JP6174062B2 - 切込み刃を備えた調理器具 - Google Patents

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Description

本発明は、切込み刃を備えた調理器具に関する。
従来、野菜や果物等の皮をむくための、手動の皮むき器(ピーラー)が知られている。このような皮むき器は、材料に沿わせるだけで皮を薄くそぎ落とすことが可能な形状の刃を備えており、誰でも簡便かつ安全に、皮をむくことが可能であった。
また、近年の皮むき器は、皮をむく意外の用途に利用されることが増えてきている。例えば、平刃以外の刃を備えることで、皮むきのみならず千切り等の調理を手軽に行えるようにした皮むき器型の調理器具がある(例えば、特許文献1)。
特開2005−237620号公報
しかしながら、このような皮むき器型の形状を有する調理器具は、食材に切込みを入れるには不十分である。また、みじん切りへの適用は考慮されていない。みじん切りを行う際には、別の調理器具を使用するか、併用(例えば、千切りを行った後で包丁を用いて細断等)するしかなかった。
そこで本発明は、簡便かつ安全に食材に切れ目を入れることが可能で、みじん切りにも適用可能な調理器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の調理器具は、食材に対して複数の平行な筋状の切り込みを入れるための、複数の立刃を備える切込み用刃部材を備え、前記切込み用刃部材と異なる位置に設置され、前記食材の表面を削ぎ落とすための平刃を備えた削落とし用刃部材を備え、
前記切込み用刃部材は、前記削落とし用刃部材が取り付けられた面の反対面に取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明の前記削落とし用刃部材は、細長い開口の一方の側に、前記平刃を備え、他方の側に、筋状の切り込みを入れるための複数の立刃を備えていることを特徴としてもよい。
また、本発明の前記切込み用刃部材は、前記削落とし用刃部材と隙間なく隣り合う状態で設けられていることを特徴としてもよい。
本発明によれば、簡便かつ安全に食材に切れ目を入れることが可能で、みじん切りにも適用可能な調理器具を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る調理器具1の(a)上面図、(b)表面図、(c)側面図、(b)裏面図である。 刃部材3の斜視図である。 調理器具1の使用例を説明する説明図である。 調理器具1の使用例を説明する説明図である。 本発明の第一の変形例に係る調理器具11の(a)上面図、(b)表面図、(c)左側面図、(b)裏面図である。 (a)(b)本発明の第一の変形例に係る調理器具11の刃部材14の斜視図である。 本発明の第二の変形例に係る調理器具の刃部材23の斜視図である。 本発明の第三の変形例に係る調理器具の刃部材33の斜視図である。 本発明の第三の変形例に係る調理器具の刃部材34の斜視図である。 (a)本発明の第四の変形例に係る調理器具21の斜視図、(b)使用例の説明図である。 本発明の第四の変形例に係る調理器具21の使用例の説明図である。 本発明の第五の変形例に係る調理器具31の斜視図、(b)使用例の説明図である。 本発明の第六の変形例に係る調理器具41の斜視図である。 (a)〜(c)本発明のその他の例に係る刃の斜視図である。 (a)〜(g)本発明のその他の例に係る刃の斜視図である。
本発明の実施の形態について、以下、図に基づいて説明する。
<第一の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る調理器具1の(a)上面図、(b)表面図、(c)左側面図、(b)裏面図である。
図1に示すように、本発明の一態様に係る調理器具1は、一方の面に固定された刃部材3と、他方の面に挟持された刃部材4と、を備えるヘッド部2と、使用者が把持するための把持部5と、を有している。
ヘッド部2は把持部5と一体に形成され、図1(c)に示すように、力を加えない状態では、ヘッド部2から把持部5が側面から見て略一直線状になるよう形成されている。なお、ヘッド部2及び把持部5は、例えば樹脂材料で形成されている。具体的には、ABS樹脂やポリプロピレン樹脂等のプラスチック樹脂等を、一体成型することによって構成することができる。
ヘッド部2の一方の面(以下、「表面」と称する)には、食材に対して複数の平行な筋状の切り込みを入れるための、複数の立刃(突起刃)を備える切込み用の刃部材3が固定されている。刃部材3は、図1(a)に示すように、把持部5に対し略垂直方向に延びるよう、ヘッド部2に固定部材6によって固定されている。
図2に、刃部材3の斜視図を示す。刃部材3は、長方形状の板片である本体101に対し、略垂直に立つ複数の三角形状の立刃102を形成したものである。例えば立刃は刃物鋼を三角形状に打ち抜き後に略垂直に立てたり、三角形状に腐食し切れ目を設け、略垂直に立てたりして形成することができる。また、三角形に腐食し切れ目をつけるとともに、刃の部分に段差を設けた刃を形成しても良い。
立刃102は、突起した部材の把持部5方向に刃が形成されているものである。立刃102は、例えば、本体101の長辺に斜めに複数の切り欠きを入れ、当該各切り欠き部分を三角形状に立たせることによって形成することができる。なお、立刃102は、斜辺が研磨等により薄く削られることにより、刃103が形成されている。この刃103を備える立刃102によって、野菜や果物等の調理対象に切り込みを入れることが可能となる(詳細な使用法については、後述する)。
図1に戻って、ヘッド部2の他方の面(以下、「裏面」と称する)には、食材の表面を削ぎ落とすための平刃を備えた削落とし用の刃部材4が挟持されている。図1(d)に示すように、刃部材4は、把持部5に対し長手辺が垂直方向に延びるよう、凸部7によってヘッド部2に略平行に挟持される。すなわち、ヘッド部2の両側から垂直に伸びる側面の貫通孔に、刃部材4の両端の凸部7が回動自在に嵌っている。なお、刃部材4には一般的な皮むき用の平刃104が形成されており、挟持構造によって当該平刃104が僅かに回動することで、調理対象にあたり良く沿わせることができる。
なお、各刃部材3及び刃部材4は、刃物に利用可能な素材であればどのような材料を用いても良いが、本例では例えば、ステンレス鋼や炭素鋼などの刃物鋼、セラミック等が挙げられる。
このような調理器具1によってみじん切りを行う際の例について説明する。図3及び図4は、調理器具1の使用例を説明する説明図である。
使用者はまず、図3に示すように、調理材料の一面に対して調理器具1の表面の立刃102を略垂直に挿し込み、第一方向に引いて切り込みを入れる。次に、調理器具1を略90度移動させ、同面に対して調理器具1の表面の立刃102を略垂直に挿し込む。そして、上記第一方向に対して略垂直な第二方向に引いて、さらに切り込みを入れる。これにより、調理材料には格子状の切り込みが形成される。
次に、図4に示すように、調理材料の同面に対して調理器具1の裏面の平刃104を当て、先ほど形成した格子状の切り込みを削り取る。すると、格子状の各切り込みはそれぞれ調理材料から切り離されて離散し、簡便に調理材料のみじん切りを得ることができる。なお、形成される切り込みの大きさや深さ、削り取りの厚さは、刃部材3及び刃部材4の形状により自由に設計することができる。
調理材料としては、大根、ニンジン、玉ねぎ、じゃがいも、さつまいも等の野菜挙げられる。みかん、ゆず、などの果物に適用すれば、皮のみじん切りを得ることができる。また、こんにゃく、かまぼこ、ちくわなどの加工食品であってもよい。なお、根菜類等に図3に記載の格子状の切り込みを入れた状態で調理を行っても良い。表面にこのような切り込みを入れることによって、短い調理時間で調理が可能であり、また味も染み込ませ易い。
なお、上記では第一、第二方向に引いて切り込みを入れたが、例えば、大根等を第一方向として縦方向に引いて切り込みを入れ、第二方向の引きは入れずに裏面の平刃104で縦方向に引くことにより千切りも可能である。さらに、立刃102の刃の長さを長くすることにより、立刃102の引き回数1回に対し、平刃104を複数回引いてもよい。これにより、効率よく削る事が可能である。
また、平刃104は、完全なストレート刃でなくてもよく、0.5〜2mm幅の鋭角の尖った刃を複数形成させた三角刃や波刃であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。本発明の技術的思想の範囲内でさらなる様々な変形が可能である。以下、本発明の変形例について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<変形例1>
本発明の変形例1に係る調理器具11について説明する。図5は、本発明の変形例1に係る調理器具11の(a)上面図、(b)表面図、(c)左側面図、(d)裏面図である。調理器具11は、裏面に挟持される刃部材4にさらに刃部材3が固定された、刃部材14を有している点で、上記実施形態とは異なる。
図6(a)(b)に、刃部材14の斜視図を示す。刃部材14は、刃部材4と略同様の形状を有しているが、ヘッド部2側の上段には三角刃108が、把持部5側の下段には立刃102が形成されている。すなわち、刃部材14は、細長い開口の一方の側に、三角刃108を備え、他方の側に、筋状の切り込みを入れるための複数の立刃102を備えている。
このような刃部材14は、単独で調理対象に使用すれば、簡便に千切りを行うことが可能な構成である。即ち、調理対象に裏面の立刃102を挿し込んで調理器具11を引くと、立刃102によって長方形状の切り込みが形成された後、追って三角刃108がこれを削り取る。すると、長方形状の各切り込みはそれぞれ調理材料から切り離され、千切りが得られる。
また、このような刃部材14を表面の刃部材3と組み合わせることで、さらに手軽にみじん切りを得ることができる。具体的には、まず、上記実施形態と同様に、調理材料の一面に対して調理器具11の表面の立刃102を挿し込み、第一方向に引いて切り込みを入れる。次に、調理器具11を略90度移動させ、裏面の立刃102を挿し込んで上記第一方向に対して垂直な第二方向に引く。これにより、調理材料には、格子状の切り込みが形成されると共に、当該格子状の切り込みは三角刃108で削り取られる。
このように、本例の調理器具11では、格子状の切り込みの形成と削り取りを一度に行うことで、二度のピーリング作業により簡便にみじん切りを得ることができる。
なお、図6(b)に示すように、三角刃108は、平刃104であってもよい。また、平刃104は、立刃102に近接していてもよい。このように、三角刃108と立刃102或いは平刃104と立刃102とが隙間なく隣り合う状態であることにより、食材を隙間から逃がさず刃へと誘導し、効率的に千切りを行うことが可能となる。また、三角刃108は、波刃であってもよい。
<変形例2>
次に、本発明の変形例2に係る調理器具について説明する。図7に、本発明の変形例2に係る調理器具の備える刃部材23の斜視図を示す。本変形例の調理器具は、刃部材3に代えて、荒目の立刃105を有する刃部材23を用いている点で、上記実施形態とは異なる。
刃部材23は、刃部材3よりも刃が長く形成された立刃105を有している。刃が長いことにより、刃の短い立刃に比較し深い切り込みを入れることができる。しかしながら、例えば、金属板から立刃を切れ目を入れて折り曲げて立てて刃を形成する際において、刃と刃の間隔が空くため、切り込み幅も大きくなってしまう。そこで刃部材23では、立刃105を交互に配した二枚刃とすることにより、一枚刃の場合に比べ切り込み幅を半減させている。すなわち、刃部材23の長手方向に二列の立刃群が形成され、一列目の立刃群の立刃の位置と、二列目の立刃群の立刃の位置とが互いにずれて配置されている。これにより切込み幅を半分にすることができる。
このような構成により、本例の調理器具では、引っ掛かりが良く、深い切り込みと細かな切り込み幅を両立させることが可能な刃部材を提供することができる。なお、本例においては、刃部材片に刃部材片を重ねて固定することで二枚刃の刃部材を形成する構成としているが、一の刃部材片の対向する長片に立刃105を交互に形成することで、二枚刃の刃部材を形成してもよい。
なお、立刃群は、一又は二列に限定されず、三列以上の立刃群を配置してもよい。
<変形例3>
本発明の変形例3に係る調理器具について説明する。図8に、本発明の変形例3に係る調理器具の備える刃部材33の斜視図を示す。本変形例の調理器具は、刃部材3に代えて、鎌形形状の立刃106を有する刃部材33を用いている点で、上記実施形態とは異なる。
刃部材33は、内側に凹み湾曲した刃を備える鎌形形状の立刃106を有している。このような立刃106は、三角形状の立刃に比較すると引っ掛かりが良いため、食材から刃が逃げす、調理対象にスムーズに切り込みを入れることができる。
さらに、図9に示すように、鎌形形状の立刃106を有する刃部材片を2枚平行に配置して、刃部材34としてもよい。立刃105を交互に配した二枚刃とすることにより、一枚刃の場合に比べ切り込み幅を狭くすることができる。もちろん、立刃群は、一又は二列に限定されず、三列以上の立刃群を配置してもよい。
<変形例4>
本発明の変形例4に係る調理器具について説明する。図10(a)に、本発明の変形例4に係る調理器具21の斜視図、図10(b)及び図11に、その使用例の説明図を示す。本変形例の調理器具21は、ヘッド部2に、二箇所の押圧部50が形成されている点で、上記実施形態とは異なる。
図10(a)に示すように、押圧部50は、円形凹状の穴であり、把持部5に対し左右に一つずつ形成されている。利用者は図10(b)に示すように、この穴に人差し指と中指を押し当て、残りの三本の指で把持部5を握る。このような握り方をすることによって、図11に示すように、利用者は刃部材を食材に押し当てる際、立刃を安定して食材に押し付け易くするとともに、グラつきを抑え、手を滑らせる等の自己を防止することができる。
<変形例5>
本発明の変形例5に係る調理器具について説明する。図12(a)に、本発明の変形例5に係る調理器具31の斜視図、図12(b)に、その使用例の説明図を示す。本変形例の調理器具31は、ヘッド部2に、一箇所の押圧部50が形成されている点で、上記実施形態とは異なる。
図12(a)に示すように、押圧部50は、円形凹状の穴であり、把持部5の延長線上に一つ形成されている。利用者は図12(b)に示すように、この穴に親指を押し当て、残りの四本の指で把持部5を握る。このような握り方をすることによって、利用者は刃部材を食材に押し当てる際、力を入れやすく、刃をスムーズに食材に挿し込み、引いて切り込みを入れることができる。なお、押圧部50に人差し指を押し当てて、残りの四本の指で把持部5を握ることもできる。
<変形例6>
本発明の変形例6に係る調理器具について説明する。図13(a)及び(b)に、本発明の変形例6に係る調理器具41の使用例の説明図を示す。本変形例の調理器具41は、ヘッド部2に、出し入れ自在な立刃102を有している点で、上記実施形態とは異なる。
図13(a)に示すように、ヘッド部2には、押圧部60が形成されている。また、ヘッド部2の内部には立刃107を備える刃部材43が収容されている。なお、押圧部60はコイルバネ90に、コイルバネ90は刃部材43に連結されており、図13(b)に示すように、利用者が押圧部60を押圧することによってコイルバネ90が縮んで立刃102をヘッド部2から外部へ押し出すことができる。これにより、使用時にのみ立刃102がヘッド部2の外部に押し出されるため、刃による事故や怪我を防止することができる。例えば、手の皮を破らず、トマトやきゅうり等、柔らかい食材の皮を破ることが可能となる。
以上、本発明の変形例について説明した。各実施形態及び変形例は、自由に組み合わせることが可能である。
なお、刃の形状は上記に限られない。他の例に係る刃の形状を、図14(b)〜(c)及び図15(b)〜(f)に示す。
図14(a)は、上記実施形態に係る立刃102の斜視図である。立刃102は、その刃先301が尖った構成であるが、図14(b)に示すように、刃先301を丸めた立刃を用いてもよい。このような立刃によれば、手を滑らした時などに事故や怪我の危険性を抑止することができる。なお、刃先301は、丸み半径が0.1mm以上であることが望ましい。
また、図14(c)に示すように、刃先301と根本302を結ぶ線、少なくとも刃先301と、刃先301と根本302の間である刃中を結ぶ線が、把持部5の軸線に対して鋭角(θ<90°)になるように、立刃が形成されていてもよい。すなわち、刃は、内側を向いており、使用者が把持部5を握って使用する際の引く方向に、刃先301が向いている。このような立刃によれば、食材に対する引っ掛かりが良いため、把持部5を持って引いたときに、食材から刃が離れて逃げることを防止することができる。
図15(a)は、上記変形例に係る立刃106の斜視図である。このような立刃106についても、図15(b)に示すように、刃先301を丸めた立刃としてもよい。なお、刃先301は、丸み半径が0.1mm以上であることが望ましい。
また、図15(c)に示すように、先端に刃を形成しない立刃としてもよい。すなわち、刃部材は、複数の突起部(折り立てた部分)401を備える。刃303は、突起部401の先端402から少し離れた位置(例えば、0.5〜3mm離れた位置)から、突起部401の根本403に渡って形成されている。すなわち、突起部401の先端402には、刃303が形成されていない。なお、突起部401には、先端402が半径0.1mm以上(例えば、0.1〜0.6mm)の丸みが設けられて形成されていてもよい。なお、食材に応じて、刃303は、突起部401の先端402から1〜2mm離れた位置から、突起部401の根本403に渡って形成されていてもよい。また、刃303は、根本403の少し手前まで形成するようにしてもよく、例えば、根本403から、0.5〜3mm離れた位置まで形成するようにしてもよい。
先端402に刃303を設けないことで、手に触れたときに傷付くのを防止できる。また、保管時に他の物が傷付くのを防止できる。一方で、刃303が内側方向に向いていることにより、食材に一旦刃303が食い込めば、把持部5を持って引いた場合に、自ずと食材は刃303に誘導される。
このような突起部401は、図15(d)に示すように、先端を除く角を斜めに削って面取りすることで刃303を構成することができる。図15(d’)は、図15(d)のE−E断面図である。また、図15(e)に示すように、先端を除く角にエッチングを施して段差を設けることで刃303を形成してもよい。図15(e’)は、図15(e)のE−E断面図である。
なお突起部401は上記に限らず、図15(f)に示すように、先端402と根本302との略中間の刃中に切替部304を設け、切替部304で刃の傾斜が内側に凹となるよう切り替わる構成としてもよい。本例では、根本302から切替部304を結ぶ線が、把持部5の軸線に対して鈍角(θ>90°)であり、刃先301から切替部304を結ぶ線は、把持部5の軸線に対して略垂直に近い鋭角(θ<90°)である。このような構成の突起部401によれば、食材に食い込んだ刃先301が切替部304側に集まり易く、刃が食い込む方向に力が加わる。一方、根本付近は切替部304側に集まりやすく、刃が抜ける方向に働き、刃先からは食い込む方向、根本からは抜ける方向となりバランスよく、刃が食い込み過ぎず、抜けにくい引きが実現できる。
また、図15(g)に示すように、引く方向に対し、切替部304が鎌状の中央付近に設けられることにより、刃先からの食い込みと、根本から抜ける方向の力が、刃の曲面により滑らかに力が分散され、より滑らかに切れるとともに、力の分散により、負荷局部的にかからないために、刃の切れ味が持続することになる。
なお、0.1mm〜0.3mmの金属平板を打ち抜いて、打ち抜きの刃(先端を薄くしていない板を使用した刃)を形成してもよい。このような刃は安価であるため、生産コストを低下させることができる。また、刃の形状がエッチングに比べて自由度が高い。さらに、みずみずしい野菜を筋に沿って切ることができる上、手に刺さりにくいため安全性が高まる。
また、立刃(突起部)を有する面には、取扱時に不意に刺さるのを防ぐため、カバーを設けてもよい。
さらに、平刃は必ずしも要するものではなく、立刃のみを有する構成とし、従来の平刃を有するピーラーにより仕上げの削ぎを行っても良い。
また上記では、刃部材を取り付ける把持部の形状がTの字型の例を示したが、Yの字型や、柄と平行に刃を並べたIの字型、さらにはUの字型や、円形状の柄周囲に立刃と平刃を設けても良い。
1・11・21・31・41:調理器具、101:本体、102・105・106・107:立刃、103・303:刃、104:平刃、108:三角刃、2:ヘッド部、3・4・14・23・33・34・43:刃部材、5:把持部、6:固定部材、7:凸部、301:刃先、302:根本、304:切替部、50・60:押圧部、90:コイルバネ。

Claims (4)

  1. 食材に対して複数の平行な筋状の切り込みを入れるための、複数の立刃を備える切込み用刃部材を備え、前記切込み用刃部材と異なる位置に設置され、前記食材の表面を削ぎ落とすための削落とし用刃部材を備え、前記切込み用刃部材は、前記削落とし用刃部材が取り付けられた面の反対面に取り付けられている、ことを特徴とする調理器具の前記切込み用刃部材を用いて、食材の面に対して、複数の平行な筋状の切り込みを入れるステップと、
    前記調理器具の前記削落とし用刃部材を用いて、前記食材の面を、削落とし、千切りされた食材を得るステップと、
    を有する食材の加工方法。
  2. 食材に対して複数の平行な筋状の切り込みを入れるための、複数の立刃を備える切込み用刃部材を備え、前記切込み用刃部材と異なる位置に設置され、前記食材の表面を削ぎ落とすための削落とし用刃部材を備え、前記切込み用刃部材は、前記削落とし用刃部材が取り付けられた面の反対面に取り付けられている、ことを特徴とする調理器具の前記切込み用刃部材を用いて、食材の面に対して、第一の方向に、複数の平行な筋状の切り込みを入れるステップと、
    前記切込み用刃部材を用いて、前記食材の面に対して、前記第一の方向と交差する方向に、複数の平行な筋状の切り込みを入れるステップと、
    前記調理器具の前記削落とし用刃部材を用いて、前記食材の面を、削落とし、みじん切りされた食材を得るステップと、
    を有する食材の加工方法。
  3. 複数の立刃を備える切込み用刃部材を用いて、食材の面に対して、複数の平行な筋状の切り込みを入れるステップと、
    食材の表面を削ぎ落とすための削落とし用刃部材を用いて、前記食材の面を、削落とし、千切りされた食材を得るステップと、
    を有する食材の加工方法。
  4. 複数の立刃を備える切込み用刃部材を用いて、食材の面に対して、第一の方向に、複数の平行な筋状の切り込みを入れるステップと、
    前記切込み用刃部材を用いて、前記食材の面に対して、前記第一の方向と交差する方向に、複数の平行な筋状の切り込みを入れるステップと、
    食材の表面を削ぎ落とすための削落とし用刃部材を用いて、前記食材の面を、削落とし、みじん切りされた食材を得るステップと、
    を有する食材の加工方法。
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