JP6171936B2 - 自動二輪車のブレーキディスクロータ - Google Patents

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Description

特許請求する本発明は、自動二輪車のブレーキディスクロータに関する。
自動二輪車を制動する際は、負荷の大部分(最大75%以上)が前輪に印加され、その結果、前輪ブレーキには、後輪ブレーキよりも遙かに大きい負荷がかかることが知られている。そのため、フロントブレーキディスクは、制動過程でリアブレーキディスクよりも大幅に加熱され、現代の自動二輪車のフロントブレーキディスクの構造とリアブレーキディスクの構造に差があるのは、このような理由からである。
フロントブレーキディスクは、外径がリアブレーキディスクよりも大きく(300〜330mm)、一般に、幅が約35mmで厚みが4から7mm(通常4.5〜6mm)であるロータであって、このロータの面にブレーキパッドからの制動力が直接印加されるロータ、およびブレーキディスクを前輪に固定するのに使用されるアルミニウム製キャリア(「スパイダー」)で構成される。自動二輪車のブレーキディスクロータの材料には、安定性があり、広範囲にわたる温度でのパッドの摩擦係数が比較的高く(一般に0.3以上)、摩耗が最小であり、剛性が高く、耐食性があるという要件が適用され、このような材料として、通常マルテンサイトクラスのステンレス鋼(ロシアの20X13タイプのものまたは米国のAISIによるSteel 420)が最も多く使用される。フロントブレーキディスクのアルミニウム製キャリア(「スパイダー」)は、剛性連結材によってロータに接合され、これによってブレーキディスク全体が剛性構造になるか、あるいはいわゆる「フローティング」型ディスクを使用して、これによってハブが特殊なブッシュを介してロータに接合される。後者の場合、鋼鉄製ロータは、制動過程で著しく加熱され(最大500°C以上)、加熱によって膨張するが、事実上それ自体は変形せず、アルミニウム製キャリアを変形させることもなく、ロータの平坦な形は、「フローティング接触」状態で動くことによって維持され、この接触は制動過程で主要な重要事項である。
自動二輪車のフロントブレーキディスクにこのような複合構造を使用することで、ブレーキディスクを軽量化できるだけでなく、フローティング接触を介して制動過程で加熱されたロータからの熱伝達が著しく少なくなるために、ブレーキディスクのキャリア(およびホイール自体)の加熱を低減することもできる。
自動二輪車のリアブレーキディスクのロータにかかる熱負荷は、これよりも遙かに低い。その結果、リアブレーキディスクは、サイズがより小さく(外径は、一般に、220〜230mm以下)、実際には厚み範囲が4から7mm(このましくは約5mm)である単一の鋼鉄製ロータであり、このロータに取り付け孔を設けてロータを後輪に固定する。
多くの生産者は、主動作素子としてブレーキディスクロータを備えた自動二輪車のフロントブレーキディスクおよびリアブレーキディスクを製造している。全体的に、ブレーキディスクの設計のいくつかの部材を除いて、自動二輪車の前輪および後輪のロータは、上記のものと同じである。特に、図1は、自動二輪車の前輪および後輪用のブレーキディスクおよびロータの例を示し、このロータは、Spacek Product社(チェコ共和国、ウェブサイト:www.goldfren.com)が生産している。軸方向(ロータの摩擦面に対して横断方向)に設けられる通しスロット(孔)および/または一般に径方向に設けられるロータ摩擦面上の横断溝が使用されることも注意されたく、これらは、粉塵およびパッド腐食生成物を取り除くために使用される。このような孔(溝)のエッジは、粉塵を除去する箇所であり、押圧されたパッドから出る粉塵を排除して外部に排出するように作用する。スロット(孔)または溝の特殊な形状は、様々であってよく、ロータに要求される十分な強さおよび剛性ならびにロータの設計の視覚的美点の局面によって決まる。
そのため、自動二輪車のブレーキディスクの公知のロータは、両側の環状摩擦面ならびに径方向外側面および径方向内側面を有する環状体である。平坦な摩擦面同士の間の距離(すなわち、ロータの厚み)は、4〜7mm、好ましくは5〜6mmであり、径方向外側面と径方向内側面との間の距離(すなわち、ロータの幅)は、通常ブレーキパッドの幅と同じで、およそ25〜35mmであり、周方向に変動してよい(図1を参照)。一般に、ロータ軸方向の複数の通しスロットおよび/または径方向の溝は、ロータに設けられるが、いずれにしても自動二輪車のブレーキディスクロータは、1つのブランクで作製される一体品である。ほとんどの場合、このブランクは、耐熱ステンレス鋼シートであり、セラミック(複合)ロータが使用される場合もある。
従来の技術対策は、自動二輪車のブレーキディスクロータ(および全体的にブレーキディスク)の重量を、制動性能を損失することなくある程度まで軽減できるものだが、ロータの重量およびロータの慣性モーメントは、相当大きいままであり、とりわけロータは自動二輪車のバネのない構成部品につながっているという点から、軽量化は特に重要である。ロータの重量および慣性モーメントは、自動二輪車の運動性および操縦性に著しい影響を及ぼし(例えば、ホイール軸が回転する角速度は、自動二輪車の回転スピードとも関係があり、ホイールの慣性モーメントに左右される)、燃費にも影響を及ぼすため、ロータの軽量化は、極めて重要である。
従来のロータの重大な欠点は、とりわけスポーツイベント中および高温の気象で激しく制動する場合に、ロータが著しく加熱される点である。ブレーキ液のオーバーヒートを防止することを目的に(このようなオーバーヒートは、ブレーキの破損を招くおそれがあるため)、ロータの重量および寸法を増大させる必要がある。寸法すなわちブレーキディスクロータの面積を増大させると、ロータの冷却率が上昇するが、事実上固定されたロータの厚みおよび幅のため、ロータの半径の3乗に比例する慣性モーメントが急速に増大する。
流入空気流が、従来のブレーキディスクロータを層流モードで冷却する。実際、ロータの周囲を流れる空気のレイノルズ数Reは、式Re=(V×L)/vによって算出され、式中Vは流入空気流の速度であり、Lはロータのリング幅であり、vは空気の動粘性率である。Lはおよそ3cm、vはおよそ2.5×10−5/s(50から350°Cの温度範囲で、動粘性率は1.8×10−5/sから5.5×10−5/sまで上昇)であるため、180km/h(50m/s)のスピードであってもRe<6×10である。しかし、層流はレイノルズ数Re>3×10で乱流になる([1]:Yudin,B.N.「Technical Thermodynamics.Heat Transfer(技術的熱力学。伝熱)」(ロシア語).M.:Higher School Publishers、1988年。第479頁;第276頁).
層流モードでの熱伝達は、比較的非効率である。周囲の流れを乱流モードに変えると、冷却スピードを大幅に増大させることができるが、流入空気流の速度を10倍上昇させる、または事実上ロータの寸法を10倍増大させることは、不可能である。
従来のロータにみられるスロットおよび孔は、ブレーキパッドの動作を改善するものの、外気との熱交換が効果的な領域を縮小するだけであり、空気流を大規模に乱流化するわけではない(この乱流が冷却モードを改善する)。
ロータの寸法および重量を主に決定するのは、ロータの冷却スピードであり、これはつまり、冷却条件がよいほど、ロータの寸法を縮小でき、これに応じて重量およびとりわけブレーキディスクの慣性モーメントも軽減することができる。このほか、良好な冷却により動作中のロータの最大温度を大幅に低下させると(例えば300°Cまで)、ロータに軽量の合金(できればまずブレーキパッドに必要な摩擦係数、および耐摩耗性を提供するのに該当するコーティングを備えたもの)を使用することが可能になり、これは、ブレーキディスクの製造技術が大幅に複雑になることなく、ブレーキディスクの重量を劇的に低減させる一因になる。
ロータが、径方向外側面から径方向内側面へ向かって配設され、ロータの環状体の内部を冷却する役割を果たす内通し冷却管路を有する場合、ブレーキディスクの冷却率の大幅な改善が達成できる。
ロータの内通し冷却管路へ流入する空気との熱交換を前記のように高効率にするためには、相当高速で回転する部分にこのような管路を作製することが本質的に重要である。なぜなら、断面と長さがほぼ同じである通し管路(管路の長さと最小の横断方向サイズの比率が10対15)が不動である場合は、空気流に乱気流が起こらず、熱除去が非効率になるからである([1];第294頁)。
実際、流入空気流のスピードがVで、管路の流れに沿った長さ(すなわち、実際にはロータ幅)がLの場合、特定の空気量が管路内に入っている間の特性時間は、T≒L/Vである。ロータが自らの回転によって管路の長さに沿って移動する時間は、τ〜Δ/Vであり、式中:δは、管路の代表横断サイズ(周方向の管路の「幅」であり、管路は可変的な幅を有することができる)であり;Vは、ロータの平均周スピードである。平均半径に比して幅が比較的短い環状である実際のロータで、このロータがホイールと一緒に回転する場合、Vに対して次の関係が正しく:V≒V・(R/R)、式中RおよびRは、それぞれロータの平均半径および自動二輪車のタイヤの半径である。管路を通る空気流と管路の側壁とが衝突する条件には、τ<Тという自明の形があり、この式を用いることで、ロータの管路の以下のパラメータに対する条件を見出すことが可能になる:
δ<L(R/R) (1)
相当高水準である現代の自動二輪車のフロントブレーキディスクのロータの場合、関係R/Rは約0.45(Rは〜155mm、Rは〜330mm)、平均ロータ幅Lは約30〜35mmであり、関係(1)からδ<15mmを見出すことができる。後輪のブレーキディスクのロータの場合、関係R/Rはさらに小さく、約0.35に等しく、ここから、同じ平均ロータ幅で管路の横断サイズに対する条件δ<10〜11mmが得られる。
管路の横断幅が最適な(以下も参照)75mmであれば、式で表した条件(1)は、2倍のマージンを満たしており、「垂直」な管路壁と衝突する可能性があっても、内通し冷却管路内での流れの乱流化が増大するだけである。
内通し冷却管路の立体形状パラメータは、自動二輪車のブレーキディスクロータの動作条件によって算出され、第一に、これらの管路の垂直壁の局所的な剛性が十分であるという要件(管路の垂直壁の厚みは、「管路の上にある」中実材料層の厚みであり、この層が、作用を受ける摩擦面、すなわちブレーキパッドで押圧されるロータ摩擦面と隣接する)、およびその時点の寸法でのロータ全体の堅固に対する要件(上記ですでに述べたように、自動二輪車の前輪のブレーキディスクロータの直径は約320mmであり、厚みは約5〜6mmの範囲内である)、ならびにロータ重量を低減するという便宜性によって算出される。その結果、内通し冷却管路の潜在的なパラメータの範囲は、この管路を作製する特定の変形例とは無関係に制限される。
そのため、ブレーキパッドによって圧力がかかっている状態で起こる内通し冷却管路の垂直壁の歪曲は、管路幅の4乗に正比例して増大し、垂直壁の厚みの3乗に反比例する。その結果、このような管路の垂直壁の最小の厚みは、≒1mmであり、この厚みによって管路の最大の高さが5mmに決定され(ロータ全体の厚みが7mmの場合)、現在多く流通している厚みがおよそ5mmのロータに対する最適な管路の高さは、2〜3mmである。同じように、ロータの局所的な剛性(「内通し冷却管路の上」の領域の剛性)を相当高くするためには、これらの管路の幅を3から8mmの範囲内にすることが好ましい。このような場合、ロータ内の内冷却管路の数は、60〜100である。
管路の幅と管路壁の幅との関係または、これと同じである、隣り合う内通し冷却管路の軸間の距離の、管路の代表幅に対する比は(管路の形状は通常の管路とは異なることがあるため)、一方では、実際に摩擦力を起こす面積が相当大きいという条件によって決まる。他方で、管路幅が、隣り合う管路の軸間の距離に比して短ければ、最大の効率での熱除去量が減少するとともに、ロータ重量がわずかに変化する。これらの2つの相反する要素が一緒に作用することで、内通し冷却管路の軸間の距離の、管路幅に対する比が4を超えない、好ましくは2を超えないという条件に至る。
内通し冷却管路の最小幅は、好ましくは、約1mmであり、以下の2つの要素:
− 技術的要素:管路幅がより短く、この幅とこのように隣り合う管路の軸間の距離が最適な関係であるとき、ロータの管路数が多くなりすぎる;そのため、管路の軸間の距離が2mmのとき、前輪のブレーキディスクロータ内の管路数は、400を超える;
− 動作的要素:断面が小さい管路は、粉塵および汚染物で詰まりやすく、必要なときに清掃するのがより困難である。
によって決まる。
同じように、管路の最小の高さは、動作上の理由および内通し冷却管路内の熱除去率の低下(このような管路をロータ内で共有すると、断面がわずかになるため)ならびに、事実上、ロータ重量の維持によって決まり;内通し冷却管路の高さは、少なくとも1mmであることが好ましい。
そのため、管路全体の厚みを維持した(またはわずかに変更した)内通し冷却管路を有するベンチレーテッド型ロータに対し、重量および慣性モーメントの大幅な軽減を実現するためには、このようなロータの代表幅が約3〜6mmであり、高さが2〜3mmであるこのような管路を約50〜80本作製することが得策である。管路の高さをさらに高くすると、ロータ全体の厚み(高さ)が必ず増すことになり、これは原則として可能であるが、現在使用しているブレーキ系の支持体を変更する(現代風にする)ことが求められる。
内通し冷却管路を有するブレーキディスクロータの様々な実施形態が、以下の特許文献で提供されており([2]:仏国特許第2927389号;[3]:欧州特許第1016803号)、特許文献[2]は、自動二輪車および自動車のブレーキディスクロータに関するものであり、特許文献[3]は、自転車のブレーキディスクロータに関するものである。
高さが2.5〜3mm以下(ロータ全体の厚みがおよそ5mmの場合)で長さがおよそ30mm(ロータ幅に相当)であるこのような管路を、完成品が手頃な価格でありながら、1つのロータ内の管路数がおよそ60本以上でなければならないということが条件である一体品に作製することは、技術的に非現実的に思われるため、特許文献[2]、[3]では、別々に製造したブレーキディスクロータ(またはブレーキディスク全体)の構成部品を作製することが提案されている。
特許文献[2]では、内通し冷却管路を有するブレーキディスクが提供され、このブレーキディスクでは、2つの環状の摩擦面が、スペーサを介して互いに距離を保った2つの平行な鋼鉄プレートの外面になっており、このスペーサは、プレートの内側に溶接され、これによってロータ素子の互いに対する剛性接合が確実になっている。特に、このようなスペーサは、本質的に径方向に配置される、断面が長方形のロッドとすることができ([2]の図15)、この実施形態では、ロータの径方向外側面から径方向内側面へ向かう内通し冷却管路のみが形成される。
提供されているロータの実施形態では、ロータの冷却が著しく改善されているが、構成素子数が多いために製造可能性が極めて低く、組み立てが困難であり、事実上ロータ重量の軽減は確実ではない。実際、制動過程でロータの外層に求められる剛性を少数のスペーサを用いて提供するためには、前記外層の厚み、およびそれに伴いロータ重量(中実ロータの重量を超えてもよい)を大幅に増大する必要があり、相当薄い摩擦層であれば、多数のスペーサ用ロッド(長さ約30mm、断面約4×2.5mmのロッドを約70本以上)を使用する必要があり、これは、技術的観点からすると極めて非現実的である。
実際、[2]によるロータを作製する場合、第一に、スペーサ用のロッドすべて(約70本も)を、2つの鋼鉄プレートの一方(第1)の内側に正確に配置して、全スペーサをこのプレートに溶接する必要がある一方で、金属がスペーサの反対側に飛散したり押し出されたりしないようにしてから、このスペーサに第2の鋼鉄プレートの内側を溶接していく。金属の飛散または押し出された金属があると、(第2のプレートを溶接した後に)プレートが相互に傾斜し、局所的に応力を集中させる物ができる原因となる。傾斜は、一体品として溶接されたロータをグライディングまたはミリングで補正できる可能性があるが、応力を集中させる物が出現すると除去できない。したがって、他の操作は別として、溶接の第1段階の後は、溶接したスペーサのない面になるよう制御してさらに処理することが求められ、多数の素子を組み立てて正確に位置決めすることは、明らかに[2]によるロータの製造も複雑にすることである。
特許文献[3]では、内通し冷却管路を有する、自転車用のベンチレーテッド型ブレーキディスクの作製方法が提供され、この方法では、1つの作業で変形により作製される波形プレートが、ロータの外側平坦層の間のスペーサとして使用され、この波形プレートには、周に沿って凸部と凹部が交互に配列される。この提供されたロータの3つの素子(層)はすべて、ステンレス鋼で作製され、ロータの構成部品の剛性接合は、外側プレートとスペーサとの接触領域にニッケル用接着ペーストを使用することで行われ、これに続いて組み立て体全体が、オーステナイト変態する転移温度を上回る温度になるまで加熱される。
このロータ内の内通し冷却管路の側壁は、凸部および凹部が接合する波形中間層の傾斜領域であり、その他の2つの(垂直な)(ロータの厚みまたは軸に沿った)管路壁は、一方の側では中間層の(ロータに対する)内面であり、もう一方の側では外層の内面である。これはつまり、一方の側の管路の垂直壁の厚みは、外側プレートの厚みに等しく、もう一方の側の管路壁の厚みは、外層の厚みと波形中間層が作製されるプレートの厚みとの和に等しい。
ベンチレーテッド型ロータに関するこの実施形態では、内通し冷却管路の高さは、以下の関係によって算出され、
h=Н−d、 (2)
式中:Нは波形部の高さ、dは波形スペーサが作製されるプレートの厚みである。[3]に記載のロータの場合、Н=3.2mm、d=0.6mmおよび管路の高さは2.6mmであり、波形中間層の側壁の高さ(長さ)は、おおよそ同じである。提供されているロータの実施形態は、ロータの組み立てを著しく簡易にするものであるが、冷却方式が改善されているにも関わらず、自転車向けであってもロータ全体の重量を軽減できていない(下記を参照)。特に、[3]の発明者らは、外層を厚み0.8mmのプレートで形成したベンチレーテッド型ロータを記載しており、波形スペーサは、厚み0.6mmのプレートで作製されている。波形スペーサの全体面積は、[3]のスペーサ形状についての説明からわかるように、外層の面積よりも遙かに大きいため、このロータの重量は、厚みが2.2mmである同様の中実ロータの重量を故意に超えている。同時に、現代のベンチレーテッド型ではないブレーキディスクの厚みは、通常1.8〜2.2mmである。これに応じて、ロータ重量が大きいほど、内冷却管路がなくとも制動中のロータの加熱は自動的に低くなる。
その上、提供されているベンチレーテッド型ブレーキディスクロータの方が遙かに大きい寸法である;そのため、[3]で提供されているロータの全体の厚みは、4.8mmであり、これは、標準のブレーキディスクの厚みのおよそ2.4倍である。
さらに、提供されているベンチレーテッド型ロータの実施形態では、剛性(局所的なものを含む)は、事実上波形中間層の堅固によって決まり、何よりもまず波形自体の高さおよび波形の側壁の厚みによって決まることを計算に入れなければならない。これに応じて、この公知の技術対策を自動二輪車用のブレーキディスクロータに使用すれば、波形中間層の剛性は何倍にも増大するはずである。なぜなら、ブレーキパッドがロータ摩擦面にかける圧力は、自転車よりも自動二輪車を制動する過程の方が遙かに大きいからである。このほか、パッドの接線応力によってかかる圧力が大きくなると、中間層が外層に接合している点でも圧力が増大し(パッドの摩擦面に対する摩擦によって起こる応力は別)、これによって組み立て構造の寿命が短縮する。
そのため、中間層の形成に使用するソースプレートの厚みを増大させると、周に沿って波形の構造を作製することは極めて困難である。計算により、自動二輪車用のブレーキディスクロータにおける波形構造の傾斜(側面)部分の厚みは、少なくとも約1.6mmでなければならないことがわかる。このような場合、内冷却管路の高さを2mmにするためには、波形全体の高さをН>3.6mmにする必要がある。このような部分を作製することは、相当厚いソースプレートに対しては技術的に極めて困難な仕事であり、とりわけ管路の可塑特性の異方性、および管路の軸からの距離が異なる点ではプレートの変形度が異なるという観点から困難であり、断面が複雑な管路を有するロータを形成するために変形した波形構造を作製することは、事実上非現実的である。ロータの外層の厚みが>1.4mmであれば(自動二輪車の場合)、ロータ全体の厚みは>6mm(>6.4mm)になり、これは現代のベンチレーテッド型ではないロータの寸法を大幅に上回り、公知のベンチレーテッド型ロータの重量は、高質な標準ロータの重量以上である。
その上、公知のロータの両面領域に起こる局所的な加熱は、両摩擦面に事実上ほぼ同じ熱解放が起こり、金属が加熱されてロータの厚みに多くの差が出るため、とりわけ初期の制動段階で著しく異なり、これによって、欧州特許第1016803号明細書で提供されているベンチレーテッド型ロータには、さらに熱応力がかかり、立体形状の変化(ゆがみ)が起こる。
このように、内通し冷却管路を備える公知のベンチレーテッド型ブレーキロータは、製造不可能であり、自動二輪車のブレーキディスクロータ重量軽減を保証するものではない。
仏国特許第2927389号 欧州特許第1016803号
Yudin,B.N.「Technical Thermodynamics.Heat Transfer(技術的熱力学。伝熱)」(ロシア語).M.:Higher School Publishers、1988年。第479頁;第276頁 Zhukauskas,A.A.「ConvectiveTransferinHeat−Exchangers(熱交換器に起こる対流伝熱)。M.:Nauka出版社、1982年、第472頁;第163頁) Leontiev,A.I.,Olimpiev,V.V.「Influence of Heat Transfer Intensifiers on Thermal−Hydraulic Properties of Channels(管路の熱水力特性に及ぶ伝熱増強装置の影響)」;Thermal Physics of High Temperatures(高温の熱物理学)」、第45巻、第6号、2007年、第925〜953頁;第926頁、927頁)
特許請求する本発明の技術的効果は、内通し冷却管路を備えるベンチレーテッド型ロータの製造可能性が向上するとともに、ロータ重量および慣性モーメントが軽減される上に、ロータの冷却スピードが増大することである。
この技術的効果は、自動二輪車のブレーキディスクロータであって、対面する環状の摩擦面、径方向外側面および径方向内側面、径方向外側面から径方向内側面へ延びる環状体を内面で冷却するための内通し冷却管路を有する環状体であり、この環状体は、少なくとも2層で作製され、環状体の前記少なくとも2層は、互いに堅固に接合され、この2層の各層は、完全部品としてあらかじめ別々に作製された部材であり、環状の摩擦面は、少なくとも部分的に、環状体外層の外側に面する側を形成するのに対し、環状体外層の内側に面する側は、隣接層に直接接触する領域および隣接層とは接触しない領域を有し、前記隣接層と直接接触する外層領域は、層の前記剛性接合に対して働き、各々の内通し冷却管路は、少なくとも部分的に、一方の外層の隣接層とは接触しない領域、およびもう一方の外層の隣接層とは接触しない領域によって形成される、ブレーキディスクロータを提供することによって達成される。
特許請求する技術対策によれば、内冷却管路の垂直壁は、ロータの外層であり、内冷却管路の側壁は、ロータの外層の傾斜領域(これは、ブレーキロータが2層だけで構成され、この2層が互い隣接している場合のみの可能性である)、または隣接層とは接触しない平坦中間層にある通しスロットの側壁のいずれか、および、提供された場合は、外層の傾斜領域である。そのため、以下に詳述する好適な実施形態では、ベンチレーテッド型ブレーキロータは、2つまたは3つの素子、すなわち2つの外層および、可能ならば1つの平坦中間層で構成され、この平坦中間層によって、中間層が他の形状(平坦ではない)である場合よりもディスクの局所的な剛性が最大になるとともに、ロータの中心面に対してロータが対称になる。
内通し冷却管路の得策な立体形状パラメータは、この技術対策向けのパラメータを含めて上記に記載している。特許請求する本発明によれば、内通し冷却管路は、直線状に作製されることができ、ロータの径方向外側面から径方向内側面へ本質的に径方向に延びることができる。しかしながら、本発明の好適な実施形態では、管路方向は、径方向とは異なっていてもよい。熱交換をさらに向上させることを目的に、内通し冷却管路の軸は、ロータの回転軸からこれに対応する管路軸の点へ向かう半径ベクトルに、ある角度をもって向けられることができ、これによって、管路の効果的な長さが実際に長くなると同時に、流入空気流との熱交換が増大することにつながる。管路は、非直線状に作製されることができ、例えば、ロータの回転軸までの距離に比例してロータの周速度が変動することを計算に入れて、湾曲していてもよい;内通し冷却管路が湾曲状に作製される場合、この管路の長さはさらに長くなる。その上、管路の断面(横断寸法)は、周期的な変化を含めて、管路の長さに応じて様々であってよい。
特許請求する技術対策の一実施形態によれば、ロータは、1つの部品としてあらかじめ別々に作製された2つの部材(層)で構成され、各々の部材は外層であり、この2つの外層は、互いに隣接する層であり、したがって、内冷却管路は、隣接層とは接触しない2層からなるこのような領域で完全に形成される。
自動二輪車のブレーキディスク用のこのようなロータの可能な実施形態によれば、2つの外層のうちの少なくとも1つの外層には、実質的にU字型で径方向外側面から径方向内側面へ延びる素子が使用され、各々の層が、層の一方の側に凹部、層のもう一方の側に凸部を形成し、層の各側にある凹部および凸部は、層の周方向に沿って交互に配列される。前記外層の外側に面する側の凸部すべてが摩擦面を形成し、外層のこの側の凹部すべてが外通し冷却管路を形成して、ロータの環状体の外側を冷却し、この外層の内側に面する側にある凸部すべてが、もう一方の外層と接合するために隣接層と接触する前記面として働き、外層のこの側の凹部すべてが隣接層とは接触しない前記領域として働き、この各々の凹部がもう一方の外層の隣接層とは接触しない領域とそれぞれ一緒になって、各々の内通し冷却管路を形成する。
これ以降、前記層を「実質的にU字型の素子を有する層」と呼ぶ。
ロータの好適な実施形態によれば、もう一方の外層は、前記実質的にU字型の素子を有する層と同一方法で作製され、いずれの外層も互いに対して隣接層を形成し、前記同一層は、好ましくは、隣接層で互いに対面する凹部が互いに一列に配列されて内通し冷却管路を形成し、隣接層で互いに対面する凸部が互いに堅固に接合される。
ロータの前記実施形態によれば、隣接層で互いに対面する凸部の剛性接合は、はんだ付け、接着、溶接(抵抗溶接、特に抵抗スポット溶接など)および力による閉鎖(例えばリベット接合)によって行われることができる。層材料の代表厚みは1.5mmであり、ロータの周方向への摩擦面の代表横断寸法は5〜9mmである(内通し冷却管路の幅は約5mm、高さは約2〜2.5mm、層を堅固に接合する領域の周方向の幅は3.5〜6mm。特許請求する技術対策の筆者が得た数字のシミュレーションおよび結果が示す通り、ブレーキの動作過程で生じるロータの材料への応力は、このような立体寸法で疲労限界を超えることはなく、ブレーキパッドから圧力がかかる方向(すなわち、摩擦面に対して垂直に)への摩擦面の変位は、3〜10ミクロン以下であり、この変位は、ブレーキパッドの弾性によって相殺される。
実質的にU字型の素子を有する層の凸部および凹部の(周方向の)幅、および凸部領域および凹部領域の層材料の厚みは、互いに異なっていてもよく、前記層のパラメータの最適な値は、ブレーキパッドの動作過程で層の摩擦面に起こる許容範囲内の応力レベルおよび変形レベルによって算出される。特に、(全体的にロータの摩擦面を形成する)ロータの外側凸部領域の層材料の厚みは、好ましくは1.3〜1.6mmとすることができ、(全体的に層間の剛性接合を担う)外側の凹部領域の層材料の厚みは、1.1〜1.5mmとすることができ;凸部および凹部の側壁の厚みは、1.2〜1.5mmであり;これ以外の厚みの組み合わせも可能である。同じように、外側凸部の(周方向の)幅は、好ましくは約6mmであり、外側凹部の幅は約4mmであり、凸部および凹部の寸法がこの比率であれば、摩擦面積の占有率は、ブレーキパッド面積の50%を遙かに超え、これによって、ブレーキパッドにかかる負荷が低減される。凸部および凹部の側壁のロータ軸に対する傾斜角度は、好ましくは5〜10°であり、この傾斜角度は、ブレーキシューの圧力がかかった状態で摩擦面に少量の変形が起こり、何よりもまず層の側壁から平坦面にかけての領域にかかる応力を制限するという条件によって算出され;半径が好ましくは0.3〜0.5mmである面取り部をこれらの場所に作ってもよい。側壁の前記傾斜角度は、機械加工(ミリング)、または圧力処理(パンチング)のいずれかによって層を作製するときの最適な角度に近い角度でもある。
層素子の前記パラメータ、何よりもまず摩擦幅および接合面ならびに側壁厚は、周方向に変動してもよい。特に、本発明者らが制動プロセスの数字のシミュレーションによって発見した通り、最大の応力は、ロータがブレーキディスクキャリアに接合している場所(前輪ブレーキロータ用)またはロータを後輪に設置する点(後輪ブレーキロータ用)に近い管路で現れる。前記応力の増大を相殺する目的で、各々の(とりわけ負荷のかかった)凸部および凹部の側壁の厚みを、層の周に応じた平均値に比して好ましくは15〜25%増大してもよい。
ロータの前記実施形態によれば、接合した材料の全体の厚みは、ロータ外側の凹部領域の各層からなる材料の2つの厚みに等しく、好ましくは2.6〜3.2mmである。前記厚み部分の接合は、特に、抵抗スポット溶接などの抵抗溶接によって、効果的かつ生産性の高い状態で作製されることができる。その上、この実施形態で、抵抗(スポット)溶接による層の剛性接合を用いる選択肢には、溶接過程で局所的な加熱を受けるロータ領域がブレーキパッドと接触しない、すなわち摩擦面が熱作用を受けないという利点がある。その上、ロータの接合領域は、摩擦面から離れているため(例えば、ロータ全体の厚みが5.2mmで、接合材全体の厚みが3.0mmの場合、摩擦面までの距離は各側で1.1mmである)、力による閉鎖(リベット)で剛性接合を行うことができる。
実質的にU字型の素子を有する外層を備えたロータの好適な実施形態によれば、好ましくは各々の外通し冷却管路の壁は、展開面で作製され、かつ/または熱交換/伝熱を容易にするコーティングを備える。
前記実施形態は、制動プロセスで加熱されるロータの冷却率をさらに上昇させるものである。この結果は、平滑面の周りを流れる場合に比して、流入空気流で展開(粗)面の熱交換率が上昇することによって達成される([1]の第296頁;[4]:Zhukauskas、A.A.「Convective Transfer in Heat−Exchangers(熱交換器に起こる対流伝熱)。M.:Nauka出版社、1982年、第472頁;第163頁)。これに応じて、各々の外通し冷却管路に展開面を備えることが好ましく(これらの管路の面は、管路の側壁および「底」で構成されている)、この展開面は、様々な方法、例えば、機械加工(特に、鋼線ブラシを用いたもの)、ショットブラスト(割型成形または注型成形で)、サンドブラストなど、または化学的方向(エッチング)によって作製することができる。外通し冷却管路の壁面の好ましい荒さは、20〜100ミクロンであり、この場合の荒さは、熱交換度を決定する境界層プロセスで重要な効果を発揮する。
外通し冷却管路に対する展開面は、組み立てたロータを処理するか、または組み立てる前にロータの構成部品(層)を処理するかのいずれかの方法で作製されることができ、層が例えば接着またははんだ付けによって堅固に接合されている場合は、後者が好ましい。その上、内通し冷却管路の展開面によって、これらの管路内の熱交換率は、さらに上昇する。
展開面を有する外通し冷却管路を作製すると、このような管路の全面積が大きくなるため(換言すれば、最初の「立体」面の単位当たりの伝熱係数が高くなるため)、ロータ全体の冷却率が大幅に上昇する。ロータの好適な実施形態によれば、例えば、フロントブレーキディスクの場合、外通し冷却管路の最初の「立体」面積が(荒さに関係なく)、約300cmであっても、この面積は、従来のロータの面積約600cmに匹敵するものである(平坦な立体形状である従来の一体型ロータの場合、空気との熱交換に必要な面積Sを、式S=2M/ρλに従って推定することができ、式中Мはロータ重量、ρはロータの材料の密度、λは厚みである)。粗面の冷却率は、平滑面の冷却度の1.5〜2倍の高さであるという事実があるため、外通し冷却管路の面を展開することによってのみ、従来の一体型ロータの通常の冷却率に匹敵するロータの冷却率を達成することができる。
本発明による外通し冷却管路の面を展開できるかどうかは、この面がブレーキパッドと接触していないという事実に関係している。なぜなら、パッドとの接触領域は、自動的に平滑になるからである。その上、展開(粗)面は、通常黒度が著しく高く、熱放射によっても冷却される。放射による伝熱は、ロータが大幅に加熱されたときに(500°Cで、黒体の面からの放射力が2W/cmである場合)重要な役割を果たすことができるが、平滑な(研磨された)ステンレス鋼の面の黒度は、ロータが動作する温度では0.25〜0.3を超えることはない。本発明による外通し冷却管路の面をさらに処理して、面の黒度および放射による伝熱を増大させてもよい。面の黒度の増大は、例えば、面の(荒さを出す)無光沢仕上げ、および相当薄いコーティングの塗布(典型的な厚みは数ミクロン)または塗装(例えば、塗料層の厚みが約20〜30ミクロンのときの無光沢塗装)によって達成でき;コーティング、または塗装のいずれかを、平滑面だけでなく粗面にも塗布してもよい。その結果、黒度が1に近い場合は、流入空気流がない状態でも熱放射がある場合(自動二輪車が停止しているとき)に限って、激しく加熱されたロータを1秒当たり最大2度の割合で冷却でき、この割合は対流式冷却に匹敵する可能性がある。
前記ロータの実施形態で、内通し冷却管路および外通し冷却管路、とりわけ展開面を有する外通し冷却管路を両方使用することで、ロータに対して最大の冷却率が確保され、これに応じて、ロータが最低温度に保たれる。加熱の度合いが最小の状態で動作することで、ロータの摩擦面およびブレーキパッドの面にかかる圧力の増大を相殺することができ、この増大は、両者が接触する有効面積の縮小と関係がある。
実質的にU字型の素子を有する層は、例えば、自動二輪車のブレーキディスク用に組み立てたロータの層全体の高さ以上の厚みを有するシート、すなわち、Δ/2以上の厚みを有するシートを機械加工(ミリング)することで作製されることができ、式中Δは、組み立てたロータ全体の厚みである(下記も参照)。その上、前記層は、生産的な形成方法、例えば、ロータを組み立てるために準備した層の材料の厚みとおおまかに一致する厚みである(約1.5mm)薄型シースシートのソートパンチングによって作製されることができ、この形成プロセスでは、高さが好ましくは約1.2mmの凸部および凹部を形成しなければならない(組み立て後の内通し冷却管路の高さを好ましくは2〜2.5mmにするため。
そのため、特許請求する技術対策を用いたロータの一実施形態によれば、このロータは、実質的にU字型の素子を有する2層で構成され、内通し冷却管路の高さは、次式によって算出され:
h=2×(H−d) (3)
式中、符号は式(2)で使用した符号と同じものであり、Δ=2Нである。これはつまり、実質的にU字型の素子を有する層を形成するようになっているソースプレートの厚みが1.5mmである場合、高さ2mmの内冷却管路を得るためには、各外層の全体の高さをН=2.5mmにする必要があるということである。これは事実上、内冷却管路の高さと厚みが同じである自動二輪車のバージョンで公知のロータの実施形態による公知のロータ[3]における中間層の側壁の高さに比して、層の側壁の半分の高さ(長さ)(Н−d=1mm)ということである。これに応じて、公知のロータ[3]に比して、半分の度合いの変形が必要であり、これによって実質的にこの素子の作製技術が簡易になる。
特許請求する技術対策では、同じブレーキパッドの圧力で側壁の長さが半分になるため、最も負荷のかかる輪郭領域には、公知のベンチレーテッド型ロータ[3]に比して著しく少ない応力しかかからなくなる。これは、アームおよび印加される力のモーメントが2倍の場合に剛性が同じであれば(特許請求する技術対策と[3]のいずれの場合も同じ側壁厚であれば、「波形輪郭」の側壁の剛性は同じ)、応力は2倍異なり、変位は8倍異なるということが条件である。したがって、[3]によるベンチレーテッド型ロータの実施形態では、波形輪郭の側壁の厚みを増大する必要があり、その結果、公知のロータ重量は大きくなる。
しかしながら、特許請求する技術対策の前記実施形態(実質的にU字型の素子を有する2層)による変形度をさらに小さくすることは、実現するのが困難である可能性があるため、ロータの一実施形態によれば、実質的にU字型の素子を有する外層の間に中間層が設けられ、この中間層は、各々の外層に対する隣接層であり、平坦に作製され、外層の径方向外側面から径方向内側面へ延びる通しスロットを有し、各々の外層は、隣接層とは接触しない、それぞれの外層領域と一緒になって、それぞれの内通し冷却管路を形成し、前記平坦中間層は、外層の内側面を超えて、かつ/または外層の外側面を超えて径方向に外側に突出する。
このような場合、中間層の好適な厚みが約1mmであり、実質的にU字型の素子を有する層のシースシートの好適な厚みが約1.5mmであれば、ロータを組み立てた後に必要な厚み(通常およそ5mm)を得るために、実質的にU字型の素子を有する層を形成するための変形度を低くすることができ、すなわち、凸部および凹部の高さをさらに半分に(約1mmから約0.5mmに)減らすことができ(内通し冷却管路の高さHは2mmのまま)、これに応じて厚み約1.5mmのソースプレートの変形を、生産性およびコスト効果の高い生産プロセスであるパンチング過程で、確実かつ安定して行うことができる。
パンチング過程での変形度を低減させると、シースシートのブランク形成の安定性が向上し、ロータを組み立てる準備の整った層に亀裂およびその他の欠陥が生じないようになり、パンチングプレスに求められる作用力は大幅に低減し、ダイ工具の耐用年数が延びる。同時に、ロータを組み立てる際は、3層を剛性接合する必要があり、これはつまり、2層からなる層を組み立てるロータの実施形態に比して、接触面の数が2倍に増加するということである。
平坦中間層および実質的にU字型の素子を有する外層を備えたロータの前記好適な実施形態によれば、平坦中間層は、外層の内側面を超えて、かつ/または外層の外側面を超えて径方向に突出する。この技術対策によって、自動二輪車のブレーキディスクロータからの流入空気流に対する伝熱率を効果的に上昇させることができる。なぜなら、(中間層の突出領域という犠牲を払って)ロータ重量が増加すると、この領域の冷却度を上げるのに有利に働くからである。実際、ロータの面積の増加量は、ΔS=2ΔM/ρζに等しく、式中ΔMはロータ重量の増加量、ρは中間層の材料密度、ζはこの層の厚みである。ζは約1mmであるため、この場合、例えば、自動二輪車のブレーキディスク用の従来の一体型ロータに比して、ロータの厚みはおよそ5mmであり、本発明による「突出する」中間層を有するロータ重量が増加すると、面積は5倍に大きくなる。
その上、平坦中間層のこれらの突出部があるだけで、外層の径方向外側面から径方向内側面へ延びる通しスロットを有するこの中間層の接合性が確実になり、これによって前記層を一体部品として作製し、ロータの組み立てを根本的に簡易にすることができる。
さらに、好適な実施形態によれば、外層の内側面を超えて、かつ/または外層の外側面を超えて径方向に外側に突出する中間層の面は、展開面で作製され、かつ/または伝熱/熱交換を容易にするコーティングを備えている(このような実施形態を上に記載)。この場合、上記と同じように、前記中間層領域の(冷却の観点から、何よりもまず流入空気流で冷却する)有効面積は、粗面を作製するとロータ重量が増加しないため、事実上ロータ重量が新たに増加することなく、さらに大幅に大きくなり、薄型の吸収性コーティングまたは(中間層の厚みに比して)吸収性塗料の薄層を塗布する場合、ロータの重量増加は最小になる。
求められる形状およびスロット配列を有する平坦層は、これに対応する厚みを有するシートを機械加工(ミリング)するか、レーザ切削するか、またはダイカットして打ち抜く標準手順によって作製することができる。
外層が実質的にU字型の素子を有するものである、自動二輪車のブレーキディスク用のロータを作製する際は、ロータを組み立ててロータ層を堅固に接合した直後は、ロータ全体の厚みが完成品の厚みよりもわずかに(好ましくは0.3〜0.6mm)大きいことが得策である。組み立て後、仕上げ作業としてグライディングまたは正確なミリングを使用し、この作業過程で、材料の表面近くの嵩を、自動二輪車のブレーキディスクロータのそれぞれの環状摩擦面から、好ましくは0.15〜0.3mmの深さまで除去し、両摩擦面を正確に平行にしてロータに回転振れがないようにし、これによって、層を完成品の中に接合する過程で起こることがあるあらゆる歪曲(変形)、ならびに別々に製造されたソースブランクおよび層にみられる誤差も相殺される。変形は、何よりもまず層の剛性接合のばらつきに現れ、これは、局所的または全体的な加熱によって起こり(熱変形)、何よりもまずはんだおよび溶接のばらつきに現れるが、このような変形は、抵抗スポット溶接を用いると最小になる。その上、グライディング(ミリング)の結果、外層の凸部に鋭利なエッジが形成されると、自動二輪車のブレーキディスク用の従来のロータにあるスロット(孔)と同じように、粉塵およびパッド腐食生成物が自動的に除去される。
特許請求する本発明のもう1つの実施形態によれば、平坦中間層を有する自動二輪車のブレーキロータに2つの平坦な外層が設けられる。各々の前記層は、シートを機械加工(ミリング)をするか、または対応する厚みを有するシートをパンチング(ダイパンチング)することによって作製され、後者の方が生産性の高いプロセスである。通しスロット(孔)は、粉塵およびパッド腐食生成物を除去する目的で、外側平坦層に作製してよい。
2つの平坦外層および1つの平坦中間層を備えるロータを作製する以下の一連工程が可能である:ロータの2つの外層の各層および中間層をあらかじめ互いに別々に作製し、ロータを恒久的な接合部に組み立てた後、仕上げの機械加工を行う。仕上げ過程で、外層の摩擦面を好ましくは0.15〜0.3mmの深さまでミリングまたはグライディング工程を実施することができ、両外層を正確に平行にして仕上がったロータに回転振れがないようにし;とりわけ、何よりも局所的または全体的な加熱(はんだ付け、溶接)によって完成品中の層の剛性接合で起こる可能性のある歪曲(変形)、ならびにシースシート内で起こり得る誤差(何よりも、不安定な厚み)を相殺するようにする。
ロータの一実施形態によれば、中間層は、別々に作製されてロータを最終的に組み立てる過程で一緒に組み立てられるいくつかの部材(層)で構成されることができる。ロータを作り上げる層は、溶接(例えば、抵抗溶接またはシーム溶接)および/もしくは接着、および/もしくははんだ付け、または他の同様のプロセスによる恒久的な接合部の中に接合される。
自動二輪車のブレーキディスク用のロータの前記実施形態によれば、内通し冷却管路の側壁は、中間層にスロットの側壁を形成し、前記管路の垂直壁は、外層領域を形成し、この外層は、隣接(中間)層とは接触しない。平坦外層の間にある中間層材料の残りの部分は、支持する「強化リブ」の機能を果たし、この強化リブを介して平坦外層は、一体部品の中に堅固に接合される。強度、そして何よりも剛性を対象に前記実施形態を計算することで、通し冷却管路の以下の好適なパラメータを算出することができる:高さ1.8〜2.5mm(中間層の厚みと同じ)、幅4〜7mm(中間層のスロット幅と同じ)、「強化リブ」の好適な幅約5mm。「強化リブ」の幅およびこの強化リブ間の距離は、動作中のロータに応力がかかることを計算に入れて、(特に周期的に)周方向に変動させてもよい。
管路の最適な幅および管路間の距離(つまり、隣り合う内通し冷却管路の軸間の距離)を算出する際は、摩擦力が実際に発生し、何よりもまず、摩擦面とブレーキパッドとの間が接近接触する領域に発生することを計算に入れる必要があり、相当多数の「管路‐強化リブ」の対をブレーキパッドの下に配置することが得策である。現代のブレーキパッドの典型的な長手サイズは、およそ50mmに等しく、「管路-強化リブ」の対の寸法は、8〜11mmが好ましい。
「強化リブ」の幅も、単一部品としてのロータを作り上げる層すべての接合部が、いわばこのリブを介して設けられるという事実によって決まり、接触領域は、剛性接合の種類に応じて最小値に限定される。例えば、全体の厚みがおよそ5mmであるロータの3層を効果的に接合する抵抗スポット溶接を使用すれば、キャストコアの直径は、プロセスが正しく実施されれば、少なくとも約3.5mm(好ましくは4〜4.5mm)であり、中間層である「強化リブ」の幅がさらに短い場合は、様々な側面に溶融金属を散布することも可能であり、これによって各々の内通し冷却管路を被覆できる。
少なくとも1つの平坦中間層を、外層の内側面を超えて、かつ/または外層の外側面を超えて径方向に外側に突出できるように作ることで、前述したように、平坦中間層のそれぞれの領域があることによって、ロータ重量が増加するよりも大きい度合いまで冷却面積を増大させることができる。
さらに、好適な実施形態によれば、外層の内側面を超えて、かつ/または外層の外側面を超えて径方向に延びる中間層面は、展開面で作製され、かつ/または伝熱/熱交換を容易にするコーティングを備えている(これの変形例を上に記載)。この場合、前述したように、対応する中間層領域の(冷却の観点から、まず流入空気流で冷却する)有効面積は、事実上ロータ重量が新たに増加することなくさらに大幅に大きくなる。
平坦中間層の前記領域面を展開できるかどうかは、中間層がブレーキパッドと接触しないということが条件になる。面は、例えば、ロータの構成部品を一体部品になるように組み立てる前か(このようにする場合、内通し冷却管路の面の荒さが自動的に確実になる)、またはロータの構成層を全体が単一の完成品になるように剛性結合した後だがロータ摩擦面の仕上げ機械加工の前に、ショットブラストによって展開できる。
少なくとも1つの平坦中間層に関して記載した実施形態によって、内通し冷却管路を備えるベンチレーテッド型ロータの冷却率をさらに向上させることができる。
ロータが外層および少なくとも1つの中間層で構成される、自動二輪車のブレーキディスクロータのこのような実施形態によれば、少なくとも1つの中間層の材料は、外層の材料よりも密度が低く、かつ/または熱伝導率が高くてよい。この可能性は、ロータの中間層に対する材料を、摩擦面および接触ブレーキパッドを作り上げるロータの外層に重要なトライボロジー技術要件(摩耗率および摩擦係数値)に関係なく選択できるという事実に関係している。
熱交換条件を改善し、ロータ内にさらに均質な温度場を生成するために(この場合、熱変形も低減される)、ロータの中間層を、ロータの外層よりも熱伝導率および温度伝導率が高い材料で作製することができる。例えば、特性が中間層を作製するのに十分であるSteel 20の熱伝導率および温度伝導率の係数は、通常現代のロータに使用され外層の作製にも使用されることがあるステンレス鋼の係数の事実上2倍(1.9倍)である。
さらに、ロータ重量を低減する目的で、中間層を、ロータの外層の材料よりも密度が低い材料、例えば、かなりの高温にも耐性のあるチタン合金で作製してもよい。特許請求する本発明によるロータの冷却スピードが高く、このロータの加熱温度が適度であれば、中間層を高温のアルミニウム合金または焼結アルミニウム粉末(SAPタイプの合金)で作製してもよく、後者の変形例の方が、アルミニウム合金よりも好ましい。なぜなら、SAPの熱膨張係数は、鋼鉄の熱膨張係数に近いからである。異なる材料を堅固に接合するために、接着、力による閉鎖(例えば、とりわけ外層が実質的にU字型の素子を有する層である場合のリベット締め)およびはんだ付けを利用して、中間層および外層に使用する金属をいくつか組み合わせてもよい。
自動二輪車のブレーキディスクロータの好適な実施形態によれば、、内通し冷却管路は、不変の断面を有するか、例えば、好ましくは内側から外側に向かって拡大する、可変的な断面で作製される。
ロータの径方向外側面にある内通し冷却管路の断面を増大させることで、これらの管路により多くの流入空気を「捕捉」することができ、内通し冷却管路内の熱交換は、ロータの外面よりも効率的であるため、これは合理的なことである。このような「捕捉」方式は、ロータの径方向外側面に近くなるにつれて内通し管路を拡大することで実現することができる。
内通し管路の幅を増大すれば、摩擦の影響を受けて現れるロータ摩擦面の変形およびロータへの応力、ならびにブレーキパッドからの圧力も増大する。そのため、管路幅は、何よりもまずブレーキパッドがロータに圧力をかけない領域またはロータの動作領域が最小の部分で、最適値と比較して増大させることができる。したがって、管路の幅をロータの径方向外側面から2〜3mm以内の所で増大させることが好ましい。内通し管路の幅の好適な増大量は、ロータの外側面への距離が短くなる1mmに対して1.5mm以内である。内通し冷却管路の幅を増大させる前記パラメータによって、流入空気が管路に入る断面の全面積を大幅に増大させることができ、ロータの外側境界から約2mmの距離の所ですでに、ブレーキパッドと対になって起こす摩擦に対する管路のパラメータは最適になる。その結果、ロータ摩擦面の主要部分が、最適な条件で確実に制動する。管路の断面をさらに急激に増大させると、流入空気流の一部は、内通し冷却管路の壁の脇から外部に排出される状況に陥り、ロータの通し管路の中を通らなくなる。
その上、本発明によれば、管路全長の主要部分にある自動二輪車のブレーキディスクロータ(内側のものも外側のものも両方)内の通し管路断面は、特に、管路壁の凸部を犠牲にして、可変的に作製されてよく、管路の高さおよび/または幅は変動してよく、好適な実施形態によれば、管路幅は、周期的に変動する。管路幅のこのような周期的変動は、好ましくは1周期で平均値の+/−3〜5%以内(すなわち、典型的な管路幅b約5〜6mmの場合は+/−0.15〜0.3mm)であり、(0.5〜1)×b(すなわち、3〜6mm)で伝熱が大幅に増大することが好ましい([4]、第429頁;[5]:Leontiev,A.I.,Olimpiev,V.V.「Influence of Heat Transfer Intensifiers on Thermal−Hydraulic Properties of Channels(管路の熱水力特性に及ぶ伝熱増強装置の影響)」;Thermal Physics of High Temperatures(高温の熱物理学)」、第45巻、第6号、2007年、第925〜953頁;第926頁、927頁)。管路の幅(断面)のこのような変動には、剛性、応力およびロータの変形に事実上何の影響も及ぼさず、これによってこの変動を管路全長の主要部分に実施することができる。同時に、「荒さが控えめな管路」にすることで、回転して流れる乱流モードで約25%の伝熱利得を得ることができ(この場合、管路幅の変動は、好ましくは、(0.5〜1)×bに相当する期間で管路の平均幅bの2〜4%)、層流モードの場合は数倍の伝熱利得を得ることができ;後者の場合、管路幅の好適な変動は約0、1×bであり、変動期間は約0、7×bである([5])。
さらに、本発明を添付の図面を参照して例を用いて説明していくが、この例は本発明を限定するものではない。
SPACEK PRODUCT社(チェコ共和国)が生産する先行技術に基づく自動二輪車の前輪および後輪のブレーキディスクの図である。1−自動二輪車の前輪のブレーキディスクロータ、2−フロントブレーキディスクのアルミニウム製キャリア、3−フローティング型フロントブレーキディスクの連結ブッシュ、4−自動二輪車後輪のブレーキディスクロータ。 U字型素子を有する層の全体図である。5−U字型素子を有する層、6−連結ブッシュを取り付ける領域、7−摩擦面、8−接合面、9−側壁。 U字型素子を有する2つの同一の層からなる自動二輪車のブレーキディスクロータを示す図である。10−内通し冷却管路、11−外通し冷却管路、12−ロータ動作中に最大の応力を受ける領域。 U字型素子を有する同一の外層および平坦中間層で構成されるロータ、ならびにスロットを平坦中間層に備えた本発明によるこのロータの実施形態の図である。13−平坦中間層、14−スロットを有する平坦中間層(本発明による実施形態の1つ)。 スロットを有し、外層の内側面から外側に径方向に突出する中間層を含む3つの平坦層で作製されたロータの図である。15−外側平坦層、16−内通し冷却管路の断面であり、ロータの内部から外側境界に向かって拡大する断面(拡大図)。
図面からわかるように、ロータは、2つの外層からなり、この外層には、U字型素子を有する層5(図3)または平坦層15(図5)を使用することが好ましい。スロット14を有する平坦層(図4、図5)は、中間層13として使用される。平坦中間層が使用される場合、「強化リブ」の幅を縮小するか、または図5に示すように、中間層13のスロット14の幅をロータの外側面に向かって増大するという犠牲を払って、内冷却管路の断面をロータの外側面まで増大することができる。
実施例1
特許請求する技術対策に従い、フロントブレーキディスクロータを、3つの平坦層で生産した:最初の厚みが1.8mmである平坦外層15をSteel 20X13で作製し、厚みが2mmである平坦中間層13をSteel 20で作製した(図5を参照)。外層をシートパンチングで作製し、中間層14のスロットをレーザ切削で作製した;組み立て前に、直径およそ0.2mmの鋼球を用いて全層にショットブラストを実施した。これによって展開した粗面を供給することができる。その後、層を抵抗スポット溶接によって恒久的な接合になるように堅固に接合し、全体の厚みが5.0mmになるように機械的に加工した。その結果、完成したロータには、幅5.0mmで高さ2.0mmの径方向を向いた内通し冷却管路ができた;一方、管路同士の間の「強化リブ」の平均幅は、(周方向に)5.2mmおよび3.7mmであった(「強化リブ」の幅は、直径が異なる周の長さの差を相殺するために、径方向に若干変化した)。抵抗スポット溶接によって、外層を幅5.2mmの中間層強化リブを介して中間層とともに互いに接合した(幅5.2mmの強化リブそれぞれに対して2つの「スポット」であり、溶接点の中心の直径は約4.5mmであった)。内通し冷却管路は、ロータの外側境界に向かって幅約7.5mmまで拡大し(外径310mm)、管路幅の拡大率は1.5mm/mm、すなわち管路は、ロータの径方向外側面までの最後の1.5mmに沿って半分の角度である約37°で拡大する。 ロータの中間層を、外層の内側面から径方向に外側に突出して作製し、ロータの外層の平均幅(および内通し冷却管路の長さ)は30mmであった。
さらに、本発明による同様の設計の自動二輪車のブレーキディスクロータを作製したが、このロータは、ロータの外側縁に向かって内通し冷却管路が拡大していないものであった。
比較するために、厚み5.0mmである標準の一体型ロータを同じSteel 20X13で作製したが、ロータの設計は、本発明によるロータ外層とほぼ同じものである。
特許請求する本発明によるロータは、重量が標準のものよりも20%軽い。自動二輪車の前輪にフローティング型ブレーキディスクを組み立てた後(同一のアルミニウム製キャリアおよびブッシュを使用した)、重量差は17%であった。
本格的規模の試験過程で(150km/hのスピードになるまで10回加速し、このスピードでおよそ10秒間動かし、完全に停止するまで1サイクル22〜25秒間制動した。試験用のレーサーを含めた自動二輪車の重量は265kgであり、試験は、ロータを完全に冷却するために10分の休止を入れて10回繰り返した)、ロータの外側境界に向かって延びる管路を備えた本発明によるロータの加熱温度は325°Cを超えておらず、断面が一定な管路を有するロータの熱は345°Cであったのに対し、従来のロータは>420°Cの温度にまで加熱されており、標準のロータの方が重かった。ロータ(ブレーキディスク)の重量および慣性モーメントを低減すると、自動二輪車の操作性の向上につながるとともに、加速および制動の原動力の向上にもつながる。
実施例2
特許請求する技術対策に従って、フロントブレーキディスクロータを作製し、これを、Steel 20X13で作製した実質的にU字型の素子5を含む2つの同一の層で構成した(図2、図3を参照)。2層の各層を厚み3.0mmのソースシートをミリングして作製し、平坦な作業端での角度が7°、直径が3.7mmであり、エッジの曲率半径が0.3mmであるテーパ状のカッターを使用した。堅固に組み立てる前の各層の全体の高さは2.7mm、凸領域での層の材料の厚みは1.7mm(この凸領域が最終的にロータ摩擦面を作り上げる)、凹領域での層の材料の厚みは1.5mm(この凹領域が最終的に、層間の剛性接合を達成し、外通し冷却管路11の「底」を形成する)、凸部および凹部の側壁の厚みは1.4mmであった。摩擦面の幅(周方向)は約7mm、外通し冷却管路の幅は約4mmであった(摩擦面の幅は、異なる直径の周の長さの差を相殺するために、ロータの側面境界線である径方向内側面から径方向外側面に向かって増大させた)。
あらかじめ互いに別々に作製した層を、抵抗スポット溶接により堅固に接合して恒久的な物品にした。溶接は、接合面8の領域に(すなわち外通し冷却管路11の「底」を通って)、各面に2つの溶接スポットを設けて実施し、溶接スポットのコア径は約3mmであった。一実施形態において、展開した粗面を作製するために、組み立てたロータに直径およそ0.5mmの鋼球を用いてショットブラストを行ったが、もう1つの実施形態ではショットブラストを実施しなかった。その後、組み立てたロータを研削により機械加工して厚みを5.0mmにしたところ(摩擦面の金属を約0.2mmまで除去した)、ロータ外面の摩擦領域の最終的な厚みは、1.5mmであった。
径方向を向いた内通し冷却管路および外通し冷却管路を有する、特許請求する本発明によるロータの重量は、標準ロータ重量の65%に等しかった(実施例1)。自動二輪車の前輪にフローティング型ブレーキディスクを組み立てた後(同一のアルミニウム製キャリアおよびブッシュを使用した)、重量差は30%であった。
実施例1で記載したものと同様の本格的規模の試験過程では、ショットブラストを行わない実施形態でのロータの加熱温度は330°Cを超えず、これよりも遙かに重い一体型の標準ロータの場合は>420°Сであるのに比して、ショットブラストを行ったロータの加熱温度は310°Cであった。
実施例3
特許請求する技術対策によれば、リアブレーキディスクロータを作製し、これを3つの平坦層で構成した:最初の厚みが1.8mmの平坦外層15をSteel 20X13で作製し、厚み2mmの平坦中間層13をSteel 20で作製した。ソースシートを機械加工して外層を作製し、中間層のスロット14をレーザ切削で作製した;組立前に、直径およそ0.2mmの鋼球を用いたショットブラストを全層に実施し、これによって展開面を作製することができた。その後、層を接着により堅固に接合し、機械加工して全体の厚みを5.0mmにした。
その結果、完成したロータには、長さおよそ30mmの内通し冷却管路ができ、この管路は、半径に対して角度10°の方向を向き、幅5.0mmおよび高さ2.0mmであった;管路同士の間の「強化リブ」の幅は、交互に(周方向に)5.2mmおよび3.7mmであった(半径上の「強化リブ」の幅はわずかに変動し、これによって異なる直径の周の長さの差を相殺している)。内通し冷却管路は、ロータの外側境界に向かって幅約7.0mmまで拡大し(外径220mm)、管路の幅が拡大する率は、1.0mm/mm、すなわち管路は、ロータの径方向外側面に向かって2mmに対して、半分の角度である約26°で拡大する。
比較するために、厚みが5.0mmである標準の一体型ロータを同じSteel 20X13で作製し、ロータの設計を本発明によるロータ外層の設計に合わせた。
特許請求する本発明によるロータ重量は、プロトタイプに従って作製したロータ重量の≒84%に等しかった。
実施例1で記載したものと同様の本格的規模の試験過程では、本発明に従って作製した、ロータの外側境界に向かって拡大する管路を有するロータの加熱温度は、220°Cを超えなかったのに対し、自動二輪車の後輪用の従来のロータ(ブレーキディスク)は、>270°Сに加熱され、標準ロータはこれよりも遙かに重いものであった。
ロータが加熱される温度が低いほど、ロータのサイズおよびこれに伴い重量および慣性モーメントを低減することが可能であることがわかる。ロータの直径を少し、例えば10%縮小するだけで(例えば、自動二輪車の前輪のブレーキディスクロータの場合、310mmから280mmに縮小)、ロータ重量が同量分(およそ10%)さらに軽減され、慣性モーメントが約35%低下することは重要である。その上、ロータの温度を下げると、ロータの耐用年数もブレーキパッドの耐用年数も延びる。従来のロータのサイズおよび重量を軽減すると、ロータが一度にオーバーヒートしていまい(ブレーキパッドもオーバーヒートし、ブレーキ液がオーバーヒートする可能性もある)、これは、自動二輪車を生産する構成部品に必要である相当な耐用年数の要件に対して許容されないことである。
特許請求する技術対策によるロータには、断面に沿った(厚みに沿った)最小熱勾配があり、また、従来のベンチレーテッド型ではない自動二輪車のブレーキディスク用のロータに比して、最小の熱変形および熱歪曲があり、これは、いわゆるロータの中間部をさらに効率的に著しく冷却することで調整されることにも注意されたい。これは、最適な動作条件にあるときの特許請求するロータの摩擦層の厚みは1.4〜1.7mmであり、自動二輪車のブレーキディスクの標準ロータでは5mm、つまり約3倍以上であるという事実にも関係している。一方の側が加熱される(制動中の熱は摩擦面に生じる)厚みhの層に安定した温度が行き渡るのを受ける時間は、約h/χであり、式中χは、20X13タイプのステンレス鋼である場合の材料の熱伝導率([1])であり、χの値は0.07cm/sである。そのため、特許請求する自動二輪車のブレーキディスクのロータの場合、摩擦層で温度が確立される特性時間は、約0.2秒であり(150km/hのスピードであっても、この時間はホイール3回転に相当するだけである)、これは、とりわけ最初が高スピードである場合に3〜4秒以上かかる制動時間の数分の1の時間である。これはつまり、特許請求するロータの熱変形が、ロータの外層と内層とのわずかな温度差であり、制動中であっても、ロータは事実上一体部品のように均一に加熱されるということである。
また、従来のベンチレーテッド型ロータに比して、最高のロータ冷却スピードが達成され、実質的にU字型の素子を備える2層からなるロータの一実施形態では、特許請求するロータ重量は最小であり、公知の変形例に比して、実質的にその製造可能性が向上していることにも注意されたい。
このように、特許請求する本発明の技術的効果は、内通し冷却管路を備えるベンチレーテッド型ロータの製造可能性が向上するとともに、ロータ重量および慣性モーメントが軽減される上に、ロータの冷却スピードが上昇して、動作中にロータが加熱される温度を冷却できるようにすることである。この技術的効果により、ロータ重量およびロータの動作温度などの実質的に互いに相容れないパラメータを同時に低減することができる;通常、ロータの温度を下げるためには、ロータ重量を下げる必要がある。ロータをより速く冷却して調整するロータの温度低下により、ロータの動作条件もブレーキパッドの動作条件も改善される(パッドとロータとの間の接触領域で温度が低下するため)。
任意の潜在的な特定要件を満たすため、上記の自動二輪車のブレーキディスクロータの実施形態には、当業者に自明の変化を加えるとともに、いくつかの素子を修正したり、同等の機能を果たす他の素子に入れ替えたりしてもよいが、添付の特許請求の範囲で保護される規定から逸脱してはならない。

Claims (18)

  1. 環状体である自動二輪車のブレーキディスクロータであって:
    両側の環状摩擦面、
    径方向外側面および径方向内側面、
    前記径方向外側面から前記径方向内側面へ延びる前記環状体を内側から冷却するための内通し冷却管路、
    少なくとも2層であって、前記環状体の前記少なくとも2層は互いに堅固に接合し、各層はあらかじめ別々に作製された一体部品である、少なくとも2層、
    を備え、
    前記環状摩擦面は、環状体外層のうちの外側に面する側、ならびに、隣接層と直接接合する領域および隣接層とは接触しない領域を有する、環状体外層のうちの内側に面する側を少なくとも部分的に形成し、
    前記隣接層と直接接触する前記外層領域は、前記層の剛性接合に対して働き、各々の前記内通し冷却管路は、隣接層とは接触しない一方の外層の領域、および隣接層とは接触しないもう一方の外層の領域で、少なくとも部分的に形成され、
    前記内通し冷却管路は前記内通し冷却管路の長さの25%を超えない幅を有し、前記内通し冷却管路の幅は、ロータの径方向外側面から3mm以内の所で、ロータの外側面へ距離1mm向かうに対して最高1.5mm増大する構成とされている、
    ロータ。
  2. 両側の前記環状摩擦面どうしの間の距離は4〜7mmに設定されている請求項1に記載のロータ。
  3. 隣り合う前記内通し冷却管路の軸間の距離の、 前記内通し冷却管路の幅に対する比が4を超えない構成とされている請求項1に記載のロータ。
  4. 隣り合う前記内通し冷却管路の軸間の距離の、 前記内通し冷却管路の幅に対する比が2を超えない構成とされている請求項1に記載のロータ。
  5. 前記内通し冷却管路は、その幅の平均値の5%を超えない範囲で変動する断面を有している請求項1に記載のロータ。
  6. 前記内通し冷却管路は、断面の寸法が一定および/または内側から外側に向かって拡大する可変的な断面で形成されている請求項5に記載のロータ。
  7. 前記内通し冷却管路の幅および/または高さは、ロータの外側面へ距離1mm向かうに対して1mm〜1.5mm増大する構成とされている請求項6に記載のロータ。
  8. 前記内通し冷却管路は、少なくとも一つの前記層により構成されている請求項1に記載のロータ。
  9. 前記外層の間に中間層が設けられ、該中間層および各前記外層は互いに近い値の熱膨張係数を有している請求項1に記載のロータ。
  10. 前記中間層は、各前記外層の材料とは異なる材料により作製されている請求項9に記載のロータ。
  11. 前記中間層は、各前記外層の熱伝導率及び温度伝導率より高い熱伝導率及び温度伝導率を有している請求項9に記載のロータ。
  12. 前記中間層は、各前記外層の材料よりも密度が低い請求項9に記載のロータ。
  13. 両前記外層は平坦である請求項9に記載のロータ。
  14. 前記中間層は、外層の径方向内側面を超えて、かつ/または外層の径方向外側面を超えて径方向に外側に突出している請求項9に記載のロータ。
  15. 前記中間層の径方向外側面と径方向内側面との少なくとも一方は、粗面を有しおよび/または熱交換/伝熱を容易にするコーティングを備えている請求項14に記載のロータ。
  16. 各前記外層は互いに同じものである請求項9に記載のロータ。
  17. 前記外層及び前記中間層は、はんだ付けおよび/または溶接および/または接着により接合されている請求項9に記載のロータ。
  18. 粗面で形成される壁、および/または熱交換/伝熱を容易にするコーティングを備える壁、を有する外通し冷却管路を備えている請求項9に記載のロータ。
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