JP4796029B2 - 2部分装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、電気装置の電気機械的構造体に係る。
特にポータブル電子装置のサイズは、絶えず小型化されてきている。これは、装置内の種々の機械的部品の使用性及び耐久性等の要求を高めている。
電子装置の物理的部品は、大量生産に適するように簡単且つ安価でありそして自動組み立てラインにおいて設置容易であるように構成される。これら部品は、更に、これら部品に生じる種々の公差変化が設置を妨げたり装置の性能を低下したりしないように設計されねばならない。
機械的な可動部品を含む小型電子装置の例は、移動ターミナル、CDステーション及びCDプレーヤーである。最小の移動ターミナルは、物理的に非常に小さく、スピーカーを耳に保持したときに、特殊な構成体がなければマイクロホンがユーザの口まで完全に届かない。この種の移動ターミナルは、伸縮構造体の助けによるか、又は折り畳み構造体のような他の拡大構成体により拡大することができる。拡大に必要な力は、ユーザが与えることができるか、又は例えばスプリングやモーターから得ることができる。
本体部分及びグリップ部分を含む移動ターミナルは、本出願の出願日までに公開されていない本出願人の以前の特許出願FI20001008号に開示されている。
図1aは、本体部100の比較的大きな部分がスリーブ状のグリップ部分101内に配置された伸張可能な移動ターミナルの構造体を、引っ込めた状態で示している。グリップ部分は、引っ込めた位置と伸びた位置との間で長手方向にスライド移動するように取り付けられる。
図1bは、同じ電話装置を伸びた状態で示しており、本体部は長手方向に移動されて、その大部分がグリップ部分から伸びている。
オープン移動に必要な力は、片側に設けられた解除スイッチが解除されたときにグリップ部分の底部のねじれスプリングから得られる。別の実施形態では、オープン移動に必要な力は、ギアホイールをもつ歯車付きラックから得られる。
上記特許出願には、スプリングバレルを使用した解決策が開示されている。このスプリングバレルは、スプリングと両方向性ダンパーとが組み合わされたもので、移動ターミナルの本体部に設置される。移動ターミナルが閉じた位置にあり、即ち本体部がスリーブ状のグリップ部分内にあるときには、スプリングが圧縮され、即ちスプリングがストレスを受けた状態にある。本体部とグリップ部分との間の解除ラッチが解除されると、スプリングに蓄積された力が移動ターミナルの本体部をグリップ部分から伸びた位置即ち動作位置へと押し出す。ダンパーは、グリップ部分に対する本体部の機械的な移動を低速化する。より詳細には、本体部の機械的な移動は、両方向性ダンパーによって制御され、このダンパーは、本体部が突然ノイズを発して拡張位置へとジャンプするのを防止するためにスプリング力の一部分を吸収する。移動ターミナルの使用を終了するときには、スプリングがリセットされ、即ち本体部が手でグリップ部分へと押し下げられる。
しかしながら、上記解決策の1つの欠点は、ダンパーが低い温度(例えば、0℃以下)では正常に機能しないことである。これは、主として、ダンパーハウジングの制動オイルの特性によるものである。このオイルが凝固し、従って、スプリングバレルの機械的部品に高いトルク及びストレスを生じさせる。その結果、移動ターミナルのオープン機構が非常に低速に機能するという重大な機能不良となる。
更に、ダンパーが機能しないか又は非常に低速に機能する場合には、フラストレーションの溜まったユーザが我慢できない状態となりそして装置を力で開閉しようとする危険が常に生じる。最悪の場合に、このような振舞いは、スプリングバレルの機械的な部品を破壊することになる。
別の欠点は、既知の伸張可能な移動ターミナルの可動部は、交換可能に設計されていない。従って、可動部を、異なる色、材料又は形状の新たな部品と交換することができない。
一般に、既知の解決策のオープン機構は、製造という観点から複雑で且つ高価である。
本発明は、特に、少なくとも1つのスプリングモジュールを備え、フラットなベルト状のスプリングを使用して、電子装置の移動可能な要素に対する円滑な動きを得るようにした2部分装置に関する。
本発明の目的は、上述した欠点を排除するような2部分装置を提供することである。本発明は、製造が経済的に効果的であり、その設置が簡単で、且つ部品に生じる種々の公差変動を許容するようにベルト状スプリングをもつスプリングバレルモジュールを実施する。
この目的は、独立請求項に記載されたように達成される。本発明の効果的な実施形態は、従属請求項に記載する。
本発明の第1の実施形態において、スプリングバレルモジュールは、第1及び第2の円筒状バレルより成り、第1バレルは、第2バレル内で回転するようにされる。第1バレルは、スプリング及びダンパーと、外周に沿って延びるベルト状のスプリングとを含む。ベルト状スプリングの第1端は、バレルに取り付けられ、そして第2端は、スライド素子に取り付けられる。ダンパーは、一方向にのみ機能する。一方向ダンピングが一方向クラッチによって実施される。
バレルは、予張力式のベルト状スプリングと共に供給することができる。外部バレルは、ベルト状スプリングを予張力状態に確実に保持できるように構成できる。これは、取り付けの観点から特に重要である。
使用中に、第2即ち外部バレルは、ベルト状スプリングを制御する手段として機能すると共に、第1バレルを埃や汚れから保護する。
本発明の第2実施形態では、スプリングバレルモジュールは、スプリング及びダンパーと、外周に沿って延びるベルト状スプリングとを含む1つの円筒状バレルより成る。バレルは、当該装置の本体の穴内で回転される。
電子装置の可動部がその閉じた位置にあるときには、スプリングバレルモジュールのスプリングがストレス状態にある。スプリングが解除されると、スプリング力が、回転するように構成されたスプリングバレルと、ベルト状のスプリングとによって直線運動又は回転運動に変換される。換言すれば、スライド素子をもつベルト状スプリングが装置内のグルーブに沿ってその第1位置から第2位置へスライドする。従って、動くよう構成された電子装置の部分は、制御された円滑な状態で開放する。
可動部を、例えば、手で押すことにより閉じると、スライド素子をもつベルト状スプリングは、グルーブに沿って第2位置から第1位置へスライドし、そしてスプリングがリセットする。
2つのスプリングバレルを装置の両側に対称的に取り付けるのが特に効果的である。電子装置を伸ばしたり引っ込めたりするときには、ベルトをもつスライド素子が装置の反対側で長手方向グルーブに沿ってスライドする。従って、バレル、ベルト状スプリング及びスライド素子より成るシステムは、装置の本体部分と可動部分との間のベアリング素子として働く。
本体部分及び可動部分は、必要に応じて可動部分を容易に除去して新たな可動部分と交換するように互いに固定することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
図2の(a)は、外部バレル内に設置されそして2つの別々の固定スピンドルが設けられたスプリングバレルモジュールの基本的な構造を示す分解図である。
スプリングバレルモジュールは、外部バレル200と、スプリングチャンバーキャッププレート201と、スプリングスピンドル202と、スプリング(図示せず)と、バレルフレーム203と、ダンパープレート204と、ダンパースピンドル205と、Oリング206と、ダンパーチャンバーキャッププレート207と、バレルエンドピース208とを備えている。
図2の(b)は、同じスプリングバレルモジュールを組み立て状態で示している。
図2の(a)及び(b)から、スプリングバレルモジュールがいかに組み立てられるか明らかであろう。
スプリングスピンドル202は、断面が円形の均一な部片であるが、スピンドルの第1端209の断面は、多辺をもつものであり、好ましくは、キャッププレート201の穴に嵌合される部分は方形である。スプリングスピンドルの断面直径は、第1端209から第2端210へ長手方向にスピンドルを見たときに変化するが、スプリングスピンドルは、長手方向に延びる中心軸に対して対称的である。スピンドル部品の相対的な軸方向長さは、用途に応じて異なる断面寸法を有する。
バレルフレーム203は、キャップ及び底面をもたない均一円筒状本体の形状にされる。円筒状本体の本質的に中間に、円形断面の仕切り211があり、その直径は、円筒の直径に等しい。この仕切りは、円筒壁に直角であり、2つの別々の開放チャンバー、即ち第1チャンバー及び第2チャンバーを形成する。
スプリングスピンドルの第2端210は、バレルフレームをチャンバーに分割している仕切りの中央に位置する本質的に丸い穴212へ直角に押し込むことができる。この穴は、仕切りを完全に貫通していない。クロックスプリング(図示せず)の内端は、スプリングチャンバーに配置されたスプリングスピンドルの部分に機械的に取り付けられる。他方、クロックスプリングの外端は、バレルフレームにおけるスプリングチャンバーの内壁に取り付けられる。良く知られたように、クロックスプリングは、螺旋状に巻かれるストリップ状スチールスプリングワイヤである。
ダンパースピンドル205は、該スピンドルの長手方向における中心軸に対して対称的な均一部片であり、その第1端213は、円形断面であり、そしてその第2端214は、本質的に多辺をもつもので、好ましくは方形である。スピンドルの長手方向におけるスピンドルの第1端及び第2端の相対的な長さは、その用途に依存する。
ダンパープレート204は、円形断面であって、その直径は、フレームバレルの直径より小さい。ダンパースピンドルの第1端213は、ダンパープレートの本質的に中央に配置された円形穴215に直角に押し込むことができる。穴の直径は、ダンパースピンドルの最大直径とほぼ同じである。更に、バレルフレームにおける第2チャンバーの底部の本質的に中央には、ダンパースピンドルの第1端の断面に対応する穴216があり、この穴にスピンドル端213を押し込むことができる。この穴は、底部を完全に貫通しない。
Oリング206は、ダンパースピンドルの第2端214の周りに取り付けられ、直径が最も太いスピンドルの部分とダンパーチャンバーのキャッププレートとの間で圧縮される。
断面で見ると、スプリングチャンバーのキャッププレート201とダンパーチャンバーのキャッププレート207は、本質的に円形プレート状の均一本体である。それらは、用途に応じてまっすぐでもよいし、曲がった形状でもよい。ダンパーチャンバーのキャッププレート207の本質的に中央には、円形の穴217があり、これを経てダンパースピンドルの第2端214を直角に押し込むことができる。穴の直径は、ダンパースピンドルの第2端の直径にほぼ等しい。
スプリングチャンバーのキャッププレート201の本質的に中央には、円形穴218があり、これは、スプリングスピンドルの第1端209を直角に押し込むことのできる直径を有する。
スプリングチャンバーのキャッププレート201、バレルフレーム203及びダンパーチャンバーのキャッププレート207が互いに取り付けられると、閉じた円筒状バレルが形成され、その内部には2つの個別のチャンバーがある。クロックスプリングは、第1チャンバー221に配置され、そしてダンパーは、第2チャンバー222に配置される(図2の(b)を参照)。第2チャンバーにはある既知のダンパー用粘性液体が充填される。ダンパー液体の選択は、本発明を何ら限定するものではない。Oリング206は、液体がダンパーチャンバーのキャッププレートの中央穴を経て漏れるのを防止する。第1チャンバーには液体がない。
上述した第1の円筒状バレルは、外部円筒状バレル即ちカプセル内に閉じ込められ、この第2バレルは、その中で第1バレル(クロックスプリングで力が加えられた)をスプリングスピンドル202の周りで回転できるに充分な大きさである。この第2の外部バレルは固定され、即ち回転しない。
このカプセルは、2つの部片、即ち底部を有するまっすぐな壁の円筒状部片200と、エンドピース208とによって形成される。エンドピースは、この例では、円筒状部片の開放端にわたって直径方向に延びるブリッジ状部片である。用途に応じて、エンドピースは、他の形状のものでもよい。例えば、円筒状部片200をエンドピース208にクランプするように構成することもできる。
円筒状外部部片200の底部の、本質的に中央には、方形の穴219があり、これを通してスプリングスピンドルの第1端を押すことができる。エンドピース208の本質的に中央には、円形の穴220があり、これを通してダンパースピンドルの第2端214を押すことができる。穴の直径は、必要に応じて、第2端214を滑らかに移動できるに充分な大きさである。円形グルーブ223が穴を取り巻いている。
スプリングスピンドルの第1端209及びダンパースピンドルの第2端214は、当該装置の本体に取り付けられる。
図2の(d)は、ベルト状スプリングをいかに設置できるかを示す。
スプリングバレルモジュールは、外周に沿って延びる予張力ベルト状スプリングを含む。このベルト状スプリングの一端は、例えば、リベット止め、溶接又はのり付けのような適当なやり方でスプリングバレルに取り付けられる。ベルト状スプリング226は、ベルトが解けるのを防止するための1つ以上のストッパーを有する。ベルト状スプリングの形状は、ストッパー227を含むように設計されるのが好都合である。或いは又、ストッパーは、個別の素子でもよい。外部バレル200の側壁には開口228があり、これを経てベルト状スプリングの他端が延びる。上述した部品は、種々の金属又は合金で作ることができる。しかしながら、これら部品の材料の選択は、本発明を限定するものではない。機械的に動かされる部品は、充分に耐久性のある材料で作られるのが重要である。
図2の(c)は、エンドピース208の方向からバレルを見たときのスプリングバレルモジュールを示す。第1スプリングバレル224は、第2バレル200内にある。既に述べたように、ダンパースピンドルの第2端214は、エンドピース208の穴220を経て押される。グルーブ223には過負荷クラッチを取り付けることができる。
ノッチホール、螺旋状スプリングクラッチ、ローラークラッチ又は楔クラッチのような既知の一方向クラッチをグルーブに取り付けることにより一方向性ダンピングを行うことができる。クラッチがないと、ダンパースピンドル及びダンパープレートが第1バレルと共に回転する。ダンパースピンドルは、エンドピースに固定され、ダンパーは両方向に作用する。
一例として、図2の(c)では、スプリングワイヤー225が過負荷クラッチとして使用され、回転ダンパースピンドルと固定のエンドプレート208との間の最大トルクを制限する。過負荷状態では、ダンパースピンドルが、第1バレルと共に回転する。スプリングワイヤーは、充分に低い遷移温度、例えば−10℃をもつ超弾性材料である。この遷移温度より低いと、超弾性材料の構造相が変化し、スプリングは、そのスプリング特性を失う。周囲温度が−10℃より下がっても、ダンパースピンドルは、依然として極めて自由に回転し、即ち著しい制動は生じない。
本発明の第2実施形態では、スプリングバレルモジュールは、スプリング及びダンパーと、外周に沿って延びる予張力ベルト状スプリングとを含む1つの円筒状バレルより成る。バレルは、当該装置の本体のハウジング内を回転するようにされ、これにより、ハウジングは、上記ベルト状スプリングを制御する手段として機能する。
以下、ベルト状スプリングは、単に短く「ベルト」と称する。
以下、図3ないし図4a及び4bを参照し、スプリングバレルモジュールのスプリングから得られる力を、装置の可動部にいかに伝達するかを示す種々の例について説明する。装置は、上述した種類の移動ターミナルであると仮定する。
図3の(a)は、伸張可能な移動ターミナルの構造の簡単な例を示す。図中、本体部分300とグリップ部分301が分離されている。
本体部分は、前面及び背面と、2つの平行な側面と、上面及び下面とを有する細長い部片である。前面は、キーパッドを有する(図示せず)。背面は、前面に平行でありそして図では見えない。2つの側面は、前面及び背面に本質的に垂直な相互に平行な面である。本体部分は、移動ターミナルのほとんどの電気部品を含む。
グリップ部分は、本体部分の少なくとも一部分を受け入れるための空洞を有する。これは、前面及び背面と、2つの平行な側面と、下面とで画成される。前面は、引っ込められた状態において本体部分のキーパッドをカバーする。背面は、前面に平行である。その内面が図中に部分的に見える。2つの側面は、前面及び背面に本質的に垂直な相互に平行な面である。ロック機構の穴309は、平行な両側面に配置されている。
この例では、本体部分は、ハウジング303の両コーナーに対称的に配置された2つのスプリングバレルモジュール302を備えている。これらのスプリングバレルモジュールは、例えば、図2に示す形式のものである。スプリングバレルモジュールの耐久性は、スプリングスピンドルの第1端とダンパースピンドルの第2端が本体部分に取り付けられるようにして強化される(図示せず)。本体部分は、側面に対称的に形成された一対のグルーブ304を含む。対応的に、グリップ部分の内側の両側面には、ガイド305が設けられる。これらのガイドは、本体部分がグリップ部分に対し伸びた位置又は引っ込んだ位置へ長手方向にスライドされるときに、グルーブに沿ってスライドするよう意図される。
第1スプリングバレルは、上述したように、外周に沿って延びるベルトを有する。ベルトの材料は、金属が好都合であるが、充分堅牢であれば他の材料でもよい。ベルトの他端は、スライド部分306に取り付けられる。ベルトは、リベット止め、溶接、のり付け等の多数の異なるやり方でスプリングバレル及びスライド部分に取り付けられる。
図3の(b)は、スライド部分を詳細に示す。このスライド部分は、図3の(c)に示すロックボタン308のための穴307を有する細長い金属部片である。ロックボタンは、例えば、Oリングによりスライド部分に位置保持される。
移動ターミナルのグリップ部分及び本体部分は、ロックボタンで一緒に固定することができる。ロックボタンは、両方の側面に対称的に配置されたバッテリ穴310の助けで設置される。先ず、ロックボタンがバッテリ穴に押し込まれる。スライド部分307の穴とグリップ部分309の穴が一致したときには、それらの穴にロックボタンを押し通すことができる。
ターミナルの引っ込められた位置では、ツメ312がスライド部分をロックし、本体部分が伸びた位置へ移動するのを防止する。ロックボタンを押すと、ロックが解除され、従って、クロックスプリングにより力が加えられたベルトは、スライド部分をグリップ部分で引っ張る。グリップ部分のガイド305は、スライド部分と一緒に、グルーブに沿ってターミナルの伸びた位置へスライドする。これと同時に、第1のスプリングバレルの外周にバンドが巻き付けられる。
本体部分が手でグリップ部分へ即ち引っ込められた位置へ押し込められるときには、上記ステップが逆の順序で行われる。従って、ベルトがスライド部分をグリップ部分で押し、これにより、グリップのガイド及びスライド部分は、グルーブに沿って引っ込んだ位置へとスライドする。
スライド部分の移動エリアは、二重端矢印311で図示されている。
グリップ部分及び本体部分を引っ込んだ位置へロックすることに関して以下に詳細に述べる。ここでトリガープレートと称するロック素子は、スプリングの力が加わるツメ312をスライド部分とロックするある形状の金属部片313であるのが好都合である。換言すれば、トリガープレートのツメは、ターミナルが引っ込められた位置にあるときにスライド部分をロックする。トリガープレートは、グルーブ313においてネジ324で固定される。トリガーボタン308をプッシュすると、ツメがスライド部分を解除し、そしてベルトがスライド部分をグルーブ304に沿って引き出し、即ち本体部分がグリップ部分から伸びた位置へ円滑にスライドする。従って、ロックボタンは、2つの機能を有し、即ち一方では、グリップ部分及びスライド部分を一緒にロックし、そして他方では、本体部分を解除して、開放位置へ移動させる。
ロックボタンは、除去可能である。このボタンをバッテリ穴310へ押し込むと、グリップ部分及び本体部分を分離して、グリップ部分を別のものと置き換えることができる。従って、例えば、異なる形状又は色のグリップ部分と置き換えることができる。
ロックボタンを取り外すための変形態様は、多数ある。1つの変形態様では、細いピンの助けによりロックボタンを底部に押し下げることによりボタンが取り外される。又、修理店で新たなグリップ部分に交換することもできる。
図4aは、軸方向から見たときのスプリングバレル400を示す。スプリングスピンドル401は、中間部において紙面に直角に配置される。クロックスプリングから得られた力は、スプリングバレル400を回転し、これにより、ポイント403において第1端によりバレルの外周に取り付けられたベルトは、バレルの周りから解かれ、そして移動ターミナルの本体部分がグリップ部分から出てくる。移動ターミナルの本体部分がグリップ部分に押し戻されると、スプリングスピンドルが逆方向に開放時点のところまで回転し、スプリングスピンドルがリセットされ、そしてベルトがスプリングスピンドルの周りに巻き付けられる。
図4bは、図4aに示した状態と同様であるが、2つのワイヤ又はベルトがポイント403及び404において図示されたようにスプリングバレルに取り付けられる解決策を示す。ベルトの第1端は、スプリングバレル軸の長手方向に対して同じ平面又は異なる平面においてスプリングバレルの外周に取り付けられる。ベルトの第2の外側端は、それらの取り付けポイントがスプリングスピンドルに対して直角に異なる方向に装置に配置されるように使用装置に取り付けられる。
以下、図5を参照し、グリップ部分及び本体部分のロックをいかに達成できるかの異なる例を説明する。
図5の(a)ないし(e)は、グリップ部分にはフォーク状のロック部分501を含みそして本体部分には舌状部が設けられたスライド部分500を含むロック機構のための実施形態を示す。実際に、図5の(a)における側面の開口が閉じられ、そして第1ロック部分は、上記表面の内側に取り付けられる。
グリップ部分及び本体部分を互いに押すと、遅くともターミナルがその閉じた位置に来たときにロック部分を自動的にロックする。舌状部は、ロック素子を貫通し、そしてフォークにロックする。ロック部分は、多数の異なるやり方で動くようにセットすることができる。最も実際的で且つ経済的なやり方は、偏心ぺグ504によりロックされるある形状のスプリング500−503を使用することである。この形式の結合は、本体部分とグリップ部分との間にある程度の寸法変化を許す。というのは、偏心ペグが90°回転された後に結合が固定されるからである。
本発明は、小型装置に特に適するように設計されるが、本発明は、小型サイズの装置の用途に限定されるものではない。平坦なベルト状のスプリングを使用する上記のバレル型スプリングアクチュエータは、いかなるサイズの装置にも内蔵できることが明らかである。
もちろん、スプリングバレルモジュールがどこに設置されるか及びいかに多数のスプリングバレルモジュールを装置に設置すべきかは、用途によって決定される。従って、2つではなく、1つのスプリングバレルのみを取り付けることができる。しかしながら、この変形態様は推奨できない。というのは、対称的な保持が失われるからである。又、使用するスプリングバレルは、上記の例で述べたもの以外の種類でもよい。
多数の異なる用途が考えられることに注意されたい。各用途に基づき、スプリングバレルは、装置において最も適したポイントに設置される。これは、実際には、同様の装置の異なる態様においても、スプリングバレルの位置を、技術又は審美的理由で変更し得ることを意味する。
ベルトの材料は、本発明を限定するものではなく、ベルトに代わって、ワイヤを使用することもできる。しかしながら、ワイヤが使用される場合には、ワイヤの取り付け及び機能を含む多数の欠点が生じる。
移動ターミナルを参照して異なる実施形態について説明したが、平坦なベルト状スプリングを使用するバレル型スプリングアクチュエータは、円滑な直線又は回転運動が要求されるいかなる種類の装置にも設置できる。非常に多数の異なる用途があり、CD/DVDステーションのディスクトレーや、テーブルトップの下から出て来るコンピュータキーボードが一例として上げられる。
伸張可能な移動ターミナルの構造を示す図である。 伸張可能な移動ターミナルの構造を示す図である。 本発明にとって重要なスプリングバレルモジュールの部品を説明するための図である。 伸張可能な移動ターミナルの構造を示す図である。 スプリングバレルモジュールから得られた力を、いかにベルト/ワイヤを経て伝達するかを示す図である。 スプリングバレルモジュールから得られた力を、いかにベルト/ワイヤを経て伝達するかを示す図である。 別の伸張可能な移動ターミナル及びそのロック機構の構造を示す図である。
符号の説明
200 外部バレル
201 スプリングチャンバーキャッププレート
202 スプリングスピンドル
203 バレルフレーム
204 ダンパープレート
205 ダンパースピンドル
206 Oリング
207 ダンパーチャンバーキャッププレート
208 バレルエンドピース
221 第1チャンバ
222 第2チャンバ
223 グループ
225 スプリングワイヤ
226 ベルト状スプリング
227 ストッパー
300 本体部分
301 グリップ部分
302 スプリングバレルモジュール
303 ハウジング
304 グルーブ
305 ガイド
306 スライド部分
307 スライド部分
308 ロックボタン
309 グリップ部分
312 ツメ

Claims (9)

  1. 本体部分(300)と、
    本体部分(300)の少なくとも一部分を受け入れるための空洞を有するグリップ部分(301)と、
    本体部分(300)に配置された少なくとも1つのスプリングバレルモジュール(302)であって、
    ダンパースピンドル(205)及び該ダンパースピンドル(205)に固定されたダンパープレート(204)より成るダンパー要素と、スプリングスピンドル(202)と、を回転可能に収容する円筒状バレル(224)であって、該円筒状バレル(224)内にスプリングを含み、該スプリングの一端が上記スプリングスピンドル(202)に固定され、上記スプリングの他端が上記円筒状バレル(224)に固定され、上記スプリングの張力を解除したときに上記ダンパー要素が上記円筒状バレル(224)の回転を制動するようになっている円筒状バレル(224)と、
    ベルト(226)用のスロット(228)を有し、上記円筒状バレル(224)を回転可能に収容し、上記本体部分(300)に固定される、カプセル(200)と、
    を含むスプリングバレルモジュール(302)と、
    を備えた装置において、
    上記本体部分(300)の少なくとも片側に形成された長手方向グルーブ(304)と、
    上記円筒状バレル(224)の周りに部分的に巻かれるベルト(226)であって、その他部分が上記グルーブ(304)に配置されるようなベルト(226)と、
    上記ベルト(226)の一端に取り付けられるスライド部分(306)であって、上記グリップ部分(301)の側壁に固定され、上記グルーブ(304)内をスライドするようにされたスライド部分(306)と、
    上記スライド部分(306)を受け入れてそれとインターロックするためにグルーブ(304)の端に固定されたツメ素子(312)と、
    上記ツメ素子(312)及びスライド部分(306)のインターロックを解除するための解除素子(308)とを備え、
    上記本体部分(300)をグリップ部分(301)の空洞にスライドさせた後に、上記スライド部分(306)がベルト(226)と共に上記グルーブ(304)内をスライドして、スライド部分(306)とツメ素子(312)がインターロックするまでスプリングを引っ張り、解除素子(308)を押すと、インターロックが解除され、その際に、スプリングが円筒状バレル(224)の周りにベルト(226)を巻いて、グリップ部分(301)の空洞から本体部分(300)を放出させることを特徴とする装置。
  2. 上記本体部分は、上記スプリングモジュールが取り付けられるハウジング(303)より成る請求項1に記載の装置。
  3. 上記カプセルは、開口(220)を有し、これを通してダンパースピンドルの第1端(214)が延びる請求項1又は請求項2に記載の装置。
  4. 上記ダンパースピンドルの第1端(214)には、多数の側面があり、カプセル(200)の開口(220)付近では、スプリングピン(225)がダンパースピンドルに対してプレスされて過負荷クラッチ(225)として動作する請求項3に記載の装置。
  5. 上記過負荷クラッチ(225)は、所定の温度で弾力性を失う材料から選択される請求項4に記載の装置。
  6. 上記ベルトには、上記スロット(228)より寸法の大きいストッパー(227)が設けられ、これにより、ベルトをバレルの周りに巻き付けるときに、ストッパーが、スプリングの予張力を維持するために更なる巻き付けを防止する請求項1から請求項4のいずれかに記載の装置。
  7. 上記ダンパースピンドルの第1端には一方向クラッチが配置され、スプリングが解除されたときに、ダンパー素子がバレルの回転を制動する請求項3から請求項6のいずれかに記載の装置。
  8. 上記スライド部分(306)と、グリップ部分(301)の側壁の両方に穴(307,309)が設けられ、
    上記解除素子(308)は、それらの穴を通して延びるピンを有する請求項1から請求項7のいずれかに記載の装置。
  9. 上記ピンは、除去可能である請求項8に記載の装置。
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