JPWO2015020024A1 - 水溶性エンドウ多糖類組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】分散安定剤としての機能を損なうことなく、粉体保存時における吸湿とそれに伴う褐変及びケーキングを抑制し、水溶液の色調及び分散性や流動性といった粉体物性を改善する水溶性エンドウ多糖類組成物を提供することを課題とする。【解決手段】マルトオリゴ糖を10〜90重量%含有する水溶性エンドウ多糖類組成物であって、マルトペンタオース、マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの総量がマルトオリゴ糖の総重量に対して30重量%以上である水溶性エンドウ多糖類組成物が、従来の水溶性エンドウ多糖類において問題であった粉体保存時における吸湿とそれに伴う褐変及びケーキングを抑制し、さらに粉体の水溶液の色調が良好になること、粉体の分散性や流動性が改善できる。【選択図】なし
Description
本発明は、水溶性エンドウ多糖類組成物に関する。
エンドウ種子或いはエンドウ繊維から抽出されるペクチン性多糖類(以下、「水溶性エンドウ多糖類」と記載)は、低粘度の分散安定剤であるということから、酸性蛋白質飲料の分散安定剤として利用される(特許文献1)。
水溶性エンドウ多糖類等の食品素材は、一般的には、取扱いの便宜性等の観点から粉末化して粉体として利用されている。
水溶性エンドウ多糖類等の食品素材は、一般的には、取扱いの便宜性等の観点から粉末化して粉体として利用されている。
しかし、食品素材を粉体にした場合に、例えば吸湿の問題がある。すなわち、吸湿によりベタつきを生じ、その後軟化、収縮、ケーキング(団結)等の外観変化を起こすと共に、流動性、溶解性の低下等の物性変化、さらに酸化、褐変反応等の進行による色、風味の劣化を引き起こすという問題がある。また、分散安定剤のような機能剤についても吸湿により粉体が軟化し、粘性の性状を示すようになり、その結果、酸化、褐変、変性反応等の進行による著しい活性低下が起こる。このように、粉体の吸湿は大幅な商品価値の低下をもたらす。特に飲料分野において、色調は重要となる場合が多く、褐変に伴う色調の悪化は問題となる。
水溶性エンドウ多糖類においても粉体にした場合に、上記のような粉体の吸湿に伴う褐変やケーキングが生じやすい問題があり改善する余地がある。
水溶性エンドウ多糖類においても粉体にした場合に、上記のような粉体の吸湿に伴う褐変やケーキングが生じやすい問題があり改善する余地がある。
食品中への吸湿を抑制する方法として、粉体に油脂或いは界面活性剤を含有せしめる方法(特許文献2)、大豆タンパク質(特許文献3)や熱凝固性タンパク質(特許文献4)等のタンパク質を含有せしめる方法、コンニャク粉(特許文献5)、セルロース(特許文献6)、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(特許文献7)等の多糖を含有せしめる方法等の試みがなされてきた。しかし、何れの方法の場合も無添加に比べれば吸湿による劣化は抑制できるものの、本来の風味、機能に変化をきたしたり、溶解性を低下させる問題がある。
また、デキストリンを含有せしめる方法(特許文献8)は、溶解性や風味の点で問題がある。
本発明は、分散安定剤としての機能を損なうことなく、粉体保存時における吸湿とそれに伴う褐変及びケーキングを抑制し、水溶液の色調及び分散性や流動性といった粉体物性を改善する水溶性エンドウ多糖類組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題の解決に対し鋭意検討を重ねた結果、マルトオリゴ糖を10〜90重量%含有する水溶性エンドウ多糖類組成物であって、マルトペンタオース、マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの総量がマルトオリゴ糖の総重量に対して30重量%以上である水溶性エンドウ多糖類組成物が、従来の水溶性エンドウ多糖類において問題であった粉体保存時における吸湿とそれに伴う褐変及びケーキングを抑制し、さらに粉体の水溶液の色調が良好になること、粉体の分散性や流動性が改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)マルトオリゴ糖を10〜90重量%含有する水溶性エンドウ多糖類組成物であって、マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの総量がマルトオリゴ糖の総重量に対して30重量%以上である、水溶性エンドウ多糖類組成物、
(2)マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの総量がマルトオリゴ糖総重量に対して40重量%以上である、(1)記載の水溶性エンドウ多糖類組成物、
(3)マルトオリゴ糖を30〜75重量%含有する、(1)記載の水溶性エンドウ多糖類組成物、
である。
(1)マルトオリゴ糖を10〜90重量%含有する水溶性エンドウ多糖類組成物であって、マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの総量がマルトオリゴ糖の総重量に対して30重量%以上である、水溶性エンドウ多糖類組成物、
(2)マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの総量がマルトオリゴ糖総重量に対して40重量%以上である、(1)記載の水溶性エンドウ多糖類組成物、
(3)マルトオリゴ糖を30〜75重量%含有する、(1)記載の水溶性エンドウ多糖類組成物、
である。
本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物は分散安定剤としての機能、水溶解性を損なうことなく、水溶液の色調及び分散性や流動性といった粉体物性を改善でき、また粉体保存時における吸湿とそれに伴う褐変及びケーキングを抑制することができる。
(原料)
水溶性エンドウ多糖類の原料としては、エンドウ種子或いはエンドウ繊維を用いることができる。エンドウ繊維とは、工業的には、エンドウ種子を原料に外皮を除去し、子葉部を乾式あるいは湿式にて粉砕した後、澱粉を分離除去した残渣であり、より好ましくは更にタンパク質を乾式あるいは湿式にて分離した繊維画分(残渣)を示す。
水溶性エンドウ多糖類の原料としては、エンドウ種子或いはエンドウ繊維を用いることができる。エンドウ繊維とは、工業的には、エンドウ種子を原料に外皮を除去し、子葉部を乾式あるいは湿式にて粉砕した後、澱粉を分離除去した残渣であり、より好ましくは更にタンパク質を乾式あるいは湿式にて分離した繊維画分(残渣)を示す。
(抽出)
抽出時のpHはpH3未満の酸性条件下では多糖類の加水分解が促進され、pH12よりアルカリ側では多糖類の脱離分解が促進されるため、pH3からpH12が適切であり、より好ましくはpH4からpH10である。原料に加水した後、酸或いはアルカリを添加してpH4からpH10の範囲に調整後、好ましくは60℃以上190℃以下、更に好ましくは80℃以上130℃以下の温度で水溶性エンドウ多糖類を抽出する。60℃未満の温度では、水溶性エンドウ多糖類の抽出効率が悪く現実性が低い。190℃を超える温度では、抽出の過程で水溶性エンドウ多糖類が加水分解してしまう場合がある。抽出時間は概ね1〜180分であるが、原料の状態や温度等により、任意に調整することができる。使用する酸とアルカリに特に制限は無い。塩酸,硫酸,燐酸,クエン酸,酒石酸,酢酸,蟻酸等の酸、水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウム,アンモニア等のアルカリを使用することが出来る。また、目的とする水溶性エンドウ多糖類が加水分解されない高純度のセルラーゼ,ヘミセルラーゼ,ペクチナーゼを単独もしくは併用して抽出しても構わない。
抽出時のpHはpH3未満の酸性条件下では多糖類の加水分解が促進され、pH12よりアルカリ側では多糖類の脱離分解が促進されるため、pH3からpH12が適切であり、より好ましくはpH4からpH10である。原料に加水した後、酸或いはアルカリを添加してpH4からpH10の範囲に調整後、好ましくは60℃以上190℃以下、更に好ましくは80℃以上130℃以下の温度で水溶性エンドウ多糖類を抽出する。60℃未満の温度では、水溶性エンドウ多糖類の抽出効率が悪く現実性が低い。190℃を超える温度では、抽出の過程で水溶性エンドウ多糖類が加水分解してしまう場合がある。抽出時間は概ね1〜180分であるが、原料の状態や温度等により、任意に調整することができる。使用する酸とアルカリに特に制限は無い。塩酸,硫酸,燐酸,クエン酸,酒石酸,酢酸,蟻酸等の酸、水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウム,アンモニア等のアルカリを使用することが出来る。また、目的とする水溶性エンドウ多糖類が加水分解されない高純度のセルラーゼ,ヘミセルラーゼ,ペクチナーゼを単独もしくは併用して抽出しても構わない。
(除澱粉)
原料に澱粉が含まれている場合、そのままの状態でも水溶性エンドウ多糖類を得ることは可能であるが、水溶性エンドウ多糖類と澱粉の混合組成物の状態では、水への溶解性が低く、かつ水溶液の清澄性も悪い。また、酸性蛋白質飲料等に使用した場合の沈殿発生の原因ともなってしまうため、澱粉を除去することが好ましい。原料の段階であれば乾式分画も可能であるが湿式分画が好適であり、破砕した原料に加水し、澱粉が糊化しない温度まで加温、遠心濾過により澱粉粒として分離することが出来る。また、水溶性エンドウ多糖類を抽出する過程、乃至抽出した後に除澱粉する方法としては、酸またはアルカリによる加水分解、冷却沈殿、アミラーゼ処理、乳化剤との凝集沈殿等が例示できる。
原料に澱粉が含まれている場合、そのままの状態でも水溶性エンドウ多糖類を得ることは可能であるが、水溶性エンドウ多糖類と澱粉の混合組成物の状態では、水への溶解性が低く、かつ水溶液の清澄性も悪い。また、酸性蛋白質飲料等に使用した場合の沈殿発生の原因ともなってしまうため、澱粉を除去することが好ましい。原料の段階であれば乾式分画も可能であるが湿式分画が好適であり、破砕した原料に加水し、澱粉が糊化しない温度まで加温、遠心濾過により澱粉粒として分離することが出来る。また、水溶性エンドウ多糖類を抽出する過程、乃至抽出した後に除澱粉する方法としては、酸またはアルカリによる加水分解、冷却沈殿、アミラーゼ処理、乳化剤との凝集沈殿等が例示できる。
(マルトオリゴ糖)
水溶性エンドウ多糖類に、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースをそれぞれ単独、あるいはそれらの混合品、あるいはマルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースを含むマルトオリゴ糖を添加することにより、本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物を得ることができる。
マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースを含むマルトオリゴ糖は、水溶性エンドウ多糖類の任意の製造工程で添加することができる。例えば、抽出前後のスラリーに添加することもできるし、スラリーを固液分離後のろ液に添加することもできる。また、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースをそれぞれ単品、あるいはそれらの混合品を添加することもできるし、それらの混合品が含まれる製剤を添加することもできる。
マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの形態は特に制限されず、粉体であっても液体の状態であっても良い。
マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースは、それらの総量がマルトオリゴ糖の総重量に対して30重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上となるように添加する。
なお、マルトオリゴ糖は、陰イオン除去カートリッジ、0.2μmフィルターに通し、電気化学検出器を用いたイオンクロマトグラフィー法(HPAEC-PAD法)を用いて測定する。
水溶性エンドウ多糖類に、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースをそれぞれ単独、あるいはそれらの混合品、あるいはマルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースを含むマルトオリゴ糖を添加することにより、本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物を得ることができる。
マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースを含むマルトオリゴ糖は、水溶性エンドウ多糖類の任意の製造工程で添加することができる。例えば、抽出前後のスラリーに添加することもできるし、スラリーを固液分離後のろ液に添加することもできる。また、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースをそれぞれ単品、あるいはそれらの混合品を添加することもできるし、それらの混合品が含まれる製剤を添加することもできる。
マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの形態は特に制限されず、粉体であっても液体の状態であっても良い。
マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースは、それらの総量がマルトオリゴ糖の総重量に対して30重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上となるように添加する。
なお、マルトオリゴ糖は、陰イオン除去カートリッジ、0.2μmフィルターに通し、電気化学検出器を用いたイオンクロマトグラフィー法(HPAEC-PAD法)を用いて測定する。
(精製)
澱粉を分解した水溶性エンドウ多糖類組成物は、不溶性繊維分を分離除去した後、そのまま乾燥することもできるが、より機能を発揮させるために蛋白質の除去,脱塩,色素成分除去等の精製を行なうことが望ましい。蛋白質の除去方法としては、pH調整により蛋白質を凝集させ、圧濾分離,遠心分離,膜分離等の物理的分離手段により除去することができる。また、任意の蛋白質分解酵素を用いて蛋白質を分解し、分解物を透析膜,活性炭,イオン交換や疎水性樹脂を用いて吸着除去することができる。脱塩の方法としては、電気透析やイオン交換樹脂,UF膜分離など、これらを除去する方法であれば何れの方法も利用できる。色素成分の除去方法としては、オゾン処理やUV照射などの色素成分を分解する方法が利用できる。これら1法又は2法以上を組み合わせて用いることが好ましい。
澱粉を分解した水溶性エンドウ多糖類組成物は、不溶性繊維分を分離除去した後、そのまま乾燥することもできるが、より機能を発揮させるために蛋白質の除去,脱塩,色素成分除去等の精製を行なうことが望ましい。蛋白質の除去方法としては、pH調整により蛋白質を凝集させ、圧濾分離,遠心分離,膜分離等の物理的分離手段により除去することができる。また、任意の蛋白質分解酵素を用いて蛋白質を分解し、分解物を透析膜,活性炭,イオン交換や疎水性樹脂を用いて吸着除去することができる。脱塩の方法としては、電気透析やイオン交換樹脂,UF膜分離など、これらを除去する方法であれば何れの方法も利用できる。色素成分の除去方法としては、オゾン処理やUV照射などの色素成分を分解する方法が利用できる。これら1法又は2法以上を組み合わせて用いることが好ましい。
(乾燥)
精製処理を施した水溶性エンドウ多糖類組成物は、任意の殺菌処理を施し、凍結乾燥,噴霧乾燥などの乾燥方法にて乾燥物を得ることができる。
乾燥は、工業的には乾燥効率の良い噴霧乾燥器を用いて噴霧乾燥する方が好ましい。本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物は高濃度水溶液の状態で粘度が低いため、噴霧の際にスプレーノズルの先端に液が詰まらず、かつ低い噴霧圧で噴霧が可能であるので粉体の粒子径が大きくなり、比表面積が減少して吸湿し難い粉体を得ることができる。また、噴霧後の粉体は、随時サイクロン下のタンクに貯められるが、本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物は吸湿抑制効果が高いため、粉体がタンク内で団子状に固まってしまうこと(ケーキング)を防ぐことができる。
精製処理を施した水溶性エンドウ多糖類組成物は、任意の殺菌処理を施し、凍結乾燥,噴霧乾燥などの乾燥方法にて乾燥物を得ることができる。
乾燥は、工業的には乾燥効率の良い噴霧乾燥器を用いて噴霧乾燥する方が好ましい。本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物は高濃度水溶液の状態で粘度が低いため、噴霧の際にスプレーノズルの先端に液が詰まらず、かつ低い噴霧圧で噴霧が可能であるので粉体の粒子径が大きくなり、比表面積が減少して吸湿し難い粉体を得ることができる。また、噴霧後の粉体は、随時サイクロン下のタンクに貯められるが、本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物は吸湿抑制効果が高いため、粉体がタンク内で団子状に固まってしまうこと(ケーキング)を防ぐことができる。
(水溶性エンドウ多糖類組成物)
このようにして得られた本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物は、水溶性エンドウ多糖類及びマルトオリゴ糖を含有する。マルトオリゴ糖の含有量は10〜90重量%であり、好ましくは30〜75重量%である。本発明におけるマルトオリゴ糖のうち95重量%以上が重合度1〜7のマルトオリゴ糖で構成される。また、マルトオリゴ糖のうち、マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースは、それらの総量がマルトオリゴ糖の総重量に対して30重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上含有する。
本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物は、例えば、酸性蛋白質飲料等の分散安定剤としての機能を損なうことなく、水溶液の色調及び分散性や流動性といった粉体物性を改善でき、また粉体保存時における吸湿とそれに伴う褐変及びケーキングを抑制できる。
このようにして得られた本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物は、水溶性エンドウ多糖類及びマルトオリゴ糖を含有する。マルトオリゴ糖の含有量は10〜90重量%であり、好ましくは30〜75重量%である。本発明におけるマルトオリゴ糖のうち95重量%以上が重合度1〜7のマルトオリゴ糖で構成される。また、マルトオリゴ糖のうち、マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースは、それらの総量がマルトオリゴ糖の総重量に対して30重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上含有する。
本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物は、例えば、酸性蛋白質飲料等の分散安定剤としての機能を損なうことなく、水溶液の色調及び分散性や流動性といった粉体物性を改善でき、また粉体保存時における吸湿とそれに伴う褐変及びケーキングを抑制できる。
本発明の水溶性エンドウ多糖類組成物の用途として、食品としては、清涼飲料,乳飲料,酸性乳飲料,酸性蛋白質飲料,果汁飲料,お茶,スポーツ飲料,ダイエット飲料,粉末飲料,アルコール飲料等の飲料、キャンディー,グミ,ゼリー,チューイングガム等の菓子、アイスクリーム等の冷菓、ドレッシング,マヨネーズ,ベーカリー製品,水産加工品,畜産加工品,レトルト食品,冷凍食品等の飲食品が挙げられる。
以下に実施例を記載することで本発明を説明するが、本発明の技術思想がこれらの例示によって限定されるものではない。尚、例中の部及び%は特に断らない限り重量基準を意味するものとする。
(比較例1)
水溶性エンドウ多糖類の製造(1)
エンドウの種子50kgを脱皮した後、5倍量の水を子葉部に加えて24時間浸漬した。ホモミキサー(5,000rpm, 30分間)にて子葉部を砕き、蛋白質と澱粉を30%水酸化ナトリウム溶液を用いて、pH9を保持しながら抽出した。遠心濾過機を用いて1,000rpm,5分間で水に分散している蛋白質や澱粉などの成分を除去し、繊維質を回収した。更に、繊維質に5倍量の水を加えてホモミキサー(3,000rpm, 30分間)で攪拌し、遠心濾過(1,000rpm,5分間)により繊維質を回収した。この操作を2回繰り返し、凍結乾燥して10kgのエンドウ繊維を得た。
エンドウ繊維60部を940部の水に分散し、塩酸を用いてpHを5に調整した後、120℃にて90分間加熱して抽出した。不溶性繊維を遠心分離(5,000rpm, 30分間)にて除去して上清を回収した後遠心式薄膜真空蒸発装置(加熱温度80℃, 蒸発温度40℃)にて濃縮した。濃縮液をVTIS殺菌(140℃, 7秒)した後、噴霧乾燥機にて粉末化して水溶性エンドウ多糖類組成物Aを得た。水溶性エンドウ多糖類組成物A中のマルトオリゴ糖含量は0%であった。水溶性エンドウ多糖類組成物A中のマルトオリゴ糖含量は0%であった(表1)。
水溶性エンドウ多糖類の製造(1)
エンドウの種子50kgを脱皮した後、5倍量の水を子葉部に加えて24時間浸漬した。ホモミキサー(5,000rpm, 30分間)にて子葉部を砕き、蛋白質と澱粉を30%水酸化ナトリウム溶液を用いて、pH9を保持しながら抽出した。遠心濾過機を用いて1,000rpm,5分間で水に分散している蛋白質や澱粉などの成分を除去し、繊維質を回収した。更に、繊維質に5倍量の水を加えてホモミキサー(3,000rpm, 30分間)で攪拌し、遠心濾過(1,000rpm,5分間)により繊維質を回収した。この操作を2回繰り返し、凍結乾燥して10kgのエンドウ繊維を得た。
エンドウ繊維60部を940部の水に分散し、塩酸を用いてpHを5に調整した後、120℃にて90分間加熱して抽出した。不溶性繊維を遠心分離(5,000rpm, 30分間)にて除去して上清を回収した後遠心式薄膜真空蒸発装置(加熱温度80℃, 蒸発温度40℃)にて濃縮した。濃縮液をVTIS殺菌(140℃, 7秒)した後、噴霧乾燥機にて粉末化して水溶性エンドウ多糖類組成物Aを得た。水溶性エンドウ多糖類組成物A中のマルトオリゴ糖含量は0%であった。水溶性エンドウ多糖類組成物A中のマルトオリゴ糖含量は0%であった(表1)。
(実施例1〜3、比較例2) 水溶性エンドウ多糖類組成物の製造
比較例1の製造法と同様に、エンドウ繊維60部を940部の水に分散し、塩酸を用いてpH5に調整した後、120℃にて90分間加熱して抽出した。抽出後に遠心分離(5,000rpm, 30分間)して上清を回収し、上清固形分に対して100重量%のマルトオリゴ糖(マルデックPH400P、昭和産業)(実施例1)、80重量%のマルトオリゴ糖及び20重量%のマルトース(D-マルトース一水和物、和光純薬工業)(実施例2)、60重量%のマルトオリゴ糖及び40重量%のマルトース(実施例3)、100%重量のマルトース(比較例2)をそれぞれ添加し、溶解させた後、遠心式薄膜真空蒸発装置(加熱温度80℃, 蒸発温度40℃)にて濃縮した。濃縮液をVTIS殺菌(140℃, 7秒)した後、噴霧乾燥機にて粉末化して水溶性エンドウ多糖類組成物B、C、D、Eを得た。水溶性エンドウ多糖類組成物B〜E中のマルトオリゴ糖含量は、それぞれ、44.1、44.7、45.3、47.3%であった。水溶性エンドウ多糖類組成物B〜Eのオリゴ糖組成を表1に示した。
比較例1の製造法と同様に、エンドウ繊維60部を940部の水に分散し、塩酸を用いてpH5に調整した後、120℃にて90分間加熱して抽出した。抽出後に遠心分離(5,000rpm, 30分間)して上清を回収し、上清固形分に対して100重量%のマルトオリゴ糖(マルデックPH400P、昭和産業)(実施例1)、80重量%のマルトオリゴ糖及び20重量%のマルトース(D-マルトース一水和物、和光純薬工業)(実施例2)、60重量%のマルトオリゴ糖及び40重量%のマルトース(実施例3)、100%重量のマルトース(比較例2)をそれぞれ添加し、溶解させた後、遠心式薄膜真空蒸発装置(加熱温度80℃, 蒸発温度40℃)にて濃縮した。濃縮液をVTIS殺菌(140℃, 7秒)した後、噴霧乾燥機にて粉末化して水溶性エンドウ多糖類組成物B、C、D、Eを得た。水溶性エンドウ多糖類組成物B〜E中のマルトオリゴ糖含量は、それぞれ、44.1、44.7、45.3、47.3%であった。水溶性エンドウ多糖類組成物B〜Eのオリゴ糖組成を表1に示した。
水溶性エンドウ多糖類A〜Eについて、水溶解性及び水溶液の濁度と色調を以下に記載の方法で測定し、測定した結果を表2に示した。
[水溶解性]
200rpmで回転する撹拌子と100mlの蒸留水が入った200mlビーカーに水溶性エンドウ多糖類組成物を3g添加し、完全に溶解するまでの時間を計測した。30分以内に溶解する場合を◎、40分以内に溶解する場合を○、50分以内に溶解する場合を△、50分以上かかるものを×とした。水溶解性は◎、○のものを合格とした。
[濁度]
3%水溶液の濁度を、波長610nmで分光光度計(Ubest-55、日本分光製)にて測定した。濁度が0.30未満であれば◎、0.30以上0.50未満であれば○、0.50以上1.0未満であれば△、1.0以上であれば×として示す。評価が、◎、○のものを合格とした。
[色調]
3%水溶液の色調を日本電色工業製色差計(Z-1001DP)にて測定した。色差計の数値指標としてはa値とb値があり、a値が高いほど赤色であることを、b値が高いほど黄色であることを表している。水溶性エンドウ多糖類組成物は製造法の違いによってb値が変化しやすいため、b値が14未満であれば◎、14以上17未満であれば○、17以上20未満であれば△、20以上であれば×として示す。評価が◎、○のものを合格とした。
[水溶解性]
200rpmで回転する撹拌子と100mlの蒸留水が入った200mlビーカーに水溶性エンドウ多糖類組成物を3g添加し、完全に溶解するまでの時間を計測した。30分以内に溶解する場合を◎、40分以内に溶解する場合を○、50分以内に溶解する場合を△、50分以上かかるものを×とした。水溶解性は◎、○のものを合格とした。
[濁度]
3%水溶液の濁度を、波長610nmで分光光度計(Ubest-55、日本分光製)にて測定した。濁度が0.30未満であれば◎、0.30以上0.50未満であれば○、0.50以上1.0未満であれば△、1.0以上であれば×として示す。評価が、◎、○のものを合格とした。
[色調]
3%水溶液の色調を日本電色工業製色差計(Z-1001DP)にて測定した。色差計の数値指標としてはa値とb値があり、a値が高いほど赤色であることを、b値が高いほど黄色であることを表している。水溶性エンドウ多糖類組成物は製造法の違いによってb値が変化しやすいため、b値が14未満であれば◎、14以上17未満であれば○、17以上20未満であれば△、20以上であれば×として示す。評価が◎、○のものを合格とした。
表1のように、組成物B、C、Dは、マルトオリゴ糖中のマルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースの総量が30重量%以上であった。一方、組成物Eは0.2重量%であった。
水溶性エンドウ多糖類組成物B〜Dは水溶解性、清澄性、色調において優れている結果となった。一方、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースの含量が低い組成物Eは水溶解性や清澄性は良好であるものの色調が非常に悪かった。また、マルトオリゴ糖を添加していない組成物Aは水溶解性及び色調が悪かった。本発明のように、マルトオリゴ糖中にマルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースの総量が30%以上含有することにより、製造工程中に受ける濃縮や殺菌、乾燥の熱による褐変を抑制でき、水溶解性、清澄性を改善できることがわかった。
○粉体の吸湿と褐変・ケーキングの評価
粉体の吸湿と褐変・ケーキングの評価は、粉体をポリプロピレン製の袋に詰め、25℃の恒温機内で6ヶ月保存したものについて行った。結果を以下の表3に示した。尚、各評価方法を以下に示した。
[吸湿性]
保存した粉体をアルミ皿に量り取り、ドライオーブンで105℃, 5時間以上乾燥させた。乾燥前後の重量から粉体の水分含量を計算した。計算式を以下に示す。25℃, 6ヶ月保存後の水分含量が保存前と比べて2倍以下の場合、吸湿の抑制効果が高く合格と判断した。
水分含量(%)={(乾燥後重量)/(乾燥前重量)}×100
[褐変]
実施例1に示した色調の評価方法と同じく、3%水溶液を色差計で測定することで評価した。保存開始前と保存6ヶ月後の粉体について評価し、b値の差分が1.5未満であれば◎、1.5以上2.0未満であれば○、2.0以上3.0未満であれば△、3.0以上であれば×として示す。評価が◎、○、を合格と判断した。
[ケーキング]
保存3ヶ月後の粉体20gを篩(東京スクリーン株式会社製、目の開き:300μm、線径:200μm)にかけ、篩の目を通り回収された粉体の重量を測定することで評価した。篩を通過した粉体の重量が、初発重量の90%以上であれば◎、80%以上90%未満であれば○、70%以上80%未満であれば△、70%未満であれば×として示す。評価が◎、○のものを合格と判断した。
粉体の吸湿と褐変・ケーキングの評価は、粉体をポリプロピレン製の袋に詰め、25℃の恒温機内で6ヶ月保存したものについて行った。結果を以下の表3に示した。尚、各評価方法を以下に示した。
[吸湿性]
保存した粉体をアルミ皿に量り取り、ドライオーブンで105℃, 5時間以上乾燥させた。乾燥前後の重量から粉体の水分含量を計算した。計算式を以下に示す。25℃, 6ヶ月保存後の水分含量が保存前と比べて2倍以下の場合、吸湿の抑制効果が高く合格と判断した。
水分含量(%)={(乾燥後重量)/(乾燥前重量)}×100
[褐変]
実施例1に示した色調の評価方法と同じく、3%水溶液を色差計で測定することで評価した。保存開始前と保存6ヶ月後の粉体について評価し、b値の差分が1.5未満であれば◎、1.5以上2.0未満であれば○、2.0以上3.0未満であれば△、3.0以上であれば×として示す。評価が◎、○、を合格と判断した。
[ケーキング]
保存3ヶ月後の粉体20gを篩(東京スクリーン株式会社製、目の開き:300μm、線径:200μm)にかけ、篩の目を通り回収された粉体の重量を測定することで評価した。篩を通過した粉体の重量が、初発重量の90%以上であれば◎、80%以上90%未満であれば○、70%以上80%未満であれば△、70%未満であれば×として示す。評価が◎、○のものを合格と判断した。
マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース含量の低い組成物Eでは、吸湿抑制効果は無く、保存による褐変やケーキングが組成物Aよりも進行した。一方、組成物B、C、Dでは、吸湿抑制効果、褐変抑制効果、ケーキング抑制効果があり、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースの総量の割合が増加するに従い、それらの効果は高くなった。粉体の保存時のケーキングが抑制されることにより、流動性が良好な水溶性エンドウ多糖類組成物を得ることができた。
(応用例1) 酸性乳飲料の作成と安定性の評価 (無脂乳固形分3.0重量%、安定剤0.4重量%の系)
○発酵乳の調製
乳酸菌(L.-casei-01/クリスチャンハンセン)を滅菌水に添加して、マグネチックスターラーで20分間溶解し、0.05重量%の乳酸菌溶液を作製した。水に予め粉体混合した脱脂粉乳15重量%、グルコース3重量%を添加して、撹拌溶解した。これを、沸騰湯浴中で90〜95℃、15分殺菌後、約30℃まで冷却し、予め作製しておいた乳酸菌溶液を添加して撹拌混合した。pH3.6になるまで発酵し、形成したカードを氷冷下で撹拌(700rpm、10分間)しながら、崩して発酵乳を得た。
○発酵乳の調製
乳酸菌(L.-casei-01/クリスチャンハンセン)を滅菌水に添加して、マグネチックスターラーで20分間溶解し、0.05重量%の乳酸菌溶液を作製した。水に予め粉体混合した脱脂粉乳15重量%、グルコース3重量%を添加して、撹拌溶解した。これを、沸騰湯浴中で90〜95℃、15分殺菌後、約30℃まで冷却し、予め作製しておいた乳酸菌溶液を添加して撹拌混合した。pH3.6になるまで発酵し、形成したカードを氷冷下で撹拌(700rpm、10分間)しながら、崩して発酵乳を得た。
○酸性乳飲料の調製
水溶性エンドウ多糖類組成物A、B、C、Dの4重量%の水溶液15部、50重量%のグラニュー糖水溶液21部、蒸留水76.5部、12重量%の脱脂粉乳溶液37.5部をそれぞれ準備し氷水で冷やした。それぞれを氷水で冷やしながら混合し、この混合液を50重量%の乳酸溶液にてpH4.2からpH3.6の任意のpHに調整した。調合した溶液をホモゲナイザー(150kgf/cm2)にて均質化し、ガラス瓶に移して密閉し、4℃の低温室で保存した。尚、上記配合で調製した酸性乳飲料は、無脂乳固形分3.0重量%、安定剤0.4重量%、蛋白質濃度が1.0重量%であった。
水溶性エンドウ多糖類組成物A、B、C、Dの4重量%の水溶液15部、50重量%のグラニュー糖水溶液21部、蒸留水76.5部、12重量%の脱脂粉乳溶液37.5部をそれぞれ準備し氷水で冷やした。それぞれを氷水で冷やしながら混合し、この混合液を50重量%の乳酸溶液にてpH4.2からpH3.6の任意のpHに調整した。調合した溶液をホモゲナイザー(150kgf/cm2)にて均質化し、ガラス瓶に移して密閉し、4℃の低温室で保存した。尚、上記配合で調製した酸性乳飲料は、無脂乳固形分3.0重量%、安定剤0.4重量%、蛋白質濃度が1.0重量%であった。
○酸性乳飲料の安定性の評価
調製した酸性乳飲料について、粘度,沈殿率,上透き,これらを総合した総合評価により安定性を評価した。結果を以下の表4に示した。尚、各々の測定評価方法を以下に示した。
[粘度]
調製翌日と2週間保存(4℃)した後、調製した酸性乳飲料の10℃における粘度をBM型粘度計にて、No.1ローター、60回転で測定する。
[沈殿率]
2週間保存した酸性乳飲料20gを遠心管に測り取り、遠心機(株式会社コクサン製、H-103N)にて2,000prmで20分間遠心分離する。上清をデカンテーションで除去し、沈殿重量を測定する。尚、沈殿率は以下の計算式により算出する。
沈殿率(%)=(沈殿物重量)/(分取した酸性乳飲料重量)×100
沈殿率は、沈殿率2%未満を○、沈殿率2%以上3%未満を△、沈殿率3%以上を×と表記する。
[上透き]
加熱殺菌後の凝集の有無、1日及び2週間静置(4℃)した時の溶液上面の上透きの有無を目視で観察し判断する。上透有りは+、上透きなしは−と表記する。
[総合評価]
上記の安定性の評価項目を総括し、安定性が非常に良好を◎、良好を○、やや悪いを△、悪いを×として示す。
調製した酸性乳飲料について、粘度,沈殿率,上透き,これらを総合した総合評価により安定性を評価した。結果を以下の表4に示した。尚、各々の測定評価方法を以下に示した。
[粘度]
調製翌日と2週間保存(4℃)した後、調製した酸性乳飲料の10℃における粘度をBM型粘度計にて、No.1ローター、60回転で測定する。
[沈殿率]
2週間保存した酸性乳飲料20gを遠心管に測り取り、遠心機(株式会社コクサン製、H-103N)にて2,000prmで20分間遠心分離する。上清をデカンテーションで除去し、沈殿重量を測定する。尚、沈殿率は以下の計算式により算出する。
沈殿率(%)=(沈殿物重量)/(分取した酸性乳飲料重量)×100
沈殿率は、沈殿率2%未満を○、沈殿率2%以上3%未満を△、沈殿率3%以上を×と表記する。
[上透き]
加熱殺菌後の凝集の有無、1日及び2週間静置(4℃)した時の溶液上面の上透きの有無を目視で観察し判断する。上透有りは+、上透きなしは−と表記する。
[総合評価]
上記の安定性の評価項目を総括し、安定性が非常に良好を◎、良好を○、やや悪いを△、悪いを×として示す。
A、B、C、Dいずれも酸性乳飲料の安定性は良好であり、水溶性エンドウ多糖類組成物中のマルトオリゴ糖は酸性乳飲料の安定性に影響を与えないことがわかった。
Claims (4)
- マルトオリゴ糖を10〜90重量%含有する水溶性エンドウ多糖類組成物であって、マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの総量がマルトオリゴ糖の総重量に対して30重量%以上である、水溶性エンドウ多糖類組成物。
- マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの総量がマルトオリゴ糖総重量に対して40重量%以上である、請求項1記載の水溶性エンドウ多糖類組成物。
- マルトペンタオース,マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの総量がマルトオリゴ糖総重量に対して50重量%以上である、請求項1記載の水溶性エンドウ多糖類組成物。
- マルトオリゴ糖を30〜75重量%含有する、請求項1記載の水溶性エンドウ多糖類組成物。
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JP2009221190A (ja) * | 2008-02-18 | 2009-10-01 | Lion Corp | 痒み抑制剤および痒み抑制組成物 |
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