JP2004248454A - 過電流制限回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的低い電圧の領域についても電流制限を実行する。
【解決手段】駆動スイッチ(パワーMOS−FET)12のオンオフ動作により負荷11に対する駆動電流Idのオンオフ切替えを行うにあたって、駆動スイッチ12のドレインとソースの間の電圧Vdsが所定のしきい値を越える場合には、駆動スイッチ12に流れる電流Idを制限するほか、少なくとも駆動スイッチ12のドレインとソースの間の電圧Vdsが所定のしきい値未満である場合には、電源側から駆動スイッチ12に与えられる電流を分流回路45で分流し、その過電流I1を、カレントミラー回路43及び定電流源44を用いて検出して、その検出結果に基づいて、駆動スイッチ12に流れる電流Idを制限する。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動スイッチ(パワーMOS−FET)12のオンオフ動作により負荷11に対する駆動電流Idのオンオフ切替えを行うにあたって、駆動スイッチ12のドレインとソースの間の電圧Vdsが所定のしきい値を越える場合には、駆動スイッチ12に流れる電流Idを制限するほか、少なくとも駆動スイッチ12のドレインとソースの間の電圧Vdsが所定のしきい値未満である場合には、電源側から駆動スイッチ12に与えられる電流を分流回路45で分流し、その過電流I1を、カレントミラー回路43及び定電流源44を用いて検出して、その検出結果に基づいて、駆動スイッチ12に流れる電流Idを制限する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、負荷に接続されて過電流を防止する過電流制限回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、エンジン系、車体電動系または情報系等の様々な車載負荷が搭載されており、特に近年の電子技術の発展により、車載負荷としての各種電子ユニット等が数多く搭載されてきている。
【0003】
ところで従来、図3の如く、負荷1と電源2とを結ぶ電流経路3にフューズ4を設置することで、各種の過電流保護を行ってきた(従来技術1)。尚、図3中の符合5はメカニカルリレーである。
【0004】
しかしながら、過電流保護のために上記のようなフューズ4を使用する場合、このフューズ4が頻繁に切れると、それを交換する作業も頻繁になる。また、一般に、複数のフューズ4をひとまとめにユニット化したフューズボックスが使用されるが、このフューズボックスの体積が大きく、他の車載電装品の搭載スペースが少なくなる。さらに、フューズ4の交換作業を考慮すると、フューズボックスの搭載位置が限定される。
【0005】
これらに鑑みて、フューズボックスに代えて半導体リレーを用いた過電流制限回路を設置することも行われている。
【0006】
具体的には以下の2つの方法がある。
【0007】
ひとつには、過電流をシャント抵抗またはセンスまたはMOS−FETで検出し、マイクロコンピュータまたは外部回路で過電流の判定をするもの(従来技術2)がある。この場合、突入電流は外部回路の基準電圧変更かマイクロコンピュータのソフトウェアプログラムにより対応することになる。
【0008】
あるいは、図4に示すように、電流検出機能と判定機能を有する自己保護型のIPD(インテリジェントパワーデバイス)6を使用するもの(従来技術3)もある。
【0009】
この従来技術3のIPD6は、図5の如く、過電流制限回路自身に過電流が流れたり過温度となった場合に、その旨を検出して電流を遮断する自己保護型の過電流保護機能を有するものである。この場合は、図4におけるフューズ4を省略することも可能である。
【0010】
このIPD6は、図5の如く、基本的には、負荷11に対する駆動のオンオフ切替えをパワーMOS−FETからなる第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12で行う構成となっている。
【0011】
具体的には、操作者が操作スイッチ13でオンオフ切替操作を行ったときに、その操作スイッチ13のオンオフ状態を入力インターフェース回路15が検知する。入力インターフェース回路15が操作スイッチ13のオン状態を検知したときには、FETとしての第2のスイッチング素子17がオン状態となり、保護用論理回路21及びチャージポンプ23に電源(+B)19が投入されて動作する。
【0012】
この場合、チャージポンプ23は、第1のスイッチング素子12のゲートをそのソースよりも高電位に保つためNチャネルFET及び発振用コンデンサ等を用いて電源(+B)19の電圧を昇圧(例えば2倍)する。
【0013】
この際、電流制限部25は、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12のドレイン−ソース間の電圧降下が所定のしきい値を超えたか否かを判断し、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下が所定のしきい値を超えた場合に、そのゲート−ソース間を断続的に短絡させて当該ゲートへの入力電圧を低減させ、第1のスイッチング素子12に流れる電流を低減させる。
【0014】
そして、このIPD6には、過電流を検知してその旨を保護用論理回路21に報知する過電流検知回路29と、過温度を検出して保護用論理回路21に報知する過温度検出回路31とが設けられており、保護用論理回路21は、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、チャージポンプ23を介して、第1のスイッチング素子12のゲート電圧の供給を遮断または断続的に停止することで電流及び温度を調整する。
【0015】
ただし、負荷11に対してサージ電流が発生した場合に、負荷11に対する電流供給の遮断を行った場合に負サージにより電圧の過低下を抑制するため、ダイナミッククランプ回路27は、負サージが発生している間だけ、第1のスイッチング素子12をオンにして過電流制限回路内の各部位を保護するよう機能する。
【0016】
そして、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、その出力の論理和を論理和回路33が論理判断し、FETである第3のスイッチング素子37をオン切り換えして、プルアップ抵抗35を利用して例えば警告ランプ等の外部の警告装置等(図示省略)にその旨を報知する。
【0017】
これらの従来技術2,3によると、それまで必要であったフューズ4の交換回数が大幅に低減し、その分の手間が必要なくなる。さらに、フューズボックス自体を省略することも可能であり、この場合には、必要となる搭載スペースを縮小することができる。
【0018】
参考のために、この発明に関連する先行技術文献を以下に示しておく。
【0019】
【特許文献1】
特開2000−312433号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術2の方式では、外部回路やマイクロコンピュータについてコスト上昇及び体積上昇を招いてしまい、実質的に普及するには至っていない。
【0021】
この点、上記従来技術3の方式だと、使用される要素がIPD6として集約されて構成できるため、体積効率が極めてよく、しかもコストが安価であるという利点がある。
【0022】
しかしながら、従来技術3の方式では、負荷11が短絡等によって過負荷状態となった場合に、その過負荷を確実に検出しIPSを完全に保護するまでには至っていなかった。
【0023】
具体的に、例えば上述したように、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12のドレイン−ソース間の電圧降下が所定のしきい値を超えたか否かを判断し、その判断結果に応じてゲートへの入力電圧を低減させる場合、過電流が発生した際に、第1のスイッチング素子12のゲート電圧を一定値に絞るだけであったため、負荷短絡時等でのドレイン−ソース間の電圧降下が大きい状態では、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧に対するドレイン電流の特性より、電流制限が十分でなく過電力破壊するおそれがあった。
【0024】
また、従来技術3の場合、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧が一定電圧以上にならないと電流制限部25が動作しないため、中途半端な過電流状態では、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧が小さいが故にゲート電圧の制限動作に至らないことが有り、この状態が長時間経過すると、第1のスイッチング素子12が過電流により破壊するおそれがあった。
【0025】
そこで、この発明の課題は、駆動スイッチのドレイン/ソース間電圧が比較的低い場合にも適正に過電流を制限し得る過電流制限回路を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、駆動スイッチとしてのパワーMOS−FETのオンオフ動作により所定の負荷に対する駆動電流をオンとオフとの間で切り換えるとともに、当該パワーMOS−FETを駆動し且つ過電流を保護する主機能部と、電源側から前記駆動スイッチに与えられる電流を分流して過電流を検出するための分流検出部とを備え、前記主機能部が、少なくとも前記パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が所定のしきい値未満である場合に、前記分流検出部で検出された過電流に基づいて、前記パワーMOS−FETに流れる電流を制限する機能を有せしめられたものである。
【0027】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の過電流制限回路であって、前記主機能部が、前記パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が所定のしきい値を越える場合に、当該パワーMOS−FETに流れる電流をチョッピングにより制限する機能をさらに有せしめられたものである。
【0028】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の過電流制限回路であって、前記分流検出部が、前記駆動スイッチに電源側から与えられる電流を所定の分流比で分流する分流回路と、一方の経路に、前記分流回路で分流された分流電流が流れるとともに、他方の経路において、前記分流電流に対する所定のミラー比のミラー電流を得るカレントミラー回路と、前記カレントミラー回路の前記他方の経路に設置される定電流源とを備え、前記分流回路が、前記駆動スイッチに対してゲート及びドレインがそれぞれ共通に接続されたセンスMOS−FETと、前記センスMOS−FETのソース電圧及び前記駆動スイッチのソース電圧が入力される差動アンプとを備え、前記分流検出部における前記過電流の検出点が、前記他方の経路の定電流源とカレントミラー回路との接続中間点に設定されたものである。
【0029】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の過電流制限回路であって、前記主機能部が、前記パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が前記所定のしきい値を越える場合に、当該パワーMOS−FETに流れる電流を制限する電流制限部と、前記駆動スイッチを遮断またはチョッピングすることで前記パワーMOS−FETに流れる電流を制限する保護用論理回路とを備え、前記分流検出部が前記過電流を検出した場合に、当該検出結果に基づいて、前記保護用論理回路または電流制限部を通じて、前記パワーMOS−FETに流れる電流を制限する機能を有せしめられたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
<構成>
図1はこの発明の一の実施の形態に係る過電流制限回路を示すブロック図である。尚、この実施の形態においては、図5に示した従来技術3内の各要素と同等の機能を有する要素については同一符合を付している。
【0031】
この過電流制限回路は、図1の如く、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12のドレイン側の電流を、この第1のスイッチング素子12に並列に接続される分流回路45に分流させ、この分流した電流について、カレントミラー回路43によって、別の定電流源44からの定電流経路47に対してミラー比分だけ正確に流すようにし、さらに定電流経路47側の電圧降下の状態に応じて第1のスイッチング素子12を過電流状態から保護するようにしている。
【0032】
具体的に、この過電流制限回路は、従来技術3で説明した自己保護型の過電流保護機能部(以下「主機能部」と称す)40に加えて、第1のスイッチング素子12に並列に接続される分流回路45と、この分流回路45の下流側に接続されるカレントミラー回路43と、カレントミラー回路43の一端側を定電流経路47として当該定電流経路47に定電流を与える定電流源44とを備える。
【0033】
主機能部40は、当該主機能部40自身の内部における過電流及び過温度を検知して負荷11に対する駆動電流を調整するもので、従来技術3と同様、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12と、入力インターフェース回路15と、第2のスイッチング素子17と、保護用論理回路21と、チャージポンプ23と、電流制限部25と、ダイナミッククランプ回路27と、過電流検知回路29と、過温度検出回路31と、論理和回路33と、第3のスイッチング素子37とを備える。
【0034】
第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12は、パワーMOS−FET(電界効果型トランジスタ)が使用されて負荷11に対する駆動のオンオフ切替えを行うものである。
【0035】
入力インターフェース回路15は、負荷11の駆動について操作者がオンオフ切替操作を行うための操作スイッチ13のオンオフ状態を検知するものである。
【0036】
第2のスイッチング素子17は、MOS−FET(MOS型電界効果型トランジスタ)が使用されて入力インターフェース回路15が操作スイッチ13のオン状態を検知したときにオン状態となるものである。
【0037】
保護用論理回路21は、電源(+B)19からの給電を受けて動作するようになっており、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、これらの各回路29,31からの断続的な信号に基づいてチャージポンプ23を介し第1のスイッチング素子12のゲート電圧の供給を遮断または断続的に停止(チョッピング)して、負荷11に対する駆動電流Id及び温度を調整するものである。
【0038】
そして、この保護用論理回路21は、後述する分流検出部41から与えられた報知信号に基づいて負荷11の駆動電流に異常が発生したときにも、第1のスイッチング素子12のゲート電圧の供給を停止して、負荷11に対する駆動電流Idを遮断またはチョッピングするようになっている。
【0039】
チャージポンプ23は、第1のスイッチング素子12のゲートをそのソースよりも高電位に保つためNチャネルFET及び発振用コンデンサ等を用いて電源(+B)19の電圧を昇圧(例えば2倍)するものである。
【0040】
電流制限部25は、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下(図2中の横軸Vds)が所定のしきい値Th1を超えた場合に、ゲート−ソース間を断続的に短絡させて、当該ゲートへの入力電圧を低減させ、図2中の第1の電流制限曲線G3に示すように、第1のスイッチング素子12に流れる電流Idを低減させるものである。
【0041】
ダイナミッククランプ回路27は、サージ電流の発生時に負荷11に対する電流供給の遮断またはチョッピングを行った場合に負サージにより電圧の過低下を抑制するために第1のスイッチング素子12をオンにして過電流制限回路内の各部位を保護するためのものである。
【0042】
過電流検知回路29は、過電流を検知してその過電流が持続する間は保護用論理回路21に所定の信号を断続的に送信し続けるものである。
【0043】
過温度検出回路31は、過温度を検出してその過温度が持続する間は保護用論理回路21に所定の信号を断続的に送信し続けるものである。尚、この過温度検出回路31としては、過温度が解除された際の復帰にリセット信号が必要なラッチ型と、温度が低下した場合に再オン切り換えを行う自動復帰型とがあるが、いずれが適用されても差し支えない。
【0044】
論理和回路33は、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、その出力の論理和をとるものである。
【0045】
第3のスイッチング素子37は、具体的にはMOS−FET(MOS型電界効果型トランジスタ)が使用され、過電流検知回路29が過電流を検知しまたは過温度検出回路31が過温度を検出したときに、論理和回路33からの出力に基づいてオン状態となって、プルアップ抵抗35を利用して警告ランプ等の外部の警報装置(図示省略)にその旨を報知するものである。
【0046】
分流回路45は、第1のスイッチング素子12のソース側から所定の分流比の電流を分流させるものであり、負荷11の駆動スイッチとしての第1のスイッチング素子12に並列に接続されるセンスMOS−FET51と、このセンスMOS−FET51のソースと第1のスイッチング素子12のソースとが入力される差動アンプ(電圧調整手段)52と、この差動アンプ52からの出力をゲート電圧としてセンスMOS−FET51のソースからの電流をカレントミラー回路43に供給する電流調整用MOS−FET53とを備える。
【0047】
センスMOS−FET51は、各スイッチング素子12,17,37を構成するためのパワーMOS−FETの一部を区切って領域が割り当てられており、センスMOS−FET51の領域の第1のスイッチング素子12に対する面積比を所定の値に設定することにより、第1のスイッチング素子12に対するセンスMOS−FET51の分流比(例えば、1万分の1など)で、当該第1のスイッチング素子12のドレイン側の電流を分流するものである。また、センスMOS−FET51のドレインに接続される電源(+B)19は、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12のドレインに接続される電源(+B)19と同一とされる。したがって、第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idが増減変化したときには、センスMOS−FET51に流れる電流(分流電流)I1も同等の比率で増減するようになっている。
【0048】
差動アンプ52は、センスMOS−FET51のソース電圧と、第1のスイッチング素子12のソース電圧との差分に応じて出力電圧を変化させるようになっており、第1のスイッチング素子12からの分流比が不安定に変化した場合に、電流調整用MOS−FET53のゲート電圧を調整することで、分流電流I1を調整するように機能する。
【0049】
電流調整用MOS−FET53は、上述のように、差動アンプ52からの出力がゲート電圧として与えられ、そのゲート電圧に応じて、センスMOS−FET51から入力される分流電流I1を調整するよう機能する。
【0050】
カレントミラー回路43は、互いに対称に形成された一対のMOS−FET(電界効果型トランジスタ)55a,55bに所定のミラー比(例えば1対1)の電流が流れることを利用して、分流回路45から流れ出た電流I1に対するミラー比分のミラー電流I2をMOS−FET55bに流すようになっている。
【0051】
定電流源44は、トランジスタを用いた吸い込み定電流方式または流し出し定電流方式や、定電流ダイオードを用いた方式や、あるいは3端子レギュレータによる方式など、一般に適用される既存の定電流源であれば、どのようなものが使用されても差し支えない。
【0052】
そして、カレントミラー回路43の定電流経路47側のMOS−FET55bのドレイン(P点)の電圧を検出して、第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idが過電流であるか否かを判断することにより、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限することが可能とされている。具体的には、MOS−FET55bのドレイン(P点)の電圧を、保護用論理回路21や電流制限部25に入力し、保護用論理回路21からチャージポンプ23を制御して第1のスイッチング素子12のチョッピング制御を行ったり、電流制限部25で第1のスイッチング素子12のゲート−ソース間を短絡させたりすることで、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限するようになっている。
【0053】
このように、分流回路45、カレントミラー回路43及び定電流源44は、電源19側から第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12に与えられる電流を分流して過電流を検出するための分流検出部として機能するものである。
【0054】
<動作>
次に、この過電流制限回路の動作を説明する。
【0055】
まず、操作者が操作スイッチ13でオンオフ切替操作を行ったときに、その操作スイッチ13のオンオフ状態を入力インターフェース回路15が検知する。入力インターフェース回路15が操作スイッチ13のオン状態を検知したときには、MOS−FETとしての第2のスイッチング素子17がオン状態となり、保護用論理回路21及びチャージポンプ23に電源(+B)19が投入されて動作する。
【0056】
この場合、チャージポンプ23は、第1のスイッチング素子12のゲートをそのソースよりも高電位に保つために電源(+B)19の電圧を昇圧(例えば2倍)する。
【0057】
この際、電流制限部25は、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下(図2中の横軸Vds)が所定のしきい値Th1を超えたか否かを判断し、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下がそのしきい値Th1を超えた場合に、その第1のスイッチング素子12のゲート−ソース間を断続的に短絡させて、当該ゲートへの入力電圧を低減させ、図2中の第1の電流制限曲線G3に示すように、第1のスイッチング素子12に流れる電流Idを低減させる。
【0058】
そして、過電流検知回路29は、所定の電流しきい値に基づいて所定の基準に従って過電流を検知し、過電流であった場合に、その旨の信号を保護用論理回路21に出力する。
【0059】
これと併行して、過温度検出回路31は、過温度か否かを検出し、過温度であった場合にその旨の信号を保護用論理回路21に出力する。
【0060】
保護用論理回路21は、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、チャージポンプ23を介して第1のスイッチング素子12のゲート電圧の供給を遮断または断続的に停止することで電流及び温度を調整する。
【0061】
ただし、負荷11に対してサージ電流が発生した場合に、負荷11に対する電流供給の遮断またはチョッピングを行った場合に負サージにより電圧の過低下を抑制するため、ダイナミッククランプ回路27は、負サージが発生している間だけ、第1のスイッチング素子12をオンにして過電流制限回路内の各部位を保護するよう機能する。
【0062】
そして、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、その出力の論理和を論理和回路33が論理判断し、第3のスイッチング素子37をオン切り換えして、プルアップ抵抗35を利用して例えば警告ランプ等の外部の警告装置等(図示省略)にその旨を報知する。
【0063】
ところで、上述した動作において、電流制限部25での電圧Vds(第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下)に基づく駆動電流Idの制限は、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが所定のしきい値Th1を超えた場合にのみ実行される。しかしながら、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが所定のしきい値Th1を下回る(または以下の)場合には、上述したような電流制限部25での駆動電流Idの制限が実行されない。
【0064】
具体的に、図2は、図1の回路構造における第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vdsと駆動電流Idとの関係、及びその電流制限基準について示す図である。図2において、横軸は第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vdsを示しており、縦軸はそのドレイン−ソース間電圧Vdsに対する第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idを示している。即ち、図2中の破線G1(負荷理想線)は、第1のスイッチング素子12及び負荷11の耐久性等を考慮した場合の当該第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース電圧Vdsと駆動電流Idとの理想的な関係を示しており、また線G2(オン抵抗線)は、第1のスイッチング素子12のオン抵抗特性を示す線である。ここでは、基本的に、駆動電流Idが図2中のオン抵抗線G2を上回ることはないものとして説明する。
【0065】
ここで、第1のスイッチング素子12がオンした際のドレイン−ソース間電圧Vds及び駆動電流Idの安定点は、負荷理想線G1とオン抵抗線G2との交点Aとなる。即ち、第1のスイッチング素子12及び負荷11の耐久性等を考慮した場合、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vds及び駆動電流Idの値は、第1のスイッチング素子12のオン状態が維持されるのに伴って、点B(Vds=Vcc(例えば、12V),Id=0)から、負荷理想線G1に沿って矢印Qに示す方向に変化し、安定点Aに到達した時点で安定することが理想である。
【0066】
そして、上述のように、電流制限部25による駆動電流Idの制限について、は、図2中の第1の電流制限曲線G3で示されている。この第1の電流制限曲線G3は、上述したとおり、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが所定のしきい値Th1を超えた場合にのみ適用されるものであり、よって、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが所定のしきい値Th1を下回る(または以下の)場合は、電流制限部25は駆動電流Idを制限する機能を停止する。
【0067】
しかしながら、上述のように、理想的には、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vds及び駆動電流Idの値は、第1のスイッチング素子12のオン状態が維持されるのに伴って、点Bから負荷理想線G1に沿って矢印Qに示す方向に変化し、安定点Aに到達した時点で安定することが望ましい。即ち、第1のスイッチング素子12のオン時様態がある程度経過すると、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vdsは上述のしきい値Th1を下回る(または以下の)状態に移行することが望ましい。しかしながら、この時点では、上記したような電流制限部25の電圧Vdsに基づく電流制限が有効に機能しない事態が生じる。
【0068】
そこで、この実施の形態では、特にしきい値Th1未満(または以下)の場合に、分流回路45、定電流源44及びカレントミラー回路43によって検出される図1中のP点の電圧(定電流経路47側のMOS−FET55bのドレイン電圧)を検出し、この検出結果に基づいて、保護用論理回路21からチャージポンプ23を制御して第1のスイッチング素子12のチョッピング制御を行ったり、電流制限部25で第1のスイッチング素子12のゲート−ソース間を短絡させたりすることで、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限する。
【0069】
具体的に、第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idに応じて、所定の分流比に応じた分流電流I1がセンスMOS−FET51に流れる。この際、差動アンプ52は、センスMOS−FET51のソース電圧と、第1のスイッチング素子12のソース電圧との差分に応じて出力電圧を変化させながら、第1のスイッチング素子12からの分流比が不安定に変化した場合に、電流調整用MOS−FET53のゲート電圧を調整する。そして、電流調整用MOS−FET53は、差動アンプ52からの出力がゲート電圧として与えられ、そのゲート電圧に応じて、センスMOS−FET51から入力される分流電流I1を調整する。
【0070】
この分流電流I1は、カレントミラー回路43の一方のMOS−FET55aに与えられる。
【0071】
このとき、定電流経路47側の他方のMOS−FET55bには、分流電流I1に対して予め設定されたミラー比分のミラー電流I2が流れる。
【0072】
ところで、定電流経路47の上流の定電流源44は、一定電流容量しかないため、仮にミラー電流I2が過電流であった場合、この過電流状態で他方のMOS−FET55bが大きなミラー電流I2を流そうとすると、他方のMOS−FET55bのドレイン電圧(P点の電圧)は+B電圧から降下することになる。
【0073】
このため、他方のMOS−FET55bのドレイン電圧を観測していれば、分流電流I1の過電流状態を検出することができ、ひいては第1のスイッチング素子12及び負荷11に流れる過電流Idを検出することが可能である。
【0074】
このP点の電圧を用いて、第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idが過電流であるか否かを判断することにより、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限することが可能とされている。具体的には、MOS−FET55bのドレイン(P点)の電圧を、保護用論理回路21や電流制限部25に入力し、保護用論理回路21からチャージポンプ23を制御して第1のスイッチング素子12のチョッピング制御を行ったり、電流制限部25で第1のスイッチング素子12のゲート−ソース間を短絡させたりすることで、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限する。
【0075】
図2中の曲線(第2の電流制限曲線)G4は、P点の電圧の検出結果に基づく過電流Idの制御曲線を示している。この場合、保護用論理回路21や電流制限部25において、P点の電圧と第1のスイッチング素子12における駆動電流Idとの関係を予めデータとして保有するようにしており、図2中の第2の電流制限曲線G4が、理想的な安定点であるA点を通り、負荷理想線G1より高い駆動電流Idを実現し、且つオン抵抗線G2より低い駆動電流Idを実現するように設定されている。
【0076】
このように、この実施の形態では、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsによる電流制限部25での電流制限の他に、分流回路45、カレントミラー回路43及び定電流源44によって検出されたP点の電圧に基づいて、従来技術3では検出できなかった比較的低い電圧Vdsの領域についても電流制限を実行するようにしているので、第1のスイッチング素子12及び負荷11について適正に過電流制限を行うことができる。
【0077】
尚、第2の電流制限曲線G4での電流制限だけでは、逆に第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが大きい場合には、第1のスイッチング素子12に大電流が流れるおそれがあるため、上述のように、従来技術3で実行していた電圧Vdsにより電流制限部25での電流制限と併せて、特に電圧Vdsが上述のしきい値Th1以下の場合に実行するのが有効である。この場合、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsがしきい値Th1を越えている際には、分流回路45、カレントミラー回路43及び定電流源44によって検出されたP点の電圧に基づく電流制限を続行してもよいし、あるいは停止してもよい。
【0078】
【発明の効果】
請求項1及び請求項4に記載の発明によれば、駆動スイッチとしてのパワーMOS−FETのオンオフ動作により所定の負荷に対する駆動電流のオンオフ切替えを行うにあたって、電源側から駆動スイッチに与えられる電流を分流して過電流を検出し、この過電流に基づいて、パワーMOS−FETに流れる電流を制限するので、従来技術3では検出できなかった比較的低い電圧の領域についても電流制限を実行することができる。したがって、駆動スイッチ及び負荷について適正に過電流制限を行うことができる。
【0079】
この場合、請求項2のように、パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が所定のしきい値を越える場合に、当該パワーMOS−FETに流れる電流を併せて制限すると、より一層精度良く過電流を制限できる。
【0080】
請求項3に記載の発明によれば、分流回路で分流された分流電流がカレントミラー回路の一方側に与えられると、この分流電流に対して予め設定されたミラー比分のミラー電流が他方側に流れる。この他方側の経路においては、定電流源が一定電流容量しか持たないことから、仮にミラー電流が過電流であった場合、この過電流状態で定電流源が大きなミラー電流を流そうとすると、その経路中の検出点が降下せざるを得ないため、この検出点の電圧に基づいて分流電流の過電流状態を検出することができ、ひいては駆動スイッチ及び負荷に流れる過電流を容易に検出することが可能である。
【0081】
そして、請求項3に記載の発明のように、分流回路において、駆動スイッチに並列に接続されるパワーMOS−FETを含めれば、一対のパワーMOS−FETの面積比等により容易に分流比を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態に係る過電流制限回路を示すブロック図である。
【図2】第1のスイッチング素子のドレイン−ソース間電圧と駆動電流との関係、及びその電流制限基準について示す図である。
【図3】従来技術1に係る過電流制限回路を示すブロック図である。
【図4】従来技術3に係る過電流制限回路を示すブロック図である。
【図5】従来技術3に係る過電流制限回路のIPDを示すブロック図である。
【符号の説明】
11 負荷
12 スイッチング素子
21 保護用論理回路
23 チャージポンプ
25 電流制限部
27 ダイナミッククランプ回路
29 過電流検知回路
31 過温度検出回路
33 論理和回路
40 主機能部
41 分流検出部
43 カレントミラー回路
44 定電流源
45 分流回路
47 定電流経路
I1 分流電流
I2 ミラー電流
Id 駆動電流
Vds ドレイン−ソース間電圧
【発明の属する技術分野】
この発明は、負荷に接続されて過電流を防止する過電流制限回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、エンジン系、車体電動系または情報系等の様々な車載負荷が搭載されており、特に近年の電子技術の発展により、車載負荷としての各種電子ユニット等が数多く搭載されてきている。
【0003】
ところで従来、図3の如く、負荷1と電源2とを結ぶ電流経路3にフューズ4を設置することで、各種の過電流保護を行ってきた(従来技術1)。尚、図3中の符合5はメカニカルリレーである。
【0004】
しかしながら、過電流保護のために上記のようなフューズ4を使用する場合、このフューズ4が頻繁に切れると、それを交換する作業も頻繁になる。また、一般に、複数のフューズ4をひとまとめにユニット化したフューズボックスが使用されるが、このフューズボックスの体積が大きく、他の車載電装品の搭載スペースが少なくなる。さらに、フューズ4の交換作業を考慮すると、フューズボックスの搭載位置が限定される。
【0005】
これらに鑑みて、フューズボックスに代えて半導体リレーを用いた過電流制限回路を設置することも行われている。
【0006】
具体的には以下の2つの方法がある。
【0007】
ひとつには、過電流をシャント抵抗またはセンスまたはMOS−FETで検出し、マイクロコンピュータまたは外部回路で過電流の判定をするもの(従来技術2)がある。この場合、突入電流は外部回路の基準電圧変更かマイクロコンピュータのソフトウェアプログラムにより対応することになる。
【0008】
あるいは、図4に示すように、電流検出機能と判定機能を有する自己保護型のIPD(インテリジェントパワーデバイス)6を使用するもの(従来技術3)もある。
【0009】
この従来技術3のIPD6は、図5の如く、過電流制限回路自身に過電流が流れたり過温度となった場合に、その旨を検出して電流を遮断する自己保護型の過電流保護機能を有するものである。この場合は、図4におけるフューズ4を省略することも可能である。
【0010】
このIPD6は、図5の如く、基本的には、負荷11に対する駆動のオンオフ切替えをパワーMOS−FETからなる第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12で行う構成となっている。
【0011】
具体的には、操作者が操作スイッチ13でオンオフ切替操作を行ったときに、その操作スイッチ13のオンオフ状態を入力インターフェース回路15が検知する。入力インターフェース回路15が操作スイッチ13のオン状態を検知したときには、FETとしての第2のスイッチング素子17がオン状態となり、保護用論理回路21及びチャージポンプ23に電源(+B)19が投入されて動作する。
【0012】
この場合、チャージポンプ23は、第1のスイッチング素子12のゲートをそのソースよりも高電位に保つためNチャネルFET及び発振用コンデンサ等を用いて電源(+B)19の電圧を昇圧(例えば2倍)する。
【0013】
この際、電流制限部25は、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12のドレイン−ソース間の電圧降下が所定のしきい値を超えたか否かを判断し、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下が所定のしきい値を超えた場合に、そのゲート−ソース間を断続的に短絡させて当該ゲートへの入力電圧を低減させ、第1のスイッチング素子12に流れる電流を低減させる。
【0014】
そして、このIPD6には、過電流を検知してその旨を保護用論理回路21に報知する過電流検知回路29と、過温度を検出して保護用論理回路21に報知する過温度検出回路31とが設けられており、保護用論理回路21は、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、チャージポンプ23を介して、第1のスイッチング素子12のゲート電圧の供給を遮断または断続的に停止することで電流及び温度を調整する。
【0015】
ただし、負荷11に対してサージ電流が発生した場合に、負荷11に対する電流供給の遮断を行った場合に負サージにより電圧の過低下を抑制するため、ダイナミッククランプ回路27は、負サージが発生している間だけ、第1のスイッチング素子12をオンにして過電流制限回路内の各部位を保護するよう機能する。
【0016】
そして、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、その出力の論理和を論理和回路33が論理判断し、FETである第3のスイッチング素子37をオン切り換えして、プルアップ抵抗35を利用して例えば警告ランプ等の外部の警告装置等(図示省略)にその旨を報知する。
【0017】
これらの従来技術2,3によると、それまで必要であったフューズ4の交換回数が大幅に低減し、その分の手間が必要なくなる。さらに、フューズボックス自体を省略することも可能であり、この場合には、必要となる搭載スペースを縮小することができる。
【0018】
参考のために、この発明に関連する先行技術文献を以下に示しておく。
【0019】
【特許文献1】
特開2000−312433号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術2の方式では、外部回路やマイクロコンピュータについてコスト上昇及び体積上昇を招いてしまい、実質的に普及するには至っていない。
【0021】
この点、上記従来技術3の方式だと、使用される要素がIPD6として集約されて構成できるため、体積効率が極めてよく、しかもコストが安価であるという利点がある。
【0022】
しかしながら、従来技術3の方式では、負荷11が短絡等によって過負荷状態となった場合に、その過負荷を確実に検出しIPSを完全に保護するまでには至っていなかった。
【0023】
具体的に、例えば上述したように、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12のドレイン−ソース間の電圧降下が所定のしきい値を超えたか否かを判断し、その判断結果に応じてゲートへの入力電圧を低減させる場合、過電流が発生した際に、第1のスイッチング素子12のゲート電圧を一定値に絞るだけであったため、負荷短絡時等でのドレイン−ソース間の電圧降下が大きい状態では、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧に対するドレイン電流の特性より、電流制限が十分でなく過電力破壊するおそれがあった。
【0024】
また、従来技術3の場合、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧が一定電圧以上にならないと電流制限部25が動作しないため、中途半端な過電流状態では、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧が小さいが故にゲート電圧の制限動作に至らないことが有り、この状態が長時間経過すると、第1のスイッチング素子12が過電流により破壊するおそれがあった。
【0025】
そこで、この発明の課題は、駆動スイッチのドレイン/ソース間電圧が比較的低い場合にも適正に過電流を制限し得る過電流制限回路を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、駆動スイッチとしてのパワーMOS−FETのオンオフ動作により所定の負荷に対する駆動電流をオンとオフとの間で切り換えるとともに、当該パワーMOS−FETを駆動し且つ過電流を保護する主機能部と、電源側から前記駆動スイッチに与えられる電流を分流して過電流を検出するための分流検出部とを備え、前記主機能部が、少なくとも前記パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が所定のしきい値未満である場合に、前記分流検出部で検出された過電流に基づいて、前記パワーMOS−FETに流れる電流を制限する機能を有せしめられたものである。
【0027】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の過電流制限回路であって、前記主機能部が、前記パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が所定のしきい値を越える場合に、当該パワーMOS−FETに流れる電流をチョッピングにより制限する機能をさらに有せしめられたものである。
【0028】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の過電流制限回路であって、前記分流検出部が、前記駆動スイッチに電源側から与えられる電流を所定の分流比で分流する分流回路と、一方の経路に、前記分流回路で分流された分流電流が流れるとともに、他方の経路において、前記分流電流に対する所定のミラー比のミラー電流を得るカレントミラー回路と、前記カレントミラー回路の前記他方の経路に設置される定電流源とを備え、前記分流回路が、前記駆動スイッチに対してゲート及びドレインがそれぞれ共通に接続されたセンスMOS−FETと、前記センスMOS−FETのソース電圧及び前記駆動スイッチのソース電圧が入力される差動アンプとを備え、前記分流検出部における前記過電流の検出点が、前記他方の経路の定電流源とカレントミラー回路との接続中間点に設定されたものである。
【0029】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の過電流制限回路であって、前記主機能部が、前記パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が前記所定のしきい値を越える場合に、当該パワーMOS−FETに流れる電流を制限する電流制限部と、前記駆動スイッチを遮断またはチョッピングすることで前記パワーMOS−FETに流れる電流を制限する保護用論理回路とを備え、前記分流検出部が前記過電流を検出した場合に、当該検出結果に基づいて、前記保護用論理回路または電流制限部を通じて、前記パワーMOS−FETに流れる電流を制限する機能を有せしめられたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
<構成>
図1はこの発明の一の実施の形態に係る過電流制限回路を示すブロック図である。尚、この実施の形態においては、図5に示した従来技術3内の各要素と同等の機能を有する要素については同一符合を付している。
【0031】
この過電流制限回路は、図1の如く、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12のドレイン側の電流を、この第1のスイッチング素子12に並列に接続される分流回路45に分流させ、この分流した電流について、カレントミラー回路43によって、別の定電流源44からの定電流経路47に対してミラー比分だけ正確に流すようにし、さらに定電流経路47側の電圧降下の状態に応じて第1のスイッチング素子12を過電流状態から保護するようにしている。
【0032】
具体的に、この過電流制限回路は、従来技術3で説明した自己保護型の過電流保護機能部(以下「主機能部」と称す)40に加えて、第1のスイッチング素子12に並列に接続される分流回路45と、この分流回路45の下流側に接続されるカレントミラー回路43と、カレントミラー回路43の一端側を定電流経路47として当該定電流経路47に定電流を与える定電流源44とを備える。
【0033】
主機能部40は、当該主機能部40自身の内部における過電流及び過温度を検知して負荷11に対する駆動電流を調整するもので、従来技術3と同様、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12と、入力インターフェース回路15と、第2のスイッチング素子17と、保護用論理回路21と、チャージポンプ23と、電流制限部25と、ダイナミッククランプ回路27と、過電流検知回路29と、過温度検出回路31と、論理和回路33と、第3のスイッチング素子37とを備える。
【0034】
第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12は、パワーMOS−FET(電界効果型トランジスタ)が使用されて負荷11に対する駆動のオンオフ切替えを行うものである。
【0035】
入力インターフェース回路15は、負荷11の駆動について操作者がオンオフ切替操作を行うための操作スイッチ13のオンオフ状態を検知するものである。
【0036】
第2のスイッチング素子17は、MOS−FET(MOS型電界効果型トランジスタ)が使用されて入力インターフェース回路15が操作スイッチ13のオン状態を検知したときにオン状態となるものである。
【0037】
保護用論理回路21は、電源(+B)19からの給電を受けて動作するようになっており、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、これらの各回路29,31からの断続的な信号に基づいてチャージポンプ23を介し第1のスイッチング素子12のゲート電圧の供給を遮断または断続的に停止(チョッピング)して、負荷11に対する駆動電流Id及び温度を調整するものである。
【0038】
そして、この保護用論理回路21は、後述する分流検出部41から与えられた報知信号に基づいて負荷11の駆動電流に異常が発生したときにも、第1のスイッチング素子12のゲート電圧の供給を停止して、負荷11に対する駆動電流Idを遮断またはチョッピングするようになっている。
【0039】
チャージポンプ23は、第1のスイッチング素子12のゲートをそのソースよりも高電位に保つためNチャネルFET及び発振用コンデンサ等を用いて電源(+B)19の電圧を昇圧(例えば2倍)するものである。
【0040】
電流制限部25は、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下(図2中の横軸Vds)が所定のしきい値Th1を超えた場合に、ゲート−ソース間を断続的に短絡させて、当該ゲートへの入力電圧を低減させ、図2中の第1の電流制限曲線G3に示すように、第1のスイッチング素子12に流れる電流Idを低減させるものである。
【0041】
ダイナミッククランプ回路27は、サージ電流の発生時に負荷11に対する電流供給の遮断またはチョッピングを行った場合に負サージにより電圧の過低下を抑制するために第1のスイッチング素子12をオンにして過電流制限回路内の各部位を保護するためのものである。
【0042】
過電流検知回路29は、過電流を検知してその過電流が持続する間は保護用論理回路21に所定の信号を断続的に送信し続けるものである。
【0043】
過温度検出回路31は、過温度を検出してその過温度が持続する間は保護用論理回路21に所定の信号を断続的に送信し続けるものである。尚、この過温度検出回路31としては、過温度が解除された際の復帰にリセット信号が必要なラッチ型と、温度が低下した場合に再オン切り換えを行う自動復帰型とがあるが、いずれが適用されても差し支えない。
【0044】
論理和回路33は、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、その出力の論理和をとるものである。
【0045】
第3のスイッチング素子37は、具体的にはMOS−FET(MOS型電界効果型トランジスタ)が使用され、過電流検知回路29が過電流を検知しまたは過温度検出回路31が過温度を検出したときに、論理和回路33からの出力に基づいてオン状態となって、プルアップ抵抗35を利用して警告ランプ等の外部の警報装置(図示省略)にその旨を報知するものである。
【0046】
分流回路45は、第1のスイッチング素子12のソース側から所定の分流比の電流を分流させるものであり、負荷11の駆動スイッチとしての第1のスイッチング素子12に並列に接続されるセンスMOS−FET51と、このセンスMOS−FET51のソースと第1のスイッチング素子12のソースとが入力される差動アンプ(電圧調整手段)52と、この差動アンプ52からの出力をゲート電圧としてセンスMOS−FET51のソースからの電流をカレントミラー回路43に供給する電流調整用MOS−FET53とを備える。
【0047】
センスMOS−FET51は、各スイッチング素子12,17,37を構成するためのパワーMOS−FETの一部を区切って領域が割り当てられており、センスMOS−FET51の領域の第1のスイッチング素子12に対する面積比を所定の値に設定することにより、第1のスイッチング素子12に対するセンスMOS−FET51の分流比(例えば、1万分の1など)で、当該第1のスイッチング素子12のドレイン側の電流を分流するものである。また、センスMOS−FET51のドレインに接続される電源(+B)19は、第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12のドレインに接続される電源(+B)19と同一とされる。したがって、第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idが増減変化したときには、センスMOS−FET51に流れる電流(分流電流)I1も同等の比率で増減するようになっている。
【0048】
差動アンプ52は、センスMOS−FET51のソース電圧と、第1のスイッチング素子12のソース電圧との差分に応じて出力電圧を変化させるようになっており、第1のスイッチング素子12からの分流比が不安定に変化した場合に、電流調整用MOS−FET53のゲート電圧を調整することで、分流電流I1を調整するように機能する。
【0049】
電流調整用MOS−FET53は、上述のように、差動アンプ52からの出力がゲート電圧として与えられ、そのゲート電圧に応じて、センスMOS−FET51から入力される分流電流I1を調整するよう機能する。
【0050】
カレントミラー回路43は、互いに対称に形成された一対のMOS−FET(電界効果型トランジスタ)55a,55bに所定のミラー比(例えば1対1)の電流が流れることを利用して、分流回路45から流れ出た電流I1に対するミラー比分のミラー電流I2をMOS−FET55bに流すようになっている。
【0051】
定電流源44は、トランジスタを用いた吸い込み定電流方式または流し出し定電流方式や、定電流ダイオードを用いた方式や、あるいは3端子レギュレータによる方式など、一般に適用される既存の定電流源であれば、どのようなものが使用されても差し支えない。
【0052】
そして、カレントミラー回路43の定電流経路47側のMOS−FET55bのドレイン(P点)の電圧を検出して、第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idが過電流であるか否かを判断することにより、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限することが可能とされている。具体的には、MOS−FET55bのドレイン(P点)の電圧を、保護用論理回路21や電流制限部25に入力し、保護用論理回路21からチャージポンプ23を制御して第1のスイッチング素子12のチョッピング制御を行ったり、電流制限部25で第1のスイッチング素子12のゲート−ソース間を短絡させたりすることで、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限するようになっている。
【0053】
このように、分流回路45、カレントミラー回路43及び定電流源44は、電源19側から第1のスイッチング素子(駆動スイッチ)12に与えられる電流を分流して過電流を検出するための分流検出部として機能するものである。
【0054】
<動作>
次に、この過電流制限回路の動作を説明する。
【0055】
まず、操作者が操作スイッチ13でオンオフ切替操作を行ったときに、その操作スイッチ13のオンオフ状態を入力インターフェース回路15が検知する。入力インターフェース回路15が操作スイッチ13のオン状態を検知したときには、MOS−FETとしての第2のスイッチング素子17がオン状態となり、保護用論理回路21及びチャージポンプ23に電源(+B)19が投入されて動作する。
【0056】
この場合、チャージポンプ23は、第1のスイッチング素子12のゲートをそのソースよりも高電位に保つために電源(+B)19の電圧を昇圧(例えば2倍)する。
【0057】
この際、電流制限部25は、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下(図2中の横軸Vds)が所定のしきい値Th1を超えたか否かを判断し、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下がそのしきい値Th1を超えた場合に、その第1のスイッチング素子12のゲート−ソース間を断続的に短絡させて、当該ゲートへの入力電圧を低減させ、図2中の第1の電流制限曲線G3に示すように、第1のスイッチング素子12に流れる電流Idを低減させる。
【0058】
そして、過電流検知回路29は、所定の電流しきい値に基づいて所定の基準に従って過電流を検知し、過電流であった場合に、その旨の信号を保護用論理回路21に出力する。
【0059】
これと併行して、過温度検出回路31は、過温度か否かを検出し、過温度であった場合にその旨の信号を保護用論理回路21に出力する。
【0060】
保護用論理回路21は、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、チャージポンプ23を介して第1のスイッチング素子12のゲート電圧の供給を遮断または断続的に停止することで電流及び温度を調整する。
【0061】
ただし、負荷11に対してサージ電流が発生した場合に、負荷11に対する電流供給の遮断またはチョッピングを行った場合に負サージにより電圧の過低下を抑制するため、ダイナミッククランプ回路27は、負サージが発生している間だけ、第1のスイッチング素子12をオンにして過電流制限回路内の各部位を保護するよう機能する。
【0062】
そして、過電流検知回路29が過電流を検知し、または過温度検出回路31が過温度を検出したときに、その出力の論理和を論理和回路33が論理判断し、第3のスイッチング素子37をオン切り換えして、プルアップ抵抗35を利用して例えば警告ランプ等の外部の警告装置等(図示省略)にその旨を報知する。
【0063】
ところで、上述した動作において、電流制限部25での電圧Vds(第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下)に基づく駆動電流Idの制限は、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが所定のしきい値Th1を超えた場合にのみ実行される。しかしながら、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが所定のしきい値Th1を下回る(または以下の)場合には、上述したような電流制限部25での駆動電流Idの制限が実行されない。
【0064】
具体的に、図2は、図1の回路構造における第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vdsと駆動電流Idとの関係、及びその電流制限基準について示す図である。図2において、横軸は第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vdsを示しており、縦軸はそのドレイン−ソース間電圧Vdsに対する第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idを示している。即ち、図2中の破線G1(負荷理想線)は、第1のスイッチング素子12及び負荷11の耐久性等を考慮した場合の当該第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース電圧Vdsと駆動電流Idとの理想的な関係を示しており、また線G2(オン抵抗線)は、第1のスイッチング素子12のオン抵抗特性を示す線である。ここでは、基本的に、駆動電流Idが図2中のオン抵抗線G2を上回ることはないものとして説明する。
【0065】
ここで、第1のスイッチング素子12がオンした際のドレイン−ソース間電圧Vds及び駆動電流Idの安定点は、負荷理想線G1とオン抵抗線G2との交点Aとなる。即ち、第1のスイッチング素子12及び負荷11の耐久性等を考慮した場合、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vds及び駆動電流Idの値は、第1のスイッチング素子12のオン状態が維持されるのに伴って、点B(Vds=Vcc(例えば、12V),Id=0)から、負荷理想線G1に沿って矢印Qに示す方向に変化し、安定点Aに到達した時点で安定することが理想である。
【0066】
そして、上述のように、電流制限部25による駆動電流Idの制限について、は、図2中の第1の電流制限曲線G3で示されている。この第1の電流制限曲線G3は、上述したとおり、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが所定のしきい値Th1を超えた場合にのみ適用されるものであり、よって、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが所定のしきい値Th1を下回る(または以下の)場合は、電流制限部25は駆動電流Idを制限する機能を停止する。
【0067】
しかしながら、上述のように、理想的には、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vds及び駆動電流Idの値は、第1のスイッチング素子12のオン状態が維持されるのに伴って、点Bから負荷理想線G1に沿って矢印Qに示す方向に変化し、安定点Aに到達した時点で安定することが望ましい。即ち、第1のスイッチング素子12のオン時様態がある程度経過すると、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧Vdsは上述のしきい値Th1を下回る(または以下の)状態に移行することが望ましい。しかしながら、この時点では、上記したような電流制限部25の電圧Vdsに基づく電流制限が有効に機能しない事態が生じる。
【0068】
そこで、この実施の形態では、特にしきい値Th1未満(または以下)の場合に、分流回路45、定電流源44及びカレントミラー回路43によって検出される図1中のP点の電圧(定電流経路47側のMOS−FET55bのドレイン電圧)を検出し、この検出結果に基づいて、保護用論理回路21からチャージポンプ23を制御して第1のスイッチング素子12のチョッピング制御を行ったり、電流制限部25で第1のスイッチング素子12のゲート−ソース間を短絡させたりすることで、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限する。
【0069】
具体的に、第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idに応じて、所定の分流比に応じた分流電流I1がセンスMOS−FET51に流れる。この際、差動アンプ52は、センスMOS−FET51のソース電圧と、第1のスイッチング素子12のソース電圧との差分に応じて出力電圧を変化させながら、第1のスイッチング素子12からの分流比が不安定に変化した場合に、電流調整用MOS−FET53のゲート電圧を調整する。そして、電流調整用MOS−FET53は、差動アンプ52からの出力がゲート電圧として与えられ、そのゲート電圧に応じて、センスMOS−FET51から入力される分流電流I1を調整する。
【0070】
この分流電流I1は、カレントミラー回路43の一方のMOS−FET55aに与えられる。
【0071】
このとき、定電流経路47側の他方のMOS−FET55bには、分流電流I1に対して予め設定されたミラー比分のミラー電流I2が流れる。
【0072】
ところで、定電流経路47の上流の定電流源44は、一定電流容量しかないため、仮にミラー電流I2が過電流であった場合、この過電流状態で他方のMOS−FET55bが大きなミラー電流I2を流そうとすると、他方のMOS−FET55bのドレイン電圧(P点の電圧)は+B電圧から降下することになる。
【0073】
このため、他方のMOS−FET55bのドレイン電圧を観測していれば、分流電流I1の過電流状態を検出することができ、ひいては第1のスイッチング素子12及び負荷11に流れる過電流Idを検出することが可能である。
【0074】
このP点の電圧を用いて、第1のスイッチング素子12に流れる駆動電流Idが過電流であるか否かを判断することにより、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限することが可能とされている。具体的には、MOS−FET55bのドレイン(P点)の電圧を、保護用論理回路21や電流制限部25に入力し、保護用論理回路21からチャージポンプ23を制御して第1のスイッチング素子12のチョッピング制御を行ったり、電流制限部25で第1のスイッチング素子12のゲート−ソース間を短絡させたりすることで、第1のスイッチング素子12の過電流Idを制限する。
【0075】
図2中の曲線(第2の電流制限曲線)G4は、P点の電圧の検出結果に基づく過電流Idの制御曲線を示している。この場合、保護用論理回路21や電流制限部25において、P点の電圧と第1のスイッチング素子12における駆動電流Idとの関係を予めデータとして保有するようにしており、図2中の第2の電流制限曲線G4が、理想的な安定点であるA点を通り、負荷理想線G1より高い駆動電流Idを実現し、且つオン抵抗線G2より低い駆動電流Idを実現するように設定されている。
【0076】
このように、この実施の形態では、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsによる電流制限部25での電流制限の他に、分流回路45、カレントミラー回路43及び定電流源44によって検出されたP点の電圧に基づいて、従来技術3では検出できなかった比較的低い電圧Vdsの領域についても電流制限を実行するようにしているので、第1のスイッチング素子12及び負荷11について適正に過電流制限を行うことができる。
【0077】
尚、第2の電流制限曲線G4での電流制限だけでは、逆に第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsが大きい場合には、第1のスイッチング素子12に大電流が流れるおそれがあるため、上述のように、従来技術3で実行していた電圧Vdsにより電流制限部25での電流制限と併せて、特に電圧Vdsが上述のしきい値Th1以下の場合に実行するのが有効である。この場合、第1のスイッチング素子12のドレイン−ソース間の電圧降下Vdsがしきい値Th1を越えている際には、分流回路45、カレントミラー回路43及び定電流源44によって検出されたP点の電圧に基づく電流制限を続行してもよいし、あるいは停止してもよい。
【0078】
【発明の効果】
請求項1及び請求項4に記載の発明によれば、駆動スイッチとしてのパワーMOS−FETのオンオフ動作により所定の負荷に対する駆動電流のオンオフ切替えを行うにあたって、電源側から駆動スイッチに与えられる電流を分流して過電流を検出し、この過電流に基づいて、パワーMOS−FETに流れる電流を制限するので、従来技術3では検出できなかった比較的低い電圧の領域についても電流制限を実行することができる。したがって、駆動スイッチ及び負荷について適正に過電流制限を行うことができる。
【0079】
この場合、請求項2のように、パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が所定のしきい値を越える場合に、当該パワーMOS−FETに流れる電流を併せて制限すると、より一層精度良く過電流を制限できる。
【0080】
請求項3に記載の発明によれば、分流回路で分流された分流電流がカレントミラー回路の一方側に与えられると、この分流電流に対して予め設定されたミラー比分のミラー電流が他方側に流れる。この他方側の経路においては、定電流源が一定電流容量しか持たないことから、仮にミラー電流が過電流であった場合、この過電流状態で定電流源が大きなミラー電流を流そうとすると、その経路中の検出点が降下せざるを得ないため、この検出点の電圧に基づいて分流電流の過電流状態を検出することができ、ひいては駆動スイッチ及び負荷に流れる過電流を容易に検出することが可能である。
【0081】
そして、請求項3に記載の発明のように、分流回路において、駆動スイッチに並列に接続されるパワーMOS−FETを含めれば、一対のパワーMOS−FETの面積比等により容易に分流比を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態に係る過電流制限回路を示すブロック図である。
【図2】第1のスイッチング素子のドレイン−ソース間電圧と駆動電流との関係、及びその電流制限基準について示す図である。
【図3】従来技術1に係る過電流制限回路を示すブロック図である。
【図4】従来技術3に係る過電流制限回路を示すブロック図である。
【図5】従来技術3に係る過電流制限回路のIPDを示すブロック図である。
【符号の説明】
11 負荷
12 スイッチング素子
21 保護用論理回路
23 チャージポンプ
25 電流制限部
27 ダイナミッククランプ回路
29 過電流検知回路
31 過温度検出回路
33 論理和回路
40 主機能部
41 分流検出部
43 カレントミラー回路
44 定電流源
45 分流回路
47 定電流経路
I1 分流電流
I2 ミラー電流
Id 駆動電流
Vds ドレイン−ソース間電圧
Claims (4)
- 駆動スイッチとしてのパワーMOS−FETのオンオフ動作により所定の負荷に対する駆動電流をオンとオフとの間で切り換えるとともに、当該パワーMOS−FETを駆動し且つ過電流を保護する主機能部と、
電源側から前記駆動スイッチに与えられる電流を分流して過電流を検出するための分流検出部と
を備え、
前記主機能部が、少なくとも前記パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が所定のしきい値未満である場合に、前記分流検出部で検出された過電流に基づいて、前記パワーMOS−FETに流れる電流を制限する機能を有せしめられた過電流制限回路。 - 請求項1に記載の過電流制限回路であって、
前記主機能部が、前記パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が所定のしきい値を越える場合に、当該パワーMOS−FETに流れる電流をチョッピングにより制限する機能をさらに有せしめられた過電流制限回路。 - 請求項1または請求項2に記載の過電流制限回路であって、
前記分流検出部が、
前記駆動スイッチに電源側から与えられる電流を所定の分流比で分流する分流回路と、
一方の経路に、前記分流回路で分流された分流電流が流れるとともに、他方の経路において、前記分流電流に対する所定のミラー比のミラー電流を得るカレントミラー回路と、
前記カレントミラー回路の前記他方の経路に設置される定電流源と
を備え、
前記分流回路が、
前記駆動スイッチに対してゲート及びドレインがそれぞれ共通に接続されたセンスMOS−FETと、
前記センスMOS−FETのソース電圧及び前記駆動スイッチのソース電圧が入力される差動アンプと
を備え、
前記分流検出部における前記過電流の検出点が、前記他方の経路の定電流源とカレントミラー回路との接続中間点に設定されたことを特徴とする過電流制限回路。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の過電流制限回路であって、
前記主機能部が、
前記パワーMOS−FETのドレインとソースの間の電圧が前記所定のしきい値を越える場合に、当該パワーMOS−FETに流れる電流を制限する電流制限部と、
前記駆動スイッチを遮断またはチョッピングすることで前記パワーMOS−FETに流れる電流を制限する保護用論理回路と
を備え、
前記分流検出部が前記過電流を検出した場合に、当該検出結果に基づいて、前記保護用論理回路または電流制限部を通じて、前記パワーMOS−FETに流れる電流を制限する機能を有せしめられた過電流制限回路。
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