JP6157918B2 - パノースを含むココア飲料 - Google Patents
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Description
本発明はココア飲料に関し、更に詳細には、パノースを含むココア飲料である。
現在、容器入り飲料は、スチール缶、アルミ缶、PET容器、またはガラス瓶等に封入されて流通し、小売店の店頭や自動販売機などで販売される。特に、冬季にはホットベンダー中で加温された状態で販売されることもあるため、その場合には飲料は容器中で長期間加温され続ける。
(1)パノースを含む、ココア飲料。
(2)パノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物を含む、ココア飲料。
(3)パノースが、ココア飲料に対して、0.002〜0.2質量%含まれる、(1)または(2)に記載のココア飲料。
(4)パノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物が、マルミノース(登録商標)、パノックスA(登録商標)、パノリッチ(登録商標)、およびパノラップ(登録商標)からなる群から選択される一種または二種以上である、(2)または(3)に記載のココア飲料。
(5)カカオ分が、ココア飲料に対して、0.5以上10質量%未満含まれる、(1)〜(4)のいずれかに記載のココア飲料。
(6)ヤマモモ科植物抽出物を更に含む、(1)〜(5)のいずれかに記載のココア飲料。
(7)ヤマモモ科植物抽出物が、ココア飲料に対して、0.005〜0.1質量%含まれる、(6)に記載のココア飲料。
(8)容器入りである、(1)〜(7)のいずれかに記載のココア飲料。
(9)ココア飲料に、パノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物を加える工程を含む、パノース含有ココア飲料の製造方法。
(10)ヤマモモ科植物抽出物を更に加える工程を含む、(9)に記載の製造方法。
(11)(9)または(10)に記載の製造方法により製造される、ココア飲料。
(12)(1)〜(8)または(11)のいずれかに記載のココア飲料を、40〜70℃で1時間以上保温する、保管方法。
(13)(12)に記載の保管方法により保管される、ココア飲料。
(14)パノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物を含有させることを特徴とする、ココア飲料のムレ臭低減方法。
本発明のココア飲料は、パノース(3糖類の一種)(panose)を含むココア飲料である。以下、本発明のココア飲料について詳述する。
本発明のココア飲料は、パノースが含まれる。ココア飲料にパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物を含有させることにより、ココア飲料中にパノースを含有させてもよく、またパノースを単独でココア飲料に加えて含有させてもよい。
本発明のココア飲料の好ましい態様によれば、上記パノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物に加えて、更にヤマモモ科植物抽出物(以下、ヤマモモ抽出物と記載する場合もある)を含むココア飲料が提供される。本発明のヤマモモ科植物抽出物は、フラボノイド配糖体、特にミリシトリンを含む抽出物であり、好ましくはミリシトリンを主成分として含む。本発明のココア飲料に含まれるヤマモモ科植物抽出物としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、市販品であるサンメリン(登録商標)(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)(サンメリンYA−Fなど)を用いることが好ましい。また、本発明のココア飲料に含まれるヤマモモ科植物抽出物は、例えば、ヤマモモ科植物であるヤマモモまたはヤチヤナギを、有機溶媒浸漬法などの常法により抽出して用いてもよい。ココア飲料に、上記パノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物に加えて、ヤマモモ科植物抽出物を更に加えることにより、ココア飲料のムレ臭を更に低減させることができ、ココア飲料の品質を更に改善することができる。また、本発明のココア飲料に用いられるヤマモモ科植物抽出物は、油溶性を示す抽出物であっても、油溶性抽出物を酵素処理することにより水溶性化した抽出物であってもよいが、好ましくは水溶性化したヤマモモ科植物抽出物であることが好ましい。
ココア飲料とは、ココアパウダー、カカオマス、カカオニブ、ココアバター、およびカカオエキスパウダーからなる群から選択される少なくとも1種以上の原料を用いた飲料であり、本発明のココア飲料にはこれらの原料が少なくとも一種以上含まれる。また、本発明のココア飲料には、副原料として、甘味料、乳原料、植物油脂、乳化剤、安定剤、pH調整剤、香料等が含まれていてもよい。
本発明の製造方法は、ココア飲料にパノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物を加える工程を含むパノース含有ココア飲料の製造方法である。また、本発明の製造方法の好ましい態様によれば、ココア飲料にパノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物に加え、ヤマモモ科植物抽出物を更に加える工程を含む製造方法が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、本発明のココア飲料および本発明の製造方法により製造されたココア飲料を、40〜70℃の品温で1時間以上、好ましくは50〜60℃の品温で3日以上、より好ましくは1週間以上、保温(加温)する保管方法が提供される。また、この保管方法においては、保管期間は1ヶ月までであることが好ましく、さらには2週間までであることがより好ましい。本発明のココア飲料は、上記のような条件で保管したとしても、ココア飲料のムレ臭を低減することができ、ココア飲料としての品質を保つことができる。加熱(殺菌)された缶入ココア飲料は、ホットベンダーに保管され、定常的に保温(加温)販売されており、この保温時に、ムレ臭が著しく発生する場合が多いが、本発明のココア飲料を用いることにより、このようなムレ臭を低減することができる。また、本発明のココア飲料および本発明の製造方法により製造されたココア飲料は、ホットベンダー用または加温販売用であることが好ましい。
また、本発明の別の態様によれば、パノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物を含有させることを特徴とするココア飲料のムレ臭低減方法が提供される。本発明の別の好ましい態様によれば、ココア飲料に、パノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物を含有させ、ヤマモモ科植物抽出物を更に含有させることを特徴とするココア飲料のムレ臭低減方法が提供される。これらの方法を用いることにより、ココア飲料をレトルト殺菌やUHT殺菌により加熱された場合であっても、更にホットベンダーに保管され、一定時間保温(加温)販売された場合であっても、ココア飲料のムレ臭を低減することができ、ココア飲料としての品質を保つことができる。
パノースを含む各種の分岐オリゴ糖含有組成物について、分岐オリゴ糖含有組成物に含まれる糖の重合度分布を分析した。分析方法は高速液体クロマトグラフィを使用し、定法に基づいて行った。
各分岐オリゴ糖含有組成物のパノース含有量(質量%)を分析した。分析方法は高速液体クロマトグラフィを使用し、定法に基づいて行った。
砂糖81質量部、全粉乳19質量部、ココアパウダー21質量部、牛乳19質量部、脱脂粉乳5質量部、乳化剤1質量部、結晶セルロース3質量部、香料1質量部、および水850質量部に、パノースを含有する各種分岐オリゴ糖含有組成物および/またはヤマモモ抽出物(商品名:サンメリンYA−F、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を下記表2〜6に記載の濃度となるように加え、混合、攪拌し、ココア飲料の調合液を得た。
パノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物としては、パノリッチ(登録商標)(日本食品化工株式会社製)、マルミノース(登録商標)(昭和産業株式会社製)、パノックスA(登録商標)(昭和産業株式会社製)、パノラップ(登録商標)(株式会社林原製)、およびブランチオリゴ(登録商標)(日本食品化工株式会社製)を用いた。
パノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物およびヤマモモ抽出物を全く含まない以外は、上記のココア飲料の調製と同様の方法で、缶入りココア飲料を得た。得られた缶入りココア飲料を60℃で2週間保存した後、上記のココア飲料と同様に、官能試験を行った。
陰性対照では、加温保存前には感じられなかった、ムレ臭、酸味、苦味が強く、明らかに加温保存による品質劣化が見られ、著しく劣った品質となっていた(下記評価基準では「E」であった)。
評価基準
A:ココア飲料として、著しく良好である
B:ココア飲料として、良好である
C:ココア飲料として、やや良好である
D:ココア飲料として、やや劣る
E:ココア飲料として、著しく劣る
−:官能試験を行わなかった
また、分岐オリゴ糖含有組成物と、ヤマモモ抽出物とを併用することにより、著しいムレ臭抑制効果が得られ、ココア飲料として良好な品質に改善できることがわかる。
一方で、上記表2の結果は、ココア飲料における分岐オリゴ糖含有組成物の配合率が高いほど、ムレ臭の抑制効果は高くなるが、分岐オリゴ糖含有組成物の配合率が高くなると、ココア飲料としての品質に問題となるものではないが、ココア飲料に若干異味が出てしまうことを示すものである。特に、ヤマモモ抽出物を配合せず、分岐オリゴ糖含有組成物のみ配合したココア飲料では、分岐オリゴ糖含有組成物の配合率の増加に伴い、ムレ臭抑制効果は増加するが、十分なムレ臭抑制効果が現れる前に若干異味が発生していた。また、ヤマモモ抽出物においても、ヤマモモ抽出物の配合率が高いほど、ムレ臭の抑制効果は高くなるが、ヤマモモ抽出物配合率が高くなると、金属臭が発生し、ココア自体の風味が若干減少する傾向があり、ココア飲料としての品質に問題となるものではないが、この傾向はヤマモモ抽出物が0.05質量%より高い濃度で特にみられた(データは示さず)。
Claims (10)
- パノースおよびヤマモモ科植物抽出物を含む、ココア飲料。
- パノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物およびヤマモモ科植物抽出物を含む、ココア飲料。
- パノースが、ココア飲料に対して、0.002〜0.2質量%含まれる、請求項1または2に記載のココア飲料。
- パノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物が、マルミノース(登録商標)、パノックスA(登録商標)、パノリッチ(登録商標)、およびパノラップ(登録商標)からなる群から選択される一種または二種以上である、請求項2または3に記載のココア飲料。
- カカオ分が、ココア飲料に対して、0.5以上10質量%未満含まれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のココア飲料。
- ヤマモモ科植物抽出物が、ココア飲料に対して、0.005〜0.1質量%含まれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のココア飲料。
- 容器入りである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のココア飲料。
- ココア飲料に、パノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物を加える工程を含み、かつヤマモモ科植物抽出物を更に加える工程を含む、パノース含有ココア飲料の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のココア飲料を、40〜70℃で1時間以上保温する、保管方法。
- パノースまたはパノースを含有する分岐オリゴ糖含有組成物、およびヤマモモ科植物抽出物を含有させることを特徴とする、ココア飲料のムレ臭低減方法。
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