JP6169502B2 - ビタミンc含有組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビタミンCを含有する組成物、及びその製造方法であって、特にカムカム果汁から取得した食物繊維及びビタミンCを含むものに関する。
ビタミンCは、人間の体を構成する細胞を健康に保つ働きや、抗酸化作用を備えており、不足すれば壊血病の要因となる等から、人間の生命活動に必須の栄養素として良く知られている。一方、ビタミンCは水溶性であり、また熱に弱い性質があることから、食材を加熱調理などすると失活しやすく、十分な量の摂取が難しい栄養素でもある。そのため、ビタミンCの摂取量を補うことができるビタミンC補助食品が提供されている。
このようなビタミンC補助食品は、ビタミンC含有組成物を添加することで製造されることが多い。従来のビタミンC含有組成物は、ビタミンCの他、澱粉、タンパク質、ミネラル等の複数の栄養素からなる組成物であることが通常である。特にビタミンCは前述の通り水溶性であり、単体では大気中の水分と容易に反応する取り扱いが難しい物質であるため、従来のビタミンC含有組成物を製造する際には賦形剤と共に混合物を形成し、その後に噴霧乾燥造粒法等によって前記混合物を乾燥させて粉末状にすることで、大気中でも取り扱いが容易な組成物として提供されていた。前記賦形剤としては、デキストリン若しくは澱粉が特によく用いられる。
公開特許第2012−183060号公報
しかし、前記従来におけるビタミンC含有組成物においては、賦形剤に対するビタミンCの含有割合を高くできないといった問題があった。特に、デキストリンが賦形剤として用いられた従来のビタミンC含有組成物に含まれるビタミンCの含有割合は、ビタミンC含有組成物に対して2〜4重量%であり、含有割合が多い場合でも実用的には8重量%程度である。
これは、デキストリン若しくは澱粉を賦形剤として用いてビタミンCを組成物全体に対して10重量%以上配合すると、ビタミンCの水溶性の性質が強く表れるからである。特に20重量%を超えると、生成された組成物は大気中であっても湿気を吸収して30分以内に固まってしまうため、紛体として取り扱うことが困難であった。
そのため、従来においてビタミンC含有量が20重量%を超えるようなビタミンC含有組成物は、ビタミンC補助食品等に加工する原料として使用するには取扱いの難しさから適当ではなかった。
また、デキストリン及び澱粉は熱量が大きいため、デキストリン若しくは澱粉を賦形剤として用いた従来のビタミンC含有組成物を健康食品に高い配合率で使用することにはその熱量に起因しても問題があった。
そこで、上記課題を解決する手段として本発明に係るビタミンC含有組成物は、カムカム果汁から取得した食物繊維及びビタミンC、並びに動物性カルシウム原料由来のカルシウム類微粒子が配合されてなる粉末であり、前記カルシウム類微粒子の粒度d50が50nm〜500nmであり、ビタミンCの含有量が20重量%より多いことを特徴とする。
また、本発明に係るビタミンC含有組成物は、動物性カルシウム原料が粉砕されてなる粒度d50が50nm〜500nmの微粒子粉体と、前記微粒子粉体の全てが混合槽に投入された後、カムカム果実を搾ることによって食物繊維が残留した状態で取得されたカムカム果汁が前記混合槽に静かに注入されると共に、撹拌されてなる一次混合液と、前記カムカム果汁を濃縮することによって前記カムカム果汁よりもビタミンC含有割合が高いカムカム濃縮液が前記一次混合液に静かに注入されると共に、撹拌されてなる二次混合液と、前記二次混合液の全てが乾燥パレットに注入されて乾燥室に投入され、乾燥室内が60℃以下に保持されながら乾燥されてなる乾燥成形体と、前記乾燥成形体が破砕され、微細化されてなる粉末とからなり、ビタミンCの含有量が20重量%より多いことを特徴とする。
さらにまた、本発明に係るビタミンC含有組成物の製造方法は、貝殻、卵殻、珊瑚、若しくは骨からなる群より選択される少なくとも1種以上の動物性カルシウム原料を粉砕して粒度d50が50nm〜500nmの微粒子紛体を得る粉砕工程と、混合槽に、前記微粒子紛体を投入した後、カムカム果実を搾ることによって食物繊維が残留した状態で取得したカムカム果汁を静かに注入し、撹拌により一次混合液を得る一次混合工程と、前記カムカム果汁を濃縮することによって前記カムカム果汁よりもビタミンC含有割合が高いカムカム濃縮液を、前記一次混合液に静かに注入し、撹拌により二次混合液を得る二次混合工程と、前記二次混合液を乾燥パレットに注入して乾燥室に投入し、乾燥室内を60℃以下に保持しながら乾燥させて乾燥成形体を得る乾燥工程と、前記乾燥成形体を破砕して微細化し、粉末状のビタミンC含有組成物を得る粉末化工程とからなることを特徴とする。
なお、通過質量百分率10%、50%、90%のときの粒径を、それぞれ粒度d10、粒度d50、粒度d90という。特に、粒度d50は、メジアン径とも表記される指標値を指す。
ビタミンC含有組成物の用途は、食品用として限られるものではなく、医薬品用、医薬部外品用であってもよく、特に限定されるものではない。消費者に直接消費される、いわゆる最終製品のほか、原料として用いられる、いわゆる中間製品としての用途に用いることもできるものである。
ビタミンCとは、一般にはアスコルビン酸を指していうが、本発明にいうビタミンCは前記カムカム果実中に含まれるアスコルビン酸であって、カムカム果実中に存在するアミノ酸、若しくは食物繊維等との複合体であっても好ましい。ビタミンCが前記複合体であることによってビタミンCの体内への吸収効率が高められることが期待できるからである。
カムカムは、Myrciaria Dubiaとも呼ばれるフトモモ科に属する食用の植物であって、ビタミンCをレモンの60倍、アセロラの2倍も豊富に含む植物として知られている。
カムカム果汁は、搾汁機によって機械的に絞られたカムカム果実から得られるカムカム果汁であり、カムカム果実のみを搾汁機に投入して得られる100%のカムカム果汁であることが好ましい。搾汁の方法としては、カムカム果実を押し潰して行う圧搾による方法、若しくはカムカム果実をミキサーで切り刻んで行うミキシングによる方法等を用いることができる。
前記カムカム果汁には、カムカム果実から抽出された水分、及びビタミンCに加え、食物繊維が含まれる。食物繊維は、カムカム果実の果肉成分を形成していた細胞壁を構成するセルロース、ペクチン等が挙げられる。
なお、ビタミンC含有組成物には、アミノ酸及びクエン酸が含まれていても好ましい。これらはカムカム果実に含まれる栄養素である。従って本発明によればビタミンC及びカルシウム類微粒子以外の栄養素をも含有した粉末状のビタミンC含有組成物を得ることができ、これによりビタミンC及びカルシウムと共に前記アミノ酸及びクエン酸をも一度に摂取することができるビタミンC補助食品の実現が可能であるという利点がある。
得られたビタミンC含有組成物はチューインガムに練り込むことによって、チューインガムとすることができる。また、ビタミンC含有組成物をタブレット状に押し固めることによってタブレット型食品とすることもできる。さらに、ビタミンC含有組成物を混合してなるキャンデーとすることもできる。その他、ゼリー、ジャム等の食品、マヨネーズ、ソース等の調味料、ジュース、豆乳等の飲料、及びカプセル、分包による健康医薬品などにも用いることができる。
さらに本発明にはデキストリン若しくは澱粉は使用されておらず、代わりにカルシウム類が含まれており、作製された本発明に係るビタミンC含有組成物は従来のビタミンC含有組成物と比較して熱量を低く抑えることができる。
本発明によれば、ビタミンC含有量20重量%以上のビタミンC含有組成物を製造することができる。また、カルシウム類を主成分とする粒度d50が50nm〜500nmの微粒子紛体のそれぞれに対してビタミンCが均一に固定され、カルシウムとビタミンCを含有する微粒子状の複合体を形成することができる。従って本発明に係るビタミンC含有組成体を口から摂取すると、従来のデキストリン等とのビタミンC複合体と比較してより微細に分散し、表面積を従来よりも増幅させてビタミンCの吸収速度を高めることができる。そのため、本発明に係るビタミンC含有組成物を摂取すると従来よりも高い濃度のビタミンCを迅速に体内へ吸収できることから、眼精疲労の回復にも高い効果が期待できる。
また、本発明に係るビタミンC含有組成物に含有するビタミンCは15重量%以上であることが好ましい。これにより、従来のビタミンC含有組成物では多くて7重量%程度であったビタミンCの含有量を2倍以上にすることができ、本発明を摂取することによるビタミンCの補給効果を明確にすることができるからである。
本発明によれば、ビタミンCを20重量%以上含有させた場合であっても、大気中でべたつきのない乾燥した粉末状のビタミンC含有組成物を得ることができる。
本発明によれば、カルシウム類を主成分とする粒度d50が50nm〜500nmの微粒子紛体のそれぞれに対してビタミンCを均一に固定させることができる。そのため、賦形剤にデキストリン若しくは澱粉を用いた従来のビタミンC含有組成物と比較して、本発明を摂取することによるビタミンCの体内への吸収速度を高めることができる。
実施例に係る動物性カルシウム原料を構成する粗粒子紛体の粒度分布である。横軸に粗粒子紛体の粒子径(μm)を対数表示し、縦軸に各粒子径を有する粗粒子紛体の検出頻度(%)を表した。 実施例に係る粉砕工程によって得られた微粒子紛体の粒度分布である。横軸に微粒子紛体の粒子径(μm)を対数表示し、左側縦軸に各粒子径を有する微粒子紛体の検出頻度(%)を表し、右側縦軸に微粒子紛体の通過質量の積算百分率(%)を表した。
以下、本発明に係る実施の形態を、詳しく説明する。
動物性カルシウム原料は、貝殻、卵殻、珊瑚、若しくは骨からなる群より選択される少なくとも1種以上のものであることが好ましい。そして動物性カルシウム原料由来のカルシウム類としては、貝殻、卵殻、若しくは珊瑚から得られる炭酸カルシウム、又は骨から得られるリン酸カルシウムを含むものであることが好ましい。また、前記カルシウム類には、前記カムカム果汁と動物性カルシウム原料との混合液中で発生したアスコルビン酸カルシウムが含まれていても良い。
特に、動物性カルシウム原料として好ましいのは、帆立貝である。帆立貝は、一つ当たりの貝殻の大きさが大きいため調達コストを安価にすることができるという利点がある。また、帆立貝は同じ貝殻である牡蠣殻よりも表面の凹凸が少ないため貝殻に付着した不純物の除去作業が行いやすく、不純物除去のための前処理コストも安価に抑えることができるという利点もある。
また前記動物性カルシウム原料は、前記貝殻、卵殻、珊瑚、若しくは骨をあらかじめ粒度d50が1μm〜100μmである粗粒子紛体に前処理破砕したものであっても好ましい。前処理破砕を行った動物性カルシウム原料を用いて粉砕工程を行った方が、粉砕工程後に得られる微粒子紛体の粒度の均一性を向上させることができるからである。これにより、最終的に得られるビタミンC含有組成物を経口摂取するときに舌で感じるざらつき等の不快感が発生することを防止できる。
前記前処理破砕を行う場合は、異物を取り除いた前記貝殻、卵殻、珊瑚、若しくは骨を殺菌槽で殺菌し、乾燥機で乾燥した後に粗破砕機に導入して粉砕し、セパレータから粗粒子紛体を取り出すことが好ましい。前記粗破砕機には、ハウジング内に破砕テーブルと該破砕テーブルを押圧しながら回転する加圧ローラとの間で破砕対象物を磨り潰して破砕する竪型ミルを用いることが好ましい。また、外周面に複数の破砕ビットを設けた破砕ローターを破砕室内で高速回転させ、破砕ビットによる打撃や破砕室内に設けた固定刃との衝突等によって被破砕物を破砕する衝撃式破砕機を用いることもできる。
粉砕工程には、回転ローターが設置された粉砕室内において、動物性カルシウム原料を微小ビーズと共に回転させることで破砕するビーズミルを用いることが好ましい。ビーズミルを用いる場合には、前処理破砕で作成した粗粒子紛体に水を加え、スラリー状にしたものを動物性カルシウム原料として用いることが好ましい。なお、前記ビーズミルの粉砕室には動物性カルシウム原料を外部から供給する供給口及び粉砕作業を経た生成物を外部へ排出する排出口が設けられている。
ビーズミルは、粉砕室内に供給された動物性カルシウム原料を、回転ローターの回転方向に微小ビーズとともに遠心力を与えながら回転させることによって破砕することで粒度d50が50nm〜500nmの微粒子紛体を得ることができる。また微粒子紛体の粒度d50は70nm〜150nmであることがより好ましい。この粒度の微粒子紛体を用いて製造したビタミンC含有組成物は、総表面積をより大きくすることができるため、本発明を摂取した際の、ビタミンCの体内への吸収速度をより高めることができるからである。
微粒子紛体の粒度d50は500nmよりも大きいと本発明に係るビタミンC含有組成物を摂取したときのビタミンCの体内への吸収速度を低くしてしまう恐れがあり、50nmよりも小さいと製造されたビタミンC含有組成物の粉末粒子が小さくなりすぎて取扱いが難しくなる。特に粒度d50が150nm以下であると本発明に係るビタミンC含有組成物を摂取したときのビタミンCの体内への吸収速度を十分に早くすることができ、また、粒度d50が70nm以上であると製造されたビタミンC含有組成物がより取り扱い易くなる。
一次混合工程においては、混合槽に投入された前記微粒子紛体及びカムカム果汁は、手動若しくは撹拌機を用いてゆっくりと撹拌する。一次混合工程で混合槽に投入するカムカム果汁は、カムカム果実を搾汁することによって食物繊維が残留した状態で取得された100%果汁であることが好ましい。なお、カムカム果汁は遠心分離機等を用いて種及び外皮成分が除去されたものであっても良い。撹拌速度は、例えば攪拌機の撹拌羽の回転数を10rpm〜60rpm程度に設定してゆっくりとした撹拌速度で行うことが好ましい。ゆっくりと撹拌する目的は、混合槽中に微粒子紛体とカムカム果汁が混合されると気泡が発生するが、このとき撹拌を素早く行うと気泡が大量に発生して混合槽からあふれ出る恐れがあるからである。
次に、二次混合工程において一次混合液に追加して投入されるカムカム濃縮液は、前記カムカム果汁を濃縮することによって前記カムカム果汁よりもビタミンC含有割合が高い濃縮果汁である。カムカム濃縮液は、高温に弱いビタミンCをできるだけ保持した状態とするため、低温加熱による加熱濃縮法によるものは好ましい、また、真空蒸発法、凍結濃縮法、若しくは逆浸透濃縮法によって濃縮されたものであっても好ましい。
二次混合工程における混合槽中での撹拌は一次混合工程の場合と同じく、手動若しくは撹拌機を用いてゆっくりと撹拌する。
乾燥工程において乾燥室に入れられた二次混合物は、乾燥室内を60℃以下に保たれながら乾燥される。二次混合物内のビタミンCを熱によって劣化させないためである。特に好ましい乾燥方法としてはフリーズドライ法を用いることができる。フリーズドライ法を用いる場合には、60℃以下に乾燥室内を保って水分を減少させたのち、低温冷凍作業、及び真空蒸発作業を連続しておこなうことが好ましい。二次混合物中に分散しているカルシウム類微粒子の凝集を防止し、乾燥工程後の微細化が容易になるからである。
乾燥工程によって二次混合物が乾燥してなる乾燥成形物は、乾燥工程において使用されたパレット内に大きな塊状として得られる。パレットから取出した乾燥成形物は、磨り潰すなどして破砕しながら微細化し、粉末状のビタミンC含有組成物として完成させる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明する。
<動物性カルシウム原料>
ホタテ貝殻を、未焼成の状態で竪型ミルを用いて前処理破砕することにより得たd50=4.45μmの粗粒子紛体(カワイマテリアル社製、商品名「シェルパウダー<ホタテ22>)を動物性カルシウム原料とした。当該粗粒子紛体の粒度分布を図1に示す。当該動物性カルシウム原料を分散媒である水に分散させ、濃度8.0重量%のスラリー状の粗粒子紛体スラリーを作成した。
<粉砕工程>
前記粗粒子紛体スラリー中の粗粒子紛体をさらに微粒子化するため、横向き円筒型の粉砕室及び粉砕室内に設けられた回転ローターを備えたビーズミルを用いた。前記粉砕室は供給口及び排出口を備え、外部からポンプなどの圧送手段により供給口から粉砕室内に前記粗粒子紛体スラリーを供給することができる。回転ローターは、粉砕室の中心軸を回転軸として回転可能な横向き円柱形に形成されてなる。
粉砕室中には、φ0.1mmビーズが粉砕室の容積に対して約80%の容積となるように収容されており、粉砕室の残余空間に対して前記供給口から前記粗粒子紛体スラリーを供給した。その後、回転ローターを14m/sの回転速度で6時間回転させた後、排出口から生成物を取り出した。
ビーズミルから取り出した生成物は、粗粒子紛体が微細化された微粒子紛体が水分散媒中に8.0重量%分散されてなるスラリー状の微粒子紛体スラリーであった。図2に、微粒子紛体スラリー中に含まれる微粒子紛体の粒度分布を示す。図2より、微粒子紛体の粒度d50=88.9nmであった。
次に、前記微粒子紛体スラリー、カムカム果汁、及びカムカム濃縮液を用いた一次混合工程、二次混合工程、及び乾燥工程を経て、本発明に係るビタミンC含有組成物を生成する生成過程を説明する。
以下の生成過程で混合される微粒子紛体スラリー、カムカム果汁、及びカムカム濃縮液の混合比は、
微粒子紛体スラリー(8.0重量%、分散媒:水) 35.0重量%
カムカム果汁(100%果汁) 35.0重量%
カムカム濃縮液(カムカム果汁の5倍濃縮液) 30.0重量%
とした。
<カムカム果汁>
カムカム果汁は、カムカム果実を磨り潰して搾汁することによってカムカム果実の果肉成分と共に食物繊維が残留した状態で取得した100%果汁を使用した。なお、種及び外皮成分は遠心分離機を用いて除去した。
<カムカム濃縮液>
前記カムカム果汁を、50〜60℃に加熱して5倍濃縮した後、異物除去用篩(JIS規格200メッシュ)を用いた篩掛けにより異物除去したものをカムカム濃縮液として使用した。
表1に、カムカム果汁100g及びカムカム濃縮液100gをそれぞれ検体とした成分分析表を示す。なお、各組成物の定量分析は(財)日本食品分析センターにて行い、カルシウムはICP発光分析法により、総アスコルビン酸(ビタミンC)の定量は高速液体クロマトグラフ法により、水分の定量は常圧加熱乾燥法よって行った。その他の組成物の分析方法は表1中に示す。
Figure 0006169502
表1によれば、カムカム果汁100g中には総アスコルビン酸(ビタミンC)が1910mg含まれているのに対し、カムカム濃縮液100g中には7500mg以上含まれていた。一方、カムカム果汁100g中には食物繊維は0.5g含まれているが、カムカム濃縮液からは食物繊維は検出されなかった。
<一次混合工程>
有底円筒型の混合槽に、前記微粒子紛体を投入した後、前記カムカム果汁を静かに注入し、ゆっくりと撹拌する。撹拌速度は、攪拌機の撹拌羽の回転数を10rpm〜60rpm程度に設定し、ゆっくりとした撹拌速度で行った。このように、ゆっくりと撹拌する目的は、混合槽中に微粒子紛体とカムカム果汁が混合されると気泡が発生する。このとき撹拌を素早く行うと気泡の発生速度が早まり、混合槽から気泡があふれ出る恐れがあるからである。従って、撹拌は混合槽から気泡があふれ出ないように観察すると共に、適宜撹拌速度を調整しながら行った。
微粒子紛体とカムカム果汁とが均一に混合された一次混合物を静かに20分静置した。これを一次静置工程という。一次静置工程は、微粒子紛体とカムカム果汁との混合及び撹拌作業によって発生した気泡が消失するのを待ち、次の二次混合工程での混合・撹拌作業時に発生する気泡との積み重なりにより、混合槽から気泡があふれ出ないようにするために効果がある。
<二次混合工程>
前記一次混合工程、及び一次静置工程を完了した一次混合物が収容されている前記混合槽に、カムカム濃縮液を静かに注入し、ゆっくりと撹拌する。撹拌速度は、一次混合工程と同じく攪拌機の撹拌羽の回転数を10rpm〜60rpm程度に設定し、ゆっくりとした撹拌速度で行った。ゆっくりと撹拌する目的は、一次混合工程と同じく、混合槽中に微粒子紛体とカムカム濃縮液が混合されることで発生する気泡の発生量を抑え、気泡が混合槽からあふれ出ないようにするためである。従って、撹拌は混合槽から気泡があふれ出ないように観察すると共に、適宜撹拌速度を調整しながら行った。
二次混合工程においてカムカム濃縮液が均一に混合されて得た二次混合物を静かに20分静置した。これを二次静置工程という。二次静置工程は、カムカム濃縮液の混合及び撹拌作業によって発生した気泡が消失するのを待ち、次の乾燥工程において二次混合物を乾燥工程用のパレットに移した際に、パレットから気泡があふれ出ないようにするために効果がある。
<乾燥工程>
乾燥工程にはフリーズドライ法を用いることができる。本実施例においては、4.0kgの二次混合物を、縦40cm×横50cm×深さ2cmのパレットに対してゆっくり移した後、当該パレット共に乾燥室内に格納され、乾燥室を密閉した。その後、乾燥室内を45〜50℃に保ちながら約50時間乾燥し、約−20℃まで急速冷凍を行う低温冷凍作業を経て、乾燥室内の真空化による真空蒸発作業を行って乾燥工程を完了した。
乾燥工程を完了した後乾燥室からパレットを取り出すと、パレット内には二次混合物が乾燥してなる乾燥成形物が大きな塊状として得られる。乾燥成形物の重量は0.44kgであり、乾燥工程前の二次混合物の重量の約10分の1であった。
<粉末化工程>
乾燥工程で得られた乾燥成形物は、磨り潰して微細化し、粉末状のビタミンC含有組成物として完成させた。得られた粉末状のビタミンC含有組成物は、JIS規格100メッシュ相当の微粒子であった。表2には、ビタミンC含有組成物100gを検体としたときの主要な組成物の含有量を示す。なお、各組成物の定量分析は(財)日本食品分析センターにて行い、カルシウムはICP発光分析法により、総アスコルビン酸(ビタミンC)の定量は高速液体クロマトグラフ法により、水分の定量は常圧加熱乾燥法によって行った。その他の組成物の分析方法は表中に示す。
Figure 0006169502
から、本発明に係るビタミンC含有組成物100g中にはビタミンCが21.3重量%含まれていた。これは、デキストリン若しくは澱粉を賦形剤とした従来におけるビタミンC含有組成物では限界であったビタミンCの配合割合20重量%を上回る高い配合量であった。また、本発明に係るビタミンC含有組成物100g中にはカルシウムも12.3重量%含まれていた。さらに、水分含有量が6.0重量%であり、大気中下においても粉末状のビタミンC含有組成物は少なくとも1時間べたつくことなく、粉末状を保持させることができた。
本発明に係るビタミンC含有組成物は、直接口から摂取することもできるが、様々な食品中に混合することでビタミンCの摂取量を補うことができるビタミンC補助食品として広く利用することもできる。具体例としては、チューインガムに練り込むことによって、チューインガムとすることができる。また、ビタミンC含有組成物をタブレット状に押し固めることによってタブレット型食品とすることもできる。さらに、ビタミンC含有組成物を混合してなるキャンデーとすることもできる。その他、ゼリー、ジャム等の食品、マヨネーズ、ソース等の調味料、ジュース、豆乳等の飲料、及びカプセル、分包による健康医薬品などにも用いることができる。

Claims (1)

  1. 貝殻、卵殻、珊瑚、若しくは骨からなる群より選択される少なくとも1種以上の動物性カルシウム原料を粉砕して粒度d50が50nm〜500nmの微粒子紛体を得る粉砕工程と、
    混合槽に、前記微粒子紛体を投入した後、カムカム果実を搾ることによって食物繊維が残留した状態で取得したカムカム果汁を静かに注入し、撹拌により一次混合液を得る一次混合工程と、
    前記カムカム果汁を濃縮することによって前記カムカム果汁よりもビタミンC含有割合が高いカムカム濃縮液を、前記一次混合液に静かに注入し、撹拌により二次混合液を得る二次混合工程と、
    前記二次混合液を乾燥パレットに注入して乾燥室に投入し、乾燥室内を60℃以下に保持しながら乾燥させて乾燥成形体を得る乾燥工程と、
    前記乾燥成形体を破砕して微細化し、粉末状のビタミンC含有組成物を得る粉末化工程とからなる
    ことを特徴とするビタミンC含有組成物の製造方法。
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