本発明の実施の形態を、添付図面により以下に具体的に説明する。
この実施の形態は、本発明荷受台および荷受台昇降装置を荷役車両に実施した場合である。
図1〜図4において、車両としての荷役車両の車体枠F上には、後面開放の荷箱Vが架装されており、この荷箱Vの後端面には、垂直昇降式の荷受台昇降機構Lが設けられ、該機構Lにより、地上と荷箱Vの床面間で略水平に保持される荷受台1を支持する荷受台支持部としてのスライダ14が昇降作動される。そして、後述する駆動装置としての油圧シリンダCYの駆動力により、昇降機構Lを介してスライダ14(従って荷受台1)を強制的に昇降させることで、該荷受台1上に載置される荷物を地上と荷箱V間で積み降ろしできるようになっている。
次に荷受台昇降機構Lの構造を説明する。荷箱Vの後端の左右両側縁には、略垂直方向に延びる、左右一対の、支持体としての昇降支柱2,2が固定されている。各昇降支柱2は中空の角筒体よりなり、その開口上端に天板2aが固定され、また、昇降支柱2内の中央部には、中間板2bが縦方向に一体に設けられる。昇降支柱2,2の後壁には、後述するスライダ14を昇降案内するための縦スリット4が開口されている。また各昇降支柱2の下端には、後述のインナコラム3の昇降作動を案内するための、一対の案内ローラ5が回転自在に軸支され、さらに、昇降支柱2,2の上端には、後述されるワイヤ32,33をそれぞれ案内するためのトップ固定シーブ36,37が回転自在に軸支され、さらに、昇降支柱2,2の下端に、インナコラム3の下端が当接するストッパ10,10が固定されている。
一対の昇降支柱2,2内には、左右一対のインナコラム3,3がそれぞれ昇降自在に嵌挿される。各インナコラム3は、中空の角筒体により構成され、その後壁に前記昇降支柱2の縦スリット4と一致するように他の縦スリット7が開口されている。図3に示すように、各インナコラム3の上端には、ブラケット9を介して一対の案内ローラ8,8が回転自在に軸支され、これらの案内ローラ8,8は、インナコラム3,3の昇降作動時に、昇降支柱2,2の後壁内面を転動してインナコラム3,3の昇降を案内する。
図3に示すように、各インナコラム3の下端にはブラケット11を介して弾性ストッパ12が設けられ、このストッパ12は、昇降支柱2下端のストッパ10に当接してインナコラム3の最上昇位置を規制する。
一対のインナコラム3,3には、スライダ14,14がそれぞれ昇降自在に挿入されており、それらのスライダ14,14の後縁は、前記インナコラム3,3および昇降支柱2,2に形成した縦スリット4,4;7,7をそれぞれ貫通してそれらの後方に延出しており、それらの縦スリット4,4;7,7に案内されて昇降支柱2,2およびインナコラム3,3に対して昇降可能である。スライダ14,14の上、下部には、上、下案内ローラ15,16が回転自在に軸支され、これらの案内ローラ15,16は、スライダ14,14がインナコラム3,3に対して昇降するとき、インナコラム3,3の内面を転動する。各スライダ14の上縁にはストッパゴム17が設けられ、このストッパゴム17は、インナコラム3,3上端のベースプレート3aと係合して、スライダ14のインナコラム3,3に対する相対的な上昇位置を規制する。一対のスライダ14,14の外面下端には、ブラケット18,18がそれぞれ固定され、これらのブラケット18,18に、後述のヒンジ具80,80を介して荷受台1が略水平な張出位置と、略鉛直な格納位置間を回動できるように、軸支19,19されている。また、各スライダ14の下端に固定したステー21には、荷受台1の基端と係合してこれを張出位置に係止するためのストッパボルト22が上下位置を調節できるように取り付けられている。
前記一対の昇降支柱2,2の上下方向の中間部には、前記荷箱Vの床面と略一致した位置に横方向に延びるクロスメンバー24が横架固定されている。
図4に示すように、このクロスメンバー24は、中空の角筒体により構成されており、横断面コ字状のクロスメンバー本体24Aの開口面にカバー体24Bを、複数のボルト・ナット23により一体に固定して構成されている。そして、クロスメンバー24の内部に、駆動装置としての油圧シリンダCYが設けられている。前記油圧シリンダCYは、クロスメンバー24の内において、その長手方向に沿って配設されており、そのシリンダバレル26の基端が、クロスメンバー24の一端(左端)内部に溶接したリブプレート25に連結ピン28およびボルト29をもって取り付けられている。このリブプレート25は、クロスメンバー24内の一端(図4左端)の幅方向中央部を上下方向に延び、その上下縁が、クロスメンバー24の上下内面に溶接されている。また、油圧シリンダCYのシリンダロッド27の先端は、クロスメンバー24の途中まで延びていて、そこにブラケット30を介して車幅方向に移動可能な左右可動シーブ31l,31rが並列して回転自在に取り付けられており、前記ブラケット30は、クロスメンバー24内に長手方向に沿って固定されるガイドレール38に摺動可能に支持されている。
図2に示すように、クロスメンバー24の左端には、一対の左右サイド固定シーブ34l,34rが並列して回転自在に取り付けられ、またクロスメンバー24の右端には、右サイド固定シーブ35が回転自在に取り付けられており、さらに、左右の昇降支柱2,2の上部には、左右トップ固定シーブ36,37がそれぞれ回転自在に取り付けられている。
図2〜4に示すように、前記油圧シリンダCYには、左右2系統のワイヤ32,33が連接されている。すなわち、左系統のワイヤ32は、その一端がクロスメンバー24の中間部に結着32aされて該クロスメンバー24に沿って延びており、前記左可動シーブ31l、左サイド固定シーブ34lおよび左トップ固定シーブ36を順次に巻き掛けられて、その他端が左側のスライダ14に結着されている。同じく右系統のワイヤ33は、その一端が、クロスメンバー24の中間部に結着33aされて該クロスメンバー24に沿って延びており、前記右可動シーブ31r、右サイド固定シーブ34r,35および右トップ固定シーブ37を順次に巻き掛けられて、その他端が右側のスライダ14に結着されている。
したがって、前記油圧シリンダCYを伸縮作動すれば、2系統のワイヤ32,33を介して、荷受台支持部としての左右一対のスライダ14,14が同調して昇降作動され、これに連結される荷受台1を昇降作動することができる。
つぎに、一対のスライダ14,14により支持される、本発明にかかる荷受台1の構造について、図5〜9を参照して説明する。
なお、以下の説明において、「前後」および「左右」とは、荷役車両に対して言うものとする。
荷受台1は、各々鋼板製の表板40と裏板50とを一体に連結して長方形状に形成されており、その長辺側の前側部1fが、荷役車両の支持体として昇降支柱2,2に荷受台昇降機構Lを介して昇降可能に支持される。即ち、荷受台1の前側部1fの左右コーナー部1c,1cに設けた、後述するヒンジ具80,80が、荷受台支持部としてのスライダ14,14に固定のブラケット18,18に、略水平な張出位置と、略鉛直な格納位置との間を回動できるように軸支19,19され、その荷受台支持部としてのスライダ14,14が荷受台昇降機構Lを介して、荷箱Vに固定の昇降支柱2,2(従って荷役車両)に昇降可能に設けられることで、スライダ14,14に追従する荷受台1が荷箱V(車両)に対し昇降動作可能となっている。
表板40の表面は、縞模様の粗面を形成した荷受面1aに形成され、また、その裏面は、略平滑な平坦面に形成される。
なお、後に述べるように、表板40は、荷受台1として組み立てられたときに、その中央部から外側に向かって極く僅かに上方に凸となる湾曲面に形成される(図10参照)。
図5,6、8に示すように、前記表板40の前側部1f(スライダ14,14への取付側)には、前側の第1延出部41が、また、その後側部には、後側の第1延出部42がそれぞれ一体に形成されている。前側の第1延出部41は、略平坦な荷受面1 aに対して下向きに略直角に屈曲形成され、また、後側の第1延出部42は、荷受面1aに対して後方に向かって下向きに傾斜する傾斜面に形成されており、荷物の積込用斜面として利用される。
前記裏板50は、前記表板40と同じ大きさに形成されている。この裏板50には、荷受台1に2つの左右の縦スチフナSl1 ,Sl2 および3つの上下および中央の横スチフナSw1 ,Sw2 ,Sw3 を形成するための一対の支持部54,54がプレス成形される。具体的には、図6,7,8に示すように、裏板50の中間領域の、前半部と後半部に、その裏面より表面に向かって対をなす台形状の前記支持部54,54が一体に膨出成形される。一対の支持部54,54は、裏板50の前後方向に間隔をあけて互いに略平行に左右方向に長く延びており、それらの支持部54,54の上面は、平坦に形成され、また、それらの側面は、それらの下端から上端に向かって上り勾配よりなる傾斜面に形成されており、一対の支持部54,54の側面の各コーナー部は、滑らかな湾曲面54b…に形成されている。そして、図7に最も明瞭に示すように、前記一対の支持部54,54のプレス成形により、荷受台1には、支持部54,54を囲むように、前記複数のスチフナ群を一体に成形することができる。すなわち、裏板50の左右両側には、その前後方向に延びる2つの左右の縦スチフナSl1 ,Sl2 が、また一対の支持部54,54の間と、それらの支持部54,54前側および後側に、左右方向に略平行に延びる3つの上下および中央の横スチフナSw1 ,Sw2 ,Sw3 がそれぞれ成形される。
なお、後に述べるように、裏板50は、荷受台1として組み付けられたときに、その中央部から外側に向かって極く僅かに下方に凸となる湾曲面に形成される(図10参照)。
図5,6、8に示すように、裏板50の前側部と後側部には、表板40の、前側の第1延出部41および後側の第1延出部42にそれぞれ対応して前側の第2延出部51および後側の第2延出部52が一体に形成されている。前側の第2延出部51は、上向きに略直角に屈曲形成され、また、後側の第2延出部52は、表板結合用の折返しフランジ部を構成するものであって、裏板50の後端(即ち先端)から上方へ鋭角に折り返されており、その上面が、後方に向かって下向きに傾斜する傾斜面に形成される。また、裏板50の左右両側部には、断面L字状の左右側板57,58が内向きの起立形成されている。
図6に示すように、一対の支持部54,54の上面には、複数の短冊状の、クッション体としての複数のクッションゴム60…が、それらの支持部54,54の長手方向に間隔をあけての梯子状に両面テープなどの貼着手段により貼着されており、これらのクッションゴム60…は、表板40と裏板50との間に圧縮状態で挟着される。
裏板50上に表板40を重ね合わせ、それらの四辺は、複数の、ボルト70…とカシメナット71…とで一体に締結される。すなわち、互いに当接する、表板40の前側の第1延出部41と裏板50の前側の第2延出部51とを、それらに穿設した複数のボルト孔を通して複数の、ボルト70…とカシメナット71…とにより一体に連結する(図8参照)。同じく互いに当接される、表板40の後側の第1延出部42と、裏板50の後側の第2延出部52同士は、それらに穿設した複数のボルト孔を通して複数の、ボルト70…とカシメナット71…とにより一体に連結する(図8参照)。さらに、左右側板57,58と表板40の左右側部とは、それらに穿設した複数のボルト孔を通して複数の、ボルト70…とカシメナット71…により一体に連結する。表板40と裏板50の左右側部間に形成される間隙は、左右側板57,58により閉じられる。これにより、裏板50上に表板40が一体に重ね連結され、一対の支持部54,54上の複数のクッションゴム60…は、裏板50と表板40との間に圧縮状態で挟着され、それらに作用する振動を吸収することができる。
図5,6,7に示すように、表板40と裏板50とを一体に結合した荷受台1の前側部1fの左右コーナー部1c,1cには、ヒンジ具80,80がそれぞれ一体に連結される。各ヒンジ具80は、荷受台1のコーナー部1cをそれぞれ囲むL状のヒンジ部としてのヒンジフレーム81を、三角状の補強部としての補強板82により補強して構成されており、ヒンジ具80,80は、荷受台1の前側の左右コーナー部1c,1cに、その外側から一体に連結される。裏板50において前記前側の第2延出部51の左右端部の内面および左右側板57,58の前部の内面には、それぞれナットプレート84,84;85,85が固定され、これらのナットプレート84,84;85,85のナット…に、ヒンジフレーム81,81のボルト孔を貫通したボルト70を締結することにより、荷受台1の前側の左右コーナー部1c,1cに、対をなす左右のヒンジ具80,80がそれぞれ固定される。左右ヒンジ具80,80の前面は、前側の第1の延出部41および前側の第2の延出部51の左右両端部に、ボルト70…およびナットプレート84とで共締めされる。
図7に示すように、左右のヒンジ具80,80の補強部82,82は、互いに向かい合う方向に延びて、荷受台1の裏板50を支持しており、その支持スパンlが短くなることにより、荷物を支持したときの荷受台1の撓みを小さくすることができる。
荷受台1は、左右のヒンジ具80,80を介してスライダ14,14のブラケット18,18に回動可能に軸支19,19される。
図6,7に示すように、左右のヒンジ具80,80にそれぞれ設けたヒンジ孔87,87には、ブラケット18,18に固定したヒンジピン88,88が回動自在に嵌合され、荷受台1はヒンジピン88,88周りに起伏回動可能である。一方(図6、右側)のヒンジピン88に形成した中空角筒部には、荷受台1を左右方向に延びるトーションバー89の一端(図6、右端)の角軸部89sがヒンジ孔87を貫通して嵌着され、トーションバー89の一端は、一方のブラケット18に固定されている。
また、トーションバー89の他端(図6、左端)の角軸部89sは、荷受台1に固定されるトーションバーブラケットBtを介して相対回転不能に連結、支持されており、そのトーションバーブラケットBtは、荷受台1の回動軸線に沿う方向(即ち左右方向)で荷受台中央部から一方側(左側)にオフセット配置される。
而して、図3に示すように、荷受台1が格納位置にあるときにトーションバー89は自由状態またはそれに近い僅かな捩り状態にあり、また荷受台1が格納位置から張出位置に軸支19,19周りに回動すれば、トーションバー89は捩じられて捩り力が畜勢される。これにより、荷受台1の、手動による張出位置から格納位置への起立回動を、トーションバー89の捩り力の戻りにより助勢することができ、荷受台1の起立格納操作が軽快、容易になる。そして、トーションバー89が本発明の付勢手段を、またトーションバーブラケットBtが本発明の結合部材をそれぞれ構成する。
次に図7、11、12を参照して、トーションバーブラケットBtの構造を説明する。トーションバーブラケットBtのブラケット本体Btmは、表板40の裏面に重合し且つ複数の第1ボルトb1及びナットn1で締結される第1取付部としての第1平坦壁t1と、その第1平坦壁t1と直交するようその一端に一体に連設されて裏板50の前側の第2延出部51(即ち表板40の前側の第1延出部41と重なり合う部分)に重合し且つ少なくとも1個の第2ボルトb2及びナットn2で締結される第2取付部としての第2平坦壁t2とで断面L字状に構成される。前記第2ボルトb2は、第2平坦壁t2及び裏板50の前側の第2延出部51のみならず、表板40の前側の第2延出部41も貫通していて、その三者t2,51,41を共締めし、構造簡素化が図られる。尚、第1,第2ナットn1,n2のうち少なくとも第1ナットn1は、第1平坦壁t1にカシメ又は溶接で固着される。
第1,第2平坦壁t1,t2には、トーションバー89の長手方向に間隔をおいて並ぶ一対の軸受板Bta,Btbが溶接、固定されており、それら軸受板Bta,Btbに同一軸線上で設けた貫通孔には、中空軸部90aとその外周に固着したフランジ部90bとから成る支持軸90の中空軸部90aが貫通する。その支持軸90は、前記フランジ部90bにおいて少なくとも一方の軸受板Btaに第3ボルトb3及びナットn3で締結されており、その第3ナットn3は、軸受板Btaにカシメ又は溶接で固着される。そして、前記中空軸部90aに形成される角孔部90ahに、トーションバー89の先端(即ち左端)に形成した角軸部89aが相対回転不能に嵌合、連結される。
このように表板40及び裏板50間が、トーションバー89の作動端(左端)を相対回転不能に連結したトーションバーブラケットBtを介して結合され、そのトーションバーブラケットBtが、表板40に締結される第1取付部(第1平坦部Bt1)と、裏板50に締結される第2取付部(第2平坦部Bt2)とを一体に有するので、荷受台1が特に張出位置にある時にトーションバー89から荷受台1へ少なからず作用する捩じり反力、即ち弾発付勢力が、トーションバーブラケットBtを介して表板40と裏板50とに分散して受け止められるため、表板40及び裏板50の一方側(例えば表板40)にトーションバー89の弾発付勢力が集中するのを回避できる。これにより、荷受台1の各部、特にトーションバー89との連結部周辺の荷重負担を効果的に軽減でき、耐久性向上が図られる。
尚、裏板50の前端寄りの複数箇所には、点検口50xが形成されており、そのうちの1つの点検口50xは、トーションバーブラケットBtに対応する位置に在って、トーションバー89とトーションバーブラケットBtとの連結部及びその周辺の点検整備等のメンテナンス作業を容易に行えるようにしている。またこの点検口50xは、裏板50にビス201で着脱可能に固定される点検蓋200で平時は塞がれる。
また、図13(A)(B)には、トーションバーブラケットBtの第1及び第2変形例がそれぞれ示される。特に図13(A)のものでは、トーションバーブラケットBtのブラケット本体Btmが、表板40の内面に重合し且つ複数の第1ボルトb1及びナットn1で締結される第1取付部としての第1平坦壁t1と、その第1平坦壁t1と平行に対面して裏板50の内面に重合し且つ複数の第2ボルトb2及びナットn2で締結される第2取付部としての第2平坦壁t2とを中間壁t3で一体に結合して断面コ字状に構成される。第1,第2平坦壁t1,t2には、トーションバー89の長手方向に間隔をおいて並ぶ一対の軸受板Bta,Btbが溶接、固定されており、それら軸受板Bta,Btbへの支持軸90の取付構造は先の実施形態と同様である。
また図13(B)のものは、第1取付部としての第1平坦壁t1が表板40ではなく裏板50に締結される点でのみ、先の実施形態と異なる。
而して、第1,第2変形例でも、先の実施形態と同様の効果が得られる。
図6,7に示すように、荷受台1の裏板50の4つのコーナー部の裏面には、それぞれ緩衝パッド61…が固着されており、これらの緩衝パッド61…は、荷受台1が下降したとき、これを地上に緩衝的に着座するようにされる。
図6〜図9,図14に示すように、荷受台1には、これが格納位置に起立したとき、その荷受台1を格納位置にロックするためのロック機構100が設けられる。図8に示すように、中央の横スチフナSw3 は、上下の横スチフナSw1 ,Sw2 に比べて高さ(前後方向の寸法)が短く形成されている。前記ロック機構100は、前記一対の支持部54,54間において、その中央の横スチフナSw3 に対応した荷受台1の中空部Cに設けられる。
中央の横スチフナSw3 の左側端部において裏板50の外面には、ロック機構100の取付板としての矩形状のゲートロック板101の四隅が第4ボルトb4及びナットn4で着脱可能に締結され、このゲートロック板101には、ロック機構100の操作部としての操作レバー102が裏板50の外方側から回動操作可能として軸支される。前記中空部Cにおいて裏板50の内側には、操作レバー102と共に回動する回動板103が配置されており、この回動板103と操作レバー102間を一体的に連結するレバー枢軸102jが、裏板50に形成した開口50aを貫通する。
その回動板103の両側に枢支される一対のリンク104,104の長孔105,105に、左右ロッド106,107が連接されている。左右ロッド106,107は、荷受台1を左右方向に延びて荷受台1の左右側部に摺動自在に支持されており、それらの先端部が、昇降支柱2,2に設けたロックブラケット108,108に穿設した係止孔108h,108hに抜差自在に嵌入、係止できるように構成されている。
図7に示すように、荷受台1を昇降支柱1,2間に起立格納したのち、操作レバー102を、図7、図示位置に回動すれば、左右ロッド106,107は、回動板103、リンク104,104を介してそれぞれ外方に摺動し、それらの先端部がロックブラケット108,108の係止孔108h,108hにそれぞれ嵌入して、荷受台1を格納位置にロックすることができる。また、操作レバー102を図7矢印方向に回動すれば、そのロックが解除される。
なお、前記ロック機構100は、従来公知のものであるので、その詳細な説明を省略する。
図6,7,14に示すように、荷受台1の中央の横スチフナSw3 内方の前記中空部Cには、表板40を補強しながら表板40と裏板50間の間隔を一定に保持する第1及び第2補強部材210,220が配設される。そのうち第1補強部材210は、図14,15から明らかなように、相対向する一対の側壁210a,210bの基端間をそれらと直交する中間壁210cで一体に結合してなる断面コ字状の枠体より構成される。そして、その一側壁210aは、表板40の内面に重合して第5ボルトb5及びナットn5で表板40に締結され、また他側壁210bは、ロック機構100の取付板としての前記ゲートロック板101の四隅の一つを裏板50に締結する第4ボルトb4及びナットn4で、裏板50に共締めされる。尚、複数の第4ナットn4のうち3個は裏板50に、また残り1個は第1補強部材210の側壁210bにそれぞれ溶接又はカシメにより固着され、また第5ナットn5は表板40に溶接又はカシメにより固着される。
また第2補強部材220は、図14,16から明らかなように、前記中空部Cを縦通するよう長く延びる断面コ字状の枠体より構成され、相対向する一対の側壁220a,220bと、それら側壁220a,220bの基端間をそれらと直交するよう接続する中間壁220cと、両側壁220a,220b及び中間壁220cの三者間に跨がる補強壁220dとを一体に結合して構成される。そして一対の側壁220a,220bのうち比較的幅の狭い一方の側壁220aのみが、表板40の内面に重合して第6ボルトb6及びナットn6で表板40に締結され、また比較的幅広の他方の側壁220bは、裏板50の内面に重合するよう当接している。尚、第6ナットn6は、第2補強部材220の側壁220aに溶接又はカシメにより固着される。また前記補強壁220dは省略してもよい。
而して本実施形態では、表板40と裏板50との対向面間に形成される中空部Cに、表板40に各々締結されて該対向面間に介在する第1,第2補強部材210,220が配設されるので、それら補強部材210,220により表板40を効果的に補強できる。また特に第1補強部材210は、表板40及び裏板50にそれぞれ締結されているため、表板40を補強しながら表板40と裏板50間の間隔を一定に保持することができ、これにより、表板40の荷物積載時の変形を効果的に防止できて、その変形に起因した積載荷物の崩れや、その崩れた荷物で作業者が怪我をするのを未然に効果的に回避できる。
また特に本実施形態では、前記トーションバー89の表板40及び裏板50への結合部位(即ちトーションバーブラケットBtの設置部位)と、第1補強部材210とが、荷受台1の回動軸線に沿う方向で荷受台1中央部より一方側(左方側)、即ち同じ側にオフセット配置される。そのため、トーションバー89から表板40に作用する捩じり反力、即ち弾発付勢力を、その作用部位と比較的近い位置に存する第1補強部材210を介しても裏板50側に分散させることができ、それだけトーションバー89の弾発付勢力に対する荷受台1各部の荷重負担を軽減でき、荷受台1の耐久性向上が図られる。
また、裏板50には、荷受台1を格納位置に係止させるためのロック機構100の取付板としてのゲートロック板101が複数の結合手段(第4ボルトb4及びナットn4)で締結されているが、本実施形態では、その結合手段の一部を、第1補強部材210の裏板50への結合手段に兼用されているので、それだけ構造簡素化が図られ、コスト節減に寄与することができる。
図10(A)には、前述の実施形態に示される荷受台の表板40、裏板50および支持部54,54の関係が示されており、この実施形態によれば、表板40と裏板50とを重ね合わせて固定したとき、クッション体60は、圧縮されて表板40と裏板50との間に挟着される。クッション体60の厚さは、表板40の裏面と支持部54との間の寸法よりも長いので、表板40は、その中央部が最も高く、そこから左右方向および前後方向に向かって僅かに下る、上方に向かって凸となる湾曲面に形成されており、また、裏板50は、支持部54,54の下端が最も低く、そこから左右方向および前後方向に向かって僅かに上る、下方に向かって凸となる湾曲面に形成される。そして、表板40と裏板50とを重ね合わせて固定したとき、クッション体60は、圧縮されて表板40と裏板50との間に挟着される。
図10(B)には、荷受台1の変型例による表板40、裏板50および支持部54,54の関係が示されいる。
この変型例によれば、表板40は、その全面にわたり平坦に形成され、また裏板50は、支持部54,54を除く、他の部分が平坦に形成されており、荷受台1の自由状態では、表板40とクッション体60との間に間隙が形成される。そして、荷受台1上に荷物を載置したとき、表板40が撓み、荷物Gの荷重を、クッション体60を介して支持部54,54で受けるようにする。
なお、クッション体がなく、荷物Gの荷重を支持部54,54で直接受けるようにしてもよい。
而して、本発明にかかる荷受台1は、上面が荷受面1aとなる表板40と、この表板40の裏面に重ね合わせ連結される裏板50とを備え、裏板50には、複数のスチフナSl1 ,Sl2 ;,Sw1 ,Sw2 ,Sw3 が一体にプレス成形されるので、表板40の裏面を単に重ね合わせることで、荷受台1の強度を高めることができると共にその軽量化を可能とし、また、その組立を容易にすると共に部品点数の削減によるコストダウンを達成することができる。
裏板50には、表板40の裏面に向けて膨出し、複数のスチフナSl1 ,Sl2 ;Sw1 ,Sw2 ,Sw3 を形成するための複数の支持部54,54が一体にプレス成形され、支持部54,54の上面には、表板40を支持する支持面が形成されるので、表板40の受ける荷重を裏板50で直接支持することができ、表板40と裏板50とで荷受台1の強度を高めることができる。
支持部54,54の支持面上にクッション体60…が設けられ、そのクッション体60…を介して支持面上に表板40が支持されるので、クッション体60により、荷受台1の騒音を防止できる上に振動を吸収して荷受台の揺れを防止することができる。
表板40と裏板50のコーナー部1c,1cには、それらを一体に連結するヒンジ具80が設けられので、ヒンジ具80は、表板40と裏板50とを強固に支持して、荷受台1の強度を一層高めることができる。
ヒンジ具80は、ヒンジ部81とこれを補強する補強部82を有するので、荷受台1のコーナー部を保護しかつその強度を一層高めることができる。
表板40の一側部には、下方に延出する第1の延出部41が形成され、また裏板50の一側部には、第1の延出部41に対応して上方に延出する第2の延出部51が形成され、それら第1、第2の延出部41,51は、相互に当接されるので、表板40と裏板50との位置合わせが容易になり、荷受台1の製造が容易になる。
第1の延出部41と第2の延出部51は、着脱可能に連結されるので、表板40または裏板50の交換が容易となる。
第1の延出部41と第2の延出部51とは、ボルト・ナット70,71により締結され、そのボルト・ナット70,71は、荷受台1の側方に位置することになるので、表板40上の荷物や、荷受台1が地上に着地したときに地上に接触することがなく、ボルト・ナット70,71の、荷物や地上との接触による損傷、破損を防止することができる。
複数のスチフナは、縦スチフナSl1 ,Sl2 と横スチフナSw1 ,Sw2 ,Sw3 よりなり、それら縦、横スチフナの交差部は、湾曲面54bにより滑らかに連結されているので、荷受台1に荷重が集中することがなく、荷受台1の損傷、破損を防止することができる。
荷受台1は、容易に製造することができると共に軽量であるので、荷受台1を昇降するための荷受台昇降装置Lおよびそれを駆動する油圧シリンダとしての駆動装置CYの製造を容易にし、しかもそれらを廉価に提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はその実施の形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施の形態が可能である。
たとえば、前記実施の形態では、本発明に係る荷受台を、荷役車両に設けた昇降支柱に沿って垂直に昇降できるようにした垂直昇降式の荷受台昇降装置に実施した場合を説明したが、平行リンク機構を用いたアーム式の昇降装置を備えた荷受台昇降装置や、荷役車両の床下に格納できるようにした、床下格納式の荷受台昇降装置に実施してもよい。尚、アーム式の昇降装置を用いた場合には、平行リンク機構の一部を構成して昇降作動するリンク部材、或いはこのリンク部材に一体的に昇降し得る他の部材を荷受台支持部とすることができる。
また前記実施形態では、付勢手段としてトーションバー89を用いたものを示したが、本発明の付勢手段としては、荷受台を回動付勢し得る付勢手段であれば実施形態に限定されず、例えば、トーションバーに代えて捩じりコイルばねを用いてもよい。
また前記実施形態では、第2補強部材220を表板40のみにボルトb5及びナットn5で締結したものを示したが、第2補強部材220を表板40のみならず裏板50にもボルト及びナットで締結してもよい。
また前記実施形態では、第1,第2補強部材210,220を何れも断面コ字状の枠体で構成したものを示したが、第1,第2補強部材210,220のうちの少なくとも一方を他の構造材、例えば丸パイプ材、角パイプ材等で構成してもよい。第1,第2補強部材210,220を別部品とせず、それらを相互に一体化した単一の長尺な補強部材としてもよい。
また前記実施形態では、付勢手段としてのトーションバー89の表板40及び裏板50への結合部位(即ち結合部材としてのトーションバーブラケットBtの配設部位)と、第1補強部材210の配設部位とを共に荷受台中央部より左側にオフセット配置したものを示したが、それらを荷受台中央部より右側にオフセット配置してもよい。
また前記実施形態では、結合部材としてのトーションバーブラケットBtを表板40及び裏板50にボルト・ナットで着脱可能に結合したものを示したが、その結合手段としてボルト・ナット以外の結合手段、例えば溶接手段、接着手段、カシメ手段等を用いるようにしてもよい。
また前記実施形態では、荷受台昇降機構Lを荷箱に設けたものを示したが、車両の車体枠や荷箱以外の固定物に荷受台昇降機構を設けるようにしてもよい。
さらに荷受台を、荷役車両以外の車両や、車両以外の移送装置の荷受台に実施することができる。
本発明において、荷受台に設けられる複数のスチフナの数、その形状、取付角度は、前記実施の形態に限定されない。