JP6154557B2 - 偏光板用ポリビニルアルコール系樹脂接着剤、これを含む偏光板および画像表示装置 - Google Patents

偏光板用ポリビニルアルコール系樹脂接着剤、これを含む偏光板および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、偏光子に保護フィルムまたは補償フィルムを付着させるための偏光板用接着剤およびこれを用いた偏光板に関するものであって、より詳細には、ポリビニルアルコール系樹脂を含む水系接着剤で、耐水性が改善された偏光板用接着剤、これを含む偏光板および画像表示装置に関するものである。
液晶表示装置、プラズマ表示装置、電界発光素子などの各種画像表示装置に使用される偏光板は、ポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光子と、偏光子の少なくとも一面に保護フィルムとが形成された構造となっている。一方、前記偏光子と保護フィルムとの接着に用いられる偏光板用接着剤として、ポリビニルアルコール系接着剤が主に使用されている。
しかし、ポリビニルアルコール系樹脂接着剤は水溶性高分子であるため、湿度が高い条件では、接着剤が溶解して偏光子と保護フィルムが剥離される問題があった。
このような問題を改善するために、ポリビニルアルコール系樹脂にアセトアセチル基を付加して変性させるか、エチルアクリレート、メチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸などの疎水性ビニルモノマーなどを共重合させるか、ポリビニルアルコール系樹脂にグリオキサル酸塩またはアミン金属塩のような架橋剤を混合して使用する方法などが提案された。
前記のような方法により製造されたポリビニルアルコール系接着剤の場合、ポリビニルアルコール単独で使用する場合に比べて耐水性がやや向上する傾向はあるものの、高速生産ラインに適用される場合、依然として耐水性および接着力が十分でない問題がある。また、変性ポリビニルアルコール系樹脂接着剤の場合、アルカリ性pH条件でムラが発生する問題があり、架橋剤を混合する方法の場合、架橋剤の量によって偏光板の光学特性が低下するなどの問題も発生した。
したがって、偏光板の光学特性を維持しながらも、偏光子および保護フィルムに対する優れた接着性および耐水性を有する偏光子および保護フィルム接着用接着剤が要求される。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、耐水性に優れた偏光板用接着剤を提供する。
本発明の他の態様は、前記本発明の一態様による偏光板用接着剤を含む、耐水性に優れた偏光板およびこれを含む画像表示装置を提供する。
本発明の一態様によれば、ポリビニルアルコール系樹脂、チタンラクテートアンモニウム塩、ヒドロキシカルボン酸、および水を含み、pHが3.5〜6.5である偏光板用接着剤が提供される。
この時、前記ポリビニルアルコール系樹脂は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、陽イオン変性ポリビニルアルコール系樹脂、および陰イオン変性ポリビニルアルコール系樹脂からなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。
この時、前記ヒドロキシカルボン酸は、下記の化学式2で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006154557
(前記化学式2において、RおよびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基またはカルボキシ基で置換のC1−5のアルキル基、非置換のC1−5のアルキル基、水素、またはヒドロキシ基である。)
この時、前記ヒドロキシカルボン酸は、乳酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸、およびグルコン酸からなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。
前記偏光板用接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、チタンラクテートアンモニウム塩30〜150重量部;ヒドロキシカルボン酸1〜13重量部;および水1000〜10000重量部を含むことが好ましい。
また、前記偏光板用接着剤は、前記チタンラクテートアンモニウム塩とヒドロキシカルボン酸との間の重量比が4:1〜25:1であることが好ましい。
本発明の他の態様によれば、本発明の一態様による偏光板用接着剤で偏光子と高分子フィルムとが貼り付けられた偏光板が提供される。
この時、前記偏光板を、60℃の温度および100%の相対湿度で、24時間放置した時、全体面積に対する剥離された面積の割合が10%以下であることが好ましい。
また、本発明のさらに他の態様によれば、本発明の一態様による偏光板を含む画像表示装置が提供される。
本発明の一態様により、ポリビニルアルコール系樹脂、チタンラクテートアンモニウム塩、ヒドロキシカルボン酸、および水を含み、pHが3.5〜6.5である偏光板用接着剤は、優れた耐水性を有する。
これによって、前記接着剤を含む偏光板は、湿度が高い条件でも偏光子と高分子フィルムとの間の接着力および光学物性が維持され、剥離現象が低減される効果がある。
実施例1により製造された偏光板を、耐水性評価を経た後、表面を撮影した写真である。 実施例5により製造された偏光板を、耐水性評価を経た後、表面を撮影した写真である。 実施例6により製造された偏光板を、耐水性評価を経た後、表面を撮影した写真である。 実施例8により製造された偏光板を、耐水性評価を経た後、表面を撮影した写真である。 比較例1により製造された偏光板を、耐水性評価を経た後、表面を撮影した写真である。 比較例2により製造された偏光板を、耐水性評価を経た後、表面を撮影した写真である。 比較例5により製造された偏光板を、耐水性評価を経た後、表面を撮影した写真である。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、種々の異なる形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
本発明者らは、高湿環境においても光学物性および接着力が安定的に維持される、耐水性に優れた偏光板用接着剤を開発するために研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系樹脂、チタンラクテートアンモニウム塩、ヒドロキシカルボン酸、および水を混合して使用する場合、高温、高湿環境においても接着力および光学物性に優れることを見出して、本発明を完成した。
より具体的には、本発明の偏光板用接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂、チタンラクテートアンモニウム塩、ヒドロキシカルボン酸、および水を含み、pHが3.5〜6.5であることを特徴とする。
この時、前記ポリビニルアルコール系樹脂は、接着性を付与する役割を果たすものであり、前記ポリビニルアルコール系樹脂としては、偏光板用水系接着剤に一般的に使用されるものと知られている多様なポリビニルアルコール系樹脂が制限なく使用可能であり、特に限定するものではない。例えば、本発明において、前記ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール系樹脂だけでなく、変性ポリビニルアルコール系樹脂を使用することもでき、このような変性ポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、陽イオン変性ポリビニルアルコール系樹脂、および陰イオン変性ポリビニルアルコール系樹脂から選択される1種以上であってよい。変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いた場合には、未変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合に比べて接着剤層の耐水性が向上する利点があるので、より好ましい。
一方、前述の変性されたポリビニルアルコール系樹脂のうち、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール樹脂を用いることが好ましい。アセトアセチル基は、高い反応性を有する点で、偏光板用接着剤に使用した時、より高度に架橋されることにより、高い耐久性を示すことができる。アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンを公知の方法で反応させて得ることができる。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂を酢酸などの溶媒中に分散させ、これにジケテンを添加する方法、ポリビニルアルコール系樹脂をジメチルホルムアミドまたはジオキサンなどの溶媒に予め溶解させ、これにジケテンを添加する方法、ポリビニルアルコールにジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させる方法などが挙げられる。
一方、本発明の接着剤は、前述の変性ポリビニルアルコール系樹脂を2種以上含むことができ、未変性のポリビニルアルコール系樹脂および前述の変性ポリビニルアルコール系樹脂をすべて含むこともできる。
一方、前記ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、500〜3000であることが好ましく、1000〜2000であることがより好ましい。重合度が500以上であれば、耐久性および耐熱性に優れる点で好ましい。一方、重合度が3000以下であれば、粘度が過度に高くなることなく、接着層を均一に形成することができる点で好ましい。
また、前記ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度(鹸化度)は、80〜100mol%であることが好ましく、90〜99mol%であることがより好ましい。ケン化度が80mol%以上であれば、耐久性および耐熱性に優れる点で好ましい。
一方、前記チタンラクテートアンモニウム塩は、偏光子用水系接着剤に含まれ、偏光子に対する接着性を高め、接着剤の耐水性を向上させる役割を果たす。
一般的に、チタンラクテートアンモニウム塩は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールのヒドロキシ基およびアセトアセチル基のすべてと結合をなすことができるため、ポリビニルアルコール系樹脂の架橋剤の役割を果たすことができる。従来主に使用されていたチタンアルコキシドは、リガンドの炭素数が少ない場合、水溶液上で縮合反応によってチタンオキサイド形態の高分子化が起こりやすく、白い沈殿が生じる問題があった。また、チタンアルコキシドのリガンドの炭素数が多くなると、水に対する溶解度が低くなる問題があった。反面、チタンラクテートアンモニウム塩は、水に対する溶解度に優れ、水溶液上で沈殿が発生する問題なく、ポリビニルアルコールの架橋剤として使用できる。
より具体的には、前記チタンラクテートアンモニウムは、下記の化学式1で表される化合物であってよい。
Figure 0006154557
前記チタンラクテートアンモニウムは、ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部に対して、30〜150重量部程度、好ましくは35〜110重量部程度、より好ましくは45〜65重量部程度で含まれてよい。チタンラクテートアンモニウムが前記範囲を満足する場合、十分な耐水性を発現することができ、接着力および光学特性も維持することができる。
次に、前記ヒドロキシカルボン酸は、水溶液上でヒドロキシ基がチタンラクテートのカルボキシル基と結合をなして、ラクテート塩の鎖の長さが増加した構造を生成させることができる。増加した鎖構造は、ラクテート塩の疎水性を増加させて耐水性を向上させる構造を生成するように補助し、チタンラクテートアンモニウム塩の安定性を増加させる役割を果たす。
前記ヒドロキシカルボン酸は、分子内にヒドロキシ基とカルボキシ基を有する有機化合物であり、これに限定されるものではないが、化学式2で表される化合物であってよい。
Figure 0006154557
前記化学式2において、RおよびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基またはカルボキシ基で置換のC1−5のアルキル基、非置換のC1−5のアルキル基、水素、またはヒドロキシ基である。好ましくは、Rは、非置換のC1−5のアルキル基、ヒドロキシ基で置換のC1−5のアルキル基、水素、またはヒドロキシ基であり、Rは、水素であってよい。
より具体的には、前記ヒドロキシカルボン酸は、これに限定されるものではないが、乳酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸、グルコン酸などであってよく、なかでも特に、乳酸、グリコール酸、またはリンゴ酸などがより好ましい。一方、前記ヒドロキシカルボン酸は、単独または2種類以上を混合して使用することができる。
ヒドロキシカルボン酸の添加量は、ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、1〜13重量部程度、好ましくは3〜11重量部程度である。ヒドロキシカルボン酸の含有量が前記範囲を満足する場合、耐水性が向上する効果、およびチタンラクテートアンモニウムの安定性を増加させる効果を得ることができる。
最後に、本発明の接着剤は、水を含む。前記接着剤に用いられる水は、純水、超純水、水道水など特に制限されないが、形成される接着剤層の均一性、透明性を維持する観点では、純水または超純水が好ましい。この時、水の含有量は特に制限されるものではないが、ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、1000〜10000重量部を含むことが好ましく、1000〜5000重量部を含むことがより好ましい。水がポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、10000重量部超過の場合には、接着性が低下しやすい傾向があり、1000重量部未満の場合には、得られる偏光板の光学特性が低下しやすい傾向がある。
この時、本発明の偏光板用接着剤は、pHが3.5〜6.5であることを特徴とし、4〜6程度であることがより好ましい。偏光板用接着剤のpHが前記範囲を満足する場合、チタンラクテートとヒドロキシカルボン酸の結合が維持されながら、耐水性向上の効果を得ることができる。接着剤のpHが塩基性の場合、チタンラクテートアンモニウム塩が縮合反応によって不溶性のチタンオキサイドを形成し得て沈殿物が発生することがあり、ヒドロキシカルボン酸との結合が困難となり得る。しかし、接着剤のpHが前記のように酸性や中性の場合には、水溶液内でチタンラクテートアンモニウム塩が安定した形態を有することができ、チタンラクテートアンモニウムと添加されたヒドロキシカルボン酸の結合が維持可能になる。
この時、前記偏光板用接着剤のpHは、前記チタンラクテートアンモニウム塩およびヒドロキシカルボン酸の含有量を調節するか、またはその他の添加剤を添加することにより調節が可能である。これに限定されるものではないが、例えば、アンモニア水溶液(NHOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、および水酸化カリウム(KOH)などを追加添加剤として含むことができる。
一方、偏光板用接着剤の製造方法については、特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。例えば、所定量のポリビニルアルコール系樹脂を含む水溶液を得た後、チタンラクテートアンモニウム塩水溶液とヒドロキシカルボン酸をそれぞれ前記水溶液に添加する方法、またはチタンラクテートアンモニウム塩水溶液とヒドロキシカルボン酸を先に混合して架橋剤を得た後、ポリビニルアルコール系樹脂を含む水溶液に添加、撹拌する方法がすべて可能である。
一方、本発明の偏光板用接着剤において、前記チタンラクテートアンモニウム塩とヒドロキシカルボン酸との間の重量比が4:1〜25:1程度が好ましく、5:1〜20:1程度であることがより好ましい。
先に説明したように、ヒドロキシカルボン酸のヒドロキシ基は、チタンラクテートアンモニウム塩のカルボキシル基と結合をなして、ラクテート塩の鎖の長さが増加した構造を作り、接着剤の疎水性を増加させる。したがって、ヒドロキシカルボン酸の含有量が前記範囲より小さい場合、ヒドロキシカルボン酸とチタンラクテートアンモニウム塩が十分に結合することができず、前記範囲を超えると、チタンラクテートアンモニウム塩とポリビニルアルコール系樹脂との反応を阻害することができる。したがって、前記範囲を満足する場合、チタンラクテートアンモニウム塩とヒドロキシカルボン酸が結合して、耐水性の向上に寄与可能な構造を安定的に形成することができる。
前記接着剤は、必要に応じて、粘着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定化剤、シランカップリング剤などの添加剤を添加してもよい。当該添加剤を添加することによって、所望の性能を有する接着剤になり得る。
次に、本発明にかかる偏光板について説明する。
本発明の偏光板は、偏光子と、前記偏光子の一面または両面に付着する高分子フィルムと、前記偏光子と高分子フィルムとを付着させるための接着剤層とを含み、前記接着剤層は、ポリビニルアルコール系樹脂、チタンラクテートアンモニウム塩、ヒドロキシカルボン酸、および水を含み、pHが3.5〜6.5である偏光板用接着剤によって形成されることを特徴とする。
この時、前記偏光子は特に制限されず、当該技術分野でよく知られている偏光子、例えば、ヨウ素または二色性染料を含むポリビニルアルコール(PVA)からなるフィルムが使用できる。本明細書において、偏光子は、保護フィルムを含まない状態を意味し、偏光板は、保護フィルムまたは補償フィルムが付着した状態を意味する。
次に、前記高分子フィルムは、偏光子保護フィルムまたは偏光子の光特性を補償するための補償フィルムであり、当該技術分野で知られている高分子フィルムを使用することができる。
より具体的には、これに制限されるものではないが、前記高分子フィルムは、例えば、アクリル系フィルム、PETフィルム、アクリル系プライマー処理されたPETフィルム、ポリノルボルネン(PNB)系フィルム、COPフィルム、ポリカーボネートフィルム、およびNRT(富士フイルム)、N TAC(コニカ)、V TAC(富士フイルム)、UZ TAC(富士フイルム)などを含むTACフィルムからなるグループより選択された少なくとも1つであってよい。
特に、セルロースエステル、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレートフィルムなどのセルロース系フィルム、ポリカーボネート系フィルム(PCフィルム)、ポリスチレン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、およびポリスルホン系フィルムが透明性、機械的性質、光学的異方性がない点などから好ましい。トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)およびカーボネートフィルム(PCフィルム)が製膜性が容易で、加工性に優れているのでより好ましく、偏光特性または耐久性によってTACフィルムが最も好ましいのである。
前記高分子フィルムは、高分子フィルムが貼り付けられる偏光子に対する接着力および密着力を向上させるために表面改質処理できる。表面処理の具体例としては、これに限定するものではないが、コロナ処理、グロー(glow)放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理、プラズマ処理、超音波処理、および紫外線照射処理などがある。また、接着性を改善するために、保護フィルムにアンダーコート層を提供する方法も利用できる。
次に、前記接着剤層は、前記本発明の偏光板用接着剤によって形成される。偏光板用接着剤に関する具体的な内容は前記と同様であるので、具体的な説明は省略する。
一方、前記のような本発明の偏光板用接着剤によって形成される接着剤層の厚さは、0.03〜5μm程度、好ましくは0.03〜1μm程度であるのが良い。接着剤層の厚さが0.03μm未満の場合には、接着剤層の均一度および接着力が低下することがあり、接着剤層の厚さが5μmを超える場合には、費用上昇と偏光板の外観にシワが生じる問題が発生し得るからである。
一方、本発明にかかる偏光板は、当該技術分野で知られている偏光板の製造方法を用いて製造することができる。例えば、本発明にかかる偏光板は、偏光子または偏光子保護フィルムまたは補償フィルムの少なくとも一面に本発明の接着剤を塗布し、偏光子の一面または両面に高分子フィルムを積層した後、加熱処理を通じて接着剤を硬化させる方法で製造可能であり、ただしこれに限定されるものではない。この時、前記加熱処理条件は、所望する接着剤の物性に応じて適切に調節可能である。
本発明の一態様による接着剤を用いて偏光子と高分子フィルムとを貼り合わせて製造された偏光板は、前記接着剤によって、湿度が高い条件でも偏光子と高分子フィルムとの間の接着力および偏光板の光学物性が維持されるなど、優れた耐水性を有する。
具体的には、下記の実験例で説明するように、60℃の温度および100%の相対湿度で、24時間放置した時、全体面積に対する剥離された面積の割合が10%以下であり、好ましくは5%以下である。前記条件で剥離された面積の割合が10%を超える場合、偏光板の耐久性および光学物性の低下、および商品性に劣る問題が発生し、商用化に困難がある。
実施例による本発明の偏光子は、剥離面積の割合が10%以下であるので、耐水性に極めて優れていることが分かる。それだけでなく、本発明の偏光板用接着剤を用いた偏光板の場合、優れた光学物性を有する。
具体的には、前記本発明にかかる偏光板は、41%〜45%程度の単体透過度(Ts)と、99.90%以上の偏光度を有することが好ましく、より好ましくは42%〜44%程度の単体透過度と、99.95%以上の偏光度を有することが好ましい。
それだけでなく、本発明にかかる偏光板の適切な色相として、単体色相a値は−3〜−1、単体色相b値は3.0〜5.5、直交色相a値は0.1〜0.6、および直交色相b値は−1.5〜0.5であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
ここで使用される単体色相とは、1つの偏光板に自然光が照射される時に得られる色相をいい、直交色相とは、吸収軸が直角に互いに直交するように1つの偏光板上に他の偏光板が積層された2つの偏光板に自然光が照射される時に得られる色相をいう。
また、前記色相aおよび色相bは、CIE色表系において色相を表現する値を指すもので、より具体的には、前記色相a値はa=500[(X/Xn)1/3−(Y/Yn)1/3]で計算され、+aは赤色、−aは緑色を意味する。さらに、前記色相b値は、b=200[(Y/Yn)1/3−(Z/Zn)1/3]で計算され、+bは黄色、−bは青色を意味する。(ここで、Xn、Yn、Znは、基準となるホワイト色相のX、Y、Zに相当する。)
すなわち、単体色相a、b値は、単一の偏光子の色相を、色差計を用いて測定したCIE色表系における色相a、b値を意味し、直交色相a、b値は、一対の偏光子を吸収軸が直交する状態に配置した時の色相を、色差計を用いて測定したCIE色表系における色相a、b値を意味する。
前記色相(単体色相a、単体色相b、直交色相a、直交色相b)範囲を外れる場合、色再現性の実現に困難がある。また、色相値は、単体透過度および偏光度と相関関係を有するため、前記色相範囲は、顧客の所望するスペックに応じて選択的に量産可能な範囲を示す。
一方、前記のような本発明の偏光板は、液晶表示装置などのような画像表示装置に有用に適用可能である。前記画像表示装置は、例えば、液晶パネルと、この液晶パネルの両面にそれぞれ備えられた偏光板とを含む液晶表示装置であってよいし、この時、前記偏光板のうちの少なくとも1つが本発明にかかる偏光板であってよい。この時、前記液晶表示装置に含まれる液晶パネルの種類は特に限定されない。例えば、その種類に制限されず、TN(twisted nematic)型、STN(super twisted nematic)型、F(ferroelectic)型、またはPD(polymer dispersed)型のようなパッシブマトリクス方式のパネル;2端子型(two terminal)または3端子型(three terminal)のようなアクティブマトリクス方式のパネル;横電界型(IPS;In Plane Switching)パネルおよび垂直配向型(VA;Vertical Alignment)パネルなどの公知のパネルがすべて適用可能である。また、液晶表示装置を構成するその他の構成、例えば、上部および下部基板(ex.カラーフィルタ基板またはアレイ基板)などの種類も特に制限されず、この分野で公知の構成が制限なく採用可能である。
以下、実施例を通じて、本発明についてより詳細に説明する。下記の実施例は本発明の理解のためのものであり、これによって本発明を限定するものではない。
[製造例−接着剤の製造]
製造例1
純水にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(平均重合度1100、ケン化度99%)を80℃で溶かして、4重量%の水溶液(250g)を製造した。次に、下記の表1に示されているように、前記変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩46重量部(4.6g)および乳酸3.0重量部(0.3g)を添加して、架橋剤を製造した。以後、前記変性ポリビニルアルコール水溶液と前記製造した架橋剤を混合した後、純水を追加して、pHが4.4の接着剤を製造した。
製造例2
ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩38重量部(3.8g)および乳酸5.9重量部(0.59g)を添加して、架橋剤を製造したことを除いては、製造例1と同様の方法でpHが3.9の接着剤を製造した。
製造例3
ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩46重量部(4.6g)および乳酸7.0(0.7g)重量部を添加して、架橋剤を製造したことを除いては、製造例1と同様の方法でpHが4.0の接着剤を製造した。
製造例4
ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩61重量部(6.1g)および乳酸9.4重量部(0.94g)を添加して、架橋剤を製造したことを除いては、製造例1と同様の方法でpHが4.0の接着剤を製造した。
製造例5
ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩61重量部(6.1g)および乳酸11重量部(1.1g)を添加して、架橋剤を製造したことを除いては、製造例1と同様の方法でpHが3.8の接着剤を製造した。
製造例6
ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩107重量部(10.7g)および乳酸8.7重量部(0.87g)を添加して、架橋剤を製造したことを除いては、製造例1と同様の方法でpHが4.4の接着剤を製造した。
製造例7
ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩58重量部(5.8g)および乳酸8.8重量部(0.88g)を添加して、架橋剤を製造したことを除いては、製造例1と同様の方法でpHが3.9の接着剤を製造した。
製造例8
製造例7により製造された接着剤にアンモニア水溶液(NHOH、25%)を添加して、pHが5.0の接着剤を製造した。
製造例9
製造例7により製造された接着剤にアンモニア水溶液(NHOH、25%)を添加して、pHが6.0の接着剤を製造した。
製造例10
ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩38重量部(3.8g)およびグリコール酸5.9重量部(0.59g)を添加して、架橋剤を製造したことを除いては、製造例1と同様の方法でpHが3.8の接着剤を製造した。
製造例11
ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩38重量部(3.8g)およびリンゴ酸5.9重量部(0.59g)を添加して、架橋剤を製造したことを除いては、製造例1と同様の方法でpHが3.9の接着剤を製造した。
製造例12
ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、純水にチタンラクテートアンモニウム塩38重量部(3.8g)およびクエン酸5.9重量部(0.59g)を添加して、架橋剤を製造したことを除いては、製造例1と同様の方法でpHが4.0の接着剤を製造した。
製造例13
純水にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(平均重合度1100、ケン化度99%)を80℃で溶かして、4重量%の水溶液(250g)を製造した後、前記ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、チタンラクテートアンモニウム塩(50%水溶液)46重量部(9.2g)を添加して、pHが6.2の接着剤を製造した。
製造例14
純水にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(平均重合度1100、ケン化度99%)を80℃で溶かして、4重量%の水溶液(250g)を製造した後、前記ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、グリオキシル酸ナトリウム(10%水溶液)10重量部(10g)を添加して、pHが5.7の接着剤を製造した。
製造例15
純水にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(平均重合度1100、ケン化度99%)を80℃で溶かして、4重量%の水溶液(250g)を製造した後、前記ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、チタンイソプロポキシトリエタノールアミネート(titanium diisopropoxy bis(triethanolaminate)、8%水溶液)20重量部(25g)を添加して、pHが8.6の接着剤を製造した。
製造例16
純水にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(平均重合度1100、ケン化度99%)を80℃で溶かして、4重量%の水溶液(250g)を製造した後、前記ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部を基準として、テトライソプロピルチタネート(tetra isopropyl titanate)58重量部(5.8g)および乳酸8.8重量部(0.88g)を添加して、接着剤を製造した。
製造例17
製造例7により製造された接着剤にアンモニア水溶液(NHOH、25%)を添加して、pHが7.0の接着剤を製造した。
製造例18
製造例7で製造した接着剤に0.1M塩酸を添加して、pHが2.0の接着剤を製造した。
Figure 0006154557
[実施例1]
(1)偏光フィルム(偏光子)の製造
厚さ60μmのポリビニルアルコールフィルムを、ガイドロールを用いて動かしながら、ヨウ素とヨウ化カリウムの染色液に浸漬して染色した後、約3〜6倍延伸処理した。次に、前記フィルムをホウ酸とヨウ化カリウムの槽中に投入して架橋処理を施し、80℃で5〜8分間乾燥して、偏光フィルムを得た。
(2)偏光板の製造
前記(1)により製造されたポリビニルアルコール系偏光フィルムの両面に、保護フィルムとして厚さ60μmのケン化処理されたトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを、製造例1により製造された接着剤を用いて貼り付けてラミネートした後、80℃のオーブンで5分間乾燥して、偏光板を製造した。
[実施例2〜12]
接着剤として製造例2〜12により製造した接着剤を使用した点を除いては、実施例1と同様の方法で偏光板を製造した。
[比較例1〜6]
接着剤として製造例13〜18により製造した接着剤を使用した点を除いては、実施例1と同様の方法で偏光板を製造した。
[実験例]
(1)耐水性評価
前記実施例1〜12および比較例1〜6により製造された偏光板を50mm×80mmの大きさに切った。この時、偏光フィルムの延伸方向を長軸とし、それに直交する方向を短軸とした。塗布された粘着剤を介して偏光板をガラスに積層して試験片を製造した後、耐水性を評価した。
耐水性は、60℃の温度および100%の相対湿度(恒温槽使用)で、24時間放置した際の剥離の程度を測定して評価した。剥離の程度は、偏光板の端部から剥がれた量すなわち、偏光板の剥がれによって偏光子が脱色される領域の有無を確認した。剥離の程度が小さいほど、耐水性に優れたものである。実施例および比較例の偏光板に対する物性評価の結果を下記の表2に示した。
<評価基準>
◎(極めて優秀)−剥離面積<5%
○(優秀)−5%≦剥離面積<10%
△(不十分)−10%≦剥離面積<20%
×(劣悪)−20%≦剥離面積
(2)光学物性
前記実施例1〜12および比較例1〜6により製造された偏光板を40mm×40mmの大きさに切って、この試験片を測定ホルダに固定させた後、紫外可視光線分光計(V−7100、JASCO社製造)を用いて、単体透過度(Ts)、偏光度、色相(単体a、単体b、直交a、直交b)を測定し、その結果を表2に表示した。前記、単体透過度(Ts)と単体色相(a、b)は、偏光板一枚に対する測定値であり、直交色相(直交a、直交b)は、裁断された偏光板2枚を吸収軸が90゜となるように互いに直交させた後に測定して、表2に示した。
偏光度は、2枚の偏光板を吸収軸が平行な状態に配置した場合に得られる平行透過率(Tp)と、吸収軸が90゜となるように互いに直交させた後に得られる直交透過率(Tc)によって、下記の数式1で定義される。
<数1>
偏光度=[(Tp−Tc)/(Tp+Tc)]1/2
Figure 0006154557
前記表2に示しているように、本発明にかかる偏光板用接着剤は、比較例1〜3に比べて、水に対する耐水性の面ですべて優れた特性を示すことを確認することができた。チタンアルコキシドを用いた比較例4の場合、固体沈殿が生じて、接着剤として使用しにくかった。また、前記偏光板用接着剤のpHが3.5〜6.5を外れた場合、比較例5および6から確認できるように、耐水性に劣っていることが分かった。
また、下記の図1〜図4をみると、実施例により製造された偏光板は、耐水性評価後、剥離現象および偏光子内のヨウ素の脱色現象をほとんど確認することができなかった。これに対し、図5〜図6をみると、乳酸を使用しない場合、または従来使用していたグリオキシル酸ナトリウムを使用した場合、偏光板の大部分の領域でヨウ素の脱色現象を確認することができた。また、図7をみると、接着剤のpHが請求項1の数値範囲を外れた場合にも、剥離現象が起こることを確認することができた。
一方、前記表2に示しているように、本発明にかかる偏光板用接着剤はすべて、比較例1〜6と比較して、同等または優れた光学物性を示すことを確認することができた。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能であることは当技術分野における通常の知識を有する者にとっては自明である。

Claims (10)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂、
    チタンラクテートアンモニウム塩、
    ヒドロキシカルボン酸、および
    水を含み、
    pHが3.5〜6.5であり、
    金属化合物コロイドを含まないことを特徴とする、偏光板用接着剤。
  2. 前記ポリビニルアルコール系樹脂は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、陽イオン変性ポリビニルアルコール系樹脂、および陰イオン変性ポリビニルアルコール系樹脂からなる群より選択される1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光板用接着剤。
  3. 前記ヒドロキシカルボン酸は、下記の化学式2で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板用接着剤。
    Figure 0006154557
    (前記化学式2において、RおよびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基またはカルボキシ基で置換のC1−5のアルキル基、非置換のC1−5のアルキル基、水素またはヒドロキシ基である。)
  4. 前記ヒドロキシカルボン酸は、乳酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸、およびグルコン酸からなる群より選択される1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光板用接着剤。
  5. ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、
    チタンラクテートアンモニウム塩30〜150重量部;
    ヒドロキシカルボン酸1〜13重量部;および
    水1000〜10000重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光板用接着剤。
  6. 前記チタンラクテートアンモニウム塩とヒドロキシカルボン酸との間の重量比が4:1〜25:1であることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板用接着剤。
  7. 偏光子と、
    前記偏光子の一面または両面に付着する高分子フィルムと、
    前記偏光子と高分子フィルムとを付着させるための接着層とを含み、
    前記接着層は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板用接着剤によって形成されることを特徴とする、偏光板。
  8. 前記高分子フィルムは、セルロース系樹脂からなる保護フィルムであることを特徴とする、請求項7に記載の偏光板。
  9. 前記偏光板を、60℃の温度および100%の相対湿度で、24時間放置した時、全体面積に対する剥離された面積の割合が10%以下の範囲であることを特徴とする、請求項7に記載の偏光板。
  10. 請求項7に記載の偏光板を含むことを特徴とする、画像表示装置。
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