JP6161296B2 - レンズ鏡筒、光学機器、および撮像装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、光軸方向に移動する光学素子およびその駆動機構を備えるレンズ鏡筒において、撮影時に光学素子の移動範囲や光学保持精度を維持しつつ、非撮影時にレンズ鏡筒の全長を短縮することである。
[第1実施形態]
図1ないし図9を参照して、本発明の第1実施形態に係るレンズ鏡筒について説明する。
図1は、本実施形態に係るレンズ鏡筒の使用状態(撮影可能状態)を示す、光軸方向に沿う断面図である。以下では、光軸方向に沿って移動する光学素子が被写体側に繰り出した位置を撮影位置とし、沈胴状態にて光学素子が像面側に繰り込んだ位置を退避位置とする。被写体側(図1の左側)を光軸方向前方とし、像面側(図1の右側)を光軸方向後方とし、光軸に近い側を内側と定義して各部の位置関係を説明する。
図2(A)はレンズ鏡筒を光軸方向前方から見た場合の正面図である。図3はレンズ鏡筒の沈胴動作を説明する断面図である。図4はカム構造を示す断面図である。非撮影時の沈胴状態と、沈胴状態からレンズを繰出した撮影状態を含めて、カム環2は、撮像装置に組み込まれた状態では図4に示すように、固定筒1のバヨネット爪13により光軸方向の移動が規制されている。
第1嵌合部9a、第2嵌合部9b、第3嵌合部9cは、固定ガイドバー6a、可動ガイドバー6b、サブガイドバー6cに対してレンズ枠4にそれぞれ設けられた部分である。第1嵌合部9aは固定ガイドバー6aにより案内される第1の被ガイド部である。第2嵌合部9bは可動ガイドバー6bにより案内される第2の被ガイド部である。第3嵌合部9cはサブガイドバー6cにより案内される第3の被ガイド部である。
以上のように3本のガイドバーを使用することで、レンズ枠4が保持するレンズ5は、光軸方向に対して偏芯および倒れが発生し難いので、光軸方向に対する保持精度を維持しつつ光軸方向にのみ進退可能となる。
レンズ枠4に設置されたラック41は、回転軸41aを支点にして光軸回りに回転可能である。ラック41はレンズ枠4と光軸方向にて一体的に移動可能な状態で設置されている。トーションバネ42は、コイル部が回転軸41aに取り付けられている。トーションバネ42の2本の腕部の一方がラック41のバネ掛け部41bに取り付けられ、他方の腕部がレンズ枠4に設けたバネ掛け部43に取り付けられる。トーションバネ42は、ラック41に対し、図7の紙面上において時計回り方向への回転力を付勢する付勢部材である。
ラック41と送りねじ7との当接部には、図7(B)に示すように、ネジ部41cが形成されている。ネジ部41cのピッチは、送りねじ7のねじピッチと同設定であり、ラック41と送りねじ7とが螺合している。送りねじ7はモータ8(図1、図3参照)の回転軸上に設置され、モータ8の回転と共に送りねじ7が回転する。以上の構造により、ラック41は、レンズ枠4を光軸と直交する面内方向には規制せずに、光軸方向にのみ進退させる駆動機構を構成する。つまり、ガイドバーとの嵌合による規制と干渉することなく、レンズ枠4を光軸方向に進退させることが可能である。
S101で駆動制御部はモータ8を制御して動作させ、レンズ枠4を像面側の端位置へと移動させる制御を行う。レンズ鏡筒は、図3(A)、図5(A)に示す状態になる。駆動制御部は、レンズ枠4の位置をモータ8のパルスカウントにより把握しているため、移動に必要なパルスカウント数に従ってモータ8の動作制御を行うことができる。また、本実施形態では、位置検出部15が像面に近い側に配置されている(図1、図3参照)。よって、何らかの原因でモータ8のパルスカウント情報にずれが発生したとしても、レンズ枠4が像面側に近づいた時点で光軸方向の絶対位置を駆動制御部が再認識することで、パルスカウント数と絶対位置の関係を補正可能である。
S103では、さらにカム環2が回転すると、カム溝部21にしたがってカムフォロア31は、光軸方向に沿って像面側に移動し、最終的に図6に破線で示す退避位置31bに至る。以上により沈胴動作が完了し、レンズ鏡筒は図3(B)、図5(B)に示す状態となる。
本実施形態によれば、撮影時に光軸方向の全長を長くしてロック機構により直進筒3をロックすることでレンズの倒れ等が生じ難くなり、レンズ保持精度を向上させつつ、レンズの移動距離を十分に確保できる。また非撮影時には、沈胴動作が行われてレンズ鏡筒が撮像装置本体部内に収納されるので、携帯性が向上する。
次に、図10および図11を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態の場合と同様の構成については既に使用した符号を用いることにより、それらの詳細な説明を割愛し、第1実施形態との相違点を説明する。
図10(A)は、第2実施形態を説明するために光軸に沿って切断して示す断面図であり、図10(B)は図10(A)の矢印Wに示す方向から見た場合の矢視図である。
第2実施形態によれば、光軸方向に延在する複数のガイドバーを使用することなく、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、前記実施形態では、カム環2を利用した沈胴構造を例示したが、これに限らず、本発明は各種の沈胴構造を有するレンズ鏡筒に適用可能である。
2 カム環
3 直進筒
4 レンズ枠
5 レンズ
6a,6b メインガイドバー
6c サブガイドバー
9a 第1嵌合部
9b 第2嵌合部
9c 第3嵌合部
Claims (7)
- 第1の案内部と、沈胴状態から撮影状態への移行に伴い、光軸方向において前記第1の案内部に対して被写体側に移動するとともに、撮影状態から沈胴状態への移行に伴い、光軸方向において像面側に移動する第2の案内部と、レンズを保持するレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を光軸方向に沿って駆動する駆動部と、を有するレンズ鏡筒であって、
前記レンズ保持部材は第1および第2の部分を有し、前記第1の部分は前記第1の案内部により光軸方向に移動可能に保持され、前記第2の部分は前記第2の案内部により光軸方向に移動可能に保持され、前記第2の部分は前記第1の部分よりも被写体側に位置し、且つ、前記第1の部分と前記第2の部分が前記光軸方向に延びる連結部で連結され、
前記光軸と直交する方向から見た場合、前記光軸を挟んで前記第1および第2の部分ならびに前記光軸方向に延びる連結部と反対側に、前記レンズ保持部材を案内する第3の案内部が設けられていることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記第3の案内部は、沈胴状態から撮影状態への移行に伴い、光軸方向において移動しないことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
- 前記第1の案内部を有する第1の鏡筒と、前記第2の案内部を有する第2の鏡筒と、を有し、
前記第2の鏡筒は、沈胴状態から撮影状態への移行に伴い、光軸方向において前記第1の鏡筒に対して被写体側に移動するとともに、撮影状態から沈胴状態への移行に伴い、光軸方向において像面側に移動することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。 - 前記第1の鏡筒に対して光軸回りに回転し得る状態で配置された第3の鏡筒を備え、
前記第3の鏡筒はカム溝部を有し、
前記第2の鏡筒は前記カム溝部に対応するカムフォロアを有しており、
前記第3の鏡筒の回転により、前記カム溝部に従って前記カムフォロアが光軸方向に沿って移動することを特徴とする請求項3に記載のレンズ鏡筒。 - 前記撮影状態にて前記カムフォロアの移動を阻止するロック機構が前記第3の鏡筒に設けられたことを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡筒。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を備えることを特徴とする光学機器。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を備えることを特徴とする撮像装置。
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