JP6172235B2 - エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物及びそれにより封止された素子を備える電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等、電子部品装置の素子封止の分野では、生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。また近年、電子部品のパッケージ形態は、小型・薄型化等が進み、多ピン化、狭ピッチ化が可能であるBGAパッケージが増大している。今後更に狭ピッチ化は進行すると予想され、配線間に大きな容量が発生し、信号の伝播速度を低下させてしまうため、LSIの動作速度の遅延を招く事が懸念される。この問題を解決するために層間絶縁膜に関しては、比誘電率の低い(Low−k)絶縁材料の開発が進行しており、今後ポーラス化することが予想されるため、強度が低下すると考えられる。
よって、これらの電子部品のパッケージは、冷熱サイクル時にパッケージがクラックするという問題が生じると予想されるため、強度の弱い層間絶縁膜の剥離を防ぐような寸法安定性に優れた低応力封止材の開発が求められている。エポキシ樹脂組成物の耐熱衝撃性を改善する方法として、シリコーンゴム粒子を使用する方法(例えば、特許文献1参照)、液状シリコーンを使用する方法(例えば、特許文献2、3参照)が報告されている。
特開2005−320446号公報 特許第2851699号公報 特許第3608930号公報
しかし、前記いずれの方法でも十分な寸法安定性及び/又は低応力性は得られず、かつ流動性は低下する傾向がある。すなわち、現行のエポキシ樹脂組成物において、流動性、低応力性及び寸法安定性に優れたエポキシ樹脂硬化物が得られる方法は未だ提示されていないのが現状である。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、流動性、寸法安定性及び低応力性に優れたエポキシ樹脂組成物、及びそれにより封止された素子を備える信頼性の高い電子部品装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、硬化剤と特定のシリコーン化合物の予備混合物を使用することによって所期の目的が達成可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1>(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤、及び(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物と(c2)エポキシ基及びポリアルキレンエーテル基を有するシリコーン化合物との両方を含む(C)シリコーン化合物の予備混合物と、を含有するエポキシ樹脂組成物である。
<2> 前記(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物が下記一般式(I−1)及び下記一般式(I−2)で示されるシリコーン化合物の少なくとも一方を含む<1>に記載のエポキシ樹脂組成物である。
(前記一般式(I−1)中、lは1以上の整数を表す。また、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜18の置換又は非置換の1価の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立に、エポキシ基を有する1価の有機基を表す。)
(前記一般式(I−2)中、mは0又は1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。また、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜18の置換又は非置換の1価の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立に、エポキシ基を有する1価の有機基を表す。)
<3> 前記(c2)エポキシ基とポリアルキレンエーテル基とを有するシリコーン化合物が下記一般式(I−3)で示されるシリコーン化合物である<1>又は<2>に記載のエポキシ樹脂組成物である。
(前記一般式(I−3)中、pは0又は1以上の整数を表し、qは1以上の整数を表し、rは1以上の整数を表す。また、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜18の1価の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立に、エポキシ基を有する1価の有機基を表し、Rは、それぞれ独立に、ポリアルキレンエーテル基を有する1価の有機基を表す。)
<4> 前記予備混合物が、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との反応率70%以下の反応生成物である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<5> 前記予備混合物が、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との反応率60%以下の反応生成物である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<6> 前記(C)シリコーン化合物の全質量中に前記(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物を30質量%以上含む<1>〜<5>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<7> 前記(C)シリコーン化合物の全質量中に前記(c2)エポキシ基とポリアルキレンエーテル基とを有するシリコーン化合物を20質量%以上含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<8> 前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対する前記(C)シリコーン化合物の総含有率が1質量部〜50質量部である<1>〜<7>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<9> 前記(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物の数平均分子量Mnが500〜30000である<1>〜<8>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<10> 前記(c2)エポキシ基とポリアルキレンエーテル基とを有するシリコーン化合物の数平均分子量Mnが5000〜50000である<1>〜<9>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<11> 前記(B)硬化剤が多官能フェノール化合物である<1>〜<10>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<12> さらに(D)無機充填剤を含有する<1>〜<11>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<13> さらに(E)硬化促進剤を含有する<1>〜<12>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<14> 前記(A)エポキシ樹脂が、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、及びアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物から選ばれる少なくとも1種を含有する<1>〜<13>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<15> (B)硬化剤が、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂及び共重合型フェノールアラルキル樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する<1>〜<14>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
<16> <1>〜<15>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物によって封止された素子を備える電子部品装置である。
本発明によるエポキシ樹脂組成物は、流動性、寸法安定性及び低応力性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することが可能である。また、本発明によるエポキシ樹脂組成物を用いて封止された素子を備える信頼性の高い電子部品装置を提供できる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について詳細に説明する。
[エポキシ樹脂組成物]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と(C)シリコーン化合物との予備混合物と、を含み、前記(C)シリコーン化合物が(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物(以下、「(c1)第1のシリコーン化合物」ということがある。)と(c2)エポキシ基とポリアルキレンエーテル基を有するシリコーン化合物(以下、「(c2)第2のシリコーン化合物」ということがある。)の両方を組み合わせた特定シリコーン化合物である。かかる構成であることで、優れた流動性、寸法安定性及び低応力性が得られる。ここで、前記(c1)第1のシリコーン化合物は、ポリアルキレンエーテル基を有するもの(即ち、前記(c2)第2のシリコーン化合物)を除くシリコーン化合物である。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
(A)エポキシ樹脂
前記エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂の少なくとも1種を含有する。前記(A)エポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上含有するものであれば特に制限はない。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換又は非置換のビフェノール、スチルベン系フェノール類等のジグリシジルエーテル(ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂);ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸類のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したもの等のグリシジル型又はメチルグリシジル型のエポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化して得られるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン及びメタキシリレン変性フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のグリシジルエーテル、テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル、多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル、ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物;硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも前記(A)エポキシ樹脂は、流動性及び耐リフロークラック性の観点からはビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、ナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。
ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。
前記一般式(II)中、Rは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
前記一般式(II)中のRにおける炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。
前記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂としては、例えば、4,4’‐ビス(2,3‐エポキシプロポキシ)ビフェニル又は4,4’‐ビス(2,3‐エポキシプロポキシ)‐3,3’,5,5’‐テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと4,4’‐ビフェノール又は4,4’‐(3,3’,5,5’‐テトラメチル)ビフェノールとを反応させて得られるエポキシ樹脂が挙げられる。中でも、Rのうち酸素原子が置換している位置を4位及び4’位とした時の3位、3’位、5位及び5’位がメチル基でそれ以外が水素原子であるエポキシ樹脂、全てのRが水素原子である4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、全てのRが水素原子の場合及びRのうち、酸素原子が置換している位置を4位及び4’位とした時の3位、3’位、5位及び5’位がメチル基でそれ以外が水素原子である場合の混合品であるエポキシ樹脂等が好ましい。
前記ビフェニル型エポキシ樹脂としては市販品として三菱化学株式会社製商品名YX‐4000H、YL−6121Hとして入手可能である。
スチルベン型エポキシ樹脂としては、スチルベン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。
前記一般式(III)中、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
及びR10における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。
前記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂としては、原料であるスチルベン系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基性物質存在下で反応させて得ることができる。この原料であるスチルベン系フェノール類としては、例えば、3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン等が挙げられる。なかでも3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。これらのスチルベン型フェノール類は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記スチルベン型エポキシ樹脂として、なかでもRのうち酸素原子が置換している位置を4位及び4’位とした時の3位、3’位、5位及び5’位がメチル基でそれ以外が水素原子でありR10の全てが水素原子の場合と、3位、3’位、5位及び5’位のうちの3つがメチル基、1つがtert−ブチル基でそれ以外が水素原子でありR10の全てが水素原子の場合の混合品であるESLV−210(住友化学株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
ジフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、ジフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。
前記一般式(IV)中、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
11及びR12における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。
前記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂としては、例えばR11の全てが水素原子でありR12のうち酸素原子が置換している位置を4位及び4’位とした時の3位、3’位、5位及び5’位がメチル基でそれ以外が水素原子であるエポキシ樹脂が挙げられる。このような化合物としては、YSLV−80XY(新日鐵化学株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
硫黄原子含有型エポキシ樹脂としては、硫黄原子を含有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えば下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
前記一般式(V)中、R13は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
13における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。
前記一般式(V)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂のなかでも、R13のうち酸素原子が置換している位置を4位及び4’位とした時の3位及び3’位がtert−ブチル基で6位及び6’位がメチル基でそれ以外が水素原子であるエポキシ樹脂が好ましい。このような化合物としては、YSLV−120TE(新日鐵化学株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂であれば、特に限定されるものではないが、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化等の手法を用いてエポキシ化したエポキシ樹脂が好ましく、例えば下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。
前記一般式(VI)中、R14は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示す。R15は、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数を示し、nは平均値であり、0〜10の数を示す。
14及びR15における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。またi=0であることもまた好ましい。
前記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることによって容易に得られる。前記一般式(V)中のRとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。
前記ノボラック型エポキシ樹脂のなかでも、R14の全てが水素原子でありR15がメチル基でi=1であるエポキシ樹脂が好ましい。前記ノボラック型エポキシ樹脂としては、ESCN−190、ESCN−195(住友化学工業株式会社製商品名)が市販品として入手可能である。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料としてエポキシ化したエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。
前記一般式(VII)中、R16は、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数を示し、nは平均値であり、0〜10の数を示す。
16における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。またi=0であることもまた好ましい。
前記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂の中でも、i=0であるHP−7200(DIC株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂としては、サリチルアルデヒド骨格を持つ化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば特に制限はないが、サリチルアルデヒド骨格を持つ化合物とフェノール性水酸基を有する化合物とのノボラック型フェノール樹脂等のサリチルアルデヒド型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂等のサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。
前記一般式(VIII)中、R17及びR18は、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数示し、kは0〜4の整数を示し、nは平均値であり、0〜10の数を示す。
17及びR18における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。またi及びkがそれぞれ独立に0であることもまた好ましい。
前記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂の中でも、i=0、k=0である1032H60(三菱化学株式会社製商品名)、EPPN−502H(日本化薬株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂としては、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に限定されるものではないが、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を用いたノボラック型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化したものが好ましく、下記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。
前記一般式(IX)中、R19〜R21は、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数を示し、jは0〜2の整数を示し、kは0〜4の整数を示し、pは平均値で0〜1の数を示し、l、mはそれぞれ平均値で0〜11の数を示し、(l+m)は1〜11の数を示す。
19〜R21における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。またi、j及びkがそれぞれ独立に0であることもまた好ましい。
前記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられる。これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂の中でも、R21がメチル基でi=1であり、j=0、k=0であるエポキシ樹脂が挙げられる。このような化合物としてはNC−7300(日本化薬株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物としては、フェノール、クレゾール等のフェノール類及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール類から選ばれる少なくとも1種とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルやこれらの誘導体とから合成されるフェノール樹脂を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、フェノール、クレゾール等のフェノール類及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルやこれらの誘導体とから合成されるフェノール樹脂をグリシジルエーテル化したものが好ましく、下記一般式(X)及び(XI)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。
前記一般式(X)及び(XI)において、R37、R39〜R41は、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の有機基を示す。R38は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数を示し、jは0〜2の整数を示し、kは0〜4の整数を示す。
前記一般式(X)及び(XI)において、R37〜R41における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。iは0〜2の整数が好ましく、jは0又は1が好ましく、kは0〜3が好ましい。
前記一般式(X)で示されるエポキシ樹脂の中でも、i=0、R38が水素原子であるNC−3000S(日本化薬株式会社製商品名)、i=0、R38が水素原子であるエポキシ樹脂と一般式(II)の全てのRが水素原子であるエポキシ樹脂を重量比80:20で混合したCER−3000(日本化薬株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。また、下記一般式(XI)で示されるエポキシ樹脂の中でも、j=0、k=0であるESN−175(新日鐵化学株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。
ナフタレン型エポキシ樹脂としては、ナフタレン環を含有するエポキシ化合物であれば、特に限定されるものではない。例えば、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、ジメチルナフトール等のナフトール類の誘導体から合成されるナフトール化合物をグリシジルエーテル化したものが好ましく、下記一般式(XI−a)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。
前記一般式(XI−a)中、R41及びR42は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、R43は、それぞれ独立に水素原子又はグリシジルオキシ基を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
前記一般式(II)〜(XI)及び(XI−a)中のR〜R21及びR37〜R43について、「それぞれ独立に」とは、例えば、前記一般式(II)中の8〜88個のRの全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。他のR〜R21及びR37〜R43についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。また、R〜R21及びR37〜R43はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、RとR10の全てについて同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(XI−a)で示されるエポキシ樹脂の中でも、n=1であり、R41及びR42の全てが水素原子、R43の全てがグリシジルオキシ基であるEXA−4700、EXA−4701(DIC株式会社製商品名)、n=0であり、R41及びR42の全てが水素原子、R43がグリシジルオキシ基であるHP−4032(DIC株式会社製商品名)、n=1であり、R41及びR42の全てが水素原子、R43の一方が水素原子であり、他方がグリシジルオキシ基であるEXA−4750(DIC株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
前記一般式(II)〜(XI)及び(XI−a)中の「n」は、0〜10の範囲であることが好ましく、10を超えた場合は前記(B)硬化剤の溶融粘度が高くなるため、エポキシ樹脂組成物の溶融成形時の粘度も高くなり、未充填不良やボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形を引き起こしやすくなる。1分子中の平均nは0〜4の範囲に設定されることがより好ましい。
前記のビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、ナフタレン型フェノール樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2種以上を組み合わせて用いる場合の含有率はそれらの性能を発揮するために、エポキシ樹脂全質量中合わせて30質量%以上使用することが好ましく、50質量%以上使用することがより好ましい。
(B)硬化剤
前記エポキシ樹脂組成物は(B)硬化剤の少なくとも1種を含む。前記(B)硬化剤は、硬化剤として一般に使用される1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物であればよく、特に制限されるものではない。具体的には、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する化合物、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及びナフトール類から選ばれる少なくとも1種とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、パラキシリレン及びメタキシリレン変性フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、フェノール類及びナフトール類から選ばれる少なくとも1種とジシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂;トリフェニルメタン型フェノール樹脂、これら樹脂の2種以上を共重合して得たフェノール樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、耐リフロークラック性の観点からはアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型とアラルキル型の共重合型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
アラルキル型フェノール樹脂としては、フェノール類及びナフトール類から選ばれる1種とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルやこれらの誘導体とから合成されるフェノール樹脂であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(XII)〜(XIV)のいずれかで示されるフェノール樹脂が好ましい。
前記一般式(XII)〜(XIV)において、R22、R24〜R28は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示す。R238は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数を示し、kは0〜4の整数を示し、jは0〜2の整数を示し、nは平均値であり、0〜10の数を示す。
22〜R28における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもR22、R24〜R28は、メチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。またi、j及びkがそれぞれ独立に0であることもまた好ましい。さらにR23はメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。
前記一般式(XII)で示されるフェノール樹脂の中でも、i=0、R23が全て水素原子であるMEH−7851(明和化成株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。前記一般式(XIII)で示されるフェノール樹脂の中でも、i=0、k=0であるXL−225、XLC(三井化学株式会社製商品名)、MEH−7800(明和化成株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。前記一般式(XIV)で示されるフェノール樹脂の中でも、j=0、R27のk=0、R28のk=0であるSN−170(新日鐵化学株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂としては、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料として用いたフェノール樹脂であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(XV)で示されるフェノール樹脂が好ましい。
前記一般式(XV)中、R29は、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数を示し、nは平均値であり、0〜10の数を示す。
29における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。またi=0であることもまた好ましい。
前記一般式(XV)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0であるDPP(新日本石油化学株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
サリチルアルデヒド型フェノール樹脂としては、サリチルアルデヒド骨格を有する化合物を原料として用いたフェノール樹脂であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(XVI)で示されるフェノール樹脂が好ましい。
前記一般式(XVI)中、R30及びR31は、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数を示し、kは0〜4の整数を示し、nは平均値であり、0〜10の数を示す。
30及びR31における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。またi及びkがそれぞれ独立に0であることもまた好ましい。
前記一般式(XVI)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0、k=0であるMEH−7500(明和化成株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
ベンズアルデヒド型とアラルキル型との共重合型フェノール樹脂としては、ベンズアルデヒド骨格を有する化合物を原料として用いたフェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(XVII)で示されるフェノール樹脂が好ましい。
前記一般式(XVII)中、R32〜R34は、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数を示し、kは0〜4の整数を示し、qは0〜5の整数を示し、l、mはそれぞれ平均値で0〜11の数であり、(l+m)は1〜11の数を示す。
32〜R34における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。またi、k及びqがそれぞれ独立に0であることもまた好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂としては、フェノール類及び/又はナフトール類とアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるフェノール樹脂であれば特に限定されるものではないが、下記一般式(XVIII)で示されるフェノール樹脂が好ましい。
前記一般式(XVIII)中、R35は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示す。R36は、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の有機基を示す。iは0〜3の整数を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
前記一般式(XII)〜(XVIII)におけるR22〜R36について記載した「それぞれ独立に」は、例えば、式(XIV)中のi個のR22の全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。他のR23〜R36についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。また、R22〜R36は、それぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、R22およびR23の全てについて同一でも異なってもよく、R30およびR31の全てについて同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(XII)〜(XVIII)における「n」は、0〜10の範囲であることが好ましく、10を超えた場合は前記(B)硬化剤の溶融粘度が高くなるため、エポキシ樹脂組成物の溶融成形時の粘度も高くなり、未充填不良やボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形を引き起こしやすくなる。1分子中の平均nは0〜4の範囲に設定されることがより好ましい。
35及びR36における炭素数1〜18の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。中でもR35はメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。またR36はメチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。またi=0であることもまた好ましい。
前記一般式(XVIII)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0、R35が全て水素原子であるタマノル758、759(荒川化学工業株式会社製商品名)、HP−850N(日立化成工業株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。
前記のアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型とアラルキル型の共重合型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。
2種以上を組み合わせて用いる場合の含有率はそれらの性能を発揮するために、硬化剤全質量中合わせて30質量%以上使用することが好ましく、50質量%以上使用することがより好ましい。
前記(A)エポキシ樹脂と前記(B)硬化剤との当量比、すなわち、前記(A)エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する前記(B)硬化剤中の水酸基数の比(前記(B)硬化剤中の水酸基数/前記(A)エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限はない。それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3がより好ましい。成形性、耐半田リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂組成物を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(C)シリコーン化合物
前記エポキシ樹脂組成物は、前記(B)硬化剤とともに予備混合される(C)シリコーン化合物を含有する。これにより、流動性を低下することなく、良好な寸法安定性を実現することができる。
前記(C)シリコーン化合物は、前記(c1)第1のシリコーン化合物(エポキシ基を有するシリコーン化合物)と前記(c2)第2のシリコーン化合物(エポキシ基とポリアルキレンエーテル基を有するシリコーン化合物)の両方を含む。どちらか一方しか含有しない場合は、流動性及び寸法安定性が低下する傾向がある。また、前記(c2)第2のシリコーン化合物を含有し前記(c1)第1のシリコーン化合物を含有しない場合は、寸法安定性及び低応力性の少なくとも一方が低下する傾向がある。
(c1)第1のシリコーン化合物
前記(C)シリコーン化合物は、前記(c1)第1のシリコーン化合物の少なくとも1種を含有する。エポキシ基を有するシリコーン化合物を含むエポキシ樹脂組成物が、優れた寸法安定性や低応力性を示す理由は明らかではないが、例えば、次のように考えられる。
即ち、一般に、前記(c1)第一のシリコーン化合物を含む前記(C)シリコーン化合物を、予め前記(B)硬化剤に混合した予備混合物として、前記(A)エポキシ樹脂と併用することで、硬化物中にシリコーン化合物が均一で、適度な大きさのドメインとして分散することが可能となるため、硬化収縮が小さくなったり、応力が低くなったりするものと推測される。また、前記(c1)第1のシリコーン化合物は、前記(B)硬化剤とともに予備混合されることで、優れた流動性が得られる。
前記(c1)第1のシリコーン化合物は、エポキシ基を有する変性シリコーン化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、直鎖構造、環構造のものが挙げられる。
前記(c1)第1のシリコーン化合物は、主鎖又は側鎖のいずれにエポキシ基を有していてもよい。主鎖にエポキシ基を有する場合、片未端のみ又は両末端型のいずれであってもよい。成形収縮率が小さく、優れた流動性が得られることから、両末端型であることが好ましい。
前記(c1)第1のシリコーン化合物におけるエポキシ基数は、所期の目的が可能な範囲ならば特に限定されるものではない。例えばエポキシ当量が100〜8000の範囲であることが好ましく、150〜7000の範囲であることがより好ましい。
また、前記(c1)第1のシリコーン化合物は、25℃における動粘度が3mm/s〜200mm/sの範囲であることが好ましく、5mm/s〜180mm/sの範囲であることがより好ましい。25℃における動粘度が3mm/s以上である場合は所期の効果が十分に発揮され、200mm/s以下であれば良好な流動性が得られる。
かかる(c1)第1のシリコーン化合物は1種を単独又は2種以上を組み合わせて使用することが可能である。
前記(c1)第1のシリコーン化合物は、下記一般式(I−1)及び下記一般式(I−2)で示されるシリコーン化合物の少なくとも一方を含むことが好ましい。
前記一般式(I−1)中、lは1以上の整数を表す。また、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜18の置換又は非置換の1価の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立に、エポキシ基を有する1価の有機基を表す。
前記一般式(I−2)中、mは0又は1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。また、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜18の置換又は非置換の1価の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立に、エポキシ基を有する1価の有機基を表す。
前記(I−1)及び(I−2)のRとして記載した「炭素数1〜18の置換基又は非置換の1価の炭化水素基」は、置換されても又は非置換であってもよい炭素数1〜18を有する1価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基を含むことが好ましい。
より具体的には、置換されても又は非置換であってもよい炭素数1〜18を有する1価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、アリル基、ビニル基等の脂肪族炭化水素基、及びそれら脂肪族炭化水素基をアルキル基、アルコキシ基、アリール基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、メタクリルオキシ基、メルカプト基、イミノ基、ウレイド基、及びイソシアネート基等の置換基で置換したものが挙げられる。
置換されても又は非置換であってもよい炭素数1〜18を有する1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、及びシクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基、及びそれら脂環式炭化水素基をアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、メタクリルオキシ基、メルカプト基、イミノ基、ウレイド基、イソシアネート基等の置換基で置換したものが挙げられる。
置換されても又は非置換であってもよい炭素数1〜18を有する1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基等のアリール基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基等のアルキル基置換アリール基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシ基置換アリール基等の芳香族炭化水素基などが挙げられる。それらはさらにアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、メタクリルオキシ基、メルカプト基、イミノ基、ウレイド基、イソシアネート基等の置換基で置換したものであってもよい。
なお、前記(I−1)及び(I−2)のRとしては、特に限定されるものではない。置換基を有していてもよいアルキル基及びアリール基から選ばれる1価の炭化水素基であることが好ましい。中でも、原料の入手しやすさの観点から、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基等のアリール基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、エポキシシクロヘキシルエチル基、グリシドキシプロピル基、クロロプロピル基、メタクリルオキシプロピル基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、N−フェニルアミノプロピル基、N−アミノプロピルアミノプロピル基、ウレイドプロピル基、イソシアネートプロピル基等の鎖状又は環状のアルキル基から選ばれる置換基がより好ましい。
前記(I−1)及び(I−2)のRとして記載した「エポキシ基を有する1価の有機基」は、下記一般式(I−4)、(I−5)及び(I−6)から選ばれる少なくとも1種の有機基を含むことが好ましい。
前記一般式(I−4)中、Rは炭素数1〜18の2価の炭化水素基である。
前記一般式(I−5)中、Rは炭素数1〜18の2価の炭化水素基である。
前記一般式(I−6)中、Rは炭素数1〜18の2価の炭化水素基である。
前記Rとして記載した「炭素数1〜18の2価の炭化水素基」は、炭素数1〜18を有する2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基を含むことが好ましい。より具体的には、炭素数1〜18を有する2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、ビニレン基、エチリデン基、ビニリデン基、プロペニレン基、ブタジエニレン基等が挙げられる。
炭素数1〜18を有する2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロペンテニレン基、シクロヘキセニレン基、シクロヘキシリデン基等が挙げられる。
炭素数1〜18を有する2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基等が挙げられる。
前記(I−4)、前記(I−5)及び前記(I−6)のRとしては、特に限定されるものではない。アルキル基及びアリール基からより選ばれる2価の炭化水素基であることが好ましい。中でも、原料の入手のしやすさの観点からメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキル基から選ばれる置換基がより好ましい。
前記(I−4)として、具体例に例示するならば、3−グリシドキシ基、3−グリシドキシメチル基、3−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
前記(I−5)として、具体例に例示するならば、3,4−エポキシシクロヘキシル基、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等が挙げられる。
前記(I−6)として、具体例に例示するならば、エポキシ基、2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基等が挙げられる。
前記(I−1)で示される化合物の具体的な例示としては、市販品として入手可能な化合物として、25℃における動粘度15mm/s、エポキシ当量200のX−22−163(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度15mm/s、エポキシ当量490のKF−105(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度30mm/s、エポキシ当量1000のX−22−163A(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度60mm/s、エポキシ当量1750のX−22−163B(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度120mm/s、エポキシ当量2700のX−22−163C(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度25mm/s、エポキシ当量6500のBY16−855(東レ・ダウコーニング株式会社製商品名)、25℃における動粘度8mm/s〜11mm/s、エポキシ当量182のDMS−E09(アヅマックス株式会社販売試薬名)、25℃における動粘度12mm/s〜18mm/s、エポキシ当量455〜526のDMS−E11(アヅマックス株式会社販売試薬名)、25℃における動粘度20mm/s〜35mm/s、エポキシ当量526〜625のDMS−E12(アヅマックス株式会社販売試薬名)、25℃における動粘度100mm/s〜140mm/s、エポキシ当量286〜2222のDMS−E21(アヅマックス株式会社販売試薬名)等のRがメチル基、Rがグリシジルアルキル基である両末端型エポキシ変性ポリジメチルシリコーン;25℃における動粘度30mm/s、エポキシ当量500のX−22−169AS(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度70mm/s、エポキシ当量1700のX−22−169B(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度25mm/s〜35mm/s、エポキシ当量500〜526のDMS−EC13(アヅマックス株式会社販売試薬名)等のRがメチル基、Rがエポキシシクロヘキシルアルキル基である両末端型脂環式エポキシ変性ポリジメチルシリコーン;25℃における動粘度15mm/s〜30mm/s、エポキシ当量250〜278のPMS−E11(アヅマックス株式会社販売試薬名)等のRがメチル基及びフェニル基、Rがグリシジルアルキル基である両末端型エポキシ変性ポリメチルフェニルシリコーン;25℃における動粘度80mm/s〜120mm/s、エポキシ当量2000〜2083のDMS−EX21(アヅマックス株式会社販売試薬名)等のRがメチル基及びメトキシ基、Rがグリシジルアルキル基である両末端型エポキシ変性ポリメチルメトキシシリコーン等が挙げられる。前記(I−1)で示される化合物は、工業製品又は試薬として購入可能な化合物を用いても、公知の方法で合成した化合物を用いても構わない。
前記(I−2)の具体的な化合物の例示としては、以下に限られるものではない。例えば、市販品として入手可能な化合物としては、25℃における動粘度25mm/s、エポキシ当量525のX−22−343(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度1500mm/s、エポキシ当量350のKF−101(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度17000mm/s、エポキシ当量3500のKF−1001(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度8000mm/s、エポキシ当量3200のSF8411(東レ・ダウコーニング株式会社商品名)、25℃における動粘度18000mm/s、エポキシ当量3800のSF8413(東レ・ダウコーニング株式会社商品名)、25℃における動粘度200mm/s〜300mm/s、エポキシ当量750〜1400のEMS−622(アヅマックス株式会社販売試薬名)等のRがメチル基、Rがグリシジルアルキル基である側鎖型エポキシ変性ポリジメチルシリコーン;25℃における動粘度45mm/s、エポキシ当量600のX−22−2046(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度3500mm/s、エポキシ当量3600のKF−102(信越化学工業株式会社商品名)、25℃における動粘度700mm/s、エポキシ当量1200のFZ−3720(東レ・ダウコーニング株式会社商品名)、25℃における動粘度6000mm/s、エポキシ当量3700のBY16−839(東レ・ダウコーニング株式会社商品名)、25℃における動粘度650mm/s〜800mm/s、エポキシ当量850〜1450のECMS−227(アヅマックス株式会社販売試薬名)、25℃における動粘度650〜850mm/s、エポキシ当量1250〜1900のECMS−327(アヅマックス株式会社販売試薬名)、25℃における動粘度300mm/s〜450mm/s、エポキシ当量1750〜3000のECMS−924(アヅマックス株式会社販売試薬名)等のRがメチル基、Rがエポキシシクロヘキシルアルキル基である側鎖型脂環式エポキシ変性ポリジメチルシリコーン;25℃における動粘度190mm/s、エポキシ当量620のX−22−2000(信越化学工業株式会社商品名)等のRがメチル基及びフェニル基、Rがグリシジルアルキル基である側鎖型エポキシ変性ポリメチルフェニルシリコーン等が挙げられる。前記(I−2)で示される化合物は、工業製品又は試薬として購入可能な化合物を用いても、公知の方法で合成した化合物を用いても構わない。
前記(c1)第1のシリコーン化合物の分子量は所期の目的が可能な範囲ならば特に限定されるものではない。数平均分子量Mnが300〜50000であることが好ましく、400〜40000であることがより好ましく、500〜30000であることがさらに好ましい。数平均分子量Mnが300以上となる場合は所期の効果が十分に発揮される。50000以下であれば、良好な流動性が得られる。
前記「数平均分子量Mn」とは、単分散ポリスチレンを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって得られる溶出曲線において、標準物質から算出されるMnの値を示す。
(c2)第2のシリコーン化合物
前記(C)シリコーン化合物は、前記(c2)第2のシリコーン化合物の少なくとも1種を含有する。エポキシ基とポリアルキレンエーテル基とを有するシリコーン化合物を含むエポキシ樹脂組成物が、優れた寸法安定性を示す理由は明らかではないが、例えば、次のように考えられる。即ち、前記(c2)第二のシリコーン化合物を含む前記(C)シリコーン化合物を、予め前記(B)硬化剤に混合した予備混合物として、前記(A)エポキシ樹脂と併用することで、硬化物中にシリコーン化合物が均一で、微細なドメインとして分散することが可能となるため、硬化収縮が小さくなるものと推測される。また、一般的に、シリコーン化合物はエポキシ樹脂に相容しにくいため、シリコーン化合物を含むエポキシ樹脂組成物は分離したり、流動性が低下したりする傾向があるが、(c2)第二のシリコーン化合物を含むことにより、エポキシ樹脂に相容しやすくなり、流動性が低下しにくくなると推測される。
前記(c2)第2のシリコーン化合物は、エポキシ基とポリアルキレンエーテル基とを含有する変性シリコーン化合物であれば特に制限されるものではない。
前記(c2)第2のシリコーン化合物は、主鎖又は側鎖のいずれにエポキシ基及びポリアルキレンエーテル基を有していてもよい。エポキシ基又はポリアルキレンエーテル基を側鎖の一部に有することが好ましく、エポキシ基及びポリアルキレンエーテル基の両方とも側鎖の一部に有することがより好ましい。
前記(c2)第2のシリコーン化合物におけるエポキシ基数は、所期の目的が可能な範囲ならば特に限定されるものではない。例えばエポキシ当量が300〜15000の範囲であることが好ましく、500〜12000の範囲であることがより好ましい。
また、前記(c2)第2のシリコーン化合物は、25℃における動粘度が100mm/s〜10000mm/sの範囲であることが好ましく、200mm/s〜8000mm/sの範囲であることがより好ましい。25℃における動粘度が100mm/s以上である場合は所期の効果が十分に発揮され、10000mm/s以下であれば良好な流動性が得られる。
かかる(c2)第2のシリコーン化合物は1種を単独又は2種以上を組み合わせて使用することが可能である。
前記(c2)第2のシリコーン化合物は、下記一般式(I−3)で示されるシリコーン化合物であることが好ましい。

前記一般式(I−3)中、pは0又は1以上の整数を示し、qは1以上の整数を示し、rは1以上の整数を示す。また、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜18の1価の炭化水素基を示し、Rは、それぞれ独立にエポキシ基を有する1価の有機基を示し、Rは、それぞれ独立にポリアルキレンエーテル基を有する1価の有機基を示す。
前記(I−3)のRにおいて、「ポリアルキレンエーテル基を有する1価の有機基」とは、下記一般式(I−7)で示される有機基であることが好ましい。

前記一般式(I−7)中、Rは炭素数1〜18の2価の炭化水素基であり、Rは、それぞれ独立に水素原子もしくは炭素数1〜18の1価の炭化水素基であり、sは1以上の整数である。
前記Rにおいて、「炭素数1〜18の2価の炭化水素基」は、炭素数1〜18を有する2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基を含むことが好ましい。
より具体的には、炭素数1〜18を有する2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、ビニレン基、エチリデン基、ビニリデン基、プロペニレン基、ブタジエニレン基等が挙げられる。
炭素数1〜18を有する2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロペンテニレン基、シクロヘキセニレン基、シクロヘキシリデン基等が挙げられる。
炭素数1〜18を有する2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基等が挙げられる。
前記(I−7)のRとしては、特に限定されるものではないが、アルキレン基及びアリーレン基からより選ばれる2価の炭化水素基であることが好ましい。中でも、原料の入手のしやすさの観点からメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基から選ばれる2価の炭化水素基がより好ましく、エチレン基及びプロピレン基から選ばれる2価の炭化水素基がさらに好ましい。すなわち、前記(I−3)のRとしては、下記一般式(I−8)及び(I−9)のうち少なくとも一方で示される繰り返し単位を有する一価の有機基であることがより好ましい。
前記一般式(I−8)中、tは1以上の整数である。
前記一般式(I−9)中、uは1以上の整数である。
前記(I−3)における「p」は0又は1以上の整数であれば特に制限されるものではなく、「q」は1以上の整数であれば特に制限されるものではなく、「r」は1以上の整数であれば特に制限されるものではなく、前記(I−7)における「s」は1以上の整数ならば特に制限されるものではなく、前記(I−8)における「t」は1以上の整数ならば特に制限されるものではなく、前記(I−9)における「u」は1以上の整数ならば特に制限されるものではない。
前記(I−3)の具体的な化合物の例示としては、以下に限られるものではない。例えば、市販品として入手可能な化合物としては、エポキシ当量9000、粘度3000mm/sのSF8421EG(東レ・ダウコーニング株式会社製商品名)、エポキシ当量5000、粘度2500mm/sのFZ−3730(東レ・ダウコーニング株式会社製商品名)、エポキシ当量2500、粘度3000mm/sのBY16−876(東レ・ダウコーニング株式会社製商品名)、エポキシ当量7000、粘度800mm/sのBY16−869(東レ・ダウコーニング株式会社製商品名)、エポキシ当量1500、粘度600mm/sのBY16−870(東レ・ダウコーニング株式会社製商品名)、エポキシ当量2500、粘度350mm/sのX−22−4741(信越化学株式会社製商品名)、エポキシ当量4300、粘度4500mm/sのKF−1002(信越化学株式会社製商品名)、エポキシ当量750〜800、粘度4000mm/s〜5000mm/sのEBP−234(アヅマックス株式会社販売試薬名)、エポキシ当量5000、粘度2200mm/sのFZ−3736(東レ・ダウコーニング株式会社製商品名)、エポキシ当量2100、粘度5500mm/sのBY16−760(東レ・ダウコーニング株式会社製商品名)等が挙げられる。前記(I−3)で示される化合物は、工業製品又は試薬として購入可能な化合物を用いても、公知の方法で合成した化合物を用いても構わない。
前記(c2)第2のシリコーン化合物の分子量は、これを含有することによって所期の目的が可能な範囲ならば特に限定されるものではない。数平均分子量Mnが1000〜30000であることが好ましく、2000〜25000であることがより好ましく、3000〜20000であることがさらに好ましい。数平均分子量Mnが1000以上となる場合は所期の効果が十分に発揮され、30000以下であれば、良好な流動性が得られる。
前記(C)シリコーン化合物の全質量における前記(c1)第1のシリコーン化合物の割合は所期の目的が可能な量ならば特に限定されるものではない。20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。前記(c1)第1のシリコーン化合物の割合が20質量%以上となる場合は、優れた寸歩安定性及び低応力性が確保できる。
前記(C)シリコーン化合物の全質量における前記(c2)第2のシリコーン化合物の割合は、前記(C)シリコーン化合物を含有することによって所期の目的が可能な量ならば特に限定されるものではない。10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。前記(c2)第2のシリコーン化合物の割合が10質量%以上となる場合は、優れた流動性が得られる。
前記(C)シリコーン化合物の総含有量は、前記(C)シリコーン化合物を含有することによって所期の目的が達成可能な範囲において、特に制限されるものではない。例えば、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、0.5質量部〜60質量部の範囲にあることが好ましく、1質量部〜50質量部の範囲にあることがより好ましく、1.5質量部〜40質量部の範囲にあることがさらに好ましい。総含有量が0.5質量部以上である場合、前記(C)シリコーン化合物を含有することによる所期の効果が十分に発現できる。一方、総含有量が60質量部以下であれば、流動性及び成形性の少なくとも一方が向上する。なお、前記(A)エポキシ樹脂の含有量とは、一般的に、予備混合物に含まれる前記(A)エポキシ樹脂も含む。
(予備混合物)
前記エポキシ樹脂組成物は、前記(A)エポキシ樹脂と、前記(B)硬化剤とともに予備混合された上述の特定の(C)シリコーン化合物とを含有し、必要に応じてその他の成分を含む。かかる構成であることで、優れた流動性、耐半田リフロー性、及び成形収縮性が得られる。前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との予備混合物と、を含有し、前記予備混合物において、前記(C)シリコーン化合物が前記(c1)第1のシリコーン化合物と前記(c2)第2のシリコーン化合物の両方を含む。
前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との予備混合物の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物を無溶剤下で加熱して溶融混合させる方法、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物に反応触媒を加え反応させながら混合させる方法、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物に溶媒を加え混合させる方法等が挙げられる。前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物とを予備混合せずにそのまま添加した場合、流動性が低下する傾向がある。
前記予備混合物は、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との予備混合物であれば特に限定されるものではない。なお、前記予備混合物中にエポキシ樹脂を含有する場合、前記予備混合物中のエポキシ樹脂量が減少するにつれてシリコーン化合物の分散性が向上し、均一な予備混合物が得られる。
前記予備混合物において、前記(B)硬化剤は、所期の目的が達成可能な範囲において特に限定されるものではないが、多官能フェノール化合物であることが好ましい。前記(B)硬化剤として1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有する化合物を用いた場合、前記予備混合物の粘度が良好に保たれ、十分な取り扱い性が確保できる。
前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との予備混合物の反応率は、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましく、0%であることが特に好ましい。反応率が70%以下である場合は、流動性及び寸法安定性が向上する。
前記「前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との予備混合物の反応率」とは、前記予備混合物中の前記(B)硬化剤由来のフェノール性水酸基と前記(C)シリコーン化合物由来のエポキシ基との反応率を意味する。すなわち、(前記予備混合物中のエポキシ基数)/(前記(C)シリコーン化合物の仕込み比から算出される前記予備混合物中のエポキシ基数)を示す。前記「予備混合物中のエポキシ基数」は樹脂のエポキシ当量を測定する一般的手法により測定が可能であり、例えば、指示薬滴定法や高分解能核磁気共鳴装置(NMR)による測定等が挙げられる。
本発明では、前記予備混合物の使用方法は特に限定されるものではなく、例えば、そのまま添加する方法、予め無機充填剤と混合させる方法等が挙げられる。
(エポキシ樹脂組成物)
前記エポキシ樹脂組成物は、前記(A)エポキシ樹脂と、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との予備混合物の他に、さらに、(D)無機充填剤、(E)硬化促進剤を含有するものであってもよい。以下、前記エポキシ樹脂組成物を構成する主な成分について説明する。
前記エポキシ樹脂組成物には、前記予備混合物中の前記(B)硬化剤の他に、必要に応じてさらに硬化剤を配合してもよい。使用可能な硬化剤は先に説明したとおりである。
前記エポキシ樹脂組成物において、前記(A)エポキシ樹脂と前記硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する硬化剤中の水酸基数の比(硬化剤中の水酸基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3がより好ましい。成形性及び耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂組成物を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(D)無機充填剤
本発明によるエポキシ樹脂組成物には、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上のために、必要に応じて無機充填剤の少なくとも1種を配合してもよい。使用可能な無機充填剤は、一般に封止用成形材料に用いられるものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、シリカゲル、多孔質シリカ、ガラス、ゼオライト、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレイ、マイカ等の微粉未、又はこれらを球形化したビーズなどが挙げられる。なかでも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが好ましい。流動性、線膨張係数低減の観点からは、結晶シリカ、溶融シリカを併用することが好ましく、溶融シリカを併用することがより好ましく、球状溶融シリカを用いることがさらに好ましい。これら無機充填剤の1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、難燃効果がある、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び複合金属水酸化物等の金属水酸化物系充填剤を併用してもよい。
(D)無機充填剤の含有率は、本発明の効果が得られれば特に制限はない。熱膨張係数、熱伝導率、弾性率等向上の観点から、エポキシ樹脂組成物の樹脂固形分中55体積%〜90体積%が好ましい。(D)無機充填剤の配合量が55体積%以上ではこれらの特性の改良が十分となり、90体積%以下であればエポキシ樹脂組成物の粘度の上昇が抑えられ、流動性の低下による成型性の低下を防止できる。
また、(D)無機充填剤の平均粒径は1μm〜50μmが好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。1μm以上ではエポキシ樹脂組成物の粘度が良好となる。50μm以下であれば、樹脂成分と無機充墳剤との分離を抑えられ、硬化物が不均一になったり硬化物特性がばらついたり、狭い隙間への充填性が低下したりすることを防ぐことができる。
流動性の観点からは、(D)無機充填剤の粒子形状は角形より球形が好ましく、無機充填剤の粒度分布は広範囲に分布したものが好ましい。例えば、無機充填剤を75質量%以上配合する場合、その70質量%以上を球状粒子とし、0.1μm〜80μmという広範囲に分布したものが好ましい。このような無機充填剤は最密充填構造をとりやすいため含有率を増加させても材料の粘度上昇が少なく、流動性に優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
(E)硬化促進剤
本発明によるエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を配合してもよい。使用可能な硬化促進剤としては、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケンなどのシクロアミジン化合物、その誘導体、それらのフェノールノボラック塩及びこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどのπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン類、又はこれら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体やこれら有機ホスフィン類と無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどのπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、これら有機ホスフィン類と4−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、2−ブロモフェノール、4−クロロフェノール、3−クロロフェノール、2−クロロフェノール、4−ヨウ化フェノール、3−ヨウ化フェノール、2−ヨウ化フェノール、4−ブロモ−2−メチルフェノール、4−ブロモ−3−メチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール、4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−クロロ−1−ナフトール、1−ブロモ−2−ナフトール、6−ブロモ−2−ナフトール、4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニル等のハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素して得られる分子内分極を有する化合物(特開2004−156036号公報記載)、などが挙げられる。これら硬化促進剤を併用する場合、なかでも、流動性の観点からは有機ホスフィン類とπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、有機ホスフィン類とハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素して得られる分子内分極を有する化合物、硬化性の観点からは有機ホスフィン類とハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる分子内分極を有する化合物が好ましい。
(E)硬化促進剤の含有率は、硬化促進効果が達成されれば特に制限はない。エポキシ樹脂組成物の吸湿時の硬化性及び流動性における改善の観点からは、前記(A)エポキシ樹脂の合計100質量部に対し、(E)硬化促進剤を合計で好ましくは0.1質量部〜10質量部、より好ましくは1質量部〜7質量部配合する。硬化促進剤の含有率が0.1質量部以上では短時間で硬化させることができ、10質量部以下であれば硬化速度を良好に保つことができ、良好な成形品が得られる。
(各種添加剤)
本発明によるエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて公知の各種添加剤を含有してもよい。前記各種添加剤としては、特に制限されない。例えば、後述するカップリング剤、イオン交換体、難燃剤、離型剤、可とう剤、着色剤等が挙げられる。
(カップリング剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加することができる。
カップリング剤の含有率は、(D)無機充填剤100質量部に対して0.05質量部〜5質量部であることが好ましく、0.1質量部〜2.5質量部がより好ましい。0.05質量部以上ではフレームとの接着性が良好に保たれ、5質量部以下であれば優れたパッケージの成形性が得られる。
前記カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでも、二級アミノ基を有するカップリング剤が流動性及びワイヤ流れの観点から好ましい。
(イオン交換体)
本発明のエポキシ樹脂組成物には、陰イオン交換体を必要に応じて配合することができる。特にエポキシ樹脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、陰イオン交換体を配合することが好ましい。本発明において用いられる陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、下記一般式(XIX)で示されるハイドロタルサイトが好ましい。
上式(XIX)中、0<X≦0.5、mは正の数を表す。
これらの陰イオン交換体の含有率は、ハロゲンイオンなどの陰イオンを捕捉できる十分量であれば特に制限はないが、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.1質量部〜30質量部の範囲が好ましく、1質量部〜5質量部がより好ましい。
(難燃剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物には、難燃性を付与するために必要に応じて難燃剤を配合することができる。本発明において用いられる難燃剤としては特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機若しくは無機の化合物、金属水酸化物が挙げられる。これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。難燃剤の含有率は、難燃効果が達成されれば特に制限はないが、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部〜30質量部が好ましく、2質量部〜15質量部がより好ましい。
(離型剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物には、成形時に金型との良好な離型性を持たせるため離型剤を配合してもよい。本発明において用いられる離型剤としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックス等が挙げられる。これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、高級脂肪酸、酸化型又は非酸化型のポリオレフィン系ワックスが好ましい。その含有率としては前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.1質量部〜5質量部がより好ましい。ポリオレフィン系ワックスの含有率が0.01質量部以上では離型性が十分に得られ、10質量部以下接着性が良好に保たれる。高級脂肪酸としては、例えば市販品では株式会社セラリカNODA製のカルナバワックスが挙げられる。ポリオレフィン系ワックスとしては、例えば市販品ではヘキスト社製のH4、PE、PEDシリーズ等の数平均分子量が500〜10000程度の低分子量ポリエチレンなどが挙げられる。
また、ポリオレフィン系ワックスに他の離型剤を併用する場合、その含有率は前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.5質量部〜3質量部がより好ましい。
(可とう剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記(C)シリコーン化合物の他に、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末等の可とう剤を必要に応じて併用することが可能である。併用可能な可とう剤としては、一般に使用されている公知の可とう剤であれば特に限定されるものではない。例えば、シリコーン系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル−シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等のコア−シェル構造を有するゴム粒子等が挙げられる。これら可とう剤の1種を単独で用いても2種以上を組み合わせてもよい。
(着色剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物には、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤をさらに配合しても良い。
(エポキシ樹脂組成物の調製)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できる。一般的な手法としては、所定の配合量の成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、例えば、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め70〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練、冷却し、粉砕するなどの方法で得ることができる。エポキシ樹脂組成物は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化すると取り扱いが容易である。
(電子部品装置)
本発明による電子部品装置は、本発明のエポキシ樹脂組成物によって封止した素子を備える。電子部品装置としては、例えば、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載したものが挙げられ、それら素子部を本発明のエポキシ樹脂組成物で封止したものが挙げられる。より具体的には、例えば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形等によって封止した、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明のエポキシ樹脂組成物で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明のエポキシ樹脂組成物で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明のエポキシ樹脂組成物で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)が挙げられる。また、プリント回路板においても本発明のエポキシ樹脂組成物を有効に使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、電子部品装置を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的ではあるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施
例に限定されるものではない。
〔予備混合物の調製〕
(予備混合物1の調製)
撹拌装置、冷却管を備えた300mlのセパラブルフラスコに、(B)硬化剤としてビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851」)(以下、「硬化剤1」と記す。)21.3g、トリフェニルメタン型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7500」)(以下、「硬化剤2」と記す。)100gを投入し、約160℃で加熱溶融した。そして、完全に溶融してから、(C)シリコーン化合物として、(c1)側鎖型エポキシ変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「FZ−3720」)19.7g、(c2)側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「X−22−4741」)9.9gを投入し、約10分間撹拌した後、テフロン(登録商標)でコーティングした金属製容器上で放冷し、予備混合物1を得た。得られた予備混合物1を用い、規格番号JIS K 7236で規定された指示薬滴定法でエポキシ当量を測定し、前記で得られた予備混合物1の反応率を確認した。この結果、反応率は0%であった。
(予備混合物2の調製)
(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「FZ−3736」)を用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物2を調製し、上述の方法により予備混合物2の反応率を調べた。この結果、予備混合物2の反応率は0%であった。
(予備混合物3の調製)
(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SF8421EG」)を用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物3を調製し、上述の方法により予備混合物3の反応率を調べた。この結果、予備混合物3の反応率は0%であった。
(予備混合物4の調製)
(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−1002」)を用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物4を調製し、上述の方法により予備混合物4の反応率を調べた。この結果、予備混合物4の反応率は0%であった。
(予備混合物5の調製)
(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−760」)を用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物5を調製し、上述の方法により予備混合物5の反応率を調べた。この結果、予備混合物5の反応率は0%であった。
(予備混合物6の調製)
(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物6を調製し、上述の方法により予備混合物6の反応率を調べた。この結果、予備混合物6の反応率は0%であった。
(予備混合物7の調製)
(c1)として側鎖型エポキシ変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SF8413」)、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SF8421EG」)をそれぞれ用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物7を調製し、上述の方法により予備混合物7の反応率を調べた。この結果、予備混合物7の反応率は0%であった。
(予備混合物8の調製)
(c1)として側鎖型エポキシ変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SF8413」)、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物8を調製し、上述の方法により予備混合物8の反応率を調べた。この結果、予備混合物8の反応率は0%であった。
(予備混合物9の調製)
(c1)として両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SF8421EG」)を用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物9を調製し、上述の方法により予備混合物9の反応率を調べた。この結果、予備混合物9の反応率は0%であった。
(予備混合物10の調製)
(c1)として両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物10を調製し、上述の方法により予備混合物10の反応率を調べた。この結果、予備混合物10の反応率は0%であった。
(予備混合物11の調製)
(c1)として両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)を19.7g、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を19.7g用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物11を調製し、上述の方法により予備混合物11の反応率を調べた。この結果、予備混合物11の反応率は0%であった。
(予備混合物12の調製)
(B)硬化剤として硬化剤2単独を80g、(c1)として両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)を40g、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を20g用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物12を調製し、上述の方法により予備混合物12の反応率を調べた。この結果、予備混合物12の反応率は0%であった。
(予備混合物13の調製)
撹拌装置、冷却管を備えた3000mlのセパラブルフラスコに、(B)硬化剤として硬化剤1を1334g、硬化剤2を650g、(c1)として両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)を266g、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を133g用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物13を調製し、上述の方法により予備混合物13の反応率を調べた。この結果、予備混合物13の反応率は0%であった。
(予備混合物14の調製)
撹拌装置、冷却管を備えた300mlのセパラブルフラスコに、(B)硬化剤として硬化剤2単独で70gを投入し、約160℃で加熱溶融した。そして、完全に溶融してから、(C)シリコーン化合物として、(c1)として両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)を35g、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を35gを投入し、約10分間撹拌した後、テフロン(登録商標)でコーティングした金属製容器上で放冷し、予備混合物14を得た。上述の方法により予備混合物14の反応率を調べた結果、予備混合物14の反応率は0%であった。
(予備混合物15の調製)
撹拌装置、冷却管を備えた3000mlのセパラブルフラスコに、(B)硬化剤として硬化剤1を1231g、硬化剤2を600g、(c1)として両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)を246g、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を246g用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物15を調製し、上述の方法により予備混合物15の反応率を調べた。この結果、予備混合物15の反応率は0%であった。
(予備混合物16の調製)
撹拌装置、冷却管を備えた300mlのセパラブルフラスコに、(B)硬化剤として硬化剤2を150g投入し、約160℃で加熱溶融した。完全に溶融してから、前記(C)シリコーン化合物として(c1)両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)75g、(c2)側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)75g投入し、160℃で約240分間撹拌した後、テフロン(登録商標)でコーティングした金属製容器上で放冷し、予備混合物16を得た。そして、上述の方法により予備混合物16の反応率を調べた。
得られた予備混合物16の反応率は58%であった。
(予備混合物17の調製)
(B)硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名「HP−850N」)(以下、「硬化剤3」と記す。)88g、(c1)として両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)を35g、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を18g用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物17を調製し、上述の方法により予備混合物17の反応率を調べた。この結果、予備混合物17の反応率は0%であった。
(予備混合物18の調製)
(B)硬化剤として硬化剤3を70g、(c1)として両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)を35g、(c2)として側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)を35g用いた以外は、前記予備混合物1と同様にして、予備混合物18を調製し、上述の方法により予備混合物18の反応率を調べた。この結果、予備混合物18の反応率は0%であった。
(予備混合物19の調製)
撹拌装置、冷却管を備えた300mlのセパラブルフラスコに、(B)硬化剤として硬化剤2を150gを投入し、約160℃で加熱溶融した。完全に溶融してから、(C)シリコーン化合物として(c1)両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)75g、(c2)側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)75g投入し、160℃で約360分間撹拌した後、テフロン(登録商標)でコーティングした金属製容器上で放冷し、予備混合物19を得た。そして、上述の方法により予備混合物19の反応率を調べた。得られた予備混合物19の反応率は72%であった。
(予備混合物20の調製)
撹拌装置、冷却管を備えた300mlのセパラブルフラスコに、(B)硬化剤として硬化剤2を150gを投入し、約160℃で加熱溶融した。完全に溶融してから、(C)シリコーン化合物として(c1)両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)75g、(c2)側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)75g、触媒としてトリブチルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加反応物を1.8g投入し、160℃で約120分間撹拌した後、テフロン(登録商標)でコーティングした金属製容器上で放冷し、予備混合物20を得た。そして、上述の方法により予備混合物20の反応率を調べた。得られた予備混合物20の反応率は99%であった。
〔エポキシ樹脂組成物の作製及び特性評価〕
(実施例1〜18、比較例1〜21)
下記の成分をそれぞれ表1〜4に示す配合組成によって配合し、混練温度80℃、混練時間15分の条件でロール混練を行うことによって、それぞれ実施例1〜18及び比較例1〜21のエポキシ樹脂組成物を得た。尚、表1〜4中の各組成は質量部で示した。また、表1〜4中、空欄は無配合であることを表す。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂1:エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「YX−4000H」)
エポキシ樹脂2:エポキシ当量241、融点89℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂との混合物(三菱化学株式会社製、商品名「CER−3000L」)
(B)硬化剤
硬化剤1:水酸基当量199、軟化点89℃のビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851」)
硬化剤2:水酸基当量104、軟化点83℃のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7500」)
硬化剤3:水酸基当量106、軟化点82℃のノボラック型フェノール樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名「HP−850N」)
(C)シリコーン化合物
シリコーン化合物1:25℃における動粘度700mm/s、エポキシ当量1200、数平均分子量Mn7619の側鎖型エポキシ変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「FZ−3720」)
シリコーン化合物2:25℃における動粘度18000mm/s、エポキシ当量3800、数平均分子量Mn3975の側鎖型エポキシ変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SF8413」)
シリコーン化合物3:25℃における動粘度15mm/s、エポキシ当量490、数平均分子量Mn1106の両末端型エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−105」)
シリコーン化合物4:25℃における動粘度350mm/s、エポキシ当量2500、数平均分子量Mn1997の側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「X−22−4741」)
シリコーン化合物5:25℃における動粘度2200mm/s、エポキシ当量5000、数平均分子量Mn9028の側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「FZ−3736」)
シリコーン化合物6:25℃における動粘度3000mm/s、エポキシ当量9000、数平均分子量Mn7760の側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SF8421EG」)
シリコーン化合物7:25℃における動粘度4500mm/s、エポキシ当量4300、数平均分子量Mn10939の側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−1002」)
シリコーン化合物8:25℃における動粘度5500mm/s、エポキシ当量2100、数平均分子量Mn16030の側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−760」)
シリコーン化合物9:25℃における動粘度3000mm/s、エポキシ当量2500、数平均分子量Mn10676の側鎖型エポキシ−ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「BY16−876」)
シリコーン化合物10:25℃における動粘度100mm/s、数平均分子量Mn4071のジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF96−100CS」)
前記で用いた数平均分子量Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られる。約1mgの化合物を約1mlのテトラヒドロフラン又はトルエンに溶かして溶液とし、GPCとしてポンプ(株式会社日立製作所製L−6200型)、カラム(東ソー株式会社製TSKgel―G2000HXL及びTSKgel−G1000HXL)、検出器(株式会社日立製作所製L−3300RI型)を用いて、テトラヒドロフラン又はトルエンを溶離液として温度30℃、流量1.0ml/minの条件で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて算出した。
(D)無機充填剤
溶融シリカ:平均粒径17.5μm、比表面積3.8m/gの球状溶融シリカ
(E)硬化促進剤
トリブチルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加反応物
(その他の各種添加剤)
カップリング剤:エポキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「MA−100」)
離型剤:カルナバワックス(株式会社セラリカNODA製)
次に、実施例1〜18及び比較例1〜21によって得たそれぞれのエポキシ樹脂組成物を、以下に示す各試験によって評価した。評価結果を表1〜4に示す。なお、エポキシ樹脂組成物の成形は、トランスファー成形機を用い、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。また、後硬化は175℃で6時間行った。
(1)スパイラルフロー
エポキシ樹脂組成物を前記条件でEMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて成型し、流動距離(cm)を求めた。
(2)円板フロー
200mm(W)×200mm(D)×25mm(H)の上型と200mm(W)×200mm(D)×15mm(H)の下型を有する円板フロー測定用平板金型を用いて、上皿天秤にて秤量した封止用エポキシ樹脂組成物5gを、180℃に加熱した下型の中心部にのせ、5秒後に、180℃に加熱した上型を閉じて、荷重78N、硬化時間90秒の条件で圧縮成形し、ノギスで成形品の長径(mm)及び短径(mm)を測定して、その平均値(mm)を円板フローとした。
(3)曲げ弾性率
A&D社製テンシロンを用い、JIS−K−6911に準拠した3点支持型曲げ試験を室温(25℃)にて行い、弾性率を求めた。なお、測定は寸法70mm×10mm×3mmの試験片を用いた。
(4)成型収縮率
JIS−K−6911に準拠した試験方法に従い測定した。
本発明による予備混合物を含有する実施例1〜18はいずれも流動性、低応力性及び寸法安定性に優れている。これに対して、(C)シリコーン化合物を含まない比較例1、16及び21は低応力性及び寸法安定性に劣っており、前記(c1)で示されるエポキシ基を有するシリコーン化合物のみを用いた比較例2〜4及び17は流動性及び寸法安定性に劣っており、前記(c2)で示されるエポキシ基とポリアルキレンエーテル基を有するシリコーン化合物のみを用いた比較例5〜10及び18は低応力性及び/又は寸法安定性に劣っており、エポキシ基を有さないシリコーン化合物を用いた比較例13は低応力性及び寸法安定性に劣っており、エポキシ基を有さないシリコーン化合物と前記(c2)で示されるシリコーン化合物を用いた比較例14及び15は低応力性に劣っていた。また、(B)硬化剤と前記(c1)で示されるシリコーン化合物及び前記(c2)で示されるシリコーン化合物とを予備混合せずにそのまま配合した比較例11及び12は流動性に劣っており、予備混合の際に混融時間を長くし反応率を高くした比較例19(反応率;72%)及び予備混合の際に触媒を添加し反応率を高くした比較例20(反応率;99%)は流動性に劣っている。
よって、本発明による、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との予備混合物を含有するエポキシ樹脂組成物は、流動性、低応力性及び寸法安定性に優れたエポキシ樹脂組成物を与えることが明らかとなった。

Claims (16)

  1. (A)エポキシ樹脂と、
    (B)硬化剤、及び(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物(但し、ポリアルキレンエーテル基を有するものを除く)と(c2)エポキシ基及びポリアルキレンエーテル基を有するシリコーン化合物との両方を含む(C)シリコーン化合物の予備混合物と、
    を含有し、
    前記(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物が、下記一般式(I−1)で示されるシリコーン化合物を含むエポキシ樹脂組成物。

    (前記一般式(I−1)中、lは1以上の整数を表す。また、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜18の置換又は非置換の1価の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立に、エポキシ基を有する1価の有機基を表し、前記エポキシ基を有する1価の有機基は、下記一般式(I−4)、(I−5)及び(I−6)から選ばれる少なくとも1種の有機基を含む。

    (前記一般式(I−4)、(I−5)又は(I−6)中、R は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の2価の炭化水素基を表す。)
  2. 前記(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物が、下記一般式(I−2)で示されるシリコーン化合物をさらに含む請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。


    (前記一般式(I−2)中、mは0又は1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。また、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜18の置換又は非置換の1価の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立に、エポキシ基を有する1価の有機基を表す。)
  3. 前記(c2)エポキシ基とポリアルキレンエーテル基とを有するシリコーン化合物が下記一般式(I−3)で示されるシリコーン化合物である請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。


    (前記一般式(I−3)中、pは0又は1以上の整数を表し、qは1以上の整数を表し、rは1以上の整数を表す。また、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜18の1価の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立に、エポキシ基を有する1価の有機基を表し、前記エポキシ基を有する1価の有機基は、前記一般式(I−4)、(I−5)及び(I−6)から選ばれる少なくとも1種の有機基を含み、は、それぞれ独立に、ポリアルキレンエーテル基を有する1価の有機基を表す。)
  4. 前記予備混合物が、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との反応率70%以下の反応生成物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記予備混合物が、前記(B)硬化剤と前記(C)シリコーン化合物との反応率60%以下の反応生成物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記(C)シリコーン化合物の全質量中に前記(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物を30質量%以上含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記(C)シリコーン化合物の全質量中に前記(c2)エポキシ基とポリアルキレンエーテル基とを有するシリコーン化合物を20質量%以上含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対する前記(C)シリコーン化合物の総含有率が1質量部〜50質量部である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 前記(c1)エポキシ基を有するシリコーン化合物の数平均分子量Mnが300〜50000である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 前記(c2)エポキシ基とポリアルキレンエーテル基とを有するシリコーン化合物の数平均分子量Mnが1000〜30000である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. 前記(B)硬化剤が多官能フェノール化合物である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  12. さらに(D)無機充填剤を含有する請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  13. さらに(E)硬化促進剤を含有する請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  14. 前記(A)エポキシ樹脂が、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、及びアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  15. (B)硬化剤が、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂及び共重合型フェノールアラルキル樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物によって封止された素子を備える電子部品装置。
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