JP6163700B2 - タンパク質間相互作用の検出方法 - Google Patents
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Description
(1) 第1のタンパク質と第2のタンパク質との相互作用を検出するための方法であって、
第1のタンパク質及び会合誘導タンパク質を含む第1の融合タンパク質と、第2のタンパク質及び多量化能を有する蛍光タンパク質を含む第2の融合タンパク質とを細胞内に発現させる工程と、
前記細胞内における第1の融合タンパク質と第2の融合タンパク質との会合により生じる蛍光輝点を検出する工程と、
前記蛍光輝点の検出により、第1のタンパク質と第2のタンパク質との相互作用を判定する工程と、
を含み、
前記会合誘導タンパク質が、p62のPB1ドメイン、TFGのPB1ドメイン、PKCiotaのPB1ドメイン、TELのSAMドメイン、DGKdeltaのSAMドメイン及びTankyrase−1のSAMドメインからなる群から選択される少なくとも一のタンパク質であり、かつ
前記蛍光輝点が、拡散状態で存在している前記多量化能を有する蛍光タンパク質の蛍光強度よりも高い蛍光強度を有する、0.2〜5μmの領域である、方法。
(2) 前記相互作用の発生若しくは消失、該相互作用の発生若しくは消失するまでの時間、又は該相互作用の持続時間を検出するために、前記蛍光輝点を検出する、(1)に記載の方法。
(3) 特定の刺激に応答する前記相互作用の発生若しくは消失、該相互作用の発生若しくは消失するまでの時間、又は該相互作用の持続時間を検出するために、前記蛍光輝点を検出する、(1)に記載の方法。
(4) 特定のタンパク質と相互作用するタンパク質をスクリーニングするための方法であって、第1のタンパク質及び第2のタンパク質のいずれか一方が該特定のタンパク質であり、他方が被検タンパク質であり、前記蛍光輝点の検出により、該特定のタンパク質と相互作用するタンパク質を選択する、(1)〜(3)のうちのいずれか一に記載の方法。
(5) 前記相互作用に関与する第1のタンパク質中のアミノ酸残基又は第2のタンパク質中のアミノ酸残基を同定するための方法であって、該第1のタンパク質及び該第2のタンパク質のいずれかに変異が導入されたタンパク質を用い、前記蛍光輝点の蛍光強度が、変異が導入されていないタンパク質を用いた場合と比較して減弱した場合は、該変異が導入されたアミノ酸残基を前記相互作用に関与すると判定する、(1)〜(3)のうちのいずれか一に記載の方法。
(6) 第1のタンパク質と第2のタンパク質との相互作用を調節する物質をスクリーニングするための方法であって、
被検化合物存在下で、第1のタンパク質及び会合誘導タンパク質を含む第1の融合タンパク質と、第2のタンパク質及び多量化能を有する蛍光タンパク質を含む第2の融合タンパク質とを細胞内に発現させる工程と、
前記細胞内において第1の融合タンパク質と第2の融合タンパク質との会合により生じる蛍光輝点を検出する工程と、
前記蛍光輝点の蛍光強度が前記被検化合物の非存在下において生じる蛍光輝点の蛍光強度より増大する場合は、前記被検化合物を前記相互作用の誘導物質として選択し、前記蛍光輝点の蛍光強度が前記被検化合物の非存在下において生じる蛍光輝点の蛍光強度より減弱する場合は、前記被検化合物を前記相互作用の抑制物質として選択する工程と、
を含み、
前記会合誘導タンパク質が、p62のPB1ドメイン、TFGのPB1ドメイン、PKCiotaのPB1ドメイン、TELのSAMドメイン、DGKdeltaのSAMドメイン及びTankyrase−1のSAMドメインからなる群から選択される少なくとも一のタンパク質であり、かつ
前記蛍光輝点が、拡散状態で存在している前記多量化能を有する蛍光タンパク質の蛍光強度よりも高い蛍光強度を有する、0.2〜5μmの領域である、方法。
(7) 会合誘導タンパク質をスクリーニングするための方法であって、
(a)被検タンパク質及びmAG1を含む融合蛋白質を細胞内に発現させる工程と、
(b)前記被検タンパク質及び多量化能を有する蛍光タンパク質を含む融合蛋白質を細胞内に発現させる工程と、
(c)(a)に記載の工程においては蛍光輝点が検出されず、(b)に記載の工程においては蛍光輝点が検出された場合に、前記被検タンパク質を会合誘導タンパク質として選択する工程と、
を含み、かつ
前記蛍光輝点が、拡散状態で存在している前記多量化能を有する蛍光タンパク質の蛍光強度よりも高い蛍光強度を有する、0.2〜5μmの領域である、方法。
(8) 前記多量化能を有する蛍光タンパク質が、monomeric Kusabira−Orange2、Azami−Green、Kusabira−Orange1、dimeric Keima−Red、Kikume Green−Red、monomeric Keima−Red、monomeric Midoriishi−Cyan1、monomeric Kusabira−Orange1、monomeric Kikume Green−Red1、Midoriishi−Cyan1、Kusabira−Cyan1、dimeric Azami−Green(AB)、dimeric Azami−Green(AC)、TGuv、Momiji、COR3.01、COR5及びDsRed2からなる群から選択される少なくとも一の蛍光タンパク質である、(1)〜(7)のうちのいずれか一に記載の方法。
(9) 下記(a)及び(b)、又は(c)と、使用説明書とを含み、(1)〜(8)のうちのいずれか一に記載の方法に用いられるためのキット
(a)会合誘導タンパク質をコードするDNAと、該会合誘導タンパク質と融合して発現されるように、任意のタンパク質をコードするDNAの挿入を可能にするクローニング部位とを含むベクター、又は第1の融合タンパク質をコードするベクター
(b)多量化能を有する蛍光タンパク質をコードするDNAと、該蛍光タンパク質と融合して発現されるように、任意のタンパク質をコードするDNAの挿入を可能にするクローニング部位とを含むベクター、又は第2の融合タンパク質をコードするベクター
(c)第1の融合タンパク質をコードするベクターと第2の融合タンパク質をコードするベクターとを保持する形質転換細胞。
本発明のタンパク質間相互作用を検出するための方法は、
第1のタンパク質と第2のタンパク質との相互作用を検出するための方法であって、
第1のタンパク質及び会合誘導タンパク質を含む第1の融合タンパク質と、第2のタンパク質及び多量化能を有する蛍光タンパク質を含む第2の融合タンパク質とを細胞内に発現させる工程と、
前記細胞内における第1の融合タンパク質と第2の融合タンパク質との会合により生じる蛍光輝点を検出する工程と、
前記蛍光輝点の検出により、第1のタンパク質と第2のタンパク質との相互作用を判定する工程と、
を含む方法である。
本発明にかかる会合誘導タンパク質は、後述の実施例において示す通り、下記(a)〜(c)に記載の工程を含むスクリーニング方法によって選択することができる
(a)被検タンパク質及びmAG1を含む融合蛋白質を細胞内に発現させる工程
(b)前記被検タンパク質及び多量化能を有する蛍光タンパク質を含む融合蛋白質を細胞内に発現させる工程
(c)(a)に記載の工程においては蛍光輝点が検出されず、(b)に記載の工程においては蛍光輝点が検出された場合に、前記被検タンパク質を会合誘導タンパク質として選択する工程。
後述の実施例、特に実施例12において示す通り、本発明の方法は、本発明にかかる蛍光輝点の存在又は非存在を指標として、タンパク質間相互作用の発生のみならず、タンパク質間相互作用の消失を検出することができる。また、実施例19、24〜28等において示す通り、かかるタンパク質間相互作用の発生等を経時的に追跡することもできる。さらに、実施例20〜22等において示す通り、会合誘導タンパク質や多量化能を有する蛍光タンパク質の局在等に影響を受けることなく、本発明においては細胞内の任意の領域においてタンパク質間相互作用を検出することもできる。
後述の実施例、特に実施例30において示す通り、本発明においては、任意のタンパク質間相互作用を検出することができる。従って、本発明は、特定のタンパク質と相互作用するタンパク質をスクリーニングするための方法であって、第1のタンパク質及び第2のタンパク質のいずれか一方を該特定のタンパク質とし、他方を被検タンパク質とすることにより、本発明にかかる蛍光輝点の検出により、該特定のタンパク質と相互作用するタンパク質を選択する方法を提供することができる。
後述の実施例に示す通り、本発明において、蛍光輝点の蛍光強度とタンパク質間相互作用の強弱とは相関するものである。従って、本発明によれば、タンパク質相互作用に関与する第1のタンパク質中のアミノ酸残基又は第2のタンパク質中のアミノ酸残基を同定するための方法であって、該第1のタンパク質及び該第2のタンパク質のいずれかに変異が導入されたタンパク質を用い、前記蛍光輝点の強度が、変異が導入されていないタンパク質を用いた場合と比較して減弱した場合は、該変異が導入されたアミノ酸残基を前記相互作用に関与すると判定する方法を提供することができる。
前述の通り、本発明の方法において、蛍光輝点の蛍光強度を指標として、タンパク質間相互作用の強弱を把握することができる。従って、本発明によれば、被検化合物存在下で、第1のタンパク質及び会合誘導タンパク質を含む第1の融合タンパク質と、第2のタンパク質及び多量化能を有する蛍光タンパク質を含む第2の融合タンパク質とを細胞内に発現させる工程と、
前記細胞内において第1の融合タンパク質と第2の融合タンパク質との会合により生じる蛍光輝点を検出する工程と、
前記蛍光輝点の強度が前記被検化合物の非存在下において生じる蛍光輝点の強度より増大する場合は、前記被検化合物を前記相互作用の誘導物質として選択し、前記蛍光輝点の強度が前記被検化合物の非存在下において生じる蛍光輝点の強度より減弱する場合は、前記被検化合物を前記相互作用の抑制物質として選択する工程と、
を含む方法を提供することができる。
本発明は、上記方法に用いられるためのキットを提供することができる。本発明のキットは、下記(a)〜(j)からなる群から選択される少なくとも一の物質及び使用説明書を含むキットである。
(b)多量化能を有する蛍光タンパク質をコードするDNAと、該蛍光タンパク質と融合して発現されるように、任意のタンパク質をコードするDNAの挿入を可能にするクローニング部位とを含むベクター
(c)mAG1をコードするDNAと、該蛍光タンパク質と融合して発現されるように、任意のタンパク質をコードするDNAの挿入を可能にするクローニング部位とを含むベクター
(d)第1の融合タンパク質をコードするベクター
(e)第2の融合タンパク質をコードするベクター
(f)(a)又は(d)に記載のベクター及び(b)又は(e)に記載のベクターを含むベクターセット
(g)(b)に記載のベクター及び(c)に記載のベクターを含むベクターセット
(h)第1の融合タンパク質をコードするベクターを保持する形質転換細胞
(i)第2の融合タンパク質をコードするベクターを保持する形質転換細胞
(j)第1の融合タンパク質をコードするベクターと第2の融合タンパク質をコードするベクターとを保持する形質転換細胞。
<会合誘導タンパク質のスクリーニング1>
タンパク質間相互作用を検出するための系を構築するにあたり、図1及び図2に記載の概念に基づき、図3及び図4に記載の方法にて、本発明にかかる「会合誘導タンパク質」として機能するタンパク質の探索を行った。すなわち、単量体アザミグリーン1(monomeric Azami Green 1、mAG1)と融合させた場合には細胞内にて拡散して存在し(図4 参照)、一方、多量化能を有する蛍光タンパク質と融合させた場合には細胞内にて蛍光輝点(会合体)を形成できるタンパク質(図3 参照)のスクリーニングを行った。
mAG1を融合するためのプラスミドDNAとして、phmAG1−MCLinker(Amalgaam有限会社製)を用いた。
hAGフォワードプライマー1;5’−CTAGCTAGCATTGCCACCATGGTGAGCGTGATCAAGCCCGAG−3’ (配列番号:57)
hAGリバースプライマー1;5’−ACTACCGGTCTTGGCCTGGCTGGGCAGCATGCTGTACC−3’ (配列番号:58)
そして、得られた増幅産物をNheIとAgeIにて切断し、同じ制限酵素にて処理したphmAG1−MCLinkerに挿入することにより、phAG−MCLinkerを作製した。
p62(PB1)フォワードプライマー1;5’−AAGAATTCGATGGCGTCGCTCACCGTGAAGGCCTACCTTCTGGGC−3’ (配列番号:59)
p62(PB1)リバースプライマー1;5’−AATTGGCGGCCGCTTATTTCTCTTTAATGTAGATTCGGAAGATGTC−3’ (配列番号:60)
そして、得られた増幅産物をEcoRIとNotIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphAG−MCLinker及びphmAG1−MCLinkerに挿入することにより、phAG−p62(PB1)及びphmAG1−p62(PB1)を各々作製した。
phAG−p62(PB1)及びphmAG1−p62(PB1)を導入する培養細胞としてHeLaS3細胞を用いた。なお、HeLaS3細胞は、10%FBS(EQUITECH社製)を含有するDMEM低グルコース(DMEM Low glucose、SIGMA ALDRICH社製)にて培養した。また、かかるHeLaS3細胞を遺伝子導入の前日に35mmガラスベースディッシュ(旭硝子社製)に播種した。そして、遺伝子導入の際には、OptiMEM(Life Technologies社製)にphAG−p62(PB1)又はphmAG1−p62(PB1)1μgを希釈し、ポリフェクト(登録商標)トランスフェクション試薬(PolyFect(R)Transfection Reagent、QIAGEN社製)を10μl添加し、攪拌した。次いで、さらに培養液600μlと混合した後、HeLaS3細胞に添加し、22時間後に観察した。
遺伝子導入処理を施したHeLaS3細胞は、ハンクス平衡塩液(Hanks’Balanced Salt Solutions、Life Technologies社製)及び20mM HEPES(同仁化学社製)からなるpH7.4緩衝液中にて、IX−71倒立顕微鏡(オリンパス社製)、U−MGFPHQフィルター(オリンパス社製)、ORCA−ERデジタルカメラ(浜松ホトニクス社製)を用いて観察した。
<タンパク質間相互作用の検出1>
p62のPB1ドメインが、本発明にかかる会合誘導タンパク質として好適に用いることができることを実証するため、すなわち図1及び2に記載のモデルにp62のPB1ドメインが適用できることを実証するため、薬剤添加により相互作用を誘発することが可能なタンパク質を用いて、以下に示す方法にて試験した。得られた結果を図6〜8に示す。
AGを融合するためのプラスミド(phAG−MNLinker)の作製においては、先ずコドンをヒト化したAzami Green(AG)遺伝子を下記プライマーセットを用いて、phAG−MCLinkerを鋳型としてPCRにて増幅した
hAGフォワードプライマー2;5’−GGACCGGTATGGTGAGCGTGATCAAGCCCGAG−3’ (配列番号:61)
hAGリバースプライマー2;5’−TTTCTAGATCACTTGGCCTGGCTGGGCAGCATGC−3’ (配列番号:62)
そして、得られた増幅産物をAgeIとXbaIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MNLinker(Amalgaam有限会社製)に挿入することにより、phAG−MNLinkerを作製した。
p62(PB1)フォワードプライマー2;5’−GGGACCGGTATGGCGTCGCTCACCGTGAAGGCCTACCTTC−3’ (配列番号:63)
p62(PB1)リバースプライマー2;5’−ACCTCTAGATTATTTCTCTTTAATGTAGATTCGGAAGATG−3’ (配列番号:64)
そして、得られた増幅産物をAgeIとXbaIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MNLinkerに挿入することにより、pp62(PB1)−MNLinkerを作製した。
p62(PB1)フォワードプライマー3;5’−TAGCGCTAGCATTGCCACCATGGCGTCGCTCACCGTGAAGGCCTACCTTC−3’ (配列番号:65)
p62(PB1)リバースプライマー3;5’−AAAACCGGTTTTCTCTTTAATGTAGATTCGGAAGATG−3’ (配列番号:66)
そして、得られた増幅産物をNheIとAgeIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MCLinkerに挿入することにより、pp62(PB1)−MCLinkerを作製した。
mTOR(FRB)フォワードプライマー;5’−GCCGAATTCGGCCACCATGGAGATGTGGCATGAAGGCCTGGAAGAGGCATCTCG−3’ (配列番号:67)
mTOR(FRB)リバースプライマー;5’−GGGCTCGAGCCCTGCTTTGAGATTCGTCGGAACACATGATAATAGAGGTCCC−3’ (配列番号:68)
そして、得られた増幅産物をEcoRIとXhoIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphAG−MNLinkerに挿入することにより、pmTOR(FRB domain)−hAGを作製した。なお、pmTOR(FRB domain)−hAGは、mTOR(FRB)とAGタンパク質とからなる融合タンパク質(「mTOR(FRB)−AG」とも称する)をコードしている。
FKBP12フォワードプライマー;5’−GCCGAATTCGATGGGAGTGCAGGTGGAAACC−3’ (配列番号:69)
FKBP12リバースプライマー;5’−GGGCTCGAGTTATTCCAGTTTTAGAAGCTCCA−3’ (配列番号:70)
そして、得られた増幅産物をEcoRIとXhoIにて切断し、同じ制限酵素で処理したpp62(PB1)−MCLinkerに挿入することにより、pp62(PB1)−FKBP12を作製した。なお、pp62(PB1)−FKBP12は、p62(PB1)とFKBP12タンパク質とからなる融合タンパク質(「p62(PB1)−FKBP12」とも称する)をコードする。
下記プラスミドDNAの組み合わせにて等量混合したものを、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、HeLaS3細胞に各々導入した
pmTOR(FRB domain)−hAGとpp62(PB1)−FKBP12との組み合わせ
phAG−FKBP12とpmTOR(FRB domain)−p62(PB1)との組み合わせ
phmAG1−FKBP12とpmTOR(FRB domain)−p62(PB1)との組み合わせ
また、遺伝子導入細胞の観察も実施例1に記載の方法と同様の方法にて行った。そして、100nM rapamycin(メルク社製)添加前と添加300秒後に蛍光画像を撮影した。
<タンパク質間相互作用の検出2>
図1及び2に記載のモデルにp62のPB1ドメインが適用できることを実証するため、前記mTORのFRBドメインとFKBP12とを用いて、以下に示す方法にて試験した。得られた結果を図9〜11に示す。
下記プラスミドDNAの組み合わせにて等量混合したものを、実施例2に記載の方法と同様の方法にて、HeLaS3細胞に各々導入した。そして、100nM rapamycin(メルク社製)添加前と添加300秒後に蛍光画像を撮影した。
pmTOR(FRB domain)−hmAG1とpp62(PB1)−FKBP12との組み合わせ
pmTOR(FRB domain)−hAGとpp62(PB1_nc)−FKBP12との組み合わせ。
pmTOR(FRB domain)−hmAG1は、実施例2に記載の方法と同様の方法にて、pmTOR(FRB domain)−hAGから、hAGをコードするDNAを切り出して、代わりにhmAG1をコードするDNAを挿入することにより、調製した。
<会合誘導タンパク質のスクリーニング2>
p62(PB1)と同様の性質を有する会合誘導タンパク質を見出すために、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、スクリーニングを行った。
各タンパク質由来のPB1ドメイン又はSAMドメインを、蛍光タンパク質のC末端側にフレキシブルリンカーを介して融合させて発現させるべく、mAG1を融合するためのプラスミドとしてphmAG1−MCLinkerを用い、AGを融合するためのプラスミドとしてphAG−MCLinkerを用いた。
MEK5(PB1)フォワードプライマー;5’−CCGAATTCGGTGCTGGTAATTCGCATCAAGATCCCAAA−3’ (配列番号:71)
MEK5(PB1)リバースプライマー;5’−TTCTCGAGTTAGCAGGCTCTTGGAAATATCTGCAG−3’ (配列番号:72)
そして、得られた増幅産物をEcoRIとXhoIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MCLinker及びphAG−MCLinkerに挿入することにより、phmAG1−MEK5(PB1)及びphAG−MEK5(PB1)を各々作製した。なお、これらプラスミドDNAは各々、mAG1タンパク質とMEK5(PB1)とからなる融合タンパク質(「mAG1−MEK5(PB1)」とも称する)及びAGタンパク質とMEK5(PB1)とからなる融合タンパク質(「AG−MEK5(PB1)」とも称する)をコードしている。
Nbr1(PB1)フォワードプライマー;5’−AAGAATTCGGCAGGTTACTCTAAATGTGACTTTTAAA−3’ (配列番号:73)
Nbr1(PB1)リバースプライマー;5’−TTCTCGAGTTACCCTTCGTGGACTTGCATCTGCAGTT−3’ (配列番号:74)
そして、得られた増幅産物をEcoRIとXhoIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MCLinker及びphAG−MCLinkerに挿入することにより、phmAG1−Nbr1(PB1)及びphAG−Nbr1(PB1)を各々作製した。なお、これらプラスミドDNAは各々、mAG1タンパク質とNbr1(PB1)とからなる融合タンパク質(「mAG1−Nbr1(PB1)」とも称する)及びAGタンパク質とNbr1(PB1)とからなる融合タンパク質(「AG−Nbr1(PB1)」とも称する)をコードしている。
PKCiota(PB1)フォワードプライマー;5’−AAGAATTCGCAGGTCCGGGTGAAAGCCTACTACCGCG−3’
(配列番号:75)
PKCiota(PB1)リバースプライマー18;5’−TTCTCGAGTTAACAAGGGAACACATGAATCAAGAGTTCAG−3’ (配列番号:76)
そして、得られた増幅産物をEcoRIとXhoIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MCLinker及びphAG−MCLinkerに挿入することにより、phmAG1−PKCiota(PB1)及びphAG−PKCiota(PB1)を各々作製した。なお、これらプラスミドDNAは各々、mAG1タンパク質とPKCiota(PB1)とからなる融合タンパク質(「mAG1−PKCiota(PB1)」とも称する)及びAGタンパク質とPKCiota(PB1)とからなる融合タンパク質(「AG−PKCiota(PB1)」とも称する)をコードしている。
TFG(PB1)フォワードプライマー1;5’−AACTGCAGCAAAGCTAATCATCAAAGCTCAACTTGGGGA−3’ (配列番号:77)
TFG(PB1)リバースプライマー1;5’−TTAAGCTTTTAATTAACAAATAATGTCAGTTTCAGTAT−3’ (配列番号:78)
そして、得られた増幅産物をPstIとHindIIIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MCLinker及びphAG−MCLinkerに挿入することにより、phmAG1−TFG(PB1)及びphAG−TFG(PB1)を各々作製した。なお、これらプラスミドDNAは各々、mAG1タンパク質とTFG(PB1)とからなる融合タンパク質(「mAG1−TFG(PB1)」とも称する)及びAGタンパク質とTFG(PB1)とからなる融合タンパク質(「AG−TFG(PB1)」とも称する)をコードしている。
TEL(SAM)フォワードプライマー;5’−AAAAGGATCCGCCACCATGCCTCGAGCGCTCAGGATGGAGGAA−3’ (配列番号:79)
TEL(SAM)リバースプライマー;5’−AAAAAAGCTTTTACCTCTGCTTCAGAATATGCTGAAGGAGTT−3’ (配列番号:80)
そして、得られた増幅産物をBamHIとHindIIIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MCLinker及びphAG−MCLinkerに挿入することにより、phmAG1−TEL(SAM)及びphAG−TEL(SAM)を各々作製した。なお、これらプラスミドDNAは各々、mAG1タンパク質とTEL(SAM)とからなる融合タンパク質(「mAG1−TEL(SAM)」とも称する)及びAGタンパク質とTEL(SAM)とからなる融合タンパク質(「AG−TEL(SAM)」とも称する)をコードしている。
EphB2(SAM)フォワードプライマー;5’−AAAAGGATCCGCCACCATGCTGGACCGCACGATCCCCGA−3’ (配列番号:81)
EphB2(SAM)リバースプライマー;5’−AAAAAAGCTTTTAAATCTGGTTCATCTGCGCCCG−3’ (配列番号:82)
そして、得られた増幅産物をBamHIとHindIIIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MCLinker及びphAG−MCLinkerに挿入することにより、phmAG1−EphB2(SAM)及びphAG−EphB2(SAM)を各々作製した。なお、これらプラスミドDNAは各々、mAG1タンパク質とEphB2(SAM)とからなる融合タンパク質(「mAG1−EphB2(SAM)」とも称する)及びAGタンパク質とEphB2(SAM)とからなる融合タンパク質(「AG−EphB2(SAM)」とも称する)をコードしている。
DGKdelta(SAM)フォワードプライマー;5’−AAAAGGTACCGCCACCATGCCGGTTCACCTCTGGGGGACA−3’ (配列番号:83)
DGKdelta(SAM)リバースプライマー;5’−AAAAAAGCTTTTAGCTGCGGCTCAGCTCCTTGAT−3’ (配列番号:84)
そして、得られた増幅産物をKpnIとHindIIIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MCLinker及びphAG−MCLinkerに挿入することにより、phmAG1−DGKdelta(SAM)及びphAG−DGKdelta(SAM)を各々作製した。なお、これらプラスミドDNAは各々、mAG1タンパク質とDGKdelta(SAM)とからなる融合タンパク質(「mAG1−DGKdelta(SAM)」とも称する)及びAGタンパク質とDGKdelta(SAM)とからなる融合タンパク質(「AG−DGKdelta(SAM)」とも称する)をコードしている。
Tankyrase(SAM)フォワードプライマー;5’−AAAAGGATCCGCCACCATGCTGATAGATGCCATGCCCCCAGA−3’ (配列番号:85)
Tankyrase(SAM)リバースプライマー;5’−AAAAAAGCTTTTAAATTCGAATGACATTGTATCTGTTGAAGA−3’ (配列番号:86)
そして、得られた増幅産物をBamHIとHindIIIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphmAG1−MCLinker及びphAG−MCLinkerに挿入することにより、phmAG1−Tankyrase(SAM)及びphAG−Tankyrase(SAM)を各々作製した。なお、これらプラスミドDNAは各々、mAG1タンパク質とTankyrase(SAM)とからなる融合タンパク質(「mAG1−Tankyrase(SAM)」とも称する)及びAGタンパク質とTankyrase(SAM)とからなる融合タンパク質(「AG−Tankyrase(SAM)」とも称する)をコードしている。
プラスミドDNAは、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、HeLaS3細胞に各々導入した。また、遺伝子導入細胞の観察も実施例1に記載の方法と同様の方法にて行った。
<タンパク質間相互作用の検出3>
実施例4において選択した会合誘導タンパク質が、本発明のタンパク質間相互作用の検出方法に好適に用いることができることを実証するため、以下に示す実施例2に記載の方法と同様の方法にて試験した。得られた結果を図16に示す。
pFKBP12−TFG(PB1)の作製においては、先ずTFG(PB1)遺伝子をphAG−TFG(PB1)から下記プライマーセットを用いて、PCRにて増幅した
TFG(PB1)フォワードプライマー2;5’−AAACCGGTAAGCTAATCATCAAAGCTCAACTT−3’ (配列番号:87)
TFG(PB1)リバースプライマー2;5’−TTTCTAGATTAATTAACAAATAATGTCAGTTTCAGTAT−3’ (配列番号:88)
そして、得られた増幅産物をAgeIとXbaIにて切断し、同じ制限酵素で処理してp62(PB1)領域を切り出したpFKBP12−p62(PB1)に挿入することにより、pFKBP12−TFG(PB1)を作製した。なお、pFKBP12−TFG(PB1)はFKBP12タンパク質とTFG(PB1)とからなる融合タンパク質(「FKBP12−TFG(PB1)」とも称する)をコードしている。
TEL(SAM)リバースプライマー2;5’−AAAATCTAGATTACCTCTGCTTCAGAATATGCTGAAGGAGTT−3’ (配列番号:90)
そして、得られた増幅産物をAgeIとXbaIにて切断し、同じ制限酵素で処理してp62(PB1)領域を切り出したpFKBP12−p62(PB1)に挿入することにより、pFKBP12−TEL(SAM)を作製した。なお、pFKBP12−TEL(SAM)はFKBP12タンパク質とTEL(SAM)とからなる融合タンパク質(「FKBP12−TEL(SAM)」とも称する)をコードしている。
DGKdelta(SAM)フォワードプライマー2;5’−AAAAACCGGTCCGGTTCACCTCTGGGGGACAGA−3’ (配列番号:91)
DGKdelta(SAM)リバースプライマー2;5’−AAAATCTAGATTAGCTGCGGCTCAGCTCCTTGAT−3’ (配列番号:92)
そして、得られた増幅産物をAgeIとXbaIにて切断し、同じ制限酵素で処理してp62(PB1)領域を切り出したpFKBP12−p62(PB1)に挿入することにより、pFKBP12−DGKdelta(SAM)を作製した。なお、pFKBP12−DGKdelta(SAM)はFKBP12タンパク質とDGKdelta(SAM)とからなる融合タンパク質(「FKBP12−DGKd(PB1)」とも称する)をコードしている。
Tankyrase(SAM)フォワードプライマー2;5’−AAAAACCGGTCTGATAGATGCCATGCCCCCAGA−3’ (配列番号:93)
Tankyrase(SAM)リバースプライマー2;5’−AAAATCTAGATTAAATTCGAATGACATTGTATCTGTTGAAGA−3’ (配列番号:94)
そして、得られた増幅産物をAgeIとXbaIにて切断し、同じ制限酵素で処理してp62(PB1)領域を切り出したpFKBP12−p62(PB1)に挿入することにより、pFKBP12−Tankyrase(SAM)を作製した。なお、pFKBP12−Tankyrase(SAM)はFKBP12タンパク質とTankyrase(SAM)とからなる融合タンパク質(「FKBP12−Tankyrase(SAM)」とも称する)をコードしている。
下記プラスミドDNAの組み合わせにて等量混合したものを、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、HeLaS3細胞に各々導入した
pmTOR(FRB domain)−hAGとpFKBP12−TFG(PB1)との組み合わせ
pmTOR(FRB domain)−hAGとpFKBP12−TEL(SAM)との組み合わせ
pmTOR(FRB domain)−hAGとpFKBP12−DGKdelta(SAM)との組み合わせ
pmTOR(FRB domain)−hAGとpFKBP12−Tankyrase(SAM)との組み合わせ。
<タンパク質間相互作用の検出3>
本発明のタンパク質相互作用の検出方法において、多量化能を有する蛍光タンパク質として、AGタンパク質以外の蛍光タンパク質が適用可能であるかどうかを以下に示す方法にて検証した。得られた結果を図17に示す。
pmTOR(FRB domain)−hKO1の作製においては、先ずhKO1遺伝子をphKO1−MN1(Amalgaam有限会社製)から下記プライマーセットを用いて、PCRにて増幅した
hKO1フォワードプライマー;5’−AAAAACCGGTATGGTGAGCGTGATCAAGCCCGAG−3’ (配列番号:95)
hKO1リバースプライマー;5’−AAAATCTAGATTAGCAGTGGGCCACGGCGTCCTCC−3’ (配列番号:96)
そして、得られた増幅産物をAgeIとXbaIにて切断し、同じ制限酵素で処理してhAG領域を切り出したpmTOR(FRB domain)−hAGに挿入することにより、pmTOR(FRB domain)−hKO1を作製した。
下記プラスミドDNAの組み合わせにて等量混合したものを、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、HeLaS3細胞に各々導入した
pmTOR(FRB domain)−hKO1とpp62(PB1)−FKBP12との組み合わせ
pmTOR(FRB domain)−hdKeima−Redとpp62(PB1)−FKBP12との組み合わせ
pmTOR(FRB domain)−hKikGR1とpp62(PB1)−FKBP12との組み合わせ
pmTOR(FRB domain)−hAGとpp62(PB1)−FKBP12との組み合わせ。
<多量化能を有する蛍光タンパク質のスクリーニング1>
本発明のタンパク質相互作用の検出方法において、多量化能を有する蛍光タンパク質として、AG、KO1、dKeima及びKikGR以外の蛍光タンパク質が適用可能であるかどうかを以下に示す方法にて検証した。すなわち、単量体クサビラオレンジ2(monomeric Kusabira−Orange 2、mKO2)と会合誘導タンパク質であるp62(PB1)とを融合させ、細胞内において発現させた場合に、図3に示すような会合体(蛍光輝点)が形成されるかどうかを調べた。得られた結果を図18に示す。
<多量化能を有する蛍光タンパク質のスクリーニング2>
前記AG、KO1、dKeima及びKikGR以外に、ホモ多量体を細胞内において形成することができる蛍光タンパク質として知られているMiCy1、KCy1、dAG(AB)及びdAG(AC)(ホモ2量体化できる蛍光タンパク質)並びにTGuv、Momiji、COR3.01、COR5及びDsRed2(ホモ4量体化できる蛍光タンパク質)についても、本発明のタンパク質相互作用の検出方法に利用できることを下記方法にて確認した。
実施例5及び6に記載の方法と同様の方法にて、p62(PB1)−FKBP12、FKBP12−DGKd(SAM)、FKBP12−TEL(SAM)又はFKBP12−Tankyrase(SAM)と、表1に記載の各蛍光タンパク質を融合させたmTOR(FRB)とを、HeLaS3細胞内にて発現させ、ラパマイシン添加後の蛍光輝点(会合体)の形成の程度を評価した。なお、mTOR(FRB)と各蛍光タンパク質とからなる融合タンパク質をコードするプラスミドDNAは、実施例2に記載の方法と同様の方法にて適宜調製した。また、FKBP12−Tankyrase(SAM)において、mKO2、mKeima、mMiCy1、mKO1、MiCy1及びTGuvの組み合わせに関しては、293T細胞に遺伝子導入を行い試験した。すなわち、293T細胞は、10%FBS(EQUITECH社製)を含有するDMEM高グルコース(DMEM High glucose、SIGMA ALDRICH社製)にて培養した。また、293T細胞を前記プラスミドDNAを導入する6時間前に8ウェルチャンバー(nunc社製)に播種した。そして、遺伝子導入の際には、30μlのOptiMEM(Life Technologies社製)に、FKBP12−Tankyrase(SAM)をコードするプラスミドDNA200ngと、前記蛍光タンパク質及びmTOR(FRB)からなる融合タンパク質をコードするプラスミドDNA各200ngとを希釈し、TurboFectトランスフェクション試薬(TurboFect Transfection Reagent、Thermo Scientific社製)を1.2μl添加し、攪拌した。次いで、さらに培養液300μlを混合した後、293T細胞に添加し、48時間後に観察した。得られた結果を表1に示す。表1中、5割以上のHeLaS3細胞で蛍光輝点が観察された組み合わせを「+++」にて示し、5割以下のHeLaS3細胞で蛍光輝点が観察された組み合わせを「++」にて示し、HeLaS3細胞よりもタンパク質発現量の高い293T細胞で蛍光輝点が観察された組み合わせを「+」にて示す。
<タンパク質間相互作用の検出5>
実施例6〜8にて、本発明の方法に利用できることが確認された多量化能を有する蛍光タンパク質について、会合誘導タンパク質として、TFG(PB1)と組み合わせて用いても、タンパク質間相互作用を検出できることを、以下に示す方法にて確認した。得られた結果を表2に示す。
実施例5及び6に記載の方法と同様の方法にて、TFG(PB1)と、mKikGR1、dAG(AC)、Momiji、KikGR、AG,COR3.01、COR5又はDsRed2を融合させたmTOR(FRB)とを、HeLaS3細胞内にて発現させ、ラパマイシン添加後の蛍光輝点(会合体)の形成の程度を評価した。また、実施例8に記載の方法と同様の方法にて、TFG(PB1)と、KO1又はdAG(AB)を融合させたmTOR(FRB)とを、293T細胞内にて発現させ、ラパマイシン添加後の蛍光輝点(会合体)の形成の程度を評価した。得られた結果を表2に示す。表2中、5割以下のHeLaS3細胞で蛍光輝点が観察された組み合わせを「++」にて示し、HeLaS3細胞よりもタンパク質発現量の高い293T細胞で蛍光輝点が観察された組み合わせを「+」にて示す。
<タンパク質間相互作用の検出6>
本発明にかかる蛍光輝点(会合体)は、前述の通り、タンパク質間相互作用に起因するものである。そのため、蛍光輝点の蛍光強度は、タンパク質間相互作用の強弱を反映することが考えられる。また、タンパク質間相互作用の検出方法において、該相互作用の強弱を定量化して比較できることは、タンパク質間相互作用の抑制物質(阻害剤)の評価、タンパク質間相互作用を調節する因子の評価に有用である。
pmTOR(FRB domain)−hAGとpFKBP12−p62(PB1)とを等量混合し、HeLaS3細胞に実施例1に記載の方法と同様の方法にて導入した。導入してから24時間後に、細胞を回収し、96マイクロウェルオプティカルボトムプレート(Nunc社製)に20000細胞数/ウェルとなるように播種した。そして、播種してから24時間後に、Hoechst33342(Dojindo社製)を5.6μg/mlとなるように観察用緩衝液にて希釈した溶液をプレートに添加し、さらに30分間培養した。その後、D−PBS(−)(和光純薬工業社製)にてプレートを2回洗浄した。次いで、Rapamycinを各濃度に希釈した観察用緩衝液に置換し、15分後、4%パラホルムアルデヒド・リン酸緩衝液(4% Paraformaldehyde Phosphate Buffer Solution、和光純薬工業社製)にて固定した。なお、Rapamycinの濃度は0.1nM、0.2nM、0.5nM、1.4nM、4.1nM、12.3nM、37.0nM、111.1nM、333.3nM、1000nMにて各々使用した。そして、作製したサンプルはIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare社製)を用いて観察を行なった。得られた結果の一部を図19に示す。
<タンパク質間相互作用の検出7>
本発明の方法が、タンパク質間相互作用に対する、薬剤の50%効果濃度(EC50)及び50%阻害濃度(IC50)を決定するのに利用できるかどうかを、以下に示す方法にて評価した。
実施例2に記載のpmTOR(FRB domain)−hAGとpFucci−S/G2/M Green−Hyg(Amalgaam有限会社製)を用い、定法に沿って、薬剤耐性遺伝子をハイグロマイシンB耐性遺伝子に変換したpmTOR(FRB domain)−hAG_Hygを作製した。
実施例1に記載の方法と同様の方法にて、前記pmTOR(FRB domain)−hAG_Hygと、実施例2に記載のpp62(PB1)−FKBP12とをHeLaS3細胞株に導入し、培養した。
前記クローン化した細胞株を96wellプレートに播種した。そして、その翌日にPBSで2回洗った後、Hoechst33342(Dojindo社製)を含む観察用緩衝液を各ウェルに播種した細胞株に添加し、37℃にて15分間インキュベートすることにより、核染色を行った。
100.00nM、200.00nM、400.00nM又は800.00nMである。また、FK506は、FKBP12とRapamycinとの相互作用を競合的に阻害する物質として知られており、本実施例においては、20nM Rapamycinを含む緩衝液にて、0.008μM、0.016μM、0.031μM、0.063μM、0.125μM、0.250μM、0.500μM、1.000μM、2.000μM、4.000μM、8.000μM又は16.000μMとなるように希釈し、各ウェルに添加した。
一方、図22に示した結果から明らかなように、FK506をRapamycin存在下で添加したところ、添加したFK506の濃度依存的に蛍光輝点の蛍光強度が減少することが明らかになり、該濃度依存的にmTOR(FRB domain)−AGとp62(PB1)−FKBP12との会合体の形成を阻害することが示された。さらに、図22に示したフィッティングカーブに基づき、f(x)=min+(max−min)/(1+(x/IC50)^hill)にて、RapamycinとFKBP12との相互作用、ひいてはmTOR(FRB domain)とFKBP12とのタンパク質間相互作用に対するFK506のIC50は0.68μMと算出することができた。
<タンパク質間相互作用の検出8>
実施例10及び11と同様の目的にて、本発明の方法において、タンパク質間相互作用に特異的な阻害剤によって、会合体(蛍光輝点)を構成していた融合タンパク質が分散するかどうか、また当該阻害剤の濃度を変化させ、蛍光輝点の蛍光強度が該阻害剤の濃度依存的に変化するかどうか、以下に示す方法にて試験した。
pp62(PB1)−p53の作製においては、先ずp53の一部(p53タンパク質の1〜70アミノ酸からなる領域、配列番号:26に記載のアミノ酸配列からなる領域)をコードするDNA(配列番号:25に記載の塩基配列からなるDNA)を、U2OS細胞のcDNAライブラリーから下記プライマーセットを用いて、PCRにて増幅した
p53フォワードプライマー;5’−AAGGATCCATGGAGGAGCCGCAGTCAGATCCTAGCGTCG−3’ (配列番号:97)
p53リバースプライマー48;5’−TTGCGGCCGCTTAAGCAGCCTCTGGCATTCTGGGAGCTTCATC−3’ (配列番号:98)
そして、得られた増幅産物をBamHIとNotIにて切断し、同じ制限酵素で処理したpp62(PB1)−MCLinkerに挿入することにより、pp62(PB1)−p53を作製した。
MDM2フォワードプライマー;5’−AAGGATCCATGTGCAATACCAACATGTCTGTACCTACTGATGGTGC−3’ (配列番号:99)
MDM2リバースプライマー;5’−TTCTCGAGTTAACCTGAGTCCGATGATTCCTGCTGATTG−3’ (配列番号:100)
そして、得られた増幅産物をBamHIとXhoIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphAG−MCLinkerに挿入することにより、phAG−MDM2を作製した。
pp62(PB1)−p53とphAG−MDM2とを等量混合し、HeLaS3細胞に実施例1に記載の方法と同様の方法にて導入した。導入してから24時間後に、培養液を除き、0.19μM Nutlin−3が含まれた観察用緩衝液を1.5ml入れ、その15分後に蛍光画像を撮影した。その後、観察用緩衝液を除き、0.77μM Nutlin−3が含まれた観察用緩衝液を1.5ml入れ、15分後に再度蛍光画像を撮影した。同様の工程を4.8μM、12μM Nutlin−3についても実施した。得られた結果を図23に示す。また、各濃度にてNutlin−3を添加した細胞を撮影した蛍光画像における、蛍光輝点(会合体)の総輝度を計算し、Nutlin−3の濃度との相関をグラフ化した。得られた結果を図24に示す。なお、図24中、X軸は細胞に添加したNutlin−3の濃度を示し、Y軸は一蛍光画像(一視野)あたりの蛍光輝点の総輝度(総蛍光強度)を示す。
<タンパク質間相互作用の検出9>
実施例11同様に、本発明の方法が、タンパク質間相互作用に特異的な阻害剤のIC50を決定するのに利用できるかどうかを、以下に示す方法にて評価した。
先ず、実施例12に記載のphAG−MDM2とpFucci−S/G2/M Green−Hyg(Amalgaam有限会社製)とを用い、定法に沿って、薬剤耐性遺伝子をG418耐性遺伝子からハイグロマイシンB耐性遺伝子に変換したphAG−MDM2_Hygを作製した。
次に、前記phAG−MDM2_Hygと、実施例12に記載のpp62(PB1)−p53とをCHO−K1細胞株に導入した。なお、CHO−K1細胞は、10%FBS(EQUITECH社製)を含有するNUTRIENT MIXTURE F−12 HAM(SIGMA ALDRICH社製)にて培養した。
前記単一クローン化した細胞株を、実施例11に記載の方法と同様の方法にて、核染色した後、任意の濃度のNutlin−3(CALBIOCHEM社製)を含む観察用緩衝液を各ウェルに添加し、20分間インキュベートした。なお、Nutlin−3は最終濃度、0.2μM、0.3μM、0.6μM、0.9μM、1.6μM、2.6μM、4.3μM、7.2μM、12.0μM、20.0μMになるように調製して添加した。
<タンパク質間相互作用の検出10>
p50とp65とはヘテロダイマーを形成し、NFκBを構成することが知られている。さらに、NFκBは炎症性サイトカインの発現調節を担う転写因子として核内で機能するが、IκBαと相互作用することで細胞質に保持され、その転写機能は抑制されることが知られている(Marc D.Jacobsら、Cell、1998年12月11日、95巻、749〜758ページ 参照)。従って、p50とp65とを過剰発現させた場合、内在性のIκBαとの化学量論的バランスが合わず、前記ヘテロダイマーは主に核内に局在する。一方、IκBαを過剰発現させることで、IκBαをさらに含むヘテロ三量体は細胞質に保持されることになる。
<タンパク質間相互作用の検出11>
本実施例においては、実施例14においても検出したp50及びp65を含む複合体を通して、IκBαの量的バランスに応じた、当該複合体の細胞内における局在の変化を、本発明の方法により定量的に検出できるかどうかを、以下に示す方法にて試験した。
<タンパク質間相互作用の検出12>
細胞の核内にて、p21は、CDK4とCyclinD1とからなる複合体を認識し、相互作用することが知られている(LaBaer Jら、Genes Dev.、1997年4月1日、11巻7号847〜862ページ 参照)。そして、かかるヘテロ3量体の形成により、CDK4とCyclinD1とからなる複合体によって促進される細胞周期の進行(G1期からS期への移行)が阻害されることも明らかになっている。
pp62(PB1)−CDK4、phAG−p21及びpCyclinD1は、各々Genbankアクセション番号:NP_000066.1、NP_000380.1及びNP_444284.1で特定されるアミノ酸配列をコードするDNA配列に基づき、実施例1に記載の方法と同様の方法にて作製した。
前記プラスミドDNAを導入する培養細胞としてHeLaS3細胞を用いた。また、HeLaS3細胞は、実施例1に記載の方法と同様の方法にて培養した。さらに、遺伝子導入においては、8ウェルチャンバー(nunc社製)の2ウェルにHeLaS3細胞を播種し、その翌日に、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、下記組み合わせにて、各々130ngのプラスミドDNAをトランスフェクション試薬1μlを用いて、HeLaS3細胞に導入した。
pp62(PB1)−CDK4とphAG−p21とpCyclinD1との組み合わせ、
pp62(PB1)−CDK4とphAG−p21とphmKGC−MN(Amalgaam有限会社製)との組み合わせ(なお、phmKGC−MNは、プラスミドの総量を統一させるために添加した)。
<タンパク質相互作用の検出13>
実施例10〜13に示した通り、本発明にかかる蛍光輝点の蛍光強度が、タンパク質間相互作用の強弱を反映することが明らかになった。従って、本発明のタンパク質間相互作用の検出方法において、本発明にかかる蛍光輝点の蛍光強度を指標として、相互作用に重要なアミノ酸を同定することもできることが想定される。そこで、タンパク質間相互作用の減弱又は増強に関与することが知られているアミノ酸変異を用いた試験を、以下に示す方法にて行った。
pp62(PB1)−Sec5の作製においては、先ずSec5の一部(Sec5タンパク質の1〜99アミノ酸からなる領域、配列番号:30に記載のアミノ酸配列からなる領域)をコードするDNA(配列番号:29に記載の塩基配列からなるDNA)を、HeLaS3細胞のcDNAライブラリーから下記プライマーセットを用いて、PCRにて増幅した
Sec5フォワードプライマー;5’−CCCGGATCCATGTCTCGATCACGACAACCC−3’ (配列番号:101)
Sec5リバースプライマー;5’−GGGAAGCTTTTATTAGCCTATTTTCTCAGGTTTGAGTA−3’ (配列番号:102)
そして、得られた増幅産物をBamHIとHindIIIにて切断し、同じ制限酵素で処理したpp62(PB1)−MCLinkerに挿入することにより、pp62(PB1)−Sec5を作製した。なお、pp62(PB1)−Sec5は、p62(PB1)とSec5の部分タンパク質との融合タンパク質(「p62(PB1)−Sec5」とも称する)をコードする。
RalBフォワードプライマー;5’−CCCGGATCCATGGCTGCCAACAAGAGTAAG−3’ (配列番号:103)
RalBリバースプライマー;5’−GGGAAGCTTTTATCATAGTAAGCAACATCTTTC−3’ (配列番号:104)
そして、得られた増幅産物をBamHIとHindIIIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphAG−MCLinkerに挿入することにより、phAG−RalB(WT)を作製した。なお、phAG−RalB(WT)は、AGタンパク質とRalBタンパク質との融合タンパク質(「AG−RalB(WT)」とも称する)をコードする。
RalB(Q72L)プライマー;5’−CTGGACACCGCTGGGCTAGAGGACTACGCAGCCA−3’ (配列番号:105)。
RalB(S28N)プライマー;5’−CAGCGGAGGCGTTGGCAAGAACGCCCTGACGCTTCAGTTCA−3’ (配列番号:106)。
下記プラスミドDNAの組み合わせにて等量混合したものを、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、HeLaS3細胞に各々導入した
pp62(PB1)−Sec5とphAG−RalB(WT)との組み合わせ
pp62(PB1)−Sec5とphAG−RalB(Q72L)との組み合わせ
pp62(PB1)−Sec5とphAG−RalB(S28N)との組み合わせ
pp62(PB1)とphAG−RalB(WT)との組み合わせ。
<タンパク質相互作用の検出14>
実施例17同様に、タンパク質間相互作用の減弱に関与することが知られているアミノ酸変異を用いた試験を、以下に示す方法にて行った。
pp62(PB1)−p53_W23Lは、実施例12に記載のpp62(PB1)−p53に配列番号:159に記載の塩基配列(5‘−ACATTTTCAGACCTATTGAAACTACTTCCTGAAAACAACGT−3’)からなるプライマーを用い、実施例17に記載の方法と同様の方法にて変異を導入することにより調製した。
実施例1に記載の方法と同様の方法にて、下記プラスミドDNAの組み合わせにて等量混合したものを細胞に導入し、当該細胞を観察した。得られた結果を図31に示す。
pp62(PB1)−p53とphAG−MDM2との組み合わせ。
pp62(PB1)−p53_W23L とphAG−MDM2との組み合わせ。
<タンパク質間相互作用の検出15>
前述の通り、本発明のタンパク質間相互作用の検出方法においては、タンパク質間相互作用の発生及び消失を定量的に実時間測定することが可能であることが示された。そこで、本発明の方法を用いて、細胞内の内在性のシグナル伝達が経時的に変化する様子を、該シグナルに応答して発生するタンパク質間相互作用を通じて検出できるかどうかを試験した。
pCalmodulin−hAGの作製においては、先ずCalmodulin(配列番号:38に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質)をコードするDNA(配列番号:37に記載の塩基配列からなるDNA)を、HeLaS3細胞のcDNAライブラリーから下記プライマーセットを用いて、PCRにて増幅した
Calmodulinフォワードプライマー;5’−TTGGATCCGCCACCATGGACCAACTGACAGAAGAGCAGATTGC−3’ (配列番号:107)
Calmodulinリバースプライマー;5’−AAGAATTCCCCTTTGCTGTCATCATTTGTACAAACTCTTC−3’ (配列番号:108)
そして、得られた増幅産物をBamHIとEcoRIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphAG−MNLinkerに挿入することにより、pCalmodulin−hAGを作製した。なお、pCalmodulin−hAGは、Calmodulinタンパク質とAGタンパク質との融合タンパク質(「Calmodulin−AG」とも称する)をコードする。
M13ペプチドフォワードプライマー;5’−TTGGATCCGCCACCATGAAGAGGCGCTGGAAGAAAAACTTCATTGC−3’ (配列番号:109)
M13ペプチドリバースプライマー;5’−CCGAATTCCCCAGTGCCCCGGAGCTGGAGATCTTCTTG−3’ (配列番号:110)
そして、得られた増幅産物をBamHIとEcoRIにて切断し、同じ制限酵素で処理したpp62(PB1)−MNLinkerに挿入することにより、pM13peptide−p62(PB1)を作製した。なお、pM13peptide−p62(PB1)は、M13ペプチドとp62(PB1)との融合タンパク質(「M13peptide−p62(PB1)」とも称する)をコードする。
pCalmodulin−hAGとpM13peptide−p62(PB1)とを等量混合し、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、HeLaS3細胞に導入した。そして、200μM ヒスタミン(Histamine、和光純薬工業社製)を添加し、経時的に蛍光画像を撮影した。なお、Histamineは、HeLaS3細胞にも発現しているGPCRの1種 H1レセプターのリガンドとして機能することが明らかになっている。
<タンパク質間相互作用の検出16>
国際公開第2000/017221号、国際公開第2006/099486号に代表される従来のタンパク質間相互作用の検出方法においては、タンパク質間相互作用によって生じる複合体を構成する一方のタンパク質を強制的(人工的)に細胞内の特定の領域に拘束してしまうため、該相互作用に固有な細胞内環境下での検出ができなかった。しかし、本発明のタンパク質間相互作用の検出方法は、相互作用した場合に限り自立的に蛍光輝点(会合体)を形成するため、従来の方法が有する前記問題点を解決できることが予測される。そこで、本発明によって、細胞内の任意の領域において相互作用の検出ができるかどうかを、以下に示す方法にて試験した。
pmTOR(FRB domain)−AGNLSの作製においては、先ずAGNLS遺伝子をpNP−AG(Amalgaam有限会社製)から、下記プライマーセットを用いて、PCRにて増幅した
AGNLSフォワードプライマー;5’−AAACCGGTATGGTGAGTGTGATTAAACCAGAG−3’ (配列番号:111)
AGNLSリバースプライマー;5’−AATCTAGATTATTTATCCTTTTCCTTTTTACTCTTCTTCTTAGCTACTTC−3’ (配列番号:112)
そして、得られた増幅産物をAgeIとXbaIにて切断し、同じ制限酵素で処理してhAG領域を切り出したpmTOR(FRB domain)−hAGに挿入することにより、pmTOR(FRB domain)−AGNLSを作製した。なお、pmTOR(FRB domain)−AGNLSは、mTOR(FRB domain)とAGタンパク質と核局在シグナル(NLS)とからなる融合タンパク質(「mTOR(FRB domain)−AGNLS」とも称する)をコードする。また、mTOR(FRB domain)−AGNLSは、mTOR(FRB domain)−AGのC末端に核局在シグナルを融合させているので、細胞の核内に局在する。
HRasフォワードプライマー;5’−AAGAATTCGATGACGGAATATAAGCTGGTGGTGGTGGGCGCCGTCGGTGTGGGCAAGAGTGC−3’ (配列番号:113)
HRasリバースプライマー;5’−TTCTCGAGACCTCCGGAGACGTTCAGCTTCCGCAGCTTGTGCTGCCGGATCTCACGCACCAAC−3’ (配列番号:114)。
KRasフォワードプライマー;5’−AACTCGAGAAGATGAGCAAAGATGGTAAAAAGAAGAAAAAGAAGTCAAAGACAAAGTGTG−3’ (配列番号:115)
KRasリバースプライマー;5’−TTGCGGCCGCTTACATAATTACACACTTTGTCTTTGACTTCTTTTTCTTCTTTTTACCAT−3’ (配列番号:116)。
HRas変異プライマー;5’−GCTGGTGGTGGTGGGCGCCGTCGGTGTGGGCAAGAGTGCGC−3’ (配列番号:117)。
cRafフォワードプライマー;5’−AAGGTACCCCTTCTAAGACAAGCAACACTATCCGTGTTTTCTTGCCGAACAAGCAAAGAA−3’ (配列番号:118)
cRafリバースプライマー71;5’−TTAAGCTTTTACAGGAAATCTACTTGAAGTTCTTCTCCAATCAAAGACGCAG−3’ (配列番号:119)
そして、得られた増幅産物をKpnIとHindIIIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphAG−MCLinkerに挿入することにより、phAG−cRafを作製した。なお、phAG−cRafは、AGタンパク質とcRafタンパク質の一部との融合タンパク質(「AG−cRaf」とも称する)である。また、当該cRafタンパク質の一部とはHRasタンパク質とは相互作用することは知られている(Mochizuki N ら、Nature、2001年6月28日、411巻、6841号、1065〜1068ページ 参照)。
Smacフォワードプライマー;5’−AGGATCCGCCACCATGGCCGTGCCCATCGCCCAGAAATCAGAGAATTCGG−3’ (配列番号:120)
p62(PB1)リバースプライマー2;5’−ACCTCTAGATTATTTCTCTTTAATGTAGATTCGGAAGATG−3’ (配列番号:64)
そして、得られた増幅産物をBamHIとXbaIにて切断し、同じ制限酵素で処理してリンカー及びp62(PB1)を切り出したpp62(PB1)−MNLに挿入することにより、pSmac−p62(PB1)を作製した。なお、pSmac−p62(PB1)は、Smacの一部とp62(PB1)との融合タンパク質(「Smac−p62(PB1)」とも称する)をコードする。
XIAPフォワードプライマー;5’−TTGGATCCGCCACCATGGCTGTGAGTTCTGATAGGAATTTCCCAAATTC−3’ (配列番号:121)
XIAPリバースプライマー;5’−TTGAATTCTCAGTAGTTCTTACCAGACACTCCTCAAGTGAATGAG−3’ (配列番号:122)
そして、得られた増幅産物をBamHIとEcoRIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphAG−MNLinkerに挿入することにより、pXIAP−hAGを作製した。なお、pXIAP−hAGはXIAPの一部とAGタンパク質との融合タンパク質(「XIAP−AG」とも称する)をコードする。また、前記Smacの一部と前記XIAPの一部とは細胞質内において相互作用することが知られている(Liu Z ら、Nature、2000年12月21−28日、408巻、6815号、1004〜1008ページ 参照)。
BclX(L)フォワードプライマー;5’−TTCTCGAGGATGTCTCAGAGCAACCGGGAGCTGGTGGTTGAC−3’ (配列番号:123)
BclX(L)リバースプライマー;5’−CTAAGCGGCCGCTTAGCGTTCCTGGCCCTTTCGGCTCTCGGCTG−3’ (配列番号:124)
そして、得られた増幅産物をXhoIとNotIにて切断し、同じ制限酵素で処理したpp62(PB1)−MCLinkerに挿入することにより、pp62(PB1)−BclX(L)を作製した。なお、pp62(PB1)−BclX(L)は、p62(PB1)とBclX(L)の一部との融合タンパク質(「p62(PB1)−BclX(L)」とも称する)をコードする。
BADフォワードプライマー1;5’−GCAGCACAGCGCTATGGCCGCGAGCTCCGGAGGATGAGTGACGAGTTTGT−3’ (配列番号:125)
BADフォワードプライマー2;5’−TTGGATCCAACCTCTGGGCAGCACAGCGCTATGGCCGCGAGCTCCGGAGG−3’ (配列番号:126)
BADリバースプライマー;5’−TTGAATTCTTACTTCTTAAAGGAGTCCACAAACTCGTCACTCATCCTCCG−3’ (配列番号:127)
そして、得られた増幅産物をBamHIとEcoRIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphAG−MCLinkerに挿入することにより、phAG−BADを作製した。なお、AGタンパク質とBADの一部との融合タンパク質(「AG−BAD」とも称する)をコードする。また、前記BclX(L)の一部と前記BADの一部とは、細胞質内において相互作用することが知られている(Sattler M ら、Science、1997年2月14日、275巻、5302号、983〜986ページ 参照)。
下記プラスミドDNAの組み合わせにて等量混合したものを、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、HeLaS3細胞に各々導入した
pFKBP12−p62(PB1)とpmTOR(FRB domain)−AGNLSとの組み合わせ
pp62(PB1)−HRasとphAG−cRafとの組み合わせ
pSmac−p62(PB1)とpXIAP−hAGとの組み合わせ
pp62(PB1)−BclX(L)とphAG−BADとの組み合わせ。
<タンパク質間相互作用の検出17>
実施例20と同様に、本発明の方法を用いることにより、対象とするタンパク質に固有な細胞内環境下において、タンパク質間相互作用が検出できるかどうかについて、以下に示す方法にて試験した。
phAG−Rac1の作製において、先ずRac1タンパク質(配列番号:54に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質)をコードするDNA(配列番号:53に記載の塩基配列からなるDNA)を、HeLaS3細胞のcDNAライブラリーから、下記プライマーセットを用いて、PCRにて増幅した
Rac1フォワードプライマー;5’−GAGAATTCGATGCAGGCCATCAAGTGTGTGGTGG−3’ (配列番号:128)
Rac1リバースプライマー;5’−GGCTCGAGTTACAACAGCAGGCATTTTCTCTTCC−3’ (配列番号:129)
そして、得られた増幅産物をEcoRIとXhoIにて切断し、同じ制限酵素で処理したphAG−MNLinkerに挿入することにより、phAG−Rac1を作製した。
PBDフォワードプライマー;5’−TTGGATCCAAGAAAGAGAAAGAGCGGCCAGAGATTTCTCTCCC−3’ (配列番号:130)
PBDリバースプライマー;5’−CCGAATTCTTACGCTGACTTATCTGTAAAGCTCATGTATTTCTGGC−3’ (配列番号:131)
そして、得られた増幅産物をBamHIとEcoRIにて切断し、同じ制限酵素で処理したpp62(PB1)−MCLinkerに挿入することにより、pp62(PB1)−PBDを作製した。
下記プラスミドDNAの組み合わせにて等量混合したものを、実施例1に記載の方法と同様の方法にて、U2OS細胞に各々導入した
phAG−Rac1とpp62(PB1)−PBDとの組み合わせ
phAG−Rac1とpp62(PB1)−MNLinkerとの組み合わせ
得られた結果を図37〜39に示す。
<タンパク質間相互作用の検出18>
実施例21に記載の通り、活性型のRac1タンパク質は、Cdc42/Racエフェクタータンパク(p21活性化キナーゼ1:PAK1)のPBDと相互作用することが明らかになっている。
phAG−Rac1とpp62(PB1)−PBDとの組み合わせ
phAG−Rac1とpRhoGDI−p62(PB1)との組み合わせ。
KRasとcRafとの相互作用は、細胞増殖、分化等において重要なシグナル伝達の1つである。また、このタンパク質間相互作用は、上皮成長因子(EGF)によって活性化されたEGF受容体から、Grb2−SOSを介してシグナルが流れ、その結果、KRasが活性化されることにより生じることが明らかになっている。さらに、このタンパク質間相互作用により、cRafの局在が細胞質から細胞膜に変化することも知られている。
pp62(PB1)−KRas(WT)は、Genbankアクセション番号:NP_004976で特定されるアミノ酸配列をコードするDNA配列に基づき、実施例2に記載の方法と同様の方法にて作製した。
からなるプライマーを用いて実施例17に記載の方法と同様の方法にて変異を導入した。phAG−cRaf(R59A)は、配列番号:162に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA配列(配列番号:161)に基づき、実施例2に記載の方法と同様の方法で作製した。なお、cRafについては、Harvey CD ら、Science.、2008年7月4日321巻、5885号、136−140ページに記載の方法を参照にして、当該タンパク質の変異体(cRaf(R59A))を本実施例において用いた。
前記プラスミドDNAを下記組み合わせにて等量混合し、実施例2に記載の方法と同様の方法にて、Cos−7細胞に導入した。
pp62(PB1)−KRas(WT)とphAG−cRaf(R59A)との組み合わせ
pp62(PB1)−KRas(G12D)とphAG−cRaf(R59A)との組み合わせ。
<タンパク質間相互作用の検出20>
実施例19においても示した通り、本発明によりタンパク質間相互作用の経時的変化を検出できることを以下に示す方法にて確認した。
pBak−hAGは、配列番号:164に記載のアミノ酸配列からなる領域をコードするDNA(配列番号:163)を用いて、実施例2に記載の方法と同様の方法にて作製した。phAG−Baxは、配列番号:166に記載のアミノ酸配列からなる領域をコードするDNA(配列番号:165)を用いて、実施例2に記載の方法と同様の方法にて作製した。また、pp62(PB1)−BclX(L)については、実施例20に記載の通りである。
下記組み合わせにてプラスミドDNAを等量混合したものを、実施例2に記載の方法と同様の方法にて、293細胞に遺伝子導入した。
pp62(PB1)−BclX(L)とpBak−hAGとの組み合わせ
pp62(PB1)−BclX(L)とphAG−Baxとの組み合わせ。
<タンパク質間相互作用の検出21>
実施例24においても示した通り、本発明によりタンパク質間相互作用の発生の経時的変化を検出できることを以下に示す方法にて確認した。
<タンパク質間相互作用の検出22>
上記同様に、本発明によりタンパク質間相互作用の発生の経時的変化を検出できることを以下に示す方法にて確認した。
<タンパク質間相互作用の検出23>
EGF刺激により細胞内のERKが活性化されると、ERK基質(ERK_substrate)がリン酸化され、その結果、ERK_substrateとPin1タンパク質のwwドメイン(Pin1(ww))とが相互作用することが明らかになっている。さらに、MEK阻害剤であるU0126を添加すると、ERKの活性が低下し、結果的にERK基質が脱リン酸化を受け、ERK基質とPin1(ww)との相互作用が解消されることも知られている。
本実施例において、EGF刺激依存的なERK基質とPin1(ww)との相互作用を検出するため、該相互作用をFRETを利用して検出する系(Christopher D.Harveyら、Proc Natl Acad Sci U S A.、2008年12月9日、105巻、49号、19264〜19269ページ 参照)を参考にし、pp62(PB1)−ERK_substrate−P2A−hAG−Pin1(ww)−NESを、配列番号:168に記載のアミノ酸配列からなる領域をコードし、化学的に合成されたDNA(配列番号:167)を用いて、実施例2に記載の方法と同様の方法にて作製した。
pp62(PB1)−ERK_substrate−P2A−hAG−Pin1(ww)−NESを、実施例1に記載の方法と同様の方法にて293細胞にトランスフェクションした。その翌日、EGF(SIGMA社製)を最終濃度50ng/mlになるよう細胞に添加し、さらにその14分後、U0126を最終濃度10μMになるよう細胞に添加した。また、細胞の観察は、EGF添加2分前から開始し、観察画像を15秒おきに取得した。取得した画像は実施例11に記載の方法と同様の方法にて蛍光輝点(会合体)の総蛍光輝度を解析し、時間に対してプロットしたグラフを作製した。得られた結果を図47に示す。
<タンパク質間相互作用の検出24>
上記同様に、本発明によりタンパク質間相互作用の発生の経時的変化を検出できることを、実施例20に記載のHRasとcRafとの相互作用を通して確認した。
<タンパク質間相互作用の検出25>
前述の通り、RapamycinはFKBP12タンパク質に結合し、さらにこの複合体とmTORタンパク質のFRBドメイン(mTOR(FRB))とが結合することが明らかになっている。mTORタンパク質は、タンパク質合成や細胞増殖に関わるシグナル伝達を活性化する機能を有するセリン/スレオニンキナーゼであるが、かかるFKBP12タンパク質とRapamycinとの複合体形成により、その機能は阻害されることも明らかになっている。
<タンパク質間相互作用の検出26>
実施例2に記載の方法にて、表3に記載の公知のタンパク質間相互作用を、会合誘導タンパク質としてp62(PB1)、多量化能を有する蛍光タンパク質としてAGタンパク質を用いた本発明の方法にて検出できるかどうかを試験した。
<223> コドンをヒト化したAzami Green(AG)
配列番号3及び4
<223> p62のPB1ドメイン
配列番号5及び6
<223> MEK5のPB1ドメイン
配列番号7及び8
<223> Nbr1のPB1ドメイン
配列番号9及び10
<223> PKCiotaのPB1ドメイン
配列番号11及び12
<223> TFGのPB1ドメイン
配列番号13及び14
<223> TELのSAMドメイン
配列番号15及び16
<223> EphB2のSAMドメイン
配列番号17及び18
<223> DGKdeltaのSAMドメイン
配列番号19及び20
<223> Tankyrase−1のSAMドメイン
配列番号21及び22
<223> mTORのFRBドメイン
配列番号23及び24
<223> FKBP12
配列番号25及び26
<223> p53
配列番号27及び28
<223> MDM2
配列番号29及び30
<223> Sec5
配列番号31及び32
<223> RalB
配列番号33及び34
<223> RalBタンパク質Q72L変異体
配列番号35及び36
<223> RalBタンパク質S28N変異体
配列番号37及び38
<223> カルモジュリン
配列番号39及び40
<223> M13ペプチド
配列番号41及び42
<223> HRas
配列番号43及び44
<223> cRaf
配列番号45及び46
<223> Smac
配列番号47及び48
<223> XIAP
配列番号49及び50
<223> BclX(L)
配列番号51及び52
<223> BAD
配列番号53及び54
<223> Rac1
配列番号55及び56
<223> PBD
配列番号57
<223> 人工的に合成されたhAGフォワードプライマー1の配列
配列番号58
<223> 人工的に合成されたhAGリバースプライマー1の配列
配列番号59
<223> 人工的に合成されたp62(PB1)フォワードプライマー1の配列
配列番号60
<223> 人工的に合成されたp62(PB1)リバースプライマー1の配列
配列番号61
<223> 人工的に合成されたhAGフォワードプライマー2の配列
配列番号62
<223> 人工的に合成されたhAGリバースプライマー2の配列
配列番号63
<223> 人工的に合成されたp62(PB1)フォワードプライマー2の配列
配列番号64
<223> 人工的に合成されたp62(PB1)リバースプライマー2の配列
配列番号65
<223> 人工的に合成されたp62(PB1)フォワードプライマー3の配列
配列番号66
<223> 人工的に合成されたp62(PB1)リバースプライマー3の配列
配列番号67
<223> 人工的に合成されたmTOR(FRB)フォワードプライマーの配列
配列番号68
<223> 人工的に合成されたmTOR(FRB)リバースプライマーの配列
配列番号69
<223> 人工的に合成されたFKBP12フォワードプライマーの配列
配列番号70
<223> 人工的に合成されたFKBP12リバースプライマーの配列
配列番号71
<223> 人工的に合成されたMEK(PB1)フォワードプライマーの配列
配列番号72
<223> 人工的に合成されたMEK(PB1)リバースプライマーの配列
配列番号73
<223> 人工的に合成されたNbr1(PB1)フォワードプライマーの配列
配列番号74
<223> 人工的に合成されたNbr1(PB1)リバースプライマーの配列
配列番号75
<223> 人工的に合成されたPKCiota(PB1)フォワードプライマーの配列
配列番号76
<223> 人工的に合成されたPKCiota(PB1)リバースプライマーの配列
配列番号77
<223> 人工的に合成されたTFG(PB1)フォワードプライマーの配列
配列番号78
<223> 人工的に合成されたTFG(PB1)リバースプライマーの配列
配列番号79
<223> 人工的に合成されたTEL(SAM)フォワードプライマーの配列
配列番号80
<223> 人工的に合成されたTEL(SAM)リバースプライマーの配列
配列番号81
<223> 人工的に合成されたEphB2(SAM)フォワードプライマーの配列
配列番号82
<223> 人工的に合成されたEphB2(SAM)リバースプライマーの配列
配列番号83
<223> 人工的に合成されたDGKdelta(SAM)フォワードプライマーの配列
配列番号84
<223> 人工的に合成されたDGKdelta(SAM)リバースプライマーの配列
配列番号85
<223> 人工的に合成されたTankyrase(SAM)フォワードプライマーの配列
配列番号86
<223> 人工的に合成されたTankyrase(SAM)リバースプライマーの配列
配列番号87
<223> 人工的に合成されたTFG(PB1)フォワードプライマー2の配列
配列番号88
<223> 人工的に合成されたTFG(PB1)リバースプライマー2の配列
配列番号89
<223> 人工的に合成されたTEL(SAM)フォワードプライマー2の配列
配列番号90
<223> 人工的に合成されたTEL(SAM)リバースプライマー2の配列
配列番号91
<223> 人工的に合成されたDGKdelta(SAM)フォワードプライマー2の配列
配列番号92
<223> 人工的に合成されたDGKdelta(SAM)リバースプライマー2の配列
配列番号93
<223> 人工的に合成されたTankyrase(SAM)フォワードプライマー2の配列
配列番号94
<223> 人工的に合成されたTankyrase(SAM)リバースプライマー2の配列
配列番号95
<223> 人工的に合成されたhKO1フォワードプライマーの配列
配列番号96
<223> 人工的に合成されたhKO1リバースプライマーの配列
配列番号97
<223> 人工的に合成されたp53フォワードプライマーの配列
配列番号98
<223> 人工的に合成されたp53リバースプライマーの配列
配列番号99
<223> 人工的に合成されたMDM2フォワードプライマーの配列
配列番号100
<223> 人工的に合成されたMDM2リバースプライマーの配列
配列番号101
<223> 人工的に合成されたSec5フォワードプライマーの配列
配列番号102
<223> 人工的に合成されたSec5リバースプライマーの配列
配列番号103
<223> 人工的に合成されたRalBフォワードプライマーの配列
配列番号104
<223> 人工的に合成されたRalBリバースプライマーの配列
配列番号105
<223> 人工的に合成されたRalB(Q72L)変異プライマーの配列
配列番号106
<223> 人工的に合成されたRalB(S28N)変異プライマーの配列
配列番号107
<223> 人工的に合成されたカルモジュリンフォワードプライマーの配列
配列番号108
<223> 人工的に合成されたカルモジュリンリバースプライマーの配列
配列番号109
<223> 人工的に合成されたM13ペプチドフォワードプライマーの配列
配列番号110
<223> 人工的に合成されたM13ペプチドリバースプライマーの配列
配列番号111
<223> 人工的に合成されたAGNLSフォワードプライマーの配列
配列番号112
<223> 人工的に合成されたAGNLSリバースプライマーの配列
配列番号113
<223> 人工的に合成されたHRasフォワードプライマーの配列
配列番号114
<223> 人工的に合成されたHRasリバースプライマーの配列
配列番号115
<223> 人工的に合成されたKRasフォワードプライマーの配列
配列番号116
<223> 人工的に合成されたKRasリバースプライマーの配列
配列番号117
<223> 人工的に合成されたHRas変異プライマーの配列
配列番号118
<223> 人工的に合成されたcRafフォワードプライマーの配列
配列番号119
<223> 人工的に合成されたcRafリバースプライマーの配列
配列番号120
<223> 人工的に合成されたSmacフォワードプライマーの配列
配列番号121
<223> 人工的に合成されたXIAPフォワードプライマーの配列
配列番号122
<223> 人工的に合成されたXIAPリバースプライマーの配列
配列番号123
<223> 人工的に合成されたBclX(L)フォワードプライマーの配列
配列番号124
<223> 人工的に合成されたBclX(L)リバースプライマーの配列
配列番号125
<223> 人工的に合成されたBADフォワードプライマー1の配列
配列番号126
<223> 人工的に合成されたBADフォワードプライマー2の配列
配列番号127
<223> 人工的に合成されたBADリバースプライマーの配列
配列番号128
<223> 人工的に合成されたRac1フォワードプライマーの配列
配列番号129
<223> 人工的に合成されたRac1リバースプライマーの配列
配列番号130
<223> 人工的に合成されたPBDフォワードプライマーの配列
配列番号131
<223> 人工的に合成されたPBDリバースプライマーの配列
配列番号132
<223> KO(クサビラオレンジ)単量体型の塩基配列
配列番号133
<223> KO(クサビラオレンジ)単量体型のアミノ酸配列
配列番号134及び135
<223> コドンをヒト化したmAG1
配列番号136及び137
<223> mMiCy1
配列番号138及び139
<223> mKikGR1
配列番号140及び141
<223> KCy1
配列番号142及び143
<223> dAG(AB)
配列番号144及び145
<223> dAG(AC)
配列番号146及び147
<223> TGuv
配列番号148及び149
<223> モミジ
配列番号150及び151
<223> COR3.01
配列番号152及び153
<223> DsRed2
配列番号154、159及び160
<223> 人工的に合成されたプライマーの配列
配列番号155、157、161、163、165、167及び169
<223> 人工的に合成されたポリヌクレオチドの配列
配列番号156、158、162、164、166、168及び170
<223> 人工的に合成されたポリペプチドの配列
配列番号171及び172
<223> COR5
Claims (9)
- 第1のタンパク質と第2のタンパク質との相互作用を検出するための方法であって、
第1のタンパク質及び会合誘導タンパク質を含む第1の融合タンパク質と、第2のタンパク質及び多量化能を有する蛍光タンパク質を含む第2の融合タンパク質とを細胞内に発現させる工程と、
前記細胞内における第1の融合タンパク質と第2の融合タンパク質との会合により生じる蛍光輝点を検出する工程と、
前記蛍光輝点の検出により、第1のタンパク質と第2のタンパク質との相互作用を判定する工程と、
を含み、
前記会合誘導タンパク質が、p62のPB1ドメイン、TFGのPB1ドメイン、PKCiotaのPB1ドメイン、TELのSAMドメイン、DGKdeltaのSAMドメイン及びTankyrase−1のSAMドメインからなる群から選択される少なくとも一のタンパク質であり、かつ
前記蛍光輝点が、拡散状態で存在している前記多量化能を有する蛍光タンパク質の蛍光強度よりも高い蛍光強度を有する、0.2〜5μmの領域である、方法。 - 前記相互作用の発生若しくは消失、該相互作用の発生若しくは消失するまでの時間、又は該相互作用の持続時間を検出するために、前記蛍光輝点を検出する、請求項1に記載の方法。
- 特定の刺激に応答する前記相互作用の発生若しくは消失、該相互作用の発生若しくは消失するまでの時間、又は該相互作用の持続時間を検出するために、前記蛍光輝点を検出する、請求項1に記載の方法。
- 特定のタンパク質と相互作用するタンパク質をスクリーニングするための方法であって、第1のタンパク質及び第2のタンパク質のいずれか一方が該特定のタンパク質であり、他方が被検タンパク質であり、前記蛍光輝点の検出により、該特定のタンパク質と相互作用するタンパク質を選択する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
- 前記相互作用に関与する第1のタンパク質中のアミノ酸残基又は第2のタンパク質中のアミノ酸残基を同定するための方法であって、該第1のタンパク質及び該第2のタンパク質のいずれかに変異が導入されたタンパク質を用い、前記蛍光輝点の強度が、変異が導入されていないタンパク質を用いた場合と比較して減弱した場合は、該変異が導入されたアミノ酸残基を前記相互作用に関与すると判定する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
- 第1のタンパク質と第2のタンパク質との相互作用を調節する物質をスクリーニングするための方法であって、
被検化合物存在下で、第1のタンパク質及び会合誘導タンパク質を含む第1の融合タンパク質と、第2のタンパク質及び多量化能を有する蛍光タンパク質を含む第2の融合タンパク質とを細胞内に発現させる工程と、
前記細胞内において第1の融合タンパク質と第2の融合タンパク質との会合により生じる蛍光輝点を検出する工程と、
前記蛍光輝点の蛍光強度が前記被検化合物の非存在下において生じる蛍光輝点の蛍光強度より増大する場合は、前記被検化合物を前記相互作用の誘導物質として選択し、前記蛍光輝点の蛍光強度が前記被検化合物の非存在下において生じる蛍光輝点の蛍光強度より減弱する場合は、前記被検化合物を前記相互作用の抑制物質として選択する工程と、
を含み、
前記会合誘導タンパク質が、p62のPB1ドメイン、TFGのPB1ドメイン、PKCiotaのPB1ドメイン、TELのSAMドメイン、DGKdeltaのSAMドメイン及びTankyrase−1のSAMドメインからなる群から選択される少なくとも一のタンパク質であり、かつ
前記蛍光輝点が、拡散状態で存在している前記多量化能を有する蛍光タンパク質の蛍光強度よりも高い蛍光強度を有する、0.2〜5μmの領域である、方法。 - 会合誘導タンパク質をスクリーニングするための方法であって、
(a)被検タンパク質及びmAG1を含む融合蛋白質を細胞内に発現させる工程と、
(b)前記被検タンパク質及び多量化能を有する蛍光タンパク質を含む融合蛋白質を細胞内に発現させる工程と、
(c)(a)に記載の工程においては蛍光輝点が検出されず、(b)に記載の工程においては蛍光輝点が検出された場合に、前記被検タンパク質を会合誘導タンパク質として選択する工程と、
を含み、かつ
前記蛍光輝点が、拡散状態で存在している前記多量化能を有する蛍光タンパク質の蛍光強度よりも高い蛍光強度を有する、0.2〜5μmの領域である、方法。 - 前記多量化能を有する蛍光タンパク質が、monomeric Kusabira−Orange2、Azami−Green、Kusabira−Orange1、dimeric Keima−Red、Kikume Green−Red、monomeric Keima−Red、monomeric Midoriishi−Cyan1、monomeric Kusabira−Orange1、monomeric Kikume Green−Red1、Midoriishi−Cyan1、Kusabira−Cyan1、dimeric Azami−Green(AB)、dimeric Azami−Green(AC)、TGuv、Momiji、COR3.01、COR5及びDsRed2からなる群から選択される少なくとも一の蛍光タンパク質である、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
- 下記(a)及び(b)、又は(c)と、使用説明書とを含み、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の方法に用いられるためのキット
(a)会合誘導タンパク質をコードするDNAと、該会合誘導タンパク質と融合して発現されるように、任意のタンパク質をコードするDNAの挿入を可能にするクローニング部位とを含むベクター、又は第1の融合タンパク質をコードするベクター
(b)多量化能を有する蛍光タンパク質をコードするDNAと、該蛍光タンパク質と融合して発現されるように、任意のタンパク質をコードするDNAの挿入を可能にするクローニング部位とを含むベクター、又は第2の融合タンパク質をコードするベクター
(c)第1の融合タンパク質をコードするベクターと第2の融合タンパク質をコードするベクターとを保持する形質転換細胞。
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