JP6154637B2 - 磁石式発電機 - Google Patents
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Description
自動二輪車用の発電機では、その要求を満足するため、磁気回路や構成部品について日々改善が為されている。
特許文献1の磁石式発電機は、磁極数2pに対し突極数が2p−2となっているため、突極数が少なくなる。このため、特許文献1の磁石式発電機は、発電量が少なくなる場合がある。
特許文献1の磁石式発電機は、発電量を確保するために磁極数を増加させると(例えば20極)、高周波数に対応できるFETタイプの電圧レギュレータが必要となる。FETタイプのレギュレータは、サイリスタを用いたものよりも高価であり、システムコストが増大して製品価格の上昇を招く。
特許文献1の磁石式発電機は、各相の突極数が異なる場合があるため、突極数のアンバランスにより発電効率が低下するおそれがある。特に、安価な電圧レギュレータを使用できる磁極構成(例えば、N=12,16)では、突極数のアンバランスにより、相間の発電バランスが崩れ易くなって、発電効率が悪化する可能性がある。
特許文献2の磁石式発電機は、同じ体格を維持しつつ、発電量を向上させることができる。特許文献2の磁石式発電機は、発電量を確保しつつ、磁極数を16個以下に抑えることも可能となる。このため、安価なサイリスタタイプの電圧レギュレータを使用することにより、システムコストの増大を抑えることができる。特許文献2の磁石式発電機は、各相の突極を均等に配置することができる。これにより、相間の発電バランスの崩れによる発電効率の低下を防止できる。
特許文献2の磁石式発電機は、隣接する同相の突極同士の間隔に対して、隣接する異相の突極同士の間隔が狭く設定される。隣接する突極同士の間隔が均等でないため、突極にコイルを巻きつける際に、例えば突極毎に巻き付け速度を異ならせる等の措置が必要となる。このため、製造効率を低下させてしまうという問題がある。
その一方で、隣接する突極の磁路部同士の角度が均等に設定されているので、磁路部に対するコイルの巻き付けを効率よく行うことができ、製造効率の低下を防止できる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る発電機1の構成を示す断面図である。
図2は、発電機1における突極14の形状及び配置を示す図である。
図3は、先端部17を示す図(図2の一部拡大図)である。
回転子2には永久磁石6が取り付けられる。固定子3にはコイル7が取り付けられる。回転子2がコイル7の外側で回転すると、永久磁石6が形成する回転磁界がコイル7を横切るので、コイル7に起電力が生じて発電が行われる。
ロータヨーク11は、底部11aと円筒部11bを備えた有底円筒形状の部材である。円筒部11bの内周面には、永久磁石6が周方向に沿って複数個配設される。
フランジ部12aは、ロータヨーク11の底部11a中央において、ロータヨーク11と同心となりように取り付けられる。
フランジ部12aの中央には、ボス部12bが突設される。ボス部12bは、フランジ部12aの中心線に沿って延びて、クランクシャフト4の端部にテーパ結合される。クランクシャフト4が回転すると、ボスロータ12もクランクシャフト4と共に回転し、回転子2がコイル7の外側にて回転する。
突極14は、コイル7が巻装される柱形の磁路部15と、磁路部15の先端から周方向に突出する突出部16とからなる。突極14のうち、永久磁石6に対向する部位を先端部17と呼ぶ。先端部17は、磁路部15の先端部位15tと突出部16とからなる。
突極14の磁路部15の外周には、コイル7が巻装される。
図7は、従来の発電機91を示す図である。発電機91は、特許文献2に記載の発電機である。発電機91において、発電機1と同一の部材には、同一の符号を付す。
このため、発電機91では、同相を形成する3本の突極94(先端部97)は、同時に、永久磁石6の磁極の中心線に位置するように対向する。例えば、U1となる突極94の先端部97が永久磁石6のN極に、U2となる突極94の先端部97が永久磁石6のS極に、U3となる突極94の先端部97が永久磁石6のN極に対して、同時に各磁極の中心線上において対向する。このため、発電機91は、高い発電効率を実現できる長所がある。
このため、異相の突極94同士が隣接するところでは、磁路部95同士の間のスペースが小さくなる。したがって、同相の突極94同士が隣接するところに比べて、磁路部95へのコイル7の巻き付けがしづらくなる。
発電機91では、コイル7が巻き付けがしやすい磁路部95と巻き付けがしづらい磁路部95が混在するので、コイル7の巻き付け作業の効率が低下してしまう短所がある。
このため、磁路部15に対するコイル7の巻き付けを効率よく行うことができ、製造効率の低下を防止できる。また、磁路部15に巻装されるコイル7の巻き数を増加させることができるので、発電機1の高出力・高効率化を実現できる。
このため、発電機1では、隣接する突極14の先端部17同士の角度θ2が22.5°に設定される。
先端部17同士の角度θ2は、それぞれの先端部17における周方向の中心位置の間の角度である。
また、同相における3つの突極14は、同一の電気角に配置される。それぞれの極対21においては、3つの突極14は、異極性の永久磁石6と同一電気角を有して対向する。極対21における3つの突極14の先端部17は、隣接するもの同士が異なる極性の磁極に対向するように、永久磁石6の極弧角θpとほぼ同じ角度θ2に設定される。
極対21Va,21Waでは、V1〜V3、W1〜W3が異極性の永久磁石6と同一電気角にて対向する。V1〜V3、W1〜W3の突極14の先端部17同士の角度θ2は22.5°に設定される。
同相において隣接する突極14同士(V1とV2、V2とV3、W1とW2、W2とW3)には、逆方向に通電されるコイル7が配置される。
極対21Ub,21Vb,21Wbにも、3本の突極14(U相:U4,U5,U6、V相:V4,V5,V6、W相:W4,W5,W6)が配置される。
その一方で、隣接する突極14の磁路部15同士の角度θ1が均等に設定されているので、磁路部15に対するコイル7の巻き付けを効率よく行うことができ、製造効率の低下を防止できる。また、磁路部15に巻装されるコイル7の巻き数を増加させることができるので、発電機1の高出力・高効率化を実現できる。
発電機51において、第一実施形態に係る発電機1と同一の部材には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
例えばU1となる突極14bは、異相であるW6となる突極14に隣接する。このU1となる突極14b(磁路部15)には、周方向のうち、異相であるW6となる突極14に隣接する側方に、長い突出部16が配置される。この突出部16の突出量(周方向の長さ)は、U2となる突極14a(磁路部15)に配置された一対の突出部16のそれぞれの突出量と同一である。
U1となる突極14b(磁路部15)には、周方向のうち、同相であるU2となる突極14に隣接する側方に、短い突出部16(16b)が配置される。この突出部16bの突出量(周方向の長さ)は、U2となる突極14a(磁路部15)に配置された一対の突出部16のそれぞれの突出量とは異なる。突出部16(16b)の突出量は、例えばαmmに設定される。
その一方で、隣接する突極14の磁路部15同士の角度θ1が均等に設定されているので、磁路部15に対するコイル7の巻き付けを効率よく行うことができ、製造効率の低下を防止できる。また、磁路部15に巻装されるコイル7の巻き数を増加させることができるので、発電機1の高出力・高効率化を実現できる。
前述の実施の形態では本発明の発電機を発電機として使用した場合を示したが、これをモータとして使用することも可能である。
図6に示すように、異相の突極14に隣接する突極14bに対して配置されるボビン40には、突出部16が存在しない側方(同相の突極14に対向する側方)に、コイル巻乱防止部41が形成される。コイル巻乱防止部41は、巻胴保護部40aに直交するようにフランジ状に張り出し形成される。コイル巻乱防止部41は、歯保護部40bと一体的に形成される。コイル巻乱防止部41は、歯保護部40bよりも、突出量が小さく形成される。
ボビン40にコイル巻乱防止部41を設けることにより、突出部16が存在しない側方におけるコイル7の巻き乱れを防止できる。
2…回転子
3…固定子
6…永久磁石
7…コイル
14…突極
15…磁路部
15t…先端部位
16…突出部
17…先端部
40…ボビン
41…コイル巻乱防止部
θp…極弧角
θ1…磁路部の配置角度
θ2…先端部の配置角度
Claims (6)
- コイルが巻装される磁路部と前記磁路部の先端から側方に突出すると突出部とからなる突極を複数有する固定子と、
前記固定子の外周又は内周に回転自在に配設され、複数個の永久磁石が前記突極と対向するように周方向に沿って取り付けられた回転子と、
を備える磁石式発電機であって、
前記突極は、互いに隣接する全ての磁路部同士の配置角度が略均等に設定され、
前記磁路部の先端部位と前記突出部とからなる先端部は、同相の先端部同士の配置角度が前記永久磁石の極弧角に一致するように設定されることを特徴とする磁石式発電機。 - 同相の突極のみに隣接する突極には、前記周方向の両側に前記突出部が配置され、
異相の突極に隣接する突極には、前記周方向のうち、前記異相の突極に隣接する側方にのみ前記突出部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の磁石式発電機。 - 前記突出部の突出量が略均一に設定されることを特徴とする請求項2に記載の磁石式発電機。
- 前記突極には、前記周方向の両側に前記突出部が配置され、
異相の突極に隣接する突極においては、前記周方向の一方に配置された前記突出部の突出量が、前記周方向のうち他方に配置された前記突出部の突出量と異なっていることを特徴とする請求項1に記載の磁石式発電機。 - 異相の突極に隣接する突極に対応して配置されるボビンを備え、
前記ボビンは、前記同相の突極に対向する側方に、前記コイルの巻き乱れを防止するコイル巻乱防止部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の磁石式発電機。 - 前記周方向において隣接配置される複数の突極が同相を形成すると共に、同一電気角に配置されることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の磁石式発電機。
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