JP6164429B2 - 過電流保護電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流電源より電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)を介して負荷へ電力を供給する電源装置に関し、特に、回路構成要素や負荷等を過電流による損傷から保護する過電流保護機能を有する過電流保護電源装置に関する。
従来、図5に示されている過電流保護電源装置が知られている(特許第3706515号)。
図5に示されている過電流保護電源装置101は、スイッチ部102、制御回路105、過電流検出回路108、マルチソースFET109、温度センサ112により構成されている。マルチソースFET109は、N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOSFET)111と110を有している。温度センサ112は、MOSFET111の温度を検出する。
このような過電流保護電源装置101は、比較的低い電圧の直流電源117(例えば、車両に搭載されている12Vまたは24Vの直流電源)から負荷116に電力を供給する電源装置として用いられている。
過電流保護電源装置101は、以下のように動作する。
スイッチ103がオン操作されると、制御回路105は、MOSFET110および111をオンし、直流電源117から負荷116への電力の供給を開始する。
MOSFET111を流れる電流Iが過電流になると、MOSFET111のドレイン・ソース間電圧VDSが増大して電流検出電圧Vが低下し、基準電圧Vより小さくなる(V>V)。これにより、コンパレータ107の出力がHレベルとなる。すなわち、コンパレータ107から過電流検出信号が出力される。制御回路105は、過電流検出回路108から過電流検出信号が出力されると、MOSFET111および110をオフする。
また、制御回路105は、温度センサ112からの温度検出信号によりMOSFET111の温度が所定温度以上であることを検出すると、MOSFET111および110をオフする。
例えば、MOSFET111あるいはMOSFET110のゲートの絶縁被膜が一部破壊された場合には、ゲート・ソース間にリーク電流が流れる。このリーク電流が増大すると、抵抗106の電圧降下が増大する。これにより、MOSFET111および110のゲート・ソース間電圧が増大する。そして、オン抵抗の増大によりMOSFET111および110が発熱する。この場合、電流Iは、僅かに減少することはあっても増大することはない。このため、過電流検出回路108から過電流検出信号が出力されない。したがって、MOSFET111および110の発熱状態が継続され、損傷する恐れがある。
温度センサ112は、このような過熱に対して構成要素を保護するために設けられている。
特許第3706515号
従来の過電流保護電源装置を、高い電圧の直流電源(例えば、電気自動車やハイブリッド電気自動車で使用される500Vの直流電源)から負荷に電力を供給する電源装置として用いる場合には、以下の問題点がある。
接地事故が発生したときの接地抵抗は、20〜50mmΩである。また、従来の過電流保護電源装置では、接地事故が発生してからMOSFET111がオフされる迄に要する時間(保護動作時間)は約10μsである。このため、直流電源の電圧が12Vである場合(「12V系電源」という)には、保護動作時間(約10μs)の間に、電流(接地電流)は約100Aに達する。一方、直流電源の電圧が500Vである場合(「500V系電源」という)には、保護動作時間(約10μs)の間に、電流(接地電流)は約1500Aに達する。すなわち、500V系電源では、12V系電源と比較して、約15倍の過電流が流れる。
また、接地電流(I)が流れる経路には必ずインダクタンス(L)が存在するため、その経路には、[L・I/2]の電磁エネルギーが蓄積される。この電磁エネルギーは、オフされたMOSFET111で熱に変換されることによって消費される。前記したように、500V系電源では、12V系電源に比べて約15倍の過電流が流れるから、蓄積される電磁エネルギーは、12V系電源の場合の約225倍(15×15=225)となる。すなわち、500V系電源では、MOSFET111は、12V系電源の場合の225倍の電磁エネルギーで加熱される。
このように、直流電源の電圧が高い場合には、直流電源の電圧が低い場合に比べて、MOSFETに大きな過電流が流れ、また、FETが大きな電磁エネルギーで加熱されるため、MOSFETを充分に保護することができない。
このため、高電圧(例えば、12Vや24Vに比べて高い500V)の直流電源から負荷に電力を供給する電源装置では、パワースイッチング素子として、MOSFETのような半導体素子はほとんど使用されてなく、依然として機械式スイッチング素子が使用されている。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものである。
本発明の過電流保護電源装置は、直流電源から負荷に電力を供給するパワースイッチング素子と制御回路を有している。パワースイッチング素子としては、FET(電界効果トランジスタ)、典型的には、MOSFET(金属酸化膜電界効果トランジスタ)を用いている。そして、FETを過電流から保護するための過電流保護動作を、FETのドレイン・ソース間電圧と、ドレイン・ソース間電圧の増加率に基づいて行うように構成されている。
第一の発明は、FET、制御回路、ドレイン・ソース間電圧検出回路、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路、第1過電流保護信号生成回路および第2過電流保護信号生成回路を備えている。
ドレイン・ソース間電圧検出回路は、FETにドレイン電流が流れることによってドレイン・ソース間に発生するドレイン・ソース間電圧を検出する。なお、「ドレイン・ソース間電圧」という記載は、特に断りがある場合を除いて、「ドレイン・ソース間電圧の大きさ」を意味する。また、「ドレイン・ソース間電圧を検出する」という記載は、ドレイン・ソース間電圧の大きさあるいはドレイン・ソース間電圧の大きさに対応する値を検出することを意味する。また、「ドレイン・ソース間電圧を検出する」構成には、ドレイン・ソース間電圧(大きさ)を出力する態様やドレイン・ソース間電圧(大きさ)と閾値との比較結果を出力する態様が含まれる。
ドレイン・ソース間電圧検出開始回路は、負荷への電力供給を開始するためにFETをオンさせる時に、FETが、ドレイン電流の大きさの増大に応じてドレイン・ソース間電圧の大きさが増大する状態になってから、ドレイン・ソース間電圧回路によるドレイン・ソース間電圧の検出動作を開始させる。なお、FETのドレイン電流は、ソース電流に略等しい。このため、本明細書では、FETのドレイン電流およびソース電流を総称して「ドレイン電流」という。ドレイン・ソース間電圧検出開始回路を用いることにより、FETがオンした時の突入電流によってFETが誤遮断されるのを防止することができる。
第1過電流保護信号生成回路は、ドレイン・ソース間電圧に基づいて第1過電流保護信号を出力する。典型的には、ドレイン・ソース間電圧が増大したことにより第1過電流保護信号を出力する。
第2過電流保護信号生成回路は、ドレイン・ソース間電圧の増加率に基づいて第2過電流保護信号を出力する。典型的には、ドレイン・ソース間電圧の増加率が増大したことにより第2過電流保護信号を出力する。
制御回路は、第1過電流保護信号あるいは第2過電流保護信号が出力されたことによりFETをオフする過電流保護動作を行う。
本発明では、第1の過電流保護信号によってFETのドレイン・ソース間電圧に基づいた過電流保護を行い、第2の過電流保護信号によってドレイン・ソース間電圧の増加率に基づいて過電流保護を行うため、FET等を過電流から確実に保護することができる。これにより、500V等の高電圧の直流電源から負荷に電力を供給する場合でも、パワースイッチング素子としてFETを使用することができる。
第二の発明は、FET、制御回路、ドレイン・ソース間電圧検出回路、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路、第1過電流保護信号生成回路を備えている。
ドレイン・ソース間電圧検出回路は、閾値を用いた大きさ判定によってドレイン・ソース間電圧を検出するように構成されている。「閾値を用いた大きさ判定によってドレイン・ソース間電圧を検出する」構成としては、典型的には、ドレイン・ソース間電圧と閾値との比較結果を出力し、ドレイン・ソース間電圧の存在範囲を検出する態様が用いられる。
また、ドレイン・ソース間電圧検出回路は、閾値がFETの直流電源側の電極の電位に連動するように構成されている。「FETの直流電源側の電極」は、FETの主電極(ドレイン、ソース)のうち、直流電源側(直流電源の正極に接続される側)の電極を意味する。「連動する」という記載は、比例あるいは略比例することを意味する。
FETと負荷との間の箇所に接地事故が発生した場合には、FETに流れる電流(接地電流)は、当初は急激に増大し、次第に緩やかとなり、やがて飽和する。この飽和時の電流(到達電流値)が大きいほど、電流の増加率が増大する。
ここで、閾値をFETの直流電源側の電極の電位に連動させることにより、FETを流れる電流の飽和時に閾値に等しいドレイン・ソース間電圧を発生させるFETと接地間の抵抗値を特定することができる。そして、閾値とFETの直流電源側の電極の電位との連動関係を、FETと接地間の抵抗値が、過電流として判別される電流値範囲に対応する抵抗値範囲のうちの上限の抵抗値である場合における電流の飽和時に、ドレイン・ソース間電圧が前記閾値に等しくなり、上限の抵抗値以下の抵抗値である場合における電流の飽和時に、ドレイン・ソース間電圧が前記閾値より大きくなるように設定する。
これにより、第1過電流保護信号生成回路から第1過電流保護信号が出力される時点(過電流保護が行われる時点)が、飽和時の到達電流値が大きいほど(増加率が大きいほど)早められる。すなわち、第一の発明で用いている、ドレイン・ソース間電圧の増加率に基づいて2の過電流保護信号を出力する第2過電流保護信号生成回路が不要となる。
なお、FETのチャンネル温度が変化すると、FETのオン抵抗が変化し、FETを流れる電流の飽和時に閾値に等しいドレイン・ソース間電圧を発生させる、接地間の抵抗値が変化する。このため、FETのチャンネル温度が変化しても、前記設定した閾値とFETの直流電源側の電極の電位との連動関係が変化しないように構成するのが好ましい。例えば、任意のFETの動作周囲温度におけるオン抵抗を用いて閾値とFETの直流電源側の電極の電位との連動関係を設定し、FETの動作周囲温度の変化によるオン抵抗の変化に基づいて補正が行われるように構成する。
本発明は、過電流の原因となるFETと接地間の抵抗値を直接、閾値を用いて判別するところに特徴を有し、第一の発明と同様に、FET等を過電流から確実に保護することができる。これにより、500V等の高電圧の直流電源から負荷に電力を供給する場合でも、パワースイッチング素子としてFETを使用することができる。特に、第1過電流保護信号生成回路のみでドレイン・ソース間電圧およびドレイン・ソース間電圧の増加率に基づいた過電流保護を行うことができるため、回路構成を簡略化することができる。
第一および第二の発明の異なる形態では、第1過電流保護信号生成回路は、ドレイン・ソース間電圧が第1の閾値より大きくなると、タイマー設定時間の間タイマー信号を出力するタイマーを有している。そして、タイマー設定時間内に、ドレイン・ソース間電圧が第2の閾値(第2の閾値>第1の閾値)より大きい状態が一定時間継続する(大過電流)ことにより第1過電流保護信号を出力する。また、タイマー信号が出力された回数をカウントし、カウント数が設定回数に達する(小過電流)ことにより第1過電流保護信号を出力する。なお、「大きくなる」という記載は、「等しい」場合を含んでもよい。
本形態では、大過電流が流れた場合および小過電流が流れた場合における過電流保護を確実に行うことができる。
第一の発明の他の異なる形態では、第2過電流保護信号生成回路は、ドレイン・ソース間電圧が第1の閾値より大きくなってからドレイン・ソース間電圧が第3の閾値(第3の閾値>第1の閾値)より大きくなるまでの時間を計測し、計測した時間に基づいて当該計測時間より長い基準時間を設定する。そして、ドレイン・ソース間電圧が第1の閾値より大きくなってから基準時間内にドレイン・ソース間電圧が第4の閾値(第4の閾値>第3の閾値)より大きくなることにより第2過電流保護信号を出力する。なお、「大きくなる」という記載は、「等しい」場合を含んでもよい。
本形態では、FETがオンする時の突入電流によってFETがオフされるのを防止しながら、大過電流が流れることを確実に防止することができる。
本形態の第2過電流保護信号生成回路を前述した形態の第1過電流保護信号生成回路と共に用いる場合には、第4の閾値を第2の閾値以下に設定するのが好ましい。
第一および第二発明の他の異なる形態では、ドレイン・ソース間電圧検出回路は、第1のP型MOSFETを有する第1のソースフォロア回路と、第2のP型MOSFETを有する第2のソースフォロア回路と、閾値設定回路と、比較回路を有している。
第1のソースフォロア回路の第1のP型MOSFETは、ソースが第1の抵抗を介してFETの負荷側の電極に接続され、ゲートに共通ゲート電位が印加されている。「FETの負荷側の電極」は、FETの主電極(ドレイン、ソース)のうち、負荷に接続されている側(直流電源の負極に接続される側)の電極を意味する。
第2のソースフォロア回路の第2のP型MOSFETは、ソースが第1の抵抗の抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の抵抗を介してFETの直流電源側の電極に接続され、第2のソースフォロア回路は、ゲートに前記共通ゲート電位が印加されている。第2のP型MOSFETのドレイン電流は、FETのドレイン・ソース間電圧からその時点で使用される閾値を差し引いた値に対応する値の電流となるように構成されている。
閾値設定回路は、FETの直流電源側の電位に連動する電流を第2のP型MOSFETのソースから引き出すことによって第2のP型MOSFETのドレイン電流を変更可能に構成されている。
比較回路は、第2のP型MOSFETのドレイン電流が第1のP型MOSFETのドレイン電流より大きくなることを検出する。
本形態では、ドレイン・ソース間電圧の増加率を考慮してドレイン・ソース間電圧を検出することができる。本形態のドレイン・ソース間電圧検出回路は、第二発明に用いることで好適な効果を有する。
第一および第二の発明の他の異なる形態では、FETとしてN型MOSFETが用いられている。そして、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路は、N型MOSFETのゲート電位がドレイン電位より大きくなったことによりドレイン・ソース間電圧検出回路による検出動作を開始させる。
あるいは、第一および第の二発明の他の異なる形態では、FETとしてP型MOSFETが用いられている。そして、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路は、P型MOSFETのゲート電位がドレイン電位より小さくなったことによりドレイン・ソース間電圧検出回路による検出動作を開始させる。
本形態では、パワースイッチング素子としてMOSFETを用いて過電流保護電源装置を構成することができる。
第一および第二の発明の他の異なる形態では、ドレイン・ソース間電圧検出回路およびドレイン・ソース間電圧検出開始回路に印加する電圧を直流電源の電圧より低い定電圧に保持する定電圧回路を備えている。
本形態では、高電圧の直流電源から負荷に電力を供給する場合でも、低電圧用のFETを使用することができる。これにより、回路をIC化するときにチップ面積が増大するのを抑制することができる。
本発明の過電流保護電源装置を用いることにより、FETを用いて、高電圧の直流電源から負荷に電力を供給することができる。
本発明の過電流保護電源装置の第1の実施形態を示す図である。 本発明の過電流保護電源装置の第2の実施形態を示す図である。 本発明の過電流保護電源装置の第3の実施形態を示す図である。 本発明の過電流保護電源装置の第4の実施形態を示す図である。 従来の過電流保護電源装置を示す図である。 DS波形曲線を示す図である。 DS閾値到達時間比曲線を示す図である。 本発明の過電流保護電源装置の第5の実施形態を示す図である。 突入電流や過電流と閾値との関係を示す図である。
まず、本発明の過電流保護電源装置の基本概念を説明する。
本発明の過電流保護電源装置は、パワースイッチング素子として用いられているFETを流れる電流を、FETのドレイン電流(I)とFETの抵抗値(RON)により定まるFETのドレイン・ソース間電圧VDS(VDS=I×RON)より検出し、検出したドレイン・ソース間電圧VDSが閾値より大きくなった時に、FETをオフして過電流保護を行う。
一方、接地事故(デッドショート)が発生した時には、電流(接地電流)は、極めて大きい電流値(到達電流値)に到達する。このため、FETのドレイン・ソース間電圧VDSが閾値より大きくなってから保護動作を開始したのでは、充分に過電流保護を行うことができない可能性がある。
ここで、接地事故が発生した時には、電流(接地電流)が大きくなる前に、FETのドレイン・ソース間電圧VDSの増加率(増加勾配)が大きくなるという現象があることが分かった。すなわち、FETのドレイン・ソース間電圧VDSの増加率が大きくなったことを検出して保護動作を行うことによって、速やかに過電流保護を行うことができる。
したがって、本発明の過電流保護電源装置は、パワースイッチング素子として用いられているFETのドレイン・ソース間電圧VDSの増加率(増加勾配)が閾値より大きくなった時にも、FETをオフして過電流保護を行う。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下で説明する第1〜第4の実施形態は、本発明の第1類型の過電流保護電源装置に属し、第5の実施形態は、本発明の第2類型の過電流保護電源装置に属する。
第1類型の過電流保護電源装置は、ドレイン・ソース間電圧VDSに基づいて、ドレイン・ソース間電圧VDSが大きくなったこと、あるいは、ドレイン・ソース間電圧VDSの増加率に基づいて、ドレイン・ソース間電圧VDSの増加率が大きくなったことを検出することによって過電流保護を行うものである。
また、第2類型の過電流保護電源装置は、ドレイン・ソース間電圧VDSのみに基づいて、ドレイン・ソース間電圧VDSが大きくなったことあるいはドレイン・ソース間電圧VDSの増加率が大きくなったことを検出することによって過電流保護を行うものである。
また、「電圧」、「電流」という記載は、特に断りがない限り、それぞれ「電圧の大きさ(値)」、「電流の大きさ(値)」を意味するものとして用いている。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の過電流保護電源装置の第1の実施形態を示す図である。第1の実施形態の過電流保護電源装置1は、ドレイン・ソース間電圧検出回路2、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路4、電力供給回路6、第1過電流保護信号生成回路7、第2過電流保護信号生成回路8、スイッチ部10、チャージポンプ回路13、駆動回路14、制御回路16、OR回路17等により構成されている。
(1)電力供給回路6について
電力供給回路6は、負荷66に電力を供給する回路であり、直流電源63、パワースイッチング素子であるN型MOSFET60(以下、「FET60」という)を有している。抵抗61、インダクタンス62、64、65は、配線の抵抗やインダクタンスである。
なお、FET60と負荷66を接続する配線の途中の点Pは、接地事故(デッドショート)が発生した箇所を例示したものである。接地事故が発生すると、直流電源63からFET60、接地抵抗67を介してアースへ電流(接地電流)が流れる。接地抵抗67の抵抗値が小さいため、接地電流は大電流となる。
スイッチ部10は、電圧VCCと接地(アース)間に直列に接続されているスイッチ11と抵抗12を有している。
駆動回路14は、ドレイン同士が接続されたP型MOSFET141(以下、「FET141」という)とN型MOSFET142(以下、「FET142」という)を有している。FET141のソースには、チャージポンプ回路13からの電圧が印加される。FET141のドレインは、抵抗15を有する配線を介して電力供給回路6のFET60のゲートに接続される。FET60のゲートに接続される配線を「Vライン」という。また、FET142のソースは、FET60のソースに接続される。FET60のソースに接続される配線を「Vライン」という。
スイッチ11がオン操作されると、スイッチ11と抵抗12との接続点の電圧(VCC)が、負荷66への電力供給の開始(電源の投入)を指示する信号として制御回路16に入力される。制御回路16は、スイッチ11がオン操作されると、駆動回路14のFET141をオンするとともにFET142をオフし、チャージポンプ回路13からの電圧を抵抗15を介してFET60のゲート・ソース間に供給する。これにより、FET60がオンし、直流電源63から負荷66への電力供給が開始される。
(2)ドレイン・ソース間電圧検出開始回路4について
FET60のオン抵抗(オン抵抗値)をRON、ドレイン・ソース間電圧をVDSとすると、FET60がオーミック領域で動作している時には、(1)式が成り立つ。
×RON=VDS (1)式
ONが一定である動作領域ではIはVDSと比例するから、Iは、VDSを検出することによって検出することができ、また、Iの増加率はVDSの増加率を検出することによって検出することができる。
FET60がオン状態で安定している時は、RONは一定である。したがって、この状態では、VDSの増加率からIの増加率を検出することによって接地事故が発生したことを検出することができる。
しかしながら、スイッチ11がオン操作されて、FET60がオフ状態からオン状態に移行する過渡期間(約1μs)では、FET60はピンチオフ領域で動作する。このため、この動作領域では、前記(1)式は成立しない。すなわち、VDSの増加率の検出結果に基づいてIの増加率を正確に検出することができない。この動作領域において、VDSの増加率の検出結果に基づいてFET60をオフするように構成すると、正常時に誤動作する可能性がある。
なお、FET60のドレイン・ソース間電圧VDSは、FET60がオフ状態からオン状態に移行した時、最初は急速に減少し、その後増加に転じる。
一方、このような誤動作を防止するために、FET60をオンさせる時におけるVDS検出の開始時期を遅らせすぎると、FET60がオンする前に接地事故が発生していた場合には、充分に過電流保護を行うことができない。例えば、500Vの直流電源63を使用している状態で接地事故が発生した場合には、電流(接地電流)の増加率は150A/μsに達する。
従って、確実に過電流保護を行うには、上記(1)式が成立しない過渡期間を考慮しつつ、できるだけ早くVDSの検出を開始する必要がある。
ここで、V、V、Vを以下のように定義する。
…FET60の主電極のうち直流電源63(直流電源63の正極)に接続されている主電極(図1では、ドレイン)の電圧(以下、「ドレイン電圧V」という)
…FET60のゲート電圧(以下、「ゲート電圧V」という)
…FET60の主電極のうち負荷66(負荷66を介して直流電源63の負極)に接続されている主電極(図1では、ソース)の電圧(以下、「ソース電圧V」という)
なお、[VDS=V−V]である。
また、本実施形態では、チャージポンプ回路13の電圧が[V+15V]に設定されている。
FET60がオフの状態では、V≫V(=V)となっている。そして、スイッチ11がオン操作されると、チャージポンプ回路13からの電圧がFET60のゲートに印加され、Vが上昇する。すなわち、電源投入時には、FET60のゲート電圧Vは、ドレイン電圧Vより低い値から上昇してゆき、ドレイン電圧Vを越え、最終的には[V+15V]となる。
FET60のゲート電圧Vがドレイン電圧Vより大きくなるタイミング([V>V]となるタイミング)では、FET60のオン抵抗RON、ドレイン電流I、ドレイン・ソース間電圧VDSは、以下のような状態にある。
(RONの状態)
[V>V]となった直後のタイミングでは、FET60のゲート・ソース間電圧(V−V)は、FET60のスレッショルド電圧(3〜4V)を若干上回っている。しかしながら、この時点では、オン抵抗RON(抵抗値)は、飽和値に向かって減少している過程にあり、まだ安定した値になっていない。オン抵抗RONが飽和値に達するには、(V−V)が10V以上となる必要がある。オン抵抗RONの減少率は、約−36%/μsである。
なお、オン抵抗RONが安定した値になっていないため、FET60のドレイン・ソース間電圧VDSは、ドレイン電流Iに比例していない。
(Iの状態)
[V>V]となった直後のタイミングでは、FET60のドレイン電流Iは、増加過程にあり、まだ最終到達値に達していない。増加率は、約+166%/μsである。Iの増加率は、[V>V]となった直後に最大となる。
(VDSの状態)
ゲート・ソース間電圧VDSは、[VDS=RON×I]で表される。前述したように、[V>V]となった直後のタイミングでは、RONは、減少過程にあり、Iは、RONの減少率より大きな増加率での増加過程にある。この場合、Iの増加率によってRONの減少率が打ち消されるため、それらの積であるVDSは、増加過程にある。
以上のように、[V>V]となるタイミング以降では、ドレイン・ソース間電圧VDSは確実に増加状態を示す。
そこで、本実施形態では、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路4を設け、FET60をオンさせる時に、FET60のゲート電圧Vがドレイン電圧Vより大きくなる([V>V])タイミング)でドレイン・ソース間電圧VDSの検出を開始するように構成している。そして、VDSの増加率が閾値より大きくなった時に過電流保護動作を行う。なお、この閾値は、過電流(遮断すべき電流)が流れた場合のVDSの増加率より小さく、正常電流が流れた場合のVDSの増加率より大きくなるように設定される。
これにより、FET60がオフ状態からオン状態に移行する過渡期間において、過電流の検出開始(VDSの検出開始)までの時間を短くすることができ、確実に過電流保護を行うことができる。
ドレイン・ソース間電圧検出開始回路4の回路構成を説明する。
P型MOSFET40(以下、「FET40」という)のドレインは、ドレイン・ソース間電圧検出回路2のd点に接続され、ソースは、FET60の主電極のうち直流電源63の正極に接続される電極(ドレイン)に配線を介して接続される。FET40のソースに接続される配線を「Vライン」という。FET40のゲートは、抵抗41とツェナーダイオード42の並列回路を介してFET40のソースに接続されているとともに、抵抗43とN型MOSFET44(以下、「FET44」という)のドレイン、ソースを介して接地されている。ツェナーダイオード42は、アノードがFET40のゲートに接続されている。
ダイオード45のアノードは、Vラインに接続され、カソードは、P型MOSFET48(以下、「FET48」という)のゲートに接続されているとともに、抵抗49を介して接地されている。ダイオード46のアノードは、Vラインに接続され、カソードは、FET48のソースに接続されている。ダイオード45と46のカソード間には、抵抗47が接続されている。
FET48のドレインは、抵抗50および抵抗51とツェナーダイオード52との並列回路を介して接地されているとともに、抵抗50を介してコンパレータ53の反転入力端子に接続されている。コンパレータ53の非反転入力端子には、直流電源54が接続されている。コンパレータ53の出力端子は、FET44のゲートに接続されているとともに、第1過電流保護信号生成回路7及び第2過電流保護信号生成回路8に接続されている。
次に、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路4の動作を説明する。
(V<Vの状態)
この時、ダイオード45はオフであり、ダイオード46から抵抗47および抵抗49に電流が流れる。これにより、FET48がオンとなり、ツェナーダイオード52の両端に発生するツェナー電圧がコンパレータ53の反転入力端子に入力される。直流電源54の電圧がこのツェナー電圧より小さく設定されているため、コンパレータ53の出力はLレベル(以下、単に「L」という)となる。コンパレータ53の出力がLであるため、FET44及び40はオフである。
(V>Vの状態)
この時、ダイオード45がオンとなり、FET48のゲートにVラインから電圧(V)が印加されるので、FET48はオフとなる。FET48がオフとなると、ツェナーダイオード52の両端電圧がゼロとなり、コンパレータ53の出力がHレベル(以下、単に「H」という)となる。
コンパレータ53の出力がHになると、FET44及び40がオンとなる。FET40のオンにより、Vラインの電圧(V)がドレイン・ソース間電圧検出回路2のd点に印加される。これにより、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路4が動作を開始する。
(3)ドレイン・ソース間電圧検出回路2について
ドレイン・ソース間電圧検出回路2は、FET60のドレイン・ソース間電圧VDSが閾値以上であるか否かを検出する。すなわち、VDSと閾値との比較結果を出力する。
ドレイン・ソース間電圧検出回路2の回路構成を説明する。
ラインは、抵抗23、P型MOSFET26(以下、「FET26」という)のソース、ドレイン及び抵抗29を介して接地されている。抵抗23とFET26との接続点cは、検出電圧引下回路120を介して接地されている。
検出電圧引下回路120は、定電流Iの定電流源21(定電流回路)とN型MOSFET22(以下、「FET22」という)との直列回路に定電流Iの定電流源20(定電流回路)が並列に接続されて構成されている。FET22のゲートは、第1過電流保護信号生成回路7に接続されている。
FET26を流れる電流Iによって抵抗29の両端に電圧Vが発生する。電圧Vは、FET60のドレイン・ソース間電圧VDSに応じて変化する。ドレイン・ソース間電圧VDSはドレイン電流Iに応じて変化するため、電圧Vは、ドレイン電流Iに応じて変化する。この電圧Vは、ドレイン・ソース間電圧VDSに対応する検出電圧として用いられる。
本実施形態では、FET60のドレインが、本発明の「FETの直流電源側の電極」に対応する。また、検出電圧Vが、本発明の「ドレイン・ソース間電圧に対応する検出信号(検出電圧)」に対応する。また、抵抗23、FET26、抵抗29によって、「第2のソースフォロア回路」が形成されている。この第2のソースフォロア回路と検出電圧引下回路120によって、本発明の「ドレイン・ソース間電圧に対応する検出信号を発生する検出信号発生回路」が形成されている。
ラインは、抵抗24、P型MOSFET27(以下、「FET27」という)のソース、ドレイン、定電流Iの定電流源30を介して接地されている。FET27のゲートは、FET27のドレインに接続されている。
また、Vラインは、抵抗25、P型MOSFET28(以下、「FET28」という)のソース、ドレイン、抵抗31、抵抗32を介して接地されている。FET28を流れる電流Iによって抵抗31と32との直列回路の両端に発生する電圧V、抵抗32の両端に発生する電圧VX1は、電圧Vと比較する基準電圧として用いられる。
本実施形態では、FET60のソースが、本発明の「FETの負荷側の電極」に対応する。基準電圧V、VX1が、本発明の「基準信号(基準電圧)」に対応する。また、抵抗25、FET28、抵抗31、32によって、「第1のソースフォロア回路」が形成されている。この第1のソースフォロア回路が、本発明の「基準信号を発生する基準信号発生回路」に対応する。
FET26、27、28は、同じ特性のP型MOSFETが用いられており、それぞれのゲートは、共通の接続点Eに接続されている。
抵抗29の抵抗値R29,抵抗31の抵抗値R31,抵抗32の抵抗値R32は、[R29=R31+R32]を満足するように設定されている。
また、抵抗23の抵抗値R23、抵抗24の抵抗値R24、抵抗25の抵抗値R25は、同じ値に設定されている(R23=R24=R25)。
接続点cから定電流源20、21側へ電流を引き出していない(I=0、I=0)状態で、[V=V]である場合には、[R29=R31+R32]であるから[I=I]である。また、FET26、28は同じ特性でゲート電位Vが等しく、[R23=R25]であるから、[V=V]となる。すなわち、FET60のドレイン・ソース間電圧VDSは、ゼロである(VDS=0)。
接続点cから定電流源20、21側へ電流を引き出している(I≠0、I≠0)状態で、[V=V]である場合には、[V>V]となる。すなわち、VDSは、ゼロでなく、プラスの値である。
検出電圧引下回路120により引き出す電流を増大させると、電流Iが減少し、検出電圧Vも小さくなる。すなわち、検出電圧Vは、引き出し電流を増大させることにより引き下げられる。逆に言えば、基準電圧V,VX1が、相対的に引き上げられる。
コンパレータ33は、検出電圧Vと基準電圧(基準信号)Vを比較するものであり、反転入力端子にVが入力され、非反転入力端子にVが入力される。コンパレータ33の出力端子は、第1過電流保護信号生成回路7(AND回路74)に接続されている。コンパレータ33の出力は、[V<V]である場合にL、[V>V]である場合にHとなる。
コンパレータ34は、検出電圧Vと基準電圧(基準信号)VX1を比較するものであり、反転入力端子にV、非反転入力端子にVX1が入力される。コンパレータ34の出力端子は、第2過電流保護信号生成回路8(AND回路84)に接続されている。コンパレータ34の出力は、[V<VX1]である場合にH、[V>VX1]である場合にLとなる。
ドレイン・ソース間電圧検出回路2の動作を説明する。
([V<V]の時:FET40オフ)
FET60オンによりソース電圧Vが上昇し、Vラインに接続されている第1のソースフォロア回路に電流Iが流れる。これにより、基準電圧VX、X1が正の値となる。
一方、FET40はオフであるため、第2のソースフォロア回路にドレイン電圧Vが印加されず、電流Iはゼロである。これにより、検出電圧Vはゼロである。
従って、[V>V]であり、コンパレータ33の出力はLである。
([V>V]となった時:FET40オン)
ゲート電圧Vが増大して[V>V]となると、コンパレータ53の出力がHとなり、FET44及び40がオンする。これにより、Vラインから第2のソースフォロア回路にドレイン電圧Vが印加され、電流Iが流れる。電流Iを適切に設定しておくことにより、VDSが小さい間はVも小さく、[V>V]である。これにより、VDSが小さい間は、コンパレータ33の出力はLである。コンパレータ33の出力がLであると、後述するように、FET22はオフである。
(ドレイン電流Iが正常範囲で定常的に流れている時:FET22オフ)
FET60のドレイン電流Iが正常範囲で定常的に流れているときは、コンパレータ33の出力はLである。コンパレータ33の出力がLである間、FET22はオフである。
(FET22がオフの状態でコンパレータ33の出力がHになる時)
FET22がオフの状態で、V(VDS)が増大して[V>V]となると、コンパレータ33の出力がHとなる。コンパレータ33の出力がHとなる時のVDSの値VDSAは、以下のようにして求めることができる。なお、V、V、Vは、それぞれ図1のa点、b点、c点の電圧である。
は、(2)式で表される。
=(V−V)/R25 (2)式
[R23(I+I)=V−V]および[V=V+VDS]であるから、Iは、(3)式で表される。
=(V+VDS−R23・I−V)/R23 (3)式
は、(4)式で表される。
=(R31+R32)・I=(R31+R32)(V−V)/R25
(4)式
は、(5)式で表される。
=R29・I=R29(V+VDS−R23・I−V)/R23
(5)式
[V=V]となった時のVDSが、コンパレータ33の出力がLからHに変化する時のVDSの値VDSAであるから、VDSAは、Vを表す(4)式とVを表す(5)式から得た(6)式により表される。
DSA=R23・I (6)式
なお、(4)式から、Vは、VDSによって変化しない電圧であることが分かる。
(5)式から、Vは、VDSに応じて変化する電圧であることが分かる。すなわち、VDSが小さいときはVも小さく、[V<V]である。そして、VDSが増大するとともにVも増大し、[V=V]となった後、[V>V]となる。[V>V]となると、コンパレータ33の出力がHとなる。
(6)式から、FET22がオフである状態において、コンパレータ33の出力がHになる時のVDSの値VDSAは、定電流源20の電流Iを調整することによって任意に設定することができることがわかる。定電流源20の電流Iは正確に一定に設定可能であるから、VDSAは、正確に一定に設定可能である。
詳しくは後述するが、コンパレータ33の出力がHになると、FET22はオンとなる。
(FET22がオンの時)
FET22がオンとなると、電流Iが流れるため、点cから分流する電流は(I+I)となる。FET22がオンとなっている状態で、コンパレータ33の出力がHとなるときのVDSの値をVDSBとすると、VDSBは(6)式のIを(I+I)に置換した(7)式によって表される。
DSB=R23×(I+I) (7)式
(I+I)は正確に一定に設定可能であるから、VDSBは、正確に一定に設定可能である。
また、FET22がオンとなっている状態で、コンパレータ34の出力がLとなるVDSの値をVDSCとすると、VDSCは、以下のようにして求めることができる。
X1は、(8)式で表される。
X1=R32×I=R32(V−V)/R25 (8)式
は、(9)式で表される。
=R29・I
=R29(V+VDSC−R23(I+I)−V)/R23
(9)式
[VX1=V]となった時のVDSが、コンパレータ33の出力がHからL変化する時のVDSの値VDSCであるから、VDSCは、VX1を表す(8)式とVを表す(9)式から得た(10)式で表される。
DSC={(R32−R29)(V−V)/R29
+R23(I+I)+(V−V) (10)式
FET26、28のスレッショルド電圧をVth、オン抵抗をRON1とすると、(V−V)は、(11)式で表される。
(V−V)=
ON1{VDSC−R23(I+I)}/(RON1+R25
(11)式
(11)式を(10)式に代入すると、(12)式が得られる。
DSC={(R32−R29)/R29}{1+(RON1/R25)}(V−V
+R23(I+I) (12)式
前述したように、[R31+R32=R29]を満足するように構成されているため、[R32<R29]である。このため、(12)式の第1項は負となる。(12)式の第2項は、(7)式と同じであるからVDSBである。即ち、VDSCは、(R32−R29)を調整することによって任意に設定することができる。
DSCは、第1項の分だけVDSBより小であるから、[VDSC<VDSB]である。しかし、[VDSC<VDSB]であることは、回路構成から直観的に知ることもできる。即ち、回路構成より、[VX1<V]であることが直ちに理解される。そして、VがVX1を超える時のVDSがVDSCであり、VがVを超える時のVDSがVDSBであるから、[VDSC<VDSB]であることが直ちに理解される。
なお、(12)式は、正確に一定になるとは言えないRON1を含んでいるため、VDSCを正確に一定に設定することができない。
DSA,VDSB,VDSCをまとめると、次の通りである。
大きさは、[VDSA<VDSC<VDSB]の関係にある。
DSA…FET22がオフの状態で、コンパレータ33の出力がHとなるVDSの値である。
DSB…FET22がオンの状態で、コンパレータ33の出力がHとなるVDSの値である。
DSC…FET22がオンの状態で、コンパレータ34の出力がLとなるVDSの値である。
なお、VDSA,VDSB,VDSCは、本発明の「閾値」に対応する。
(4)第1過電流保護信号生成回路7について
第1過電流保護信号生成回路7は、FET60のドレイン・ソース間電圧VDSが閾値より大きくなった時(検出電圧が基準電圧より大きくなった時)に過電流保護信号(第1過電流保護信号)を生成するものである。
AND回路74には、コンパレータ53の出力とコンパレータ33の出力が入力される。AND回路74の出力は、タイマー73とAND回路72に入力されると共に、第2過電流保護信号生成回路8のDフリップフロップ80に入力される。
タイマー73の出力は、AND回路72とカウンタ部70に入力されると共に、ドレイン・ソース間電圧検出回路2のFET22のゲートおよび第2過電流保護信号生成回路8のAND回路86に入力される。
カウンタ部70のQ出力は、OR回路17に入力される。AND回路72の出力は、ディジタルフィルター71を経てOR回路17に入力される。
第1過電流保護信号生成回路7は、以下のように動作する。
(Iが正常である時)
FET60がオンし、[V>V]となると、コンパレータ53の出力がHとなり、FET44及び40がオンとなる。FET40がオンとなると、d点にドレイン電圧Vが現われ、Iが流れてVが発生する。
正常な電流が流れている時は、FET60のVDSは小さく、また、VはVより小さい[V>V]。これにより、コンパレータ33の出力はLである。したがって、AND回路74の出力及びタイマー73の出力はLであり、FET22はオフのままである。この状態を「Iモード」という。
(過電流が流れる時)
(VDS)が増大して[V<V]となると、コンパレータ33の出力がHとなる。これにより、AND回路74の両入力(コンパレータ33、53の出力)がHとなり、AND回路74の出力がHとなる。
AND回路74の出力がHとなると、タイマー設定時間Tの間タイマー74の出力がHとなる。なお、タイマー設定時間T内にAND回路74の出力がHとならない場合には、タイマー73の出力はLに戻る。
タイマー73の出力がHとなると、FET22がオンし、Iが流れ始める。この状態を「Tモード」という。
が流れ始めると、接続点cからの引き出し電流が増大し、その分だけIが減少し、検出電圧Vが引き下げられる(低下する)。言い換えれば、基準電圧Vが引き上げられる(増大する)。これにより、[V>V]となり、コンパレータ33の出力がLに戻る。
(小過電流の場合)
過電流が流れてTモードになると、Iが減少してVが引き下げられ、[V<V]となる。その後、[V>V]となるまでVが増大することがない過電流、すなわち、小過電流が流れる場合には、Tモード(Vが低下)となった後、[V>V]の状態がタイマー設定時間T維持される。その後、タイマー73の出力が「L」に戻り、FET22がオフする。FET22がオフすると、Iがゼロとなり、検出電圧Vの引き下げ(基準電圧Vの引き上げ)が停止される。すなわち、「Iモード」となる。
「Iモード」の状態で[V<V]となると、再び「Tモード」となる。小過電流が流れる続ける間、「Iモード」と「Tモード」の切り替えが繰り返される。
小過電流が流れる期間が短い(例えば、1回あるいは2回繰り返すのみ)場合には過電流保護動作を行う必要はないが、多い場合には過電流保護動作を行う必要がある。このために、カウンタ部70が設けられている。
カウンタ部70は、タイマー73の出力がHとなる毎(Tモードになる毎)にカウント値をカウントアップする。
カウンタ部70のカウント値(カウント数)が設定値(設定回数)Nに達すると、カウンタ部70の出力端子QがHとなる。カウンタ部70の出力端子Qの出力Hは、OR回路17を介して制御回路16に入力される。制御回路16は、OR回路17の出力がHとなると、FET60をオフして過電流保護動作を行う。なお、カウンタ部70は、一定時間内のカウント値(カウント数)が設定値(設定回数)Nに達した時に出力端子QをHとする。
カウンタ部70の出力端子Qの出力Hが、本発明の「第1過電流保護信号」に対応する。
なお、小過電流の検出が、タイマー設定時間Tの間隔で連続してN回発生する場合には、期間[T×N]経過後にFET60がオフとなる。この期間[T×N]は、1秒以下とするのが望ましい。
このように、小過電流が検出される回数が設定回数に達すると、FET60をオフして過電流保護動作を行う。
(大過電流の場合)
大過電流が流れる場合には、Tモードになった後もVDSが増大し続けるため、引き下げられた検出電圧Vは直ぐに増大する。そして、タイマー設定時間Tが経過する前にVDS(引き下げられたVDS)がVDSBまで上昇し、[V<V]となってコンパレータ33の出力がHとなる。これにより、AND回路74の出力がHとなる。AND回路74の出力がHとなった時、タイマー設定時間T内であり、タイマー73の出力がHに維持されているため、AND回路72の出力がHとなる。
AND回路72の出力Hは、ディジタルフィルター71に入力される。AND回路72の出力Hが所定時間維持されると、ディジタルフィルター71の出力がHとなる。ディジタルフィルター71の出力Hは、OR回路17を介して制御回路16に入力される。制御回路16は、OR回路17の出力がHとなると、FET60をオフして過電流保護動作を行う。
なお、ディジタルフィルター71は、ノイズ等によってAND回路72の出力が短時間だけHになった時にFET60がオフされるのを防止する、すなわち、ノイズによるFET60の誤遮断を防止するためのものである。
(5)第2過電流保護信号生成回路8について
第2過電流保護信号生成回路8は、FET60のドレイン・ソース間電圧VDSの増加率が閾値より大きくなった時に過電流保護信号(第2過電流保護信号)を生成するものである。
AND回路86には、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路4のコンパレータ53の出力と第1過電流保護信号形成回路7のタイマー73の出力が入力される。タイマー73の出力がL(「Iモード」)である時には、AND回路86の出力はLであり、時計回路85、カウンタ部82、83がリセットされる。すなわち、第2過電流保護信号生成回路8は、タイマー73の出力がH(「Tモード」)の時に動作する。
AND回路84の入力には、コンパレータ34、AND回路86及び時計回路85の出力が入力される。AND回路84の出力は、カウンタ部83のカウント入力端子に入力される。時計回路85の出力は、カウンタ部82のカウント入力端子にも入力される。
カウンタ部83の出力は、カウンタ部82のセット入力端子に入力される。カウンタ部82のQバー出力端子は、Dフリップフロップ80のリセット端子Rバーに接続されている。Dフリップフロップ80のQ出力端子からの出力は、OR回路17に入力される。
カウンタ部83は、AND回路84からのクロック入力をカウントし、クロック入力が停止すると、その時までのカウント値N83(以下、「第1カウント値」という)をカウンタ部82に出力する。
カウンタ部82は、カウンタ部82から入力された第1カウント値N83を用いて、(13)式により時間T82を算出し、算出したT82を増加率検出時間として設定する。
82=K・N83・T+α (13)式
なお、Kは定数、Tは時計回路85のクロック周期、αは定数、(N83・T)はN83をカウントする迄に要した時間(T83)である。
増加率検出時間T82が、本発明の「基準時間」に対応する。
カウンタ部82のQバー出力端子は、カウンタ部82がカウントを開始してから増加率検出時間T82経過するまでHとなり、増加率検出時間T82経過した後はLとなる。
Dフリップフロップ80のリセット端子RバーにHが入力されている間(増加率検出時間T82内)に、クロック端子CLKへの入力がLからHに立ち上がると、Q出力端子はHとなる。フリップフロップ80のQ出力端子のHは、OR回路17を介して制御回路16に入力される。
Dフリップフロップ80のリセット端子Rバーへの入力がLとなった後(増加率検出時間T82経過後)は、クロック端子CLKがLからHに立ち上がってもQ出力端子はHとならない。
先ず、VDSの増加率について説明する。
過電流Iは、(14)式に示す指数関数波形で表される。
I=(V/R){1−exp(−R・t/L)} (14)式
なお、Vは電源電圧、Rは経路抵抗(過電流が流れる経路全体の抵抗)、Lは経路インダクタンス(過電流が流れて経路全体のインダクタンス)、(L/R)は時定数、(V/R)は過電流の到達電流値、tは時間である。
過電流が図1の電力供給回路6に流れた時のFET60の周囲温度が上限温度125℃であり、その時のFET60のオン抵抗をRON125とすると、VDSは、(15)式で表される。
DS=RON125(V/R){1−exp(−R・t/L)}
(15)式
図6は、VDS波形曲線を示す図である。なお、図6の横軸は時間tを示し、縦軸はVDSを示している。図6中の1、2、3は、VDSの3つの波形を表わしている。波形1〜3は、経路は同じであるが接地抵抗の値が異なる場合の過電流IにFET60のオン抵抗RON125を乗じてVDSに変換したものである。
波形1は、接地抵抗が最も小さい場合のものであり、波形3は、接地抵抗が最も大きい場合のものである。図6から、接地抵抗が小さいほど急激に増大していることが分かる。
(tC1、tC2、tC3)、t(tB1、tB2、tB3)は、波形1〜3が閾値VDSC、VDSBに達するまでの時間である。
ここで、[t=t]、[VDS=VDSC]の場合の(15)式は(16)式で表される。
DSC=RON125(V/R){1−exp(−R・t/L)}
(16)式
(16)式から、tcは(17)式で表わされる。
=−(L/R)ln{1−R・VDSC/(RON125・V)}
(17)式
同様に、[VDS=VDSB]となる時のtは、(18)式で表される。
=−(L/R)ln{1−R・VDSB/(RON125・V)}
(18)式
そして、(17)式と(18)式から、(t/t)は(19)式で表される。(t/t)は、VDSが閾値VDSB、VDSCに到達するまでの時間t、tの比であるから、「VDS閾値到達時間比」という。
(t/t)=ln{1−R・VDSB/(RON125・V)}/
ln{1−R・VDSC/(RON125・V)}
(19)式
電力供給回路6の直流電源63の電圧VやFET60のRON125は定まっており、VDSCとVDSBは任意に定めた閾値である。したがって、(19)式から、(t/t)は、経路抵抗Rのみの関数であり、経路インダクタンスLに依存しないことが分かる。
経路抵抗Rは、図1の接地箇所Pまでの回路抵抗と接地抵抗R67との合計である。接地個所が同じ場合には、接地個所までの回路抵抗は同じである。したがって、(t/t)は、接地抵抗R67のみの関数である。
図7は、VDS閾値到達時間比曲線を示す図である。なお、図7の横軸は接地抵抗R67を示し、縦軸はVDS閾値到達時間比(t/t)を示している。VDS閾値到達時間比曲線C上の点P、P、Pは、図6の波形1、2、3それぞれにおけるVDS閾値到達時間比(t/t)を示している。例えば、点PのVDS閾値到達時間比(t/t)は、(tB1/tC1)である。
図7から、(t/t)は、接地抵抗R67が小さいほど小さくなることが分かる。一方、図6から、接地抵抗が小さいほど過電流の到達値(電流到達値)が大きくなり、過電流の増加率が大きくなることが分かる。すなわち、同一経路を過電流が流れる場合、接地抵抗R67が小さいほどあるいはVDSの増加率が大きいほど(t/t)が小さくなる。したがって、VDS閾値到達時間比(t/t)によって、過電流の程度(電流到達値および増加率)を判別することができることが分かる。
一方、FET60がオンする時には、経路に突入電流が流れる。この突入電流も指数関数波形となる。しかしながら、このような突入電流が流れた時には、FET60をオフ(遮断)しないように構成する必要がある。そこで、突入電流が流れた場合の電流到達値より大きい電流到達値を選定し、選定した電流到達値に到達する過電流が流れた時の(t/t)を、過電流保護の閾値(tB0/tC0)として設定する。これにより、突入電流が流れた時にFET60が誤遮断されるのを防止することができる。
閾値(tB0/tC0)を設定する時の経路抵抗RをR(接地抵抗R670)、tをtB0、tをtC0とすると、閾値(tB0/tC0)は、(20)式で表される。
(tB0/tC0)=ln{1−R・VDSB/(RON125・V)}/
ln{1−R・VDSC/(RON125・V)}
(20)式
図7では、点P2、すなわち、図6の波形2の(tB2/tC2)を閾値(tB0/tC0)として設定している。
この場合、例えば、点Pのように、(t/t)が(tB0/tC0)より小さい場合[(t/t)<(tB0/tC0)]には、過電流保護を行い、例えば、点Pのように、(t/t)が(tB0/tC0)より大きい場合には過電流保護を行わない。
以上では、FET60が、周囲温度の上限温度125℃で動作することを前提とした。しかしながら、上限温度125℃より低い周囲温度でFET60が動作する時には、その周囲温度におけるFET60のオン抵抗RONは、RON125より小さくなる。この場合、Rが同じであれば、(20)式のRON125をRONに代えて用いることによって求めた閾値(tB0/tC0)が、RON125を用いて求めた閾値より大きくなる。このため、動作温度が変わると、(20)式を用いて求めた閾値をそのまま使用することができない。
ここで、任意の周囲温度における経路抵抗RとFET60のオン抵抗RONとの比(R/RON)が、(R/RON125)と同じ値であれば、(tB0/tC0)は、周囲温度に依存しない一定値になる。周囲温度が上限の125℃より低い任意の温度におけるオン抵抗RONに対しては、R/RON=R/RON125を満足する、すなわち、[R=R・RON/RON125]を満足する経路抵抗Rの過電流を選定し、選定した過電流にRONに乗じたVDSの波形から(20)式を導出すればよいことになる。
これは、閾値に対応する過電流の電流到達値を周囲温度により変えることであり、VDSの増加率に基づいて保護することできる過電流の下限値が、FET60の周囲温度が上限値125℃である時に最小となり、125℃より低下するにしたがって大きくなることである。この条件を満足すれば、(tB0/tC0)は、周囲温度に依存しない固定値となり、VDSの増加率を検出する閾値として使用することができる。
通常、N型MOSFETのRONの温度係数は5000ppm程度であるから、例えば、周囲温度が25℃の時のRONは、RON125の(1/1.5)となる。従って、周囲温度が25℃の場合に、VDSの増加率を検出することによって保護することができる過電流の下限値は、125℃の場合の1.5倍の大きさ(電流到達値)となる
DSの増加率の検出によって保護することができない過電流は、VDS(大きさ)を検出することによって保護することになる。このため、周囲温度が低下するにしたがって、VDS(大きさ)を検出することによって保護する過電流の最大値が大となり、FET60をオフ(遮断)した時のFET60の温度上昇量(=FET60のチャンネル温度−周囲温度)が増大する。しかしながら、このFET60の温度上昇量の増大は、周囲温度の低下により相殺される。このため、周囲温度の上限値125℃において、VDSの大きさを検出することによってFET60を遮断した時のFET60のチャンネル温度の到達値を超えることがないように、閾値(tB0/tC0)を設定することができる。
DS閾値到達時間比(t/t)のt、tは、電流が流れ始める(電流が上昇し始める)時点を原点(t=0)として計測した時間である。本実施形態では、(t=0)の時点として、[V>V]となる時点を用いている。
従って、VDSの増加率によって過電流か否かを検出する際には、先ず、小さい方の閾値VDSCに達するまでの時間tを計測し、計測したtを基に、(21)式により時間T82を設定する。
82=K・t+α (21)式
なお、Kは、定数(=tB0/tC0)である、αは、[V>V]となった時点(t、tの計測開始時点)で、過電流が、ゼロでない有限な値となった場合に、それを補正するための定数である。
前述した(13)式の[T82=K・N83・T+α]は、(21)式と同じことを表している。すなわち、(N83・T)は時間tに対応する。
時間T82は、カウンタ部82内に設定される。なお、時間tは、カウンタ部83で計測されて、カウンタ部82に出力される。時間T82の間にVDSがVDSBに達したか否かが、Dフリップフロップ80及びカウンタ部82で判定される。
なお、(21)式によりT82をその都度求める代わりに、tに対応するT82を予め計算して対応表に書き込んでおき、対応表より読みだすようにしてもよい。
経路インダクタンスLは、約1μH/mで、配線長に比例する。配線長が長くなると、配線抵抗が大きくなり、その分(19)式のRが大きくなる。即ち、Rが一定という条件は、Lが変化すると完全には成立せず、(21)式のKが厳密には定数とならない。そのズレが問題となるような場合には、ズレを修正する必要がある。例えば、ズレを考慮した対応表を作成しておき、この対応表を用いることによって、適切なT82を設定することができる。
第2過電流保護信号生成回路8の動作を説明する。
([VDS≦VDSC]の時)
スイッチ11をオン操作した後(FET60をオンさせる時)、[V>V]となると、コンパレータ53の出力がHとなる。この時点をtとし、検出動作に関する時間の計測の起点とする。
コンパレータ53の出力及びタイマー73の出力がH(「Tモード」)となると、AND回路86の出力Hが時計回路85、カウンタ部83、82にリセット解除信号として入力される。これにより、時計回路85はクロックを出力し、カウンタ部82はそのクロックをカウントする。
[V=V]となる時点を時刻tとしているが、tにおけるドレイン・ソース間電圧VDSの値をVDSt0とし、FET60のスレッショルド電圧をVthとすると、[V−V≒Vth]となる。時刻tでは[V=V]であるから、[VDSt0=V−V≒Vth]となる。Vthの大きさは3〜4Vであるから、VDSt0は3〜4Vとなる。
一方、「Iモード」においてコンパレータ33の出力がHになるVDSAは、たかだか100mVであるから、[VDSt0>VDSA]となる。従って、時刻t直後にコンパレータ33の出力がHとなり、タイマー73の出力がHとなる。つまり、「Iモード」から「Tモード」に移行する。
時刻tを過ぎるとVDSは急速に縮小し、且つ「Tモード」になって電流Iが流れ始めるため、Vが引き下げられ(低下し)、コンパレータ33の出力はLに復帰する。
時刻t以降で、[VDS≦VDSC]である間は、コンパレータ34の出力がHとなり、AND回路84の出力は、時計回路85からのクロックに応じたクロック出力となる。この出力はカウンタ部83へ入力されてカウントされる。
なお、[VX1>V]であるから、[V>V]である。このため、コンパレータ33の出力はLであり、AND回路74の出力はLである。
([VDS>VDSC]となった時:t計測が終了する時)
この時点は、図6の波形1〜3がVDSCに達した時点である。この時点に到達するまでの時間tは、波形の増加率により異なる。図6から、VDCの増加率が大きいほど、VDSCに達するまでの時間tが短いことが分かる(tC1<tC2<tC3)。
[VDS>VDSC]となると、コンパレータ34の出力がLとなる。これにより、AND回路84からクロックが出力されなくなり、カウンタ部83のカウントが停止される。
カウントが停止した時のカウント値が第1カウント値N83である。各波形1、2、3のN83をN831、N832、N833、クロック周期をTとすると、tC1、tC2、tC3は、次のように表される。
C1=N831・T
C2=N832・T
C3=N833・T
カウンタ部83は、カウントを停止するまでの時間t(=N83・T)を、カウンタ部82に出力する。
カウンタ部82は、時間tを受け取ると、前記した(13)式により増加率検出時間[T82=K・N83・T+α]を求め、カウンタ部82内に設定する。各波形1、2、3のT82をT821、T822、T823とする。カウンタ部82はカウントを続行し、カウント時間がT82に達するまでQバー出力端子をHとし、カウント時間がT82達するとQバー出力端子をLとする。
([VDS>VDSB]となった時:過電流の判定タイミング)
この時点は、図6の波形1〜3がVDSBに達した時点である。この時のカウンタ部82のカウント値(以下、「第2カウント値」という)を、波形1、2、3毎にNB1、NB2、NB3とすると、各波形1、2、3がVDSBに達した時刻tB1、tB2、tB3は、次のように表される、
B1=NB1・T (22)式
B2=NB2・T (23)式
B3=NB3・T (24)式
波形2は閾値(tB0/tC0)に対応する波形であるから、[T822=tB2]である。従って、[T821>tB1]、[T823<tB3]となる。
DSがVDSBに達すると、コンパレータ33の出力がHとなるので、AND回路74の出力がLからHに立ち上がる。このHの出力は、Dフリップフロップ80のCLK端子へ入力される。
Dフリップフロップ80のRバー端子にHが入力されている時(時間T82内)に、CLK端子にHが入力されると、Dフリップフロップ80のQ出力端子はHとなる。これにより、制御回路16は,FET60をオフする。
図6の波形1は、カウンタ部82で設定された増加率検出時間T821に達する前の時刻tB1(=NB1・T)に[VDS>VDSB]となっているため、この場合に該当する。
Dフリップフロップ80のRバー端子にLが入力されている時(時間T82経過後)に、CLK端子にHが入力されても、Dフリップフロップ80のQ出力端子はLのままである。即ち、増加率が検出基準値より小さいため、過電流保護動作が行われない。
図6の波形3の場合は、増加率検出時間T823経過後の時刻tB3(=NB3・T)に[VDS>VDSB]となっている。このため、その増加率は、閾値(tB0/tC0=T821/tC1=T822/tC2=T823/tC3)より小であり、この場合に該当する。
[第2の実施形態]
図2は、本発明の過電流保護電源装置の第2の実施形態を示す図である。図1の構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付している。
図1に示されている第1の実施形態との第1の相違点は、FET60としてP型MOSFETを用いている点である。
第2の相違点は、FET60のゲート・ソース間に、ツェナーダイオード150が接続されている点である。これにより、ゲート・ソース間電圧が、ツェナーダイオード150のツェナー電圧(例えば、15V)より大きくなるのが防止される。
第3の相違点は、コンパレータ53の入力端子の接続を入れ換えた点である。即ち、反転入力端子を直流電源54に接続し、非反転入力端子をツェナーダイオード52と抵抗50との接続点に接続している。
第4の相違点は、FET60としてP型MOSFETを用いたことに伴い、図1のチャージポンプ回路13を削除した点である。
第5の相違点は、ダイオード46のアノードの接続先がV1ラインからV2ラインに変更されている点である。
その他は図1と同じである。本実施形態では、VはFET60のソース電圧であり、Vはドレイン電圧である。
また、FET60のソースが、本発明の「FETの直流電源側の端子」に対応し、FET60のドレインが、本発明の「FETの負荷側の端子」に対応する、
駆動回路14のFET141がオン(FET142がオフ)している時には、FET60のゲート・ソース間が短絡され[V=V]、FET60はオフしている。
FET48のゲート電圧は、Vよりダイオード45の順方向電圧(0.6V)だけ低い電圧となる。一方、[V>V]であるから、ダイオード46が逆バイアスされて抵抗47に電位差が発生せず、FET48はオフしている。これにより、コンパレータ53の出力はLとなる。
駆動回路14のFET142がオン(141がオフ)すると、FET60のゲートが抵抗15を介して接地され、ゲート電圧Vは、ソース電圧Vより低い電圧(例えば、15V低い電圧)に向かって低下して行く。(V−V)がFET60のスレッショルド電圧を超えたところでFET60がオンし、ドレイン電圧Vが上昇する。
が上昇してVに近づくと、[V<V]となり、FET48のゲートに、ドレイン電圧Vを抵抗47、49で分圧した電圧が印加されるので、FET48はオンする。これにより、コンパレータ53の出力がHとなる。以後の動作は、第1の実施形態と同様である。
[第3の実施形態]
図3は、本発明の過電流保護電源装置の第3の実施形態を示す図である。図1の構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付している。
第1の実施形態では、ドレイン・ソース間電圧検出回路2やドレイン・ソース間電圧検出開始回路4の正極端子及び負極端子は、電力供給回路6の正極端子及び負極端子に接続されている。このため、ドレイン・ソース間電圧検出回路2やドレイン・ソース間電圧検出開始回路4を構成するFETとして、耐圧(ドレイン・ソース間絶対最大定格電圧)が電力供給回路6の電源電圧より大きいものを用いる必要がある。例えば、直流電源63の電圧が500Vである場合には、耐圧が500V以上のFETを使用する必要がある。しかしながら、このようなFETは、大きい形状を有しているため、回路をIC化する際にチップ面積(チップサイズ)が大きくなる。この場合、FETの寄生容量が増大して応答性が低下すると共に、コストが高くなる。
第3の実施形態では、電力供給回路6の電源電圧より低い定電圧を供給する定電圧回路9を設けている。これにより、ドレイン・ソース間電圧検出回路2やドレイン・ソース間電圧検出開始回路4で使用するFETとして耐圧が小さいFETを使用することができる。
図3では、定電圧回路9は、電力供給回路6とドレイン・ソース間電圧検出開始回路4との間に挿設されている。定電圧回路9は、カソードがFET60の電源側端子に接続されたツェナーダイオード90と、一端がツェナーダイオード90のアノードに接続され、他端が接地されている抵抗92と、ツェナーダイオード90の両端間に接続されているコンデンサ91とで構成されている。
そして、ツェナーダイオード90の両端間に生ずるツェナー電圧が、ドレイン・ソース間電圧検出回路2やドレイン・ソース間電圧検出開始回路4へ印加される。ドレイン・ソース間電圧検出回路2やドレイン・ソース間電圧検出開始回路4の負極端子ライン152は、ツェナーダイオード90と抵抗92との接続点に接続されている。
過電流保護動作は、第1および第2の実施形態と同様である。
なお、ツェナーダイオード90に並列接続されたコンデンサ91は、Vと接地間の電圧変動を吸収して定電圧に保持する機能を有する。また、外部から印加される高周波電圧振動(ノイズ)の影響を抑制する効果がある。
また、フォトカプラ151は、スイッチ部10と制御回路16とを電気的に切離すためのものであり、必要に応じて設けられる。
また、図3では、FET60としてN型MOSFETを用いたが、P型MOSFETを用いた場合も同様に構成することができる。
[第4の実施形態]
図4は、本発明の過電流保護電源装置の第4の実施形態を示す図である。図3の構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付している。
本実施の形態のドレイン・ソース間電圧検出回路2は、図3に示した第3の実施の形態のものと以下の点で相違している。
(1)2つの抵抗31、32を廃し、1つの抵抗35を用いた。
(2)コンパレータ34を廃した。
(3)コンパレータ33の出力を処理するDフリップフロップ122、123を設けた。
(4)検出電圧引下回路120を構成する定電流回路の並列数を増やした。
抵抗35は、FET28のドレインに接続されている。抵抗35の抵抗値は、FET26のドレインに接続される抵抗29と同じ抵抗値に設定される。抵抗35の両端に発生する電圧をVとする。
コンパレータ33は、VとVを比較するためのものであり、反転入力端子にVが入力され、非反転入力端子にVが入力される。コンパレータ33の出力端子は、Dフリップフロップ122、123のクロック端子CLKに接続されると共に、第1過電流保護信号生成回路7のAND回路75の入力端子と接続されている。
Dフリップフロップ122のD端子には、負極が負極端子ライン152に接続された直流電源121の正極が接続される。Dフリップフロップ122のQ出力端子は、Dフリップフロップ123のD端子に接続されると共に、FET38のゲートに接続されている。Dフリップフロップ123のQ出力端子は、FET39のゲートと接続されていると共に、AND回路76の入力端子に接続されている。
また、本実施の形態の第1過電流保護信号生成回路7は、図3に示した第3の実施形態のものと以下の点で相違している。
(1)AND回路74を廃し、2つのAND回路75,76を設けた。
(2)タイマー73の出力端子を、Dフリップフロップ122、123のリセット端子Rバーにも接続した。
第1過電流保護信号生成回路7のAND回路75には、コンパレータ33の出力とコンパレータ53の出力が入力される。AND回路75の出力は、タイマー73に入力されると共に、AND回路72に入力される。
AND回路76には、Dフリップフロップ123のQ出力端子の出力とコンパレータ53の出力が入力される。AND回路76の出力は、Dフリップフロップ80のクロック端子CLKに入力される。
本実施の形態の過電流保護電源装置は、以下のように動作する。
([V<V]である時)
FET60がオフのときや、オンしてもまだ[V<V]であるときは、コンパレータ53の出力はLである。これにより、タイマー73の出力がLであり、FET22がオフしている。また,Dフリップフロップ122、123がリセットされ、FET38、39がオフしている。また,I、Iは流れているが、FET40がオフしているのでI〜Iは流れていない。
([V>V]となった時)
[V>V]となると、コンパレータ53の出力がHとなり、FET40がオンする。これにより、電流Iが流れ、「Iモード」となる。
また、[V>V]となった直後のVDSは、飽和前の大きな値となり、VDSAより大きい。このため、[V>V]となり、コンパレータ33の出力はHとなる。
コンパレータ53および33の出力がHとなることにより、AND回路75の出力,タイマー73の出力及びAND回路86の出力がHとなり、カウンタ部82、83及び時計回路85のリセットが解除される。これにより、時計回路85は、クロックをAND回路84とカウンタ部82に出力する。
また、タイマー73の出力がHとなることにより、「Tモード」となるとともに,Dフリップフロップ122及び123のリセットが解除される。「Tモード」になると、FET22がオンして電流Iが流れ始める。これにより、電流I,I,Iが流れ、電流I,Iが流れないという状態になる。この状態により、Tモードの閾値VDSCが設定される。
なお、電流Iが流れ始めると、その分電流Iが減少するため、Vが引き下げられる。これにより、[V<V]となり、コンパレータ33の出力がLに戻る。
Dフリップフロップ122のQバー出力はHのままであるため、AND回路84は、時計回路85から入力されたクロックをカウンタ部83に出力し、カウンタ部83は、入力されるクロックをカウントする。
(Iが増大し、VDSがVDSCに達した時)
(VDS)の増大によりVが増大し、[V>V]([VDS>VDSC])となると、コンパレータ33の出力がHとなる。これにより、Dフリップフロップ122のQバー出力がLとなり、Q出力がHとなる。
Dフリップフロップ122のQバー出力がLとなると、AND回路84の出力がLとなり、カウンタ部83のカウントが停止する。この時、カウンタ部83は、それまでのカウント値にクロックの周期Tを乗じた値をtとし、カウンタ部82へ出力する。カウンタ部82は、受け取ったtに基づいて変化率検出時間T82を設定し、変化率検出時間T82が経過するまでQバー出力をHとする。
Dフリップフロップ122のQ出力がHとなると、FET38がオンし、電流I、I、I、Iが流れ、電流Iが流れない状態となる。この状態により、「Tモード」の閾値VDSBが設定される。
なお、電流Iが流れ始めると、その分電流Iが減少するため、Vが引き下げられ、[V<V]となってコンパレータ33の出力がLに戻る。
(更にIが増大し、VDSがVDSBに達した時)
(VDS)の増大によりVが増大し、[V>V]([VDS>VDSB])となると、コンパレータ33の出力がHとなる。これにより、Dフリップフロップ123のQバー出力がLとなり、Q出力がHとなる。
Dフリップフロップ123のQ出力がHとなると、AND回路76の出力がHとなると共に、FET39がオンする。
AND回路76の出力Hは、Dフリップフロップ80のクロック入力端子CLKに入力される。Dフリップフロップ80のリセット端子Rバーには、増加率検出時間T82が経過するまでカウンタ部82からHが入力されている。この増加率検出時間T82内にクロック入力端子CLKにHが入力された場合には、Dフリップフロップ80のQ出力端子がHとなる。この出力Hは、OR回路17を介して制御回路16に入力される。増加率検出時間T82経過後にクロック入力端子CLKにHが入力された場合には、Dフリップフロップ80のQ出力端子はLのままである。
また、FET39がオンすると、電流I、I、I、I、Iが流れる状態となる。この状態により、「Tモード」の閾値VDSDが設定される。
なお、電流Iが流れ始めると、その分電流Iが減少するため、Vが引き下げられ、[V<V]となってコンパレータ33の出力がLに戻る。
(更にIが増大し、VDSがVDSDまで増加したとき
(VDS)の増大によりVが増大し、[V>V]([VDS>VDSD])となると、コンパレータ33の出力がHとなる。これにより、AND回路75の出力がHとなる。AND回路75の出力Hは、AND回路72の一方の入力端子に入力されると共に、タイマー73に入力される。この場合、Vの引き下げ(低減)のため引出電流の追加が行われないから、コンパレータ33の出力はHを維持し、AND回路75および72の出力はHの状態を維持する。
AND回路72の出力Hは、ディジタルフィルター71に入力される。そして、AND回路72の出力Hが所定時間維持されると、ディジタルフィルター71の出力がHとなり、制御回路16に過電流保護信号が入力される。
本実施形態は、以下のように利点を有する。
本実施形態では、[V=V]となってコンパレータ33の出力がHとなる時点の直前では、V、Vを発生させるFET26、28の電流は等しくなっており、FET26、28のソース間に電位差はない。これにより、基準値を設定するに際し、(12)式中のRON1の影響を受けることがなくなるため、基準値の設定精度が良くなる。
図1〜3に示されている第1〜3の実施形態では、V、VX1を、抵抗31、32を用いて設定したが、本実施形態では、接続点cから定電流を引き出す定電流回路を増やし、引き出し電流値を変えることによって設定している。このため、過電流保護電源装置をIC化する場合に、電流値をトリミングすることによって閾値を変更することができる。
ドレイン・ソース間電圧検出回路2の対称性が向上するため、高周波電磁波や高周波ノイズに対する耐性が向上する。
コンパレータの数を減少させ、減少した分をディジタル回路で補うようにしたので、チップ面積を小さくすることができる。
[第5の実施形態]
図8は、本発明の過電流保護電源装置の第5の実施形態を示す図である。図3、図4の構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付している。
なお、図8では、FET60としてN型MOSFETを用いた場合を示しているが、P型MOSFETを用いることもできる。この場合、必要に応じて他のFETの型も変更することができる。
本実施形態では、図4に示されている第4の実施形態の第2過電流保護信号生成回路8を排し、それに伴って、ドレイン・ソース間電圧検出回路2の構成を変更した。
ドレイン・ソース間電圧検出回路2の構成の変更内容は、以下のとおりである。
図4のドレイン・ソース間電圧検出回路2から、直流電源121、Dフリップフロップ122、123を除去した。
検出電圧引下回路120の代わりに、ドレイン・ソース間電圧閾値設定回路124を用いた。
ドレイン・ソース間電圧閾値設定回路124の1例について説明する。
d点と接地との間に、FET93のソース、ドレインと抵抗95が直列に接続されている。また、d点と負極端子ライン152との間に、FET93とカレントミラー接続されたFET94のソース、ドレインとFET96のドレイン、ソースが直列に接続されている。
FET97と98は、FET96とカレントミラー接続されている。FET97のドレインは、FET26のソース(c点)に接続され、ソースは、負極端子ライン152に接続されている。FET98のドレインは、FET26のソース(c点)に接続され、ソースは、FET39のドレインに接続されている。FET39のソースは、負極端子ライン152に接続されている。FET39のゲートは、タイマー73の出力端子に接続されている。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
([V<V]である時]
FET60がオフの時や、オンしてもまだ[V<V]である時には、コンパレータ53の出力はLであり、FET40はオフとなっている。
また、コンパレータ53の出力がLであるため、AND回路75の出力及びタイマー73の出力がLであり、FET39はオフである(「Iモード」)。
([V>V]となった時)
[V>V]となると、コンパレータ53の出力がHとなる。これにより、FET40がオンとなって、電流I3、およびIが流れ始める。この時、VDSは飽和前の大きな値となっており、閾値VDSAより大きい。このため、抵抗29を流れる電流Iは、抵抗35を流れる電流Iより大きい([I>I])。したがって、[V>V]となり、コンパレータ33の出力がHとなる。これにより、コンパレータ33、53の出力が共にHとなるため、AND回路75の出力がHとなり、タイマー73の出力がHとなる。タイマー73の出力がHとなると、FET39がオンする(「Tモード」)。
FET39がオンすることによって電流Iが流れ始めると、c点から引き出される電流は(I+I)となる。これにより、閾値[VDSD=R23(I+I)]が設定される。電流I、Iは電流Iに比例している。FET93のスレッショルド電圧をVth、抵抗95の抵抗値をR95とすると、[I=(V−Vth)/R95]となる。[V≫Vth]であるから、Iは、Vにほぼ比例するといえる。すなわち、電流I、Iは、電圧Vに連動(ほぼ比例)して変わる。したがって、閾値VDSDも、電圧Vに連動(ほぼ比例)して変わる。
本明細書では、「連動する」という記載は、「比例する」あるいは「ほぼ比例する」ことを表している。
なお、電流Iが流れ始めると、その分だけ電流Iが減少するため、[I<I]となる。このため、[V<V]となってコンパレータ33の出力がLに戻る。
(過電流が流れる時)
が増大してVDSが「Iモード」の閾値VDSAより大きくなり、[V<V]となると、コンパレータ33の出力がHとなって、AND回路75の出力がHとなる。これにより、タイマー設定時間Tの間タイマー73の出力がHとなり、FET39がオンする(「Tモード」)。
「Tモード」となって電流Iが流れ始めることにより電流I(V)が減少し、[V>V]となってコンパレータ33の出力がLに戻る。タイマー73の出力Hは、タイマー設定時間Tの間維持される。
(小過電流の場合)
小過電流が流れる場合には、Vが引き下げられたTモードとなった後、[V>V]の状態がタイマー設定時間T維持される。このため、タイマー設定時間Tが経過した後、タイマー73の出力が「L」に戻り、FET39がオフしてVの引き下げが停止される(「Iモード」)。カウンタ部70は、タイマー73の出力がHになる毎(「Tモード」になる毎)にカウント値をカウントアップする。
小電流が流れた場合の動作は、第1〜4の実施形態と同様である。
(大過電流の場合)
大過電流が流れる場合には、Tモードになった後もVDSが増大し続けるため、引き下げられた検出電圧Vは直ぐに増大する。そして、タイマー設定時間Tが経過する前に、VDSがVDSBまで上昇し、[V<V]となってコンパレータ33の出力がHとなる。これにより、AND回路72の出力Hがディジタルフィルター71に入力される。
大電流が流れた場合の動作は、第1〜4の実施形態と同様である。
図9は、第5の実施形態において、突入電流や接地電流が流れた時のドレイン・ソース間電圧VDSと、その時の閾値VDSDとの関係を示す図である。なお、図9の横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表している。図9(1)は、突入電流が流れた時のVDSとVDSDとの関係を示している。図9(2)は、接地事故により過電流が流れた時のVDSとVDSDとの関係を示している。
先ず、図9(1)について説明する。曲線1は、突入電流が流れた時の過電流検出用の閾値VDSDを示し、曲線2は、突入電流をVDSに変換した値を示している。曲線2は、当初は急激に増大し、次第に緩やかとなり、やがてほぼ一定の値となる(飽和する)。これは、電力供給回路6に流れる電流Iは、流れ始めた当初は急激に増大するが、飽和値(到達値)に近づくとほぼ一定値になるということを表している。
通常、FET60がオンした時には、電力供給回路6に突入電流が流れる。従って、突入電流が流れた場合には過電流保護動作を行わないように構成する必要がある。言い換えれば、曲線1は、突入電流がゼロから飽和する迄の範囲内で曲線2を上回っている必要がある。曲線2が、どこかで曲線1と交差し、曲線1(閾値)を上回ると、そこで過電流であることが検出され、過電流保護動作が開始されてしまう。
DSDやVDSを求め、突入電流発生時に[VDSD>VDS]の関係にすることについて説明する。
閾値VDSAまたはVDSDは、c点から引出された電流により抵抗23(R23)に発生する電圧降下として設定される。従って、引出し電流がIだけのときは[VDSA=R23・I]であり、引出し電流が(I+I)のときは(25)式で表される。
DSD=R23(I+I) (25)式
電流(I+I)は、電圧Vに連動した値である。この場合、電流(I+I)は、電圧Vにほぼ比例する値であるとみなすことができ、比例定数をKとすると、(26)式で表される。
(I+I)=K・V (26)式
(25)式と(26)式より、(27)式を得ることができる。
DSD=R23・K・V (27)式
飽和時のVDSDは、(27)式のVに飽和時のVを代入することによって得ることができる。飽和時のVは、FET60のオン抵抗RONを無視すると、電源電圧Vを回路内の抵抗成分R61、R66により分圧した一定値として求められる。この飽和時のV1は、[V=V・R66/(R61+R66)]である。
従って、飽和時のVDSDは、(28)式により表される。
DSD=R23・K・V・R66/(R61+R66) (28)式
なお、突入電流Iが、まだ飽和せず増加状態にある時点では、電力供給回路6中のインダクタンスによる電圧降下(逆起電力)も発生するので、その時点のVは、飽和時の値より小さい。インダクタンスによる電圧降下は、突入電流Iの増加率が大きいほど大きいから、Vは、突入電流Iの増加率が大きい時ほど小さくなる。
突入電流Iの増加率は、当初は大きく、次第に小さくなるというように単調に変化する。このため、Vは、小さな値から次第に大きくなり、飽和時には一定値となるというように単調に増加する。従って、Vに連動して設定されるVDSDも、単調に増加する。
一方、FET60のオン抵抗はRONであり、FET60に突入電流Iが流れた時のVDSは、(29)式で表される。
DS=RON・I (29)式
突入電流Iの飽和値は、(30)式で表される。
=V/(R61+R66) (30)式
従って、飽和時のVDSは、(31)式で表される。
DS=RON・I
=RON・V/(R61+R66) (31)式
突入電流Iは、単調に増加し、飽和時に最大値となる。
先ず、最大値となる飽和時において、[VDSD>VDS]となるように設定することを考える。
(28)式と(31)式を用いて[VDSD>VDS]の演算を行うと、(32)式が得られる。
23・K・R66>RON (32)式。
(32)式を変形すると(33)式が得られる。
>RON/(R23・R66) (33)式
すなわち、突入電流Iが飽和するとVも飽和し、突入電流Iに比例するVDSも飽和し、Vに比例するVDSDも飽和する。この時に、VDSの飽和値よりVDSDの飽和値が大きくなるようにするには、Kを、(33)式を満たす値に設定すればよいことが分かる。
を、(33)式を満たす値に設定すれば、RON、R23、R66は固定値であり、突入電流Iがゼロから飽和に至るまでの間で変化することはないから、(32)式または(33)式は、ゼロから飽和に至るまでの間においても成立する。
電力供給回路6に電流Iが流れているときは、電圧Vは、負荷66(抵抗R66)に発生する電圧降下とインダクタンス64および65に発生する逆起電力との和である。電流Iが単調に増加する場合には、インダクタンス64および65に発生する逆起電力の向きはFET60側がプラス、負荷66側がマイナスとなる。これにより、電圧Vが、負荷66(R66)の両端に生ずる電圧降下より大きいことは、回路構成から明らかである。
従って、(34)式が成り立つ。
≧R66・I (34)式
(27)式と(34)式とにより、(35)式が成り立つ。
DSD=R23・K・V≧R23・K・R66・I (35)式
(32)式を考慮すると、(36)式を得ることができる。
DSD>RON・I (36)式
この時の電流Iは、突入電流のゼロから飽和値までを表し、右辺の値(RON・I)は、VDSを表している。
従って、(36)式は、突入電流のゼロから飽和値に至るまで、[VDSD>VDS]であることを示している。それゆえ、K1を、(33)式を満たす値に設定すれば、突入電流が流れた場合には、過電流保護動作は行われない。
突入電流IがFET60に流れる時のFET60のソースと接地(GND)との間の抵抗はR66である。R66に対して、(33)式を満足するKを設定し、そのKを用いた閾値VDSDをVDSDK1とする。VDSDK1に対して、過電流IのVDS変換値が飽和時に一致するような過電流Iが流れるときのFET60のソース〜接地間の抵抗をRとすると、飽和時のVDS、飽和時のVDSDK1は、以下のように表わされる。
飽和時のVDS=RON・I=RON・V/(R61+R
飽和時のVDSDK1=R23・K・V
=R23・K・V・R/(R61+R
飽和時のVDS=飽和時のVDSDK1であるから、RON、Rは、(37)式で表される。
ON=R23・K・R
=RON/(R23・K) (37)
(33)式は、[R66>RON/(R23・K)]と表されるので、Rは、R66より小さい。VDSDがVに比例する時の比例定数(R23・K)が決まると、VDSDK1とVDSが飽和時に等しくなるような過電流が流れる時のRが(37)式により求まることがわかる。
FET60のソースと接地との間の抵抗値がRより小さいときは、過電流が飽和したときに[VDS>VDSD]となり、FET60が遮断される。
一方、FET60のソースと接地との間の抵抗値がRより大きいときは、過電流Iがゼロから飽和に至るまでの間で[VDS<VDSD]となり、小過電流保護のメカニズム(図8のカウンタ部70の出力がHになる)が働くまでFET60は遮断されない。
は、FET60のソースと接地間の抵抗であり、図8の回路では負荷抵抗R66と接地抵抗R67との並列合成抵抗になるので、以下のように表される。
=R66・R67/(R66+R67
負荷66に突入電流Iが流れるときは、R66は、小さな値となるが、負荷66に定常負荷電流が流れているときは、R66は、R67に比べて大きな値となり、R≒R67となる。
ここで注目すべきは、Kが決まるとそれに対応してRが決まり、FET60のソースと接地との間の抵抗がRより小さくなると、そのとき流れる過電流は、FET60のソースから接地抵抗67までの経路長および負荷までの経路長の如何に関わらず、飽和する前に全て遮断されることである。
は、一個の抵抗で構成されても良いし、複数個の抵抗の並列合成で構成されても良い。また、FET60のソースと接地との間の抵抗がRより大きくなると、[VDS<VDSD]となり、FET60を流れる電流は、閾値VDSDによるレベル検出では遮断されない。即ち、Kを設定すると、Kに対して(37)式によりRが決まり、そのRと比較してFET60のソース〜接地間の抵抗値が小さいか否かで過電流の判定が行われることになる。
FET60のソースと接地間の抵抗値がRとなる時のFET60のドレイン電流をVDS変換した曲線は、図9(1)において、曲線1と2との中間に位置することになり、飽和時にはVDSDK1の曲線(図示せず)と一致することになる。
以上の説明ではVDSDを先に設定して、それに対応するRを求めたが、実際の過電流検出ではRを最初に設定し、それに対応する閾値VDSDを求めることになる。以下にその方法を説明する。
(1)FET60を流れる電流はFET60と接地(GND)間の抵抗に依存する。
(2)各電流に対して、過電流と判定する電流範囲内の下限値を設定し、そのときのFET60〜接地間の抵抗値Rを求める。
(3)Rに対して、[K=RON/(R23・R)]を満足するKを求める。そして、求めたKを用いて、VDS(大きさ)を判定する閾値VDSD[VDSD=K・R23・V]を設定する。すなわち、閾値VDSDは、Vに連動して変化する(この場合は、比例定数(K・R23)に比例する)。
(4)このようにVDSDを設定すると、FET60〜接地間の抵抗値に依存して流れる電流のうち、過電流と判定する電流範囲内の下限値となる過電流(このときのFET60〜接地間の抵抗値はRである)が流れて飽和したときには、VDSがVDSDと一致[VDS=VDSD]する。一方、FET60〜接地間の抵抗値がRより小さい場合の過電流(下限値を上回る値を有する過電流)が流れて飽和したときには、[VDS>VDSD]となる。従って、VDSを閾値VDSDと比較することによって、FET60〜接地間の抵抗値がRまたはそれ以下となる過電流を検出することが出来る。
(5)過電流と判定する範囲が変わり、FET60〜接地間の抵抗値Rが変化する場合には、それに応じてKを変化させ、閾値(例えば、VDSA、VDSD等)を設定する。
(6)ここで、Kは、Rを用いて、式[K=RON/(R23・R)]((37)式参照)により決定される。この式は、RONを含んでいる。RONは、FET60のチャンネル温度に応じて変化する。このため、FET60のチャンネル温度が変化すると、RONが変化し、Kは定数にならない。一方、Kは、図8の抵抗95の値R95を用いて設定するため、RONの変化に追随できない。より確実に過電流保護を行うためには、FET60のチャンネル温度の変化を考慮する必要がある。
一つの対応策として、(RON/R)が一定になるようにRを設定する方法が考えられる。例えば、FET60の動作周囲温度の上限温度(例えば、125℃)の時のオン抵抗RON125を用いてKを設定する。そして、FETの動作周囲温度が上限温度より低くなってRONがRON125より小さくなった場合は、Rも比例して小さくし、過電流と判定する電流範囲内の下限値をRONに反比例して大きくするように構成する。即ち、過電流と判定する電流範囲内の下限値よりRONの減少分に対応する値だけ大きい電流値を有する電流が流れた場合の飽和時に、VDSがVDSDと一致[VDS=VDSD]するように構成する。なお、K1を設定する際のFET60の動作周囲温度としては、FET60の動作が許容される温度範囲内の適宜の温度を選択することができる。
なお、VDSDとVとの連動関係を、「FET60〜接地間の抵抗値に依存して流れる電流のうち、過電流と判定する電流範囲内の下限電流値を有する過電流(このときのFET60〜接地間の抵抗値はRである)が流れて飽和したときには[VDS=VDSD]となり、FET60〜接地間の抵抗値がRより小さい場合の過電流(下限値を上回る値を有する過電流)が流れて飽和したときには[VDS>VDSD]となるように設定することは、FETと接地間の抵抗値が、過電流として判別される電流値範囲に対応する抵抗値範囲のうちの上限の抵抗値である場合における電流の飽和時に、ドレイン・ソース間電圧が前記閾値に等しくなり、上限の抵抗値以下の抵抗値である場合における電流の飽和時に、ドレイン・ソース間電圧が前記閾値より大きくなるように設定することと等価である。
しかしながら、FET60〜接地間の抵抗の抵抗値が同じであっても、これらの抵抗を流れる電流は、直流電源の電圧、直流電源の内部抵抗、電源線の抵抗等の電源側の状態に依存して変化する。これに対して、過電流の発生原因となるFET60〜接地間の抵抗値は、電流のように電源側の状態によって変化することはない。従って、後者は、得られる結果は前者と等価であるが、過電流を検出する方法として、電流値を検出する方法ではなく、FET60〜接地間の抵抗値を検出する方法を用いているというのが適切である。
次に図9(2)について説明する。図9(2)には、第1の接地事故(事故A)に関係した曲線(3A、4A)と、第2の接地事故(事故B)に関係した曲線(3B、4B)が示されている。事故Aおよび事故BにおけるFET60のソースと接地間の抵抗は、Rより小さい。
曲線3Aは、第1の接地事故により過電流が流れた時におけるFET60のドレイン・ソース間電圧VDSを示している(電流Iが大きいと、FET60での電圧降下であるVDSも大きい)。曲線4Aは、第1の接地事故により過電流が流れた時における閾値VDSDを示している。
曲線3Bは、第2の接地事故により過電流が流れた時におけるFET60のドレイン・ソース間電圧VDSを示している。曲線4Bは、第2の接地事故により過電流が流れた時における閾値VDSDを示している。
図8では、電力供給回路6内のP点で接地事故が発生したものとしているが、接地事故により流れる過電流の大きさ(到達電流値あるいは飽和値:これが大きいほど増加率も大きい)は、接地箇所や接地抵抗67の値等によって異なる。
図9(2)では、第2の接地事故の過電流の到達電流値の方が、第1の接地事故の過電流の到達電流値より大きい(増加率が大きい)場合を示している。したがって、曲線3Bの方が曲線3Aより急激に増加し、上側に位置している。
また、既に述べたように、過電流の到達電流値が大きいほど電圧Vの飽和値が小さくなり、Vに連動するVDSDも小さくなる。従って、過電流の到達電流値が大きい場合のVDSD(曲線4B)の方が、過電流の到達電流値が小さい場合のVDSD(曲線4A)より小さい(曲線4Bが曲線4Aの下側に位置している)。
今、第1の接地事故の場合(曲線3A、4A)について考える。第1の接地事故、第2の接地事故とも、FET60のソースと接地間の抵抗はRより小さいから、過電流IのVDS値は、飽和時において閾値VDSDより大きくなる。
過電流Iはゼロからスタートするから、VDS(=RON・I)の初期値はゼロである。Vの初期値は、FET60から接地箇所P点までの経路長がゼロという特殊な場合を除くと、経路長に付随するインダクタンスに増加状態の電流が流れて逆起電力が発生するので、ゼロではない。従って、Vに連動して定められるVDSDの初期値もゼロではない。
従って、VDSは、初期においてはVDSDより小さな値から出発し、途中は単調に増加し、最後の飽和時にはVDSDより大きくなる。すなわち、VDSが飽和値に達する前に、VDSがVDSDと等しくなる時点がある。
その時点は、曲線3Aと曲線4Aとが交差する交点Cの時点tである。この時、[VDS=VDSD]となるため、コンパレータ33の出力がHとなり、前記したような動作を経てディジタルフィルター71の出力がHとなる。これにより、FET60がオフされ、過電流保護が行われる。
次に、第2の接地事故の場合(曲線3B、4B)について考える。この場合には、VDSがVDSDと等しくなる時点は、曲線3Bと曲線4Bとが交差する交点Cの時点tである。従って、時点tで過電流保護が行われる。
時点tとtとを比べると、時点tの方が早い。その理由は、曲線3Bと曲線4Bとの交点Cが、増加率が曲線3Aより大きい(3Aより上側に位置する)曲線3Bと、閾値VDSDが曲線4Aより小さい(4Aより下側に位置する)曲線4Bとの交点であるため、曲線3Aと曲線4Aとの交点Cより早い時点で発生する(交点Cより左側に位置する)からである。
このことは、到達電流値が大きいほど(増加率が大きいほど)、過電流保護が行われる時点が早められることを意味している。すなわち、第5の実施形態は、第1〜4の実施の形態のように、増加率を検出して過電流保護信号を生成する第2過電流保護信号生成回路8を備えていないが、到達電流値が大きい(増加率が大きい)ほど、早い時点で過電流保護動作を行っている。したがって、実質的に、第1〜4の実施形態と同様に、増加率を検出して過電流保護動作を行うという効果を奏している。
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
請求項には、電源投入時の誤動作を防止するためのドレイン・ソース間電圧検出開始回路を備える過電流保護電源装置を記載したが、本発明は、ドレイン・ソース間電圧検出開始回路を備えていない過電流保護電源装置として構成することもできる。
パワースイッチング素子としては、MOSFETに限定されず、種々の構成のFETを用いることができる。
[VDSが閾値(例えば、VDSA、VDSB、VDSC、VDSD)より大きくなった場合]([VDS>閾値])という条件としては、[VDSが閾値以上となった場合]([VDS≧閾値])という条件を用いることもできる。
本発明の過電流保護電源装置は、高電圧の直流電源から負荷に電力を供給する際に好適に用いられるが、種々の電圧の直流電源から負荷に供給する際に用いることができる。
電力供給回路、ドレイン・ソース間電圧検出回路、ドレイン・ソース電圧検出開始回路、第1過電流保護信号生成回路、第2過電流保護信号生成回路としては、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の構成のものを用いることができる。
実施の形態では、ドレイン・ソース間電圧に対する異なる閾値を設定するために、検出電圧(検出信号)の大きさを引き下げる(低下させる)引下回路を投入/切り離し可能に設けたが、基準電圧(基準信号)の大きさ(基準値)を引き上げる(増加させる)引上回路を投入/切り離し可能に設けることもできる。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
本発明は、
「直流電源からFETを介して負荷に電力を供給する電力供給回路と、前記FETを制御する制御回路を備え、前記制御回路は、前記FETをオフすることによって前記電力供給回路を過電流から保護する過電流保護電源装置であって、
前記FETにドレイン電流が流れることによってドレイン・ソース間に発生するドレイン・ソース間電圧を検出するドレイン・ソース間電圧検出回路と、
前記FETをオンさせるときに、前記ドレイン・ソース間電圧検出回路によるドレイン・ソース間電圧の検出動作を、前記FETが、ドレイン電流の増大に応じてドレイン・ソース間電圧が増大する状態になってから開始させるドレイン・ソース間電圧検出開始回路と、
前記ドレイン・ソース間電圧に基づいて第1過電流保護信号を出力する第1過電流保護信号生成回路を備え、
前記制御回路は、前記第1過電流保護信号生成回路から前記第1過電流保護信号が出力されたことにより前記FETをオフするように構成されており、
前記ドレイン・ソース間電圧検出回路は、閾値を用いた大きさ判定によって前記ドレイン・ソース間電圧を検出するように構成されており、前記閾値を前記FETの直流電源側の電極の電位に連動させ、前記閾値と前記FETの直流電源側の電極の電位との連動関係を、前記FETと接地間の抵抗値が、過電流として判別される電流値範囲に対応する抵抗値範囲のうちの上限の抵抗値である場合における電流の飽和時に、ドレイン・ソース間電圧が前記FETの動作周囲温度が所定温度である場合の前記FETのオン抵抗のときに前記閾値に等しくなり、前記上限の抵抗値以下の抵抗値である場合における電流の飽和時に、ドレイン・ソース間電圧が前記閾値より大きくなるように設定し、前記FETの動作周囲温度が前記所定温度より低下して前記オン抵抗が減少したときには、過電流として判別される電流値範囲に対応する抵抗値範囲のうちの上限の抵抗値を前記オン抵抗の減少分だけ下回る抵抗値に電流が流れた場合の飽和時におけるドレイン・ソース間電圧が前記閾値と等しくなり、前記FETの動作周囲温度が前記所定温度より上昇して前記オン抵抗が増加したときには、過電流として判別される電流値範囲に対応する抵抗値範囲のうちの上限の抵抗値を前記オン抵抗の増加分だけ上回る抵抗値に電流が流れた場合の飽和時におけるドレイン・ソース間電圧が前記閾値と等しくなるように設定したことを特徴とする過電流保護装置。」として構成することができる。
「所定温度」としては、例えば、FETの許容動作周囲温度の上限温度、上限温度と下限温度の範囲内の任意の温度等を設定することができる。
1…過電流保護電源装置、2…ドレイン・ソース間電圧検出回路、4…ドレイン・ソース間電圧検出開始回路、6…電力供給回路、7…第1過電流保護信号生成回路、8…第2過電流保護信号生成回路、9…定電圧回路、10…スイッチ部、11…スイッチ、12…抵抗、13…チャージポンプ回路、14…駆動回路、15…抵抗、16…制御回路、17…OR回路、20,21…定電流源、22…FET、23〜25…抵抗、26〜28…FET、29…抵抗、30…定電流源、31,32…抵抗、33,34…コンパレータ、35…抵抗、36,37…定電流源、38,39…FET、40…FET、41…抵抗、42…ツェナーダイオード、43…抵抗、44…FET、45,46…ダイオード、47…抵抗、48…FET、49〜51…抵抗、52…ツェナーダイオード、53…コンパレータ、54…直流電源、60…FET、61…抵抗、62…インダクタンス、63…直流電源、64,65…インダクタンス、66…負荷、67…接地事故抵抗、70…カウンタ部、71…ディジタルフィルター、72…AND回路、73…タイマー、74…AND回路、75,76…AND回路、80…Dフリップフロップ、81…直流電源、82,83…カウンタ部、84…AND回路、85…時計回路、86…AND回路、90…ツェナーダイオード、91…コンデンサ、92…抵抗、93,94…FET、95…抵抗、96,97,98…FET、101…過電流保護電源装置、102…スイッチ部、103…スイッチ、104…抵抗、105…制御回路、106…抵抗、107…コンパレータ、108…過電流検出回路、109…マルチソースFET、110…副FET、111…主FET、112…温度センサ、113…比較基準電圧回路、114…抵抗、115…配線、116…負荷、117…直流電源、121…直流電源、120…検出電圧引下回路、122,123…Dフリップフロップ、124…ドレイン・ソース間電圧(VDS)閾値設定回路、141,142…FET、150…ツェナーダイオード、151…フォトカプラ、152…マイナス端子ライン、153…FET

Claims (8)

  1. 直流電源からFETを介して負荷に電力を供給する電力供給回路と、前記FETを制御する制御回路を備え、前記制御回路は、前記FETをオフすることによって前記電力供給回路を過電流から保護する過電流保護電源装置であって、
    前記FETにドレイン電流が流れることによってドレイン・ソース間に発生するドレイン・ソース間電圧を検出するドレイン・ソース間電圧検出回路と、
    前記FETをオンさせるときに、前記ドレイン・ソース間電圧検出回路によるドレイン・ソース間電圧の検出動作を、前記FETが、ドレイン電流の増大に応じてドレイン・ソース間電圧が増大する状態になってから開始させるドレイン・ソース間電圧検出開始回路と、
    前記ドレイン・ソース間電圧に基づいて第1過電流保護信号を出力する第1過電流保護信号生成回路と、
    前記ドレイン・ソース間電圧の増加率に基づいて第2過電流保護信号を出力する第2過電流保護信号生成回路を備え、
    前記制御回路は、前記第1過電流保護信号生成回路から前記第1過電流保護信号が出力されたことによりあるいは前記第2過電流保護信号生成回路から前記第2過電流保護信号が出力されたことにより前記FETをオフするように構成されていることを特徴とする過電流保護電源装置。
  2. 直流電源からFETを介して負荷に電力を供給する電力供給回路と、前記FETを制御する制御回路を備え、前記制御回路は、前記FETをオフすることによって前記電力供給回路を過電流から保護する過電流保護電源装置であって、
    前記FETにドレイン電流が流れることによってドレイン・ソース間に発生するドレイン・ソース間電圧を検出するドレイン・ソース間電圧検出回路と、
    前記FETをオンさせるときに、前記ドレイン・ソース間電圧検出回路によるドレイン・ソース間電圧の検出動作を、前記FETが、ドレイン電流の増大に応じてドレイン・ソース間電圧が増大する状態になってから開始させるドレイン・ソース間電圧検出開始回路と、
    前記ドレイン・ソース間電圧に基づいて第1過電流保護信号を出力する第1過電流保護信号生成回路を備え、
    前記制御回路は、前記第1過電流保護信号生成回路から前記第1過電流保護信号が出力されたことにより前記FETをオフするように構成されており、
    前記ドレイン・ソース間電圧検出回路は、閾値を用いた大きさ判定によって前記ドレイン・ソース間電圧を検出するように構成されており、前記閾値を前記FETの直流電源側の電極の電位に連動させ、前記閾値と前記FETの直流電源側の電極の電位との連動関係を、前記FETと接地間の抵抗値が、過電流として判別される電流値範囲に対応する抵抗値範囲のうちの上限の抵抗値である場合における電流の飽和時に、ドレイン・ソース間電圧が前記閾値に等しくなり、前記上限の抵抗値以下の抵抗値である場合における電流の飽和時に、ドレイン・ソース間電圧が前記閾値より大きくなるように設定することを特徴とする過電流保護装置。
  3. 請求項1または2に記載の過電流保護電源装置であって、
    前記第1過電流保護信号生成回路は、前記FETのドレイン・ソース間電圧が第1の閾値より大きくなると、タイマー設定時間の間タイマー信号を出力するタイマーを有し、前記タイマー設定時間内に、前記ドレイン・ソース間電圧が第2の閾値(第2の閾値>第1の閾値)より大きい状態が一定時間継続した場合、または、前記タイマー信号が出力された回数が所定回数に達した場合に前記第1過電流保護信号を出力するように構成されていることを特徴とする過電流保護電源装置。
  4. 請求項1に記載の過電流保護電源装置であって、
    前記第2過電流保護信号生成回路は、前記ドレイン・ソース間電圧が第1の閾値より大きくなってから前記ドレイン・ソース間電圧が第3の閾値(第3の閾値>第1の閾値)より大きくなるまでの時間を計測するとともに、当該計測した時間に基づいて当該計測した時間より長い基準時間を設定し、前記ドレイン・ソース間電圧が前記第1の閾値より大きくなってから前記基準時間が経過するまでの間に前記ドレイン・ソース間電圧が第4の閾値(第4の閾値>第3の閾値)より大きくなることにより前記第2過電流保護信号を出力するように構成されていることを特徴とする過電流保護電源装置。
  5. 請求項1ないし4のうちのいずれか1項に記載の過電流保護電源装置であって、
    前記ドレイン・ソース間電圧検出回路は、第1のソースフォロア回路と、第2のソースフォロア回路と、閾値設定回路と、比較回路を有し、
    前記第1のソースフォロア回路は、ソースが第1の抵抗を介して前記FETの負荷側の電極に接続され、ゲートに共通ゲート電位が印加される第1のP型MOSFETを有し、
    前記第2のソースフォロア回路は、ソースが前記第1の抵抗の抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の抵抗を介して前記FETの直流電源側の電極に接続され、ゲートに前記共通ゲート電位が印加される第2のP型MOSFETを有し、前記第2のP型MOSFETのドレイン電流が、前記FETのドレイン・ソース間電圧からその時点で使用される閾値を差し引いた値に対応する値の電流となるように構成されており、
    前記閾値設定回路は、前記FETの直流電源側の電位に連動する電流を前記第2のP型MOSFETのソースから引き出すことによって前記第2のP型MOSFETのドレイン電流を変更可能に構成されており、
    前記比較回路は、前記第2のP型MOSFETのドレイン電流が前記第1のP型MOSFETのドレイン電流より大きくなることを検出するように構成されていることを特徴とする過電流保護電源装置。
  6. 請求項1ないし5のうちのいずれか1項に記載の過電流保護電源装置であって、
    前記FETとして、N型MOSFETが用いられており、
    前記ドレイン・ソース間電圧検出開始回路は、前記N型MOSFETのゲート電位がドレイン電位より大きくなったことにより前記ドレイン・ソース間電圧検出回路による検出動作を開始させることを特徴とする過電流保護電源装置。
  7. 請求項1ないし5のうちのいずれか1項に記載の過電流保護電源装置であって、
    前記FETとして、P型MOSFETが用いられており、
    前記ドレイン・ソース間電圧検出開始回路は、前記P型MOSFETのゲート電位がドレイン電位より小さくなったことにより前記ドレイン・ソース間電圧検出回路による検出動作を開始させることを特徴とする過電流保護電源装置。
  8. 請求項1ないし7のうちのいずれか1項に記載の過電流保護電源装置であって、
    前記ドレイン・ソース間電圧検出回路および前記ドレイン・ソース間電圧検出開始回路に印加する電圧を前記直流電源の電圧より低い定電圧に保持する定電圧回路を備えていることを特徴とする過電流保護電源装置。
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