JP6160216B2 - 半導体装置 - Google Patents

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本発明は、半導体装置に関するものである。
従来から、高周波デバイス用半導体素子には、半導体材料として窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体が用いられている(以下、GaN系半導体素子とする)。GaN系半導体素子では、半導体基板の表面に、例えば有機金属化学気相蒸着(MOCVD:Metal−Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成されたバッファ層やGaNドープ層が設けられている。最近では、高周波用途に加え、電力用のパワーデバイスにも適用可能であるという認識から、高耐圧、大電流を扱うデバイスの検討も行われている。一方、GaNとは別に、SiC(炭化珪素)も、GaN系化合物半導体と同様に、シリコンよりもバンドギャップが広く、絶縁破壊電圧が大きいことから、シリコンの次世代パワーデバイス材料として期待され、応用されている。
GaN系化合物半導体では、主にシリコンやSiCなどの異種半導体基板上に成長させた半導体結晶を用いて、横型の高耐圧パワーデバイスが製作されているが、昨今、GaNバルク単結晶技術が進展し、大口径の単結晶基板が提供されつつある。それにともない、電流を基板の主表面とは垂直の方向に流す、いわゆる縦型構造のパワーデバイスの検討も行われるようになってきた。一方、SiCにおいては、もともとパワーデバイス用途に結晶が開発されてきたことから、縦型構造のパワーデバイスが開発されている。
縦型構造の半導体素子として、PN接合をゲートに用いた縦型のJFET(接合型電界効果トランジスタ)がある(非特許文献1参照)。図10は、公知のJFETの一例の模式的な断面図である。図10に示すように、JFET1000は、裏面にドレイン電極1が形成されたN型のGaN基板からなるドレイン領域2と、ドレイン領域2上に形成されたN型のGaNからなるドリフト領域3と、ドリフト領域3の内部に形成されたP型のGaNならなる複数のゲート領域4と、ドリフト領域3の表面に形成されたN型のGaNからなるソース領域6と、ソース領域6に電気的に接触するように形成されたソース電極7と、を備えている。ドレイン電極1はドレイン端子11と接続している。ゲート領域4は不図示のゲート電極を介してゲート端子12と接続している。ソース電極7はソース端子13と接続している。電源V1はJFET1000に対してソース−ドレイン電圧を印加する電源であり、電源V2はゲート抵抗Lを介してソース−ゲート電圧を印加する電源である。
このJFET1000では、2つのゲート領域4の間のドリフト領域3の領域がチャネル領域となり、ソース−ドレイン電圧を印加するとドレイン電流がチャネル領域をドレイン領域2側からソース領域6へ向かって流れる。また、ソース領域6に対して負電圧となるようにゲート領域4にソース−ゲート電圧を印加すると、ドリフト領域3のチャネル領域にゲート領域4とのPN接合から空乏層が広がり、チャネルをピンチオフして、電流を遮断する。これによって、JFET1000がオフ状態となる。なお、逆バイアス時のJFET1000の耐圧は、この空乏層の広がりによって維持される。
このようなJFETは、ゲート電圧が0Vの場合にチャネルが開いているノーマリオン特性を有する。ただし、ゲート間距離(ゲート領域4の間の距離)を狭くすると、ゲート電圧が0Vの場合でもチャネルが開いていないノーマリオフ特性を有するように設計することができる。このようなJFETは、MOSFETのようにチャネル領域にゲート絶縁膜を使用しない構成なので、たとえば絶縁膜の破壊や、絶縁膜と半導体との界面の界面準位に依存したチャネル特性などの問題がなく、PN接合技術のみで素子を構成することができる。またJFETは、MOSFETなどと比較してチャネル抵抗が小さく、素子のオン抵抗が小さくできることなど、パワーデバイスとしてのメリットを有している。
また、GaNやSiCはバンドギャップが広いため、MOSFETのように絶縁膜を使用する場合、半導体に対する絶縁膜のバリアの高さの差がシリコンの場合より狭くなってしまい、絶縁膜へのキャリアの注入が発生しやすい。このため高温での絶縁膜劣化を引き起こしやすい。このことにより、特にGaNやSiCなどの広バンドギャップ半導体を利用したパワーデバイスにおいては、縦型JFET構造は有利である。
高塚 他、「SiC−BGSITのノーマリオフ実現と大容量化」、応用物理学会 SiC及び関連ワイドギャップ半導体研究会 第19回講演会 予稿集、P−49、2010年10月21日−22日
しかしながら、このような縦型のJFET1000は、ゲート領域4が主たるPN接合を形成しており、耐圧を維持するためのPN接合(図10の領域A)と直接接続される構造となっている。このため、たとえば、アバランシェ降伏などによりPN接合に流れるリーク電流はゲート領域4を介してゲート電極へと流れ込む(図10の電流C)。したがって、PN接合がなんらかの原因で破壊した場合、ドレイン側に接続された電源から大きな電流がゲート回路に流れ込むおそれがある。その場合にはゲート回路が大きく破損し、場合によっては近接するほかのパワーデバイスに接続されたゲート回路も破壊するおそれがある。また、オフ状態においてJFET1000がPN接合の耐圧に達してPN接合がアバランシェ降伏した場合、その電流はゲート領域4に流れ込む。このとき、ゲート抵抗によってゲート領域4に正電圧がバイアスされると、チャネルが開いてソース・ドレイン間が短絡するという誤動作が発生する。この状況は、ドレイン電圧が上がってドレイン電流が増加すると、素子のインピーダンスが下がる現象であることから、負性抵抗が生じ、電流が素子内の局部的に集中しやすくなる。このように電流が局部的に集中すると局部的に半導体の温度が上昇して素子破壊を招くため、素子の信頼性を低下させる要因となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、シリコンよりもバンドギャップが広い半導体で構成された縦型の半導体装置であって、第1導電型のドレイン領域と、前記ドレイン領域に隣接して形成された第1導電型のドリフト領域と、前記ドリフト領域の内部に形成された第2導電型のゲート領域と、前記ドリフト領域の前記ドレイン領域とは反対側に隣接して形成された第1導電型のソース領域と、前記ドリフト領域の内部に前記ゲート領域に隣接して形成され、前記ソース領域と電気的に接触するとともに、前記ゲート領域よりも前記ドレイン領域側に延伸している延伸部を有する第2導電型領域と、を備え、前記ゲート領域と前記第2導電型領域との間に、前記ドレイン領域と前記ソース領域とを直線的に結ぶようにチャネル領域が形成されることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、上記発明において、前記チャネル領域は前記ドレイン領域と前記ソース領域とが広がっている方向に垂直な方向から0度〜30度の角度を成す方向に沿って形成されることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、上記発明において、前記第2導電型領域の延伸部と、前記ドリフト領域とは、前記ドレイン領域と前記ソース領域とが広がっている方向において交互に配列されており、超接合構造を形成していることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、上記発明において、前記ソース領域に電気的に接触するソース電極をさらに備え、前記ソース電極は、前記ソース領域側から前記第2導電型領域まで掘込まれた溝を通じて前記第2導電型領域と電気的に接触していることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、上記発明において、当該半導体装置を構成する半導体は窒化物系半導体または炭化珪素系半導体であることを特徴とする。
本発明によれば、信頼性の高い半導体装置を実現できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る半導体装置の電極配置を示す模式的な平面図である。 図2は、図1に示す半導体装置のA−A線断面図である。 図3は、図1に示す半導体装置のB−B線断面図である。 図4は、実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図である。 図5は、実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図である。 図6は、実施の形態2に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図7は、実施の形態3に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図8は、実施の形態3に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図である。 図9は、実施の形態4に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図10は、公知のJFETの一例の模式的な断面図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る半導体装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の電極配置を示す模式的な平面図である。図2は、図1に示す半導体装置のA−A線断面図である。図3は、図1に示す半導体装置のB−B線断面図である。この半導体装置100は、縦型構造のJFETであり、図1に示すように、上面はほぼソース電極7で覆われており、その周囲にゲート電極5が配置されている。また、図1に示すように、この半導体装置100は、JFETの単位セルが図1の紙面左右方向に複数配置された構成を有する。
つぎに、図2、3を参照して半導体装置100の構成を説明する。この半導体装置100は、裏面にドレイン電極1が形成されたN型(第1導電型)のGaN基板からなるドレイン領域2と、ドレイン領域2の上側に隣接して形成されたN型のGaNからなるドリフト領域3と、ドリフト領域3の内部に形成されたP型(第2導電型)のGaNからなる複数のゲート領域4と、ドリフト領域3の、ドレイン領域2とは反対側である上側に隣接して形成されたN型のGaNからなるソース領域6と、ソース領域6の表面にソース領域6と電気的に接触するように形成されたソース電極7とを備えている。
ドレイン電極1はドレイン端子11と接続している。また、図1、3に示すように、ドリフト領域3の一部がメサ状に形成されてゲート領域4が露出している。露出したゲート領域4上には、ゲート電極5が形成されており、ゲート領域4はゲート電極5を介してゲート端子12と接続している。ソース電極7はソース端子13と接続している。
半導体装置100は、さらに、ドリフト領域3内に形成された第2導電型領域であるP型領域8を備えている。このP型領域8は、2つのソース領域6と電気的に接触するように配置されている。さらに、P型領域8は、ゲート領域4に隣接して配置されており、ゲート領域4よりもドレイン領域2側に延伸している延伸部8aを有している。
この半導体装置100では、ゲート領域4とP型領域8との間に、ドレイン領域2とソース領域6とを直線的に結ぶように矢印Ar1の方向にチャネル領域が形成され、ソース−ドレイン電圧を印加するとドレイン電流が矢印Ar1の方向に沿ってチャネル領域を流れる。矢印Ar1の方向は、ドレイン領域2とソース領域6とが広がっている矢印Ar2の方向に略垂直である。この矢印Ar2の方向は、ドレイン領域2およびソース領域6とドリフト領域3との境界面に沿った方向であり、かつドレイン領域2を構成する基板の主表面に沿った方向である。また、負電圧のソース−ゲート電圧を印加すると、ドリフト領域3のチャネル領域にゲート領域4とのPN接合から空乏層が広がり、チャネルをピンチオフして、電流を遮断する。これによって、半導体装置100はオフ状態となる。
この半導体装置100では、P型領域8は、ゲート領域4よりもドレイン領域2側に延伸している延伸部8aを有しているので、P型領域8とドリフト領域3とによるPN接合も、ゲート領域4とドリフト領域3とによるPN接合よりもドレイン領域2側に近い部分がある。このため、ドレイン領域2に高い負電圧を印加した場合に、もっとも電界強度が強くなるのは、P型領域8のドレイン領域2側の端部となり、アバランシェ降伏はその部分で発生する。
ここで、上述したように、図10に示す構成の半導体装置1000では、アバランシェ降伏により発生した正孔電流はゲート領域4を介してゲート電極へ流れる。
これに対して、本実施の形態1に係る半導体装置100では、アバランシェ降伏により発生した正孔電流はP型領域8を経由してソース電極7へ、電子はドレイン側へと流れるため、ゲート電極5への電流の流れ込みはほとんど発生しない。このため、半導体装置100がオフ状態のゲートバイアス状態は維持される。したがって、半導体装置100のブレークダウン特性は単純なPN接合のアバランシェ特性を示すだけであり、上述したような負性抵抗は発生せず、電流の集中は発生しない。よって、半導体装置100の破壊を引き起こすことは無い。もちろん、ゲート回路への電流の流れ込みも無いので、ゲート回路への負担もない。
なお、延伸部8aの長さd1については、0μmよりも大きければ、アバランシェ電流のゲート電極5への流れ込みを防止する効果があるが、アバランシェ電流をゲート領域4ではなく延伸部8aへ効果的に流れ込むようにするためには、ゲート領域4の横幅D(矢印Ar2方向の幅)と同程度あるのが好ましく、例えば0.5μm以上2μm以下の範囲であれば十分な効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態1に係る半導体装置100は、破壊しにくく、ゲート回路への負担も少ない、信頼性が高い半導体装置である。
つぎに、半導体装置100の製造方法の一例について説明する。図4、5は、半導体装置100の製造方法の一例を示す図である。
はじめに、図4(a)に示すように、GaN基板からなるドレイン領域2上に、たとえばMOCVD法を用いたエピタキシャル成長などによって、ドリフト領域3の一部となるN型のGaN層3a、ゲート領域4を形成するためのP型のGaN層16を順次形成する。
つぎに、図4(b)に示すように、GaN層16上に、ゲート領域4の形状を形成するためのエッチング用のマスクM1を形成し、ドライエッチング等によってGaN層16,3aをメサ形状にエッチングする。これによって所望の形状のゲート領域4が形成される。その後、マスクM1を除去する。
つぎに、図4(c)に示すように、エピタキシャル成長などによって、ドリフト領域3の残りの部分となるGaN層3b、およびP型領域8を形成するためのP型のGaN層17を順次形成し、図4(b)に示す工程で形成したメサ形状を埋め込む。
つぎに、図4(d)に示すように、エッチングまたは研磨によってGaN層17の表面側を除去し、所望の形状のP型領域8を形成する。
つぎに、図5(a)に示すように、P型領域8上の一部領域にイオン注入用のマスクM2を形成し、シリコンや酸素等のN型の不純物のイオンIをイオン注入する。その後、不純物の活性化のための熱処理を行って、図5(b)に示すようにソース領域6を形成する。その後、エッチングによって、所定の領域でドリフト領域3の一部を除去し、ゲート領域4を露出させる(図3参照)。
つぎに、図5(c)に示すように、ドレイン領域2側にドレイン電極1、ソース領域6側にソース電極7を形成し、露出したゲート領域4上にはゲート電極5(図1、3参照)を形成する。ドレイン電極1、ソース電極7、およびゲート電極5はいずれもオーミック電極とし、たとえばTiなどの金属で構成する。その後、素子分離等の必要な処理を行って、半導体装置100が完成する。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る半導体装置の模式的な断面図であって、実施の形態1に係る半導体装置100における図2に示す断面図に相当する図である。
この半導体装置200は、半導体装置100において、P型領域8をP型領域8Aに置き換えた構成を有する。
ドリフト領域3内に形成された第2導電型領域であるP型領域8Aは、2つのソース領域6と電気的に接触するように、かつゲート領域4に隣接して配置されている。さらに、P型領域8Aは、ゲート領域4よりもドレイン領域2側に延伸している延伸部8Aaを有している。延伸部8Aaは、半導体装置100の延伸部8aよりもさらにドレイン領域2に近接するように延伸している。
この半導体装置200においても、ゲート領域4とP型領域8Aとの間に、ドレイン領域2とソース領域6とを直線的に結ぶようにチャネル領域が形成され、ソース−ドレイン電圧を印加するとドレイン電流がチャネル領域を流れる。電流が流れる方向は、ドレイン領域2とソース領域6とが広がっている方向である矢印Ar2の方向に略垂直である。また、負電圧のソース−ゲート電圧を印加すると、ドリフト領域3のチャネル領域にゲート領域4とのPN接合から空乏層が広がり、チャネルをピンチオフして、電流を遮断する。これによって、半導体装置200はオフ状態となる。
この半導体装置200でも、P型領域8Aは、ゲート領域4よりもドレイン領域2側に延伸している延伸部8Aaを有しているので、アバランシェ降伏により発生した正孔電流はP型領域8Aを経由してソース電極7へ流れるため、ゲート電極5への電流の流れ込みはほとんど発生しない。
さらに、この半導体装置200では、領域Sにおいて、P型領域8Aの延伸部8Aaと、ドリフト領域3とは、矢印Ar2の方向において交互に配列されており、超接合構造を形成している。その結果、半導体装置200に負の高電圧を印加したときに、P型である延伸部8AaとN型であるドリフト領域3の両方に空乏層が広がるので、高い耐圧を実現することができる。なお、この超接合構造を採用した半導体装置200では、P型領域にはほとんど空乏層が広がらない半導体装置100の構成と比較して、ドリフト領域3を、より高い不純物濃度(すなわちより低い電気抵抗値)としても、同程度の耐圧を実現することができる。すなわち、半導体装置200は、半導体装置100と同程度の耐圧でありながら、オン抵抗がより低い装置とできる。
領域Sにおいて延伸部8Aaとドリフト領域3との全体に空乏層を広げるためには、延伸部8Aaに含まれるP型キャリアの総数とドリフト領域3に含まれるN型キャリアの総数が等しいことが好ましい。したがって、延伸部8Aaの幅w1とP型キャリア濃度との積と、ドリフト領域3の幅w2とN型キャリア濃度との積と、が等しいことが好ましい。また、延伸部8Aaの長さd2はたとえば耐圧が600Vの場合は5μm程度、1200Vの場合は10μm程度が好ましい。
また、延伸部8AaのP型キャリア濃度については、上記超接合構造を実現するための濃度とし、延伸部8Aaよりもソース領域6側のP型領域8AのP型キャリア濃度については、延伸部8AaのP型キャリア濃度よりも高い濃度としてもよい。これによってオン抵抗をよりいっそう低くできる。
なお、超接合構造を図10に示すJFET構造の半導体装置1000に適用しようとしたときの最大の問題点は、超接合構造ではPN接合面積が増大するため、図10からもわかるように、ゲートの入力容量が増大してしまう。したがって、上述した課題に加えて、入力容量が増大してゲート駆動電力が大幅に増大するという問題が追加される。しかしながら、本実施の形態2においては、超接合構造のPN接合を、ソース領域6に接続するP型領域8Aの延伸部8Aaによって形成しているため、超接合構造による容量は、ソース−ドレイン間での出力容量となる。そのため、ゲート回路への負担は増加せず、ゲート制御が容易である。
なお、本実施の形態2に係る半導体装置200は、上述した実施の形態1に係る半導体装置100の製造方法と同様の方法で製造することができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る半導体装置の模式的な断面図であって、実施の形態1に係る半導体装置100における図2に示す断面図に相当する図である。
この半導体装置300は、半導体装置100において、P型領域8、ソース電極7をそれぞれソース電極7A、P型領域8Bに置き換えた構成を有する。
P型領域8Bは、ゲート領域4よりもドレイン領域2側に延伸している延伸部を有している。ソース電極7Aは、ソース領域6側からP型領域8Aまで掘込まれた溝Gを通じてP型領域8Aと電気的に接触している。なお、ソース電極7Aは、ドリフト領域3のうち溝Gの側壁を形成する領域3cに対してはショットキー接触する。
この半導体装置300は、実施の形態1に係る半導体装置100において得られる効果と同様の効果が得られ、破壊しにくく、ゲート回路への負担も少ない、信頼性が高い半導体装置である。また、それに加え、半導体装置300では、ソース電極7AがP型領域8Bに向かって伸びている。この伸びている部分については、半導体装置100の場合と比較して、半導体の電気抵抗から金属電極の電気抵抗に置き換わっているので、電気抵抗が低くなる。このような電気抵抗の低減は、半導体装置300における容量の寄生効果を低減する効果が有るので、高速スイッチング特性の向上に寄与する。
つぎに、半導体装置300の製造方法の一例について説明する。図8は、半導体装置300の製造方法の一例を示す図である。
はじめに、GaN基板からなるドレイン領域2上に、たとえばMOCVD法を用いたエピタキシャル成長などによって、ドリフト領域3の一部となるN型のGaN層3dと、ゲート領域4、P型領域8Bを形成するためのP型のGaN層21とを順次形成する。つぎに、GaN層21上に、エッチング用のマスクM1を形成し、ドライエッチング等によってGaN層21,3dをメサ形状にエッチングする。これによって、図8(a)に示すように、所望の形状のゲート領域4と、P型領域8Bを形成するためのGaN層21の形状とが形成される。その後、マスクM1を除去する。
つぎに、図8(b)に示すように、GaN層21の表面以外の領域を覆うようにイオン注入用のマスクM2を形成し、マグネシウム等のP型の不純物のイオンIをイオン注入する。その後、不純物の活性化のための熱処理を行って、延伸部を形成してP型領域8Bとする。
つぎに、図8(c)に示すように、エピタキシャル成長などによって、ドリフト領域3の残りの部分となるGaN層3eを順次形成し、メサ形状を埋め込む。
その後は、上述した実施の形態1に係る半導体装置100の製造方法と同様の方法で、ソース領域6、ドレイン電極1、ソース電極7A、およびゲート電極5を形成する。なお、ソース電極7Aを形成する際は、エッチングによってドリフト領域3に、P型領域8Bに到達する深さの溝Gを形成した後に、ソース電極7Aの形成を行う。その後、素子分離等の必要な処理を行って、半導体装置300が完成する。
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4に係る半導体装置の模式的な断面図であって、実施の形態1に係る半導体装置100における図2に示す断面図に相当する図である。
この半導体装置400は、実施の形態3に係る半導体装置300において、P型領域8BをP型領域8Cに置き換えた構成を有する。
P型領域8Cは、実施の形態1に係る半導体装置100のP型領域8と同様の構成を有する。ソース電極7Aは、ソース領域6側からP型領域8C内に掘込まれた溝Gを通じてP型領域8Cと電気的に接触している。
この半導体装置400は、半導体装置300において得られる効果と同様の効果が得られ、破壊しにくく、ゲート回路への負担も少ない、信頼性が高く、かつオン抵抗が低い半導体装置である。また、それに加え、半導体装置400では、半導体装置300ではソース電極7Aが領域3cとショットキー接触していた部分が、P型領域8Cに置き換わっており、この部分ではソース電極7AはP型領域8Cとオーミック接触している。その結果、半導体装置400では、ソース電極7AとP型領域8Cとのオーミック接触の面積が半導体装置300の場合よりも広くなるので、より電気抵抗が低くなる。その結果、半導体装置400における容量の寄生効果の低減効果はさらに大きくなるので、高速スイッチング特性がさらに向上する。
上記実施の形態に係る半導体装置は、破壊のない高い信頼性の要求されるインバータなどの電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置などに使用されるパワー半導体装置として特に有用である。
なお、上記実施の形態に係る半導体装置は、シリコンよりもバンドギャップが広い半導体であるGaNで構成しているが、各半導体装置においてGaNで構成している領域は、シリコンよりもバンドギャップが広い半導体で構成すれば特に限定されず、たとえばGaN以外の窒化物系半導体、または炭化珪素系半導体で構成してもよい。半導体領域を炭化珪素系半導体で構成する場合には、N型不純物はたとえば窒素やリンとする。上記各半導体装置をGaN系半導体や炭化珪素系半導体で形成する場合、シリコン系半導体で形成する場合に比べてP型領域を浅い位置に形成することができるため、製造プロセスが容易になるため好ましい。
また、上記実施の形態に係る半導体装置では、ドレイン領域2とソース領域6とを直線的に結ぶようにチャネル領域が形成され、チャネル領域の伸びる方向は、ドレイン領域2とソース領域6とが広がっている矢印Ar2の方向に略垂直である。しかしながら、チャネル領域は形成される方向が略垂直に限られず、矢印Ar2の方向に垂直な方向から0度〜30度の角度を成す方向に沿って形成されていれば、装置の矢印Ar2の方向におけるサイズの増大が抑制されるので好ましい。
また、上記実施の形態に係る半導体装置では、第1導電型がN型、第2導電型がP型であるが、第1導電型がP型、第2導電型がN型でもよい。
なお、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。たとえば、実施の形態3、4に係る半導体装置に、実施の形態2の超接合構造を適用してもよい。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 ドレイン電極
2 ドレイン領域
3 ドリフト領域
3a,3b,3d,3e,16,17,21 GaN層
3c 領域
4 ゲート領域
5 ゲート電極
6 ソース領域
7,7A ソース電極
8,8A,8B,8C P型領域
8a,8Aa 延伸部
11 ドレイン端子
12 ゲート端子
13 ソース端子
100,200,300,400 半導体装置
Ar1,Ar2 矢印
G 溝
I イオン
M1,M2 マスク
S 領域

Claims (4)

  1. 窒化物系半導体で構成された縦型の半導体装置であって、
    第1導電型のドレイン領域と、
    前記ドレイン領域に隣接して形成された第1導電型のドリフト領域と、
    前記ドリフト領域の内部に形成された第2導電型のゲート領域と、
    前記ドリフト領域の前記ドレイン領域とは反対側に隣接して形成された第1導電型のソース領域と、
    前記ドリフト領域の内部に前記ゲート領域に隣接して形成され、前記ソース領域と電気的に接触するとともに、前記ゲート領域よりも前記ドレイン領域側に延伸している延伸部を有する第2導電型領域と、
    を備え、前記ゲート領域は、一部の領域が、前記ソース領域と前記ドレイン領域とに縦方向で挟まれた位置で前記ドリフト領域に埋め込まれているとともに、他の一部の領域が前記ドリフト領域から露出してゲート電極と直接接触しており、
    前記ゲート領域と前記第2導電型領域との間に、前記ドレイン領域と前記ソース領域とを直線的に結ぶようにチャネル領域が形成されることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記チャネル領域は前記ドレイン領域と前記ソース領域とが広がっている方向に垂直な方向から0度〜30度の角度を成す方向に沿って形成されることを特徴とする請求項1に記載に半導体装置。
  3. 前記第2導電型領域の延伸部と、前記ドリフト領域とは、前記ドレイン領域と前記ソース領域とが広がっている方向において交互に配列されており、超接合構造を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載に半導体装置。
  4. 前記ソース領域に電気的に接触するソース電極をさらに備え、前記ソース電極は、前記ソース領域側から前記第2導電型領域まで掘込まれた溝を通じて前記第2導電型領域と電気的に接触しているとともに、前記ドリフト領域のうち前記溝の側壁を形成する領域とショットキー接触していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載に半導体装置。
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