JP3073262B2 - 熱遮蔽性複合材料 - Google Patents

熱遮蔽性複合材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱遮蔽性複合材料に関
し、例えば自動車のエンジンルーム等の狭隘部で、高温
に曝される場所に配線される有機被覆の電導線を高温か
ら保護し、性能劣化を来さないように熱を遮断するため
の複合材料であり、さらに、室内冷暖房の効果を向上さ
せ得る熱線反射材、花卉、果実、蔬菜等の冬季育成栽培
用のための遮熱カーテン、消防耐火被服材料、鉄鋼溶
解、鋳込み作業用防熱被服材料、建築用防寒材料等に有
効に使用することができる耐熱性、断熱性、熱線反射性
を有する複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】乗用車の
エンジンルーム内に配線されている各種電導線を例にと
って説明すると、運転中のエンジンより発生する熱によ
り各種電導線は加熱される。従来の乗用車のようにエン
ジン出力に比べてルームスペースが広い場合は最高加熱
温度は80℃までであった。したがって、電導線被覆材
の耐熱性は80℃までを保証すればよかった。しかし近
年、乗用車の高性能化が進み、高出力エンジンが搭載さ
れるようになり、一方ではエンジンルームのスペースを
広くすることができないため、エンジン出力に対するル
ームスペースは狭くなり、エンジンルーム内の温度上昇
をもたらしてきた。最近の乗用車では走行運転中に11
0℃に達することもあり、運転停止後30分間は160
℃に達する例さへ所見されている。したがって、エンジ
ンルーム内に配線された各種電導線の被覆材料は従来の
80℃のものでは使用に耐え得なくなってきた。
【0003】本発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、エンジンルーム内の電導線を保護し、160℃の高
温下でも変質劣化を来さない耐熱性、断熱性、熱線反射
性を有する熱遮蔽性複合材料を提供することを目的とす
る。。
【0004】この目的を達成するために、熱遮蔽性複合
材料に必要な条件としては、熱遮蔽性複合材料の表面
温度が160℃に曝された場合でも、保護する電導線の
芯部における温度を120℃以下に保てること。熱遮
蔽性複合材料自体の耐熱温度が160℃以上あり、16
0℃、240時間後の加温テストでも劣化、変質を起こ
さないこと。さらに、狭いエンジンルーム内の電導線
を結束するので嵩張らないこと、また柔軟性に富み作業
性にすぐれていること等の性質を有することが必要とさ
れる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は金属薄膜層を有
する合成樹脂フィルムの金属薄膜層面に、接着剤を介し
て他の合成樹脂フィルムを積層した基材シートの一方の
面に、さらに接着剤を介して織布または不織布を積層
、前記織布または不織布の面に粘着剤層を介して剥離
シートを積層した熱遮蔽性複合材料及び金属薄膜層を有
する合成樹脂フィルムの金属薄膜層面に、耐熱性保護被
膜層を形成するとともに、前記合成樹脂フィルムの反対
面に接着剤を介して織布または不織布を積層し、前記織
布または不織布の面に粘着剤層を介して剥離シートを積
層した熱遮蔽性複合材料である。
【0006】以下、本発明の熱遮蔽性複合材料の具体的
な構成を図面によって説明する。図1は本発明の熱遮蔽
性複合材料の主要部の具体的な構成を示す断面図であっ
て11は金属薄膜層2を有する合成樹脂フィルムであ
り、1.0μm以上の赤外線波長を高効率で反射し、か
つ低吸収率である性質を有する材料、例えばアルミニウ
ム、銀、白金等を蒸着した合成樹脂フィルムまたはアル
ミニウム箔等の金属箔を積層した合成樹脂フィルムであ
る。
【0007】このような合成樹脂フィルム11として
は、ポリエステル(PET)、ポリイミド(PI)、ポ
リエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニル
サルファイド、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリアミド(PA)、フッ素系樹脂、ポリサルフ
ォン、ポリパラバン酸(PPA)フィルム等の耐熱性を
有するフィルムであり、中でも価格、材料入手の容易
さ、作業性等の点を考慮するとポリエステルフィルムが
一般的に利用されるが、さらに高温領域で使用する場合
は、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリパ
ラバン酸フィルムなどの耐熱性の高いフィルムを利用す
ることが好ましい。
【0008】12は他の合成樹脂フィルムであり、前記
の金属薄膜層2の保護層としての機能を有し、使用中あ
るいは保管中の熱遮蔽性複合材料の金属薄膜層の熱劣
化、酸化、亀裂発生等の損傷を有効に防止するための層
でもあって、この合成樹脂フィルムとしては、上記の各
種合成樹脂フィルムを使用することができるが、通常ポ
リエステルフィルムが利用される。また、前述のよう
に、高温領域で利用される場合は前記の耐熱温度の高い
フィルムを利用することが好ましい。
【0009】この金属薄膜層2を有する合成樹脂フィル
ム11および合成樹脂フィルム12の厚さは特に限定さ
れないが、5〜100μm、好ましくは10〜50μm
程度であり、金属蒸着層2の厚さは200〜800Å程
度とすることが好ましく、金属箔を利用する場合は2〜
20ミクロン程度のアルミニウム箔等を利用することが
できる。
【0010】また、この金属薄膜層2を有する合成樹脂
フィルム11と合成樹脂フィルム12とを貼着積層する
ときに使用する接着剤4としては、耐熱性を有する熱硬
化型接着剤を使用することが好ましく、この点でエポキ
シ系接着剤を使用することが好ましい。なお積層にあっ
ては、公知のコーターを利用し接着剤の塗布量としては
一般的に5〜50g/m2 程度とすることができる。
【0011】3は熱伝導性の小さな織布または不織布
で、断熱性の点を考慮すると嵩比重の小さな不織布を使
用することが好ましく、その厚さは2〜10mm程度、
目付重量は100〜800g/m2 程度の不織布を使用
することが好ましい。また、より高温域で使用する場合
はアクリル繊維を炭化させた炭素繊維による織布または
不織布を利用することが好ましい。
【0012】金属薄膜層2を有する合成樹脂フィルム1
1と合成樹脂フィルム12とを積層した基材シート1
と、織布または不織布3との積層にあたっては通常のゴ
ム系、アクリル系、エポキシ系などの接着剤が利用でき
るが、とくに耐熱性を有する用途に使用する場合は耐熱
性を有する接着剤、例えば、エポキシ系接着剤、ウレタ
ン系接着剤、シリコーン系接着剤等を使用することが好
ましく、中でも耐熱性があり、高温時でも安定なシリコ
ーン系接着剤を使用することが有効である。この時の接
着剤の使用量はシリコーン接着剤を例にとると、通常3
0〜60g/m2 程度であり、塗布にあたっては公知の
塗布機を使用することができる。
【0013】なお、上記構成以外にも、基材シート1の
反対側の面に接着剤5を介して織布または不織布3を積
層したものも本発明の効果を奏することはいうまでもな
い。
【0014】本発明の熱遮蔽性複合材料の主要部は上記
構成が基本となるが、更に合成樹脂フィルム12と織布
または不織布3を繰返し積層することにより、より一層
断熱効果を高めることができる。
【0015】上記の基本構成からなる本発明の熱遮蔽性
複合材料の使用方法としては、図6に示すように、従来
から使用されている電導線被覆材16によって被覆され
た電導線芯材15よりなる電導線を束ね、その外側にテ
ープ状に加工した熱遮蔽性複合材料17を粘着剤にて貼
付けて用いるため、最外層に剥離シートを設けるよう
する。以下、この剥離シートを設けた本発明の熱遮蔽性
複合材料について説明する。
【0016】図2は図1に示した熱遮蔽性複合材料の織
布または不織布3面に粘着剤6が積層され、さらに剥離
シート7が積層された構成を有する熱遮蔽性複合材料を
示すもので、粘着剤6としてはゴム系、アクリル系、シ
リコーン系等公知の粘着剤を利用することができる。こ
の場合、当初は粘着性を有するが、経時的に光、熱、温
度等に反応することによって永久接着性を具備するに至
る硬化型粘着剤が好ましく、粘着剤の付着量もとくに限
定されないが、通常3〜80g/m2 、とくに10〜3
0g/m2 程度とすることが好ましい。
【0017】また、剥離シート7としては紙やプラスチ
ックシートまたはフィルムにオルガノポリシロキサンに
よるシリコーン系剥離剤またはフッ素系剥離剤を塗布し
たもの、それ自体が剥離性を有するフッ素系樹脂、高密
度ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックシー
トまたはフィルム、剥離剤をブレンドして製膜したプラ
スチックシートまたはフィルム、オルガノポリシロキサ
ンゴムとポリオレフィン系樹脂とをグラフト重合させた
プラスチックシートまたはフィルムなどが用いられる。
剥離シートの厚さには限定はないが、通常は10〜30
0ミクロン、とくに30〜80ミクロン程度の厚さとす
ることが好ましい。
【0018】このように、耐熱製織布または不織布に粘
着剤加工を施すことにより、剥離シート7をはずして所
望の箇所に任意の大きさで、本発明の熱遮蔽性複合材料
を貼着することができ、その作業性も究めて簡易なもの
である。
【0019】図3は図1の熱遮蔽性複合材料の表面にあ
る合成樹脂フィルム11を耐熱性保護被覆膜層13に置
きかえたものであって、その他の構成は図1のものと同
一である。この耐熱性保護被膜層13は金属薄膜層2が
酸化により熱遮蔽性の低下を防いだり、金属薄膜層2に
疵がつかないようにする上で有効であり、例えばシリコ
ーンやエポキシなどの透明フィルムやこれらの塗膜など
が用いられる。
【0020】図4は図1に対する図2と同様、図3に示
した熱遮蔽性複合材料の織布又は不織布3面に、粘着剤
6が積層され、さらに剥離シート7が積層されたもので
あり、作用効果等は、図3に係るものに図2に係るもの
をあわせたものと同一である。
【0021】
【作用】熱の伝わり方には輻射、対流、伝導とあるが、
例えば自動車のエンジンルーム内の熱は輻射と対流によ
って電導線に伝わり、伝導によって表面から内部に伝わ
る。まずエンジンから発生する熱の輻射と対流を遮断す
る手段としては、図5に示すように80〜200℃まで
の放射熱の波長は1.0ミクロン以上の赤外線波長域に
集中するので、この波長域を高効率で反射または低吸収
率を有する材料、例えば銀、白金、アルミニウム等の金
属蒸着層を有する合成樹脂フィルムまたはこれらの金属
箔を積層した合成樹脂フィルムを、本発明においては図
1〜図4に示すようにその熱遮蔽性複合材料の表面層側
として使用し、熱の発生源と対面しているのでエンジン
からの輻射熱を効率よく遮蔽することができる。
【0022】また、エンジンルーム内の空気が80℃以
上に達すれば対流による電導線表面も80℃以上に加熱
されるため、大きな空気層をもった織布または不織布で
構成して、この空気層が熱の内部への伝導を遮断する効
果を有するものである。
【0023】
【実施例】つぎに実施例を挙げて、本発明をさらに説明
する。なお、実施例1〜4は本発明の熱遮蔽性複合材料
の主要部を構成する熱遮蔽性複合材料の作成例である。 (実施例1) 図1の金属薄膜層2を有する合成樹脂フィルム11とし
て、アルミニウム蒸着層(蒸着層厚:500Å)を有す
る厚さ25μmのポリエステルフィルムのアルミニウム
蒸着面に、ウレタン系接着剤約5g/m2 を用いて、他
の合成樹脂フィルム12としての厚さ25μmのポリエ
ステルフィルムを貼りあわせ、基材シート1を作成し
た。
【0024】その後、合成樹脂フィルム12面にシリコ
ーン系接着剤(付着量約50g/m 2 )5を用いて、厚
さ5mmのポリプロピレン繊維による不織布3を貼着積
層して、熱遮蔽性複合材料を製造した。
【0025】この熱遮蔽性複合材料の特性は次のとおり
であった。 耐熱性: 得られた熱遮蔽性複合材料を80℃の雰囲気
下で、連続1000時間放置した後の強度を測定した結
果、処理前の強度および外観とも変化なく、充分高温に
耐えることが分かった。 熱伝導率: この複合材料の熱伝導率を平板比較法(J
IS K 1412)にて計測した結果、0.07〜
0.11kcal/m・hr・℃であり、アスベストお
よびイソフェルトなみの低い熱伝導率であった。
【0026】(実施例2)図1の金属薄膜層2を有する
合成樹脂フィルム11として、アルミニウム蒸着(蒸着
厚:600Å)したポリエーテルイミドフィルム(厚
さ:20μm)と、合成樹脂フィルム12として厚さ2
0μmのポリパラバン酸フィルムとをエポキシ系接着剤
を利用して積層貼着し、さらにポリパラバン酸フィルム
面に、厚さ5mmのアクリル繊維を炭化処理した炭素繊
維による不織布を積層貼着した。
【0027】得られた熱遮蔽性複合材料の特性は次のと
おりであった。 耐熱性: 得られた熱遮蔽性複合材料を200℃の雰囲
気下で、連続10時間放置した後の強度を測定した結
果、処理前の強度および外観とも変化なく、充分高温に
耐えることが分かった。 熱伝導率: この複合材料の熱伝導率を平板比較法(J
IS K 1412)にて計測した結果、0.05〜
0.10kcal/m・hr・℃であり、アスベストお
よびイソフェルト並みの低い熱伝導率であった。
【0028】この実施例に関連して、図7に合成樹脂フ
ィルムであるポリエーテルイミドフィルム表面に、金属
薄膜層であるAl蒸着膜を施し、その熱線波長域の吸収
率(反射率=1−吸収率)18を測定した例を示す。図
7より、これらの表面層の熱線反射率が各波長にわたっ
て高いことが判る。
【0029】(実施例3) 図1の金属薄膜層2を有する合成樹脂フィルム11とし
て、アルミニウム蒸着(蒸着厚:500Å)したポリパ
ラバン酸フィルム(厚さ:50μm)と、合成樹脂フィ
ルム12として、厚さ25μmのポリエステルフィルム
とを用い、実施例2と同様に積層貼着したのち、実施例
2と同じ炭素繊維による不織布をシリコーン系接着剤を
用いて積層した。
【0030】この熱遮蔽性複合材料の特性は次のとおり
であった。 耐熱性: 得られた熱遮蔽性複合材料を160℃の雰囲
気下で、連続300時間放置した後の強度を測定した結
果、処理前の強度および外観とも変化なく、充分高温に
耐えることが分かった。 熱伝導率: この複合材料の熱伝導率を平板比較法(J
IS K 1412)にて計測した結果、0.07〜
0.1kcal/m・hr・℃であり、アスベストおよ
びイソフェルト並みの低い熱伝導率であった。
【0031】(実施例4)図3の金属薄膜層2を有する
合成樹脂フィルム11として、片面にアルミニウム蒸着
層を有する厚さ25ミクロンのポリエステルフィルム1
2のアルミニウム蒸着面に、耐熱性保護被膜層12とし
てエポキシ系塗料をグラビヤ方式により、付着量50g
/m2 となるように塗布し、その反対面に、厚さ1m
m、重量300g/m2 のポリプロピレン系不織布3
を、ウレタン系接着剤(付着量:50g/m2 )5を使
って積層した。この熱遮蔽性複合材料の特性は次のとお
りであった。 耐熱性: 得られた熱遮蔽性複合材料を200℃の雰囲
気下で、連続10時間放置した後の強度を測定した結
果、処理前の強度および外観とも変化なく、充分高温に
耐えることが分かった。 熱伝導率: この複合材料の熱伝導率を平板比較法(J
IS K 1412)にて計測した結果、0.05〜
0.10kcal/m・hr・℃であり、アスベストお
よびイソフェルト並みの低い熱伝導率であった。
【0032】(実施例5)図4の金属薄膜層2を有する
合成樹脂フィルム12として、アルミニウムを蒸着した
ポリパラバン酸フィルムのアルミニウム蒸着面に、耐熱
性保護被膜層13としてシリコーン系塗料を付着量が5
0g/m2となるようにロールコート方式で塗布し、そ
の反対面に厚さ1.5mm、重量100g/m2 のアク
リル繊維を炭化処理した炭素繊維よりなる不織布3をシ
リコーン系接着剤(付着量:50g/m2 )5をもって
接着し、さらにアクリル系接着剤(付着量:50g/m
2 )6を介してシリコーン剥離剤を塗布した剥離シート
7を積層した。
【0033】この熱遮蔽性複合材料の特性は次のとおり
であった。 耐熱性: 得られた熱遮蔽性複合材料を200℃の雰囲
気下で、連続10時間放置した後の強度を測定した結
果、処理前の強度および外観とも変化なく、充分高温に
耐えることが分かった。 熱伝導率: この複合材料の熱伝導率を平板比較法(J
IS K 1412)にて計測した結果、0.05〜
0.10kcal/m・hr・℃であり、アスベストお
よびイソフェルト並みの低い熱伝導率であった。
【0034】
【発明の効果】乗用車のエンジンルームの熱発生はエン
ジンの運転によるものであり、エンジン周辺機器、部材
への熱伝導は運転、走行時には幅射熱によるものがほと
んどである。したがって、本発明熱遮蔽性複合材料の表
層金属薄膜層は幅射熱を反射し遮断する。
【0035】運転停止後はエンジンには熱が残存してい
るにもかかわらず冷却ファン、冷却水循環ポンプも止ま
るため、残存した熱が一気にエンジンルーム内に充満し
周辺機器を加熱昇温させる。このためルーム内は100
℃を越える酷暑状態となりこの状態は約30分間継続す
る。したがってこの高温から電導線を保護するために、
断熱層となる織布または不織布を設けている。
【0036】さらに使用勝手をよくするために、貼り付
けて用いるよう塗工剥離層を設けた。
【0037】このため、本発明熱遮蔽性複合材料は乗用
車のエンジンルーム内電導線の加熱防止のみならず、こ
の電導性と同類現象を生ずる分野にも広く応用できる。
例えば、鉄鋼、鋳造産業での溶解、鋳込作業者用の防熱
服、消防士の防火服が掲げられる。
【0038】また、冷房、暖房をほどこした室内の冷
気、熱気が壁、天井、壁から外へ逃げることを防ぐため
に室内に貼付けて使用すると冷暖房効率を向上すること
ができる。建築物の天井裏、壁裏に使用すると建物全体
の冷暖房効果を高めることが可能である。
【0039】近年、都市近郊農業では、高付加価値の野
菜、果実、花卉類の栽培が盛んになり、そのため冷・暖
房装置付きの温室を利用されるようになって来た。これ
らの温室では冬期夜間の温度低下を防ぐため大量の燈油
燃料が使われるが、加温熱量の大半は温室窓ガラスを通
過して外部に放出される。したがって、この放出ロスを
抑えるために本発明熱遮蔽複合材料を温室内装カーテン
として用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱遮蔽性複合材料の主要部の構成を示
説明図
【図2】本発明の請求項1の一実施例の説明図
【図3】本発明の熱遮蔽性複合材料の主要部の他の構成
を示す説明図
【図4】本発明の請求項2の一実施例の説明図
【図5】80〜200℃までの放射熱の波長が1.0ミ
クロン以上の赤外線波長域に集中することを示す図表
【図6】本発明の熱遮蔽性複合材料の一使用態様の説明
【図7】ポリエーテルイミドフィルム表面にAl蒸着膜
を施したものの熱線波長の吸収率の測定例の図表
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名島 憲治 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 山本 史郎 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目4番16 号 藤森工業株式会社研究所内 (56)参考文献 実開 昭62−61888(JP,U) 実開 昭55−66136(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄膜層を有する合成樹脂フィルムの
    金属薄膜層面に、接着剤を介して他の合成樹脂フィルム
    を積層した基材シートの一方の面に、さらに接着剤を介
    して織布または不織布を積層し、前記織布または不織布
    の面に粘着剤層を介して剥離シートを積層してなること
    を特徴とする熱遮蔽製複合材料。
  2. 【請求項2】 金属薄膜層を有する合成樹脂フィルムの
    金属薄膜層面に、耐熱性保護被膜層を形成するととも
    に、前記合成樹脂フィルムの反対面に接着剤を介して織
    布または不織布を積層し、前記織布または不織布の面に
    粘着剤層を介して剥離シートを積層してなることを特徴
    とする熱遮蔽製複合材料。
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