以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態における構成について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、それぞれ「Y」、「M」、「C」、「K」と記す。)の可視像たるトナー像を生成するため、4つの感光体ドラム1(1Y、1M、1C、1Kを含む。)と、現像装置2(2Y、2M、2C、2Kを含む。)と、を備えている。
現像装置2は、それぞれ、現像ローラ3(3Y、3M、3C、3Kを含む。)を備えている。また、各現像装置2Y、2M、2C、2Kの図中下方には、潜像を形成する露光装置4が配設されている。
露光装置4は、画像情報に基づいて発したレーザ光を各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに照射して露光する。
この露光により、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上にそれぞれY静電潜像、M静電潜像、C静電潜像、K静電潜像が形成される。なお、露光装置4は、光源から発したレーザ光を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体ドラムに照射するものである。
また、露光装置4の図中下側には、紙収容カセット5、給紙ローラ6、レジストローラ7等を有する給紙機構が配設されている。なお、給紙ローラ6およびレジストローラ7は、本発明に係る搬送ローラを構成する。
紙収容カセット5は、記録材としての用紙23を複数枚重ねて収納しており、一番上の用紙23には給紙ローラ6を当接させている。給紙ローラ6が図示しない駆動機構によって図中反時計回りに回転させられると、一番上の用紙23がレジストローラ7のローラ間に向けて給紙される。
レジストローラ7は、用紙23を挟み込むべく両ローラを回転駆動するが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、レジストローラ7は、用紙23を適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
また、現像装置2Y、2M、2C、2Kの図中上方には、被転写材である中間転写体としての中間転写ベルト8を張架しながら無端移動させる中間転写ユニット15が配設されている。
この中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8のほか、4つの1次転写バイアスローラ9(9Y、9M、9C、9Kを含む。)、ベルトクリーニング装置10、2次転写バックアップローラ11、クリーニングバックアップローラ12、テンションローラ13等も備えている。なお、2次転写バックアップローラ11は、本発明に係る搬送ローラを構成する。
中間転写ベルト8は、これら7つのローラに張架されながら、少なくともいずれか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動させられる。1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス極性)の転写バイアスを印加する方式のものである。
1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY、M、C、K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上のYトナー像、Mトナー像、Cトナー像、Kトナー像が重ね合わせられて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、「4色トナー像」という。)が形成される。
また、上記中間転写ユニット15には、中間転写ベルト8が感光体ドラム1Kに接触した状態で、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して接離するための図示しない接離機構も設けられている。
上記2次転写バックアップローラ11は、2次転写ローラ16との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色トナー像は、この2次転写ニップで用紙23に転写される。そして、用紙23の白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、用紙23に転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、上記ベルトクリーニング装置10によってクリーニングされる。2次転写ニップにおいては、用紙23が互いに順方向に表面移動する中間転写ベルト8と2次転写ローラ16との間に挟まれて、上記レジストローラ7側とは反対方向に搬送される。
2次転写ニップから送り出された用紙23は、画像形成装置100本体に対して着脱自在なユニットとしての定着ユニット17のローラ間を通過する際に、熱と圧力と影響を受けて、表面のフルカラートナー像が定着される。その後、用紙23は、排紙ローラ18のローラ間を経て機外へと排出される。なお、排紙ローラ18は、本発明に係る搬送ローラを構成する。
画像形成装置100本体の筺体の上面には、スタック部20が形成されており、排紙ローラ18によって機外に排出された用紙23は、このスタック部20に順次スタックされる。
上記中間転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部20との間には、ボトル支持部21が配設されている。このボトル支持部21には、各色トナーをそれぞれ収容する剤収容器としてのトナーボトル22(22Y、22M、22C、22Kを含む。)がセットされている。
各トナーボトル22Y、22M、22C、22K内の各色トナーは、それぞれ図示しないトナー供給装置により、現像装置2Y、2M、2C、2Kに適宜補給される。各トナーボトル22Y、22M、22C、22Kは、現像装置2Y、2M、2C、2Kとは独立して画像形成装置100の本体に対して脱着可能である。
また、画像形成装置100は、CPUを含む本体制御部30と、この本体制御部30で実行されるプログラム等を記憶するメモリ31を備えている。
本体制御部30は、図示しない操作パネル等から入力される指示信号に基づいてメモリ31からプログラムを読出して実行し、前述の各構成要素を制御する。
図2は、画像形成装置100が備える搬送ローラを駆動する駆動装置の概略構成図である。
図2に示した駆動装置150は、図1に示した画像形成装置100の何れかの搬送ローラを駆動するDCモータおよびその制御回路等からなるものである。以下の説明では、図1に示した排紙ローラ対18の駆動装置を例に挙げる。ただし、排紙ローラ対18以外の搬送ローラについても同様に適用することができる。
排紙ローラ対18(排紙ローラ18a、18bから構成される)の駆動装置150は、DCモータ101、減速ギヤ111〜114、制御回路120、ドライバ回路115を備えている。なお、制御回路120は、本発明に係る制御手段を構成する。
DCモータ101は、例えばDCブラシレスモータで構成され、出力軸102、この出力軸102に固定されたギヤ102aおよびエンコーダ103を備えている。エンコーダ103は、エンコーダディスク103a、フォトセンサ103bを有する。なお、エンコーダ103は、本発明に係る回転位置検知手段を構成する。
この構成により、DCモータ101は、ギヤ102a、減速ギヤ111〜114を介し、排紙ローラ対18を回転させる。そして、排紙ローラ対18に挟まれながら用紙23が搬送されていく。
また、エンコーダディスク103aは、周方向に所定の角度間隔で所定数のスリットを有し、出力軸102に垂直かつ同心にて固定され、出力軸102の回転とともに回転するようになっている。
光学センサであるフォトセンサ103bは、エンコーダディスク103aを挟み込む形でDCモータ101に取り付けられ、エンコーダディスク103aのスリットにより光路の伝達・遮断がなされ、フォトセンサ103bの受光素子にてパルス信号となって制御回路120へと伝達する。
制御回路120では、このパルス信号を計測することで、DCモータ101の回転量および回転速度を導出し、排紙ローラ対18の位置および速度情報から、用紙23の位置および速度情報を得ることが可能となる。
なお、フォトセンサ103bは、2組の発光素子と受光素子を有し、各々のパルス信号位相差が所定量(本実施の形態ではπ/2[rad])となるように配置されている。
制御回路120は、本体制御部30(図1参照)が出力する目標駆動信号およびフォトセンサ103bの出力信号に基づいてDCモータ101の動作信号を生成し、ドライバ回路115に動作信号を送り、その後、ドライバ回路115から動作信号に合った電流をDCモータ101に流すことで、排紙ローラ対18を駆動させるようになっている。
なお、駆動装置150による駆動対象としては、前述したように排紙ローラ対18に限るものではなく、排紙機構を構成する他の部材や、給紙機構、他の周辺機器を駆動対象としている。
本実施の形態では、画像形成装置100は、標準構成の排紙機構、給紙機構等に、外付け用オプションとして設定されている外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等が着脱可能に構成されている。これら、外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等は、標準構成の画像形成装置100に装着することによって、排紙機能、給紙機能等を変更するものであり、駆動装置150が有する駆動源としてのDCモータ101により駆動される。
また、図2に示した駆動装置150は、DCモータ101を1つのみ備えた構成であるが、駆動装置150がDCモータ101を複数備えた構成であってもよい。
図3は、本実施の形態における画像形成装置の駆動装置のブロック構成図である。
図3において、駆動装置150は、図1に示す画像形成装置100の何れかの搬送ローラを駆動するモータおよびその制御回路等を含む。
駆動装置150において、本体制御部30(図1参照)に設けられた目標駆動信号生成手段110から、制御回路120内の目標位置・速度計算回路121に、回転方向信号と移動パルス数の信号が渡されるようになっている。すなわち、制御回路120内の目標位置・速度計算回路121は、目標駆動信号生成手段110から、目標駆動信号としての回転方向信号と移動パルス数の信号を取得するようになっている。
目標位置・速度計算回路121では、得られた情報と図示しないオシレータの時間情報から、目標位置および目標速度を導出し、位置・速度追従制御器130に信号を伝達するようになっている。
また、制御回路120内のモータ位置・速度計算回路122では、2チャンネルフォトセンサとして構成されたフォトセンサ103bにて、エンコーダディスク103aのパルスを計測している。フォトセンサ103bおよびエンコーダディスク103aは、2チャンネルロータリエンコーダとして構成されている。
エンコーダディスク103aの1周当りのパルス数は、本実施の形態では100パルスとしている。エンコーダディスク103aの1周当りのパルス数は、安価にDCモータ101の出力軸102の回転を検出するために、200パルス以下であることが好ましい。
また、エンコーダディスク103aの1周当りのパルス数は、ステッピングモータからインナーロータ型のDCブラシレスモータへの置き換えを容易にするためには、12×Nパルス(Nは自然数)または50×Nパルスとすることが好ましい。
ここで、2チャンネルフォトセンサとして構成されたフォトセンサ103bは、2組の発光素子と受光素子を有し、各々のパルス信号位相差が所定量(本実施の形態ではπ/2[rad])となるように配置されている。そのため、モータ位置・速度計算回路122ではその位相差を利用して、回転方向を知ることができる。
モータ位置・速度計算回路122では、得られた情報と図示しないオシレータの時間情報から、モータ位置およびモータ速度を導出し、位置・速度追従制御器130へと信号を伝達するようになっている。
位置・速度追従制御器130では、目標位置とモータ位置が一致するよう、また目標速度とモータ速度が一致するよう制御し、必要に応じてPWM(パルス幅変調)出力、回転方向、スタートストップ、ブレーキといった信号をドライバ回路115へと送るようになっている。なお、位置・速度追従制御器130では、本発明に係る目標位置信号入力手段を構成する。
ドライバ回路115は、4象限ドライバとして構成されており、位置・速度追従制御器130から得られた信号およびホールIC116からのホール信号から、モータ電流およびPWM電圧を制御するようになっている。
すなわち、駆動装置150においては、制御回路120が、目標駆動信号から単位時間当りの目標回転量および目標総回転量を求めるとともに、エンコーダディスク103a、フォトセンサ103bからの出力信号から単位時間当りのモータ回転量およびモータ総回転量を求め、その後、目標総回転量とモータ総回転量が等しく、かつ、単位時間当りの目標回転量と単位時間当りのモータ回転量が等しくなるようドライバ回路115への信号を変化させることで、DCモータ101の回転速度を制御するようになっている。
本実施の形態では、ドライバ回路115がDCモータ101に搭載されていない形式で示しているが、ドライバ回路115をDCモータ101上の基板に搭載した場合は、ハーネス本数の削減が図れるため、コストダウンにつながる。
なお、本実施の形態では、目標駆動信号生成手段110は、駆動装置150には含まれず、画像形成装置100の本体制御部30に設けられた構成としたが、目標駆動信号生成手段110が駆動装置150内に含まれていてもよい。
また、本実施の形態では、駆動装置150は、DCモータ101の駆動力によって駆動される排紙ローラ対18等の被駆動部材136の数の増減を検知する被駆動部材検知手段135を備えている。ここで、被駆動部材136としては、例えば、標準構成の排紙機構に含まれる排紙ローラ対18の他に、外付け用オプションとして設定されている外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等を構成するローラ等の部材が含まれる。
被駆動部材検知手段135は、画像形成装置100に装着されたこれらの外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等を、これらの機構、機器と画像形成装置100との接続部等に予め設けられた電気接点を通じて検知するとともに、装着された機構、機器の情報(種類やローラ等の被駆動部材の数)を検知するようになっている。すなわち、被駆動部材検知手段135は、画像形成装置100への外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等の着脱を、電気接点の通電状態によって検知している。
また、駆動装置150は、制御回路120の内部に、位置・速度追従制御器130で用いる制御パラメータ(制御情報)としての制御ゲインを設定するゲイン設定部134を備えている。
このゲイン設定部134は、位置・速度追従制御器130の後述するPID制御器140で用いる比例ゲインGp、積分ゲインGiおよび微分ゲインGdの各ゲインを決定し、決定後のゲインへの更新を行うものである。ゲイン設定部134の詳細については後述する。
また、駆動装置150は、画像形成装置100用のオプションとして設定された外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等に応じた制御ゲインを予め記憶する記憶手段137を備えている。ゲイン設定部134は、この記憶手段137から読み出した制御ゲインによって、PID制御器140の制御ゲインを更新する。
また、駆動装置150は、記憶手段137に記憶されている制御ゲインを書き換える書き換え手段138を備えている。書き換え手段138は、例えば、記憶手段137の記憶情報を書き換えるための書き換えプログラムとして実現されるものである。書き換え手段138は、画像形成装置100用のオプションとして外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等が新たに設定された場合等に、不図示の入力インターフェース等から入力された新たな制御ゲインで、既に記憶手段137に記憶されている制御ゲインを書き換える。
図4(a)、図4(b)は、本実施の形態における駆動装置150のモータの構成を示す斜視図である。
図4(a)、図4(b)に示すように、DCモータ101の出力軸102にギヤ102aを直接歯切りすることで、モータ初段の減速比を大きくすることができ、コストダウンも実現できるようになっている。
また、出力軸102の駆動伝達部であるギヤ102aの逆側の端部には、エンコーダディスク103aが同軸上に直接固定されている。また、フォトセンサ103bは、DCモータ101に取り付けられ、ドライバ回路115(図3参照)もDCモータ101上の基板104に取り付けられている。DCモータ101上の基板104には、コネクタ105が取り付けられており、モータ信号とエンコーダ信号の入出力がなされるようになっている。
また、DCモータ101の軸受け部には、玉軸受けが用いられており、これにより、焼結軸受け等を用いた場合と比較して摩擦力が低減するので、DCモータ101を用いることによる高効率化を更に高められるとともに、高耐久化を図ることができるようになっている。
図5(a)、図5(b)は、本実施の形態に係る画像形成装置のエンコーダディスクの構成を示す斜視図である。
図5(a)は、エンコーダディスク103aを溝穴タイプとしたものを示す図である。図5(a)において、エンコーダディスク103aは、金属板にエッチング加工等により周方向(回転方向)に等間隔にスリット形状の穴103cを開けたものから構成されており、このようにエンコーダディスク103aがスリット形状を有することにより、このスリット形状の穴103cの有無により、フォトセンサ103bの受光素子が信号の有無を検知し、パルス検知をするようになっている。
図5(b)は、エンコーダディスク103aをフォトエッチングタイプとしたものを示す図である。図5(b)において、エンコーダディスク103aは、フィルム上に黒インクでスリット103dを印刷したものから構成されており、この黒インクの有無により、フォトセンサ103bの受光素子が信号の有無または光量の差異を検知し、パルス検知をするようになっている。図5(b)に示すエンコーダディスク103aでは、黒インクを用いているが、光量の差異(有無を含む。)が検知できれば、黒インクでなくても構わない。
次に、位置・速度追従制御器130の詳細な構成について、図6を参照して説明する。
図6に示すように、位置・速度追従制御器130はPID制御器140を備え、PID制御を行うものである。PID制御は、P:Proportional(比例)、I:Integral(積分)、D:Differential(またはDerivative)(微分)の3つの組み合わせで制御するものであり、目標値と現在値の偏差に応じ、複数のパラメータを最適化することにより制御を行うものである。なお、モータを対象としたPID制御には、モータ位置の偏差または回転速度の偏差を対象として処理するものがあるが、以下の説明ではモータ位置の偏差についてPID制御を行うものを例に挙げる。本実施の形態では、モータ位置の偏差を位置誤差ともいう。
位置・速度追従制御器130は、PID制御器140に加えて、減算器131、加算器132、PWM回路133を備えている。なお、PID制御器140は、本発明に係る制御器および比例積分微分制御器を構成する。
減算器131は、目標位置Xtを示す目標位置信号から検出位置xを示す検出位置信号を減算し、両者の位置誤差Xeを示す位置誤差信号をPID制御器140に出力するようになっている。ここで、検出位置信号は、モータ位置・速度計算回路122が有する位置演算部122aから出力される。なお、減算器131は、本発明に係る位置偏差検出手段を構成する。
PID制御器140は、比例演算部141、積分演算部142、微分演算部143を備えている。
比例演算部141は、位置誤差Xeに比例ゲインGpを乗算して比例演算値を求めるようになっている。積分演算部142は、位置誤差Xeに積分ゲインGiを乗算し、乗算した値を時間的に積算して積分演算値を求めるようになっている。微分演算部143は、位置誤差Xeに微分ゲインGdを乗算し、乗算した値を時間的に微分して微分演算値を求めるようになっている。
加算器132は、比例演算値、積分演算値、微分演算値を加算した加算値(PID演算結果)をPWM回路133に出力するようになっている。ここで、加算器132が出力する加算値は、PWM信号のデューティ比を示すデューティ信号としてPWM回路133に出力される。
PWM回路133は、加算器132が出力するデューティ信号に基づいて指令信号を生成し、ドライバ回路115に出力するようになっている。
ドライバ回路115は、PWM回路133からの指令信号に基づいてDCモータ101の駆動を制御するようになっている。このドライバ回路115は、例えば複数個のトランジスタを備えており、PWM回路133からの指令信号に基づいて、トランジスタをオン、オフさせることでパルス信号を生成し、DCモータ101に電力を供給するようになっている。
図3の制御回路120においては、図6で詳細を説明した位置・速度追従制御器130に代わって、以下に説明する位置・速度追従制御器160を用いてもよい。位置・速度追従制御器130(図6参照)に代わる位置・速度追従制御器160について、図7を参照して説明する。なお、位置・速度追従制御器130と同様な構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、位置・速度追従制御器160は、P制御器170、PI制御器180、減算器131および161、加算器162、PWM回路133を備えており、P+PI制御を行うものである。
P制御器170は、比例演算部171を備えている。PI制御器180は、比例演算部181、積分演算部182を備えている。なお、P制御器170は、本発明に係る制御器および比例制御器を構成する。また、PI制御器180は、本発明に係る制御器および比例積分制御器を構成する。
モータ位置・速度計算回路122は、エンコーダ103の出力信号に基づいて、モータ位置を演算する位置演算部122aと、モータ速度を演算する速度演算部122bと、を備えている。
減算器131は、位置演算部122aが演算して求めた検出位置xと、目標位置Xtとを比較してその差分である位置誤差Xeを求め、P制御器170に出力するようになっている。
P制御器170は、位置誤差Xeを増幅して回転速度の目標速度Vtとして減算器161に出力するようになっている。
減算器161は、速度演算部122bが演算により求めた検出速度vと、目標速度Vtとを比較してその差分である速度誤差Veを求め、PI制御器180に出力するようになっている。
PI制御器180において、比例演算部181は、速度誤差Veに比例ゲインGpを乗算して比例演算値を求めるようになっている。積分演算部182は、速度誤差Veに積分ゲインGiを乗算し、乗算した値を時間的に積算して積分演算値を求めるようになっている。
加算器162は、比例演算値と積分演算値を加算した加算値(PI演算結果)をPWM回路133に出力するようになっている。ここで、加算器162が出力する加算値は、PWM信号のデューティ比を示すデューティ信号としてPWM回路133に出力される。
ここで、駆動装置150で用いるモータ制御モデルの一例を説明する。図8に示すように、DCモータ101に与える電圧からモータコイルの緒言や負荷トルク、動作させる機構のイナーシャからモータ回転の速度や位置が与えられる。図8において、Vmはモータコイル端子間電圧であり、Rはコイル抵抗、Lはコイルインダクタンス、iはコイル電流、Ktはトルク定数、Kfは負荷トルク、Tfはモータトルク、Jはイナーシャ、aは各加速度、1/sは積分、Keは逆起電圧定数、Eは逆起電圧、vはモータ速度を表している。
ここで、位置・速度追従制御器130または位置・速度追従制御器160のゲインを制御するゲイン設定部134の機能について詳細を説明する。
本実施の形態のように、画像形成装置100にオプションとして設定された外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等の被駆動部材が着脱され、これらが駆動装置150のDCモータ101により駆動される構成においては、外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等の装着状態(装着個数や種類)によってDCモータ101にかかる負荷やイナーシャが変化する。
そこで、本実施の形態では、追従性の良い安定した駆動を得るため、被駆動部材検知手段135により、外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等の被駆動部材の装着状態(装着の有無、種類、被駆動部材の数)を検知し、ゲイン設定部134により、検知結果に応じた最適な制御ゲインを記憶手段137から読出して、DCモータ101の制御ゲインを更新するように構成されている。
以下、ゲイン設定部134によるゲイン更新の具体例を説明する。
図9に示すように、ゲイン設定部134は、被駆動部材の数の増減等の構成変更に応じて制御ゲインを決定および更新するようになっている。図9に示す被駆動部材と制御ゲインとの対応関係および制御ゲインの値は、記憶手段137に予め記憶されている。また、これらの対応関係は、複数のDCモータ101の個々に対応して設定されている。図9の制御ゲインA〜Dは、比例ゲインGp、積分ゲインGi、微分ゲインGdの各制御ゲインを含むものである。
図9の対応関係において、モータAを駆動源とする被駆動部材として標準排紙機構のみの構成の場合は制御ゲインをAとし、標準排紙機構に1ビントレイが装着された構成の場合は制御ゲインをBとすることが定められている。1ビントレイとは、外付け用排紙機構の一種である。
また、図9の対応関係において、モータBを駆動源とする被駆動部材として標準給紙機構のみの構成の場合は制御ゲインをCとし、標準給紙機構にバンクが装着された構成の場合は制御ゲインをDとすることが定められている。バンクとは、外付け用給紙機構の一種である。
次に、被駆動部材検知手段135およびゲイン設定部134の協働によるゲイン決定および更新の動作について説明する。
図10に示すように、まず、被駆動部材検知手段135は、画像形成装置100の標準構成以外の被駆動部材の装着有無を検知する(ステップS11)。
ついで、被駆動部材検知手段135は、標準排紙機構に加えて1ビントレイが装着されているか否かを判別する(ステップS12)。
ゲイン設定部134は、ステップS12の判別が"NO"(1ビントレイが装着されていない)であった場合は、制御ゲインAを維持する(ステップS13)。
一方、ゲイン設定部134は、ステップS12の判別が"YES"(1ビントレイが装着されている)であった場合は、記憶手段137から被駆動部材と制御ゲインとの対応関係および制御ゲインの値を読み出し、更新後の制御ゲインとして制御ゲインBを決定し(ステップS14)、この制御ゲインBで、位置・速度追従制御器130で用いるDCモータ101用の制御ゲインを更新する(ステップS15)。
画像形成装置100が標準排紙機構のみを備えている場合、およびにオプションとして設定された外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等の被駆動部材が装着された場合の構成および制御ゲインについて、更に具体例を説明する。
図11に示すように、画像形成装置100が標準排紙機構のみを備えているときは、装置内に配置されたDCモータ101(図2、図3参照)を駆動源として標準排紙機構の排紙ローラ対18が回転駆動される。この場合、用紙は、定着ユニット17から排紙ローラ対18に搬送されて外部に排出される。図11の構成ではDCモータ101の制御ゲインとして制御ゲインAが用いられる。
図12に示すように、画像形成装置100が標準排紙機構に加えて外付け用排紙機構としての1ビントレイ200を備えているときは、装置内に配置されたDCモータ101(図2、図3参照)を駆動源として標準排紙機構の排紙ローラ対18が回転駆動されるとともに、排紙ローラ対18から伝達された駆動力により1ビントレイ200が駆動される。1ビントレイ200は、排紙ローラ対18のギヤと連結することにより駆動力を得ている。この場合、用紙は、定着ユニット17から排紙ローラ対18に搬送された後、さらに1ビントレイ200に搬送されて外部に排出される。図12の構成ではDCモータ101の制御ゲインとして制御ゲインBが用いられる。
図13(a)に示すように、画像形成装置100が周辺機器として中継ユニット210を備えているとき、または、図13(b)に示すように、画像形成装置100が周辺機器として左排紙トレイ220を備えているときは、これらの中継ユニット210または左排紙トレイ220は、DCモータ101を駆動源とする排紙ローラ対18(または減速ギヤ111〜114)から伝達された駆動力により駆動される。中継ユニット210または左排紙トレイ220は、排紙ローラ対18(または減速ギヤ111〜114)と連結することにより駆動力を得ている。図13(a)、図13(b)の構成では、DCモータ101の制御ゲインとして中継ユニット210または左排紙トレイ220に対応した値が用いられる。
図14に示すように、画像形成装置100が標準給紙機構に加えて外付け用給紙機構としてのバンク230を備えているときは、装置内に配置されたDCモータ101(図2、図3参照)を駆動源として紙収容カセット5、給紙ローラ6等からなる標準給紙機構の給紙ローラ6が回転駆動されるとともに、給紙ローラ6から伝達された駆動力によりバンク230が駆動される。バンク230は、給紙ローラ6のギヤと連結することにより駆動力を得ている。この場合、図14の構成ではDCモータ101の制御ゲインとして制御ゲインDが用いられる。
以上のように、本実施の形態における駆動装置150は、DCモータ101の回転位置を位置偏差に基づいて制御する制御回路120と、制御回路120で用いる制御パラメータを記憶する記憶手段137と、被駆動部材136の数の増減を検知する被駆動部材検知手段135と、を備え、制御回路120は、位置偏差に対して、比例、積分、微分の各ゲインを制御パラメータとして用いた比例積分微分制御処理および比例、積分の各ゲインを制御パラメータとして用いた比例積分制御処理のうちのいずれか一方の制御処理を行う位置・速度追従制御器130、160と、被駆動部材検知手段135の検知結果に応じた制御パラメータを記憶手段137から読み出して、該読み出した制御パラメータで位置・速度追従制御器130、160で用いる制御パラメータを更新するゲイン設定部134と、を備えたことを特徴とする。
この構成により、被駆動部材検知手段135により、外付け用排紙機構、外付け用給紙機構、周辺機器等の被駆動部材136の装着状態を検知し、ゲイン設定部134により、検知結果に応じた最適な制御ゲインを記憶手段137から読出して、DCモータ101を制御するために位置・速度追従制御器130、160で用いる制御ゲインを更新するため、被駆動部材136の数に増減が発生しても、追従性のよい安定した駆動を実現することができる。
また、本実施の形態における駆動装置150は、位置偏差に対して比例積分微分制御処理を行うPID制御器140を用い、ゲイン設定部134は、比例積分微分制御処理で用いられる比例、積分、微分の各ゲインを制御パラメータとして記憶手段137から読出して更新するものであることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
また、本実施の形態における駆動装置150は、位置偏差に対して比例制御処理を行うP制御器170および比例積分制御処理を行うPI制御器180を用い、ゲイン設定部134は、比例制御処理および比例積分処理で用いられる比例、積分の各ゲインを制御パラメータとして記憶手段137から読出して更新するものであることを特徴とする。
また、本実施の形態における駆動装置150は、DCモータ101を複数備え、記憶手段137は、複数のDCモータ101毎に、被駆動部材136の数の増減に応じた制御パラメータを記憶することを特徴とする。
また、本実施の形態における駆動装置150は、記憶手段137が記憶する制御パラメータを書き換える書き換え手段138を備えることを特徴とする。
また、本実施の形態における画像形成装置100は、前述の駆動装置150を備えたことを特徴とする。
また、本実施の形態における画像形成装置100は、被駆動部材136は、装置本体に対する着脱によりその数が増減し、数の増減によって機能が変化するものであることを特徴とする。
また、本実施の形態における画像形成装置100は、数の増加後の被駆動部材136が、DCモータ101を駆動源として駆動されることを特徴とする。