JP6155234B2 - 透光遮熱布 - Google Patents

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Description

本発明は、透光遮熱布に関し、さらに詳しくは、ロールスクリーン、カーテンなどとして好適な透光遮熱布に関するものである。
ロールスクリーンやカーテンは、室内外を隔てる窓ガラス付近の室内に設置される。これらは、室外からの目隠しを目的とするほか、日射を遮る遮熱や、窓ガラスとの間に形成される空気層による断熱などを目的として設置されることがある。一般的なロールスクリーンやカーテンにより優れた遮熱性や断熱性を確保するためには、生地を厚くする必要がある。そうすると、日射だけでなく光も遮るようになり、採光性が不足する。また、生地が厚くなると、柔軟性が低下する。
そこで、例えば特許文献1では、赤外線遮蔽層がコーティングされた透明フィルムがレースの布地に積層されてなる赤外線遮蔽布が試みられている。これによれば、不必要な赤外線を遮蔽するが、戸外からの可視光は通常のレースカーテンに近い状態で採光し、室内を明るく保つとされている。
また、特許文献2では、二枚の布地の間に、金属薄膜が形成された合成樹脂フィルムを挟着してなる遮光用カーテンが試みられている。
特開平05−272279号公報 特開平09−252931号公報
しかしながら、特許文献1の赤外線遮蔽布は、透明フィルムがレース地を補強するものであり、ポリエステル樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂などのコシの強い樹脂フィルムからなる。したがって、布自体の柔軟性を損ないやすい。また、これらの樹脂は赤外線を吸収しやすい樹脂であるため、室内からの赤外線が樹脂フィルムに吸収されて十分に反射されない。したがって、断熱性が十分でない。
また、特許文献2の遮光用カーテンは、可視光線の透過率が5%未満になるように金属薄膜を厚くしており、遮光性を確保するために採光性が満足しない。また、二枚の布地を用いるため、柔軟性が低下する。
本発明が解決しようとする課題は、布地の柔軟性を損なうことなく採光性、遮熱性および断熱性を満足できる透光遮熱布を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る透光遮熱布は、布地と、接着剤および/または粘着剤からなる接着層と、透明遮熱積層体と、をこの順で有し、前記透明遮熱積層体は、金属層および保護層からなり、可視光透過率が50%以上、前記保護層の赤外線吸収率が40%以下であり、前記接着層に対し前記保護層が前記金属層よりも外側になるように配置されて前記保護層が前記金属層の表面を覆って表面に露出し、下記の式(1)の値Aにより表される、前記透明遮熱積層体の柔軟性の指標が120%以下であることを要旨とするものである。
(式1)
A(%)={(前記透明遮熱積層体の剛軟度−前記布地の剛軟度)/前記布地の剛軟度}×100
ただし、剛軟度は、JIS L 1096 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定する。
本発明に係る透光遮熱布において、前記接着層は、粘着剤からなることが好ましい。前記保護層は、熱可塑性樹脂からなる層であり、厚みが10〜70μmの範囲内であってもよい。また、前記保護層は、前記金属層に対し熱可塑性樹脂からなる内層と硬化性材料からなる外層の2層からなり、前記内層の厚みが10〜60μmの範囲内であり、前記外層の厚みが0.5〜10μmの範囲内であってもよい。また、前記保護層は、硬化性材料からなる層であり、厚みが0.5〜10μmの範囲内であってもよい。前記保護層の熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンであることが好ましい。前記金属層の厚みは、4〜50nmの範囲内であることが好ましい。
前記布地の前記接着層側の表面は、熱融着性樹脂からなる接着性被覆層により覆われており、前記接着性被覆層が前記布地と前記接着層の間に配置されていてもよい。前記接着性被覆層の熱融着性樹脂は、ウレタン樹脂からなることが好ましい。前記接着性被覆層と前記接着層の間には、熱可塑性樹脂からなる中間層が配置されていてもよい。前記布地と前記接着層の間には、熱可塑性樹脂からなる中間層が配置されていてもよい。前記中間層の熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンであることが好ましい。前記金属層および前記接着層の間には、樹脂フィルムが配置されていてもよい。
そして、本発明に係る透明遮熱積層体は、金属層および保護層からなり、可視光透過率が50%以上、前記保護層の赤外線吸収率が40%以下であり、JIS L 1096 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定される剛軟度が50〜100mmであることを要旨とするものである。
本発明に係る透明遮熱積層体において、前記保護層は、熱可塑性樹脂からなる層であり、厚みが10〜70μmの範囲内であってもよい。また、前記保護層は、前記金属層に対し熱可塑性樹脂からなる内層と硬化性材料からなる外層の2層からなり、前記内層の厚みが10〜60μmの範囲内であり、前記外層の厚みが0.5〜10μmの範囲内であってもよい。また、前記保護層は、硬化性材料からなる層であり、厚みが0.5〜10μmの範囲内であってもよい。前記保護層の熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンであることが好ましい。前記金属層の厚みは、4〜50nmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る透光遮熱布によれば、接着層を介して布地に積層される透明遮熱積層体が柔軟性に優れ、布地の柔軟性を損なうことなく採光性、遮熱性および断熱性を満足できる。
透明遮熱積層体は金属層および保護層からなり、接着層に対し保護層が金属層よりも外側になるように配置され、保護層側から入射させた赤外線の反射率が50%以上である。保護層において赤外線の吸収が小さく、屋外からの日射(熱線)の反射性に優れる。このため、遮熱性および断熱性に優れる。また、透明遮熱積層体の可視光透過率は50%以上であり、透明性に優れ、採光性を満足する。透明遮熱積層体において、保護層が金属層の表面を覆っているので、金属層の劣化が抑えられ、経時での赤外線反射性の低下(金属層の機能低下)が抑えられる。
このとき、布地と透明遮熱積層体との間を接着している接着層が粘着剤からなると、軟らかい粘着剤によって布地および透明遮熱積層体が相対的にずれることができる。そうすると、透明遮熱積層体の硬さの影響を布地が受けにくくなり、透明遮熱積層体による柔軟性の低下(剛性の増加)がより抑えられる。また、軟らかい粘着剤によって接着層に接する金属層に生じる応力を緩和し、応力の影響を抑えることができる。
そして、保護層が熱可塑性樹脂からなる層であり、厚みが10〜70μmの範囲内であると、金属層の機能低下を抑えるとともに、透明遮熱積層体の柔軟性を確保することができる。
また、保護層が、金属層に対し熱可塑性樹脂からなる内層と硬化性材料からなる外層の2層からなり、内層の厚みが10〜60μmの範囲内であり、外層の厚みが0.5〜10μmの範囲内であると、金属層の機能低下を抑えるとともに、透明遮熱積層体の柔軟性を確保することができる。また、耐擦傷性にも優れる。
そして、保護層の熱可塑性樹脂がポリオレフィンであると、材料の軟らかさにより、透明遮熱積層体の柔軟性が高まる。
また、保護層が硬化性材料からなる層であり、厚みが0.5〜10μmの範囲内であると、金属層の機能低下を抑えるとともに、透明遮熱積層体の柔軟性を確保することができる。また、耐擦傷性にも優れる。
そして、金属層の厚みが4〜50nmの範囲内であると、十分に薄く、透明遮熱積層体の透明性に優れるとともに、屋外からの日射(熱線)の反射性も確保することができる。
そして、布地の接着層側の表面が熱融着性樹脂からなる接着性被覆層により覆われていると、布地の表面凹凸を埋めて平滑にすることができる。これにより、布地と透明遮熱積層体の密着性が向上する。このとき、接着性被覆層の熱融着性樹脂がウレタン樹脂からなると、材料の軟らかさにより、接着性被覆層を配置することによる柔軟性の低下が抑えられる。
そして、接着性被覆層と接着層の間に熱可塑性樹脂からなる中間層が配置されていると、布地からの水分や酸素等による金属層の劣化が抑えられ、経時での赤外線反射性の低下(金属層の機能低下)が抑えられる。また、布地と接着層の間に熱可塑性樹脂からなる中間層が配置されていると、布地からの水分や酸素等による金属層の劣化が抑えられ、経時での赤外線反射性の低下(金属層の機能低下)が抑えられる。このとき、中間層の熱可塑性樹脂がポリオレフィンであると、材料の軟らかさにより、中間層を配置することによる柔軟性の低下が抑えられる。
本発明の第一実施形態に係る透光遮熱布の断面図である。 本発明の第二実施形態に係る透光遮熱布の断面図である。 本発明の第三実施形態に係る透光遮熱布の断面図である。 本発明の第四実施形態に係る透光遮熱布の断面図である。
本発明に係る透光遮熱布について図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る透光遮熱布の断面図である。第一実施形態に係る透光遮熱布10は、布地12と、接着層14と、透明遮熱積層体16と、をこの順で有する(積層された)ものからなる。透明遮熱積層体16は、接着層14により布地12に接着されて布地12と一体になっている。透明遮熱積層体16は、金属層18および保護層20からなる(積層されている)。透明遮熱積層体16は、接着層14に対し保護層20が金属層18よりも外側になるように配置されており、金属層18が接着層14に接しており、保護層20が金属層18の表面を覆って表面に露出している。保護層20は、金属層18に対し内側に位置する内層22と、外側に位置する外層24の2層からなる。
上記構成の透光遮熱布10において、透明遮熱積層体16は透明である。透明(光透過性)とは、波長領域360〜830nmにおける透過率(可視光透過率)が50%以上であることをいう。透明遮熱積層体16の透明性により、透光遮熱布10において、透明遮熱積層体16が布地12の採光性を損なわない。これにより、採光性を満足できる。また、保護層20の赤外線吸収率が40%以下である。このように、保護層20において赤外線の吸収が小さいと、屋外からの日射(熱線)の反射性に優れる。これにより、遮熱性および断熱性を満足できる。そして、接着層14を介して布地12に積層される透明遮熱積層体16が柔軟性に優れる。透明遮熱積層体16の柔軟性により、透光遮熱布10において、透明遮熱積層体16が布地12の柔軟性を損なわない。これにより、柔軟性を満足できる。よって、透光遮熱布10は、布地12の柔軟性を損なうことなく採光性、遮熱性および断熱性を満足できる。さらに、透明遮熱積層体16において、保護層20が金属層18の表面を覆っているので、金属層18の劣化が抑えられ、経時での赤外線反射性の低下(金属層の機能低下)が抑えられる。
透明遮熱積層体16の柔軟性は、剛軟度により表される。透明遮熱積層体16は、布地12の柔軟性を損なわないように、その剛軟度が布地12の剛軟度から離れすぎない値に設定される。これにより、布地12の柔軟性を損なうことなく透光遮熱布10を柔軟性に優れたものとすることができる。透明遮熱積層体16の柔軟性の指標は、下記の式(1)の値Aにより表される。透光遮熱布10において、Aは120%以下であるとよい。
(式1)
A(%)={(透明遮熱積層体16の剛軟度−布地12の剛軟度)/布地12の剛軟度}×100
ただし、剛軟度は、JIS L 1096 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定する。
透光遮熱布10の柔軟性をより高くする観点から、上記Aは、120%以下であることが好ましい。より好ましくは110%以下である。
透明遮熱積層体16の柔軟性は、保護層20の材質や厚みなどに影響される。このため、透明遮熱積層体16の柔軟性を特定範囲内とするには、透明遮熱積層体16の保護層20の材質や厚みなどを好適にするとよい。また、保護層20の材質や厚みは、保護層20の赤外線吸収率にも影響する。したがって、透明遮熱積層体16の剛軟度および保護層20の赤外線吸収率の観点から、保護層20の材質や厚みを好適にするとよい。
透明遮熱積層体16において、保護層20は、金属層18の表面を覆って保護するものである。金属層18の保護とは、金属層18の表面を覆うことにより、金属層18の擦傷を抑える、水分による金属層18の腐食を抑えるなどである。
保護層20のうちの内層22は、保護層20のなかでも表面に露出しない層である。したがって、耐擦傷性が求められない層である。このため、硬い層(ハードコート層)を形成する硬化性材料で形成されていなくてもよく、例えば熱可塑性樹脂により形成されていればよい。また、内層22は、金属層18に接する層であり、金属層18を形成するための基材とすることができるものである。基材とする観点から、内層22は、予めフィルム状に成形された樹脂フィルムにより構成されていることが好ましい。フィルムとは、薄い膜状のものであり、一般には200μm以下あるいは250μm以下の厚みのものである。ロール状に巻けるほどの柔軟性を有するものであればよく、そのようなものであれば、200μm以上あるいは250μm以上の厚いものであってもよい。フィルムは、一般にロール状物として供出される。
樹脂フィルムの材料としては、透明性を有し、その表面に薄膜を支障なく形成でき、柔軟性を有するものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレンナフレート・ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン・ポリプロピレン・シクロオレフィンポリマーなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、トリアセチルセルロース、ポリウレタンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、透明性、耐久性、加工性に優れるなどの観点から、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルがより好ましい材料として挙げられる。また、より柔軟性に優れる観点から、ポリオレフィンがより好ましい材料として挙げられる。ポリオレフィンのうちでは、透明性に優れるなどの観点から、ポリプロピレンが好ましい。特に、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)が好ましい。
内層22の厚みは、赤外線の吸収を抑える観点、柔軟性の観点、金属層18を覆って金属層18の機能低下(劣化)を抑える観点、金属層18を形成する基材としての強度の観点から、所定の範囲内であることが好ましい。例えば比較的赤外線の吸収が少ないポリオレフィンフィルムからなる場合には、赤外線の吸収を抑える、柔軟性を確保する観点から60μm以下であることが好ましい。より好ましくは50μm以下である。また、金属層18の機能低下(劣化)を抑える、金属層18を形成する強度の観点から、10μm以上であることが好ましい。より好ましくは15μm以上である。例えば比較的赤外線の吸収が多いポリエステルフィルムからなる場合には、赤外線の吸収を抑える、柔軟性を確保する観点から50μm以下であることが好ましい。より好ましくは25μm以下である。また、金属層18の機能低下(劣化)を抑える、金属層18を形成する強度の観点から、5μm以上であることが好ましい。より好ましくは10μm以上である。ポリエステルフィルムは比較的コシの強いものであるため、このように薄くても基材としての強度を確保することができる。
保護層20のうちの外層24は、保護層20のなかでも表面に露出する層である。したがって、耐擦傷性に優れるものであることが好ましい。この観点から、外層24は、硬い層(ハードコート層)を形成する硬化性材料からなることが好ましい。硬化性材料としては、硬化性樹脂、無機化合物、有機無機ハイブリッド材料などが挙げられる。無機化合物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。外層24は、例えば硬化性材料を含有する塗工液を内層22の表面に塗工した後、所定の硬化処理を行うことにより形成することができる。
硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂やアクリル樹脂などが挙げられる。シリコーン樹脂やアクリル樹脂は、熱硬化性であっても良いし、光硬化性であっても良いし、水硬化性であっても良い。アクリル樹脂としては、アクリル・ウレタン樹脂、シリコンアクリル樹脂、アクリル・メラミン樹脂などが挙げられる。硬化性樹脂からなる外層24の厚みは、赤外線の吸収を抑える、柔軟性を確保する観点から、10.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは5.0μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下である。また、金属層18の機能低下(劣化)を抑える、耐擦傷性に優れるなどの観点から、0.2μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上である。
酸化ケイ素は、アクリル樹脂やシリコーン樹脂よりも硬いため、耐擦傷性の確保の観点において、外層24の厚さをより薄くすることができる。つまり、耐擦傷性を維持しつつ、硬化性樹脂よりも赤外線の吸収を抑えることができる。酸化ケイ素は、シリコンアルコキシドからゾルゲル法により硬化させても良いし、シラザンから加水分解反応により硬化させても良い。硬化収縮が小さい観点から、シラザンを原料とすることが好ましい。シラザンには、有機基(炭化水素基)を含む有機ポリシラザンと有機基(炭化水素基)を含まない無機ポリシラザン(パーヒドロポリシラザンなど)とがある。有機ポリシラザンの加水分解による硬化物には、有機分が残存する。残存する有機分の量により硬化物の弾性率を調整することができる。酸化ケイ素からなる外層24の厚みは、赤外線の吸収を抑える、柔軟性を確保する観点から、10.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは5.0μm以下である。また、金属層18の機能低下(劣化)を抑える、耐擦傷性に優れるなどの観点から、0.2μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.3μm以上である。
有機無機ハイブリッド材料は、有機材料(有機成分の原料)と無機材料(無機成分の原料)により形成され、有機材料と無機材料とがナノレベルあるいは分子レベルで複合化している。有機無機ハイブリッド材料は、例えば、有機材料中に分散させた無機材料と有機材料とが重合反応などの反応を起こし、化学結合を介して無機成分が有機成分中に高分散した網目状の架橋構造を有するものである。外層24が有機無機ハイブリッド材料で構成されると、内層22との密着性が良好となる。これは、外層24を形成する材料に無機成分を添加したことで外層24の硬化収縮が抑えられるためと推察される。
有機無機ハイブリッド材料を形成する有機成分の原料としては、硬化性樹脂などが挙げられる。硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わされてもよい。また、無機成分の原料としては、金属化合物などが挙げられる。金属化合物としては、Si化合物、Ti化合物、Zr化合物などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わされてもよい。金属化合物は、Si、Ti、Zrなどの無機成分を含有する化合物で、有機成分の原料と重合反応などの反応を起こすなどにより複合化できるものからなる。金属化合物としては、より具体的には、有機金属化合物などが挙げられる。有機金属化合物としては、シランカップリング剤、金属アルコキシド、金属アシレート、金属キレート、シラザンなどが挙げられる。
有機無機ハイブリッド材料を形成する無機成分の原料の配合比率は、内層22との密着性の観点から、10質量%以上が好ましい。より好ましくは40質量%以上である。また、有機無機ハイブリッド材料を形成する無機成分の原料の配合比率は、70質量%以下が好ましい。より好ましくは60質量%以下である。無機成分の原料の配合比率が70質量%以下であると、塗液の安定性に優れ、外層24の透明性の低下が抑えられる。
有機無機ハイブリッド材料からなる外層24の厚みは、赤外線の吸収を抑える、柔軟性を確保する観点から、10.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは5.0μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下である。また、金属層18の機能低下(劣化)を抑える、耐擦傷性に優れるなどの観点から、0.2μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上である。
透明遮熱積層体16において、金属層18は、赤外線(熱線)を反射しやすい金属で構成されており、日射遮蔽層、断熱層として機能する。金属層18は、金属層18を形成するための基材(樹脂フィルム)の全面において連続する連続層として形成されていてもよいし、基材(樹脂フィルム)の面においてストライプ状、島状(ドット状)などの非連続層として形成されていてもよい。
金属層18の金属としては、銀、金、白金、銅、アルミニウム、クロム、チタン、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、ニオブ、タンタル、タングステン、ジルコニウム、鉛、パラジウム、インジウムなどの金属や、これら金属の合金などが挙げられる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。これらのうちでは、透明性、熱線反射性に優れるなどの観点から、銀、銀合金が好ましい。また、熱、光、水蒸気などの環境に対する耐久性が向上するなどの観点から、銀合金が好ましい。
金属層18において、銀合金は、銀を主成分とし、銅、ビスマス、金、パラジウム、白金、チタンなどの金属元素を少なくとも1種以上含んだ銀合金であると良い。さらに好ましくは、銅を含む銀合金(Ag−Cu系合金)、ビスマスを含む銀合金(Ag−Bi系合金)、チタンを含む銀合金(Ag−Ti系合金)等であると良い。銀の拡散抑制効果が大きい、コスト的に有利であるなどの利点がある。金属層18における銅、ビスマス、チタン等の副元素割合は、ICP分析法を用いて測定することができる。
銅を含む銀合金を用いる場合、銅の含有量は、添加効果を得る観点から、好ましくは1原子%以上、より好ましくは2原子%以上、さらに好ましくは3原子%以上である。一方、高透明性を確保しやすくなる、スパッタターゲットが作製しやすい等の製造性などの観点から、好ましくは20原子%以下、より好ましくは10原子%以下、さらに好ましくは5原子%以下である。
ビスマスを含む銀合金を用いる場合、ビスマスの含有量は、添加効果を得る観点から、好ましくは0.01原子%以上、より好ましくは0.05原子%以上、さらに好ましくは0.1原子%以上である。一方、スパッタターゲットが作製しやすい等の製造性などの観点から、好ましくは5原子%以下、より好ましくは2原子%以下、さらに好ましくは1原子%以下である。
チタンを含む銀合金を用いる場合、チタンの含有量は、添加効果を得る観点から、好ましくは0.01原子%以上、より好ましくは0.05原子%以上、さらに好ましくは0.1原子%以上である。一方、膜にした場合、完全な固溶体が得られやすくなるなどの観点から、好ましくは2原子%以下、より好ましくは1.75原子%以下、さらに好ましくは1.5原子%以下である。
銅、ビスマスあるいはチタンを含む銀合金を用いる場合、銀、銅、ビスマス、チタン以外にも、例えば、銀の凝集・拡散抑制効果に悪影響を与えない範囲内であれば、他の元素、不可避不純物を1種または2種以上含有していても良い。
他の元素としては、Mg、Pd、Pt、Au、Zn、Al、Ga、In、Sn、Sb、Li、Cd、Hg、AsなどのAgに固溶可能な元素;Be、Ru、Rh、Os、Ir、Bi、Ge、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Si、Tl、Pbなど、Ag−Cu系合金中に単相として析出可能な元素;Y、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ti、Zr、Hf、Na、Ca、Sr、Ba、Sc、Pr、Eu、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、S、Se、TeなどのAgとの金属間化合物を析出可能な元素などが挙げられる。
金属層18の膜厚は、安定性、熱線反射性などの観点から、好ましくは2nm以上、より好ましくは3nm以上、さらに好ましくは4nm以上である。また、透明性、経済性などの観点から、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。金属層18がストライプ状やドット状などの非連続層である場合には、50nmを超える厚みであっても、透明性を確保することができる。したがって、金属層18が非連続層である場合には、50nmを超える厚みも好適である。
金属層18は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法、レーザーアブレーション法、熱CVD法、プラズマCVD法などの方法により形成することができる。緻密な膜が得られる、膜厚制御が容易であるなどの観点から、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法がより好ましい。
透明遮熱積層体16は、例えば、内層22となる樹脂フィルムの一方面上に所定の薄膜形成手法により金属薄膜を形成して金属層18を形成するとともに、内層22となる樹脂フィルムの他方面上に、硬化性材料を塗工して形成した塗膜に対して所定の硬化処理を行うことにより外層24(ハードコート層)を形成することにより得られる。
接着層14の粘着剤は、表面の粘着性を利用して圧力をかけて接着するものであり、感圧接着剤として、固化により剥離抵抗力を発揮する接着剤とは区別される。粘着剤としては、アクリル樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤、ウレタン系粘着剤などが挙げられる。接着層14の接着剤としては、ヤング率の観点から、ゴム系接着剤が挙げられる。ゴム系接着剤としては、クロロプレンゴム系接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤、フッ素ゴム系接着剤などが挙げられる。また、接着層14の接着剤としては、ホットメルト接着剤であってもよい。
接着層14の粘着剤や接着剤は、接着層14に接する金属層18の応力緩和を図る、透明遮熱積層体16の硬さの影響を布地12が受けにくくするなどの観点から、比較的軟らかいことが好ましい。この観点から、接着剤より粘着剤のほうが好ましい。また、ヤング率が低いことが好ましい。具体的には、ヤング率が1200MPa以下であることが好ましい。布地12と透明遮熱積層体16との間を接着している接着層14が比較的軟らかいと、布地12および透明遮熱積層体16が相対的にずれることができる。そうすると、透明遮熱積層体16の硬さの影響を布地12が受けにくくなり、透明遮熱積層体16による柔軟性の低下(剛性の増加)がより抑えられる。また、軟らかい接着層14によって接着層14に接する金属層18に生じる応力を緩和し、応力の影響を抑えることができる。
接着層14の粘着剤や接着剤のヤング率としては、より好ましくは900MPa以下、さらに好ましくは300MPa以下である。一方、遮熱目的で用いられる透光遮熱布10は日射により高温にさらされることから、この場合には高温クリープ特性も重要である。高温クリープ特性に優れるなどの観点から、粘着剤や接着剤のヤング率は、28.5MPa以上であることが好ましい。より好ましくは67.3MPa以上である。なお、高温クリープ特性を測る温度は、日射による高温にさらされることを想定し、40℃程度である。粘着剤や接着剤のヤング率は、例えば、主剤および硬化剤の種類、配合比率、添加剤の配合などにより調整することが可能である。なお、添加剤としては、可塑剤などが挙げられる。
接着層14の厚みとしては、断熱性に優れる(熱貫流率を低く抑える)などの観点から、50.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは25.0μm以下、さらに好ましくは22.0μm以下である。また、密着性に優れるなどの観点から、0.3μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上である。また、高温クリープ特性に優れるなどの観点から、0.3μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上である。
布地12は、繊維を薄く広いシート状に加工したものであり、織物、編み物、レース、フェルト、不織布などが含まれる。布地は、採光性、柔軟性の観点から、薄手であることが好ましい。布地12は、カーテンやロールスクリーンなどの生地を構成する。布地12の厚さとしては、採光性、柔軟性の観点から、1000μm以下であることが好ましい。
このような構成からなる透光遮熱布10は、透明遮熱積層体16と布地12とを接着層14により接着することにより得られる。より具体的には、透明遮熱積層体16の金属層18の表面に粘着剤または接着剤を所定の厚みで塗布した後、その接着面に布地を当てて透明遮熱積層体16と布地12とを貼り合わせることにより得られる。あるいは、布地12の表面に粘着剤または接着剤を所定の厚みで塗布した後、その接着面に透明遮熱積層体16の金属層18を当てて透明遮熱積層体16と布地12とを貼り合わせることにより得られる。
透光遮熱布10は、透明遮熱積層体16を布地12に一体化させることにより、布地12の柔軟性を損なうことなく採光性を確保し、透明遮熱積層体16の持つ遮熱性および断熱性により所望の遮熱性および断熱性を満足する。この際、布地12本来の意匠性を維持するなどの観点から、透光遮熱布10は、室内外を隔てる窓ガラス付近の室内において、布地12を室内側に向け、透明遮熱積層体16を室外側に向けて配置される。透光遮熱布10と窓ガラスの間には空気層が形成されており、透光遮熱布10が透明遮熱積層体16を備えるため、この空気層が断熱層として機能し、これによっても断熱効果が高まる。
ここで、布地12は、繊維を薄く広いシート状に加工したものであることから、繊維に起因する表面凹凸が大きい。このため、布地12の表面を平滑にする表面処理が施されていてもよい。これにより、透明遮熱積層体16と布地12の密着性をより高めることができる。
図2には、本発明の第二実施形態に係る透光遮熱布を示す。第二実施形態に係る透光遮熱布30は、布地12の接着層14側の表面が、熱融着性樹脂からなる接着性被覆層32により覆われている。接着性被覆層32は、布地12と接着層14の間に配置される。第二実施形態に係る透光遮熱布30は、第一実施形態に係る透光遮熱布10と比較して、接着性被覆層32を有する点が異なり、これ以外の構成については第一実施形態に係る透光遮熱布10と同様であるため、これ以外の構成についての説明を省略する。
接着性被覆層32は、布地12の接着層14側の表面を覆っており、繊維に起因する表面凹凸の大きい布地12の表面を平滑にしている。これにより、透明遮熱積層体16と布地12の密着性がより高められる。接着性被覆層32は、繊維間の隙間を埋めて布地12の表面を平滑しやすい熱融着性樹脂(ホットメルト樹脂)からなる。接着性被覆層32は、熱融着性樹脂を塗布することにより形成してもよいし、熱融着性樹脂からなるシート材を布地12の表面に載置し、加熱することにより形成してもよい。シート材は、予めシート状に成形されたものであり、予め表面が平滑にされているため、接着性被覆層32の表面を容易に平滑にすることができる観点から、接着性被覆層32はシート材を用いる後者の方法により形成することが好ましい。
接着性被覆層32の厚みは、採光性、柔軟性、密着性などの観点から好適にすればよい。採光性、柔軟性の観点から、100μm以下であることが好ましい。より好ましくは80μm以下である。また、密着性の観点から、5μm以上であることが好ましい。より好ましくは10μm以上である。
接着性被覆層32の熱融着性樹脂としては、特に限定されるものではないが、材料の軟らかさの観点から、ウレタン樹脂が好ましい。これにより、接着性被覆層32を配置することによる柔軟性の低下が抑えられる。
また、布地12は、繊維を薄く広いシート状に加工したものであることから、網目から水分を通しやすい。このため、布地の透湿を抑える処理が施されていてもよい。これにより、金属層18の布地12側表面の腐食を抑えて耐久性に優れる(機能低下を抑える)ものとすることができる。
図3には、本発明の第三実施形態に係る透光遮熱布を示す。第三実施形態に係る透光遮熱布40は、接着性被覆層32と接着層14の間に、中間層42が配置されている。第三実施形態に係る透光遮熱布40は、第二実施形態に係る透光遮熱布30と比較して、中間層42を有する点が異なり、これ以外の構成については第二実施形態に係る透光遮熱布30と同様であるため、これ以外の構成の説明を省略する。
中間層42は、金属層18の保護層20が形成されている面とは反対の面を、接着層14を介して覆っている。これにより、金属層18の保護層20が形成されている面とは反対の面からの腐食を抑えることができる。金属層18の保護層20が形成されている面は保護層20により覆われており、この面からの腐食は保護層20により抑えられており、保護層20と中間層42の両方を有する透光遮熱布40は、中間層42を有していない第一実施形態に係る透光遮熱布10および第二実施形態に係る透光遮熱布30と比較して、耐腐食性により優れる。
中間層42の材料は、柔軟性、断熱性の観点から、熱可塑性樹脂からなるとよい。熱可塑性樹脂としては、保護層20の内層22において示される樹脂フィルムの材料が挙げられるが、これらのうちでも柔軟性、断熱性の観点から、ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンのうちでも、透明性に優れるなどの観点から、ポリプロピレンが好ましい。特に、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)が好ましい。
中間層42の厚みは、防水性の観点から、5μm以上であることが好ましい。より好ましくは10μm以上である。また、柔軟性、透明性の観点から、30μm以下であることが好ましい。より好ましくは20μm以下である。
中間層42は、金属層18と中間層42の間に配置されている接着層14とは別の接着層44により接着性被覆層32に接着されている。別の接着層44は、中間層42と接着性被覆層32の間に配置されている。別の接着層44の材料は、接着層14において示す粘着剤や接着剤から適宜定めて用いられる。別の接着層44の材料は、接着層14の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。別の接着層44の厚みは、透明性、柔軟性、接着性を考慮して、接着層14と同様の範囲内であればよい。
ここで、第一実施形態に係る透光遮熱布10において、保護層20の内層22は樹脂フィルムとされているが、保護層20の内層22は塗工により形成してもよい。この場合、金属層18を形成するための基材が別途必要であり、その基材は金属層18に対し保護層20の内層22とは反対側に配置される。
図4には、本発明の第四実施形態に係る透光遮熱布を示す。第四実施形態に係る透光遮熱布50は、金属層18および接着層14の間に、金属層18を形成するための基材となる樹脂フィルム52が配置されている。第四実施形態に係る透光遮熱布50は、第一実施形態に係る透光遮熱布10と比較して、金属層18および接着層14の間に樹脂フィルム52を有する点が異なり、これ以外の構成については第一実施形態に係る透光遮熱布10と同様であるため、これ以外の構成の説明を省略する。ただし、保護層20の内層22は、塗工により形成される。
金属層18および接着層14の間に配置される樹脂フィルム52の材料は、第一実施形態に係る透光遮熱布10の保護層20の内層22において挙げられた樹脂フィルムの材料から適宜定められる。その厚みも、第一実施形態に係る透光遮熱布10の保護層20の内層22において挙げられた樹脂フィルムの厚みの範囲から適宜定められる。
金属層18および接着層14の間に配置される樹脂フィルム52は、金属層18に対し布地12側に配置されるため、屋外から金属層18を反射した赤外線(熱線)が樹脂フィルム52に吸収されることはない。屋外からの赤外線(熱線)反射性に影響されず、したがって、この樹脂フィルム52をポリエステルなどの赤外線を吸収しやすい材料で構成することができる。ポリエステルで構成された樹脂フィルム52はコシが強いので、金属層18を形成する基材フィルムとして好適である。このような観点から、金属層18および接着層14の間に配置される樹脂フィルム52の材料としてはポリエステルが好ましい。特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。また、金属層18および接着層14の間に配置される樹脂フィルム52の材料としては、柔軟性、断熱性の観点から、ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンのうちでも、透明性に優れるなどの観点から、ポリプロピレンが好ましい。特に、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)が好ましい。
なお、上記する各透光遮熱布10、30、40、50においては、保護層20が内層22と外層24の2層からなるものが示されているが、本発明においては、内層22および外層24のいずれか一方を省略してもよい。つまり、保護層20が、熱可塑性樹脂からなる内層22と硬化性材料からなる外層24のいずれか一方のみから構成されていてもよい。また、上記する各透光遮熱布10、30、40、50においては、金属層18は1層からなるが、金属層18は2層以上から構成されていてもよい。
そして、上記する透光遮熱布40においては、中間層42により、金属層18の保護層20が形成されている面とは反対の面からの腐食を抑えるものとなっている。金属層18の保護層20が形成されている面とは反対の面は、布地12側の面であり、網目から水分を通しやすい布地の透湿を中間層42が抑える。これにより、金属層18の布地12側表面の腐食を抑えて耐久性に優れる(機能低下を抑える)ものとする。この観点から、中間層42により金属層18の布地12側表面が覆われていればよいため、布地12の接着層14側の表面は接着性被覆層32により覆われていなくてもよい。つまり、上記する透光遮熱布40において、接着性被覆層32を省略してもよい。この場合、中間層42は、別の接着層44により布地12に接着される。
また、上記する透光遮熱布50においては、層52を樹脂フィルムから形成し、保護層20の内層22を塗工により形成するとしているが、層52を樹脂フィルムから形成するとともに、保護層20の内層22も樹脂フィルムから形成してもよい。この場合、層52が金属層18を形成するための基材となる。したがって、樹脂フィルムから保護層20の内層22を形成するために、金属層18と保護層20の内層22との間に、さらに別の接着層を有していてもよい。さらに別の接着層の材料は、接着層14において示す粘着剤や接着剤から適宜定めて用いられる。さらに別の接着層の材料は、接着層14や別の接着層44の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらに別の接着層の厚みは、透明性、柔軟性、接着性を考慮して、接着層14と同様の範囲内であればよい。
金属層18の保護層20側の面および接着層14側の面の一方あるいは両方には、バリア層が形成されていてもよい。バリア層は、金属層18の密着性を向上する。また、金属層18の金属が他の層に移行するのを抑える。バリア層は、金属を含有する金属含有層である。バリア層に含有される金属としては、水酸基あるいは酸素基と反応しやすい金属が好ましい。このような金属は、不動態を形成する金属であり、具体的には、Si、Ti、Zr、Al、Cr、Ni、Feなどが挙げられる。これらのうちでは、水酸基や酸素基との反応性、成膜加工性などの観点から、Si、Ti、Zrがより好ましい。
バリア層は、金属層18と同様、物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)などの気相法を用いて形成することができる。これにより、緻密な膜を形成できる、数nm〜数十nm程度の薄膜を均一な膜厚で形成できる。物理的気相成長法(PVD)としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法、レーザーアブレーションなどが挙げられる。化学的気相成長法(CVD)としては、熱CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。これらのうちでは、緻密な膜が得られる、膜厚制御が比較的容易であるなどの観点から、スパッタリング法が特に好ましい。スパッタリング法としては、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法などが挙げられる。
バリア層は、上述した気相法を利用し、金属薄膜を成膜することにより得られる。金属薄膜は、雰囲気中の酸素や隣接する層の表面の水酸基あるいは酸素基により部分的に酸化される。形成された金属薄膜は、後述する後酸化処理により酸化されて金属酸化物薄膜に変化していてもよい。この意味において、バリア層は、金属または金属酸化物を含有する層である。バリア層は、金属からなる層、金属および金属酸化物からなる層、金属酸化物からなる層のいずれであってもよい。後酸化処理は、例えば、大気中、高酸素雰囲気中、高湿度雰囲気中など酸素や水分の存在する雰囲気において透明遮熱積層体に対し加熱処理などを行うことにより実施することができる。
バリア層の厚みは、密着性、透明性などの観点から、好ましくは1.0nm以上、より好ましくは1.3nm以上、さらに好ましくは1.5nm以上である。また、透明性、経済性などの観点から、好ましくは15nm以下、より好ましくは10nm以下、さらに好ましくは8nm以下である。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
<透明遮熱積層体の作製>
ポリオレフィンフィルムとして東洋紡社製OPPフィルム(「パレインフィルム−OT P2111」、膜厚20μm、片面に易接着層有り)を用いた。
このポリオレフィンフィルムの易接着層とは反対の面にコロナ処理を施した後、紫外線硬化性のアクリル樹脂(アイカ工業社製、「アイカアイトロン Z−729−18」)を溶媒で希釈した塗工液を、その処理面に塗工し、乾燥し、紫外線を照射して、ハードコート層(厚み1.5μm)を形成した。これにより、OPPフィルムおよびハードコート層からなる2層構成の保護層を形成した。
また、ポリオレフィンフィルムの易接着層の面上に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いてスパッタリングにより下側の金属Ti薄膜を成膜した。次いで、この金属Ti薄膜上に、スパッタリングによりAg−Cu合金薄膜を成膜した。さらに、このAg−Cu合金薄膜上に、スパッタリングにより上側の金属Ti薄膜を成膜した。次いで、加熱炉内にて40℃で300時間加熱処理することにより、下側および上側の金属Ti薄膜を後酸化させた。
以上により、実施例1の透明遮熱積層体を作製した。実施例1の透明遮熱積層体は、ポリオレフィン層の一方面に、Ti酸化物層/Ag−Cu合金層/Ti酸化物層がこの順で積層され、ポリオレフィン層の他方面に、ハードコート層が積層されたものから構成される。
<透光遮熱布の作製>
作製した透明遮熱積層体の上側のTi酸化物層の面上に、アクリル樹脂系粘着剤(トーヨーケム社製「主剤:オリバインBPS5260、硬化剤:オリバインBHS8515」)を塗布して、粘着剤層(厚み22μm、ヤング率57.3MPa)を形成した。
次いで、ウレタン樹脂シートからなる接着性被覆層(厚み20μm)が一方の表面に形成された布地(厚み280μm)の接着性被覆層と、透明遮熱積層体に形成された粘着剤層とを貼り合わせて、実施例1の透光遮熱布を作製した。
(実施例2)
ポリオレフィン層の他方面にハードコート層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、透明遮熱積層体および透光遮熱布を作製した。
(実施例3)
布地の表面にウレタン樹脂シートからなる接着性被覆層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、透明遮熱積層体および透光遮熱布を作製した。
(実施例4〜6)
OPPフィルムの厚みを変更した以外は実施例1と同様にして、透明遮熱積層体および透光遮熱布を作製した。
(実施例7〜8)
作製した透明遮熱積層体の上側のTi酸化物層の面上に形成する粘着剤層の厚みを変更した以外は実施例1と同様にして、透明遮熱積層体および透光遮熱布を作製した。
(実施例9)
ポリオレフィンフィルムとして東洋紡社製OPPフィルム(「パレインフィルム−OT P2111」、膜厚20μm、片面に易接着層有り)を用い、このポリオレフィンフィルムの易接着層の面上に、アクリル樹脂系粘着剤(トーヨーケム社製「主剤:オリバインBPS5260、硬化剤:オリバインBHS8515」)を塗布して、粘着剤層(厚み15μm)を形成した。この積層体を、粘着剤層を接着性被覆層側に向け、透明遮熱積層体の粘着剤層と布地表面に形成された接着性被覆層との間に配置して貼り合わせ、実施例9の透光遮熱布を作製した。
(比較例1)
透明遮熱積層体のポリオレフィンフィルムに代えてPETフィルム(東洋紡績(株)製、「コスモシャイン(登録商標)A4100」、厚み25μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、透明遮熱積層体および透光遮熱布を作製した。
(比較例2〜3)
PETフィルムの厚みを変更した以外は比較例1と同様にして、透明遮熱積層体および透光遮熱布を作製した。
(比較例4)
OPPフィルムの厚みを変更した以外は実施例1と同様にして、透明遮熱積層体および透光遮熱布を作製した。
(比較例5)
透明遮熱積層体のポリオレフィンフィルムに代えてPETフィルム(東洋紡績(株)製、「コスモシャイン(登録商標)A4100」、厚み25μm)を用いた以外は実施例9と同様にして、透明遮熱積層体および透光遮熱布を作製した。
(比較例6)
透明遮熱積層体の粘着剤層と布地表面に形成された接着性被覆層との間に配置する積層体のOPPフィルムに代えてPETフィルム(東洋紡績(株)製、「コスモシャイン(登録商標)A4100」、厚み25μm)を用いた以外は比較例5と同様にして、透明遮熱積層体および透光遮熱布を作製した。
<透明遮熱積層体の特性>
透明遮熱積層体について、剛軟度、赤外線反射率、熱貫流率、可視光透過率を測定した。光学特性の測定は、透明遮熱積層体の上側のTi酸化物層の面に、厚さ25μmのアクリル粘着シート(積水化学工業社製「5402」)を貼り付け、この粘着シートの粘着層を、厚さ3mmのフロートガラスの片面に貼り付けたものを用いた。なお、測定光は、透明遮熱積層体側から入射させた。
(柔軟性)
透明遮熱積層体および透光遮熱布の剛軟度をそれぞれ測定し、下記の式(1)の値Aにより表される柔軟性の指標を見積もった。剛軟度の測定は、JIS L 1096 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定した。
(式1)
A(%)={(透明遮熱積層体の剛軟度−布地の剛軟度)/布地の剛軟度}×100
(採光性)
透明遮熱積層体の可視光透過率から評価した。可視光透過率は、JIS A5759に準拠し、紫外可視光赤外分光光度計(島津製作所製「SolidSpec−3700」)を用い、波長300〜2500nmの透過スペクトルを測定し、可視光透過率を計算により求めた。
(断熱性)
保護層単体の赤外線吸収率から評価した。赤外線吸収率は、フーリエ変換赤外分光光度計(島津製作所製「IRAffinity−1」)を用い、400〜4000cm−1の保護層単体の透過スペクトル及び反射スペクトルを測定し、計算により算出した。
(密着性)
透光遮熱布(30×30cm)の布地を内側にして棒に巻き付けた後、巻き付けを解いた。この巻き付け操作を1000回繰り返した後、布地から透明遮熱積層体の一部または全部が剥離したか確認した。φ2.54cmの棒及びφ7.62cmの棒のいずれにおいても透明遮熱積層体の剥離が確認されなかった場合を特に良好「◎」、φ2.54cmの棒では透明遮熱積層体の剥離が確認されたがφ7.62cmの棒では透明遮熱積層体の剥離が確認されなかった場合を良好「○」、φ2.54cmの棒及びφ7.62cmの棒のいずれにおいても透明遮熱積層体の剥離が確認された場合を不良「×」とした。
(赤外線反射率)
フーリエ変換赤外分光光度計(島津製作所製「IRAffinity−1」)を用い、400〜4000cm−1の反射スペクトルを測定し、透明遮熱積層体の赤外線反射率を計算により求めた。
(熱貫流率)
JIS R3106に準拠し、透明遮熱積層体の垂直放射率を求め、JIS A5759に準拠して透明遮熱積層体の熱貫流率(W/mK)を求めた。
(金属薄膜の膜厚の測定)
各金属薄膜の膜厚は、電界放出型電子顕微鏡(HRTEM)(日本電子(株)製、「JEM2001F」)による試験片の断面観察から測定した。
(粘着剤層のヤング率)
OPPフィルムの面上に粘着剤層を形成したタック性のあるフィルム試験片(10cm×10cm)を準備した。次いで、熱溶融性接着剤を用いて試料台にガラス板を固定し、このガラス板の上にエポキシ系接着剤を用いてフィルム試験片を固定した。表に現れる粘着剤層について、押し込みヤング率を測定した。測定条件は以下の通りである。なお、測定範囲は、押し込み深さ−ヤング率の平均化曲線においてヤング率が増加し始める押し込み深さより浅く、かつ、ヤング率が平坦となる押し込み深さの範囲(250〜300nm)に設定した。
測定装置:Agilent Technologies社製「Nano Indenter XP/DCM」
解析ソフト:Agilent Technologies社製「Test Works4」
インデンターヘッド:XP
圧子:ダイヤモンド製バーコビッチ型
測定モード:CMS(連続剛性測定)
励起振動周波数:45Hz
励起振動振幅:2mm
歪速度:0.05sec−1
押し込み深さ:2000nm
N数:15
測定点間隔:100μm
測定温度:常温(23℃)
標準試料:ヒューズドシリカ
(面腐食性1)
透光遮熱布の布地面を上に向けて配置し、恒温恒湿槽(60℃90%RH)に投入した。経時変化でAg−Cu合金層の腐食の有無を顕微鏡にて観察した。恒温恒湿槽へ投入してからの経時720時間において、Ag−Cu合金層の腐食が確認されなかった場合を「A」評価とし、Ag−Cu合金層の腐食が確認された場合を「B」評価とした。
(面腐食性2)
透光遮熱布の保護層を上に向けて配置し、恒温恒湿槽(60℃90%RH)に投入した。経時変化でAg−Cu合金層の腐食の有無を顕微鏡にて観察した。恒温恒湿槽へ投入してからの経時720時間において、Ag−Cu合金層の腐食が確認されなかった場合を「A」評価とし、Ag−Cu合金層の腐食が確認された場合を「B」評価とした。
(端部腐食性)
透光遮熱布の布地面を上に向けて配置し、布地端部にNaCl濃度1000ppmに調整した塩水を滴下し、乾燥する前に恒温恒湿槽(50℃95%RH)へ投入した。経時変化でAg−Cu合金層の腐食の有無を目視にて観察した。恒温恒湿槽へ投入してからの経時105時間において、Ag−Cu合金層の腐食が端部より「2.0mm以下」の場合を「A」評価とし、「2.1mm以上」の場合を「B」評価とした。
(透湿度)
JIS L 1099 A−2法(ウォータ法)に準拠し、測定した。
表1、2に、透明遮熱積層体および透光遮熱布の層構成および評価結果を示す。
Figure 0006155234
Figure 0006155234
比較例1では、保護層を構成するPETフィルムが薄いので、柔軟性は満足するものの、PETフィルムの赤外線吸収率が高く、断熱性を満足しない。比較例2〜3では、保護層を構成するPETフィルムが厚いので、柔軟性を満足しない。また、PETフィルムの赤外線吸収率が高く、断熱性も満足しない。また、PETフィルムが厚いので、コシが強すぎて密着性も満足しない。比較例4では、保護層を構成するOPPフィルムが厚いので、柔軟性を満足しない。また、OPPフィルムが厚いので、OPPフィルムの赤外線吸収率が高く、断熱性も満足しない。また、OPPフィルムが厚いので、コシが強すぎて密着性も満足しない。比較例5では、比較例1の構成からOPPフィルムよりなる中間層が追加されたため、耐腐食性は向上したものの、これにより柔軟性が低下している。また、保護層を構成するPETフィルムの赤外線吸収率が高く、断熱性を満足しない。さらに、中間層が追加されたため、全体の剛性が大きくなり、密着性も満足しない。比較例6では、比較例1の構成からPETフィルムよりなる中間層が追加されたため、耐腐食性は向上したものの、これにより柔軟性が大きく低下して柔軟性を満足しない。また、保護層を構成するPETフィルムの赤外線吸収率が高く、断熱性を満足しない。さらに、中間層が追加されたため、全体の剛性が大きくなり、密着性も満足しない。
これに対し、実施例によれば、柔軟性、採光性、断熱性に優れており、布地の柔軟性を損なうことなく採光性、遮熱性および断熱性を満足できることがわかる。また、実施例3とその他の実施例の比較から、布地の表面にウレタン樹脂シートからなる接着性被覆層を有することで、密着性が向上することがわかる。また、実施例9とその他の実施例の比較から、中間層を有することで耐腐食性が向上することがわかる。さらに、比較例1から、保護層にPETフィルムが含まれていても、厚み次第で柔軟性を満足することがあることがわかる。また、比較例4から、保護層にOPPフィルムが含まれていても、厚み次第で柔軟性を満足しないことがあることがわかる。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10、30、40、50 透光遮熱布
12 布地
14 接着層
16 透明遮熱積層体
18 金属層
20 保護層
22 保護層の内層
24 保護層の外層
32 接着性被覆層
42 中間層
44 他の接着層
52 樹脂フィルム

Claims (17)

  1. 布地と、接着剤および/または粘着剤からなる接着層と、透明遮熱積層体と、をこの順で有し、
    前記透明遮熱積層体は、金属層および保護層からなり、可視光透過率が50%以上、前記保護層の赤外線吸収率が40%以下であり、剛軟度が50〜110mmであり、前記接着層に対し前記保護層が前記金属層よりも外側になるように配置されて前記保護層が前記金属層の表面を覆って表面に露出し、
    下記の式(1)の値Aにより表される、前記透明遮熱積層体の柔軟性の指標が120%以下であり、
    前記保護層は、前記金属層に対し熱可塑性樹脂からなる内層と硬化性材料からなる外層の2層からなり、前記内層の厚みが10〜60μmの範囲内であり、前記外層の厚みが0.5〜10μmの範囲内であることを特徴とする透光遮熱布。
    (式1)
    A(%)={(前記透明遮熱積層体の剛軟度−前記布地の剛軟度)/前記布地の剛軟度}×100
    ただし、剛軟度は、JIS L 1096 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定する。
  2. 布地と、粘着剤からなる接着層と、透明遮熱積層体と、をこの順で有し、
    前記透明遮熱積層体は、金属層および保護層からなり、可視光透過率が50%以上、前記保護層の赤外線吸収率が40%以下であり、剛軟度が50〜110mmであり、前記接着層に対し前記保護層が前記金属層よりも外側になるように配置されて前記保護層が前記金属層の表面を覆って表面に露出し、
    下記の式(1)の値Aにより表される、前記透明遮熱積層体の柔軟性の指標が120%以下であることを特徴とする透光遮熱布。
    (式1)
    A(%)={(前記透明遮熱積層体の剛軟度−前記布地の剛軟度)/前記布地の剛軟度}×100
    ただし、剛軟度は、JIS L 1096 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定する。
  3. 布地と、接着剤および/または粘着剤からなる接着層と、透明遮熱積層体と、をこの順で有し、
    前記透明遮熱積層体は、金属層および保護層からなり、可視光透過率が50%以上、前記保護層の赤外線吸収率が40%以下であり、剛軟度が50〜110mmであり、前記接着層に対し前記保護層が前記金属層よりも外側になるように配置されて前記保護層が前記金属層の表面を覆って表面に露出し、
    下記の式(1)の値Aにより表される、前記透明遮熱積層体の柔軟性の指標が120%以下であり、
    前記布地の前記接着層側の表面が、熱融着性樹脂からなる接着性被覆層により覆われており、前記接着性被覆層が前記布地と前記接着層の間に配置されていることを特徴とする透光遮熱布。
    (式1)
    A(%)={(前記透明遮熱積層体の剛軟度−前記布地の剛軟度)/前記布地の剛軟度}×100
    ただし、剛軟度は、JIS L 1096 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定する。
  4. 前記接着層は、粘着剤からなることを特徴とする請求項1または3に記載の透光遮熱布。
  5. 前記保護層は、熱可塑性樹脂からなる層であり、厚みが10〜70μmの範囲内であることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項3に従属する請求項4のいずれか1項に記載の透光遮熱布。
  6. 前記保護層は、前記金属層に対し熱可塑性樹脂からなる内層と硬化性材料からなる外層の2層からなり、前記内層の厚みが10〜60μmの範囲内であり、前記外層の厚みが0.5〜10μmの範囲内であることを特徴とする請求項3、請求項3に従属する請求項4のいずれか1項に記載の透光遮熱布。
  7. 前記保護層は、硬化性材料からなる層であり、厚みが0.5〜10μmの範囲内であることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項3に従属する請求項4のいずれか1項に記載の透光遮熱布。
  8. 前記保護層の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンであることを特徴とする請求項1、請求項5、請求項6のいずれか1項に記載の透光遮熱布。
  9. 前記接着性被覆層の熱融着性樹脂がウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項3、請求項3に従属する請求項4〜7、請求項3に従属する請求項4に従属する請求項5〜7、請求項3に従属する請求項5または6に従属する請求項8、請求項3に従属する請求項4に従属する請求項5または6に従属する請求項8のいずれか1項に記載の透光遮熱布。
  10. 前記接着性被覆層と前記接着層の間に、熱可塑性樹脂からなる中間層が配置されていることを特徴とする請求項3、請求項3に従属する請求項4〜7、請求項3に従属する請求項4に従属する請求項5〜7、請求項3に従属する請求項5または6に従属する請求項8、請求項3に従属する請求項4に従属する請求項5または6に従属する請求項8、請求項9のいずれか1項に記載の透光遮熱布。
  11. 前記布地と前記接着層の間に、熱可塑性樹脂からなる中間層が配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項1に従属する請求項4,8、請求項2に従属する請求項5,7、請求項2に従属する請求項5に従属する請求項8のいずれか1項に記載の透光遮熱布。
  12. 前記中間層の熱可塑性樹脂がポリオレフィンであることを特徴とする請求項10または11に記載の透光遮熱布。
  13. 前記金属層および前記接着層の間に、樹脂フィルムが配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の透光遮熱布。
  14. 前記金属層の厚みは、4〜50nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の透光遮熱布。
  15. 金属層および保護層からなり、可視光透過率が50%以上、前記保護層の赤外線吸収率が40%以下であり、JIS L 1096 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定される剛軟度が50〜110mmであり、
    前記保護層は、前記金属層に対し熱可塑性樹脂からなる内層と硬化性材料からなる外層の2層からなり、前記内層の厚みが10〜60μmの範囲内であり、前記外層の厚みが0.5〜10μmの範囲内であることを特徴とする透明遮熱積層体。
  16. 前記保護層の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンであることを特徴とする請求項15に記載の透明遮熱積層体。
  17. 前記金属層の厚みは、4〜50nmの範囲内であることを特徴とする請求項15または16に記載の透明遮熱積層体。
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