JP6175921B2 - 粘膜用組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[1].脂溶性有効成分0.001〜1.0W/V%、及び(B)非イオン界面活性剤を、脂溶性有効成分:(B)で表される質量比で1:0.4〜24.0を含有し、上記脂溶性有効成分及び(B)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記脂溶性有効成分及び(B)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
[2].(A)ビタミンA0.003W/V%以上0.015W/V%未満、
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:3.0〜10.0、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−I)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
[3].(A)ビタミンA0.015〜0.05W/V%、
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:1.6〜3未満、及び
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
[4].(A)ビタミンA0.05W/V%を超え0.3W/V%以下、
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:1.6〜5.0、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−I)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
[5].(A)ビタミンAと、(C)酢酸トコフェロール及びジブチルヒドロキシトルエンから選ばれる抗酸化剤とからなる脂溶性有効成分0.001〜1.0W/V%、及び(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:0.4〜24.0を含有し、上記(A)及び(B−I)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含み、脂溶性有効成分又はビタミンAフリー非イオン界面活性剤の割合が、(B−I)成分総量の44質量%未満である粘膜用組成物。
[6].(A)ビタミンA0.003〜0.025W/V%、
(B−II)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−II)で表される質量比で1:11〜24、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−II)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−II)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
[7].(A)ビタミンA0.025を超え0.085W/V%以下、
(B−II)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−II)で表される質量比で1:8〜13、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−II)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−II)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
[8].(C)成分が、酢酸トコフェロール及びジブチルヒドロキシトルエンから選ばれる抗酸化剤である[1]〜[7]のいずれかに記載の粘膜用組成物。
[9].眼科用組成物である[1]〜[8]のいずれかに記載の粘膜用組成物。
[10].上記(A)成分、(B−I)成分、及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌する工程を含む、[2]〜[5]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[11].上記(A)成分、(B−II)成分、及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌する工程を含む、[6]又は[7]記載の粘膜用組成物の製造方法。
本発明の粘膜用組成物は、(A)脂溶性有効成分0.001〜1.0W/V%、及び(B)非イオン界面活性剤を(A):(B)で表される質量比で1:0.4〜24.0を含有し、上記(A)及び(B)成分を含む油相を、75〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)及び(B)成分を構成成分とする脂溶性有効成分含有ナノエマルション粒子を含む、粘膜用組成物である。
・「ナノエマルション粒子」とは、エマルション粒子内に、脂溶性有効成分、例えば(A)ビタミンAを含有するナノエマルション粒子であり、脂溶性有効成分及び(B)非イオン性界面活性剤を構成成分とする。ナノエマルション粒子の粒子径は、1nm以上500nm未満であり、10〜500nmが好ましく、10〜300nmがより好ましい。例えば、特に好ましい範囲は40nmを超え140nm以下である(特に脂溶性有効成分がビタミンAの場合)。粒子径が40nmを超えると、有効成分含有ナノエマルション粒子からの有効成分の放出性、例えば、点眼時等における角膜への有効成分の吸着性がより向上する。この点からは、下限は45nm以上、50nm以上、55nm以上が特に好ましい。一方、ナノエマルション粒子の粒子径を140nm以下とすることで、組成物の外観が透明のものを得ることができる。この点からは、115nm以下が好ましく、110nm以下がより好ましい。なお、本発明において粒子径とは散乱光強度から算出した粒度分布の平均径(メディアン径nm)を指す。粒子径は光散乱等の原理を応用した各種測定装置により、恒温槽を用い、25℃一定の温度条件のもと行う。
・「フリーミセル」とは、脂溶性有効成分を含まない、界面活性剤会合体をいう。
・「遊離界面活性剤分子」とは、ミセル(会合体)を形成していない界面活性剤をいう。
・「油相配合成分」とは、脂溶性有効成分のような「脂溶性成分」、(B)成分のような界面活性剤が含まれ、「油相」に配合される。
・「水相配合成分」とは、水、及び水に溶解する水溶性成分が含まれ、「水相」に配合される。
(A)ビタミンA
ビタミンAとしては、ビタミンAそれ自体の他に、ビタミンA油等のビタミンA含有混合物、ビタミンA脂肪酸エステル等のビタミンA誘導体等が挙げられる。具体的には、レチノールパルミチン酸エステル、レチノール酢酸エステル、レチノール、レチノイン酸、レチノイド等が挙げられる。中でも、レチノールパルミチン酸エステル、レチノール酢酸エステル、レチノイン酸が好ましい。レチノールパルミチン酸エステルは、通常100万〜180万国際単位(以下、I.U.と略記する)のものが市販されており、具体的には、DSMニュートリションジャパン(株)製レチノールパルミチン酸エステル(174万I.U.)等が挙げられる。
(A)成分以外の脂溶性有効成分としては特に限定されないが、以下のようなものが含まれ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる非イオン界面活性剤としては、下記(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤、(B−II)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーが挙げられる。なお、(B−I),(B−II)成分をまとめて表記する場合は(B)成分とする。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとの組み合わせ等が挙げられるが、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとの組み合わせがより好ましい。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーとしては、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン(70)グリコール、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコールが挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン(70)グリコールが好ましい。
(A)+(C):(B−I)=1:0.4〜10.0が好ましく、1:0.4〜9.0がより好ましく、1:0.4〜5.0がさらに好ましい。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーの場合
(A)+(C):(B−II)=1:0.8〜24.0が好ましく、1:2.0〜20.0がより好ましく、1:2.0〜8.0がさらに好ましい。
(A)ビタミンA0.003W/V%以上0.015W/V%未満、
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:3.0〜10.0、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−I)及び(C)成分を含む油相を、75〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、及び(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分を含有し、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を含む油相を、75〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物の場合、さらに、1:3.0〜7.0(高比率)、1:1.6以上で上記を除く範囲(低比率)に分けることができる。
特に、(A):(B−I)で表される質量比が、1:3.0〜7.0である場合は、ビタミンAの安定性が維持されると共に、組成物の外観を透明にし、ビタミンA含有ナノエマルション粒子からのビタミンAの放出性が高く、例えば、点眼時(涙液での希釈状態)における角膜へのビタミンAへの吸着が高められ、ビタミンAの配合量が0.015〜0.05W/V%という範囲で、その配合以上のビタミンAの効果が発揮される。
(A)ビタミンA0.015〜0.05W/V%、
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:1.6〜3未満、及び
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を含む油相を、75〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
(B−I)成分の配合量は、(A)成分に対する量で決定するが、組成物全量に対して0.024〜0.15W/V%未満が好ましい。
(A)ビタミンA0.05W/V%を超え0.3W/V%以下
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:1.6〜5.0、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−I)及び(C)成分を含む油相を、75〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
(B−I)成分の配合量は、(A)成分に対する量で決定するが、組成物全量に対して0.08W/V%を超え1.5W/V%以下が好ましい。
(A)ビタミンA0.003〜0.025W/V%、
(B−II)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−II)で表される質量比で1:11〜24、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−II)及び(C)成分を含む油相を、75〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−II)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
(B−II)成分の配合量は、(A)成分に対する量で決定するが、組成物全量に対して0.033〜0.6W/V%が好ましい。
(A)ビタミンA0.025を超え0.085W/V%以下、
(B−II)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−II)で表される質量比で1:8〜13、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−II)及び(C)成分を含む油相を、75〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−II)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
(B−II)成分の配合量は、(A)成分に対する量で決定するが、組成物全量に対して0.2〜1.105W/V%が好ましい。
消炎・収斂剤であれば、例えば、0.0001〜10W/V%、好ましくは0.0001〜5W/V%である。
抗ヒスタミン剤であれば、例えば、0.0001〜10W/V%、好ましくは0.001〜5W/V%である。
水溶性ビタミンであれば、0.0001〜1W/V%、好ましくは、0.0001〜0.5W/V%である。
アミノ酸であれば、0.0001〜10W/V%、好ましくは0.001〜3W/V%である。
サルファ剤、殺菌剤であれば、例えば、0.00001〜10W/V%、好ましくは、0.0001〜10W/V%である。
抗アレルギー剤であれば、例えば、0.0001〜10W/V%、好ましくは0.001〜5W/V%である。
局所麻酔剤、散瞳剤、白内障治療剤であれば、例えば、0.001〜1W/V%、好ましくは0.005〜1W/V%である。
本発明の組成物は、上記脂溶性有効成分((A)と(C))及び(B)成分を含む油相を、75〜90℃の水相に添加して撹拌して得られるものである。つまり、本発明の粘膜用組成物の製造方法は、上記脂溶性有効成分((A)と(C))及び(B)成分をそれぞれの量、比率で含む油相を、75〜90℃の水相に添加して撹拌する工程を含むものである。「油相」には、(A)や(C)の「脂溶性有効成分」、(B)成分のような界面活性剤等の「油相配合成分」が配合され、「水相」には、水、及び水に溶解する水溶性成分(水溶性薬物、無機塩、水溶性高分子、防腐剤等)等の「水相配合成分」が配合される。
つまり、試料を、それぞれRI(非イオン界面活性剤と脂溶性成分を検出)、UV(油性成分のみ検出)で検出し、その溶出時間とピーク面積により、「脂溶性有効成分含有ナノエマルション粒子(RI+UV検出)」、「フリーミセル(RI検出)」及び「遊離界面活性剤分子(RI検出)」に分離し、その割合を算出することができる。試料中にこれらが全部含まれているとすれば、RIでは、(1)「脂溶性有効成分含有ナノエマルション粒子」、(2)「フリーミセル」、(3)「遊離界面活性剤分子」の順でピークが現れ、UVでは、(1)のピークが現れる。詳細な条件は実施例で説明する。
本発明で用いられる抗酸化剤としては、酢酸d−α−トコフェロール(ビタミンE)等の酢酸トコフェロール及びジブチルヒドロキシトルエンが挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの抗酸化剤を配合することにより、(A)ビタミンAの保存安定性(残存率)が向上する。
表中に記載の水相温度、油相温度で、下記製法で表中に記載の組成(W/V%(g/100mL))の粘膜用組成物(眼科用組成物)を得た。得られた組成物について下記評価を行った。結果を表中に併記する。
油相(レチノールパルミチン酸エステル(ビタミンA、174万I.U.)、酢酸d−α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60)を、設定温度で加温し均一に混合し、設定温度で加温した水相(精製水)400mLにマグネティックスターラーを用いて撹拌しながら添加し、マグネティックスターラーを用いて滴下終了から10分間撹拌して得た。撹拌開始から撹拌終了までの油相添加後の水相温度は、油相添加前の水相温度と同じである。撹拌終了後、室温で冷却し、他の水相配合成分を必要に応じて加え、全量が500mLとなるよう精製水を添加した。
光散乱等の原理を応用した各種測定装置、動的光散乱式粒度分布計(LB−500、(株)堀場製作所)を用いて測定した。測定には恒温槽を用い、25℃一定の温度条件のもと行った。
製造直後の眼科用組成物について、日立分光光度計U−3310を用いて、波長600nm における透過率(%)を室温で測定した。
油性成分が分離したものを「×」、油性成分が分離せず外観透過率(%)が80%未満を「○」、80%以上を「◎」として判断した。
ビタミンA含量を、製造直後及び密封したガラスアンプルにて70℃で1週間保存後(過酷試験)に測定した。測定は、高速液体クロマトグラフィー法を用いて行った。得られたビタミンA含量から、下記式に基づき、ビタミンA残存率(%)を算出した。
ビタミンA残存率(%)=[保存後のビタミンA含有量/製造直後のビタミンA含有量]×100
角膜表面とC8の疎水性度が近いことから、角膜に対するビタミンA吸着モデルとしてC8シリカゲルへのビタミンA吸着率を測定した。
(i)C8シリカゲルを水洗し、表面の汚れを除去し、乾燥した。
(ii)サンプル5mL中に精製水10mLを入れ混合し、そこから10mL分取した溶液にC8シリカゲル0.2gを分散させ、10分間撹拌した。なお、ビタミンAが高濃度の場合I−(3)では、C8シリカゲル0.4gとし、(B−II)の場合には1.5gを用いて検討した。
(iii)シリカゲルとサンプルをろ別し、ろ液中のビタミンA量と吸着させる前のサンプルのビタミンA量をUV分光法により測定した。
(iv)得られたビタミンA量を比較し、ビタミンAの吸着率を算出した。
*C8シリカゲル:Phenomenex社製 SEPRATMバルク充てん剤 C8 (粒子径50μm、細孔径65Å)
<吸光度測定条件>
装置:株式会社島津製作所 MultiSpec−1500
測定波長:330nm
測定温度:室温
「脂溶性有効成分フリー非イオン界面活性剤」の割合を、Eluent gel permeation chromatography(以下、EGPC)を用いて測定した。
(i)各種濃度(0.0027質量%、0.08質量%、0.16質量%、0.3質量%、0.5質量%、1.0質量%、3.0質量%)の非イオン界面活性剤水溶液(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO))をEGPCにより測定し、活性剤濃度とRIピーク面積値の検量線を作成した。
(ii)EGPC測定条件
カラム:Superose 6 10/300 GL(10×300mm)
注入:100μL
溶出液:HCO水溶液(500ppm)
流量:0.5mL/min
温度:35℃
検出:RI、UV(280nm)
(iii)試料をEGPCにより解析し、非イオン界面活性剤と、油性成分(脂溶性有効成分)を、それぞれRI(非イオン界面活性剤と油性成分を検出)、UV(油性成分のみ検出)で同時に検出した。RIでは(1)「脂溶性有効成分含有ナノエマルション粒子」(2)「フリーミセル」、(3)「遊離界面活性剤分子」の順でピークが現れ、UVでは、RIと同じ溶出時間に(1)のピークが現れる。(1)以外のピーク(RI)を、「脂溶性有効成分フリー非イオン界面活性剤」として、(i)で求めた検量線よりRIピーク面積値から活性剤濃度を算出した。表中に「脂溶性有効成分フリー非イオン界面活性剤の割合(%)」を示す。なお、脂溶性有効成分に、レチノールパルミチン酸エステル等の(A)ビタミンAを有する場合、「脂溶性有効成分フリー非イオン界面活性剤の割合(%)」を、「ビタミンAフリー非イオン界面活性剤の割合(%)」と表記する場合がある。
Claims (11)
- 脂溶性有効成分0.001〜1.0W/V%、及び(B)非イオン界面活性剤を、脂溶性有効成分:(B)で表される質量比で1:0.4〜24.0を含有し、上記脂溶性有効成分及び(B)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記脂溶性有効成分及び(B)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。
- (A)ビタミンA0.003W/V%以上0.015W/V%未満、
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:3.0〜10.0、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−I)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。 - (A)ビタミンA0.015〜0.05W/V%、
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:1.6〜3未満、及び
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。 - (A)ビタミンA0.05W/V%を超え0.3W/V%以下、
(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:1.6〜5.0、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−I)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−I)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。 - (A)ビタミンAと、(C)酢酸トコフェロール及びジブチルヒドロキシトルエンから選ばれる抗酸化剤とからなる脂溶性有効成分0.001〜1.0W/V%、及び(B−I)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−I)で表される質量比で1:0.4〜24.0を含有し、上記(A)及び(B−I)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含み、脂溶性有効成分又はビタミンAフリー非イオン界面活性剤の割合が、(B−I)成分総量の44質量%未満である粘膜用組成物。
- (A)ビタミンA0.003〜0.025W/V%、
(B−II)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−II)で表される質量比で1:11〜24、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−II)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−II)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。 - (A)ビタミンA0.025を超え0.085W/V%以下、
(B−II)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーから選ばれる非イオン界面活性剤を、(A):(B−II)で表される質量比で1:8〜13、
(C)(A)成分以外の脂溶性有効成分
を含有し、上記(A)及び(B−II)及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌して得られ、上記(A)、(B−II)及び(C)成分を構成成分とするナノエマルション粒子を含む粘膜用組成物。 - (C)成分が、酢酸トコフェロール及びジブチルヒドロキシトルエンから選ばれる抗酸化剤である請求項1〜7のいずれか1項記載の粘膜用組成物。
- 眼科用組成物である請求項1〜8のいずれか1項記載の粘膜用組成物。
- 上記(A)成分、(B−I)成分、及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌する工程を含む、請求項2〜5のいずれか1項記載の組成物の製造方法。
- 上記(A)成分、(B−II)成分、及び(C)成分を含む油相を、80〜90℃の水相に添加して撹拌する工程を含む、請求項6又は7記載の粘膜用組成物の製造方法。
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