JP6154692B2 - 流体分離材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料改質等により生成した水素等を含む混合ガスから水素等を高純度に分離するための流体分離材料及びその製造方法に関する。
水素エネルギー社会実現のために、水素製造技術や水素利用インフラ整備についての研究開発が進められるなか、自動車用燃料電池、家庭用定置型燃料電池、水素ステーション、そして将来的には大型の化学プラントなどで使用される高純度水素は、今後大きな需要が見込まれ、その製造には更なる高効率化が求められている。
現在、水素の製造は、炭化水素燃料を700℃程度の温度で水蒸気改質(CH+HO→CO+3H)した後、さらに数百度程度でCO変成(CO+HO→CO+H)する方法が、価格競争力の点から広く利用されている。これらの反応を経て得られたガスの成分には、水素の他に二酸化炭素や一酸化炭素、さらには未反応の炭化水素や水が含まれる。近年、家庭への普及が始まった固体高分子型燃料電池システムでは、低コスト化を実現するために水素の高純度化は行わず、水素濃度60%程度の混合ガスをそのまま燃料電池の燃料極に供給しているが、燃料極の触媒を被毒する一酸化炭素については、供給前に二酸化炭素に酸化し(CO+1/2O→CO)、その濃度を10ppm未満まで除去している。しかしながら、混合ガスを用いる燃料電池は、純水素燃料電池と比較して発電効率が低いため、さらに純度の高い水素を省スペースで安価に製造する技術が求められている。また、自動車用燃料電池には、上記CO濃度の制限に加えて、99.99%以上の水素を供給する必要があり、安価な高純度水素を大量に製造する技術が求められている。
水素を含む混合ガスから高純度水素を取り出す方法としては、吸収法、深冷分離法、吸着法、膜分離法などが挙げられるが、膜分離法は高効率で小型化が容易であるという特徴を有している。水素流体分離材料としては、例えば特許文献1に示されるように、CVD法(スス付け法)によって作製された多孔質シリカ支持体上にシリカ分離膜を形成し、耐熱衝撃性を高めた水素分離材料が一例として挙げられる。水素の透過係数を大きくするためには、分離膜を薄く形成することが必要であるが、細孔径が大きい支持体上に薄い分離膜を直接形成することは難しく、通常は多孔質支持体の表面に当該支持体と分離膜の中間の細孔径を有する中間層を形成することで細孔径を徐々に減少させ、さらにその上に分離膜を形成する手法が用いられる。中間層は、例えばシリカ粒子を支持体上に塗付後、これを焼成して形成される。
国際出願公開WO2011/071138号
しかしながら、中間層を形成するシリカ粒子として、BET比表面積が比較的大きいコロイダルシリカを選定し、これを用いて水素分離材料を作製した場合は、水素分離材料を600℃以上に加熱すると、コロイダルシリカ粒子の緻密化やコロイダルシリカ同士の焼結が徐々に進行し、中間層の層構造が崩れてしまう場合がある。これにより、中間層の表面に形成した分離膜にピンホールが生じてしまうと、水素分離材料として十分な機能が得られにくくなるという問題があった。
本発明は、高温下においても、分離したい流体以外の流体が透過して流体分離機能が低下してしまうことを防止することが可能な流体分離材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の流体分離材料は、
CVD法により作製した、気孔率が35%以上70%以下で平均細孔径が250nm以上450nm以下である多孔質シリカ基体と、
前記多孔質シリカ基体上に形成される流体分離能を有するシリカ分離膜と、
前記多孔質シリカ基体と前記シリカ分離膜との間に設けられ、少なくとも平均粒子径が200nm以上400nm以下であって、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000以下であるシリカ粒子を用いて形成され、厚みが1μm以上10μm以下である中間層と、を備えている。
本発明によれば、高温下においても分離したい流体以外の流体が透過して流体分離機能が低下してしまうことを防ぐことができる。
本発明の一実施形態である流体分離材料の例を示す縦断面図である。 本発明に係る流体分離材料の製造方法の一実施形態を示す模式図である。 ガスシール部を備えた多孔質シリカ基体の例を示す断面図である。 本発明に係る流体分離材料を備えた改質モジュールを示す図である。 本発明に係る実施例および比較例のHe、H、Nの透過係数およびH/N透過率比を示すグラフである。 実施例に係る流体分離材料の変化を示す模式図である。 比較例に係る流体分離材料の変化を示す模式図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本願発明の実施形態に係る流体分離材料は、
(1)CVD法により作製した、気孔率が35%以上70%以下で平均細孔径が250nm以上450nm以下である多孔質シリカ基体と、
前記多孔質シリカ基体上に形成される流体分離能を有するシリカ分離膜と、
前記多孔質シリカ基体と前記シリカ分離膜との間に設けられ、少なくとも平均粒子径が200nm以上400nm以下であって、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000以下であるシリカ粒子を用いて形成され、厚みが1μm以上10μm以下である中間層と、を備えている。
この構成によれば、多孔質シリカ基体と流体分離能を有するシリカ分離膜との間にメソ細孔容積の小さいシリカ粒子から構成される中間層が設けられているので、高温下においてもシリカ粒子の緻密化や粒子同士の焼結が進行せず、シリカ分離膜にピンホールが生成されにくくなる。そのため、分離したい流体以外の流体が透過して流体分離機能が低下してしまうことを防ぐことができる。
本願発明の実施形態に係る流体分離材料の製造方法は、
(2)CVD法により、気孔率が35%以上70%以下で平均細孔径が250nm以上450nm以下の多孔質シリカ基体を作製し、
前記多孔質シリカ基体の表面に平均粒子径が200nm以上400nm以下であって、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000以下であるシリカ粒子を用いて、厚みが1μm以上10μm以下の中間層を形成し、
前記中間層の表面に流体分離能を有するシリカ分離膜を形成する。
上記(1)と同様に、流体分離機能の劣化を防止可能な流体分離材料を製造することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る流体分離材料及びその製造方法の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、流体分離材料の一例として水素分離材料を例示して説明するが、本発明は、シリカ分離膜の孔径等を変更することで、水素以外の気体または液体を分離するものとしても適用可能である。また、流体分離材料の形状は、平面状等、任意の形状とすることもできるが、反応効率の点から流体との接触面積をより広くするために、本実施形態では管状としている。
(水素分離材料)
図1に、水素分離材料の一実施形態を示す。図1は水素分離材料の縦断面図である。
水素分離材料20は略円筒形状であり、その中心には長手方向に延びる略円形断面の中心孔24を有する。水素分離材料20は、中心孔24の外周上に管壁として多孔質シリカ基体21を有している。多孔質シリカ基体21の外周上には中間層22を有している。さらに、中間層22の外周上に分離膜23を有する。
多孔質シリカ基体21は、CVD法(スス付け法)によって作製されたものであり、分離膜23および中間層22における流体の透過をほぼ干渉することなく該分離膜を支持するため、多孔質シリカ基体21の気孔率は35〜70%、平均細孔径は250nm〜450nmであることが好ましい。なお、「気孔率」は、単位体積当たりの空気容積が占める割合として算出でき、平均細孔径は水銀圧入法で測定できる。
さらに、多孔質シリカ基体21の厚さは、特に限定されるものではないが、機械的強度とガス透過性のバランスから0.2mm〜5mmであることが好ましく、0.5mm〜3mmであることがより好ましい。
中間層22は、少なくとも平均粒子径が100nm〜500nmであって、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000以下であるシリカ粒子を用いて形成した層から構成される。シリカ粒子の平均粒子径は200nm〜400nmであることがさらに好ましい。平均粒子径が100nmより小さければ、シリカ粒子が多孔質シリカ基体21の細孔内に侵入し、多孔質シリカ基体21のガス透過性を低下させやすく、500nmより大きければ、多孔質シリカ基体21より小さい細孔径を得られにくくなる場合がある。BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000より大きくなると、シリカ粒子中に存在するメソ細孔容積が大きくなり、高温下でシリカ粒子の緻密化およびシリカ粒子同士の焼結が進行しやすく、水素分離性能が劣化する場合がある。なお、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積の下限値に特に制限はないが、細孔を持たない真球粒子では比表面積と粒子径の積は6/粒子密度として理論的に計算され、粒子が非晶質シリカ(密度=2.20g/cm)であれば、比表面積[m/g]と粒子径[nm]の積は約2730となり、この値がBET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積の最小値の目安となる。
また、中間層22の厚さは、特に限定されるものではないが、1μm〜10μm程度であることが好ましい。中間層22の厚さが1μmより薄いと、多孔質シリカ基体21の表面粗さによっては基体表面を上記シリカ粒子で完全に被覆できない場合があり、10μmより厚いとガス透過性が著しく低下する場合がある。
なお、平均粒子径は市販のレーザ回折式粒度分布測定装置によって、また、BET比表面積は窒素ガス吸着式の細孔分布測定装置によって決定される。これらの測定に用いるシリカ粒子は、空気中、550℃で1時間以上加熱処理したものである。
分離膜23は分子ふるいによって水素とそれ以外の成分を分離する層であり、その平均細孔径は0.2nm〜0.4nmが好ましく、より好ましくは0.25nm〜0.35nmである。分離膜23の厚さは、特に限定されるものではないが、0.01μm〜1μmであることが好ましく、0.02μm〜0.5μmであることがより好ましい。分離膜23の厚さが0.01μm未満では、ピンホールが発生しやすく、また、0.5μmを超えると透過速度が小さくなりすぎ、実用上十分な性能が得られにくくなる場合がある。
以下、上記水素分離材料20の製造方法の一実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
まず、CVD法(スス付け法)により、ロッド30の周囲にシリカ粒子を堆積させて多孔質シリカ基体21を作製する(図2(a)参照)。ロッド30は、先端部が下になるようにして鉛直に配置される。また、水平に配置する形としても良い。ロッド30の素材としては、ガラス、耐火性セラミクスなどを用いることができる。ロッド30は固定された後、中心軸を中心として回転される。そして、ロッド30の側方に配置されたバーナ31により、ロッド30の外周にシリカ粒子が堆積される。シリカ粒子の生成速度、バーナ31の移動速度、および堆積温度などを変化させることにより、所望の気孔率、細孔径、肉厚を有したシリカ多孔体を堆積させることができる。堆積されたシリカ多孔体からロッド30を引き抜くことにより、円筒状の多孔質シリカ基体21が作製される(図2(b)参照)。また、先端が丸型のロッド30aを使用し、ロッド30aの先端部にもシリカ粒子を堆積させることで、先端が閉じた管状の多孔質シリカ基体21aを作製することも可能である(図2(c)参照)。
多孔質シリカ基体21は、その一部を加熱して緻密化したり、市販の透明石英管と溶接したりすることで、図3(a)に示したガスシール部25を備えた基体26とすることもできる。また、図3(b)のように先端が閉じた管状の基体26aを作製することも可能である。このような構造とすることにより、この後に形成する中間層22および分離膜23に機械的応力を負荷することなく、図4に示すような改質モジュール40を作製することが可能となる。図4に示されるように、改質モジュール40内に基体26aを設置し、その周囲に改質触媒を充填することで、改質モジュール40内に供給される原料ガスから基体26aによって水素のみを取り出して、水素以外のガスについては改質モジュール40から外部へ適宜排出することができる。
次に、図1に示されるように、多孔質シリカ基体21の表面に中間層22を形成する。本例においては、CVD法で合成され、平均粒子径が100nm以上500nm以下に分級された、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000以下であるシリカ粒子を用いた場合について説明する。まず、シリカ粒子を水に分散させた分散液に、焼結助剤として後述するテトラエトキシシラン(TEOS)を加水分解、縮重合することによって合成した粒子径3nm程度のシリカコロイドゾルを加える。次いで、この混合分散液を含んで濡れている布と多孔質シリカ基体21を接触させ、シリカ粒子およびシリカコロイドを多孔質シリカ基体21上に塗付し、これを例えば空気中で400〜550℃に加熱して焼結し、中間層22を形成させる。このとき、中間層22の表面は、中間層22を形成する前の多孔質シリカ基体21の表面よりも平滑となっている。
なお、特に限定されないが、例えば上記分散液中のシリカ粒子の濃度は5重量%、焼結助剤の濃度は0.5重量%とすることができる。
次に、中間層22の表面に分離膜23を形成する。分離膜23は、加熱した、中間層22が形成された多孔質シリカ基体21に、シリカコロイドゾルを調製し溶媒で希釈した希釈シリカコロイドゾルを接触させてシリカコロイドゲル層を形成し、当該シリカコロイドゲル層を焼成することにより形成される。分離膜23はシリカのみでなく、化学的耐久性などを改良する目的でシリカ以外の成分を含んでもよい。
予め加熱された被コーティング物質にコーティング溶液を接触させ、当該溶液の溶媒を瞬間的に蒸発させることによって、被コーティング物質をコーティングする方法をホットコーティング法という。このホットコーティング法によれば、極めて薄い膜を容易に形成することができる。中間層22が形成された多孔質シリカ基体21は、コーティング物質であるシリカコロイドゾルと接触する時の温度が約170℃〜190℃程度となるよう予め加熱しておけばよい。
中間層22と希釈シリカコロイドゾルとを接触させる方法は、例えば、希釈シリカコロイドゾルを含んで濡れている布と多孔質シリカ基体21上に形成された中間層22とを接触させることや、希釈シリカコロイドゾルを中間層22に噴霧すること等により行うことができる。
上記ホットコーティングに用いるシリカコロイドゾルは、例えばTEOSを硝酸等の硝酸の水溶液中において、加水分解、縮重合させた後、多量の水及び所定の硝酸を加えて、シリカの濃度を所望の範囲、溶液のpHを1〜3付近にそれぞれ調製した後、この溶液を5〜20時間煮沸することによって得ることができる。
本実施の形態では、所定の粒子径となるように、所定の濃度で調製されたシリカコロイドゾルを希釈した希釈シリカコロイドゾルを用いて、ホットコーティング法により、分離膜23となるシリカコロイドゲル層を形成している。
希釈前のシリカコロイドゾルの調製濃度は、その下限値を0.1重量%以上とすることが好ましく、0.3重量%以上とすることがより好ましい。また、その上限値を4.0重量%以下とすることが好ましく、2.0重量%以下とすることがより好ましい。シリカコロイドゾルの調製濃度を上記範囲とすることにより、シリカ含有層の形成に適した平均粒子径のシリカコロイドゾルを調製することができる。水素選択性を示す流体分離膜を製造する場合は、シリカコロイドゾルの調製濃度が0.3重量%以上であることがより好ましい。
希釈シリカコロイドゾルの濃度は、その下限値を0.01重量%以上とすることが好ましく、0.05重量%以上とすることがより好ましい。また、その上限値を0.5重量%以下とすることが好ましく、0.4重量%以下とすることがより好ましい。希釈シリカコロイドゾルの濃度を上記範囲とすることにより、ホットコーティング法によりシリカコロイドゲル層を形成する際に、当該シリカコロイドゲル層にひび割れが生じることを防止できる。したがって、シリカコロイドゲル層が焼成されたシリカ含有層に隙間(ピンホール)が生じることを防ぐことができ、分離膜23の流体選択性を高めることができる。尚、コロイドゾルの濃度とはTEOSを溶質として換算した濃度のことをいう。
例えば、上記のようにして調製した希釈シリカコロイドゾルを、ホットコーティング法によって、被コーティング物質である中間層22上にコーティングして、焼成することにより分離膜23を形成することができる。この焼成は、例えば、400〜550℃の炉中にて10〜15分間程度行われる。
また、上記の焼成条件の他にも、例えば、希釈シリカコロイドゾルがコーティングされた多孔質シリカ基体21を、550〜650℃水蒸気雰囲気下で30分間程度焼成してもよい。特に、この条件下で上記多孔質シリカ基体21を焼成することにより、水蒸気存在下の高温環境(500℃)でも安定した流体分離性能を維持する、高温安定性に優れた分離膜23を製造することができる。
尚、本実施例において、分離膜23の細孔径は、ケルヴィンの毛管凝縮径でその分布を評価したときに、無次元空気流速が0.01以下になる上限値をいう(ただし、測定できる細孔径は50nm以下)。また、シリカコロイドゾルの平均粒子径は、動的光散乱法で測定した値をいう。
このように、希釈シリカコロイドゾルをホットコーティングに使用することにより、ピンホールの非常に少ない超薄膜の分離膜23を製造することができるため、水素分離材料20の流体透過速度を大幅に改善することができる。
以上説明したように、本実施形態の水素分離材料20においては、多孔質シリカ基体21と分離膜23との間に、少なくとも平均粒子径が100nm以上500nm以下であって、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000以下であるシリカ粒子を用いて形成した中間層22が設けられている。この中間層22により、500℃以上の高温で水素分離材料20を加熱して流体分離処理を行った場合でも、シリカ粒子の緻密化やシリカ粒子同士の焼結が進行せず、中間層22の構造が維持されて、分離膜23にピンホールが生成されにくくなる。そのため、分離したい流体以外の流体(本例においては、水素以外の流体)が透過して流体分離機能が低下してしまうことを防ぐことができる。
(実施例)
(基体の作製)
CVD法(スス付け法)により作製した外径8.6mm、内径6.0mm、長さ160mm、気孔率64%、平均細孔径400nmの一端封じ多孔質シリカ管の両端を酸水素バーナで加熱し、透明化するまで緻密化させた。さらに、この多孔質管の開放端側に透明石英管を接続し、図3(b)に示した全長370mm(多孔質部の長さが100mm)の多孔質シリカ基体を作製した。
(中間層形成)
この多孔質シリカ基体の多孔質部の外側表面にCVD法にて作製したBET比表面積16m2/g、平均粒子径300nmのシリカ粒子(BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が4800)と平均粒子径3nmのシリカコロイドの混合分散液を塗布した後、空気中550℃で焼成することにより、中間層を形成した。
(分離膜形成)
中間層が形成された多孔質シリカ基体を180℃に加熱し、平均粒子径270nmのシリカコロイドゾルをホットコーティング法により塗布し、これを550℃で焼成した。また、90nm、35nm、6.6nm、4.2nm、3.3nmのシリカコロイドゾルについても、同様の手法により順次焼成し、分離膜を形成した。
(透過係数測定)
このようにして得られた実施例の水素分離材料について、500℃におけるヘリウム、水素、窒素の透過係数を測定した。また、この水素分離材料を600℃で2時間の熱処理を行った後、500℃におけるヘリウム、水素、窒素の透過係数を測定した。同様に、650℃、700℃、750℃での熱処理後の水素分離材料についても、500℃におけるヘリウム、水素、窒素の透過係数の評価を行った。その結果を、図5に示す。
図5(a)に示されるように、水素分離材料の熱処理温度が上昇してもNの透過係数が上昇することがなかった。そのため、図5(b)に示されるように、実施例におけるH/N透過率比は、熱処理温度の上昇にともなってやや減少したが、750℃まで加熱しても100以上の値を示し、良好な耐熱性を示すことが確認された。
(構造観察)
本実施例において、550℃で焼成した水素分離材料と750℃で熱処理された後の水素分離材料の表面および断面の構造を電界放出形走査電子顕微鏡により観察した。その結果を図6に示す。図6(a)は550℃で焼成した水素分離材料の断面構造であり、図6(b)は750℃で熱処理された後の水素分離材料の断面構造である。Aは多孔質シリカ基体の層であり、Bは中間層であり、Cは分離膜である。550℃で焼成した水素分離材料の中間層の厚みは3.0μm、分離膜の厚みは0.3μmであった。図6(a)および図6(b)に示すように、実施例に係る水素分離材料については、750℃で熱処理しても中間層および分離膜の構造が維持されていることが確認された。
(比較例)
BET比表面積38m/g、平均粒子径300nmのコロイダルシリカ(BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が11400)を多孔質シリカ基体上に塗付、焼成して中間層を形成した以外は、実施例と同じ方法により水素分離材料を作製した。
この水素分離材料について実施例と同じ要領でヘリウム、水素、窒素の透過係数、および断面構造の観察を行ったところ、550℃で焼成された水素分離材料は、図5(a)に示したとおり、実施例と同等のガス透過特性を示した。しかしながら、熱処理温度の上昇にともなってNの透過係数が上昇した。そのため、図5(b)に示されるように、比較例に係る水素分離材料については、600℃以上の熱処理によってH/Nが100未満に低下することが確認された。
また、比較例において、550℃で焼成した水素分離材料と750℃で熱処理された後の水素分離材料の表面および断面の構造を電界放出形走査電子顕微鏡により観察した。その結果を図7に示す。図7(a)は550℃で焼成した水素分離材料の断面構造であり、図7(b)は750℃で熱処理された後の水素分離材料の断面構造である。A’は多孔質シリカ基体の層であり、B’は中間層であり、C’は分離膜である。図7(a)に示した550℃で焼成した水素分離材料の中間層の厚みは3.2μm、分離膜の厚みは0.3μmであった。一方、図7(b)に示すように、750℃で熱処理を行った後には、コロイダルシリカ粒子の焼結が進行し、多孔質シリカ基体と区別することができず、分離膜にピンホールが多数形成されていることが確認された。
以上の結果から、600℃の耐熱性を有する水素分離材料を形成するためには、平均粒子径100nm以上500nm以下であって、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000以下のシリカ粒子を用いて中間層を形成させる必要があることが示唆された。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の思想と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
20:水素分離材料(流体分離材料の一例)
21:多孔質ガラス基体
22:中間層
23:分離膜(シリカ分離膜の一例)
24:中心孔
25:ガスシール部
26:基体
30:ロッド
31:バーナ
40:改質モジュール

Claims (2)

  1. CVD法により作製した、気孔率が35%以上70%以下で平均細孔径が250nm以上450nm以下である多孔質シリカ基体と、
    前記多孔質シリカ基体上に形成される流体分離能を有するシリカ分離膜と、
    前記多孔質シリカ基体と前記シリカ分離膜との間に設けられ、少なくとも平均粒子径が200nm以上400nm以下であって、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000以下であるシリカ粒子を用いて形成され、厚みが1μm以上10μm以下である中間層と、
    を備えている流体分離材料。
  2. CVD法により、気孔率が35%以上70%以下で平均細孔径が250nm以上450nm以下の多孔質シリカ基体を作製し、
    前記多孔質シリカ基体の表面に平均粒子径が200nm以上400nm以下であって、BET比表面積[m/g]と平均粒子径[nm]の積が7000以下のシリカ粒子を用いて、厚みが1μm以上10μm以下の中間層を形成し、
    前記中間層の表面にシリカ分離膜を形成する、流体分離材料の製造方法。
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