JP6064067B1 - 回転体のストッパ - Google Patents

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Abstract

【課題】回転体が回転可能な状態と停止状態とで、回転体の回転中心がずれることがなく、かつ、確実に回転体が回転可能な状態に切り換えられるストッパを提供すること。【解決手段】回転体の外周を取り囲んで設置された固定部材を備える。固定部材には、回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された複数の空間部を設けるとともに、空間部の各々には、距離が減少する方向にばねにより押圧された転動体と、転動体を前記距離が増大する方向に移動させる押圧片とを設置する。複数の空間部を、隣接する空間部において上記距離の周方向の変化が逆となるように設定し、隣接する空間部が一対の組み合わせ空間部をなす。組み合わせ空間部を、複数、回転体の外周に配置し、かつ、各々の空間部における押圧片を同時に作動させて、全ての転動体を上記距離が増大する方向に移動させる操作手段を設置する。【選択図】図1−2

Description

本発明は、移動を容易にする目的で、荷物運搬用の台車或いは家具等の脚部に取り付けられるキャスタなどの回転体(回転軸を含む)に用いられ、その回転体を停止状態に保持するストッパに関するものである。
荷物運搬用の台車、キャリーバック等には、スムースな移動を可能とするため、小車輪であるキャスタが装着される。キャスタは、設置場所を頻繁に移動するキャビネットや椅子、介護用ベッドなどの家具でも常套的に使用されている。
キャスタを装着した場合には、例えば、装着した台車が荷物の積み降ろし時等に不測の動き出しを起こすことのないよう、キャスタを回転不能状態に拘束するストッパを設けることが多い。このようなストッパとしては、キャスタ又はそれに固着された回転体に摩擦板等を押し付けて回転不能とするもの、あるいは、多数の凹凸部を備えた歯車状の掛止め部材をキャスタに固着し、掛止め部材に固定側部材を噛み合わせて回転不能に固定するものなどが知られている。
キャスタ等に設置するストッパとして、本願の出願人は、特許文献1に記載されたストッパを創案した。これは、楔形空間内に配置されたローラーの噛み込み作用で回転体を停止させる、いわゆるローラー型の一方向クラッチの原理を応用したものであって、このストッパについて図8により説明する。図8(a)はストッパの縦断面図、図8(b)及び(c)は後述するカバー部材Cを取り外した状態でのストッパの側面図である。
図8(a)に示すとおり、ハウジングHGが回転体RBの外周を取り囲んで設置され、その片端がカバー部材Cにより覆われている。図8(b)に示すとおり、ハウジングHGには、楔形の空間部、つまり、回転体RBの外周との距離Xが周方向に変化するカム面CSの形成された複数の空間部SPが設けられている。空間部SPの各々には、上記距離Xが減少する方向に板ばねSにより押圧された転動体(ローラー)REが設置されている。
複数の楔形の空間部SPは、隣接する空間部SPにおいて距離Xの周方向の変化が逆となるように設定されており、隣接する空間部SPが一対の組み合わせ空間部PSPをなしている。組み合わせ空間部PSPは回転体RBの外周に周方向に間隔を置いて3組配置されている。そして、一組の組み合わせ空間部PSPには、板ばねSによる押圧に抗して一対の転動体REを距離Xが増大する方向に相互に移動させる操作手段MMが設置されている。操作手段MMは、一対の転動体REの各々に当接する一対の押圧片PP、この一対の押圧片PPの中央に置かれた楕円形状のカム体CB、及びカム体CBに固着されたレバーLを備えている。
回転体RBを停止状態にするときは、レバーLを図8(b)に示す方向に動かす。これにより、レバーLに固着されたカム体CBは、その長径が図8(b)において垂直となるように回動され、一対の押圧片PPの周方向間隔はカム体CBの短径と同一、即ち最小となる。
この状態では、操作手段MMが設置された一組の組み合わせ空間部PSPにおいては、設置された転動体(ローラー)REは、板ばねSにより押圧されて距離Xの減少する方向への移動が可能となる。そのため、回転体RBが回転しようとしたときは、ローラー型の一方向クラッチと同様に、回転体RBの回転方向に応じていずれか一方の空間部SP内で、板ばねSにより押圧された転動体REが直ちにハウジングHGのカム面CSと回転体RBとの間に噛み込むこととなる。他の組み合わせ空間部PSPおいても、回転体RBが回転しようとする方向に応じて、いずれか一方の空間部SP内で転動体REの噛み込みが生じる。これにより、回転体RBが正転するときも逆転するときも、組み合わせ空間部PSPを構成する一対の空間部SPのいずれかに設置された転動体REが噛み込み、回転体RBは停止状態となる。
一方、回転体RBを回転可能な状態にするときは、レバーLを図8(c)に示す方向に動かす。レバーLに固着したカム体CBは、その長径が図8(c)のように垂直な状態から傾斜するように回動され、一対の押圧片PPの周方向間隔が押し広げられる。
これにより、操作手段MMが設置された組み合わせ空間部PSPにおいては、各々の転動体REが押圧片PPによって板ばねSに抗して距離Xが増大する方向に各々の空間部SP内を移動させられ、転動体REのカム面CSと回転体RBとの間での噛み込みが解除される。このとき、転動体REの噛み込みにより図の上方に撓んでいた回転体RBは、操作手段MMが設置された組み合わせ空間部PSPに向かって僅かに変位するため、操作手段MMが設置されていない組み合わせ空間部PSPにおいては、転動体REの噛み込み作用に必要な反力が喪失して、やはり転動体REと回転体RBとの間の噛み込みが解除される。従って、回転体RBは、正・逆どちらの回転方向であっても自由に回転可能な状態となる。
出願人の創案に係る図8のストッパは、楔形形状の空間に配置された転動体(ローラー)の噛み込み作用を利用するものであるから、回転体に摩擦板等を押し付けて回転不能とするストッパのように、長期間の使用による摩擦板の摩耗により停止性能が劣化するような恐れはなく、回転体に設けた多数の凹凸部に掛止め部材を噛み合わせて回転不能に固定するストッパのように、回転体に凹凸部を形成する必要もない。また、凹凸部に掛止め部材を噛み合わせるストッパでは、回転体の凹凸部が掛止め部材と一致する位置でのみ停止状態となるが、図8のストッパでは、回転体がどのような位置であってもレバーを操作すると直ちに停止状態とすることができる。
特開2015−232367号
上述のとおり、図8のストッパは、簡素な構造でありながら、一般的なストッパと比較すると多くの利点を有している。しかしながら、未だ改良の余地も残されており、本発明は、以下のような課題を解決するものである。
まず、図8のストッパでは、回転体RBを停止状態から回転可能な状態に切り換える際に、操作手段MMの設置された組み合わせ空間部PSPにおいて転動体(ローラー)REの噛み込みが解除されて、回転体RBが当該組合せ空間部PSPの方向に僅かに変位し、その結果、他の組合せ空間部PSPでも転動体REの噛み込みが解除される。つまり、回転体RBが回転可能な状態と停止状態とでは、回転体RBの回転中心に僅かな「ずれ」が生じることとなり、図8のストッパは、例えば半導体製造装置のような、精度の高い加工が要求され中心軸を定位置に保持する必要がある装置には適用できない。
また、図8のストッパにおいては、全ての転動体(ローラー)REの噛み込みを解除するために回転体RBの僅かな変位が必要となるが、組合せ空間部PSPが周方向に多数配置されている場合には、回転体RBが多数の個所で拘束される形となり、操作手段MMが設置された一組の組み合わせ空間部PSPにおける転動体(ローラー)REの噛み込みを解除しても、回転体RBの変位が生じにくくなる。そのため、周方向に配置した組合せ空間部PSPの数を多くして、回転体RBを停止状態に維持可能な最大トルク、即ち、ロックトルクを増大することが困難となる。
上記の課題に鑑み、本発明は、複数の空間部内に配置された転動体(ローラー)の噛み込み作用で回転体を停止させるストッパにおいて、各々の空間部に回転体の外周との距離が増大する方向に転動体を移動させる押圧片を設置し、全ての押圧片を同時に作動させる操作手段を設置したものである。即ち、本発明は、
「回転体を回転可能な状態と停止状態とに切り換えるストッパであって、
前記回転体の外周を取り囲んで設置された固定部材を備え、
前記固定部材には、前記回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された複数の空間部が設けられ、前記複数の空間部は、隣接する空間部において前記距離の増大する方向が相互に逆となるように設定されて、隣接する空間部が一対の組み合わせ空間部をなし、前記組み合わせ空間部が、複数、前記回転体の外周に配置され、
前記空間部の各々には、前記距離が減少する方向にばねにより押圧された転動体と、前記転動体を前記距離が増大する方向に移動させる押圧片とが設置され、さらに、
前記押圧片を同時に作動させる操作手段を備え、前記操作手段が操作されないときは、前記転動体が前記カム面と前記回転体との間に噛み込んで、前記回転体を停止状態にすると共に、前記操作手段が操作されたときは、前記転動体の噛み込みを解除して、前記回転体を回転可能状態とする」
ことを特徴とするストッパとなっている。
本発明のストッパでは、前記複数の組み合わせ空間部は、前記回転体の外周に均等な間隔で配置されるのが好ましい。
各々の空間部における前記押圧片を同時に作動させる前記操作手段として、後述の図1及び図6に示すように、「前記回転体の中心軸の周りを回動する一対の作動部材と、前記一対の作動部材の各々の相対的角度位置を変化させるカム体と、前記カム体の姿勢を変更させる変更部材と」を設け、前記一対の作動部材の各々に、前記回転体の周方向に一つおきの前記空間部に設置された前記押圧片の全てをそれぞれ固着して構成することができる。この場合には更に、後述の図1に示すように、前記複数の組み合わせ空間部の各々に対して前記カム体を設けるとともに前記カム体の各々には歯車を固着させ、前記変更部材が、前記歯車と噛み合い前記回転体の中心軸の周りを回転する駆動歯車を有するようにすることができる。
また、前記転動体を同時に移動させる手段としては、後述の図7に示すように、前記組み合わせ空間部に設置される一対の前記押圧片を一体化された駆動カムとして形成して、前記組み合わせ空間部のそれぞれに前記駆動カムを設け、かつ、全ての前記駆動カムの姿勢を同時に変更させる変更部材を設けることにより構成することができる。この場合においても、駆動カムの各々に歯車を固着させ、前記変更部材が、前記歯車と噛み合い前記回転体の中心軸の周りを回転する駆動歯車を有するようにすることができる。
本発明の回転体のストッパでは、回転体を取り囲む固定部材に、回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された空間部、つまり楔状の断面をなす空間部、を複数設け、この空間部に転動体(ローラー)を設置する。各々の転動体は、回転体の外周との距離が減少する方向(噛み込み方向)に向けて、ばねによって押圧されている。そして、各々の空間部には、転動体を前記距離が増大する方向(開放方向)に移動させる押圧片が設置されるとともに、押圧片を同時に作動させて、全ての転動体を開放方向に移動させる操作手段が設置されている。
操作手段を働かせないとき(即ち、操作手段を操作しないとき)は、全ての転動体がばねによって空間部の噛み込み方向に押されることとなり、この状態は、ローラー型の一方向クラッチにおいてローラーが噛み込み方向に押されている状態と同様である。本発明のストッパでは、隣接する空間部において前記距離の増大する方向が相互に逆となるように設定されて、隣接する空間部が一対の組み合わせ空間部をなしているので、組み合わせ空間部を構成する一対の空間部の一方に設置された転動体が回転体の正回転で噛み込み、他方に設置されたものが逆回転で噛み込むようになり、回転体がどちらの方向に回転してもロックされて停止する結果となる(後述の図1−2(b)参照)。
これに対し、操作手段を操作すると、全ての押圧片が同時に作動して、全ての転動体が各々の空間部内において上記距離が増大する方向(開放方向)に移動する。これにより、いずれの転動体も空間部内で噛み込みを生じることはなく、回転体は、どちらの方向であっても自由に回転可能な状態となる(後述の図1−2(c)参照)。
ここで、本発明のストッパにおいては、噛み込みを解除するよう転動体(ローラー)を移動させる押圧片が各々の空間部に設置してあり、回転体を回転可能状態とする際に、全ての押圧片が同時に作動される。図8に示すストッパのように、複数の組み合わせ空間部の内の一組だけに設置された押圧片を作動するものではないので、噛み込み解除に伴い回転体の中心が特定の方向に変位することはない。そのため、例えば、回転体の両端にベアリングを配置して中心軸を定位置に保持するようにした回転体に対しても、本発明のストッパを適用することが可能となる。
また、回転体の周囲に置かれる組み合わせ空間部の数を増大しても、回転体が変位することなく、転動体の噛み込みの解除が可能となる。したがって、回転体の外周に多数の組み合わせ空間部を設け、回転体に噛み込ませる転動体の数を増すことにより、回転体を停止状態に維持可能なロックトルクを増大することが容易となる。
本発明のストッパの実施例の全体的な構造を示す図である。 図1−1に示すストッパの断面を示す図である。 図1に示すストッパを構成する部品の組み立て図である。 図1−2(b)のC−C断面における組み合わせ空間部の一つを拡大した図である。 図1に示すストッパの固定部材等の単体図である。 図1に示すストッパの操作手段等の単体図である。 図1に示すストッパの第1の変形例を示す図である。 図1に示すストッパの第2の変形例を示す図である。 出願人が創案した従来のストッパの構造を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明のストッパについて説明する。図1には、本発明の一実施例におけるストッパの全体図を示し、図2には、各構成部品の組み立て図を斜視図によって示し、図4及び図5には、主要な構成部品を単品で示す。
図1及び図2に示すように、本実施例のストッパは、固定されたハウジング1を備え、このハウジング1内には、これに嵌め込まれた固定部材2が設けてあり、さらに、停止状態と回転可能状態とに切り換える対象物である回転体3と、切り換えるための操作手段4とが備えられている。
固定部材2は、回転体3の外周を取り囲んだ状態で組み合わされてハウジング1に設置される。図1−2のC−C断面図と共に図3を参照することによって理解されるとおり、固定部材2と回転体3とが組み合わされると、固定部材2には、回転体3の外周面との間に空間部21が画成される。この空間部21は、回転体2の外周面と固定部材3の内周面との距離Xが周方向に変化するカム面22をなす楔形の空間となっている。複数の空間部21は、隣接する空間部21において距離Xの増大する方向が相互に逆となるように設定されており、隣接する空間部21が一対の組み合わせ空間部23をなしている。
空間部21の各々には、ばね5によって距離Xが減少する方向(噛み込み方向)に押圧された転動体(ローラー)6が設置してある。こうした構造はローラー型の一方向クラッチと同様であるが、本発明のストッパでは、噛み込み方向が逆となった一対の組み合わせ空間部23に転動体6が設置されるため、回転体3は、回転方向にかかわらず転動体6の噛み込みによりロックされることとなる。本実施例においては、ばね5は板ばね、転動体6は円柱形状のローラーであるが、所望ならば、ばね5はコイルスプリング等適宜の付勢手段、転動体6は球形状のものであってもよい。
そして、本発明のストッパにおいては、空間部21の各々には、転動体6を距離Xが増大する方向(開放方向)に移動させて噛み込みを解除する押圧片7が設置される。押圧片7は、図1の本実施例では、断面が矩形形状の棒状部材であり、周方向に一つおきの空間部21に設置された押圧片7の全て、即ち、転動体6を移動させる方向が同一となる押圧片7の全て、が一対の作動部材8、8´にそれぞれ固着されている。
一対の作動部材8、8´は、転動体6の噛み込みを解除して回転体3を回転可能な状態に切り換えるための操作手段4の一部をなす。操作手段4には、一対の作動部材8、8´の各々の相対的角度位置を変化させる3個のカム体9、及び、カム体9の姿勢を変更するための変更部材10も含まれる。
次いで、主要な構成部品の詳細について図4及び図5を参照して説明する。
ハウジング1は、断面が略円形である筒状の周壁11を有し、周壁11の内側はその軸線方向中間位置において円板形状の仕切り壁12によって第一の領域1Aと第二の領域1Bとに仕切られている(図4(a)を参照)。仕切り壁12には、円形の中央穴13が形成されている。仕切り壁12には更に、中央孔13よりも幾分半径方向外方において周方向に等角度間隔をおいて3個の円弧状の窓14が形成されており、半径方向に見て窓14の各々と周壁11の内周面との間には小穴15も形成されている。
仕切り壁12の第二の領域1B側の面には、矩形形状の壁16が周方向に等角度間隔をおいて3個配設されている。壁16の各々は、周方向に隣接する窓14の間において、壁16の半径方向内側端が中央孔13の外周よりも半径方向外方に、壁16の半径方向外側端が周壁11の内周面より半径方向内方に位置するように配置されている。また、第一の領域1Aにおける周壁11の内周面には、軸線方向に延在する突条17が周方向に等角度間隔をおいて3個形成されている。さらに、ハウジング1の第二の領域1Bは蓋部材18(図2を参照)によってシールドされ、蓋部材18には小穴19が周方向に等角度間隔をおいて3個形成されている。
固定部材2は筒壁24と端板25とからなるカップ状部材であり(図4(b)を参照)、筒壁24の外周面には、ハウジング1における周壁11の内周面に形成された突条17が嵌まり込む溝26が周方向に等角度間隔をおいて3個形成されている。筒壁24の内周面には、軸線方向に延在する壁部27が周方向に等角度間隔をおいて3個形成され、筒壁24の内側における壁部27が形成されていない領域において、筒壁24の内周面と回転体3の外周面との間に空間部21が画成される。
空間部21の外周面である筒壁24の内周面は、回転体3の外周との距離Xが周方向に変化するカム面22となっている。複数の空間部21は、隣接する空間部21において距離Xの増大する方向が相互に逆となるように設定されており(図3も参照)、隣接する空間部21が一対の組み合わせ空間部23をなしている。図示の実施例においては、各々の空間部21におけるカム面22の距離Xは、壁部27に近い側が遠い側よりも大きく設定され、各々の組み合わせ空間部23を構成する一対の空間部21は周方向に相互に接続されている。一対の組み合わせ空間部23は周方向に等角度間隔をおいて3個配置されている。
回転体3は全体として円筒形状である(図4(c)を参照)。回転体3の片側端部の外周面にはステップ部31が形成されている。更に、回転体3の片端には切欠き32が形成されており、切欠き32には図示しないキャスタなどの回転軸に形成された鉤部が係合される。
本実施例のストッパでは、回転体3を中空の管状としてキャスタなどの回転軸を挿入しているが、キャスタなどの回転軸を回転体3とし、その回転軸に直接転動体(ローラー)6を接触させてストッパを構成できるのは、勿論である。
操作手段4は、回転体3の中心軸の周りを回動する一対の作動部材8、8´と、一対の作動部材8、8´の各々の相対的角度位置を変化させるカム体9と、このカム体9の姿勢を変更させる変更部材10とを備えている。
一対の作動部材8、8´は、外側リング状部81、81´と、外側リング状部81、81´の内周面から半径方向内側に向かって延びる3個のスポーク部82、82´と、スポーク部82、82´の各々の半径方向内側端が接続される内側リング状部83、83´とを有している(図5(a)及び(b)を参照)。各々のスポーク部82、82´には、周方向に一つおきの空間部21に設置される棒状の押圧片7が固着される。一対の作動部材8、8´は、ほぼ同一の形状となっており、軸線方向に重ねて設置される。
カム体9には略長円形状の長円カム91が固着され、長円カム91の中心には軸部92が設けられている(図5(c)を参照)。また、長円カム91が固着されている側とは反対側には歯車93が形成され、歯車93の回転中心(長円カム91の中心と同心)には軸部94が設けられている。図示の実施例においては、歯車93は略90度の角度範囲に亘って形成された外歯歯車であり、カム体9はハウジング1の第二の領域1B内で周方向に等角度間隔をおいて3個設置されている。
変更部材10は、回転体3の中心軸の周りに回転する円筒形状の部材であり、使用者がこれを操作する際に把持する主部101と、カム体9に形成された歯車93と噛み合う駆動歯車102とを有する。更に、主部101と歯車102との境界領域には、外側ステップ部103と、内側ステップ部104とが形成されている。図示の実施例においては、駆動歯車102は全周に亘って形成された外歯歯車である。
上述した操作手段4はハウジング1の第二の領域1Bに設置される。
一対の作動部材8、8´は、作動部材8が作動部材8´よりも第一の領域1A側に位置するようにして組み合わされた状態で、スポーク部82、82´に固着された押圧片7を仕切り壁12に形成された窓14に挿通させ、押圧片7が空間部21の所定位置(即ち転動体6と隣接する位置)に到達するようにして設置される。
一対の作動部材8、8´が設置されると、周方向に隣接して位置する一対のスポーク部82、82´が夫々ハウジング1の第二の領域1B内において、周方向に隣接する壁16の間に位置することとなる。このとき、スポーク部82、82´とハウジング1の壁16との間には周方向に弾性力を付与するばね体84を設置し、作動部材8、8´の内の一方がばね体84によって周方向片側に押圧されると共に、作動部材8、8´の内の他方が周方向他側に押圧されるようにする。これにより、変更部材10を操作する際の所謂節度感が良好なものになる。
各々のカム体9は、長円カム91の外周面が作動部材8、8´の周方向に隣接するスポーク部82、82´の側面と当接すると共に、歯車93が変更部材10の駆動歯車102と噛み合った状態で組み立てられる。そして、軸部92がハウジング1の仕切り壁12に形成された小穴15に挿通されると共に軸部94がハウジング1の蓋部材18に形成された小穴19に挿通されて軸支される。
変更部材10は、作動部材8´の内側リング状部83´の一部が駆動歯車102の内側に形成された穴部に挿入されて内側ステップ部104と面接触すると共に、外側ステップ部103が蓋部材18と面接触することで回転可能に支持される。
続いて、図1の実施例のストッパの作動について説明する。
操作手段4が一方向に操作された状態、即ち、変更部材10が図1−2(b)のA−A断面図において時計方向に回転された状態(操作手段4が操作されていないOFF状態)、においては、図1−2(b)のB−B断面図に示すとおり、全ての長円カム91はその短径が周方向と合致している。これにより、各々の長円カム91を挟んで周方向に隣接するスポーク部82、82´は相互に近接することとなり、図1−2(b)のC−C断面図に示すとおり、組み合わせ空間部23を構成する一対の空間部21に設置された一対の押圧片7も相互に近接する。つまり、押圧片7は、空間部21内において距離Xが最小となる場所に位置し、転動体6はばね5によって距離Xが減少する方向に押圧される。したがって、全ての転動体6は、カム面22と回転体3の外周面との間で噛み込みを生じ、回転体3は停止状態となる。
一方、操作手段4の変更手段10を周方向他側に90度回転すると(操作手段4が操作されたON状態)、図1−2(c)のA−A断面図に示すとおり、変更部材10の駆動歯車102と噛み合う歯車93によって全てのカム体9の姿勢が同時に変更され、これにより、図1−2(c)のB−B断面図に示すとおり、全ての長円カム91はその長径が周方向と合致することとなる。従って、各々の長円カム91を挟んで周方向に隣接するスポーク部82、82´は相互に離隔することとなり、図1−2(c)のC−C断面図に示すとおり、各々の組み合わせ空間部23を構成する一対の空間部21に設置された一対の押圧片7も相互に離隔する。このとき、各々の空間部21における押圧片7は同時に作動され、全ての転動体6は、各々の押圧片7によって距離Xが増加する方向(開放方向)に押圧され移動させられる。そして、カム面22と転動体6の外周面との噛み込みが解除され、回転体3は固定部材2に対して回転可能な状態となる。
このように、本発明のストッパにおいては、開放方向に転動体6を移動させる押圧片7を各々の空間部21に設置し、全ての押圧片7を同時に作動させる。図8のストッパのように、複数の組み合わせ空間部の内の一組だけに操作手段が接続された押圧片を設置することに起因して、回転体3の回転状態を切り換えた際に回転体3の中心が特定の方向に変位してしまうことはなく、そのため、本発明のストッパは、中心軸が定位置の回転軸に対して適用可能であると共に、組み合わせ空間部の個数を増やすことで、回転体3の停止状態におけるロックトルクを増大させることが可能となる。また、一度の操作で全部の押圧片7を同時に作動させることができ、使い勝手の優れたものとなる。
次いで、図6及び図7に基づき、本発明のストッパの変形例について説明する。
まず、図6に示す第1の変形例のストッパは、図1の実施例のストッパにおいて周方向に3個配置しているカム体9を1個のみとし、この1個のカム体9によって一対の作動部材8a、8a´の相対的角度位置を変化させて、回転体2の停止状態と回転可能な状態とを切り換えるものである。図6の第1の変形例では、ハウジングの壁16と作動部材8a、8a´との間に置かれるばね体84を2個に限定することができるとともに、図8のストッパで用いられている操作レバーと同様なレバーをカム体9に固着して、切り換え用の操作手段とすることができる。
図7に示す第2の変形例のストッパは、転動体6を同時に開放方向に移動させて回転体3の停止状態と回転可能状態とを切り換えるため、組み合わせ空間部に設置される一対の押圧片を、図1の実施例の長円カムと類似した駆動カム91aとして一体化して形成したものである。駆動カム91aは、複数の組み合わせ空間部23の中央にそれぞれ配置してあり、隣り合う転動体6に接触している。
駆動カム91aには歯車9aが固着され、歯車9aは、図1の実施例の駆動歯車と同様な歯車により同時に回動される。この駆動カム91aの姿勢を変更することにより、転動体が回転体に噛み込む停止状態(図7(a)に示すOFF状態)と、噛み込みが解除される回転可能状態(図7(b)に示すON状態)とを切り換えることができる。
第1の変形例及び第2の変形例のストッパも、図1の実施例のストッパに比べて部品点数を削減することができ、これにより製造コストを低減することができると共にコンパクトになる。具体的には、第1の変形例では、カム体及びばね体の数を大幅に削減することが可能で、操作手段も簡単な構成となる。第2の変形例のストッパでは、押圧片を連結する一対の作動部材を省くことが可能である。
以上詳述したとおり、本発明のストッパは、回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された複数の空間部を有し、空間部の各々には、上記距離が減少する方向にばねにより押圧された転動体と、この転動体を上記距離が増大する方向に移動させる押圧片とが設置され、各々の空間部における押圧片を操作手段によって同時に作動させるようにしたものである。上記の実施例では、ハウジング内の一部品として回転体を備えていたが、これに代えて、キャスタなどの回転軸を回転体としてもよい。また、固定部材とハウジングを一体の部材とするなど、上記実施例に対し各種の変形が可能であることは明らかである。
1:ハウジング
2:固定部材
21:空間部
22:カム面
23:組み合わせ空間部
3:回転体
4:操作手段
5:ばね
6:転動体(ローラー)
7:押圧片
8、8´:作動部材
9:カム体
91:長円カム
10:変更部材

Claims (6)

  1. 回転体を回転可能な状態と停止状態とに切り換えるストッパであって、
    前記回転体の外周を取り囲んで設置された固定部材を備え、
    前記固定部材には、前記回転体の外周との距離が周方向に変化するカム面の形成された複数の空間部が設けられ、前記複数の空間部は、隣接する空間部において前記距離の増大する方向が相互に逆となるように設定されて、隣接する空間部が一対の組み合わせ空間部をなし、前記組み合わせ空間部が、複数、前記回転体の外周に配置され、
    前記空間部の各々には、前記距離が減少する方向にばねにより押圧された転動体と、前記転動体を前記距離が増大する方向に移動させる押圧片とが設置され、さらに、
    前記押圧片を同時に作動させる操作手段を備え、前記操作手段が操作されないときは、前記転動体が前記カム面と前記回転体との間に噛み込んで、前記回転体を停止状態にすると共に、前記操作手段が操作されたときは、前記転動体の噛み込みを解除して、前記回転体を回転可能状態とすることを特徴とするストッパ。
  2. 前記複数の組み合わせ空間部が、前記回転体の外周に均等な間隔で配置されている請求項1に記載のストッパ。
  3. 前記操作手段は、前記回転体の中心軸の周りを回動する一対の作動部材と、前記一対の作動部材の各々の相対的角度位置を変化させるカム体と、前記カム体の姿勢を変更させる変更部材とを備えており、
    前記一対の作動部材の各々には、前記回転体の周方向に一つおきの前記空間部に設置された前記押圧片の全てがそれぞれ固着されている、請求項1又は2に記載のストッパ。
  4. 前記複数の組み合わせ空間部の各々に対して前記カム体が備えられるとともに前記カム体の各々には歯車が固着されており、
    前記変更部材が、前記歯車と噛み合い前記回転体の中心軸の周りを回転する駆動歯車を有する請求項3に記載のストッパ。
  5. 前記組み合わせ空間部に設置される一対の前記押圧片が、一体化された駆動カムとして形成され、前記組み合わせ空間部のそれぞれに前記駆動カムが設けられており、かつ、全ての前記駆動カムの姿勢を同時に変更させる変更部材が設けられ、全ての前記転動体を前記距離が増大する方向に移動させる請求項1又は2に記載のストッパ。
  6. 前記駆動カムの各々には歯車が固着され、
    前記変更部材が、前記歯車と噛み合い前記回転体の中心軸の周りを回転する駆動歯車を有する請求項5記載のストッパ。
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