(本発明にかかる成形品の実施形態の概要)
まず、図1、図2、図5(c)を参照しながら、本発明にかかる成形品の実施形態の概要について説明する。図1は、本発明にかかる成形品1の全体構成例を示し、図2は、成形品1の断面構成例を示す図である。図5(c)は、別の態様の成形品1の構成例を示す図である。
本発明にかかる成形品1は、表壁2と裏壁3とがパーティングラインPLで連結された成形品1である。
本発明にかかる成形品1は、図2に示すように、一方の壁3の周囲に当該壁3から他方の壁2に向かって起立した直線形状の部分82を含んで構成する立壁8を有しており、また、他方の壁2の周囲に当該壁2から一方の壁3に向かって屈曲した曲線形状の曲線肩壁9を有しており、曲線肩壁9と立壁8の直線形状の部分82とがパーティングラインPLで連結されている。
本発明にかかる成形品1は、曲線形状の曲線肩壁9と立壁8の直線形状の部分82とがパーティングラインPLで連結されているため、他方の壁2の周囲からパーティングラインPLまでの間は、一方の壁3の周囲に有する立壁8を構成する直線形状の部分82を有しない曲線形状の曲線肩壁9で構成している。他方の壁2の周囲からパーティングラインPLまでの範囲を曲線形状の曲線肩壁9だけで構成しているため、成形時の樹脂P2のずれを防止し、一方の壁3の周囲に有する立壁8への皺の発生を抑制することができる。その結果、意匠性に優れた成形品1を得ることができる。
また、本発明にかかる成形品1は、図5(c)に示すように、一方の壁3の周囲に当該壁3から他方の壁2に向かって起立した直線形状の部分82を含んで構成する立壁8を有しており、また、他方の壁2の周囲に当該壁2から一方の壁3に向かって屈曲した直線形状の直線肩壁10を有しており、直線肩壁10と立壁8の直線形状の部分82とがパーティングラインPLで連結されており、直線肩壁10は、立壁8の直線形状の部分82の線上に対して成形品1の内側に向かって傾斜している。
本発明にかかる成形品1は、図5(c)に示すように、直線肩壁10と、立壁8の直線形状の部分82と、が同一線上に位置せず、直線肩壁10が立壁8の直線形状の部分82の線上に対して成形品1の内側に向かって傾斜しているため、成形時の樹脂P2のずれを防止し、一方の壁3の周囲に有する立壁8への皺の発生を抑制することができる。その結果、意匠性に優れた成形品1を得ることができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる成形品1の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、成形品1を積層パネル1として説明する。また、以下の実施形態では、成形品の外表面に形成する微小凹凸としてシボ模様を形成する場合を説明する。しかし、外表面に形成する微小凹凸は、シボ加工によって形成されるシボ模様(皮革模様、木目模様、岩目模様、砂目模様、なし地模様、幾何学模様など)に限定せず、金型によって外表面に形成した凹凸模様であればあらゆる模様が適用可能であり、様々な凹凸模様も含むものとする。但し、本発明にかかる成形品は、外表面に微小凹凸を有しない場合にも好適である。
(第1の実施形態)
<積層パネル1の構成例>
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態の積層パネル1の構成例について説明する。本実施形態の積層パネル1は、自動車等におけるトランクの仕切板や床材等として使用するものである。
図1は、積層パネル1の全体斜視図である。図2は、積層パネル1の断面図であり、図1に示す2A-2A線で切断した場合の積層パネル1の断面図である。
本実施形態の積層パネル1は、図1、図2に示すように、表壁2と裏壁3と周囲壁4とを有して構成する。表壁2は、積層パネル1の表側を構成する壁である。裏壁3は、積層パネル1の裏側を構成する壁である。周囲壁4は、積層パネル1の周囲を構成する壁であり、図2に示すように、裏壁3から表壁2に向かって起立した立壁8と、表壁2から裏壁3に向かって屈曲した曲線肩壁9と、パーティングラインPLと、を有し、曲線肩壁9と立壁8とがパーティングラインPLで連結されている。パーティングラインPLは、表壁2,裏壁3を構成する樹脂を分割金型のピンチオフ部により挟み込んで圧縮した部分で形成される。立壁8は、裏壁3から表壁2に向かって屈曲した曲線形状の部分81と、その曲線形状の部分81と連結した直線形状の部分82と、で構成している。曲線肩壁9は、角Rが1.5mmで屈曲した曲線形状で構成している。本実施形態の周囲壁4は、曲線形状で構成する曲線肩壁9と立壁8の直線形状の部分82とがパーティングラインPLで連結して構成している。
本実施形態の積層パネル1は、図1に示すように、表壁2の表面に装飾などのための化粧部材5が貼着されており、図2に示すように、裏壁3、芯材6、表壁2、化粧部材5で積層構造を構成している。
表壁2と裏壁3とを構成する樹脂は特に限定せず、公知の樹脂が適用可能である。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリング・プラスチックなどが好適であり、適宜にガラス繊維、カーボンファイバ、炭酸カルシウム、タルク、マイカなどの充填材を添加することができる。但し、表壁2と裏壁3とを構成する樹脂は、積層パネル1全体としての剛性、特に、曲げ剛性を確保する観点から、芯材6の剛性より高い樹脂を用いることが好ましい。また、表壁2と裏壁3とは、ドローダウン、ネックインなどにより肉厚のバラツキが発生するのを防止する観点から溶融張力の高い樹脂材料を用いることが好ましく、一方で分割金型への転写性、追従性を良好とするため流動性の高い樹脂を用いることが好ましい。
芯材6は、公知の材料が可能であり、例えば、表壁2と裏壁3と同様な公知の樹脂や後述する化粧部材5を構成する材料で構成することが可能である。これにより、芯材6の形状を所望の形状に形成することができる。なお、芯材6としては、発泡体で構成することが好ましい。これにより、積層パネル1の軽量化を図ることができる。この場合、発泡体は、発泡倍率2.5〜5.0倍で複数の気泡セル有する独立気泡構造(独立気泡率が70%以上)で構成することが好ましい。なお、発泡体を成形する際に適用可能な発泡剤としては、物理発泡剤、化学発泡剤及びその混合物が挙げられる。物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系物理発泡剤、及び、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤、更には、それらの超臨界流体を適用することができる。超臨界流体としては、二酸化炭素、窒素などを用いて作ることが好ましく、窒素であれば臨界温度−149.1℃、臨界圧力3.4MPa以上、二酸化炭素であれば臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPa以上とすることで作成することができる。
化粧部材5を構成する材料も特に限定せず、公知の材料が適用可能である。例えば、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維およびこれらのブレンドからなる繊維を加工して得られる編物、織物、不織布、または、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性ポリウレタンエラストマ(TPU)または熱可塑性ポリオレフィンエラストマ(TPO)などの熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリエチレンポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる樹脂シートおよびこれらの積層シートから適宜選択可能である。
本実施形態の積層パネル1の外表面は、シボ模様が形成されているシボ有部を有している。このため、積層パネル1の外表面に傷等が発生した場合でもシボ有部を有しているため、その傷等を目立たないようにすることができる。また、外観的にも見栄えのある意匠性に優れた積層パネル1にすることができる。
シボ有部は、積層パネル1の成形時に形成することができる。具体的には、シボ模様を形成するためのシボ有形成部を分割金型のキャビティに設け、積層パネル1の外表面を構成する部分の樹脂を、シボ有形成部を設けた分割金型で型締めすることで、積層パネル1にシボ有形成部に応じたシボ有部を形成することができる。シボ有部のシボ模様は特に限定せず、任意の模様で構成することが可能であり、任意のシボ模様を形成するためのシボ有形成部を分割金型のキャビティに設けることで、そのシボ有形成部に応じた任意のシボ模様を形成することができる。
積層パネル1の周囲壁4は、図2に示すように、裏壁3から表壁2に向かって起立した立壁8と、表壁2から裏壁3に向かって屈曲した曲線肩壁9と、パーティングラインPLと、を有して構成している。立壁8は、裏壁3から表壁2に向かって屈曲した曲線形状の部分81と、その曲線形状の部分81と連結した直線形状の部分82と、で構成し、曲線肩壁9は、角Rが1.5mmで屈曲した曲線形状の部分で構成し、その曲線肩壁9と立壁8の直線形状の部分82とがパーティングラインPLで連結している。
周囲壁4は、曲線形状の部分で構成する曲線肩壁9と、曲線形状の部分81と直線形状の部分82とで構成する立壁8と、パーティングラインPLと、を有し、曲線肩壁9と立壁8の直線形状の部分82とがパーティングラインPLで連結して構成する。このため、図3に示すように、曲線形状の部分で構成する曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302と、曲線形状の部分81と直線形状の部分82とで構成する立壁8を形成するための立壁形成部120と、パーティングラインPLを形成するためのピンチオフ部118と、を分割金型32に設け、その分割金型32で表壁2,裏壁3を構成する樹脂P2を型締めし、積層パネル1の周囲壁4に、曲線形状の部分で構成する曲線肩壁9、曲線形状の部分81と直線形状の部分82とで構成する立壁8、パーティングラインPLを形成し、曲線肩壁9と立壁8の直線形状の部分82とがパーティングラインPLで連結するようにしている。図3は、本実施形態の周囲壁4を形成するピンチオフ部118の周囲の構成例を示す図であり、(a)は、分割金型32を型締めする時の状態を示し、(b)は、分割金型32を型締めした後に樹脂P2が冷却した時の状態を示す。立壁形成部120は、立壁8の中で曲線形状の部分81を形成する曲線形状形成部121と、立壁8の中で直線形状の部分82を形成する直線形状形成部122と、を有して構成している。
本実施形態では、角Rが1.5mmとなる曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設けることで、図3(a)に示すように、表壁2及び裏壁3を構成する樹脂P2を分割金型32で型締めする際にピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力を低減することができる。その結果、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が立壁形成部120側にずれるのを抑制することができる。ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2は、図3(a),(b)に示すように、ピンチオフ部118の近傍で折れ曲がってその場に残存するため、皺となって立壁8の外表面に残ってしまうことがない。このため、周囲壁4を構成する立壁8の外表面全体にシボ模様を形成しても、立壁8への皺の発生を抑制することができる。
図4に示すように、角Rが8.0mmとなる曲線形状の部分と、直線形状の部分と、を含んで構成する肩壁を形成するための肩壁形成部115を分割金型32に設けた場合は、図4(a)に示すように、表壁2及び裏壁3を構成する樹脂P2を分割金型32で型締めする際にピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力が強くなってしまう。これは、肩壁形成部115に、直線形状の部分の肩壁を形成するための直線形状形成部1152を設けており、その直線形状形成部1152が、立壁形成部120の直線形状形成部122とほぼ同一線上に位置するためである。肩壁形成部115の直線形状形成部1152と、立壁形成部120の直線形状形成部122と、が同一線上に位置すると、肩壁形成部115の直線形状形成部1152と、立壁形成部120の直線形状形成部122と、の間で樹脂P2の流動がし易くなるため、表壁2及び裏壁3を構成する樹脂P2を分割金型32で型締めする際にピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力が強くなってしまうためである。図4において、符号1151は、角Rが8.0mmとなる曲線形状の部分の肩壁を形成するための曲線形状形成部である。また、符号121は、曲線形状の部分の立壁を形成するための曲線形状形成部である。
立壁形成部120にシボ有形成部のみを設けている場合は、図4(a)に示すように、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2は、シボ有形成部を構成する凹凸面上を滑り、シボ有形成部上から余分な樹脂P2が浮いてしまい、シボ有形成部と樹脂P2との間に隙間200ができ、樹脂P2が折れ曲がってしまう。その結果、図4(b)に示すように、折れ曲がった箇所が皺201として立壁8の外表面に残ってしまうことになる。図4は、本発明の課題である皺201が発生する周囲壁4を形成するピンチオフ部118の周囲の構成例を示す図であり、(a)は、分割金型32を型締めする時の状態を示し、(b)は、分割金型32を型締めした後に樹脂P2が冷却した時の状態を示す。図4(a)では、ピンチオフ部118で樹脂P2を押し潰した時に、シボ有形成部上の樹脂が滑り、隙間200が発生し、図4(b)では、隙間200により樹脂P2が折れて皺201が発生している。
本実施形態では、図4の課題を解決すべく、図3に示すように、角Rが1.5mmとなる曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設け、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力を低減することにしている。その結果、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が立壁形成部120側にずれるのを抑制し、皺の発生を防止することを可能にしている。本実施形態では、角Rが1.5mmとなる曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設けているため、曲線形状の曲線肩壁形成部302と立壁形成部120の直線形状形成部122とが同一線上に位置しないようにすることができる。曲線形状の曲線肩壁形成部302と、立壁形成部120の直線形状形成部122と、が同一線上に位置しないため、曲線肩壁形成部302と、立壁形成部120の直線形状形成部122と、の間で樹脂P2の流動がし難くなり、表壁2及び裏壁3を構成する樹脂P2を分割金型32で型締めする際にピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力を弱くすることができる。
なお、本実施形態において、表壁2側を構成する樹脂P2を裏壁3側を構成する樹脂P2よりも分割金型32に先に吸引してしまった場合は、表壁2側を構成する樹脂P2が先に固まってしまうため、ピンチオフ部118で樹脂P2を潰して圧縮した場合は、表壁2側を構成する樹脂P2は殆ど動かずに、裏壁3側を構成する樹脂P2がピンチオフ部118から押し出されることになる。しかし、本実施形態では、図3に示すように、角Rが1.5mmとなる曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設け、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力を低減することにしている。その結果、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が立壁形成部120側にずれるのを抑制し、皺の発生を防止することを可能にしている。また、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2は、立壁形成部120側にずれず、その場で折れ曲がって、ピンチオフ部118の近傍に残存するため、皺となって立壁8の外表面に残ってしまうのを防止することができる。
なお、図3に示すように、角Rが1.5mmとなる曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設けた場合は、曲線肩壁形成部302の位置に化粧部材5を配置して積層パネル1を成形することが好ましい。曲線肩壁形成部302は、角Rが1.5mmと小さいため、曲線肩壁形成部302に化粧部材5を配置し、その配置した化粧部材5を分割金型32から真空吸引しても化粧部材5を曲線肩壁形成部302の形状に賦形することができず、曲線肩壁形成部302と化粧部材5との間に隙間303を形成することができる。その結果、表壁2側を構成する樹脂P2を裏壁3側を構成する樹脂P2よりも分割金型32に先に吸引して先に固まらせてしまったとしても、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を上記形成した隙間303の分だけ動かすことができる。その結果、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が立壁形成部120側にずれるのを抑制し、皺の発生を防止することができる。
なお、図3では、角Rが1.5mmとなる曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設ける構成にしているが、角Rの値は、1.5mmに限定せず、角Rの値が3.0mm以下であれば、上述した隙間303を形成し易くすることができる。このため、角Rが3.0mm以下となる曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設けることで、周囲壁4を構成する立壁8に皺が発生しないようにすることができる。
また、上記では、角Rが3.0mm以下となる曲線形状の曲線肩壁9と、立壁8の直線形状の部分82と、がパーティングラインPLで連結するように構成することを前提としている。しかし、表壁2の周囲からパーティングラインPLまでの範囲に、曲線形状の部分で構成する曲線肩壁9を有して構成していれば、上述した例と同様に成形時の樹脂P2のずれを防止し、裏壁3の周囲に有する立壁8への皺の発生を抑制することができる。即ち、表壁2の周囲からパーティングラインPLまでの範囲を、曲線形状で構成する曲線肩壁9だけで構成することが可能であれば、曲線肩壁9の曲線形状は特に限定せず、任意の曲線形状の曲線肩壁9を有して構成することが可能である。例えば、角Rが3.0よりも大きい曲線形状の曲線肩壁9を有して構成し、その曲線形状の曲線肩壁9と立壁8とがパーティングラインPLで連結して構成することも可能である。但し、隙間303を形成することを鑑みると、角Rが3.0以下の曲線形状の曲線肩壁9を有して構成することが好ましい。
<本実施形態の積層パネル1の作用・効果>
このように、本実施形態の積層パネル1を成形する際は、曲線形状の曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設け、その曲線肩壁形成部302を設けた分割金型32で樹脂P2を型締めすることで、曲線肩壁形成部302に対応する箇所に曲線形状の曲線肩壁9を有し、その曲線形状の曲線肩壁9と立壁8の直線形状の部分82とがパーティングラインPLで連結した積層パネル1を成形する。
本実施形態の積層パネル1は、周囲壁4に対し、曲線形状の曲線肩壁9を有し、その曲線形状の曲線肩壁9と立壁8の直線形状の部分82とがパーティングラインPLで連結しているため、成形時の樹脂P2のずれを防止し、立壁8に皺が発生しないようにすることができる。
なお、上記実施形態では、曲線形状の曲線肩壁9と、立壁8の直線形状の部分82と、がパーティングラインPLで連結するように構成することを前提としている。しかし、図5(c)に示すように、直線形状の直線肩壁10と、立壁8の直線形状の部分82と、がパーティングラインPLで連結するように構成することも可能である。但し、この場合は、直線肩壁10と、立壁8の直線形状の部分82と、が同一線上に位置せず、直線肩壁10が立壁8の直線形状の部分82の線上に対して積層パネル1の内側に向かって傾斜するように構成する必要がある。この場合、立壁8の直線形状の部分82と直線肩壁10との傾斜角度αが20度以上傾斜していることが好ましい。図5(c)に示す角度αは、立壁8の直線形状の部分82と直線肩壁10との傾斜角度を示している。直線肩壁10と立壁8の直線形状の部分82とが傾斜していることは、図5(a)、(b)に示す直線肩壁10を形成するための直線肩壁形成部304と、立壁8の直線形状の部分82を形成するための直線形状形成部122と、が傾斜していることを意味する。立壁形成部120の直線形状形成部122と直線肩壁形成部304とが傾斜していることで、立壁形成部120の直線形状形成部122と直線肩壁形成部304との間で樹脂P2の流動がし難くなり、表壁2及び裏壁3を構成する樹脂P2を分割金型32で型締めする際にピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力を弱くすることができる。図5は、周囲壁4を形成するピンチオフ部118の周囲の構成例を示し、(a)は、分割金型32を型締めする時の状態を示し、(b)は、分割金型32を型締めした後に樹脂P2が冷却した時の状態を示し、(c)は、成形後の周囲壁4の周囲の構成例を示す。
また、上記実施形態では、積層パネル1として表壁2の上面に化粧部材5を貼着することにしている。しかし、化粧部材5を省略し、表壁2の上面をそのまま露出させるようにすることも可能である。この場合は、化粧部材5を省略した表壁2の表面にもシボ模様を形成することが好ましい。
また、上記実施形態では、芯材6は、中実の構成を例に説明している。しかし、芯材6は、例えば、特許文献2(WO2009/136489)の図4に示すように複数の窪みを芯材6に設けることも可能である。また、特許文献2の図5に示すように貫通穴を芯材6に設けることも可能である。即ち、芯材6の構成は、中実の構成に限定するものではなく、一部を中空にしたり、一部を中実にしたりすることも可能である。また、芯材6にリンフォース等の補強材を配置することも可能である。また、芯材6を設けない構成にすることも可能である。
また、上記実施形態では、真空成形方法を用いて分割金型32に樹脂P2を吸引して成形することを前提としているが、ブロー成形を併用して成形することも可能である。
また、上記実施形態では、溶融状態のシート状の樹脂P2を用いて積層パネル1を成形することを前提としているが、シート状の樹脂P2に限定せず、筒状の樹脂P2を用いて成形することも可能である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態は、図3に示すように、曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設け、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力を低減することにしている。その結果、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が立壁形成部120側にずれるのを抑制し、皺の発生を防止することを可能にしている。
第2の実施形態は、図6に示すように、立壁8を形成するための立壁形成部120にシボ無形成部401を設け、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2をシボ無形成部401で塞き止めるようにしている。シボ無形成部401は、シボ模様が形成されていないシボ無部403を形成するものである。シボ無形成部401は、凹凸のない平坦面を有して構成するため、分割金型32で吸引した樹脂P2とシボ無形成部401との接触面積が大きく、分割金型32で樹脂P2を型締めする際に樹脂P2のずれを防止することができる。これにより、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2による皺の発生を抑制することを可能にしている。図6は、周囲壁4を形成するピンチオフ部118の周囲の構成例を示し、(a)は、分割金型32を型締めする時の状態を示し、(b)は、分割金型32を型締めした後に樹脂P2が冷却した時の状態を示し、(c)は、成形後の周囲壁4の周囲の構成例を示す。
シボ無形成部401は、シボ模様が形成されていないシボ無部403を形成するものである。第2の実施形態では、周囲壁4の立壁8にシボ無形成部401に応じたシボ無部403を設けることで、立壁8への皺の発生を更に抑制することができる。
図6に示す立壁形成部120は、シボ有部404を形成するためのシボ有形成部402と、シボ無部403を形成するためのシボ無形成部401と、を有して構成する。シボ有形成部402は、シボ模様が形成されているシボ有部404を形成するものである。シボ有部404のシボ模様は特に限定せず、任意の模様で構成することが可能である。シボ無部403は、シボ有部404とは異なり、シボ模様のない平滑化した面を構成する。本実施形態では、図3に示す直線形状形成部122にシボ無形成部401を設け、曲線形状形成部121にシボ有形成部402を設けるようにしている。このため、立壁8の直線形状の部分82にシボ無部403を有し、曲線形状の部分81にシボ有部404を有して構成することになる。
本実施形態では、直線形状形成部122にシボ無形成部401を設けているため、シボ無形成部401は、ピンチオフ部118と連接して設けられることになる。このため、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2をシボ無形成部401で塞き止めることができる。その結果、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2による皺の発生を抑制することができる。図6に示すシボ無形成部401は、ピンチオフ部118と連接した位置から立壁形成部120の曲線形状の端部の位置まで形成されている。立壁形成部120の曲線形状の端部の位置は、立壁形成部120のテーパー形状の端部を意味する。なお、シボ無形成部401は、ピンチオフ部118と連接して設ける必要はなく、立壁形成部120の少なくとも一部に設けられていれば良い。立壁形成部120の少なくとも一部にシボ無形成部401が設けられていれば、そのシボ無形成部401の位置で樹脂P2のずれを抑制することができるため、皺の発生を抑制することができる。但し、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を塞き止めることを鑑みると、シボ無形成部401は、ピンチオフ部118と連接していることが好ましい。これにより、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を、立壁8を形成するための立壁形成部120の端部で塞き止めることができる。その結果、皺の少ない立壁8を形成することができる。
シボ無形成部401を設ける距離は、裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さに応じた距離に少なくともすることが好ましい。裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さは、Tダイ(図示せず)から押し出した圧縮前の裏壁3の樹脂P2の中で最も肉厚の厚い箇所の厚さを意味する。本実施形態では、裏壁3を構成する樹脂P2をピンチオフ部118で型締めした際に、その樹脂P2がずれて皺が発生する。裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さが厚い場合は、ピンチオフ部118で樹脂P2を型締めした際に発生する樹脂P2のずれ量が多くなり、立壁8に皺が発生し易くなる。ピンチオフ部118で樹脂P2を型締めした際に発生する樹脂P2のずれ量は、裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さに比例する。このため、シボ無形成部401を設ける領域を、裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さに応じた距離に少なくともすることが好ましい。これにより皺の発生を抑制することができる。図6では、ピンチオフ部118と連接した位置から立壁形成部120の曲線形状の端部の位置までシボ無部形成部401が連続的に形成されているが、部分的に設けることも可能である。
図6に示す曲線肩壁形成部302は、第1の実施形態と同様に曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302であるため、成形時の樹脂P2のずれを防止し、立壁8に皺が発生しないようにすることができる。このため、立壁形成部120は、シボ有形成部402のみで構成することも可能である。即ち、曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を設けるだけで、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力を低減することができる。その結果、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が立壁形成部120側にずれるのを抑制することができる。ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2は、その場で折れ曲がって、ピンチオフ部118の近傍に残存するため、皺となって立壁8の外表面に残ってしまうことがない。このため、立壁形成部120は、シボ有形成部402のみで構成し、立壁8の全ての外表面にシボ模様を形成することも可能である。但し、本実施形態のように立壁形成部120にシボ無形成部401を設けることで、仮に、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が立壁形成部120側にずれた場合でも、そのずれた樹脂P2をシボ無形成部401で抑制することができる。このため、立壁形成部120にシボ無形成部401を設けることで、立壁8に皺が発生するのを更に抑制することができる。
<本実施形態の積層パネル1の作用・効果>
このように、本実施形態の積層パネル1を成形する際は、周囲壁4の立壁8を形成するための立壁形成部120の少なくとも一部にシボ模様を形成しないためのシボ無形成部401を設け、そのシボ無形成部401を設けた分割金型32で樹脂P2を型締めし、シボ無形成部401に対応する箇所にシボ模様が形成されていないシボ無部403を有する立壁8を備える積層パネル1を成形する。
本実施形態の積層パネル1は、周囲壁4の立壁8の少なくとも一部にシボ無部403を有しているため、成形時の樹脂P2のずれを防止し、立壁8への皺の発生を更に抑制することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、図7に示すように、立壁8を形成するための立壁形成部120に凸部501を設け、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を凸部501で塞き止めるようにしている。これにより、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2による皺の発生を抑制することを可能にしている。図7は、周囲壁4を形成するピンチオフ部118の周囲の構成例を示し、(a)は、分割金型32を型締めする時の状態を示し、(b)は、分割金型32を型締めした後に樹脂P2が冷却した時の状態を示し、(c)は、成形後の周囲壁4の周囲の構成例を示す。
本実施形態では、図7に示すように、立壁8を形成するための立壁形成部120の形状を変更し、立壁形成部120に凸部501を設けることにしている。立壁形成部120に設ける凸部501は、凸部501の凸方向と分割金型32の型締方向との成す角度θが鋭角になるように設けることが好ましい。これにより、立壁形成部120に凸部501を設けても、分割金型32の型締め後に、樹脂P2から凸部501を引き抜き易くすることができる。型締方向とは、分割金型61同士を型締めする方向である。なお、凸部501の抜き易さを鑑みると、凸部501の凸方向は、型締方向になっていることが好ましい。これにより、分割金型32の型締め後に、樹脂P2から凸部501を容易に引き抜くことができる。
本実施形態では、立壁形成部120を第1の立壁形成部502と第2の立壁形成部503とで構成し、第1の立壁形成部502と第2の立壁形成部503との連結部分で凸部501を構成している。本実施形態の立壁形成部120を構成する第1の立壁形成部502と第2の立壁形成部503とは同一直線上に位置せず、第1の立壁形成部502と第2の立壁形成部503とが所定の角度で傾斜しているため、第1の立壁形成部502と第2の立壁形成部503との連結部分が屈曲し、第1の立壁形成部502と第2の立壁形成部503との連結部分で凸部501を構成することになる。
このため、立壁形成部120によって形成される立壁8は、第1の立壁形成部502によって形成される第1の立壁81と、第2の立壁形成部503によって形成される第2の立壁82と、凸部501によって形成される凹部84と、を有して構成する。このため、本実施形態の立壁8は、予め規定された位置に、積層パネル1の内側に向かって窪んだ凹部84を有して構成することになる。本実施形態の立壁8は、第1の立壁81と、第2の立壁82と、を有して構成し、第1の立壁81と第2の立壁82との連結部分が屈曲しており、その屈曲部分で凹部84を構成することになる。本実施形態の立壁8を構成する第1の立壁81と第2の立壁82とは同一直線上に位置せず、第1の立壁81と第2の立壁82とが所定の角度で傾斜しているため、第1の立壁81と第2の立壁82との連結部分が屈曲することになる。
なお、図7に示す立壁8は、図7(b)に示すように、凸部501と樹脂P2との間に隙間が発生し、その隙間が発生した状態で樹脂P2が冷却して形成した皺有り凹部83を有して構成している。しかし、本実施形態の立壁8は、図7(a)に示すように、凸部501と樹脂P2との間に隙間が発生せず、外側に樹脂P2が突出した状態で樹脂P2が冷却して形成した凹部84を有して構成するのが前提であり、その凹部84に図7(b)に示すように皺が形成されて皺有り凹部83を有して構成することもある。
本実施形態の立壁8は、凸部501の形状に応じた凹部84を有して構成するため、皺の発生を防止することができる。また、本実施形態では、第1の立壁形成部502と第2の立壁形成部503との連結部分で凸部501を構成しているため、立壁8には、凸部501に対応する箇所に、積層パネル1の内側に窪んだ凹部84が形成されるが、凹部84が折れ線として形成され、その折れ線と凹部84とが重なって形成されるため、立壁8に形成された凹部84を目立たないようにすることができる。本実施形態の立壁8は、凸部501の形状に応じた凹部84を意図的に設けているため、樹脂のずれによる皺の発生を防止すると共に、仮に皺が発生したとしても、凹部84の近傍に発生するため、不特定の位置に皺が発生するのを回避することができる。
図7に示す曲線肩壁形成部302は、第1の実施形態と同様に曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302であるため、成形時の樹脂P2のずれを防止し、立壁8に皺が発生しないようにすることができる。このため、立壁形成部120は、凸部501を設けない構成にすることも可能である。即ち、曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を設けるだけで、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力を低減することができる。その結果、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が立壁形成部120側にずれるのを抑制することができる。ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2は、その場で折れ曲がって、ピンチオフ部118の近傍に残存するため、皺となって立壁8の外表面に残ってしまうことがない。このため、立壁形成部120は、凸部501を設けなくとも、立壁8の全ての外表面にシボ模様を形成することも可能である。但し、本実施形態のように立壁形成部120に凸部501を設けることで、仮に、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が立壁形成部120側にずれた場合でも、そのずれた樹脂P2を凸部501で抑制することができる。このため、立壁形成部120に凸部501を設けることで、立壁8に皺が発生するのを更に抑制することができる。
なお、図7に示す構成の場合は、第1の立壁形成部502は、シボ模様を形成するためのシボ有形成部402を有して構成し、第2の立壁形成部503は、シボ模様を形成しないシボ無形成部401を有して構成することが更に好ましい。これにより、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2をシボ無形成部401で塞ぎ止めると共に、仮に、シボ無形成部401で塞ぎ止められなかったとしても、その塞ぎ止められなかった樹脂P2を凸部501で更に塞ぎ止めることができ、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2が凸部501を越えないようにすることができる。その結果、皺の発生を更に抑制することができる。
なお、本実施形態では、曲線肩壁9を形成するための曲線肩壁形成部302を分割金型32に設け、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を立壁形成部120側に押し下げる力を低減すると共に、立壁形成部120に凸部501を有し、ピンチオフ部118から押し出された樹脂P2を凸部501で塞ぎ止めるように構成している。このため、第1の立壁形成部502及び第2の立壁形成部503は、シボ有形成部402を有して構成することが可能である。これにより、立壁8の凹部84以外の全ての表面にシボ模様を形成することができる。本実施形態のように、立壁形成部120に凸部501を設けることで、成形時の樹脂P2のずれを防止し、立壁8の凹部84以外の全ての表面にシボ模様を形成した積層パネル1を成形することができる。
なお、凸部501の形状は特に限定せず、任意の形状で構成することが可能である。例えば、円形状、三角形状、台形形状等任意の形状で構成することが可能である。また、凸部501の凸方向も任意の方向で構成することが可能である。但し、凸方向は、分割金型32の型締め後に、樹脂P2から凸部501を抜き易い方向にすることが好ましい。
凸部501の位置を規定する第2の立壁形成部503は、ピンチオフ部118と連接した位置から裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さに応じた距離だけ離れた位置まで少なくとも形成されていることが好ましい。裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さは、Tダイ(図示せず)から押し出したピンチオフ部118で圧縮する前の裏壁3の樹脂P2の中で最も肉厚の厚い箇所の厚さを意味する。裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さが厚い場合は、ピンチオフ部118から押し出される樹脂P2の押し出し量が多くなり、立壁8に皺が発生し易くなる。ピンチオフ部118から押し出される樹脂P2の押し出し量は、裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さに比例する。このため、ピンチオフ部118と凸部501との間に設けられる第2の立壁形成部503の幅は、裏壁3を構成する樹脂P2の肉厚の厚さに応じた距離以上にすることが好ましい。これにより、ピンチオフ部118から押し出される樹脂P2を第2の立壁形成部503で抑制し、皺の発生を抑制することができる。
<本実施形態の積層パネル1の作用・効果>
このように、本実施形態の積層パネル1を成形する際は、裏壁3から表壁2に向かって起立した立壁8を形成するための立壁形成部120に凸部501を設け、その凸部501を設けた分割金型32で樹脂P2を型締めすることで、凸部501に対応する箇所に凸部501の形状に応じた凹部84を有する立壁8を備える積層パネル1を成形する。
本実施形態の積層パネル1は、周囲壁4の立壁8に凹部84を有しているため、成形時の樹脂P2のずれを防止し、立壁8への皺が発生を更に抑制することができる。また、仮に皺が発生したとしても凹部84の近傍に発生するため、不特定の位置に皺が発生するのを回避することができる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、上記実施形態の積層パネル1は、外表面にシボ模様を形成する積層パネル1を形成することを前提として説明した。しかし、本実施形態の積層パネル1は、外表面にシボ模様を形成しない積層パネル1に対しても好適であり、本実施形態の構成を採用することで、立壁8への皺の発生を抑制することができる。
また、上記実施形態の積層パネル1は、自動車等におけるトランクの仕切板や床材等として使用することを例として説明した。しかし、上記実施形態の積層パネル1は、自動車等の用途の部材に限定せず、各種用途の部材として使用することも可能である。