JP5279104B1 - 二元冷凍装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】定常運転における系全体の安定性を確保しつつ、円滑な立ち上がりを可能とする二元冷凍装置の制御方法を提供する。
【解決手段】圧縮機と、凝縮器22と、膨張機構と、中間熱交換器の蒸発部とが順に接続されて構成され、高元冷媒が循環する高元側冷媒回路12と、圧縮機と、上記中間熱交換器の凝縮部と、膨張機構と、蒸発器36とが順に接続されて構成され、高元冷媒より低沸点の低元冷媒が循環すると共に、上記中間熱交換器において高元冷媒と低元冷媒とが熱交換する少なくとも1つの低元側冷媒回路とを備えた二元冷凍装置10の制御方法において、立ち上げ運転において、高元側冷媒回路12の立ち上げ速度を高めるように、高元側冷媒回路12における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より小さく設定する、ことを特徴とする二元冷凍装置10の制御方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、二元冷凍装置の制御方法に関し、より詳細には、定常運転における系全体の安定性を確保しつつ、円滑な立ち上がりを可能とする二元冷凍装置の制御方法に関する。
従来から、主に、多段圧縮式冷凍装置における低段側の押しのけ量の増大を解消しつつ、定常運転時での冷媒の凝縮圧力並びに圧縮機吐出圧力の上昇を防止することにより、耐圧強度の高い装置を不要とする観点から、冷媒の種類を異にする二元冷凍装置が用いられている。
この二元冷凍装置は、たとえば、特許文献1ないし3に開示されているように、圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、中間熱交換器の蒸発部とが順に接続されて構成され、高元冷媒が循環する高元側冷媒回路と、圧縮機と、中間熱交換器の凝縮部と、膨張機構と、蒸発器とが順に接続されて構成され、低元冷媒が循環すると共に、中間熱交換器において高元冷媒と低元冷媒とが熱交換する少なくとも1つの低元側冷媒回路とを備える。
低元側の低元冷媒は、高元冷媒より低沸点であり、これにより運転時での冷媒の凝縮圧力の上昇を防止することが可能であるが、反面、高元側冷媒回路と低元側冷媒回路との間で、冷媒特性の違いに起因して、立ち上がり速度のアンバランスが生じる。
より詳細には、低元側の低元冷媒は、高元冷媒より低沸点であり、圧縮機に吸入される同温度でのガス密度が大きいことから、冷媒の質量循環量が多くなるため、低元側冷媒回路の立ち上がり速度のほうが高元側冷媒回路より速くなりやすい。
このような立ち上がり速度のアンバランスがありながら、高元側冷媒回路と低元側冷媒回路とを同時に起動するとすれば、低元側冷媒回路の加熱能力が高元側冷媒回路の冷却能力に対して勝ち過ぎてしまい、定常運転に達する前に低元側冷媒回路が高圧カットにより停止する事態が生じ得る。
従来、このような事態に対処するために、高元側冷媒回路を先に起動し、低元側冷媒の高圧を下げる過程において負荷を受けて冷却能力を増加し、低元側冷媒の高圧が所定値まで下げられたことを検知後に、低元側冷媒回路を起動するようにしていた。
しかしながら、立ち上がり速度のアンバランスは、各元の冷媒特性の違いのみならず、起動初期の運転温度における各元の負荷のかかり方、起動時の温度条件等様々な要因により影響を受けることから、上述のような対処方法では十分とはいえない技術的問題が引き起こされる。
たとえば、低元側冷媒の沸点が非常に低く、起動時の周囲温度が高いことで、低元側冷媒回路の起動後の加熱能力上昇が速すぎる場合、あるいは高元側冷媒の沸点が非常に高く、起動時の周囲温度が低いことで、高元側冷媒回路の起動後の冷却能力上昇が遅すぎる場合、あるいは低元側冷媒回路に比較的沸点の高い冷媒を用いることにより、先行して起動する高元側冷媒回路にあまり負荷がかからず、高元側冷媒回路の冷媒循環量が少ない状態のまま低元側冷媒回路が起動する場合等があり得る。
一方、二元冷凍装置の高元側冷媒回路および低元側冷媒回路それぞれにおいて、過熱度に応じて膨張弁の開度を調整して、圧縮機の健全性を確保しているが、液圧縮の危険性を回避しつつ、膨張弁の制御の安定性を確保できるのであれば、過熱度は小さい方が、二元冷凍装置の冷凍能力が大きくなり、かつ高効率となる点で好ましいが、低元側冷媒回路の吐出冷媒過熱度が大きくなることが想定される場合には、高元側冷媒回路における過熱度は大きく設定する必要がある。
より詳細には、高元側冷媒回路の蒸発器において、低元側冷媒回路の高圧側加熱効果により冷媒が加熱されるところ、蒸発器出口の冷媒温度は、低元側冷媒吐出温度に引きずられる傾向があることから、高元側冷媒回路における過熱度を小さくしても、膨張弁が頻繁に開閉動作を繰り返し、系全体の安定性が確保困難となるので、過熱度を予め大きく設定しておく必要がある。
しかしながら、だからといって、過熱度を大きく設定すると、高元側冷媒回路の膨張弁は絞り気味となり、冷媒が流れにくくなり、高元側冷媒回路の立ち上がりが遅くなる。
特開平7−12439号 特開2001−241789号 特開2009−133539号
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、定常運転における系全体の安定性を確保しつつ、円滑な立ち上がりを可能とする二元冷凍装置の制御方法を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明の二元冷凍装置の制御方法は、
圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、中間熱交換器の蒸発部とが順に接続されて構成され、高元冷媒が循環する高元側冷媒回路と、圧縮機と、上記中間熱交換器の凝縮部と、膨張機構と、蒸発器とが順に接続されて構成され、高元冷媒より低沸点の低元冷媒が循環すると共に、上記中間熱交換器において高元冷媒と低元冷媒とが熱交換する少なくとも1つの低元側冷媒回路とを備えた二元冷凍装置の制御方法において、
立ち上げ運転において、高元側冷媒回路の立ち上げ速度を高めるように、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より小さく設定する、構成としている。
以上の構成を有する二元冷凍装置の制御方法によれば、定常運転においては、適正な過熱度により圧縮機の健全性を確保することにより、定常運転における系全体の安定性を確保しつつ、立ち上げ運転においては、高元側冷媒回路の立ち上げ速度を高めるように、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より小さく設定することにより、高元側冷媒回路の膨張機構の絞り傾向が抑制され、高元冷媒が循環しやすくなることにより、高元側冷媒回路の立ち上げ速度を積極的に高め、以て低元側冷媒回路の立ち上げ速度に近づけることにより、低元側冷媒回路の高圧カット発生を防止することで、円滑な立ち上がりが可能となる。
本明細書において、定常運転とは、外乱が系に入力されない限り、負荷に応じて収束した安定な運転状態を意味し、立ち上がり運転とは、系の起動からこのような定常運転までの運転状態を意味するものとして用いる。
また、立ち上げ運転から定常運転に至るまで、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を増大させるのがよい。
さらに、前記過熱度は、高元側低圧の値およびその変動幅に応じて、立ち上げ運転から定常運転に至るまで線形に変動させるのでもよい。
さらにまた、前記過熱度は、低元側の吐出温度と高圧飽和温度との差に応じて、立ち上げ運転から定常運転に至るまで線形に変動させるのでもよい。
加えて、前記過熱度は、立ち上げ運転から定常運転に至るまでタイマーにより段階的に変動させるのでもよい。
さらに、定常運転後においても引き続き、負荷変動に応じて、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を調整するのがよい。
上記課題を達成するために、本発明の二元冷凍装置の制御方法は、
圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、中間熱交換器の蒸発部とが順に接続されて構成され、高元冷媒が循環する高元側冷媒回路と、圧縮機と、上記中間熱交換器の凝縮部と、膨張機構と、蒸発器とが順に接続されて構成され、高元冷媒より低沸点の低元冷媒が循環すると共に、上記中間熱交換器において高元冷媒と低元冷媒とが熱交換する少なくとも1つの低元側冷媒回路とを備えた二元冷凍装置の制御方法において、
立ち上げ運転において、低元側冷媒回路の立ち上げ速度を低めるように、低元側冷媒回路における圧縮機の吸入側低元冷媒の過熱度を定常運転より大きく設定する、構成としている。
上記課題を達成するために、本発明の二元冷凍装置の制御方法は、
圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、中間熱交換器の蒸発部とが順に接続されて構成され、高元冷媒が循環する高元側冷媒回路と、圧縮機と、上記中間熱交換器の凝縮部と、膨張機構と、蒸発器とが順に接続されて構成され、高元冷媒より低沸点の低元冷媒が循環すると共に、上記中間熱交換器において高元冷媒と低元冷媒とが熱交換する少なくとも1つの低元側冷媒回路とを備えた二元冷凍装置の制御方法において、
立ち上げ運転において、高元側冷媒回路の立ち上げ速度を高めるように、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より小さく設定するとともに、低元側冷媒回路の立ち上げ速度を低めるように、低元側冷媒回路における圧縮機の吸入側低元冷媒の過熱度を定常運転より大きく設定する、構成としている。
さらに、立ち上げ運転から定常運転に至るまで、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を増大させつつ、低元側冷媒回路における圧縮機の吸入側低元冷媒の過熱度を減少させるのがよい。
さらにまた、立ち上げ運転から定常運転に至るまで、定常運転の直前において高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を最大とし、そこから定常運転まで減少するように変動させるのでもよい。
本発明に係る二元冷凍装置10の実施形態を図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1において、二元冷凍装置10は、高元側冷媒回路12と低元側冷媒回路14とが中間熱交換器16で接続されている。高元側冷媒および低元側冷媒それぞれについては、たとえば、フロン系として、R22およびR23、非フロン系として、アンモニア冷媒および二酸化炭素冷媒を用いてもよい。
高元側冷媒回路12は、概略的には、高元側圧縮機18の吐出側に一端が接続された高元側冷媒往管20の他端が、凝縮器22、膨張弁24を介して中間熱交換器16の1次側流路入口に接続され、1次側流路出口に一端が接続された高元側冷媒復管26の他端が、高元側圧縮機18の吸入側に接続され、冷媒回路を構成している。
一方、低元側冷媒回路14は、概略的には、低元側圧縮機28の吐出側に一端が接続された低元側冷媒往管30の他端が中間熱交換器16の2次側流路入口に接続され、2次側流路出口に一端が接続された低元側冷媒復管32の他端が、膨張弁34、蒸発器36を介して低元側圧縮機28の吸入側に接続され、冷媒回路を構成している。
中間熱交換器16は、乾式の蒸発器として構成され、中間熱交換器16の内部に高元側冷媒回路12と接続された熱交換管(図示せず)が配設され、胴側に低元側冷媒ガスが充満するようにする。これにより、高元側冷媒と管外の低元側冷媒ガスとが熱交換し、低元側冷媒が凝縮すると共に、中間熱交換器16の出口で高元側冷媒が乾きガスとなって高元側圧縮機18に吸引されるようにしてある。
高元側圧縮機18は、たとえば、容量制御式の往復圧縮機または回転あるいは遠心圧縮機が用いられる。特に、往復式圧縮機であれば、潤滑剤をクランク室等の低圧チャンバーに戻し、スクリュー圧縮機であれば、圧縮機ケーシングの低圧域又は中間圧域に戻すようにする。高元側冷媒回路12における高元側圧縮機18の駆動用モータ38には、インバータ装置40を設けて駆動用モータ38を回転数制御できるようにしてある。
高元側圧縮機18の下流側には油分離器42が設けられ、油分離器42で分離された潤滑剤は高元側圧縮機18に戻される。油分離器42の下流側には、順に凝縮器22及び受液器44が設けられ、受液器44の下流側には、運転の開始時又は停止時に高元側冷媒回路12の開閉を行なう電磁弁(図示せず)と、膨張弁24とが設けられている。凝縮器22は、蒸発式、水冷式又は空冷式でもよい。高元側圧縮機18の上流側の高元側冷媒復管26には、冷媒ガス温度を検出する温度センサ(図示せず)と冷媒ガス圧力を検出する圧力センサ(図示せず)が設けられている。
それに対して、低元側冷媒回路14においては、低元側圧縮機28の上流側にアキュムレータ46が設けられ、ここで冷媒中の液滴が除去される。
特に、低元側冷媒回路14において、低元側冷媒がかなりの低温である場合には、低元側冷媒に混入している潤滑剤の粘性が増大していることから、潤滑剤をアキュムレータ46の上流側冷媒流路に戻すと、潤滑剤がアキュムレータ46に付着して、低元側冷媒回路14の圧力損失を増大するか、あるいは低元側冷媒回路14を閉塞するおそれがあるので、高元側圧縮機18と同様に、油分離器を設けて、油分離器により分離された潤滑剤を低元側圧縮機28の低圧域又はアキュムレータ46と低元側圧縮機28間の冷媒流路に戻してもよい。
低元側圧縮機28は、高元側圧縮機18と同様に、たとえば、容量制御式の往復圧縮機または回転あるいは遠心圧縮機が用いられている。特に、往復式圧縮機であれば、潤滑剤をクランク室等の低圧チャンバーに戻し、スクリュー圧縮機であれば、圧縮機ケーシングの低圧域又は中間圧域に戻すようにする。
低元側冷媒回路14における低元側圧縮機28の駆動用モータ48には、高元側圧縮機18と同様に、インバータ装置50を設けて回転数制御をできるようにしている。なお、制御部52により、高元側圧縮機18のインバータ装置40と低元側冷媒回路14におけるインバータ装置50とをそれぞれ制御するようにしている。
中間熱交換器16の下流側には、受液器54が設けられ、中間熱交換器16で凝縮した低元側冷媒液は、受液器54に供給される。
低元側冷媒ガスは、低元側冷媒復管32を通って低元側圧縮機28に吸入される。低元側冷媒復管32には、吸入圧力調整弁(図示せず)が設けられ、ここで低元側冷媒ガスの圧縮機吸入圧が調整される。また、低元側冷媒復管32には、圧縮機吸入圧を検出する圧力センサ(図示せず)が設けられている。
低元側冷媒復管32と中間熱交換器16の胴部とを接続するホットガスライン56が設けられ、ホットガスライン56には、ホットガス電動弁(図示せず)と、運転開始時又は停止時にホットガスライン56を開閉するホットガス電磁弁(図示せず)が付設されている。
低元側圧縮機28から低元側冷媒往管30に吐出された低元側冷媒ガスは、中間熱交換器16に供給され、中間熱交換器16内で高元冷媒により冷却されて凝縮し、凝縮した低元冷媒液は、さらに過冷却されて膨張弁34に送られる。
図2に、高元側冷媒と低元側冷媒の温度バランスの一例を示す。図中、高元側冷媒飽和T1が凝縮器22での高元側冷媒の凝縮温度、低元側冷媒飽和T1が中間熱交換器16での低元側冷媒の凝縮温度、高元側冷媒飽和T2が中間熱交換器16での高元側冷媒の蒸発温度、低元側冷媒飽和T2が蒸発器36での低元側冷媒の蒸発温度である。
以上の実施形態において、低元側の蒸発器36に負荷が接続される構成、すなわち冷却運転が行われる場合の他、高元側の凝縮器22に負荷が接続される加熱運転(例えば、暖房や蒸気発生装置として適用する場合など)に用いたり、これらを交互に切り換え可能な構成としたりしてもよい。
中間熱交換器16で、高元側冷媒液は低元側冷媒ガスと熱交換されて気化し、高元側冷媒復管26を経て高元側圧縮機18に吸入されるが、その際、液圧縮防止の観点から、運転状態の過熱度が目標過熱度になるように調整している。以下、高元側冷媒回路12の過熱度の調整について説明する。
図3に示すように、高元側圧縮機18の吸入側における高元側冷媒圧力PLおよび高元側冷媒温度T1が検出され、PLは飽和蒸気温度T2に変換されて、過熱度SHがT2−T1により計算され、この過熱度が目標過熱度SHとなるように、膨張弁を制御する。
より具体的には、高元側冷媒SHは次の算式で求められる。
高元側冷媒SH=(高元側冷媒の蒸発器出口冷媒ガス温度T1)−(高元側冷媒の蒸発圧力相当飽和温度T2)
算式中、高元側冷媒の蒸発器出口冷媒ガス温度T1は、温度センサで検出される。中間熱交換器16での高元側冷媒の蒸発圧力相当飽和温度T2は、圧力センサで検出された高元側冷媒の蒸発圧力PLからコントローラ(図示せず)で換算され、コントローラで算式を演算して、高元側冷媒のSHが求められる。
運転が開始されると、高元側冷媒回路12に高元側冷媒が供給され、この状態で膨張弁24の開度は0%とする。次に、コントローラで膨張弁24の開方向への操作量を演算する。膨張弁24の動作はコントローラでPID制御される。高元側冷媒SHの目標値は、たとえば、SV=6℃に設定される。
選択された操作量となるように、コントローラでMV=0〜100%の範囲で膨張弁24をPID制御により操作する。
以上は、膨張弁24が動作方向正(開方向)に動作する場合であるが、膨張弁24が操舵方向負(閉方向)に動作する場合であっても同様の制御を行なう。
なお、コントローラにおいて、膨張弁24の開度を調整するのに電気信号を膨張弁24に送信するようにしている。この場合、たとえば電気信号の0ないし20mAを過熱度0ないし30Kに線形に対応させるようにしておく。
次に、目標過熱度の設定について、立ち上がり運転の当初においては、図4(A)に示すように、定常運転における過熱度値Zより小さいXとするとともに、タイマーのカウントをスタートする。これにより、高元側冷媒回路12の立ち上げ速度を高め、低元側冷媒回路の立ち上げ速度に近づける。
次いで、タイマーが所定のカウント数をカウントしたら、定常運転における過熱度値Zより小さいが、Xより大きいYとするとともに、タイマーのカウントを再スタートする。これにより、高元側冷媒回路12の立ち上げ速度を大きく損なうことなく、制御の安定性を高める。これにより、従来のように、低元側冷媒回路14の加熱能力が高元側冷媒回路12の冷却能力に対して勝ち過ぎてしまい、定常運転に達する前に低元側冷媒回路14が高圧カットにより停止する事態を未然に防止し、安定性にも配慮した制御をすることが可能である。
次いで、タイマーが所定のカウント数をカウントしたら、定常運転における過熱度値Zとする。これにより、定常運転においては、適切な過熱度により、液圧縮を生じることなく圧縮機の健全性を確保することにより、系全体の安定性を確保することが可能である。
過熱度については、図4(A)に示すように、立ち上がり運転から定常運転に至るまで、段階的にステップ状に増大してもよい。この場合、何段階で増大させるかについては、あるいは各段階における過熱度の増分については、立ち上がり運転と定常運転とにおける過熱度の差に応じて適宜定めればよい。また、図4(B)に示すように、立ち上がり運転から定常運転に至るまで、線形に増大してもよい。
なお、定常運転後においても引き続き、負荷変動に応じて、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を調整してもよい。特に、図示していないが、立ち上がり運転から定常運転に至るまで、ステップ状あるいは線形、非線形に係らず、過熱度を単調に増大させるのでなく、定常運転の直前で過熱度を最大として、定常運転までの短い区間において単調減少させるのでもよい。これにより、定常運転に円滑に移行することが可能となる。よって、過熱度の最大値をどのぐらいにするか、あるいは定常運転のどのぐらい直前で最大とするかは、このような観点から定めればよい。
以上の構成を有する二元冷凍装置の制御方法によれば、定常運転においては、適正な過熱度により圧縮機の健全性を確保することにより、定常運転における系全体の安定性を確保しつつ、立ち上げ運転においては、高元側冷媒回路の立ち上げ速度を高めるように、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より小さく設定することにより、高元側冷媒回路の膨張機構の絞り傾向が抑制され、高元冷媒が循環しやすくなることにより、高元側冷媒回路の立ち上げ速度を積極的に高め、以て低元側冷媒回路の立ち上げ速度に近づけることにより、低元側冷媒回路の高圧カット発生を防止することで、円滑な立ち上がりが可能となる。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、立ち上げ運転において、定常運転に比べて高元側冷媒回路の立ち上げ速度を高めるように、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より小さく設定するものとして説明したが、それに限定されることなく、低元側冷媒回路の高圧カット発生の防止に寄与する限り、立ち上げ運転において、定常運転に比べて低元側冷媒回路の立ち上げ速度を低めるように、低元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より大きく設定するのでもよく、あるいは立ち上げ運転において、定常運転に比べて高元側冷媒回路の立ち上げ速度を高めるように、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より小さく設定するとともに、定常運転に比べて低元側冷媒回路の立ち上げ速度を低めるように、低元側冷媒回路における圧縮機の吸入側低元冷媒の過熱度を定常運転より大きく設定するのでもよい。
この場合、立ち上げ運転から定常運転に至るまで、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を増大させつつ、低元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を減少させるのでもよい。
また、本実施形態において、高元側冷媒の過熱度として、蒸発器出口側での制御として、高元側冷媒SH=(高元側冷媒の蒸発器出口冷媒ガス温度T1)−(高元側冷媒の蒸発圧力相当飽和温度T2)により算出したが、それに限定されることなく、圧縮機吸入側での制御として、高元側冷媒SH=(高元側冷媒の圧縮機吸入冷媒ガス温度T1)−(高元側冷媒の吸込圧力相当飽和温度T2)により算出してもよく、蒸発器から圧縮機までの圧損があまり大きくなければ、高元側冷媒SH=(高元側冷媒の蒸発器出口冷媒ガス温度T1)−(高元側冷媒の吸込圧力相当飽和温度T2)により算出してもよい。
本発明の実施形態に係る二元冷凍装置の全体構成図である。 本発明の実施形態に係る二元冷凍装置の温度バランスを示す線図である。 本発明の実施形態に係る二元冷凍装置の過熱度の検出に係る部分の概略図である。 本発明の第1実施形態に係る二元冷凍装置の過熱度の調整を示す図である。
10 二元冷凍装置
12 高元側冷媒回路
14 低元側冷媒回路
16 中間熱交換器
18 高元側圧縮機
20 高元側冷媒往管
22 凝縮器
24 膨張弁
26 高元側冷媒復管
28 低元側圧縮機
30 低元側冷媒往管
32 低元側冷媒復管
34 膨張弁
36 蒸発器
38 駆動用モータ
40 インバータ装置
42 油分離器
44 受液器
46 アキュムレータ
48 駆動用モータ
50 インバータ装置
52 制御部
54 受液器
56 ホットガスライン

Claims (10)

  1. 圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、中間熱交換器の蒸発部とが順に接続されて構成され、高元冷媒が循環する高元側冷媒回路と、圧縮機と、上記中間熱交換器の凝縮部と、膨張機構と、蒸発器とが順に接続されて構成され、高元冷媒より低沸点の低元冷媒が循環すると共に、上記中間熱交換器において高元冷媒と低元冷媒とが熱交換する少なくとも1つの低元側冷媒回路とを備えた二元冷凍装置の制御方法において、
    立ち上げ運転において、高元側冷媒回路の立ち上げ速度を高めるように、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より小さく設定する、ことを特徴とする二元冷凍装置の制御方法。
  2. 立ち上げ運転から定常運転に至るまで、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を増大させる、請求項1に記載の二元冷凍装置の制御方法。
  3. 前記過熱度は、高元側低圧の値およびその変動幅に応じて、立ち上げ運転から定常運転に至るまで線形に変動させる、請求項2に記載の制御方法。
  4. 前記過熱度は、低元側の吐出温度と高圧飽和温度との差に応じて、立ち上げ運転から定常運転に至るまで線形に変動させる、請求項2に記載の制御方法。
  5. 前記過熱度は、立ち上げ運転から定常運転に至るまでタイマーにより段階的に変動させる、請求項2に記載の制御方法。
  6. 定常運転後においても引き続き、負荷変動に応じて、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を調整する、請求項1に記載の制御方法。
  7. 圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、中間熱交換器の蒸発部とが順に接続されて構成され、高元冷媒が循環する高元側冷媒回路と、圧縮機と、上記中間熱交換器の凝縮部と、膨張機構と、蒸発器とが順に接続されて構成され、高元冷媒より低沸点の低元冷媒が循環すると共に、上記中間熱交換器において高元冷媒と低元冷媒とが熱交換する少なくとも1つの低元側冷媒回路とを備えた二元冷凍装置の制御方法において、
    立ち上げ運転において、低元側冷媒回路の立ち上げ速度を低めるように、低元側冷媒回路における圧縮機の吸入側低元冷媒の過熱度を定常運転より大きく設定する、ことを特徴とする二元冷凍装置の制御方法。
  8. 圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、中間熱交換器の蒸発部とが順に接続されて構成され、高元冷媒が循環する高元側冷媒回路と、圧縮機と、上記中間熱交換器の凝縮部と、膨張機構と、蒸発器とが順に接続されて構成され、高元冷媒より低沸点の低元冷媒が循環すると共に、上記中間熱交換器において高元冷媒と低元冷媒とが熱交換する少なくとも1つの低元側冷媒回路とを備えた二元冷凍装置の制御方法において、
    立ち上げ運転において、高元側冷媒回路の立ち上げ速度を高めるように、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を定常運転より小さく設定するとともに、低元側冷媒回路の立ち上げ速度を低めるように、低元側冷媒回路における圧縮機の吸入側低元冷媒の過熱度を定常運転より大きく設定する、ことを特徴とする二元冷凍装置の制御方法。
  9. 立ち上げ運転から定常運転に至るまで、高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を増大させつつ、低元側冷媒回路における圧縮機の吸入側低元冷媒の過熱度を減少させる、請求項8に記載の二元冷凍装置の制御方法。
  10. 立ち上げ運転から定常運転に至るまで、定常運転の直前において高元側冷媒回路における圧縮機の吸入側高元冷媒の過熱度を最大とし、そこから定常運転まで減少するように変動させる、請求項2に記載の二元冷凍装置の制御方法。
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