度等の変位以外の変位に関係する量とを区別する本質的理由はないことから、特に断らない限り、変位は、変位、速度、加速度等の変位に関係する量を意味するものとする。
本発明によれば、被検物である転写ベルト等の変位を高精度で測定し、その結果を用いることで転写ベルト等を高精度で駆動することが可能となる。
中間転写ベルト方式の多色画像形成装置の基本構成を示す図である。 直接転写方式の多色画像形成装置の基本構成を示す図である。 第1の実施形態に係る変位検出器の構成を示す図である。 温度変動係数df/dTに対する検出長の温度誤差を示す図である。 撮像レンズの硝材の最適化による検出長の温度誤差の改善を示す図である。 第2の実施形態に係る変位検出器の構成を示す図である。 第3の実施形態に係る変位検出器の構成を示す図である。
≪第1実施形態≫
以下、本発明の第1の実施形態を、図1〜図5を用いて説明する。
図1に、中間転写ベルト方式の多色画像形成装置100の基本構成を示す。多色画像形成装置100は、中間転写ベルト105、感光ドラム1Y,1M,1C,1K、変位検出器10、光走査装置20、定着手段30、転写手段(二次転写手段)40、搬送手段41等から構成される。
感光ドラム1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト105に沿って連装されている。感光ドラム1Y,1M,1C,1Kは、ドラム状の感光体であり、それぞれ図中の矢印の方向に回転する。それらの周囲には、順に、帯電器2Y,2M,2C,2K、現像器4Y,4M,4C,4K、クリーニング手段5Y,5M,5C,5K、及び転写手段(一次転写手段)6Y,6M,6C,6Kが配置されている。なお、一次転写手段6Y,6M,6C,6Kは、中間転写ベルト105の裏面側に配置される。
帯電器2Y,2M,2C,2Kとして、例えば、接触式の帯電ローラ及び帯電ブラシ、非接触式のコロナチャージャ等を用いることができる。現像器4Y,4M,4C,4Kは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナーを感光ドラム1Y,1M,1C,1Kの表面に付着させる。一次転写手段6Y,6M,6C,6Kは、転写チャージャ、転写ローラ、転写ブラシ等を用いることができる。クリーニング手段5Y,5M,5C,5Kは、ブレード、ブラシ等のクリーニング部材を有する。
変位検出器10の構成については後述する。光走査装置20は、光ビーム(例えばレーザ光)を照射して、感光ドラム1Y,1M,1C,1Kを露光する。二次転写手段40は、中間転写ベルト105上に形成された像(トナー像)を記録媒体に転写する。搬送手段41は、搬送ベルト等を含む。
上述の構成の多色画像形成装置100における印刷(画像形成)プロセスを説明する。なお、感光ドラム1Y,1M,1C,1Kは除電(残留電荷が除去)されているものとする。
帯電器2Yにより、感光ドラム1Yの表面が均一に帯電される。光走査装置20により画像情報に応じて変調された光ビームが照射されて、感光ドラム1Yの表面が露光される。これにより、感光ドラム1Y上に潜像(静電潜像)が形成される。感光ドラム1Y上の潜像は、現像器4Yによりトナーが付着されることで現像される(トナー像として顕像化される)。
その他の感光ドラム1M,1C,1Kにおいても同様の現像処理が行われる。
上述の現像処理により顕像化された感光ドラム1Y,1M,1C,1K上のトナー像は、一次転写手段6Y,6M,6C,6Kにより、一軸方向(図中の矢印方向)に移動(回転)する中間転写ベルト105上に順次重ね合わせて転写(一次転写)される。転写されたトナー像は、二次転写手段40により給紙部及び搬送手段(いずれも不図示)により給紙される用紙等の記録媒体に転写(二次転写)される。トナー像が転写された記録媒体は、搬送手段41により定着手段30に搬送される。定着手段30により、トナー像が記録媒体上に定着される。記録媒体は、排紙部や後処理装置(不図示)等により排紙される。
トナー像が中間転写ベルト105上に転写された後、感光ドラム1Yはクリーニング手段5Yによりクリーニングされ、残留トナーが除去される。また、その表面に均一に光を照射(前露光)することで除電される。その他の感光ドラム1M,1C,1Kにおいても同様のクリーニング及び除電が行われる。また、トナー像が記録媒体に転写された後、中間転写ベルト105は、ベルトクリーニング手段(不図示)によりクリーニングされ、残留トナーが除去される。
なお、多色画像形成装置100では、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのいずれか1色の像を形成する単色モード、いずれか2色の像を重ねて形成する2色モード、いずれか3色の像を重ねて形成する3色モード、上述のように4色の像を重ねて形成するフルカラーモードにおいて使用することができる。
図2に、直接転写方式の多色画像形成装置101の基本構成を示す。多色画像形成装置101は、記録媒体を搬送する搬送ベルト106、感光ドラム1Y,1M,1C,1K、変位検出器10、光走査装置20、定着手段30等から構成される。
感光ドラム1Y,1M,1C,1Kは、搬送ベルト106に沿って連装されている。感光ドラム1Y,1M,1C,1K及びその周囲に配置される各部の構成は先と同様である。
多色画像形成装置101における印刷(画像形成)プロセスを説明する。なお、感光ドラム1Y,1M,1C,1Kは除電(残留電荷が除去)されているものとする。
帯電器2Yにより、感光ドラム1Yの表面が均一に帯電される。光走査装置20により画像情報に応じて変調された光ビームが照射されて、感光ドラム1Yの表面が露光される。これにより、感光ドラム1Y上に潜像(静電潜像)が形成される。感光ドラム1Y上の潜像は、現像器4Yによりトナーが付着されることで現像される(トナー像として顕像化される)。
その他の感光ドラム1M,1C,1Kにおいても同様の現像処理が行われる。
これと並行して、給紙部及び搬送手段(いずれも不図示)により給紙される用紙等の記録媒体が搬送ベルト106に保持され、搬送ベルト106により順に感光ドラム1Y,1M,1C,1Kの直下に搬送される。
上述の現像処理により顕像化された感光ドラム1Y,1M,1C,1K上のトナー像は、転写手段6Y,6M,6C,6Kにより、搬送ベルト106により一軸方向(図中の矢印方向)に搬送される記録媒体上に順次重ね合わせて転写される。トナー像が転写された記録媒体は、定着手段30に搬送される。定着手段30により、トナー像が記録媒体上に定着される。記録媒体は、排紙部や後処理装置(不図示)等により排紙される。
トナー像が記録媒体上に転写された後、感光ドラム1Yは、クリーニング手段5Yによりクリーニングされ、残留トナーが除去される。また、その表面に均一に光を照射(前露光)することで除電される。その他の感光ドラム1M,1C,1Kにおいても同様のクリーニング及び除電が行われる。
上述の多色画像形成装置100,101において、4つの像を正確に重ね合わせて色ずれの発生を回避するために、転写ベルト等を高精度で駆動する必要がある。そこで、転写ベルト等の変位を検出する変位検出器10を設け、その検出結果に従って転写ベルト等を駆動する駆動装置(不図示)を制御して、転写ベルト等を高精度で駆動する。
図3に、第1の実施形態に係る変位検出器10の構成を示す。変位検出器10は、照明光学系11、撮像光学系12、光センサ13、筐体14等から構成される。なお、搬送ベルト(搬送ベルトにより搬送される記録媒体を含む)、中間転写ベルト等、速度検出の対象である転写ベルト等を被検物OBと表す。
照明光学系11は、光源11とカップリングレンズ11とを含む。光源11は、円筒状の支持部材11の底面上に、カップリングレンズ11はその胴部内に固定されている。支持部材11は、その開口を被検物OBに向けて、内側に屈曲する筐体14の上面の斜面部と鉤状に屈曲する側面の先端部との間に固定されている。光源11は、例えばレーザダイオードを含み、カップリングレンズ11を介して略平行な検出光を被検物OBに向けて放出する。図中、検出光の光軸10xを一点鎖線を用いて示す。それにより、検出光が被検物OBに射入射し、その下面が照明される。
撮像光学系12は、撮像レンズ12を含み、被検物OB(検出光が照射される領域)の直下に配置されている。撮像レンズ12は、円筒状の保持部材(鏡筒セル)12の胴部内に保持されている。鏡筒セル12は、その胴部に対して外径の大きな上端部を有する。鏡筒セル12は、その胴部を筐体14の上面に設けられた円形の開口14aに上方から通し、その上端部を開口14aの周囲の縁部に当接することで、鉛直方向に位置決めされて、筐体14に固定されている。上述の検出光の照射により被検物OBの下面から散乱する光は、撮像光学系12により収束されて光センサ13に導かれる。それにより、被検物OBの像が、光センサ13の受光面上に結像される。
光センサ13は、センサ本体(例えばCMOSセンサ)13を含む。センサ本体13は、筐体14の底板(基板)14上に固定され、その受光面はカバーガラス13によりカバーされている。光センサ13は、被検物OBの像(1次元像又は2次元像)を、一定のフレームレートで撮像する。その撮像結果は、解析装置(不図示)に送信される。
転写ベルト等の被検物OBは、検出光の波長程度のスケールにおいて不規則な微視的構造を有するため、コヒーレントな検出光を照射することでその散乱光が鮮明な不規則パターン(スペックルパターンと呼ばれる)を呈する。スペックルパターンは、被検物OBが移動すれば、それに伴ってパターンの形を崩すことなく移動する。従って、その安定したパターンの撮像結果から被検物OBの変位を検出することができる。
解析装置(不図示)は、光センサ13から逐次受信したスペックルパターンの撮像結果(単にスペックル像とも呼ぶ)を相関演算して、例えば異なる時刻に撮像された少なくとも2つのスペックル像のパターンの経時的変化から、被検物OBの変位を求める。(求められた変位をフレームレートで割ることにより被検物OBの移動速度及び加速度が求められる。)その結果は制御装置(不図示)に送られ、制御装置はその結果に従って駆動装置(不図示)を制御して転写ベルト等を高精度で駆動する。
上述の構成の変位検出器10において、光センサ13(センサ本体13)の発熱、環境温度の変化等により、支持部材11、鏡筒セル12、筐体14等が膨張延伸(又は収縮)する。それにより、鏡筒セル12に支持される撮像レンズ12が、光軸10xに平行な方向(光軸方向と呼ぶ)に変位し、被検物OBに近づく(又は遠ざかる)。この状態において、後述する式(1)におけるパラメータM,D,Dbの値が変わるため、被検物OBの変位の検出誤差が生じることとなる。
例えば、撮像光学系12の倍率(M)を0.8、筐体14はアルミニウムを用いて構成され、その高さを30mmとする。環境温度25度の場合に、光センサ13(センサ本体13)の発熱のみによる撮像レンズ12の変位を考えても、検出される被検物OBの変位量(検出長と呼ぶ)について50μm程度の誤差が生ずると見積もられる。
そこで、撮像光学系12の光学特性、特に焦点距離を最適化することで、変位検出器10の検出精度を最適化する(温度に由来する検出誤差を抑える)ことを考える。
非特許文献1より、被検物OBの変位速度(並進速度)をV1、光センサ13が検出するスペックル像の並進速度をV2とすると、関係
V2/V1=M(D/Db−1)… (1)
が成立する。ただし、Mは撮像光学系12の結像倍率、Dは撮像レンズ12によって得られる被検物OBの像面と光センサ13(センサ本体13)の受光面との間の距離、及びDbは被検物OBの像面と光源11の像面との間の距離である。しかし、関係式(1)からでは、速度比V2/V1に対して、撮像レンズ12の焦点距離等の光学特性がどう寄与するか不明である。また、検出長の温度誤差も導出できない。
そこで、発明者らは、速度比V2/V1に対して、撮像レンズ12の光学特性の寄与を光学原理(特に結像の理論)に基づいて解析した。例えば、被検物OBと撮像レンズ12との間の距離(すなわち物体距離)と撮像レンズ12の焦点距離(f)とを用いて、光学結像式から撮像レンズ12と被検物OBの像面との間の距離(すなわち像距離)を導出し、パラメータMを求める。また、撮像レンズ12と光センサ13の受光面との間の距離も導出することによって、パラメータDを求める。また、光源11及びカップリングレンズ11の位置と撮像レンズ12の位置から、パラメータDbを求める。また、熱構造連成シミュレーションより、光センサ13(センサ本体13)の発熱、環境温度等の変化による筐体14等の膨張延伸に伴う撮像レンズ121、光センサ13、光源11、カップリングレンズ11の変位を求める。また、撮像レンズ12の温度変化による焦点距離(f)の変化も求める。これらの結果に基づいて、パラメータM,D,Dbの変化、及び検出長の変化を解析した。
それにより、温度に由来する検出長の誤差(温度誤差)が、温度変化dTに対する撮像レンズ12の焦点距離fの変化(温度変化率或いは温度変動係数と呼ぶ)df/dTに良い近似で比例することが分かった。環境温度0,25,50度に対する解析の結果を、図4に示す。検出長の温度誤差は、温度変動係数df/dTの増加により、環境温度0度に対して急激に減少し、環境温度25度に対して緩やかに減少し、また環境温度50度に対して急激に増加する。ここで、3つの直線は、温度変動係数df/dT=0.0003付近でほぼ一点に交わっている。これは、温度変動係数df/dTの値(df/dT値と呼ぶ)をその値に最適化することで、検出長(の温度誤差)は温度に依らず一定に保たれることを示唆する。
そこで、例えば、鏡筒セル12をフェライト系ステンレスの一種であるSUS430を用いて構成した場合において、df/dT値を0.00031とすると、環境温度0〜50度において検出長50mmに対して温度誤差3.1μmが得られる。これは検出精度0.0062%に相当する。従って、df/dT値を指標として用いることで、検出長の温度誤差を抑えて、検出精度を改善することができる。
df/dT値を最適化する具体的方法を考える。その方法として、撮像レンズ12の硝材を選択してその屈折率Nの温度変動係数dN/dTを最適化すること、撮像レンズ12のレンズ面の曲率を最適化すること等が考えられる。しかし、実際問題、硝材の種類は有限であり、そのためdN/dT値は離散的に最適化されるのみである。また、レンズ面の曲率の最適化は必ずしも容易ではない。そこで、本実施形態では、2つの撮像レンズ12を含んで撮像光学系12を構成すること、すなわち2つの硝材の組み合わせによりdf/dT値を最適化する。
図5に示すように、例えば、撮像光学系12の焦点距離12.5mm及び結像倍率0.80の仕様に対してダブレットレンズを構成し、物体側レンズの硝材をSPHM53、像側レンズの硝材をSTIM39と選ぶことで、df/dT値の最適値0.00031が得られ、環境温度0〜50度において検出長50mmに対する温度誤差4.4μmが得られる。なお、比較例として、物体側レンズの硝材をSBAL35、像側レンズの硝材をSTIM25と選ぶと、df/dT値−0.00007、環境温度0〜50度における検出長50mmに対する温度誤差−24〜50μmが得られる。
なお、2つに限らずそれ以上の数の撮像レンズ12を含んで撮像光学系12を構成すること、すなわち、複数の硝材の組み合わせによりdf/dT値を最適化することとしてもよい。それにより、最適化の自由度が増え、低コストで、より連続的にdf/dT値を最適化することが可能となる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の変位検出器10では、撮像光学系12(撮像レンズ12)の焦点距離(f)の温度変化率(df/dT値)を最適化することによって、筐体14等の熱膨張による式(1)中のパラメータM,D,Dbの温度変化の影響による検出長の誤差を補償する。それにより、温度変動に対する検出長の変動を抑えられるので、転写ベルト等の変位を高精度で測定し、その結果を用いることで転写ベルト等を高精度で駆動することが可能となる。
また、df/dT値を指標に変位検出器10を構成することで、その構成を煩雑化することなく、温度変動に対する検出長の変動を容易に最小化することができる。
なお、残留誤差(例えば図5における改善後の温度誤差4.4μm)は、環境温度に依存しないため、鏡筒セル12(撮像レンズ12)或いは光センサ13(センサ本体13)の位置を調整することで容易に補正することができる。また、変位検出器10の検出結果にオフセットを加えることで補正することもできる。
また、本実施形態の変位検出器10では、環境温度の上昇に対して撮像光学系12(撮像レンズ12)の焦点距離が伸びる構成に対して温度変動に対する検出長の変動を最小化することができることを示したが、環境温度の上昇に対して焦点距離が縮む構成に対しても同様に温度変動に対する検出長の変動を最小化することができる。
≪第2実施形態≫
以下、本発明の第2の実施形態を、図6を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成部分については同じ符号を用いて表し、その説明を省略する。
図6に、第2の実施形態に係る変位検出器10の構成を示す。
筐体14の上面からその内側に円筒状の摺動保持部14が延設され、その内部に鏡筒セル12が保持されている。ここで、鏡筒セル12の外面は摺動保持部14の内面に当接しているが、鏡筒セル12は摺動保持部14の延設方向(光軸方向)に移動可能となっている。
そこで、鏡筒セル12の下端を光センサ13(カバーガラス13)に当接し、上端上にスプリング等の弾性部材を押圧部材12として設けて留め具12を摺動保持部14の開口に嵌入する。これにより、鏡筒セル12(撮像レンズ12)は、押圧部材12により光センサ13に押圧されて光軸方向に位置決めされる。
光センサ13(センサ本体13)の発熱、環境温度の変化等により鏡筒セル12は光軸方向に膨張延伸し得るが、それは筐体14の膨張延伸と独立である。従って、筐体14の高さ(底面から上面までの距離)に対して底面から撮像レンズ12までの距離が短いため、筐体14と鏡筒セル12とが同一素材を用いて構成されているとしても、環境温度の変化等による撮像レンズ12の変位は小さくなる。また、鏡筒セル12を線膨張係数の小さい素材(例えばSUS等)を用いて構成することで、撮像レンズ12の変位はさらに小さくなる。
例えば、筐体14を樹脂材料を用いて構成し、鏡筒セル12をフェライト系ステンレスの一種であるSUSを用いて構成した場合に、撮像レンズ12の硝材を適切に選ぶと、環境温度0〜50度において検出長の温度誤差が4μm程度に抑えられる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の変位検出器10によれば、鏡筒セル12(撮像レンズ12)は、摺動保持部14内で押圧部材12により光センサ13に押圧されて光軸方向に位置決めされているため、筐体14等の温度変動による撮像レンズ12と光センサ13との間の離間距離の変化が小さくなることから、温度変動に対する検出長の変動が抑えられる。それにより、転写ベルト等の変位を高精度で測定し、その結果を用いることで転写ベルト等を高精度で駆動することが可能となる。
≪第3実施形態≫
以下、本発明の第3の実施形態を、図7を用いて説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同様の構成部分については同じ符号を用いて表し、その説明を省略する。
図7に、第3の実施形態に係る変位検出器10の構成を示す。
筐体14外に排熱部材(放熱板)14を配置し、筐体14の底面(基板14)に設けられたスルーホールを介して光センサ13(センサ本体13)の裏面に接触する。これにより、放熱板14がヒートシンクの役割を果たし、光センサ13(センサ本体13)の発する熱が放熱板14に、すなわち筐体14外に排熱され、筐体14等の温度変化が抑えられる。
環境温度25度において光センサ13(センサ本体13)を駆動した場合、撮像レンズ12の光軸方向の変位は、放熱板14なしの場合に4.8μmであった。なお、このときのセンサ本体13の表面温度は33.9度、撮像レンズ12の温度は30.9度であった。一方、変位は、放熱板14の場合に3.6μmに減少した。なお、このときのセンサ本体13の表面温度は30.7度、撮像レンズ12の温度は28.9度であった。
また、環境温度50度において光センサ13(センサ本体13)を駆動した場合、撮像レンズ12の光軸方向の変位は、放熱板14なしの場合に16.7μmであった。なお、このときのセンサ本体13の表面温度は58.9度、撮像レンズ12の温度は55.9度であった。一方、変位は、放熱板14ありの場合に15.6μmに減少した。なお、このときのセンサ本体13の表面温度は55.7度、撮像レンズ12の温度は53.9度であった。
従って、放熱板14を装着することによって、撮像レンズ12の光軸方向の変位が抑えられ、それにより温度変動に対する検出長の変動を抑えることが可能となる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の変位検出器10によれば、変位検出器10内の温度を上げる熱源の1つである光センサの発熱が放熱板14により検出器外に排熱されるため、筐体14等の熱膨張が抑えられ、すなわち撮像光学系12(撮像レンズ12)の焦点の変位が抑えられ、温度変動に対する検出長の変動が抑えられる。それにより、転写ベルト等の変位を高精度で測定し、その結果を用いることで転写ベルト等を高精度で駆動することが可能となる。
また、上述の第1〜第3の実施形態に係る変位検出器10は、検出精度が高く、且つ温度変動に対して安定していることから、デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等に用いられる多色画像形成装置における搬送ベルト及び中間転写ベルトの駆動量又は駆動速度を検出する検出装置、記録媒体の送り量或いはその速度を検出する検出装置等に利用することができる。これにより、転写ベルト等を高精度で駆動制御できるため、低コストで高品質の画像印刷が可能となる。
また、上述の第1〜第3の実施形態に係る変位検出器10は、被検物にマーキングすることなく非接触で高精度にその変位量又は移動速度を測定することができる。従って、多色画像形成装置における転写ベルト等に限らず、あらゆる被検物に対する変位量又は速度の測定に用いることができる。
なお、上述の第1〜第3の実施形態に係る変位検出器10の構成、特に第1実施形態におけるdf/dT値の最適化は、変位検出器10のサイズ、構造等が異なる場合においても適用することができ、温度変動に対する検出長の変動を最小化することができる。
また、上述の第1〜第3の実施形態では、検出長という変位(位置)に関する量を測定する場合について説明したが、変位を時間微分することで速度及び加速度を得ることもできる。係る場合、スペックル像を取得するフレームレートを適切に決めることにより、微小時間における速度変動及び加速度変動を求めることも可能である。
10…変位検出器、100,101…多色画像形成装置、105…中間転写ベルト、106…搬送ベルト、11(11,11,11)…照明光学系(支持部材、光源、カップリングレンズ)、12(12,12,12,12)…撮像光学系(鏡筒セル、撮像レンズ、押圧部材、留め具)、13(13,13)…光センサ(カバーガラス、センサ本体)、14(14,14,14,14a)…筐体(基板、摺動保持部、放熱板、開口)。
特開2009−15240号公報 特開2003−267591号公報 特開2010−55064号公報
レーザー研究1980年第8巻第2号45頁 "動的スペックルの特性と速度測定への応用(I)

Claims (6)

  1. 一軸方向に移動する被検物の変位を検出する変位検出器の製造方法であって、
    前記変位検出器は、
    光源と、該光源と前記被検物との間に設けられた照射光学系とを含み、前記光源から射出され前記照射光学系を介した光を検出光として被検物に照射する照射系と、
    前記被検物による光散乱によって得られるスペックルを撮像する光センサと、
    前記被検物と前記光センサとの間に設けられた光学系と、
    前記被検物の撮像結果を解析して、前記被検物の変位を求める解析装置と、
    前記照射系と前記光学系と前記光センサとを支持する支持部材と、を備え、
    前記変位検出器の温度が変化した際に、前記光源と前記照射光学系と前記光学系と前記光センサとの相互の相対位置変位に伴う前記被検物の変位の検出誤差を求め、
    前記変位検出器の温度変化に対する前記検出誤差の変動が極小となる率に前記光学系の焦点距離の温度変化率を設定することを特徴とする変位検出器の製造方法。
  2. 前記温度変化率は、前記光学系を構成する少なくとも2つの硝材の組み合わせにより最適化されることを特徴とする請求項1に記載の変位検出器の製造方法。
  3. 前記支持部材は、前記光学系を、該光学系を保持する保持部材を前記光センサに当接して前記光学系の光軸方向に押圧する押圧部材を用いて支持することを特徴とする請求項1又は2に記載の変位検出器の製造方法。
  4. 前記変位検出器は、前記光センサが発する熱を排熱する排熱部材をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の変位検出器の製造方法。
  5. 前記検出光は、コヒーレントな光であり、
    前記光センサは、前記被検物のスペックル像を撮像し、
    前記解析装置は、前記スペックル像のパターンを解析することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の変位検出器の製造方法。
  6. 前記解析装置は、前記光センサにより異なる時刻に撮像された少なくとも2つのスペックル像のパターンの変化から前記被検物の変位を求めることを特徴とする請求項5に記載の変位検出器の製造方法。

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