JP6148967B2 - 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物 - Google Patents

積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物 Download PDF

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Description

本発明は、積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物に関する。具体的には、有機半導体製造における、有機半導体膜、保護膜およびレジスト膜の積層体、かかる積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物に関する。
近年、有機半導体を用いた電子デバイスが広く用いられている。有機半導体は、従来のシリコンなどの無機半導体を用いたデバイスと比べて簡単なプロセスにより製造できるというメリットがある。さらに、分子構造を変化させることで容易に材料特性を変化させることが可能であり、材料のバリエーションが豊富であり、無機半導体では成し得なかったような機能や素子を実現することが可能になると考えられている。有機半導体は、例えば、有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、有機光ディテクター、有機電界効果トランジスタ、有機電界発光素子、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバータ、情報記録素子等の電子機器に適用される可能性がある。
有機半導体のパターニングは、これまで印刷技術により行われてきたが、印刷技術によるパターニングでは微細加工に限界がある。また、有機半導体はダメージを受けやすい。
ここで、特許文献1には、有機半導体層を形成する工程と、上記有機半導体層をマスク層から保護する保護層を上記有機半導体層に積層して形成する工程と、所定のパターンを有する上記マスク層を上記保護層に積層して形成する工程と、上記マスク層をマスクとするエッチングによって上記保護層、さらには上記有機半導体層を同一形状にパターニングする工程とを有する、有機半導体層のパターニング方法において、上記マスク層とは材質が異なり、かつ、親水性を有する有機高分子化合物または絶縁性無機化合物によって上記保護層を形成することを特徴とする、有機半導体層のパターニング方法が開示されている。
特開2006−41317号公報
ここで、特許文献1(特開2006−41317号公報)について検討したところ、この方法では、パターニング終了後もマスク層が保護膜として残ってしまうことが分かった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、良好な有機半導体パターンを形成可能な積層体およびかかる積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは詳細に検討した結果、有機半導体膜の一方の表面に保護膜、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜の順で成膜し、レジスト膜をパターニング後にドライエッチングすることにより、有機半導体にダメージを与えずにパターニングできることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>〜<29>により、上記課題は解決された。
<1>有機半導体膜と、上記有機半導体膜上の保護膜と、上記保護膜上のレジスト膜を有し、上記レジスト膜が、光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を含む感光性樹脂組成物からなる積層体。
<2>有機半導体膜と、上記有機半導体膜上の保護膜と、上記保護膜上のレジスト膜を有し、上記レジスト膜が、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含む化合物を含む感光性樹脂組成物からなる積層体。
<3>上記保護膜が水溶性樹脂を含む、<1>または<2>に記載の積層体。
<4>上記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、不飽和結合の光二量化反応である、<1>または<3>に記載の積層体。
<5>上記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、不飽和結合同士の[2+2]環化反応である、<1>、<3>または<4>に記載の積層体。
<6>上記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、上記架橋可能な化合物(A)のマレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される基の[2+2]環化反応を含む、<1>、<3>〜<5>のいずれかに記載の積層体。
<7>上記感光性樹脂組成物が、増感色素(B)を含む、<1>〜<6>のいずれかに記載の積層体。
<8>上記感光性樹脂組成物中に含まれる固形分中の重合開始剤の量が0.01質量%以下である、<1>〜<7>のいずれかに記載の積層体。
<9>上記保護膜がポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランのいずれか1種を含む、<1>〜<8>のいずれかに記載の積層体。
<10>上記保護膜がポリビニルピロリドンを含む、<1>〜<8>のいずれかに記載の積層体。
<11>上記架橋可能な化合物(A)、または、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含む化合物がポリマーである、<1>〜<10>のいずれかに記載の積層体。
<12>光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を含む、有機半導体製造用レジスト組成物と、水溶性樹脂を含む保護膜形成用組成物を含む、有機半導体製造用キット。
<13>マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含む化合物を含む、有機半導体製造用レジスト組成物と、水溶性樹脂を含む保護膜形成用組成物を含む、有機半導体製造用キット。
<14>上記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、不飽和結合の光二量化反応である、<12>に記載の有機半導体製造用キット。
<15>上記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、不飽和結合の[2+2]環化反応である、<12>または<14>に記載の有機半導体製造用キット。
<16>上記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、上記架橋可能な化合物(A)のマレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される基の[2+2]環化反応を含む、<12>、<14>または<15>に記載の有機半導体製造用キット。
<17>上記有機半導体製造用レジスト組成物が、増感色素(B)を含む、<12>〜<16>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<18>上記水溶性樹脂がポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランのいずれか1種を含む、<12>〜<17>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。<19>上記水溶性樹脂がポリビニルピロリドンを含む、<12>〜<18>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<20>上記有機半導体製造用レジスト組成物中に含まれる重合開始剤の量が0.01質量%以下である、<12>〜<19>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<21>上記架橋可能な化合物(A)、または、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含む化合物がポリマーである、<12>〜<20>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<22>光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を含む、有機半導体製造用レジスト組成物。
<23>マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含む化合物を含む、有機半導体製造用レジスト組成物。
<24>上記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、不飽和結合の光二量化反応である、<22>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<25>上記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、不飽和結合の[2+2]環化反応である、<22>または<24>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<26>上記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、上記架橋可能な化合物(A)のマレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される基の[2+2]環化反応を含む、<22>、<24>または<25>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<27>増感色素(B)を含む、<22>〜<26>のいずれかに記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<28>重合開始剤の量が0.01質量%以下である、<22>〜<27>のいずれかに記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<29>前記架橋可能な化合物(A)、または、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含む化合物がポリマーである、<22>〜<28>のいずれかに記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
本発明により、良好な有機半導体パターンを形成可能な積層体、およびかかる積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物を提供可能になった。
以下に記載する本発明における構成要素の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書中における「活性光線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において固形分濃度とは、組成物の総重量に対する、溶剤を除く他の成分の重量の重量百分率である。また、固形分濃度は、特に述べない限り25℃における濃度をいう。
本明細書において、重量平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを用いることによって求めることができる。溶離液は特に述べない限り、10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いて測定したものとする。
<積層体>
本発明の積層体は、有機半導体膜と、上記有機半導体膜上の保護膜と、上記保護膜上のレジスト膜を有し、上記レジスト膜が、光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を含む感光性樹脂組成物からなることを特徴とする。
本発明における感光性樹脂組成物は、光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)が架橋し、光照射部が有機溶剤を含む現像液に難溶となることでマスクパターンを形成でき、マスクパターンを形成後ドライエッチングのマスクとして利用することが可能になる。
有機半導体膜上に、通常のレジスト膜を成膜し、パターニングすると、有機半導体はレジストに含まれる有機溶剤に容易に溶解してしまい、有機半導体膜にダメージを与えてしまう。
これに対し、本発明では、有機半導体上に保護膜を成膜しその上にレジスト膜を製膜している。この場合、レジスト膜と有機半導体膜が直接に接触しないため、有機半導体膜にダメージが及ぶことを抑制できる。さらに、レジスト膜として感光性樹脂組成物を用いるため、高い保存安定性と微細なパターン形成性を達成できる。
本発明の積層体は、有機半導体膜と保護膜の間および/または保護膜とレジスト膜との間に、下塗層等があっても良い。
以下、本発明を詳細に説明する。
<有機半導体膜>
本発明で用いる有機半導体膜は、半導体の特性を示す有機材料を含む膜のことである。無機材料からなる半導体の場合と同様に、正孔をキャリアとして伝導するp型有機半導体と、電子をキャリアとして伝導するn型有機半導体がある。有機半導体中のキャリアの流れやすさはキャリア移動度μで表される。用途にもよるが、一般に移動度は高い方がよく、10-7cm2/Vs以上であることが好ましく、10-6cm2/Vs以上であることがより好ましく、10-5cm2/Vs以上であることがさらに好ましい。移動度は電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
有機半導体膜は、通常、基板に成膜して用いることが好ましい。すなわち、有機半導体膜の保護膜が積層している側の反対側の面に基板を有することが好ましい。本発明で用いることができる基板としては、例えば、シリコン、石英、セラミック、ガラスポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムなどの種々の材料を基板として用いることができ、用途に応じていかなる基板を選択してもよい。例えば、フレキシブルな素子の用途の場合にはフレキシブル基板を用いることができる。また、基板の厚さは特に限定されない。
使用し得るp型半導体材料としては、ホール輸送性を示す材料であれば有機半導体材料、無機半導体材料のうちいかなる材料を用いてもよいが、好ましくはp型π共役高分子(例えば、置換または無置換のポリチオフェン(例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)など)、ポリセレノフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェンビニレン、ポリアニリンなど)、縮合多環化合物(例えば、置換または無置換のアントラセン、テトラセン、ペンタセン、アントラジチオフェン、ヘキサベンゾコロネンなど)、トリアリールアミン化合物(例えば、m−MTDATA、2−TNATA、NPD、TPD、mCP、CBPなど)、ヘテロ5員環化合物(例えば、置換または無置換のオリゴチオフェン、TTFなど)、フタロシアニン化合物(置換または無置換の各種中心金属のフタロシアニン、ナフタロシアニン、アントラシアニン、テトラピラジノポルフィラジン)、ポルフィリン化合物(置換または無置換の各種中心金属のポルフィリン)、カーボンナノチューブ、半導体ポリマーを修飾したカーボンナノチューブ、グラフェンのいずれかであり、より好ましくはp型π共役高分子、縮合多環化合物、トリアリールアミン化合物、ヘテロ5員環化合物、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物のいずれかであり、さらに好ましくは、p型π共役高分子である。
半導体材料が使用し得るn型半導体材料としては、ホール輸送性を有するものであれば有機半導体材料、無機半導体材料のうち、いかなるものでもよいが、好ましくはフラーレン化合物、電子欠乏性フタロシアニン化合物、ナフタレンテトラカルボニル化合物、ペリレンテトラカルボニル化合物、TCNQ化合物、n型π共役高分子、n型無機半導体であり、より好ましくはフラーレン化合物、電子欠乏性フタロシアニン化合物、ナフタレンテトラカルボニル化合物、ペリレンテトラカルボニル化合物、π共役高分子であり、特に好ましくはフラーレン化合物、π共役高分子である。本発明において、フラーレン化合物とは、置換または無置換のフラーレンを指し、フラーレンとしてはC60、C70、C76、C78、C80、C82、C84、C86、C88、C90、C96、C116、C180、C240、C540などのいずれでもよいが、好ましくは置換または無置換のC60、C70、C86であり、特に好ましくはPCBM([6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル)およびその類縁体(C60部分をC70、C86等に置換したもの、置換基のベンゼン環を他の芳香環またはヘテロ環に置換したもの、メチルエステルをn−ブチルエステル、i−ブチルエステル等に置換したもの)である。電子欠乏性フタロシアニン類とは、電子求引基が4つ以上結合した各種中心金属のフタロシアニン(F16MPc、FPc−S8など)、ナフタロシアニン、アントラシアニン、置換または無置換のテトラピラジノポルフィラジンなどである。ナフタレンテトラカルボニル化合物としてはいかなるものでもよいが、好ましくはナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)、ナフタレンビスイミド化合物(NTCDI)、ペリノン顔料(Pigment Orange 43、Pigment Red 194など)である。ペリレンテトラカルボニル化合物としてはいかなるものでもよいが、好ましくはペリレンテトラカルボン酸無水物(PTCDA)、ペリレンビスイミド化合物(PTCDI)、ベンゾイミダゾール縮環体(PV)である。TCNQ化合物とは、置換または無置換のTCNQおよび、TCNQのベンゼン環部分を別の芳香環やヘテロ環に置き換えたものであり、例えば、TCNQ、TCAQ、TCN3Tなどである。さらにグラフェンも挙げられる。型有機半導体材料の特に好ましい例を以下に示す。
なお、式中のRとしては、いかなるものでも構わないが、水素原子、置換基または無置換で分岐または直鎖のアルキル基(好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8のもの)、置換または無置換のアリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14のもの)のいずれかであることが好ましい。
Figure 0006148967
上記材料は、通常、溶剤に配合し、層状に適用して乾燥し、製膜する。適用方法としては、後述する保護膜の記載を参酌できる。
溶剤としては、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,2−ジクロロベンゼン等の炭化水素系溶剤;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶剤;例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキサイド等の極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は1種のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
有機半導体膜を形成する組成物(有機半導体形成用組成物)における有機半導体の割合は、好ましくは0.1〜80質量%、より好ましくは0.1〜10質量%であり、これにより任意の厚さの膜を形成できる。
また、有機半導体形成用組成物には、樹脂バインダーを配合してもよい。この場合、膜を形成する材料とバインダー樹脂とを前述の適当な溶剤に溶解させ、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により薄膜を形成することができる。樹脂バインダーとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン等の絶縁性ポリマー、およびこれらの共重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン等の光伝導性ポリマー、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン等の導電性ポリマーなどを挙げることができる。樹脂バインダーは、単独で使用してもよく、あるいは複数併用しても良い。薄膜の機械的強度を考慮するとガラス転移温度の高い樹脂バインダーが好ましく、電荷移動度を考慮すると極性基を含まない構造の樹脂バインダーや光伝導性ポリマー、導電性ポリマーが好ましい。
樹脂バインダーを配合する場合、その配合量は、有機半導体膜中、好ましくは0.1〜30質量%で用いられる。
用途によっては単独および種々の半導体材料や添加剤を添加した混合溶液を塗布し、複数の材料種からなるブレンド膜としてもよい。例えば、光電変換層を作製する場合、別の半導体材料との混合溶液を用いることなどができる。
また、成膜の際、基板を加熱または冷却してもよく、基板の温度を変化させることで膜質や膜中での分子のパッキングを制御することが可能である。基板の温度としては特に制限はないが、好ましくは−200℃〜400℃、より好ましくは−100℃〜300℃、さらに好ましくは0℃〜200℃である。
形成された有機半導体膜は、後処理により特性を調整することができる。例えば、加熱処理や溶剤蒸気への暴露により膜のモルホロジーや膜中での分子のパッキングを変化させることで特性を向上させることが可能である。また、酸化性または還元性のガスや溶剤、物質などにさらす、あるいはこれらを混合することで酸化あるいは還元反応を起こし、膜中でのキャリア密度を調整することができる。
有機半導体膜の膜厚は、特に制限されず、用いられる電子デバイスの種類などにより異なるが、好ましくは5nm〜50μm、より好ましくは10nm〜5μm、さらに好ましくは20nm〜500nmである。
<保護膜>
本発明の保護膜は、有機半導体膜の上に形成され、好ましくは、有機半導体膜の表面に形成される。有機半導体膜と保護膜の間には、下塗層等があっても良い。
保護膜は、有機半導体上に成膜する時に有機半導体にダメージを与えず、また、保護膜上にレジスト膜を塗布した時にインターミキシング(層間混合)を起こさないものが好ましい。保護膜は、水溶性樹脂を含む膜が好ましく、脂溶性樹脂を主成分とする膜であることがより好ましい。主成分とは、保護膜を構成する成分のうち最も多い成分をいい、好ましくは80質量%以上が水溶性樹脂であることをいう。
本発明における水溶性樹脂は、20℃における水に対する溶解度が1質量%以上である樹脂をいう。
保護膜は、有機溶剤を含む現像液に溶解しにくく、水に対して溶解することが好ましい。このため、保護膜に水溶性樹脂を用いる場合、そのsp値(溶解パラメータ)は、18(MPa)1/2以上25(MPa)1/2未満であることが好ましく、20〜24(MPa)1/2であることがより好ましく、21〜24(MPa)1/2であることがさらに好ましい。sp値は、Hoy法によって算出した値であり、Hoy法は、POLYMER HANDBOOK FOURTH EDITIONに記載がある。
また、保護膜形成用組成物は、2種類以上の樹脂を含んでいてもよいが、この場合、2種類以上の樹脂それぞれが上記範囲を満たしていることが好ましい。
本発明で用いる水溶性樹脂は、ポリビニルピロリドン、水溶性多糖類(水溶性のセルロース(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、プルランまたはプルラン誘導体、デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプン、キトサン、シクロデキストリン)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチルオキサゾリン等を挙げることができ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルランが好ましい。中でも、塗布面状が良く、水での溶解除去のしやすいポリビニルピロリドンがより好ましい。
また、これらの中から、主鎖構造が相違する2種以上を選択して使用してもよく、共重合体として使用してもよい。
本発明で用いる保護膜を形成する樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは500〜400,000であり、より好ましくは2,000〜300,000、さらに好ましくは3,000〜200,000である。
保護膜用樹脂の分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6の範囲のものが好ましく使用される。
本発明では、保護膜は、例えば、保護膜形成用組成物を有機半導体膜の上に適用し、乾燥させることよって形成される。
適用方法としては、塗布が好ましい。適用方法の例としては、キャスト法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング(浸漬)コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スピンコート法、ラングミュア−ブロジェット(Langmuir−Blodgett)(LB)法などを挙げることができる。本発明においては、キャスト法、スピンコート法、およびインクジェット法を用いることがさらに好ましい。このようなプロセスにより、表面が平滑で大面積の有機半導体膜等の膜を低コストで生産することが可能となる。
保護膜形成用組成物の固形分濃度は、0.5〜30質量%であることが好ましく、1.0〜20質量%であることがより好ましく、2.0〜14質量%であることがさらに好ましい。固形分濃度を上記範囲とすることでより均一に塗布することができる。
保護膜形成用組成物にはさらに塗布性を向上させるための界面活性剤を含有させることが好ましい。
界面活性剤としては、表面張力を低下させるものであれば、ノニオン系、アニオン系、両性フッ素系など、どのようなものでもかまわない。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等、フッ素あるいはシリコンを含むオリゴマー等、アセチレングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキシド付加物等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能であるが、特に好ましいのは、有機半導体の電気特性に影響を及ぼす金属イオンの含有量が少なく、かつ消泡性にも優れる、下記式(1)で示されるアセチレン骨格を有するノニオン界面活性剤である。
Figure 0006148967
式(1)中、R1、R2はお互い独立に、置換基を有してもよい炭素数3〜15のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい炭素数4〜15の複素芳香族環基(置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ−カルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示す。
上記界面活性剤の例として、日信化学工業(株)製、サーフィノールシリーズが例示される。
保護膜形成用組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の添加量は、保護膜としたときに、好ましくは0.05〜8質量%、さらに好ましくは0.07〜5質量%、特に好ましくは0.1〜3質量%の割合で含まれていることが好ましい。
これら界面活性剤は、1種のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
保護膜は、膜厚20nm〜5μmであることが好ましく、膜厚100nm〜1μmであることがより好ましい。保護組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、成膜性を向上させることにより、上記のような膜厚とすることができる。
保護膜には、染料を配合してもよい。染料を配合することで、露光光源の波長に合わせて吸収波長を調整することが可能であるため、有機半導体材料の露光によるダメージを効果的に防止することができる。
染料としては、アゾ染料、ニトロ染料、ニトソロ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン・ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン・インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン染料、オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料などを挙げることができる。
保護膜に染料を配合する場合、保護膜の0.1〜10質量%とすることができる。
染料は1種類単独または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
<<感光性樹脂組成物>>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、有機半導体製造用レジスト組成物としての役割を果たすものであり、保護膜の上にレジスト膜を形成するのに用いられる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を含むことを特徴とする。
本発明で用いる感光性樹脂組成物の好ましい実施形態は、光照射後に架橋可能な化合物(A)の光二量化反応により有機溶剤を含む現像液への溶解速度が減少する組成物であり、sp値が19(MPa)1/2未満の有機溶剤に対して溶解速度が低下する組成物であることが好ましく、18.5(MPa)1/2以下の有機溶剤に対して難溶となる組成物であることがより好ましく、18.0(MPa)1/2以下の有機溶剤に対して溶解速度が低下する組成物であることがさらに好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、ネガ型のレジスト組成物であることが、より微細なトレンチ・ホールパターンを形成可能という理由により、特に高い効果を得ることができることから好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、有機溶剤を含む現像液で現像可能であり、光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を少なくとも含む。本発明における感光樹脂組成物は、現像時における残渣の発生が抑制され、かつ、平滑性に優れた表面を有するレジスト膜を形成し得る。ここで、本発明において「残渣」とは、感光性樹脂組成物を用いてパターン状のレジスト膜を形成した際において、上記パターン状のレジスト膜端部の周縁に存在する残膜を意味する。
<光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)>
本発明の感光性樹脂組成物は、光二量化反応により架橋可能な化合物(A)(以下、単に「架橋可能な化合物(A)」と称することがある)を含む。
架橋可能な化合物(A)の光二量化反応は、不飽和結合の光二量化反応であることが好ましい。また、架橋可能な化合物(A)の光二量化反応は、不飽和結合の[2+2]環化反応であることが好ましい。
すなわち、架橋可能な化合物(A)は、光二量化可能な不飽和結合を有する官能基を有することが好ましい。光二量化可能な不飽和結合を有する官能基は、光による直接励起されるか、または、所望により添加される光増感色素からのエネルギー移動により励起されることにより、他の基底状態にある同じ官能基との間で〔2+2〕の光付加反応を起こし得る官能基が好ましい。
光照射後に光二量化反応により架橋可能な官能基としては、具体的には、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基またはクマリン基を用いることができる。また、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基またはクマリン基を用いることもできる。特に、マレイミド基、シンナモイル基またはクマリン基がより好ましく、マレイミド基がさらに好ましい。
また、架橋可能な化合物(A)の光二量化反応は、架橋可能な化合物(A)の側鎖に導入されたマレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基またはクマリン基の[2+2]環化反応が挙げられる。
本発明に用いられる架橋可能な化合物(A)は、保護膜との混合を避けるために、実質的に水に不溶であることが好ましい。実質的に水に不溶とは、架橋可能な化合物(A)のみを酢酸ブチル等の溶剤に溶解し、固形分濃度3.5質量%とした組成物をシリコンウエハ上に塗布して得られた塗膜(膜厚100nm)を形成した際、QCM(水晶発振子マイクロバランス)センサ等を用いて測定した室温(25℃)におけるイオン交換水に対して、上記塗膜を1000秒間浸漬させた際の平均の溶解速度(膜厚の減少速度)が、1nm/s以下、好ましくは0.1nm/s以下であることを示す。
架橋可能な化合物(A)は、モノマー、プレポリマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの多量体などの化学形態のいずれであっても良いが、ポリマーまたはオリゴマーが好ましく、ポリマーがより好ましい。
以下、架橋可能な化合物(A)がポリマーである場合と、モノマーである場合について、具体的に説明する。
本発明では、架橋可能な化合物(A)がポリマー、すなわち、光二量化可能な不飽和結合を有する光架橋性重合体(以下、単に「光架橋性重合体」と称することがある。)であることが好ましい。
具体的には、光架橋性重合体は、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基、クマリン基等の光二量化可能な不飽和結合を有する官能基を有することが好ましい。この光架橋性重合体は、光二量化可能な不飽和結合を有する官能基を側鎖または主鎖に有しており、側鎖に有することが好ましい。
特に、光架橋性重合体は、マレイミド基を側鎖に有するか、分子鎖中にケイ皮酸骨格を有することが、比較的高い感度を有するため好ましい。このようなマレイミド基を側鎖に有する光架橋性重合体としては、特開昭52−988号(対応米国特許4,079,041号)明細書や、独国特許2,626,769号明細書、ヨーロッパ特許21,019号明細書、ヨーロッパ特許3,552号明細書やディー・アンゲバンドゥテ・マクロモレクラーレ・ケミー(Die Angewandte Makromolekulare Chemie)115(1983)の163〜181ページに記載されている下記一般式(I)で表されるマレイミド基を側鎖に有する光架橋性重合体が挙げられる。
また、特開昭49−128991号、同49−128992号、同49−128993号、同50−5376号、同50−5377号、同50−5379号、同50−5378号、同50−5380号、同53−5298号、同53−5299号、同53−5300号、同50−50107号、同51−47940号、同52−13907号、同50−45076号、同52−121700号、同50−10884号、同50−45087号、独国特許第2,349,948号、同第2,616,276号各明細書に記載されている下記一般式(II)で表されるマレイミド基を側鎖に有する光架橋性重合体等が挙げられる。
Figure 0006148967
一般式(I)中、R10およびR11は、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、炭素原子数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。ここで、R10とR11とは互いに結合して、5員または6員の炭素環を形成してもよい。
一般式(II)中、R12は芳香族基を表す。R13は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
マレイミド基を側鎖に有する光架橋性重合体としては、マレイミド基を側鎖に有するポリアクリル酸エステルおよびマレイミド基を側鎖に有するポリメタアクリル酸エステルが好ましい。マレイミド基を側鎖に有する光架橋性重合体の重量平均分子量は、1,000以上が好ましく、10,000〜100,000であることがより好ましい。
マレイミド基を側鎖に有する光架橋性重合体以外に、本発明では、光架橋性重合体として、下記一般式(III)および/または(IV)で表される基を側鎖として少なくとも2個有する光架橋性重合体を用いることができる。
Figure 0006148967
一般式(III)中、Aは、アリール基、置換アリール基、フリル基またはチエニル基を表し、X1は、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、フェニル基またはアルキル基を表し、nは0または1の整数を表す。
一般式(IV)中、Bは、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基またはアルキル基を表し、Y1は、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、フェニル基またはアルキル基を表し、nは0または1の整数を表す。
置換アリール基に導入可能な置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基などが挙げられる。
一般式(III)および/または(IV)で表される基を側鎖として少なくとも2個有する光架橋性重合体の具体例としては、上記一般式(III)または(IV)で表される基を含むアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはビニルエーテル化合物の単独重合体、これらの2種以上の共重合体、および必要に応じて他の付加重合性ビニルモノマーと共重合させた共重合体が挙げられる。
一般式(III)または(IV)で表される基を含むアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはビニルエーテル化合物としては、英国特許第949,919号、特公昭45−36755号、特公昭46−4603号、特開昭47−34794号、特公昭59−14352号、特公昭49−28122号、特開昭49−36794号、特開昭49−103975号、特公昭50−11283号、特公昭50−24621号、特公昭51−481号、特公昭55−44930号、特公昭56−37244号、特公昭56−52923号、特公昭57−28488号等の明細書中に記載されているものを挙げることができる。これらのうち好ましいものは、側鎖にケイ皮酸エステル基を含むポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、またはポリビニルエーテル化合物などが挙げられる。これらの化合物の重量平均分子量は、1,000以上が好ましく、10,000〜100,000がより好ましい。
その他に用いることができる光架橋性重合体としては、主鎖に光二量化可能な不飽和二重結合を有する架橋性重合体が挙げられる。具体的には、フェニレンジアクリル酸、または、そのアルキルエステルとグリコールとの縮合によって製造された感光性ポリエステルが挙げられる。この架橋性重合体は、高い感光性を有する。
光架橋性重合体は、光二量化により架橋可能な基を有する繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を有していても良い。ここで、他の繰り返し単位としては、既知の種々のモノマーに由来する繰り返し単位を挙げることができ、疎水性が高いものが好ましく、実質的に水に不溶なものがより好ましい。
好ましい例としては、アクリル酸エステル類、メタクリルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーものに由来する繰り返し単位などが挙げられる。
アクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−またはi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキシベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリレート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルアクリレート、ポリアルキレングリコールアクリレート等が挙げられる。この中ではアルキルアクリレート、アリールアクリレートが好ましく、アルキルアクリレートがより好ましく、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレートがより好ましい。
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−またはi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキシベンジルメタクリレート、ヒドロキシフェネチルメタクリレート、ジヒドロキシフェネチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルメタクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレート等が挙げられる。この中ではアルキルメタクリレート、アリールメタクリレートが好ましく、アルキルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートがより好ましい。
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、ポリアルキレングリコールアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、ポリアルキレングリコールメタクリルアミド等が挙げられる。
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。
スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
光架橋性重合体が、光二量化により架橋可能な基を有する繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を有する場合、他の繰り返し単位の含有量は、上記光架橋性重合体中の全繰り返し単位に対して、1〜70モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましい。
また、光架橋性重合体中の、光二量化により架橋する基の割合は、30〜100モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましい。
これらの光架橋性重合体は1種類単独または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
以下に、本発明で用いることができる光架橋性重合体の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。以下の構造中、カッコの数字はモル比を表す。
Figure 0006148967
Figure 0006148967
架橋可能な化合物(A)としては、以下の化合物を用いることもできる。
Figure 0006148967
架橋可能な化合物(A)が光架橋性重合体である場合、光架橋性重合体の含有量は、本発明に用いられるレジスト膜の全固形分中、20〜99質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましく、50〜75質量%がさらに好ましい。光架橋性重合体の含有量が少なすぎると、現像液への溶解速度が十分に低下せず、露光部の膜減りが発生してしまう傾向にある。また、光架橋性重合体の含有量が多すぎると、感光層下部(深部)における反応性が低くなり、露光部の下層への密着性が低下してしまう傾向にある。
架橋可能な化合物(A)がモノマーである場合の含有量は、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の全固形分中、1〜100質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましく、50〜75質量%がさらに好ましい。
これらの架橋可能な化合物(A)は1種類単独または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
<増感色素(B)>
本発明のレジスト膜は、感度の観点から、増感色素をさらに含むことが好ましい。増感色素としては、300nm以上の範囲で充分な光吸収を可能にするような極大吸収を有する三重項増感色素が好ましい。このような増感色素としては、ベンゾフェノン誘導体、ベンズアンスロン誘導体、キノン類、アントラキノン類、芳香族ニトロ化合物、ナフトチアゾリン誘導体、ベンゾチアゾリン誘導体、キサントン類、ナフトチアゾール誘導体、ケトクマリン化合物、ベンゾチアゾール誘導体、ナフトフラノン化合物、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物フルオレノン化合物、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等を挙げることができる。
具体的には、ミヒラーケトン、N,N′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンズアンスロン、(3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズ)アンスロンピクラミド、5−ニトロアセナフテン、2−ニトロフルオレン、2−ジベンゾイルメチレン−3−メチルナフトチアゾリン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2,4,6−トリフェニルチアピリリウムパークロレート、2−(p−クロルベンゾイル)ナフトチアゾール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン等が挙げられる。
さらに、チオキサントン誘導体、例えば、2−クロルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサントン等や、ドイツ特許第3018891号および同3117568号、ならびにヨーロッパ特許第33720号、英国特許第2075506号公報に記載されているような置換されたチオキサントン類を用いることが好ましい。
さらに、メロシアニン色素類、例えば、2−(ヘテロサイクリルカルボニルメチレン)ベンゾ(またはナフト)チアゾリン、2−(ジヘテロサイクルカルボニルメチレン)ベンゾ(またはナフト)チアゾニン、2−ジベンゾイルメチレンベンゾ(またはナフト)チアゾリン類で、具体的には特公昭52−129791号に開示されている2−〔ビス(2−フロイル)メチレン〕−3−メチルベンゾチアゾリン、2−〔ビス(2−テノイル)メチレン〕−3−メチルベンゾチアゾニン、2−〔ビス(2−フロイル)メチレン〕−3−メチルナフトチアゾリン、2−〔ビス(2−フロイル)メチレン〕−3−メチルナフトチアゾリン、2−(2−フロイル)メチレン−3−メチルベンゾチアゾリン、2−ベンゾイルメチレン−3−メチルベンゾチアゾリン、2−ビス(ベンゾイルメチレン)ベンゾチアゾリン、2−ビス(ベンゾイルメチレン)ナフトチアゾリンや、特公昭45−8832号公報に開示されている、チオバルビツール酸環を有するチアゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾセレナゾール系の増感色素、特願平1−190963号公報に開示されている増感色素等が好ましい。
その他、以下の化合物を用いることもできる。
Figure 0006148967
これらの増感色素は、上記架橋可能な化合物(A)に応じて選択することができ、1種類単独または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
増感色素の添加量としては、本発明に用いられるレジスト膜の全固形分中、0.1〜80質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。増感色素の添加量が0.1質量%未満であると、感度向上効果が充分に得られない傾向にある。また、増感色素の添加量が80質量%を超えると、感光層の上部のみで光吸収し、深部まで露光が到達し難くなって、深部における硬化反応が充分に進行せず、露光部の下層への密着性が低下する傾向にある。
本発明に用いられる感光性樹脂組成物は、重合開始剤を含んでいてもよいが、実質的に重合開始剤を含まないことが好ましい。感光性樹脂組成物中の重合開始剤の量は、0.01質量%以下であることが好ましく、0.001質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることがさらに好ましい。
<溶剤>
本発明における感光性樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物は、各成分を、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
本発明における感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、例えば、(1)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;(2)エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;(3)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(4)プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(5)プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(7)ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;(8)ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(9)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(10)ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(11)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(12)乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸n−アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル類;(13)酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;(14)ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸エチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
(15)メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;(16)N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;(17)γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
上記した溶剤のうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、および/または、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類が好ましく、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、および/または、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合、溶剤の含有量は、樹脂(B)100重量部当たり、1〜3,000重量部であることが好ましく、5〜2,000重量部であることがより好ましく、10〜1,500重量部であることがさらに好ましい。
溶剤は、1種類のみ用いても良く、2種類以上用いても良い。2種類以上用いる場合は、合計量が上記範囲となる。
<界面活性剤>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、塗布性をより向上させる観点から界面活性剤を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、フッ素系、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
本発明における感光性樹脂組成物は、界面活性剤として、フッ素系界面活性剤、および/または、シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましい。
これらのフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤として、例えば、特開昭62−36663号、特開昭61−226746号、特開昭61−226745号、特開昭62−170950号、特開昭63−34540号、特開平7−230165号、特開平8−62834号、特開平9−54432号、特開平9−5988号、特開2001−330953号各公報記載の界面活性剤を挙げることができ、市販の界面活性剤を用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えば、エフトップEF301、EF303、(以上、新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(以上、住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(以上、DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(以上、旭硝子(株)製)、PF−6320等のPolyFoxシリーズ(OMNOVA社製)等のフッ素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤を挙げることができる。また、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコーン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤として、下記式(1)で表される構成単位Aおよび構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 0006148967
(式(1)中、R1およびR3はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R4は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、pおよびqは重合比を表す重量百分率であり、pは10重量%以上80重量%以下の数値を表し、qは20重量%以上90重量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。)
上記Lは、下記式(2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(2)におけるR5は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2または3のアルキル基がより好ましい。
Figure 0006148967
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これら界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における感光性樹脂組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の添加量は、感光性樹脂組成物100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましく、0.01〜1重量部であることがさらに好ましい。
<バインダーポリマー>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物は、感度と現像性とドライエッチングへの耐性をバランスよく向上させるために、バインダーポリマーを添加してもよい。このようなバインダーポリマーとしては、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂(好ましくは、ポリビニルブチラール樹脂)、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、および、ノボラック樹脂などが用いられる。
本発明において、「(メタ)アクリル系重合体」とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アリルエステルなど)、(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体を重合成分として有する共重合体のことをいう。
「ポリウレタン樹脂」とは、イソシアネート基を2つ以上有する化合物とヒドロキシル基を2つ以上有する化合物の縮合反応により生成されるポリマーのことをいう。
「ポリビニルブチラール樹脂」とは、ポリ酢酸ビニルを一部または全て鹸化して得られるポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを酸性条件下で反応(アセタール化反応)させて合成されるポリマーのことをいい、さらに、残存したヒドロキシ基と酸基等有する化合物を反応させる方法等により酸基等を導入したポリマーも含まれる。
「ノボラック樹脂」とは、フェノール類(フェノールやクレゾールなど)とアルデヒド類(ホルムアルデヒドなど)の縮合反応によって生成されるポリマーのことをいう。さらに、残存したヒドロキシ基に対して別の化合物を反応させる方法等により置換基を導入したポリマーも含まれる。
ノボラック樹脂の好適な一例としては、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,またはm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂が挙げられる。重量平均分子量が500〜20,000、数平均分子量が200〜10,000のノボラック樹脂が好ましい。また、ノボラック樹脂中のヒドロキシ基に対して別の化合物とを反応させて置換基を導入した化合物も好ましく使用できる。
バインダーポリマーは、重量平均分子量5,000以上が好ましく、10,000〜300,000がより好ましい。また、数平均分子量は、1,000以上が好ましく、2,000〜250,000がより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10が好ましい。
バインダーポリマーの含有量は、良好な感度の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。
本発明において、バインダーポリマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、塗布性を調節するために、必要に応じて高分子化合物を有していてもよい。なお、ここでいう塗布性とは、塗布後の膜厚の均一性や塗布後の膜形成性のことをいう。
本発明においては、高分子化合物は、任意のものを使用できる。本発明における高分子化合物は、重量平均分子量が2,000以上の化合物であり、通常は、重合性基を含まない化合物である。高分子化合物の重量平均分子量は、10,000以上が好ましく、20,000を超えることがより好ましい。
本発明の組成物に用いられるバインダーポリマーは、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらに般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で、様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明に用いられる感光性樹脂組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
本発明で用いられるバインダーポリマーにおいて、各繰り返し構造単位の含有モル比は、感光性樹脂組成物のドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
バインダーポリマーの形態としては、ランダム型、ブロック型、クシ型、スター型のいずれの形態でもよい。バインダーポリマーは、例えば、各構造に対応する不飽和モノマーのラジカル、カチオン、またはアニオン重合により合成することができる。また各構造の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより目的とする樹脂を得ることも可能である。
バインダーポリマーは、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは、感光性樹脂組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としては、アゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。例えば、上記樹脂が難溶或いは不溶の溶媒(貧溶媒)を、この反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿または再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿または再沈殿溶媒)としては、このポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。
沈殿または再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10,000質量部、好ましくは200〜2,000質量部、さらに好ましくは300〜1,000質量部である。
沈殿または再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿または再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿または再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧または減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、この樹脂が難溶或いは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、ポリマーが難溶或いは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、この樹脂溶液Aに、この樹脂が難溶或いは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
また、組成物の調製後に樹脂が凝集することなどを抑制する為に、例えば、特開2009−037108号公報に記載のように、合成された樹脂を溶剤に溶解して溶液とし、その溶液を30℃〜90℃程度で30分〜4時間程度加熱するような工程を加えてもよい。
さらに、必要に応じて、本発明における感光性樹脂組成物には、酸化防止剤、可塑剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、酸増殖剤、紫外線吸収剤、増粘剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの、公知の添加剤を加えることができる。これらの詳細は、特開2011−209692号公報の段落番号0143〜0148の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
レジスト膜の膜厚は、解像力向上の観点から、100〜1000nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、300〜850nmで使用されることが好ましい。感光性樹脂組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
以下、本発明を用いた有機半導体膜のパターニング方法について説明する。
<有機半導体膜のパターニング方法>
本発明における有機半導体膜のパターニング方法は、
(1)有機半導体膜の上に、保護膜を成膜する工程、
(2)保護膜の上記有機半導体膜と反対側の上に、光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を含む感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を成膜する工程、
(3)上記レジスト膜を露光する工程、
(4)有機溶剤を含む現像液を用いて現像しマスクパターンを作製する工程、
(5)ドライエッチング処理にて少なくとも非マスク部の上記保護膜および上記有機半導体膜を除去する工程、
(6)上記保護膜を水で溶解する工程、
を含むことを特徴とする。
<<(1)有機半導体膜の上に、保護膜を成膜する工程>>
本発明の有機半導体膜のパターニング方法は、有機半導体膜の上に保護膜を成膜する工程を含む。通常は、基板の上に有機半導体膜を製膜した後に、本工程を行う。この場合、保護膜は、有機半導体の基板側の面と反対側の面に成膜する。保護膜は、通常、有機半導体膜の表面に設けられるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の層を設けてもよい。具体的には、水溶性の下塗層等が挙げられる。また、保護膜は1枚のみ設けられていてもよいし、2枚以上設けられていてもよい。
<<(2)保護膜の上記有機半導体膜と反対側の上に、光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を含む感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を成膜する工程>>
上記(1)の工程後、(2)保護膜の有機半導体側の面と反対側の上に、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を形成する。レジスト膜は好ましくは保護膜の表面に感光性樹脂組成物を適用して形成されるが、下塗層等の膜を介していてもよい。感光性樹脂組成物の適用方法は、上記保護膜の記載を参酌できる。
感光性樹脂組成物の固形分濃度は、通常1.0〜20質量%であり、好ましくは、1.5〜17質量%、さらに好ましくは2.0〜15質量%である。固形分濃度を上記範囲とすることで、レジスト溶液を保護膜上に均一に塗布することができ、さらには高解像性および矩形なプロファイルを有するレジストパターンを形成することが可能になる。固形分濃度とは、樹脂組成物の総重量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の重量の重量百分率である。
<<(3)レジスト膜を露光する工程>>
(2)工程でレジスト膜を成膜後、上記レジスト膜を露光する。具体的には、レジスト膜に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。露光は1回のみ行ってもよく、複数回行ってもよい。
具体的には、感光性樹脂組成物の乾燥塗膜を設けた基板に所定のパターンの活性光線を照射する。露光はマスクを介して行ってもよいし、所定のパターンを直接描画してもよい。波長300nm以上450nm以下の波長、好ましくは365nmを有する活性光線が好ましく使用できる。この工程の後、必要に応じて露光後加熱工程(PEB)を行ってもよい。
活性光線による露光には、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、レーザ発生装置、LED光源などを用いることができる。
水銀灯を用いる場合にはg線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長を有する活性光線が好ましく使用できる。水銀灯はレーザに比べると、大面積の露光に適するという点で好ましい。
レーザを用いる場合には固体(YAG)レーザでは343nm、355nmが好適に用いられ、エキシマレーザでは351nm(XeF)が好適に用いられ、さらに半導体レーザでは375nm、405nmが好適に用いられる。この中でも、安定性、コスト等の点から355nm、405nmがより好ましい。レーザは1回あるいは複数回に分けて、塗膜に照射することができる。
レーザの1パルス当たりのエネルギー密度は0.1mJ/cm2以上10,000mJ/cm2以下であることが好ましい。塗膜を十分に硬化させるには、0.3mJ/cm2以上がより好ましく、0.5mJ/cm2以上が最も好ましく、アブレーション現象により塗膜を分解させないようにするには、1,000mJ/cm2以下がより好ましく、100mJ/cm2以下が最も好ましい。
また、パルス幅は、0.1nsec以上30,000nsec以下であることが好ましい。アブレーション現象により色塗膜を分解させないようにするには、0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、1,000nsec以下がより好ましく、50nsec以下が最も好ましい。
さらに、レーザの周波数は、1Hz以上50,000Hz以下が好ましく、10Hz以上1,000Hz以下がより好ましい。
さらに、レーザの周波数は、露光処理時間を短くするには、10Hz以上がより好ましく、100Hz以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、10,000Hz以下がより好ましく、1,000Hz以下が最も好ましい。
レーザは水銀灯と比べると、焦点を絞ることが容易であり、露光工程でのパターン形成のマスクが不要でコストダウンできるという点で好ましい。
本発明に使用可能な露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto((株)ブイ・テクノロジー製)やAEGIS((株)ブイ・テクノロジー製)やDF2200G(大日本スクリーン製造(株)製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。
<<(4)有機溶剤を含む現像液を用いて現像しマスクパターンを作製する工程>>
(3)工程でレジスト膜を露光後、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する。現像はネガ型が好ましい。現像液に含まれる溶剤のsp値は、19MPa1/2未満であることが好ましく、18MPa1/2以下であることがより好ましい。
本発明で用いる現像液が含む有機溶剤としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤等の極性溶剤および炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、1種類のみでも、2種以上用いてもよい。また、上記以外の溶剤と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。ここでの実質的とは、例えば、現像液全体としての含水率が3質量%以下であり、より好ましくは測定限界以下であることをいう。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤およびアミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含む現像液であるのが好ましい。
また、有機系現像液は、必要に応じて塩基性化合物を適当量含有していてもよい。塩基性化合物の例としては、塩基性化合物の項で前述したものを挙げることができる。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下がさらに好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、上記保護膜形成用組成物の欄で述べた界面活性剤が好ましく用いられる。
現像液に界面化成剤を配合する場合、その配合量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm2以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下、さらに好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm2以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶剤に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
<<(5)ドライエッチング処理にて少なくとも非マスク部の保護膜および有機半導体を除去する工程>>
レジスト膜を現像しマスクパターンを作製後、エッチング処理にて少なくとも非マスク部の上記保護膜および上記有機半導体を除去する。非マスク部とは、レジスト膜を露光してマスクパターンを作製する際のマスクにより露光されていない箇所を表す。
具体的には、ドライエッチングは、レジストパターンをエッチングマスクとして、少なくとも保護膜および有機半導体をドライエッチングする。ドライエッチングの代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号などの公報に記載の方法がある。
ドライエッチングとしては、パターン断面をより矩形に近く形成する観点や有機半導体へのダメージをより低減する観点から、以下の形態で行なうのが好ましい。
フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、有機半導体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは有機半導体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、有機半導体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、ならびに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、およびオーバーエッチングについて説明する。
ドライエッチングは、下記手法により事前にエッチング条件を求めて行なう。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。(3)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。(4)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。(5)上記(3)、(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
上記第1段階のエッチング工程で用いる混合ガスとしては、被エッチング膜である有機材料を矩形に加工する観点から、フッ素系ガスおよび酸素ガス(O2)を含むことが好ましい。また、第1段階のエッチング工程は、有機半導体が露出しない領域までエッチングする形態にすることで、有機半導体のダメージを回避することができる。また、上記第2段階のエッチング工程および上記オーバーエッチング工程は、第1段階のエッチング工程でフッ素系ガスおよび酸素ガスの混合ガスにより有機半導体が露出しない領域までエッチングを実施した後、有機半導体のダメージ回避の観点から、窒素ガスおよび酸素ガスの混合ガスを用いてエッチング処理を行なうのが好ましい。
第1段階のエッチング工程でのエッチング量と、第2段階のエッチング工程でのエッチング量との比率は、第1段階のエッチング工程でのエッチング処理による矩形性を損なわないように決定することが重要である。なお、全エッチング量(第1段階のエッチング工程でのエッチング量と第2段階のエッチング工程でのエッチング量との総和)中における後者の比率は、0%より大きく50%以下である範囲が好ましく、10〜20%がより好ましい。エッチング量とは、被エッチング膜の残存する膜厚とエッチング前の膜厚との差から算出される量のことをいう。
また、エッチングは、オーバーエッチング処理を含むことが好ましい。オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング比率を設定して行なうことが好ましい。また、オーバーエッチング比率は、初めに行なうエッチング処理時間より算出することが好ましい。オーバーエッチング比率は任意に設定できるが、フォトレジストのエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、エッチング工程におけるエッチング処理時間の30%以下であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、10〜15%であることが特に好ましい。
<<(6)保護膜を水で溶解除去する工程>>
エッチング後、溶剤または水を用いて保護膜を除去する。水溶性樹脂の場合は、水が好ましい。
保護膜を水で除去する方法としては、例えば、スプレー式またはシャワー式の噴射ノズルからレジストパターンに洗浄水を噴射して、保護膜を除去する方法を挙げることができる。洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。また、噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、保護膜を除去する工程中に支持体中心部から支持体端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にレジストパターンを除去することができる。
水を除去した後、乾燥等の工程を行うことも好ましい。乾燥温度としては、80〜120℃とすることが好ましい。
<産業上の利用可能性>
本発明は、有機半導体を利用した電子デバイスの製造に用いることができる。ここで、電子デバイスとは、半導体を含有しかつ2つ以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を、電気、光、磁気、化学物質などにより制御するデバイス、あるいは、印加した電圧や電流により、光や電場、磁場などを発生させるデバイスである。例としては、有機光電変換素子、有機電界効果トランジスタ、有機電界発光素子、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバータ、情報記録素子などが挙げられる。有機光電変換素子は光センサ用途、エネルギー変換用途(太陽電池)のいずれにも用いることができる。これらの中で、好ましくは有機電界効果トランジスタ、有機光電変換素子、有機電界発光素子であり、より好ましくは有機電界効果トランジスタ、有機光電変換素子であり、特に好ましくは有機電界効果トランジスタである。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
(1)保護膜形成用組成物および感光性樹脂組成物の調製
下記表に示す各成分を溶剤F1(PGMEA)と共に混合して均一な溶液とした後、0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過して、実施例1〜18および比較例1、2の保護膜形成用組成物ならびに感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。
<合成例:光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A1)の合成>
窒素置換された攪拌器・還流管付き3口フラスコに、後述する架橋可能な化合物(A1)の各モノマーの混合物合計40質量部、1−メトキシ−2−プロパノール60質量部、V−601(和光純薬工業社製)1質量部を混合し、80℃に昇温した。3時間で加熱を終了し、室温まで冷却した後、500質量部の純水へ反応物を攪拌しながら滴下した。得られた白色の粉末をろ過により取り出し、送風乾燥してポリマー(架橋可能な化合物(A1))を得た。
<合成例:光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A2)〜(A5)および光照射後に光二量化反応により架橋しない化合物(AC1)の合成>
上記架橋可能な化合物(A1)の合成例において、各モノマーの混合物を、後述する架橋可能な化合物(A2)〜(A5)および架橋しない化合物(AC1)の各モノマーの混合物に変更したこと以外は同様にして、架橋可能な化合物(A2)〜(A5)および架橋しない化合物(AC1)を得た。
<合成例:光照射後に光二量化反応により架橋可能な化合物(A6)の合成>
窒素置換された攪拌器・還流管付き3口フラスコに、ゴーセネックスLL−810 40質量部、4−ホルミル−trans−スチルベン 32質量部、1−メトキシ−2−プロパノール60質量部、p−トルエンスルホン酸0.5質量部を混合し、100℃に昇温した。3時間で加熱を終了し、室温まで冷却した後、500質量部の純水へ反応物を攪拌しながら滴下した。得られた白色の粉末をろ過により取り出し、送風乾燥してポリマー(架橋可能な化合物(A6))を得た。
<合成例:光照射後に光二量化反応により架橋しない化合物(AC2)の合成>
窒素置換された攪拌器・還流管付き3口フラスコに、メタクリル酸メチル9質量部、メタクリル酸30質量部、1−メトキシ−2−プロパノール60質量部、V−601(和光純薬工業社製)1質量部を混合し、80℃に昇温した。3時間で加熱を終了し、室温まで冷却した後、グリシジルメタクリレート50質量部、テトラメチルアンモニウムブロミド0.5質量部を添加し、95℃に昇温した。5時間で加熱を終了し、室温まで冷却した後、500質量部の純水へ反応物を攪拌しながら滴下した。得られた白色の粉末をろ過により取り出し、送風乾燥してポリマー(架橋しない化合物(AC2))を得た。
<合成例:増感色素(B1)の合成>
1−メチルベンゾチアゾール−2−チオン2.0gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液に室温で0.9gのトリフルオロメタンスルホン酸エチルエステルを滴下した。1夜放置後、この液に1,3−ジエチルチオバルビツル酸1.0gを加え、更にトリエチルアミン3mlを滴下した。1夜放置後減圧にて溶媒を除去した。残留分をエタノールで再結晶した。
Figure 0006148967
Figure 0006148967
表1中の略号は以下の通りである。
X1:ポリビニルピロリドン(ピッツコール K−30、第一工業製薬(株)製)
X2:ポリビニルアルコール(PXP−05、日本酢ビ・ポバール株(株)製)
X3:プルラン((株)林原製
X4:メチルセルロース(メトローズ SM―4 信越化学工業(株)製
Y1:サーフィノール440(日信化学工業(株)製)
A1:(下記構造、合成品)
A2:(下記構造、合成品)
A3:(下記構造、合成品)
A4:(下記構造、合成品)
A5:(下記構造、合成品)
A6:(下記構造、合成品)
A7:4,4’−ビスマレイミドフェニルメタン(TCI社製)
Figure 0006148967
A8:ビスデメトキシクルクミン(TCI社製)
Figure 0006148967
AC1:(下記構造、合成品)
AC2:(下記構造、合成品)
P:ポリメチルメタクリレート Mw=97,000 (Aldrich社製)
B1:(下記構造、合成品)
B2:(下記構造、LAMBSON製)
B3:(下記構造、TCI社製)
E1:PF−6320(OMNOVA Solutions Inc.製)
F1:PGMEA メトキシプロピルアセテート(ダイセル化学工業(株)製)
以下、カッコの数字はモル比を表す。
A1:Mw=50,000
Figure 0006148967
A2:Mw=70,000
Figure 0006148967
A3:Mw=80,000
Figure 0006148967
A4:Mw=60,000
Figure 0006148967
A5:Mw=30,000
Figure 0006148967
A6:Mw=40,000
Figure 0006148967
AC1:Mw=50,000
Figure 0006148967
AC2:Mw=30,000
Figure 0006148967
B1:
Figure 0006148967
B2:
Figure 0006148967
B3:
Figure 0006148967
<有機半導体膜上への保護膜の形成>
有機半導体として濃度20g/LのP3HT(Merck社製)クロルベンゼン溶液10mLと濃度14g/Lの[60]PCBM(Solenne社製)クロルベンゼン溶液10mLとを混合し、4インチベアシリコン基板上にスピンコーター(1200rpm、30秒)にて塗布し、ホットプレートにて140℃/15分乾燥し、膜厚100nmの有機半導体膜を形成した。この有機半導体膜を基板上に形成したウエハをウエハ1とした。ウエハ1上に表1に記載した保護膜形成用組成物をスピンコーター(1200rpm、30秒)により塗布したのち、100℃で60秒ベークし、有機半導体膜上に膜厚700nmの保護膜が設けられたウエハ2を形成した。
<感光性樹脂組成物用いたパターン形成と形状評価>
上記記載の4インチのウエハ2に表1に示す感光性樹脂組成物をスピンコーター(1200rpm,30秒)により塗布したのち、110℃で60秒ベークし、ウエハ2上に膜厚500nmのレジスト膜を形成したウエハ3を形成した。
次にウエハ3をi線投影露光装置NSR2005i9C(ニコン社製)で、NA:0.57、シグマ:0.60の光学条件にて露光(露光量500mJ/cm2)を行ない、線幅10μmの1:1ラインアンドスペースパターンのバイナリーマスクを通して露光した。その後110℃で、60秒間加熱した後、酢酸ブチルで15秒間現像し、スピン乾燥して線幅10μmの1:1ラインアンドスペースのレジストパターンを得た。走査型電子顕微鏡を用いて断面観察を行うことで感光性樹脂組成物のパターン形状と基板上(非パターン部)の残渣を評価した。
<パターン形状の評価>
A:感光性樹脂組成物のボトム部分のアンダーカットがなく、パターンのテーパー角が85°〜95°の範囲
B:感光性樹脂組成物のボトム部分にアンダーカットが0.5μm以下であり、パターンのテーパー角が85°〜95°の範囲
C:感光性樹脂組成物のボトム部分にアンダーカットが0.5μm以下であり、パターンのテーパー角が95°〜105°の範囲(逆テーパー)
D:パターン形状劣悪もしくはパターン形成せず
<ドライエッチングでの非マスク部の保護膜および有機半導体除去>
以下の条件で基板のドライエッチングを行い、非マスクパターン部の保護膜2および非マスクパターン部の有機半導体1を除去した。
ガス:CF4(流量200ml/min)、Ar(流量800ml/min)、O2(流量50ml/min)
ソースパワー:800W
ウェハバイアス:600W
アンテナバイアス:100W
ESC電圧:400V
時間:60sec
<残った保護膜樹脂の溶解除去>
得られた基板を水洗し、保護膜2からなるパターンを除去したのち、100℃で10分加熱し上記有機半導体1に残存する水分の除去と、乾燥によりプロセスにおけるダメージを修復することで、有機半導体1がパターニングされた基板を得た。
<有機半導体膜パターンの評価>
ドライエッチングおよび、保護膜2除去後の有機半導体のパターンを、走査型電子顕微鏡を用いて観察を行うことより有機半導体の線幅を評価した。
A:感光性樹脂組成物の10μm(L/Sパターン)下における有機半導体の線幅が9μm〜10μm
B:感光性樹脂組成物の10μmのL/Sパターン下における、有機半導体の線幅が8μm以上9μm未満
C:感光性樹脂組成物の10μmのL/Sパターン下における、有機半導体の線幅が8μm未満
Figure 0006148967
上記表から、本発明の積層体は、レジストパターン形状に優れ、また、有機半導体の微細なパターン形成に有用な技術であることが認められた。
また、有機半導体パターンの加工後の線幅評価について、ドライエッチングガスの種類を塩素/Arに変更しても、同様の傾向が得られることを確認した。
本願発明を用いることで特開2012−216501号公報の図2に記載の表示装置を容易に製造することができる。

Claims (18)

  1. 有機半導体膜と、前記有機半導体膜上の保護膜と、前記保護膜上のレジスト膜を有し、前記レジスト膜が、光照射後に当該光照射によって光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を含む感光性樹脂組成物からなり、
    前記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、不飽和結合の光二量化反応である、積層体。
  2. 前記架橋可能な化合物(A)が、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、不飽和結合同士の[2+2]環化反応である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、前記架橋可能な化合物(A)のマレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される基の[2+2]環化反応を含む、請求項2に記載の積層体。
  5. 前記保護膜が水溶性樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記感光性樹脂組成物が、増感色素(B)を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記感光性樹脂組成物中に含まれる固形分中の重合開始剤の量が0.01質量%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記保護膜がポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランのいずれか1種を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記保護膜がポリビニルピロリドンを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記架橋可能な化合物(A)、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含むポリマーを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 光照射後に当該光照射によって光二量化反応により架橋可能な化合物(A)を含む、有機半導体製造用レジスト組成物と、水溶性樹脂を含む保護膜形成用組成物を含み、
    前記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、不飽和結合の光二量化反応である、有機半導体製造用キット。
  12. 前記架橋可能な化合物(A)が、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含む化合物を含む、請求項11に記載の有機半導体製造用キット。
  13. 前記架橋可能な化合物(A)の光二量化反応が、前記架橋可能な化合物(A)のマレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される基の[2+2]環化反応を含む、請求項12に記載の有機半導体製造用キット。
  14. 前記有機半導体製造用レジスト組成物が、増感色素(B)を含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載の有機半導体製造用キット。
  15. 前記水溶性樹脂がポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランのいずれか1種を含む、請求項11〜14のいずれか1項に記載の有機半導体製造用キット。
  16. 前記水溶性樹脂がポリビニルピロリドンを含む、請求項11〜14のいずれか1項に記載の有機半導体製造用キット。
  17. 前記有機半導体製造用レジスト組成物中に含まれる重合開始剤の量が0.01質量%以下である、請求項11〜16のいずれか1項に記載の有機半導体製造用キット。
  18. 前記架橋可能な化合物(A)が、マレイミド基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基およびクマリン基から選択される少なくとも1種を含むポリマーを含む、請求項11〜17のいずれか1項に記載の有機半導体製造用キット。
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