JP6159228B2 - 非水系二次電池用正極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非水系二次電池用正極、及びその製造方法に関する。また、本発明は、非水系二次電池およびそれを有する電気機器に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池、リチウムイオンキャパシタ、空気電池等、種々の蓄電装置の開発が盛んに行われている。特に高出力、高エネルギー密度であるリチウムイオン二次電池は、携帯電話やスマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯情報端末、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ等の電気機器、あるいは医療機器、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車など、半導体産業の発展に伴い急速にその需要が拡大し、充電可能なエネルギーの供給源として現代の情報化社会に不可欠なものとなっている。
非水系二次電池の中でも高エネルギー密度を有することで広く普及しているリチウムイオン二次電池は、コバルト酸リチウム(LiCoO)やリン酸鉄リチウム(LiFePO)などの活物質を含む正極と、リチウムの吸蔵・放出が可能な黒鉛等の炭素材料からなる負極と、エチレンカーボネートやジエチルカーボネートなどの有機溶媒に、LiBFやLiPF等のリチウム塩からなる電解質を溶解させた非水電解液などにより構成される。リチウムイオン二次電池の充放電は、二次電池中のリチウムイオンが非水電解液を介して正極−負極間を移動し、正極負極の活物質にリチウムイオンが挿入脱離することにより行われる。
ここで、正極又は負極には、活物質と活物質や活物質と集電体とを結着させるために、結着剤(バインダともいう。)を混入する。結着剤は、絶縁性のPVdF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子有機化合物が一般的であるため電子伝導性が極めて低い。
そこで、アセチレンブラック(AB)やグラファイト(黒鉛)粒子などの導電助剤を混合することで活物質間又は活物質−集電体間の電子伝導性を向上させている。これにより電子伝導性の高い正極活物質の提供を可能としている(特許文献1参照)。
特開2002−110162号公報
しかしながら、導電助剤として用いられるアセチレンブラックは、平均粒径が数十nmから数百nmの嵩高い粒子であるため、活物質と点接触となりやすい。このため活物質と導電助剤との接触抵抗は高いものとなる。一方、活物質と導電助剤との接触点を増やすために導電助剤の量を増加すると、電極中の活物質量の比率が低下して、電池の放電容量は低下する。
また、導電助剤としてグラファイト粒子を用いる際には、コストの問題から天然グラファイトを用いることが一般的であるが、その際にはグラファイト粒子中に不純物として含有している鉄、鉛、銅等が活物質や集電体と反応し、電池の電圧低下や容量低下が生じる。
さらに、活物質は微粒子化に伴い粒子間の凝集力が強くなるため、結着剤や導電助剤に均一に混合することが困難となる。このため活物質粒子が凝集した密な部分と凝集していない疎な部分とが局所的に発生し、導電助剤の少ない活物質粒子の凝集部分においては、活物質粒子が電池の放電容量形成に寄与しない結果となる。
そこで、上記課題に鑑み、本発明の一態様においては、少量の導電助剤で、電子伝導性の高い活物質層を含む非水系二次電池用正極を提供することを課題の一とする。また、少量の導電助剤で、充填量が高く高密度化された活物質層を含む非水系二次電池用正極を提供することを課題の一とする。また、該非水系二次電池用正極を用いることにより、電極体積当たりの容量が大きい非水系二次電池を提供することを課題の一とする。
特に、本発明の一態様は、上記に掲げる課題のうち少なくとも一つを解決することができる。
上記課題に鑑み、本発明の一態様は、層状岩塩型構造を有する複数の活物質と、複数の活物質と面接触しているグラフェンと、結着剤と、を含む活物質層を集電体上に有する非水系二次電池用正極である。
また、本発明の一態様は、酸化グラフェンを、極性溶媒を有する分散媒に分散させ、酸化グラフェンを分散させた分散媒に、層状岩塩型構造を有する活物質を添加して混練することで混合物を作製し、混合物に結着剤を添加して混練することでペーストを作製し、ペーストを集電体に塗布し、塗布した前記ペーストに含まれる分散媒を揮発させた後又は揮発させると同時に、酸化グラフェンを還元して、グラフェンを含む活物質を集電体上に形成する非水系二次電池用正極の製造方法である。
少量の導電助剤で、電子伝導性の高い活物質層を含む非水系二次電池用正極を提供することができる。また、少量の導電助剤で、充填量が高く高密度化された正極活物質層を含む非水系二次電池用正極を提供することができる。また、該非水系二次電池用正極を用いることにより、電極体積当たりの容量が大きい非水系二次電池を提供することができる。
正極を説明する図。 正極を説明する図。 活物質の製造方法を説明するフローチャート。 極性溶媒中の分散状態を説明する図。 極性溶媒中の分散状態を説明する図。 正極の製造方法を説明するフローチャート。 非水系二次電池を説明する図。 非水系二次電池を説明する図。 電気機器を説明する図。 電気機器を説明する図。 正極活物質層のSEM像。 正極活物質層のSEM像。 正極活物質層のSEM像。 放電特性を示す図。 正極活物質層のSEM像。 正極活物質層のSEM像。 放電特性を示す図。 解砕前後の粒度分布を示す図。
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下、詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの説明に限定されず、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書で説明する各図において、膜や層、基板などの厚さや領域の大きさ等の各構成要素の大きさは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
なお、本明細書等において、第1、第2などとして付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や積層の順番などを示すものではない。また、本明細書等において発明を特定するための事項として固有の名称を示すものではない。
なお、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書等において、二次電池用の正極及び負極の双方を併せて電極とよぶことがあるが、この場合、電極は正極及び負極のうち少なくともいずれか一方を示すものとする。
なお、本明細書等において充電レートCとは、二次電池を充電する際の速さを表す。例えば、容量1Ahの電池を1Aで充電する場合の充電レートは1Cである。また、放電レートCとは、二次電池を放電する際の速さを表す。例えば、容量1Ahの電池を1Aで放電する場合の放電レートは1Cである。
1.非水系二次電池用正極の構成
本項では、本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極について、図1及び図2を用いて説明する。図1(A)は正極の斜視図であり、図1(B)は正極活物質層の縦断面図である。
図1(A)に示す正極100は、矩形のシート状(帯状)の集電体101の両面に活物質層102が設けられた構造である。
1.1.集電体
図1(A)においては、集電体101はシート状であるが、形状はこれに限らず、任意の形状を適宜選択することができる。また、活物質層102は集電体101の両面に形成されているが、活物質層102は集電体101の一方の面のみに形成してもよい。また、活物質層102は集電体101の全面に形成する必要はなく、正極タブと接続するための領域等、非塗布領域を適宜設けてもよい。
集電体101には、金、白金、亜鉛、鉄、アルミニウム、チタン等の金属、及びこれらの合金(ステンレス鋼等)など、導電性の高く、リチウムイオン等のキャリアイオンと合金化しない材料を用いることができる。また、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。集電体101は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いることができる。集電体101は、厚みが10μm以上30μm以下のものを用いるとよい。
1.2.活物質層
図1(B)は、活物質層102の縦断面を示した模式図である。活物質層102は、層状岩塩型構造を有する活物質103と、グラフェン104と、結着剤(バインダともいう。図示せず)と、を含む。
1.2.1.層状岩塩型構造を有する活物質
非水系二次電池の正極活物質は、リチウムイオン等のキャリアイオンの挿入及び脱離が可能な材料である。このような活物質としては、リチウムイオン二次電池の開発当初から現在に至るまで、コバルト酸リチウム(LiCoO)が広く用いられている。コバルト酸リチウムは、層状岩塩型構造の結晶構造を有する。
1.2.1.1.層状岩塩型構造を有する活物質の材料
層状岩塩型構造の結晶構造はα−NaFeO型ともよばれ、酸化物イオンを介して遷移金属イオン層とリチウム単独層とが交互に積層した結晶構造である。リチウムイオンの拡散経路が2次元であるため、拡散経路が1次元であるオリビン型構造に比べ、導電性及びイオン伝導性が高い。このため充放電時にリチウムイオンの挿入・脱離を容易に行うことができ、リチウムイオン二次電池の正極活物質材料として好ましい。
このような結晶構造が層状岩塩型構造である活物質として、コバルト酸リチウム(LiCoO)の他、例えば、LiNiO、LiMnO、LiMnO、LiNi0.8Co0.2等のNiCo系(一般式は、LiNiCo1−x(0<x<1))、LiNi0.5Mn0.5等のNiMn系(一般式は、LiNiMn1−x(0<x<1))、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等のNiMnCo系(NMCともいう。一般式は、LiNiMnCo1−x−y(x>0、y>0、x+y<1))などの複合酸化物が挙げられる。本発明の一態様においては、これら層状岩塩型構造の活物質を広く用いることができる。なお、これらの複合酸化物を複数組み合わせて用いてもよい。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンや、アルカリ土類金属イオンの場合、正極活物質として、上記複合酸化物において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
1.2.1.2.層状岩塩型構造を有する活物質の形状
活物質103は、原料を所定の比率で混合し焼成した粒状の焼成物であり、適当な手段により粉砕、造粒及び分級した粒状の二次粒子であってもよい。これらは平均粒径や粒度分布を有する。ここで粒状とは、例えば球状(粉末状)、板状、角状、柱状、針状又は鱗片状等の形状を含む任意の表面積を有する活物質の外観形状を示す語句である。粒状の活物質は、球状である必要はなく、また、それぞれの形状が互いに異なる任意の形状であってもよい。図1(B)においては、活物質103を模式的に示しているが、この形状に限られるものではない。
特に活物質103の平均粒径は、焼成温度が高い場合や焼成時間が長い場合に増大する。この場合、結晶成長が促進することで、活物質103の形状は、端部がより角張った形状となりやすい。
1.2.1.3.層状岩塩型構造を有する活物質の粒径
活物質103の平均粒径は任意であるが、0.1μm以上50μm以下が好ましく、より好ましくは0.2μm以上10μm以下である。層状岩塩型構造の活物質は、オリビン型構造の活物質に比べ、導電性やイオン伝導性が高いため、比較的粒径の大きい活物質を用いることができる。ただし、粒度分布に2以上のピークをもつような複数の平均粒径の活物質を用いる場合には、これらのうち大きい平均粒径を持つ活物質の平均粒径が上記範囲に含まれるとよい。
1.2.2.グラフェン
本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極は、活物質層102にグラフェン104を含有する。グラフェン104は、導電助剤として機能することができる。
グラフェンは、炭素が形成する六角形の骨格を平面状に延ばした結晶構造をもつ炭素材料である。グラフェンはグラファイト結晶の一原子層を取り出したものであり、電気的、機械的又は化学的な性質に驚異的な特徴を有することから、グラフェンを利用した高移動度の電界効果トランジスタや高感度のセンサ、高効率な太陽電池、次世代向けの透明導電膜など、様々な分野での応用が期待され注目を浴びている。
本明細書においてグラフェンとは、単層のグラフェン、又は2層以上100層以下の多層グラフェンを含むものをいう。単層グラフェンとは、π結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことをいう。
また本明細書において後述する酸化グラフェンとは、上記グラフェンが酸化された化合物のことをいう。なお、酸化グラフェンを還元してグラフェンを形成する場合、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離されずに、一部の酸素はグラフェンに残存する。グラフェンに酸素が含まれる場合、酸素の割合は、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)で測定した場合にグラフェン全体の2atomic%以上20atomic%以下、好ましくは3atomic%以上15atomic%以下である。
1.2.2.1.グラフェンによるネットワーク
本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極は、グラフェン104を、活物質層102中で重なり合い、複数の活物質103と面接触するように分散させる。別言すると、活物質層102中に、グラフェン104による電子伝導のためのネットワークを形成するともいえる。これにより、複数の活物質103の結合が維持された状態となり、結果として電子伝導性の高い活物質層102を形成することができる。
図1(B)に、上述した活物質103の周囲にグラフェン104が分散して付着している様子を示す。グラフェン104は単層又は積層であり、シート状の形状である。従って、グラフェン104と活物質103との接触部は、所定の面積を有する(本明細書においては、これを面接触とよぶ)。また、グラフェン104は他のグラフェン104間でも面接触して接触する。図1(B)では、個々のグラフェン104が独立しているように見えるが、奥行き方向において他のグラフェン104と接触している場合もある。このようにして、活物質層102全体では、複数のグラフェン104が面接触によって接続しあうため、電子伝導のためのネットワークが形成されている。活物質層に粒状のアセチレンブラック(AB)等を導電助剤として用いた場合には活物質と導電助剤、及び導電助剤間の接続が点接触であるため、電子伝導性が低い。これに比べて、面接触によって接続する伝導経路を有する活物質層102は、電子伝導性が高い。
また、グラフェン104はシート状であるから、アセチレンブラックなどを用いた場合に比べて導電助剤の嵩を低くすることができる。このため、活物質層102を高密度化することができる。
特に、活物質103に層状岩塩型構造の物質を用いた場合には、導電性やイオン伝導性が高いために微粒子化が不要となる。このため、粒径の大きい活物質103の表面は当然表面積が大きいため、グラフェン104との面接触が容易となり、また接触面積を広くとることができる。特に、活物質103の結晶構造により表面形状に平坦な面を含む場合、グラフェン104は平坦な面と面接触しやすく、導通の確保が容易となる。
また、活物質103に層状岩塩型構造の物質を用いた場合には、導電性やイオン伝導性が高いため、導電助剤としてのグラフェン104の配合を低減することができる。これにより、非水系二次電池用正極の正極全体の重量に占める活物質量を増加させる事が出来る。
1.2.2.2.グラフェンのサイズ
グラフェン104は、活物質103と十分に面接触をすることができ、さらに他のグラフェン104又は他の活物質103とも面接触をすることができるサイズであるとよい。例えば、グラフェン104の一辺の長さが50nm以上100μm以下、好ましくは500nm以上50μm以下であると好ましい。
したがって、後述するグラフェンを形成するための酸化グラフェンのサイズも、上記の通りであることが好ましい。
1.2.3.結着剤(バインダ)
活物質層102には、活物質103及びグラフェン104とともに、結着剤(バインダともいう。図示せず)を含有させるとよい。結着剤によって活物質103とグラフェン104、及び集電体101とを接着して電極の強度を向上させることができる。
結着剤には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等を用いることができる。
1.2.4.活物質層の構成
活物質層102におけるグラフェン104、活物質103、結着剤の配合比は、活物質層の総量に対して、グラフェンを0.05wt%以上5.3wt%以下、活物質を84.2wt%以上98.9wt%以下、結着剤を1wt%以上10.5wt%以下とするとよい。
活物質103は、異なる平均粒径のものを数種類用いてもよい。図2(A)は、二種類の異なる平均粒径の活物質103a、103bを用いて活物質層102を構成した場合について示した模式図である。活物質103aは比較的平均粒径の大きい活物質であり、活物質103bは比較的平均粒径の小さい活物質である。活物質103bをあわせて用いることで、活物質103a間の隙間に活物質103bが入ることにより、活物質層102の密度を上げることができる。
図2(B)は、表面を炭素層105で被覆(カーボンコート)した活物質103を用いた活物質層102を示す模式図である。炭素層105で活物質103の表面を被覆することにより、活物質103の導電性を高めることができる。この場合、グラフェン104は、活物質103の表面に設けられた炭素層105と面接触する。グラフェン104との相乗効果により、さらに活物質層102の導電性を向上させることができる。また、グラフェン104の配合比を抑えることで、正極全体の重量に占める活物質量を増加させる事ができる。ただし、炭素層105の被覆を高温による熱処理により行う場合、活物質103中の酸素が脱離して組成が変化するおそれがあるため、留意する必要がある。
また、図示しないが、活物質103に平均粒径の異なる活物質を数種用い、いずれか一種乃至全種について、その表面を炭素層で被覆してもよい。例えば、平均粒径の比較的小さい活物質がグラフェンとの面接触が困難となる場合には、平均粒径の比較的小さい活物質のみに炭素層を被覆してもよい。
2.非水系二次電池用正極の作製方法
次に上述した非水系二次電池用正極の作製方法について図3乃至図5を用いて説明する。
2.1.活物質の作製方法
まず、層状岩塩型構造を有する活物質の作製方法について説明する。
最初に、作製する活物質が適切な組成となるように原料を秤量する。例えば、活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO)を作製する場合、原料に炭酸リチウム(LiCO)などのリチウムの供給源と、酸化コバルト(Co)などのコバルトの供給源を用いることができる。次にこれらの原料を混合し、ボールミル、ターボミル、振動ミル、ディスクミル等のメカニカルミリングを用いて粉砕する(ステップS101)。混合及び粉砕に際し、エタノールやアセトン等の有機溶媒を加える。
次に、混合及び粉砕した原料を予備乾燥し、上記のステップで用いた有機溶媒を除去する(ステップS102)。本工程では、有機溶媒の除去が目的であるから、有機溶媒の沸点程度の温度で乾燥を行えばよく、例えば50℃以上として、乾燥時間を1時間〜2時間程度とするとよい。予備乾燥には、ホットプレート、オーブン、加熱炉、ハロゲンヒータ、赤外線ヒータ、熱風乾燥機等を用いて行えばよい。
予備乾燥後、焼成を行う(ステップS103)。焼成は、大気雰囲気で行うとよい。例えば、焼成温度を800℃以上1500℃以下として、5時間〜24時間程度焼成するとよい。焼成には、マッフル炉、トンネル炉、ロータリキルン等の焼成炉などを用いることができる。
その後、解砕する(ステップS104)。本工程によって、凝集した活物質粒子を個々に分離する。解砕はボールミル、ターボミル、振動ミル、ディスクミル等のメカニカルミリング等を用いて行うことができる。
最後に、本乾燥を行う(ステップS105)。本工程によって、活物質に吸着した水分を除去する。本乾燥は、例えば、温度を80℃以上200℃以下として、乾燥時間を2時間程度とする。真空乾燥機を用いて行うことができ、この場合には、圧力を例えば0.1MPaとする。
以上のようにして、コバルト酸リチウム等の層状岩塩型構造を有する活物質を作製することができる。
2.2.酸化グラフェンの分散性
本発明の一態様における活物質層中に用いるグラフェンは、酸化グラフェンを原料とし、ペーストに添加する段階においては酸化グラフェンである。本項においては、ペーストに直接グラフェンを添加する場合と、ペーストに酸化グラフェンを添加して後にこれを還元してグラフェンとする場合の違いについて説明する。
2.2.1.活物質層を形成するペーストに直接グラフェンを添加した場合
グラフェンの原料を酸化グラフェンとせず、グラフェンそのものを導電助剤として加えた活物質層は、以下の方法で作製することができる。まず分散媒(溶媒ともいう。)にグラフェンを分散させた後、正極活物質を添加して混練することで混合物を作製する。この混合物に結着剤を添加して混練することでペーストを作製する。最後にペーストを正極集電体に塗布した後分散媒を揮発させ、グラフェンを導電助剤として加えた活物質層が作製される。
ここで、グラフェンを導電助剤に用いて活物質層中に電子伝導のネットワークを形成するためには、まずグラフェンが分散媒に均一に分散されなければならない。分散媒への分散性が直接活物質層へのグラフェンの分散性に依存するためであり、グラフェンの分散性が低い場合には、グラフェンが正極活物質層内で凝集し、局在することで該ネットワークの形成に至らない。従って、導電助剤に用いるグラフェンの分散媒への分散性は、活物質層の電子伝導性を高める極めて重要なファクタであるといえる。
しかし、導電助剤としてグラフェンを活物質及び結着剤とともに分散媒に入れて作製した正極活物質層を確認したところ、分散性が十分でなく、結果として正極活物質内に電子伝導のためのネットワークが形成できていないことを見いだした。さらに導電助剤としてグラフェンに替えて、酸化グラフェンを還元したグラフェン(以下、Reduced Graphene Oxideの略記としてRGOと呼ぶ。)を分散媒に入れて作製した活物質層においても同様の結果であった。
2.2.2.活物質層を形成するペーストに酸化グラフェンを添加した場合
一方で、導電助剤として酸化グラフェン(Graphene Oxideともいう。)を活物質及び結着剤とともに分散媒に入れてペーストを作製した後、分散された酸化グラフェンを加熱処理により還元してグラフェンとした活物質層においては、活物質層内に電子伝導のネットワークが形成され、優れた電子伝導性を示すことを見いだした。
従って、導電助剤の原料としてグラフェン又はRGOを分散させた活物質層ではこれらの分散性が低いのに対し、酸化グラフェンを加えてペースト化した後に還元したグラフェンは分散性が高いことが分かった。
このようなグラフェン又はRGOと、酸化グラフェンを含むペーストの形成後に還元して形成したグラフェンとの活物質層中での分散性の差は、分散媒への分散性の差として、以下のように説明することができる。
2.2.2.1.酸化グラフェンの分散媒への分散性について
図4(A)に、分散媒として代表的なNMP(1−メチル−2−ピロリドン)の構造式を示す。NMP200は5員環の構造を有する化合物であり、極性溶媒の一つである。図4(A)に示すように、NMP中の酸素がマイナス(−)側に、酸素と二重結合する炭素がプラス(+)側に電気的に偏っている。このような極性を有する希釈溶媒の中にグラフェン、RGO又は酸化グラフェンを添加する。
グラフェンは、上述したように、六角形の骨格を平面状に延ばした炭素の結晶構造体であり、構造体中に官能基は実質的に含まれない。また、RGOは、当初有していた官能基を熱処理によって還元したものであり、構造体中の官能基の割合は10%程度と低い。従って、図4(B)に示すように、グラフェン又はRGO201の表面は極性を持たないために、疎水性を示す。このため、分散媒であるNMP200とグラフェン又はRGO201との相互作用は極めて小さく、むしろグラフェン又はRGO201どうしの相互作用によりグラフェン又はRGO201が凝集すると考えられる(図4(C)参照)。
一方、酸化グラフェン202は、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基を有する極性物質である。酸化グラフェン202は極性溶媒中においては、官能基中の酸素がマイナスに帯電するため、異なる酸化グラフェンどうしで凝集しにくい一方で、極性溶媒であるNMP200との相互作用が大きい(図5(A)参照)。従って、図5(B)に示すように、酸化グラフェン202が有するエポキシ基等の官能基が極性溶媒と相互作用するため、酸化グラフェンどうしの凝集が阻害され、結果として分散媒中に酸化グラフェン202が均一に分散すると考えられる(図5(B)参照)。
以上のことから、電子伝導性の高い電子伝導のネットワークを構築するグラフェンを活物質層の導電助剤として用いるためには、ペーストの作製時において、分散性の高い酸化グラフェンを分散媒に添加することが非常に効果的である。分散媒内の酸化グラフェンの分散性は、エポキシ基等の酸素を有する官能基の多寡(別の表現をするならば、酸化グラフェンの酸化度ともいえる。)に依存すると考えられる。
ここで、活物質層に用いるグラフェンの原料である酸化グラフェンは、炭素に対する酸素の原子数比(O/C)が0.405以上であるとよい。
炭素に対する酸素の原子数比とは、酸化度を示す指標であり、酸化グラフェンの構成元素のうち酸素の原子数を炭素基準での比率(O/C)としてみたものである。なお、酸化グラフェンを構成する元素の原子数比は、例えばX線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)で測定することができる。
酸化グラフェンの炭素に対する酸素の原子数比が0.405以上であることは、極性溶媒中で酸化グラフェンが高い分散性を有するために、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基が十分に結合した極性物質となっていることを意味する。
よって、炭素に対する酸素の原子数比が0.405以上である酸化グラフェンを、正極活物質及び結着剤とともに分散媒に分散させて混練し、正極集電体上に塗布して加熱することにより、分散性が高く電子伝導のネットワークを有するグラフェンを含んだ非水系二次電池用正極を形成することができる。
2.3.酸化グラフェンの作製方法
次に、上述した酸化グラフェンの作製方法について説明する。
酸化グラフェンは、例えばHummers法とよばれる酸化法を用いて作製することができる。Hummers法は、グラファイト粉末に、過マンガン酸カリウムの硫酸溶液、過酸化水素水等を加えて酸化反応させて酸化グラファイトを含む分散液を作製する。酸化グラファイトは、グラファイトの炭素の酸化により、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基が結合する。このため、複数のグラフェンの層間距離がグラファイトと比較して長くなり、層間の分離による薄片化が容易となる。次に、酸化グラファイトを含む混合液に、超音波振動を加えることで、層間距離が長い酸化グラファイトを劈開し、酸化グラフェンを分離すると共に、酸化グラフェンを含む分散液を作製することができる。そして、酸化グラフェンを含む分散液から溶媒を取り除くことで、粉末状の酸化グラフェンを得ることができる。
ここで、酸化グラフェンの炭素に対する酸素の原子数比は、過マンガン酸カリウム等の酸化剤の量によって調整できる。すなわち、グラファイト粉末に対して酸化剤の量を増加させることで、酸化グラフェンの酸化度(炭素に対する酸素の原子数比)を高めることができる。従って、製造する酸化グラフェンの量に合わせて、原料となるグラファイト粉末に対する酸化剤の量を決定すればよい。
なお、酸化グラフェンの作製は過マンガン酸カリウムの硫酸溶液を用いたHummers法に限られず、例えば硝酸、塩素酸カリウム、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム等を使用するHummers法、又はHummers法以外の酸化グラフェンの作製方法を適宜用いてもよい。
また、酸化グラファイトの薄片化は、超音波振動の付加の他、マイクロ波やラジオ波、又は熱プラズマの照射や、物理的応力の付加により行ってもよい。
作製した酸化グラフェンは、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等を有する。酸化グラフェンはNMPに代表される極性溶媒の中においては、官能基中の酸素がマイナスに帯電するため、NMPと相互作用する一方で異なる酸化グラフェンどうしとは反発し、凝集しにくい。このため、極性溶媒中においては、酸化グラフェンが均一に分散しやすい。
2.4.正極の作製方法
次に、上述した層状岩塩型構造を有する活物質、酸化グラフェン、結着剤、分散媒を用いて、ペーストを作製し、該ペーストを集電体101上に塗布して、還元雰囲気又は減圧下で乾燥させることで、活物質層102を含む正極100を製造する方法について、図6を参照して説明する。
まず、分散媒としてNMPを用意し(ステップS201)、NMP中に酸化グラフェンを分散させる(ステップS202)。ペーストの総重量(活物質、酸化グラフェン、及び結着剤の総重量)に対して、酸化グラフェンの量が0.1wt%未満であると、活物質層102が形成された際に導電性が低下する。また、酸化グラフェンの量が10wt%を超えると、活物質の粒径にもよるが、ペーストの粘度が高くなる。また、ペーストを集電体101に塗布した後の乾燥工程の際に、加熱によりペースト中で対流が生じ、軽くて薄い酸化グラフェンが移動・凝集することで、活物質層102がひび割れたり、活物質層102が集電体101から剥がれたりするおそれがある。したがって、酸化グラフェンの量は、ペーストの総重量(活物質、酸化グラフェン、及び結着剤の総重量)に対して0.1wt%〜10wt%とするとよい。なお、酸化グラフェンは、後の熱処理工程によって還元されてグラフェンとなり重量がほぼ半減するため、活物質層102中の重量比は0.05wt%〜5.3wt%となる。
次に、活物質として、コバルト酸リチウム等の層状岩塩型構造を有する活物質を添加する(ステップS202)。層状岩塩型構造を有する活物質の平均粒径は0.1μm以上50μm以下、より好ましくは0.2μm以上10μm以下のものを用いるとよい。添加する活物質の量は、ペーストの総重量に対して、80wt%以上とすればよく、例えば、80wt%以上98.9wt%以下とすればよい。
なお、活物質の焼成時にグルコース等の炭水化物を混合して、活物質の表面にカーボンを被覆してもよい。この処理により導電性を高めることができる。
次に、これらの混合物に固練り(高粘度による混練)を行うことで、酸化グラフェン及び層状岩塩型構造を有する活物質の凝集をほどくことができる。また、酸化グラフェンは、官能基を有するため、極性溶媒中においては、官能基中の酸素がマイナスに帯電するため、異なる酸化グラフェンどうしで凝集しにくい。また、酸化グラフェンは、層状岩塩型構造を有する活物質との相互作用が強い。このため、活物質中に酸化グラフェンをより均一に分散させることができる。
次に、これらの混合物に、結着剤(バインダ)を添加する(ステップS204)。結着剤の量は、酸化グラフェン及び活物質の量によって設定すればよく、ペーストに対して、0.1wt%以上10wt%以下の量を添加すればよい。酸化グラフェンが、複数の活物質と面接触するように均一に分散されている状態で、結着剤を添加することにより、分散状態を維持したまま、活物質と酸化グラフェンとを結着することができる。また、活物質と酸化グラフェンとの割合によっては、結着剤を添加しなくてもよいが、結着剤を添加した場合には正極の強度を向上させることができる。
次に、これらの混合物に、所定の粘度になるまで分散媒を添加し(ステップS205)、混練することでペーストを作製することができる(ステップS206)。以上の工程で、ペーストを作製することによって、酸化グラフェン、活物質、及び結着剤の混練状態が均一なペーストを作製することができる。
従って、ペーストの段階で、ペーストの総重量に対して、酸化グラフェンを0.1wt%以上10wt%以下添加し、活物質を80wt%以上98.9wt%以下添加し、結着剤を1wt%以上10wt%以下添加することが好ましい。また、後述する当該ペーストを集電体に塗布して酸化グラフェンを還元した活物質層の段階では、活物質層の総量に対して、グラフェンを0.05wt%以上5.3wt%以下添加し、活物質を84.2wt%以上98.9wt%以下添加し、結着剤を1wt%以上10.5wt%以下添加することが好ましい。
次に、集電体101上に、作製したペーストを塗布する(ステップS207)。
次に、集電体101上に塗布されたペーストを乾燥させる(ステップS208)。乾燥工程は、60℃以上170℃以下の温度で、1分以上10時間以内の間加熱することにより、分散媒を蒸発させることによって行う。なお、雰囲気は特に限定されない。
次に、ペーストに対して還元雰囲気又は減圧下にて乾燥を行う(ステップS209)。還元雰囲気又は減圧下とし、温度を130℃以上200℃以下、10時間以上30時間以内の間加熱することにより、ペーストに残った分散媒や水を蒸発させるとともに、酸化グラフェンに含まれる酸素を脱離させる。これにより、酸化グラフェンをグラフェンとすることができる。なお、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離されず、一部の酸素は、グラフェンに残存してもよい。
グラフェンに酸素が含まれる場合、酸素の割合は、XPSで測定した場合にグラフェン全体の2atomic%以上20atomic%以下、好ましくは3atomic%以上15atomic%以下である。酸素の割合が低い程、グラフェンの導電性を高めることができ、結果として電子伝導度の高いネットワークを形成することができる。また、酸素の割合を高める程、グラフェンにおいて、イオンの通路となる間隙をより多く形成することができる。
以上の工程により、活物質103にグラフェン104が均一に分散された活物質層102を含む正極100を作製することができる。なお、乾燥工程の後などで適宜、正極100に対して加圧(プレス)工程を行ってもよい。
このように、酸化グラフェンが分散された分散媒に、活物質を添加し、混練することで、活物質中に酸化グラフェンを均一に分散することができる。酸化グラフェンが、複数の活物質と接するように分散された状態で、結着剤を添加することで、酸化グラフェンと複数の活物質との接触を阻害することなく、結着剤を均一に分散させることができる。このようにして作製されたペーストを用いることで、活物質の充填量が高く、高密度化された非水系二次電池用正極を作製することができる。また、該正極を用いて、電池を作製することで、高容量の非水系二次電池を製造することができる。さらに、結着剤によって、シート状のグラフェンが、複数の活物質と接した状態を維持させることができるため、活物質とグラフェンとの剥離を抑制することができ、サイクル特性の良好な非水系二次電池を製造することができる。
3.非水系二次電池
次に、非水系二次電池の構造について、図7及び図8を用いて説明する。
3.1.コイン型二次電池
図7(A)は、コイン型(単層偏平型)のリチウムイオン二次電池の外観図であり、部分的にその断面構造を併せて示した図である。
コイン型の二次電池450は、正極端子を兼ねた正極缶451と負極端子を兼ねた負極缶452とが、ポリプロピレン等で形成されたガスケット453で絶縁シールされている。正極454は、正極集電体455と、これと接するように設けられた正極活物質層456により形成される。また、負極457は、負極集電体458と、これに接するように設けられた負極活物質層459により形成される。正極活物質層456と負極活物質層459との間には、セパレータ460と、電解液(図示せず)とを有する。
負極457は負極集電体458と負極活物質層459を有し、正極454は正極集電体455と正極活物質層456を有する。
正極454には、本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極を用いる。
負極457は、負極集電体458上に、塗布法、CVD法、又はスパッタリング法等により、負極活物質層459を形成することで、形成される。
負極集電体458には、銅、ニッケル、チタン等の金属など、導電性の高い材料を用いることができる。負極集電体458は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いることができる。負極集電体458は、厚みが10μm以上30μm以下のものを用いるとよい。
負極活物質は、金属の溶解・析出、又は金属イオンの挿入・脱離が可能な材料であれば、特に限定されない。負極活物質の材料としては、リチウム金属の他、蓄電分野に一般的な炭素材である黒鉛を用いることができる。黒鉛は、低結晶性炭素として軟質炭素や硬質炭素等が挙げられ、高結晶性炭素として、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解炭素、液晶ピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、液晶ピッチ、石油又は石炭系コークス等が挙げられる。
また、負極活物質には上述の材料の他、キャリアイオンとの合金化、脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な合金系材料を用いることができる。キャリアイオンがリチウムイオンである場合、合金系材料としては、例えば、Mg、Ca、Al、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Ag、Au、Zn、Cd、Hg及びIn等のうちの少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような金属は黒鉛に対して容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと飛躍的に高い。このため、負極活物質にシリコンを用いることが好ましい。
塗布法を用いて負極活物質層459を形成する場合は、負極活物質に、導電助剤や結着剤を添加して、負極ペーストを作製し、負極集電体458上に塗布して乾燥させればよい。
また、負極活物質の表面に、グラフェンを形成することが好ましい。例えば、負極活物質をシリコンとした場合、充放電サイクルにおけるキャリアイオンの吸蔵・放出に伴う体積の変化が大きいため、負極集電体458と負極活物質層459との密着性が低下し、充放電により電池特性が劣化してしまう。そこで、シリコンを含む負極活物質の表面にグラフェンを形成すると、充放電サイクルにおいて、シリコンの体積が変化したとしても、負極集電体458と負極活物質層459との密着性の低下を抑制することができ、電池特性の劣化が低減されるため好ましい。
負極活物質の表面に形成するグラフェンは、正極の作製方法と同様に、酸化グラフェンを還元することによって形成することができる。該酸化グラフェンは、上述した酸化グラフェンを用いることができる。
セパレータ460には、セルロースや、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリブテン、ナイロン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の多孔性絶縁体を用いることができる。また、ガラス繊維等の不織布や、ガラス繊維と高分子繊維を複合した隔膜を用いてもよい。
電解液の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、スルホラン、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安全性が高まる。また、二次電池の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素系ポリマー等がある。
また、電解液の溶媒として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つ又は複数用いることで、二次電池の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、二次電池の破裂や発火などを防ぐことができる。
また、上記の溶媒に溶解させる電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiAlCl、LiSCN、LiBr、LiI、LiSO、Li10Cl10、Li12Cl12、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiN(CFSO、LiN(CSO)(CFSO)、LiN(CSO等のリチウム塩を一種、又はこれらのうちの二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
正極缶451、負極缶452には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。正極缶451は正極454と、負極缶452は負極457とそれぞれ電気的に接続する。
これら負極457、正極454及びセパレータ460を電解液に含浸させ、図7(A)に示すように、正極缶451を下にして正極454、セパレータ460、負極457、負極缶452をこの順で積層し、正極缶451と負極缶452とをガスケット453を介して圧着してコイン型の二次電池450を製造する。
3.2.ラミネート型二次電池
次に、ラミネート型の二次電池の一例について、図7(B)を参照して説明する。図7(B)では、説明の便宜上、部分的にその内部構造を露出して記載している。
図7(B)に示すラミネート型の二次電池470は、正極集電体471および正極活物質層472を有する正極473と、負極集電体474および負極活物質層475を有する負極476と、セパレータ477と、電解液(図示せず)と、外装体478と、を有する。外装体478内に設けられた正極473と負極476との間にセパレータ477が設置されている。また、外装体478内は、電解液で満たされている。なお、図7(B)においては、正極473、負極476、セパレータ477をそれぞれ一枚ずつ用いているが、これらを交互に積層した積層型の二次電池としてもよい。
正極473には、本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極を用いる。
また、負極やセパレータ、電解液(電解質及び溶媒)には、上述したコイン型の二次電池と同様の材料を用いることができる。
図7(B)に示すラミネート型の二次電池470において、正極集電体471および負極集電体474は、外部との電気的接触を得る端子(タブ)の役割も兼ねている。そのため、正極集電体471および負極集電体474の一部は、外装体478から外側に露出するように配置される。
ラミネート型の二次電池470において、外装体478には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料からなる膜上に、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のラミネートフィルムを用いることができる。このような三層構造とすることで、電解液や気体の透過を遮断するとともに、絶縁性を確保し、併せて耐電解液性を有する。
3.3.円筒型二次電池
次に、円筒型の二次電池の一例について、図8を参照して説明する。円筒型の二次電池480は図8(A)に示すように、上面に正極キャップ(電池蓋)481を有し、側面及び底面に電池缶(外装缶)482を有している。これら正極キャップと電池缶(外装缶)482とは、ガスケット(絶縁パッキン)490によって絶縁されている。
図8(B)は、円筒型の二次電池の断面を模式的に示した図である。中空円柱状の電池缶482の内側には、帯状の正極484と負極486とがセパレータ485を間に挟んで捲回された電池素子が設けられている。図示しないが、電池素子はセンターピンを中心に捲回されている。電池缶482は、一端が閉じられ、他端が開いている。
正極484には、本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極を用いる。
電池缶482には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。電池缶482の内側において、正極、負極及びセパレータが捲回された電池素子は、対向する一対の絶縁板488、489により挟まれている。
また、電池素子が設けられた電池缶482の内部は、電解液(図示せず)が注入されている。電解液には、上述したコイン型やラミネート型の二次電池と同様の電解質及び溶媒を用いることができる。
円筒型の二次電池に用いる正極484及び負極486は捲回するため、集電体の両面に活物質層を形成する。正極484には正極端子(正極集電リード)483が接続され、負極486には負極端子(負極集電リード)487が接続される。正極端子483及び負極端子487は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。正極端子483は安全弁機構492に、負極端子487は電池缶482の底にそれぞれ抵抗溶接される。安全弁機構492は、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子491を介して正極キャップ481と電気的に接続されている。安全弁機構492は電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キャップ481と正極484との電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子491は温度が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限して異常発熱を防止するものである。PTC素子には、チタン酸バリウム(BaTiO)系半導体セラミックス等を用いることができる。
以上のように二次電池として、コイン型、ラミネート型及び円筒型の二次電池を示したが、封止型二次電池や角型二次電池等のその他様々な形状の二次電池を用いることができる。また、正極と負極とセパレータとが複数積層された構造や、正極と負極とセパレータとが捲回された構造であってもよい。
4.非水系二次電池を搭載した電気機器
本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極を用いた非水系二次電池は、様々な電気機器の電源として用いることができる。
4.1.電気機器の範疇
ここで電気機器とは、電気の力によって作用する部分を含む工業製品をいう。電気機器は、家電等の民生用に限られず、業務用、産業用、軍事用等、種々の用途のものを広くこの範疇とする。
4.2.電気機器の一例
本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いた電気機器としては、例えば、テレビやモニタ等の表示装置、照明装置、デスクトップ型やノート型等のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画又は動画を再生する画像再生装置、CD(Compact Disc)プレーヤやデジタルオーディオプレーヤ等の携帯型又は据置型の音響再生機器、携帯型又は据置型のラジオ受信機、テープレコーダやICレコーダ(ボイスレコーダ)等の録音再生機器、ヘッドホンステレオ、ステレオ、リモートコントローラ、置き時計や壁掛け時計等の時計、コードレス電話子機、トランシーバ、携帯電話機、自動車電話、携帯型又は据置型のゲーム機、歩数計、電卓、携帯情報端末、電子手帳、電子書籍、電子翻訳機、マイクロフォン等の音声入力機器、スチルカメラやビデオカメラ等の写真機、玩具、電気シェーバ、電動歯ブラシ、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、温水器、扇風機、毛髪乾燥機、加湿器や除湿器やエアコンディショナ等の空気調和設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、懐中電灯、電動工具、煙感知器、補聴器、心臓ペースメーカ、携帯型X線撮影装置、放射線測定器、電気マッサージ器や透析装置等の健康機器や医療機器などが挙げられる。さらに、誘導灯、信号機、ガスメータや水道メータ等の計量器、ベルトコンベア、エレベータ、エスカレータ、自動販売機、自動券売機、現金自動支払機(CD。Cash Dispenserの略)や現金自動預金支払機(ATM。AutoMated Teller Machineの略)、デジタルサイネージ(電子看板)、産業用ロボット、無線用中継局、携帯電話の基地局、電力貯蔵システム、電力の平準化やスマートグリッドのための二次電池等の産業機器が挙げられる。また、二次電池からの電力を用いて電動機により推進する移動体(輸送体)なども、電気機器の範疇に含まれるものとする。上記移動体として、例えば、電気自動車(EV)、内燃機関と電動機を併せ持ったハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、これらのタイヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、農業機械、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、電動カート、小型又は大型船舶、潜水艦、固定翼機や回転翼機等の航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船などが挙げられる。
なお、上記電気機器は、消費電力のほぼ全てを賄うための主電源として、本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いることができる。また、上記電気機器は、主電源や商用電源からの電力の供給が停止した場合に、電気機器への電力の供給を行うことができる無停電電源として、本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いることができる。あるいは、上記電気機器は、主電源や商用電源からの電気機器への電力の供給と並行して、電気機器への電力の供給を行うための補助電源として、本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いることができる。
4.3.電力系のネットワークの一例
上述した電気機器は、個々に二次電池を搭載する場合に限らず、複数の電気機器と二次電池とこれらを制御する制御装置とを有線又は無線で接続したネットワーク(電力網)を形成してもよい。ネットワークを制御装置により制御することによって、ネットワーク全体における電力の使用効率を向上させることができる。
図9(A)に、複数の家電機器、制御装置、及び二次電池等を住宅内で接続したHEMS(家庭内エネルギー管理システム。Home Energy Management Systemの略)の例を示す。このようなシステムによって、家全体の電力消費量を容易に把握することが可能になる。また、複数の家電機器の運転を遠隔操作することができる。また、センサや制御装置を用いて家電機器を自動制御する場合には、電力の節約にも貢献することができる。
住宅500に設置された分電盤503は、引込み線502を介して電力系統501に接続される。分電盤503は、引込み線502から供給される商用電力である交流電力を、複数の家電機器それぞれに供給するものである。制御装置504は分電盤503と接続されるとともに、複数の家電機器や蓄電システム505、太陽光発電システム506等と接続される。また制御装置504は、住宅500の屋外などに駐車され、分電盤503とは独立した電気自動車512とも接続することができる。
制御装置504は、分電盤503と複数の家電機器とを繋ぎネットワークを構成するものであり、ネットワークに接続された複数の家電機器を制御するものである。
また、制御装置504は、インターネット511に接続され、インターネット511を経由して、管理サーバ513と接続することができる。管理サーバ513は、使用者の電力の使用状況を受信してデータベースを構築することができ、当該データベースに基づき、種々のサービスを使用者に提供することができる。また、管理サーバ513は、例えば時間帯に応じた電力の料金情報を使用者に随時提供することができ、当該情報に基づいて、制御装置504は住宅500内における最適な使用形態を設定することもできる。
複数の家電機器は、例えば、図9(A)に示す表示装置507、照明装置508、空気調和設備509、電気冷蔵庫510であるが、勿論これに限られず、上述した電気機器など住宅内に設置可能なあらゆる電気機器を指す。
例えば、表示装置507は、表示部に液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などの半導体表示装置が組み込まれ、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など、情報表示用表示装置として機能するものが含まれる。
また、照明装置508は、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を含むものであり、人工光源としては、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LED(Light Emitting Diode)や有機EL素子などの発光素子を用いることができる。図9(A)に示す照明装置508は天井に設置されたものであるが、この他、壁面、床、窓等に設けられた据付け型であってもよく、卓上型であってもよい。
また、空気調和設備509は、温度、湿度、空気清浄度等の室内環境の調整を行う機能を有する。図9(A)では、一例としてエアコンディショナを示す。エアコンディショナは、圧縮機や蒸発器を一体とした室内機と、凝縮器を内蔵した室外機(図示せず)を備えるものや、これらを一体としたもの等で構成される。
また、電気冷蔵庫510は、食料品等を低温で保管するための電気機器であり、0℃以下で凍らせる目的の冷凍庫を含む。圧縮器により圧縮したパイプ内の冷媒が気化する際に熱を奪うことにより、庫内を冷却するものである。
これら複数の家電機器は、それぞれに二次電池を有していてもよく、また二次電池を有さずに、蓄電システム505の電力や商用電源からの電力を利用してもよい。家電機器が二次電池を内部に有する場合には、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない場合であっても、二次電池を無停電電源として用いることで、当該家電機器の利用が可能となる。
以上のような家電機器のそれぞれの電源供給端子の近傍に、電流センサ等の電力検出手段を設けることができる。電力検出手段により検出した情報を制御装置504に送信することによって、使用者が家全体の電力使用量を把握することができる他、該情報に基づいて、制御装置504が複数の家電機器への電力の配分を設定し、住宅500内において効率的なあるいは経済的な電力の使用を行うことができる。
また、商用電源の供給元が供給可能な総電力量のうち電力使用率が低い時間帯において、商用電源から蓄電システム505に充電することができる。また、太陽光発電システム506によって、日中に蓄電システム505に充電することができる。なお、充電する対象は、蓄電システム505に限られず、制御装置504に接続された電気自動車512に搭載された二次電池でもよく、複数の家電機器が有する二次電池であってもよい。
このようにして、種々の二次電池に充電された電力を制御装置504が効率的に配分して使用することで、住宅500内において効率的なあるいは経済的な電力の使用を行うことができる。
以上のように、複数の電気機器と蓄電装置とこれらを制御する制御装置をネットワーク化して制御する例として、家庭内規模の電力網を示したがこれに限らず、スマートメーター等の制御機能や通信機能を組み合わせた都市規模、国家規模の電力網(スマートグリッドという)を構築することもできる。また、工場や事業所の規模で、エネルギー供給源と消費施設を構成単位とするマイクログリッドを構築することもできる。
4.4.電気機器の一例(電気自動車の例)
次に、電気機器の一例として移動体の例について、図9(B)及び(C)を用いて説明する。本発明の一態様に係る二次電池を、移動体の制御用の二次電池に用いることができる。
図9(B)は、電気自動車の内部構造の一例を示している。電気自動車560には、充放電の可能な二次電池564が搭載されている。二次電池564の電力は、電子制御ユニット565(ECUともいう。Electronic Control Unitの略)により出力が調整されて、インバータユニット566を介して走行モータユニット567に供給される。インバータユニット566は、二次電池564から入力された直流電力を3相交流電力に変換するとともに、変換した交流電力の電圧、電流及び周波数を調整して走行モータユニット567に出力することができる。
従って、運転者がアクセルペダル(図示せず)を踏むと、走行モータユニット567が作動し、走行モータユニット567で生じたトルクが出力軸568及び駆動軸569を介して後輪(駆動輪)570に伝達される。これに追従して前輪563も併せて稼働することで、電気自動車560を駆動走行させることができる。
各ユニットには、例えば電圧センサ、電流センサ、温度センサ等の検出手段が設けられ、電気自動車560の各部位における物理量が適宜監視される。
電子制御ユニット565は、図示しないRAM、ROM等のメモリやCPUを有する処理装置である。電子制御ユニット565は、電気自動車560の加速、減速、停止等の操作情報、走行環境や各ユニットの温度情報、制御情報、二次電池の充電状態(SOC)などの入力情報に基づき、インバータユニット566や走行モータユニット567、二次電池564に制御信号を出力する。当該メモリには、各種のデータやプログラムが格納される。
走行モータユニット567は、交流電動機の他、直流電動機やこれらの電動機と内燃機関とを組み合わせて用いることができる。
なお、本発明の一態様に係る二次電池を具備していれば、上記で示した移動体に特に限定されないことは言うまでもない。
電気自動車560に搭載された二次電池564は、プラグイン方式や非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。図9(C)に、地上設置型の充電装置561から電気自動車560に搭載された二次電池564に、ケーブル562を介して充電を行っている状態を示す。充電に際しては、充電方法やコネクタの規格等はCHAdeMO(登録商標)等の所定の方式で適宜行えばよい。充電装置561は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、図9(B)に示す、二次電池564と接続する接続プラグ571を充電装置561と電気的に接続させるプラグイン技術によって、外部からの電力供給により電気自動車560に搭載された二次電池564を充電することができる。充電は、AC/DCコンバータ等の変換装置を介して、一定の電圧値を有する直流定電圧に変換して行うことができる。
また、図示しないが、受電装置を移動体に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路や外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、移動体どうしで電力の送受信を行ってもよい。さらに、移動体の外装部に太陽電池を設け、停車時や走行時に二次電池564の充電を行ってもよい。
なお、移動体が鉄道用電気車両の場合、架線や導電軌条からの電力供給により、搭載する二次電池に充電することができる。
二次電池564として、本発明の一態様に係る二次電池を搭載することで、二次電池のサイクル特性が良好となり、利便性を向上させることができる。また、二次電池564の特性の向上により、二次電池564自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与するため、燃費を向上させることができる。また、移動体に搭載した二次電池564が比較的大容量であることから、屋内等の電力供給源として用いることもできる。この場合、電力需要のピーク時に商用電源を用いることを回避することができる。
4.5.電気機器の一例(携帯情報端末の例)
さらに、電気機器の一例として携帯情報端末の例について、図10を用いて説明する。
図10(A)は、携帯情報端末600の正面及び側面を示した斜視図である。携帯情報端末600は、一例として、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲーム等の種々のアプリケーションの実行が可能である。携帯情報端末600は、筐体601の正面に表示部602、カメラ605、マイクロフォン606、スピーカ607を有し、筐体601の左側面には操作用のボタン603、底面には接続端子608を有する。
表示部602には、表示モジュール又は表示パネルが用いられる。表示モジュール又は表示パネルとして、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、液晶表示装置、電気泳動方式や電子粉流体方式等により表示を行う電子ペーパ、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)、SED(Surface Conduction Electron−emitter Display)、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、カーボンナノチューブディスプレイ、ナノ結晶ディスプレイ、量子ドットディスプレイ等が用いることができる。
図10(A)に示す携帯情報端末600は、筐体601に表示部602を一つ設けた例であるが、これに限らず、表示部602を携帯情報端末600の背面に設けてもよいし、折り畳み型の携帯情報端末として、二以上の表示部を設けてもよい。
また、表示部602には、指やスタイラス等の指示手段により情報の入力が可能なタッチパネルが入力手段として設けられている。これにより、表示部602に表示されたアイコン604を指示手段により簡単に操作することができる。また、タッチパネルの配置により携帯情報端末600にキーボードを配置する領域が不要となるため、広い領域に表示部を配置することができる。また、指やスタイラスで情報の入力が可能となることから、ユーザフレンドリなインターフェースを実現することができる。タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、赤外線方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式等、種々の方式を採用することができるが、本発明に係る表示部602は湾曲するものであるため、特に抵抗膜方式、静電容量方式を用いることが好ましい。また、このようなタッチパネルは、上述の表示モジュール又は表示パネルと一体として組み合わされた、いわゆるインセル方式のものであってもよい。
また、タッチパネルは、イメージセンサとして機能させることができるものであってもよい。この場合、例えば、表示部602に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部602に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
また、表示部602にタッチパネルを設けずにキーボードを設けてもよく、さらにタッチパネルとキーボードの双方を設けてもよい。
操作用のボタン603には、用途に応じて様々な機能を持たせることができる。例えば、ボタン603をホームボタンとし、ボタン603を押すことで表示部602にホーム画面を表示する構成としてもよい。また、ボタン603を所定の時間押し続けることで、携帯情報端末600の主電源をオフするようにしてもよい。また、スリープモードの状態に移行している場合、ボタン603を押すことで、スリープモード状態から復帰させるようにしてもよい。その他、押し続ける期間や、他のボタンと同時に押す等により、種々の機能を起動させるスイッチとして用いることができる。
また、ボタン603を音量調整ボタンやミュートボタンとし、音出力のためのスピーカ607の音量の調整等を行う機能を持たせてもよい。スピーカ607からは、オペレーティングシステム(OS)の起動音等特定の処理時に設定した音、音楽再生アプリケーションソフトからの音楽等各種アプリケーションにおいて実行される音ファイルによる音、電子メールの着信音等様々な音を出力する。なお、図示しないが、スピーカ607とともに、あるいはスピーカ607に替えて、ヘッドフォン、イヤフォン、ヘッドセット等の装置に音を出力するためのコネクタを設けてもよい。
このようにボタン603には、種々の機能を与えることができる。図10(A)では、左側面にボタン603を2つ設けた携帯情報端末600を図示しているが、勿論、ボタン603の数や配置位置等はこれに限定されず、適宜設計することができる。
マイクロフォン606は、音声入力や録音に用いることができる。また、カメラ605により取得した画像を表示部602に表示させることができる。
携帯情報端末600の操作には、上述した表示部602に設けられたタッチパネルやボタン603の他、カメラ605や携帯情報端末600に内蔵されたセンサ等を用いて使用者の動作(ジェスチャー)を認識させて操作を行うこともできる(ジェスチャー入力という)。あるいは、マイクロフォン606を用いて、使用者の音声を認識させて操作を行うこともできる(音声入力という)。このように、人間の自然な振る舞いにより電気機器に入力を行うNUI(Natural User Interface)技術を実装することで、携帯情報端末600の操作性をさらに向上させることができる。
接続端子608は、外部機器との通信のための信号や電力供給のための電力の入力端子である。例えば、携帯情報端末600に外部メモリドライブするために、接続端子608を用いることができる。外部メモリドライブとして、例えば外付けHDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブやDVD−R(DVD−Recordable)ドライブ、DVD−RW(DVD−ReWritable)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブ、CD−R(Compact Disc Recordable)ドライブ、CD−RW(Compact Disc ReWritable)ドライブ、MO(Magneto−Optical Disc)ドライブ、FDD(Floppy Disk Drive)、又は他の不揮発性のソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)デバイスなどの記録メディアドライブが挙げられる。また、携帯情報端末600は表示部602上にタッチパネルを有しているが、これに替えて筐体601上にキーボードを設けてもよく、またキーボードを外付けしてもよい。
図10(A)では、底面に接続端子608を1つ設けた携帯情報端末600を図示しているが、接続端子608の数や配置位置等はこれに限定されず、適宜設計することができる。
図10(B)は、携帯情報端末600の背面及び側面を示した斜視図である。携帯情報端末600は、筐体601の表面に太陽電池609とカメラ610を有し、また、充放電制御回路611、二次電池612、DCDCコンバータ613等を有する。なお、図10(B)では充放電制御回路611の一例として二次電池612、DCDCコンバータ613を有する構成について示しており、二次電池612には、上記実施の形態で説明した本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いる。
携帯情報端末600の背面に装着された太陽電池609によって、電力を表示部、タッチパネル、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池609は、筐体601の片面又は両面に設けることができる。携帯情報端末600に太陽電池609を搭載させることで、屋外などの電力の供給手段がない場所においても、携帯情報端末600の二次電池612の充電を行うことができる。
また、太陽電池609としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、非晶質シリコン又はこれらの積層からなるシリコン系の太陽電池や、InGaAs系、GaAs系、CIS系、Cu2ZnSnS4、CdTe−CdS系の太陽電池、有機色素を用いた色素増感太陽電池、導電性ポリマーやフラーレン等を用いた有機薄膜太陽電池、pin構造におけるi層中にシリコン等による量子ドット構造を形成した量子ドット型太陽電池等を用いることができる。
ここで、図10(B)に示す充放電制御回路611の構成、及び動作についての一例を、図10(C)に示すブロック図を用いて説明する。
図10(C)には、太陽電池609、二次電池612、DCDCコンバータ613、コンバータ617、スイッチ614、スイッチ615、スイッチ616、表示部602について示しており、二次電池612、DCDCコンバータ613、コンバータ617、スイッチ614、スイッチ615、スイッチ616が、図10(B)に示す充放電制御回路611に対応する箇所となる。
外光により太陽電池609で発電した電力は、二次電池612を充電するために必要な電圧とするために、DCDCコンバータ613で昇圧又は降圧される。そして、表示部602の動作に太陽電池609からの電力が用いられる際には、スイッチ614をオンにし、コンバータ617で表示部602に必要な電圧に昇圧又は降圧する。また、表示部602での表示を行わない際には、スイッチ614をオフにし、スイッチ615をオンにして二次電池612の充電を行う。
なお、発電手段の一例として太陽電池609を示したが、これに限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段を用いて二次電池612の充電を行ってもよい。また、携帯情報端末600の二次電池612への充電方法はこれに限られず、例えば上述した接続端子608と電源とを接続して充電を行ってもよい。また、無線で電力を送受信して充電する非接触電力伝送モジュールを用いてもよく、以上の充電方法を組み合わせてもよい。
ここで、二次電池612の充電状態(SOC。State Of Chargeの略)が、表示部602の左上(図10(A)の破線枠内)に表示される。これにより、使用者は、二次電池612の充電状態を把握することができ、これに応じて携帯情報端末600を節電モードと選択することもできる。使用者が省電力モードを選択する場合には、例えば上述したボタン603やアイコン604を操作し、携帯情報端末600に搭載される表示モジュール又は表示パネルや、CPU等の演算装置、メモリ等の構成部品を省電力モードに切り換えることができる。具体的には、これらの構成部品のそれぞれにおいて、任意の機能の使用頻度を低減し、停止させる。省電力モードでは、また、充電状態に応じて設定によって自動的に省電力モードに切り替わる構成とすることもできる。また、携帯情報端末600に光センサ等の検出手段を設け、携帯情報端末600の使用時における外光の光量を検出して表示輝度を最適化することで、二次電池612の電力の消費を抑えることができる。
また、太陽電池609等による充電時には、図10(A)に示すように、表示部602の左上(破線枠内)にそれを示す画像等の表示を行ってもよい。
また、本発明の一態様に係る二次電池を具備していれば、図10に示した電気機器に限定されないことは言うまでもない。
以下、本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極について、実施例を用いて具体的に説明する。本実施例では、活物質にNMCを用いて、本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極を作製した。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(活物質(NMC)の作製)
まず活物質として、層状岩塩型構造の結晶性を有するNMCの一種であるLiNi1/3Mn1/3Co1/3を作製した。以下、便宜上LiNi1/3Mn1/3Co1/3をNMCとよぶ。NMCを作製するために、原料としてLiCO、NiO、MnO、Coを用意し、これを上記組成となるように秤量した。
次にこれらを、遊星ボールミルを用いて混合・粉砕した。ボールミルは、500mlのジルコニアポットと、直径3mm、300gのジルコニアボールを用い、総原料150gを回転数300rpmで2時間処理を行った。混合・粉砕には、溶媒として250mlのアセトンを用いた。
次にホットプレートを用いて、予備乾燥を行った。予備乾燥は排気風量0.5m/sの大気中において、50℃の乾燥時間で1〜2時間の間行った。
その後、真空乾燥機を用いて0.1MPaの真空中で、80℃の温度で2時間乾燥を行った。なお、ここまでの工程は、全て露点−70℃以上−55℃以下のドライルームにおいて行った。
次にマッフル炉を用いて、大気雰囲気中で950℃5時間の焼成を行った。マッフル炉の昇温レートは200℃/hとした。
その後、ボールミルを用いて凝集した活物質粒子の解砕を行った。この解砕工程は、上述した原料の混合・粉砕と同一の条件で行ったが、処理時間を30分とした点において異なる。
その後、真空乾燥機を用いて0.1MPaの真空中で、175℃の温度で2時間乾燥を行った。焼成工程後、この本乾燥までは、全て露点−70℃以上−55℃以下のドライルームにおいて行った。
このようにして、層状岩塩型構造を有する活物質であるNMC(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)を作製した。
作製したNMCは、空間群R−3m(166)に属するLiNi1/3Mn1/3Co1/3であることを同定した。またXRD(X−Ray Diffraction)測定の結果から、a軸およびb軸の格子定数が28.622nm、c軸は142.352nmであった。また、結晶子サイズは186.4nm、BET表面積計により得られた表面積は2.06m/gであった。
また、得られたNMCの粒度分布を図18(A)に示す。図18(A)において、横軸に粒度(単位:μm)、縦軸に相対強度を示す。細線は解砕前であり、太線は解砕後のNMCの粒度分布を示す。解砕によって、約2μm付近を中心とした粒度分布となった。
(酸化グラフェンの作製)
酸化グラフェンの作製は以下のような手順に従った。
濃硫酸(96%)138mlに、黒鉛粉末4g(株式会社中越黒鉛工業所製BF−40AK)を加えた。それに氷浴しながらゆっくりと過マンガン酸カリウム18gを加え、徐々に温度を上げて過マンガン酸カリウムを溶解させた後、25℃で4.5時間反応させた。得られた緑色の溶液を再び氷浴し、溶液温度が40℃以下を保つように、ゆっくりと超純水276mlを滴下した。更にその硫酸水溶液を98℃で15分間油浴し、冷却してから更に超純水400mlを加えた。得られた液に30%過酸化水素水54mlを加えて反応を失活させた。
得られた液は濾過や遠心分離によって固形分を分離した。固形分は再び水で希釈して数回洗浄した。そうして洗浄された固形分を乾燥させ、酸化グラフェン粉末試料GO−Aを得た。
黒鉛粉末4gに対して過マンガン酸カリウム18gを加え、25℃で2時間および35℃で30分間反応させる以外は同様の手法で酸化グラフェン粉末試料GO−Bを得た。
得られた酸化グラフェン粉末試料GO−A、GO−BをXPSにより分析したところ、いずれも原子数比O/Cは0.50から0.54の間であった。また窒素雰囲気で加熱したところ、得られたRGOの重量はいずれも元の酸化グラフェンの50〜55%の重量となった。加熱条件として3℃/minで300℃まで温度を上げ、300℃で30分間保持している。加熱時に脱水量をカールフィッシャ水分計により測定したが、脱水ピーク温度にも特に大きな違いは見られなかった。また真空中170℃で10時間保持した場合は得られたRGOの重量はいずれも元の酸化グラフェンの55〜65%の重量となった。いずれにおいても酸化グラフェン合成条件による差は明確には見られなかった。得られたRGO粉末の導電性測定では若干の差は見られたものの、以下では酸化グラフェンの合成条件は特に記さない。なお、直接比較しているサンプルに於いては同じ酸化グラフェンを用いた。
(正極Aの作製)
上記のようにして作製した活物質を用いて、正極を作製した。
分散媒として極性溶媒であるNMP(東京化成工業株式会社製)を用意し、NMPに酸化グラフェンを分散させた後、上述の通りに作製したNMCを添加して固練りを行った。酸化グラフェンとNMCの混合物に、結着剤としてPVdFを添加した後、さらに分散媒としてNMPを添加して、混練することでペーストを作製した。
このようにして作製したペーストを、集電体となる膜厚20μmのアルミニウム箔上に塗布し、大気雰囲気で、80℃で、40分乾燥させた後、減圧雰囲気で170℃、10時間乾燥させることでペースト中の酸化グラフェンを還元しグラフェンを形成した。ペーストの配合比は、NMC:酸化グラフェン:PVdF=94:1:5(重量比)となるように作製した。なお、集電体と活物質層との界面抵抗の影響を除くため、集電体の表面にアンダーコートを行った。このようにして作製した正極を正極Aとする。なおここでいうアンダーコートとは、集電体上に正極ペーストを塗布する前に、活物質層と集電体との界面抵抗を低減する目的や、活物質層と集電体との密着性を高める目的で集電体上に形成する膜を指す。なお、アンダーコートは、必ずしも膜状である必要はなく、島状に形成されていてもよい。アンダーコートとしては、例えば炭素材料を用いることができる。炭素材料としては例えば、黒鉛や、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブなどを用いることができる。
(正極Aの観察)
以上のようにして作製した酸化グラフェンを原料としたグラフェンを用いた正極Aの活物質層の断面について、SEM(Scanning Electron Microscope)による観察を行った。観察の結果を、図11及び図12に示す。
図11(A)及びその拡大像である図12(A)、(B)において、正極Aの活物質層中に、活物質である複数の粒状のNMC701が確認される。SEM像において確認されるNMC701の粒径は、約0.2μm〜2.0μm程度である。ここで、白い糸状又は紐状に見えるものがグラフェン702である。グラフェンは複数の活物質の隙間(ボイド)中では糸状又は紐状に確認できるが、活物質の表面にも付着している。
図11(A)のSEM像おいて確認できるグラフェン702のいくつかを、図11(B)に強調して白色の太線で示す。グラフェン702は、NMC701の表面を包むように、NMC701と面接触している。また、グラフェン702は、複数のNMC701を接続するように、複数のNMC701にわたって接触している。図11(A)及び図11(B)から、グラフェン702は活物質層中にほぼ均一に、また3次元的に分散していることがわかる。グラフェン702は複数のNMC701と面接触するとともに、グラフェン702どうしでも面接触しているため、活物質層内部において、グラフェンどうしが接続しあい、電子伝導のネットワークを形成していることが確認できた。
(正極Aを用いた電池特性の評価)
上記のように作製した酸化グラフェンを原料としたグラフェンを用いた正極Aをハーフセルに組み込み、充放電特性を測定した。特性の評価は、CR2032タイプ(直径20mm、高さ3.2mm)のコイン型セルの形態で行った。また、負極にはリチウム箔、セパレータには25μm厚のポリプロピレン(PP)、電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比で1:1の割合で混合した混合溶液中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用いた。充電は、0.2C、上限電圧4.5V、CV時の下限電流値を0.01CとしたCCCVにより行った。放電は、0.2CのレートでCCにより行った。また、測定は、室温(25℃)で行った。
図14は、放電特性を示す図面であり、横軸に放電容量(mAh/g)を、縦軸に電圧(V)を示す。太線が、酸化グラフェンを原料としたグラフェンを用いた正極Aを有するセルの充放電特性を示す曲線である。活物質(NMC)、酸化グラフェン、結着剤(PVdF)の配合比は、上述の通り、94:1:5(単位:wt%)である。また、活物質層の膜厚は69μmであり、電極密度は3.1g/cm3である。
また、比較のために、グラフェンの替わりに導電助剤として従来のAB(アセチレンブラック)を用いた正極(以下、正極Xという)を有するセルの充放電特性を、細線で示す。活物質(NMC)、AB、結着剤(PVdF)の配合比は、正極Aの活物質層の配合比と同じく、94:1:5(単位:wt%)である。また、活物質層の膜厚は70μmであり、電極密度は3.2g/cmである。なお、アセチレンブラック(AB)は、電気化学工業株式会社製の粉状品を用いた。比表面積68m/g、平均粒径は35nmである。
図14に示す測定結果から、活物質層の導電助剤に従来のABを用いた正極Xを有するセルでは放電容量が150mAh/g程度であるのに対し、活物質層に酸化グラフェンを原料としたグラフェンを用いた正極Aを有するセルでは放電容量が180mAh/g程度であった。このことから、活物質層に酸化グラフェンを原料としたグラフェンを用いた場合には、放電容量が飛躍的に増大することが分かった。
酸化グラフェンを原料としたグラフェンを活物質層に用いた場合、酸化グラフェンの分散性の高さから、複数の活物質どうしを接触させ、かつグラフェンどうしをも接触させることで3次元的な電気伝導の経路を形成している。このため、大部分の活物質粒子が充放電容量の形成に寄与しているためと考えられる。
ここで、従来のABを用いた正極Xの活物質層の断面を観察したSEM像を図13(A)に示す。SEM像において、複数のNMC705とともに、局所的にNMC705の間を埋めるようにAB706が確認できる。
図13(B)は、確認できるAB706の一部を白い領域として強調して示した図である。AB706は、活物質層中に均一に存在しておらず、部分的に凝集して存在していることがわかる。
このことから、AB706は活物質層中では分散性が悪いことがわかる。このため、AB706が乏しい領域でのNMC705が電池容量に寄与できていない事が考えられる。
本実施例では、活物質に層状岩塩型構造の活物質のひとつであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いて、本発明の一態様に係る非水系二次電池用正極を作製した。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(活物質(コバルト酸リチウム)の作製)
本実施例では、活物質として、層状岩塩型構造の結晶性を有するコバルト酸リチウム(LiCoO)を作製した。コバルト酸リチウムを作製するために、原料としてLiCO、Coを用意し、これをLi:Co=1:1となるように秤量した。
次にこれらを、ボールミルを用いて混合・粉砕した。ボールミルは、50mlのジルコニアポットと、直径3mm、20gのジルコニアボールを用い、総原料10gを回転数400rpmで2時間処理を行った。混合・粉砕には、溶媒として25mlのアセトンを用いた。
次にホットプレートを用いて、予備乾燥を行った。予備乾燥は排気風量0.5m/sの大気中において、50℃の乾燥時間で1〜2時間の間行った。
次にマッフル炉を用いて、大気雰囲気中で950℃5時間の焼成を行った。マッフル炉の昇温レートは230℃/hとした。その後、ジルコニア乳鉢とステンレス製ふるいを用いて凝集した活物質粒子の解砕を行った。
その後、真空乾燥機を用いて0.1MPaの真空中で、175℃の温度で2時間乾燥を行った。本乾燥は、露点−70℃以上−55℃以下のドライルームにおいて行った。
このようにして、層状岩塩型構造を有する活物質であるコバルト酸リチウムを作製した。
作製したコバルト酸リチウムは、空間群R−3m(166)に属するLiCoOであることを同定した。またXRD測定の結果から、a軸およびb軸の格子定数が28.157nm、c軸は140.493nmであった。また、結晶子サイズは412.2nm、BET表面積計により得られた表面積は1.4m/gであった。
また、得られたコバルト酸リチウムの粒度分布を図18(B)に示す。図18(B)において、横軸に粒度(単位:μm)、縦軸に相対強度を示す。細線は解砕前であり、太線は解砕後のコバルト酸リチウムの粒度分布を示す。解砕によって、約3μm付近を中心とした粒度分布となった。
(正極Bの作製)
上記のようにして作製した活物質を用いて、正極を作製した。
分散媒として極性溶媒であるNMP(東京化成工業株式会社製)を用意し、NMPに酸化グラフェンを分散させた後、上述の通りに作製したコバルト酸リチウムを添加して固練りを行った。酸化グラフェンとコバルト酸リチウムの混合物に、結着剤としてPVdFを添加した後、さらに分散媒としてNMPを添加して、混練することでペーストを作製した。
このようにして作製したペーストを、集電体となる膜厚20μmのアルミニウム箔上に塗布し、大気雰囲気で、80℃で、40分乾燥させた後、減圧雰囲気で170℃、10時間乾燥させることでペースト中の酸化グラフェンを還元しグラフェンを形成した。ペーストの配合比は、コバルト酸リチウム:酸化グラフェン:PVdF=94:1:5(単位:wt%)となるように作製した。なお、集電体と活物質層との界面抵抗の影響を除くため、集電体の表面にアンダーコートを行った。このようにして作製した正極を正極Bとする。
(正極Bの観察)
以上のようにして作製した酸化グラフェンを原料としたグラフェンを用いた正極Bの活物質層の断面について、SEMによる観察を行った。観察の結果を、図15及び図16に示す。
図15(A)及びその拡大像である図16(A)、(B)において、正極Bの活物質層中に、活物質である複数の粒状のコバルト酸リチウム711が確認できる。SEM像において確認されるコバルト酸リチウム711の粒径は、約0.2μm〜3.0μm程度である。ここで、白い糸状又は紐状に見えるものがグラフェン712である。グラフェンは複数の活物質の隙間(ボイド)中では糸状又は紐状に確認できるが、活物質の表面にも付着している。
図15(A)のSEM像おいて確認できるグラフェン712のいくつかを、図15(B)に強調して白色の太線で示す。グラフェン712は、コバルト酸リチウム711の表面と面接触している。特にコバルト酸リチウム711の表面は結晶成長が促進され大粒径化しているため、全体として角張った形状となり、平坦な領域を多く含む。このため、このコバルト酸リチウム711の平坦な面とグラフェン712が面接触している部分が確認される。また、グラフェン712は、複数のコバルト酸リチウム711を接続するように、複数のコバルト酸リチウム711にわたって接触している。図15(A)及び図15(B)から、グラフェン712は活物質層中にほぼ均一に、また3次元的に分散していることがわかる。グラフェン712は複数のコバルト酸リチウム711と面接触するとともに、グラフェン712どうしでも面接触しているため、活物質層内部において、グラフェンどうしが接続しあい、電子伝導のネットワークを形成していることが確認できた。
(正極Bを用いた電池特性の評価)
上記のように作製した酸化グラフェンを原料としたグラフェンを用いた正極Bを、上述した正極Aと同様に、ハーフセルに組み込み、充放電特性を測定した。
すなわち、特性の評価は、CR2032タイプ(直径20mm高さ3.2mm)のコイン型セルの形態で行った。また、負極にはリチウム箔、セパレータには25μm厚のポリプロピレン(PP)、電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比で1:1の割合で混合した混合溶液中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用いた。充電は、0.2C、上限電圧4.2V、CV時の下限電流値を0.01CとしたCCCVにより行った。このとき、160mAh/gの容量制限を行った。放電は、0.2C、1C、2C、5CのレートでCCにより行った。また、測定は、室温(25℃)で行った。
図17は、放電特性を示す図面であり、横軸に放電容量(mAh/g)を、縦軸に電圧(V)を示す。図中の曲線は、上から順に0.2C、1C、2C、5Cを示す放電曲線である。活物質(コバルト酸リチウム)、グラフェン、結着剤(PVdF)の配合比は、94:1:5(単位:wt%)である。また、電極の膜厚は26μmであり、電極密度は2.9g/cmである。
図17に示す測定結果から、活物質にコバルト酸リチウムを用いた場合でも、十分な放電特性が得られることが分かった。充電を160mAh/gで終了させているため、0.2C〜2Cでは、放電容量は160mAh/gとなっている。
比較例として、LiFePOを活物質に用いた時の例を示す。LiFePOは固相法によりLiCO、FeC、NHPOを原料とし、350℃での仮焼きと600℃での本焼きにより合成した。これを試料N−LiFePOとする。また同様の条件で、600℃での本焼き前にグルコースを10wt%加えて合成したものを試料C−LiFePOとする。
N−LiFePOを用いて正極比較試料を作製した。即ちLiFePO:酸化グラフェン:PVdF=93:2:5の重量配合比でスラリーを作製し、アルミニウム箔上に塗工した。これを正極比較試料PEAとする。LiFePO:グラフェン(Graphene Super Market社製AO−1):PVdF=90:5:5の重量配合比でスラリーを作製し、アルミニウム箔上に塗工した。これを正極比較試料PEBとする。LiFePO:アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、比表面積68m/g):PVdF=80:15:5の重量配合比でスラリーを作製し、アルミニウム箔上に塗工した。これを正極比較試料PECとする。C−LiFePOを用いて、LiFePO:酸化グラフェン:PVdF=85:8:7の重量配合比でスラリーを作製し、アルミニウム箔上に塗工した。これを正極比較試料PEDとする。なお以上のスラリーは全てNMPを分散媒に用いた。
正極比較試料PEAの膜厚、及び密度は30μm、2.6g/cmであった。正極比較試料PEBの膜厚、及び密度は43μm、1.5g/cmであった。正極比較試料PECの膜厚、及び密度は23μm、1.4g/cmであった。正極比較試料PEDの膜厚、及び密度は66μm、1.7g/cmであった。
得られた正極比較試料を実施例同様にハーフセルに組み込み、充放電特性を測定した。特性の評価は、CR2032タイプ(直径20mm、高さ3.2mm)のコイン型セルの形態で行った。即ち、負極にはリチウム箔、セパレータには25μm厚のポリプロピレン(PP)、電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比で1:1の割合で混合した混合溶液中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用いた。充電は、0.2C、上限電圧4.3V、CV時の下限電流値を0.01CとしたCCCVにより行った。放電は、0.2Cもしくは1.0C、下限電圧を2.0VとしたCCにより行った。また、測定は、室温(25℃)で行った。また容量は配合比から求められた正極活物質重量あたりで表記している。
0.2Cでの放電容量は正極比較試料PEAで159mAh/g、正極比較試料PEBで152mAh/g、正極比較試料PECで129mAh/g、正極比較試料PEDで155mAh/gであった。1.0Cでの放電容量は正極比較試料PEAで148mAh/g、正極比較試料PEBで136mAh/g、正極比較試料PECで106mAh/g、正極比較試料PEDで145mAh/gであった。
正極比較試料PEDではLiFePOの理論容量170mAh/gに近い容量が出ている。正極比較試料PEAでは導電助剤となる物質はRGOのみで、元となる酸化グラフェンは2wt%でも十分機能しており、且つ同程度の放電容量を示す事が分かる。原料にグラフェンを5wt%含む正極比較試料PEBでは正極比較試料PEAに比べて1C容量は少し減っている。アセチレンブラック15wt%を含む正極比較試料PECでは明らかに0.2Cでも放電容量が少なくなっている。
以上の結果から、酸化グラフェンを活物質層に添加するグラフェンの原料として用いた場合には、官能基を有するために極性溶媒への分散性が高く、その結果、還元して形成されたグラフェンが活物質層中に高い分散性で存在することが分かった。このため、グラフェンが活物質層中で電子伝導のネットワークを形成することができ、高い電子伝導性を有する正極の形成が可能となることが確認された。
100 正極
101 集電体
102 活物質層
103 活物質
103a 活物質
103b 活物質
104 グラフェン
105 炭素層
200 NMP
201 グラフェン又はRGO
202 酸化グラフェン
450 二次電池
451 正極缶
452 負極缶
453 ガスケット
454 正極
455 正極集電体
456 正極活物質層
457 負極
458 負極集電体
459 負極活物質層
460 セパレータ
470 二次電池
471 正極集電体
472 正極活物質層
473 正極
474 負極集電体
475 負極活物質層
476 負極
477 セパレータ
478 外装体
480 二次電池
481 正極キャップ
482 電池缶
483 正極端子
484 正極
485 セパレータ
486 負極
487 負極端子
488 絶縁板
489 絶縁板
490 ガスケット(絶縁パッキン)
491 PTC素子
492 安全弁機構
500 住宅
501 電力系統
502 引込み線
503 分電盤
504 制御装置
505 蓄電システム
506 太陽光発電システム
507 表示装置
508 照明装置
509 空気調和設備
510 電気冷蔵庫
511 インターネット
512 電気自動車
513 管理サーバ
560 電気自動車
561 充電装置
562 ケーブル
563 前輪
564 二次電池
565 電子制御ユニット
566 インバータユニット
567 走行モータユニット
568 出力軸
569 駆動軸
570 後輪(駆動輪)
571 接続プラグ
600 携帯情報端末
601 筐体
602 表示部
603 ボタン
604 アイコン
605 カメラ
606 マイクロフォン
607 スピーカ
608 接続端子
609 太陽電池
610 カメラ
611 充放電制御回路
612 二次電池
613 DCDCコンバータ
614 スイッチ
615 スイッチ
616 スイッチ
617 コンバータ
701 NMC
702 グラフェン
705 NMC
706 AB
711 コバルト酸リチウム
712 グラフェン

Claims (2)

  1. 酸化グラフェンを、極性溶媒を有する分散媒に分散させ、
    前記酸化グラフェンを分散させた前記分散媒に、層状岩塩型構造を有する活物質を添加して混練することで混合物を作製し、
    前記混合物に結着剤を添加して混練することでペーストを作製し、前記ペーストを集電体に塗布し、
    前記塗布した前記ペーストに含まれる前記分散媒を揮発させた後又は揮発させると同時に、前記酸化グラフェンを還元して、グラフェンを含む活物質を前記集電体上に形成することを特徴とする非水系二次電池用正極の製造方法。
  2. 請求項において、
    前記酸化グラフェンは、単層又は2層以上100層以下の多層であることを特徴とする非水系二次電池用正極の製造方法。
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