JP6167018B2 - 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物 - Google Patents

積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物 Download PDF

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Description

本発明は、積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物に関する。具体的には、有機半導体製造における、有機半導体膜、保護膜およびレジスト膜の積層体、かかる積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物に関する。
近年、有機半導体を用いた電子デバイスが広く用いられている。有機半導体は、従来のシリコンなどの無機半導体を用いたデバイスと比べて簡単なプロセスにより製造できるというメリットがある。さらに、分子構造を変化させることで容易に材料特性を変化させることが可能であり、材料のバリエーションが豊富であり、無機半導体では成し得なかったような機能や素子を実現することが可能になると考えられている。有機半導体は、例えば、有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、有機光ディテクター、有機電界効果トランジスタ、有機電界発光素子、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバータ、情報記録素子等の電子機器に適用される可能性がある。
有機半導体のパターニングは、これまで印刷技術により行われてきたが、印刷技術によるパターニングでは微細加工に限界がある。また、有機半導体はダメージを受けやすい。
ここで、特許文献1には、有機半導体層を形成する工程と、前記有機半導体層をマスク層から保護する保護層を前記有機半導体層に積層して形成する工程と、所定のパターンを有する前記マスク層を前記保護層に積層して形成する工程と、前記マスク層をマスクとするエッチングによって前記保護層、さらには前記有機半導体層を同一形状にパターニングする工程とを有する、有機半導体層のパターニング方法において、前記マスク層とは材質が異なり、かつ、親水性を有する有機高分子化合物または絶縁性 無機化合物によって前記保護層を形成することを特徴とする、有機半導体層のパターニング方法が開示されている。
特開2006−41317号公報
ここで、特許文献1(特開2006−41317号公報)について検討したところ、この方法では、パターニング終了後もマスク層が保護膜として残ってしまうことが分かった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、かつ、良好な有機半導体パターンを形成可能な積層体および前記積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは詳細に検討した結果、有機半導体膜の一方の上に保護膜、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜の順で成膜し、レジスト膜をパターニング後にドライエッチングすることにより、有機半導体にダメージを与えずにパターニングできることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>〜<21>により、上記課題は解決された。
<1>有機半導体膜と、有機半導体膜上の保護膜と、保護膜上のレジスト膜を有し、レジスト膜が、光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)を含むネガ型感光性樹脂組成物からなる積層体。
<2>光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)が、ジアゾニウム塩化合物および/またはアジド化合物である、<1>に記載の積層体。
<3>保護膜が水溶性樹脂を含む、<1>または<2>に記載の積層体。
<4>保護膜が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランの少なくとも1種を含む、<1>〜<3>のいずれかに記載の積層体。
<5>保護膜が、ポリビニルピロリドンを含む、<1>〜<3>のいずれかに記載の積層体。
<6>光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)が、実質的に水に不溶である、<1>〜<5>のいずれかに記載の積層体。
<7>感光性樹組成物がさらに、光ラジカル重合開始剤を分光増感する増感色素(C)を含む、<1>〜<6>のいずれかに記載の積層体。
<8>感光性樹組成物がさらに、バインダーポリマー(C)を含む、<1>〜<7>のいずれかに記載の積層体。
<9>バインダーポリマー(C)が、共役ジエン系重合体および/またはその環化物を含む、<8>に記載の積層体。
<10>光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)を含む、有機半導体製造用レジスト組成物と、水溶性樹脂を含む保護膜形成用組成物を含む、有機半導体製造用キット。
<11>水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランの少なくとも1種を含む、<10>に記載の有機半導体製造用キット。
<12>水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドンを含む、<10>に記載の有機半導体製造用キット。
<13>光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)が、実質的に水に不溶である、<10>〜<12>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<14>有機半導体製造用レジスト組成物が、さらに、光ラジカル重合開始剤を分光増感する増感色素(C)を含む、<10>〜<13>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<15>有機半導体製造用レジスト組成物が、さらに、バインダーポリマー(C)を含む、<10>〜<14>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<16>バインダーポリマー(C)が、共役ジエン系重合体および/またはその環化物を含む、<15>に記載の有機半導体製造用キット。
<17>光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)を含む、有機半導体製造用レジスト組成物。
<18>光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)が、実質的に水に不溶である、<17>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<19>さらに、光ラジカル重合開始剤を分光増感する増感色素(C)を含む、<17>または<18>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<20>さらに、バインダーポリマー(C)を含む、<17>〜<19>のいずれかに記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<21>バインダーポリマー(C)が、共役ジエン系重合体および/またはその環化物を含む、<20>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
本発明により、良好な有機半導体パターンを形成可能な積層体、およびかかる積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物を提供可能になった。さらに、パターニング終了後もマスク層が残らない構成とすることが可能になった。
以下に記載する本発明における構成要素の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書中における「活性光線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量の質量百分率である。また、固形分濃度は、特に述べない限り25℃における濃度をいう。
本明細書において、重量平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを用いることによって求めることができる。溶離液は特に述べない限り、10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いて測定したものとする。
<積層体>
本発明の積層体は、有機半導体膜の表面に、有機半導体膜と、前記有機半導体膜上の保護膜と、前記保護膜上のレジスト膜を有し、前記レジスト膜が、光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)を含むネガ型感光性樹脂組成物からなることを特徴とする。また、有機半導体膜と保護膜との間、および/または保護膜とレジスト膜との間には、下塗り層を有していてもよい。
基板上に製膜された有機半導体膜上に通常のレジスト膜を成膜し、パターニングすると、有機半導体膜はレジスト膜に含まれる有機溶剤に容易に溶解または膨潤してしまう。この結果、有機半導体膜はダメージを受けてしまう。
これに対し、本発明では、有機半導体膜とレジスト膜の間に保護膜を設け、有機半導体膜にダメージを与えない構成としている。この場合、レジスト膜と有機半導体膜とが直接接触しないため、有機半導体にダメージが及ぶことを抑制できる。特に、保護膜として水溶性樹脂を用いると、効果的である。
さらに、レジスト膜は感光性樹脂組成物を用いるため、高い保存安定性と微細なパターン形成性を達成できる。
さらにレジスト膜として、光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤は、露光時に窒素ガスが発生するため、空気中の酸素の影響を受けずに硬化が十分に進行することができる。
また、本発明で用いる感光性樹脂組成物は、未露光部の保護膜を溶解または膨潤しない溶剤で容易に除去でき、露光部は保護膜を溶解するする溶剤に対して不溶化することが可能である。さらに、露光で硬化した感光性樹脂組成物は、有機半導体膜をドライエッチ処理するときに、同時に除去することが可能である。
以上のことから、特許文献1(特開2006−41317号公報)ではパターニング終了後も保護層およびレジスト層が残る問題があったが、本発明では、有機半導体膜にダメージを与えることなく、レジスト膜および保護膜が残っていないパターニングされた有機半導体膜を作成することが可能となった。
以下本発明の詳細について説明する。
<有機半導体膜>
本発明で用いる有機半導体膜は、半導体の特性を示す有機材料を含む膜のことである。無機材料からなる半導体の場合と同様に、正孔をキャリアとして伝導するp型有機半導体と、電子をキャリアとして伝導するn型有機半導体がある。有機半導体中のキャリアの流れやすさはキャリア移動度μで表される。用途にもよるが、一般に移動度は高い方がよく、10-7cm2/Vs以上であることが好ましく、10-6cm2/Vs以上であることがより好ましく、10-5cm2/Vs以上であることがさらに好ましい。移動度は電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
有機半導体膜は、通常、基板に成膜して用いることが好ましい。すなわち、有機半導体膜の保護膜が積層している側の反対側の面に基板を有することが好ましい。本発明で用いることができる基板としては、例えば、シリコン、石英、セラミック、ガラスポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムなどの種々の材料を基板として用いることができ、用途に応じていかなる基板を選択してもよい。例えば、フレキシブルな素子の用途の場合にはフレキシブル基板を用いることができる。また、基板の厚さは特に限定されない。
使用し得るp型半導体材料としては、ホール輸送性を示す材料であれば有機半導体材料、無機半導体材料のうちいかなる材料を用いてもよいが、好ましくはp型π共役高分子(例えば、置換または無置換のポリチオフェン(例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)など)、ポリセレノフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェンビニレン、ポリアニリンなど)、縮合多環化合物(例えば、置換または無置換のアントラセン、テトラセン、ペンタセン、アントラジチオフェン、ヘキサベンゾコロネンなど)、トリアリールアミン化合物(例えば、m−MTDATA、2−TNATA、NPD、TPD、mCP、CBPなど)、ヘテロ5員環化合物(例えば、置換または無置換のオリゴチオフェン、TTFなど)、フタロシアニン化合物(置換または無置換の各種中心金属のフタロシアニン、ナフタロシアニン、アントラシアニン、テトラピラジノポルフィラジン)、ポルフィリン化合物(置換または無置換の各種中心金属のポルフィリン)、カーボンナノチューブ、半導体ポリマーを修飾したカーボンナノチューブ、グラフェンのいずれかであり、より好ましくはp型π共役高分子、縮合多環化合物、トリアリールアミン化合物、ヘテロ5員環化合物、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物のいずれかであり、さらに好ましくは、p型π共役高分子である。
半導体材料が使用し得るn型半導体材料としては、ホール輸送性を有するものであれば有機半導体材料、無機半導体材料のうち、いかなるものでもよいが、好ましくはフラーレン化合物、電子欠乏性フタロシアニン化合物、ナフタレンテトラカルボニル化合物、ペリレンテトラカルボニル化合物、TCNQ化合物、n型π共役高分子、n型無機半導体であり、より好ましくはフラーレン化合物、電子欠乏性フタロシアニン化合物、ナフタレンテトラカルボニル化合物、ペリレンテトラカルボニル化合物、π共役高分子であり、特に好ましくはフラーレン化合物、π共役高分子である。本発明において、フラーレン化合物とは、置換または無置換のフラーレンを指し、フラーレンとしてはC60、C70、C76、C78、C80、C82、C84、C86、C88、C90、C96、C116、C180、C240、C540などのいずれでもよいが、好ましくは置換または無置換のC60、C70、C86であり、特に好ましくはPCBM([6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル)およびその類縁体(C60部分をC70、C86等に置換したもの、置換基のベンゼン環を他の芳香環またはヘテロ環に置換したもの、メチルエステルをn−ブチルエステル、i−ブチルエステル等に置換したもの)である。電子欠乏性フタロシアニン類とは、電子求引基が4つ以上結合した各種中心金属のフタロシアニン(F16MPc、FPc−S8など)、ナフタロシアニン、アントラシアニン、置換または無置換のテトラピラジノポルフィラジンなどである。ナフタレンテトラカルボニル化合物としてはいかなるものでもよいが、好ましくはナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)、ナフタレンビスイミド化合物(NTCDI)、ペリノン顔料(Pigment Orange 43、Pigment Red 194など)である。ペリレンテトラカルボニル化合物としてはいかなるものでもよいが、好ましくはペリレンテトラカルボン酸無水物(PTCDA)、ペリレンビスイミド化合物(PTCDI)、ベンゾイミダゾール縮環体(PV)である。TCNQ化合物とは、置換または無置換のTCNQおよび、TCNQのベンゼン環部分を別の芳香環やヘテロ環に置き換えたものであり、例えば、TCNQ、TCAQ、TCN3Tなどである。さらにグラフェンも挙げられる。型有機半導体材料の特に好ましい例を以下に示す。
なお、式中のRとしては、いかなるものでも構わないが、水素原子、置換基または無置換で分岐または直鎖のアルキル基(好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8のもの)、置換または無置換のアリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14のもの)のいずれかであることが好ましい。
Figure 0006167018
上記材料は、通常、溶剤に配合し、層状に適用して乾燥し、製膜する。適用方法としては、後述する保護膜の記載を参酌できる。
溶剤としては、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,2−ジクロロベンゼン等の炭化水素系溶剤;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;例えば、メタノール、プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶剤;例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキサイド等の極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は1種のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
有機半導体膜を形成する組成物(有機半導体形成用組成物)における有機半導体の割合は、好ましくは0.1〜80質量%、より好ましくは0.1〜10質量%であり、これにより任意の厚さの膜を形成できる。
また、有機半導体形成用組成物には、樹脂バインダーを配合してもよい。この場合、膜を形成する材料とバインダー樹脂とを前述の適当な溶剤に溶解させ、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により薄膜を形成することができる。樹脂バインダーとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン等の絶縁性ポリマー、およびこれらの共重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン等の光伝導性ポリマー、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン等の導電性ポリマーなどを挙げることができる。樹脂バインダーは、単独で使用してもよく、あるいは複数併用しても良い。薄膜の機械的強度を考慮するとガラス転移温度の高い樹脂バインダーが好ましく、電荷移動度を考慮すると極性基を含まない構造の樹脂バインダーや光伝導性ポリマー、導電性ポリマーが好ましい。
樹脂バインダーを配合する場合、その配合量は、有機半導体膜中、好ましくは0.1〜30質量%で用いられる。
用途によっては単独および種々の半導体材料や添加剤を添加した混合溶液を塗布し、複数の材料種からなるブレンド膜としてもよい。例えば、光電変換層を作製する場合、別の半導体材料との混合溶液を用いることなどができる。
また、成膜の際、基板を加熱または冷却してもよく、基板の温度を変化させることで膜質や膜中での分子のパッキングを制御することが可能である。基板の温度としては特に制限はないが、好ましくは−200℃〜400℃、より好ましくは−100℃〜300℃、さらに好ましくは0℃〜200℃である。
形成された有機半導体膜は、後処理により特性を調整することができる。例えば、加熱処理や溶剤蒸気への暴露により膜のモルホロジーや膜中での分子のパッキングを変化させることで特性を向上させることが可能である。また、酸化性または還元性のガスや溶剤、物質などにさらす、あるいはこれらを混合することで酸化あるいは還元反応を起こし、膜中でのキャリア密度を調整することができる。
有機半導体膜の膜厚は、特に制限されず、用いられる電子デバイスの種類などにより異なるが、好ましくは5nm〜50μm、より好ましくは10nm〜5μm、さらに好ましくは20nm〜500nmである。
<保護膜>
本発明で用いる保護膜は、有機半導体膜の上に形成され、好ましくは、有機半導体膜の表面に形成される。有機半導体膜と保護膜の間には、下塗り層等があっても良い。
保護膜は、有機半導体上に成膜する時に有機半導体にダメージを与えず、また、保護膜上にレジスト膜を塗布した時にインターミキシング(層間混合)を起こさないものが好ましい。保護膜は、水溶性樹脂を含む膜が好ましく、脂溶性樹脂を主成分とする膜であることがより好ましい。主成分とは、保護膜を構成する成分のうち最も多い成分をいい、好ましくは80質量%以上が水溶性樹脂であることをいう。
本発明における水溶性樹脂は、20°Cにおける水に対する溶解度が1%以上である樹脂をいう。
保護膜は、有機溶剤を含む現像液に溶解しにくく、水に対して溶解することが好ましい。このため、保護膜に水溶性樹脂を用いる場合、そのsp値(溶解パラメータ)は、18(MPa)1/2以上25(MPa)1/2未満であることが好ましく、20〜24(MPa)1/2であることがより好ましく、21〜24(MPa)1/2であることがさらに好ましい。sp値は、Hoy法によって算出した値であり、Hoy法は、POLYMER HANDBOOK FOURTH EDITIONに記載がある。
また、保護膜形成用組成物は、2種類以上の樹脂を含んでいてもよいが、この場合、2種類以上の樹脂それぞれが上記範囲を満たしていることが好ましい。
本発明で用いる水溶性樹脂は、ポリビニルピロリドン、水溶性多糖類(水溶性のセルロース(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、プルランまたはプルラン誘導体、デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプン、キトサン、シクロデキストリン)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチルオキサゾリン等を挙げることができ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルランが好ましい。中でも、塗布面状が良く、水での溶解除去のしやすいポリビニルピロリドンがより好ましい。
また、これらの中から、主鎖構造が相違する2種以上を選択して使用してもよく、共重合体として使用してもよい。
本発明で用いる保護膜を形成する樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは500〜400,000であり、より好ましくは2,000〜300,000、さらに好ましくは3,000〜200,000である。
保護膜用樹脂の分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6の範囲のものが好ましく使用される。
本発明では、保護膜は、例えば、保護膜形成用組成物を有機半導体膜の上に適用し、乾燥させることよって形成される。
適用方法としては、塗布が好ましい。適用方法の例としては、キャスト法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング(浸漬)コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スピンコート法、ラングミュア−ブロジェット(Langmuir−Blodgett)(LB)法などを挙げることができる。本発明においては、キャスト法、スピンコート法、およびインクジェット法を用いることがさらに好ましい。このようなプロセスにより、表面が平滑で大面積の有機半導体膜等の膜を低コストで生産することが可能となる。
保護膜形成用組成物の固形分濃度は、0.5〜30質量%であることが好ましく、1.0〜20質量%であることがより好ましく、2.0〜14質量%であることがさらに好ましい。固形分濃度を前記範囲とすることでより均一に塗布することができる。
保護膜形成用組成物にはさらに塗布性を向上させるための界面活性剤を含有させることが好ましい。
界面活性剤としては、表面張力を低下させるものであれば、ノニオン系、アニオン系、両性フッ素系など、どのようなものでもかまわない。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等、フッ素あるいはシリコンを含むオリゴマー等、アセチレングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキシド付加物等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能であるが、特に好ましいのは、有機半導体の電気特性に影響を及ぼす金属イオンの含有量が少なく、かつ消泡性にも優れる、下記式(1)で示されるアセチレン骨格を有するノニオン界面活性剤である。
Figure 0006167018
式(1)中、R1、R2はお互い独立に、置換基を有してもよい炭素数3〜15のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい炭素数4〜15の複素芳香族環基(置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ−カルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示す。
上記界面活性剤の例として、日信化学工業(株)製、サーフィノールシリーズが例示される。
保護膜形成用組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の添加量は、保護膜としたときに、好ましくは0.05〜8質量%、さらに好ましくは0.07〜5質量%、特に好ましくは0.1〜3質量%の割合で含まれていることが好ましい。
これら界面活性剤は、1種のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
保護膜は、膜厚20nm〜5μmであることが好ましく、膜厚100nm〜1μmであることがより好ましい。保護組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、成膜性を向上させることにより、上記のような膜厚とすることができる。
保護膜には、染料を含んでいても良い。染料を含むことで、露光光源の波長に合わせて吸収波長を調整することが可能であるため、有機半導体材料の露光によるダメージを効果的に防止することができる。
染料としては、アゾ染料、ニトロ染料、ニトソロ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン・ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン・インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン染料、オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料などを挙げることができる。
染料は、配合する場合、保護膜の0.1〜10質量%とすることができる。
染料は単独で用いてもよいし、2種以上を選択して使用してもよい。
<感光性樹脂組成物>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、有機半導体製造用レジスト組成物としての役割を果たすものであり、保護膜の上にレジスト膜を形成するのに用いられる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物の好ましい実施形態は、は、光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤によって架橋し、sp値が19(MPa)1/2未満の有機溶剤に対して溶解速度が低下する組成物であることが好ましく、18.5(MPa)1/2以下の有機溶剤に対して難溶となる組成物であることがより好ましく、18.0(MPa)1/2以下の有機溶剤に対して溶解速度が低下する組成物であることがさらに好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、ネガ型のレジスト組成物であることが、より微細なトレンチ・ホールパターンを形成可能という理由により、特に高い効果を得ることができることから好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物は、現像時における残渣の発生が抑制され、かつ、平滑性に優れた表面を有するレジスト膜を形成し得る。
ここで、本発明において「残渣」とは、感光性樹脂組成物を用いてパターン状のレジスト膜を形成した際において、前記パターン状のレジスト膜端部の周縁に存在する残膜を意味する。
<光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)>
光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)としては、公知の架橋剤の中から適宜選択することができる。例えば、ジアゾニウム塩化合物およびアジド化合物が挙げられる。例えば、以下にジアゾニウム塩化合物、およびアジド化合物について詳細に説明する。
光脱窒素反応により架橋可能とは、活性光線照射により窒素分子が脱離することで発生する活性種(炭素ラジカル、窒素ラジカル、カルベン、ナイトレンなど)により架橋可能な化合物をいう。
本発明における架橋剤の量は、架橋剤の種類に適宜定めることができるが、例えば、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%である。
<<ジアゾニウム塩化合物>>
ネガ型感光性ジアゾ化合物としては、露光により硬化しうるジアゾ化合物であれば、公知のものを選択して使用することができるが、ジアゾニウム塩とアルドールやアセタールのような反応性カルボニル塩を含有する有機縮合剤との反応生成物が代表的なものとして例示される。具体的には、米国特許第2,063,631号および同第2,667,415号の各明細書に開示されている、ジアゾニウム塩とアルドールやアセタールの如き反応性カルボニル塩を含有する有機縮合剤との反応生成物であるジフェニルアミン−p−ジアゾニウム塩を、さらに、ホルムアルデヒドと縮合させて得られる縮合生成物(所謂感光性ジアゾ樹脂)が挙げられる。この他の有用な縮合ジアゾ化合物は特公昭49−48001号、同49−45322号、同49−45323号の各公報等に開示されており、これらも本発明の感光性樹脂組成物に配合することができる。これらの型の感光性ジアゾ化合物は、通常水溶性無機塩の形で得られ、従ってレジスト膜を形成する場合の塗布液(感光性樹脂組成物)は、水溶液或いは水性溶媒により調整される塗布液とすることができる。
また、これらの水溶性ジアゾ化合物を、特公昭47−1167号公報に開示された方法により1個またはそれ以上のフェノール性水酸基、スルホン酸基またはその両者を有する芳香族または脂肪族化合物と反応させて実質的に水不溶性の感光性ジアゾ樹脂とし、それをレジスト膜の形成に使用することもできる。また、特開昭56−121031号公報に記載されているように、ヘキサフルオロリン酸塩または、テトラフルオロホウ酸塩と反応させて、水不溶性とした感光性ジアゾ樹脂を使用することもできる。本発明で用いるジアゾニウム塩化合物は、感度の観点から、実質的に水不溶性であることが好ましい。
本発明でいう実質的に水に不溶とは、対象となる化合物のみを酢酸ブチル等の溶剤に溶解し、固形分濃度3.5質量%とした組成物をシリコンウエハ上に塗布して得られる塗膜(膜厚100nm)を形成した際、QCM(水晶発振子マイクロバランス)センサー等を用いて測定した室温(25℃)におけるイオン交換水に対して、該膜を1000秒間浸漬させた際の平均の溶解速度(膜厚の減少速度)が、1nm/s以下、好ましくは0.1nm/s以下であることを示す。
水不溶性のジアゾ樹脂を得るために水溶性ジアゾ化合物と反応させるフェノール性水酸基を有する化合物の例としては、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、レゾルシノール、またはジレゾルシノールのようなジフェノール酸が挙げられ、これらはさらにアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基などの置換基を有していてもよい。なお、ここでヒドロキシベンゾフェノンとは、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノンまたは2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどの誘導体を包含するものである。
水不溶性のジアゾ樹脂を得るために水溶性ジアゾ化合物と反応させる 好ましいスルホン酸基を有する化合物(以下、適宜、スルホン酸基含有化合物と称する)としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタリン、フェノール、ナフトールおよびベンゾフェノン等の芳香族化合物にスルホン酸基が導入された芳香族スルホン酸化合物、およびそれらの可溶性塩類が挙げられ、可溶性塩類としては、例えば、前記化合物のアンモニウム塩およびアルカリ金属塩が例示できる。このようなスルホン酸基含有化合物は、さらに、低級アルキル基、ニトロ基、ハロ基、および/またはもう一つのスルホン酸基で置換されていてもよい。
このようなスルホン酸基含有化合物の好ましい具体例としては、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタリン−2−スルホン酸、1−ナフトール−2(または4)−スルホン酸、2,4−ジニトロ−1−ナフトール−7−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、m−(p′−アニリノフェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸、アリザリンスルホン酸、o−トルイジン−m−スルホン酸およびエタンスルホン酸等が挙げられる。また、スルホン酸基を有する脂肪族化合物としては、アルコールのスルホン酸エステルとその塩類もまた有用である。このような化合物は、通常、アニオン性界面活性剤として容易に入手できる。その例としては、ラウリルサルフェート、アルキルアリールサルフェート、p−ノニルフェニルサルフェート、2−フェニルエチルサルフェート、イソオクチルエノキシジエトキシエチルサルフェート等およびそのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩が挙げられる。
実質的に水不溶性の感光性ジアゾ樹脂は、水溶性の感光性ジアゾ樹脂と、前記のフェノール性水酸基、スルホン酸基などを有する芳香族または脂肪族化合物の水溶液を、好ましくはほぼ等量となる量で混合して反応させることにより、沈殿として単離することにより調製することができる。
また、本発明で用いる感光性樹脂組成物に含まれるネガ型感光性ジアゾ化合物としては、英国特許第1,312,925号明細書に記載されているジアゾ樹脂も好ましい。また特開平3−253857号公報に記載されているリンの酸素酸基を含有するジアゾ樹脂、また特開平4−18559号公報に記載されているカルボキシル基含有アルデヒドまたはそのアセタール化合物で縮合したジアゾ樹脂、また特願平3−23031号明細書に記載されているフェノキシ酢酸等のカルボキシ基含有芳香族化合物との共重合ジアゾ樹脂も好ましい。
本発明に係る感光性樹脂組成物に特に好適なネガ型感光性ジアゾ化合物としては、4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドの縮合物のドデシルベンゼンスルホン酸塩、4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物、4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物などが例示され、4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物である2−メキトシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルベンゼンスルホン酸塩を挙げることができる。
本発明で用いるジアゾニウム化合物は、好ましくは、分子量1,000〜100,000の化合物である。
感光性ジアゾ化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中に固形分換算で5〜50質量%含まれているのが適当である。ジアゾ化合物の量が少なくなれば感光性は当然大になるが、経時安定性が低下する。ジアゾ化合物の含有量は8〜30質量%が好ましく、8〜20質量%がより好ましい。
本発明に用いられるジアゾ化合物は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用しても良い。2種以上併用する場合は、その合計量が上記範囲であることが好ましい。
<<アジド化合物>>
アジド化合物としては、ジアジド化合物(ビスアジド化合物)であることがより好ましく、芳香族アジド化合物がより好ましい。
芳香族アジド化合物の具体例としては、アジドベンゼン、4,4’−ジアジドジフェニル(別名p−フェニレン−ビスアジド)、アジドアニソール、アジドニトロベンゼン、アジドジメチルアニリン、ジアジドベンゾフェノン(例えば、4,4’−ジアジドベンゾフェノン)、ジアジドジフェニルメタン(例えば、4,4’−ジアジドジフェニルメタン)、ジアジドジフェニルエーテル、ジアジドジフェニルスルホン、ジアジドジフェニルスルフィド、ジアジドスチルベン(例えば、4,4’−ジアジドスチルベン)、アジドカルコン、ジアジドカルコン(例えば、4,4’−ジアジドカルコン)、ジアジドベンザルアセトン、2,6−ジ(パラアジドベンザル)−4−シクロヘキサノン、2,6−ジ(パラアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、3−(4−(p−1−アジドフェニル)−1,3−ブタジエニル)−5,5−ジメチル−2−シクロヘキサン−1−オンなどを挙げることができる。
アジド化合物としては米国特許第2940,853号明細書に記載されている化合物も挙げられる。
本発明で用いるアジド化合物は、好ましくは、分子量200〜10,000の化合物である。
アジド化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01〜205質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。
本発明に用いられるアジド化合物は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用しても良い。2種以上併用する場合は、その合計量が上記範囲であることが好ましい。
<増感色素(B)>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、光ラジカル重合開始剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感色素を含むことができる。
増感色素は、活性光線または放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、光ラジカル重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光ラジカル重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカルを生成する。
好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感色素の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
増感色素の配合量は、増感色素/光ラジカル重合開始剤の質量比率が0.1/1.0〜10/1.0が好ましく、0.2/1.0〜5.0/1.0がより好ましい。増感色素は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となる。
<バインダーポリマー(C)>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物は、感度と現像性とドライエッチングへの耐性をバランスよく向上させるために、バインダーポリマー(C)を添加してもよい。
本発明で用いることができるバインダーポリマーとしては、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂(好ましくは、ポリビニルブチラール樹脂)、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、および、ノボラック樹脂が例示される。
本発明において、「(メタ)アクリル系重合体」とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アリルエステルなど)、(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体を重合成分として有する共重合体のことをいう。
ここで、「ポリウレタン樹脂」とは、イソシアネート基を2つ以上有する化合物とヒドロキシル基を2つ以上有する化合物の縮合反応により生成されるポリマーのことをいう。一例として、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリロニトリル/エチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体が例示される。
「ポリビニルブチラール樹脂」とは、ポリ酢酸ビニルを一部または全て鹸化して得られるポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを酸性条件下で反応(アセタール化反応)させて合成されるポリマーのことをいい、さらに、残存したヒドロキシ基と酸基等有する化合物を反応させる方法等により酸基等を導入したポリマーも含まれる。
「ノボラック樹脂」とは、フェノール類(フェノールやクレゾールなど)とアルデヒド類(ホルムアルデヒドなど)の縮合反応によって生成されるポリマーのことをいう。さらに、残存したヒドロキシ基に対して別の化合物を反応させる方法等により置換基を導入したポリマーも含まれる。
ノボラック樹脂の好適な一例としては、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,またはm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂が挙げられる。重量平均分子量が500〜20,000、数平均分子量が200〜10,000のノボラック樹脂が好ましい。また、ノボラック樹脂中のヒドロキシ基に対して別の化合物とを反応させて置換基を導入した化合物も好ましく使用できる。
本発明で用いることができるバインダーポリマーは、塗布性を調節するために、配合される高分子化合物が例示される。ここでいう塗布性とは、塗布後の膜厚の均一性や塗布後の膜形成性のことをいう。従って、バインダーポリマーは、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらに般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明に用いられる感光性樹脂に用いられる樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
バインダーポリマー(C)において、各繰り返し構造単位の含有モル比は、感光性樹脂組成物のドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
バインダーポリマー(C)の形態としては、ランダム型、ブロック型、クシ型、スター型のいずれの形態でもよい。バインダーポリマー(C)は、例えば、各構造に対応する不飽和モノマーのラジカル、カチオン、またはアニオン重合により合成することができる。また各構造の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより目的とする樹脂を得ることも可能である。
バインダーポリマー(C)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明で用いる感光性樹脂組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは、感光性樹脂組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としては、アゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。例えば、上記樹脂が難溶或いは不溶の溶媒(貧溶媒)を、この反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿または再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿または再沈殿溶媒)としては、このポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。
沈殿または再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10,000質量部、好ましくは200〜2,000質量部、さらに好ましくは300〜1,000質量部である。
沈殿または再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿または再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿または再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧または減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、この樹脂が難溶或いは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、ポリマーが難溶或いは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、この樹脂溶液Aに、この樹脂が難溶或いは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
また、組成物の調製後に樹脂が凝集することなどを抑制する為に、例えば、特開2009−037108号公報に記載のように、合成された樹脂を溶剤に溶解して溶液とし、その溶液を30℃〜90℃程度で30分〜4時間程度加熱するような工程を加えてもよい。
本発明で用いることができるバインダーポリマーとしては、共役ジエン系重合体およびその環化物が例示される。共役ジエン系重合体は、共役ジエンのみからなる重合体であってもよいし、他のモノマーとの共重合体であってもよい。共重合体を形成するモノマーとしては、上述のモノマーが例示される。
本発明では、架橋剤(A)として、アジド化合物を用いる場合に、特に好ましく使用できる。露光により発生するナイトレンが二重結合に付加し、効果的に架橋が進行するためと考えられる。
共役ジエン系重合体またはその環化物としては、共役ジエン系重合体の環化物であることが好ましい。
本発明に用いられる共役ジエン系重合体の環化物は、ポリマー鎖に下記一般式で表わされる繰り返し単位を持つ重合体または共重合体の環化物であることが好ましい。
Figure 0006167018
上記一般式中、
1、R2、R3、R4、R5およびR6は各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜5のアルキル基)、またはアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)を表す。
具体例としてはシス−1,4−ブタジエン単位、トランス−1,4−ブタジエン単位、シス−1,4−イソプレン単位、トランス−1,4−イソプレン単位、シス−1,4−ペンタジエン単位、トランス−1,4−ペンタジエン単位、1,4−ジフェニルブタジエン単位、1,2−ブタジエン単位、3,4−イソプレン単位、1,2−ペンタジエン単位、3,4−ジフェニルブタジエン単位などを有する重合体、またはこれらの共役ジエン単位と不飽和化合物単位、例えば、スチレン単位、α−メチルスチレン単位、パラメチルスチレン単位などのビニル芳香族化合物単位、エテレノ単位、プロピレン単位、イノブチレン単位などのオレフィン化合物単位とを有する共重合体の環化物を挙げることができる。もちろん天然ゴムの環化物も用いることができる。本発明では、環化イソプレンゴムが特に好ましい。
本発明に用いられる共役ジエン系重合体の環化物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、特公昭60−57584号公報、特公昭57−44682号公報等に記載されているように共役ジエン系重合体を不活性溶媒中で、一般式
CFn3-nSO3
(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはCFn3-nSO2であり、nは1、2または3である)で表わされるフッ素含有置換スルホン酸化合物と接触させて環化することによって得ることができる。
前記フッ素含有置換スルホン酸化合物としては、トリフルオロメタンスルホン酸、またはこの酸の無水物、メチルエステル、エチルエステル若しくは酸クロリドなどが好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸が特に好ましい。
共役ジエン系重合体は、まず不活性溶媒に溶解し、ついでフッ素含有置換スルホン酸化合物と接触させて環化させるが、環化物製造時に用いられる溶媒としては、不活性炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタノン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、不活性ハロゲン化炭化水素(例えば、二塩化メチレン、クロロベンゼンなど)が好適に挙げられる。
これらの溶剤は、塗布性などの観点から、2種以上を混合する形態も好ましい。
環化物製造時のフッ素含有置換スルホン酸化合物の使用量は、共役ジエン系重合体の繰り返し単位当り、モル比で1/6000〜1/10であることが好ましく、1/5000〜1/20であることがより好ましい。
環化反応は、通常、常圧下40℃〜溶媒沸点の温度範囲で行うが、勿論、加圧下で行ってもよい。例えば、溶媒がキシレンの場合、通常、常圧下60〜120℃の温度で行う。なお、この環化反応は非常に速い反応であり、触媒添加直後に、ほぼ反応が完了すると考えられ、その環化率は、通常、10分後のものと1時間後のものとはほとんど変わらない。
本発明に用いられる共役ジエン系重合体の環化物の環化率としては特に制限はないが、50%以上であることが好ましく、50〜95%であることがより好ましく、60〜75%であることがさらに好ましい。
なお、環化率は、1H−NMR分析により、原料として用いた共役ジエン系重合体の環化反応前後における二重結合由来のプロトンのピーク面積をそれぞれ測定し、環化反応前を100としたときの環化反応後の環化物に残存する二重結合の割合を求め、計算式=(100−環化物中に残存する二重結合の割合)により表される値(%)である。
本発明で用いるバインダーポリマー(C)の重量平均分子量は、下限値が、10,000以上、2,000以上、3,000以上、5,000以上、10,000以上の順に好ましく、上限値は、300,000以下、250,000以下、200,000以下、100,000以下、50,000以下、20,000以下、10,000以下の順に好ましい。
また、数平均分子量は、1,000以上が好ましく、2,000〜250,000がより好ましい。
多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、通常1.0〜10.0であり、好ましくは1.0〜3.0、より好ましくは、1.1〜2.6、さらに好ましくは1.2〜2.4、特に好ましくは1.4〜2.2である。分子量分布が上記範囲を満たしていると、解像度、レジスト形状が優れ、かつ、レジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物において、バインダーポリマー(C)の組成物全体中の配合率の下限値は、全固形分中、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、60質量%以上、70質量%以上の順に好ましく、上限値は、99質量%以下、90質量%以下、80質量%以下の順に好ましい。
また、本発明において、バインダーポリマー(C)は、1種で使用してもよいし、2種類以上数併用してもよい。
<その他の成分>
本発明における感光性樹脂組成物には、その他の成分を含有することができる。
<<光ラジカル重合開始剤>>
本発明で用いるネガ型感光性樹脂組成物は重合開始剤を含有していてもよい。これにより、感光性架橋剤の架橋反応を促進することができる。重合開始剤として、以下の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
光ラジカル開始剤は、後述するラジカル重合性化合物における重合反応(架橋反応)を開始する能力を有していれば特に限定されず、公知の重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感色素と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。
また、光ラジカル重合開始剤は、約300nm〜800nm(好ましくは330nm〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、トリハロメチル基を有するものなど)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノン、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ素化合物、鉄アレーン錯体などが挙げられる。
トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなど)などが挙げられる。
また、上記以外の光ラジカル重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンなど)、N−フェニルグリシンなど、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトンなど)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフラノイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5−19475号公報、特開平7−271028号公報、特開2002−363206号公報、特開2002−363207号公報、特開2002−363208号公報、特開2002−363209号公報などに記載のクマリン化合物など)、アシルホスフィンオキサイド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、および米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
上記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸またはそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロロ−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
市販品では、カヤキュアーDETX(日本化薬製)も好適に用いられる。
光ラジカル重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、および、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959、IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、および、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤として、365nmまたは405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179号公報に記載の化合物も用いることができる。また、アシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
光ラジカル重合開始剤として、より好ましくはオキシム系化合物が挙げられる。オキシム系開始剤の具体例としては、特開2001−233842号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、特開2006−342166号公報記載の化合物を用いることができる。
光ラジカル重合開始剤として好適に用いられる、オキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、および2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979年)p p.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)も好適に用いられる。
また上記記載以外のオキシムエステル化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報および米国特許公開2009−292039号記載の化合物、国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物、などを用いてもよい。
好ましくはさらに、特開2007−231000号公報、および、特開2007−322744号公報に記載される環状オキシム化合物に対しても好適に用いることができる。環状オキシム化合物の中でも、特に特開2010−32985号公報、特開2010−185072号公報に記載されるカルバゾール色素に縮環した環状オキシム化合物は、高い光吸収性を有し高感度化の観点から好ましい。
また、オキシム化合物の特定部位に不飽和結合を有する特開2009−242469号公報に記載の化合物も、重合不活性ラジカルから活性ラジカルを再生することで高感度化を達成でき好適に使用することができる。
特に好ましくは、特開2007−269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
アゾ系化合物としては、アゾベンゼン化合物が好ましく、ジアゾアミノベンゼン化合物がより好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光ラジカル重合開始剤は、イオン性でも非イオン性であってもよいが、露光感度の観点および保護膜との混合を避けるために、非イオン性光ラジカル開始剤であることが好ましい。
非イオン性光ラジカル開始剤としては、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物、アゾベンゼン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物であり、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン化合物、アゾベンゼン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物がより好ましく、オキシム化合物を用いるのがさらに好ましい。
感光性樹脂組成物中の光ラジカル重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がさらに好ましく、1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。
光ラジカル重合開始剤は、1種類のみ単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。光ラジカル重合開始剤を2種類以上併用する場合は、その合計量が上記範囲であることが好ましい。
<<ラジカル重合性化合物>>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物を含んでいてもよい。ラジカル重合性化合物は、以下で説明するラジカル重合性化合物の中から任意に選択することができる。
ラジカル重合性化合物の官能基数は、1分子中におけるラジカル重合性基の数を意味する。ラジカル重合性基とは、典型的には、活性光線もしくは放射線の照射、または、ラジカルの作用により、重合することが可能な基である。
ラジカル重合性基は、例えば、付加重合反応し得る官能基であることが好ましい。付加重合反応し得る官能基としては、エチレン性不飽和結合基が挙げられる。エチレン性不飽和結合基としては、スチリル基、(メタ)アクリロイル基およびアリル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。すなわち、本発明で用いるラジカル重合性化合物は、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アクリレート化合物であることがさらに好ましい。
ラジカル重合性化合物は、例えば、モノマーやプレポリマー、すなわち、2量体、3量体およびオリゴマー、ポリマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよいが、モノマーおよび/またはオリゴマーが好ましく、モノマーがより好ましい。
モノマーは、典型的には、低分子化合物であり、分子量2000以下が好ましく、1500以下がより好ましく、分子量900以下がさらに好ましい。なお、分子量の下限は、通常、100以上である。
オリゴマーは、典型的には、比較的低い分子量の重合体であり、10個から100個のモノマーが結合した重合体であることが好ましい。重量平均分子量は、2,000〜20,000が好ましく、2,000〜15,000がより好ましく、2,000〜10,000がさらに好ましい。
ポリマーは、高い分子量の重合体であり、重量平均分子量が20,000以上であることが好ましい。
ラジカル重合性化合物は、保護膜との混合を避けるために、実質的に水に不溶であることが好ましい。実質的に水に不溶とは、ラジカル重合性化合物のみを酢酸ブチル等の溶剤に溶解し、固形分濃度3.5質量%とした組成物をシリコンウエハ上に塗布して得られる塗膜(膜厚100nm)を形成した際、QCM(水晶発振子マイクロバランス)センサー等を用いて測定した室温(25℃)におけるイオン交換水に対して、上記塗膜を1000秒間浸漬させた際の平均の溶解速度(膜厚の減少速度)が、1nm/s以下、好ましくは0.1nm/s以下であることを示す。
本発明で用いるラジカル重合性化合物は、25℃における水に対する溶解度が1.0g/水100g以下であることが好ましく、溶解度が0.1g/水100g以下であることがより好ましい。このような構成とすることにより、保護膜に水溶性樹脂を用いた場合も、保護膜にラジカル重合性化合物が浸透しにくくなり、本発明の効果がより効果的に発揮される。
感光性樹脂組成物中のラジカル重合性化合物の重合性基当量(mmol/g)は、0.1〜7.0が好ましく、1.0〜6.0がより好ましく、2.0〜5.0がさらに好ましい。ラジカル重合性化合物の重合性基当量が高くなりすぎると、硬化時の硬化収縮によりレジスト層に亀裂が入る可能性がある。一方、ラジカル重合性化合物の重合性基当量が低すぎると、硬化性が不十分になる可能性がある。なお、重合性基当量(mmol/g)は、感光性樹脂組成物の全固形分質量当たりに含まれる重合性基の(mmol)数を表す。
ラジカル重合性化合物がモノマーまたはオリゴマーである場合の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、ならびにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、および不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類、ならびにこれらの多量体である。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能もしくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能もしくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有するものをあげることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性モノマーも好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (A)
(ただし、R4およびR5は、HまたはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適であり、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、ラジカル重合性モノマーとしては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、ラジカル重合性モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。
その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましいラジカル重合性モノマーとして、特開2010−160418号公報、特開2010−129825号公報、特許第4364216号等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能であり、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
さらに、ラジカル重合性モノマーのその他の例としては、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌 vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号0254〜0257に記載の化合物も好適であり、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記のほか、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
Figure 0006167018
Figure 0006167018
上記一般式において、nは0〜14の整数であり、mは1〜8の整数である。一分子内に複数存在するR、T、は、各々同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表されるラジカル重合性モノマーの各々において、複数のRの内の少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH2、または、−OC(=O)C(CH3)=CH2で表される基を表す。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)および(2)としてその具体例と共に記載の、上記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、ラジカル重合性モノマーとして用いることができる。
中でも、ラジカル重合性モノマーとしては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
ラジカル重合性モノマーとしては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していても良い。従って、エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
酸基を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトールおよび/またはジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
本発明では、必要に応じて、モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる傾向にある。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
また、ラジカル重合性モノマーとして、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することが好ましい。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記一般式(B)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
一般式(B)
Figure 0006167018
(式中、6個のRは全てが下記一般式(C)で表される基であるか、または6個のRのうち1〜5個が下記一般式(C)で表される基であり、残余が下記一般式(D)で表される基である。)
一般式(C)
Figure 0006167018
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1または2の数を示し、「*」は結合手であることを示す。)
一般式(D)
Figure 0006167018
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
このようなカプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記一般式(B)〜(D)においてm=1、一般式(C)で表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、一般式(C)で表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、一般式(C)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、一般式(C)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等を挙げることができる。
本発明において、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、多官能モノマーとしては、下記一般式(i)または(ii)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
Figure 0006167018
上記一般式(i)および(ii)中、Eは、各々独立に、−((CH2)yCH2O)−、または−((CH2)yCH(CH3)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、(メタ)アクリロイル基、水素原子、またはカルボキシル基を表す。
上記一般式(i)中、(メタ)アクリロイル基の合計は3個または4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
上記一般式(ii)中、(メタ)アクリロイル基の合計は5個または6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
上記一般式(i)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
上記一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)または一般式(ii)中の−((CH2)yCH2O)−または−((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
上記一般式(i)または(ii)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ルまたはジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)または(ii)で表される化合物を合成することができる。
上記一般式(i)、(ii)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体および/またはジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
Figure 0006167018
Figure 0006167018
一般式(i)、(ii)で表されるラジカル重合性モノマーの市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
また、ラジカル重合性モノマーとしては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、重合性モノマーとして、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性モノマー類を用いることもできる。
ラジカル重合性モノマーの市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200、A−TMMT、A−9300、AD−TMP、A−DPH、A−TMM−3、A−TMPT、A−TMPT−9EO、U−4HA、U−15HA、A−BPE−4、A−BPE−20(新中村化学社製)、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600、ライトアクリレート TMP−A(共栄社製)などが挙げられる。
本発明におけるラジカル重合性モノマーは、2官能以下のラジカル重合性モノマーおよび3官能以上のラジカル重合性モノマーについて、それぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することが好ましく、三次元架橋構造を有するという点から、3官能以上のラジカル重合性モノマーを少なくとも1種含むことが好ましい。
ラジカル重合性モノマーは、1種類のみ用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ラジカル重合性モノマーの含有量は、良好な感度の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。
ラジカル重合性化合物がポリマーである場合、ラジカル重合性のポリマーとしては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂(好ましくは、ポリビニルブチラール樹脂)、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、などを用いることができ、ポリマーの側鎖にラジカル重合性基を有している。
ラジカル重合性ポリマーは、一般的に、重合する部分構造を有するモノマーをラジカル重合などにより重合することで合成され、重合する部分構造を有するモノマーに由来する繰り返し単位を有する。重合する部分構造としては例えばエチレン性重合性部分構造を挙げることができる。
側鎖にラジカル重合性基を有する高分子化合物の製造方法の観点から、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂が好ましく使用できる。
ラジカル重合性基は、例えば、付加重合反応し得る官能基であることが好ましく、付加重合反応し得る官能基としては、エチレン性不飽和基が挙げられる。エチレン性不飽和結合基としては、スチリル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ビニルオキシ基、アルキニル基が好ましい。中でも、感度の点から、(メタ)アクリルロイル基を有することが特に好ましい。
ラジカル重合性ポリマーは、例えば、その重合性基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、高分子化合物間で直接にまたは重合性モノマーの重合連鎖を介して付加重合して、高分子化合物の分子間に架橋が形成されて硬化する。または、高分子化合物中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、高分子化合物の分子間に架橋が形成されて硬化する。
具体的には、高分子化合物は、ラジカル重合性基として、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、および下記一般式(3)で表される基からなる群より選ばれる1種以上の基を有することが好ましく、下記一般式(1)で表される基を有することがより好ましい。
Figure 0006167018
(式中、XおよびYはそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子または−N(R12)−を表す。Zは酸素原子、硫黄原子、−N(R12)−またはフェニレン基を表す。R1〜R12はそれぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表す。)
一般式(1)において、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子または1価の置換基を表し、例えばR1としては、水素原子、1価の有機基、例えば、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、メチルアルコキシ基、メチルエステル基が好ましい。また、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良いアルキルアミノ基、置換基を有しても良いアリールアミノ基、置換基を有しても良いアルキルスルホニル基、置換基を有しても良いアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基が好ましい。ここで、導入しうる置換基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピオキシカルボニル基、メチル基、エチル基、フェニル基等が挙げられる。Xは、酸素原子、硫黄原子、または、−N(R12)−を表し、R12としては、水素原子、置換基を有しても良いアルキル基などが挙げられる。
一般式(2)において、R4〜R8は、それぞれ独立して水素原子または1価の置換基を表し、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。導入しうる置換基としては、一般式(1)において挙げたものが例示される。Yは、酸素原子、硫黄原子、または−N(R12)−を表す。R12としては、一般式(1)において挙げたものが挙げられる。
一般式(3)において、R9〜R11は、それぞれ独立して水素原子または1価の置換基を表し、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。ここで、置換基としては、一般式(1)において挙げたものが同様に例示される。Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R12)−またはフェニレン基を表す。R12としては、一般式(1)において挙げたものが挙げられる。これらの中で、一般式(1)で表わされるメタクリロイル基を有するラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性ポリマーにおいてラジカル重合性基(例えば、上記のようなエチレン性不飽和基)を有する構造単位を導入する場合、その含有量は、ポリマー1g当たり、ヨウ素滴定(ラジカル重合性基の含有量の測定)により、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
ラジカル重合性ポリマーは、典型的には、ラジカル重合性基を有する繰り返し単位を有しており、その場合における、ラジカル重合性基を有する繰り返し単位の含有量は、ラジカル重合性ポリマーの全繰り返し単位に対して、1〜70mol%であることが好ましく、2〜60mol%であることがより好ましく、5〜50mol%であることがさらに好ましい。
ラジカル重合性基は、(a)ポリマー側鎖のヒドロキシ基と、ラジカル重合反応性基を有するイソシアネート類を用いたウレタン化反応、(b)ポリマー側鎖のヒドロキシ基と、ラジカル重合反応性基を有するカルボン酸、カルボン酸ハライド、スルホン酸ハライド、またはカルボン酸無水物を用いたエステル化反応、(c)ポリマー側鎖のカルボキシ基またはその塩と、ラジカル重合反応性基を有するイソシアネート類を用いた反応、(d)ポリマー側鎖のハロゲン化カルボニル基、カルボキシ基またはその塩と、ラジカル重合反応性基を有するアルコール類を用いたエステル化反応、(e)ポリマー側鎖のハロゲン化カルボニル基、カルボキシ基またはその塩と、ラジカル重合反応性基を有するアミン類を用いたアミド化反応、(f)ポリマー側鎖のアミノ基と、ラジカル重合反応性基を有するカルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、スルホン酸ハロゲン化物、またはカルボン酸無水物を用いたアミド化反応、(g)ポリマー側鎖のエポキシ基と、ラジカル重合反応性基を有する各種求核性化合物との開環反応、(h)ポリマー側鎖のハロアルキル基とラジカル重合反応性基を有するアルコール類とのエーテル化反応、により導入することができる。
ラジカル重合性ポリマーは、前述した一般式(1)〜(3)で表される基を少なくとも一つ有する繰り返し単位を有することが好ましい。そのような繰り返し単位としては、具体的には、下記一般式(4)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 0006167018
一般式(4)中、R101〜R103は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。Tは、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるラジカル重合性基を表し、好ましい態様も上述のラジカル重合性基において説明したものと同様である。
一般式(4)中、Aは、単結合、または、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基を表す。組み合わせからなるAの具体例L1〜L18を以下に挙げる。なお、下記例において左側が主鎖に結合し、右側が上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるラジカル重合性基に結合する。
1:−CO−NH−2価の脂肪族基−O−CO−NH−2価の脂肪族基−
2:−CO−NH−2価の脂肪族基−
3:−CO−2価の脂肪族基−
4:−CO−O−2価の脂肪族基−
5:−2価の脂肪族基−
6:−CO−NH−2価の芳香族基−
7:−CO−2価の芳香族基−
8:−2価の芳香族基−
9:−CO−O−2価の脂肪族基−CO−O−2価の脂肪族基−
10:−CO−O−2価の脂肪族基−O−CO−2価の脂肪族基−
11:−CO−O−2価の芳香族基−CO−O−2価の脂肪族基−
12:−CO−O−2価の芳香族基−O−CO−2価の脂肪族基−
13:−CO−O−2価の脂肪族基−CO−O−2価の芳香族基−
14:−CO−O−2価の脂肪族基−O−CO−2価の芳香族基−
15:−CO−O−2価の芳香族基−CO−O−2価の芳香族基−
16:−CO−O−2価の芳香族基−O−CO−2価の芳香族基−
17:−CO−O−2価の芳香族基−O−CO−NH−2価の脂肪族基−
18:−CO−O−2価の脂肪族基−O−CO−NH−2価の脂肪族基−
ここで2価の脂肪族基とは、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基またはポリアルキレンオキシ基を意味する。なかでもアルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、および置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基および置換アルキレン基がさらに好ましい。
2価の脂肪族基は、環状構造よりも鎖状構造の方が好ましく、さらに分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造の方が好ましい。2価の脂肪族基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜12であることがさらに好ましく、1〜10であることがさらにまた好ましく、1〜8であることがよりさらに好ましく、1〜4であることが特に好ましい。
2価の脂肪族基の置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基およびジアリールアミノ基等が挙げられる。
2価の芳香族基の例としては、フェニレン基、置換フェニレン基、ナフタレン基および置換ナフタレン基が挙げられ、フェニレン基が好ましい。
2価の芳香族基の置換基の例としては、上記2価の脂肪族基の置換基の例に加えて、アルキル基が挙げられる。
ラジカル重合性ポリマーは、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ラジカル重合性基を有する繰り返し単位に加えて他の繰り返し単位を有することが好ましい。(メタ)アクリル系重合体のようにラジカル重合で合成可能な高分子化合物の場合は、他の繰り返し単位を加えるために、ラジカル重合性モノマーを共重合させることが好ましい。共重合させることができるモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、N,N−2置換アクリルアミド類、N,N−2置換メタクリルアミド類、スチレン類、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル類などから選ばれるモノマーが挙げられる。
具体的には、例えば、アルキルアクリレート(アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましい)等のアクリル酸エステル類、(具体的には、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−tert−オクチル、クロロエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリヌリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど)、アリールアクリレート(例えば、フェニルアクリレートなど)、アルキルメタクリレート(該アルキル基の炭素原子は1〜20のものが好ましい)等のメタクリル酸エステル類(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクゾレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど)、アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなど)、スチレン、アルキルスチレン等のスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えばメトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えばクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、プロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
重合性ポリマーは、実質的に水に不溶であることが好ましいため、重合性ポリマーは親水基を有しても有さなくても良いが、有さないことが好ましい。
親水基としては、例えば、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビススルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基、−C(CF32OH)、OH基、などを挙げることができる。
ラジカル重合性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、2,500以上が好ましく、2,500〜1,000,000がより好ましく、5,000〜1,000,000がさらに好ましい。高分子化合物(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10が好ましい。
ラジカル重合性ポリマーは、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ラジカル重合性ポリマーの含有量は、良好な感度の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。
以下に、ラジカル重合性ポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、ポリマー構造の組成比はモル百分率を表す。
Figure 0006167018
Figure 0006167018
Figure 0006167018
Figure 0006167018
Figure 0006167018
Figure 0006167018
<溶剤>
本発明における感光性樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物は、必須成分である特定樹脂および特定光酸発生剤、ならびに、各種添加剤の任意成分を、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
溶剤としては、例えば、(1)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;(2)エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;(3)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(4)プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(5)プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(7)ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;(8)ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(9)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(10)ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(11)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(12)乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸n−アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル類;(13)酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;(14)ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸エチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
(15)メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;(16)N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;(17)γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
上記した溶剤のうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、および/または、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類が好ましく、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、および/または、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合、溶剤の含有量は、固形分100質量部当たり、1〜3,000質量部であることが好ましく、5〜2,000質量部であることがより好ましく、10〜1,500質量部であることがさらに好ましい。
また、感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合、組成物中の溶剤の量は、10〜95質量%であることが好ましく、60〜95質量%であることがより好ましく、70〜90質量%がより好ましい。
<<界面活性剤>>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、フッ素系、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
感光性樹脂組成物は、界面活性剤として、フッ素系界面活性剤、および/または、シリコーン系界面活性剤を含有することがより好ましい。
これらのフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤として、例えば、特開昭62−36663号、特開昭61−226746号、特開昭61−226745号、特開昭62−170950号、特開昭63−34540号、特開平7−230165号、特開平8−62834号、特開平9−54432号、特開平9−5988号、特開2001−330953号各公報記載の界面活性剤を挙げることができ、市販の界面活性剤を用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えば、エフトップEF301、EF303、(以上、新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(以上、住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(以上、DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(以上、旭硝子(株)製)、PF−6320等のPolyFoxシリーズ(OMNOVA社製)等のフッ素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤を挙げることができる。また、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコーン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤として、下記式(1)で表される構成単位Aおよび構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 0006167018
(式(1)中、R1およびR3はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R4は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、pおよびqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。)
上記Lは、下記式(2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(2)におけるR5は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2または3のアルキル基がより好ましい。
Figure 0006167018
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これら界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の添加量は、固形分100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜1質量部であることがさらに好ましい。
さらに、必要に応じて、本発明における感光性樹脂組成物には、酸化防止剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、色材、可塑剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、酸増殖剤、紫外線吸収剤、増粘剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの、公知の添加剤を加えることができる。これらの詳細は、特開2011−209692号公報の段落番号0143〜0148の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<<酸化防止剤>>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、キノン系酸化防止剤、窒素系酸化防止剤、ホフファイト系酸化防止剤などが使用できる。
フェノール系酸化防止剤としては例えば、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール))、BASF(株)製「Irganox1010」、「Irganox1330」、「Irganox3114」、「Irganox1035」、住友化学(株)製「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer GA−80」などが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては例えば、3,3’−チオジプロピオネートジステアリル、住友化学(株)製「Sumilizer TPM」、「Sumilizer TPS」、「Sumilizer TP−D」などが挙げられる。
キノン系酸化防止剤としては例えば、p-ベンゾキノン、2−tert−ブチル−1,4−ベンゾキノンなどが挙げられる。
窒素系酸化防止剤としては、アミン系酸化防止剤が好ましく、例えば、ジメチルアニリンやフェノチアジンなどが挙げられる。
ホフファイト系酸化防止剤としては、(例えば、Irgafos168の名称で、BASF社から販売されているトリス(2,4‐ジtert‐ブチルフェニル)ホスファイト)などが挙げられる。
上記酸化防止剤の中では、Irganox1010、Irganox1330、Irganox1726、3,3’−チオジプロピオネートジステアリルが好ましく、Irganox1010、Irganox1330がより好ましく、Irganox1330が特に好ましい。
4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)
酸化防止剤は1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
酸化防止剤の分子量は加熱中の昇華防止の観点から、窒素気流下、20℃/分の一定速度昇温条件のもと測定された際に質量が1質量%減少する温度は250℃以上が好ましく、270℃以上がより好ましく、300℃以上が特に好ましい。上限は特に定めるものではないが、例えば、500℃以下とすることができる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜6質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。また、酸化防止剤以外の添加剤として、"高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)"に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
<<連鎖移動剤>>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、連鎖移動剤を含んでいてもよい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683−684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンズオキサゾール類、3−メルカプトトリアゾール類、5−メルカプトテトラゾール類等)を好ましく用いることができる。
感光性樹脂組成物が連鎖移動剤を含む場合、連鎖移動剤の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、好ましくは0.01〜20質量部、さらに好ましくは1〜10質量部、特に好ましくは1〜5質量部である。
連鎖移動剤は、1種類のみでもよいし、2種類以上であってもよい。連鎖移動剤が2種類以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<<重合禁止剤>>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の製造中または保存中において光ラジカル重合開始剤およびラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の重合禁止剤を添加するのが好ましい。
重合禁止剤は、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
感光性樹脂組成物が重合禁止剤を含む場合、重合禁止剤の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して0.005〜5質量%が好ましい。
重合禁止剤は、1種類のみでもよいし、2種類以上であってもよい。重合禁止剤が2種類以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<<色材>>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては染料、顔料等が挙げられ、効果の観点からは染料であることが好ましい。
染料、顔料等の色材は増感色素として機能することがある。増感色素は、感光性架橋剤の架橋反応を向上し得る。
染料ないし顔料等の色材としては、ナフタラジン(1,2‐ビス(1‐ナフチルメチレン)ヒドラジン)、p−ヒドロキシ−p−ジメチルアミノアゾベンゼン、パリファーストイエロー(オリエント化学製)、スミプラストイエロー(住友化学製)、マクロレタスイエロー(バイエル製)、Seres Blue GN01(バイエル製)、クラリアント社から商品名「ホスタルックス KCB」、イーストマン社から商品名「OB−1」、チバスペシャリティケミカルズ社から「OB」、住友精化社から商品名「TBO」、日本曹達社から商品名「ケイコール」、日本化薬社から商品名「カヤライト」、「カヤセットイエロー」及び「カヤクリルローダミンFB」、BASF社から商品名「Lumogen F Ywllow083」、「Lumogen F Ywllow170」、「Lumogen F Orange240」、「「Lumogen F Pink285」、「Lumogen F Red305」、「Lumogen F Violet570」、「Lumogen F Blue650」及び「Lumogen F Green850」、シンロイヒ社から商品名「FZ−2801」、「FZ−2802」、「FZ−2803」、「FZ−2817」、「FZ−2808」、「FZ−SB」、「FZ−5009」、「FX−301」、「FX−303」、「FX−307」及び「FX−327」、デイグロ社から商品名「ZQ−19」、「ZQ−18」、「ZQ−19」、「IPO−13」、「IPO−18」、「IPO−19」、「NX−13」、「GPL−11」、「GPL−13」、「Z−11」及び「Z−13」、猪名川顔料社から商品名「ローダミンBレーキ」、ケイコールC(日本曹達製)にて市販されている。
オイル着色剤としては、例えばオイルレッド SST extra、オイルレッド5B、カラーメイトブルー、ブルーSS、オイルイエロー、イエローSS(いずれもシラド化学製)、オイルブルー#603(オリエント工業株式会社製)等があげられるがこれらに限られない。その他、アゾ系色素化合物、アゾ含金系色素化合物、一般繊維用の蛍光増白剤等の化合物が挙げられる。
色材は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(II)は色材を含有していても含有していなくてもよいが、含有する場合、色材の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜1質量%であることがよりさらに好ましい。
レジスト膜の膜厚は、解像力向上の観点から、100〜2000nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、100〜1000nm、さらに好ましくは300〜1500nm、特に好ましくは300〜850nmで使用されることが好ましい。感光性樹脂組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
膜厚が高くなりすぎると、重合性化合物の硬化収縮によりレジスト層に亀裂が入る可能性がある。一方、膜厚が低すぎると後述するドライエッチング処理にて保護膜および有機半導体膜を除去する時に、マスク性を十分に確保できない可能性がある。
<有機半導体膜のパターニング方法>
本発明における有機半導体膜のパターニング方法は、
(1)有機半導体膜の上に、保護膜形成用組成物を用いて保護膜を成膜する工程、
(2)保護膜の有機半導体膜と反対側の上に、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を成膜する工程、
(3)レジスト膜を露光する工程、
(4)有機溶剤を含む現像液を用いて現像しマスクパターンを作製する工程、
(5)ドライエッチング処理にて非マスク部の保護膜および上記有機半導体膜を除去する工程、
(6)保護膜を溶解する工程、
を含むことを特徴とする。
<<(1)有機半導体膜の上に、保護膜を成膜する工程>>
本発明の有機半導体膜のパターニング方法は、有機半導体膜の上に保護膜を成膜する工程を含む。保護膜は、保護膜形成用組成物を有機半導体膜の上に適用することによって設ける。保護膜の適用方法は好ましくは、塗布である。保護膜は好ましくは、水溶性樹脂を主成分とする膜である。通常は、基板の上に有機半導体膜を製膜した後に、本工程を行う。この場合、保護膜は、有機半導体の基板側の面と反対側の面に成膜する。保護膜は、通常、有機半導体膜の表面に設けられるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の層を設けてもよい。具体的には、水溶性の下塗り層等が挙げられる。また、保護膜は1枚のみ設けられていてもよいし、2枚以上設けられていてもよい。
<<(2)保護膜の有機半導体膜と反対側の上に、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を成膜する工程>>
上記(1)の工程後、(2)保護膜の有機半導体側の面と反対側の上に、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を形成する。レジスト膜は通常保護膜の表面に感光性樹脂組成物を適用して形成されるが、下塗り層等の膜を介していてもよい。感光性樹脂組成物の適用方法は、上記保護膜形成用組成物の記載を参酌できる。
感光性樹脂組成物の固形分濃度は、通常1.0〜20質量%であり、好ましくは、1.5〜17質量%、さらに好ましくは2.0〜15質量%である。固形分濃度を上記範囲とすることで、レジスト溶液を保護膜上に均一に塗布することができ、さらには高解像性および矩形なプロファイルを有するレジストパターンを形成することが可能になる。固形分濃度とは、樹脂組成物の総質量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の質量の質量百分率である。
<(3)レジスト膜を露光する工程>
(2)工程でレジスト膜を成膜後、上記レジスト膜を露光する。具体的には、レジスト膜に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。露光は1回のみ行ってもよく、複数回行ってもよい。本発明で用いる感光性樹脂組成物は、光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤を含む。このような架橋剤を含むことにより、露光すると露光部分に架橋構造が形成され、パターニングが可能となりレジスト膜として機能する。
具体的には、感光性樹脂組成物の乾燥塗膜を設けた基板に所定のパターンの活性光線を照射する。露光はマスクを介して行ってもよいし、所定のパターンを直接描画してもよい。波長300nm以上450nm以下の波長、好ましくは365nmを有する活性光線が好ましく使用できる。この工程の後、必要に応じて露光後加熱工程(PEB)を行ってもよい。
活性光線による露光には、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、レーザ発生装置、LED光源などを用いることができる。
水銀灯を用いる場合にはg線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長を有する活性光線が好ましく使用できる。水銀灯はレーザに比べると、大面積の露光に適するという点で好ましい。
レーザを用いる場合には固体(YAG)レーザでは343nm、355nmが好適に用いられ、エキシマレーザでは351nm(XeF)が好適に用いられ、さらに半導体レーザでは375nm、405nmが好適に用いられる。この中でも、安定性、コスト等の点から355nm、405nmがより好ましい。レーザは1回あるいは複数回に分けて、塗膜に照射することができる。
レーザの1パルス当たりのエネルギー密度は0.1mJ/cm2以上10,000mJ/cm2以下であることが好ましい。塗膜を十分に硬化させるには、0.3mJ/cm2以上がより好ましく、0.5mJ/cm2以上が最も好ましく、アブレーション現象により塗膜を分解させないようにするには、1,000mJ/cm2以下がより好ましく、500mJ/cm2以下が最も好ましい。
また、パルス幅は、0.1nsec以上30,000nsec以下であることが好ましい。アブレーション現象により色塗膜を分解させないようにするには、0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、1,000nsec以下がより好ましく、50nsec以下が最も好ましい。 さらに、レーザの周波数は、1Hz以上50,000Hz以下が好ましく、10Hz以上1,000Hz以下がより好ましい。
さらに、レーザの周波数は、露光処理時間を短くするには、10Hz以上がより好ましく、100Hz以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、10,000Hz以下がより好ましく、1,000Hz以下が最も好ましい。
レーザは水銀灯と比べると、焦点を絞ることが容易であり、露光工程でのパターン形成のマスクが不要でコストダウンできるという点で好ましい。
本発明に使用可能な露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto((株)ブイ・テクノロジー製)やAEGIS((株)ブイ・テクノロジー製)やDF2200G(大日本スクリーン製造(株)製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。
<(4)有機溶剤を含む現像液を用いて現像しマスクパターンを作製する工程>
(3)工程でレジスト膜を露光後、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する。現像はネガ型が好ましい。現像液に含まれる溶剤のsp値は、19MPa1/2未満であることが好ましく、18MPa1/2以下であることがより好ましい。
本発明で用いる現像液が含む有機溶剤としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤等の極性溶剤および炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、1種類のみでも、2種以上用いてもよい。また、上記以外の溶剤と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。ここでの実質的とは、例えば、現像液全体としての含水率が3質量%以下であり、より好ましくは測定限界以下であることをいう。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤およびアミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
また、有機系現像液は、必要に応じて塩基性化合物を適当量含有していてもよい。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下がさらに好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、上記保護膜形成用組成物の欄で述べた界面活性剤が好ましく用いられる。
現像液に界面化成剤を配合する場合、その配合量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm2以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下、さらに好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm2以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶剤に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
<(5)ドライエッチング処理にて少なくとも非マスク部の保護膜および有機半導体を除去する工程>
レジスト膜を現像しマスクパターンを作製後、エッチング処理にて少なくとも非マスク部の上記保護膜および上記有機半導体を除去する。非マスク部とは、レジスト膜を露光してマスクパターンを作製する際のマスクにより露光されていない箇所を表す。
具体的には、ドライエッチングは、レジストパターンをエッチングマスクとして、少なくとも保護膜および有機半導体をドライエッチングする。ドライエッチングの代表的な例としては、特開昭59−126506号公報、特開昭59−46628号公報、同58−9108号公報、同58−2809号公報、同57−148706号公報、同61−41102号公報などの公報に記載の方法がある。
ドライエッチングとしては、パターン断面をより矩形に近く形成する観点や有機半導体へのダメージをより低減する観点から、以下の形態で行なうのが好ましい。
フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、有機半導体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは有機半導体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、有機半導体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、ならびに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、およびオーバーエッチングについて説明する。
ドライエッチングは、下記手法により事前にエッチング条件を求めて行なう。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。(3)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。(4)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。(5)上記(3)、(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
上記第1段階のエッチング工程で用いる混合ガスとしては、被エッチング膜である有機材料を矩形に加工する観点から、フッ素系ガスおよび酸素ガス(O2)を含むことが好ましい。また、第1段階のエッチング工程は、有機半導体が露出しない領域までエッチングする形態にすることで、有機半導体のダメージを回避することができる。また、上記第2段階のエッチング工程および上記オーバーエッチング工程は、第1段階のエッチング工程でフッ素系ガスおよび酸素ガスの混合ガスにより有機半導体が露出しない領域までエッチングを実施した後、有機半導体のダメージ回避の観点から、窒素ガスおよび酸素ガスの混合ガスを用いてエッチング処理を行なうのが好ましい。
第1段階のエッチング工程でのエッチング量と、第2段階のエッチング工程でのエッチング量との比率は、第1段階のエッチング工程でのエッチング処理による矩形性を損なわないように決定することが重要である。なお、全エッチング量(第1段階のエッチング工程でのエッチング量と第2段階のエッチング工程でのエッチング量との総和)中における後者の比率は、0%より大きく50%以下である範囲が好ましく、10〜20%がより好ましい。エッチング量とは、被エッチング膜の残存する膜厚とエッチング前の膜厚との差から算出される量のことをいう。
また、エッチングは、オーバーエッチング処理を含むことが好ましい。オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング比率を設定して行なうことが好ましい。また、オーバーエッチング比率は、初めに行なうエッチング処理時間より算出することが好ましい。オーバーエッチング比率は任意に設定できるが、フォトレジストのエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、エッチング工程におけるエッチング処理時間の30%以下であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、10〜15%であることが特に好ましい。
<(6)保護膜を溶解除去する工程>
エッチング後、保護膜を溶解除去する。本発明では、水を用いて保護膜を除去することが好ましい。
保護膜を水で除去する方法としては、例えば、スプレー式またはシャワー式の噴射ノズルからレジストパターンに洗浄水を噴射して、保護膜を除去する方法を挙げることができる。洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。また、噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、保護膜を除去する工程中に支持体中心部から支持体端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にレジストパターンを除去することができる。
水を除去した後、乾燥等の工程を行うことも好ましい。乾燥温度としては、80〜120℃とすることが好ましい。
<産業上の利用可能性>
本発明は、有機半導体を利用した電子デバイスの製造に用いることができる。ここで、電子デバイスとは、半導体を含有しかつ2つ以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を、電気、光、磁気、化学物質などにより制御するデバイス、あるいは、印加した電圧や電流により、光や電場、磁場などを発生させるデバイスである。例としては、有機光電変換素子、有機電界効果トランジスタ、有機電界発光素子、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバータ、情報記録素子などが挙げられる。有機光電変換素子は光センサ用途、エネルギー変換用途(太陽電池)のいずれにも用いることができる。これらの中で、好ましくは有機電界効果トランジスタ、有機光電変換素子、有機電界発光素子であり、より好ましくは有機電界効果トランジスタ、有機光電変換素子であり、特に好ましくは有機電界効果トランジスタである。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
<実施例1>
(1)保護膜形成用組成物および感光性樹脂組成物の調製
下記表に示す各成分を混合して均一な溶液とした後、0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過して、実施例1の保護膜形成用組成物および感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。
<<保護膜形成用組成物1>>
・ポリビニルピロリドン(ピッツコール K−30、第一工業製薬(株)製)
99.9g
・サーフィノール440(日信化学工業(株)製)
0.1g
・水 90g
<<感光性樹脂組成物1>>
・4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドの縮合物のドデシルベンゼンスルホン酸塩 1.2g
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリロニトリル/エチルメタクリレート/メタクリル酸=35/25/35/5(モル比)の共重合体 5g
・オイルブルー#603(オリエント工業株式会社製) 0.18g
・1−メトキシ−2−プロパノール 30g
・メチルエチルケトン 50g
・メタノール 20g
<実施例2>
実施例1のポリビニルピロリドンをポリビニルアルコール(PXP−05、日本酢ビ・ポバール株(株)製)に変更する以外、実施例1と同じ方法で保護膜形成用組成物2を調製した。
<実施例3>
実施例1のポリビニルピロリドンをプルラン((株)林原製)に変更する以外、実施例1と同じ方法で保護膜形成用組成物3を調製した。
<実施例4>
実施例1のポリビニルピロリドンをメチルセルロース(メトローズ SM―4 信越化学工業(株)製)に変更する以外、実施例1と同じ方法で保護膜形成用組成物4を調製した。
<実施例5>
実施例1の4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドの縮合物のドデシルベンゼンスルホン酸塩を4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物である2−メキトシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルベンゼンスルホン酸塩に変更する以外、実施例1と同様の方法で、感光性樹脂組成物2を得た。
<実施例6>
実施例1の4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドの縮合物のドデシルベンゼンスルホン酸塩を4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物である硫酸塩に変更する以外、実施例1と同様の方法で、感光性樹脂組成物3を得た。
[評価]
<有機半導体膜上への保護膜の形成>
有機半導体として濃度20g/LのP3HT(Merck社製)クロロベンゼン溶液10mLと濃度14g/Lの[60]PCBM(Solenne社製)クロロベンゼン溶液10mLとを混合し、4インチベアシリコン基板上にスピンコーター(1200rpm、30秒)にて塗布し、ホットプレートにて140℃/15分乾燥し、膜厚100nmの有機半導体膜を形成した。該有機半導体膜を基板上に形成したウエハをウエハ1とした。ウエハ1上に表1に記載した保護膜形成用組成物をスピンコーター(1200rpm、30秒)により塗布したのち、100℃で60秒ベークし、有機半導体膜上に膜厚700nmの保護膜が設けられたウエハ2を形成した。
<感光性樹脂組成物用いたパターン形成と形状評価>
前記記載の4インチのウエハ2に下記表に示す感光性樹脂組成物をスピンコーター(1200rpm,30秒)により塗布したのち、110℃で60秒ベークし、ウエハ2上に膜厚500nmのレジスト膜を形成したウエハ3を形成した。
次にウエハ3をi線投影露光装置NSR2005i9C(ニコン社製)で、NA:0.57、シグマ:0.60の光学条件にて露光(露光量120mJ/cm2)を行ない、線幅10μmの1:1ラインアンドスペースパターンのバイナリーマスクを通して露光した。その後110℃で、60秒間加熱した後、酢酸ブチルで15秒間現像し、スピン乾燥して線幅10μmの1:1ラインアンドスペースのレジストパターンを得た。走査型電子顕微鏡を用いて断面観察を行うことで感光性樹脂組成物のパターン形状と基板上(非パターン部)の残渣を評価した。
A:感光性樹脂組成物のボトム部分のアンダーカットがなく、パターンのテーパー角が85°〜95°の範囲。
なく矩形プロファイル
B:感光性樹脂組成物のボトム部分にアンダーカットが0.5μm以下であり、パターンのテーパー角が85°〜95°の範囲。
僅かに認められるが矩形プロファイル
C:感光性樹脂組成物のボトム部分にアンダーカットが0.5μm以下であり、パターンのテーパー角が95°〜105°の範囲(逆テーパー)。
D:パターン形状劣悪もしくはパターン形成せず。
<ドライエッチングでの非マスク部の保護膜および有機半導体除去>
以下の条件で基板のドライエッチングを行い、非マスクパターン部の保護膜2および非マスクパターン部の有機半導体1を除去した。
ガス:CF4(流量200ml/min)、Ar(流量800ml/min)、O2(流量50ml/min)
ソースパワー:800W
ウェハバイアス:600W
アンテナバイアス:100W
ESC電圧:400V
時間:60sec
<残った保護膜樹脂の溶解除去>
得られた基板を水洗し、保護膜からなるパターンを除去したのち、100℃で10分加熱し前記有機半導体1に残存する水分の除去と、乾燥によりプロセスにおけるダメージを修復することで、有機半導体膜がパターニングされた基板を得た。
<有機半導体膜パターンの評価>
ドライエッチングおよび、保護膜除去後の有機半導体のパターンを、走査型電子顕微鏡を用いて観察を行うことより有機半導体の線幅を評価した。
A:感光性樹脂組成物の10μm(L/Sパターン)下における有機半導体の線幅が9μm〜10μm
B:感光性樹脂組成物の1μmのL/Sパターン下における、有機半導体の線幅が8μm以上9μm未満
C:感光性樹脂組成物の1μmのL/Sパターン下における、有機半導体の線幅が8μm未満
Figure 0006167018
上記結果から明らかなとおり、本発明の積層体は、感光性樹脂組成物のパターン形成性に優れ、かつ有機半導体パターンの加工後線幅評価にも優れていた。これに対し、保護膜を有さない場合(比較例1)、有機半導体パターンの加工後線幅評価が劣っていた。
特に保護膜の主成分として、ポリビニルピロリドンを用い、感光性樹脂組成物の架橋剤として、ジアゾニウム塩化合物のスルホン酸塩を用いることにより、より効果的であることが分かった。
また、有機半導体パターンの加工後の線幅評価について、ドライエッチングガスの種類を塩素/Arに変更しても、同様の傾向が得られることを確認した。
<実施例7>
感光性樹脂組成物の調製
下記表に示す各成分を混合して均一な溶液とした後、0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過して、感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。
(感光性樹脂組成物12〜20)
Figure 0006167018
上記表における成分および略号は、次の通りである。
<共役ジエン系重合体の環化物>
環化イソプレンゴム:重量平均分子量49,000、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)1.7、環化率65%。
<アジド化合物>
2,6‐ジ(パラアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、
p−フェニレン-ビスアジド、
4,4’−ジアジドジフェニルメタン、
2,6−ジ(パラアジドベンザル)−4−シクロヘキサノン
<重合開始剤>
ジアゾアミノベンゼン
<酸化防止剤>
4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)
[色材]
ナフタラジン
Oil Yellow SS special(シラド化学製)
ケイコールC(日本曹達製)
[溶剤]
キシレン
[評価]
実施例1と同様の方法で、評価を実施した。結果を下表に示す。
Figure 0006167018
上記結果から明らかなとおり、本発明の積層体は、感光性樹脂組成物のパターン形成性に優れ、かつ有機半導体パターンの加工後線幅評価にも優れていた。これに対し、保護膜を有さない場合(比較例2)、有機半導体パターンの加工後線幅評価が劣っていた。
上記表から、本発明の積層体は、パターン形状に優れ、また、レジストパターンの線幅とエッチング加工前後の有機半導体の線幅のリニアリティも高く、有機半導体の微細なパターン形成に有用な技術であることが認められた。
また、有機半導体パターンの加工後の線幅評価について、ドライエッチングガスの種類を塩素/Arに変更しても、同様の傾向が得られることを確認した。
本願発明を用いることで特開2012−216501号公報の図2に記載の表示装置を容易に製造することができた。

Claims (8)

  1. 有機半導体膜と、前記有機半導体膜上の保護膜と、前記保護膜上のレジスト膜を有し、前記レジスト膜が、光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)を含むネガ型感光性樹脂組成物からなり、前記保護膜が水溶性樹脂を含む積層体。
  2. 光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)が、ジアゾニウム塩化合物および/またはアジド化合物である、請求項1に記載の積層体。
  3. 保護膜が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランの少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 保護膜が、ポリビニルピロリドンを含む、請求項1または2に記載の積層体。
  5. 光脱窒素反応により架橋可能な架橋剤(A)が、実質的に水に不溶である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 感光性樹組成物がさらに、光ラジカル重合開始剤を含み、前記光ラジカル重合開始剤を分光増感する増感色素()を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 感光性樹組成物がさらに、バインダーポリマー(C)を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体。
  8. バインダーポリマー(C)が、共役ジエン系重合体および/またはその環化物を含む、請求項に記載の積層体。
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