JP6166247B2 - ヘキサナール特異的暴露有無確認用バイオマーカーおよびそれを用いた確認方法 - Google Patents

ヘキサナール特異的暴露有無確認用バイオマーカーおよびそれを用いた確認方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヘキサナール(Hexanal)特異的暴露有無を確認するためのバイオマーカーおよびそれを用いたヘキサナールに対する特異的暴露有無を確認する方法に関するものである。
ヘキサナールは、揮発性有機化合物類の代表的な物質であるアルデヒド類の一つである。アルデヒドは、室内汚染源の主な物質として知られており(非特許文献1)、実生活で使用する家具、織物、塗料、カーペットをはじめ、食品の調理過程で発生する煙にも多様に含まれていることが知られている。ほとんど呼吸を通じて曝され、呼吸を通じた暴露は、血管を通じて早い速度で全身に伝えられるようになる。
血流に乗って流れる揮発性有機化合物は、肺胞膜の拡散現象によって肺に影響を与えるようになり、ヘキサン、メチルペンタン、イソプロペン、ベンゼンなどは、疾患のマーカーとして使用されており(非特許文献2) 、最近呼気テスト(exhaled breath analysis)を通じて捕集された物質の揮発性有機化合物類の分析結果から、簡単な肺癌診断法が開発され用いられている。揮発性有機化合物類であるアルデヒド類の中でも、ヘキサナールは呼吸器の上気道および粘膜はもちろん、目や皮膚組織に影響を与えることが報告されており、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease、COPD)および肺癌患者の診断のためのマーカーとして用いられるほど肺疾患と密接な関連がある物質として報告されている。アルデヒド類の中でもホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの研究報告は多く行われているが、ヘキサナールを含むその他の低級脂肪族飽和アルデヒドの研究は不十分な状況である。ヘキサナールの人間に対する危害性にもかかわらず、人体での危害性評価データが十分ではなく、暴露に対する検出方法も、GC−MS(Gas Chromatography-Mass Spectrometer)またはHPLC(High Performance Liquid Chromatography)などの古典的な方法に限定されている。GC−MSやHPLC方法などを用いると定量は可能であるが、分析のための適切な条件を設定しなければならず、高価な装置等が必要である。したがって、より速く、より簡便なスクリーニング方法、例えば、プライマーを用いたリアルタイムPCR(Real-time reverse transcript polymerase chain reaction)またはDNAマイクロアレイチップなどで、迅速な危害性評価を通じて人体での毒性作用、遺伝子発現有無等を探索することができる分子的指標を発掘し活用して、ヘキサナールの暴露に対する適切な対策と管理を行なうことが重要な課題といえる。
真核生物236種、バクテリア2602種、古細菌類167種などいくつかの種のゲノム塩基配列のプロジェクトが完成し、NCBI(National Center for Biotechnology Information)に報告された。このように得られた膨大な量のデータを基に、遺伝子の機能を研究するためのゲノム−ワイドエクスプレッション(genome-wide expression)の研究が行われている。一回の実験で何千個の遺伝子の発現を分析するためにDNAマイクロアレイ分析を行なう(非特許文献3)。
マイクロアレイは、cDNA(complementary DNA)や20−25塩基対の長さのオリゴヌクレオチドのセットをガラスに集積化したものである。cDNAマイクロアレイは、学校内の研究室やAgilent(アジレント)、Genomic Solutionsなどの会社でチップ上にcDNA収集物を機械的に固定化したり、インクジェット方法を用いて生産している(非特許文献4)。オリゴヌクレオチドマイクロアレイは、Affymetrix社の写真エッチング工程を用いて、チップ上で直接合成する方法によって作られており、Agilent社などは合成されたオリゴヌクレオチドを固定化する方法で生産している(非特許文献4)。
遺伝子発現の解析を行うための組織、細胞などの試料からRNAを得て、DNAマイクロアレイにあるオリゴヌクレオチドと交雑反応を行う。得られたRNAは、蛍光または同位元素で標識化し、cDNAに転換させる。マイクロアレイ技術を通じて遺伝子発現を測定する方法としては、大きく分けて2色法と1色法がある。相補結合反応を測定するとき、対照群と実験群の試料にそれぞれ2つの異なる蛍光(例えば、Cye3およびCye5)で標識した後、マイクロアレイで反応させて測定する方法を2色法マイクロアレイと呼び、両方の試料に同じ蛍光処理した後、二つの異なるマイクロアレイで反応させて測定する方法を1色法マイクロアレイという(非特許文献5)。最近、DNAマイクロアレイ技術を用いた先端技法である毒性ゲノム学の研究などと組み合わせて、大量に医薬品や新医薬候補物質はもちろん、代表的な環境汚染物質をはじめとするすべての化学物質による特定組織や細胞株で発現する遺伝子の発現様相の分析、量的分析が可能となった。これにより、特定の細胞内で特定の遺伝子の発現頻度を解析することにより、薬物の副作用および環境汚染物質の有害作用と関連する遺伝子の発掘が可能で、これにより、環境汚染物質の有害作用と薬物の作用および副作用による分子的メカニズムを理解できるようになり、さらに毒性および副作用を誘発する物質の検出および確認が可能になるだろう。
そこで、本発明者らは、ラットの遺伝子4万個余りが集積されたオリゴマイクロアレイを用いてヘキサナールの遺伝子発現プロファイルをFischer344(SD系)ラットの肺組織で観察および分析して、環境中のヘキサナール暴露によって濃度依存的に過剰発現あるいは低発現する遺伝子を発掘し、ヘキサナールのみを特異的に検出することができるバイオマーカーおよびそれを用いた暴露有無確認方法を確立して、本発明を完成した。
Nigel Bruceら.,Indoor Air Pollution in Developing Countries:A Major Environmental and Public Health Challenge. Bulletin of the World Health Organization,2000年,第78巻,p.9 J Vet Sci,2004年,5(1),p.11-18 Proc.Natl.Acad.Sci.米国1996年,第93巻,p.10614-10619 J.Am.Acad.Dermatol.2004年,第51巻,p.681-692 Vivian,G.ら,Nature,1999年,第21巻,p.15-19
本発明の目的は、ヘキサナールの暴露によって濃度依存的に過剰発現または低発現するバイオマーカーおよび前記バイオマーカーを用いたヘキサナール特異的暴露有無を確認する方法を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、ヘキサナールの暴露によって濃度依存的に発現変化を引き起こす、ヘキサナール特異的暴露有無確認用バイオマーカーを提供する。
また、本発明は、遺伝子の核酸配列またはその相補鎖の分子が集積されたヘキサナール特異的暴露有無確認用DNAマイクロアレイチップを提供する:
遺伝子登録番号(Genebank)XM_575808(RGD1559864,similar to mKIAA1045 protein)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1,six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_021666(TRDN,triadin)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001109305(TMEM182,transmembrane protein182)、遺伝子登録番号(Genebank)XM_003749799、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12,chemokine(CC motif)ligand12)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001108728(SLC39A5,solute carrier family39(metal ion transporter)、member5)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4、DNA−damage−inducible transcript4)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD,CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP),delta),遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084(ADH6,alcohol dehydrogenase6(class V))、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001000421(OLR1075,olfactory receptor1075)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2,Kruppel−like factor2(lung))、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001115043(LOC684871,similar to Protein C8orf4(Thyroid cancer protein1)(TC−1))。
また、本発明は、
1)ヘキサナールを暴露させた実験群と正常対照群の肺組織からそれぞれのRNAを分離する工程;
2)工程1)の実験群と対照群のRNAをcDNAに合成し、実験群と対照群を蛍光物質で標識する工程;
3)工程2)の蛍光物質で標識されたcDNAを、本発明のDNAマイクロアレイチップとハイブリダイゼーションさせる工程;
4)反応したDNAマイクロアレイチップを分析する工程;および
5)分析したデータから、本発明のDNAマイクロアレイチップに集積された遺伝子の発現程度を対照群と比較して確認する工程を含む、ヘキサナールに対する暴露有無を確認する方法を提供する。
また、本発明は、
1)ヘキサナールを暴露させた実験群と正常対照群の肺組織からそれぞれのRNAを分離する工程;
2)前記のRNAを下記の遺伝子に相補的で下記の遺伝子を増幅することができるプライマー対を用いてリアルタイムRT−PCR(Real-time reverse transcript polymerase chain reaction)を実行する工程:
遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1,six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12,chemokine(CC motif)ligand12)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4,DNA−damage−inducible transcript4)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD,CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP),delta)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084(ADH6,alcohol dehydrogenase6(class V))、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2,Kruppel−like factor2(lung));および
3)工程2)の遺伝子産物を対照群と比較して、発現の程度を確認する工程を含む、ヘキサナールに対する暴露有無を確認する方法を提供する。
また、本発明は、本発明のDNAマイクロアレイチップを含むヘキサナールに対する暴露有無確認用キットを提供する。
さらに、本発明は、下記の遺伝子に相補的で下記の遺伝子を増幅することができるプライマー対を含むヘキサナールに対する暴露有無確認用キットを提供する:
遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1,six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12,chemokine(CC motif)ligand12)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4,DNA−damage−inducible transcript4)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD,CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP),delta)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084(ADH6、alcohol dehydrogenase6(class V))、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2、Kruppel−like factor2(lung))。
本発明のヘキサナール特異的暴露有無確認用バイオマーカーおよびそれを用いた確認方法は、DNAマイクロアレイチップを通じて選別された反応遺伝子をバイオマーカーとして用いてヘキサナールのモニターリングおよび危害性を判定するのに有用であり、ヘキサナールによって惹起される特異的な毒性作用機序を解明するためのツールとして有用に用いることができる。
マイクロアレイチップを用いて、ヘキサナールを処理したFischer344(SD系)ラットの肺組織の全体遺伝子発現様相をクラスター分析方法で分析した結果を示した図である。 マイクロアレイチップを用いて、ヘキサナール暴露によって濃度依存的発現様相を示す遺伝子をクラスター分析方法で示した図である。 ヘキサナール暴露によって濃度依存的発現様相を示す遺伝子をラインプロット分析方法で示した図である。 ヘキサナール暴露によって変化した遺伝子の中で、濃度依存的発現様相を示す遺伝子に対して、各遺伝子ごとのマイクロアレイチップとリアルタイムRT−PCRを用いて、対照群と対比して発現の増減を比較した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ヘキサナールへの暴露によって濃度依存的に特異的発現の変化を引き起こすヘキサナール特異的暴露有無確認用バイオマーカーを提供する。
前記バイオマーカーは、発現が1.5倍以上増加または減少した遺伝子で、ヘキサナールによって濃度依存的に発現が変化する13種の遺伝子で構成されている。
前記ヘキサナール暴露の程度によって、濃度依存的に発現変化を示すバイオマーカーは、下記の遺伝子であることが好ましいが、これに限定されない:
遺伝子登録番号(Genebank):XM_575808(RGD1559864,similar to mKIAA1045 protein)(配列番号13)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001106629(STEAP1,six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)(配列番号14)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_021666(TRDN,triadin)(配列番号15)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001109305(TMEM182,transmembrane protein182)(配列番号16)、
遺伝子登録番号(Genebank):XM_003749799(配列番号17)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001105822(CCL12,chemokine(CC motif)ligand12)(配列番号18)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001108728(SLC39A5,solute carrier family39(metal ion transporter),member5)(配列番号19)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_080906(DDIT4,DNA−damage−inducible transcript4)(配列番号20)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_013154(CEBPD,CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP)、delta)(配列番号21)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001012084(ADH6,alcohol dehydrogenase6(class V))(配列番号22)は、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001000421(OLR1075,olfactory receptor1075)(配列番号23)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001007684(KLF2,Kruppel−like factor2(lung))(配列番号24)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001115043(LOC684871,similar to Protein C8orf4(Thyroid cancer protein1)(TC−1))(配列番号25)。
本発明の具体的な実施形態において、本発明者らはヘキサナール特異的暴露有無確認用バイオマーカーを発掘するために、ヘキサナールをFisher344(SD系)ラットに暴露させて、前記物質を処理した肺組織からmRNAを分離してcDNAを合成して、蛍光物質(Cy3)で標識した。前記蛍光標識されたcDNAを4x44kオリゴマイクロアレイチップRat GE(v3)マイクロアレイ(Agilent、米国)とハイブリダイゼーションし、蛍光イメージをスキャンして、遺伝子発現様相の違いを分析した(図1参照)。分析時、対照群対比ヘキサナール暴露群の発現変化率が1.5倍以上である場合、発現が増加した遺伝子に分類し、0.66倍以下の場合、発現が減少した遺伝子に分類した。分析の結果、発現が増加した遺伝子は、低濃度で0.29%(30,367個の遺伝子のうち88個)、中濃度で1,71%(30,367個の遺伝子のうち519個)、高濃度で1.25%(30,367個の遺伝子のうち379個)、発現が減少した遺伝子は、低濃度で2.15%(30,367個の遺伝子のうち653個)、中濃度で0.80%(30,367個の遺伝子のうち242個)、高濃度で0.65%(30,367個の遺伝子のうち196個)であることを確認した。ラインプロット分析方法を用いて、濃度依存的発現様相を示す遺伝子13種を選別し(図2及び図3を参照)リアルタイム定量PCRを用いて、ヘキサナール暴露によってヘキサナールでのみ濃度依存的に発現が変わった(増加または減少)遺伝子6種を選別した(図4および表4を参照)。前記遺伝子は、既存の他の研究において、異なる化学物質による肺毒性と関連疾病を誘発させるのに関与するとの報告はあるが、本発明で用いたヘキサナールを処理した時、ラットの肺組織において毒性と関連があるという報告はない。
したがって、本発明のバイオマーカーは、ヘキサナールに特異的に遺伝子発現が増加または減少するので、環境試料からヘキサナールの汚染をモニターリングおよび判定するのに有用に用いることができる。
また、本発明は、遺伝子の核酸配列またはその相補鎖分子が集積したヘキサナール特異的暴露有無確認用DNAマイクロアレイチップを提供する:
遺伝子登録番号(Genebank):XM_575808(RGD1559864,similar to mKIAA1045 protein)(配列番号13)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001106629(STEAP1,six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)(配列番号14)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_021666(TRDN,triadin)(配列番号15)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001109305(TMEM182,transmembrane protein182)(配列番号16)、
遺伝子登録番号(Genebank):XM_003749799(配列番号17)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001105822(CCL12,chemokine(CC motif)ligand12)(配列番号18)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001108728(SLC39A5、solute carrier family39(metal ion transporter),member5)(配列番号19)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_080906(DDIT4、DNA−damage−inducible transcript4)(配列番号20)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_013154(CEBPD、CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP),delta)(配列番号21)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001012084(ADH6,alcohol dehydrogenase6(class V))(配列番号22)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001000421(OLR1075,olfactory receptor1075)(配列番号23)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001007684(KLF2,Kruppel−like factor2(lung))(配列番号24)、
遺伝子登録番号(Genebank):NM_001115043(LOC684871,similar to Protein C8orf4(Thyroid cancer protein1)(TC−1))(配列番号25)。
本発明のヘキサナール検出用DNAマイクロアレイチップは、当業者に既知の方法で製作することができる。
前記マイクロアレイチップを作製する方法は、下記のとおりである。
前記検出されたバイオマーカーをプローブDNA分子として用いて、DNAチップの基板上に固定化させるためにピエゾエレクトリック(piezoelectric)方式を用いたマイクロピペッティング(micropipetting)法またはピン(pin)形態のスポッター(spotter)を用いた方法などを用いることが好ましいが、これに限定されるものではなく、本発明の好ましい実施形態では、ピン形態のスポッターのマイクロアレイを用いる。
前記DNAマイクロアレイチップの基板は、アミノシラン、ポリ−L−リジンおよびアルデヒドからなる群から選択される1つの活性基がコーティングされたものが好ましいが、これに限定されるものではない。
前記基板は、スライドグラス、プラスチック、金属、シリコン、ナイロン膜、およびニトロセルロース膜からなる群から選択され得るが、これらに限定されるものではなく、本発明の好ましい実施形態では、アミノシランがコーティングされたスライドグラスを用いる。
また、本発明は、本発明のバイオマーカーを用いたヘキサナール特異的暴露有無を確認する方法を提供する。
本発明は、下記のような工程を含むヘキサナール特異的暴露有無を確認する方法を提供する:
1)ヘキサナールを暴露させた実験群と正常対照群の肺組織からRNAを分離する工程;
2)工程1)の実験群と対照群のRNAをcDNAに合成し、実験群と対照群を蛍光物質で標識する工程;
3)工程2)の蛍光物質で標識されたcDNAを、本発明のDNAマイクロアレイチップとハイブリダイゼーションさせる工程;
4)反応したDNAマイクロアレイチップを分析する工程;および
5)分析したデータから、本発明の遺伝子の発現程度を対照群と比較して確認する工程。
前記の暴露有無を確認する方法において、工程1)の肺組織は、Fischer344(SD系)ラットを用いることが好ましいが、これに限定されるものではなく、ラットの肺組織であればすべて使用可能である。
前記の暴露有無を確認する方法において、工程3)の蛍光物質は、Cy3、Cy5、FITC(poly L-lysine-fluorescein isothiocyanate)、RITC(rhodamine-B-isothiocyanate)とローダミン(rhodamine)からなる群より選択されていることが好ましいが、これに限定されるものではなく、当業者に知られている蛍光物質はすべて使用可能である。
前記の暴露有無を確認する方法において、工程4)のDNAマイクロアレイチップは、Rat GE(v3)4 x 44k oligo microarray(Agilent、米国)等を使用することが好ましいが、これに限定されるものではなく、ラットのゲノム中、本発明では、前記過剰発現もしくは低発現遺伝子(表4)が搭載されたマイクロアレイチップであれば使用可能であり、前記本発明者が作製したDNAマイクロアレイチップを用いることが最も好ましい。
前記の工程4)の分析方法は、Agilent Feature Extraction 10.7.3.1(Agilent technologies、CA、米国)、Agilent GeneSpring GX12.6.1(Agilent technologies、CA、米国)を用いることが好ましいが、これに限定されるものではなく、当業者に知られている解析ソフトウェアを用いてもよい。
また、本発明は、
1)ヘキサナールを暴露させた実験群および正常対照群の肺組織からそれぞれRNAを分離する工程;
2)前記のRNAを下記の遺伝子に相補的で下記の遺伝子を増幅することができるプライマー対を用いてリアルタイムRT−PCRを実行する工程:
遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1,six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)(配列番号14)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12,chemokine(CC motif)ligand12)(配列番号18)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4,DNA−damage−inducible transcript4)(配列番号20)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD、CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP)、delta)(配列番号21)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084(ADH6,alcohol dehydrogenase6(class V))(配列番号22)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2,Kruppel−like factor2(lung))(配列番号24 );および
3)工程2)の遺伝子産物を対照群と比較して、発現程度を確認する工程を含むヘキサナールに対する暴露有無を確認する方法を提供する。
前記の工程2)のプライマー対は、工程2)の遺伝子を増幅することができる、18〜30マー(mer)の順方向および逆方向プライマー対であることが好ましく、下記のプライマー対1〜6からなる群から選択されるものがより好ましいが、これに限定されない:
プライマー対1:配列番号1で表される順方向プライマーおよび配列番号2で表される逆方向プライマー;
プライマー対2:配列番号3で表される順方向プライマーおよび配列番号4で表される逆方向プライマー;
プライマー対3:配列番号5で表される順方向プライマーおよび配列番号6で表される逆方向プライマー;
プライマー対4:配列番号7で表される順方向プライマーおよび配列番号8で表される逆方向プライマー;
プライマー対5:配列番号9で表される順方向プライマーおよび配列番号10で表される逆方向プライマー;および
プライマー対6:配列番号11で表される順方向プライマーおよび配列番号12で表される逆方向プライマー。
また、本発明は、本発明で作製したDNAマイクロアレイチップを含むヘキサナール特異的暴露有無確認用キットを提供する。
前記キットは、さらに、ラットの肺組織を含むことが好ましいが、これに限定されない。
ラットの肺組織は、Fischer344(SD系)であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、ラットの肺組織であればすべて使用可能である。
前記キットにさらに蛍光物質を含むことができ、前記蛍光物質は、ストレプトアビジンアルカリ脱燐酸化酵素接合材料(strepavidin-like phosphatease conjugate)、化学蛍光物質(chemiflurorensce)、化学発光物質(chemiluminescent)からなる群から選択されることが好ましいが、これに限定されるものではなく、本発明の好ましい実施例では、Cy3を用いた。
前記キットに追加的に反応試薬を含むことができ、前記反応試薬は、ハイブリダイゼーションに使用される緩衝液、RNAからcDNAを合成するための逆転写酵素、cNTPsおよびrNTP(事前混合型または分離供給型)、蛍光染色剤の化学的誘導剤のような標識試薬、洗浄緩衝液などで構成され得るが、これに限定されるものではなく、当業者に知られているDNAマイクロアレイチップのハイブリダイゼーション反応に必要な反応試薬はすべて含ませることができる。
また、本発明は、
下記の遺伝子に相補的で、下記の遺伝子を増幅することができるプライマー対を含むヘキサナールに対する暴露有無確認用キットを提供する:
遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1,six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)(配列番号14)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12,chemokine(CC motif)ligand12)(配列番号18)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4、DNA−damage−inducible transcript4)(配列番号20)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD、CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP)、delta)(配列番号21)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084(ADH6,alcohol dehydrogenase6(class V))(配列番号22)は、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2,Kruppel−like factor2(lung))(配列番号24)。
前記の確認用キットのプライマー対は、下記のプライマー対1〜6からなる群から選択して使用することが好ましいが、これに限定されるものではなく、前記バイオマーカー遺伝子の増幅産物が100〜300bpとなるように設計された15〜50マー(mer)、好ましくは15〜30マー(mer)、さらに好ましくは18〜25マー(mer)の順方向および逆方向プライマー対は、すべて使用可能である:
プライマー対1:配列番号1で表される順方向プライマーおよび配列番号2で表される逆方向プライマー;
プライマー対2:配列番号3で表される順方向プライマーおよび配列番号4で表される逆方向プライマー;
プライマー対3:配列番号5で表される順方向プライマーおよび配列番号6で表される逆方向プライマー;
プライマー対4:配列番号7で表される順方向プライマーおよび配列番号8で表される逆方向プライマー;
プライマー対5:配列番号9で表される順方向プライマーおよび配列番号10で表される逆方向プライマー;および
プライマー対6:配列番号11で表される順方向プライマーおよび配列番号12で表される逆方向プライマー。
前記の確認用キットにさらに、ラットの肺組織を含むことが好ましいが、これに限定されない。
前記ラットの肺組織は、Fischer344(SD系)を用いることが好ましいが、これに限定されるものではなく、ラットの肺組織であればすべて使用可能である。
併せて、前記のキットにさらに反応試薬を含むことができ、前記反応試薬は、RNAからcDNAを合成するための逆転写酵素、cNTPsおよびrNTP(事前混合または分離供給型)、蛍光染色剤の化学的誘導剤のような標識試薬、洗浄緩衝液などで構成され得るが、これに限定されるものではなく、当業者に知られているRT−PCR反応に必要な反応試薬はすべて含むことができる。
したがって、本発明のバイオマーカーは、ヘキサナールに濃度依存的に遺伝子発現が増加または減少するので、環境試料からヘキサナールの汚染をモニタリングして判定するのに有用に用いることができ、ヘキサナールによって特異的に誘発される毒性作用機序を解明するためのツールとして使用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
但し、下記の実施例は本発明を例示するものであり、本発明の内容が下記の実施例により限定されるものではない。
<実施例1>動物モデルの選定、化学物質暴露と肺組織試料採取
<1−1>ラットモデル選定
本発明者らは、従来の研究と報告を通じてヘキサナール暴露実験のための適切な動物モデルとしてFischer344(SD系)ラットを選定した。
<1−2>暴露濃度選定及び化学物質処理
既存の文献で報告されたアルデヒドを用いたラットモデルの公開実験結果とヘキサナールの物理化学的特性による飽和濃度、ガス発生器の特徴を考慮して、暴露濃度を600ppm、1000ppm、1,500ppmに選定した。暴露の方法は、鼻部暴露吸引装置(Nose-only inhalation chamber)を用いた反復吸入方式を選択して、5週間吸入させた。対照物質はフィルタリングしたクリーンエアーを用いて1日1回、一回当たり約4時間暴露し、試験物質であるヘキサナールもまた、1日1回、一回当たり約4時間、合計20回暴露させた。
<1−3>肺組織試料収得
ラットから摘出した肺組織を重量測定した後、RNA抽出に適切な量にカットしてクライオチューブ(cryotube)に得た。得られた肺組織は、液体窒素を用いて、瞬間凍結(snap frozen)した後、−80℃で保管した。
<実施例2>マイクロアレイ実験
<2−1>標的RNAの分離と蛍光物質標識
ヘキサナール暴露群と非暴露群の肺組織からのRNA抽出は、トリゾール試薬(Invitrogen life technologies、米国)を用いて、メーカーの方法で全体RNAを分離し、RNeasy mini kit(Qiagen、米国)を用いて精製した。ゲノムDNAは、RNA精製中にRNase-free DNase set(Qiagen、米国)を用いて除去した。各全体RNA試料の量は、分光光度計で測定し、濃度はND-1000 Spectrophotometer(Thermo Fisher Scientific Inc.,米国)とAgilent2100 Bioanalyzer(Agilent)で確認した。
<2−2>標識されたcDNAの製造
オリゴマイクロアレイ分析のために、前記実施例<2−1>で得られたヘキサナール処理群の全体RNAを用いてcDNAを製造した。前記得られた全体RNA30μgとオリゴ(dT)プライマー2μg(1μg/μl)と混合し、65℃で10分間反応させた後、すぐに氷に入れてアニーリングさせた。前記アニーリングさせたRNAの逆転写反応のために下記の[表1]のように試薬を混合した。ここで、両方の試料は、Microcon YM−30カラム(Millipore、米国)を用いて混合、精製した。
Figure 0006166247
<2−3>ハイブリダイゼーション反応
ハイブリダイゼーションおよび洗浄工程は、(株)イバイオジェンの指示方法にしたがって実行した。
具体的には、下記の[表2]のようなTranscription Master Mixを作成しておいてよく混ぜた後、40℃で2時間反応させた後、ラベリングされたcDNAを精製(purification)する過程を進行した後、精製過程を経たcDNA600ngを60℃で30分間反応させて、断片化(Fragmentation)過程を行った。前記のように用意されたcDNAを2 x GEx Hybridization Buffer HI−RPMに入れてよく混ぜた後、チップ(chip)に入れて65℃で17時間オーブンでハイブリダイゼーションを行った。17時間後に洗浄工程(GE Wash Buffer1で1分、GE Wash Buffer2で1分)を経た後、前記チップを3分間800rpmで遠心分離して乾燥させた。
Figure 0006166247
<2−4>蛍光イメージの獲得と遺伝子選別
スライド上のハイブリダイゼーションイメージは、Agilent C scanner(Agilent technologies、CA、米国)でスキャンした。ここで、緑の蛍光イメージは対照群で、赤色蛍光イメージは実験群でのみ特異的に発現される遺伝子の活性度を示し、黄色の蛍光イメージは緑と赤の補色で、両群の発現に大きな差がないことを意味する。スキャンしたイメージは、遺伝子発現率を得るためにAgilent Feature Extraction 10.7.3.1(Agilent technologies、CA、米国)で分析した。抽出されたデータは、Agilent GeneSpring GX12.6.1(Agilent technologies、CA、米国)を用いて正規化(normalization)を経て、各遺伝子の発現様相を分析した。このようにして得られたデータからヘキサナールに対するマーカー遺伝子を選別した。
その結果、図1に示すようにオリゴチップ上に存在する約4万個余りの遺伝子の中でヘキサナールの濃度別の暴露によって、対照群に比べヘキサナール暴露群の発現率が1.5倍以上に遺伝子発現の増加が見られる遺伝子は、低濃度で0.29%(30,367個の遺伝子のうち88個)、中濃度で1,71%(30,367個の遺伝子のうち519個)、高濃度で1.25%(30,367個の遺伝子のうち379個)、発現が減少した遺伝子は、低濃度で2.15%(30,367個の遺伝子のうち653個)、中濃度で0.80%(30,367個の遺伝子のうち242個)、高濃度で0.65%(30,367個の遺伝子のうち196個)であることを確認した(図1)。
また、ヘキサナールで濃度依存的に発現が増加あるいは減少した遺伝子を選別するために、遺伝子発現を比較分析した結果、ヘキサナールで濃度依存的に発現が増加あるいは減少した遺伝子13種を選別した(図2および図3)。併せて、前記の遺伝子は、本発明で用いたヘキサナールを処理した時、ラットの肺組織での毒性と関連があるという報告はなかった。
Figure 0006166247
<実施例3>リアルタイムRT−PCR定量確認
前記のマイクロアレイの結果から、ヘキサナールにより濃度依存的に発現が変化した前記<実施例2>遺伝子のうち6種の遺伝子[遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1,six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12、chemokine(CC motif)ligand12)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4,DNA−damage−inducible transcript4)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD、CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP)、delta)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084(ADH6,alcohol dehydrogenase6(class V))、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2,Kruppel−like factor2(lung))]の発現変化の程度を調査し、定量するために、My IQリアルタイムPCR(My IQ Real−time PCR)(Bio−rad,米国)を用いて定量的リアルタイムRT−PCRを実施した。
具体的には、オリゴdTプライマーとSuperscript kit(OmnisciptTMkit,Qiagen,Co.,米国)を用いて逆転写反応を行い、cDNAを合成した。前記cDNA0.2μlと水3.8μl、センスプライマー0.5μl、アンチセンスプライマー0.5μl、サイバーグリーンI染色スーパーミックス(Bio−rad、米国)5μlを混合し、PCRチューブに入れて、工程1:95℃、3分;工程2(45回反復):工程2−1:95℃、10秒;工程2−2:遺伝子STEAP1に対する反応は58.9℃で45秒、遺伝子KLF2に対する反応は、57.1℃で45秒、遺伝子CCL12、遺伝子DDIT4、遺伝子CEBPD、遺伝子ADH6に対する反応は、61.4℃で45秒;工程3:95℃、1分;工程4:55℃、1分;工程5(反復80回):55℃、10秒にプログラムを設計したMy IQリアルタイムPCR機械で反応を行った。PCR産物を定量するために、サイバーグリーン(SYBR Green)I染色(Bio-rad、米国)で染色した。サイバーグリーンI染色は、二重らせんDNAに結合する染色法で、PCRの過程で二重らせんDNAが生成されるほど蛍光強度(fluroscense intensity)が増加することになる。まず、PCRに用いた標的遺伝子と内在性(endogenous)対照群(MDH1)に対するプライマーをサイバーグリーンマスターミックス(Master mix)に添加してPCRを行った後、適切な濃度を選択するプライマー適合化(primer optimization)過程を実施した。合成されたcDNA試料と、それぞれのプライマー(表4)を混合し、サイバーグリーンマスターミックスを添加した後、PCRを実行し、定量ソフトウェアを用いて分析した。
その結果、図4に示すように、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1,six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12、chemokine(CC motif)ligand12)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4,DNA−damage−inducible transcript4)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD,CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP),delta)、遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084( ADH6、alcohol dehydrogenase6(class V))および遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2,Kruppel−like factor2(lung))遺伝子の発現様相は、前記実施例<2−4>のマイクロアレイチップの結果と非常に類似に現れることを確認した(図4)。
Figure 0006166247
前記で説明したように、本発明は、マイクロアレイチップまたはキットを開発し、ヘキサナールのモニターリングと危害性を判定するのに有用に用いることができる。

Claims (8)

  1. 下記の群から選択されるいずれか一つの遺伝子の核酸配列またはその相補鎖の分子が集積されたヘキサナール(Hexanal)特異的暴露有無確認用DNAマイクロアレイチップ:
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1、six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)(配列番号14);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12、chemokine(CC motif)ligand12)(配列番号18);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4、DNA−damage−inducible transcript4)(配列番号20);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD、CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP)、delta)(配列番号21);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084(ADH6、alcohol dehydrogenase6(class V))(配列番号22);および
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2、Kruppel−like factor2(lung))(配列番号24)。
  2. 1)ヘキサナールを暴露させた実験群と正常対照群のFischer344(SD系)ラットの肺組織からそれぞれのRNAを分離する工程;
    2)工程1)の実験群と対照群のRNAをcDNAに合成して、実験群と対照群のcDNAを蛍光物質で標識する工程;
    3)工程2)でCy3、Cy5、ポリ−L−リジン−フロオレセインイソチオシアネート(poly L-lysine-fluorescein isothiocyanate;FITC)、RITC(rhodamine-B-isothiocyanate)およびローダミン(rhodamine)からなる群から選択される蛍光物質で標識されたcDNAを、請求項1に記載のDNAマイクロアレイチップとハイブリダイゼーションさせる工程;
    4)工程3)の反応したDNAマイクロアレイチップを分析する工程;および
    5)工程4)の分析したデータから、請求項1に記載のDNAマイクロアレイチップに集積された遺伝子の発現程度を対照群と比較して確認する工程を含む、ヘキサナール暴露有無確認方法。
  3. 1)ヘキサナールを暴露させた実験群と正常対照群のFischer344(SD系)ラットの肺組織からそれぞれのRNAを分離する工程;
    2)前記のRNAを下記の遺伝子に相補的で下記の遺伝子を増幅することができるプライマー対を用いてリアルタイムRT−PCR(Real-time reverse transcript polymerase chain reaction)を実行する工程;および
    3)工程2)の遺伝子産物を対照群と比較して、発現程度を確認する工程とを含むヘキサナール暴露有無確認方法:
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1、six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)(配列番号14);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12、chemokine(CC motif)ligand12)(配列番号18);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4、DNA−damage−inducible transcript4)(配列番号20);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD、CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP)、delta)(配列番号21);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084(ADH6、alcohol dehydrogenase6(class V))(配列番号22);および
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2、Kruppel−like factor2(lung))(配列番号24)。
  4. 工程)のプライマー対が、下記のプライマー対からなる群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする請求項3に記載のヘキサナール暴露有無確認方法:
    プライマー対1:配列番号1で表される順方向プライマーおよび配列番号2で表される逆方向プライマー;
    プライマー対2:配列番号3で表される順方向プライマーおよび配列番号4で表される逆方向プライマー;
    プライマー対3:配列番号5で表される順方向プライマーおよび配列番号6で表される逆方向プライマー;
    プライマー対4:配列番号7で表される順方向プライマーおよび配列番号8で表される逆方向プライマー;
    プライマー対5:配列番号9で表される順方向プライマーおよび配列番号10で表される逆方向プライマー;および
    プライマー対6:配列番号11で表される順方向プライマーおよび配列番号12で表される逆方向プライマー。
  5. 請求項1に記載のDNAマイクロアレイチップを含むヘキサナール暴露有無確認用キット。
  6. Fischer344(SD系)ラットの肺組織をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のヘキサナール暴露有無確認用キット。
  7. 下記の遺伝子に相補的で下記の遺伝子を増幅することができるプライマー対を含むヘキサナール暴露有無確認用キット:
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001106629(STEAP1、six transmembrane epithelial antigen of the prostate1)(配列番号14);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001105822(CCL12、chemokine(CC motif)ligand12)(配列番号18);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_080906(DDIT4、DNA−damage−inducible transcript4)(配列番号20);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_013154(CEBPD、CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP)、delta)(配列番号21);
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001012084(ADH6、alcohol dehydrogenase6(class V))(配列番号22);および
    遺伝子登録番号(Genebank)NM_001007684(KLF2、Kruppel−like factor2(lung))(配列番号24)。
  8. 前記プライマー対が、下記のプライマー対からなる群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする請求項7に記載のヘキサナール暴露有無確認用キット:
    プライマー対1:配列番号1で表される順方向プライマーおよび配列番号2で表される逆方向プライマー;
    プライマー対2:配列番号3で表される順方向プライマーおよび配列番号4で表される逆方向プライマー;
    プライマー対3:配列番号5で表される順方向プライマーおよび配列番号6で表される逆方向プライマー;
    プライマー対4:配列番号7で表される順方向プライマーおよび配列番号8で表される逆方向プライマー;
    プライマー対5:配列番号9で表される順方向プライマーおよび配列番号10で表される逆方向プライマー;と
    プライマー対6:配列番号11で表される順方向プライマーおよび配列番号12で表される逆方向プライマー。
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