JP6169047B2 - 回転体のストッパ - Google Patents

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Description

本発明は、移動を容易にする目的で、荷物運搬用の台車あるいは家具等の脚部に取り付けられるキャスタなどの回転体(回転軸を含む)に用いられ、その回転体を停止状態に保持するストッパに関するものである。
荷物運搬用の台車、キャリーバック等には、スムースな移動を可能とするため、小車輪であるキャスタが装着される。キャスタは、設置場所を頻繁に移動するキャビネットや椅子、介護用ベッドなどの家具でも常套的に使用されている。
キャスタを装着した場合には、例えば、装着した台車が荷物の積み降ろし時等に不測の動き出しを起こすことのないよう、キャスタを回転不能状態に拘束するストッパを設けることが多い。このようなストッパとしては、キャスタ又はそれに固着された回転体に摩擦板等を押し付けて回転不能とするもの、あるいは、多数の凹凸部を備えた歯車状の掛止め部材をキャスタに固着し、掛止め部材に固定側部材を噛み合わせて回転不能に固定するものなどが知られている。
キャスタに設置されたストッパの一例として、特許第4837496号公報には、歯車状の掛止め部材に固定側部材の爪を噛み合わせるストッパが開示されており、これについて図6により説明する。
図6(a)は、キャスタを設けたキャビネットなどの家具の下側隅部を下方から見た底面図であるが、これに示すとおり、家具の下側隅部には、キャスタCTを取り付けるための四辺形の台座BSが固定されている。台座BSには、下方が開放された円周壁が設けてあり、キャスタCTの車軸STは、台座BSの円周壁に嵌め込まれた円形断面の軸受け座CBに支持されて、円周壁の縦方向の中心軸線の回りに回動可能となっている。図6(b)(c)の断面図に示すとおり、キャスタCTの車輪の中央部には、キャスタCTの外形よりも小さい径の歯車状の掛止め部材SGが形成され、これと噛み合う爪PWを設けた弾性材のアームAMが、軸受け座CBに固着してある。掛止め部材SGと固定側のアームAMとは、ストッパを構成する2部品であって、アームAMには突起CMが設けられ、突起CMの先端は、凹部REを設けたレバーLEの裏面に当接する。アームAMの突起CMは、軸受け座CBの回動中心に位置するよう設置される。
家具を移動するためキャスタCTを自由に回転させるときは、レバーLEを一方に動かして凹部REが突起CMと一致するようにする。これにより、図6(b)に示すとおり、突起CMが凹部REに入り込んでアームAMが上方に位置し、爪PWは掛止め部材SGと噛み合うことはなく、キャスタCTは自由に回転する。レバーLEを他方の位置に切り換えると、図6(c)に示すとおり、突起CMがレバーLEの平坦部に当接して押し下げられ、爪PWが掛止め部材SGの凸部の間に入り込む。これによって、キャスタCTの回転が拘束され、家具の不測の動きが防止される。
図6のような、掛止め部材に爪を噛み合わせる形式のストッパは、摩擦板等をキャスタに圧接して回転不能とするストッパと比べ、噛み合わせによる確実な拘束が可能であり、摩擦板の摩耗のような経年変化の問題を生じる恐れもない。なお、図6のストッパでは掛止め部材が外歯歯車状の部材であるが、図7のように、掛止め部材を内歯歯車状の部材とし、これの歯部に、凹部を有する固定側部材を嵌め込むようにしてストッパを構成することもできる。
掛止め部材と固定側部材とを使用する停止装置は、キャスタのストッパに限らず、回転軸のブレーキ装置として一般的に用いられており、例えば特許第4784363号公報には、自動車のパーキングブレーキ装置として、連続する凹凸部を形成したパーキングギヤを自動車の変速機出力軸等に固着し、このパーキングギヤに、爪部を有するパーキングポールを噛み合わせて自動車を駐車状態に保持するロック装置が開示されている。
特許第4837496号公報 特許第4784363号公報
歯車状の凹凸部を形成した掛止め部材に固定側部材の爪等を噛み合わせる形式のストッパは、回転・停止の切り換えを確実に行うことができるけれども、次のような点で未だ改善の余地が残されている。
回転を停止するときは、掛止め部材の歯部や固定側部材の爪等にせん断力が作用するため、掛止め部材の歯部等の強度を確保する必要があり、停止のために大きな保持トルクを要する場合などでは、ストッパの部材の小型化が困難である。ストッパの寸法が大きくなると、停止時に固定側部材の爪等を噛み合わせるための操作力も大きくなり、取り扱いが容易でない。
また、固定側部材の爪等が掛止め部材に噛み合わないと回転が停止しないので、爪が掛止め部材の凸部に当接したときは、キャスタ等が少量回転して爪が凹部に一致した時点で停止することとなる(図7参照)。つまり、こうしたストッパでは、回転が停止するまでにタイムラグが生じるとともに、固定側部材の爪を掛止め部材に押し付けながら待機する「待ち」の機構が必要であって、例えば特許文献2のパーキングブレーキでは、ブレーキ操作が行われるとパーキングポールをパーキングギヤに押し付けるばねが設けられている。
本発明の課題は、キャスタ等の回転体を停止するストッパを、小型でコンパクトなものであっても、回転を阻止するための保持トルクが十分に大きくなる構造とし、かつ、ストッパの操作から回転停止までのタイムラグを解消する構造として、上述の問題を解決することにある。
上記の課題に鑑み、本発明の回転体のストッパは、傾斜面等を有する楔状空間に回転体と接触するローラを置き、回転体がローラの噛み込む方向に移動するときは回転体の回転が阻止されるという、いわゆるローラ型の一方向クラッチの原理を利用して、ストッパを構成するものである。すなわち、各請求項に係る発明は、次の「基本構造」(以下においては、この基本構造を「本発明」ということがある。)を備えている。
「回転体を回転可能な状態と停止状態とに切り換えるストッパであって、
前記回転体の外周を取り囲んで設置されたハウジングを備え、
前記ハウジングには、前記回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された複数の空間部が設けられるとともに、前記空間部の各々には、前記距離が減少する方向にばねにより押圧されたローラが挿入され、
前記複数の空間部は、隣接する空間部において前記距離の周方向の変化が逆となるように設定されて、その空間部に挿入される一対のローラがローラ組合せ体をなし
前記ローラ組合せ体が、複数、前記回転体の外周に配置され、かつ、一組のローラ組合せ体には、前記ばねに抗して一対のローラを前記距離が増大する方向に押圧する操作手段が設置されているもの」
そして、請求項1の発明は、基本構造に
「前記操作手段は、前記一組のローラ組合せ体における一対のローラの各々に当接する2個の中間部材と、前記2個の中間部材に当接するカム体を固着したレバーとを備え、前記レバーの操作により、前記2個の中間部材の間の距離を増大させて一対のローラを前記距離が増大する方向に押圧する
との構成を付加したストッパとなっている。
請求項2の発明は、基本構造に「前記ローラを押圧するばねは、前記回転体の外周を取り囲む環状部と、前記環状部から直角方向に曲げられて前記ハウジングの空間部に入り込む板ばね部とを備える」構成を付加したものである
請求項3の発明は、基本構造に「前記ハウジングを、前記空間部の形成された内部ハウジングと、前記内部ハウジングを囲む外部ハウジングとに分割する」構成を付加したものである
また、請求項4の発明は、基本構造に「前記回転体の外周に3組の前記ローラ組合せ体を配置し、かつ、前記操作手段の設置されたローラ組合せ体における各々のローラが、他の2組のローラ組合せ体の各々に対し、回転体を挟んで対向するよう配置された」構成を付加したものとなっている。
本発明の回転体のストッパでは、回転体を取り囲むハウジングに、回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された空間部、いわば楔状の断面をなす空間部、を複数設け、この空間部にローラを挿入する。各々のローラは、回転体の外周との距離が減少する方向(以下「噛み込み方向」ということがある)に向けて、ばねによって押圧されている。隣接する2個の空間部においては、回転体の外周との距離の周方向の変化が逆となるように、つまり楔の向きが互いに逆となるように設定され、それに挿入された一対のローラがローラ組合せ体をなしている。
こうしたローラ組合せ体は、複数のものが回転体の周囲に配置されており、その中の一組のローラ組合せ体には、一対のローラの夫々を、押圧用ばねに抗して回転体の外周との距離が増大する方向(以下「開放方向」ということがある)に向けて押圧する操作手段が設置されている。
操作手段を働かせないときは、操作手段付きのローラ組合せ体を含め、全てのローラ組合せ体のローラが押圧用ばねによって空間部の噛み込み方向に押されることとなり、この状態は、ローラ型の一方向クラッチにおいてローラが噛み込み方向に押されている状態と同様である。ここで、本発明のストッパでは、ローラ組合せ体の一対のローラは、一方のローラが回転体の正回転で噛み込み、他方のものが逆回転で噛み込むように設定されているので、回転体がどちらの方向に回転してもロックされる結果となる。
これに対し、操作手段を作動すると、一組のローラ組合せ体における一対のローラが空間部の開放方向に移動して、回転体に対する拘束作用を失う。それと同時に、操作手段付きのローラ組合せ体以外のローラにおいて、回転体に噛み込んで拘束作用を生じるために必要な反力が実質的に喪失される。つまり、本発明の操作手段を作動したときは、全てのローラの拘束作用が実質的に失われて、ローラ型一方向クラッチのフリーホイール状態と同様な状況となり、回転体は自由に回転する。
このように、本発明の回転体のストッパは、回転体の外周に配置される楔状をなす空間部に置かれたローラの、回転体に対する噛み込み作用によって、回転体をロックするものである。噛み込み作用は、ローラと回転体との直接接触によって生じるから、回転体に歯車状の掛け止め部材を固着するなどの加工を施す必要はなく、本発明のストッパは、回転体が細い回転軸であっても容易に装着することができる。また、噛み込み作用は、ローラ組合せ体が配置される複数の個所で発生するとともに、掛け止め部材に爪等を噛み合わせるストッパのような、部材の一部に大きなせん断力が掛かるものではないため、小型のストッパであっても大きな保持トルク(ブレーキトルク)を生じさせることが可能となる。また、この噛み込み作用は、回転体がどのような位置であっても、操作手段を切り換えると直ちに生じるので、回転停止までにタイムラグの生じることはない。
そして、請求項1の発明では、ストッパの作動・非作動の切り換え用の操作手段を、一対のローラの各々に当接する2個の中間部材と、2個の中間部材に当接するカム体を固着したレバーとにより構成し、このレバーの位置を変更してカム体の姿勢を変えると、2個の中間部材の間の距離が変化するようにしている。本発明のストッパでは、一対のローラを噛み込み位置に置くか開放位置に置くかにより、回転体の自由回転とロックとを切り換えるが、この操作手段によれば、簡素な構造で確実に切り換えを行うことができる。
請求項2の発明は、空間部に挿入されたローラを噛み込み方向に押圧するばねに関するものであり、そのばねを、回転体の外周を取り囲む環状部と、環状部から直角方向に曲げられて空間部に入り込む板ばね部とを備える構造とするものである。本発明のストッパでは、ローラの挿入された多数の空間部がハウジングに設けられるが、請求項2のばねを採用すると、1枚の薄板のばね鋼のプレス加工等により、全てのローラを押圧する一体化されたばねを容易に製造することができる。そして、個々のローラを押圧するばねを独立して設置する場合に比べ、ストッパの組み立て作業が大幅に簡略化される。
請求項3の発明のように、ハウジングを内部ハウジングと外部ハウジングとに分割し、内部ハウジングにローラの挿入された空間部を形成する場合には、両ハウジングに特性の異なる材料(例えば、内部ハウジングに耐摩耗性に優れた材料、外部ハウジングに軽金属材料)を採用し、ストッパ全体の性能を向上させることができ、また、ハウジングの製造工程を簡易化することができる。
請求項4の発明は、回転体の外周に3組のローラ組合せ体を配置し、かつ、操作手段の設置されたローラ組合せ体における各々のローラが、他の2組のローラ組合せ体の各々に対し、回転体を挟んで対向するよう配置するものである。ローラ組合せ体をこのように配置したときは、操作手段付きのローラ組合せ体における各々のローラが、回転体の中心に関して、他の2組のローラ組合せ体の各々と点対称の位置となる。そのため、回転体に噛み込み作用を及ぼす場合に、操作手段付きのローラ組合せ体のローラは、他の2組のローラの中央と対向する位置から回転体に噛み込み作用を加えることとなり、回転体の撓みを防いで確実なロックが可能となる。操作手段付きのローラ組合せ体のローラを開放方向に移動した場合には、他の2組のローラにおいて噛み込み作用に必要な反力が効果的に喪失し、回転体のスムースな自由回転が行われる(後述の図4参照)。
本発明のストッパの実施例の全体的な構造を示す図である。 図1のストッパのハウジング等を単品で示す図である。 図1のストッパの操作手段を単品で示す図である。 図1のストッパの作動を示す図である。 本発明のストッパの別実施例の構造を示す図である。 従来のストッパの構造の一例を示す図である。 従来のストッパの別構造を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の回転体のストッパについて説明する。図1には、本発明のストッパの一実施例の全体図を示し、図2、図3には、各構成部品を単品で示す。
図1に示すように、本発明のストッパは、回転体RO(後述の図4参照)の外周を取り囲むハウジング1を備えており、その中央部には、回転体ROの貫通する中央孔11が設けられている。ハウジング1の中央孔11の周囲には、ローラ2が挿入される複数の空間部12が形成され、ローラ2が回転体ROと接触するよう、空間部12の中央孔11に面した部分は開放されている。複数の空間部12は、隣接する2個の空間部、例えば12Aと12A´、が対となり、その断面形状が対称的に形成される。つまり、空間部12A及び12A´の断面形状はいわば楔形であって、その外周面は、共に回転体ROの外周との距離D(図2の単品図参照)が周方向に変化するカム面CSとなっているけれども、空間部12Aの外周面が時計回り方向で回転体ROとの距離Dが減少するのに対し、空間部12A´の外周面は、逆に反時計回り方向で距離Dが減少するよう設定されている。
対となった空間部に挿入される一対のローラ、例えば2Aと2A´、はローラ組合せ体をなしており、図1の実施例では、3組のローラ組合せ体(2A、2A´)〜(2C、2C´)が回転体ROの外周に配置される。合計で6個のローラ2の各々は、空間部12において、カム面CSと回転体ROとの距離が減少する方向、すなわち噛み込み方向に板ばね3により押圧される。
この実施例のストッパでは、板ばね3は、全てのローラ2を押圧するばねを連結して一体化したものであり、図2に示すとおり、回転体ROを取り囲む環状部31と、環状部31から直角方向に曲げられて各々の空間部12に入り込む6個の板ばね部32とを備えている。板ばね3は、薄板のばね鋼のプレス加工により成形され、環状部31がハウジング1の端面に設けられたほぼ円形の浅い凹所に嵌め込まれて、取り付けられる。
ローラ組合せ体の中の一組、図1の実施例ではローラ2C、2C´の組合せ体、には、両方のローラを、板ばね3に抗してカム面CSと回転体ROとの距離が増大する方向、すなわち開放方向に押圧する操作手段4が設置されている。この操作手段4は、図3に示すとおり、ローラ2C、2C´の各々に当接する2個の中間部材41、41´と、中間部材41、41´に当接して両中間部材間の距離を変更するカム体42と、カム体42を固着したレバー43とにより構成される。こうした操作手段4が介在されているため、ローラ2C、2C´の間の距離は、他のローラ組合せ体における一対のローラの距離よりも大きく設定されている。
ハウジング1の端面には、図1に示すように、中央孔11と同一径の貫通孔を設けた閉塞用のシールド5が固着される。シールド5は、ローラ2、板ばね3及び操作手段4等をハウジング1に収容するための蓋体であり、操作手段4のレバー43の通過する切欠き51が設けてある(図2参照)。シールド5は、板ばね3が取り付けられるハウジング1の浅い凹所の外方に嵌め込まれ、電気抵抗溶接(プロジェクション溶接)でハウジング1と結合されている。溶接に代え、圧入等の手段でハウジング1に結合してもよい。
次いで、本発明の回転体のストッパの作動について、図4により説明する。図4は、ハウジング1の中央孔11に回転体(回転軸)ROを嵌め込んだ状態を示すものである。
操作手段4のレバー43を図4の上図の位置(図1の位置)としたときは、カム体42が中間部材41、41´の接近を許容する位置となり、ローラ2C、2C´は、板ばね3の板ばね部32に押されて空間部12C、12C´の噛み込み方向に移動する。また、他のローラ組合せ体における一対のローラ2A、2A´、2B、2B´は、板ばね3の板ばね部32に押され、常時、空間部の噛み込み方向に付勢されており、回転体ROに当接する全てのローラ2が噛み込み方向に付勢される。
本発明のストッパでは、ローラ組合せ体の一対のローラは、楔の向きが互いに逆となるように形成された空間部に置かれている。したがって、図4において回転体ROが時計回りに回転しようとしたときは、ローラ2A、2B、2Cが回転体ROに噛み込んで回転を阻止し、回転体ROが反時計方向に回転しようとしたときは、ローラ2A´、2B´、2C´が噛み込んで回転を阻止する。このような回転阻止作用は、回転体ROがどのような位置であっても、レバー43を図4の上図の位置に切り換えると直ちに生じる。
図1の実施例においては、3組のローラ組合せ体は、操作手段4が設置されたローラ組合せ体2C、2C´の中心線(すなわち、図1又は図4の右図の垂直線)が、他の2組のローラ組合せ体である2A、2A´及び2B、2B´の中心線(すなわち、図1又は図4の右図の垂直線)と一致するように配置されている。このように配置した場合には、操作手段4の設置されたローラ組合せ体のローラ2Cが、回転体ROを挟んでローラ組合せ体2B、2B´と対向し、ローラ2C´は、ローラ組合せ体2A、2A´と対向する。そして、例えばローラ2Cは、回転体ROの中心に関してローラ2Aとローラ2Bの中央と点対称の位置に置かれ、ローラ2Aとローラ2Bの合成された噛み込み作用(ローラが回転体ROを押し付ける作用)と対向する位置から回転体ROに噛み込み作用を加える。そのため、回転体ROの撓みが防止され、回転体ROの確実なロックが可能となる。
操作手段4のレバー43を図4の下図の位置に切り換えたときは、カム体42に押されて中間部材41、41´の間隔が拡がり、ローラ2C、2C´は開放方向に移動する。これにより、操作手段付きのローラ2C、2C´において噛み込み作用が消失し、この位置で回転体ROのロックが解除される。ここで、操作手段付きのローラ2C、2C´の噛み込み作用が消失することは、他の2組のローラの噛み込み作用に必要な反力が喪失してしまうこととなる。つまり、ローラ組合せ体2A、2A´及び2B、2B´の噛み込み作用が働いても、回転体ROの反対方向への僅かな変形(図4の下図の白抜き矢印参照)等により、拘束力は実質的に喪失し、回転体ROが自由に回転する。
本発明の回転体のストッパの別実施例について、図5により説明する。別実施例は、主にハウジング及び板ばねの構造を変更したものとなっている。
図5に示すように、別実施例のストッパのハウジングは、内部ハウジング1Iと外部ハウジング1Oとに分割されており、内部ハウジング1Iには、ローラの挿入される空間部12´が形成されている。また、ローラを噛み込み方向に押圧する板ばね3´は単純な矩形形状の板ばねであって、空間部12´の各々に挿入される。内部ハウジング1Iの軸方向の長さは、ローラの長さと等しく設定され、空間部12´は、内部ハウジング1Iの軸方向の全長に亘って延びる一様断面の溝の形態をなしている。
図5の別実施例のストッパにおいても、隣接する2個の空間部12´の断面形状が対称的に形成され、それに挿入される一対のローラがローラ組合せ体をなすこと、そして、ローラ組合せ体の中の一組には、両方のローラを、板ばね3´に抗して開放方向に押圧する操作手段が設置されていることについては、図1に示す実施例のストッパと同様である。ストッパの作動についても、図1に示す実施例のものと変わりはない。
しかし、内部ハウジング1Iと外部ハウジング1Oとが分割されているため、例えば、ローラが接触する内部ハウジング1Iに耐摩耗性に優れた鉄系金属、外部ハウジング1Oに軽金属又は合成樹脂を用いるなど、異なる材料を採用してストッパ全体の性能を向上させることができる。また、内部ハウジング1Iの空間部12´は、軸方向全長に亘って形成されているから、その加工が容易なものとなる。
以上詳述したように、本発明の回転体のストッパは、回転体を取り巻くハウジングに対をなす楔状の空間部を形成し、この空間部に回転体と接触するローラを置き、ローラの回転体への噛み込み作用を利用して回転体のロックを行うとともに、噛み込み作用を解除する操作手段を設置して、回転体を自由に回転させるようにしたものである。上記の実施例では、本発明をキャスタ等の回転体のストッパとして適用しているが、各種の機械や車両のブレーキとして適用できるのは言うまでもない。また、3組のローラ組合せ体を配置する代わりに、操作手段を有するローラ組合せ体と有しないローラ組合せ体との2組を対向して配置する、あるいは、操作手段における中間部材を省略してカム体とローラとを直接接触させるなど、上記実施例に対し各種の変形が可能であるのは明らかである。
1 ハウジング
1I 内部ハウジング
1O 外部ハウジング
11 中央孔
12、12´ 空間部
2 ローラ
3、3´ 板ばね
31 環状部
32 板ばね部
4 操作手段
41 中間部材
42 カム体
43 レバー
5 シールド
RO 回転体

Claims (4)

  1. 回転体を回転可能な状態と停止状態とに切り換えるストッパであって、
    前記回転体の外周を取り囲んで設置されたハウジングを備え、
    前記ハウジングには、前記回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された複数の空間部が設けられるとともに、前記空間部の各々には、前記距離が減少する方向にばねにより押圧されたローラが挿入され、
    前記複数の空間部は、隣接する空間部において前記距離の周方向の変化が逆となるように設定されて、その空間部に挿入される一対のローラがローラ組合せ体をなし
    前記ローラ組合せ体が、複数、前記回転体の外周に配置され、かつ、一組のローラ組合せ体には、前記ばねに抗して一対のローラを前記距離が増大する方向に押圧する操作手段が設置されており
    前記操作手段は、前記一組のローラ組合せ体における一対のローラの各々に当接する2個の中間部材と、前記2個の中間部材に当接するカム体を固着したレバーとを備え、前記レバーの操作により、前記2個の中間部材の間の距離を増大させて一対のローラを前記距離が増大する方向に押圧することを特徴とするストッパ。
  2. 回転体を回転可能な状態と停止状態とに切り換えるストッパであって、
    前記回転体の外周を取り囲んで設置されたハウジングを備え、
    前記ハウジングには、前記回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された複数の空間部が設けられるとともに、前記空間部の各々には、前記距離が減少する方向にばねにより押圧されたローラが挿入され、
    前記複数の空間部は、隣接する空間部において前記距離の周方向の変化が逆となるように設定されて、その空間部に挿入される一対のローラがローラ組合せ体をなし
    前記ローラ組合せ体が、複数、前記回転体の外周に配置され、かつ、一組のローラ組合せ体には、前記ばねに抗して一対のローラを前記距離が増大する方向に押圧する操作手段が設置されており
    前記ローラを押圧するばねは、前記回転体の外周を取り囲む環状部と、前記環状部から直角方向に曲げられて前記ハウジングの空間部に入り込む板ばね部とを備えていることを特徴とするストッパ。
  3. 回転体を回転可能な状態と停止状態とに切り換えるストッパであって、
    前記回転体の外周を取り囲んで設置されたハウジングを備え、
    前記ハウジングには、前記回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された複数の空間部が設けられるとともに、前記空間部の各々には、前記距離が減少する方向にばねにより押圧されたローラが挿入され、
    前記複数の空間部は、隣接する空間部において前記距離の周方向の変化が逆となるように設定されて、その空間部に挿入される一対のローラがローラ組合せ体をなし
    前記ローラ組合せ体が、複数、前記回転体の外周に配置され、かつ、一組のローラ組合せ体には、前記ばねに抗して一対のローラを前記距離が増大する方向に押圧する操作手段が設置されており
    前記ハウジングが、前記空間部の形成された内部ハウジングと、前記内部ハウジングを囲む外部ハウジングとに分割されたことを特徴とするストッパ。
  4. 回転体を回転可能な状態と停止状態とに切り換えるストッパであって、
    前記回転体の外周を取り囲んで設置されたハウジングを備え、
    前記ハウジングには、前記回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された複数の空間部が設けられるとともに、前記空間部の各々には、前記距離が減少する方向にばねにより押圧されたローラが挿入され、
    前記複数の空間部は、隣接する空間部において前記距離の周方向の変化が逆となるように設定されて、その空間部に挿入される一対のローラがローラ組合せ体をなし
    前記ローラ組合せ体が、複数、前記回転体の外周に配置され、かつ、一組のローラ組合せ体には、前記ばねに抗して一対のローラを前記距離が増大する方向に押圧する操作手段が設置されており
    前記回転体の外周に3組の前記ローラ組合せ体が配置され、かつ、前記操作手段の設置されたローラ組合せ体における各々のローラが、他の2組のローラ組合せ体の各々に対し、回転体を挟んで対向するよう配置されたことを特徴とするストッパ。
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