JP6168397B2 - 袋および袋製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表側フィルムおよび裏側フィルムをシールすることによって得られるシール部と、シールされていない未シール部と、を含む袋に係り、とりわけ本発明は、内容物が充填される第1未シール部と、袋の保形性を高めるための保形用物質が充填される第2未シール部とを備える袋に関する。また本発明は、保形用物質が充填された第2未シール部を備える袋を製造する袋製造方法に関する。
液体や粉体などの流動性を有する内容物を収容するための袋として、軟包装材から構成された袋が用いられている。流動性物質を収容するための袋は一般に、内側の層が熱可塑性材料層で構成された表側フィルムおよび裏側フィルムを熱シールして、側部シール部や底部シール部などのシール部を形成することによって得られる。側部シール部や底部シール部などによって囲まれた収容空間には内容物が充填され、その後、再び熱シールを実施することによって収容空間が密封され、このようにして、内容物が充填された袋が得られる。
また、表側フィルムおよび裏側フィルムの底部に、折り込まれたフィルム(底部フィルム)を挟み、この状態で上述の熱シールを実施することによって、いわゆる底ガセット式の自立袋を作製することも知られている。
しかしながら、軟包装材から構成された袋の剛性は低い。このため、軟包装材から構成された上述の自立袋などは、陳列されている間に折れ曲がることがある。また自立袋から内容物を注出するときに袋が折れ曲がってしまい、これによって注出作業が困難になってしまうことも考えられる。このような折れ曲がりは一般に、袋に充填される内容物の体積が大きくなるほど生じやすくなる。またスパウトなどの注出用の器具が別個に袋に取り付けられる場合、スパウトの重量に起因して袋の折れ曲がりが生じやすくなることも考えられる。
このような課題を考慮して、袋の保形性を高めるための保形用物質が充填された充填部を袋に設けることが提案されている。例えば特許文献1,2などにおいて、上下方向に延び、保形用物質として機能する高圧気体が充填された気体充填部を袋に設けることが提案されている。このような袋においては、気体の圧力によって気体充填部の表面に張りを持たせることができるため、袋が折れ曲がってしまうことを抑制することができ、これによって、袋の自立性や保形性を高めることができる。
特開2006−123931号公報 特開2009−12800号公報
気体充填部は、はじめに上下方向に延びる未シール部を形成し、次に当該未シール部に気体を充填し、その後、未シール部をシールして気体を密封することによって得られる。未シール部に気体を充填する工程においては、例えば、未シール部の上部の開口を介してノズルが未シール部に挿入され、次に、ノズルを介して未シール部の中に気体が送られる。ところで、袋のコストを低くすることや、袋の輸送効率を高くすることなどを考慮すると、気体充填部によって占められる体積や気体充填部の断面積が可能な限り小さいことが好ましい。一方、気体充填部の断面積が小さいことは、ノズルを未シール部に挿入する作業が困難になることを意味している。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、保形用物質が充填される部分の断面積が小さい場合であっても、当該部分への保形用物質の充填適性を向上させることができる袋および袋製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、表側フィルムおよび裏側フィルムをシールすることによって得られるシール部と、シールされていない未シール部と、を含む袋であって、上下方向に延びる一対の第1側部シール部の間に位置する第1未シール部と、前記第1未シール部から離間して設けられ、上下方向に延びる一対の第2側部シール部の間に位置する第2未シール部と、を備え、前記第1未シール部は、内容物が充填される部分であり、前記第2未シール部は、袋の保形性を高めるための保形用物質が充填される部分であり、前記一対の第2側部シール部は、前記第1未シール部側に位置する内側第2側部シール部と、前記内側第2側部シールに対向する外側第2側部シール部と、からなり、前記外側第2側部シール部は、前記袋の側縁に沿って延びるともに前記袋の上縁までは達しておらず、前記第2未シール部は、前記外側第2側部シールの上縁よりも上方に位置する上部未シール部を含み、前記上部未シール部は、前記袋の上縁および側縁にまで達している、袋である。
本発明による袋において、前記内側側部シール部の上縁が、前記外側側部シール部の上縁よりも上方に位置していてもよい。
本発明による袋は、前記第1未シール部に充填される内容物が注出される際に内容物が通る注出口部をさらに備えていてもよい。
本発明は、袋を製造する袋製造方法であって、表側フィルムおよび裏側フィルムをシールして、上下方向に延びる一対の第1側部シール部および一対の第2側部シール部を含むシール部を形成するシール工程であって、前記一対の第1側部シール部の間には、第1未シール部が形成され、前記一対の第2側部シール部間には、第2未シール部が前記第1未シール部から離間して形成される、シール工程と、袋の保形性を高めるための保形用物質を前記第2未シール部に充填して保形用物質充填部を形成する保形用物質充填工程と、を備え、前記一対の第2側部シール部は、前記第1未シール部側に位置する内側第2側部シール部と、前記内側第2側部シールに対向する外側第2側部シール部と、からなり、前記外側第2側部シール部は、前記袋の側縁に沿って延びるともに前記袋の上縁までは達しておらず、前記第2未シール部は、前記外側第2側部シールの上縁よりも上方に位置する上部未シール部を含み、前記上部未シール部は、前記袋の上縁および側縁にまで達しており、前記保形用物質充填工程は、前記上部未シール部を介して前記第2未シール部に保形用物質を充填した後、前記上部未シール部を少なくとも部分的にシールして保形用物質を密封する工程を含む、袋製造方法である。
本発明による袋製造方法において、前記内側側部シール部の上縁が、前記外側側部シール部の上縁よりも上方に位置していてもよい。
本発明による袋製造方法の前記保形用物質充填工程において、保形用物質を送り出すノズルが、前記上部未シール部に側方から挿入された後、前記内側側部シール部に当接してもよい。
本発明による袋製造方法の前記保形用物質充填工程において、前記上部未シール部がその全域にわたってシールされてもよい。
本発明によれば内側第2側部シール部と外側第2側部シール部との間に位置する、保形用物質が充填される第2未シール部は、外側第2側部シールの上縁よりも上方に位置し、袋の上縁および側縁に達する上部未シール部を含んでいる。従って、外側第2側部シール部が袋の上縁まで達し、このため第2上部未シール部が袋の側縁まで達していない場合に比べて、保形用物質を充填する際に第2上部未シール部を大きく広げることができる。このことにより、保形用物質を充填するためのノズルを第2上部未シール部に挿入する作業を容易化することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態において、内容物および保形用物質が充填された袋(充填済み袋)を示す斜視図。 図2A(a)(b)は、本発明の第1の実施の形態において、第1未シール部および第2未シール部が形成された袋(第1中間製品)を製造する方法の一例を示す図。 図2Bは、本発明の第1の実施の形態における第1中間製品を示す正面図。 図3A(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態において、第2充填部(保形用物質充填部)を備えた袋(第2中間製品)を製造する方法を示す図。 図3Bは、本発明の第1の実施の形態における第2中間製品を示す正面図。 図3C(a)〜(c)は、第2未シール部にノズルを挿入する方法の一例を示す図。 図3D(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態において、第2未シール部とノズルの下端との位置関係の例を示す図。 図3E(a)〜(c)は、第2未シール部にノズルを挿入する方法のその他の例を示す図。 図3Fは、第2未シール部に気体(保形用物質)を充填する工程における、第1中間製品の搬送方法の一例を示す図。 図3Gは、第2未シール部に気体(保形用物質)を充填する工程における、第1中間製品の搬送方法のその他の例を示す図。 図4A(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態において、第1未シール部に内容物を充填する工程を示す図。 図4Bは、図4A(a)〜(c)に示す工程によって得られた充填済み袋を示す正面図。 図5Aは、比較の形態における第1中間製品を示す正面図。 図5B(a)〜(c)は、比較の形態において、第2未シール部とノズルの下端との位置関係の例を示す図。 図6(a)(b)はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態における第2中間製品および充填済み袋の一変形例を示す図。 図7(a)〜(c)はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態における、第1中間製品、第2中間製品および充填済み袋の一変形例を示す図。 図8Aは、本発明の第2の実施の形態において、内容物および気体(保形用物質)が充填された袋を示す斜視図。 図8Bは、本発明の第2の実施の形態において、内容物および気体(保形用物質)が充填された袋を示す正面図。 図8C(a)〜(d)は、図8Aに示す袋を製造する方法の一例を示す図。 図8D(a)〜(d)は、図8Aに示す袋を製造する方法のその他の例を示す図。 図9Aは、本発明の第3の実施の形態において、内容物および気体(保形用物質)が充填された袋を示す斜視図。 図9B(a)〜(d)は、図9Aに示す袋を製造する方法の一例を示す図。 図10(a)〜(c)はそれぞれ、第1中間製品、第2中間製品および充填済み袋の一変形例を示す図。
第1の実施の形態
以下、図1乃至図4Bを参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
(充填済み袋)
図1は、内容物が充填された第1充填部11および保形用物質が充填された第2充填部(保形用物質充填部)12を備える袋10を示す斜視図である。なお第1充填部11とは、後述する第1未シール部に内容物を充填し、次に第1未シール部をシールして内容物を密封することによって得られる部分のことである。また第2充填部12とは、後述する第2未シール部に保形用物質を充填し、次に第2未シール部をシールして保形用物質を密封することによって得られる部分のことである。以下の説明において、第1充填部11および第2充填部12を有する袋10のことを充填済み袋10と称することもある。
流動性を有する限りにおいて、第1充填部11に充填される内容物が特に限られることはない。例えば、第1充填部11に充填されている内容物として、酒、液体洗剤やシャンプー等の液体、豆類や菓子等の粒体や、粉末洗剤等の粉体を挙げることができる。
充填済み袋10の保形性を向上させることができる限りにおいて、第2充填部12に充填されている保形用物質の種類や圧力が特に限られることはない。保形用物質として、例えば、空気や窒素などの気体や水などの液体を用いることができる。また、第2充填部12の変形を適度に抑制し、これによって、袋10を把持し易くするため、保形用物質として、グリセリン、エチレングリコールなどのゲル状体や、ゴムなどの弾性体を用いてもよい。
以下の説明においては、保形用物質として気体が用いられる例について説明する。
図1に示す充填済み袋10においては、第2充填部12を設けることによって、充填済み袋10の自立性や保形性が高められている。第2充填部12によってもたらされるこのような効果は、第1充填部11に充填されている内容物の容積が多い時、例えば容積が500ml〜5000mlの範囲内のときに特に顕著になる。より好適には、第1充填部11に充填されている内容物の容積が900ml〜3000mlの範囲内のときに、第2充填部12に基づく自立性や保形性向上の効果を特に期待することができる。
袋10は、表側フィルム1および裏側フィルム2を、熱溶着などを利用してシールすることによって形成されている。この場合、表側フィルム1および裏側フィルム2のうちシールされていない部分(未シール部)に、上述の内容物や気体が充填されて密封されることになる。
なお、内容物や気体を適切に密封することができる限りにおいて、袋10のタイプが特に限られることはない。例えば袋10は、表側フィルム1と裏側フィルム2との間にマチが設けられる、いわゆるガセット式の袋として構成されていてもよい。そのようなマチは、袋10の底部に設けられていてもよく、若しくは袋10の側部に設けられていてもよい。例えば、表側フィルム1と裏側フィルム2との間に、2つ折りにされた底側フィルム3(後述する図2A(a)参照)が挟み込まれ、この底側フィルム3によって袋10の底部が構成されていてもよい。なおガセット式の袋は、1枚のフィルムを折り畳んでシールすることによって構成されていてもよい。
その他にも、袋10は、3つの縁部に沿ってシールされた三方シール袋として構成されていてもよく、若しくは、4つの縁部に沿ってシールされた四方シール袋として構成されていてもよい。
図1に示すように、充填済み袋10には、充填済み袋10を開封するための開封予定部18が形成されていてもよい。開封予定部18は例えば、表側フィルム1および裏側フィルム2に形成されたミシン目として構成されている。この場合、開封予定部18に沿って充填済み袋10を破断することにより、第1充填部11に充填されている内容物を注出することができる。
袋の製造方法
次に、上述の充填済み袋10を製造する方法について説明する。
ここでは、はじめに、上述の第1未シール部および第2未シール部を備える袋を製造する方法について説明する。なお以下の説明において、第1未シール部および第2未シール部を備える袋のことを、第1中間製品とも称する。
次に、第1中間製品の第2未シール部に気体を充填し、そして第2未シール部をシールして、気体が充填された第2充填部12を備える袋を製造する方法について説明する。なお以下の説明において、気体が充填された第2充填部12を備えるが、第1未シール部には未だ内容物が充填されていない袋のことを、第2中間製品とも称する。
その後、第2中間製品の第1未シール部に内容物を充填し、そして第1未シール部をシールして、内容物が充填された第1充填部11を備える袋(上述の充填済み袋)10を製造する方法について説明する。
(第1中間製品の製造方法)
図2A(a)(b)は、第1中間製品20を製造する方法を示す図である。まず図2A(a)に示すように、表側フィルム1および裏側フィルム2を対向させるとともに、折り込んだ状態の底側フィルム3を表側フィルム1と裏側フィルム2との間に挿入する。この際、表側フィルム1、裏側フィルム2および底側フィルム3は、熱可塑性樹脂層で構成されたそれぞれの内面1a,2a,3aが互いに接するよう配置される。その後、各フィルム1,2,3を熱溶着などによってシールする(シール工程)。これによって、図2A(b)に示すように、シール部および未シール部を含む第1中間製品20が得られる。なお図2A(b)においては、図面の簡略化のため、底側フィルム3によって実現されるマチが省略されている。後述する図においても同様に、底側フィルム3によって実現されるマチが省略されている場合がある。
図2Bを参照して、第1中間製品20のシール部および未シール部について説明する。図2Bに示すように、第1中間製品20は、上下方向に延びる一対の第1側部シール部22,22の間に位置する一連の第1未シール部21と、第1未シール部21から離間して設けられ、上下方向に延びる一対の第2側部シール部32,32の間に位置する一連の第2未シール部31と、を備えている。第1未シール部21はその下方で第1底部シール部25に接しており、第2未シール部31はその下方で第2底部シール部35に接している。
なお「上下方向」とは、第1未シール部21に内容物を充填するための開口部(後述する第1上部未シール部26)が上を向いている場合を基準とした、方向の表現である。また「離間」とは、第2未シール部31内の空間がシール部によって第1未シール部21内の空間から断絶されていることを意味している。
本実施の形態のように表側フィルム1と裏側フィルム2との間に底側フィルム3が挿入されている場合、各シール部は、表側フィルム1および裏側フィルム2がシールされて形成される部分であってもよく、表側フィルム1および底側フィルム3並びに裏側フィルム2および底側フィルム3がシールされて形成される部分であってもよく、またそれらの両方を含む部分であってもよい。
次に一対の第1側部シール部22,22および一対の第2側部シール部32,32についてさらに説明する。一対の第1側部シール部22,22は、第2未シール部31から遠位に位置する一方の第1側部シール部23と、第2未シール部31側に位置する他方の第1側部シール部24と、からなっている。また一対の第2側部シール部32,32は、第1未シール部21側に位置する内側第2側部シール部33と、内側第2側部シール部33に対向する外側第2側部シール部34と、からなっている。
なお図2Bにおいては、他方の第1側部シール部24と内側第2側部シール部33とが一体のシール部として構成される例が示されているが、これに限られることはない。例えば、図示はしないが、他方の第1側部シール部24と内側第2側部シール部33との間に、上下方向に延びる未シール部が設けられていてもよい。
外側第2側部シール部34は、図2Bに示すように、袋(第1中間製品)20の側縁15に沿って延びている。すなわち、外側第2側部シール部34が第1中間製品20の側縁15の一部を構成している。また外側第2側部シール部34は、袋(第1中間製品)20の上縁14までは達しないように構成されている。
本実施の形態において、気体は、第2未シール部31のうち外側第2側部シール部34の上縁34aよりも下方に位置する部分に充填される。図2Bにおいて、第2未シール部31のうち気体が充填される部分(以下、第2充填予定部とも称する)には符号31aが付されている。第2充填予定部31aの幅wは、好ましくは5〜25mmの範囲内となっており、より好ましくは5〜12mmの範囲内となっている。なお第2充填予定部31aの幅wとは、気体などの保形用物質が充填されていない状態における第2充填予定部31aの幅のことである。
また、第2未シール部31のうち外側第2側部シール部34の上縁34aよりも上方に位置する部分(以下、第2上部未シール部とも称する)には符号36が付されている。図2Bに示すように、第2上部未シール部36は、第1中間製品20の上縁14および側縁15にまで達するよう広がっている。第2上部未シール部36は、後述するように、気体を充填するための第1ノズルを第2未シール部31に挿入する際の開口部として機能する。また、内容物を充填するための第2ノズルを第1未シール部21に挿入する際に開口部として機能する第1上部未シール部が、図2Bにおいて符号26で表されている。
内側第2側部シール部33は、その上縁33aが外側第2側部シール部34の上縁34aよりも上方に位置するように構成されていてもよい。例えば図2Bに示すように、内側第2側部シール部33は、第1中間製品20の上縁14まで達するよう延びていてもよい。これによって、後述するように、第2未シール部31の第2上部未シール部36に第1ノズル51を側方から挿入する作業を容易化することができる。
なお図2Bの二点鎖線は、他方の第1側部シール部24と内側第2側部シール部33との間の境界の一例、上部未シール部36と第2充填予定部31aとの間の境界の一例、並びに、他方の第1側部シール部24、内側第2側部シール部33および外側第2側部シール部34と第2底部シール部35との間の境界の一例を示すために便宜上描かれているものである。
(第2中間製品の製造方法)
次に図3A(a)〜(d)を参照して、第2中間製品40を製造する方法について説明する。まず図3A(a)に示すように、第1未シール部21および第2未シール部31が形成された上述の第1中間製品20を準備する。次に図3A(b)に示すように、第2上部未シール部36を介して第2未シール部31の第2充填予定部31aに第1ノズル51を挿入する。その後、気体を第1ノズル51の下端51aから送り出し、これによって、第2未シール部31の第2充填予定部31aに気体を充填する。次に、図3A(d)に示すように、第2上部未シール部36を部分的にシールして第2上部シール部37を形成する。これによって、第2未シール部31の第2充填予定部31aに気体を密封することができる。このようにして、気体が充填された第2充填部12が設けられた第2中間製品40を得るための気体充填工程(保形用物質充填工程)が実施される。なお、第2上部シール部37を形成して気体を密封する工程は、第2未シール部31に気体を充填する工程が実施される場所と同一の場所で実施されてもよく、若しくは、気体充填後に第1中間製品20を所定位置まで移動させた後に実施されてもよい。
なお図3A(c)に示すように、第2充填予定部31aに向けて気体を送り出した後、第1ノズル51の下端51aが第2未シール部31の第2上部未シール部36に位置している間に、第2充填予定部31a内に充填されている気体を密閉するための仮シール部37aを形成してもよい。そして、第1ノズル51を第2上部未シール部36から完全に引き抜いた後、上述の第2上部シール部37を形成してもよい。このように段階的に第2充填予定部31aを密封することによって、シールの際に気体が第2充填予定部31aから漏れ出てしまうことを抑制することができる。なお第2上部シール部37は、仮シール部37aに少なくとも部分的に重なるよう形成されてもよく、若しくは、仮シール部37aよりも上方の位置で仮シール部37aから離間するよう形成されてもよい。
次に図3Bを参照して、第2中間製品40の第2上部シール部37について説明する。図3Bに示すように、第2上部シール部37は、内側第2側部シール部33および外側第2側部シール部34の両方に重なるよう形成されており、これによって、第2充填予定部31aに充填された気体を密封することができる。なお図3Bに示すように、第2上部シール部37は、外側第2側部シール部34の上縁34aに重なっていてもよい。また第2上部シール部37は、第2上部未シール部36を部分的に残すよう構成されていてもよい。例えば図3Bに示す例においては、第2上部シール部37が第2中間製品40の上縁14まで達しないよう構成されており、このため第2中間製品40の上縁14近傍には第2上部未シール部36が残っている。
次に、本実施の形態による第1中間製品20によって得られる、第2未シール部31に第1ノズル51を挿入する際の利点について、図3C(a)〜(c)を参照して説明する。図3C(a)〜(c)は、第2未シール部31に第1ノズル51を挿入する方法の一例を示す図である。ここでは図3C(a)に示すように、第1ノズル51が、その下端51aが第1中間製品20の上縁14よりも上方に位置する状態で待機している場合について説明する。
まずは図3C(a)において矢印で示すように、第1ノズル51に向けて第1中間製品20を搬送する。第1中間製品20の第2未シール部31が上下方向において第1ノズル51に重なる位置に到達すると(図3C(b))、第1ノズル51を下方へ移動させる。これによって、第1ノズル51を、第2上部未シール部36を介して第2充填予定部31aに挿入させる(図3C(c))。ここで本実施の形態によれば、上述のように、第2上部未シール部36は、第1中間製品20の上縁14および側縁15に達するよう広がっている。このため、第2上部未シール部36が第1中間製品20の側縁15まで達していない場合に比べて、第2上部未シール部36の開口部をより大きく確保することができる。また、第2上部未シール部36だけでなく第2未シール部31全体にわたって、その断面積(すなわち表側フィルム1と裏側フィルム2との間の間隔)を拡げ易くすることができる。これによって、第1ノズル51の挿入を容易化することができる。なお図示はしないが、第2上部未シール部36を構成する表側フィルム1および裏側フィルム2の外面に吸盤などを取り付け、そして外側に引っ張ることによって、第2上部未シール部36の開口部が確実に確保されるようにしてもよい。
第1ノズル51の挿入を容易化できるという利点について、図3D(a)〜(c)を参照してより詳細に説明する。図3D(a)〜(c)は、第2充填予定部31aと第1ノズル51の下端51aとの位置関係の例を示す図であり、第1中間製品をその上部側から見た場合を示す平面図ある。このうち図3D(a)は、第2充填予定部31aの中心に第1ノズル51が挿入される場合を示す例である。一方、図3D(b)(c)は、第1ノズル51が、第2充填予定部31aの中心からずれた位置で第2上部未シール部36に挿入される場合を示す例である。特に図3D(c)に示す例においては、第1ノズル51の下端51aが外側第2側部シール部34の上縁34aに重なる位置で挿入されている。
ここで本実施の形態によれば、上述のように、第2上部未シール部36は、第1中間製品20の上縁14および側縁15に達するよう広がっている。このため、第2上部未シール部36を上方から観察した場合、図3D(a)〜(c)に示すように、第2上部未シール部36が、第2充填予定部31aと重なる範囲を超えて広がるようになっている。具体的には、第2充填予定部31aと重なる範囲の周辺には、表側フィルム1の内面1aおよび裏側フィルム2の内面2aが上方に向かって露出している領域が形成されている。このため、第1ノズル51の下端51aが第2充填予定部31aと重なる範囲内に完全に入っていない場合であっても、図3D(b)(c)に示すように、第1ノズル51の下端51aは、第2上部未シール部36の内部でフィルム1,2の内面1a,2aに当接することができる。また一般に第1ノズル51は、所定の弾性を有する材料によって構成されている。このため、フィルム1,2の内面1a,2aに当接した第1ノズル51は、内面1a,2aの傾斜に沿って緩やかに曲げられ、この結果、第2充填予定部31aに第1ノズル51の下端51aが導かれ得る。なお、第1中間製品20が所定の遊びをもって保持されている場合、第1ノズル51が曲がるのではなく、若しくは第1ノズル51が曲がることと同時に、第1ノズル51が第2充填予定部31aに導かれるように第1中間製品20の保持位置が変化してもよい。
このように本実施の形態によれば、第1ノズル51の下端51aの位置が、第2充填予定部31aと重なる範囲から若干ずれている場合であっても、第1ノズル51の下端51aを第2充填予定部31aに導くことができる。このため、第1ノズル51の位置決めに要求される精度を緩和することができる。このことにより、第2未シール部31に気体を充填するための装置の構成を簡略化することや、第2未シール部31に気体を充填するために要する工数や時間を削減することができる。また、第1ノズル51の挿入ミスが生じる頻度を低減することができる。
なお上述の図3C(a)〜(c)においては、第1ノズル51が、その第1ノズル51が第1中間製品20の上縁14よりも上方の位置で待機している例を示したが、これに限られることはない。例えば第1ノズル51は、その下端51aが第1中間製品20の上縁14と外側第2側部シール部34の上縁34aとの間に位置する状態で待機していてもよい。この場合、図3E(a)(b)に示すように、第1ノズル51は、第2上部未シール部36に側方から挿入される。その後、図3E(c)に示すように、第1ノズル51を下方へ移動させる。これによって、第1ノズル51が第2充填予定部31aに挿入される。ここで本実施の形態によれば、内側第2側部シール部33の上縁33aが、外側第2側部シール部34の上縁34aよりも上方に位置している。このため図3E(b)に示すように、第1中間製品20の搬送を継続した場合、第2上部未シール部36に側方から挿入された第1ノズル51は、内側第2側部シール部33に当接する。すなわち、内側第2側部シール部33がストッパーとして機能する。従って、第1ノズル51が内側第2側部シール部33に当接したことをトリガーとして第1ノズル51を下方へ移動させるようにすれば、第1ノズル51を確実に第2充填予定部31aに挿入することができる。すなわち、第1ノズル51の位置決めを容易化することができる。
また図3E(a)〜(c)に示す例によれば、図3C(a)〜(c)に示す例に比べて、上下方向における第1ノズル51の移動距離を短くすることができる。このため、第1ノズル51の移動に要する時間を短くすることができ、これによって、気体充填工程に要する時間を短くすることができる。
第1中間製品20を搬送する方法が特に限られることはなく、様々な方法が採用され得る。例えば図3Fに示すように、矢印の方向で回転する回転体52によって第1中間製品20が保持されて搬送されてもよい。すなわち、第1中間製品20の第2未シール部31に気体を充填して第2中間製品40を製造する装置として、回転式の装置が採用されてもよい。若しくは図3Gに示すように、矢印の方向に進むベルトコンベア53によって第1中間製品20が保持されて搬送されてもよい。すなわち、第1中間製品20の第2未シール部31に気体を充填して第2中間製品40を製造する装置として、一方通行式の装置が採用されてもよい。
(充填済み袋の製造方法)
次に図4A(a)〜(c)を参照して、第2中間製品40の第1未シール部21に内容物を充填して充填済み袋10を製造する方法について説明する。まず図4A(a)に示すように、気体が充填された第2充填部12を備える上述の第2中間製品40を準備する。次に図4A(b)に示すように、第1未シール部21の第1充填予定部21aに第2ノズル56を挿入する。その後、液体などの所定の内容物を第2ノズル56の下端56aから送り出し、これによって、第1未シール部21の第1充填予定部21aに内容物を充填する。次に、図4A(c)に示すように、第1上部未シール部26をシールして第1上部シール部27を形成する。このようにして、内容物が充填された第1充填部11を備えた充填済み袋10を得ることができる。
次に図4Bを参照して、充填済み袋10の第1上部シール部27について説明する。図4Bに示すように、第1上部シール部27は、一方の第1側部シール部23および他方の第1側部シール部24の両方に重なるよう形成されており、これによって、第1充填予定部21aに充填された内容物を密封することができる。なお図4Bに示すように、第1上部シール部27は、第2充填部12側の側縁15まで達するよう延びていてもよい。すなわち第1上部シール部27が第2上部未シール部36をシールしてもよい。さらに第1上部シール部27は、第2上部シール部37と部分的に重なっていてもよい。これによって、第2充填部12の密封をより確実なものとすることができる。
比較の形態
次に、本実施の形態の効果を、比較の形態と比較して説明する。図5Aは、比較の形態における第1中間製品120を示す正面図である。
図5Aに示すように、比較の形態による第1中間製品120においては、気体が充填される第2未シール部131を画定するための内側第2側部シール部133および外側第2側部シール部134が、いずれも上縁14にまで達している。このため比較の形態においては、第2上部未シール部136が側縁15にまで達していない。他の構成は、図1乃至図4Bに示す上述の第1の実施の形態と同一である。比較の形態において、図1乃至図4Bに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5B(a)〜(c)は、第2充填予定部131aと第1ノズル51の下端51aとの位置関係の例を示す図であり、本実施の形態における上述の図3D(a)〜(c)に対応する図である。すなわち、図5B(a)は、第2充填予定部131aの中心に第1ノズル51が挿入される場合を示す例であり、図5B(b)(c)は、第1ノズル51が、第2充填予定部131aの中心からずれた位置で第2上部未シール部136に挿入される場合を示す例である。
上述のように、比較の形態においては、第2上部未シール部136が側縁15にまで達していない。このため、第2上部未シール部136を上方から観察した場合、図5B(a)〜(c)に示すように、第2充填予定部131aと重なる範囲の輪郭が、第1中間製品120の上縁14によって画定されることになる。従って、第1ノズル51の下端51aが第2充填予定部31aと重なる範囲からずれることは、第1ノズル51の下端51aが第1中間製品120の上縁14に当接してしまうことを意味している。このため比較の形態においては、第1ノズル51の位置決めに高い精度が要求されることにより、充填時間を多く要することになる。
これに対して本実施の形態によれば、上述のように、第2上部未シール部36が上縁14および側縁15に達していることにより、第1ノズル51の位置決めに要求される精度を緩和することができる。このため、充填適性(充填のし易さ)を向上させたり、充填時間を短くしたりすることができる。
なお上述の本実施の形態における、第2未シール部31に気体を充填する気体充填工程において、第2上部未シール部36を部分的にシールして第2上部シール部37を形成する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図6(a)に示すように、第2上部未シール部36は、その全域にわたってシールされてもよい。すなわち、第2上部シール部37が第2中間製品40の上縁14にまで達していてもよい。この場合、図6(b)に示すように、内容物を密封するための第1上部シール部27は、第2充填部12側の側縁15にまでは達しないように形成されていてもよい。若しくは、図示はしないが、第2上部シール部37が上縁14にまで達している場合であっても、第1上部シール部27が第2充填部12側の側縁15にまで達するよう形成されていてもよい。なお図6(a)(b)に示す第2上部シール部37は、後述する第2の実施の形態や第3の実施の形態においても採用され得る。
また図7(a)〜(c)に示すように、第1中間製品20、第2中間製品40および充填済み袋10には、内容物を注出する際に内容物が通る注出口部28aを画定する注出口シール部28が設けられていてもよい。注出口部28aは、第1未シール部21すなわち第1充填部11に連通するとともに、注出方向に沿って所定の幅で延びるよう構成されており、このため、注出の際の流量を安定化させることができる。このような注出口部28aを画定するための注出口シール部28は、第1側部シール部22,22や第2側部シール部32,32などを形成して上述の第1中間製品20を作製するためのシール工程において同時に形成される。なお図示はしないが、注出口シール部28および注出口部28aを構成する表側フィルム1および裏側フィルム2には、上述の開封予定部18と同様に、開封を容易化するためのミシン目などが形成されていてもよい。
第2の実施の形態
次に図8A乃至図8D(a)〜(d)を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1充填部11に充填されている内容物を注出するための注出口部として機能するスパウト45が設けられている点が異なるのみであり、他の構成は、上述の第1の実施の形態と同一である。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図8Aおよび図8Bは、本実施の形態による充填済み袋10を示す斜視図および正面図である。図8Aおよび図8Bに示すように、本実施の形態においてスパウト45は、充填済み袋10の上縁14に取り付けられている。スパウト45は、例えば開閉手段(後述するキャップ49など)を有している。このようなスパウト45を設けることにより、注出の際の流量を安定化させたり、再封したりすることができる。なおスパウト45は、表側フィルム1および裏側フィルム2とは別個の部材から構成されたものであり、例えば熱可塑性樹脂を射出成形することによって形成されたものである。
スパウト45の具体的な構成が特に限られることはなく、様々な構成が採用され得る。例えば図8Aに示すように、スパウト45は、中空状の筒部47と、筒部47に設けけられたフランジ部46と、筒部47に設けられた接着部48と、を含んでいてもよい。これら筒部47、フランジ部46および接着部48は、一体的に成形されたものであってもよい。また筒部47には、筒部47の上端の開口を塞ぐためのキャップ49が取り付けられていてもよい。このようなスパウト45が用いられる場合、例えば図8Bに示すように、第1上部シール部27によってスパウト45の接着部48を固定することにより、充填済み袋10にスパウト45を設けることができる。
次に図8C(a)〜(d)を参照して、図8Aに示すスパウト45付の充填済み袋10を製造する方法の一例について説明する。まず図8C(a)に示すように、上述のシール工程を実施することにより、第1未シール部21および第2未シール部31を備える第1中間製品20を作製する。次に図8C(b)に示すように、上述の気体充填工程を実施することにより、気体が充填された第2充填部12を備える第2中間製品40を作製する。その後、図8C(c)に示すように、第1未シール部21に第2ノズル56を挿入して、第1未シール部21に内容物を充填する。次に、図8C(d)に示すように、第1上部未シール部26をシールして第1上部シール部27を形成する。この際、第1上部未シール部26を構成する表側フィルム1と裏側フィルム2との間にスパウト45の接着部48を配置した状態で、第1上部未シール部26のシールを実施して第1上部シール部27を形成する。これによって、スパウト45を袋10の上縁14に固定することができる。すなわち、内容物を第1未シール部21に充填した後に内容物を密閉する内容物充填工程と、スパウト45を取り付けるスパウト取付工程とを同時に完了させることができる。このようにして、内容物が充填された第1充填部11を備え、かつ上縁14にスパウト45が取り付けられた充填済み袋10を得ることができる。なお、仮シール部37aを設けてから第2上部シール部37を形成する場合と同様に、いったんスパウト45を仮シールした後に第1上部シール部27を形成するようにしてもよい。
なお本実施の形態においては、内容物充填工程とスパウト取付工程とが同時に完了する例を示したが、これに限られることはなく、スパウト取付工程の後に内容物充填工程が実施されてもよい。以下、そのような変形例について、図8D(a)〜(d)を参照して説明する。
まず上述のシール工程および気体充填工程を実施することにより、図8D(a)に示すように、気体が充填された第2充填部12を備える第2中間製品40を作製する。次に、第2中間製品40の上縁14にスパウト45を取り付けるスパウト取付工程を実施する。例えば、第1上部未シール部26を構成する表側フィルム1と裏側フィルム2との間にスパウト45の接着部48を配置した状態で、第1上部未シール部26のシールを実施して第1上部シール部27を形成する。このようにして、スパウト45が取り付けられた第2中間製品40を得ることができる。その後、スパウト45のキャップ49を外し、そして図8D(c)に示すように、筒部47を介して第2ノズル56を第1未シール部21に挿入して、第1未シール部21に内容物を充填する。内容物の充填が完了した後、図8D(d)に示すように、キャップ49を再び閉じる。このようにして、内容物が充填された第1充填部11を備え、かつスパウト45が取り付けられた充填済み袋10を得ることができる。
第3の実施の形態
次に図9A乃至図9B(a)〜(d)を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、スパウト45が充填済み袋10の角部に設けられている点が異なるのみであり、他の構成は、上述の第2の実施の形態と同一である。第3の実施の形態において、第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態や第2の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
次に図9B(a)〜(d)を参照して、図9Aに示すスパウト45付の充填済み袋10を製造する方法の一例について説明する。まず図9B(a)に示すように、上述のシール工程を実施することにより、第1未シール部21および第2未シール部31を備える第1中間製品20を作製する。この際、上縁14および側縁15のいずれに対しても傾斜した方向に延び、上縁14および側縁15に接続された切り欠き6が形成されるよう、シール工程および必要に応じて切断工程を実施する。次に図9B(b)に示すように、上述の気体充填工程を実施することにより、気体が充填された第2充填部12を備える第2中間製品40を作製する。
その後、図9B(c)に示すように、第2中間製品40の切り欠き6にスパウト45を取り付けるスパウト取付工程を実施する。具体的には、切り欠き6に接する表側フィルム1と裏側フィルム2との間にスパウト45の接着部48を配置した状態で、切り欠き6周辺の部分をシールして、スパウト45を第2中間製品40に固定するためのスパウト用シール部29を形成する。次に図9B(d)に示すように、第1上部未シール部26を介して第1未シール部21に内容物を充填し、その後に第1上部未シール部26をシールして第1上部シール部27を形成する。このようにして、内容物が充填された第1充填部11を備え、かつ角部にスパウト45が取り付けられた充填済み袋10を得ることができる。
本実施の形態によれば、第2充填部12が設けられた側縁15とは反対側の側縁15に接する角部にスパウト45が設けられている。このため、第2充填部12を把持しながらスパウト45から内容物を注出するという作業をより容易に実施することができる。
なお、上述した各実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した各実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1充填部の形状の変形例)
上記各実施の形態においては、上下方向から見た場合に第1充填部11(第1未シール部21)と第2充填部12(第2未シール部31)とが重ならないよう、第1充填部11(第1未シール部21)および第2充填部12(第2未シール部31)が構成されている例を示した。しかしながら、図10(a)〜(c)に示すように、第1充填部11(第1未シール部21)は、第2底部シール部35に亘って形成されていてもよい。図10(a)〜(c)において、第1充填部11のうち第2底部シール部35内に形成された部分が、突出部7として図示されている。
(各工程を実施する事業者について)
上記各実施の形態において、第1中間製品20を製造するための工程、第1中間製品20に基づいて第2中間製品40を製造するための工程、および、第2中間製品40に基づいて充填済み袋10を製造するための工程、並びに、必要に応じて実施される、スパウト45を取り付けるための工程などの各工程に関与する事業者の数が特に限られることはない。例えば、各工程が全て同一の事業者によって実施されてもよく、または、各工程が全て異なる事業者によって実施されてもよい。
若しくは、各工程のうちの一または複数の工程が一の事業者によって実施されるとともにその他の工程がその他の一または複数の事業者によって実施されてもよい。
例えば、第1中間製品20を製造する工程が、一の事業者によって実施され、また、第1中間製品20に基づいて第2中間製品40を製造するとともに第2中間製品40に基づいて充填済み袋10を製造する工程が、その他の一の事業者によって実施されてもよい。この場合、第1中間製品20に基づいて第2中間製品40を製造する工程と、第2中間製品40に基づいて充填済み袋10を製造する工程とは、同一の製造ラインで実施されてもよく、若しくは異なる製造ラインで実施されてもよい。
また、第1中間製品20に内容物を充填して第1未シール部21をシールした後、第2未シール部31に保形用物質を充填し、その後、第2未シール部21をシールするようにしてもよい。内容物が充填された第1充填部11を備えるが、第2未シール部31には保形用物質がまだ充填されていない袋のことを、第3中間製品とも称する。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 表側フィルム
2 裏側フィルム
3 底側フィルム
10 充填済み袋
11 第1充填部
12 第2充填部
14 袋の上縁
15 袋の側縁
20 第1中間製品
21 第1未シール部
21a 第1充填予定部
22 第1側部シール部
25 第1底部シール部
26 第1上部未シール部
27 第1上部シール部
28 注出口シール部
29 スパウト用シール部
31 第2未シール部
31a 第2充填予定部
32 第2側部シール部
33 内側第2側部シール部
33a 内側第2側部シール部の上縁
34 外側第2側部シール部
34a 外側第2側部シール部の上縁
35 第2底部シール部
36 第2上部未シール部
37 第2上部シール部
40 第2中間製品
45 スパウト
51 第1ノズル
51a 第1ノズルの下端
56 第2ノズル

Claims (6)

  1. 表側フィルムおよび裏側フィルムをシールすることによって得られるシール部と、シールされていない未シール部と、を含む袋であって、
    上下方向に延びる一対の第1側部シール部の間に位置する第1未シール部と、
    前記第1未シール部から離間して設けられ、上下方向に延びる一対の第2側部シール部の間に位置する第2未シール部と、を備え、
    前記第2未シール部内の空間は、前記第1シール部内の空間から断絶されており、
    前記第1未シール部は、内容物が充填される部分であり、前記第2未シール部は、袋の保形性を高めるための保形用物質が充填される部分であり、
    前記一対の第2側部シール部は、前記第1未シール部側に位置する内側第2側部シール部と、前記内側第2側部シールに対向する外側第2側部シール部と、からなり、
    前記外側第2側部シール部は、前記袋の側縁に沿って延びるともに前記袋の上縁までは達しておらず、
    前記第2未シール部は、前記外側第2側部シールの上縁よりも上方に位置する上部未シール部を含み、
    前記上部未シール部は、前記袋の上縁および側縁にまで達している、袋。
  2. 前記内側側部シール部の上縁が、前記外側側部シール部の上縁よりも上方に位置している、請求項1に記載の袋。
  3. 前記第1未シール部に充填される内容物が注出される際に内容物が通る注出口部をさらに備える、請求項1または2に記載の袋。
  4. 前記第2未シール部に充填される前記保形用物質は、気体、液体、ゲル状体又は弾性体である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の袋。
  5. 袋を製造する袋製造方法であって、
    表側フィルムおよび裏側フィルムをシールして、上下方向に延びる一対の第1側部シール部および一対の第2側部シール部を含むシール部を形成するシール工程であって、前記一対の第1側部シール部の間には、第1未シール部が形成され、前記一対の第2側部シール部間には、第2未シール部が前記第1未シール部から離間して形成される、シール工程と、
    袋の保形性を高めるための保形用物質を前記第2未シール部に充填して保形用物質充填部を形成する保形用物質充填工程と、を備え、
    前記一対の第2側部シール部は、前記第1未シール部側に位置する内側第2側部シール部と、前記内側第2側部シールに対向する外側第2側部シール部と、からなり、
    前記外側第2側部シール部は、前記袋の側縁に沿って延びるともに前記袋の上縁までは達しておらず、
    前記内側側部シール部の上縁は、前記外側側部シール部の上縁よりも上方に位置しており、
    前記第2未シール部は、前記外側第2側部シールの上縁よりも上方に位置する上部未シール部を含み、
    前記上部未シール部は、前記袋の上縁および側縁にまで達しており、
    前記保形用物質充填工程は、前記上部未シール部を介して前記第2未シール部に保形用物質を充填した後、前記上部未シール部を少なくとも部分的にシールして保形用物質を密封する工程を含み、
    前記保形用物質充填工程において、保形用物質を送り出すノズルが、前記上部未シール部に側方から挿入された後、前記内側側部シール部に当接する、袋製造方法。
  6. 前記保形用物質充填工程において、前記上部未シール部がその全域にわたってシールされる、請求項に記載の袋製造方法。
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