JP6160555B2 - 多元冷凍装置の圧縮機の容量制御方法 - Google Patents
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Description
たとえば、二元冷凍装置は、圧縮機と、凝縮器と、電子膨張弁に代表される絞り機構と、中間熱交換器の蒸発部とが順に接続されて構成され、高元冷媒が循環する高元側冷媒回路と、圧縮機と、中間熱交換器の凝縮部と、絞り機構と、蒸発器とが順に接続されて構成され、低元冷媒が循環すると共に、中間熱交換器において高元冷媒と低元冷媒とが熱交換する少なくとも1つの低元側冷媒回路とを備える(特許文献1ないし特許文献3)。
より詳細には、いずれかの冷媒回路の外部負荷が変動した場合、それぞれの圧縮機において、圧縮機の冷媒吸込み圧力が低圧カット値より高いロードダウン値に達したら、たとえば、圧縮機の回転数を下げることにより圧縮機の容量を低減、すなわち冷媒吐出流量を減少させ、一方、圧縮機の冷媒吸込み圧力がロードダウン値より高いロードアップ値に達したら、圧縮機の容量を増大、すなわち冷媒吐出流量を増大させ、それにより、蒸発器における負荷の変動に応じて、圧縮機の圧縮比をなるべく小さく維持することにより、圧縮機の効率的な運転を行っていた。
しかしながら、各冷媒回路の圧縮機の容量制御を個別に行っていたことに起因して、以下のような技術的課題が引き起こされる。
より詳細には、たとえば、高元側冷媒回路の負荷変動が生じ、まず高元側冷媒回路の圧縮機の容量制御により、回転数を低減して、アンロードする際、中間熱交換器における熱バランスが変動することにより、低元側冷媒回路に影響が及び、この場合には、中間熱交換器における高元側冷媒回路の冷却熱量が低減することになるので、低元側冷媒回路の凝縮熱の放熱が不十分となり、冷媒圧力の上昇を引き起こす。
そこで、凝縮圧力の上昇を検知して独自の判断に基づき、低元側冷媒回路の圧縮機の容量制御により回転数を低減して、アンロードする必要があるが、先発で容量制御された高元側冷媒回路の冷凍サイクルに他方の低元側冷媒回路の容量が適切に追従するまでのタイムラグの時間間隔において、一時的に各冷凍サイクルの能力バランスが崩れ、互いに圧力比が大きく異なる状態が生じることがあり、遅延タイマー等による後発の容量制御のタイミングが遅い場合には、高圧カット保護による異常停止に至ることもある。
より詳細には、先発の容量制御に起因して後発の容量制御を行う場合には、第1の技術的問題点が生じ得るが、先発の容量制御によっても後発の容量制御に至らず、この場合には、圧力比が偏った冷凍サイクルの効率の悪い状態で後発の運転が継続される可能性がある。
さらに、先発の容量制御による後発の容量制御により、さらに先発の容量制御を引き起こす等、各冷媒回路の容量制御が連鎖的に継続し、運転状態の安定化に時間を要し、その分冷凍サイクルの効率性が低下することもある。
以上のような技術的問題点は、二元冷凍装置に限らず、単一の圧縮機を採用する単元冷凍装置でない多元冷凍装置に共通の課題である。
それぞれ、圧縮機と、凝縮器と、絞り機構と、蒸発器とがこの順に接続されて、冷媒が循環する冷媒回路を構成し、複数の冷媒回路がカスケード接続された多元冷凍装置において、各冷媒回路における圧縮機にその容量を制御する容量制御回路を設け、該容量制御回路により、最も高元側の冷媒回路または最も低元側の冷媒回路の負荷変動に応答して、負荷変動を生じた冷媒回路の圧縮機の容量制御を行う場合に、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御を併行して行うことを特徴とする、構成としている。
なお、負荷変動を生じた冷媒回路の圧縮機の容量制御に対して、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御を併行して行うとは、負荷変動を生じた冷媒回路の圧縮機の容量制御に対して、他のすべての冷媒回路においてそれぞれ、圧縮機の容量制御を互いに独立に個別に判断したうえで、順次に行う場合を除くものの、負荷変動を生じた冷媒回路の圧縮機の容量制御と他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御とを同時に行う必要はなく、たとえば、最も高元側の冷媒回路に負荷変動が発生した場合において、最も高元側の冷媒回路の圧縮機の容量制御を先発して行うときに、他のいずれかの冷媒回路の冷凍サイクルの能力バランスが崩れたり、運転状態の不安定化を生じる前に、他のすべての冷媒回路においてそれぞれ、圧縮機の容量制御を互いに独立に個別に判断することなく、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御を行うことを意味する。
さらに、前記圧縮機の容量制御は、インバータの周波数により、圧縮機の回転数を制御することにより、圧縮機からの冷媒吐出流量を制御するのがよい。
さらにまた、前記複数の冷媒回路において、異なる冷媒が用いられる場合において、
前記制御回路は、圧縮機の冷媒吐出圧力と冷媒吸入圧力との比からなる圧力比を演算し、複数の冷媒回路の圧力比同士の比率が、冷媒の物性値の違いに応じた所定値に維持されるように圧縮機の回転数制御を行うのがよい。
また、前記第1閾値および/または前記第2閾値は、最も高元側の冷媒回路の凝縮器における外部負荷変動幅および/または外部負荷変動に対して、前記多元冷凍装置に要求される負荷追従性により決定するのでもよい。
さらに、前記多元冷凍装置の少なくとも冷凍装置の負荷運転中に、最も低元側の冷媒回路の圧縮機の冷媒吸込圧力を監視しながら、その冷媒吸込圧力が低圧カット値より高い第3閾値より低く、かつ低圧カット値より高い場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を低減させ、冷媒吸込圧力が第3閾値より大きい第4閾値より高い場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を増大させ、冷媒吸込圧力が第3閾値と第4閾値との間の場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を維持するのでもよい。
加えて、前記圧縮機の容量の低減段階は、冷媒吐出圧力が第1閾値より高い場合、冷媒吸込圧力が第3閾値より低い場合、および凝縮器への外部熱媒流入温度が第5閾値より高い場合の少なくともいずれかを満たすことを条件に実行され、
前記圧縮機の容量の増大段階は、冷媒吐出圧力が第2閾値より低い場合、冷媒吸込み圧力が第4閾値より高い場合、および凝縮器への外部熱媒流入温度が第6閾値より低い場合のすべてを満たすことを条件に実行されるのでもよい。
さらにまた、凝縮器への外部熱媒流入温度が第5閾値より高い場合について、冷媒吐出圧力が第1閾値より高い場合、および冷媒吸込圧力が第3閾値より低い場合それぞれに対してよりも長くなるように、前記第1所定時間を設定するのがよい。
加えて、前記多元冷凍装置を温水製造用ヒートポンプとして利用する場合において、最も高元側の冷媒回路の凝縮器への給水入口温度を監視しながら、給水入口温度の変動に応答して、最も高元側の冷媒回路の圧縮機の容量制御を行う場合に、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御を併行して行うのでもよい。
さらに、前記多元冷凍装置を冷水製造用チラーとして利用する場合において、最も低元側の冷媒回路の蒸発器への給水入口温度を監視しながら、給水入口温度の変動に応答して、最も低元側の冷媒回路の圧縮機の容量制御を行う場合に、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御を併行して行うのでもよい。
図1において、三元冷凍装置10は、高元側冷媒回路12と中元側冷媒回路11とが第1中間熱交換器16で接続されるとともに、中元側冷媒回路11と低元側冷媒回路14とが第2中間熱交換器71で接続されている。高元側冷媒、中元側冷媒および低元側冷媒それぞれについては、たとえば、フロン系として、R22およびR23、非フロン系として、アンモニア冷媒および二酸化炭素冷媒を用いてもよい。
高元側冷媒回路12、中元側冷媒回路11および低元側冷媒回路14は、冷媒回路としての構成は、同様であることから、以下では、高元側冷媒回路12について説明する。
高元側冷媒回路12は、概略的には、高元側圧縮機18の吐出側に一端が接続された高元側冷媒往管20の他端が、凝縮器22、膨張弁24を介して第1中間熱交換器16の1次側流路入口に接続され、1次側流路出口に一端が接続された高元側冷媒復管26の他端が、高元側圧縮機18の吸入側に接続され、冷媒回路を構成している。
高元側冷媒回路12において、高元側圧縮機18の上流側にアキュムレータ47が設けられ、ここで冷媒中の液滴が除去される。
なお、特に低元側冷媒回路14において、低元側冷媒がかなりの低温である場合には、低元側冷媒に混入している潤滑剤の粘性が増大していることから、潤滑剤をアキュムレータ67の上流側冷媒流路に戻すと、潤滑剤がアキュムレータ67に付着して、アキュムレータ67に油が停留すると、圧縮機に油が戻らなくなり、潤滑不要による圧縮機の損傷を引き起こすおそれがあるので、高元側圧縮機18と同様に、油分離器を設けて、油分離器により分離された潤滑剤を低元側圧縮機38の低圧域又はアキュムレータ67と低元側圧縮機38間の冷媒流路に戻してもよい。
この場合、制御部52は、冷媒吐出圧力Poutが、高圧カット値PHより低い第1閾値(冷媒吐出圧力ロードダウン値P1)より高く、かつ高圧カット値よりも低い場合には、圧縮機の容量を低減させ、冷媒吐出圧力Poutが第1閾値より小さい第2閾値(冷媒吐出圧力ロードアップ値P3)より低い場合には、圧縮機の容量を増大させ、冷媒吐出圧力Poutが第2閾値と第1閾値との間の場合には、圧縮機の容量を維持するようにしている。
さらに、制御部52は、高元側冷媒回路12の凝縮器22への外部熱媒流入温度が第5閾値(外部熱媒流入温度ロードダウン値T1)より高い場合には、他のすべての圧縮機の容量を低減させ、凝縮器22への外部熱媒流入温度が第6閾値(外部熱媒流入温度ロードアップ値T2)より低い場合には、他のすべての圧縮機の容量を増大させ、凝縮器22への外部熱媒流入温度が第5閾値と第6閾値との間の場合には、他のすべての圧縮機の容量を維持する。
因みに、冷媒吐出圧力ロードダウン値P1、冷媒吸込み圧力ロードダウン値P2、冷媒吐出圧力ロードアップ値P3、冷媒吸込圧力ロードダウン値P4、外部熱媒流入温度ロードダウン値T1および外部熱媒流入温度ロードアップ値T2それぞれの設定については、三元冷凍装置10の運転前に予め設定しておく必要があるが、そのために、たとえば、三元冷凍装置10の試運転を行い、その運転結果に基づいて、これらの設定値を適宜設定するのでよい。
この場合、圧縮機18、28、38を保護するために、保護回路(図示せず)により、冷媒吐出圧力Poutが高圧カット値PH以上となった場合、あるいは冷媒吸込圧力Pinが低圧カット値PL以下となった場合には、圧縮機18、28、38を強制的に停止するようにしてあるが、冷媒吐出圧力ロードダウン値P4は、少なくとも高圧カット値PHより低く設定され、冷媒吸込圧力ロードダウン値P2は、少なくとも低圧カット値PLより高く設定される。
能力制御運転に至るまでの過度運転に相当する起動低負荷運転、準備運転については、高元側、中元側および低元側それぞれの圧縮機に対して所定回転数を設定したうえで、所定運転条件を充足しない限り、次の運転モードに移行しないようにしている。
より詳細には、起動低負荷ロードダウン運転から準備運転への移行は、タイマー(図示せず)による時間設定により、準備運転から能力制御運転への移行は、タイマーによる時間設定に加え、高元側、中元側および低元側それぞれの圧縮機の冷媒吸込み圧力が所定値以上に達することを条件としている。
高元側圧縮機18および低元側圧縮機38それぞれについて、能力制御運転中において、高元側冷媒吐出圧力Poutのみならず、低元側冷媒吸込圧力Pinおよび凝縮器22における外部熱媒の流入温度Tin(高元側冷媒回路12のみ)それぞれの変化に基づいて、ロードダウン条件、およびロードアップ条件を定めており、制御部52により、このようなロードダウン条件、およびロードアップ条件に基づいて、圧縮機18、28、および38それぞれの容量制御を併行して行うようにしている。
これにより、外部熱媒の入口温度により検知できる凝縮器22における外部負荷変動をより早期に検知して容量制御に反映できる点や、蒸発器16における外部負荷の変動にも対応可能な点で、技術的に有利である。
さらに、図3に示すように、ロードダウン条件における再開タイマーの時間間隔について、凝縮器22への外部熱媒流入温度Tinが外部熱媒流入温度ロードダウン値T1より高い場合(VI)の再開タイマーの設定時間間隔について、冷媒吐出圧力Poutが冷媒吐出圧力ロードダウン値P1より高い場合(III)、および冷媒吸込圧力Pinが冷媒吸込圧力ロードダウン値P2より低い場合(IV)それぞれに対してよりも長くなるように、時間間隔を設定する。
ロードアップ条件について、条件(I)、(II)および(V)それぞれに対して、再開タイマTM3により同じ時間間隔を設定するのに対して、ロードダウン条件について、条件(III)、(IV)および(VI)それぞれに対して、異なる時間間隔を設定するのは、それぞれの反応速度や、機械的な負担、あるいは危険性が異なるためであり、特に、凝縮器22への外部熱媒流入温度Tinが外部熱媒流入温度ロードダウン値T1より高い場合(VI)の再開タイマーの設定時間間隔について、最も長い時間間隔を設定するのは、 外部熱媒の保有量にもよるが、通常は、前回の容量制御の結果が現在値には反映されるまので時間遅れが最も長いと想定されるためである。この場合、たとえば、条件(VI)の再開タイマーの設定時間間隔は、数分に対して、条件(III)および(IV)のそれは、それぞれ、数秒および数十秒である。
なお、再開タイマーおよび遅延タイマーそれぞれの時間間隔の設定について、ロードアップ条件(条件(I)、(II)および(V))の各々、ローダダウン条件(条件(III)、(IV)および(VI))の各々に対して、個別に設定すればよい。
ロードアップ判定において、ロードアップ条件(条件(I)、(II)および(V))を満たす場合には、ステップ3に行き、満たさない場合には、現時点においてロードアップの必要なしとして、初期の圧力監視状態に戻る。
次いで、ステップ3において、ロード判定を行う。すなわち、現在のロードがどのステップ(容量%)にあるかを確認する。この場合、現在のロードがステップ4(最高ステップ)にある場合には、初期の圧力監視状態に戻る。
次いで、ステップ4において、遅延タイマーTM1をスタートして、時間間隔T1の経過後に、ロードを1ステップ上げるロードアップを、高元側圧縮機18、中元側圧縮機28および低元側圧縮機38のすべてについて、併行して行う。
一方、ロードダウン判定において、高元側圧縮機18の冷媒吐出圧力Poutの測定値がロードダウン条件を満たす場合には、ステップ6に行き、高元側圧縮機18の冷媒吐出圧力Poutの測定値が満たさない場合には、現時点においてロードダウンの必要なしとして、初期の圧力監視状態に戻る。
次いで、ステップ6において、ロード判定を行う。すなわち、現在のロードがどのステップにあるかを確認する。この場合、現在のロードがステップ1(最低ステップ)にある場合には、高元側圧縮機18、中元側圧縮機28および低元側圧縮機38のすべての圧縮機を停止する。
次いで、ステップ7において、遅延タイマーTM2をスタートして、時間間隔T3の経過後に、ロードを1ステップ下げるロードダウンを高元側圧縮機18、中元側圧縮機28および低元側圧縮機38のすべてについて、併行して行う。
次いで、ステップ8Aにおいて、再開タイマーTM3をスタートして、時間間隔T4(図5参照)の経過後に、ステップ1または2に戻り、ロードアップ判定およびロードダウン判定を行う。
なお、ロードダウン条件は、ロードアップ条件とは異なり、3つの条件(条件(III)、(IV)および(VI))の少なくとも1つの充足であることから、たとえば、条件(III)に関連する再開タイマーTM3のカウント中にも、他の条件(IV)および(VI)の充足判定を継続して行っているところ、再開タイマーTM3のカウント終了前に条件(IV)または(VI)を充足した場合には、再度ロードダウンを行う。
なお、図4において、時間間隔Tは、高元側冷媒回路12、中元側冷媒回路11および低元側冷媒回路14それぞれにおいて、圧縮機の容量制御を開始して、冷媒圧力が安定するまでの時間間隔を意味するものである。
図5に示すように、能力制御運転中において、高元側圧縮機18の容量制御を行うことにより、高元側圧縮機18の冷媒吐出圧力Poutが冷媒吐出圧力ロードアップ値P3より低い場合(I)、低元側圧縮機38の冷媒吸込み圧力が冷媒吸込圧力ロードアップ値P4より高い場合(II)、および凝縮器22への外部熱媒流入温度Tinが外部熱媒流入温度ロードアップ値T2より低い場合(V)のすべてを満たすことにより、遅延タイマーTM1による時間間隔T1経過後、容量を1ステップ増大し、再開タイマーTM3の時間間隔T2経過後、ロードアップ判定およびロードダウン判定を行い、再度ロードアップ判定(ロードアップ2)がなされ、さらに容量を1ステップ増大し、同じような判定を繰り返すことにより(ロードアップ3)、容量保持に至っている。
より詳細には、本実施形態においては、ロードダウン条件およびロードアップ条件を満たしさえすれば、測定値との偏差に係わらず、すべての圧縮機(高元側圧縮機18、中元側圧縮機28および低元側圧縮機38)の容量を一律に1ステップ増減させていたが、たとえば、ロードアップの際、偏差が大きい場合には、それだけロードアップの緊急性および必要性があることから、1ステップでなく数ステップ増大させ、逆に偏差が小さい場合には、ロードアップの緊急性および必要性が小さいことから、通常どおり、1ステップ増大させてもよい。この場合、偏差の判定は、遅延タイマーによる時間設定後に判定するのがよい。
さらに、負荷変動を生じた冷媒回路の圧縮機(高元側圧縮機18または低元側圧縮機38)の容量制御に対して、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御を併行して行うとしても、ロードダウンあるいはロードアップする場合のステップの増減幅は、高元側圧縮機18、中元側圧縮機28および低元側圧縮機38の間で異なっていてもよい。この場合、高元側冷媒回路12、中元側冷媒回路11、および低元側冷媒回路14それぞれの冷媒の種類、圧縮機の種類等を考慮して、各冷媒回路におけるステップの増減幅を決めるのでもよい。
加えて、第1閾値および/または第2閾値は、高元冷媒回路12の凝縮器22または低元側冷媒回路14の蒸発器72における外部負荷変動幅および/または外部負荷変動に対して、三元冷凍装置10に要求される負荷追従性により決定しもよい。
たとえば、本実施形態においては、三元冷凍装置として説明したが、それに限定されることなく、二元、または四元以上の多元冷凍装置に対しても適用可能である。
たとえば、本実施形態においては、圧縮機の容量制御について、ロードアップおよびロードダウンの際、それぞれの条件を満たす場合、容量を1ステップ増減しているところ、ステップによる刻み幅(%)を25%と固定のものとして説明したが、それに限定されることなく、たとえば、凝縮器22における負荷は低下は速いが上昇は遅い等負荷側の特性がある場合に、それに応じて、ステップ間で刻み幅を可変とするのでもよい。
PL 低圧カットアウト値
P1 冷媒吐出圧力ロードダウン値
P2 冷媒吸込圧力ロードダウン値
P3 冷媒吐出圧力ロードアップ値
P4 冷媒吸込圧力ロードアップ値
T1 外部熱媒流入温度ロードダウン値
T2 外部熱媒流入温度ロードアップ値
10 三元冷凍装置
11 中元側冷媒回路
12 高元側冷媒回路
14 低元側冷媒回路
16 第1中間熱交換器
18 高元側圧縮機
20 高元側冷媒往管
22 凝縮器
24 膨張弁
26 高元側冷媒復管
28 中元側圧縮機
30 中元側冷媒往管
34 膨張弁
38 中元側圧縮機
39 駆動用モータ
40 インバータ装置
41 低元側冷媒往管
42 油分離器
44 受液器
47 アキュムレータ
48 駆動用モータ
49 膨張弁
50 インバータ装置
52 制御部
54 受液器
57 アキュムレータ
58 駆動用モータ
60 インバータ装置
64 受液器
67 アキュムレータ
71 第2中間熱交換器
72 蒸発器
73 中元側冷媒復管
74 低元側冷媒復管
Claims (14)
- それぞれ、圧縮機と、凝縮器と、絞り機構と、蒸発器とがこの順に接続されて、冷媒が
循環する冷媒回路を構成し、少なくとも3つの冷媒回路がカスケード接続された、少なくとも3元以上の冷凍装置におい
て、各冷媒回路における圧縮機にその容量を制御する容量制御回路を設け、該容量制御回
路により、最も高元側の冷媒回路または最も低元側の冷媒回路の負荷変動に応答して、負
荷変動を生じた冷媒回路の圧縮機の容量制御を行う場合に、その容量制御の条件に応じて
、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御を併行して行うことを特徴とする、多元冷凍
装置の圧縮機の容量制御方法。 - それぞれ、圧縮機と、凝縮器と、絞り機構と、蒸発器とがこの順に接続されて、冷媒が
循環する冷媒回路を構成し、複数の冷媒回路がカスケード接続された多元冷凍装置におい
て、各冷媒回路における圧縮機にその容量を制御する容量制御回路を設け、該容量制御回
路により、最も高元側の冷媒回路または最も低元側の冷媒回路の負荷変動に応答して、負
荷変動を生じた冷媒回路の圧縮機の容量制御を行う場合に、その容量制御の条件に応じて
、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御を併行して行い、
前記多元冷凍装置の少なくとも冷凍装置の負荷運転中に、最も高元側の冷媒回路または最も低元側の冷媒回路の圧縮機からの冷媒吐出圧力を監視しながら、その冷媒吐出圧力が、高圧カット値より低い第1閾値より高く、かつ高圧カット値より低い場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を低減させ、その冷媒吐出圧力が第1閾値より小さい第2閾値より低い場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を増大させ、その冷媒吐出圧力が第2閾値と第1閾値との間の場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を維持する、ことを特徴とする、多元冷凍装置の圧縮機の容量制御方法。 - それぞれ、圧縮機と、凝縮器と、絞り機構と、蒸発器とがこの順に接続されて、冷媒が
循環する冷媒回路を構成し、複数の冷媒回路がカスケード接続された多元冷凍装置におい
て、各冷媒回路における圧縮機にその容量を制御する容量制御回路を設け、該容量制御回
路により、最も高元側の冷媒回路または最も低元側の冷媒回路の負荷変動に応答して、負
荷変動を生じた冷媒回路の圧縮機の容量制御を行う場合に、その容量制御の条件に応じて
、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御を併行して行い、
前記多元冷凍装置の少なくとも冷凍装置の負荷運転中に、最も低元側の冷媒回路の圧縮機の冷媒吸込圧力を監視しながら、その冷媒吸込圧力が低圧カット値より高い第3閾値より低く、かつ低圧カット値より高い場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を低減させ、冷媒吸込圧力が第3閾値より大きい第4閾値より高い場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を増大させ、冷媒吸込圧力が第3閾値と第4閾値との間の場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を維持する、ことを特徴とする多元冷凍装置の圧縮機の容量制御方法。 - 他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制御は、先発の冷媒回路の圧縮機の容量制御にお
ける容量の変化割合と同じ変化割合で行う、請求項2または請求項3に記載の多元冷凍装置の圧縮機の容
量制御方法。 - 前記圧縮機の容量制御は、インバータの周波数により、圧縮機の回転数を制御することに
より、圧縮機からの冷媒吐出流量を制御する、請求項4に記載の多元冷凍装置の圧縮機の
容量制御方法。 - 前記複数の冷媒回路において、異なる冷媒が用いられる場合において、
前記制御回路は、圧縮機の冷媒吐出圧力と冷媒吸入圧力との比からなる圧力比を演算し、
複数の冷媒回路の圧力比同士の比率が、冷媒の物性値の違いに応じた所定値に維持される
ように圧縮機の回転数制御を行う、請求項5に記載の多元冷凍装置の圧縮機の容量制御方
法。 - 前記第1閾値および/または前記第2閾値は、最も高元側の冷媒回路の凝縮器における外
部負荷変動幅および/または外部負荷変動に対して、前記多元冷凍装置に要求される負荷
追従性により決定する、請求項2に記載の多元冷凍装置の圧縮機の容量制御方法。 - さらに、前記多元冷凍装置の少なくとも冷凍装置の負荷運転中に、最も低元側の冷媒回路
の圧縮機の冷媒吸込圧力を監視しながら、その冷媒吸込圧力が低圧カット値より高い第3
閾値より低く、かつ低圧カット値より高い場合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容
量を低減させ、冷媒吸込圧力が第3閾値より大きい第4閾値より高い場合には、他のすべ
ての冷媒回路の圧縮機の容量を増大させ、冷媒吸込圧力が第3閾値と第4閾値との間の場
合には、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量を維持する、請求項2に記載の多元冷凍装
置の圧縮機の容量制御方法。 - さらに、最も高元側の冷媒回路の凝縮器への外部熱媒流入温度が第5閾値より高い場合に
は、他のすべての圧縮機の容量を低減させ、凝縮器への外部熱媒流入温度が、第5閾値よ
り低い第6閾値より低い場合には、他のすべての圧縮機の容量を増大させ、凝縮器への外
部熱媒流入温度が第5閾値と第6閾値との間の場合には、他のすべての圧縮機の容量を維
持する、請求項8に記載の多元冷凍装置の圧縮機の容量制御方法。 - 前記圧縮機の容量の低減段階は、高元冷媒吐出圧力が第1閾値より高い場合、低元冷媒吸
込圧力が第3閾値より低い場合、および凝縮器への外部熱媒流入温度が第5閾値より高い
場合の少なくともいずれかを満たすことを条件に実行され、
前記圧縮機の容量の増大段階は、高元冷媒吐出圧力が第2閾値より低い場合、低元冷媒吸
込み圧力が第4閾値より高い場合、および凝縮器への外部熱媒流入温度が第6閾値より低
い場合のすべてを満たすことを条件に実行される、請求項9に記載の多元冷凍装置の圧縮
機の容量制御方法。 - 前記圧縮機の容量の低減段階の実行後、第1所定時間経過するまで、圧縮機の容量制御を
保留し、第1所定時間後に圧縮機の容量制御を再開する段階を有し、前記圧縮機の容量の
増大段階の実行後、第2所定時間経過するまで、圧縮機の容量制御を保留し、第2所定時
間後に圧縮機の容量制御を再開する段階を有し、前記第1所定時間は、高元冷媒吐出圧力
が第1閾値より高い場合、低元冷媒吸込圧力が第3閾値より低い場合、および凝縮器への
外部熱媒流入温度が第5閾値より高い場合それぞれに対して、個別に設定可能であり、前
記第2所定時間は、高元冷媒吐出圧力が第2閾値より低い場合、低元冷媒吸込み圧力が第
4閾値より高い場合、および凝縮器への外部熱媒流入温度が第6閾値より低い場合それぞ
れに対して、個別に設定可能である、請求項10に記載の多元冷凍装置の圧縮機の容量制御方法。 - 凝縮器への外部熱媒流入温度が第5閾値より高い場合について、冷媒吐出圧力が第1閾値
より高い場合、および冷媒吸込圧力が第3閾値より低い場合それぞれに対してよりも長く
なるように、前記第1所定時間を設定する、請求項11に記載の多元冷凍装置の圧縮機の
容量制御方法。 - 前記多元冷凍装置を温水製造用ヒートポンプとして利用する場合において、最も高元側の
冷媒回路の凝縮器への給水入口温度を監視しながら、給水入口温度の変動に応答して、最
も高元側の冷媒回路の圧縮機の容量制御を行う場合に、他のすべての冷媒回路の圧縮機の
容量制御を併行して行うことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の多元冷凍装置の圧縮機の容
量制御方法。 - 前記多元冷凍装置を冷水製造用チラーとして利用する場合において、最も低元側の冷媒回
路の蒸発器への給水入口温度を監視しながら、給水入口温度の変動に応答して、最も低元
側の冷媒回路の圧縮機の容量制御を行う場合に、他のすべての冷媒回路の圧縮機の容量制
御を併行して行うことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の多元冷凍装置の圧縮機の容量制御
方法。
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